もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart20

[1 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:16:54]

アグネスが士官学校（ザフトアカデミー）卒業後、親のコネでミネルバに着任し、ルナマリアが入れ替えに月軌道艦隊に着任したいたら…、という何番煎じかわからないSSの20スレ目です。

一夜の間に繰り広げられるプラントの政変、首都アプリリウスの膠着状態はミネルバの到着で崩れ去りつつあります。

それを察してか否か、提示されようとしているデュランダル議長の妥協案。これに最高評議会ビルに集った者たちはどう回答するのでしょうか？

そして政変の最中に呼び戻された『偽りの歌姫』ミーア・キャンベル。彼女にはどのような役割が課され、それに本人はどう応じるのでしょう。

どの陣営に属すものにとっても、人工天体の空に光が差す時間が直ぐそこまで迫っています。しかし良きにつけ悪しきにつけ夜明け前は一番暗いものです。手探りで進むアグネス達の良く手のは何が待つのでしょうか。

おつきあいをいただければ。

[3 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:23:23]

前スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart19｜あにまん掲示板

1スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たら｜あにまん掲示板

2スレです

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart2｜あにまん掲示板

[4 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:26:04]

3スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart3｜あにまん掲示板

4スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart4｜あにまん掲示板

5スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart5｜あにまん掲示板

[5 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:28:14]

6スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart6｜あにまん掲示板

※落としてしまった7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7｜あにまん掲示板

再建てされた7スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart7（再立）｜あにまん掲示板

[6 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:29:56]

8スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart8｜あにまん掲示板

9スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart9｜あにまん掲示板

10スレ目です。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart10｜あにまん掲示板

[7 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:32:13]

11スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart11｜あにまん掲示板

12スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart12｜あにまん掲示板

13スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart13｜あにまん掲示板

[8 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:33:44]

14スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart14｜あにまん掲示板

15スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart15｜あにまん掲示板

16スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart16｜あにまん掲示板

[9 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 21:35:25]

17スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart17｜あにまん掲示板

18スレです。

もしもアグネスがルナマリアの代わりにミネルバに着任して居たらpart18｜あにまん掲示板

[10 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 22:04:52]

スレ立て乙

[11 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 22:16:25]

乙

[12 二次元好きの匿名さん 25/04/08(火) 22:54:46]

デスティニープランやるまで居座るつもりのギルはさぁ…

[14 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 02:26:01]

シュライバー国防委員長がスラスラ読み上げる議長の条件は、どれも絶妙に嫌な点を衝いてくる。しかし強気なものだ。『政争の敗者』の妥協案とは思えない。

アグネス「（彼は負けたくないんだわ。最終的な勝利を諦めない、4項目の要求からはそんな並々ならぬ意思を感じる…）」

ただ、私達にこれらの事項を丸呑みする義理はない。最高評議会ビルの面々としても思案のしどころだろう。事態の早期解決は何物にも勝る。国民に犠牲者を出すわけにはいかない。

しかし、あまりにも虫の好過ぎる要求－特に③と④に関しては何とかしたい。免責特権を広範に認めることなどあってはならない。

アグネス「（そんな話をよりによって突入作戦の最中に持ってこないで欲しい…）」

シュライバー国防委員長から飛び込む『会議室の情報』と目の前のドローンのコントローラー、脳内のシグナルが明滅して止まらない。

いや―。この政変のそもそもの発端が自分とアスランとメイリンの証言で、今、2人を煩わせる訳には行かない以上、私が受けるしかない。泣き言を言うな！

貴重な時間は刻一刻と過ぎ去っているのだ。その時間を最大限に有効活用しようと思うなら最高評議会ビルの状況を軽んじる訳にはいかない。

シュライバー「ここまででも大問題なのだが…。最後の要求は極めつけだ。
『⑤プラント最高評議会議長たるギルバート・デュランダル氏が最高評議会議長全権代行に委譲する権能は『最高評議会議長』の地位によるものに限る。議長の権能委譲は同氏の最高評議員会議員たる身分と職権に何ら係わりがないものである。従って、同氏は公平公正に選出され、国民の負託を受けた最高評議会のメンバーとして、同評議会において演説・討論・表決に加わる権利を任期終了まで当然に有する。この見解を他の最高評議会議員・60人議会も共有すること』以上が議長からの条件だ」

