- 1◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 21:57:52
あら、わざわざこのスレを開いてくれたのね。
僥倖。折角だから、中身も読んでいきなさい。
私はOrrery's Full Moon(オーラリーズフルムーン)。①dice1d6=2 (2) のトレセンに通うウマ娘よ。出身は②dice1d5=2 (2) 。デビュー戦自体はまだ先だけど、トレーナーからの指導でメキメキ成長中なんだから。無敵の③dice1d2=2 (2) ウマ娘になる予定の私の活躍、その目にしっかり焼きつけるといいわ。
①(所属)
1→英国、2→仏国、3→愛国
4→独国、5→米国、6→日本
②(出身)
1→英国、2→仏国、3→愛国
4→独国、5→米国
③(レース)
1→ダービー(右耳飾り)
2→オークス(左耳飾り)
- 2◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 21:59:35
このスレはダイスでモブウマ娘ちゃんのレース人生を追いかけるスレです。オークス制覇を夢見る彼女の夢は叶うのか。
全てはダイス神の御心のままに… - 3◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 22:02:10
Orrery's Full Moonのレース適性
dice1d4=4 (4)
1→短距離寄り
2→マイル寄り
3→中距離寄り
4→長距離寄り
- 4◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 22:05:09
中距離適性:dice1d3=1 (1)
1→A
2→B
3→C
短距離適性:dice1d7=4 (4)
マイル適性:dice1d7=2 (2)
長距離適性:dice1d1=1 (1)
1→A
2→B
3→C
4→D
5→E
6→F
7→G
- 5二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:06:20
ディアヌ賞目指すのかな?
- 6◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 22:14:07
Orrery's Full Moonのトレーナー
①dice1d3=3 (3) の②dice1d3=3 (3)
①(性別)
1→ヒトオス
2→ヒトメス
3→ウマ娘
②(経験)
1→若手
2→中堅
3→ベテラン
トレーナーがウマ娘だった場合の現役時代の戦績③dice1d4=1 (1)
③(戦績)
1→未勝利
2→重賞勝ち無し
3→重賞勝ちあり
4→G1勝ちあり
- 7◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 22:45:42
「あら、どうしたのMoon。顔が緩んでるわよ」
「トレーナーさん。すみません、今年ついにデビューできると思うと、ワクワクしてしまって」
「そう…まあ、無理もないわね。貴女が去年の9月にトレセンに入学してから半年…ここまでは順調にことは運べているわ。たった半年の間だったとしても、その間に積み重ねてきたものを最大限に活かせれば、必ず結果はついてくる。気を抜かずに、これからも精進なさい」
「はい、わかっています」 - 8◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 22:57:36
4月初旬
「ふぅ、今日も疲れた…でも帰ったら学校の宿題しないといけないのよね。そのまま寝てしまわないようにしないと…」
ゴツン
「いでっ…!さ、三女神像…ぼーっとしながら歩いてたから、気づかなかったわ…」
三女神からの加護:dice1d6=4 (4)
1→着順ダイスの結果に-2
2→着順ダイスの結果に-2(ただし、追加ダイスdice1d100=91以上で転倒・競走中止)
3→着順ダイスの結果に-2(ただし、追加ダイスdice1d100=86以上で転倒・競走中止)
4→着順ダイスの結果に-1
5→着順ダイスの結果に-1(ただし、追加ダイスdice1d100=91以上で転倒・競走中止)
6→着順ダイスの結果に-1(ただし、追加ダイスdice1d100=86以上で転倒・競走中止)
- 9◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:02:08
「おおお…!何かしらこれ、身体がポカポカする…」
「ふふっ、三女神のおかげかしら?うっかりぶつかって正解だったわね。」
Orrery's Full Moonの脚質:dice1d4=1 (1)
1→逃げ
2→先行
3→差し
4→追い込み
- 10◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:21:14
タッタッタッタッ
「ふぅ…たまには学園外を走るのも悪くないわね…しょっちゅう絡んでくるアイツも居ないし…」
「おおっ、お前は!」
「…居ないと思ったのに」
「やっぱりな、Full Moon!いや〜、トレセンの外でばったり会っちまうなんて、これもう運命だろ!」
「誰よ貴女。私の知り合いには、貴女みたいなやかましいウマ娘なんて居ないわ。」
「なにっ、まさかアタシのことを忘れたのか!?ならいいぜ、何度でも思い出させてやる。そう!アタシは天下一のウマ娘(予定)、Indigo Blue(インディゴブルー)様よ!」
「げぇっ、また始まった…」 - 11◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:35:26
「アタシにかかればもはやダービーさえ通過点。パリ大賞典や凱旋門賞も掻っ攫い、世界中のG1を制し尽くして最強の…」
「わかったわかった!貴女のその口上ももはや聞き飽きたわよ!」
「んだよ〜、最後まで言わせてくれてもいいじゃねえかよ」
「もう何回も言わせてあげたでしょうに…!」
「まあいいや。お前、今年デビューするんだろ?」
「ええ。早ければ夏に。」
「へへっ、そうかそうか。アタシも今年デビューの予定なんだよ。いずれレースでぶつかるときは覚悟しとけよな?」
「いやいや、私オークス目指してるのよ?貴女はダービー路線なんだからぶつかるも何もないじゃない。」
「わかってねえなぁ。別にダービーとオークスだけがレースじゃねえんだからよ、その後で同じG1走ることもあるだろ?」
「そんな先のことまで見据えられないわよ。今はとりあえずオークスに出ることを最優先に考えないと。」 - 12◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:51:45
「かぁ〜!現実主義者だなぁお前はよぉ!いや、まずは未勝利戦を勝ち上がることが〜とか言ってないだけマシかぁ?」
「はぁ…ごちゃごちゃとやかましいわね。私そろそろ休憩終わるから、そこら辺の蝶々にでも話し相手になってもらいなさい。じゃ。」
「ああっ、おい待て!大大親友のアタシを置いてくなんて酷いじゃねえか!」
「誰が大大親友よ!」 - 13◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:55:23
Indigo Blueのレース適性
dice1d4=1 (1)
1→短距離寄り
2→マイル寄り
3→中距離寄り
4→長距離寄り
- 14◆36sEtV67qSwW25/04/04(金) 23:57:16
マイル適性:dice1d3=1 (1)
1→A
2→B
3→C
短距離適性:dice1d1=1 (1)
中距離適性:dice1d7=3 (3)
長距離適性:dice1d7=1 (1)
1→A
2→B
3→C
4→D
5→E
6→F
7→G
- 15◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 00:09:33
Indigo Blueの脚質:dice1d4=2 (2)
1→逃げ
2→先行
3→差し
4→追い込み
- 16◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 08:18:22
「やあああああっ!(ダダダダダダッ)」
「タイムも良好…この調子なら、予定通り夏頃にデビューできそうね。デビュー戦は…dice1d2=1 (1) にしておきましょう。」
1→仏国 未勝利戦(ヴィシーレース場芝2000m)
2→仏国 未勝利戦(ロンシャンレース場芝2000m)
- 17◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 08:34:14
「トレーナーさん、なんでデビュー戦にヴィシーレース場を選んだんですか?」
「まあ、単純に言えば肩慣らしに丁度いいからよ。言い方は悪くなるけど、ロンシャンとかドーヴィルなんかよりも走るウマ娘のレベルは少し落ちる。」
「…つまり、ここは勝たないと話にならないというわけですね。」
「別にそこまでは言ってないわ。貴女もデビュー前で、レースについてはまだ分からないことも多いでしょう。私が教えられる範囲だけでは、実践で必要な技能とかはカバーできない部分もある。実際にレースで走って、勉強なさい。」
「わかりました。行ってきます!」 - 18二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 08:34:52
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- 19◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 08:45:54
- 20◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 08:57:25
「おめでとう、Moon。まずは1勝ね。」
「はい、ありがとうございます!」
「まあ、レースを見ていて気になった点はいくつかあるけれど…それはおいおいで良いわ。今は、1着の余韻に浸ってなさい。あと、ライブの準備も忘れずにね。」
「ええ、そうですね。では、ライブ衣装に着替えてきます。」
〜〜〜
「ペース配分にスパートをかけるタイミング…流石にまだ荒削りね。練習と本番は別物とは言うけれど、レース中でもしっかり制御できるようにしないといけないわね。」 - 21◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 09:19:53
Orrery's Full Moonの走法:dice1d3=3 (3)
1→ひたすらハイペースを刻んでセーフティリードを守り切る大逃げ型
2→ハイペースを刻んだ後ペースを落として息を入れ、スパートで再加速する幻惑逃げ型
3→スローペースに落とし込み、ロングスパートでスタミナ勝負に持ち込む溜め逃げ型
- 22◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 10:16:02
「Moon、次のレースの話なのだけど」
「え、もう次のレースですか?」
「ええ。あくまでも現状は、の話だけど…貴女は素質を伸ばすよりも、実戦経験を早めに積んだほうがいいわ。レースセンスは、実際のレースで走ってみないとなかなか磨けないの」
「レースセンス…」
「今の貴女にとっての1番の課題は、ペース配分。いかなる条件、いかなる状況でも、正確にラップを刻んでレースを組み立てられるようにならないといけないわ。でないと、ひとたびレースをかき乱されると修正が出来なくなる」
「それを、実戦形式で経験を積むということですか」
「そうね」 - 23◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 13:34:09
「でも、それだとペース配分が出来るようになるまでに何度も負ける可能性が出てくるんですよね?」
「…戦績に不要な負けをつけたくない、と言いたいのかしら?」
「まあ…はい」
「Moon。貴女の目標をもう1度言ってごらんなさい」
「それは…ディアヌ賞を勝つことです」
「レースセンスを磨く、実戦で経験を積むというのも、ディアヌ賞に勝つのに必要なステップよ。その過程で負けたとしても、本番で勝てば良いの。過程を重要視しすぎて、結果が伴わなければ元も子もないでしょう?」
「そう…ですね、わかりました。出来るだけ早く、レースのコツを掴んでみせます。」 - 24◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 13:39:28
「シャンティイレース場の芝2100m…」
「ええ。ディアヌ賞の舞台と同じね。勿論、今回は一般戦だからレースレベルも全然違うでしょう。ただし、本番前のデモとしてはこれ以上ない条件よ。」
「はい。貴重な経験ですね…」
「次にディアヌ賞までに同じ条件のレースができるとも限らない。得られるものを最大限に吸収してきなさい。」
「ありがとうございます。行ってきます!」 - 25二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 13:41:58
このレスは削除されています
- 26◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 14:07:49
『先頭はOrrery's Full Moon。それに競りかける形でSilver Backが2番手追走。3番手以下は少し離れてレースが進みます。』
「すぐそばににウマ娘が…でも、ペースはしっかり守らないと…!」
「47…48…49…!」
『ここでSilver Backが上がっていきます。先頭Silver Backに変わって2番手Orrery's Full Moon。』
「え、もう仕掛けるの…?あ、しまった…!カウントを途中で…!」
「とにかく、ついていかないと…」
『最終コーナーを回って、先頭はOrrery's Full Moonに変わった!2番手以下は、外を回って Burning HeartとLiliciaが並んで接近!さらに外から…』
「ヤバい…脚がもう残ってない…!」
「くっ、待てえええええ!」
「うぅ…」 - 27◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 14:18:27
「ごめんなさい、トレーナーさん…」
「良いのよ別に。本番でもないのだから。それよりも、なんであんな負け方をしたと思う?」
「ええっと…後ろから競りかけてくるウマ娘が気になって、途中で抜かされた時について行ったこと…です」
「そうね。実際ペースも早かったし、競りかけてきたウマ娘も早々に沈んでいったわね。こういうことがあるから、ペースを守って自分のレースが出来るようになることが大切なの」
「はい…」
「まあ、とりあえず言いたいことはそれだけ。じゃあ、ライブの準備をしてきなさい」
「わかりました」 - 28◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 20:41:42
「っはぁ…ふぅ…タイム、どうでしたか?」
「良いと思うわ。少しずつではあるけど更新もできてる」
「よし…!この調子でいけば、ディアヌ賞も夢ではないですよね?」
「まあ、ポテンシャルは間違いなくあるわね。あとは、ペース配分ね。それと、対戦相手に惑わされない胆力」
「う〜ん…それって、やっぱり実戦でしか身につかない力なんですよね?」
「実戦で経験を積むのが最も手っ取り早いのは確かではあるわ。でも頻繁にレースを使っていては、疲労が蓄積されてトレーニングの質にも量にも影響を及ぼしかねない」
「じゃあ、どうすれば…」
「簡単なシミュレーションくらいなら、並走や模擬レースでなんとかなるでしょう。貴女、協力してくれそうなお友達は居ないの?」
「友達…」
「あら、渋い顔ね」
「いや…協力してくれそうな人ならアテはあるんですけど…」
「まあ、嫌なら無理してやる必要は無いわ。あくまでも実戦で出来るようになれば済む話だから」
「いえ、誘ってみます。目標達成のためなので」 - 29◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 22:46:19
「うおおおおおお!まだまだあっ!(ダダダダダダッ)」
「Blue!もっとペースを抑えて!それじゃあ最後までスタミナが…!」
「(あれは…Blueとそのトレーナーさんかしら。芝コースでトレーニング中みたいだし、休憩に入ったら声をかけてみましょう)」
「ぜぇっ…!ぜぇっ…!こ、この程度で…!アタシは止まらねえっ!(ダダダダダダッ)」
「ほら〜…やっぱり脚色鈍ってる…」
「はぁっ…!はぁっ…!タイム、どうだった…!?」
「微妙」
「なんでだよおおおおおっ!」
「いやいや、あんな走り方だったら更新できるわけないよ…」 - 30◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 22:51:53
「Blueのトレーナーさん、少し宜しいですか」
「ん?君は…」
「おおっ、アタシの大大親友!」
「違うわ!勝手にそんな関係にしないで頂戴!」
「ええっと…Blueの知り合い?」
「はい、Orrery's Full Moonといいます。彼女に話がありまして」
