- 1二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:49:28
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて成長していく結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
遂に始まった本編よりも先に地球に行ったり本編でどうなってるかわからぬ人々も出てたりしてますが一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
↓初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com↓前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)8|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:50:14
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:50:47
ブルキャノン
連邦MSの中でも一際発達したキャノン系の技術と01ガンダムをベースとした連邦としてのガンダムの技術を複合して新たに設計された最新鋭の重武装MS。
モチーフはブルG。
ジオン製のガンダムに対抗すべく連邦の技術力を注ぎ込み作り出されており、上層部は次期量産化も視野に入れた上での実践データ回収の為の試験機を特務潜入隊のジュン・ファンボイにこの機体を託した。
キャノン系とガンダム系を複合した新型の重装甲に加え凶悪さを感じさせるガンダムヘッドを搭載しており、従来のキャノン系よりも威圧感を出しつつも白と青のカラーリングによってどことなくヒロイックな雰囲気をも醸し出す。
主な武装はライフルブレード(高出力ビームサーベル内蔵型ビームライフル)、ビームサーベル、ヘヴィシールド(実体刃フレーム、二連装バズーカ内蔵シールド)、両肩部ビームキャノン砲、胸部両脇多連装ミサイルポッド。
高火力の射撃兵装による射撃戦は勿論、重武装重装甲でありながら背中のパワードブースターによる加速によって高い機動力を発揮し、搭乗者のジュンは射撃兵装で敵を翻弄しつつブレードまたはビームサーベルのビーム刃と盾の実体刃を駆使した二刀流で仕留める戦法を最も得意としている。
エル・サルバトーレ・コアとの戦闘でニャアンを庇って中破するがイズマ・コロニー繁華街市長の指示で修繕され、彼の刑務作業で軍警察配下で活動したり平和公園でオブジェになったりとコロニーで親しまれるようになる。
2度目の連邦軍の攻撃の際ブルキャノンⅡとの戦闘で更に中破するが、市長が秘密裏に進めていた強化改修計画によりブルキャノン・ブラウリッターへと生まれ変わる。 - 4二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:51:58
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 5二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:52:19
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたブルパップ式ライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 6二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:53:10
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味ジュンのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 7二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:54:21
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 8二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:54:42
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 9二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:55:18
リーラ・ゴーセブルーム
ブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンの連携によって発動する対ゼクノヴァ兵器。
『紫の大輪』を意味する通りにオイランゼンが操るペタルビットが高速回転する事で作り出される紫の光の輪から発生される強力な電磁力を輪の中央にいるリッターモードのブルキャノンに纏わせ超磁力の反発によってブルキャノンを射出し、ゼクノヴァに激突した際の衝撃波で対象のエネルギー膨張を消滅される事が出来る。
速い話がブルキャノンそのものを弾にしたレールガンのようなものであり、頑強なブルキャノンによる高速戦闘を得意としたジュンが弾役を、そのジュンを上手く補助出来るように軌道補正を出来るニャアンが射撃役をしないと姿勢制御が上手くいかず大惨事は免れない。
基本的な役目はゼクノヴァの消滅だが単純な突進技としても強力であり、弾役のジュンの負荷を無視すれば理論上はムサイ10艦を縦に貫通出来る。 - 10二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:56:22
ライラ・ミラ・ライラ
反連邦勢力の主力であるベトナム軍所属のMSパイロット。かつては連邦軍に所属していたが、敗戦後同じ地球圏への無差別な侵攻と搾取を行う統一機構に愛想を尽かして連邦軍を辞職した。連邦軍所属時代から口の聞き方で上官に疎まれていた反面さっぱりとしながらも面倒見のいい性格故に部下達からは信頼されており、ベトナム軍でも部下達からは「あねさん」と呼ばれて慕われている。
連邦軍辞職の際に中将閣下から最後の仕事として強襲揚陸艦ロード・ノアをベトナム領の無人島に隠す事を依頼されており、辞職後も中将への義理から部下達と共にロード・ノアの整備をしており、中将からの連絡があればいつでも動かせるようにしていた。
統一機構に狙われる身となったジュンとニャアンを中将閣下領に届ける為、並びにロード・ノアを返却する為にジュン達を乗せて古城を目指す事になる。
ロード・ノアの臨時艦長を務め、有事の際には愛機のガルバルディ改と共に出撃する。
ヘリス
ライラの部下の1人。縦横に大柄で気は小さい。
整備士兼通信士。
アグラ
ライラの部下の1人。中肉中背で真面目。
副艦長兼オペレーター。
ガレス
ライラの部下の1人。小柄で喧嘩っ早い。
操舵師。 - 11二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:57:03
前スレのあらすじ
不時着した無人島がベトナム領のコンダオ諸島であるとライラに教えられ、彼女と共にコンソン島にいる反連邦組織の頭領に滞在許可を貰ったジュンとニャアン。
それぞれ先祖達の血故にかコンソン島の雰囲気を楽しむ2人だったが、2人を捕まえる名目で統一機構の艦隊が新型MAアッシマー部隊を引き連れて襲撃、ジュンとニャアンは大気圏内でありながら互いのガンダムの力をフル活用してこれを退け、襲撃メンバーを全員鹵獲。
しかし統一機構はジュンとニャアンを連邦軍における正式な排除対象として公表。ライラはこの事態を解決するために中将からの指示を受けて無人島に隠していた強襲揚陸艦ロード・ノアを起動、2人と共に中将領を目指して地球横断の旅に出る事になる。
はじめに一同は統一機構メンバーを移送する為にホーチミンへと向かい、機構艦長からの暴言で過去に起きた『44バンチの悲劇』の出来事を思い返して沈むジュンを元気付ける為に(ほぼライラの口車にのせられつつ)ニャアンはホーチミンの街でジュンとデートする。
ベトナム最大の都市での観光を楽しむ2人だったが、その途中で2人はかつてジュンと肩を並べて戦った連邦軍のMSパイロット、ジェリド・メサと出会う。ジュンはかつての戦友との再会を喜びつつニャアンと店を後にするが、別れ際に店を出るジェリドは、ジュンにも言えぬ使命を胸に秘めていた… - 12二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:59:09
- 13二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 20:56:50
今後の展開の空想のためにホーチミンの写真検索したりしてるけどいい場所だ、人形劇の楽器奏者さんが着てる民族衣装とかもニャアンに着て欲しい
- 14二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 21:43:04
- 15二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 22:13:56
2人は勿論、最近はちょっと出番少なめなシュウマチュ、エグコモにも幸せになって欲しいところ
シュウジの隠れ家
マチュ「…んー…とりあえず今は2人とも無事なのはニュースで見たけど…やっぱ2人が戻ってこないと寂しいなぁ…」シュウジにもたれかかり
シュウジ「…そうだね。ガンダムもそう言ってる」
マチュ「ガンダムも寂しいの?」
シュウジ「僕のガンダムは元々連邦製だから、ブルキャノンは兄弟みたいなものだも」
中将領古城
コモリ「…とりあえず先に着いたけど…2人とも大丈夫かな…」
エグザベ「きっと大丈夫だよ。特にファンボイ君は僕と7回サシでやり合って生き延びた男だもん…な、なんてちょっと傲慢かな?」
コモリ「どっちかと言うと連邦最新鋭のフルアーマー相手に7回やり合って生き延びたエグザベ君が凄いんじゃないかなそれは…」
- 16二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 23:07:15
VSエグザベ君戦はスパイになってからのジュン兄の戦い=ニャアンと出会って数年ぐらいの頃の筈なので時期によってだいぶジュン兄も揺れてる頃だから、この時点で緊急時に停戦して危険因子倒す為に手を貸したりしてるかもしれんな…
- 17二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 00:08:05
- 18二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 06:38:34
- 19二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 07:18:06
朝保守and今週は執筆ゆっくり予定
- 20二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 11:34:23
- 21二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 14:19:11
- 22二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:13:25
- 23二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:13:39
しかし今回の試験場は地上…「重力の底」だからこれまでのような三次元機動は再現できない。
そして自分たちの土俵になる連邦は強そうだ。 - 24二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:37:40
前スレ200見たら遂にジュン兄がコスプレにまで手ぇ出してて草
ジュン「おー…これは中々…」
ニャアン(しゅ…羞恥心でタヒにそう…!!!!)
ジュン(ハロ)「ゲームノイショウ!!ゲームノイショウ!!」
ニャアン(ハロ)「ドンナゲーム?」
ジュン「一応持ってきたしやってみるかぁ」
ニャアン「用意がいい…」
この後やり込んだ結果全エンディング解放してシナリオの重さに頭を抱えた2人はしばらくニーアコスを封印したとかなんとか - 25二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:39:16
2bコスするにはニャアンはちょっとスレンダーすぎr
- 26二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:59:44
ホーチミン商業港前
自由時間を存分に活用してホーチミン観光から戻ったジュンとニャアン。2人がロード・ノアの前に到着した時には既に日は沈み始めており、優しい夕焼けが海を橙色の光で照らしていた。
ニャアン「すっかり遅くなっちゃったね。ライラさん達はまだ仕事終わって…」
ジュン「ニャアン。ちょっといいか?」
突然、迎えのタクシーが去ってニャアンと2人きりになったのを確認してからジュンはニャアンに声をかける。いつもニャアンが聞く陽気で優しい声、それなのに、何故かその声の響きが少し真剣で、それでいて寂しそうに聞こえ、ニャアンは思わず振り向いて聞き返す。
ニャアン「……ジュン?」
ジュン「今日、空港でジェリドに会った事は皆んなに言わないでくれるか?特に姉さんは勘がいいから、気付かれるかもしれないし」
ニャアン「え…気付くって…」
ジュン「多分ジェリドはな、
統一機構側の刺客だ」
…同刻、漁村倉庫
…ホーチミンの商業港から少し離れた小さな漁村にある、船を修理する為の大きな倉庫。その奥まった場所にある隠し扉から進める地下倉庫にて、入れ替わる前にタクシーを運転していた男…隊長と呼ばれた男が、ジェリドの言葉を反復する。
隊長「……ジュン・ファンボイはこちらの動きに気付いている、か…」
ジェリド「作戦内容までは察してはいないと思います。それに、隊長の事にも気付いてはいない筈です。ですが、我々と接した時点で既に奴も察している筈…申し訳ありません」
隊長「…確証はないが察している筈、と言いたい訳か…分かった、その事を前提に作戦を組み直そう…奴の事は、あの戦いを共にやり切ったお前が1番よく分かっているだろうからな…」
ジェリド「…はっ」 - 27二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 19:29:54
ニャアン「ジェリドさんが…統一機構の刺客…?」
ジュンの言葉を反復したニャアンはその内容を理解する為に少しフリーズしてしまったが、理解と共に慌ててジュンに詰め寄る。
ニャアン「で、でもジェリドさんは試験パイロットだって…!!」
ジュン「連邦を内側から変えようとする奴がそんな裏方仕事専門みてぇな事やってる訳ないだろ?今連邦で名を上げるなら、連邦の中でも特に勢いのある統一機構が目の敵にしてる蒼い騎士の首を取って、中将閣下の隠し財産も頂いちまうのが1番だろうからな」
寂しそうに笑うジュンの言葉には確信めいたものがあり、それを聞いたニャアンは不思議と焦りが消え、落ち着いた様子でジュンに言葉を投げかける。
ニャアン「……もしもそうだとしたら…どうしてライラさんには言わないの?刺客が迫るなら…伝えた方がいいんじゃない?」
ジュン「伝えちまったらよ、ベトナム軍の人達が迎撃の為に出張ってくるだろ?…そうなったら余計な被害が増えちまう」
ニャアン「…強いんだ、ジェリドさん」
ジュン「ああ。でも、今のアイツなら出張ってさえいなけりゃ無駄な被害を抑えてくれる筈だ…俺もアイツも、あんなのはもう真っ平だからな…」
ニャアン「…」
ジュンの口ぶりから、ニャアンはジェリドこそがジュンと共に44バンチの悲劇という事件を生き延びた人なのではないかと察するが、それは口にせず静かに頷く。
ニャアン「…分かった。ライラさんには内緒にする。ロード・ノアを守るのも、しっかりやるから」
ジュン「…ん、ありがとな」
ジュンはニャアンの頭を優しく撫でてから、最終調整をするライラ達の方へと向かう…
- 28二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 20:01:53
同刻、漁村倉庫
隊長「……成る程。確かにこの作戦通りに行けば戦闘時の被害は最低限に抑えられるだろう…だがこれはあくまで蒼い騎士が貴殿の読み通りに動いた場合の話だ」
ジェリド「奴は港への被害を抑える為に必ず1人で我々の前に立ち塞がります。そうなればロード・ノアの守りは手薄になる。我々3人でブルキャノンを仕留めた後でロード・ノアを追撃、隊長及び領海端に控えた本隊と合流して一気に囲めば船上での防衛経験の乏しいオイランゼンの鹵獲も苦労はしない筈です」
隊長「…その読み、信じてもいいのだな」
ジェリド「奴と肩を並べて戦った誇りに賭けて、申し上げます」
隊長「………いいだろう、貴殿の経験と、奴との絆を信じよう。奇襲隊の指揮は貴殿に任せる」
ジェリド「はっ!!」
カクリコンとマウアーは思っていた以上にジェリドの提案がすんなり通った事に思わず顔を見合わせるが、それに答えるように隊長は呟く。
隊長「…短い時間だったが、半日ほど蒼い騎士と共にいた。機構の上層部どもは裏切り者だの血も涙もない処刑人だのとほざいていたが…なんともまぁ普通の青年だったよ…ジェリド中尉、貴殿と同じでな」
ジェリド「…」
隊長「……本当にいいのか、ジェリド中尉、貴殿は友を…」
ジェリド「自分は…今の連邦を変える為にここに志願しました。実績を残し、上に立つ為ならば……覚悟の上です」
隊長「………そうか…ならばついてこい。機体の最終調整をするぞ」
そう言って隊長が踵を返した先には、
ダークブルーの装甲が特徴的なガンダムが3体、
静かに佇んでいた…
- 29二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 20:53:30
ロード・ノア甲板
ジュン「たっだいまー」
ニャアン「も、戻りました」
ヘリス「あ、2人ともおかえり、よく休めた?」
ジュン「いやぁ、休む間もなくホーチミン観光してきたわ、コンソン島とは違ってマジに都会だったけどこれはこれでいいもんだな!!」
ガレス「オメー昨日の夜から今朝まで見張りで寝不足だったろうに元気なもんだなぁ…」
アグラ「あねさん、2人が戻ってきました」
ライラ「ああ、おかえり……うん、昨日の夜よりはマシな顔になったね」
ジュン「た、たはは、その節はどうもご迷惑を…」
ライラ「誰もそんな事思っちゃいないさ。強いて言うなら、アンタに元気をくれたガールフレンドちゃんに感謝してやりな」
ジュン「あはは、それは毎日してます」
ニャアン「……」赤面しながら俯いて弱々しくジュンの背中をつねってる
ライラ「…全く、見てるだけで砂糖を吐きそうだよ。苦味の強い酒でも飲みたいねぇ…」
ジュン「あ、そうだ姉さん。ロード・ノアの最終調整はどれぐらい進みました?」
ライラ「もう終わったよ。明日の朝には出れる筈だ」
ジュン「(…ならジェリドが仕掛けてくるのは朝か…いやそれよりも前か…?)さっすが姉さん仕事が早い!!…じゃ、俺ブルキャノンのコクピットで仮眠取っときますね」
ガレス「コラコラコラまーた見張りする気かオメー!?」
アグラ「…流石に連続での夜番はキツイだろう。俺達も交代でやるから、お前は少し眠れ…おい聞いてるのか?」
ヘリス「…き、聞いてない…?そ、そうだ、ニャアンちゃんもファンボイに寝るように言ってあげてよ」
ニャアン「…見張りをやるって言い出すとジュンは私が止めても聞かなくて…ああもう既にブルキャノンのコクピット開いてる…」
ライラ「………おーいファンボイ!!!!
