- 1二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:40:44
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて成長していく結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
いよいよ本編間近に(本編でどうなってるかもよく分かってない)地球での2人の物語が始まりますが一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
↓初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com↓前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)7|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:41:46
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:42:52
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 4二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:43:06
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたブルパップ式ライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 5二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:44:20
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味ジュンのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 6二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:45:04
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 7二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:45:35
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 8二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:46:09
リーラ・ゴーセブルーム
ブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンの連携によって発動する対ゼクノヴァ兵器。
『紫の大輪』を意味する通りにオイランゼンが操るペタルビットが高速回転する事で作り出される紫の光の輪から発生される強力な電磁力を輪の中央にいるリッターモードのブルキャノンに纏わせ超磁力の反発によってブルキャノンを射出し、ゼクノヴァに激突した際の衝撃波で対象のエネルギー膨張を消滅される事が出来る。
速い話がブルキャノンそのものを弾にしたレールガンのようなものであり、頑強なブルキャノンによる高速戦闘を得意としたジュンが弾役を、そのジュンを上手く補助出来るように軌道補正を出来るニャアンが射撃役をしないと姿勢制御が上手くいかず大惨事は免れない。
基本的な役目はゼクノヴァの消滅だが単純な突進技としても強力であり、弾役のジュンの負荷を無視すれば理論上はムサイ10艦を縦に貫通出来る。 - 9二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:46:41
このスレのオリキャラ
演歌の軍警
サイド6軍警の繁華街派出所部長。
巡査長時代に不審な難民の情報を聞いてニャアンを追跡していた際にジュンに遭遇。
最初はニャアンが違法デバイスのやり取りをしていると疑い逮捕しようとするがジュンに依頼してたのは合法の作業用デバイスであり、更にはニャアンが持ってきたのは北島○郎演歌集のCDだった為、結局2人が逮捕される事はなく、なんならジュンと2人で兄弟船をデュエットして仲良くなった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の際に瀕タヒになったジュンを救護施設まで届けてくれた張本人であり、ジュンが服役中も何かとニャアンに気をかけている。
普段はMS部隊の欠員補充で指揮官仕様の軍警ザクで交通治安維持に努めている。
看守
ジュンがいる刑務所を管理する看守。
元々は機動隊隊員だったが過去に負傷をして現在の勤務地に転属となった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の緊急事態に避難誘導員が足りず現場に駆り出されており、目の前でジュンのブルキャノンが身を挺してニャアンを守るのを見ていた事や演歌の軍警から事情を聞いた事によって刑務所内のジュンに何かと気を使ってくれており、出所後も度々演歌の軍警と共にジャンク屋に顔を出している。 - 10二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:47:48
