- 1二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:28:14
「わぁ!これ全部千奈ちゃんが作ったの!?」
「ええ!お二人に召し上がって頂くものですから、腕によりをかけて作りましたわ!」
「すごい。どれも、美味しそう。まるで、プロが作ったみたい。」
「まあ篠澤さんったら、褒めすぎですわ!」
「調理実習で一緒に作った時は真っ黒焦げにしちゃったのにね。」
「うん、あれは、酷かった。」
「もう花海さん!その話はしない約束ですわ。それよりも、早く頂かないと料理が冷めてしまいますわよ。」
「そうだね。私もうお腹ペコペコだよ〜。」
「佑芽は、千奈の料理たくさん食べたくて、朝から断食、してたんだって。」
「それは大変ですわ!花海さん!今日は目一杯召し上がってくださいね。」
「うん!」
「あ、そうですわ!よろしければ、先生もご一緒にいかがですか?」」
「嬉しいお誘いですが、俺は遠慮します。先ほど食べてきたばかりであまり腹も空いていないので。それに、折角お友だちとお食事されるのですから、水入らず楽しんでください。」
嘘をついた。今日はまだ何も食べていない。本当はお嬢様と一緒に食事をするのが怖いだけなんだ。 - 2二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:30:30
20XX年世界は核の炎に包まれた。海は枯れ、地は裂けあらゆる生命体が絶滅した。それは、天川市とて例外ではない。核戦争が勃発したその時、私とお嬢様は倉本邸にいた。倉本邸の地下にはシェルターがあり、私を含め倉本邸にいた人々は、そこへ避難することでことなきを得た。避難をしてから、始めのうちは皆しばしの辛抱だろうと、楽観的に見ていたが、かろうじて生きていたラジオ放送からは、世界の惨状が繰り返し流れるばかりで、一向に収束の目処を見せない。そんな中、いよいよ痺れを切らし外に出る者もいた。お嬢様も友人の安否に気が気でない様子で、外に出ると申し出たこともあったが、結局周りの人々に制止され、それが叶うことはなかった。あれから1年近くが経ち、ラジオも煩いノイズを垂れ流すだけのオブジェとなった。外の様子を見に行くと言った人達は、それきり戻って来ることはない。1人2人と人が消えていく中で、お嬢様は耐えきれなかったのだろう。ある日のことだ。朝起きていつものようにシェルターの中を散歩していると、1人で何かをボソボソと呟くお嬢様の姿を見つけた。恐る恐る声を掛けると、昨日までの憔悴しきった顔が嘘のように、嬉しそうな表情を浮かべ、手で宙を指した。
「ご覧になって先生!今日は篠澤さんと花海さんが遊びにいらっしゃいましたわ!」
言葉が出ない。ドロリとした汗が吹き出しそれが頬を伝う。お嬢様の指し示す方向には何もない。
「先生?どうかされましたか?」
お嬢様の顔が少し曇る。何か言わなければ、先生とはたしか、
「す、すみません。急なことで少し驚いただけです。」
「まあそうでしたのね。わたくしてっきり体調でも崩されたのかと。」
「大丈夫です。しかし、少し疲労が溜まっているのかもしれません。お嬢…倉本さん、申し訳ありませんが、今日は大事をとってお休みしてもよろしいですか。」
「まあ大変ですわ!それならわたくし看病いたしますわ!」
「い、いえ!少し休めば治ると思うので。倉本さんはお二人のお相手をされててください。」
「そうですの?くれぐれもご無理はなさらないでくださいませ。」
「ええ、倉本さんも。」
そう言い一瞥もくれず、いそいそとその場を去る。
その日から私は「先生」になった。 - 3二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:31:52
みたいなね
- 4二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:33:37
すごい
- 5二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:33:59
- 6二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 21:57:02
がっこうぐらしを思い出したわ
- 7二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 01:51:26
定期的に「私の先生は...そんな事言いませんわ!!!」って発狂したり、記憶が薄れてきたせいで「あ、あれ...?條澤さんって、どんなお顔を...?」って自分の中でボロが出始めてパニックになったりしてほしい
- 8二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 01:57:10
チナ・クラモトには笑顔が似合うなぁ(目逸らし)