今ならニャアンちゃんが添い寝してくれるってさ!!!!」
ジュン「!!!!!?」
ニャアン「ら、ら、ライラさん!!!?」
ライラ「どうすんだい!?ブルキャノンのコクピットから降りんのかい!?降りないのかい!?」
ジュン「降りまぁす!!!!!!!」
ヘリス「某デビルハンター並みに判断が早い…」
- 30二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 21:50:52
ロード・ノア仮眠室
やや寝不足とジェリドを迎え撃つ為に頭がいっぱいいっぱいな時にライラの口車に乗せられて素直にブルキャノンを降りたジュンとほぼほぼ状況理解に追いついてないにも関わらずとにかくジュンを寝かしつける為に同行したニャアンはロード・ノア仮眠室に入った…のだが…
ジュン「………」
ニャアン「………」
仮眠室に入り横になった辺りでジュンは「俺は一体何をやってるんだ…?」と冷静になり慌てて起きあがろうとするも既に時遅く、顔を真っ赤にしたニャアンが後ろから抱きついている状態のため、「やっぱいいです」と言うわけにもいかなくなってしまい、結果的に2人は添い寝をする事になった。
ジュン「そ…その…なんかゴメンなニャアン。ちょっと冷静さが足りてなかったと言いますか…」
ニャアン「べ、別にいいから。早く寝て」
ジュン「いやでもこの姿勢だとだいぶ当たってて寝づらいと言いますか寝るどころじゃないといいますか恥ずかしいと言いますか…」
ニャアン「…大浴場ではもっと恥ずかしい事私にしたくせに」ぼそっ
ジュン「すいません寝ます!!!!」
これ以上いらん事言って興奮のあまり寝れなくなる前に寝ようと必死になるジュンだったが、暫くするとまたニャアンが声をかけてくる。
ニャアン「…ジュン、まだ寝れない?」
ジュン「い、いやもーちょっとで寝れると思うから少し待っててくれ、そろそろウトウト出来る気が…」
ニャアン「ウトウトしてる人の口数じゃないよ」
ジュン「う…」
ニャアン「…もう、しょうがないな…」
少し困ったように笑いながら、ニャアンは一度ジュンから離れ、小さなデジカメを取り出す。
ニャアン「じゃあ、これでも見て時間潰そ?まだ数日だけど、結構写真撮れたから」
ジュン「おお、マチュのデジカメ…うわっ結構いっぱい取ってたんだなぁ…」
一度起き上がった2人は肩を寄せ合ってデジカメの小さな画面を見始める…
- 31二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 22:25:46
- 32二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 22:47:25
これだけやって実際に添い寝になると急にすんと静かになって背中見せるのホンマジュン兄
多分普段からこーゆーとこあるおかげで17の少女と付き合ってても「まぁあの人だし」で済んでるところある
尚一度タガが外れたら前スレの教師生徒みたいな事態になって手がつけられなくなる
- 33二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 23:24:45
- 34二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 01:06:09
- 35二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 07:18:32
- 36二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 07:36:03
- 37二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 10:28:00
ポニテ姿で台所に立ってる姿が想像できる
- 38二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 11:44:06
- 39二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 14:23:20
- 40二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 18:15:00
- 41二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 19:27:33
漁村海辺
ジュンとニャアンが添い寝に落ち着かずデジカメの写真を見返し始めていたその頃、商業港から離れた漁村にて、小型漁船が幾つも停泊する海辺に転がる大きめな流木にジェリドは腰掛けながら商業港とその先のホーチミンの夜景を眺めていた。そんなジェリドの横にマウアーが腰掛けてそっともたれかかる。
マウアー「…寝付けないのかい?」
ジェリド「……ああ。まぁ、いつもの事だ」
マウアー「じゃあ、添い寝でもしてあげようか?」
ジェリド「ば、馬鹿言え。そんなガキじゃあるまいし…」
マウアー「そうかい?ファンボイさんは恋人とそういう事しそうなタイプっぽいし、ジェリドも同い年なんだから恥ずかしい事じゃないだろ」
ジェリド「いや流石にあいつもそんな………いやあいつは確かにやりそうだな…何ならニャアンちゃんの服装からして未だに癖も拗れてそうだ…」
マウアー「ああ、やっぱりあの子の服装ってファンボイさんの趣味なんだ」
ジェリド「身近な奴しか知らん話だがアイツの制服好きは連邦でも無類でなぁ。仲間内でこっそり貸し出してる本の所在が上官にバレた時奴が制服についてあまりにも熱弁して上官をドン引かせて懲罰免除になったのは俺たちの間じゃ伝説だよホント」
笑いながら語るジェリドを見ながら、マウアーは優しげに、しかし少し寂しげに笑う。
マウアー「…本当に、仲がいいんだね」
ジェリド「……ああ。俺にとってはカクリコンとエマと同じぐらい一緒に死線を潜り抜けてきた仲だ」
マウアー「…覚悟は、あるんだよね」
ジェリド「………ああ」
2人はそっと寄り添いながら無言で商業港を見つめ、倉庫の影からそんな様子を眺めていたカクリコンは何も言わずに踵を返す… - 42二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 19:45:16
同刻、ロード・ノア仮眠室
ジュン「そしたらジェリドの奴が俺に張り合って速度上げてさぁ、どっちも張り合って止めないもんだからゴールと同時に2人揃って外壁に衝突。始末書めっちゃ書かされたなぁ、あっはっは」
ニャアン「無人コロニーじゃなかったら始末書じゃ済まなそうな話ばっかり…」
一通り写真を見終えた2人は暇になってしまい、それでもイマイチ眠気の来ないジュンの様子を見たニャアンは、折角だからジェリドとジュンの思い出を聞きたいと提案。結果ジュンの選抜したジェリドとの思い出話を聞く事になるのだが、2人揃ってまぁまぁ危ない事をしてるなぁ、とニャアンは呆れてジト目になっていた。
ジュン「たはは…同年代の男だとフィンとディル以外とはあまり話さなかったからさ、全然違う境遇でパイロットになったアイツの考え方は新鮮で、パイロットとして力をつける為に色んな見方や戦術を知りたいって接してるうちに気が付いたら友達になってたんだ。多分向こうも似たような理由で俺といたんじゃないかな」
ニャアン「じゃあ、出会ってからずっと互いに切磋琢磨してたんだ」
ジュン「あー…いや、出会った当初はそんな事になるとは思わなかったな。あんだけ殴り合ったのにまさか友達になるとはなぁ…」
ニャアン「…そういえば大喧嘩したって言ってたっけ…なんで喧嘩したの?」
ジュン「えー?それ聞きたいかぁ?」
ニャアン「うん。なんでジュンがケンカするほど怒ったのか、知っておきたい。うっかり私もそうやって傷付けたりしたら、怖いから」
ジュン「いや別にニャアンはそんな…」
ニャアン「…リリーさんと戦う前、私、ジュンに酷い事言ったでしょ?…あの時みたいなジュンの顔、もう見たくないから」
ジュン「……そっか。ニャアンは優しいな」なでなで
ニャアン「…」俯きながら頬を染めてる
ジュン「よしっ、分かった、話すよ…あれは戦争末期、人手不足が過ぎて俺達新兵すらもジャブローに召集された時だったっけな…」
- 43二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:00:35
…5年前、ジャブロー基地…
当時17歳だったジュン達公爵家配下の若きMSパイロット候補生達は人手不足のジャブロー防衛戦の為に借り出されていた。中将閣下古城の防衛戦で実際経験を積んでいるとはいえ最前線に出すには早過ぎると中将は反対したが当時から中将へ反発していた上層部達によって半ば強制的に4人はジャブローへ向かう事になり、かの有名な貴族家の配下達を、そして初陣で10機以上のザクを残忍に葬り去った蒼い騎士と呼ばれるジュンの姿を、基地内では新兵から上官までもが奇異の目で見ていた。
フィン「うっ…す…凄い見られてる…」
ディル「…まぁ見られているのは概ねジュンだが…」
リリー「じゅ…ジュン、大丈夫?嫌な感じ、しない?」
ジュン「別に敵でもねぇ奴に見られた所で何とも思わねぇよ」
ぶっきらぼうに吐き捨ててジュンは上官への挨拶の為に一同の視線を無視して歩き出す。
リリー「あっ、まっ、待ってよジュン!!ジュンってば!!」
…大声で名を呼ぶリリーの声は、同じく当時17歳で、当時から友人だったカクリコン、エマと話していたジェリドの耳にも届き、彼は思わず思った事を口にしてしまう。
ジェリド「ジュン…?ニッポン人の名前なのに…なんだベトナム混じりか」
…それは、本当に思った事をそのまま言っただけであり、彼に悪気は微塵もなかった。
が、その呟きを聞いた途端、ジュンは自らの頭の血管が切れるような音を聞き、それと同時に怒りに燃える瞳でジェリドを睨み、歩み寄る。
ジュン「…てめぁ…今なんて言った…?」
ジェリド「ん…?」
ジュン「なんて言ったって聞いてんだよタワシ頭が!!!!!!」
次の瞬間、
全体重を乗せて放ったジュンの拳が、
ジェリドの顔面を捉えて殴り飛ばした…
- 44二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:07:43
- 45二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:13:08
ジェリド「ぐあっ…!?」
エマ「なっ…!?」
カクリコン「ジェリド!?」
顔面にストレートを喰らい吹き飛ばされたジェリドを見て慌ててカクリコンとエマはジェリドの方へ駆け寄るが、ジュンはそんな2人には目をくれず、加減無しで殴った故に痛む拳をより強く握りながら叫ぶ。
ジュン「ジュンって名前の奴がベトナム混じりで何が悪いんだよ!!!!この名前は…母さんが俺にくれた名前だ!!!!俺の母さんはベトナム人だ…父さんが日本人だから父さんの為に慣れない日本の言葉の名前を一生懸命選んでくれたんだ!!!!何も知らねぇタワシ頭が喚いてんじゃねぇぞクソ野郎が!!!!」
周囲の人間全員が怯える程の怒気を放って叫ぶジュンを見て、その拳を喰らったジェリドは痛みに顔を顰めつつも立ち上がり、ジュンを睨む。
ジェリド「…そうかい。そいつは悪い事を言ったみたいだな、謝るよ…だがな、そう思うならニッポン人らしい慎みを覚えた方がいいぜ。ベトナムのゲリラだってもう少し野蛮じゃないだろうさ」
ジュン「テメェ!!!!」
再び放たれたジュンの拳をジェリドは受け流し、カウンターの拳を鳩尾に打ち込む。
ジュン「がっ…!!」
ジェリド「どうしたよ素人!!公爵家様秘蔵のパイロットがこの程度……っ!?」
しかし、ジュンは鳩尾に拳がめり込んだままジェリドを睨み、ジェリドの胸ぐらを掴む。
ジェリド「こ…コイツ…!!」
ジュン「があっ!!!!」
ジュンとジェリドはほぼ同時に頭突きを放ち、額から血を流したまま睨み合う…
- 46二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:25:07
上官1「…?なんだ、騒がしいな…」
上官2「ライラ部隊長。何事だ?」
ライラ「いえ、大した事ではありません。少しばかり新兵達がコミュニュケーションを図っているだけです」
ライラの答えに怪訝そうに2人の上官が新兵達の輪を覗き込むと、その中心では血まみれになって尚殴り合うジュンとジェリドの姿があった。
ジュン「ぜぇ…ぜぇ…」
ジェリド「はぁ…はぁ…」
上官1「き、貴様ら何をしとるか!?」
上官2「お前は中将閣下直属の…ええい配属初日から何を…!!」
ライラ「お待ちください、ここは一度思い切りやり合わせるべきです。半端に終わったら引き摺って戦闘に支障が出ます」
上官1「言っている場合か!!おいお前達すぐにやめ…!!」
ジェリド「退け!!!!」上官の顔面を蹴り上げる
上官2「なっ、き、貴様上官に向かっ…」
ジュン「うるせぇ!!!!」拳で上官の鼻をへし折る
カクリコン「お、おいジェリドお前上官を…」
ジュン「黙ってろカクリコン!!!!!」
フィン「や、やばいってジュン!!」
ジュン「引っ込んでろフィン!!!!」
2人は止めようとする上官をも暴力でねじ伏せて殴り合いを続行、そんな様子を見ながらライラは中々筋のいい2人だと感心していた…
- 47二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:43:27
ジュン「…がっ…ぜぇ…ぜぇ…ぺっ」擦りむいた口に溜まった血を吐き捨てながら睨む
リリー「じゅ、ジュン、もうやめよ…!?」
ジェリド「ぐ…ぎっ…クソッ…」揺らぐ視界を戻す為に自分の頭を叩いて視界を戻して睨む
エマ「本当にこれ以上は不味いわよ!!2人ともいい加減に…!!」
ジュンジェリド「「黙ってろ女!!!!」」
満身創痍になりながらも2人は全くの異口同音で叫び、互いを睨み合う。
ジュン「…てめぇ…エリート気取りのタワシ頭の癖に根性あるじゃねぇかよ…」
ジェリド「俺は貴様のような野良犬とは違う…!!俺自身の力を示す為にここに来たんだ…貴様なんぞに負けるか…!!」
ジュン「いいぜ犬仲間にしてやるよ…文句無しの負け犬になぁ!!!!」
ジェリド「ほざけよ!!!!」
最後の力を振り絞って放った2人の拳は交差し、どちらもそれぞれの顔面に直撃する。
ジュン「ぐあっ…」
ジェリド「こ…の…」
拳はお互いにクリーンヒット、遂に力を出し切った2人は糸が切れた人形のように大の字になって倒れ込み、そんな2人をライラが覗き込む。
ライラ「…どうだい、まだやれそうかい?」
満身創痍の2人は倒れながら互いの顔を見て、しばらく考えつつ、やがて2人揃って口を開く。
ジュンジェリド「「…ギブアップ…」」
ライラ「よし、暫く休みな。処罰はその後下してやるからさ」
- 48二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:04:17
…殴り合いから数時間後、顔面傷だらけの2人は、ジャブロー基地の便所掃除をしていた。黙々とモップでタイルの床を掃除する2人だったが、沈黙に耐えかねたのか、或いはシンプルに暇になったのか、2人は自然と言葉を交わすようになっていく。
ジュン「…力を示す為に軍人になるってよぉ…随分俗っぽい理由で連邦に入ってるよなぁ、お前」
ジェリド「悪いかよ。最後にものを言うのは結局力だ。MSを支配出来る軍人こそが1番力を手に入れられる場所だ。俺は絶対に連邦のトップに立ってやる」
ジュン「トップになってどうすんだよ、俺達に便所掃除させた上官どもに同じ事やらせるか?」
ジェリド「それもありだが…とりあえずはスペースノイドどもを地球からもっと早く追い出してやる。俺なら絶対今の役立たずよりも早く奴らを追い出せる」
ジュン「……そっか…ならまぁ、応援してやるよ」
ジェリド「……お前が軍に入ったのは…復讐の為か?」
ジュン「…おう…スペースノイドどもは…少なくともジオンの奴らは…この世から根絶やしにしてやる…そのつもりで、俺はここに来た」
ジェリド「……俺がそれなりの立場になったら、お前は重宝してやるよ。純粋な怒りを持ってる奴は、強いからな、
ジュン「……あんがとよ、ええと…」
ジェリド「ジェリドだ、ジェリド・メサ。宜しくな、ジュン」
ジュン「おう、宜しく」
2人はモップを手にしつつ握手を交わす…
- 49二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:57:18
ロード・ノア仮眠室
ジュン「…で、その後俺とジェリドはライラ姉さんの部隊に配属されたんだよ。何せ上官殴る蹴るしちゃったもんだから連中がビビって新兵指示役の姉さん直属で手綱を握らせようとしてさ…結果的に姉さんと仲良くなれたから結果オーライだったかな、あっはっは」
ニャアン「…私と同い年の頃のジュンってマチュ以上に狂犬だったんだね…」
ジュン「わ、若気の至りかなぁ…でもほら、ニャアンの名前の事でジェリドに言われた時の対応は大人になったろ?」
ニャアン「まぁ確かに。えらいえらい」なでなで
ジュン「あ、あはは…」
実は取り調べ中にニャアンを侮辱した艦長の顔面を電気スタンドでぶっ叩いた事を胸のうちにしまいつつ、呆れたように笑うニャアンに頭を撫でられるジュンは若干ぎこちない笑みをニャアンに返す。
ニャアン「同じ部隊になってからは、仲直り出来た?」
ジュン「そりゃまぁ同じ部隊の仲間だからな。自然と仲良くなれたよ。戦後俺がブルキャノンを託された時にアイツも当時の新型を与えられて……それから……」
懐かしそうに笑っていたジュンの顔から、ふっと笑みが消える。それを見たニャアンはそっとジュンの頭を抱き寄せて優しく撫でる。
ニャアン「…そろそろ眠くなってきた?」
ジュン「……ああ」
ニャアン「じゃあ、目を閉じて。眠るまでずっとこうしててあげる」
ジュン「………」
思い出された記憶と共に湧き出した後悔が、少しずつ溶けていく。そんな感覚を覚えながらジュンはゆっくりと瞼を閉じ、暖かな気持ちで眠りに落ちる…
- 50二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 22:13:34
多分この時空のジェリドはZ本編でやらかした諸々を若いうちにジュン兄と済ませた結果いい具合になったんだろうな…
ジュン「後印象に残ってるのはアレだな、擬似無重力訓練の事故で落下して2人揃って全身包帯でぐるぐるまきになったり…」
ニャアン「事故で落下!?」
ジュン「後は山岳訓練で崖から転げ落ちたり…」
ニャアン「崖!!!?」 - 51二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 23:20:24
完全に忘れ去られるまでかなりの時間を要するだろうなぁ…
数年後軍警察本庁
ニャアン「ん、お弁当」
ジュン「あはは、また持ってくるの忘れてたわ…」
新人A「あ、ファンボイ教官の奥さんだ」ひそひそ
新人B「あんなに大人しそうなのに宇宙に向けて愛の告白してんだよなぁ…」ひそひそ
ニャアン「う…」赤面俯き
ジュン「聞こえてるぞーガキどもー。午後の訓練はブルキャノン相手にしてぇみてぇだなぁー?」
新人A「ちょっ、教官それはズルっすよ!!」
新人B「あの機体何年経ってもちっとも型落ちしないバケモンじゃないっすか!!」
ジュン「ばーろー、顔面グーでいかないだけ優しいと感謝をだな…」
ニャアン「…」指でつんつんとつつく
ジュン「ん?どした?」
ニャアン「…今日は早く帰ってきてね」はにかみ
ジュン「…おう」
新人A B((いいなぁ…))
ジュン「よーし手早く訓練終わらすぞ!!全員纏めて1試合で相手してやる!!」
新人A B「「え゛」」
この後新人20人相手にフル出力リッターモードのブルキャノンで一騎当千した結果演歌さんに「加減しろ莫迦!!」と怒られた
- 52二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 23:56:14
ジュン『これが愛の力ってヤツよ。テメェらも悔しかったらタヒぬ気で愛する相手見つけてから来やがれ!』
演歌(未だ総隊長降りられず)『これ教育でクラバじゃねぇんだからワケわかんねぇコト吹き込むんじゃねぇよ莫迦!』
看守(主任副看守長)「変わんねぇなぁアイツ。だのにどーしてまだ子供がおらんのかねぇ」
看守娘(演歌同好会会長)「”変な制服プレイばっかしてるからじゃない?”ってアマテ先輩が言ってた」
ペイン翁(釈放後軍警嘱託)「あの蒼き変態めが…嫁相手に何やっとんじゃあ」
- 53二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:53:26
OPのニャアン観て狂喜乱舞してるファンボイは見えたw
- 54二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 07:08:30
- 55二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 07:36:05
保守感謝andED見てると結構育ち良かったのかもってなっていいよね
- 56二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 11:07:29
市長「あの子、今でこそ難民だけど生まれは割と良いのかもしれないね」
タマキおかん「やはり、そう思われましたか」
市「市民権授与式後の会食の時の振る舞い、たどたどしいながらも作法は心得ていた」
タ「はい。少なくともウチの娘よりは自然に出来ていたかと」
市「本当に今の生活と大差ない生まれだったら、あのご馳走を前にしてとても見られたものじゃない食べ方をするはずなのにね。私だって役付きになってから付け焼き刃で覚えたが、会話に気が向きすぎるとつい忘れそうになる」
タ「私も似たようなものです。ですので娘には苦労させないようマナーを教えているのですが…まさかその前にガンダムの操縦を覚えてしまうなんて…」(こめかみ抑えつつ)
市「でも、ニャアン君は難民生活を6年続けてなお、それが出来る…ということは」
タ「”三つ子の魂百まで”ということでしょうか」
市「そうだろうね。機会があればしっかりとした格好で然るべき場所に招待したいものだ」
タ「そうですね。いつまでもあのサイズ違いの学生服のままというのは…」
市「ファンボイ君も旦那としてちゃんとしたよそ行きの服を買ってあげる甲斐性くらいは見せて欲しいもんだよねぇ」
タ「いっそウチの娘をダシにして、二人で一緒にという体で買いに行かせては」
市「そうだねぇ。だが、君の娘さん…アマテ君の場合」
タ「ちゃんと買う店を指定して、お金は後から私が払うからと釘を刺しておきます」
市「そうか。それならまあなんとかなるだろう」
