- 1二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:45:07
- 2二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:46:24
期待
- 3二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:49:41
Yeah Yeah Yeah
- 4二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 17:59:24
1話
夏のHIFに向けた選抜試験も終わったころ。
各々のアイドル達は次のオーディションに向け、準備を進め。その担当プロデューサー達はサポートに奔走するような時期。
とある一人のプロデューサー科の生徒は3組に充てられた教室の一室を尋ねた。
学P「賀陽さん。貴方をプロデュースさせてください」
燐羽「私、アイドル辞めたのよね」
学P「ファンを託すアイドルを見つけるまで。引退しないと」
燐羽「誰から聞いたの?」
学P「学園長から。『黒井の若造に渡すものか』と」
燐羽「へぇ? それで、P科期待の若手がこんな時期にスカウトしに来たってことね?」
プロデューサー科は通常、現役の社会人を迎えた者たちで構成されている。
だが、その中で19歳という若さで入学を果たした生徒が2人。
そのうちの一人が俺だった。
燐羽「ふぅん。まぁいいわ。極月学園に行くかは決めていなかったもの」
学P「それはよかった──」
燐羽「私をプロデュースさせてあげる。でも、一つ条件」
学P「なんでしょう」
燐羽「『私はあの子たち(ファン)を託せるアイドルを見つけて、アイドルを引退する。』」
学P「引退は、取りやめないと?」
燐羽「見てわかるでしょう? もう、飽きたのよ」
学P「……わかりました。『最後の一人』まで託せるようになるまで、お供します。『約束』ですよ」
燐羽「いいわ。私、約束を破る人嫌いなの。破ったら、殺すから」
学P「もちろんです」
===
燐羽さんのスカウトに成功した。
これからが本番だ、気合を入れて頑張ろう。
約束:あの子たち(ファン)を託せるアイドルを見つけて引退 - 5二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:08:12
2話
レッスンルームにて
燐羽「1... 2... 3...」
学P「精が出ますね」
燐羽「見てたなら言いなさいよ」
学P「つい、見とれていまして」
燐羽「へぇ? 私のこと『好き』なの?」
学P「プロデューサーを目指した理由の一端はあなた達にありますから」
燐羽「……。syng up?」
学P「えぇ、中等部No1アイドルの」
燐羽「ふぅん。率直に、どう思うかしら」
学P「ファンが見たらがっかりするでしょうね」
燐羽「アイドル、もうやめたのよ」
学P「引退するためにまたレッスンを始めたじゃないですか。それに、いつまでも幻影を追い続けますよ。ファンは」
燐羽「最高のライブをしなくちゃならないってこと?」
学P「syng upのリーダー賀陽燐羽はそういう存在でしょう」
学P「引退ライブは賀陽燐羽史上最高のパフォーマンスで。見るものを納得させませんと」
燐羽「貴方、騙したわね?」
学P「ファンの『最後の一人』まで託すには必要なことですよ」
燐羽「……いいわ。約束だものね」
学P「えぇ、約束は守りませんと」
燐羽「──。貴方のこと、『好き』よ」
ちゅっ
学P「?! あまり人前でこういう事はしない方がよろしいかと」
燐羽「はぁい。あんまり驚かないのね」
===
素行に要注意! - 6二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:27:02
3話
燐羽「ねぇ。なんで手毬や美鈴には声をかけなかったのかしら?」
学P「どういう事でしょうか?」
燐羽「私の担当をするくらいならあの子たちの方が──」
学P「あのお二人は、ほかに優秀なPがいますから」
燐羽「手毬のP。毎週トラブルに巻き込まれているわよね」
学P「学友ながら大変そうだなと」
燐羽「ねぇ、なんでPになろうと思ったの?」
学P「……。貴方の姉、賀陽継を見て憧れました」
燐羽「へぇ……。そう」
学P「当時はまさしく太陽でした」
燐羽「ねぇ。貴方にとって賀陽燐羽はどう見えたかしら」
学P「恐れずに言えば……」
学P「歌唱力の才能を持つ月村さんをよくサポートしていた。と、思います。スタミナ切れしてしまわないように、アドリブを挟んで」
燐羽「よく見てるのね」
学P「担当アイドルの過去映像はすべて確認していますから」
燐羽「……えぇ?」
学P「月村手毬のワンマンユニット。それが当時のsyng upの評価でした」
燐羽「……」
学P「実態は暴走機関車をなだめる賀陽さんの尽力あってこそでしょう」
燐羽「あの頃は、大変だったけど楽しかったわ」 - 7二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:27:12
燐羽「太陽の真似事なのに、一心不乱に私に憧れちゃって」
学P「賀陽継の真似事だったと?」
燐羽「そうよ。みんな代わりを見つけて──」
学P「そうでしょうか」
燐羽「え?」
学P「賀陽継と賀陽燐羽は違う。俺はそう思いますよ」
燐羽「ふぅん。私、やっぱりあなたのこと好きよ」
ちゅっ
学P「なっ……」
燐羽「2回目、ね?」
===
賀陽燐羽と賀陽継は違う!