[15 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 02:51:23]

まだ要求があったとは、えーっとなになに…。

アグネス「え...。議長権限は委譲するけど最高評議会議員は続ける？そんな馬鹿な―」

そのあまりに大胆な内容を理解するまで半瞬の間が必要だった。しかし驚いているのは私だけではない。

ハイネ、シン、ルナマリア他「え…？！何！？」

側でコントローラーを操作中のハイネ先輩たちも一瞬、意識が明後日の報に飛びそうになっている。声に出したのがいけなかったか…。

しかしその動揺も一瞬だけのこと、直ぐに皆、元通りだ。当たり前だが私も例に漏れず。スーパーエースはこうでなくっちゃね！

私と国防委員長の会話の間を縫って、手前側を担当していた中継ドローン1機も通風口から帰還を遂げる。お帰りなさいね！
直ぐに続いて作業用ドローン2機も戻ってくる。それら愛機を回収した3名のガズウートパイロットは、私達の分も荷物をまとめ移動の準備を始めてくれる。

作戦は未だ途中なのだ。

シュライバー国防委員長も私達の邪魔をしていることに気が付いたらしく、少しの間、静かにしてくれる。だが、ずっと黙っているわけにも行かない。彼方にとっても一刻千金の状況に変わりはない。

シュライバー「君はどう思う？」

また漠然としているな。取り合えず皆と国防委員長の気持ちを静めないといけない。まずは簡単な指摘から始めよう。

アグネス「5つ目の要求は、他の条項の妥協を引き出すためのブラフでしょう。さもなく我等を攪乱し、あわよくば内部分裂を誘発させ、そこまでいかずとも時間を稼ごうとする計略です。乗ってはいきません」
シュライバー「だが…。一応の筋は通っているようにも思う。彼がまた放送で呼びかけたら…」

それこそが議長の思惑、『いかにもそれらしい言説』に惑わされ術中にはまるようではここでゲームオーバーだ。

アグネス「筋が通っているように聞こえるだけです。『独立時の最高評議会議長たるシーゲル・クライン氏から現デュランダル政権まで、最高評議会議長の地位は彼の最高評議会議員たる資格・権能と分割されることなく一体的に認識され、運用されてきた。故に今回に限って【議長の権能と最高評議会議員との権限を分けて対応する】との言い分は前例に反し認められない』ただそれだけのことです」

[16 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 03:49:41]

アグネス「（だから『片方は諦めるからこちらは残せ』が通る余地はない。それに議長の能力から考えて最高評議会に参加する権限を残したら、政治工作で状況を再度ひっくり返されかねない）」

だから、明日の朝には何が何でも最高評議会ビルに彼が立ち入る余地を塞いでおかなければいけない。

アグネス「そもそも今回の事変の本質的原因は議長の信用失墜行為が起因のはず。我等と若干の内容は違えども国民も同様に認識しているでしょう。議長ご自身、ミーアの件で己の過失を一部とは言え公に認めました。であれば、彼が地位に恋々とするのがそもそも誤りです。正常な議会運営を妨げる恐れのあるデュランダル議長は『お沙汰』が出るまで最高評議会ビルに出禁です。それ故、第2項目の移動の自由にも制限が掛かります」

むふむふとお話を聞いてくださるシュライバー国防委員長。すっかり彼の好意に甘えている。一応、直属の上官への助言と言う体ではあるが…。特務隊とは言え、ここまで大きな政治問題に口をはさんで良いものか―。

しかし、この場に一々確認しているだけの時間はない。咎を受けるならもう仕方ない。

でも後だ！終わってから考えるわ。

アグネス「もし空いた最高評議会議員の席が問題なら、同じ市から選出された60人議会議員の内から繰り上げるか、さもなくば市から補欠の最高評議会議員（代行）を選出して対応するべきです。それが道理と言うもののはず」
シュライバー「なるほど。そうか、確かに！他にはないか？」

他に…。ハイネ先輩の視線を横顔に受ける。時間をかける訳にはいかない、話すなら手短にと促されている。通風口からは彼を含む催眠弾運搬組のドローンがわらわら出てきている。