- 57二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 15:29:55
- 58二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 15:34:17
舞台編でお姫様を演じたの、アレ伏線だったんだ…!(違う
- 59二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 18:31:36
このレスは削除されています
- 60二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 18:33:09
一方、公爵の古城では
執事「旦那様、仕立屋が採寸の日程についてお話ししたいと申し出て参りましたが」
中将「済まないが、日程は白紙にしてくれ、と。何しろあの子がここに着く予定がまったく読めなくなってしまったからね。デザインは以前の提案そのままでいいから、生地の準備は進めて置いて欲しい…最悪余裕を持たせて作って貰うしかないかもしれないが」
執事「かしこまりました」
中将「大事なお客様だ。せめて装いくらいはこちらで用立てて差し上げなくてはね」 - 61二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 19:55:20
ロード・ノア仮眠室
ジュン「……ん…」
目を覚ましたジュンが仮眠室の窓からホーチミンの夜景を見ると街を照らす光はかなり少なくなっており、窓の隣の時計はいつの間にか深夜3時を指し示していた。
中途半端な時間に起きた割には眠気も疲れもとれている不思議な気分になっていたジュンは、自分に寄り添って眠るニャアンの寝息に気付き、そりゃあよく寝れるよな、と静かに笑いながらニャアンの頭を優しく撫でてから彼女を起こさないようにゆっくりと起き上がり、青いパイロットスーツに着替えてから仮眠室を後にする。
ジュン「………」
ライラ「随分妙な時間に起きたじゃないか」
MS格納庫入口横にもたれかかるライラに声をかけられてジュンは一瞬思わず足を止めるが、暫くして彼はどこか諦めたような笑みを浮かべる。
ジュン「…バレないように振る舞ってたつもりなんだけどなぁ」
ライラ「初日はともかく、あんなにぶっ続けで見張り番を買って出ようとしてたら少しは疑うさ……ジェリドに、会ったのかい?」
ジュン「げっ、そこまでバレてんの?」
ライラ「統一機構相手にアンタがそこまで腹くくって挑む相手と言えばアイツぐらいしかいないだろうさ…安心しな、今のところ接近する敵の気配はない。ガレス達が交代で見張りをしてるからね」
ジュン「ははっ、姉さんには敵わないなぁ」
ライラ「…ファンボイ。アンタが1番分かってる事だと思うが、ジェリドは…」
ジュン「加減して勝てるような相手じゃない。分かってるよ。
取りに行くつもりでやる」
ライラ「………そうか…負けんじゃないよ」
ジュン「わーってるよ、姉さん」
ジュンは笑いながらライラとすれ違い、一瞬でその笑顔を消した真剣な眼差しで、青いガンダムの方へと歩みを進める… - 62二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 19:56:34
同刻、漁村倉庫地下
ジュンが青いガンダムの足元へ赴くのと同じ頃、漁村倉庫の地下に佇むダークブルーのガンダム3機の足元には黒いパイロットスーツに着替えたジェリド、カクリコン、マウアーの3人が整列し、隊長と呼ばれる男に向かって敬礼をしていた。昼間に見たへらへらとしたベトナム系の陽気な運転手の姿が嘘のように、ジェリド達のものよりも重厚なパイロットスーツを着こなし引き締まった雰囲気を見せる隊長は、改めて作戦内容の確認を行う。
隊長「本作戦の最終目的はドイツ領中将保有の強襲揚陸艦ロード・ノアの制圧並びに当艦に搭載されている兵装のデータ回収、そしてガンダム・オイランゼンとそのパイロットの鹵獲である。しかしこれを行うのは作戦本隊となる海上艦隊並びにそれに搭載されたMA部隊だ。その中で我々に課せられた任務は…」
マウアー「ガンダム3機による奇襲攻撃、並びに護衛として出るであろうブルキャノンの撃破ですね」
隊長「そうだ。奇襲攻撃は少しでもロード・ノアにダメージを与え機動力を削ぐ為の目的だが…」
カクリコン「これは正直難しいでしょうな。恐らくロード・ノアに攻撃が届く前にブルキャノンが迎撃に来るはず…なんだよな、ジェリド」
ジェリド「…ああ。だが逆に言えばその方が分かりやすくていい。始めからロード・ノアに対しての弾薬を意識せずにブルキャノン撃破の為にそれらを温存し、撃破した後余裕があればロード・ノアを追撃する…まずは徹底して奴を撃ち落とす事を優先する」
隊長「…ブルキャノンとの推定戦闘エリアは漁村と商業港の中間にある大型船ドッグが点在する海域だ。この時間ならば無人だが戦闘が始まればベトナム軍が駆けつけるだろう…制限時間は長く見積もっても5分…それまでに始末しろ」
ジェリド「はっ!!」
3人は敬礼し、ダークブルーのガンダムへと乗り込む…
- 63二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:10:42
- 64二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:19:30
ダークブルーのガンダム達は緑色のツインアイを輝かせ、それぞれ右手にビームライフル、左手に通常のものよりも一回り大きいシールド、そして腰にハイパーバズーカを携えてフライングアーマーに乗り、警告音と共に開くガレージ入口の前に歩き出す。
そんな中、ジェリド機は隊長からの無線をキャッチして彼の指示を拾う。
隊長「いいかジェリド中尉。現場での指揮はお前に一任する。だがそれはタイムリミットの間のみだ。時間切れ以降は本隊への合流並びに撤退を最優先、殿を務める私の指示に従い、他に2名並びに自身を危地から脱出させる事だけを考えろ、いいな?」
ジェリド「……何故、隊長がそこまで…貴方は…あの事件の………」
隊長「私情は禁物だぞジェリド中尉。同じ志を持つ者のどちらかしか生き延びれない場合を考えれば若い者が生き延びた方がいい。それだけの事だ…さぁ、行ってこい」
ジェリド「…はっ!!
ジェリド・メサ、ガンダムMk-Ⅱ出るぞ!!!!」
同刻、ロード・ノア
ヘリス「っ!?あ、あねさん!!漁村方向から熱源反応が3つ!!物凄い速さでこちらに接近している!!」
ガレス「なっ…マジかよ!?」
アグラ「ファンボイは仮眠室か!?すぐに警報を…!!」
ライラ「アイツならさっき起きたよ。運良くブルキャノンの整備中でね…ファンボイ、行けるかい!?」
少しわざとらしいかと内心苦笑するライラに反してジュンは静かに感謝しながら、ブルキャノンのコクピットで目を開く。
ジュン「…ああ、いつでもいけるぜ」
アグラ「熱源反応の位置情報は今そちらに送った!!進路クリア!!行けるぞ!!」
ジュン「…ジュン・ファンボイ。ブルキャノン・ブラウリッター、出るぜ!!!!」
…青いガンダムと、黒いガンダム。
輝く都市の商業港と、暗い海の闇が広がる漁村からそれぞれ異なるガンダムが、その中間となる大型船ドッグ海域へと飛び出していく…
- 65二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:57:52
大型船ドッグ海域
その海域に点在する無数のドッグは宇宙世紀以降に長距離航海を終えた大型船が次の航海に備える為のメンテナンスを行う為に作られ、日中は多くの大型船がここで修繕され、次の船旅の為に出ていく。そんなドッグも夜明け間近の一際深い闇夜に包まれた今の時間には誰もおらず、波の音だけが響く静かな場所となっていた。
だが、商業港から迫る青い炎のマントをはためかせるブルキャノン、そして漁村から飛び出し黒いフライングアーマーに乗って飛行する三体のガンダムMk-Ⅱ、合計4機の飛行音がその静寂を破る。
ジュン「ガンダムタイプか!!やっぱガンダムを名乗るなら連邦製じゃねぇとなぁ!!!!」
凶悪な笑みを浮かべてジュンは真正面の黒いガンダム目掛けてライフルの引き金を引き、頭部目掛けてビームを放つ。
ジェリド「散開しろ!!」
ジェリドは短く簡潔に指示を出した直後フライングアーマーを踏み台に跳躍してこのビームを避けつつ、彼の操るMk-Ⅱは射撃を放つブルキャノンの頭上目掛けてビームライフルの連射を放つ。
ジュン「ちいっ!!」
ブルキャノンはライフルブレードを展開して斜め上からの反撃を盾で受け止めつつMk-Ⅱへ接近、振り抜いたサーベルと大型盾をぶつけながら空中で激しい鍔迫り合いを演じる。
ジェリド「先手で真正面の敵に仕掛ける癖は抜けてないようだなジュン!!」
ジュン「やっぱテメェか!!先陣を切って突っ込みてぇのは新兵時代から変わってねぇな!!」
互いに嗤いながら鍔迫り合うが、ジュンは左右に散ったカクリコンとマウアーが自身を挟んでライフルを構えている事に気付いて素早く後方へ飛び退き、その隙にジェリドは独立飛行していたフライングアーマーに飛び乗って2人のフォーメーションに追従する。
ジュン「ちぃっ!!可変機でもねぇのによく飛び回るじゃねぇか!!」
ジェリド「逃さんぞジュン!!貴様はここで落とす!!」
ドッグの合間を縫うように飛び回る青いガンダムと黒いガンダム達による激しい空中戦が始まる…
- 66二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 21:14:41
同刻、ロード・ノア仮眠室
ブルキャノン目掛けてMk-Ⅱが放ったビームが海面を揺らす。それはドッグから少し離れた商業港からすれば僅かな振動であったが、ニャアンはその振動で目を覚まし、隣にジュンがいない事に気付いて慌てて仮眠室を飛び出し、飛び出した先でパイロットスーツ姿のライラと危うくぶつかりそうになる。
ライラ「おっとっと…お目覚めかい?」
ニャアン「ら、ライラさん!!ジュンはもう出たんですか!?」
ライラ「ついさっきね…ただニャアンちゃん、悪いが今はファンボイの心配より自分達…というより、この船全体の心配をした方がいいかもしれないよ」
ニャアン「え……そういえばライラさん、パイロットスーツ…」
ニャアンが戸惑っていると、無線からアグラの声が響く。
アグラ「あねさん聞こえるか!!
先のMS隊襲撃直後に出現した艦隊は今も尚接近中!!このままだと商業港が砲撃に巻き込まれかねない!!」
ライラ「…了解した。聞こえるかいガレス!!今よりロード・ノアを出航させる!!奴らの包囲網を突っ切ってベトナムを出るよ!!」
ガレス「よっしゃあ!!」
ヘリス「べ、ベトナム軍に民間への避難指示は出すように頼んだから、被害は少なくなる筈だよ!!」
ライラ「仕事が早いねぇヘリス!!…ほら、ニャアンちゃん、アンタの分のスーツ。ファンボイには悪いがこの船も人手不足だ。ちょいと手伝って貰うよ」
ニャアン「…大丈夫です…ちゃんと守ります。ジュンが帰ってくるこの船を!!」
ライラ「…ふっ…本当にあのバカには勿体無いいい女だよ」
- 67二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 21:33:44
同刻、大型船ドッグ海域
出航するロード・ノアの姿は、海上に浮かぶ無数のドッグの合間を縫うように飛ぶブルキャノンを上から追うように狙い撃つジェリド達の目にも映っていた。
カクリコン「ロード・ノアが出たか…どうするジェリド!?」
ジェリド「作戦に変更は無い!!俺達は俺達の役割を果たす!!この場で奴を足止めするだけでもロード・ノアの防衛力はそうとう削れるからな!!」
ジュン「よそ見してんじゃねぇ!!!!」
ブルキャノンは一際大きなドッグに隠れた瞬間瞬時にキャノンモードへ変形、炎の翼が瞬間的に消えた反動を利用した急加速でドッグから飛び出し、ジェリド目掛けて両肩部キャノン砲を放つ。
ジェリド「くっ!?」
カクリコン「させるか!!」
ジェリドの前に飛び出したカクリコンのMk-Ⅱが大型盾を構えると、
盾の表面から更にMSの姿を丸ごと隠せるような半透明の丸い傘のような物体が展開され、それがキャノンビームを受け止めて霧散させる。
ジュン「対ビームバリア…!?いや…バリュートの応用か!!面倒な盾を…!!」
マウアー「貰った!!」
2体のMK-Ⅱの後方に控えていたマウアーは、
盾がスライドして変形し、そこから一際長く伸びたロングライフルをブルキャノン目掛けて構え、引き金を引く。
ジュン「うおっ!?」
慌ててジュンはこれを盾で受け止めるが、それ故に散らばる強力な閃光に思わず顔を顰め、その一瞬の隙に接近したジェリドのMk-Ⅱの盾による殴打を放ち、ジュンはそれを再び盾で受け止めようとするが…
ジェリドの盾の切先から伸びた二本のアームが、ブルキャノンの盾をがっちりと掴み取る。
ジュン「なんっ…だこのふざけた盾の博覧会は!!!?」
ジェリド「お前の盾も大概だろうが!!!!」
- 68二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 22:19:04
ジェリドのMk-Ⅱが振るった盾から伸びたアームに自身の盾を掴まれたブルキャノン。つい先日似たように掴んでくる白いMSのビットとの交戦経験から次に来る手を瞬時に判断したジュンは咄嗟に盾を手放してリッターモードに変形し、回し蹴りで自身の盾を蹴り飛ばすと、その直後盾から離れたアームからビームが放たれて海面を揺らす。
ジェリド「今のを避けただと…!?」
ジュン「テメェも掴んでビーム撃ってくる奴か!!」
蹴り飛ばして浮遊するエアロシールドを操作して自分の手元に戻したジュンは盾を失ったジェリドに向かって二刀流で斬り込む。
カクリコン「ジェリド!!」
するもカクリコンのMk-Ⅱが自身の盾を投げ、
ジェリドはブースターによって加速した盾を掴んで防壁を展開し、ジュンの視界を遮る。
ジュン「なっ…!?」
至近距離で展開した防壁に思わず止まった瞬間、
マウアーは背後で落下するジェリドのシールドを掴み、右手のライフルと盾のクローからのビーム連射で背後からブルキャノンに接近する。
マウアー「ジェリドをやらせはしない!!」
ジュン「こいつっ!!」
ジュンは振り向いて連射を防ぐが…
その隙に防壁シールドを手放したジェリドは、マウアーが手放したライフルシールドを掴んでブルキャノンの頭部目掛けて引き金を引く。
ジェリド「これで終わりだ!!!!」
ジュン「っちい!!!!」
ジュンは接近するマウアーの盾を踏み台にしてバック転する事でこれを回避する
ジュン「くっそ…マジでやり辛いぞコイツら…!!!!」
再びブースターで操作されたそれぞれの盾を持ち直した三体の黒いガンダムと対峙する…
- 69二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 22:20:21
機体データ
ガンダムMk-Ⅱ統一機構仕様
統一機構によって開発された最新鋭のガンダムタイプ。高い機動力を誇る01ガンダムをベースに機動力、装甲強度、総合火力を飛躍的に強化させた次世代エース機の試作品であり、現在は3機製造されている。
装甲強化に伴って外見は01ガンダムから大幅に変更され、別次元のガンダムMk-Ⅱとほぼ同じ形になったが、シールドだけが後述の特殊兵装を内蔵する為に既存のものより大型化している。
武装はビームサーベル、ビームライフル、ハイパーバズーカ、頭部バルカン、各機体専用大型盾内蔵の特殊兵装。ブースターで操作可能な3つの盾を使い分けて連携する事でより高い戦術性を発揮する、力と数を活かす連邦ならではの戦い方を得意とする。
ジェリド専用シールド
切先にクローアームが内蔵されており、殴打を防御した相手を掴み、至近距離からアーム中央のメガ粒子砲を叩き込む事が出来る近接戦用シールド。また、シールド内蔵のスラスターが他の盾よりも一際強力。モチーフはバイアラン。
マウアー専用シールド
スライドしてロングライフルに変形する遠距離戦用シールド。防御されると強力なプラズマを撒き散らし相手を怯ませる事が出来る。モチーフはフェダーインライフル。
カクリコン専用シールド
シールド表面からバリュートを応用した対ビーム防壁を展開する、防御特化シールド。耐熱、耐寒性能が極めて高く、普通にバリュートとして使う事も可能。モチーフはバリュート。
- 70二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 23:07:27
言われて見れば制限時間クラバと同じだ…(意図してなかった)
- 71二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 02:01:39
盾がガードタイプジム並にデカいMkⅡか…
- 72二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 06:58:38
- 73二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 07:14:56
- 74二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 13:17:20
ふと思ったけどカクリコンとマウアーって本編だと出会ってないっけ…?2人ともジェリドにとって良い支えだったから自然とチーム組んでたけど
- 75二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 18:04:20
なんやなんや両脇が落ち着いた2人ってのもあってこの世界のジェリドは上手くやってこれたっていうのもあるかもしれん
- 76二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 20:00:43
商業港前海域
大型船ドッグにて青いガンダムと三体の黒いガンダムが熾烈な空中戦を繰り広げている一方で、ロード・ノアは統一機構の艦隊の包囲網を突っ切る為に商業港を出航する。左右対になる甲板の上にはそれぞれライラのガルバルディ改とニャアンのガンダム・オイランゼンがそれぞれ構えながら迫り来る艦隊を見据える。
ライラ「軍艦の数は10…いや後列にも同数。はっ、20隻の大艦隊とは中々の歓迎じゃないか」
ニャアン「あ、あれ全部倒すんですか…!?」
ライラ「こっちにファンボイが残ってりゃそれも手の一つだが、流石に手間だ。奴らの包囲網を真正面から突っ切って後は全力で逃げ切ってやるのさ。ニャアンちゃんはこの前みたくビット兵器での防御に徹していればいい。迎撃はこっちでやるからね…ところでニャアンちゃん、今更だがそのパイロットスーツの具合はどうだい?」
ニャアン「はい、丁度いいです」
ライラ「そりゃ良かった。元々着てたっていうその機体用のスーツとは勝手が違うだろうが、色はファンボイとのお揃いの青だからそれで我慢しておくれ」
ニャアン「………お揃い…」ちょっとにへらとしてる
アグラ『あねさん、色ボケ!!悪いが雑談してる場合じゃないぞ!!敵のMS…いやMA部隊が来た!!』
ニャアン「い、い、今色ボケって言った!?」
ライラ「…この前と同じ…確かアッシマーだったか…だがこっちの数も倍か…!!全く敗戦軍のどこにこんな資金があるんだか…!!行くよ色ボ…ニャアンちゃん!!」
ニャアン「ライラさんまで!?…もう…!!」
若干むくれながらも、ニャアンは迫り来る20機のアッシマー部隊を迎え撃つべくオイランゼンを起動させ、ライラのガルバルディ改も武器を構える… - 77二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 20:20:41
5体一組で編隊を組むアッシマー部隊が4つ、4方向から囲むようにロード・ノアへ接近する。
ヘリス「あ、アッシマー部隊接近!!」
アグラ「対空防御展開!!ガレス、進路はこのまま直進だ、致命傷になりうる主砲攻撃以外はこの際全て無視して突き進め!!」
ガレス「よっしゃあ!!!!」
アグラの指示を受けてロード・ノアは更に勢いを増して前進し、艦両脇に搭載された対空ミサイルと対空用大口径ガトリング砲、更には左右の機体前に搭載された対艦用大型カノン砲よる迎撃を開始、接近するアッシマー部隊はこの過剰火力による迎撃を避ける為に散開する。
隊員1「ぐっ…想像以上の火力だ!!」
隊員2「怯むな!!武装自体は情報通りのものだ…所詮ブルキャノンとの併用を前提にした旧型の強襲艦に過ぎん!!アッシマーの機動力なら…!!」
隊員の1人が対空砲火を避けながら果敢に接近するが、その機体の頭部はガルバルディ改の放ったビームによって撃ち抜かれそのまま墜落する。
隊員1「ガルバルディの狙撃!?大戦末期のビームライフルであんな距離から!?」
隊員3「ち、違う!!アイツの武器は…!!」
隊員達は気付く。ライラのガルバルディが装備しているのは既存のビームライフルではない。
ブルパップ式の高出力ブレードを内蔵した独特の形状のライフル…つまりはブルキャノンの装備しているライフルブレードと同じものであった。更にはシールドもかつてのブルキャノンが装備していたのと同じバズーカ砲と実体刃を搭載したヘヴィシールドだ。
ライラ「近接用のライフルにしちゃあ遠くまで狙えるじゃないか!!流石中将閣下と指揮官殿の合作だね!!」
ヘリス「よ、良かったぁ、ロード・ノアに搭載されてたブルキャノンの予備の武装、ガルバルディでも使えて…」
アグラ「何年も埃かぶってた割にはしっかり使えてるな…」
ライラ「それならこいつも試してみるか!!」
不敵に笑うライラが引き金を引くと、両肩に搭載されたミサイルポッドからブルキャノンの胸部ミサイルと同じものが一斉に発射されて上空のアッシマーへと迫る…
- 78二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 20:39:12
隊員3「ら、ライフルブレード…!?」
隊員4「ライフルだけじゃない…盾まで…!!」
かつて連邦内で暴走した同胞を無慈悲に手にかけた蒼い騎士が振るったものと同じ武器が、自分達に向けられている。処刑人の断頭剣を首筋に当てられたような恐怖がアッシマー隊を襲うが、それと同時に彼らは同胞を葬った仇への怒りをも思い起こさせ、1機欠けた4機編隊の一組が迫り来るミサイルを掻い潜って空中から接近する。
ライラ「ちっ、案外根性がある!!」
ニャアン「ここは私が!!」
オイランゼンが接近する4機を見据えると、腰に搭載された4枚のペタルビットが浮遊し、接近するアッシマー目掛けて飛んでいく。
隊員1「来たぞ!!総員散開!!」
ペタルビットが接近すると同時に4機は四方へ跳びのき、大型ライフルをビットに向かって構え、引き金を引く。
ニャアン(っ!?何か違う!!)
