- 1ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:22:35
- 2ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:23:27
【前スレ】
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界part3【のんびり進行】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 3ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:23:43
Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!
Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!
Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!
Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!
Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
A5:へへっ - 4ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:23:59
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)】
h ttps://x.gd/mv4zw
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
h ttps://x.gd/#google_vignette - 5ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:30:28
※(保守開始)
- 6ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 18:30:54
『残り21%』
- 7ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:31:13
※(ほしゅ)
- 8ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:32:46
※(ほっしゅ)
- 9ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:33:09
※(ほしゅしゅ)
- 10ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:33:32
※(保守 〜終わり〜)
- 11G-3コロニー攻略戦◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 19:56:20
【──────────都市中央部に空いた巨大な穴から溢れたインベイドが規律正しくBFを待ち構えていた】
【打ち捨てられた人々の骸。コア粒子貯蔵器を食い荒らされて解体されたBFの残骸。自動小銃だけで身の丈よりも巨大な怪物達に立ち向かった勇敢な兵士達の墓場の上に立ち、統率された群体は迎撃体勢を整える】
【空では最後の戦闘機が撃墜されて、成層圏に滞空する無数の重装甲級が雨のように粒子ビームを眼下の戦場に乱射し始めていた】
【“奈落”からは絶えず間欠泉の如くしてインベイドが這い上がっている。数万単位のインベイドが供給され続け、インベイドがセーフゾーンに固まったBFのキルゾーンを囲う様にして突撃兵級の亡骸を素材にバリケードを築き始めていた】
【そして“奈落”を超えた先。陥落した都市までの道の前で】
【騎兵級がファランクスを組んでいる。強固な前面装甲を繋げて突撃を敢行して、射撃兵級がその背後から飽和攻撃を行なって突撃を支援する─────合同部隊を退けようと、インベイドが動き出す】
【────────見渡す限りの視界がインベイドによって覆われている戦場で、高塔は主人たる人類の帰還を待ち望んでいた】 - 12二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 19:57:39
- 13エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 20:10:32
- 14二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:20:32
- 15ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 20:23:22
《敵前衛、騎兵級集団。背後に射撃兵級多数》
「いつも通り、かな?」
セオリー通りと言えるでしょう。と答えた独立型戦闘支援コンピュータ『スイ』に頷きながら、蒼風は滑らかな流線二脚を地面に着地させた。
『よぉ、蒼風!まだ生きてたか!!』
『まぁ、あの月風系に乗るパイロットの末路など決まっているとも。英雄的な引退か、穏やかな余生か、死だ』
「どうも!お二人も生き残っていてくれて何よりです!」
補給を終え、インベイド達と睨み合う合同部隊、砲台奪還を目指す前列へと合流した蒼風を歓迎したのは、先刻に人型インベイド四体をまるで苦もなく粉々にしたSHINSEIとスレイガンの二機連携。
コロニーから、そして奈落からのサンドイッチを生き残り、愚か者の突撃に付き合ってくれた大馬鹿二人だ。
K.I社と人自連という所属と機体以外、名前すらもケイは知らないが、この二人の連携は到底会って数時間でできる精度を超えていた。
二対一という想定をふと己の脳内で回してみたら、弾き出された結果はケイの敗北。
技量と機体という差をものともしない凄みが、この二人の中には存在しているとケイは思った。
『さ、地獄に飛び込むペンギンになる準備はOKかい?』
「一回ヤケで飛び込んだから、二回も三回も同じですよ」
『全くだ』 『違いねぇ!ガハハ!!』
ケイのそばには龍影がいて、その二人組もいる。 すると自然に他のBF達も集まり始める。
先刻で共に地獄を一直線に奔り、補給命令に涙を飲んで後退した者も、奔ったことがないものいた。
そろそろ膠着の紐も千切れていい頃だとケイは予測を立てる。
……さて、この予測は当たるか?
- 16エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 20:29:49
- 17二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:41:15
このレスは削除されています
- 18龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 20:43:00
- 19ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 20:49:19
『へ!! 俺達もアンタらと同じく補給行けってさっきまで蹴り出された組でさぁ』
『弾丸もコア粒子も問題ない。 足手まといにはならん。俺達も最後まで踊らせろ』
男らしい粗野な物言いをするSHINSEIパイロットに同意するスレイガン乗り。
どうやらこの二人組みもいま来たようだ。 雑談交じりに手持ちの武器で射撃兵級を狙撃している。
「はい。スイはフリクタル装甲機が出たら警告を」
《了解。情報支援を開始します》
右腕小指側に無反動滑空砲を接続している蒼風に、しかし近接戦準備はいらない。
左腕シールドに内装している高速速射砲も、両腕内側に装備されているビームサーベルもワンアクションで使用可能だ。
高速射撃戦闘をしながらでも、シームレスに近接戦を行う怪物……それが月風であり。
そのカスタム機たる蒼風にできない道理はない。
コア粒子推進機関は出力を上げて、蒼風の真下でギリギリと刃を唸らせている突撃兵級の上を通り過ぎ、爆発が彼らをひき肉に変える。
ちょうどいいやと滑空砲を叩き込んだのだ。 それも上下逆さまに。
- 20G-3コロニー攻略戦◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 20:58:37
【───────────空が蒼色に染まり出す。高度15,000mの空に浮かぶ237体の重装兵級が互いに距離を離しながらコア粒子を凝集させる】
【軌道上からの飽和爆撃。“統率個体”の透明な殺意を滲ませながら、星の代わりに外星体が眩く輝く】
【攻撃が実行され次第、“奈落”からのインベイドの氾濫を堰き止める前線は壊滅的被害を受けるだろう戦術】
【そして、もう一つ。立ち塞がる影がある】
『────────ギャァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!!』
【金切り声の如き咆哮を轟かせ、超音速すら超える速度で機動する大型のインベイド。フォルムは百足に近く、しかし機械めいた七十二の推進器官である関節を駆動させて突き進む姿はこの惑星には似つかわしくない異形】
【“奈落”の穴から飛び出した強襲型インベイドが、都市に聳える〈熱線砲“ソドム”〉を破壊するべく地を奔る】
【“統率個体”は、自身を排除し得る兵器を決して見逃しはしない─────それさえ破壊すれば、人類に地下数百mを移動する自身を攻撃する有効な手段はないからだ】
- 21ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 21:02:26
- 22龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 21:06:27
- 23ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 21:14:04
「あれは……!!」
《強襲型インベイド。都市攻撃、突撃に特化した型です。極めて高速。上空には重装兵級が237。空からの一斉ビーム砲撃で奈落からの防衛線を破砕する狙いかと》
せっかくだからで初めた上下逆さま射撃状態のまま、ケイはその姿を認めた。
特に強襲級は、全体戦況を確認するための広範囲レーダー上でも拡大して――――なお動きが見えるほど速い。
《独立型戦闘支援コンピュータ SUIより作戦参加全機に通達。奈落防衛線参加機には重装兵級237体、及び強襲型インベイドの撃破、または足止めを要請》
《こちらは、〈熱線砲“ソドム”〉を奪還します》
にわかに動揺し始める〈熱線砲“ソドム”〉奪還作戦参加機全機に。そしてついでだからと、奈落防衛線側にも全体通信を繋いだスイの電子音声が鳴り響く。
「全機に言うぞ!! こっちのは先に砲台についたやつが大陸一のBF乗りだ!! 生き残って他の奴らを悔しがらせろ!!」
上下逆さまから、前転でもするかのように元の姿勢に戻った蒼風が、一気に加速した。
「!!!」
反対に、蒼風は壁面に沿うように上昇しながら無反動滑空砲を撃ちまくる。
連射、連射、連射、連射――――普通に考えればやりすぎで機体の制御が狂い、クラッシュを起こしかねない回数の砲撃が、砲撃と思えないほどの速度で、壁面に張り付くインベイドたちを爆発ごとに数体は巻き込んでいく。
その死体たちを左右、時に高度を変えながら蒼風が疾駆する。
『行ったぞ!!』
『飛行可能なカスタムをした奴らはあの2機に続け!!』
『取り付くのがはええってあの2機はよ!!』
他のBFパイロットたちも負けじとその速度と火線を増し、地上のものは騎兵級を蹴散らしながらインベイドの波を遡る。
空中を飛べるものは蒼風とチャオレンを追いかけ始めた。
- 24ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 21:16:01
- 25ミハエル◆Ja4KRR/zQ225/04/04(金) 21:19:19
- 26エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 21:20:08
《それでは、どちらも最高品質のものを用意しよう》
【掛け声に合わせて、いつでも退避できるようにブラスターの熱を高めながら、脅威を感じて攻勢を強めたインベイドを牽制する】
【飛びかかる突撃兵級をいなして後方の射撃兵級にぶつけ、こちらを狙う重装兵級の射出口を狙撃し、突っ込んでくる騎兵級の横に回って斬り払う】
【それらを繰り返しつつ、チャージが終わった端からビーム砲でインベイドの群れを尽く蒸発させていると、聞き馴染みのある大絶叫が耳に届いた】
「おいでなすったな、大百足め」
【次から次へと湧いて出る強敵にうんざりするが、息をついている暇は無い。残りの残党を出力を上げたビーム砲で薙ぎ払って、気合いを入れるようにライフルを構え直した】
《いよいよ退避かな。帰りの護衛は必要かい?》
- 27ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 21:23:22
- 28エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 21:34:25
- 29ミハエル◆Ja4KRR/zQ225/04/04(金) 21:38:45
- 30オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 21:40:06
「オルフェリアより合同作戦参加機に報告する。奴の尻尾を掴んだ」
【──────────プラズマ砲が進路上の岩盤を蒸発させて、翼脚が空いた孔を地下回廊へと拡張しながら巨体を前へと推し進める。既に地上の縦穴から約35kmは移動している】
【狭い地下空間では反転してのプラズマ砲の攻撃も行えない。故に“ゴモラ”はオルフェリアに攻撃せずに要衝への地下回廊開通を目指し、オルフェリアもまた武装が通用しないのを理解しているから機体を反転させる】
【敵の大群を突破する攻撃側が、今度は迫る津波の如き物量を相手に耐え凌ぐ防衛側になる。地上部隊が〈熱線砲“ソドム”〉を奪還するまでビーコン役として生存しなければならない】
【暗く狭い地下空間で終わりの見えない戦いを繰り広げる、というのは常人ならば発狂物だろうが────────鋼鉄の天使にとっては普段と同じように、任務達成に必要な行動を遂行するのみだ】
「いつ“ソドム”奪還してくれても構わない。何時間だって耐えてみせよう」
【規格外大型実体剣を振り回して、修羅は笑った】 - 31ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 21:42:34
ターゲット、ロック!