「ああ、そうなの。初めまして、Indigo Blueのトレーナーです。今から休憩に入ろうと思ってたから、Blueに用があるなら二人で話でもどうぞ」
「ええ、ありがとうございます」 - 31◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 23:09:00
「Full Moonからアタシに話しかけてくるなんて珍しいなぁ。明日は鉄の槍でも降ってくんじゃねえの?」
「喧しいわね、本当に鉄の槍でもお見舞いしてやりましょうか?」
「おお、こわいこわい。で?話ってなんだよ」
「貴女に1つお願いがあるのよ」
「お願い!まさかお前からそんな言葉が聞けるとは思わなかったぞ!」
「くっ、調子に乗って…!」
「ほらほら言ってみろ。大大親友のアタシがなんでも協力してやる!」
「〜〜っ!はぁ…実は、貴女に並走をお願いしたいのよ」
「並走?それだけか?」
「え?え、ええ…」
「なぁんだよ、そんなことか!んなもんいつでも協力してやるって!」
「え…?あ、ありがとう」
「んだよ、快諾したってのに微妙な反応しやがって」
「いや、てっきり何か見返りとか求められるのかと」
「お前アタシのことをなんだと思ってんだよ」 - 32◆36sEtV67qSwW25/04/05(土) 23:24:43
「まあいいや。そん代わりさ、アタシもFull Moonに頼みたいことがあんだよ」
「私に?」
「おう。トレーナー!ちょっと向こうで話してもいいか?」
「向こうで?別に良いけど」
「わりぃな!じゃ、あっち行こう」
「ええ…」
⏰
「わざわざコース外まで来る必要なんてあったの?」
「あんましトレーナーには聞かれたくねぇからな…」
「ふぅん、で?お願いっていうのは?」
「頼む!アタシに、中距離の走り方のコツを教えてくれ!」
「中距離の走り方のコツ…?」 - 33◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 00:27:52
「ほら、アタシってダービー目指してるだろ?」
「そうね」
「でもよ、トレーナーからは『君はダービー向きじゃない』って言われちまってて…実際、なんか知らねぇけど中距離だけ上手く走れねえんだよ…短距離とかマイルとか、長距離はいい感じなんだけどさ」
「なんで中距離だけダメなんてことになるのよ」
「知るかよそんなもん…!んで、ダービーだけはどうしても譲りたくねぇんだ。きっちり全力勝負して負けんなら仕方ねえけど、最初っからまともにチャレンジできねぇ状態で走んのは御免だからよ」
「う〜ん、そうねぇ。私だって中距離走る時に意識してることとかそんなにないから、あまり教えてあげられることもないけど…」
「頼むよ〜。ほら、この通り!な?」
「そこまで頼まれたら仕方ないわね…いいわ、協力してあげる」
「ほんとか!?よっしゃ、ありがとうFull Moon!やっぱ持つべきものは心の友だな!」
「勝手に心の友にしないで。それと、並走の約束、頼んだわよ。いつでも協力してくれるのよね?」
「おう、任せとけ!」 - 34二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 09:44:54
これで仲良くなるのね
- 35◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 09:51:54
「それじゃあ、今日はIndigo Blueさんにも一緒に走ってもらうわね。メニューは、いつもMoonがやってるペース走。Moonはスローペースに落として走ろうとするから、貴女は自分のペースで走って頂戴。勿論、途中で競っても構わないし、スパート開始後は遠慮なく走ってくれて良いわよ」
「わかりました!ぃよっしゃMoon、頑張ろうな!」
「ええ、そうね。良いトレーニングにしましょう」 - 36◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 10:01:40
「おいMoon!お前走るのおせーよ!もっとペース上げてくれよ!(ダダダダダダッ)」
「仕方ないじゃない、私は自分のペース守ってるだけなんだから…!(ダダダダダダッ)」
「くそっ、中距離のペースってなんでこんな中途半端なんだよ…!」
「(38…39…40…ストップウォッチは…くっ、いつもより少し早くなってる。やっぱり、後ろに誰かいると逸ってしまうのかしら…)」
「だああああっ、くそ!もう我慢ならねえ!うおおおおお!」
「(まだ800mしか走ってないのにもう追い抜いていった…でも気にしちゃダメよ、私。2戦目も同じ感じで負けたじゃない…!)」 - 37◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 10:41:22
「ぜぇ…ぜぇ…」
「ふぅ…やっぱり1人で走るのとは全然勝手が違うわね…」
「Moon、今回のトレーニング、どう感じた?」
「途中で少しペースが上がってしまってました。その後修正できたのは良かったと思いますけど」
「そうね、追い抜かれるまでは少し焦ってたように感じたわ。でも、このトレーニングを繰り返して、徹底的にペースを守った走りを身体に叩き込めば、如何なるレースでも自分の戦い方ができるようになる」
「はい。これからも頑張ります」
「Indigo Blueさんのトレーナーさん、あの子にこれからも協力してもらって構わないかしら?」
「ええ、勿論大丈夫ですよ」 - 38◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 10:54:36
「貴女、長距離は問題なく走れるのよね」
「んぁ?ああ、そうだな。元々短距離で走ってたんだけどよ、マイルと長距離なら普通に走れるぞ」
「なんでそれで長距離まで走れるようになるのか、小1時間くらい問い詰めたいわ…」
「そういやお前、元々長距離メインだったんだよな」
「ええ、短距離なんか上手く走れないわよ。マイルでも微妙なのに。その点で言えば、貴女の才能が羨ましいわ」
「アタシからすりゃ中距離もちゃんと走れるお前の才能の方が羨ましいけどな。そうだ、中距離走るコツ、教えてくれよ。さっき協力したろ?」
「う〜ん…そもそも、貴女なんで長距離は走れるわけ?」
「え?長距離はあれだよ。前半散歩してできるだけスタミナ消費しないようにして、最後だけ本気で走れば実質短距離レースだからな」
「その理屈はおかしい」
「んなこと言ったって、実際にそうやって走ってるし結果も出してんだから仕方ねえだろ」
「…なるほど、貴女はフィジカルだけでレースして、それで勝ってるってわけね。その才能、ほんと羨ましいわ」
「なんだよいきなり褒めやがって。んなことより中距離のコツ!教えてくれって!」 - 39◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 11:14:57
「あくまでも私の見解だけれど…貴女の問題ってメンタルが全てだと思うのよ」
「あ〜…それ、トレーナーにも言われたわ」
「なんだ、原因はもうわかってるんじゃない。それなら、メンタルを改善すれば中距離も走れるようになるんじゃない?」
「それが出来てりゃお前に相談してねえよ。実際、トレーナーからも『メンタルに関しては僕からは教えられない』って突っぱねられちまって…」
「だって実際そうだもの。心・技・体のうち、他人から教われるのは技術だけ。他の2つは、在り方しか教えられないわ」
「ん?なんで?」
「だって、それぞれに別々の肉体と精神があって、その使い方とか動かし方は個人にしか再現出来ないんだもの。全く同じ動作をしようにも、筋肉の使い方は微妙に違うし、例えば同じ映画を見ても感動するかしないかは個人によって異なるでしょう?」
「ちぇっ、じゃあこれに関してはアタシ自身でなんとかするしかねえのかよ」 - 40◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 11:44:07
「貴女自身でなんとかしないといけない代わりに、なんとか出来るように他の人を上手く使えば良いんじゃないの?例えば、私のペースに合わせて走れるようにひたすら我慢するとか」
「ん〜、そういうことか。確かにペース走は今まで1人でやってたからなぁ」
「それで、私は私で貴女に競られても我慢出来るようになれば良いわけだし。Win-Winじゃない?目標が違う以上、せいぜいそこまでは協力しましょう」
「んだよ、ダービー以降は協力してくれねえの?」
「その時の状況次第よ。お互い、手の内を知られすぎると不利になるでしょう?」
「それもそうか。んじゃ、明日以降も協力頼んだぜ。またな!」
「ちょっと!私には私の都合が…ああもう!」 - 41◆36sEtV67qSwW25/04/06(日) 14:01:17
「(62…63…64…ストップウォッチともそこまでズレずに数えられてるわね。体内時計は問題なし)」
「(くっ…待てアタシ…!ここで弾けるべきじゃねえ、もっと溜めろ。てかもっと耐えろ…!これもダービーのため…!)」
「(なんかここ最近、Blueが競って来なくなったわね…もしかして、もう我慢することを覚えたのかしら…)」
「(…ちらっ)」
「(だあああああっ!マジで無理!早く全力で走りてぇ!こんなんつまんねえ!ちっくしょおおおおお!)」
「(す、すごい顔だったわ…あんな必死な顔でスパート我慢してるのね…)」 - 42二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:36:07
「(よし、残り800m。あとはスパートのタイミングを…)」
「ここだああああああっ!(ダッッ)」
「っっ!ここで!?」
「捕まってもらうぜFull Moon!(ドドドドドドド)」
「くっ…!させるもんですか!(ダダダダダダッ)」
「…残り800mを過ぎたあたりでスパート。スローに落としていたとはいえ、なかなか攻めた作戦ね」
「いつものBlueならここからだと最後までもたない。このペースだとどうなるんだ…?」
「おおおおおおおおっ!」
「負けるわけには…いかないっ!」 - 43二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:45:23
「「ぜぇ…ぜぇ…」」
「…っ、っはははははは!ウマ娘は、フィジカルだぁっ!」
「し、凌げなかった…あと50m…」
「すごい…すごいよBlue!残り800mでスパートして最後まで脚も使えるなんて!」
「へへっ、すげえだろトレーナー。これをダービーでも出来りゃあ、アタシの確勝だ!」
「くっ…!今回は負けたけど、次は負けないわよ…!明日、貴女にリベンジするわ!」
「おう、何度でもかかってこい。お前が強くなるたび、アタシも強くなる!」
「2人とも、良い走りだったわ。Moonはきっちりペースを守れたし、Indigo BlueはMoonのペースを利用して、きっちりと我慢した上で差し切った。実戦でも同じレースを毎回できれば、勝てる確率は大きく上がるでしょう」
「「ありがとうございます」」 - 44二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:52:12
「強いて言うなら、Moonはストップウォッチ無しでも同じペースメイクができるようになること。Indigo BlueさんはMoonが居ない時でも同じ走り方ができるようになること。これが課題ね」
「アタシ1人で同じレースメイク…」
「そうよ。私はディアヌ賞に出るんだから、自分でペース作れないとまた暴走するわよ?」
「え〜、ダービーも出てくれよ」
「都合の悪い時に私をラビット扱いしないで頂戴!というか、ダービーとディアヌ賞両方に出ると連闘になっちゃうじゃない!」
「その際、オークスは諦める方向で…」
「勝手にレースプランを捻じ曲げようとするな!」
「ははは…これは、新しく課題が出来ちゃったね…」 - 45二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 00:22:45
共同練習の成果①dice1d4=1 (1) 、②dice1d4=2 (2)
①(Orrery's Full Moonの成果)
1→大成功(着順結果-2、中距離適性がSになる)
2→大成功(着順結果-2)
3→成功(着順結果-1、中距離適性がSになる)
4→成功(着順結果-1)
②(Indigo Blueの成果)
1→大成功(着順結果-1、中距離適性がAになる)
2→大成功(中距離適性がAになる)
3→成功(着順結果-1、中距離適性がBになる)
4→成功(中距離適性がBになる)
- 46二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 06:40:33
「ふぅ…今回は私の勝ちね」
「ぜぇ…!はぁ…!くそっ、なんかお前めっちゃ強くなってねぇか?」
「そう?私はただどんな状況でも同じレース運びができるように練習しただけよ」
「それって、毎回同じようなレースしか出来なくなるんじゃね?」
「それで良いの。確かに面白味には欠けるかもしれないけど、それが1番勝率も高いんだから」
「…まあ、そうかもな」
「そうだ、貴女マイルも得意よね?普段どんな感じで走ってるか教えてくれないかしら」
「マイル?オークス目指すんなら関係なくね?」
「どうせなら取りたいじゃない。1000ギニーとの二冠。まあ、これに関しては余裕があれば、だけど」
「まあ良いけど。そん代わり、ダービーに向けた特訓、これからも付き合えよ」
「ええ、勿論」 - 47二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 10:49:45
なかなか実りがあったのね
- 48二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 12:35:10
「マイルレースの練習?」
「はい。現状、中距離とか長距離ほど得意ではないので。マイルでも100%のパフォーマンスを発揮できるように、今のうちから訓練しておきたいです」
「…まあ、マイルも走れるようになりたいという向上心については、認めてあげましょう。でも、せっかく中距離で走るペースを掴みかけてる今、余計な練習をすれば中距離の走りにも影響しかねないわ」
「そ、それは…」
「大方、1000ギニーも勝ちたいからという理由なのでしょうけど…貴女の最大の目標はディアヌ賞よね?そちらの練習を疎かにして、本番を落とすなんてことになったら目も当てられないわよ?」
「はい…」
「もちろん、100%そうなるという保証もないし、貴女の器用さ次第ではどちらも勝てるくらいの実力がつく可能性もある。慎重に考えて、結論を出しなさい。練習メニューの調整は、私がやっておくから」
「わかりました」
マイル戦用の訓練(with Indigo Blue)をdice1d2=1 (1)
1→する
2→しない
- 49二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 19:26:09
「…今日から、よろしくお願いします」
「へっ。敬語使うお前、気持ち悪いな」
「ぶっ飛ばすわよ」
「冗談だって。まずは…スプリント用の訓練な!」
「はぁ?マイルレース用の練習じゃないの?」
「まあ聞けよ。お前みたいに中長距離が得意なやつは、まずピッチ走法が出来るようにならないと短い距離では厳しい」
「長距離も走れる貴女がいうと説得力ないわね」
「まあ、アタシの長距離の走り方は特殊だからな。お前の走りは後ろから見てたけど、明らかにマイル以下には向いてない走法だとは思う」
「ストライドが大きいって事?」
「おう。中長距離のレースだと、ストライドを広げて伸び伸びと走った方が良いこともある。ただ、短距離とかマイル戦の場合はそれが当てはまらねえことが多いんだよ」 - 50二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:15:59
「加速をしやすくするようにってこと?」
「まあそれもあるな。あとは、ストライドが大きいとコーナリングで遅れをとっちまう。距離が短いレースほど、コーナリングのロスは致命的になるからな。アタシらは前の方でレースするからまだマシだけど、後ろ脚質なら尚更だ」
「ピッチを早めるにはどんなトレーニングをすれば良いの?」
「とにかく脚の回転数を早めねえとピッチなんか縮まらねえからな。筋力アップと、あとは動作のマスターだな」
「わかったわ。早速トレーニングさせてくれる?」
「あいよ。道具持ってくるわ」 - 51二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 23:40:06
「まずは定番メニューで行くか〜」
「どの道具を使うメニューかしら…」
「よし。やるぞ、腿上げ!」
「道具持ってきた意味は!?」
「安心しろ、後でちゃんと使うぞ。ほら準備!よーい、ドン!」
「もう!そんないきなり!」
⏰
「ふぅ、良い感じに体もほぐれたな」
「腿上げをこんな集中的にやったのは初めてよ…」
「次は…よし、ミニハードル使うか」
「よく見る器具の割には使ったことないわね。これ使うとどんな効果があるのかしら」
「こいつを使うこと自体に効果は無いけどな。あくまでもこいつを蹴飛ばしたり踏み潰したりしないように脚を高く上げる事が目的なんだよ」
「じゃあ、慣れてしまえばこれを使わずに練習できるってこと?」
「極論言えばそうなんじゃね?」