嫌な予感を覚えたニャアンは咄嗟に4枚のビットを僅かに降下させて銃口から外れた位置へ逃す。その直後、4機のアッシマーの大型ライフルから鋭く長い針のようなものが飛び出してペタルビットを掠めて海へ落ちていく。
ニャアン「ビームじゃない…!?」
ライラ「ニードルガンか!!突貫のオイランゼン対策としては中々やってくれる…!!」
相手がビーム兵器を使ってこない以上、MS戦におけるペタルビットは突進による攻撃しか出来ず、逃げることに徹すればアッシマー達はそれを避けるだけの機動力を有している。
更に、今回オイランゼンに接敵するアッシマーの数は前の倍以上。ニャアンがペタルビットを操作する間に、残り15機のアッシマーが対空砲火を掻い潜りながら迫る…
- 79二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 21:01:56
ペタルビット4枚を4機編隊が引き付ける間に残りの15機はロード・ノアとガルバルディ改の対空砲火を避けつつ、可変機構を使いこなしてニードルガンによる集中砲火を繰り返す。
対オイランゼン用にビームこそ使っていないが高い貫通力を持ち、ビームのように反射出来ないニードルガンは高い貫通力を誇り、1発でもMSに当たれば致命傷になりかねないという点は考えようによってはビームと然程変わらない。
対空砲火によって甲板への攻撃は避けられているが、軽量型のオイランゼンに当たれば尚の事だ。
ライラ「ちぃっ!!武器の種類が割れちまうと上手い具合に間合いを取られちまうね…ファンボイのと同じとなるとさすがに連中も勉強してるか…!!ニャアンちゃん!!残りのビットでオイランゼン自身を守る盾を作りな!!1発でも掠めたら軽量機には致命傷だ!!」
ニャアン「わ、分かっ…」
ニャアンが答えようとしたその時、突然オイランゼンの無線からノイズが走り、その後いくつか別の声が聞こえる。
隊員1「よし、第二、第三、第四編隊は引き続き艦隊への攻撃を続行!!確実に武装を破壊してオイランゼン並びにそのパイロットを鹵獲するんだ!!」
他隊員「「「了解!!」」」
ニャアン(えっ…これ…向こうのMSの無線…?なんでこっちに流れて…それよりも…オイランゼンを…鹵獲…?)
隊員3「いけますよ隊長!!やはりあの忌々しい蒼い騎士さえいなければこんな旧型艦など敵ではありません!!」
ニャアン(……忌々しい…?)
隊員4「所詮奴は敵を葬る事しか脳のないような殺人者だ、今頃陽動隊と仲良く遊んでるだろうからな!!」
ニャアン(………殺人者…遊んでる…???)
隊員5「今こそ雪辱を晴らす時だ…!!奴が我々から無慈悲に奪い続けた報いを受けさせてやる!!あんな…
あんな殺戮を楽しむような怪物に相応しい報いを!!!!」
…ぶつり、と、
ニャアンの頭の中で何かが切れた音がした…
- 80二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 21:26:50
このレスは削除されています
- 81二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 21:28:05
ライラ「…?ニャアンちゃん、何してんだい!?残りのビットで盾を…!!」
突然、オイランゼンが腰のハートシミターを引き抜き、ビットを追加スラスターにして甲板を蹴って空中へと飛び出す。
ライラ「なっ…何やってんだ!?」
軽量型とはいえ大気圏内ではブラウリッターや可変型のように長時間飛行出来る訳じゃない。何をとち狂ったのかと先行するアッシマーの一体がオイランゼンの頭部目掛けてニードルガンを構えて引き金を引くが…
オイランゼンはいつの間にか引き戻した4枚のペタルビットのうち一枚を踏み台にして前方に跳躍しながらニードルを回避する。
隊員3「なっ…!?」
慌てて可変し逃げようとするアッシマーに向かってオイランゼンは可変中の隙間にヒートシミターを突き刺して可変を止めせ、猫のような軽やかな身のこなしでアッシマーの頭部を踏みつけ、痙攣するアッシマーを足場にしながら唖然とする残りの18機を睨みつける。
ニャアン「……堪えてるのに……」
隊員1「っ!?な、なんだ…!?オープンチャンネル…いやジャミングか…!?」
全てのアッシマーの無線から流れる少女の声は、震えていた。怯えではない、尋常ではない怒りのために、震えていたのだ。
ニャアン「ジュンは今…必死で昔の自分と向き合ってるのに…それが苦しくて…
辛くて…誰よりも悩んで…!!涙を堪えてるのに…!!!!」
思わず押し黙るアッシマー隊は、次に発せられる少女の静かな声を聞いて、更に恐怖する事になる。
ニャアン「………貴方達を絶対ジュンには合わせない。
もう2度と彼を追いたくないって思うぐらい、
あんな事しなければよかったってぐらい、
痛い目にあわせてあげるから…」
…彼女の怒りに呼応するように、8枚のペタルビットがオイランゼンの背後で一輪の花のように集まって輪を作り、回転し、夜の闇に溶け込むようなオイランゼンを紫の光で妖しく照らす…
- 82二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 21:50:26
隊員4「こ…このスペースノイドの難民が!!」
仲間を足場にして空中に佇むオイランゼン目掛けてアッシマー達はニードルガンの集中砲火を放つが、ヒートシミターを足場から引き抜いたオイランゼンは足場を踏みつけて跳躍し、更には不規則に飛ぶペタルビットを足場にしながら俊敏な獣のような動作で闇夜を駆け、4機編隊に向かって斬り込みヒートシミターを振るう。
隊員1「さ、散開!!」
アッシマー達は再び散開してニードルガンを放とうとするが、それよりも早くアッシマー達の背後から迫った4枚のペタルビットが首に突き刺さり…
コンソン島でガレス達が喰らったのよりも禍々しい深い紫色の同じ対人用の精神感応電磁波をコクピット目掛けて直に流し込む。
隊員1「ギャアアアアアアッ!!!?」
それぞれにとって最も苦痛となる激痛によってアッシマーのパイロット達は失神し、ビットの一枚を足場に佇むオイランゼンは、ゆらりと首を傾け…MSどころか人型の生き物ですら不可能であろう尋常ではない身のこなしでペタルビットを足場に駆け出す。
隊員5「う、うわあああああ!!!?」
悲鳴をあげながらニードルガンを連射するアッシマーの反撃を縦横無尽に夜空を駆けながら避けて懐に飛び込んだオイランゼンは、ヒートシミターで首を薙ぎ、
更には追従するビットで両手両足を跳ね飛ばしてからコクピットを踏みつけ、コクピットからニャアンは問い詰める。
ニャアン「…ねぇ…答えてよ…誰の許しがあってジュンの事を怪物だなんて言えたの…?ねぇ!?」
隊員5「ひっ!!!!」
ニャアンは恐怖のあまり固まる隊員の答えを聞かず、欠損したアッシマーを海面に叩きつけるように蹴り飛ばして自身は高く跳躍し、残りの14機のアッシマーへと斬り込む。
ライラ「…ははっ…こいつまた…とんだ化け猫だよ…」
ライラですら最早笑うしかない程に、怒り狂った黒紫の化け猫は闇夜を駆け回る…
- 83二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 22:40:02
パイロットどもも猫ならぬ虎の尾を踏んだな…いや、龍の逆鱗レベルの激痛を喰らってるが。
しかし…ニャアンもたいがい狂犬だな。
旦那はもとからだけど、ニャアンのそれはマチュか旦那、どっちの(悪)影響だろう? - 84二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 23:05:24
絶妙に両方の影響受けてそう(島民を無差別に攻撃する艦隊を見てやっつける…!!するのはマチュっぽいし大切な人に手ぇ出されたり貶されたりしたら瞬間沸騰するのはジュン兄っぽい)でもあり、この世界のニャアンならではの逆鱗とも言えるかも…?(1番近くでジュン兄が自身の過去に苦悩してるのを知ってる所に殺人を楽しんでる!!と宣ってくる奴がいたのでブチ切れた)
※因みに統一機構の無線が流れてきたのはオイランゼンの擬似サイコミュ補助AIによる選出であり、ペタルビットによる電磁波で無線を傍受、『無事で返すとジュン・ファンボイの精神に支障を出しかねない始末対象』の情報を優先してニャアンに教えてくれます。
- 85二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 23:07:48
- 86二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 23:08:41
ほんとAI有能…
- 87二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 07:11:49
朝保守andホーチミン編終わった後を考えつつGoogleマップとかでプチ外国旅しようかなぁと考え中
ジュンニャアンは多分地球行く前にジャンク屋リビングのソファで肩よせながらスマホ覗き込んでGoogleマップ旅的なのしてる - 88二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 11:50:09
昼保守がてら本日のニャアンスレ紹介
【閲覧注意になれ】にゃんにゃんにゃん♡ニャアンだにゃん♡|あにまん掲示板そこの優しい人間さん♡どうかかわいそうな捨て猫ニャアンを拾ってくださいにゃん♡もう怖い思いするのも痛いのも死にかけるのも嫌なんですにゃん♡このままだとお腹が空いて野垂れ死んじゃうか軍警に捕まって拷問さ…bbs.animanch.comニャアンは2月22日に↑の1レス目みたいなテンションで「優しい独身男性に拾われた雌猫が人間になって恩返し(意味深)」するシチュをジュンと楽しむと良いよ、楽しめ(豹変)
- 89二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 11:50:51
同刻、大型船ドッグ海域
その頃、3体のMk-Ⅱは今も尚リッターモードで逃げ回るブルキャノンを盾交換を交えた連携戦術で追い詰めていたが…
マウアー「っ…!?なんだこの感覚は…尋常じゃない数の…恐怖…?」
カクリコン「どうしたマウアー!?ニュータイプの勘……いや俺にも見えるな…なんだあの紫色の光は…向こうで何が…」
ジェリド「マウアー!!カクリコン!!よそ見をするな!!」
薄らと見える紫色の雷光に気を取られた2人はジェリドの叱責を受けてその場から跳びのいてブルキャノンの砲撃を避け、ジェリド本人のMk-Ⅱは砲撃と同時に斬り込んできたブルキャノンに向かってフライングアーマーから飛び降り、ライフルブレードとエアロシールドをビームサーベルと大型盾によって受け止めて空中で鍔迫り合う。
ジェリド「本物の重力は久々だろう!?慣れ切る前に終わらせてやる!!」
ジュン「ちぃっ!!!!」
ジュンは迫り合いを解いて瞬時に両肩部キャノン砲で狙いを定めるが、ジェリドは鍔迫り合い解除と同時に大型盾のブースターを同時にふかして横へ飛び出して自律飛行していたフライングアーマーへ飛び乗り、キャノンモードになって機動力が落ちた一瞬の隙をついたマウアーとカクリコンのビームライフルがブルキャノンを捉える。ジュンは咄嗟に盾を構えてそれを防ぐがあまりにもぎりぎりで盾を構えた為ビーム激突の衝撃でブルキャノンは大きく下方向へ吹き飛ばされる。
ジュン「ぐあっ…!!」
ジェリド「本物の自由落下を楽しみな!!」
墜落するブルキャノンに向かってジェリドのMk-Ⅱが迫り、ライフルを構える。
ジュン「この野郎!!!!」
ブルキャノンはライフルが撃たれるよりも早くリッターモードを展開して盾を構えたままジェリドのMk-2へ突進してライフルを叩き落とす。
ジェリド「こいつっ…!!」
ジュン「テメェも楽しませてやるよ!!!!」
フライングアーマーから突き落とされたジェリドと勢いが余ったジュンは大型船ドッグの中でも一際大きい海上ドッグへ半ば不時着のように火花を散らして滑るように着地、間合いを取ると同時にブルキャノンは青い炎のマントをはためかせてライフルブレードを再度展開、ジェリドのMk-Ⅱは大型盾のアームを展開しつつ空いた右手でビームサーベルを引き抜く。
東から登る太陽が夜の闇を掻き消し始める中、ドッグの上で青と黒のガンダムが睨み合う… - 90二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 11:52:05
マウアー「っ!!ジェリド!!」
マウアーのMk-Ⅱが落下したジェリドを援護するためにシールドを可変させたロングライフルを構えるが、その銃身を間に入ったカクリコンのMk-Ⅱが抑える。
カクリコン「よせ!!その位置で撃ったらドッグの燃料タンクが誘爆しかねない!!」
マウアー「援護するなって言うのかい!?」
カクリコン「今は我慢の時だ…奴がドッグを離れた時に撃てばいい!!」
マウアー「…了解…!!」
カクリコンとマウアーが空中で待機する中、ドッグの上ではブルキャノンとジェリドのMk-Ⅱが激しく斬り結んでいた。ジュンはブレードと盾の二刀流に加えて炎のマントと足技までをも駆使したラッシュで攻めたてるが、ジェリドは大型盾とビームサーベルで二刀流と炎のマントを防ぎ、更には足技を盾のアームで掴んで受け止める。
ジェリド「まずは足から貰う!!」
ジュン「やるかよ!!!!」
がっちりと掴んだアームの中央からメガ粒子砲を放とうとする直前に、ブルキャノンは足を掴まれた状態で宙返りし、馬力にものを言わせてアームを引き剥がしてジェリドのMk-Ⅱを投げ飛ばす。
ジュン「馬力が違う違えんだよ!!!!」
ジェリド「これしきの差など!!!!」
投げ飛ばされながらもジェリドは盾のブースターの本体のスラスターを巧みに駆使して姿勢制御、再びブルキャノン目掛けて斬り込み、ビームサーベルとライフルブレードによる鍔迫り合いに持ち込む。
ジュン「ちいっ!!統一機構製にしては真っ当にいい機体じゃねぇか!!」
ジェリド「お前のブルキャノンもスペースノイドの手が加わったにしては大したもんだ!!」
コクピットの中で凶悪な笑みを浮かべる2人の意思に応えるように、2体のガンダムは鋭い眼光を輝かせる…
- 91二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 11:58:43
- 92二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 12:58:56
- 93二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 13:20:39
シュウジ:「ゼクノヴァ言うな!」と赤いガンダムが言っている…
- 94二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 14:34:12
マウアー「ブルキャノンめ…白兵戦で押し切るつもりか!!カクリコン!!白兵戦で援護するよ!!」
カクリコン「っ!!待てマウアー!!…どうやら時間切れだ」
マウアーが聞き返すよりも先に、商業港から出港してこちらに向かうベトナム軍の艦隊が上空の2体のMk-Ⅱへの砲撃を開始する。
マウアー「くっ…!!ジェリド、タイムアップだ!!本隊に合流するよ!!」
ジェリド「了解した!!…悪いなジュン、今日はここまでだ!!」
ジェリドのMk-Ⅱは鍔迫り合いを解いて後方へ飛び退き、自律飛行していたフライングアーマーに飛び乗って他2体の黒いガンダムと共に現在ロード・ノアと交戦中の艦隊の方へと向かう。
ブルキャノンはリッターモードを解除してキャノン砲を構えるが…ジュンはその引き金を引く事なく黒いガンダム達が射程圏外まで逃れるのを見送る。
ジュン「……またな、親友」
ロード・ノアに攻撃を仕掛けるわけでもなくただ帰還するだけならば手を出す必要はない、ジュンは自身にそう言い聞かせながら、自信を援護した艦隊の方へ無線を繋ぐ。
ジュン「あー、こちらライラ隊MSブルキャノン…悪いな、商業船ドッグでこんな暴れ回って…」
軍艦長「こちらベトナム軍第一艦隊艦長。貴殿がロード・ノア撃墜を狙う統一機構迎撃の為にここで奴らと交戦しているという情報は概ね把握している。奴らを相手にドッグに大した被害が出さなかった事には感謝するよ」
ジュン(…半分はジェリド達の加減のおかげでもあるけれどな…)
軍艦長「これから我々はロード・ノアの援護に向かう。良ければ戦闘区域まで君を運…」
突然、ベトナム軍艦隊の旗艦の真横から凄まじい水柱が上がり、旗艦側面から黒煙が吹き出し船体が大きく傾く。
ジュン「何っ…!?」
軍艦長「な…何事だ!?」
オペレーター「こ、これは…!?