『5...4...3...2...1...』 - 32ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 21:44:21
- 33ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 21:50:51
- 34ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 22:09:47
《気軽に言ってくれる》
【何時間でも、という彼女にため息をつくウルヴィだが、その動きに衰えはない。脳の中にウニでも飼ってるような頭痛が響き、眼球は沸騰したように痛むが、思考と視界はクリアだ】
《エネルギー、50%》
【OSと直結した脳が、COMが通知するはずの情報を口から吐き出させる。虐殺級に近付く過程では追いかける都合、どれだけ抑えてもスラスターを吹かす必要があった】
【されどここからは純粋な持久戦。相手は大量とはいえ、居ても騎兵級までの烏合の衆。『エルガレイオン』によってスラスターに極力依存せず、重心による姿勢制御を心がければ、半分になったエネルギーもまだまだ持たせられるだろう】
- 35龍影25/04/04(金) 22:17:24
- 36ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 22:41:56
- 37ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 23:11:14
- 38ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 23:18:22
......ピュゥー
【反動に耐えていた顎の筋肉がここでようやく弛緩する】
なんつう恐ろしい威力だこって......
俺は俺だから我慢できたけど、俺以外だったら我慢できなかったぞ......
『機体の自己スキャン......完了 どうやらアンカーと四肢の関節が破損 1度応急処置をベースキャンプで受けた方が宜しいかと』
......了解
ってな訳だからエイダン、ちょっと情けないが護衛を頼むぜ - 39エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 23:30:19
- 40ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/04(金) 23:32:29
こ…高額の依頼金と飯とパーツに目が眩んだのがそもそもの間違いだったかもしれないにゃ…
【外套に包まれた改造BFアメミットを駆る褐色の少女は、軽い気持ちで作戦に参加した事をちょっぴり後悔していた。しかし今は高額依頼を一発ドカンとこなさなければならない程に自社の懐は心許なく、他の手軽に稼げる手段と言えば────】
危ない日だからちょっと敬遠してたけど大人しくソッチで稼いどきゃ良かったにゃあ…ああもう!早く終われ終われ終われ!!!ミャーに金を貰わせろー!!!
【…焦燥した口ぶりとは裏腹に、機体の動きそのものは機敏かつ優美さを感じさせるものであった。ローラーを備えた四肢を活用し、異様な低姿勢を取ったBFは雑兵インベイド達をすり抜けるように駆け抜け、すれ違いざまに何かに寸断されたかのようにそれらは切り刻まれていく】 - 41奈落迎撃戦◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 23:41:01
【──────────────ジジジジジジジジッッッッッ!!!!!!と連続して空気を裂く怪音が鳴り響いた】
【奈落の底から新たなインベイドが顔を覗かせていた。だが新型ではない。寧ろ旧型である。侵攻初期に猛威を振るった個体群だ】
【単眼の巨人とヘリコプターが融合した姿、とでも言えば良いだろうか?約13mの巨体はこの世の如何なる生物とも異なる姿である】
【背中には四又の羽根が生えており、顎の代わりに巨大なビーム射出孔が頭部の中心に備わっている】
【上半身の四つの腕には複数の銃身が複合した機関銃の如き器官が発達しており、下半身には本来在るべき脚の代わりにビーム射出孔を備えた四つの尾が自由自在に動き回る】
『───────────イゲェアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!』
【複数且つ角度を自由に切り替えるビーム射出孔によって対空ミサイルと弾幕を迎撃し尽くし、四つ腕に備えた速射銃身によって弾幕を低空から一方的に叩き込む】
【その構造の複雑さ故により構造が簡素な重装兵級によって取って替わられた骨董品だが、しかし単純戦闘能力では今でも通用する──────三十歳を超える元インベイド難民ならば見覚えがあるかもしれない、過去の悪夢。侵攻した都市の民間人を虐殺し尽くした有機的攻撃ヘリ】
『アアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!』
【その一機だけでも数々の都市撃滅戦に投入され、数十万の民間人を殺戮し数百万の難民を生み出したインベイドの名を──────対地級、と言う】 - 42ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 23:47:10
「――――全機、いますぐに壁を登れ!!」
はっとこの世のものかと疑う火力から正気づいて、ケイは全奪還作戦参加BFたちに檄を飛ばした。
今しかない!! 強襲型インベイドがインベイドが撃破されたにしても、されていなかったにしても!
俺達が今ソドムを奪還しなければ勝機そのものがない!!
《警告、大型インベイド反応……照合、対地級です》
「!!!」
その電子音で、ケイの感じた動揺は少なかった。 虐殺級のように呆気にとられるでもなく。
強襲型インベイドのように焦るでもなく。
強いて言えば――――またお前か。というような。
なぜならば。
「出やがったな……ッ!!」
地下暮らしの間、BF戦闘シミュレーターで腐る程対峙した大型インベイドの一種なのだから。
- 43ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 23:52:01
- 44ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/04(金) 23:58:11
二゛ゃ゛ぁぁぁあ゛ぁぁぁ゛ーー!!!!!!
【悲痛な叫びがコックピットブロックを木霊する。まだか。天はこのハニヤ・アル=アサドにまだ試練を与え給うのか。】
次から次へと…こっちはこんな所にわざわざ野垂れ死に来たんじゃねぇにゃ…!
あのBF…動きに動揺が少ないにゃ
アレに任せときゃミャーの負担は少なく済む…しかし単騎で突破できる類かぁ…?
【数秒の思考の後、】
………ちょっとふっかけてみるかにゃ
【通信回線にて蒼風とコンタクトを取る事にした】
《ヘイお兄さん、全機に壁登らせるって1人でそいつを請け負う気かにゃ?自信があるならミャーも大人しく壁登らしてもらうけど…一機増やした方が勝率は上がるんじゃないかにゃ?分け前くれるってんなら後者を考えてやらなくもないにゃー》
- 45奈落迎撃戦◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 23:58:32
【先ず、高度15,000mの空に浮かぶ237体の重装兵級が一斉に蒸発した─────地表を殲滅し尽くす筈の爆撃は、寸前でより巨大なエネルギーによって阻まれた】
【それだけの結果を成し遂げながら尚も続く光線が奈落の底から湧き上がるインベイドの群れを一時的に抑え込み、強襲級を捕捉するべく薙ぎ払われる】
【咄嗟に上空へと退避した強襲級であっても、熱の余波で大関節が一部機能停止に陥る程の火力。恒常的な超音速機動を実現する機構に綻びが生じ、復旧まで〈熱線砲“ソドム”〉の機能破壊が行えない状態となって───────奪還部隊を睥睨する。機能復旧まで待機していては先を越されると判断して、ならばと奪還部隊への攻撃を決定した】
- 46エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 00:06:41
- 47オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 00:09:19
- 48ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 00:09:42
「? あの傭兵からか!」 《通信を繋ぎます》
通信コールが鳴り響き、ケイは即座に回線を開く。
「こちら、cv-k7改『蒼風』のパイロット、ケイ・サヤギリです。え?一人でやるのかって?」
ケイの名前を聞くより先に、あれ一人でやれるの? と聞かれれば。
「うーーん……まぁ……時間を掛けてもいいなら?」
首をひねるくらいは許されるだろう。その後の発言はナチュラルに強者のものだったが。
「正直に言えば……あれはBFシミュレーターを真面目に受けていれば、何度でもぶつかる類ですからね」
一手ミスれば死ぬが、正直に言えばあの手の敵は空を飛べる蒼風ならば……やりようはいくらでも。というのがケイの結論だった
「一緒にやるって言っても、あれは奈落から出てきたやつですしね。ここからは遠い」
「……ふっかけるなら、あの人にやるべきですよ」
と言って。 蒼風の右手を動かし、女性傭兵にもわかるように指差して視線を誘導する。(>>46の光景)
エイダン・リーのSyringe's が、青い光を放ちながら既に向かっていた。
- 49ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/05(土) 00:10:33
ありがとうよ
お礼のローストビーフについてだが、前にいた部隊でも素ん晴らしく好評だったから楽しみにしといてくれ
『オーライ! オーライ!』
『だいぶ派手にやりましたね〜』『これだけやってもまだ外は終わってないんだろ?』
『うっは〜きつそ〜』
『(白目を剥いて泡を吹きかける男)』
よっしゃー! 外ではまだ戦闘が行われているからな! 手っ取り早く応急処置だけ済ませて再度出撃するぞ!