「じゃあ、ハードル無しで訓練できるようになる事が目標ね」 - 52二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 06:12:52
「走る時よりもハードルの間隔は狭め。前に進むことも必要だが、このトレーニングでは脚を高く上げてそのまま下ろすことを意識してくれ」
「そのフォームで走ったら短距離も早くやるってことね」
「いや?違うぞ」
「えぇ?」
「そもそも高く上げた脚をそのまま下ろそうとすると、前に進もうとする力だけじゃなくて上に飛び上がろうとする力が働くだろ?これって、走る時にはまるまるロスになっちまうからな。あくまで脚の筋力と、前後の脚を入れ替えるスピードを強化するトレーニングと思ってくれ」
「な、なかなか難しいわね…」
「動きのイメージだけ残して、走る時はあくまでいつも通りにやれば良いぞ」 - 53◆36sEtV67qSwW25/04/08(火) 08:14:29
「この練習始めてから1週間くらい経つけど、どうだ?感覚は掴めたか?」
「そうね、脚の入れ替えもスムーズに出来るようになってきたわ」
「まあ、映像で見ても明らかに前よりもピッチ縮められてるもんな。んじゃ、次の道具も使ってみるか。ほい」
「これは…ぺらっぺらのハシゴ?」
「おう、ラダーっていうやつ」
「そのまんまね」
「こいつで同じ動作のトレーニングをするぞ」
「同じ動作?だったらミニハードルで良くないかしら」
「それは高さがあるから、視覚的にも無意識に飛び越そうとして自然と脚が高く上がる。けどラダーはぺらっぺらだから、意識しねえと脚が上がらねえんだよ」
「なるほど、障害物が無くても脚を上げて走れるかがこれでわかるってわけね」
「ああ。確認用にも、実践用にも使える便利なやつだ。んじゃ、早速始めようぜ」
「ええ」 - 54◆36sEtV67qSwW25/04/08(火) 12:44:31
「(脚を早く…腕も連動させて…)」
「うおおおおお!潰れろ、お邪魔虫!(タッタッタッタッ)」
「ってちょっと!誰がお邪魔虫よ!」
「お前に言ってねえって。嫌いなやつを軽やかに踏み潰すイメージで脚下ろすと良いんだよ」
「なんだ、そういうこと…」
「Full Moonもやってみ?」
「わかったわ。やああああああっ!(タッタッタッタッ)」
⏰
「おお…ビデオで見返しても、今日だけでフォームちょっと綺麗になってねぇか?」
「ええ。お邪魔虫を踏み潰すイメージ、わかりやすかったわ。貴女にものを教える才能があるだなんてね」
「だろ?で、何を踏み潰すイメージしてた?」
「数学の先生のカツラ」
「いや、もっと他にあるだろ…」
「じゃ、この前の数学のテストの解答用紙」
「テスト?何点だったやつ?」
「38点」
「もっと勉強しろよ」 - 55◆36sEtV67qSwW25/04/08(火) 19:38:23
「あとは、走る時は今までやった練習の通りに走らないってことを意識すれば大丈夫だ」
「は?どういうこと?それじゃあ今までやってきた練習の意味がないじゃない」
「前もチラッと言ったような気もするが…あれはあくまでもピッチを早める練習だぞ?走る時は前に全力で蹴り出せ。上に蹴り上げるとロスになる」
「ああ、そう言えばそんなこと言ってたわね…」
「地面を蹴った瞬間に素早く脚を入れ替える。これがピッチ走法に1番必要だからな」
「わかった。危うく練習のフォームのまま走り始めるところだったわ」
「よし、走り方の説明も終わったところで…そろそろマイル戦想定して走ってみるか。言っとくが、手加減しねえからな?」
「ええ、望むところよ」 - 56◆36sEtV67qSwW25/04/08(火) 23:02:45
ダダダダダダダッ
「(スタートしてからのペースは…1000mを58秒前半で刻めば良いはず。いつもの中距離走より早めを意識しないと…)」
「(Full Moonがマイル戦のペースでちゃんとラップを刻んでくるか分からねえ。スパート位置には気をつけねえとな…)」
「(よし、58秒丁度くらいね。あとはスパートかけるタイミングを…)」
「(1000m過ぎてからようやく緩めるのはダメだぞFull moon…中距離とマイルはレース運びが違うからな…!)」
⏰
「ぜぇ…ぜぇ…」
「大丈夫か?」
「ええ…問題ないわ…!これくらい…」
「あのなぁ、マイル戦で前半1000m単位のペース配分やってたらいくらスタミナあっても足りねえぞ。マイルは、前半600mで一旦区切らねえと」
「なんで教えてくれなかったのよ…!ゲホゲホッ!」
「だって知ってるもんだと思ってたし」
「もう1回…もう1回やるわよ!」
「はいはい、手伝ってやるよ」
マイル戦訓練の成果①dice1d4=1 (1) 、②dice1d4=4 (4)
①(Orrery's Full Moonの成果)
1→大成功(着順結果-1、マイル適性がAに上昇)
2→成功(マイル適性がAに上昇)
3→う〜ん…(変化無し)
4→失敗(中距離適性がAに低下)
②(Indigo Blueの成果)
1→大成功(着順結果-2)
2→成功(着順結果-1)
3、4→う〜ん…(変化無し)
- 57◆36sEtV67qSwW25/04/08(火) 23:21:34
ダダダダダダダッ
「(600mの入りは34秒フラット。これで少し息を入れられるわね)」
「(ペースは実戦とほぼ同じか。吸収早いなちくしょう)」
「(スパートは残りのスタミナと相談だけど…ギリギリまで引きつけて一気に突き放した方が良さそうね)」
「(ミドルペースだしなぁ。早めに仕掛けて圧をかけてやるかぁ?)」
「(Blueはいつ仕掛けるのかしら…並ばれるのだけは勘弁ね)」
「(よし、ここだ!)もらったぁ!(ダッッ)」
「…!させないっ!(ダッッ)」
⏰
「「ぜぇ…ぜぇ…」」
「お疲れ様。精が出るわね」
「ドリンク持ってきたよ。はいどうぞ」
「ありがとうございます」
「っひぃ〜。Full Moonコツ掴むの早くて困るぜまったく(グビグビッ)」
「なによ、褒めたって何も出てこないわよ」
「ちぇ、口からダービーのトロフィーとか出てきてくれりゃ良いのによ」
「それじゃあ私バケモノじゃないの!」
「有意義なトレーニングを積めてるみたいで良かったわ。いつものトレーニングにも支障は無さそうだし、他にも何かやりたい事があったら遠慮なく伝えて頂戴」
「教える立場からしたら、僕らが何もしなくても勝手に選手が成長出来る環境が1番理想だからね」
「仕事しろよトレーナー」
「サボるとかそういう意味じゃなくてね…」 - 58◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 08:07:10
「そろそろ次のレースについて考えましょうか」
「はい。次も一般戦ですか?」
「そうねぇ…貴女の持ちタイムからして、重賞レースを考えても良いんじゃないかしら」
「腕試しにもってこいですね。トレーニングの成果、見せてやります」
次走:dice1d4=2 (2)
1→仏国 G3コンデ賞(シャンティイレース場芝1800m)
2→仏国 G3オマール賞(ロンシャンレース場芝1600m)
3→仏国 G1マルセルブサック賞(ロンシャンレース場芝1600m)
4→仏国 G1クリテリウムドサンクルー(サンクルーレース場芝2000m)
- 59◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 12:22:14
「さっきバ馬の状態を確認してみました。想像以上に重いですね…」
「時期が時期だから仕方ないわね。秋頃のフランスは、雨季の影響で雨が多いもの」
「とはいえG3戦ですので。負けるわけにはいきません。必ず勝利をもぎ取ってきます」
⏰
「(馬場が重いから、あまり飛ばし過ぎてスタミナを浪費するのは避けないといけないわね…)」
「(タイムは、前半600m35秒後半を目安にしましょう。来年に弾みがつくレースにしてやるわ…!)」 - 60二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 12:28:46
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- 61◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 21:32:21
『先頭Orrery's Full Moonのまま、隊列は縦長になります。水飛沫を上げながらOrrery's Full Moonがレースを引っ張る形。2番手少し離れてRun for the Liberty、1番人気のPassionateは中段後方につけています』
「くっ、足元が緩すぎてレースに集中出来ない…!ラップも狂いが出てる…」
『フォルスストレートをぬけて、最後の直線の攻防!Orrery's Full Moonまだ先頭、Run for the Libertyがじわじわと差を詰めて、さらに外からPassionateがまとめて交わした!』
「くそ…!せめて2着を…!」
『Passionate、2馬身差をつけてゴールイン!2番手争いは、外Run for the Liberty内Orrery's Full Moonの体勢!』 - 62◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 21:42:43
「お疲れ様。随分と走りづらそうだったわね」
「はい。バ場に気を取られて、上手く実力を発揮出来ませんでした…」
「ウマ娘である以上、あるいは競技者である以上、得手不得手というのは必ず存在するわ。重たいバ場というのが、貴女には単純に合ってなかったのね」
「トレーナーさん、私…重馬場でも上手く走れるように訓練したいです」
「バ場に適応するには、そもそもの走り方から変える必要があるわ。そうすれば、逆に軽いバ場でのパフォーマンスを落とす可能性もある。おまけに、練習したからといって必ずしも重バ場が得意になるかどうかも分からない。リスクが高いわね」
「……」
「幸い、ディアヌ賞の時期は雨が少ないから、バ場が重くなる可能性は低いわ。重バ場でも走れるようになる必要となった時に、また考えましょう」
「はい…」 - 63◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 22:53:30
必要となった時に→必要が出てきた時に
- 64◆36sEtV67qSwW25/04/09(水) 23:29:45
タッタッタッタッ
「重バ場…なんとか攻略出来る方法は無いのかしら…」
「お?誰かと思えばFull Moon!奇遇だな。アタシも一緒に走らせてくれ」
「…貴女誰よ。私には貴女みたいな、短距離も長距離もなんでもござれなウマ娘の知り合いなんて居ないわ」
「なんだと?さては私のことを忘れたな?よし、何度でも思い出させてやる。アタシは…」
「はいはい、ダービーは通過点だしパリ大賞典も凱旋門賞も勝つんでしょ。知ってるわよ」
「おぉい!人の口上遮った上に名前すら言わせてくれねえのは反則だろ!?」
「で?私に何か用?見ての通り、走り込みで忙しいのだけれど」
「いや〜、なんか思い詰めてるように感じてな」
「そんな事ないわよ。放っておいて頂戴」
「水臭えなぁ、大大親友であるアタシに話してみろって」
「勝手に大大親友扱いしないで」 - 65◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 08:01:23
タッタッタッタッ
「重バ場を克服したい、かぁ…なるほどなぁ」
「フランスで走る以上、9月以降はどうしても重バ場を走らなきゃいけなくなる可能性が出てくるわ。その度にバ場に泣くことになるのは嫌だもの」
「んで、トレーナーに相談したら断られたと」
「ええ…トレーナーさんの言うこともわかるけれど、ディアヌ賞が重バ場になった影響で負ける可能性もある以上、早めに対策は練っておきたいのよ」
「バ場に対応するには、お前のトレーナーが言う通りにフォームを変えちまうのが手っ取り早くはあるんだがなぁ…」
「そもそものフォーム変更を許可してくれなかったから、困ってるのよ」 - 66◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 08:15:06
タッタッタッタッ
「実際にリスクデカいからな、フォーム変更。例えばよ、ペンの握りをいつもと変えて文字書いてみろって言わたとしてだ。やろうとするのは簡単かもしれねえけど実際にするのはムズいだろ?」
「う〜ん…まあ、そうね」
「それと一緒だよ。無理にフォーム変えようとしても、そもそもそれが身につかない可能性もある。あと、重バ場用にフォームを変えられたとして、その走り方を良バ場でやったとしても早くは走れねえしな」
「推進力が足りなくなるってこと?」
「ああ。重バ場用の走りってのは、言ってみれば普段より踏み込みを強くしたやつだからな。つまり、地面に対して垂直方向に力をかけてるってことだ。当然、推進力が削れちまう」
「じゃあ、両方の走り方が出来るようになれば良いってわけね」
「あのなぁ…簡単に言うけどよ、複数のフォームを使い分けるのって大変だぞ?相当器用じゃねえとフォームなんて何個も覚えてらんねえし。G1ウマ娘に限っても、フォームの使い分けができるやつなんて多くねえ。最悪なのが、フォームがごちゃ混ぜの中途半端な状態になることだな。こうなりゃ、元のフォームを思い出すだけで一苦労だ」
「じゃあ、とりあえず今はそのまま頑張るしかないってわけね。はぁ…」 - 67◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 12:44:47
タッタッタッタッ
「で、貴女は最近どうなのよ」
「アタシか?今は①dice1d4=4 (4) だぞ。来週レースだから調整中なんだよ」
①(戦績)
1→未出走
2→未勝利
3→オープンクラス
4→重賞勝利済み
②(次走。①が未出走・未勝利の場合は未勝利戦)
dice1d2=2 (2)
1→仏国 G1アベイ・ド・ロンシャン賞(ロンシャンレース場芝1000m)
2→仏国 G1クリテリウムドサンクルー(サンクルーレース場芝2000m)
- 68二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 18:56:16
かなり順調なのね
- 69◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 19:37:13
タッタッタッタッ
「もう重賞も勝ってるのね…」
「おう。dice1d6=3 (3) って感じで。まあ、本番はダービーだからな。来年戦うことになる奴らに挨拶しねえとだろ?」
「挨拶がてらG1殴り込みって、やってる事がチンピラよ?」
「誰がチンピラだよ。アタシはもっと正々堂々と戦うぞ」
「引っかかったところ、そこで良いの?」
1→未勝利戦で負けて、勝ち上がり後にでシェーヌ賞制覇
2→未勝利戦で負けて、勝ち上がり後にコンデ賞制覇
3→未勝利戦で負けて、勝ち上がり後にトーマ・ブリョン賞制覇
4→無敗のままシェーヌ賞制覇
5→無敗のままコンデ賞制覇
6→無敗のままトーマ・ブリョン賞制覇
- 70◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 19:44:50
タッタッタッタッ
「トーマ・ブリョン賞?」
「サンクルーの芝1600m。G3だっただけな。dice1d2=1 (1) だったけど、とりあえず勝てて良かったぜ」
「私はこの前の重賞勝てなかったから、G1は当分先ね…」
「バンバンG1出りゃいいってもんでもないだろ。出られりゃ嬉しいだろうけどよ」
「…なんか煽られた気がするわ」
「ごめんて、悪気は無かったんだよ」
1→良バ場
2→重バ場
- 71◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 19:46:52
G3だっただけな→G3だったっけな
- 72◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 20:12:00
タッタッタッタッ
「貴女、重バ場それなりに得意よね」
「まあ、少なくともお前よりは」
「さっきから何?今日はケンカの特売日なわけ?いいわ、全部言い値で買ってあげるからターフに出なさい」
「ごめんって。まあ実際得意じゃないと走り方がどうのとかって教えられないだろ?」
「…悔しいけど、一理あるわね」
「でもアタシまだ自分でペース配分うまく出来ねえからな。そのせいでデビュー戦負けたし」
「あれは身体に覚え込ませたら大丈夫よ。重バ場を克服するよりよっぽど簡単だわ」
「それが出来ねえから困ってるんだよ」
「なんで重バ場は走れるのにペース配分は無理なのよ」
「は?そっくりそのままお返ししてやる。なんでペース配分は出来てバ場の克服は出来ねえんだよ」
「…やっぱりターフに行きましょう。すぐにでも白黒つけてやるわ」
「待て。そんな事をするよりも、ここからトレセンまでどちらが先につくかで決めた方が早い」
「そうね。じゃあ、行くわよ!(ダダダダダダダッ)」
「すぐにとっ捕まえてやらぁ!(ダダダダダダダッ)」
Indigo Blueの重馬場適性dice1d10=7 (7)
1〜3→S(重馬場時、着順結果-1)
4〜10→A
- 73◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 20:29:55
「「……」」
