- 1二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 20:45:37
「『斯くしてトウカイテイオーは三度の骨折を越えて、有馬記念で奇跡の復活を果たした。その彼女は今、伝えたいことがあるのだという。「私は夢を諦めかけた時に諦めないことを教えられました。それはかつて自分が何気なくいった言葉でそれがこのような形で返ってくるとは思いませんでしたが、それでも諦めなければいつか夢は叶う。この言葉は真実だと思いました。」…15年経ったあの奇跡の復活から彼女は新たな道を歩み始めている』…はー、輝いてるねぇ、テイオー。」
レトルト麺が散らばる部屋にて一人のウマ娘の女性が雑誌を顔に覆い被さってソファで寝ていた。
「うーん…スランプ!」
顔に雑誌が覆い被さるがもうどうでも良いかと女性が投げ出すと机の上に丁寧に置かれてるカメラを見てため息を出した。
「ごめんよ、あたしの可愛いカメラちゃん…写してあげられなくてよ…」
んがーと叫び青髪を振り乱す。
「んぁ…イクノからの仕事の依頼もしばらくないしこんなんじゃ錆び付く一方だなぁ…」
やる気が湧かないと言わんばかりに女性は雑誌から顔を上げない。
「せめて何か生き生きした被写体があれば…」
そして雑誌の中のトウカイテイオーと視線が合った。
「…あるじゃん、被写体。」
女性はガバリと急に起き上がると雑誌をまじまじと見てやる気の下がっていた顔から一転、やる気の満ち溢れた顔になる。そして携帯電話を手に取ると。
「…もしもし?イクノ?そう、あたし。ツインターボ、ちょっとやりたいことが思い付いて──」
これは──15年後の少女達が送る少女ではなくなった彼女達の物語── - 2122/03/25(金) 20:47:19
このSSは所謂「アフター」です。スレ主の想像たっぷり、捏造たっぷりでお送りするのでご注意くだしあ
- 3122/03/25(金) 20:51:44
- 4二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 21:21:41
一人目 ナイスネイチャ】
「それで、今回はどんな要件なわけ?」
とある商店街の一角に構えられたスナック「ミユキ」。そこにいるのはまだ年若いスナックのママであるナイスネイチャだった。その対面に座るのが逆噴射によりスタミナ切れを起こして水を貰っていたツインターボだった。
「んぐ…ぷは…水ありがと、ネイチャ。それで要件なんだけど…写真集出すことにしたんだ!」
「へぇー、やるじゃん。アンタもカメラマンとして成功してきたってことかしら?」
「んーいや、あたしはまだ大成してないけど。ただこの写真集自体は売れること間違いなし。」
「そりゃまた、随分と大きな自信だ?」
「何て言ったってURA協賛だからね、売れて当然!」
えへんと誇るツインターボ。学生時代より随分と伸びた身長を誇る彼女はにししと笑う。
「で、今度のはどんな写真集だっていうのさ?」
「テーマは『15年後の私たちより』だよ。」
待ってましたと言わんばかりに堂々とテーマを発表するターボに対してネイチャはいまいちピンと来ていないのかどういうことと首をかしげる。
「あたしたちがレースをしてた15年前はさ、トゥインクルシリーズもキラキラしてたと思うんだ。」
「まぁ…そりゃあね。史上初の無敗の三冠ウマ娘とか、地方から来たアイドルウマ娘とか、日本総大将とか…骨折を乗り越えた不屈の帝王とか、話題には事欠かないけどさ。」
「今もテレビに出たり表舞台に残っているウマ娘もいる。けれどあたしみたいに裏方に回るウマ娘もいるし、ネイチャみたいにレースの世界には出なくなるウマ娘もいる。…で、この前テイオーがインタビューを受けている記事を見てて思いついたんだ。」
「段々予想ついてきたけど…一応聞いとくけど、何を?」
これまたふふんと胸を張るターボ。ネイチャも訝しい視線ではあるが疑問を投げかける。 - 5二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 21:23:25
「テイオーがあの記事で伝えたいことを伝えていた。…だからさ、あたしたちがまとめて伝えたいこと伝えるんだって。夢を見るウマ娘に、かつてあたしたちに夢を見ていたファンに。そのために写真を撮ってインタビューを付ける。それが『15年後の私たちよち』のやりたいことなんだ。」