ベイン
難民居住区に住む初老の男性。
幼い頃に漂着したニャアンの面倒を見ており、彼女が1人で生きられるように面倒を見てくれていた育ての親。仕事柄どうしてもコロニーから離れる事が多い為ニャアンが早く独り立ち出来るように育て上げたものの彼女のどんくささや生きる為とはいえ違法な稼ぎ方に手を染めざるを得ない状況をずっと不安に思う中ジュンの元で真っ当に生きているニャアンと再会して心底安心していた。
しかしその正体はジュンと同じく連邦軍のスパイ。処刑人であるジュンとは異なり隠密活動から暗サツまでこなす、スパイとしてはジュンよりも上澄みの実力者である。
今回サイド6に戻って来たのはブルキャノンの戦闘データを回収する為であり、その為にニャアンを利用しようとしてスパイとしての責務と育ての親としての罪悪感に苛まれていた。
愛機である独自のMA、カボ・マンダラットは鉄錆色のヤドカリのような独特の形状をしており、その機体の特徴からベイン自身も鉄錆の爪の異名を持ち恐れられている。
ブルキャノンとの決闘の後、尚もスパイとして情報収集に徹するも土壇場でジュンとニャアンが危機に陥った際に身を挺して庇って致命傷を負うもののソドンでの治療が間に合って一命をとりとめ、今は軍警内病院でお世話になり、ジュンとニャアンの弁明により罪は比較的軽微なものとなって気軽に面会も可能な状態になっている。 - 11二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:55:36
前スレのあらすじ
連邦、ジオン、イズマ・コロニーの三国試験にてブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンの正式パイロットとして参加する事になったジュンとニャアン。慣れない大型豪華宇宙船でベイン爺さんに知られたら命が足りないようなハプニングを起こしつつも2泊3日を過ごして地球を目前にするが突如として襲撃してきたジ・Oに類似した謎の白いMSの襲撃を受け、2人は護衛のXカスタムとキケロガと共にこれを迎え撃つが、不気味な声とMSの眼光によって意識を失ったニャアンとそれを救助したジュンはそのまま大気圏突入を余儀なくされてベトナム領の小さな無人島へ降り、そこで連邦を離れて反連邦組織に加わったかつてのジュンの上官、ライラと再会する。
不時着の事情をライラの組織の頭領に説明する為、2人はライラと部下達が乗ってきた船に乗り、頭領がいるというコンソン島を目指す… - 12二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:00:03
放送開始まで後3日ぐらいのところで始まりました8スレ目、とりあえず劇場と予告以外でニャアンの声が聞けるようになるのを楽しみにしつつこちらの世界も続きます
- 13二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:01:03
更新乙です。
- 14二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:17:04
- 15二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 03:02:12
船にMSを追加で積めなかったら無人島に放置になるが…
- 16二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 07:13:18
字面にすると本当にジュン兄の命が足りないw
- 17二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 11:18:22
- 18二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 14:30:29
- 19二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 14:54:59
- 20二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 16:11:35
- 21二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:38:41
今や英雄(人口一千万で発売初日10万箱完売)となったブルキャノンとパイロットが行方不明となって大騒ぎする市民。
あの物騒なガンダムが居ないと気付いて跳梁跋扈する違法MS犯罪。
即断即決の危機管理の名手たる市長も不在。
演歌「畜生また交機転属延期だよしかも家にも帰れねぇ」(ミノスピで演歌を鳴らしながら休みなき特車二課状態)
看守「こちとらも看守まで一部警備に引き抜かれて模範囚まで使わねぇと刑務所が回らねぇよ」(実質管理職状態)
班長「まったく朝昼晩だけじゃなくて夜食と甘味まで面倒見なくちゃならなくなってこっちも鉄火場だよ」(娘の弁当まで職場で準備)