「つまり?君はランニング中の痴話喧嘩が原因で?レース直前にも関わらずあの距離を全力疾走してきたと。しかも道中は全部脚に負担がかかりやすいアスファルトでしたと。そういうわけだね?」
「…先にトレセンに着いた方が勝ちって提案してきたのはFull Moonだし」
「はぁ?先に煽ってきたのは貴女でしょう?」
「謝ったじゃねえかよちゃんと!」
「1回だけじゃないじゃない、私2回も煽られてるのよ?」
「ストップ。これ以上喧嘩しない」
「「…ごめんなさい」」
「別にさ、ウマ娘だから走りで解決するっていうのはいいよ?レース直前にも関わらずってさっきは言ったけど、それも僕がメニューを調整すればなんとかできる場合もあるし。でも、これが原因で怪我したらどうするの?レース出られなくなっちゃうよ?」
「それは…」
「とにかく、明日と明後日の練習は中止。脚と膝のケアに専念するから」
「…すまん」
Indigo Blueの次走への影響:dice1d4=3 (3)
1→出走取り消し
2→着順結果+2
3→着順結果+1
4→影響無し
- 74◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 20:44:22
「いろいろあったけど、取り敢えずレースには出られる状態に出来て良かったよ」
「世話かけたな。おかげで、ほんのちょび〜っとだけ足が重い程度で済んだ」
「今日は雨上がりでバ場も重たいけど、君にはそこまで問題はないと思う。思いっきり走ってきて」
「おう。まかせろ!」
⏰
「お〜、これがG1のパドックか。客すげえ入ってら」
「Blue!」
「ん?おお、Full Moon!」
「貴女、私がわざわざ視察しに来てあげたんだから。下手なレースしたら許さないわよ」
「なぁんだよ、アタシの勇姿を見届けに来てくれたのか?流石は大大親友!」
「大大親友ではない!」
「まあいい。お前との(脚を使った)熱い語らいの影響もほとんどねえ。ウィナーズサークル前で待っとけよ!」 - 75二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 20:50:12
このレスは削除されています
- 76◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 21:13:43
『先頭を行くのはAlways、2番手集団はぎゅっと固まって、内からManhattan Project、Indigo Blue、Join Us、September、Kiss and Cryが続きます』
「やべえ、バ群が固まりすぎてどこにも動けねえ。もうちょいペース上げてえのに…!」
『前半1000mは、64秒前半です。かなりゆったりしたペースで、各ウマ娘一段となって最終コーナーへと向かいます』
「開けよ…!開いてくれよ進路…!」
『最終コーナー曲がって、ホームストレッチの攻防!先頭はSeptemberに変わっている!さらに外から上がってくるのはPassionateだ!』
「ちくしょう、どけよ!どけってんだ!」
『Passionateがまとめて交わした!1馬身差をつけてゴールイン!』
「…何も出来なかった。くそっ」 - 77◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 21:17:20
「お疲れ。見事なまでに前壁だったわね」
「おう。清々しいくらいに不完全燃焼だったぞ」
「でしょうね。それより…」
「ん、どした?」
「勝ったウマ娘、私が前走で負けた相手だなって思って」
「Passionateってやつ?もしかしたら、これからもG1でぶつかるかもしれねえな」
「あの子、前のレースも重バ場ですごい伸びてたし、厄介ね…」 - 78◆36sEtV67qSwW25/04/10(木) 23:46:45
「ハッピーニューイヤー、Moon」
「はい。ハッピーニューイヤーですトレーナーさん」
「今年はいよいよディアヌ賞に挑むわけだけど…まずはどこかしらの重賞を勝って、弾みをつけたいわね」
「はい。本番で勝つためにも、次のレースは絶対に負けられません」
「まあ、貴女が出られる重賞は4月まで無いわ。じっくり自力をつけていきましょう」
「そうですね。早速ですけど、走り込みしてきてもいいですか?」
「ええ。アップはしっかりね」
「はい。行ってきます」 - 79◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 08:03:41
「流石に年始早々だし、グラウンドには誰もいないわよね…」
ドドドドドドドッ
「うおおおおおおっ!」
「…あいつもいるのね。負けてられないわ。早くアップしなきゃ」
⏰
「ふぃ〜、誰も居ねえグラウンドを独り占めしてトレーニングするのも乙なもんだよなぁ」
「あら、誰も居ないだなんて失礼ね」
「おっ、Full Moon。お前も年始早々トレーニングとは、心通じ合ってんなぁ」
「通じ合ってるわけではないわ。年末年始だからといって、トレーニングを疎かにする暇なんてないの。特に私は、貴女と違って重賞も勝ててないんだから」
「まあそうカリカリすんなよ。トレーニング、せっかくだから一緒にやろうぜ」 - 80◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 12:44:26
ドドドドドドドッ
「トレーナー、ペースはどうだった?」
「うん。いい感じに安定してきたね。1人でも落ち着いて走れてるんじゃないかな」
「よ〜し、これでFull Moonをダービーに連行しなくても良くなったな」
「ダービーとディアヌ賞連闘させようとしないで」
「んで?そっちはどうなんだよ」
「まあ、良バ場だったら大丈夫だとは思うけど…」
「重バ場の方はなぁ…不得意な分野は得意分野でカバーするとかもある程度は出来るんじゃねえの?」
「あまりにも苦手分野が苦手すぎるとカバーしきれないのよ。ペース配分もかなり難しくなるし」
「よし、じゃあ得意分野を超得意分野にしてしまえば問題ないな!」
「脳筋理論はやめなさい。それができれば苦労しないわ」 - 81◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 21:43:46
「今度は私と勝負よ」
「おっ、いいねぇ。受けて立つぜ」
「距離は2100m。先にゴールした方が勝ちね」
「ダービーと同じ条件か。デモにはもってこいだな」
「いや、私がイメージしてたのはディアヌ賞…」
「ダービーと!同じ条件!」
「…もうそれでいいわよ」
⏰
ダダダダダダダッ
「(今日は試しにいつもよりも遅く走ってやりましょう。重馬場の時に踏み込みの甘さを誤魔化すのに使えるかもしれないし)」
「(あいつがペースメーカーやる時は何も考えずに着いて行くだけでいいから楽で助かる。いつも一緒のレース出てくれりゃ良いのにな)」
Indigo Blueはスローペースに気づいた?dice1d4=2 (2)
1→スタート600m時点で気付いた
2→スタート1000m時点で気付いた
3→スタート1400m時点で気付いた
4→スパート開始直前まで気付かなかった
- 82◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 21:55:14
ダダダダダダダッ
「(62…63…64…1000通過。これくらいなら、怪しまれないかしら。Blueはまだ競って来ないみたいだけど)」
「(ん〜?なんか、今日のペース遅くねえか?いつもはもうとっくに1000mなんか過ぎ去ってるよな?)」
「(引っ張れそうなら、出来る限り引っ張って気付かれないようにゆっくり加速…そうすれば、加速し始めの踏み込みの甘さもカバーできるはず!)」
「(やっぱりいつもより遅いな。Full Moonのやつ、アタシをハメたつもりか?お前がそのつもりなら、こっちにも考えがある…!)」
ダッッ
「うおおおおおお!」
「っっ!?(ちょっ、まだ残り800mもあるのに!)」
「小細工無しでかかってこいやあああああ!(ドドドドドドドッ)」
「くっ…!負けるものですか!(ドドドドドドドッ)」
どちらが勝った?dice1d2=1 (1)
1→Orrery's Full Moon
2→Indigo Blue
- 83◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 22:22:28
「「ぜぇ…ぜぇ…」」
「はい、ドリンク。2人とも大丈夫?途中からもの凄いロンスパ合戦やってるように見えたけど…」
「だ、大丈夫です…ちょっと自分の限界を知りたかっただけで…」
「嘘つけお前…アタシが仕掛けて慌ててスパート始めたくせに…」
「それは事実だけど、限界を知りたかったのも本当の話よ」
「貴女たちはまだデビュー後間も無い上に、身体も完成しているわけでは無いわ。無茶なレース運びは故障や不調の原因にもなる。あまり頻繁にはやらないようにしなさいね」
「「はい」」
「今回は、元々中距離が得意だったFull Moonさんに分があったね。勿論、Blueの粘りも良かったけど」
「あ〜あ、アタシも元から中距離走れたらな〜」
「元から中距離以外は万能だったのに、贅沢なウマ娘ね」
「だってダービーは中距離なんだもんよ。いくら短距離とかマイル走れても、ダービーには使えねえしな」
「…ほんと、贅沢なウマ娘ね」 - 84◆36sEtV67qSwW25/04/11(金) 23:56:57
「はあああああああっ!」
「どりゃあああああっ!」
⏰
「まだまだあっ!」
「させるかぁっ!」
⏰
「ピッチを早く…!腕もより早く…!」
「アタシだって!うおおおおおお!」
⏰
「ぜぇ…!ぜぇ…!」
「はぁ…!はぁ…!」
「おい、もう並走は十分やっただろ!あとはお前1人でやってろよ…!」
「ま、まだよ…!あと10回くらい…」
「勘弁してくれって!」
⏰
「「(グッタリ)」」
「あ、あははは…お疲れ様。新年早々こんなグロッキーになるまで練習するとは思わなかったけど」
「まだ本番までは半年あるのよ?今全力を出し尽くすこともないでしょう」
「すみません、つい熱くなってしまって…」
「巻き込まれたアタシにも謝罪の言葉くれよ…」
「トレーニング一緒にやろうって言ってきたのは貴女でしょ?」
「こんなに振り回されるとは思わなかったからな。しばらくは一緒に練習しなくても良いって思えるくらいだ」 - 85◆36sEtV67qSwW25/04/12(土) 09:11:40
タッタッタッタッ
「っひぃ〜、さぶいさぶい。やっぱり2月の空気は痛えなぁ…」
「う〜ん…」
「早く春になってくんねえかな…」
「ん〜…」
「…さっきからお前はなんで唸ってんだよ。ランニング中に考え事なんかしなくて良いだろ」
「いや、ちょっと悩み事が」
「何に悩んでんだよ」
「進級テストの成績が良くなかったから、追試があるのだけど…正直追試もうまくいく気がしないわ」
「追試?それがダメだったら何かあんのか?」
「補習受けないと進級できないの。このままだと、練習時間も減ってしまうわ」
「なんで補習受ける前提なんだよ。追試頑張れよ」
「だから、その追試で合格できる気がしないって言ってるのよ」 - 86◆36sEtV67qSwW25/04/12(土) 09:19:42
「なんの科目が補習になりそうなんだよ」
「数学」
「やっぱりか…」
「貴女、数学得意?」
「お前よりは」
「くっ…ムカつく返答ね」
「事実だから仕方ねえだろ」
「だったら、私に数学教えて頂戴。あの先生の授業じゃさっぱりわからないわ」
「え〜、なんでアタシが…」
「良いじゃないのよ、そんなケチケチしないで教えてくれたって。私が補習受けることになったら貴女も並走相手1人居なくなるのよ?」
「別に1人減ったって大した影響は…」
「何か言ったかしら!?」
「うるっせえな…!わかったよ、つきあってやるよ!追試合格できりゃ良いんだろ!?」
「ええそうよ。感謝するわ」
「大大親友であるアタシがいて良かったなぁ?」
「ええ良かったわよ。大大親友ではないけど」
「なんでそこは頑なに認めようとしねえんだよ」 - 87二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:26:07
「はい、解けたわよ」
「ん。ん〜…半分間違ってる」
「なんで?8割くらい解けた感触あったのに」
「計算間違いはほぼないんだけどな。使う公式が違うぞ」
「そ、そんなはずは…」
「まあ、因数分解の公式なんか割と結構あるからこんがらがるのもわかるけどよ、量をひたすらこなして頭に叩き込んでくれ」
「くっ…なんで似たような公式が何個も何個もあるのよ…!」
⏰
「はい、これでどう?」
「ちょっと待ってろ。採点するから」
「今度こそ、8割取れてるわよね?」
「7割ちょっとだな」
「なんでよ!絶対8割取れてると思ったのに!」
「そんなに納得いかねえなら自己採点してみろよ。ほら」
「何処か正解になる問題があるはずよ…」 - 88二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:35:25
「で、どうだった?点数上がったか?」
「…採点ミス、無かったわ」
「そりゃそうだろ。アタシだって見直しもちゃんとやってんだから」
「この問題、なんで間違ってるのか納得いかないわ」
「それは+と-を読み違えてる。んで、こっちは移項した時に符号を変えてない。次は…」
「あああああ!もう!」
「うおっ、なんだよいきなり」
「まったく、+だの-だのxだのyだの…!普通に自然数だけ使って計算する問題だけで良いじゃないの!」
「お、おい落ち着けよFull Moon!」
「だいたい、誰に許可取って因数分解なんてやってるのよ!なんで勝手に分解するのよ!そんな事したら著作権だか肖像権がどうかするわよ!」
「するかよそんな権利!」
「そもそも神と法律が許しても、私が許しはしないわ!」
「自分勝手が過ぎる…!」 - 89二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 01:28:08
ho
- 90◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 10:08:12
「こ、これなら大丈夫じゃないかしら…」
「ん。採点してくるから待ってろ」
⏰
「85点だったぞ。良かったな」
「よし…!これから補習送りにならずに済みそうね…」
「てか思ったんだけどよぉ、追試の合格ライン80点って高すぎやしねえか?ボーダーそんなレベルにしたら補習まみれになるだろ」
「いや、60点取れば合格は出来るわよ」
「はぁ!?んじゃあなんで80点取れるまでわざわざ勉強付き合わせたんだよ!」
「本番は緊張とかその他諸々で何があるかわからないでしょ?練習でも60点しか取れない状態で挑んで、本番で60点なんて取る方が難しいわよ」
「まあそうかもしれねえけども…!」
「そうイライラしなくても良いじゃない。これで私は補習を回避できて練習にも支障は出ない。貴女は復習も出来て並走相手を減らさずに済む。Win-Winでしょ」
「チッ、アタシがWinで得られるメリット割合が少ねえ気はするがそういう事にしてやる。追試落ちたら承知しねえからな」
「落ちないわよ。貴女のおかげでね」 - 91◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 10:38:05
「追試も合格できた事だし、ようやく次のレースの計画が立てられるわね」
「ご心配をおかけして申し訳ございません」
「貴女に1つ聞きたいのだけれど…もし1000ギニーに出られるのならどうする?」
「①dice1d4=3 (3) です」
「そう…わかったわ。じゃあ前哨戦は②dice1d4=3 (3) 調整しておくわね」
「はい、よろしくお願いします」
①(1000ギニーへの出走)
1〜3→出走したい
4→ディアヌ賞に集中したい
②次走(1000ギニーに出走する場合)dice1d2=2 (2)
1→仏国 G3グロット賞(ロンシャンレース場芝1600m)
2→仏国 G1プール・デッセ・デ・プーリッシュ(ロンシャンレース場芝1600m)
②次走(1000ギニーに出走しない場合)dice1d4=4 (4)
1→仏国 G3ペネロープ賞(サンクルーレース場芝2100m)
2→仏国 G3ヴァントー賞(ロンシャンレース場芝1850m)
3→仏国 G2サンタラリ賞(ロンシャンレース場芝2000m)
4→仏国 G3クレオパトル賞(サンクルーレース場芝2100m)
- 92◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 10:40:39
2つ目に出てくるダイスの内容は無視して下さい
- 93◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 10:57:57
4月初旬
「1000ギニー、ぶっつけで出る事になるとは思わなかったわ…去年の重賞で2着に入ってなかったら出られなかったらしいけど、前哨戦を挟むものとばかり…」
「…あ、三女神像。そういえば、去年三女神像にぶつかった時になんか力が湧いたような…」
「まあ、あれは偶然か、気のせいってやつよね…」
「んぁ?Full Moonじゃねえか」
「あら、Blue。どうしたの?」
「いや、アタシは偶々ここを通りかかっただけではあるんだが…どうしたよ、三女神像なんか見上げて」
「いや、何でもないわよ」
「そういや毎年この時期に、三女神像の前を通りかかったら力をもらえたって言うやつがたまに居るみたいだな」