- 50ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/05(土) 00:24:00
- 51ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 00:27:38
《バカ!あれ(>>46)K.Iの見るからに地位高いやつじゃにゃい!?そんなのに交渉なんて死ぬぞ!ミャーの胃が!》
【それにK.Iには今駆ってる機体周りで色々嗅ぎ回られたくない諸々がある。外装と外套で外見は極限まで誤魔化してるが技術職なら動作で見抜くなどの人間離れした観察眼を持っていそうであり、問題外だった】
《…あーそりゃそうだ、こんな人外魔境に自ら足を踏み入れる傭兵なんてそりゃあ自信あって然るべき、変な事言い出して申し訳なかったにゃ》
《あ、でも軽率にBFシミュレーター云々はあんまり口にしない方がいいにゃよ、そんな高級品誰も彼も使えると思ったら大間違いにゃ、特にデスペラード連中はね》
《ま、どさくさに紛れてタカろうとした奴が聞けた口じゃあないにゃね!にゃーっはっはっは!!!》
- 52ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 00:32:57
《ケイ、その傭兵との歓談を行うのは結構ですが、もう一つ事態が発生しています》
蒼風の独立型戦闘支援コンピュータ、スイが割り込んだ。
《強襲型インベイドは生存しています》
「は!?! どこにいる!!!」
流石にあれを喰らえば死ぬだろ!! とケイは言いたかったが、その次の言葉で唖然とするハメになる。
《上空、我々突入部隊の真上です》
言われて見上げる……スイが気を利かせて、望遠映像で。強襲型インベイドを見せてくれた。
空を、飛んでいた。というより跳ねたのだろう。
《あの軌道なら。落下軌道に地上のBF達が巻き込まれます》
「――――地上機は今すぐ退避するか壁を登れ!! 強襲型インベイドが落ちてくるぞォ!!!」
蒼風は左手に龍影のチャオレンを掴んだまま。上昇しながら壁にへばりついているインベイドたちに高速速射砲を浴びせる。
「あのムカデ野郎頭おかしいんじゃねぇか!?!」
対インベイド戦争初期の頃からインフレしすぎだ!と叫んだ。
エイダン・リーが対地級を相手するなら、自分が強襲型インベイドを抑えなくては!!
- 53ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 00:51:03
「……そこの!!! 俺が左手に掴んでるロ、げふんっ。BFを安全位置に下ろしたら一緒に強襲型インベイドをぶっ叩くぞ!!!」
どさくさ紛れにたかる、という言葉にじゃあ巻き込んでやろう。と思い立ったのだ。
(ああ、なんかムカついてきた。ストラクチャー級兵装をぶち込まれてなお生きてるとか何なんだ。恥を知れ!)
(というかエイダンさんが強襲型インベイドをやってくれよ! 俺はそっちのほうが得意なのに!!)
(っていうか。俺は良くてエイダンさん相手の交渉が嫌? 何だそりゃ)
(俺が舐められてるってことでいいんだな!?!)
ぶち、となにかの糸が切れた。 BF乗りとしての維持だった。
「エイダン・リーに交渉が嫌なら、俺と組んであのクソ化け物ムカデをぶっ叩け!!」
「得意な戦法と距離!! 武器を教えろ!!」
「ちなみに!! 俺に金はないし18のガキです!! 報酬はエースとしての名誉だけだがよろしいか!!」
「アンタがやらねぇなら全員あいつにぶっ殺される!! 俺はそれが嫌だから一人でもあいつを殺る!」
「納得できたならついてきやがれ!!」
諸々の怒りが爆発して、乱れまくった口調がデスペラードの女性に突き刺さるだろう。
有無を聞く前にケイは蒼風を降下させて、龍影のチャオレンを降ろしに向かった。 強襲型が落ちても問題ない位置に退避させて。
その後は……彼女の、龍影の意思を聞こう。
アメミット、という識別名の機体の女は覚えた!! 見返してやる!!
- 54ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 00:56:49
「採掘場にいたムカデ野郎か、また会うとはな」
【上空から落下しようとする強襲級をカメラで捉えると、安全な位置へ機体を走らせる】
「粒子残量は……50%!まだやれるな」
【バック走行に切り替え、強襲級をロックオンしつつ脚部の追加タンクからケーブルを取り出すとカービンへ繋げ粒子をチャージする】
- 55ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 01:12:51
《ミャーに当たんな当たんな、そんなガキみたいにキレ散らかしても現実は変わらないしミャーもとっくに把握済みにゃ、死にたくないから連携はしてやるけどミャーは名誉とか一銭にならないモンに興味無いにゃ》
【通信相手の突然の感情爆発に、先程の独り言による発狂が嘘のように冷静な口ぶりで】
《アメミットは陸戦特化。得意なのは高機動の撹乱。地面走るだけだからって舐めてもらっちゃ困るにゃ?あんなムカデ寝ながらでも撒けるにゃ、速度を合わせてビームマシンガンでチクチクすれば流石の強襲級とて混乱必至にゃ…たぶん》
【ざっくりと機体説明をする…が、自機の全容すべては明かさない。本来は近接戦によるインファイトを最も得意とするアメミットだが強襲級に対しその戦法はリスクが高すぎるし、無闇に切り札を晒せば後々不利になる事もあるかもしれない】
【────そう、ハニヤは「先」を考えている。この戦いを乗り切り互いに生き残る事は当然だと。】
《メイン火力はそっちに丸投げするにゃーと、それじゃ最初の時間稼ぎ…》
【ローラーダッシュで強襲級の落下地点から素早く逃れると、相手の着地の頃合いで反転。四肢を地に着けた低姿勢で距離を維持しつつ友軍だったBFから拝借したビームサブマシンガンの照準を定める】
やったりますかにゃ!!!
- 56ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/05(土) 01:53:19
《了解》
【流石にこの場で余裕があるわけではない。素直にいつでも退避可能な余力を残すつもりだ】
《そっちも一応、死なないように》
【付け加えた一言は、オルフェリアを案じるものだった。淡白な声の真意は不明、なんなら特に意味は無いのかもしれない】
《自殺志願者が増えて感動だよ。…いや、助かる》
【まさかの増援に驚きながら、補給があると聞いて二重に驚きつつ、感謝を伝える】
《エネルギー50%》
【再度の半分の通知。しかし今度は回復を示すそれを認識しながら、BESTIAは先程までの極度の省エネから、効果的にブーストを交えた形の戦闘スタイルを取り戻す】
【途端にエルガレイオンを通したウルヴィへのフィードバックも激化する。処理する情報の量が、密度が増えたのだから当然だ。脳が軋む、肺に空気が送られていないような窒息感。リミッターがかけられていてコレだ、それでも今は保つしかない。休息は終わってから以外に無いのだから】
- 57龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 06:04:36
- 58龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 06:12:11
- 59ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 08:06:53
ぎし、ぎしと蒼風の腕関節が僅かに悲鳴を上げているのを察して
強襲型インベイドの落下時に安全圏となる場所にチャオレンを降ろす。
「龍影」
少しだけ低い声で、降下中に落ち着いたのか。怒鳴り声はない状態でケイは龍影に。
「俺はあのクソ強襲型インベイドをぶっ潰してくる。腕が良さそうな傭兵の協力ももらった」
いや違う。まだブチギレてるこいつ。 ただ、その怒りを礎に沈めて。
当たり散らすのをやめただけだ。
「一緒に来ても良いし、逃げても良い。失望なんかしない」
その声は優しくて。
「でも、俺はあいつと相性がいいからさ!」
蒼風を浮かせて、飛ぶ。 強襲型インベイドの落下地点へと。
「来たぞ!!」
少しばかり遅れて、空中を飛びながら蒼白の細身な人型二脚BFがやってくる。
強襲型インベイドに対して遠間を少し保ち。
……まだ生きているのが不思議なこのくそったれインベイドに無反動滑空砲を五発、空中で飛びながら速射した。
「ぐ、っ!!!」
蒼風に、オートで射撃の反動を抑え込むという便利なシステムはない。
だから、その速射の勢いで僅かにブレる機体姿勢は強引に、自分でブースターをマニュアル操作で修正した。
(左ハンガーとガトリングを乗せて撃ってたら、姿勢制御が間に合ってなかったな!!)
- 60龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 08:20:03
- 61龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 08:28:18
- 62ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 08:38:03
- 63龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 08:47:34
- 64ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 09:03:13
《残弾が70%以上で戦場に投棄されている武器を表示します》
スイが情報支援を行う。蒼風とチャオレン、アメミットの周辺戦場に存在する武器の中でも、残弾が多いものがレーダーに強調表示された。
《ペースは通常時より下げましょう。味方は他にもいます……リスクを避け、長く戦うことが肝要です》
ケイは無言で左腕側のビームサーベルを一時展開し、接近している突撃兵級集団を斬り払う。
その慣性に身を任せながら、高速速射砲を射撃レートを最低値に下げる操作を行う。
照準、射撃、攻撃速度の選択、機体制御……およそ全てをマニュアルで捌きながらもケイの操縦には淀みがない。
その黒青が混じった瞳は、敵と味方の動きを予測し続けている。
- 65龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 09:10:36
- 66ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/05(土) 09:19:35
『オレは志願してませんよ、帰る為に来ましたので!』
【横から飛び出してきた騎士級の胸部を掴み上げ、周囲のインベイドごと叩き付けながらバルカンを接射。飛散液に機体色を染め替えながら明るく返答する】
『一度群れを切り崩します。その隙に少しでも休息を!』
【脚部のホイールが接地。下げた左腕に右腕を寄せ、前傾姿勢で立ち止まる】
「点で見るな、線で断て……」
「”抜刀”」
【急速な回転による赤化レゴリスを散らしアリオールが躍り出る。瞬間、左腕から紫電が引き抜かれ、残光を伴うシルエットが周囲をぐるりと吹き抜ける】
【固定用アイゼンが鉤痕を大きく伸ばし、アリオールが停止する。左腕の光は消え、代わりに開いた装甲から蒸気が噴き出す。同時に前面のインベイドが線繋ぎに断ち切られた】
- 67ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 09:21:02
《別にいいけど指揮系統は統一して貰いたいにゃー》
【口では不満を漏らしながらも、動きそのものは追加注文を寸分の狂いなく実行し、外套のBFは小型インベイドに狙いを定めて走行パターンが変わる】
にしてもやけに当たりがつえーにゃ。さてはあの2機デキてんのかなにゃ…
【通信回線を一度切って独りごちる。その手合いと仕事をするのは何も珍しい事では無いが、こちらの意図せぬ形とはいえ男に粉かけられた乙女の反応として、龍影のそれはハニヤの目に露骨なまで分かりやすいそれであった】
《もうやってるにゃ!!!》
【回線を復活させる。その情報支援が行われる前から、アメミットは既に行動に移していた。ビームサブマシンガンとは別の実弾式のアサルトライフルを拾い小型機を撃ち抜き、弾が切れればまた別機の…それを繰り返し、小型を翻弄、撃破していく】
【最適な指示を出してくれるのは僚機として有難いが、それらを鵜呑みにする指示待ち人間ではそれこそ地面に転がる彼らの仲間入りしてしまうというものだろう。それに人死にの多い戦場はBFが次々と物言わぬ補給物資と化してくれるのが煩わしくなく有難い。これら全てを回収してくすねるような余裕が無い事だけがデスペラードとして残念な限りだが】
- 68ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 09:26:18
「損傷しているのか……!」
どうやら完全に無傷ではなかったらしいとケイは安堵する。 つまり狙うならば露出している間接や装甲部分。
極めて高速な強襲型インベイドに偏差で狙いを定めるには、無反動滑空砲を手足にするがごとく扱い慣れたケイでも時間がかかる。
ムカデの牙のようなそれが、首をもたげて蒼風に向いた。
「やば」
悪寒、蒼風を右へ吹っ飛ばすよう推力操作。同時に右旋回をかけながらウイングバインダーを稼働し機体をロール。
衝撃波が、ケイの手から蒼風の制御を振り切った。
「なんだあの転回速度!!」
すぐさま制御を取り戻し、レーダーで強襲型の位置を把握しつつチャオレンの隣に着地する。
予測できていたから良かったが、連続回避には神経をすり減らす危険度!