ペイン爺「今は大人しくしておくか」(看守補助員のボスとしてナメた囚人連中シメつつ)
- 22二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 19:39:20
ベトナム領海域
コンダオ諸島東部の名もない無人島から出港し中型のMS搬送船は、ジュン達一同を乗せて名のある島の中では最東部にあるカウ島を横切っていく。潮風を浴びながら青い海に浮かぶ島の景色にニャアンが目を輝かせるのを見ながらジュンは優しく笑いつつ、舵を取るガレスに感心したように声をかける。
ジュン「ガレスさんアンタ操舵上手いなぁ。連邦にいた頃多少船には乗ったけど、海の上でこんなに揺れが少なく船操れんのはすげぇよ」
ガレス「へへっ、勝手知ったる故郷だからなぁ」
ライラ「ガレスは元々船乗りで、戦争中もMS搬送用の船の操舵師として駆り出された事があるぐらいだからねぇ。ヘリスはオペレーター兼通信士、アグラは航海士兼副船長…みんな一年戦争経験者さ」
ジュン「へー、じゃあこの3人がいれば戦艦動かせるな、あはは」
ライラ「……ま、戦艦があればね」
ジュン「…?あ、そうだ姉さん、さっきからずっと気になってたんだけど…」
ジュンは少し怪訝そうにしながらブルキャノンの隣のコンテナに配置された、ワインレッドの装甲と首元の黄色い塗装が特徴的な見たことのないモノアイのMSを見上げる。
ジュン「こいつザクじゃねぇよな?初めて見たんだけど…」
ライラ「こいつはガルバルディ改。一年戦争末期にジオニック監修で開発したのを私用にカスタムした機体さ」
ジュン「ジオニックって…一年戦争後半にはガンダムにシェア取られたせいであらかた開発計画頓挫した連中だろ?なんでそんな奴らの機体が地球に…」
ライラ「ジオニックだって一枚岩じゃないって事さ。ジオンに忠誠を誓って従事した奴らもいれば、突然の計画頓挫に納得いかなくて連邦側に降った奴らもいる…この機体は後者の奴らが作ったって訳」
ジュン「じゃあ一応連邦製って事なのか…ん?ライラ姉さん連邦辞めたんだろ?なんで連邦のMSなんて持ってるのさ。払い下げ?」
ライラ「ふふっ、あんまりにも上は奴らが横柄なもんだからさ。辞めるついでにちょいと、ね」
ジュン「ははっ、わっりぃ女」
気の知れた仲のように軽口を叩き合う2人を、ニャアンは島の景色を見ながらもこっそりと横目に、少し羨ましそうに見ている… - 23二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:02:18
少し海を進み、搬入準備の為にブルキャノンのコクピットに飛び乗ったジュンをライラが見上げていると、ライラの肩をニャアンがちょんちょんとつつく。
ライラ「ん…?」
ニャアン「あ、あの、ちょっとお話しませんか」
ライラ「なんだいそんな急にガチガチに緊張して…大丈夫だよ、そんな畏まらなくても。何をお話したいんだい?」
ニャアン「えっと、その、昔のジュンのお話、とか…」
ライラ「…昔のファンボイ?」
ニャアン「ちょっと前に、リリーさんって人とお話しする事があって…私、その人に言われるまで昔のジュンの事全然知らなくて…今は少しずつ知ろうとしてるけど、それでもやっぱり知らない事多くて…だから、ライラさんからお話聞かないかなって…」
ライラ「ああ、そういやさっきの動画で戦ってたのリリーだったね…」
ニャアン「リリーさんの事も、知ってるんですか?」
ライラ「あの子とも同じ任務にあたったりしたからね。いつもファンボイを気にかけてる健気な子だったよ。器量もいいし、尽くす子だった」
ニャアン「っ…」
ライラ「…ただ、そんな子にファンボイは見向きもしなかった。アイツの頭の中にはジオンを滅ぼす事しかないんだって私から見てもすぐに分かった…正直、見込みのない男だと思ったよ」
ニャアン「見込みが…?」
ライラ「ああいう戦い方をする奴はすぐに身を滅ぼす。実際そうなった奴は何人も見てきた…だが、奴は生き延び続けた。戦って、戦って、戦って…目の前の敵全てを滅ぼして次の戦場に向かう奴は…味方の私から見ても、恐ろしかった」
ニャアン「………」
ライラ「…だからね、アンタと一緒にいるファンボイの顔を見て、驚いたよ。アイツあんな顔出来るのかってさ……私からすりゃアイツ自身はいい男とは言い難いけど、自分にとっていい女を見つける目の良さはあったみたいだ。ニャアンちゃん、アイツのこと、これからもよろしくね」
ニャアン「…はい………でも…」
ライラ「…?」
ニャアン「……ジュンは…あなたが思うよりいい男…だと思います…」ゴニョゴニョ
ライラ「ふっ…あっはっは!!悪かったね!!ホントいい女だよ、アンタは!!」
ガレス「あねさん、まもなく着きますぜ…ってどーしたんですかそんな大笑いして…?」
- 24二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:37:23
- 25二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:48:13
多分ブルキャノンパイロット4人の中で当時は1番スパイ適性のないジュンをわざわざコロニーに潜伏させたのはそういう意図もある…のかも…?
