- 1迷路の魔女25/04/13(日) 12:04:19
- 2現在から数年ほど前……25/04/13(日) 12:06:09
「あ、姉ちゃん。やっぱ自習室にいた」
「む……少年、どうかしたのかい?」
「姉ちゃん、LINE見てないだろ。おばさんが、晩御飯何時にする? だってさ」
「これは失敬。ええと、【もう少し塾の自習室で勉強してから帰る】……と、返信」
「姉ちゃんさぁ、家族からのLINEくらいちゃんと見とけよ」
「……あのだね、少年。【私はあくまで一つ年上の幼馴染というだけで、君の姉ではない】のだから、君も中学生になったことだしそろそろ呼び方を……」
「? 『姉ちゃんは姉ちゃんだろ?』……てか、さっきから気になってたんだけど、何その変な喋り方」
「変……!?」
「どうせまた『漫画かアニメにでも影響された』んだろうけど、似合ってないからやめた方がいいよ」
「がは……っ」 - 3現在から数年ほど前……25/04/13(日) 12:06:36
「んじゃ、オレは先に帰るから……はぁ」
「……おや、どうしたんだい? 少年。溜め息なんかついて」
「うわ、その喋り方まだ続けるんだ。……いやほら、こっから化け物相手にするのが面倒で。……どうにかなんないかなぁ」
「化け物……あぁ【モノレールの駅から家まで続く坂道のこと】か。確か、【少年は行きは家から下り坂だが、帰りは家まで上り坂になる駅を使っている】んだったな」
「そ。だから行きは問題ないんだけど、帰りはめちゃくちゃ時間食うんだよな……まぁ、他の道はもっと遠回りなんだけど」
「……ふむ。少年はそのことをご両親には……?」
「オレから無理言って塾に通わせてくれって言ったのに、送り迎えまでしろとか言えるわけないだろ」
「まぁ、それもそうか……。なぁ、少年。【君の自転車のカギと、私の自転車のカギを交換】しないか?」
「え? なんで?」
「ほら、【私は行きが上り坂で帰りが下り坂になる駅を使っている】だろう? 【どちらの駅も私たちの住む辺りからは同じくらいの距離】だからな」
「えっと……つまり?」
「ああ、つまりはこういうことだ」 - 4現在から数年ほど前……25/04/13(日) 12:07:01
「【少年は帰りに、行きとは別の駅に停めてある私の自転車を使う】というわけだ。これなら、【少年は行きも帰りも下り坂を使うことができて、塾に来るまでにかかった時間と同じくらいの時間で家に帰れる】だろう?」
「……でも、さ。『他人の自転車って漕ぎづらい』と思うんだけど」
「いや、幸い【私たちの自転車は私の双子の兄からお下がりで貰った同じ自転車】だ。【私たちは背格好も同じくらい】だから【違和感なく使える】はずだ」
「いや、たしかにそう、だけど……」
「……? 何か問題でもあるのかい?」
「……それだと、さ。『姉ちゃんが大変』だろ」
「ふふ、そんなことか。なぁに、私は大丈夫だ。なにせ【私は魔女】だからな」
「ちゃんと答えて。オレはいいけど、『姉ちゃんが大変』だろ?」
「……少年。【私がそうしたいと思った】んだ。だから、私にカッコつけさせてくれないか?」
「姉ちゃん……」 - 5現在から数年ほど前……25/04/13(日) 12:07:20
「また『漫画かアニメにでも影響された』の?」
「がは……っ」 - 6迷路の魔女25/04/13(日) 12:07:58
と、言うわけで……赤文字まとめっす!
【《化け物》とは、坂道のことである】
【赤き真実における《学舎(がくしゃ)》は学校、《学び舎(まなびや)》は塾のことである】
【《大切な物》《御守り》とは、少年と魔女の自転車の鍵である】
【少年と魔女は、自転車とモノレールを組み合わせて塾に通っていた】
【少年は行きが下り坂で帰りが上り坂になる駅を、魔女は行きが上り坂で帰りが下り坂になる駅を使っていた】
【魔女と少年は、互いの自転車の鍵を塾に来るたびに交換することにした】
【互いの自転車の鍵を交換したことで、少年は帰りに行きとは別の駅に停めてある自転車を使えるようになり、帰り道も下り坂になったことで、塾に来るまでにかかった時間と同じくらいの時間で家に帰れるようになった】 - 7二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:15:41
ナイス屁理屈!
- 8二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:17:28
モノレールかぜんぜん出なかったな
長時間の戦い
お疲れさまです。 - 9二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:18:37
彷徨い彷徨う…全然わからなかった
迷路の魔女様おめでとう🎉 - 10二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:23:35
お疲れ様です!
【電車は関係ない】でモノレールを忘れさせられてたし、前半は坂道関係を上手いこと切ってましたね!
【魔女は魔女が運転する乗り物に少年を乗せていない】
【自転車のメンテナンスは関係ない】
【少年は物語中、性能の異なる二つ以上の自転車を一切使用していない】
【整備の程度の違いは《性能の異なる》ものと見做す】
とかもギリギリを攻めててすごいです! - 11二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:24:28
【この物語は電気機器は無くても成り立つ】
モノレールは電気機器に含まれない?
それとも電車で代用できるってこと? - 12二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:25:06
経路のどこかに魔女の住む神社があっても【少年は家と学び舎を1人で行き来している】で絶対に一緒になることがない理由が気になってたがこういう地図なら納得〜
- 13迷路の魔女25/04/13(日) 12:33:21
【いろんな感想や褒め言葉感謝】っす!