水中からの攻撃です!!」
朝日が昇り始めるも未だに暗い海の闇の中。その闇の中で1機のMSのバイザーヘッドが妖しく輝く…
- 95二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 17:06:31
軍艦長「水中からの攻撃…!?何故今まで接近に気付かなかった!!」
オペレーター「急に熱源反応が現れました!!恐らく我々が来る前から既に海中で動かずにステルス機能を用いて潜伏していたのかと…!!」
2人の会話がブルキャノンの無線に届いている間も更に無数の水柱があがり、ベトナム軍の艦隊を大きく揺らす。
軍艦長「対潜水艇魚雷を放て!!これ以上被害を出すわけにはいかん!!」
オペレーター「もうやってます!!ですがこの敵は全て回避してます…潜水艇じゃない…恐らく水中戦対応型の機体です!!」
見えない敵に悪戦苦闘する旗艦は一際大きな水柱に揺られ、遂にバランスを崩して転覆しそうになる。
ジュン「やべぇっ!!」
ブルキャノンは青い炎のマントをはためかせて飛翔し、ライフルを腰にマウントして両手で構えた盾で転覆しかける旗艦のブリッジ部分を押すようにしながら無理矢理旗艦のバランスを立て直す。
軍艦長「なっ…無茶な真似はやめろ!!貴殿のMSが潰されるぞ!?」
ジュン「ブルキャノンを舐めてんじゃねぇ!!」
ブルキャノンの青い炎のマントは更に激しく燃え、まるで大型宇宙戦艦のブースターのような出力と脅威的な馬力によって少しずつ旗艦を押し返し、遂に転覆しかけた戦艦を元の姿勢に戻してしまう。
オペレーター「ば、バランス安定しました…!!」
軍艦長「…なんて滅茶苦茶な馬力だ…」
ジュン「へへっ、だから言ったろ?ブルキャノンを舐め…」
突然、海面から飛び出したブースター付きのワイヤークローが浮遊するブルキャノンの足を掴み、ワイヤーの巻き取りによってブルキャノンを海面に引き摺り込む。
ジュン「うおっ!!!?」
海中に引き摺り込まれたブルキャノンからは青い炎のマントが消えてしまうが、それと同時にクローアームもブルキャノンから離れ、ワイヤーによる巻き取りによって持ち主の元へと戻っていく。
ジュン「くそっ、ここ数日多いな!!妙なアームに掴まれる事がよ!!!!」
悪態を吐きながらジュンは自身を海中に引き摺り込んだ相手を睨む…
- 96二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 17:50:24
…ブルキャノンを海中へと引き摺り込まれた直後、ジュンは海中に潜む敵の正体は水中戦特化のMAだと踏んでいた。不意打ちとはいえブルキャノンの重量を海中へ引き摺り込むパワーと艦隊の対潜水艇魚雷の連射を避けれる程のスピードを兼ね備えているのであれば、アッシマーのような連邦の新型奇形MAだろうと思っていたのだが…
ジュン「…なんだありゃ…」
…海中に佇みクローアームを左腕の縦に引き戻していたのは、見たことのない武装改修を施された藍色の軽キャノンだった。
軽キャノン、と分かったのはジュンが連邦軍所属であるから辛うじてであり、そうでなければ原型が軽キャノンだとはそうそう分からないだろう。何せ頭部以外の装甲が水中戦用により流線的になった上で両肩にキャノン砲がなく、代わりに魚雷を発射すると思われるミサイルポットが搭載されている。
右手には実体刃付きの長柄の槍、左手には赤い龍の頭部を思わせる塗装をされたクローアームとニードルガン内蔵の盾と武装も独特だが水中専用に背中に取り付けられた黄色い龍の鱗のような塗装が施された大型のハイドロジェットもまた目立つ色をしている。
水中戦用にカスタムされた軽キャノンがジャブローでも配備されていた事はジュンも知っていたが、恐らくこれはそれをより専用機にカスタマイズしたものだろう。塗装で誤魔化されているが、よく見れば装甲はかなり使い古されており、かなり年季の入った機体であるとジュンは見抜く。
しかし、それを見抜いたジュンは旧型と侮る事は出来ず、逆に固唾を呑んでレバーを握る手に力を込める。
ジュン「…畜生…1番めんどくせぇまであるぞ…コイツもベイン爺さんと同じ『生き残り』かよ…!!」
隊長「ブルキャノンは水中へ引き込んだ。恐らく次の増援が来る頃には本隊もここでの撃墜は諦めて引き上げるはずだ。お前達は今のうちに本隊に合流しろ」
ジェリド『はっ!!…ロン隊長、ご武運を!!』
ロン「ロン・トゥオン・ティエック。
アクアキャノン・タンロン、行くぞ」
藍色の兵は、長柄の槍を構えて青いガンダムへと切り込む…
- 97二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:14:40
- 98二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:24:18
- 99二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:26:11
長柄の槍を構えて水中を凄まじい速度で移動しながら迫るアクアキャノン・タンロン。これを迎え撃つ為にジュンはライフルブレードを構えて引き金を引くが…
地上や宇宙で撃つよりも遥かに威力が減衰されたビームが放たれ、タンロンはこれを容易に回避する。
ジュン「くそっ!!やっぱビーム兵器はダメか!!」
ジュンは舌打ちしながらエアロシールドを構えて槍の一突きをいなすが、突きを放ったまま突進するタンロンの軌道に巻き込まれて大きくバランスを崩し、旋回するタンロンはブルキャノン目掛けてニードルガンを連射する。
ジュン「ちぃっ!!」
ブースターをふかせてこの連射を辛うじて避けるが、今度は避けた方向から迫るクローアームが盾に噛みつき、左腕の自由を奪う。
ロン「これで盾は使えまい!!」
ジュン「テメェッ!!」
槍を構えるタンロンに向かってブルキャノンは両胸部ミサイルを連射、タンロンがこれを防ぐ為にニードルガンを連射しつつ後退する隙に盾に噛み付いたクローアームを引き剥がし、盾の薙ぎ払いでアームを破壊しようとするがこれは避けられて本体へと戻られてしまう。
ロン「鈍重なフルアーマーで水中戦など硬いだけの的だと思ったが…中々に粘りを見せる…!!」
ジュン「この野郎…分かっちゃいたが水中戦に慣れてやがる…!!」
…この戦いは、強化改修後のブルキャノンにとって正直最も過酷な戦いであった。何せブルキャノンの武装の半数がビーム兵器のためそれらが威力を大幅に減衰される以上主力になるのは左手の盾とカノン砲のみ、更に水中では不完全燃焼のせいでリッターモードが使えない。対するタンロンは水中戦特化の機体に乗った手練。ブルキャノンが全力を出せずに戦う相手としては非常に不利だ。
ジュン「上等だ3色信号野郎…!!テメェを3枚に下ろしてやるよ…!!」
タンロン「…闘志の揺らぎが見えない…いいだろう。せめて貴様だけでも始末してやる…」
龍のように海中を駆け巡る藍色のアクアキャノンを迎え撃つ為、青いガンダムは盾を構える…
- 100二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:27:12
機体設定
アクアキャノン・タンロン
ベトナム在住の統一機構内通者ロン・トゥオン・ティエック専用のカスタムMS。
一年戦争時ジャブロー防衛や水中任務で使用されたアクアキャノンにロン独自の武装改修を施した水陸両用MS。既存のアクアキャノンよりも水中戦での機動力を強化し、武装も奇襲性が高いものを採用している。
機体本体のカラーリングは既存のアクアキャノンと同じ藍色だが、後述のクローアームは龍の頭を思わせる赤い塗装、強化されたハイドロジェットは龍の鱗を思わせる黄色い塗装が施されており、ベトナムにおける龍を彷彿とさせる要素が取り込まれている。
武装は実体刃の槍、シールド内蔵ニードルガン、クローアーム、両肩部魚雷ポッドと、水中戦を前提とした装備を採用している。
名前のタンロンはベトナム語で『昇竜』を意味する。
- 101二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 20:04:09
同刻、商業港前海域
海中に引き摺り込まれたブルキャノンがタンロンと交戦しているその頃、引き続きロード・ノア前方のアッシマー隊を重火器で迎撃するライラの元に軍艦長からの無線連絡が届く。
ライラ「ファンボイが海に…!?」
軍艦長「恐らく統一機構側の水中戦用の機体だ!!目立った爆発はないから無事だとは思うが…」
アグラ「ブルキャノンのシグナルは依然健在です!!しかし…」
ライラ「マズいね…水中戦はあの機体と最も相性の悪い戦い方じゃないか……ん…?」
ふと、先程まで周囲を飛んでいたアッシマー達がオイランゼンの暴走じみた反撃によって動けなくなった仲間達を海面から回収しつつ撤退していき、更にはその集団に大型船ドッグ方向から飛んできた3体のガンダム達が合流する。
ニャアン「…?逃げていく…なんで…?」
怒りのままに空を駆け回っていたニャアンも突然の撤退に戸惑いながらロード・ノアの甲板に着地し、ライラに無線を繋ごうとする。
するとまたオイランゼンの無線にノイズが走り、恐らく今も尚戦っていると思われる男の声が響く。
ロン「ほう…これもかわすか…鈍重な重装甲でよく動く…!!」
ニャアン(男の人の声…でも戦ってる…私達と戦ってる人達は皆んな逃げたのに…)
ニャアン「…アグラさん!!ジュンの方は大丈夫ですか!?」
アグラ「…今のところは無事だ!!ただ…奴は今も交戦中で…」
アグラとブリッジ内にいるメンバーは思わず顔を見合わせる。アッシマー隊の暴言を聞いてなかった3人からすると突然ニャアンは怒り狂って飛び出して化け猫のような大暴れでアッシマー隊を蹂躙しだしたのだから、こんな暴れ馬に素直にジュンが劣勢だと伝えたらまた暴走しないかと危惧したのだ。
ライラ「…ニャアンちゃん、もしかしてその機体の無線で今も何か聞こえるのかい?」
ニャアン「は、はい。さっきは…あの飛んでる機体のパイロットの声が聞こえて、今は別の人の声……でも…この声どこかで…」 - 102二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 20:04:31
- 103二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 21:04:59
同刻、大型船ドッグ海域海中
アッシマー隊の撤退により海上での戦闘が沈静化した後も、青いガンダムと藍色のアクアキャノンの戦闘は更に激しさを増していた。
ロン「沈め!!蒼い騎士!!」
ジュン「おおおおおおお!!!!」
ロンの叫びと共にタオロンの両肩部の魚雷ポッドから無数の魚雷が放たれ、ブルキャノンは後方に飛び退きつつ盾に内蔵されたカノン砲によってこれを迎撃、その爆風から飛び出してきたクローアームをバック転の回し蹴りで弾きつつ、槍を構えて突進してきたタオロンの刺突を盾で逸らしつつ、水圧で吹き飛ばされる前にブースターを全開にして刺突をいなしながらその場で回転してカウンターを叩き込む。これをタオロンは槍の柄で受け止め、2人は鍔迫り合いによる接触通信が可能になった。
ジュン「ようやく捕まえたぜ信号機野郎!!テメェよくも俺の新車に爪立てやがったな!?」
ロン「公爵家の蒼い騎士…!!成る程戦場で貴殿に相見えた者どもが怯える訳だ…!!それが貴様の本性か!?それとも女の前で見せる普通の顔がお前の本性か!?」
ジュン「あぁ!?なんだテメェ宇宙中継でニャアンの事見たクチか!?悪いがアイツは俺のもんなんでな!!テメェにやる気はねぇよ!!」
ロン「……そうか…お前もジェリドと同じか…
普通の青年でありながら、あの事件の業を背負う事になったのか…」
ジュン「っ!!!!」
同刻、ロード・ノア甲板
ニャアン「……思い出した…この人の声…ホーチミンを回る時に案内してくれた運転手さんだ…!!」
ライラ「なんだって…?そいつはなんて言ってる?」
ニャアン「……ジェリドさんと…同じ…?あの事件の…業…って…」
言いようのない不安を覚え、ニャアンは大型船ドッグの方を見る…
- 104二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 21:06:49
盾と槍で鍔競り合う水中の2体のMSの鋭い眼光に反して、ジュンはロンの言葉を聞いて目を見開きながら『あの事件』の事を脳裏によぎらせ、ロン本人は静かに言葉を続ける。
ロン「…一年戦争を終えて…非加盟国でありながら強引に徴兵されていた私は…安堵していた…もう戦争は終わった。これ以上戦わなくていい。家族と離れなくていい。本気でそう思った……家族のほうが私から永遠に離れていくとは思わなかったよ…」
ジュン「…家族……まさか…アンタの家族は…」
ロン「そうだ。
私の娘は4年前…あのシャトルに乗っていた」
ジュン「っ…」
ジュンは必死で何かを口に出そうとした。だが、言葉が出ない。息も吸えているのか怪しい。その狼狽が伝わったのか、ロンは言葉を続ける。
ロン「…そして…娘がいなくなってから壊れてしまった妻は…自ら命を絶った…母親の愛というのは、深いな」
自ら命を絶てなかった自身を皮肉るようにロンは笑い、鍔迫り合いを解いてジュンに槍を向ける。
ロン「……俺はお前自身を恨んではいない。だが、お前達に業を強いた連邦を…一部の腐った権力者どもを憎み続けた。私は必ず我が家族を奪った腐敗を正す…その為に上層部へ食い込む為には手柄が必要だった…ジェリドと、同じようにな…」
ジュン「………」
ジュンは、無意識のうちにブルキャノンの構える盾を下ろしてしまう。
ロン「……悪く思うな、蒼い騎士!!!!」
ロンは叫びながら槍を構え、ブルキャノンのコクピット目掛けて放つ…
- 105二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 21:55:36
…ほんの一瞬、この人にこのまま刺させるのも因果なんじゃないか、という考えがジュンの脳裏に過った。『あの悲劇』で失われた子供達の家族。妻まで失っているその人が、忌むべき連邦に属してまで内側から連邦を変えようとしている。だったらこの命を託すには充分なのではないだろうか。そんな弱々しい意識と共に、ジュンは迫り来る槍を前に自然と盾を下ろし…
ニャアン『でも…その痛みに負けないで。
それでも幸せでいられるんだって、私と一緒に証明して』
瞬間、地球に降りる前に大浴場で蹲っていた自分を抱きしめながらニャアンが言ってくれた言葉がジュンの脳裏に過ぎる弱々しい意識を殴り飛ばし、それに応えるようにブルキャノンは空いた右手で槍の柄を掴んで刺突を受け止める。
ロン「何っ…!?」
ジュン「…悪りぃな…俺の女がまだくたばるなってさ!!!!」
掴んだ槍ごとタオロンを引き寄せたブルキャノンは強烈なショルダータックルを放ってタオロンの姿勢を大きく崩し、エアロシールドで殴りかかる。
ロン「っ…!!その程度の刺突など…!!」
タオロンは素早く姿勢を立て直して槍による刺突を放とうとするが…
瞬間的にエアロシールドのブースターをふかして水中でありながら一気に加速したブルキャノンの一撃がタオロンの頭部へと迫る。
ロン「うおっ!!!?」
ロンは咄嗟に首を捻るが、盾の刃がバイザーを掠め、メインカメラが故障する。
ロン「カメラが…!!」
慌ててサブモニターを起動させるが、その時には既にブルキャノンがタオロンの首を掴み、コクピットに起動していないビームサーベルを突きつけていた…
- 106二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 23:05:10
アポ無しでジャンク屋訪れて隠してあった猫耳引っ張り出して『本当はもっとスゴいの着て欲しいのに控えめだねー?』とか言って2人をからかったりしそうではあるw
尚実際に読心してマジでやることやってたらマチュの二の舞になる諸刃の剣
- 107二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 23:45:14
- 108二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 00:10:49
- 109二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 07:07:14
朝保守and古城つくまでのルート模索中
箸休めにネタ回挟んだりするかもしれないけれど肝心のネタも模索中(古城到着後の流れは出来てるけど過程に悩み中) - 110二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 08:27:24
- 111二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 11:41:09
- 112二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 12:48:33
- 113二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 13:03:07
- 114二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 13:09:13
なお、極力海路(マレー半島横断~インド南端~アラビア半島南端~スエズ運河~地中海とアドリア海)~旧イタリア~旧オーストリア~旧ドイツだと12000km超えます
- 115二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 13:52:25
- 116二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 14:18:07
統一機構寄りの国とかがあると待ち伏せ避けたり迂回したりししながらの旅路になってまた遠回りしそうだ…
- 117二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 17:43:39
- 118二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 18:13:12
- 119二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 19:47:12
大型船ドッグ海域海中
ブルキャノンとタンロンによる青と藍のキャノンタイプによる水中戦は、水中戦闘における不利を至近距離でのカウンターによって埋めたジュンの方に軍配が上がった。最も彼が水中での白兵戦におけるカウンターを決められたのは一瞬命を捨ててもいいかと諦めていた所で最愛の少女の声を思い出して咄嗟に動いた結果なのだが、当然ロンはそんな事もつゆ知らず、完全に読み負けたと目を伏せて呟く。
ロン「…私の負けだな。コロニーの女にうつつを抜かしていても蒼い騎士は蒼い騎士という訳だ」
ジュン「んな悲しい事言ってくれんなよ。タクシーの運ちゃんしてた時のアンタは楽しそうに俺らの観光に付き合ってくれたじゃんか」
ロン「……気付いていたのか?」
ジュン「んにゃ、今さっきようやく気付いたよ。どこかで聞いたような声だなぁとは思ってたが、別人みてぇだなぁ」
ロン「…統一機構の内通者としてホーチミンの情勢を探るには多くの人と触れ合えるタクシー運転手が何かと都合が良くてな。その為に上っ面を良くするぐらいはするさ」
ジュン「……ふーん…」
ロン「無駄話はもういいだろう?さっさと止めを…」
突然、2人の機体から熱源反応検知を伝える警告が鳴り響く。
ジュン「ああ!?新手か!?」
ロン「…いや…MSにしては小さい…これは…
魚雷か…!?」
ジュン達が熱源方向を見ると、軍艦10隻から放たれた、それこそ海を埋め尽くすような数の魚雷がブルキャノン、そしてタオロン目掛けて迫っていた… - 120二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 20:07:35
同刻、統一機構旗艦ブリッジ
ジェリド「何を考えているのですか司令!!!!」
本隊と合流して黒いガンダムから降りたジェリドは、撤退前にブルキャノンのいる海域へ艦隊が魚雷による一斉攻撃を行なった事を知ってブリッジへと駆け込み、作戦司令に喰らいつくように詰め寄って怒鳴る。
司令「何を…?無論、我々にとって最大の障害に成り得る裏切り者の蒼い騎士を始末する事だ。君とてそれを考え率先して足止めをしてくれただろう?ジェリド中尉」
ジェリド「目的の事を言っているのではない!!あそこにはまだ殿を務める隊長がいるのです!!いくら水中専用のタオロンとはいえあれだけの魚雷の包囲攻撃を受けたら巻き添えになります!!何より、あそこには民間の大型船ドッグも…!!」
司令「結構なことじゃないか。非加盟国出身の内通者でありながら功績を立てて内部に喰らいつこうなどと考えるシロアリ1つの命で最大の障害を始末出来るのであれば安いものだろう?それにあそこのドッグは軍艦の修理も委託している。反連邦勢力の拠点の破壊も立派な仕事さ」
ジェリド「っ…馬鹿な真似を…!!」
被害を最低限に抑えようとした自分達をも侮辱するような所業にジェリドは拳を思わず握りしめるが、司令達は気にも止めず海中を進む魚雷の進路をじっくりと眺めており、ブリッジの雰囲気は実に静かなものだった。
だが、その静かさはオペレーターの悲鳴のような叫びでかき消される。
オペレーター「っ…し、司令!!!!