自分たちの気を逸らそうと試みているのだろう小型インベイドたちに、片手間で高速速射砲の雨を浴びせて安全地帯を作る。
『あの蒼風ってやつ、強襲型の突進を正面でかわしやがったぞ!!』
『どう考えても衝撃波で姿勢崩してクラッシュだろあれ……なんで月風のゴミ操縦系で立て直してんだ……!?』
周りのBF達の雑音をケイは無視する。
サンドイッチ突破作戦、とケイが心の中で名付けた地獄行を共にくぐり抜けた一部の戦友だけが、(あいつならそりゃ無事だわ)と自分の成すべきを成していた。
- 69龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 09:33:37
- 70エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 09:40:22
【地上にて肉肉しい激戦が繰り広げられている中、空中では醜怪な巨人と洗練された白銀のBFが相対していた】
──ジジジジジッッッッッ!!!!!!
「やかましいなぁ。シミュレーターでも思ったけど、もう少し抑えられたりしないの?」
【蟲の羽音を幾重にも合わせたような怪音とともにばら撒かれるレーザーと鉛玉の弾幕を危う気ない動きで回避し、時には掌部のビーム砲で迎撃。その間にも接近を続け、下半身に潜り込む】
「先ずは、これから」
《FIRE》
【蛸足の如くグネグネと動き回る尾の隙間を縫って、熱線を吐き出したばかりの射出口へ、圧縮したビーム弾を次々と叩き込んでいく】
【そして爆発が起こり、少し前まで我が物顔ではしゃいでいた四本の尾は、ゴムが焼けたような不快な悪臭を纏わせながら奈落へと落下していった】 - 71ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 10:02:02
《味方が無事と分かるからこそ、全力で戦えるのです》
《ケイは貴方という存在を一生代替不能な個人として認識しています》
『スイ』は龍影に補足した。
大事と判断したことに気を配る、味方の状況や戦況を気に掛けるのは、ケイがシミュレーター訓練に明け暮れた頃から常にやっていたこと。
眼の前の敵に集中しながら別の状況を把握し、敵を倒すこと以外でも状況全体を……そして眼の前の敵すらコントロールする。
《ケイは。今この瞬間こそが常に、一番強いのです》
スイの電子音は、尊崇の色すら帯びている。
それを他所に蒼風は二体の強襲型の突撃を上空に引き付け、味方への被害を減らし。
「くそ、ミスった!!」
衝撃波の中でも機体制御を行うコツを掴みかけたが失敗。
上空で浮いている強襲型へ放った有針徹甲弾は関節部を守る装甲に突き刺さり爆発。内部構造を露出させるだけに留まる。
- 72ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 10:02:06
《そちらさんと組んでミャーの懐が温まるなら考えてやらなくもないにゃ。それかもう直接金寄越すか》
【この異常な戦場でもハニヤはブレない。一に金、二に金、三、四がなくて五に金こそがハニヤ・アル=アサドという傭兵であり、これ以上になくわかりやすい指針であった】
《…っと、小狡い、に゛ゃ!!》
【そんな会話を挟む中、後方から接近してくる強襲級の反応をレーダーで拾う】
【瞬間、ブースターを吹かした訳でも、四肢を動かした訳でもなくアメミットが何かを地面に叩きつけたかのように大きく反動で跳ねる。そうして強襲級の背面に取り付いた本機は高速で動き振り落とそうとする百足もなんのその。何かで強烈に固定したように背面からビクともせずそのまま頭部に向かってローラーを走らせる】
【その軌跡の後にはの光学兵器で溶断された複数の痕が強襲級の柔肌に刻まれるだろう】
- 73ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/05(土) 10:11:34
《なら帰りは、エスコートしてもらいたい》
【紫電の一閃によって生まれた間。波が一時的に堰き止められた間に、銃器の装填を済ませる。ブレードが性に合うのは事実だが、弾丸を軽視する理由にはならない】
【大きく息を吐いて、呼吸を整える。一時にも満たない休息とて、息継ぎには十分以上だ】
《こんなに食べたら、胃もたれしそうだし》
【洪水、濁流、そんな言葉も生ぬるいインベイドの波が迫る。射撃兵級の射線から機体を逃しつつ、突撃してくる騎兵級へ向けて横、前の順で瞬間的にブースト。交差するように背面を取って、振り向くように反転しながら右手のブレードで斬り裂くと共に、左手のアサルトライフルで射撃兵級を沈黙させる。背中を狙う突撃兵級を踵で蹴り上げつつ、脚部に備えた追加スラスターからのブーストで跳躍、上下逆さの機体はブレードを手放し、右手をショットガンに変えて宙を舞う突撃兵級を撃ち抜く。反動をしっかりと空中で殺しながら、着地するまでにショットガンをハンガーに戻してブレードを回収し、飛び掛かる突撃兵級へ斬撃を浴びせる】
【生物的に滑らかな、生物ではあり得ない機械の挙動。まさしく鋼鉄の獣と言える人機一体を目指した旧世代型の業は、見るもの次第では気持ち悪さを感じさせたかもしれない】
- 74ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/05(土) 10:35:35
『その時はオレの背にどうぞ。こんな道だけど安全運転で送りますよ!』
(凄い機動性に運動性……いや、操縦方式か?オートの類に思えないけど…)
【一切の途切れを見せないその動きに尋常ではない物を覚える。気持ち悪さというよりも違和感。だが】
(……流石だなぁ!!)
【この一歩踏み間違えれば即地獄に置いて、その違和感は信頼へと変わる。最新だろうが旧だろうと、ランセルの目には頼もしさとしてその光景は映り込んだ】
「負けてらんないな!」
【自分ができる援護を。邪魔をしないよう適度に距離を保ち、ウルヴィが相手取る方角とは真逆の相手に対応する】
- 75ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 10:39:32
【強襲級を中心に円を描く機動で機体を走らせ、カービンのバーストによる行進間射撃を行う、狙いは関節部、少しでもダメージの通りやすい部位を狙って撃ちまくる】
「少しは効くと良いが……ってまたかよ!」
【前方に数体の突撃級、その後方には射撃兵級が集まろうとしている、先程から何度も群がってくる組み合わせだ】
「面倒だなクソッタレ……」
【接近してきた突撃級をカービンの単射で仕留め、道中の死骸を盾に後方の射撃兵級に迫るとシールドを振り回して敵を切り裂いていく】
- 76オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 10:44:01
「────私は射撃兵装を装備していない。弾薬類については貴殿らの間で消費してくれ」
【影が奔る。後方から投射機級のプラズマ弾が迫るのを重装兵級を蹴り飛ばして盾にする事で防いで、爆散した装甲の破片の隙間を刹那で認識して機体を滑り込ませる】
【罠師級が硬質糸のトラップを仕掛けている。規格外大型実体剣で切り裂くには一手余分に必要となる罠。前からは騎兵級が押し寄せる─────足元の突撃兵級を踏み出し跳躍し、頭上から縦に斬る】
【鋼鉄の天使は地下回廊では翔べない。そんな事実はハンデにもならない】
【“ソロネ”はオルフェリア・ソローネの為の専用機ではなく、オルフェリア・ソローネの天賦たる反応速度と空間知覚能力を十全に活用するのに相応しい機体なのだから─────────前から機械的に殺戮し続ける。定めた戦術を崩す必要もない】
【人機一体の鋼鉄の獣の逆。機々連結とでも称するべき鋼鉄の天使が剣を振るった】
- 77ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 10:53:22
「強襲型の上に乗った!?」
二体の強襲型インベイドとマシュアル機動の舞踏を行いながら、思わずというようにケイはその光景を見た
《解析。推測:触手上の物体で強襲型と自機を固定しているようです……スパイスと判断》
インベイド技術によるものです。と答えたスイの音色は硬い。インベイド殲滅を存在意義とする彼女にとって、敵の技術は有用だが、リスクの高い装備でもあった。
「なるほどね」
納得をしたケイは、そのまま高度を下げて機体軸を青空に向ける
引き金を引くと、そこに強襲型インベイドの露出した関節が飛び込んできた。
ギャ、という金属のすれあう悲鳴が聞こえる。死んではいないが痛打、とスイが語る。
衝撃波で崩れた姿勢を制御……もう一体が飛んできた。
「よっと」
さらに下へ潜る。左腕のビームサーベルを展開して上に掲げれば、そこに強襲型の腹が自分から突っ込んできてくれた。
「うん、慣れてきた」
対地級の方が怖いかも。 ケイはそう結論にし始めた。
- 78ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/05(土) 10:57:59
「オルフェリアさんも凄いや…!」
【感化され、左腕の実体剣を見やるがコンデションはレッド。先程の斬撃から未だ研ぎ直し中なのだ】
「…堅実にやっていきますか」
【突撃級を右腕高速連射砲で外殻ごと撃ち潰す。それをジャンプ台に見立て即座に可変し乗り上げる】
【地下回廊といえど、中空は開ける。可変を解き、四肢を広げた機体が慣性で飛ぶ。肩、脚に装備されたアポジモーターが一瞬噴き出し、その推力を全身のスタビライザーが回転ベクトルへと調整変換】
【横軸に回転した機体。回り回る視界に幾つものグリッドが走る。あとは簡単───両腕の重ライフルも合わせ重複した火線が空間を明るく照らす。それらは一射一殺とはいかないながら、装甲を砕き、脚を、手を奪い、多数のインベイドを一気に脆くした】
「これで二人も楽になる筈…!」
- 79龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 11:06:47
なるほど…ね。
「なら気をつけて!」
逆に心配されちゃった…
《⚠️WARNING⚠️机关里面的温度上升。为冷却,切断推动器。》(⚠️WARNING⚠️機関内温度上昇。冷却の為、推進器をカット。)
チャオレンのシステムメッセージが表示されたと同時にホバーユニットが止まる。そのままバランスを崩して転倒。
そこをすかさず、突撃級が殺到する。
「是障碍!」(邪魔!)