「…そうなの?」
「あくまで噂程度にしか聞かねえけどな。でも、その反応を見る限り、お前もそんな経験があるって感じか?」
「去年のこの時期に、三女神から力をもらえた事があったような気がするのよ」
「へぇ、んじゃ、アタシも三女神から力もらえるか試してみっか。貰えるもんは貰ったもん勝ちだ」 - 94◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:08:22
Orrery's Full Moonが受け継いだIndigo Blueの想い:dice1d4=4 (4)
1→重バ場適性がBに上昇する
2→重バ場適性がCに上昇する
3、4→特になし
Indigo Blueが受け継いだOrrery's Full Moonからの想い:dice1d4=2 (2)
1→着順ダイスの結果に-2
2→着順ダイスの結果に-1
3、4→特になし
- 95◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:13:05
「おおおおお!なんか身体があったけえぞ…!」
「え、私は何ともなってないわよ?」
「マジ?てか、お前も去年こんな感じになってたのか?」
「ええ、三女神像にぶつかってから身体がポカポカし始めて…」
「マジかぁ、本当に噂通りになるなんてなぁ」
「じゃあ、私は何ももらえなかったって事になるわけ?」
「さあな。まあでも去年力もらえたんだろ?良いじゃねえか」
「良くないわよ。貴方だけ狡いじゃない」
「アタシは去年三女神から何も貰ってないからおあいこだろうがよ」 - 96◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:27:24
「そういや聞いたぞ。お前、ぶっつけで1000ギニーに出るんだって?」
「ええ。あくまでも最大目標はディアヌ賞ではあるけど、G1を獲れるチャンスがあるなら積極的に狙っていかないと」
「ははっ、意識高えな。流石は大大親友かつアタシのライバルだ」
「大大親友ではないわよ。ライバルではあるかもしれないけど」
「意地でも大大親友だって認めねえな」
「矢印が貴方の方に向いてないもの。友情は一方通行だと成り立たないのよ?」
「バッサリ言い過ぎだろ。しかも本人の目の前で」
「まあ、友人であることは認めてあげなくはないけど?」
「おおっ。じゃあ、このままいけば将来は大大親友間違いなしだな!」
「知らないわよそんなこと。それより、貴女は次どうするのよ」
「アタシか?dice1d4=2 (2) に出るぞ」
1→仏国 G3ラフォルス賞(ロンシャンレース場芝1800m)
2→仏国 G3フォンテンブロー賞(ロンシャンレース場芝1600m)
3→仏国 G1プール・デッセ・デ・プーラン(ロンシャンレース場芝1600m)
3→仏国 G1ジョッケクルブ賞(ロンシャンレース場芝2100m)
- 97◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:32:24
「フォンテンブロー賞…2000ギニーの前哨戦?」
「ああ。こいつを叩いて2000ギニーに乗り込んで、ダービーに挑戦する。お前とある意味同じローテだよ」
「私は前哨戦無しだけれどね」
「細けえことは気にすんな。まあ、お互いに頑張ろうぜ」
「ええ、そうね。最高の戦績をあげた上でぶつかり合いましょう」 - 98◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:33:16
ジョッケクルブ賞はシャンティイ芝2100mのレースです
- 99◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 11:41:30
Orrery's Full Moonの現在のレース適性
芝:A 、重バ場:D
短:C、マ:A、中:S、長:A
脚質:溜め逃げ
Indigo Blueの現在のレース適性
芝:A、重バ場:A
短:A、マ:A、中:A、長:A
脚質:先行 - 100◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 14:03:29
「…いよいよ、本番ですね」
「ええ。流石に緊張してるみたいね」
「ま、まあ…G1の舞台なんて初めてですし」
「ふふっ。ディアヌ賞前に、G1を経験できて良かったわね。本番でそこまでガチガチになってたら、実力も発揮できないかもしれないわ」
「はい。あくまでこれは本番前の肩慣らし…」
「勝てたら大金星、負けても仕方ないと思って走るくらいが丁度良いかもね。折角の晴れ舞台なんだから、思いっきり走ってきなさい」
「わかりました。行ってきます」
バ場状態:dice1d10=8 (8)
1〜8→良バ場
9、10→重バ場
Orrery's Full MoonとIndigo Blueを重賞で破ったウマ娘(Passionate)はエントリーしている?
1→エントリーしている
2→エントリーしていない
- 101◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 14:04:00
エントリーしているかどうか:dice1d2=1 (1)
- 102◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 14:18:24
「(バ場を確認してみた感じだと、少しふわっとはしているけど私でも対応できる範囲だったわね。これなら、実力も発揮出来そう)」
「(あと気になるところといえば…あの子の存在ね)」
「……」
「(居た。すごく落ち着いてるわ…流石、G1を勝ってるだけあるわね)」
「ご機嫌よう」
「……?」
「貴女、去年G1勝ってるのよね」
「はい…勝ってますが」
「私、貴女に負けた事があるのよ。去年の重賞で」
「はぁ…」
「あの時は重バ場もあって実力を発揮出来なかった。けれど、今回は違うわ。貴女にリベンジして、トロフィーも貰っていくから」
「そうですか」
「そうですかって…もっと何かあるでしょうよ」
「私は、ただ自身の実力がどれほどのものなのか知りたいだけですので。勝つか負けるかは正直そこまで拘らないです」
「…はぁ?」
「私が求めるものは、勝利ではなく限界の追求。G1勝ちも、追い求めて得たものではなく副産物として得られただけです」
「……っ!」
「これ以上話す事が無いのであれば、お引き取り下さい。瞑想に集中したいので」
「そ、そう!わかったわ。お互い、良いレースにしましょう…!」
「……」
「(あの子…なんてふてぶてしい子なの…!G1が副産物…?調子に乗った事を…!絶対に叩きのめしてやるんだから!)」 - 103二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 14:22:34
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- 104◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 14:50:12
『ティアラ路線一冠目、プール・デッセ・デ・プーリッシュ。枠入りは順調に進んでいます。1番人気のG1ウマ娘、Passionateは既にゲートの中。今、Orrery's Full Moonがゲートインしました』
「(集中よ、集中…G1だからといって気負う必要はないわ。Blueとの練習の成果を見せるだけ…)」
ガシャコン!
ダッッ!ズルッ
「っっ…!」
『おっと、スタートでOrrery's Full Moon躓いたか、後方からのレースになりそうです』
「し、しまった…!なんとかポジションを取り返さないと…!」
『先頭は押し出される形でNine Point Eight、そしてM Power、Run for the Libertyが続く形。おおっと、出遅れたOrrery's Full Moon、巻き返して先頭に立ちます』
「くっ…!最初何秒くらいロスしたかしら…よく数えてなかったわ…」
「ともかく、一旦ペースを落とさないと…」
『間もなく最終コーナーを回って、ホームストレッチに入るところ。先頭はOrrery's Full Moon、M PowerとRun for the Libertyがすぐ後ろにつけている。1番人気のPassionateは馬群の中!』
「やばい、スタミナが…!」
『Orrery's Full Moon一杯になったか、M powerが先頭にジワっと接近!Passionateは外に持ち出した!』
「こ、これしきのことで…!負けてなるものですか…!」
『M power1着でゴールイン!2着争いは接戦!内Run for the Liberty、外は追い込んだ Passionate!』 - 105◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 18:30:05
「はぁ…はぁ…何やってるのよ私は…!」
「ふぅ…」
「あ…ちょっと貴女…!」
「はい…?」
「今回は負けたけど、次は負けないから…!ディアヌ賞で再戦よ!」
「何故、私がディアヌ賞に出走する前提なのですか」
「何故って…1000ギニーに出たウマ娘は普通ディアヌ賞目指すでしょうよ…!それとも何?他所の国の1000ギニーでも獲りに行くのかしら?」
「…次走なんて、まだ決めていません。その時の体調次第で判断しますので」
「じ、じゃあ…体調が良かったらディアヌ賞に出て来なさい。私は出走するから!」
「ですから、次にどのレースに出るについてかはまだ言及出来ません。結果的にディアヌ賞に出る事になるかもしれませんし、出ないかもしれません。では」
「……っ」 - 106◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 18:32:00
出るについてかは→出るかについては
- 107◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 18:39:43
「躓いてダッシュがつかず、それを挽回するために無理にポジションを上げて、結局スタミナ切れ…」
「申し訳ございません」
「躓いてしまって焦ったのでしょうけど、ポジションが後ろになったらなったで、そこでレースをするべきだったわね」
「はい…」
「何のために、普段からペース配分を徹底的に身体に叩き込んでたと思うの?後ろからレースをしていても、ラップタイムは把握出来るでしょう。あとはスパートタイミングを調整するだけで、いつもと同じようにレースを組み立てられたはずよ」
「…トレーナーさんの言う通りです」
「まあ、今はあれこれ言っても仕方ないわね。ライブの準備をなさい。トレセンに帰ったら、反省会をしましょう」
「はい…」 - 108◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 18:49:33
「1000ギニー、お前らしくなかったな」
「…悔しいけど、本番の空気に飲まれまくったわ」
「まあ、初G1だしな。無理もねえや」
「貴女も気をつけなさいよ。テンパったら一巻の終わりなんだから」
「わかってる。お前の仇はアタシが取る」
「別に4んだわけじゃないから…」
「細けえことは気にすんなよな。ま、応援しててくれ」 - 109◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 18:55:33
Indigo Blueのフォンテンブロー賞の着順:dice1d8=6 (6)
Orrery's Full Moonとの練習補正、三女神補正でダイスの出目-1が着順になります(1以下は1着扱い、6以上は着外)
- 110◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 19:04:41
「よし、2000ギニー本番だな。前哨戦はしくじったが…今度はそうはいかねえ」
「だね。Moonさんの時もそうだったけど、レース中は何があっても慌てないようにね」
「わかってるって。アタシの武勇伝に、このレースも加えられるようにしねえとな」
⏰
「(ロンシャンの芝1600mだしな。特別注意しなきゃいけねえことは無いはず。フォルスストレートは…いつも通り対処すれば良い)」
「(前戦ったことある奴は…Join UsとSeptemberくらいか?こいつらに関しては前哨戦も特に結果が出てるわけじゃねえから、マークはしなくても良さそうだな)」
「(前みてえに壁作られたらたまったもんじゃねえが、今回はホームストレッチで内ラチ沿いが開放されてるから抜け出しもできるはず。よし…やってやらぁ!)」 - 111◆36sEtV67qSwW25/04/13(日) 19:05:53
Indigo Blueの着順ダイスにOrrery's Full Moonの練習補正は乗りません
- 112二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:06:39
このレスは削除されています
- 113二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 02:14:14
今度はうまくいくといいなあ
- 114二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 02:55:06
『各ウマ娘、一段となって第3コーナーを曲がっていきます。先頭はThe Top、2番手はIndigo Blue、3番手にJoin Usが続いていきます。』
「(ペースは遅くもなく早くもなく。番手につけてるし、いつでも捉えられる。)」
「(前のレースでアタシの近くにいた奴、他にいた気がするが…どこにいるんだ?)」
「(まあ、気にしたら負けか。よし…ここで仕掛ける!)」
『ホームストレッチに入って、先頭はIndigo Blueに変わったか、先頭はIndigo Blue!』
「このまま張り切ってやる!」
『残り200を切って、先頭はIndigo Blueだが、後ろからSeptemberとBlack mark!SeptemberとBlack markが並んでやって来ている!』
「っ…!くそっ!」
『SeptemberとBlack markが並んでゴールイン!3着に入ったのはIndigo Blue!しかし、先頭は僅かに外、Black Markが体勢有利か!』 - 115二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 06:55:35
張り切ってやる→振り切ってやる
- 116◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 07:40:20
「ちっくしょう!普通に負けた…!」
「う〜ん…Blueの走りも悪くなかったけどね…」
「ダービーの試金石にするつもりだったのになぁ」
「実は、近年の2000ギニーって年によればダービーよりも面子が集まる場合があってね」
「は?何言ってんだよ。ダービーのが良いメンバー揃うだろ」
「昔はそうだったんだよ。ダービーが何より偉大だっていう、信仰じみたものがあったから」
「信仰も何も事実だろ?」
「…まあ、人によってはね。でも、今はそれぞれの適性に合ったローテが主流になって、おまけにマイルレースの価値が高くなってる。2000ギニーを勝った子がダービーに出ないパターンまで出て来てるんだよ」
「う、嘘だろ…」 - 117◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 12:41:18
「Full Moon。頼みがある」
「あらBlue、奇遇ね。私も貴女にお願いをしに来たのよ」
「へえ?じゃ、せーので同時に言ってみるか」
「面倒臭いからそれは却下。貴女からで良いわよ」
「そうか。じゃあアタシからな」
「というか、もう半分わかってるわよ。ダービー前の最後の特訓でしょ?」
「…なんだ、バレてたか」
「時期が時期だから」
「お前も、オークス前の最後の追い込みだろ?」
「まあ、そうね」
「…へへっ。やっぱり、心通じ合ってんな」
「はいはい、そうかもね」
「ま、当然だよな。大大親友だもんな!」
「まだ大大親友じゃないわよ」
「何で認めようとしねえんd…まだって言った!」
「ほら、さっさとしないと置いてくわよ!」
「…おう!」 - 118◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 22:01:29
ダダダダダダダッ
「(最初の1000mは62秒後半。良い具合にペースを落とせてるわ)」
「(相変わらずスローペースか。だがこいつのことだ。単にペースを落とすだけでは終わらないはず)」
「(恐らく、Blueもペースが遅い事には気づいてるわね。きっとロンスパで捩じ伏せようとしてくるでしょう)」
「(普通にスタミナ勝負を挑んだって勝てやしねえだろうな。Full Moonだって、アタシがスタミナに物言わせて叩き潰すつもりなのはわかってるはず)」
「(正直、スペックのゴリ押し勝負なんてしたくないけど…お互いの手の内がわかりきってる以上、小細工なんて通用しないものね。こんな状況で、私が出来ることといえば…)」
「(普段からフィジカルで勝負してきた以上、頭使った作戦は苦手だからな。そうなりゃ、アタシが取れる戦略といえば…)」
「「(超ロングスパートでぶっ千切るのみ!)」」
ダッッ!