アグネス「作戦行動中です。残念ながら細部までは―。ただ、免責特権の『最高評議会議長在任中の公務としての行動』は単純に範囲が広すぎて違憲、何よりこの問題の根本的解決を妨げます。文言の修正を提案してください。『最高評議会議長在任中の【合憲かつ正当で国家及び全人類の重要な利益に相反しない限り】公務としての行動は免責されること』と。勿論、これはあくまで一案です」

1～4までの要求についても言いたいことが山ほどある。でも、ここまでだ。

目の前では最後尾のドローンがやっと帰還した。2番ランチ組は出発準備が終わろうとしている。メイリンやアスランとも連絡を取らなければいけない。

[17 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 11:38:30]

☆

[18 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 20:12:51]

議長の要求が虫が良すぎるんだよなぁ
どっかの国の大統領みたいになってきてるぞ

[19 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 21:20:16]

実のところ、これを交渉だと思い込まされて時間を使わされている時点で議長の術中に嵌っているんだよね。議長はテロ幇助と人権無視の嫌疑を掛けられている身であり本来は交渉などできる立場ではない。プラント国民の安全と評議会の大義名分を人質にゴネているだけなんだよね。

[20 二次元好きの匿名さん 25/04/09(水) 23:24:33]

>>19

そうなんだけど、外部の目があるために、そこを大々的に攻めることもできないというジレンマがあるな…特にテロ幇助は公になると不味い…と、アグネスが言っている。

[21 二次元好きの匿名さん 25/04/10(木) 02:05:13]

シュライバー国防委員長はしきりに感心して聞いてくれている。その話の腰を折って申し訳ないが上官の助言以外にも私には仕事がある。

アグネス「失礼します。閣下、電子班とザラ分隊に報告しなければいけません」
シュライバー「ああ。そうだな。頼む」
アグネス「ご理解感謝します」

一旦、デバイスモニターの国防委員会リモート会議のウィンドウは最小化し、先行するアスランとコントロールルームのメイリンに回線を繋ぐ。

アグネス「アスラン先輩、メイリン、中間エレベーター施設への催眠ガスの噴霧を終了しました」
アスラン「了解した。グラディス提督にも連絡を―」
メイリン「了解です。提督への連絡は私から、そちらは全員ご無事ですか？」

ありがたいわ。手間が省ける。

アグネス「無事よ。陸戦隊と医療班の展開を急ぐようにお伝えして！太陽光発電装置を含む中間施設地帯を制圧できればアプリリウスの最低限のインフラは確保できる」
メイリン「了解です！」

報告が終わったのでまた国防委員会のウィンドウを拡大する。そこここで同時進行する事態にシュライバー国防委員長は今一付いて行けていないようだ。

彼が『お目目グルグル状態』であることはパッと見ただけでも分かってしまう。

でも、ある意味それが当然と言える。いろいろなことが起こりすぎて、私も付いて行けていない。それでも彼の表情を見ること現在の自分たちの優勢を確信する。こちらがこうなら彼方はもっと酷いに違いない。

そんな国防委員長には申し訳ないが―。彼には一つ重大な決断を下してもらわなければいけない。作戦の最終段階、その許可が欲しい。

アグネス「閣下、まだ、官庁街方面居住区のエレベーター昇降施設奪還が未着手となっています。完遂するためにはここで足を止める訳にはいきません」

そしてエレベーター昇降施設の掌握はどうであれ、プラントの『空』から『地上』への降下が必須となる。それは取りも直さず、私達ザフト軍と民衆間の衝突の危険が絶頂に達することを意味する。

プラントの大地に私達が下りれば、あるいはモビルスーツが侵入を開始したら本当に引き返すことは出来なくなる。

[22 二次元好きの匿名さん 25/04/10(木) 02:30:44]

無論、議長が扇動したデモ隊と司法局公安職員及び最高評議会ビル警備隊・増援部隊は押し合い圧し合いを断続的に行ってきた。でもミネルバ一行は彼等にしてみれば次元が違う。