龍影は吼え、すぐにチャオレンを立ち上がらせ、高周波刀を振るう。
跳躍して攻撃しようとしてきた突撃級を切り払うも騎士級に背中を攻撃される。増槽から充填していた粒子が漏れる。
《检测粒子泄漏,封锁。》(粒子漏出を検知、封鎖します。)
背中側のタンクから持ってきていた粒子供給がカットされ、本体に充填されている粒子の消費を開始する。
- 80オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 11:14:18
「あぁ、助かった。火力支援に感謝する」
【砲撃によって脆くなる、だけではない。銃弾との衝突によって弾かれた隙間に滑り込んで規格外大型実体剣を振るえば反撃の余地なく命を刈り取れる】
【“統率個体”は犠牲すら織り込んで次の一手に繋げ盤面を操作しようとするだけの知性を持つが、このように陣形が崩れた状態ならば二手三手とは重ねてこない】
【──────────一度、波が退く。突撃を前にして突撃命令を中断して陣形を整えさせ、先程と比べてより洗練された攻撃陣形を次の瞬間には叩き込もうとする】
【投射機級が打ち上げ機能を利用して突撃兵級を弾に撃ち込み始まる。口径に換算して約3000mmの超大口径で、その上に砲撃後には勝手に動いて背中を狙う】
【騎兵級が突撃して、その背中に隠れて重装兵級がビームの投射準備をしている。背中を取ろうとした瞬間に無数の粒子ビームで狙い撃つ戦術だが視界が騎兵級に遮られて背後の重装兵級が見えない】
- 81エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 11:17:15
──ギヤァァァァァァッッッ!!!!!
【視界の届かぬ場所で起こった爆発と、自身の身体から何かが千切れ落ちていく感覚に重要な兵装の一つが破壊されたことを察して、対地級が吠える】
《ルート 算出 ──
【下に敷かれた黒煙の絨毯から勢いよく飛び出してきた白銀を認識するや否や、すぐさま銃口を向けて一斉掃射。途端に前方を埋め尽くさんばかりに張られた弾幕、アクション映画でも見ないような必死のキルゾーンを目にしてもなお、操縦桿を握る手には冷や汗一つ浮かばない】
完了》
「よーし、Let's go !」
【針の隙間を縫うような道案内に従って、操縦桿を左右に押し込む。最小限の動きで迫りくる凶弾を交わしつつ、避けれないと判断した物は切り捨てて、『Syringe's』は瞬く間に対地級の上腕付近へ辿り着いた】
《DANGER》
「OK、ピッタリだ!」
【間近で高密度のコア粒子の収縮を察知したAIによる警報がコックピット内に響き渡る。
大口を開けた巨人の喉奥から巨大な光柱が射出される直前にブラスターの出力を上げ、すぐさま後退】
ゴオオオオン!!
「これをもう1回か……つくづく面倒だなあ」
【激震が空気を震わせる中、黒煙と爆炎をあげて巨大な腕が奈落へ真っ逆様に落ちて行く。
近くに生えていたもう一つの腕は爆発の余波を諸にくらい、銃身が歪んで溶けていた。あれでは棍棒として使うしかないだろう】
【まあ、巨人が持つ武器としてなら、そっちの方がしっくりくるが】
- 82ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 11:42:38
「おい」
低い声で、チャオレンの背中にぶつかっている騎士級に滑空砲弾を叩き込んで殺した。
「俺の女に触れるな」
コア粒子推進機関を最大出力、オーバーライドしてさらにその状態を固定。
色を置き去りにして、蒼風はチャオレン周辺の敵を殲滅にかかる。
騎兵級をサーベルで切り捨て、重装兵級をぶち抜き、突撃兵級と射撃兵級をミンチに。
踊る、踊る。死神が踊る。墓に叩き込まれるのは外星体の側だった。
ついでにいた人型もコマのように踊りながらバラバラにして、上空へ飛び上がる。
「ぶっちれ」
コア粒子榴弾頭を装填した無反動滑空砲を放つ。
発射と装填をマニュアルで行えるからこその15連射の精密砲撃を完遂して。蒼風は木の葉のように宙を舞った。
- 83ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/05(土) 11:44:01
《なにか“考え”た臭いがする》
【引いた波に対して感じる違和感。それをそのまま言葉にして通信に入れる】
《隠したつもり?》
【隠す。それは有効な戦術ではあるだろう。隠しきれていれば、という建前がつくが。視界だけが全てではない、音、風、熱、刻一刻と変化する世界が情報の全てだ】
【情報の過負荷によって皮膚が全て剥がれ落ち、頭蓋の中に溶岩が入ってると錯覚する激痛が訴えられるが、BFの各種センサーと一体化したウルヴィの五感は生身以上に世界を捉えられる。騎兵級の後ろで、何かが熱を溜めているのを感覚、情報として『把握』する】
【突撃してきた騎兵級に対して右手のブレードで受け止めると、右脚で蹴りを放つ。粒子砲を放とうとする重装兵級へと、騎兵級を“返品”してやるつもりだ】
- 84ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 11:52:02
- 85ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/05(土) 12:01:24
(ここで引く…?対応できているとは言え、この数。いや、この数で決めきれないことを嫌ったか)
『隠れた…?成程!』
【騎士級を返品したのを見て、合点がいく】
「後方からのヤバイやつってことか!」
【ならば、出し惜しむ必要もあるあまい。両腕を左右に開くと肘裏のハッチが開き、連続爆破の六連ミサイルが顔を覗かせる。必殺級の威力はないが、範囲爆破の崩しは有効だろう】
『範囲誘導弾を使います!奥に撃ち込むので回り込む際は注意を!』
【報告の後に、アリオールの後方から白煙を引いて合計12発のミサイルが複雑軌道で飛翔する】
【目標は騎士級の後方。例え迎撃されても投射級の投射を防ぐ爆破の壁が生じるだろう】
- 86龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 12:04:25
「嬉しい事言ってくれるじゃない。背中、任せるわよ。」
ケイの頼もしい背中を感じ、高周波刀を構え直す。
左手に持っていた57mmは…残念ながら突撃級の波に踏み潰され、形すら残ってない。
「(近接だけ…まぁ何とかなる…)いや、何とかするのよ。」
龍影は敵を見る。
「チャオレン寿命かも!ホバーが使えない!」
ミハエルとケイにそう伝える。
「でも外壁部の敵はほとんど居ない。強襲型くらいね。このままG-3内部に突入、ソドムを奪還するわ。インベイドが立て直す前に終わらせたいから、補給で下がる時間も惜しい。コロニーの通常ゲートはプラズマブレードで切り開ける。辻役は私!ミハエル!貴方は殿を!いける?!」
そろそろパイロットも機体も限界になっている。ここで決めないと。龍影の頭の中では焦りと勝算が入り乱れる。
- 87オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 12:09:29
- 88ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 12:11:39
- 89ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 12:16:13
- 90二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 12:21:09
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- 91龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 12:28:32
- 92ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 12:31:39
【致命傷を受け地面にスライディングしながら朽ちていく強襲級から飛び降り、なにやら他のBFの動きが切り替わった事を察すると】
あちらさんはゲート内部に突入をかけるっぽいにゃー
けど、うち一機はだいぶガタが来てるっぽいし補給に下がらせた方が…って
【通信回線を開く前になにやら話がまとまってしまっていたようで】
勝手に突入しやがった!…いや、まぁ後はミャー単騎でもどうにか持たせられそうではあるけども…よーわからんデスペラードに背中任せるとか奴ら人を信用しすぎじゃあないかにゃ
【ハニヤ自身、この戦闘区域に転がるBFとインベイドの残骸に興味が無い訳ではない。理由は当然、売れば金になるからだ】
…そんな余裕があればこんな地獄も極楽に見えるのに、にゃあっ!!!
【とはいえ、この場に残されたのがハニヤとアメミットになってしまった事実は変わりない。3機の背後から奇襲を試みようとゲートへと標的を定めたインベイド群に向けてローラーの加速をかけ】
そっちはとっくに定員オーバーにゃー!!!
【外套に隠れた獰猛な獣が、尖らせた牙で雑兵を蹂躙していく】
- 93ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 12:37:35
- 94ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/05(土) 12:38:33
- 95ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 12:44:47
- 96龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 12:54:56
機体を壁に沿わせ、クリアリングをする。視界とレーダーに敵影はない。
チャオレンは後ろの2機にハンドサインを出し、コロニー内の道路を踏みしめる。
だが拍子抜けだ。奇襲を受けるどころか、外の地獄とは違ってコロニー内の建造物は形が残っていた。
「どうなってるの?」
龍影は思わず言ってしまった。
てっきりインベイドの大群がひしめいてると思っていた内部には、まばらあにコロニー守備隊の破壊された機体が転がっていたりと、戦闘をしたであろう痕跡はあるが、とうの、戦っていたインベイドの死体すらない。
チャオレンは広域のスキャンをかける。
レーダーには自機の後ろにいる2機しか映らない。
[スイ、アナタは何か見える?]