でも正直、【人間側のレベルが高過ぎ】て、今は【勝ったことへの達成感より、ここまでしなきゃ勝てないのか……という畏怖・畏敬の念が強い】っす……
「〜でも成り立つ」というのは、実はかなり使い所が難しい復唱要求なんすよね
この問題だと、例えば【モノレールはバスでも成り立つ】から魔女は復唱できるわけっすけど、これは【電気機器の関与を否定できてない】わけっす
ついでに言うと《電気機器》は一般に家電サイズくらいまでのものを指す言葉で、電車やモノレールは《機械》に分類されると思うっすから、その点でもその復唱に問題はないはずっすよ!
- 14二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:49:29
- 15迷路の魔女25/04/13(日) 12:50:47
改めて……この問題は、《魅了の魔女》が言っていた通り、想定内の復唱要求をしにくる人間を嵌めるために、幾つものトラップが仕込まれてたっす
例えば、プロトタイプ版では電車だった部分をモノレールに変更したり、別物だった自転車の性能を同じにしたり、学舎と学び舎の誤字風叙述トリックを追加したり……といったあたりがわかりやすいところっすかね
んでその都合上、最も先入観のない段階で青文字を少しずつ修正しながら連打するのが強い……という構成だったわけっす
実際、1スレ目14の段階で『化け物は坂道』というアイデアは出てきてたっすから(覚悟していたとはいえかなりビビったっすけど……)
さっきも言った通り、構成が見事にハマって良かったと思う一方、ここまでしないと勝てないのかとも思わされたし、そもそも魔女がここまで執拗に勝ちを狙いに行くのは人間が楽しめたのだろうか……? という後悔もあるっす
そんな中、長い時間付き合ってくれた人間の皆さんには、感謝してもしきれないっす!
本当に、本当にありがとうございました!
ああ、あと……その、今日出題しようと思っていた人がいたら、午前中を潰してしまって申し訳ないっす……
代わりに、というわけではないんすけど、ジブンはしばらく……そうっすね、少なくともゴールデンウィークが明けるまではおやすみさせてもらうっす!
以降のスレは、屁理屈推理合戦に関する雑談スレとするっす!
予告もヨシ、出題もヨシ!
感想をくれたら嬉しいし、質問を貰ったら答える……かもしれないっす!
……と、いうわけで!
屁理屈推理合戦《守護の魔女の話》完結っす!
お相手は、迷路の魔女でした!
また会う日まで、よき《屁理屈推理合戦》ライフを! - 16二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:57:46
- 17二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 12:58:45
復唱拒否に正反対赤やおまけ赤くれたりと良心的なゲームハンドリングしていただけたからなんとか次弾を込め続けられました
こちらこそ時間延長までしていただいて長時間お付き合いいただきありがとうございます
ゆっくりお休みになってください
ーーああ、それとこれは復唱する必要はないですが
弟分を化け物の脅威から護った「《守護の魔女》の肉体は驚異的な発達を遂げた」でしょうね…… - 18二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 13:32:33
シンプルにすげえ
結構ちゃんと納得できる答えだ…
復唱要求「迷路の魔女はまたいつか屁理屈推理合戦のスレを立てる」 - 19二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 16:15:02
守護の魔女の方は常に登りで自転車を使わなきゃいけない訳か。カッコつけたすぎやん
少年呼び系年上おねえさんは良いぞ
後はちょっと否よりの感想にはなるけど、舞台設定の解明に比重が寄ってるゲーム盤はやっぱり手間かかるな、という印象
回答者目線、赤のみで舞台を構築しないといけない屁理屈推理だと「否定しないといけない可能性」が多くて多くて…
(そも設定究明というより出題の不可能性を屁理屈でこじ開けていくのが屁理屈推理では?という気もしているが)
個人的には魔女が情報を出し渋れる屁理屈推理形式よりは、ウミガメのスープ形式で解いてみたかったなあとは思った
まあ負け惜しみだけどな!
何はともあれお疲れさまでした! - 20二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 21:49:03
- 21迷路の魔女25/04/13(日) 23:01:28
魔法的素養は、ここでは注意力のことっす!
同じ機種の自転車と言えど、鍵そのものは鍵番号や形状がそれぞれ固有っすから、二つの鍵を見比べて変化に気づけるか? という話っすね
ちなみに、少年は二つの鍵が同じものでないことは理解してるっすけど、わざわざ見比べてないっすから違いには気づいてないっす
ああ、あと《守護の魔女》は現実の何かを言い換えたものではなく、《人間のために魔法を使う変わり者の魔女が継承する通り名》っす
だから、《守護の魔女》と神社に関連性はないっすね
お察しの通り、その辺の赤には《当代の》とか《過去の》みたいな枕詞が付くっすよ〜
偶然、当代の魔女が神社の子どもだったってだけの話っす!
ジブンも最後の最後は正面切っての知恵比べでこそ勝ちたかったから、その辺はウィンウィンってヤツっすね
それに、推理のない屁理屈推理合戦なんて、魔女からしても空虚っすから
ああそれと【塾通いによる週三〜四回程度のサイクリングだと、さすがに《驚異的》まではいかない】と思うっす!
そう言ってもらえて嬉しいっす!
実際、ジブンは納得感を相当意識して問題を作るタイプっすからね!
……とはいえ、だからこそ《ウミガメのスープ亜種》に終始してしまいがちという欠点もあるっす
この辺は上手くバランスを取れるようになっていきたいっすね!
そして承認!
【迷路の魔女はまたいつか屁理屈推理合戦のスレを立てる】!
ううむ……
《屁理屈推理合戦》は不可能性を意識すべき、というのは全くもってその通りだと思うっす
その辺は作ってて毎回自分でも気になってはいるものの、《明らかに不自然なことが起こっているからセーフかな……?》と思って流してしまっていたっす
これはこれまでの謎に共通する明確に良くない点っすね……反省っす