企画の概要を語り終えたターボにネイチャはまさか…となりつつも聞く。
「アタシの所へ一番に来たのはまさか…。」
「そういうこと。というわけで有マ記念、三年連続三着のナイスネイチャの写真を撮りに来ました。あ、安心してちゃんとギャラは出るから。」
「いやいや…そーいう問題じゃないから…ていうかアタシが今更何言えばいいのさ。」
「…伝えたいこと、ネイチャがかつてのファンに、これからのウマ娘に伝えたいこと。その素直な気持ちを教えて。」
「えー……まぁ…いっか。ていうかまさか写真って今撮るの?」
「今のナイスネイチャじゃないと価値はないからね!それじゃあこの場面貰い!」
パシャリと輝くフラッシュ。ネイチャは勘弁したように写真を撮られた。そしてその後のインタビューで
「えー…まぁアタシから伝えられることなんてそう多くないけれど。『キラキラと輝こうとするのは誰にでも出来ること、だから輝く前から自分自身を否定しないで、自分も輝けると信じて』…みたいな感じで良いの?」
「グッド!ネイチャらしくて良いよ!」
…こうしてあっさりと一人目を終えるターボ。その帰り際にいくつかのギャラが入った封筒を渡す。
「はい、これ今回のギャラ。」
ネイチャはその封筒を見つつターボの顔と見比べて
「…んじゃ、今度イクノとマチタン誘って食事でも行きましょ。このお金でね?」
と、ギャラは受け取らないとは言わずにそういう粋な計らいをネイチャは設けるのだった。 - 6122/03/25(金) 21:24:26
失礼推敲が甘く より がよちになっていました。申し訳ない
- 7122/03/25(金) 21:51:18
【二人目 マチカネタンホイザ】
「なるほどね~、事情は分かったよ。」
うんうんと頷くウマ娘…マチカネタンホイザ。彼女は引退後、普通に企業で働く普通のOLになっていた。
「それで、タンホイザ。受けてくれる?」
「もちろん!って言っても私はあんまり誇れることもないけどさ…。」
ごめんねーと笑うタンホイザに対してターボはううんと首を横に振る。
「そんなことはないよ、タンホイザは誰よりもレースに真摯だった。そのことはあたしが保障するから。」
「…ターボ…。」
「あたしたちがレースに悔いを残していたとしても…それでも走り抜けたのは偽物じゃないんだかマチタンは誇っていいと思うよ。」
「…ターボ、ありがとね。そう言われてくると急になんか誇らしくなってきちゃったなぁ。ムフフ、やっぱり私って凄かったのかも…?」
ターボの言葉に破願するタンホイザだがその浮かれようにターボは調子に乗らせすぎたかなと少し呆れつつもカメラを構えた。
「何かポーズとか取った方がいいのかな!?」
「良いよ、自然体のままで。必要なのは現在のマチカネタンホイザだからさ。」
「で、でも写真写り悪くないかな?やっぱり帽子でも被った方が、うわっぷ!?鼻血が!?」
「…あ、まず…写真にも鼻血ががっつり写ってる。…いやまぁ、これがマチタンっぽいのかなぁ?」
その後のインタビューにおいてタンホイザは
「伝えたいことは…そうだねぇ…。『努力は裏切らない、だから努力する前から結果は分からないよ!』かな?」
「うん、良いね。努力の鬼だったマチタンっぽくていい台詞だ。」 - 8122/03/25(金) 21:57:23
ちょっと続き書くのに時間がかかるので保守だけ
- 9122/03/25(金) 21:57:39
同上
- 10122/03/25(金) 21:57:49
テスト
- 11二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 23:07:36
ほしゅ
- 12二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 02:47:12
保守だけ、また明日に
- 13二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 14:24:27
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