結果的にニャアンと出会って心を取り戻したから中将も大満足以上の結果になったし、クラバでの告白と誓いもめっちゃ嬉しかったんだろうな…
- 26二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:50:01
コンソン島
コンダオ諸島中心部唯一の有人島、コンソン島。旧世紀頃から人口7千人程の僅かな人が暮らす程度ではあるがその豊かな自然と美しい海によってリゾート地として有名であり、宇宙世紀になった後も戦前は広い層から人気の観光スポットであったが、近年はコロニー落としによる影響で一時期自然環境に大幅な変化が生じ、統一機構との小競り合いのせいで観光客もかなり減っていた。しかしベトナム政府と島民達の努力により少しずつ環境は回復していき、再びリゾート地として人々を呼び込む経営努力の真っ最中であった。
そんな状況下のコンソン島に降りた2人が真っ先に感じたのは、見た事も住んだこともないはずなのにやはりどこか懐かしいと感じる不思議な雰囲気であった。
ニャアン「…ビーチは静かだけど…街中はにぎやかそう?」
ジュン「ホントだ…ありゃ市場か何かか?」
ライラ「向こうの道路でも島民が肉や野菜を並べてが売ってるし、街の真ん中にはもっと大きな市場があるよ…コロニーじゃあんまり見ない光景だろ?」
ニャアン「…日の当たるちょっとキレイな感じで活気のある難民居住区って感じかな…でも、こっちの方が落ち着く」
ジュン「あー、分かる気がする。だから落ち着くんかなぁ…?」
ライラ「…アンタらのコロニー暮らしも楽じゃなさそうだね…」
アグラ「あねさん。そろそろ頭領に挨拶を」
ライラ「分かってる…観光地巡りは後にしようか。ま、今から行くのもある意味観光地っぽいけどね」
ジュン「へ?観光地に頭領さんいるんですか?」
ライラ「ああ、島を見下ろせる丘の近くにバンソン寺って寺がある。普段は観光地だが有事には反連邦勢力の会議場になるのさ」
一同は搬送船のコンテナをトラックにくくりつけて島の中腹にあるMSの隠し場所まで運んでから島の丘の寺を目指して歩き出す…
- 27二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:27:56
バンソン寺
日本の寺に比べてやや色鮮やかながらもやはり寺らしい雰囲気と懐かしさを感じさせるこの寺は、島を一望出来る絶景スポットとして有名であり、昼過ぎの今であれば普段ならば少しずつ戻ってきた観光客達のいる時間帯だが、今は急遽貸切となって立ち入り禁止になっている。
その貸切の寺院の本堂に通され正座する2人の目の前には、使い込まれた軍服を纏った筋骨隆々のスキンヘッドの男があぐらをかいて2人を眺めていた。男の周りには他にも大勢あからさまにカタギではないような似たような服の厳つい男達が控えており、厳しい目線を2人に向けており、ニャアンは思わず目を逸らして正座しながらもジュンの隣後ろに少しずれ、ジュンは頭領の後ろの男が拳銃を隠し持っている事を悟りそちらに注意をしつつも頭領と目を合わせる。
頭領「…テメェらか。ウチのシマに大気圏から突っ込んで来た馬鹿ってのは」
ライラ「頭領、さっきも説明したが彼らは事故で…」
頭領「ライラ。俺は今客人と話をしてんだ。口を挟むな」
何か言いたげにしつつもライラは堪え、ガレス達3人も緊張した様子で寺の端から両者の様子を見守る。
ジュン「…ベトナム領の方々にはご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。その上で立ち合いの機会を設けて頂きありがとうございます」
ジュンは落ち着いた様子で頭を下げ、ニャアンも慌ててそれに続く。
頭領「…随分挨拶慣れしてるじゃねぇか。不時着したフリで潜り込む練習ってのもスペースノイドの軍警どもはよくやるのか?」
ジュン「少なくとも軍警察ではやらないでしょう。あくまでMSは自国防衛の為の手段です」
頭領「最もな返答だ。流石は公爵家の蒼い騎士、尋問は慣れたもんか?」
ジュン「尋問されてるつもりはありません。あくまで客の気分で気楽に話してます。頭領もさっき我々は客人だとライラ姉さんに言ってましたし」
不法入国してどの口が、と後ろの男が怒鳴ろうとしたのを察した頭領は腕を伸ばして遮り、笑みを浮かべる
頭領「……ははっ、いいガッツしてるじゃねぇの、お前。何、今のは少しカマかけただけだ。悪かったな…お前達の回収手続きが出来る奴らが来るまでこの島での滞在を許す。ただし、面倒ごとは起こすなよ?」
ジュン「はい、ありがとうございます」
ライラ以外の3人とニャアンがだらだら冷や汗を流すなか、ジュンは汗一つかかず再び頭を下げる…
- 28二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:41:53