オイランゼンが大型ドッグ海域に!!!!」
司令「何っ…!?」
司令の指示で表示されたモニターには、全てのビットを追加ブースターにして凄まじい速度でジュン達のいる方へと飛ぶ黒紫のガンダムの姿があった…
- 121二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 20:32:48
ニャアン「ジュン!!!!」
全てのペタルビットをスラスターに連結して飛行していたオイランゼンは海中に飛び込んでタオロン並の速さでブルキャノン達の元まで潜り、ブルキャノンの隣に並び立つ。
ロン「っ…!?オイランゼン…水中でもこれほどの速度を出せたのか…!!」
ジュン「おっいいタイミング!!見ろよ運転手さん、最高にいい女だろこの子!!」
ニャアン「…やっぱり運転手さんだったんだ…それよりもジュン!!ヘリスさんがそっちに物凄い数の魚雷が迫ってるって…!!」
ジュン「もう見えてるとこまで来てるよ!!今ちょっとおっさん引き上げるから手伝ってくれ!!」
ニャアン「うんっ!!」
ロン「何…?うおっ!?」
ブルキャノンとオイランゼンはタオロンを掴んで浮上し始める。
ロン「は、離せ貴様ら!!あの魚雷を放っておいたらドッグが!!」
ジュン「なんだよ、運転手さんも俺とおんなじ事考えてたのか、まぁその辺は心配すんなって!!ニャアン!!」
ニャアン「分かってる!!」
ブルキャノンは海面から飛び出すと同時に瞬時にリッターモードを展開して浮遊しつつタンロンとオイランゼンを一際大きいドッグへ投げ飛ばしてキャノン砲を海面に向けて構え、オイランゼンはドッグに着地すると同時に全てのビットをブルキャノンが狙う海面の前で回転させ、ジュンはマルチロックによって海中へ狙いを定める。
ニャアン「今っ!!」
ジュン「散らばれ!!!!」
ブルキャノンから放たれたビームキャノンはペタルビットに吸収され、ビットの海面側の面から無数の細いレーザーのようになって放出される。
細いながらも収束率の極めて高い無数のレーサーの一本一本が魚雷を捉え、着弾と同時に魚雷の内部をショートさせ、全ての魚雷は不発弾となって速力を失い海へと沈んでいく…
- 122二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 21:02:21
同刻、統一機構旗艦
オペレーター「…ぎょ…魚雷の熱源反応が全て消失しました…」
司令「消失…!?爆発の気配はない…全ての魚雷を不発弾にしたとでもいうのか!?」
8枚の水晶の盾を控えさせながら青い炎のマントを纏って浮遊するブルキャノンを司令が忌々しげに睨む横で、ジェリドはここぞとばかりに声をあげる。
ジェリド「…司令殿、残念ですが今が引き際かと。あの2機が合流した状態でロード・ノアに戻られた挙句ベトナム軍の艦隊までもが加わってしまっては、アッシマー隊を消耗した我々に勝ち目はありません。撤退の指示を!!」
司令「分かっている!!総員撤退用意!!」
司令の指示を受けてブリッジの全員が撤退の準備を急ぐ中、ジェリドはどことなく満足げな様子でモニターに映るブルキャノンの姿を見ていた。
同刻、大型船ドッグ
迎撃を終えたブルキャノンが炎のマントをしまってドッグに着地すると、隣の艦隊から軍艦長の無線が入る。
軍艦長「ブルキャノン…!!無事だったか!!」
ジュン「あれっ、アンタらまだこっちにいたのか!?ロード・ノアの援護に向かってくれりゃ良かったのに」
軍艦長「そちらには軍長と頭領の率いる艦隊が向かっている。消耗したお前を運んでやるようにと2人から指示を受けていたんだが…いらん世話だったな」
ニャアン「あの2人も来てくれたんだ…」
ジュン「いらん世話なんかじゃないよ。確かに俺達は自力で飛べるけど…この人を運ぶのを手伝って欲しかったからさ」
ロン「………」
- 123二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 21:06:11
なんなんやニャアン様の戦闘サポート能力…1945年に落ちてきた金ピカの電気騎士が落ちたの、バルト海じゃなくてカムラン湾やったんちゃうか?
そしてジュン・ファンボイ、アンタもあんたで騎士って書いて「ヘッドライナー」とか「シバレース」とか読むんやないやろな?
- 124二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 21:42:32
ロード・ノア甲板
頭領「…統一機構の艦隊が撤退を始めた。今度こそ攻撃の意思は完全になくなったようだな」
軍長「全く人騒がせな連中だよ…せめて最後に民間施設巻き添えにしかねない魚雷ぶっ放すはやめて欲しいねぇ」
ライラ「すいませんでした軍長殿、結局お手を煩わせて…」
撤退する統一機構に向けて引き続き警戒していたライラだったが、青と黒紫のガンダムを乗せた軍艦がこちらに接近している事に気付いてようやくひと段落ついたのだとため息をつく。
ライラ「…船出早々からこの大騒動か…先が思いやられるね、ファンボイ」
ジュン「いいじゃねぇの姉さん。旅は賑やかな方が楽しいもんだぜ?」
ライラ「全く…まぁ、よく戻ってきたよ。ニャアンちゃんもね」
ニャアン「ご、ごめんなさい勝手に飛び出して…」
ジュン「あ、そうだライラさん。この人なんだけどさ」
そう言ってブルキャノンはタンロンの首根っこを掴んでライラに見せる。
ライラ「…?……っ!?アクアキャノン・タンロン…!?『ハノイの海龍』…ロン・トゥオン・ティエックの機体か!?アンタそれどうしたんだい!?」
ジュン「いやジェリド達追い払った後にこのおっさんが絡んで来てさぁ」
ニャアン「…ジュンと同じネームドなんだ…この人…」
ライラ「ベトナムの徴兵で1番活躍した英雄だよ…戦争後は民間企業に勤めていたと聞いたが…まさか統一機構側にいたとはね…」
ジュン「お、結構箔もあるのかこの人。そりゃよかった」
ロン「…?おいお前…さっきから何を…」
頭領「…統一機構側という事なら分かった。こちらで拘束を…」
ジュン「いやダメだって。
この人は閣下への手土産にするんだからさ」
ニャアン「…?」
- 125二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 22:57:38
ロード・ノアMS格納庫
ヘリス「わぁっ…!!これが本物のアクアキャノン・タンロン…!!」
アグラ「やはり実物は迫力があるな…」
ガレス「ていうかおいファンボイ!!オメー何タンロンのバイザーに傷つけちまってんだよ!?」
ジュン「しょーがねーだろ危うくこっちのコクピットがぶち抜かれてたんだぞ?…にしてもマジで人気だなぁ運転手さん…いや、ロンさんって呼んだ方がいいよな。長い付き合いになる訳だしさ」
ロン「………」
ロード・ノアMS格納庫に収容されたタンロンの足元で目を輝かせて見上げるガレス達、そしてそこから少し離れた場所で訝しげに睨むロンに対してジュンは朗らかに笑い、ニャアンは不安そうにしながら2人の様子を見守っている。
ロン「…とても正気とは思えんな。命を狙った相手を同じ船に乗せ、仲間に引き込もうなど…」
ジュン「そうかい?何も誰彼構わずやる訳じゃないぜ?アンタなら大丈夫って思ってスカウトしたのさ」
ロン「それが正気とは思えんのだ。俺は手柄を立てて統一機構の上を目指すつもりでいるんだぞ?始末対象と鹵獲対象がいる船で自由にさせるなど…」
ジュン「あっはっは。
アンタみてぇな使い捨ての兵士が上に行ける訳ねぇだろ」
斬り捨てるような冷たい声音の一言に、ロンは…それどころか艦内にいた全員が驚いた様子でジュンの方を見る。
ロン「……なんだと…?」
ジュン「アンタの考えはジェリドとよく似てる。ジェリドならこの方法も取れるさ。連邦軍で真っ当にパイロットとしても士官としても鍛えて来たエリートだからな…だがアンタはどうだ?」
ロン「………」
ジュン「戦争で借り出された一般人、現地の内通者、挙句の果てには殿を務めていた所にあの魚雷だ…どう考えたって上に行ける見込みはねぇよ」
ロン「…っ…」
ジュン「大体な。敵をぶちのめす事しか出来ねぇ奴が上に行った所で組織を変える事なんて出来やしねぇよ。力を利用されるか、組織に染まって腐るか…
くたばった家族の為に何も成せずに、終いだ」
ロン「貴様っ!!!!」
ロンは激昂してジュンの胸ぐらを掴み、拳を振おうとする…
- 126二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 22:58:36
胸ぐらを掴み、拳を振おうとするロン…しかし彼は、自身を真剣に見つめるジュンと目が合い、その真っ直ぐな瞳に思わず戸惑い、結局拳を振るえないまま弱々しく聞き返す。
ロン「…何故…何故お前がそう言い切れる…何故そこまで俺の限界を測れる…」
ジュン「……俺も…アンタと同じだからだよ。どこまでいっても結局戦いぐらいしか脳がねぇ男だからだよ…まぁ、俺もアンタも一応副業はしてるけどさ」
あははと笑うジュンの笑顔はどこか寂しげだが、笑顔を消した彼は再び真剣な表情で言葉を続ける。
ジュン「同じ種類の人間だから分かるんだ。アンタの力と正義は統一機構なんかで使い潰されて終わらせる訳にはいかない。
アンタには中将閣下の新しい目になって欲しいんだよ」
ロン「中将閣下…貴殿のかつての主に…俺が代わりに支えろというのか…?」
ジュン「俺の代わりじゃない。閣下は今ベイン爺さんっていう目を失っているせいで連邦内部の暴走や反乱を察知が数手遅れがちなんだ。そういうのを補う為には、アンタみたいに場数を踏んだ密偵が必要なんだよ…あの事件で家族を失ったんなら、そういうのも大切だった分かるだろ?」
ロン「…」
ジュン「…俺達みてぇな戦士には内側から連邦を変える事なんて出来ない。でも、そうしようと全力で挑む人の剣や目にはなれる…力を貸してくれよ、ロンさん」
…歴戦の兵は、真っ直ぐ己を見つめる若者の手を自然と取っていた…
- 127二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 23:22:50
これで統一機構側の海上作戦能力の情報が手に入ると海陸の選択肢が決められそうだね
- 128二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 03:26:33
- 129二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 07:06:04
多分リリーが最初にジオンのニュータイプだからって警戒して読心するけれどいざエグザベ君の心を見てみたら本編1話の無茶振りとか軍警に逮捕されてたりとかコモリさんにボッコボコに殴られてたりとかの記憶を見て『あっこの人すっごい苦労人だ』って無害判定貰えそう、その後はエグコモ関係で2人をよくからかってる
- 130二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 10:29:50
ロード・ノアメインブリッジ
ライラ「……成る程ね。ロン・トゥオン・ティエックを中将閣下に紹介するついでにこの旅の護衛にも加える…と……そーゆーのは本人に話す前に一応艦長の私にも話を通して欲しかったんだけどね…」
今後の進路確認の為にジュン達を召集したライラは捕虜として回収した筈のロンをブリッジに連れて来られた事に思わず二度見し、ジュンから詳しい話を聞いて更に頭を抱えながら天を仰ぐ。
ロン「…おい蒼い騎士、艦長殿が頭を抱えてるぞ?お前まさか艦長殿に無断で俺を鹵獲したのか…?」
ジュン「い、いやぁ…あのままほっとくとロンさんベトナム軍に捕まりそうだったからやむを得ず…あっはっは…」
ライラ「はぁ…分かったよ。正直奴らの攻撃規模を考えると少しでも護衛の人手が欲しいぐらいだ。かと言ってベトナム軍を頼り過ぎると統一機構が報復の為に何するかも分かったもんじゃない…元統一機構のアンタが加わってくれるなら、頼もしいよ」
ガレス「お、俺達も歓迎っすよ!!一年戦争時にジオンを追い払ったハノイの海龍と一緒に旅を出来るなんて!!」
ヘリス「あの、あ、後でタンロンの整備手伝わせて下さい!!」
アグラ「貴方はベトナム全土で知られている英雄です。他クルー達も貴方の同行を喜んでいます」
ロン「そう…か…すまない、世話になる」
ジュン「へへっ、良かったな、ロンさん!!」
ロン「……ああ…いや、それはいいんだが…」チラッ
ニャアン「………」むすっとしながらそっぽ向いてる
ロン「…どうしたんだあの子は…?」ひそひそ
ジュン「わ…わからねぇ…」ひそひそ - 131二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 10:30:44
ロンの加入を歓迎する一同だったが、ブリッジの隅っこでむすっとしながらそっぽを向くニャアンの様子を見ると慌てて反対側の隅っこに集まり輪を組んでコソコソと話し始める。
ライラ「ちょっとファンボイアンタ何やらかしたのさ」ヒソヒソ
ジュン「お、俺ですかね原因!?」ヒソヒソ
ロン「まぁ…人間関係的にあの子を不機嫌にしかねないのはお前ぐらいじゃないか…?」ヒソヒソ
ジュン「ま、全く覚えねぇんだけど…ちょっとガレスさんニャアンに声かけてみてくんない?」ヒソヒソ
ガレス「馬鹿野郎俺にまた電気ショックを喰らって来いってのかよ!?自分で行けや!!」ジュンの背中を蹴ってニャアンの方へ押し出す。
ジュン「うおっと!?」
押し出されたジュンはニャアンの側に近寄る事になるが、ニャアンは相変わらずそっぽを向いたままだ。
ジュン「え、えーと…ニャアンさん…?もしかして何か怒ってらっしゃる…?」
ニャアン「………うん」
ジュン「お…俺に怒ってる…?」
ニャアン「………うん」
ジュン「えっなっ、なんでだ…?俺何か怒らせるような事したか…?」
ニャアン「…さっき…ロンさんを説得する時に言ってた言葉…」
ジュン「あ、あー、アレか!?いや確かに口悪いなぁとは思ったし言い過ぎたとは思うけど、そんなマジに悪口ってつもりは…!!」
ニャアン「口が悪いのはずっと知ってる…ブルキャノンに乗ってる時のジュンは、いつもより少し怖いけど、まぁ、それは少しずつ慣れてくから」
ジュン「あ、あれ、そうなの…?じゃあなんで怒ってるんだ…?」
ニャアン「…ジュンが…
ジュン自身に、酷い事言ってたから…」
ジュン「……へ?」
- 132二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 10:31:46
ニャアン「ジュン…ロンさんを説得する時に、自分の事を『戦うぐらいしか脳がねぇ男』って言ってた…それを聞いたら…凄くむっとなって…」
ジュン「い、いやそれは概ね間違いじゃないっていうか…」
困ったようにジュンが笑っていると、そっぽを向いていたニャアンがジュンの方に向き直り、少し泣きそうな目でジュンを見つめながら言葉を続ける。
ニャアン「…戦いしか出来ない人は、繁華街の皆んなから頼られるジャンク屋なんて出来ないし、治安を守る軍警察になんてなれないし、難民の女の子に普通の仕事をくれないし、普通の生活を送らせてくれないし、普通の幸せを共に過ごしてくれない…ジュンは、こんなに沢山の事が出来るんだよ?」
ジュン「ニャアン…」
ニャアン「…私が恋した人は…戦いだけの人じゃない…戦える人だから恋した訳じゃない…だから…自分自身の事だとしても、そんな事言わないで…」
ジュン「……うん…ごめんな、ニャアン。ちょっと自分を大切に出来てなかったかな、俺」
ニャアン「…ん…」
優しく笑いながらジュンはニャアンの頭を撫で、ニャアンは俯きながらされるがままになっている。
因みに今も尚反対側の隅っこにはブリッジメンバーが全然普通にいる事を思い出したのはライラの咳払いを聞いてからである。
ライラ「ん゛ん゛!!…この後があるなら、悪いが仮眠室でやってくれないかい」
ジュンニャアン「「あっ」」
ガレス「はーアホくさ。喧嘩に見せかけた惚気かよ…帰ろ帰ろ」
ヘリス「ご、ごゆっくりねぇ」
アグラ「…あまりはしゃぎ過ぎるなよ」
ロン「あー…なんか発端が俺だったみたいですまんな……あっ、後で替えの服とか届けた方がいいか…?」
ジュンニャアン「「いらん気遣い!!!!」」
顔を赤くした2人の怒鳴り声がブリッジ内を反響する…
ベトナム編、完
続く…
- 133二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 14:14:52
2人が地球に降りた跡で連続して結構な規模の戦いが起きてるからどの勢力間でも戦闘のたびにニュースになってそう
その頃軍警察
看守「それにしてもアイツらも災難だったなぁ…まさか降りた先がベトナムでそのまま統一機構と戦闘とは…」
演歌「現地の協力者と一緒に軍艦に乗って中将どのの所に向かってるらしいが…この後は何もなけりゃいいんだがねぇ…」