最高評議会ビル派の主力たる援軍が―本物の戦闘部隊が―やって来た、彼らはそう取るだろう。それがどう作用するのか、確定的なことは何も言えない。

シュライバー「それは…。しかし―議長との交渉が―」

シュライバー国防委員長は顔を強張らせて逡巡の言葉を漏らす。その表情が物語る意志は明らかだ。『武力で民衆を鎮圧することは好ましくない。出来れば穏便に事を済ませたい』

もし1905年1月22日のサンクトペテルブルクをC.E.のアプリリウスで再現するようなことに成れば―彼の名前は忌むべきものとして千載に残る。無論、私達の名も…。

ライトナー「国防委員長、決行を命じるべきかと。他の方の説得は私からもします。一刻の猶予もないのでしょう？」

デバイスモニターにライトナー評議員が現れ、迷える国防委員長に―いや、私達に―喝を入れる。灰汁の強い面子の中では控えめではあるが中々どうして…。

シュライバー「だが…。交渉が上手くすれば」
ライトナー「議長の『説得工作』と本作戦は同時に出来ることではありませんか？」

彼女は抑え目ではあるが強い調子で国防委員長に決断を促す。私もうっかり慎重姿勢に成り掛けそうになっていた。今の情勢、弱気になればたちまち吹き飛ばされてしまう。

最後まで押し切るしかない。

シュライバー「確かに！決行しよう。特務隊ギーベンラート、皆に伝えてくれ。他に何か君からあるか？」

ライトナー評議員の声を聞き、国防委員長もいよいよ腹を括ったと見える。2度目のポイント・オブ・ノーリターンを飛び越えることはこれで確定した。では、私からも言うべきことを。

アグネス「ライトナー最高評議会議員、シュライバー国防委員長、分を過ぎた言ではありますが、どうか議長に対して毅然とした姿勢を崩すことなく、皆様で団結して事に当たってください。彼の最大の嫌疑－ユニウスセブン落下テロへの協力―は単なる戦争犯罪を越えた大罪です。私達はモンスターと対峙しているかも知れない事をお忘れ無きようお願いします」

[23 二次元好きの匿名さん 25/04/10(木) 02:46:42]

たかだか十七そこいらの小娘が国政のトップ層に随分な言い草だと我ながら思う。でも伝えられる人が伝えるしかない事も世の中にはある。

ライトナー「ありがとう。よく注意します。成功の知らせを待ちます」
シュライバー「うむ。武運を！」

お二人の返事を聞いて敬礼を送り、彼・彼女の返礼を受ける。即、次に！回線をミネルバブリッジ、アスラン、メイリンに繋げる。

アグネス「国防委員会より各員に通達。本作戦は継続とのこと。中央エレベーターの全機能を奪還せよ」
アスラン、メイリン、ハイネ、一同「了解！」

周囲から『了解』の合唱が聞こえる。業務用デバイスは一度ここで閉じ、大型ポーチに再収納する。作戦そのものより周辺の会議や調整で精神が疲弊してしまう。士官とか将校とか『幹部』とは皆、こういうものだと思う他ない。

通信を終え、一瞬ホッとしたのも束の間、恐ろしい後悔の念が心の底から沸き起こる。足元の自国民に犠牲者を出したくないあまりに私は弱気な態度を見せてしまった。

私は別に議長の『名誉あるリタイア』をアシストしたい訳では無い。彼に策謀の余地を残したいわけでも断じてない。

本当は議長の身勝手な要求など突っ撥ねるよう、もっと強く助言するべきだった。この振舞いがため、長期的にもっと被害が拡大するようなことがあれば…私は…。

ハイネ「アグネス！お前は良くやっている！割り切れよ、自分と皆の為に。でないと死ぬぞ！俺が死なせないけど、な？集中だ！！」

私にそう声を掛けるとハイネ先輩はご自分の電動車椅子の車輪をキュルルル回転させ始める。いけない！重症の彼は私の後ろだわ。

アグネス「はい！割り切って行きます」

キュルキュルキュ！キュルキュルキュー！

私も慌てて車輪を高速回転させ、すでに駆け出したガズウート隊の背中を追いかける。ザラ分隊と電子班は今頃、降下準備中のことだろう。こちらも急がなければいけない。

ここから先は総力戦になるのだから、躊躇いは味方を殺す。