バンソン寺前階段
ニャアン「し…心臓止まるかと思った…」
ジュン「ははっ、そんな大袈裟な…ニャアンだって闇バイトしてた時のお客さんにもあーゆー厳つい輩だっていたろ?」
ニャアン「いや絶対そんなのと比較にならないって!!後ろの人達の目のすわり具合フツーじゃなかったよ!?」
ジュン「そりゃあ不法入国してきたスペースノイド側の人間だもん、怖い目もするって…厳重に監視もつけて下さってるしな」
ジュンは物陰からこちらを見つめる軍服の男達の方を向いてへらへらと笑いながら手を振り、男達は慌てて目を逸らす。
ライラ「…丸くはなったが胆っ玉は相変わらずだねぇ。その場で始末されるとは考えなかったのかい?寺院なんだから始末されてそのまま直葬、なんてさ」
ジュン「確かに寺院だけれどここは観光地ですし、観光で人を呼び戻したい島で態々そんな事向こうがしたくないでしょ。その上で見晴らしのいい寺院に呼んでくれた時点で向こうもあんま事を荒立てたくないんだなぁって、なんとなく分かってましたから」
ニャアン「…ジュンって戦闘と機械いじりの時以外にもたまーに凄く頭回る時あるよね。普段はお客さんから貰うお金に適当で見積もりより高くかかったのに安く貰っちゃったりしてるくせに」
ジュン「い、いやぁ金の計算はちょっと苦手で…それよりほら、時間出来たんだから観光地行こうぜ!?俺市場気になっててさぁ!!」
誤魔化すように笑うジュンに呆れたようにしながらも素直についていくニャアン。表向きは見張り役のライラ達と本命の見張り役の軍服の男達もそれについていく…
- 29二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:59:43
確かにMS使う犯罪者からしたら軍警所属で高速機動型のフルアーマータイプなんて物騒極まりないのでいない今は色々と動きやすいと思って揉め事起こす輩がいそう
緊急時にはマチュとシュウジ、なんならベイン爺さんすら出撃して留守を守ってくれてるかもしれん
マチュ「もーっ!!ファン兄ちゃん達帰ってきたらぜっっったい色々奢って貰うんだから!!」ジークアクスで違法ザクの頭跳ね飛ばしながら
シュウジ「そうだね。今度ラーメン奢ってもらおう」ビームサーベルで違法ザクの頭焼き切りながら
ベイン「おー…最近の若者はおっかないのぉ…」機体を降りて犯人達を縛り上げてる
アラガ「あっ、いたぞ!!」
ラゴウチ「はっや…もう終わってやがる…」
- 30二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 22:08:00
- 31二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 22:44:25
おまけ、市場前
ジュン「あっしまった!!!!」
ニャアン「な、何?」
ジュン「暇してる間市場回ろうにもそもそも俺緊急出撃で身一つで飛び出したから財布持ってねぇ…」
ニャアン「あ…私も財布は持ってない…というか、コロニーでの通貨って地球圏じゃ使えない…?」
ライラ「一応地球観光で来るコロニーの富裕層がいない訳じゃないから換金所もあるよ。なんなら物々交換もやってるからそれで交渉したらどうだい?」
ジュン「そうは言ってもなぁ…持ってるもんなんてベルトに巻き付けてるスパナとかドライバーぐらいだし…」
ガレス「逆になんでそんなもん巻き付けてんだよ…」
ニャアン「私もデジカメしか持ってない…」
ジュン「うーん…こいつは困ったなぁ…」ちらっ
ニャアン「え、えーと、うん、困ったね…」ちらっ
ライラ「……金が出来たらちゃんと返すんだよ」ため息
ジュン「流石姉さん太っ腹!!」
ニャアン「ご、ごめんなさい必ずお返しします」
ヘリス「あ、あねさん相手にたかってる…」
アグラ「2人揃ってしたたかなものだな…」 - 32二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 23:15:07
- 33二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 23:24:39
多分発売当初(値崩れ前)に買ってる。
値崩れ後も「なんか放っておけなくて」で買い増してここで呆れられてる。
最近評判が上がったのに次の輸入が(ブルキャノン量産の余波で)滞っているので買値(値崩れ当時)で譲ると感謝されるまである。
- 34二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 06:32:40
朝保守
- 35二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 07:54:08
- 36二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 12:07:44