ラゴウチ「た、大変です総隊長!!今度はホーチミンの海域でデカい戦闘があって2人がそれに巻き込まれたと情報が!!」
アラガ「ファンボイの奴は統一機構の最新型ガンダムと交戦したみたいです!!」
演歌「おぉいやめろ洪水のような情報をわっとぶちまけてくるのは」
看守「あいつら行く先々の統一機構と喧嘩して突き進むんじゃねぇだろうな…」 - 134二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 17:49:28
ジュン兄もニャアンもここしばらくジャンク屋二人暮らしが当たり前だったからロード・ノア生活になっても無意識でいつもの距離感で接するせいで自爆しそうなところがある
中将「うーん…もうちょっと仮眠室の防音性高めた方が良かったかな…?」
指揮官「馬鹿な事を言ってないで資料に目を通して下さい。例の二機は来ていませんがやる事は多いのですから」
士官長「おー…このエグザベ少尉という方のニュータイプ能力データ値…安定してますねぇ。新型を起動出来なかったと聞いていますが、暴走の危険がないのは羨ましい」
リリー「ふーん、どーせ私は暴走メンヘラ幼馴染ですよーだ。あーっ気晴らしにブルキャノンⅡで湖畔一周しちゃおうかなーっ」
士官長「やめてくれ始末書じゃ済まなくなるからホントに」 - 135二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 19:33:38
…目の前に広がる宇宙の闇を、MS同士の戦いによって生じる無数の爆発が照らす。その中でも一際多くの爆発を引き起こし、今も尚青い流星のように宇宙を駆け巡るのは、先程自分の隣を飛んでいたジュンのブルキャノンだ。
否、飛んでいた、という生易しい動きではない。ジュンは死に物狂いで迫り来るザクを斬り伏せ、自分の為に進路を作ってくれている。
???『何をしているジェリド准尉!!今ここであのシャトルを落とさねば、44バンチそのものが終わるのだぞ!?』
ジュン「ジェリド撃つな!!!!俺がこいつらを斬り伏せて進路を作る!!進路が出来たらお前がなんとかしてシャトルを…!!」
???『そんな悠長な事が出来るか!!シャトルに乗る数十人の為にコロニー1つを破滅させるつもりか!!!!』
ジュン「黙ってろ糞野郎が!!!!」
上官と親友の叫びが、無線から響く。その両方の声に揺さぶられ…俺はライフルを構えて…引き金を引いて………
「『(わ た し た ち を こ ろ した)』」
ジェリド「っ!!!!」
声にもならぬ悲鳴をあげて、ジェリドは跳ね起きる。統一機構のとある地方基地にある仮宿舎のベッドの上で、上裸状態で冷房が効いてるにも関わらずびっしりと汗をかきながら今のが夢である事に気付き、荒くなった息を抑えるように深呼吸をして時計を見る。
ジェリド「…午前2時…中途半端な時間に目が覚めたな…」
マウアー「…また例の夢かい?」
ため息をつくジェリドの隣で寝ていたマウアーも目を覚まし、ジェリドを案ずるように顔を覗き込む。
ジェリド「ああ…時差ボケのせいだろうな。こういう時はよく嫌な夢を見る…悪いな、起こして」
ジェリドはマウアーの頭を優しく撫でながら、窓に映る月を…
宿舎先に広がる砂漠を照らす月を眺めていた…
地球横断編、アラビア砂漠の亡霊達 - 136二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 20:10:23
ロード・ノアMS格納庫
ホーチミン商業港での戦いから数日後、ロード・ノアは統一機構の包囲の目を掻い潜りながら戦闘を避けつつ次なる目的地を目指していた。
しかし戦闘こそないもののMS格納庫ではヘリスの指示の元鹵獲したタンロンのメインカメラの修理や装備の近代化の為に整備員達がせっせと働いており、ブリッジでもアグラが常に統一機構の襲撃に目を光らせつつガレスが慎重に舵をとる緊張した状況が続いており、のんびりとした船旅という訳にはいかなかった。
ロン「どうだヘリス、タンロンは治せそうか?」
ヘリス「ファンボイが上手い事カメラ部分だけを破壊してくれましたからね。ロード・ノアに積んであった予備のバイザーヘッドの部品を使えば治せそうです」
ロン「ほう、ブルキャノン支援用の戦艦と聞いていたが、バイザーフェイスの修理部品もあったのか…ブルキャノンの方は?」
ヘリス「いつでも出撃可能です…というかブルキャノンに関しては僕達が手入れする前にファンボイが1人で必要な整備全部やっちゃって…」
ロン「…あれだけの重武装機の整備を1人でやったのか?」
ヘリス「はい…元々スパイだった頃は自分だけで整備してたから手を出さなくていいって言われちゃって…」
ニャアン「あの、ヘリスさん、ロンさん」
ヘリス「あれ、ニャアンちゃんどうしたの?」
ニャアン「その、ジュンが見当たらなくて…」
ロン「奴なら甲板にいる筈だぞ。ブルキャノンを整備し終えたから潮風に当たってくると言ってたからな」
ニャアン「ありがとうございます!!」
ニャアンはお辞儀をしてからデッキを後にして甲板に上がり、海を眺めるジュンを見つけて隣に寄り添う。
ニャアン「…もうすぐで上陸だね」
ジュン「…おう」
短く答えるジュンの様子はどこかぼんやりとしており、ニャアンは不安そうにジュンを眺めながら数日前のブリーフィングの事を思い返していた…
- 137二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 20:11:46
数日前、ロード・ノアメインブリッジ
ホーチミン商業港前での戦いを終えて頭領達に別れを告げた一同は、中将閣下のドイツ領古城を目指すための進路を決める為にブリッジに集まって話し合いをしていた。
ロン「今回ロード・ノアに襲撃を仕掛けた艦隊はホンコン・シティの拠点から出撃した部隊だ。帰艦する先もそちらだろう。北側の方が奴らの拠点は充実しているからな」
アグラ「となると…最短距離をせめる陸路を行くのは危険か…インド方面の国々自体が連邦加盟国であるのに加えて特に統一機構との繋がりの強いEU加盟国とのパイプもある以上、至る所に監視の目があるでしょうね」
ガレス「じゃあ、ぐるっと海を遠回りしていく感じか?」
ライラ「いや、それでもリスクはある。インド洋も少なからず奴らの包囲網が張られている筈だ…海路と陸路の併用が必要になるね」
ヘリス「陸路も…?」
ライラ「今この船はホーチミンを出て南方に進んでいる。インドから少し距離をとった赤道ギリギリを東へ進み…そこからイエメンの商業港へ向かう」
ニャアン「イエメン…?」
ライラ「アラビアの国の1つだよ。あそこには連邦も手を出せないままになっててね…そこでアラビア砂漠横断の許可を貰って地中海に抜け、そこからオーストリアへ離陸してドイツ領へ…って感じで行こうと思ってるんだが……ジュン、大丈夫かい?」
ふと、ライラが少し不安そうな様子でジュンの事を見ているのに気付いたニャアンはジュンの顔を見る。
ジュン「……ええ、いいと思います。あの一帯の活動は沈静化しているんですよね?」
ライラ「ああ、ここ数年目立った動きはない」
ライラの答えを聞きながら海図を見るジュンの表情は、ニャアンが不安になる程に暗く、真剣なものだった…
- 138二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 20:23:03
前スレ190の派生でこんなんが。
(タヒんだ)旦那のイメージがファンボイに見えてしょうがない…
子持ち未亡人ニャアンがシャングリラに移住する概念【ガンダムZZクロス】|あにまん掲示板正史宇宙世紀でティターンズの夫をグリプス戦役で亡くしたニャアンが子供と一緒にシャングリラに移住してプチモビを使った仕事をしている概念を語るスレですちなみにご近所さんのジュドーやリィナがよく家を訪れてい…bbs.animanch.com - 139二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 20:35:02
- 140二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 21:20:27
…時間は戻り、ロード・ノア甲板
ジュン「…連邦にいた頃さ。戦争が終わって、ブルキャノンを貰って…44バンチから地球に戻ってそこからイズマ・コロニーのスパイになる前に俺、アラビア砂漠に来た事あるんだ」
隣り合いながら海を眺めていたジュンが呟くように声を出したのを聞いて、ニャアンは彼の顔を覗き込みながら聞き返す。
ニャアン「…中将さんの指示で?」
ジュン「そ。内容を細かく話しちまうと機密漏洩になるから言えねぇんだけど…まぁ、仕事でさ」
ニャアン「……戦ったの?」
ジュン「…ああ、戦った。どうしても倒さないといけない奴らがいて…戦って…戦って戦って戦って…倒さないといけない奴ら全員の息の根を止めた」
ニャアン「……前も言った気がするけどやっぱり私、あんまり中将さん好きじゃないかも。ジュンにやらせる仕事、大変なのばっかり」
ジュン「俺の腕を信頼してくれたんだよ。それにあの時の作戦は、俺が志願して最前線に送って貰ったからさ…償いになんてなりもしないかもしれないけれど、俺の願いを聞いてくれたあの人には本当に感謝してるんだ」
感謝してるのにそんな辛そうな顔になるの?とニャアンは聞こうとしたが、声音から本当に感謝してる事が分かってしまい、言葉を言い出せずに詰まってしまう。
ジュン「……あっ、俺もしかしてまたダメな顔してたか?」
ニャアン「うっ…私が言葉に詰まったのに気付くぐらいなら、もっと明るい顔して…心配、させないでよ…」
ジュン「たはは、わりーわりー…あ、じゃあさニャアン、この前ホーチミンで取った写真見せてくれよ!!人形劇も写真撮って良かったんだよな?」
ニャアン「…ん、分かった…向こうに降りて最初にとったのは…あっ、頭領さんと軍長さんが喧嘩してるところだ…」
ジュン「いきなりおっさんずMAVかぁ…」
2人は肩を寄せ合いながら小さなデジカメの画面を覗き込む…
- 141二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 22:03:22
イズマ・コロニーに来る前の時点でブルキャノンに慣れる為に多分地球圏内でも場数踏んでるだろうから良くも悪くも公爵家の蒼い騎士の名前広まってそうだな…
- 142二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 22:38:52
- 143二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 23:06:46
- 144二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 23:23:34
- 145二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 05:42:58
そういや(多分だけど)カミーユもいるんだよな年代的に考えて
- 146二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 07:21:32
朝保守andジュン兄ティターンズ概念も結構面白い…
- 147二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 12:09:56
多分言うのは間違いないという確信w
- 148二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 12:30:58
- 149二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 16:49:34
これはこれで周りが「くそっじれってぇな…!!」になってそうw
- 150二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 19:35:10
ムカッラー商業港
港湾都市ムカッラー。旧世紀の遥か昔からインドとエジプトを繋ぐ港湾都市は今も貿易の要となっており、宇宙世紀になってからは港の規模もより大きくなっていた。しかし港以外の街並みは旧世紀からさほど変わっておらず、アラビア風の白い建物と土色のビルが混ざって作られる街並みの背後に草一つ生えていないような乾き切った砂と岩で作られた巨大な山々が佇んでいる、まさにアラビアの港町といった雰囲気が印象的だ。
そんな港湾都市の入り口である商業港の一角には、数日程の航海の末ここに辿り着いたロード・ノアの姿があり、本艦の受け入れ手続きの為にライラが港側の受け入れ口担当と連絡をとる横でジュンとニャアンはブリッジから外の景色を見ていた。
ジュン「おー、すげぇ。まさにアラビアンって感じがしていいなぁ」
ニャアン「…?ジュン、仕事でアラビアに来たんじゃないの?」
ジュン「いや俺が行ったのは砂漠だけなんだよ。ブルキャノンで大気圏突っ切って真上から奇襲かけて仕事終わったらそのまま回収されて空輸だったから街並みなんて見てる暇なくて…」
ニャアン「……だからこの前大気圏突入する時に手慣れてたんだ…」
ジュン「な?こんな感じで中将閣下の作戦のおかげで助かってる事って何かとあるんだぜ?」
ニャアン「寧ろ今の話聞いて私は中将さんを小一時間問い詰めたくなったよ」ジト目
ジュン「た、たはは、その時はお手柔らかにしてやってくれよな…」
ライラ「どういう事だい!?」
突然響いた怒鳴り声にジュン達2人とガレス達3人は思わず何事かと声の主…無線を握るライラの方を見るが、ライラは見られているにも関わらず厳しい口調で無線の先の相手と言い合っていたが、やがて諦めたように二言三言会話をしてから天を仰ぎ見つつ無線を乱暴におく。
ジュン「ど…どうしたよライラ姉さん?」
ニャアン「何か、トラブルですか?」
ライラ「……受け入れ自体は承認されたよ…厄介な条件付きでね…」
ぼやくライラの言葉に、ジュンとニャアンは戸惑いながら顔を見合わせる… - 151二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 19:55:40
ニャアン「機体登録…?」
ライラの言葉を繰り返して首を傾げるニャアンの説明と確認を兼ねて、ジュンはライラに問いかける。
ジュン「入国する船に乗っているMSの入国理由を提出して国内での移送を可能にする為の登録ですよね?アラビア砂漠を抜ける為ならまぁ、仕方ない話じゃないですか?」
ライラ「無論私もそれを承知でアラビア支部の非連邦勢力とのコンタクトをとったさ…だが連中の説明だとこちらで用意した資料で納得して貰える筈だったのに、奴ら突然資料に不備があると抜かしやがった」
ニャアン「ええと…資料を書き直せって言われたんですか…?」
ライラ「…それなら良かったんだがね…
奴ら港湾基地でブルキャノンとオイランゼンの機体データ、戦闘データ、武装性能の確認…更にはパイロットの情報までをも正確に調査させろと言ってきやがった」
ジュン「そりゃあ…確かにただの入国許可にしちゃ念入りだな…」
ガレス「いやおかしいだろ!?二体とも不時着した機体だから特別措置として移送する事は頭領と軍長も交えてアラビア支部に資料提出で向こうにも納得して貰えた筈だぜ!?」
アグラ「…或いは…初めからこれが狙いだったのかもしれんな」
ヘリス「れ、連邦もジオンも手に入れてない機体データを、アラビア支部は独自に手に入れようとしてるって事…?」
ライラ「…後出し交渉もいいところだよ…正直突っぱねてやりたいところだが、ここまで来て進路を変えるのは正直かなりキツい…」
陸路を行くならば新型の情報を寄越せ、というこれ以上なくシンプルかつ強引なアラビア支部の提案に、ライラは頭痛を抑えるように額に手を当てて俯き、ニャアン達も戸惑いを見せる…
- 152二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 20:18:28
ジュン「まぁ、いいんじゃねーの?」
アラビア支部の出した厄介な条件にライラ達が頭を抱える中、ジュンは実にあっけらかんとして笑い、それを聞いたライラは戸惑うように彼を見返す。
ライラ「な…ファンボイアンタそんな簡単に…」
ジュン「んな事言ったって姉さん。俺もニャアンも宇宙中継でこいつ乗り回して使える武装はほぼ全部使い切ったんだぜ?どーせ遅かれ早かれあの中継を元にそこいらの技術者が模倣とかもするだろうしさ、今更データ暴かれてもまぁ誤差だよ誤差…あっでも告白までリプレイされるのはすっごい嫌だな…」
ニャアン「う…最近忘れかけてたのに…」赤面俯き
ライラ「誤差って…奴らの登録なんてのはどう考えても建前だ。確かに私は連邦軍に反旗を翻した身ではあるけれど、反連邦勢力にも過剰な武力を身につけさせるべきじゃないとも思っている…ファンボイ、アンタも覚えてるだろ?