「うおおおおおおおお!」
「はあああああああっ!」 - 119◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 22:16:52
「あれからずっと、2人で頑張ってますね」
「ええ、オークスとダービーに向けて教えられる事は全部教えた。2人の実力は間違いなく勝利を手にしうるまでに高まっているはずよ。あとは切磋琢磨し合い、心を高め合って、気持ちで負けないようにする事。私たちが指導するだけでは手に入らないものが、2人の共演によって身につくのね」
「仲間やライバルといった存在が、時に自らの限界を超えた力を生み出してくれるって事ですね。お互いの心が近い、年頃の学生同士ならではの相乗効果…僕にもそんな時代があったはずですけど、今はあの2人が心底羨ましいです」
「…ふふっ、そうね。若さというのは、それだけ貴重で、尊いものなのよ」
「絶対アタシが勝ってたろ!ハナ差で!」
「いいえ、確実に私が前にいたわ。大人しく負けを認めなさい」
「やなこった!なぁトレーナー、アタシが勝ってたよな?」
「え〜?ごめん、よく見てなかったよ」
「はぁ!?なぁんでだよ!ちゃんと記録とっとけよ〜!」
「あら、良かったじゃない。はっきりと負けを宣告されなくて」
「なんだと!?ちっくしょう、じゃあもう1回!もう1回同じ条件で走るぞ!」
「何度やっても結果は同じよ。また敗北の味を噛み締めなさい」
「負けてねえっつってんだろ!」
「…ははっ!ほんっと、羨ましいなぁ」
「んぁ?トレーナー何笑ってんだよ」
「なんでもないよ。ほら、もう1戦いってらっしゃい!」
「おう、任せとけ!次こそはちゃんと記録とっとけよな!」
「はいはい」 - 120◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 22:34:20
Orrery's Full Moonの練習の成果:dice1d4=1 (1)
1→着順ダイスの結果に-2、出遅れダイス追加(dice1d4=で出た目の分、着順ダイスの結果に+される可能性がある)
2→着順ダイスの結果に-1、出遅れダイス追加(dice1d4=で出た目の分、着順ダイスの結果に+される可能性がある)
3→特になし
4→出遅れダイス追加(dice1d4=で出た目の分、着順ダイスの結果に+される可能性がある)
Indigo Blueの練習の成果:dice1d4=1 (1)
1→着順ダイスの結果に-2
2→着順ダイスの結果に-2、出遅れダイス追加(dice1d4=で出た目の分、着順ダイスの結果に+される可能性がある)
3→着順ダイスの結果に-1
4→着順ダイスの結果に-1、出遅れダイス追加(dice1d4=で出た目の分、着順ダイスの結果に+される可能性がある)
- 121◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 22:57:17
「……」
「Blue、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。流石に少し緊張してるけどな」
「まあ、仕方ないよね。目標にしてきた大一番だもん」
「心配するな。トレーナーのメニューとFull Moonとの練習に嘘はつかせねえ。2000ギニーの分の借りもきっちり返してやる」
「うん、その意気だよ」
「ふぅ〜っ…」
パンパンッ!
「っしゃあ!気合い入った!んじゃ、行ってくる!」
「うん!気をつけて!」
⏰
「観客の量も前とは大違いだな。これがダービーってやつの魅力ってか。まあ、かく言うアタシもダービーに惹かれてこの舞台に立ってるわけだが…」
「Blue!」
「おっ、Full Moon。来てくれたのか。やっぱお前アタシのこと大好きだろ」
「は?何言ってるのよ。貴女が腑抜けた走りしないように見張りに来ただけよ」
「なんだ腑抜けた走りって…アタシがダービーの舞台でそんなザマ晒すと思ってんのか?」
「別に本気では思ってないわ。でも、不甲斐ない走りしたら許さないから」
「安心しろ。お前とのトレーニングで得た力、存分に見せてやる。ウィナーズサークル前に陣取っとけよ」 - 122◆36sEtV67qSwW25/04/14(月) 23:27:20
「(2000ギニーで勝ったBlack Markと、その2着のSeptemberは両方居るな。あとは、Manhattan Projectは前にも戦ったことはあるが…なんか先行する奴多いな。去年走ったG1みたいににごった返さねえと良いんだが)」
「(バ場はそれなりに乾いてて走りやすそうだったし、問題はないだろ。Full Moonとの練習でペースの読みもだいぶ出来るようになってきたし、ペース配分のミスで慌てる事は今更無い)」
「(あとは、アタシ自身の力とトレーニングを信じるだけだ。よし…やってやる。見てろよトレーナー、Full Moon。アタシの実力、ここで示してやるからよ!)」 - 123二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 23:28:54
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- 124◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 00:46:32
『全てのウマ娘の憧れ、ジョッケクルブ賞。今年も選りすぐりの精鋭たちが集いました。1番人気は、2000ギニー、プール・デッセ・デ・プーラン覇者、Black Mark。2番人気以降は拮抗しています。同競走2着のSeptember、前哨戦リス賞を勝ったRemember Me。そして、Indigo Blue、Manhattan Projectと続きます』
「(本来なら1番人気のやつをマークしてやりてえが…アタシよりも後ろで勝負される以上、それは出来ねえ。小細工無しで、全力で立ち向かうしかねえな)」
『Black Markは既にゲートの中。Attention Pleaseがゲートに入って、最後にLittle Venusが入って、今体勢完了です!』 - 125◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 07:53:31
ガシャコン!
ダッッ
『ゲートが開いてスタートしました!各ウマ娘、大きな出遅れはありません』
「(やっぱり先行する奴が多いせいで、内側がごった返してんな…今回は外を回すか)」
『先頭に躍り出たのはUp Side Down。そこに競りかけていくのがLittle VenusとAke no Myojo、その後ろにはAncient Plate、その外にIndigo Blue。こういった態勢で、各ウマ娘バックストレッチを駆けて行きます』
「(ペースは…思ったより流れてるな。スパートタイミングだけ注意しとくか)」
『Up Side Down先頭、2番手以下Little Venus、Ake no Myojoと隊列変わらないまま、各ウマ娘が緩いコーナーを抜けて最終コーナーへと差し掛かろうとしています』
「(外はクリア。いつでも抜け出せる。直前で抜け出せば勝てる…!)」
ガッ!
「っっ!?」
『内の方からMy Life Styleが抜け出して先団に取りつこうとしています。My Life Styleが2番手に変わって、3番手グループにLittle Venus、Ake no Myojoです』
「(ぁんのド畜生、めっちゃぶつかって行きやがった…!舐めた真似しやがって…!)」
「ぶっ潰す!どりゃあああああああっ!」 - 126◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 12:31:56
『最終コーナー途中でIndigo Blueが仕掛けた!一気に先団に取り付いて、先頭に立つ!2番手Up Side Down、そして後ろから、Black Markも上がって来ている!』
「えっ、もう仕掛けた…!?Blue落ち着いて!その位置からだとスタミナが…!」
「シャンティイのストレートは600mもある…その上ずっと上り坂が続くのに、何考えてるのよあのバカ…!」
「うおおおおおおおお!」
『最後の直線に入って、Indigo Blue先頭!後続に3バ身のリード!2番手以下はMy Life StyleとLittle Venus!外からBlack Mark!さらに外からAttention Pleaseも来ている!』
「くっ…!まだまだあっ!」
『残り200を切って、Indigo Blueは苦しいか!外からLittle VenusとBlack Markが来た!2人の一騎打ちになるか、内Little Venus!外Black Mark!』
「はぁ…!はぁ…!くっ、くそ…」
『Little Venusか!Black Markか!並んでゴールイン!際どい勝負になりました!』
「くそおおおおおおお!」 - 127◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 12:33:43
勝ちウマ:dice1d2=1 (1)
1→ Little Venus
2→Black Mark
- 128◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 12:42:10
『勝ったのはLittle Venusです!Black Mark、惜しくも二冠ならず!』
「ぜぇ…ぜぇ…あいつ…!絶対許さねえ…!」
「Blue落ち着いて!何があったのかはわからないけど、喧嘩は絶対やめて!」
「そうよBlue!こんなところで暴力沙汰なんか起こしたら、レースに出られなくなるわ!」
「ぐっ…!」
「冷静になってから、何があったか話してくれたら良いから…!」
「…っ、くそ…」
「ちっくしょおおぉぉぉぉ…!(ドサッ)」
「Blue…」 - 129◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 13:11:43
「なるほど、コーナーでぶつかられた上に前に出られて、頭に血が上ったってことか。」
「…おう」
「だから、あんな位置からスパート切ったのね」
「情けねえよな。折角守ってたペースも無視して強引にスパートかけて、結局勝てなかったなんてよ。笑えよFull Moon」
「笑わないわよ。笑うもんですか」
「……」
「ぶつかられた時に我を忘れるくらい頭に血が上ったって事は、それだけ必死に勝とうとしてたって事でしょう?貴女がダービーに対してどれほどの想いを抱いてたかくらいは知ってるもの」
「…ありがとう」
「とにかく、今回のレースは消耗が激しかったわけだし。学園に戻ったらゆっくり休もう」 - 130二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:21:35
切り替える、しかないよなぁ
- 131◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 21:30:59
コンコンコン
「ん?誰かなこんなタイミングで…どうぞ〜」
「失礼します」
ガチャッ
「…トレーナー、知り合いか?」
「いや、初めて会う人だけど…」
「突然の訪問で申し訳ございません。私、My Life Styleの担当トレーナーでして…」
「My Life Style…?誰だよそれ。いや、ちょっと待てよ?なんかどこかで聞いたことあるような気が…」
「あの〜それで、御用件は何でしょうか?」
「はい…私が、と言うよりかは担当がですね…ほらMine、こっちへ」
「し、失礼します…」
「…っ!お前はぁっ!」
「ひっ…!」
「待ちなさいBlue!(ガシッ)」
「わざわざ控え室にまで来やがって…!何の用だよ畜生!あれか?唾でも吐きに来たってのか?ええ!?」
「…っ!(ブルブル)」
「落ち着きなさいよ!こんな怯えてる子がそんなことするわけないでしょう!」 - 132◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 21:53:38
「ええっと… My Life Styleさん?御用件は…」
「あ、あの…!Indigo Blueさん…!」
「あぁ…!?」
「さっきは、ほんとうにごめんなさいっ…!」
「……」
「あの、レース中は私も必死で…ぶつかっちゃった時の記憶もほとんどなくて…でも、パトロールビデオ見て、私があなたを押しのけてて…(ヒグッ)それで…と、とにかく、ごめんなさい!」
「……」
「折角のダービーの舞台なのに、あなたの走りを邪魔しちゃって…レースもぐちゃぐちゃにしちゃって…(グズッ)ごめんなさい…!一生に一度しか出られないのに…!(ズビー)」
「…あのさぁ」
「はい゛ぃ…!」
「わざわざこうやって謝りに来るんだったらよぉ、せめてシミュレーションくらいして来いよ。お前さっきからテンパりすぎて何が言いてえのかさっぱりわかんねえんだわ」
「ごめ゛んなさい゛ぃぃぃ…!」 - 133◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 22:11:39
「Indigo Blueさん。レース中にMineがご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。G1という多舞台…ましてや、貴女にとっても特別であろうダービーを、このような結果にしてしまった事を深くお詫びします。Mine自身も、ポジション取りやペース分析に必死で、知らず知らずのうちにああいったことをしてしまったようで…」
「……」
「取り返しがつかないことをしてしまった以上、今回のことを水に流して欲しいとは言いません。ですが、どうかMineのことを許してあげてください。お願いします」
「お願い…しま゛す゛っ…!(ズビー)」
「おい、お前」
「はい…?」
「まずさぁ、その鼻水拭けよきったねぇ。ほれ、ティッシュ(ポイー)」
「す、すみま゛せ゛んっ…!」
⏰
「パリ大賞典に出て来い」
「え…?」
「アタシ、そのレース出るから。お前も参戦しろ」
「え、えと…それは何故…?」
「今回のダービーについてあーだこーだ言ったって結果は変わんねえ。けどよ、アタシは今回のレースの着順だけ見た奴らに、アタシよりもお前の方が強いって言われんのが我慢ならねえんだわ」
「……」
「パリ大賞典で、全力でかかって来い。アタシも、全力でお前を叩き潰す」
「わ、わかりました…!」
「逃げたら、タダじゃ済まさねえからな」
「もちろん、逃げません…!」
「おう。じゃ、とっとと部屋から出てけ」
「…申し訳ございませんでした。失礼します」
「ごめんなさい…!」