- 37二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 16:14:06
しれっと落下先で観光デートしようとしてるの異国に漂流して待機中に食堂探して飯食ってるゴローちゃん並にメンタル強いなこの2人…
- 38二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:19:33
コンダオ市場
無事反連邦勢力の頭領から滞在許可を貰ったジュンとニャアンは一応監査役のライラ達と共に寺を降りてコンソン市場へ赴く。市場では豪快に切られた生の肉やバラ売りの野菜がどっさりと盛られて販売されており、店の人々は活気に満ちた様子で呼び込みをしており、2人にも声をかけてくる。
肉屋「兄さんお肉どうだいお肉!!安くしとくよ!?」
八百屋「肉買うならパクチーも一緒にどうだい!?袋詰めで好きなだけ詰めて1000ベトナムドン!!お買い得だよ!?」
ニャアン「え…えっと生のお肉と野菜は今はちょっと…」ジュンの背中に隠れつつ
ジュン「ははっ、いいなぁここの市場。活気があって、こっちも元気が貰えそうだ」
肉屋「…あれ、よく見たらお二人さん俺らと同郷さんかい?」
ジュン「あー、俺は母さんがベトナム系でね。ニャアンは…どうなんだろう?」
ニャアン「た…多分…?」首傾げ
八百屋「自分のご両親の事なのにそんな曖昧な……あっ、もしかしてお客さん達宇宙から来たのかい?」
肉屋「あー、スペースノイドさんは今の代だと最初から最後まで宇宙暮らしの人もいるだろうし、案外自分の血筋なんて分からないもんだよなぁ」
ニャアン「…スペースノイドに、抵抗はないんですか?」
肉屋「ないない!!遠く離れた所に至って俺らみーんな地球からの兄弟なんだからさ!!」
八百屋「まぁジオンみたいにコロニー落としたり厄介ごと持ってくる連邦だったりには勘弁して欲しいと思うことは多いけどなぁ、あっはっは!!兄ちゃん達は観光かい?」
ニャアン「え、えーと…」
ジュン「へへ、新婚旅行の予行練習!!いーだろー?」ニャアン抱き寄せ
ニャアン「〜っ!!」ジュンの胸元でぽかぽか殴ってる
八百屋「おー、初々しいねぇー」
肉屋「俺らの母ちゃんにもこんな次期あったんだよなぁ…」
八百屋妻「なーんか言ったかい???」
肉屋「無駄な口ばっか叩くとどうなるか忘れたようだね???」
男2人「「へいすんません!!!!」」 - 39二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:44:36
賑やかな市場を抜けた2人は、海辺の見える公園のベンチに腰掛けながら八百屋からもらったココヤシにストローを刺したココヤシジュースを飲みつつ、肉屋から貰った鶏肉の揚げ物を食べている。
ニャアン「…これ、飲みやすくておいしい」
ジュン「肉もいけるぜ。ちょっと揚げてる油古いかもとか思ったけど、これも味だよな、あはは」
アグラ「コロニー生活者の割によく市場飯が食えるな。観光客は普通道端に置いてある生の肉を調理したもんや洗ってるかも分からんココヤシなんて手をつけんぞ」
ヘリス「もうちょっと行けば観光客用のお店あったのに…」
ニャアン「でもココヤシは飲むのは中身だから外は平気かなって…」
ジュン「そうそう、旅先を知るにはやっぱ地元の人が本当に食ってるもんを食べないとな」
ガレス「うーん…スペースノイドにしちゃ逞しい奴らだ…いや蒼い騎士は地球育ちだけど…」
ガレスが感心してると、ふとニャアンは市場の隅っこで老婆が重そうな荷台を押している事に気付く。
ニャアン「ジュンごめん、ちょっと手伝ってくる」
ガレス「あっおい、一応監視対象なんだから急に離れるなって!!」
ジュンもそんな様子を見て笑い手伝うために腰をあげる。
???「あ、あの!!」
ふと、そんなジュンに声をかけてきた少年がいた。10か11ぐらいだろうか、ジュンの背丈の半分もあるかないかの少年は緊張した様子でジュンを見上げてる。
ジュン「ん…?」
ライラ「あんた確か…頭領の息子さんかい?」
ジュン「へ!?頭領さんここ出身なのか!?」
ライラ「いや、今は確かカミさんと別居してて息子と妻がこの島にいるとか…」
ジュン「…どこかの演歌好きを彷彿とさせるなぁ…あっ、いやなんでもない!!それで、俺に何か用かい?ええと…」
ソン「僕はソンって言います。その、お兄さんにお願いがあって」
ソンと名乗る少年はポケットから小さな金貨を取り出す。金貨と言ってもベトナムで貨幣として使われている金色の硬貨というだけだ。
ソン「1000ドン硬貨です、僕の月のお小遣いです、これをお渡ししますから、お願いを聞いて欲しいんです」
ジュン「ちょ、待ってくれよそんな急に金渡されても…」
ソン「見たいんです!!