自分に自信が必要 - 8二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:40:12
4話
手毬「燐羽ぁ!」
燐羽「あら、手毬じゃない」
手毬「プロデューサーが付いたって。ほんと?」
燐羽「えぇ。ついたわ」
手毬「それに、レッスンも再開してるって……! 引退辞めてくれるの?」
燐羽「いいえ、引退ライブのためのレッスンよ。約束は果たしたじゃない」
手毬「そんなことない。3人でトップアイドルになろうって──」
燐羽「だから、中等部で成ったじゃない。話はそれだけ?」
手毬「私はあの時高等部を指さしてた」
燐羽「貴方って子は──。でも、もう新しく約束したから」
手毬「え?」
燐羽「ファンの子たちを託して、引退するって」
手毬「ちょっと燐羽!」
学P「よかったのですか?」
燐羽「いつまでも話していたら、泣き落としされるもの」
学P「本当に、仲がいいんですね」
燐羽「3年もやってればってところよ」
学P「それにしては嬉しそうですよ」
燐羽「うるさい! ねぇ、P。手毬に託したいわ。あの子たち(ファン)を」
学P「でしたら。『N.I.A』はどうでしょうか? ファン投票によって次世代のアイドルを決めるオーディションです」
燐羽「そこで、手毬と勝負して負けて、そのまま棄権ってことね?」
学P「……。えぇ、それならファンは流れるでしょう」
燐羽「ならそれで。いいわね」
学P「不完全なライブでは意味がありませんよ。史上最高の……」
燐羽「わかってるわ。それまで、よろしくね? 足を引っ張ったら殺すから」
===
NIAのオーディションで引退? - 9二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:56:20
5話
ライブ当日
燐羽「まだ、こんなに慕ってくれる子たちがいるのね」
学P「えぇ、それだけ賀陽燐羽は大きいんですよ」
燐羽「随分と告知してくれたみたいじゃない?」
学P「賀陽燐羽のファンをすべて月村さんに託すんでしょう?」
燐羽「……」
学P「なら告知もしっかりしませんと」
燐羽「まぁいいわ。見てなさい最後のライブ。してくるわ」
───
燐羽「はぁっ、はぁっ。 久々だと、キツイ。わね」
学P「どうでした? 最後のライブは」
燐羽「……足でまといがいないから楽だったわよ」
手毬「燐羽!」
燐羽「手毬、次はあなたの番よ」
手毬「なんなの?! あのライブ!」
燐羽「えっ……」
手毬「私の憧れた燐羽はもっとすごい! こんなので引退なんて認めないから!」
燐羽「ちょっと!」
学P「行ってしまいましたね」
燐羽「……」
学P「ここから見届けましょうか」 - 10二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:56:37
6話
舞台袖、月村手毬のライブが始まる。
中等部のころに比べて洗練されている。
燐羽「なんだ……。一人で歌えるじゃない」
会場で輝いていた紫色のペンライトが青色に変わっていく。
賀陽さんはそう呟くと嬉しそうに笑顔を浮かべる。
燐羽「ねぇ、P」
学P「なんでしょうか」
燐羽「これで。いいのよね」
学P「えぇ……」
燐羽「帰るわよ。P」
学P「月村さんに挨拶はいいんですか?」
燐羽「えぇ。泣きつかれるもの」 - 11二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:56:48
後日
学P「燐羽さんへの応援メッセージが来てましたよ」
燐羽「はぁ?」
学P「『久々のライブ凄くよかった。次も楽しみにしています!』と」
燐羽「……それじゃぁ」
学P「まだ『あの子たち』はいるみたいですね。それに──」
手毬「燐羽いた!」
学P「月村さん?!」
手毬「引退なんてさせないから! あんなライブ見せられて!」
燐羽「ちょっとおバカ。声が──」
手毬「誰かを好きになるのなんて押し付けられるものじゃない!」
学P「月村さん、声が大き──」
手毬「引退なんてしないでよ! 燐羽ぁ!! ふぇぇ~~~ん!」
燐羽「ちょっと! おバカ! 学校よ?!」
手毬「ヤダヤダ! アイドル辞めないで~!」
手毬P[月村さん! ここにいたんですね! 帰りますよ!」
手毬「ヤダヤダ~! 辞めないで!」ズルズル - 12二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:57:01
7話
学P「辞められなさそうですね」
燐羽「貴方、わかってたわね?」
学P「好きになった人よりも魅力的な人を前にして。こっちの方がいいですよと言われても早々ファンは辞めませんよ」
燐羽「騙したわね? それに約束も──」
学P「最後のファンの一人を託すまでお手伝いする。それが俺との約束です」
燐羽「はぁ?」
学P「それに、貴方のファンなのは月村さんだけじゃない」
燐羽「え?」
学P「俺も、中等部最後のライブを見て賀陽燐羽のファンになりました。これは貴方がトップアイドルになるまで諦められなさそうです」
燐羽「ちょっと。それって──」
学P「『最後の一人』を託すまでアイドル続けるんですよね? ならトップアイドルになりましょう」
燐羽「わかったわよ……」
学P「それに、月村さんに負けたままじゃぁ不満でしょう?」
燐羽「まぁ、それはそうね。言われっぱなしじゃすまないわ」
学P「最後までお供します。道に迷ったら手を引きますから」
燐羽「手を離したら殺すから。よろしくね、プロデューサー」 - 13二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 18:57:40
おわり!
疲れた。
最後の「手を離したら殺すから」を書きたいがためだけに書きました。
呼んでくれた人がいたとしたらありがとう。
要望があれば続きとか書きたい - 14二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 19:02:33
非常に良かった!!!実装決定までの糧になる助かる!
8話以降に継と賀羽の確執とか、美鈴咲季とのわちゃわちゃとかも期待したくなった! - 15二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 19:12:58
- 16二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 19:29:58
書くの早いな
個人的には足殺そのままよりも足殺の変化系の方がいい - 17二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 21:02:38
- 18二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 21:03:33
- 19二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 03:11:04
コミュ乙でした
りんはぁ…一周年で実装してぇ……