- 1二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:06:04
- 2二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:07:15
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- 3二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:07:17
という訳でお誕生日記念のSSです。
「「「キンイロリョテイ、G1初制覇おめでとう!!」」」「おめでとう!」「おめでとう!」
遠征を終えて久しぶりに教室に脚を踏み入れると、そんな声援が俺を待ち構えていた。
『おめでとう! リョテイ! 海外G1優勝したんだって!?』
『おめでとう! エーカーってどんなウマ娘だった!?』
『おめでとう! 凄いや……私なんてオープン戦しか勝ったことないのに……』
「……けっ、くだらねぇ」
普段の態度から手の平を返したように賞賛を浴びせてくる同期たちに踵を返して、リョテイは教室を出た。卒業間近で単位はもう足りている、今日教室に顔を出したのはただの気まぐれだ。
その後も廊下で誰かとすれ違うたびに、『おめでとう』『おめでとう』と声をかけられた。
何がG1優勝おめでとうだ、くだらねぇ。俺はそんなもんにこれっぽっちも興味ねぇよ。
優勝。それはリョテイから最も遠い言葉だった。50戦を超えるレースに出て、その内1着を取ったのはほんの数える程。その代わり、賞金はきっちり頂いて行く。批判や中傷はお構い無し。怪我せず無理せず何より本気になって悔しがるなんてみっともない真似はしない。それがリョテイの生き方だった。
にしても鬱陶しい。学園のやつら、普段は俺の事なんか軽蔑した目で見てくるくせに、こんな時だけヒーローみたいに扱いやがって。ま、それも卒業するまでだ。そうなればこいつらともう会うことも──
『おめでとう』
ああまただ、むかつくな。
そう思って睨みつけてやろうとして──
「G1優勝おめでとう、リョテイ! 凄いじゃない、あの最後の末脚」
「スズカ……!? なんだよお前まで」
声の主は、同期で1番の成功を収めたウマ娘・・・サイレンススズカだった。 - 4二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:08:38
「何って……香港ヴァーズ、優勝したんでしょう? 素直に褒めさせてくれても」
「あーあーあー。しらねぇよそんなの。あんなの事故だ事故」
プイと振り向いて、リョテイはまた廊下を歩き出した。
「事故って……貴女、自分の勝利を」
「別に、元から勝つつもりだった訳じゃねぇよ。ちょっと興が乗って足が滑っちまっただけだ。あーあー、本当なら2着で帰ってこれたのになーー!」
「リョテイ……!」
「なんだ、用意したケーキが無駄になっちまうってか? 俺はいらねぇよ、そんなの」
「……それに、お前だって本当はムカついてんだろ? 」
もう一度、リョテイが振り向いた。
「……今まで適当やってきた癖にって」
ああ、言いたいことは言ってやった。これで満足だ。もういい、もうたくさんだ。
振り返って走り出そうとしたリョテイの手は、しかしスズカに掴みとられた。
「スズカ……?」
「リョテイ」
いつになく真剣な目で、スズカがリョテイの目を見つめていた。
「貴女の過去のことは関係ないわ。私が祝いたいのはリョテイ、今日の貴女よ……!」
「今日の俺……?」
嫌な予感がして、スズカの言葉を遮ろうとしてもう遅かった。
「香港ヴァーズでの貴女の走りは、真剣そのものだった」
「おい、やめてくれよ」
「必死に、誰よりも強く勝とうとしていた」
「やめろって!」
「そして、貴女は時さえも止めてしまった」
「時……? ……はは、大袈裟だよ、だって俺は」
「貴女は、私に誰も見た事の無い景色を見せてくれた!!」 - 5二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:08:57
おめでとさん
親と一緒に競馬見てた頃はよく見るけど全然勝たない馬くらいにしか思ってなかったけど
離れてる間に何かエラい人気になっててビックリした - 6二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:09:18
サイレンススズカが叫ぶの見たのは初めてだった。俺は何も言えなくて、ただスズカの目を見返した。白いサポーターの巻かれた足に力がこもり、痛いほど強く掌を握られた。
「……私だけじゃないわ。貴女は、みんなに輝かしい世界を見せてくれた。私たちじゃ辿り着けない時間を、旅路を私たちに見せてくれた! ……貴女は本当に、美しかった」
言葉と共に力が抜けて解けそうになった指を、俺は無意識に握り返していた。
「だから」
もう、目線は逸らせない。目と目が、真っ直ぐに合う。俺と、俺じゃない誰か。俺と、俺を真っ直ぐに褒め称えてくれる者。
「今日は、貴女がみんなのヒーローなのよ。……優勝おめでとう、"キンイロリョテイ"」
言葉にならない声が喉を走って、顔がぐしゃぐしゃになるほど涙が溢れた。
咽び泣く俺の指を引っ張って、スズカが教室に連れて行ってくれる。
「スズカっ……お、俺……本当はっ……。俺だって…………G1……!」
「いいのよリョテイ、今日は着飾らなくて。ほら、教室でみんなが待っているわ」
ぐすっと涙を飲み込んで、俺はもう一度教室に足を踏み入れた。
おめでとう、ステイゴールド - 7二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:09:29
キンイロ組でおめでとうパーティやってそう
- 8二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:11:16
- 9二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:33:10
「お誕生日おめでとうございます、キンイロリョテイさん!」
「あ? ……なんだフクかよ」
「まぁまぁそう邪険にしないで下さい。リョテイさんにはプレゼントがあるんです! カシコミカシコミ……じゃーん! 『幸運を呼ぶにゃーさん Mk-3 ゴールデンアーマー』!!」
「おいそれお前の部屋に入りきらなかったやつ処分させる気だろ!!」
「失礼な!! これには霊験あらたかなとってもありがた〜〜い運気がこもっているんですよ! そう、あれは私が直に……」
「あ〜〜わかった! 受け取るからやめてくれ! 貰えばいいんだろ!」
「にへへ、きっとすぐに良いことがありますよ!」
そう笑ってフクキタルは自分の教室に走り去って行った。
「……相変わらずよくわかんねぇな、あいつは。にしてもコレは……一応、ネコなのか?」
安っぽく金色に塗られた猫?のぬいぐるみの顔を、リョテイは困惑した表情で押したり引っ張ったりしていた。
「……はっ、バカらし」
「金運だかなんだか知らないが、俺がネコなんて貰ってように見えるかよ」
「大体、ご利益なんてあるわけが……」
「………………」キョロキョロ
「……にへへ〜〜〜〜♡」ギュッ♡
「あら、リョテイ……?」
「ギャッ……!!? スッスズカ、なんでお前がここに」
「ワォ! キュートなネコさんデスね! リョテイさんのファミリーデスか?」
「なっ、違……」
「へぇ、意外と可愛い一面もあるのね、貴女……」
「あっ! 待て! 待ちやがれ! クソっフクキタルのやつ、覚えておけよ〜〜!!」
思いがけず始まった早春のレース。リョテイは逃げる2人に追いついて、プレゼントを手に入れることはできるのでしょうか。ともあれめでたしめでたし。 - 10二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:33:56
一応10レス保守
- 11二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:34:24
- 12二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:36:04
ウワーッ神絵師降臨……!!
スレ主は建てといてなんですがもう寝ます、後は皆さん好きにステゴの話やSSなど語って下さい! - 13二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:38:00
スズステ、フクステ好き
今回は一応スズステが形になってよかった……。
実はこっそり付き合ってるフクステも僕はありだと思います(誕生日スレでいうことか?) - 14二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 06:59:26
朝上げ?
- 15二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 18:23:20
age