お兄さんが海辺で動かしてたMS!!
あれ…ガンダムですよね!!」
目を輝かせる少年の願いを聞いて、ジュンとライラは思わず顔を見合わせる…
- 40二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:59:27
商店街端
ニャアンとガレス達、そして監視していて見かねた見張りの反連邦勢力の兵士達までもが老婆の荷台を押して、なんとか指定の位置までそれを持っていく事に成功した。
ヘリス「お、重かったぁ…」
アグラ「…確かに…これはご老体1人で運ぶのは大変だったな…すいません監視の方々も…」
監視1「ほ、ホントだよ全く…」
監視2「さほど力ある訳でもないのに手伝いなんぞしやがって…」
ニャアン「ご、ごめんなさいつい…」
老婆「ありがとねぇ皆さん。良かったらお礼に好きなもの1つ持ってっていいわよぉ」
ガレス「好きなものって…おばあちゃん古着屋さんかい?」
老婆「ええ、今日から古着屋さん」
ヘリス「きょ、今日から?」
アグラ「また随分急な…」
ニャアン「…どの服も、とても手入れされてて綺麗。ホントに古着なの?」
老婆「手入れだけはちゃんとしてましたからねぇ、たまにクローゼットから出して風通しよくしたりして、埃被らないようにしたりして…」
ガレス「じゃあこれ、全部おばあちゃんの古着かい?」
ニャアン「…こんなに状態いいのに、売るのは勿体無いような…」
老婆「いいのいいの。もう着ても見てくれる人がいなくなっちゃってねぇ…」
少し寂しそうに笑う老婆の顔を見て、ニャアンはハッとする。
ニャアン「…旦那さん…が…」
老婆「よくある老衰よ。あの人歳をとった後も私がドレスなんか着ると喜んでくれるような可愛い人で…あの人がいなくなってからドレスを見ると悲しくなっちゃってね…だから、手放すの」
なんと言葉をかけていいのか分からず一同が戸惑う中、ニャアンは慌てて老婆の手をとる。
ニャアン「ダメだよっ!!売ったらダメ!!」
老婆「お嬢ちゃん…?」
ニャアン「ええとその、説明しにくいけど、私も………あれ?」
ガレス「ど、どうした?」
ニャアン「…ジュンがいない」
監視1「なにっ!?」
監視2「あれっ、ライラ姉さんもいないぞ!?どこ行った!?」
- 41二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 21:23:00
同刻、海辺
ソン「わああああ…!!」
ソンは目を輝かせながら海辺の端の岩陰に姿を隠して片膝をつくブルキャノンを見上げおり、その後ろには困ったようにため息をつくライラと、楽しそうに笑ってるジュンの姿があった。
ライラ「全く不覚だよ…バレないように運んでたつもりがこんな子供に見つかってたとは…」
ジュン「坊主、MSが好きなのか?」
ソン「はいっ!!でも、ジオンが使ってるような細い奴じゃなくて、こういう力強そうなのが1番好きなんです!!後、最初期だけれど01ガンダムとか!!」
ジュン「おー、オメェよく分かってるじゃねぇか!!だよな、MSはゴツくてナンボだよな!!」
ライラ「アンタの相方のガンダムはほっそいけどいいのかい?」
ジュン「オイランゼンはニャアンを守る最適の形でああなってるからいーんだよ」
ライラ「あっそ…」
男はいくつになってもこんなんだねぇと呆れるライラの横で楽しそうにしているジュンはソンに問いかける。
ジュン「ソンはMSパイロットになりたいのか?」
ソン「はい!!…でも、母さんにそれ言うと怒られます。父さんに頼んで反連邦勢力のMS見せて貰った時も物凄く怒って、たまに父さんにあってもその事で今も怒ったりします」
ジュン「たはは、そりゃあいいお母さんだよ」
ソン「…でも、僕にとっては父さんが操るMSの姿がカッコよくて、憧れなんです。僕もいつかあんな風に飛んでみたいって思って…」
ライラ「…MSのパイロットなんてそんな憧れるようなもんじゃないよ。結局コイツらは戦争の道具なんだから」
ソン「で、でも…」
ライラ「もう充分見たろ?他の見張りにバレないうちに早いとこ…」