龍影はそう聞くしか無かった。
- 97ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 13:05:31
「これは……」
《現在、精査中……戦闘の痕跡多大。インベイド特有の体液飛散も確認されています》
ケイが蒼風のセンサーを使って情報を共有すれば、あちこちにインベイドの体液が飛び散っている……つまり凄惨な戦闘の痕跡を示した。
だがそれは、死体が存在しない説明にはならない。
何があったのか、わからないことこそがわからない。
《インベイド側の変数が介入している可能性大》
《全機に最大限の警告を行います》
センサーが最大感度に切り替わり、ケイに音や温度、あらゆる兆候を見逃すなとスイは情報を提供し続ける。
「……っ」
それらは全て、共有される。
戦略情報の全てを蒼風のコックピット内へ流し込むという負荷を引き換えに。
- 98ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 13:13:28
「音感センサー・サーマル探知起動、何か引っ掛かるか……?」
【前からの盛大な歓迎を予想していたがあっさりと外れてしまった、あまりの静かさで自分の心臓の音すら聞こえてくる様だ】
「……」
【超新地旋回を行い前の2機にバック走行でついて行く形になる、何処から来るか、予想が出来ないなら何処から来ても対処出来るようにするだけだ】
- 99シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 13:14:20
- 100エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 13:21:16
【四対の腕のうち二対がやられ、下腹部のレーザーは全損。不完全なフィギュアを思わせる姿となった対地級は、碌な身動きが取れない状況に追い込まれた】
【口を開けてレーザーを叩き込もうとしても、すぐに無事な腕の影に潜り込まれて回避される。地上はBF連合との激戦にかかりきりであり、先まで空を埋めていた重装兵級も人類側から発せられた光柱によってあらかた潰されているため、支援は望めない】
《CHARGING COMPLETED ──
FIRE》
【 ''詰み'' そんな意味のわからない二文字が脳裏によぎる。瞬間、またもや巨大な光柱が空中で弧を描くようにして発せられ、消えた。
同時に爆炎が吹き上がり、無事だった二対の腕が燃え上がる断面を見せながら落ちていく】
【BF一騎、人間一人に、兵装が完全に壊された。その事実を容赦なく叩きつけられ、対地級は吠えるように大口を開く。もはや挽回を見込めない局面に、自棄になったのかもしれない】
「それじゃあ、さよなら。旧式くん」
【煌めく喉奥目掛けてビーム砲を叩き込む。黄金と黄金がぶつかり合い、爆発。首無しとなった巨体を吊り下げていた羽も焼けこげて、巨大な焦げた肉の塊は吸い込まれるように出てきた穴へと戻っていった】
《対地級撃破……って、おいおい。今度は何が起こったんだ?》
【広域回線を通じて撃破報告を終えた矢先に飛び込んできた不穏な警告に眉を顰める。そして下手に想像するよりは見たほうが早いと、エイダンは愛機をコロニー内へ向かわせた】
- 101ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 13:25:13
- 102シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 13:31:28
- 103龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 13:35:09
- 104ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 13:36:09
- 105エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 13:44:09
- 106シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 13:48:25
[キルケー2より、マーガレット。ロスト]
プラズマブレードのなぎ払いでキルケーのニュクスを切り伏せた。
[キルケー1!スパイスだ!]
〈臆することは無い。:私たちはまだ居る。〉
〈キルケー1よりクランク。サウンド〉
突如コロニー内に設置されているスピーカーが振動する。
高周波。一般的なBFなら補正処理によりコックピットのパイロットには届かない。が、今の蒼風は違う。
白銀の機体が放つ光弾に2機のニュクスがやられる。
[キルケー3よりキルケー1へ。キルケー2とラムダが喰われた。]
〈アゲイン〉
シャロンの一言で倒れて転がっていたBFの装甲は深緑に赤紫の斑色となり、立ち上がる。
[copy]
- 107ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 13:50:57
- 108ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 13:56:36
- 109エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 14:01:48
- 110シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 14:11:24
- 111シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 14:14:25
- 112龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 14:21:47
- 113ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 14:24:18
「ガッッ!?!」 《聴覚支援カット》
ギリギリのところで、スイの情報支援が間に合った。
しかし一瞬でも高周波をモロに食らった影響で、耳が一時的に使い物にならなくなる。
《敵、スモークとジャマーを使用。IFFをロックしていますが》
「知るか!!!」
スイは文字だけでケイに情報を伝えにかかる。
月風の火器管制はあくまでガイドだ。それそのものが引き金を支配などしていない。
高く飛び上がり、機動のための速度を確保。無反動滑空砲を3回発射してスモークを散らしながら、本体を狙う!!
《不明機接近。サイファーカルト》
文字警告。エイダン・リーの声を翻訳したものだ。
「次から次へとォ!!!!」
叫んだ声が僅かに耳に入るようになった。高速速射砲を放つ。
- 114エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 14:27:20
- 115シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 14:31:33
- 116ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 14:33:39
- 117龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 14:36:54
- 118ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 14:40:17
「!!!」
《敵機確認。確定しました》
速射砲が当たらないならまだしも、バイオブレードで蒼風の左腕を捕らえられることには驚愕する。
耳が聞こえづらいせいで周りの確認が必須になるから、警戒すべき相手が多すぎる。
そのまま頭部が開く様を見て。
ケイは――――
・・
《コレがイノベイド側の変数です。撃墜してください》
「落ちろ!!!!」
何も感じなかった。
右手の無反動滑空砲をハンガーへ。そしてハンガーから高周波刀を引き出し、バイオブレードを保持しているNEXTの腕を狙う。
……と同時にコア粒子推進機関の推力を引き上げ、機体を浮かび上がらせる。
可能な限りNEXTの上軸に位置しながら頭部バルカンをも浴びせていく。
- 119エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 14:44:30
- 120ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 14:46:28
- 121二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 14:48:57
このレスは削除されています
- 122シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 14:51:12
- 123ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 14:55:22
「ぐっっ!? まじか!?!」
上側に推力を吹かしたはずの行動を読まれていたことに驚愕しながら、強かに上空側へ蹴り飛ばされる。
後方宙返りの要領で姿勢制御。下方へ位置するサイファーカルト機を見やる。
「……まじか」
《敵機、再生しています。》
二度目の驚愕は絶句。 まさか再生能力持ちとは思ってもみなかった。
「どう殺す?」
《有針徹甲弾、または無反動滑空砲、高速速射砲。最善は高周波刀でオーバーキル。頭部バルカンは牽制にしかなりません》
「左手は?」
《先程の拘束で若干のダメージ。シールドに罅が入りましたが、内部の高速速射砲は無事です……照準のズレは腕でカバーを》
睨み合う。相手は悶えているようにも見えるが、罠の可能性もある。
息を吸って、吐く。
聴覚が戻った。
「じゃあ、全力だ」
《レーダーを広範囲のものに変更。横槍を警戒しつつ、戦闘を》
蒼風が大きく右へ吹っ飛ぶように動き、高速速射砲で牽制を放った。
- 124ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:00:50
- 125龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 15:03:59
- 126ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 15:07:27
「ビームか!?」
《不明。回避を推奨》
頭を抑えられた。
瞬間的に逆側へ飛び。相手の左腕にある兵装らしきものの射線から可能な限りずれるようにする。
相手は……まだこっちを追っている。
「っっっっ!!!」
蒼風は急減速でサイファーカルト機を後ろから前へ押し出しにかかる。 人体には毒な急減速に耐えながら、後方への宙返りを混ぜて自機の慣性を分散させる。
右手側の武装を変更、無反動滑空砲を装備。狙いは……
「龍影、離れろ!!!」
頻繁に視線を巡らせていたので状況は把握できている。 ブービートラップへの惑いだ。
ならばその処理は自分がやるしかない。
止まっている残骸に攻撃が当たらないわけがない。 砲撃した。
- 127エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 15:12:16
《SHIELD DEPLOYMENT》
《DANGER》《DANGER》《DANGER》
「釣り餌……!?補充は容易いと見て良さそうだっ!」
【即座に展開型シールドを起動させ、できる限り余波を受け流しつつ、最高速度で後退する。
白銀の外殻は熱でくすみ、露出していた内部フレームはわずかに焦げついている】
【一時的に収納していたサーベルを取り出しつつ、現在の状態を瞬時に把握する。ブースターは無事、移動に支障はない。掌部のレーザー砲は……】
「左はダメか……」
【射出口が熱を受けたのか、使えなくなっていた。右は無事だが光柱を放つのは無理だろう】
《一機自爆した。ブービートラップの解除に向かう。起き上がりからの奇襲に注意してくれ》
【通信を繋ぎ端的に警告しながら、旋回して戻る。道中倒れているBFにレーザー弾を当て、ビームライフルで撫で切りにしながら、ブースターに押し出されるようにして飛んでいった】
- 128龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 15:17:45
ケイの言葉で現実に引き戻された。すぐさまチャオレンをバネ仕掛けのようにその場から離れさせる。
目の前に転がっているBFに砲弾が当たる。爆発するも吹き飛びはしない。胴体部に穴があいたスクラップになっている。コイツはトラップじゃない…
脂汗が止まらない。この戦術を桜空のコロニーでやられたのを思い出したからだ。
「まさかあの敵って…!」
思考がまとまるよりも早く、震動ナイフを握ったBFが突っ込んでくる。
「しまっ…」
チャオレンの左腕増加装甲で防ぐも、腕を切断される。握っていた高周波刀も落とす。
「クソぉぉぉ!」
龍影は吼え、プラズマブレードを振りそのBFを破壊する。
すぐさま落ちた左腕が握っている高周波刀を回収する。
「ごめん!私はもう動いてるのを倒す!」
白銀の機体に謝り、立ち上がっている機体を高周波刀で切り伏せに行く。
- 129ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:20:36
- 130シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 15:23:43
- 131ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 15:27:54
「!!!」
龍影の機体が傷ついていくたびに、自分が傷つくような感覚になる。
逃げて欲しい。だが、今逃げろというのは彼女への侮辱だ。
《インベイド変数 接近》
「!!!」
前に追い出し、後方宙返りしながら龍影を確認していたケイにとってNEXTは未だ自分の後ろ位置だ。
加速して振り切りにかかる。
だがおかしい……あの砲身は。
――――俺を狙っていない。/光が放たれる。
「しまった!!!」
前方横の建造物が蒼風の進路上に倒れていく。このまま行けば自分ごと蒼風が生き埋めになる!!
