- 1二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:05:22
あれだけ寒いと思っていたら、あっという間にあたたかくなっていた。通勤に使っている道に植えられている桜の木々は綺麗なピンク色の花を咲かせ、道を彩り本格的な春を告げていた。
「誕生日おめでと」
3月26日、私の担当ウマ娘であるシリウスシンボリの誕生日だ。用意したプレゼントを入れた紙袋に手を伸ばそうとするが、彼女が後ろから抱き寄せてきた。私の手は紙袋に届かないまま、彼女の手によって自由を奪われる。耳に彼女の吐息が触れ、私はこのあとされることを察した。
「プレゼントは後でいい」
「っ……」
肩が無意識にびくりと上がり、脚に力が入らなくなる。私は彼女に囁かれることにとても弱い。いつまでも慣れる気がしなかった。
「やっぱり……」
「なに…?」
「いつもと違うな」
香り、香水のことだろう。私は普段から彼女に渡されたリボンと香水をつけている。香水だけ普段使用しているものから変えているので気付いたのだろう。
「……いつも使ってる香水と混ざっても不快にならないのを選んだわ」
「そんなことはどうでもいい、なんで変えたんだ?」
「……めて、欲しいから」
彼女に染められることを実感したかった。彼女の生まれた日という素晴らしい日に、私は彼女に染められていることを身体と心で理解したかった。羞恥心がない訳じゃない。彼女にどこまで声が届いてるのかはわからないが、きっと察してくれるだろう。 - 2二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:06:01
「随分と積極的だな?」
「嫌ではないでしょ」
正直言うと、プレゼントよりもこの方が彼女は喜ぶのは察していた。プライベートにおいては私はこのいくらか年下の彼女にされるがままの女でしかない。彼女が耳元から離れたと思えば、向き合うようにされ腰に彼女の手が回る。
「ああ、悪くない」
「代わりなんてないもうひとつのプレゼント」
私の胸に重なるのが彼女の胸でよかった。もし彼女の耳が胸元に来ていたら、高鳴り続けている鼓動を聞かれてしまっていただろう。
「へぇ……今日はアンタを好きにしていいってことだな?」
「今日も、の間違いでしょ」
「ハハハッ、違いねぇ…だが、それはアンタも望んでいることだろ?こういう風に」
私の顎の下に彼女の手が添えられ、上を向かされるとそのまま彼女の唇が重なる。しばらく重ねただけのキスをすれば、無意識に手が彼女に縋り求めるように服を掴む。エスカレートする彼女とのキスは私の思考を蕩かすには十二分だ。
「はぁ……っ」
「イイ顔だ」
締りのない顔をしているのだろう。そんな私を見て彼女は満足そうに笑みを浮かべた。脚に力の入らず、立ったままの私は彼女に身を委ねる。縋るように彼女の服を掴む手の力だけは緩むことはない。
「シリウ、ス……」
「あっちのプレゼントはこっちを楽しんでからにするか」
腰に回っている彼女の手に力が入ったのを感じる。私がつけてきた香水の香りがなくなるまで楽しむつもりなのだろう。私の頬に優しく手を添えた彼女の笑みを見ながら、そう思った。
(了)
- 3122/03/26(土) 00:06:21
お誕生日おめでとうございます。
- 4二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:07:00
しゅき…誕生日おめでとう
- 5二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:07:20
ハッピーバースデー!!
- 6二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:08:54
あの…うわぁ…す、凄いです!!凄く、その…キュンキュンします!!
Happy Birthday!! - 7二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:10:48
トレーナーもすっかり落とされて…
- 8二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:16:16
良いね
誕生日おめー! - 9二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:24:13
シリウス誕生日おめでとう!
- 10122/03/26(土) 00:30:17
- 11二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:31:31
貴方様か……!!ありがとう!とてもいいものを見せてもらいました……!!
- 12二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:34:17
描いた?
- 13二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:40:56
絵でわかったわおかえりなさい
そしてシリウスお誕生日おめでとう! - 14二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 01:02:59
♀トレの人!♀トレの人じゃないか!嬉しい嬉しい……
シリウス誕生日おめでとう - 15二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 01:13:14
おかえり……ありがとう……
- 16122/03/26(土) 01:38:48
ありがとう、トレーナー君。今年もこうして君に誕生日を祝ってもらえるなんて……歓天喜地の至境に達するとはこのことだな……本当だとも。君に生まれてきたことを祝福されているんだ。これほど嬉しいこともない……君は私を幸福にしてくれるのだな。あの時、写真を持ってきた君を選んで本当に良かった。改めてそう感じる。もちろんだ、君を幸福にするのは私だけだ。君も、すべてのウマ娘も幸福にする。君は傲慢だと言うかな?……それくらいが丁度いい、とは君もあの時よりもずっと…いや、君は言うときは言うヒトだったな……ああ、君はそのままで居て欲しい。私のとなりで変わらずに。
どうしたんだ?……プレゼント?ああ、もちろん受け取ろう。私が君の想いの籠ったものを無下にする訳がないだろう……ありがとう。不躾だが、早速開けても構わないだろうか?…子供っぽいだなんて君、私が学生であることを忘れていないか?私にだってそういう面はあるんだ。ただし、それをひけらかすのは君に対してだけだが。私は後進に見られている立場だからな…皇帝として、このトレセン学園の生徒会長として皆の前に居なくてはならない。それでも私に対し、もっと親しみを感じてもらいたいが…それは少しずつやっていくとしよう。君も相談に乗ってくれるだろう?
話が逸れてしまったな…私がわがままをするのも君にだけだ。さて、開けるとしよう……これはハーバリウムだが、ランプか?……リラックスしてもらいたかったから?君らしいね、ありがとう。とても綺麗だ……君の手作り?それは良いことを聞いたな。これは君が私の為にと、私のトレーナーとして忙しいなか用意してくれていたのだろう。赤い花…これは菊花賞の時の実況を思い出すな。ああ、君と手にした3つ目の冠の時にそう言われていたな……赤い大輪。それにこの白い花は、カサブランカか…以前に君とこの花について話したな。君と過ごした時間を思い出せる。これはとてもいいものだな。
……君から抱き締めてくるとは、これもプレゼントの内かな…それとも照れ隠しのつもりか。どちらにせよ、君が可愛らしいことに変わりはない。だが、せっかくの君のプレゼントを持っている状態で抱き締められては抱き締め返せな―――ふふふっ、顔が真っ赤になっているよ。……誤魔化しているね。ああ、もちろんだとも。これからもよろしく頼む。トレーナー君。 - 17122/03/26(土) 01:40:29
ルドトレ♀も誕生日に用意してありました。こちらは以前と同じ文体ですが…
たまにまたこっちで立てていこうかなと。地文ありにしつつやる予定です。
上のシリトレ♀が地文ありなのも移行しようかなと考えた為です。
- 18二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 01:49:32
おかえりなさい!!ありがとう!!
- 19二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 07:12:09
ハッピーバースデー!
良い…… - 20122/03/26(土) 13:11:55
荒らされてなくて安心しました。
長期スレ向けの誕生日ラッシュが落ち着いたらぼちぼち絵スレとかもやりたいと思っています。
よろしくお願い致します。 - 21122/03/26(土) 23:40:27
- 22二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 23:43:32
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