ガチャッ - 134◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 22:22:59
「…Blue、パリ大賞典の件についてだけど」
「おう、出るぞ。今回あんな負け方した以上、最後のクラシック級限定戦で結果を残さねえと、ずっと笑い物だからな。スパートタイミングも見切れねえ間抜けだとしか見られねえ」
「…わかった」
「悪いけど、練習メニューとか諸々の調整は頼んだ」
「もちろん。それが僕の仕事だからね」
「それとFull Moon」
「なに?」
「ディアヌ賞、絶対に勝て。アタシのライバルの実力が本物だって、世に知らしめてくれ」
「わかってるわよ。わざわざ言われなくてもね」 - 135◆36sEtV67qSwW25/04/15(火) 22:49:29
「トレーナー」
「ん?どうしたの?」
「無理を承知で頼みたいことがあるんだが」
「…何かな」
「アタシを、アイルランドに連れてってくれ」
「それって、もしかしなくても…」
「ああ、アイリッシュダービーに出たい」
「……」
「アタシにとって負担が大きいローテになるのはわかってる。けど、やっぱり諦めきれねえんだよ。ジョッケクルブ賞であんなチグハグなレースしちまって、それで一生に一度の晴れ舞台が終わるなんて…アタシには受け入れられねえ」
「う〜ん…」
「頼む!ダービーのリベンジ、ダービーで果たしたいんだよ…!ダービー制覇っていうアタシの夢を、こんな形で終わらせないでくれ…!」
「…今すぐには返事が出来ない。ジョッケクルブ賞の疲労がどれくらい溜まってるか…アイリッシュダービーに出た後、パリ大賞典で全力を出せるだけの余力を残せるか…逆算しないといけない」
「…わかった。もし、アタシ自身でできることがあれば言ってくれ」 - 136◆36sEtV67qSwW25/04/16(水) 05:33:45
Indigo Blueの次走:dice1d4=3 (3)
1、3→愛国 G1アイリッシュダービー(カラレース場芝12ハロン)
2、4→仏国 G1パリ大賞典(ロンシャンレース場芝2400m)
- 137◆36sEtV67qSwW25/04/16(水) 07:06:04
筆者です。
拙作をご覧頂いてありがとうございます。
この作品は「SS風」を重視して書き進めているので、レース描写やレース外のウマ娘達のやり取りを深く掘り下げています。
『レースの結果重視でもっとスピーディに話を進めてほしい』、『レース描写がくどい』、『単純につまらない』、『ストーリーの進展が遅い』などの意見がございましたら、仰っていただけるとありがたいです。 - 138◆36sEtV67qSwW25/04/16(水) 12:29:55
ディアヌ賞当日のバ場:dice1d10=5 (5)
1〜8→良バ場
9、10→重バ場
Passionateは出走している?:dice1d2=1 (1)
1→出走している
2→出走回避
- 139◆36sEtV67qSwW25/04/16(水) 21:48:58
「今日はバ場も走りやすそうで良かったわね」
「はい。大目標ですし、絶好の条件で迎えられそうでホッとしてます」
「1000ギニーの上位ウマは、ほぼ全員出走してるみたいね。レベルは高くなりそうだけれど…貴女なら大丈夫よ」
「ええ。今日という日のために努力も重ねました。その集大成にします」
「楽しみにしているわ。それじゃあ、行ってらっしゃい」
「はい。行ってきます」
⏰
「(トレーナーさんが言ってたとおり、1000ギニーでも見た顔が揃ってるわね…あの子は居るかしら)」
「(…居た。また瞑想してるわね)」
「こんにちは、Passionateさん」
「…?」
「1000ギニー以来ね。身体の状態は万全かしら?」
「何故、そのような事を聞くのですか」
「1000ギニーの時に言ってたからよ。体調次第で出るかどうかを決めるって」
「そうですか。普通、とでも言えば満足しますか」
「…そう、普通…ね」
「…?」
「まあ、良いわ。ディアヌ賞は譲らないから。私がこのレースの勝者になるのよ」
「はぁ、そうですか」
「…ちょっとくらい、私の発言に興味を持ちなさいよ。会話が全く成り立たないじゃないの」
「レース前に何故このような会話をする必要が?あと、1着を取りたいのならどうぞご勝手に」
「……」
「前にも言いましたが、私は着順には拘らないです。限界を探りながら走り、レースで得られたもの自体に1着よりも価値があったなら…私は1着を取ることよりもそちらを優先します。結果的に1着を取れれば、その時はその時です。順位は結果論でしか語れません」
「…前から思ってたけれど、貴女やっぱり変な子ね」
「そうですか」
「…もういいわ。悪かったわね、瞑想の邪魔をして。お互い、良いレースにしましょう」
「……」
「(飄々としててつかみどころもない…会話どころか、意思疎通すらやりづらい事この上無いわ)」 - 140◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 06:54:30
「ようFull Moon。ちゃんと緊張してるか?」
「ちゃんと緊張してるって何よ」
「リラックスしすぎで腑抜けてねえかなって」
「ディアヌ賞でそれをするのは最早場違いレベルでしょう流石に少しくらいは緊張してるわよ」
「へへっ、良いこった。アタシの分も全力出し尽くしてくれよな」
「ええ、貴女の仇は必ず討つわ」
「別にアタシ4んでねえから仇は討たなくていいぞ」
「じゃ、弔い合戦ってことにしましょう」
「だから勝手にアタシを56すなって」
⏰
「(バ場もそれなりに硬いし、走りやすそうね。ペースもいつもの通り作ってしまえば問題は無さそう)」
「(ただ、先行勢が多めだから素直にペース作らせてくれるかが問題ね…体内時計を信じないと酷い目に遭わされかねないわ)」
「(Blueの分まで、しっかりと勝つ…見てなさい。貴女のライバルがどれだけ強いか、しっかりと見届けさせてあげるから…!)」 - 141二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 07:39:44
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- 142◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 07:53:23
『ティアラ路線の総決算、ディアヌ賞。プール・デッセ・デ・プーリッシュの上位勢がほぼ全員出走するという混戦模様になっております。中でも僅差の1番人気はプール・デッセ・デ・プーリッシュ1着のM Power。二冠を目指します。2番人気は同3着のG1ウマ娘、Passionate。逆襲の戴冠なるか』
「(流石に人気では他のウマ娘には負けてるけど…目に物見せてやるわ。あっと言わせてやるんだから…!)」
『各ウマ娘、順調にゲートインしています。最後にMulsanneがゲートに入って、態勢完了!』 - 143◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 12:40:54
ガシャコン!
ダッッ!
「っっ」
『スタートが切られました!バラバラっとしたスタートになりました。Silver BackとOrrery's Full Moonが後方からのレースになりそうです』
「(スタート、少しタイミングが合わなかったわね…でも問題ないわ。ペース配分さえ間違えなければ、どこからでもレースなんて出来るんだから)」
『先頭を行くのはM Power。プール・デッセ・デ・プーリッシュ覇者、なんと今回は逃げの手に打って出ました。続いてRun for the LibertyとTurbo Panzerが2番手集団、少し離れて、ここにPassionateがいます。今回は比較的前の方でレースを進めていますPassionate。そして、後方集団の外側にOrrery's Full Moon。Mulsanneは最後方で脚を溜めている。こう言った形で各ウマ娘、緩いコーナーを抜けていきます』
「(案外流れないわね…誰が逃げてるのかはちょっとわからないけど、今は温存してコーナー出口ですぐに仕掛けましょう)」 - 144◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 20:28:47
『最終コーナー中盤、相変わらずM Powerが先頭。まだじっとしている。後方集団もまだ動かない!さあ、ホームストレッチの瞬発力勝負になるのか!』
「(まだ…まだよ…焦れば全てが終わるわ…!)」
『さあ、最後の直線に先団が入ってくる!先頭M Powerで変わらず、2番手はTurbo Panzer!』
「(前が開いた!)」
ダッッ!
『外から上がって来たのはPassionate!一気に先頭に立った!そして更に外から、Orrery's Full Moon!ものすごい脚で上がって来ている!』
「(1000ギニーで負けた悔しさ…そして、Blueの無念…全て、ここで晴らしてやるわ!)」
『Orrery's Full Moon、あっという間に先頭に立った!これは強い独走ムード!後続を2バ身、3バ身と引き剥がしにかかる!』
「やあああああああっ!」
『Orrery's Full Moon、圧勝でゴールイン!新女王の誕生です!Orrery's Full Moonが全てを蹴散らしました!2着に入ったのはPassionate!』 - 145◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 20:29:49
特にコメントが無かったので、今までと同じ形式で書き進めます。
- 146◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 21:43:39
「……!〜〜!」
「はいはい、わかったから。そんな胸元で大声で泣くなよ」
「ディアヌ賞…勝てた…!(ズビー)うええぇぇぇ…!」
「ったく、落ち着いたらさっさと離れろよ?」
「うぅ…ごめんなさい…(ヒグッ)」
「って、げぇっ!お前鼻水きったねえ!ふざけんなよちくしょう!」
「ははは…まあいいじゃん、今日くらいはさ。許してあげなよ」
「くっそ〜!今日着替え持って来てねえからこのまま帰らなきゃいけねえじゃねえかよ!なんだってんだよ〜!」
「ごめんなさいね、Indigo Blueさん。この子の1番の夢だったのよ、ディアヌ賞制覇は」
「いや、それは知ってますけど…」
「貴女がアイリッシュダービーに勝てたら、この子の胸でいっぱい泣いて頂戴?」
「アタシそんな事するキャラじゃないんですけど!?」 - 147◆36sEtV67qSwW25/04/17(木) 23:15:33
「ライブお疲れさん、今日のヒロイン」
「な、何よその出迎え方は…」
「何も間違っちゃいないわよMoon。今日のライブは貴女が主役だったのだから」
「キレッキレのライブをありがとう、Moonさん」
「ありがとうございます」
「ダンス練習とかやってるとこほとんど見た事なかったけど、いつの間にしてたんだ?」
「そうね…正直、練習時間はあんまり確保出来なかったかもしれないわね」
「なのにあんなクオリティのダンスが出来たってか?」
「1000ギニー後は1着から3着までの振り付けしか練習してなかったのよ」
「お前やべえな」
「自分を追い込むって意味ではある意味成功かもね?」
「4着以下の世界線、どっかに落ちてねえかな。ライブであたふたするお前も見てみてえ」
「存在しないわよ、そんな世界線」
「ナッソーステークスとかは今日と同じ曲がライブで使われるだろうから、これからは4着以下用の振り付けも練習した方が良いんじゃない?」
「ええ、これからはダンス練習に使える時間も増えるので。流石に練習しますよ」
「それにしても良いなぁ、センターでライブ。アタシもやりてえわ」
「アイリッシュダービー勝てば出来るじゃない。サクッと勝ってササっと踊ってしまいなさい」
「おつかい行ってこいみたいなテンションで言ってくれんなよ」
「「「はははっ!」」」
「……」
「……っ」 - 148◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 00:06:41
「やって来たぜ、アイルランド!」
「いや〜、2時間のフライトで来られるもんなんだねぇ」
「なあ、レース場はどこだよ。早く下見行こうぜ」
「落ち着いて。まだ空港に降り立ったばっかりだよ」
「こっちは早くレースしたくてたまんねえってのによぉ」
「まだ本番まで2日あるから、焦らずじっくりいこう」
「ちぇ〜」
⏰
「ここがカラレース場かぁ」
「うん。ダービーの他にも、オークスとか1000ギニー、2000ギニーとか…アイルランドの大半のG1レースが行われるレース場だね」
「セントレジャーもか?」
「うん」
「逆にカラでやってないG1ってあるのか?ってレベルじゃねえかこれ」
「う〜ん…メイトロンステークスとかアイリッシュチャンピオンステークスはレパーズタウンレース場でやってるけど、他は知らないなぁ。もしかしたら、本当にそれだけしか他のレース場でやってないかもしれないね」
「フランスも大概ロンシャンとサンクルーとシャンティイに固まってる感じするけど、アイルランドはその比じゃねえな」 - 149◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 07:04:31
「トレーナー、試しにちょっと走ってみてm」
「だめ」
「言い切ってねえのに…!」
「今日はバ場の開放されてないからね。悪いけど、走りたいならホテル周りのランニング程度にとどめておいて」
「くっそ〜、どれくらいの走りやすさか確かめたかったのによぉ」
「まあ、ロンシャンを問題なくこなせるなら大丈夫だよ。あそこよりは絶対にここの方が走りやすいからね」
「カラレース場だけにか?面白くねえぞ」
「意図して言ったわけじゃないのに…!」 - 150◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 07:31:54
「ふぅ〜…」
「今回は、正真正銘のラストダービーだね。ジョッケクルブ賞の時はまだこのレースがあったけど、今回はパリ大賞典にも出る都合上、ダービーはもう走れないからね」
「ああ。ドイチェスダービーもあるにはあるが…あいつとの落とし前はきっちりつけなきゃいけねえ。アタシから啖呵切った以上はな」
「正直、春先からの連戦で疲れも溜まって来てる頃だとは思う。なんとか踏ん張って欲しい」
「大丈夫だ。トレーナーの組んだメニューがあればな」
「ありがとう」 - 151◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 08:04:27
prrrrr!