「く、そぉ!!!」
インメルマンターンを敢行。瓦礫が崩壊していく方向にコア粒子機関による推力を開放し、強引に減速する。
空間としてみれば蒼風はNEXTとの相対速度が縮まり、かつNEXT方向へ加速を掛けるも同然。
相対距離が一気に縮まっていく。距離が200mを切った。
(ギリギリを攻めなければ、俺(ケイ)が死ぬ!!)
- 132ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:32:11
- 133エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 15:34:39
《了解した。殺りきってくれ》
【切羽詰まったような、勇ましさを感じるような謝罪の言葉に激励を送りつつ『Syringe's』は現場に到着する】
「中身が空だろうが、爆弾つきだろうが、同じようにすればいいだけの話だ」
【あちこちに倒れているBFの動体へ光弾を当て、起き上がったものはビームサーベルで薙いでいく。
時折り当たりを引くが、爆発するころには退避しているので問題ない】
《敵機、追加》
「減ったり増えたり……鬱陶しい」
【つい愚痴をこぼしつつも、警戒が途切れることはない。あの爆発が偽スマトロン・リップの最期だとは端から思っていない。どこから凶弾が飛んでくるのかわからない以上、油断はできない】
- 134ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 15:38:40
- 135シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 15:39:40
- 136ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:42:24
- 137ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 15:46:28
- 138ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:49:31
- 139ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 15:52:54
- 140エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 15:55:28
- 141ライ◆.4YTxDiDm.25/04/05(土) 15:56:34
- 142シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 16:00:29
- 143ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 16:05:54
「ぐ、ぎっっ……ぃぃぃぃっっ!!」
トップスピードから地面への激突を防ぐため、コア粒子推進機関を地面へ向けながら減速をかけ、地面に火花をちらしながら滑走。一回転しながら減速しきった。
《レーダーから反応消失――――インベイド変数の撃破を確認。お見事です》
「はぁ、はぁ……はぁ……」
自分を殺しかけたビルと瓦礫の中に突っ込んだNEXTを確認する。
蒼風に無反動滑空砲を構えさせる。 弾装は5発とも対インベイド甲殻貫通弾。
全弾をビルの瓦礫の中に向けて発射した。
……再生するかもしれないのだ。念には念を入れる必要があった。
砲撃音が五度響き、ビルの瓦礫を貫通した後。遅延信管で爆発。
物理的な炎と衝撃で瓦礫もろともNEXTを吹き飛ばす。
その上にある瓦礫が、更に落ちた。
レーダー上では、味方との距離が随分離れていた。
- 144龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 16:23:20
重心の変わりまくったチャオレンは高周波刀を振り回し、あの白っぽいBFに興味を示さないインベイドの相手をする。
ガギン!
とうとう甲殻に刃が入らないほど鈍化してきた。
「そぉうれ!」
ほぼ鈍器となった高周波刀で甲殻の隙間を通して中身を切る。インベイドの体液により刀身は生物的な脂のテカリを見せ、赤くぎらついている。
チャオレンはとうとうバランスを崩して倒れ込む。
その時に高周波刀が変な角度でコロニーの人工地盤に当たり、破断する。
「折れた?!こんな時にぃ…」
チャオレンがノロノロと立ち上がる。右手には刀身が半分になった高周波刀を握っている。
機体各所のコンディションがオレンジを指してアラートが鳴り響く。だがここで撤退しても外のクソッタレを振り切れないのが分かりきっていた為、動いているのが奇跡のようなチャオレンでの作戦続行を判断した。 - 145シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 16:26:46
- 146ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 16:29:07
- 147エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 16:34:08
「うるさいなぁ、キミたちの選択の結果だろ。こっちに責任を押し付けるなよ」
【通信回線から垂れ流される雑音と戯言に愚痴をこぼしながら、淡々と対処する】
【レーザー砲であらかたを吹き飛ばし、充電の隙に飛びかかってくるものは両断。挟み撃ちにしようとしてくるインベイドは上に飛んで相打ちに持ち込み、断末魔を上げる死体を踏みつけて迫るものは圧縮弾で弾けさせる】
「しかし、キリがないな。援護は……来たね」
《やあ、蒼風。ナイスタイミングだ。こちらの援護は頼めるかな?もちろん、そちらの機体を保護したあとで構わない》
【横から向かってきたマチェーテの切先を避け、凶刃の主であったインベイドの首を落としつつ群れと距離をとりながら、疾風の如く飛び込んできた蒼風へ通信を繋いだ】
- 148龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 16:34:29
- 149シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 16:39:04
- 150ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 16:43:33
「龍影!!!」
《彼女はまだ生きています! ケイ、冷静に!!》
撃ち抜かれたのを確認した瞬間、時間が止まったように思えた。口が勝手に叫ぶ。
スイの言葉は、耳に入っていなかった。
蒼風のインターフェースは最終判断をマニュアルとするために、過程となるガイドだけは最新一歩手前で優秀だ。
チャオレンを撃ち抜いた銃弾の予測弾道が視覚化される。
「――――!!!」
獣のような唸りを歯ぎしりしながら出して、蒼風はエイダンの通信に対して、無言で答えた。
通常は段階をかけて加速するはずの蒼風の出力を、一瞬で最大にして。色を消すように飛ぶ。
熱のような殺意が、一気に冷えていく。
「見つけた」
Gに耐えながら、横合い方向から蒼風が突っ込んでくる。
無反動滑空砲を一発。放った。
弾種は対インベイド甲殻貫通弾。
- 151二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 16:50:54
このレスは削除されています
- 152シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 16:53:51
- 153龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 16:59:34
- 154エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 16:59:57
- 155シャロン◆8meUu6AaJY25/04/05(土) 17:03:29
スマトロンリップを司令塔に動いていたインベイド達は頭を失った為、その場でコリジョンを起こしたのか動かなくなる。
1つ、また1つとレーダーから反応が消えて4機のBF以外投影されなくなった。 - 156ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 17:07:12
「……ごほっ、げほっ」
足部裏側のストッパーを強引に作動、無理矢理に減速するために地面をしばらく引っ掻いて前転。
そのままコア粒子推進機関を吹かして減速を完了した蒼風が、燃え上がるスマトロン・リップを看取っていた。
咳き込みは止まらず、何度かこぼれた血液を拭う。
まずい、これをみられたら不味い。
そう思って、通信映像を切り。負荷をかけないようゆっくりと蒼風を動かして龍影のもとに向かった。
そしてチャオレンの護衛をしながら……
「――――焼却助かります。エイダンさん」
蒼風とSyringe'sが向かい合う。
初期インベイド戦争時代の、『過去の名機』と、『現在の最新機』が落ち着いて邂逅した瞬間だった。
- 157龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 17:14:12
- 158ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 17:19:45
- 159ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 17:21:18
【ガトリングとカービンの連射を受けたキルケーはバーニアを使用して距離をとり、少し離れた距離を維持しつつ射撃を加えてくる、ウィルヘルミナのモニターに映る損傷状況は各部にダメージが蓄積されている事を示していた、射撃戦が長引けばこちらが不利だ】
「機動力の差か……まともにやったら追いつけ無いな、だがやりようはある!」
【スラローム走行を織り交ぜた軌道で追跡しつつ射撃を行いキルケーのBFを追跡する、しかしこちらから距離を取る軌道は読みやすい、こちらで位置を調整すれば尚更だ】
「そろそろ追いかけっこは終わりだな」
【逃げる敵機の後方、コロニー守備隊の残骸の中に砲弾を積んだ機体があった、キルケーがそれを飛び越える間際、砲弾にエネルギー弾を当て起爆させる】
「楽しかったぜ!」
【爆発のダメージで地面に落下し動きが鈍くなった隙に接近、反撃に繰り出されたナイフに回避行動はせず、そのままスパイクシールドを機体のど真ん中に突き刺す、少しの間があいてキルケーの1機は沈黙した】
- 160二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 17:32:41
このレスは削除されています
- 161エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 17:34:24
《こちらこそ。君の弾がアレを縫い止めてくれたおかげで、確実に燃やすことができた。ありがとう》
【先の焼却で無意識に高まっていた苛立ちが収まったのだろう。一息つけてから、落ち着いた態度と声で礼を返した】
《相手の自爆でシールドは消失、左手のレーザー砲は使用不可。あとは機体が少し煤けた程度かな。戦闘続行に支障は無いよ》
【淡々と現在の機体状況を説明する。必殺技は撃てなくなったが、本領である遠距離攻撃を行うのに問題は無い】
《取り敢えず、最後の一人に尋ねてから、君たちを退避させなくちゃいけないね。……ああ、ちょうど終わったようだ》
《おーい!ちょっと来て、そちらの状態を報告してくれないかい?》
【少し遠くで市内最後の敵性存在が沈黙したことをレーダーが知らせる。それを確認したエイダンはウィルヘルムへと回線を繋ぎ、こちらに来るよう呼びかけた】
【その間もレーダーを視界端で捉え、新たな敵が出てこないかライフルを構えつつ警戒する】
- 162ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 17:42:24
- 163龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 17:51:02
「スイ、トリアゾラムはある?ちょっとケイを寝かせる。」
そこまでして戦う馬鹿をどう怒鳴ろうか考えていると、
>>161と報告を受ける。
「了解、ライフルマンはアナタに頼る事になりそうね。」
ボッコボコなチャオレンから情けなさそうな声で応える。
「ミハエル流石ね。あんだけドンドコ戦ってたのに形が残ってるなんて…」
全員の状態を確認した。
「K.Iのエースとミハエルに頼りきりになるけど、このままソドムまで向かう。補給や修復はしに行くとあのクソッタレの中を移動して生き残れる自信はない。動けないならここで待機しといて。」
最後の目標を伝える。
満身創痍でも離脱が出来ないせいでそのまま突っ込むしかない龍影は半ば諦めの境地にいるがもう止まれない。