ジュン「……姉さん待った、俺もうちょいソンと話したいな」
ライラ「……手短にな」
ソン「…?」
ジュンは腰を屈めてソンに目線を合わせて語り始める…
- 42二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 21:43:13
ジュン「ソン。俺がMSを好きな理由はな、お前の憧れって理由に比べると…その、だいぶ濁った理由なんだ」
ソン「濁った…理由?」
ジュン「俺はMSが好きだ。自分の力を増長してくれる機械の鎧が、敵を焼き切る光の剣が、敵の土手っ腹に風穴空けられる砲門が、それらを全て内包したMSっていう最強の兵器で自由自在に飛び回るのが好きだ。でもそれは憧れじゃねぇ。俺はかつてジオンを憎んだ…今だってコロニーを落とした事を考えた奴に限って言えば憎い。その憎しみをぶつける為の力としてブルキャノンは最強の剣だった。だから好きになった…なんとも下賎な理由で好きになったもんだよ…ソンはどうだ?」
ソン「…僕…は……ごめんなさい…そこまでジオンは憎くないです。MSが好きなのも、カッコいいって思うからってだけで…お兄さんみたいに真剣な理由じゃ…」
俯いて謝るソンの頭を、ジュンはポンと撫でる。
ジュン「ばーか、俺の理由が真剣なもんかよ。私怨でフルアーマー乗り回してる奴なんざとんだ不良軍人だよ。寧ろオメーの憧れのほうが立派だ」
ソン「え…?」
ジュン「いいじゃねぇかよ、カッコよく空を飛びたいって夢。それに、ソンはMSで空を飛びたい訳であって別に戦争したい訳じゃねぇだろ?」
ジュンの問いかけを聞いてソンはこくこくと頷く。
ジュン「ならいくらでもやりようがあるじゃねぇか。テストパイロットでもいいし…コロニーによっちゃMSを使ったサーキットレースなんかもやってるだろ?…MSは戦争のものって思っちまって嫌な顔される事は多いと思うけどよ、人を助けたり、夢を与える事だって出来るんだ。お前がその為にパイロットを目指すってんなら、俺は応援するぜ」
ソン「っ…!!はいっ!!」
嬉しそうに笑うソンの頭を、ジュンはまた優しく撫で、本当に変わったんだなと思いながらライラは2人を見守る…
- 43二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 23:07:00
同刻、市場端
ガレス「おーいあねさーん!!…ダメだ、この辺にはいなそうだなぁ…」
監査役1「まぁライラ姉さんがいればトラブルになるような事はないと思うが…」
監査役2「しれっと蒼い騎士もいなくなってるしなぁ…ライラ姉さんの部下だったとは聞いているからまぁ、平気か…?」
ニャアン「…ガレスさん達もそうだけど、ライラさんって凄い信頼されてるんだ」
ヘリス「そりゃあねぇ。あねさんは徴兵されたのにロクに賃金も貰えなくて路頭に迷ってた僕らを拾ってくれた恩人だもの」
アグラ「反連邦勢力に加担した後も組織として俺達下の者が足並みを揃えられるようになったのはあねさんのおかげだ。頭が上がらないよ」
老婆「なんだかごめんなさいねぇ…私のお手伝いしてる間にお友達が迷子になっちゃったのかい?」
ガレス「んー…いやまぁあながち間違いではない…か…?」
老婆「お詫びついでにホラ、ホントに好きなもの持ってっていいから、ね?」
ニャアン「いや、だからおばあちゃんそれは……あれ?」
ガレス「今度は何よ?」
ニャアン「……あの船、軍艦?」
ニャアンが指差す方向にガレスが目を凝らすと、確かに海の端の方に黒い軍艦が5隻、横に並んでこちらに近付いているのが見える。
ガレス「……おい…おいおいおいおい!?どういう事だよ!?
統一機構の軍艦だぞ!?」
ガレスの叫びを気にも留めず、5隻の軍艦は次第にコンソン島へと距離へと近付いて来る…
- 44二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 00:11:08
マジで五千ハイト硬貨六枚をポケットに突っ込んであれば良かったんだけどね…