- 1二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:05:41
- 2二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:06:38
セルフサービ…すまない、続けてくれ
- 3二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:06:42
前払いだと…⁉︎ちょっと待っててくださいね
- 4二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:08:18
3部構成で行きますよー
レイサのキャラがちょっと違うかもしれんけど
イヤホンを買った。
今すぐ必要だったわけじゃない。
私はヘッドホンを持っている。いつも愛用しているヘッドホンを。それでも、イヤホンを買った。
店を出る。外は雨模様。
音楽プレイヤーに、さっき買ったばかりのイヤホンを繋ぐ。折角だから使ってみたかった。いつもと付け心地が違うせいか、どこかむず痒い。
傘を差す。弾かれる雨音は、すぐにお気に入りの音楽によって聞こえなくなった。
しばらく街を歩く。すれ違う人達は足早に通り過ぎていく。皆、雨は嫌いらしい。
しばらく歩くと、見慣れた人影が一人、雨宿りをしていた。空を見上げて、ぼんやりと。
「レイサさん。お一人ですか」
「…あ、スズミさん。ええ、傘が無くって」
雨の日の貴方は何時もより静かで、どこか儚げ。
「…よければ、入っていきますか?」
傘を差し出しながら、話しかける。
貴方は一瞬、困ったように目を逸らす。
「…いいんですか?」
「是非。一緒に帰りましょう」 - 5二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:08:57
んほほほ セルフサービス!
- 6二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:10:15
ふたつめ
傘の中、顔が二つ並ぶ。
何時もより沈黙が耳元で騒いでいる。まるで、次に出る言葉で賭けをしているような。
貴方をちらりと見る。静かな貴方の横顔は、まるで初めて見る顔で。
そんなことを思いながら見つめていると、不意に貴方と目が合った。貴方は恥ずかしそうに目を逸らした。
「…そういえば、今日はヘッドホンじゃ無いんですね」
「…あ、はい。今日は、というより、ちょっとした好奇心といいますか…」
不意の質問に、思わず誤魔化したような返事をしてしまう。
心の何処かで、二人で好きを共有できればと思っていた。だから必要で無くてもイヤホンを買った。
「…よければ、スズミさんの聴いてる曲、聴かせてもらえますか」
…なのに、いざその機会が降ってくると、こうも恥ずかしくて踏み出せない。
「…良いですよ。気に入ってくれたら、嬉しいです」
喉の奥でつかえていた言葉をどうにか口にする。
左耳用のそれをレイサさんの耳に付ける。レイサさんは少しくすぐったそうに身を捩って、それを受け入れた。
音楽プレイヤーの再生ボタンを押すと、静かな雨の日によく馴染む懐メロが流れ始めた。 - 7二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:12:51
みっつめ…と思ったけど行数が…
二人で街を歩く。何を言うでもなく、ただ音楽に耳を傾けながら。
横を見ると、柔らかな表情でリズムを取っている。どうやら気に入ってくれたらしい。
どれくらい歩いただろうか。遠目に交差点が見えてくる。その向こう側に、レイサさんの家がある。もうこんなところまで来てしまったのか。
いくら何でも短すぎる、もう少しこの時間が続いて欲しい。もっと――――
「…信号、赤になればいいんですけど、ね」
不意に横で、消え入りそうなくらい小さな声が聞こえた。
――ええ、ほんとに。赤になって、そのまま止まってしまえばいいのに。
しかし、無常にも信号は青のままで、そのまますんなり渡れてしまった。
玄関先の屋根に入って、傘を閉じる。
「スズミさん、どうもありがとうございました」
「こちらこそ。ご一緒できてよかったです」
終わる。終わってしまう。二人でいられる時間が終わってしまう。
名残惜しくて、思わず引き留めそうになった時だった。
「…今日は、とっても楽しかったです。スズミさんの好きを沢山知れて、それで、その…」
「……今度は、もっと沢山、スズミさんを知りたいな、って…」 - 8二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:13:58
目を逸らしながら、たどたどしく語るレイサさんに目を奪われる。
…同じ想いだった。最初からずっと。私の願いは、貴方に確かに届いていた。
買って良かった。これがなければ、この時間はなかった。
感情が溢れそうになるのをぐっと堪えて、話す。
「はい。今度はゆっくり語らいましょう。私だけじゃなく、レイサさんのことも」
「…っ、はいっ。お待ちしています!」
「…では、また今度」
「はい!お気をつけて!」
来た道を引き返す。
今度はちょうどよく信号が赤に変わった。
「…今、変わらなくていいのに」
終わり!