「ん、Moonさんのトレーナーさんから…?」
「んぁ?こんなタイミングでなんだ?」
『もしもし、今大丈夫かしら?』
「ええ、大丈夫ですけど…何か御用ですか?」
『Indigo Blueさんに繋いでくださる?』
「え?あ、はい。少々お待ちください。Blue、変わって欲しいって…」
「アタシに?なんでまた…もしもし?」
『こんにちはBlue、調子はどうかしら?』
「Full Moon!なんでトレーナーから電話よこしたんだよ」
『貴女の電話にもかけたわよ。繋がらなかったけど。電源切ってるんじゃないの?』
「…あ〜、そうだ。集中するために電源落としてんの忘れてたわ。今そっち何時だ?」
『16:00よ。丁度、練習の休憩に入ったところ』
「そうか、時差1時間だったか。まだ発走まで1時間くらいあるけど、忘れずにレース見ろよ?」
『ええ、ライブ配信で応援しとくわ』
「へぇ、応援もしてくれんのか。流石は大大親友だな」
『ライバルに情けないレースされたら、ディアヌ賞ウマ娘である私の株が下がるもの』
「お?今アタシに喧嘩売ったか?良いぜ、ぜってえここ勝ってやるからな」
『ええ、勝って頂戴。それじゃ、頑張って』
ツー…ツー…ツー…
「…へっ、燃えさせてくれるなぁ。ぃよっしゃあ!意地でもトロフィー持って帰ってやらぁ!」
「その意気だよ。でもあんまりヒートアップし過ぎないようにね」
「おう。じゃ、パドック行ってくるわ」
「行ってらっしゃい!」 - 152◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 12:44:18
「(出走する奴らの中でフランス勢はアタシ1人か…まさにアウェーだな。だが、んなこと気にしたって仕方ねえ。異国の地で大金星ってのも乙なもんだろ)」
「ねえ、君!」
「…んぁ?」
「君がフランスから来た子?」
「ああ、そうだが。何か用か?」
「あたし、フランスの子と走るの初めてなの。よろしくね?」
「あぁ、おう」
「えっと…自己紹介だね。あたしはTertre Rouge。あなたは?」
「Indigo Blueだ」
「Indigo Blueさん…赤と青!ふふっ、すごい偶然!」
「RougeとBlue…たしかに赤と青だな」
「うん!おまけに、あたしがフランス語で赤、あなたは英語で青!」
「(偶然だろ)」
「お前、アイルランド出身か?」
「ううん、イギリスから来たの。この前のエプソムダービーも勝ったんだ」
「なっ…!?」 - 153◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 12:57:52
Tertre rougeはイギリス2000ギニーを勝った?
dice1d2=2 (2)
1→勝った
2→負けた
- 154◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 20:55:51
Tertre rougeの脚質:dice1d4=3 (3)
1→逃げ
2→先行
3→差し
4→追い込み
- 155◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 21:16:05
「エプソムダービーを勝った…だと?」
「うん、そうだよ?」
「(本家本元…イギリスの、ザ・ダービー覇者か…!ダービーダブル目指してやって来た奴とぶつかっちまうとはな…)」
「あの…どうかした?」
「いや、なんでもねえ」
「そ、そう?なら良かった」
「Tertre rouge。悪いが、お前には絶対に負けねえ。このレースはアタシがいただく」
「おっ、やる気だねぇ。良いね、その闘争心!」
「ヘラヘラしてられるのも今のうちだ。ダービーウマ娘の称号、お前に独り占めはさせねえ」
「ふふん、世界でたった1人にしか挑戦権が与えられない、ダービーダブルの称号…これを目指して、今まで努力してきたの。あなたのダービーに対する情熱も素敵だけど、今日はあたしの後ろでゴールしてもらうから!」
「ぬかせ。アタシが真っ先にゴール番を通過してやる」
「ふふっ、お互い全く引くつもりはないみたいだね。まあ当たり前だけど。じゃあ、言葉のやり取りはここでおしまい。あとは、脚で語り合いましょ?」
「おう」 - 156◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 21:30:18
『曇天のカラレース場、今年も英愛仏から強豪が集いました。中でも圧倒的1番人気は、エプソムダービー覇者Tertre rouge。ダービーダブルへ向けて負けられない戦いになります。離れた2番人気は、アイリッシュ2000ギニー覇者Beyond the Border。こちらは愛国クラシック二冠を目指します』
「(Tertre rougeも要警戒だが、2000ギニー勝った奴も気になるな…どっちも後ろから襲ってくるから、自力で押さえつけねえと勝ち目は無い)」
『既にTertre rougeはゲートの中です。最後にFairy Taleが入って、態勢完了!』
「(なら、フィジカルで圧倒するのみ!)」 - 157二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 21:32:22
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- 158◆36sEtV67qSwW25/04/18(金) 22:13:24
ガシャコン!
ダッッ!
『ゲートが開いた!さあスタートが切られました。ハナを叩くのはどのウマ娘か。様子を見ながら、Immediatelyが先頭に立ちました。2番手にLost the World、そのすぐ横にChocolate Smileが続きます』
「(流石に逃げがいないだけあってペースは遅くなりそうだな。状況によっちゃ、前突っついてペース上げさせるか、アタシがペースを作っちまっても良いかもしれん)」
『3番手集団にはIndigo Blue、The Top、Desert Kingdom、その後ろに2番人気のBeyond the Borderがいます。そしてその後ろ、ここにいました。エプソムダービーウマ娘のTertre rouge、今回は後方2番手でレースを進めます』
「(ちょっとこれは遅すぎるな。少しずつ前に出てみるか…)」
『先頭はImmediately。ゆったりとしたペースを作っています。2番手はIndigo Blue、じわっじわっと上がって来ています。Immediatelyに並びかけて、半バ身くらいのリードを取ったか。先頭Indigo Blue、2番手にImmediatelyです』
「(最後の直線は600m以上ある。ギリッギリまで引きつけねえと、2400m走るレースではスタミナがもたねえな)」 - 159◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 02:29:59
『隊列変わらないまま、各ウマ娘が最終コーナーへと向かっていきます。先頭は僅かにIndigo Blue、2番手内Chocolate Smile、外Immediately。その後ろはぎゅっと固まって、まさに団子状態。Desert KingdomとThe Topがいて、Beyond The Borderは最内!さあ、ここからバ群を割って抜け出せるのか!』
「(後ろやべえな、めちゃくちゃ固まってやがる。こいつぁ瞬発力勝負になりそうだな…やっぱりスタミナ信じて持久戦に持ち込んだ方が良かったかなぁ…)」
「(だが、今更そんなこと考えても仕方ねえ。アタシの選択が正しかったと信じる!)」
ダッッ!
「うおおおおおおお!かかってこいやあああああああ!」
『残すはホームストレッチの攻防のみ!先頭はIndigo Blue、2番手争いはDesert KingdomとThe Top!Beyond The Borderは内でもがいている!さあそして、外から来た来たTertre rouge!先団目指して、一気に大外を上がってくる!』
「ダービーの称号、絶対に渡しやしねえ…!」
『Indigo Blue、完全に抜け出した!しかし外からTertre rouge!この2人の争いになるか!残り200mでその差2バ身!』
「ぜぇ…!ぜぇ…!どりゃああああああああ!」
「はぁ…!はぁ…!ダービーダブル…あたしが貰うんだから!やああああああっ!」
『残りあと50!Indigo Blueか、Tertre rougeか!悲願の初制覇か、ダービーダブルか!』
「くっ…!」
『交わしたぁっ!Tertre rouge、最後の最後に差しました、1着でゴールイン!2着にIndigo Blue!Tertre rouge、ダービーダブル達成!』 - 160◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 02:40:07
「はぁ…はぁ…や、やった…!アイリッシュダービーも勝てた…みんな〜、やったよ〜!」
「ぜぇ…ぜぇ…ま、また…勝てなかった…ダービー…!」
「くっそおおおおおお!」
⏰
「Indigo Blueさん」
「…Tertre rouge。おめでとう、アタシの負けだ。お前の方が強かった」
「うん、ありがとう。あなたとの最後の末脚勝負、とっても痺れた。すごく充実したレースだったよ」
「…そうか、良かった」
「また、何処かで一緒に走ってくれる?」
「そうだな、またどっかでな」
「ありがとう。楽しみにしてる」
「おう。ほら、ファンのところ行ってこいよ。みんな待ってるぞ」
「うん、ありがとう。それじゃあ!(タッタッタッタッ)」
「……」
「ダービー…うぅ…!(グズッ)ちっくしょおおおおおお!(ドサッ)」 - 161◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 03:05:10
「……」
「お疲れ様。走りはすごく良かったよ」
「…おう」
「ダービーウマ娘の称号はゲット出来なかったとしても、エプソムダービーを勝ったウマ娘に半バ身差まで喰らいついたのは誇りに思って良いよ」
「……」
「……」
「トレーナー」
「何かな」
「アタシさ、これから何を目標に走れば良いんだ?今まではダービー勝つために必死こいて練習出来てたけど、もう出られるダービーは終わっちまった。2つ出たダービーは勝てなかったし、今からドイチェスダービーには向かえるわけなんてないし…」
「そうだね…とりあえず、パリ大賞典には明確に倒すべき相手がいる。君自身で、落とし前をつけなきゃいけない相手が」
「…そうだな」
「その後は…そうだね、これはパリ大賞典が終わった後の君次第だから、今は話さないでおこうかな」
「…?」
「とにかく、あんまり先の事を考えても仕方がない。まずは、見えてる目標を1つ1つクリアしていく事を優先しよう」
「…わかった」 - 162◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 03:44:26
- 163◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 11:20:56
「お帰りなさい」
「おう」
「ダービー、残念だったわね」
「自分でペースも作れて余力無しで走り切って、んで負けたんだ。あれ以上のレースはあそこでは出来なかった。ただただ1着の奴が強かった」
「まあ、そうね…でも、3着の子は突き放してたし、貴女が強いレースをしたことに変わりはないわ」
「……」
「パリ大賞典、出るんでしょう?」
「ああ、出るぞ」
「フランスの、実質クラシック最終戦なんだから。気を引き締めていきなさいよ」
「わかってる。引導を渡す必要がある奴も居るしな」
「ええ。応援してるわ、頑張って」
「ありがとう。お前は次どこにすんだ?」
「まだ決まってないわ。でも、パリ大賞典も候補に入れてるってトレーナーさんが言ってたわね。もしかしたら、私も出るかも」
「そうか。お前が出るなら、お前ごと捻り潰すだけだ」
「やれるものならやってみなさい。そうなるつもりはないけど」 - 164◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 11:51:04
主要ウマ娘の次走
Orrery's Full Moon:dice1d5=3 (3)
1→仏国 G1パリ大賞典(ロンシャンレース場芝2400m)
2→英国 G1ヨークシャーオークス(ヨークレース場芝11ハロン188ヤード)
3→仏国 G1ヴェルメイユ賞(ロンシャンレース場芝2400m)
4→仏国 G2ニエル賞(ロンシャンレース場芝2400m)
5→故障発生
Indigo Blue:仏国 G1パリ大賞典(ロンシャンレース場芝2400m)
Passionate:dice1d5=4 (4)
1→愛国 G1アイリッシュオークス(カラレース場芝12ハロン)
2→独国 G1ディアーナ賞(デュッセルドルフレース場芝2200m)
3→英国 G1ナッソーS(グッドウッドレース場芝9ハロン197ヤード)
4→休養
5→故障発生
My Life Style:仏国 G1パリ大賞典(ロンシャンレース場芝2400m)
Tertre rouge:dice1d5=1 (1)
1→英国 G1KGⅥ&QES(アスコットレース場芝11ハロン211ヤード)
2→英国 G1インターナショナルS(ヨークレース場芝10ハロン56ヤード)
3→仏国 G1パリ大賞典(ロンシャンレース場芝2400m)
4→ 仏国 G2ニエル賞(ロンシャンレース場芝2400m)
5→故障発生
- 165◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 13:20:24
「明日、パリ大賞典本番ね。大丈夫?結構レース使い詰めてるように感じるけど」
「まあ、ここで終わるならまだなんとかなる。こっからキングジョージとかインターナショナルステークスに出ろって言われたら大分きちぃけど」
「そう…なら良いけど。例のあの子との因縁、きっちり清算してきなさいよ?」
「ああ、任せとけ」
「ああそうだ…私、少しの間地元に帰ることにしたの」
「お、バカンスか?」
「まあ、そんな感じね。2週間くらいで戻る事にはなるわ。9月の頭にはヴェルメイユ賞もあるし、あんまり長い間休むと身体も鈍っちゃうもの」
「ヴェルメイユ賞?ああそうか。お前の次のレースだっけか」
「ええ。貴女も少しくらいは身体休ませてあげなさいよ?」
「おう。明日のレースが終わったら、アタシもしばらくゆっくりするわ」 - 166◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 13:39:23
「いよいよ、だね」
「ああ。天候も晴れ、バ場は良。リベンジマッチにはもってこいの条件だ」
「まあ、Blueにとってはそれも大事だろうけど、相手は他にも居るってことは忘れないでね?2000ギニーの覇者とダービーの覇者、どっちも出走してるから」
「そいつらにとっては二冠のチャンス、アタシにとっては清算のチャンス。当たり前ではあるが、それぞれに勝たなきゃいけねえ理由があるってわけだ」
「そうだね。今度こそ全力で捩じ伏せて、君の力を証明してほしい」
「任せとけ」
⏰
「ぃよう、1ヶ月ぶりだな」
「は、はい。お久しぶりです」
「アタシはあの日以来、お前を倒すためにトレーニングに勤しんできた。あの日のリベンジを誓うため…お前との力関係に白黒つけるため」
「私も、レースをあんなふうにしてしまった事…あなたに迷惑をかけてしまった事…背負ってしまった罪を滅ぼすために、今まで以上に練習しました」
「ふん、そうかい。あの件について悪いと思ってんならよ、大人しく勝ちをアタシに譲れ」
「それは…出来ません。私だって、レースに生きるウマ娘。わざと負けるなんて事はしたくないです」
「まあ、そうだよな。なら実力で黙らせるだけだ。大人しくターフに這いつくばってろ」
「ま、負けません…!自分の実力で、真っ先にゴール板前を駆け抜けてみせます!」 - 167二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 17:05:22
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- 168◆36sEtV67qSwW25/04/19(土) 21:57:00
『フランスクラシック最終章、パリ大賞典です。ロンシャン芝2400mで行われます。二冠ウマ娘の誕生か、あるいは新たなるスターがターフに舞い降りるのか。人気を集めているのはこの2人、プール・デッセ・デ・プーラン覇者のBlack Markと、ジョッケクルブ賞覇者のLittle Venus。離れた3番人気は、ジョッケクルブ賞5着、アイリッシュダービーでは惜しくも2着のIndigo Blue。悲願のG1制覇なるか』
「(あいつが前に出たらその後ろについて行ってやるか。ペースだけ気をつけなきゃいけねえが、アタシが前にいる時に後ろでちょこまかされるよりは余程良い)」
『各ウマ娘、順調にゲートインが進んでいます。最後に入るのはSeptember。収まって、態勢完了です』