- 164エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 18:03:36
- 165ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 18:07:12
- 166ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 18:15:22
- 167龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 18:25:36
- 168二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 18:30:32
このレスは削除されています
- 169ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 18:30:41
- 170ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 18:32:15
- 171エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 18:34:15
- 172ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 18:35:31
「…………ぅ……」
《立場を反対にして考えることを是非おすすめします。クソボケ》
何も言えないし、返せなかった。 同じ立場だったらケイは龍影をチャオレンから引きずり出していただろう。
それこそ、コックピットブロックを剥ぎ取ってまで。
「うん。そうだな……二人で怒られよう……班長と、あとカンナさんにも」
それしか、ケイは絞り出す言葉がなかった。
「……すみません」
蒼風の現在のコア粒子残量は36%。最低限の自衛と援護は可能なギリギリのラインといえる。
ビームサーベルを使うかどうかは状況によるが……連続して使えば危ういかもしれない。
好意を受け取るにしても、ケイはあまりにも申し訳ない顔をした。
- 173ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 18:47:04
- 174エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 19:00:03
- 175龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 19:00:14
- 176ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 19:05:01
- 177ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 19:13:20
- 178エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 19:16:19
- 179龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 19:39:35
- 180ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 19:46:21
- 181ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 19:46:23
- 182龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 19:53:20
- 183ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 19:56:15
- 184エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 20:07:29
- 185“有機の悪魔”◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 20:12:44
【─────────奈落の底から押し寄せ続けるインベイドに混じって、単眼の鴉が如き姿を備えたインベイドが戦場の空に放出された。偵察兵級、と呼ばれる種類だ】
【本来は都市攻略戦に先駆けて放たれる筈の彼らが何故今になって放出されたのかと、歴戦のBF乗りが疑問に思う前に“それ”は現れた】
『───────』
【対地級を流用したと思しき機関砲の一つ目の腕と細い迎撃ビームを放つ四つ尾に、投射機級の流用と見えるプラズマ砲身。加えて半端なBF程度なら易々と切り裂け鋭い爪を備えた脚部を持つ亜人型のBFを模したインベイド】
・・・・・・・・
【─────────それだけではない】
【強襲級の小関節を複数搭載したと思われる背部の翼は、全体の重さを支える為に数を増やした結果として刺々しいフォルムになっている】
【加えて規格外大型実体剣に匹敵するサイズの巨大な刃が三つ目の腕となり、罠師級の二種の糸を二種の方法で運用する砲身が四つ目の腕となり、他の腕と脚と合わせて全て球体関節で360°に動き回る】
【そして何よりも、肉体の周囲全景を監視するかの如く張り巡らされた裂けた瞳孔の眼球127個と頭部に聳える悪魔の角が如き交信器官】
【マニュアル操作の強みを理解した。高機動力の何たるかを味わった。その上で導き出した解答の一つが”コレ”である】
【BFなぞ所詮は人体の延長線上に過ぎない。外星体たるインベイドであれば人類には不可能な可動域の関節も、等しい操作性能を有する腕も、あり得ない数の目が必要とする情報処理も、全て行える】
【“合成級”──────有機の悪魔は、戦場全体を俯瞰する偵察兵級の戦術支援システムと共に奈落の底から現れた】 - 186ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 20:14:39
- 187ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 20:25:54
ふんふんふふーん…♪
【この地獄の様相も慣れれば都。雑魚払いを請け負っていたハニヤは完全に脱力していた…もはや腕ではなく足を使って器用に操縦桿を動かし、空いた手で飲料を飲みながらインベイドを撃ち抜いていく自堕落っぷりである】
敵の勢いも弱まってきたしそろそろ金貰いフェーズに入れるのか……にゃ……
………………
【こいつらどんだけ隠し球持っとんねん、ここまで来ると怒りを通り越して呆れが胸中に来るというものだ】
それにあれなんか見た事あるにゃ…なんだったかなー…ソロネ?
【あれ自体、強襲級の推進機構を利用した模倣品と呼ぶべき代物だった筈…ハニヤはそう認識している】
つまり模倣品の模倣品ってワケにゃ、もしかしてヤツらそろそろネタ切れてきた?
【これが終われば今度こそ、そう言い聞かせ操縦桿を握る手に“意欲”を込め】
ちょうどこっちも雑魚の相手で飽きてきた所にゃ。金になってくれよ…強襲級もどきもどき!!!
【アメミットの動きが変わる。ローラーダッシュで大地を縦横無尽に走りつつ、先ずは偵察級目掛けて拾ったビームサブマシンガンを放ち撃ち落とさんとする】
- 188龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 20:36:49
- 189エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 20:40:22
- 190龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 20:43:43
- 191ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 20:45:27
- 192龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 20:48:53
- 193ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/05(土) 20:50:11
- 194龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 20:57:33
- 195“有機の悪魔”◆OXAm1h6odk25/04/05(土) 20:58:44
【───────────四つの尾の内の一つが、ビームサブマシンガン目掛けて細いコア粒子ビームを放つ】
【偵察兵級の一体二体は撃墜されても問題にはならない。だから守るよりも囮にして射手を攻撃する方が効率的だと判断した】
【推進器官がコア粒子を取り込み加速する。超音速機動で低空飛行を維持しながらハニヤの上空付近に陣取って───────砲撃。プラズマ砲が地面を舐めて融解させ、熱によって風が巻き起こる。機関砲も間髪入れずに放たれて土煙を立てる】
【命中目的ではない。煙幕を形成して射線を遮り、そして合成級の狙いを看破させない為だ】
【罠師級の砲身。粘着質な糸を煙幕内全体を覆う形で拡散射撃する。当たれば機動力を大きく制限するであろう】
- 196ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 21:03:56
「それって……」
それだけで、ケイは察せるほどには賢かった。
死体があるのだ。
それも大量に、腐乱した。 匂いだけで気分を害するほどのものが。
「っっっ…… スイ、レーダーの動体感度とマーカー強調。熱感知と音響を最大まで上げろ」
《了解しました》
かつてインベイドに滅ぼされた小さな居住地を見たことがあるからこそ。
ケイは動揺を抑え込むことができた。
懇願に逆らえば、彼女は傷つくだろうとも。
- 197ハニヤ◆KPwoT407kA25/04/05(土) 21:25:15
よっと、もういらねーからやるにゃ
【初撃を紙一重で躱し、サブマシンガン狙いだと察すると間髪入れずに融解したそれを高速接近してくる頭部目掛けて投げつける】
【各種火器の斜線予測から、それらがこちらへの命中目的では無い事は容易に察せられる。大方煙幕を形成し視界を封じられるつもりなのだろうが…生憎此方は陸戦のエキスパート。砂漠環境での戦闘を意識したシーリングと強化されたセンサー系の前にはあまりに慎重すぎる一手だ】
どこ狙って撃ってるにゃ?ノ・ロ・マ♡
【サブマシンガンと相手が形成した煙幕を逆に利用し、罠師級の砲身が煙幕へと向く頃にはとっくに領域から離脱していたアメミットがテイルアンカーで貫徹した偵察兵級を質量兵器として脚部に投げつける】
単独でこれの相手すんのも骨が折れそうにゃー、時間かけて武装をチマチマ潰していけばどうにかなるかもしんないけども…クソっもう1人くらいこっちに残ってくれてたってバチは当たらんのにゃ!
- 198エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/05(土) 21:27:47
《了解》
【端的に言葉を返し、『Syringe's』をより援護しやすい位置に移動させる】
【その間にゴーグルと繋いだアイカメラのサーモグラフィー機能を作動させ、周りの状況を確認した】
【おそらくは蝿が集っているのだろう死体や、乾いた血が塗りたくられているのだろう器物の影が映り出す。……今のところ、自分たち以外に熱を持つ存在は見えない】
- 199龍影◆9BZ6kXGcio25/04/05(土) 21:29:18
ギィィ
聞きたくない音を立ててとうとうチャオレンは動かなくなった。モニターには《操作不可》と表示される。
パイロット保護のためにコックピットハッチが開く。その時のライトがロビーを照らす。赤黒いびちゃびちゃとした水溜まりがあちらこちらにあり、赤鉄色な汚れも着いている。
「ご機嫌ねぇ…」
龍影は悪態をつきながら45口径パイロットライフルと同弾薬を使用する45口径自動拳銃を持ち、クリップ固定式のサバイバルライトを胸ポケットに刺し、チャオレンを降りる。
ここまで運んでくれた相棒は何も答えない。だがここまでは運んで来れたのだ。幾度の死線で文句1つ言わなかった超人である。
「ありがと…」
龍影はチャオレンの脚部装甲をコツンと叩く。
「バイバイ、バカヤロウ…」
さっき引っ込んだはずの涙がまた溢れそうになる。 - 200ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/05(土) 21:35:15
《王龍影がチャオレンを降りました。マーカー消失、機能停止》
「っ」
スイが敢えて時間関係の前後を変えたのは、ケイの動揺を抑えるためだった。
彼女が降りてしまった以上、サーモと音響だけでは援護には不十分すぎる。
「龍影。俺は大丈夫だ。ライトをつけるぞ?」
許可を求めた。