さあ前払いはしたぞ!!皆も原点に帰ってスズレイをすころうぜ!!! - 9二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:14:49
支払う代わりに小ネタを投下しよう
この画像の2人の腰から上を手で隠してみるとな
スズレイがキスしてる妄想に使える
じゃあの - 10二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:17:21
- 11二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:24:49
足コ●してほしいエッチさですね
- 12二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:26:06
- 13二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:28:46
- 14二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:36:08
- 15二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:41:56
- 16二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:47:11
喜んでくれて嬉しいよ
- 17二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:49:50
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:54:32
- 19二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 03:46:35
宇沢の横顔が美少女なのはメモロビで証明されてるから見惚れるのも分かる
- 20二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 03:47:54
2人はメモロビが両方エモくてたまらん
- 21二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 13:35:00
レイサもスズミもわりとハキハキうるさい系だからしっとりの破壊力やばい
- 22二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 13:43:06
自警団としてのパトロールを終え、さて帰ろうかと思ったとき、ヒヤリとしたそれが頬に当たった気がした。学校を出た時に見た怪しげな雲は案の定雨雲へ変わり、降り注ぐ通り雨は手持ち無沙汰の私を屋根の下に追いやった。
どうしたものか……びしょ濡れになっても強行し少し遠くの家に帰るか、じっとここで耐えて雨が止むのを待つか、両者譲らず揺れる脳内天秤に唸っていると、バシャバシャと急ぎ足で誰かが向かってくる音がした。
「……レイサさん?」
「おおっ、スズミさん!誰かを待っていましたか?!」
私と同じ自警団を名乗る一つ下の彼女は、カラフルな折りたたみ傘を両手で持ち、コチラにキラキラとした目を向けている。生憎誰とも待ち合わせはしておらず、急な雨に足止めされていると伝えると、でしたら!とその傘をこちらに向けた。
「こちらをお使いください!」
「よろしいのですか?」
「お気になさらず。なにせ私は、『自警団の地上を駆ける流れ星・宇沢レイサ』なのですから!家も近いので最小限の被弾───いや"被雨量"で済みます!」
「別の傘を持っているわけではないのですね?!」
それは困る。自分に傘を渡したせいで体が冷え風邪を引いてしまえば10割自分の責任だ。後輩を、自分が抱える問題の解決のために巻き込むわけにはいかない。丁重に断り、ここで少し待っていることにする旨を伝えると、少しの間忙しく手や口を動かしたかと思えば。
「閃きました!」
少し耳にキン、と響く声で言った。 - 23二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 13:43:50
「大丈夫ですか、レイサさん?」
「はい!」
要するに相合傘である。背が高い自分が傘を持ち、彼女に雨が当たらないよう傘の割合を半分以上あちらに傾けている。雨がドラムのように傘を叩く音は、なんとなく好きだ。機嫌が少し上がりながら他愛ない会話をしていると、ある時、先ほどまでと違ったテンションで。
「その、スズミさん……」
「どうかしましたか?」
「私は、その……皆さんの迷惑になっていないでしょうか?」
「それはどういう───」
「私って!こう、直進的というか、止まらないというか……空気が読めないね、なんてことを前に言われまして……」
無理やり出した明るい声も、だんだんとしぼんでいくのがわかる。
「もしかしたら、自警団の名前を汚してしまっているのではないか……私のせいで、皆さんにも迷惑がかかっているのではないか、なんて……」
ハハッ、とついでのように出た乾いた笑いも、雨音がかき消す。濃くなっていく雲も相まって、俯いた顔は暗い雰囲気を醸し出していた。 - 24二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 13:45:38
会話が起きることはなく、気付けばスズミさんの自宅についた。変なこと言ってすいませんでした、と踵を返そうとしたところを、突然手を握られた。
「わ!な、なにか……」
「……レイサさん」
空元気で誤魔化せない冷たい手。両手で握られたその手はじんわり温かくなる。無理に冷たくしていた感情が、ほぐれていく。
「きっと、これから先も、貴女を邪険に扱う人たちは居るでしょう」
「ですが、それは全て貴女の責任であるわけではありません。自身を駄目だと思うよりまず、私達に相談をして下さい」
「貴女は、一人ではないのですから」
少し待っておくよう伝えられたが、目から溢れかけるそれを見られたら情けないな、恥ずかしいな、と思ったので帰ろうとする。
でも、いいのかな。
やっぱり、良くないよな。
私の味方になってくれた人の気持ちを無下にはできない、そう結論が出たので家の方に目を向けると。
「行きましょうか、レイサさん」
「わあっ!!」
真後ろにスズミさんが立っていた。
勝手に帰ろうとしたことを少し言われながらも、傘を持ったスズミさんは、また手を握ってくれた。
「そういえば、行くって、どこへ……?」
「貴女の家ですよ」
「いやいや!?私なんかのために───」
「それはお互い様ですよ。それに……」 - 25終わり25/04/07(月) 13:47:07
さっきより少し弱くなった雨の中、彼女は微笑んでいて。
「レイサさんのお話、もっと聞きたいですから」
傘はもう音を立てない。それでもその2つの傘からは、楽しげな会話を奏でられていた。 - 26125/04/07(月) 14:00:03