元々アラビア支部の連中はジオンと繋がりを持っていた事を」
ニャアン「ジオンと…?」
ライラ「奴らは反連邦勢力の中でも過激派だ。一年戦争当時もジオンから支給されたMSでテロ行為を…」
ジュン「覚えてるよ。
だから俺がテロの当事者を皆殺しにした」
ぞっとする程冷たい声の呟きに、ブリッジにいる面々は思わず息を呑み、暫く一同が沈黙しているとジュンはぱっと笑って言葉を続ける。
ジュン「向こうだってさ、もうそんなの嫌だろうし、ジオンとは手を切ったんだろ?だから出来るだけ念を押した上でやり過ぎない程度に情報共有する感じでいこうぜ?そうしないと陸路進めねーんじゃ仕方ないさ」
ライラ「……連中が…得た技術を悪用したらどうするんだい…?」
ジュン「……姉さん酷いな、それ俺に聞くのか?」
笑いながら答えるジュンの暗い瞳を見て、ライラは悟る。ジュンの『あの事件』におけるジオンへの憎しみは消えていない、もしアラビア支部の奴らが何かしでかせば、何があっても同じように始末をつけるだろう、と。
ライラ「……分かったよ。蒼い騎士としてのアンタを信じよう…なるべく温和に終わらせられるように、私も努めるさ」
ジュン「おう、ありがとな姉さん」
優しく笑うジュンの目が笑っていない事にニャアンは不安を覚えつつ、そっとジュンの服の裾をつまむ…
- 153二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 21:18:10
庭師(現自然公園管理事務所長・二十代前から代々公爵家家臣):お嬢さん、ちょっと「お話」しましょうか…
リリー:(この人達の景観保護に賭ける執念怖すぎ…)
公爵:あの風光明媚な湖でMAのテストをした時もこってり絞られたからなぁ…
指揮官:パイロットや技師と連座して正座のまま小一時間説教されて、それで済ませる伯父上こそおかしいですよ…
- 154二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 22:36:53
アラビア支部港湾基地
商業港から誘導船に案内されたロード・ノアは軍艦や武装車両が行き交う港湾基地の入り口へと通される。
入り口前にはカーキ色に塗装されたザクや軽キャノンがそれぞれ4機ずつ待機しており、そのうち二機が大型の誘導灯を持ってロードノアを着陸箇所まで誘導する。
ニャアン「あれって…ザク…?それに軽キャノンまで…」
ライラ「イズマ・コロニーでも軍警ザクは主戦力だろ?反連邦勢力でも一年戦争時代のMSは今でも重宝されてるのさ。最もその大半が戦争のどさくさで掠め取ったような鹵獲機だけどね。まぁ、私のガルバルディ改も戦争末期の機体のカスタム機だけど…」
ロン「俺も元々は潜水艦乗りだったが故障したアクアキャノンを修繕してタンロンに改修してMS戦に駆り出される事になった訳だからな…機体も人員も足りないままだがどうにかこうにか今あるものでなんとかしているのが、反連邦勢力の現状だ」
ジュン「…そりゃあまぁ…最新型の情報も欲しくなるか…統一機構の可変機体相手に中古のザクと軽キャノンだけじゃ相手になんねぇもんな…」
アグラ「あねさん。支部長が挨拶に来ています…ファンボイとニャアンとも話がしたいとの事です」
ニャアン「う…予感はしてたけどまただ…」
ジュン「登録対象のパイロットだもんなぁ…ま、向こうも情報欲しいだろうし荒っぽい事にはならないだろうさ、腹括ろうぜ」
緊張するニャアンの背中を軽く叩いてジュンはライラの後に続いてロード・ノアを降り、左右に銃火器を携えた護衛を控えさせているベレー帽姿に土色の迷彩服を来た彫りの深い顔立ちの男の前でライラに習い敬礼する。
ライラ「…支部長殿。ロード・ノアの受け入れを許可して頂き感謝致します」
支部長「礼を言うのはこちらの方だよ。連邦とコロニーの最新型の情報提供心より感謝する…しかし…」
支部長はジュンの方をじろりと睨む。
支部長「…まさかあの公爵家の処刑人が本当に我々に情報提供をしてくれるとはね。
君は今どんな気持ちで私の前に立っているのだね?この国の者達を散々殺し回った君が、どのツラ下げてここにいる?」
ニャアン「っ…!!」
蔑むような支部長の言葉を聞いて、ニャアンの頭にカッと血が昇る…
- 155二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 22:55:57
ニャアンはカッとなって思わず支部長に詰め寄ろうとするが、それよりも早くジュンはニャアンの前に立ってそれを遮り、落ち着いた様子で支部長へ言葉を返す。
ジュン「支部長殿、立場は変わりましたが自分は今も軍人です。自分は任務に殉じて引き金を引いた事実は一生背負っていくつもりです。そのつもりで、自分は支部長殿の前に立っています。そのつもりで、このツラを支部長殿の前に晒しています」
支部長「…ちっ」
短く舌打ちをして支部長は踵を返し、兵士達はライラ達へついてくるように促す。そんな一同について行きながらジュンはニャアンにこっそりと耳打ちする。
ジュン「あんなんでもこの支部の最高責任者だぜ?揉めたら面倒な事になるから穏便にいかねぇと、な?」
ニャアン「う…ご…ごめん…ついカッとなって…」
ライラ「ニャアンちゃん、あの人の嫌味は軽く流すぐらいが丁度いい。挑発に乗ってトラブルを起こしたらそれこそ徹底的に情報を抜かれたり懲役されたりロクな事にならない。乗ったらそうなると分かっていてわざとああやって煽ってるのさ」
ニャアン「……嫌な人…」
ライラ「ははっ、違いない。だがこのアラビアの港を守るだけの実力もある。強いだけじゃ統治は出来ない。そういう小狡さも国を守っていく手段の一つなのさ」
ジュン「指揮官とは折り合い悪そうだなぁ…あの人は全部力でねじ伏せるタイプだから…俺はどっちかというと指揮官流の方がシンプルで分かりやすいからいいかなぁ?」
ニャアン「例えが極端過ぎない…?」
3人が案内に従い基地内を歩いていると、
突然、ジュン目掛けて石が投げられる。
ニャアン「っ!?ジュンっ…!!」
ジュン「危ねっ」
ニャアンの叫びで石に気付いたジュンは咄嗟に飛んできた石をキャッチして投げた主の方を見る。
そこにいたのは、アラビア風の布の服を着た少年だった。年はソンと同じぐらいだろうか。
ニャアン「え…子供…?」
そんな少年が、憎しみに満ちた目でジュンを睨み、叫ぶ。
???「っ…帰れ…帰れよ人殺し!!!!
お前がこの国を滅茶苦茶にしたんだ!!!!
この…蒼い悪魔!!!!」
…支部長のそれとは異なる、純粋な怒りを孕んだ子供の叫び。それがジュンの心をズキリと痛ませる…
- 156二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 23:18:52
比較的裕福層も多めな感じのイズマ・コロニーですら主戦力ザクっぽいし地球圏内でも懐厳しい所はやっぱ1年戦争から使い続けられた機体とかになるんだろうか…
- 157二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 05:37:56
最近地球横断編のEDに小田和正さんの「遠い海辺」も良いかなと思う今日この頃(本物の海が出てくるので)
- 158二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 07:25:00
朝保守and地球横断編OP.ED探しも楽しくて良き
- 159二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 11:43:39
- 160二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 11:51:00
- 161二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 16:34:25
予告に出てるジムのような何かがどういう扱いなのか分からない故本編の連邦の主戦力状況がどうなってるのかなおのこと分からない…後何話であの3つ目ジム出てくるんだろうか…?
- 162二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:01:39
アラビア支部港湾基地
蒼い悪魔。
少年がジュンに向かってそう叫ぶと、ロード・ノアの周囲を警戒していた兵士達から基地点検などの為に偶々移動していた兵士達までもがジュンの方を見る。ある者は憎むように、ある者は怯えながら…いずれにしてもいい意味のものではない無数の視線がジュンに注がれていると、その少年の元へ同じくアラビア風の布の衣装の男性が慌てた様子で駆け寄って来る。
商人父「リーフ!!何をしてるんだ!?」
リーフ「父ちゃん…」
リーフと呼ばれた少年の肩を男性は焦りながらガシッと掴んで引き寄せる。
商人父「仕事についてくる時は父さんから離れない約束だろ!?…も、申し訳ありません支部長、息子がこんな…!!」
支部長「……いえ、まぁ…子供は自由なものですから…」
支部長が少し気まずそうに目を逸らすと、リーフは噛み付くように怒鳴る。
支部長「大人なら賢くやれますって言いたいのか!?戦争中にボロ負けした蒼い悪魔を迎え入れていいように利用しようとしてるセコい奴が支部長なんてやってんじゃねぇよ!!!!」
商人父「リーフ!!!!」
思わず商人父は怒鳴って手をあげそうになるが、振り上げた手をジュンが掴んで止める。
商人父「あっ…」
ジュン「…俺父親なんかした事ない素人だけどさ、それはやめようぜ。多分、アンタも滅茶苦茶痛いから」
ジュンの言葉を聞いて自分が何をしようとしているのか気付いた父は思わず震えるが、その間にもリーフはジュンを睨んで叫ぶ。
リーフ「っ…善人ぶってるんじゃねぇよ悪魔が!!お前のせいでアラビアが滅茶苦茶になったんだぞ!?…俺は大人になったらアラビア支部に入隊するんだ…お前みたいな国を脅かす悪魔を根絶やしにするためにな!!」
ジュン「……そっか…頑張れよ」
ジュンは淡々と答えて踵を返し、父親は申し訳なさそうに一同にお辞儀をしてリーフの手を引く。その間もリーフはずっとジュンを睨んでいた… - 163二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:25:56
ジュン「………」
支部長「………」
リーフからの罵声を浴びたジュンは、何も言わず先を行く支部長についていき、先程までジュンに嫌味を言っていた支部長と部下達ですらどこか気まずそうに目を逸らして案内を続ける。
笑顔ひとつ浮かべなくなってしまったジュンを案じてニャアンは声をかけようとするが、それをそっとロンが手を伸ばして制する。
ロン「…今は、声をかけない方がいいかもしれん。寧ろブルキャノンの操作か情報収集の手伝いでもさせてやった方が奴にとっては気晴らしになる」
ニャアン「で、でも…」
ライラ「今回はロンさんの言う通りにした方がいい。本当に辛くなった時にはうんと甘えさせてやればいいさ」
ニャアン「…はい…」
2人の助言に従ってジュンに声をかける事は渋々諦めたニャアンだったが、その代わりにとジュンに聞かれないようにしつつライラに質問する。
ニャアン「…さっきの子供と…お父さん?も軍人さんの関係なんですか?」
ライラ「あの商人さんは一年戦争時代からアラビア支部と付き合いのある人だね。石油や鉱物資源の供給で軍の手助けをしてたんだ。貧しい人達にも働き口探しの手助けなんかもしてた立派な人だったんだが…44バンチの事件の後に過激派殲滅の為にブルキャノンが襲撃したせいで経済的にかなりの痛手を負う事になった」
ニャアン「どうして…?」
ライラ「あの人の管理してた油田をジオンと関係を持った過激派が武器工場に改造して占居してたんだ。で、ファンボイは任務の為にそれを破壊した…過激派を皆殺しにした挙句油田を消し飛ばしてね…その結果大きな財源を失った商人さんはやむを得ず労働者を解雇、多くの人々が路頭に迷う事になった…ってのがファンボイがこの国で蒼い悪魔と呼ばれるようになった由来さ。商人さんの方はどうにか立て直して少しずつ再雇用を頑張ってるみたいだが…」
ロン「…息子さんも、父の仕事の手伝いでついて来ていたと言っていたな。その度に日々に苦しむ人達を見て、ファンボイへの恨みを募らせたのかもしれん…」
生活を滅茶苦茶にされる辛さとどうしようもないものへの怒り。少なからず同じものを知っているニャアンは、それでも案ずるようにジュンの背中を見つめる…
- 164二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:23:17
港湾基地MS格納庫
暫く基地内を歩いた一同はMS格納庫へ通される。格納庫には既に運搬車によって運ばれたブルキャノンとオイランゼンが隣り合って佇んでおり、アラビア支部の整備兵達が既に機体を調べる為の準備をしている。
ヘリス「じゅ、準備が早いなぁ…」
アグラ「初めからそのつもりだったのだろう。いつでも準備万端という訳だ」
ガレス「くそっ、同じ反連邦勢力の癖にせこい真似するよなぁ…」
反感を露わにする3人を無視して支部長はジュンとニャアンに声をかける。
支部長「では機体を起動してくれたまえ。カタログスペックは確認したが、実際に起動状態を見てみない事にはなんとも言えん」
ジュン「了解しました。ニャアン」
ニャアン「………うん」
渋々といった様子でオイランゼンに乗るニャアンを困ったように笑って見守るジュンは、自身もブルキャノンのコクピットに飛び乗る。
ジュン(…正直ブルキャノンの機体データは改修前のもんが色んなとこに流れてそうなんだよなぁ…統一機構の軽キャノンのシールドもヘヴィシールドのパクリだったし…強いて言えばリッターモードの機能がパクられると敵に回したら厄介か…?まぁそんなん時代の流れでどこでも見かけるかもだしな…)
技術特許とか大丈夫なんだろうか?などと思いながらジュンはブルキャノンのコクピットを起動させようとした、その時、
オイランゼンを囲むコクピットの方から整備兵達の凄まじい悲鳴が響き渡る。
整備兵1「な、なんだ!?」
ジュン「……しまった…機能パクられる云々よりもっとやべー機体が隣にいるんだった…」
- 165二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:23:25
- 166二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:24:04
悲鳴が響き渡る少し前、ニャアンも渋々ながらオイランゼンのコクピットに乗り、整備兵に見せる為にコクピットを半解状態にする。
整備兵2「へぇ、ホントにあんな子供が動かしてるのか」
整備兵3「よくコロニーの最新型を年端もいかねぇガキに託したもんだよなぁ」
適性の為に動かせるのが自分しかいなかったから、と説明するのも嫌なニャアンはむすっとしながらも、先程ジュン達が言っていたようにトラブルが起きようものならかえって情報が悪化する為に何も言わず俯きながらコクピットに居座る。
整備兵2「ご苦労さん、起動してるなら後は俺らでやるからいてくれるだけでいいぞ」
ニャアン「…どうも…」
整備兵3「しかしマジで若いなぁ?よくそんな年で蒼い悪魔のマヴなんて出来るよな?」
世間話のつもりだ、多分悪気はない、分かってる、必死で自身に言い聞かせながらニャアンは慎重に言葉を選ぶ。
ニャアン「…別に…ジュンは普通です…悪魔なんかじゃない…」
整備兵3「普通ねぇ………あれ?なんだよ、まだ稼働してねぇじゃん」
ニャアン「へ?」
ふとニャアンがオイランゼンの操作系を見ると、確かにオイランゼンは機能停止しており、唯一モニターに一言だけ映されている。
ニャアン「『パイロットのバイタルリンクによりエラーを検知、機能停止します』…?何これ…?」
ニャアンが首を傾げていると整備兵が舌打ちをしながらコクピットに乗り込もうとする。
整備兵3「なんだよこんな時にエラーか?どれ、ちょっと見せ…」
整備兵が乗り込んだ途端、文字が変わる。
『これよりエラーの発生源を停止させます』
次の瞬間、突然青い瞳を輝かせてオイランゼンが起動してペタルビットから淡い紫の電磁波が発生、その直後乗り込んだ整備兵は身体を無数の剣で突き刺されるような激痛を受けて悲鳴をあげる。
整備兵3「ぎゃああああああ!!!?」
整備兵2「な、ど、どうした!?」
ニャアンが戸惑ってる間に白目を剥いて痙攣する整備兵をもう1人が抱き抱えると、画面の文字が『エラーの発生源の停止を確認しました』に変わった…
- 167二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:27:25
- 168二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:37:24
ナイスオイランゼン!なんかヤバいAIだなと思ってごめん!
- 169二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:56:15
整備兵の絶叫を聞いてジュンがブルキャノンのコクピットから飛び降りオイランゼンに駆け寄った時には既にコクピットから引っ張り出された整備兵が白目をむいて痙攣しており、一足遅れて支部長も慌てた様子で駆け寄る。
支部長「な、何事だ!!」
整備兵2「それがコクピットに入った途端この機体が起動して、そしたら急に悲鳴を…!!」
支部長「っ…貴様がやったのか!?その機体が対人電磁波を使えるのは知っているのだぞ!!」
ニャアン「ち、違…!!エラーを停止するって表示が出て、そしたら急に…!!」
自身も状況を飲み込めず狼狽えるニャアンを見たジュンは、コンソン島の時のように急にオイランゼンが動いたのだと察し、怒鳴りながら詰め寄る支部長の前に立って事情を説明しようとする。
ジュン「支部長殿、多分これは事故です。コンソン島でも同じような事がありました。ニャアンに負荷があったのか、もしかしたらオイランゼン特有のロックが…」
整備兵2「出鱈目を抜かすな悪魔が!!」
言い切る前に真横から割って入った整備兵の1人が怒鳴りながら平手打ちでジュンの頬を叩き、それを見たガレスは経験者として青ざめ思わず叫ぶ。
ガレス「あっ、ば、馬鹿!!んな事したら…」
それを見たニャアン…もとい、彼女と同じものを見たオイランゼンは支部長を睨み、再びモニターに文字を表示する。
『重大なエラーを検知。発生源を停止しますか?破壊しますか?』
ニャアン「………停止で」
ジュンに手を出され、一瞬破壊と答えてやろうかとニャアンは思ったが、流石にちょっと取り返しのつかない事になると思いとりあえず気絶させるように、今度は意図的にオイランゼンに意思を伝える。
『回答とバイタルを確認……破壊しない限界値手前の負荷で強制停止させます』
簡素な文字羅列が並んだ瞬間、整備兵は四方八方から火炎放射で焼かれるような暑さと皮膚を焦がされる激痛を浴びる。
整備兵2「ひっ!?あ、熱、熱いっ、熱い!!!!た、助…助け…!!!!」
支部長「なっ…」
ただならぬ様子でのたうち回った後に整備兵が失神したのを見届けた黒紫の隣人は、再び目から光を消して機能停止する…
- 170二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 22:15:05
支部長「……つまり…なんだ…その機体に積まれた擬似サイコミュ補助AIがパイロットの精神負荷を検知し…整備兵達からの調査を拒否…拒否したにも関わらずコクピットに乗ったり蒼い悪魔に暴行を加えた整備兵を対人兵器で気絶させた…と…」
ニャアン「……ジュンを殴った方の人は停止と破壊の選択肢が出てて、停止の方を選んだみたいです」
ジュン「まぁ、停止なら多分暫く気を失う程度で済むと思います。破壊は…今んところ経験した人がいないのでなんとも…」
ジュン達に事情聴取する支部長は頭を抱えつつ言葉を絞り出す。
支部長「……まぁ…擬似サイコミュという特殊な装備を使っている以上未知のセキュリティがあるのは分かった…だがな…」
支部長はげんなりした様子でブルキャノンの方を見る。ブルキャノンの周りには整備兵達がいるのだが…
彼らが近付きコクピットに近付こうとすると、突然オイランゼンが起動して整備兵達の方をぎろりと睨む。
整備兵1「うわぁこっち見てる!!!?」
整備兵4「こ、コクピットはダメだ!!いや近付いたらやられる!!!!」
支部長「……何故ブルキャノンの方の整備兵まで睨んで来るんだ…しかも無人状態で…」
ジュン「いやぁ…オイランゼンってブルキャノンの支援機だから…ブルキャノンの機密防御もしてくれるみたいで…」
ニャアン「さっき言われたようにブルキャノンから離れた場所に移動させようとしたら『移動を拒否します』って出ました」
支部長「どんな出鱈目なAI詰んでたらそんな回答が出てくるんだ…」
…結局、アラビア支部の一同は二体のガンダムの情報をろくに抜き出す事は出来なかった。また、整備兵達の何人かは『もう2度とガンダムの整備はしたくない』とトラウマになり、それが功を奏したのか後に彼らは旧型機体の修理専門になって技術を磨く事になったという…
- 171二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 22:36:58
憐れ整備兵達、ひとえにオイランゼンが箱推しガチ勢だったせいで………
- 172二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 23:14:06
Q、いくらブルキャノン支援機とはいえAI補助でジュンの危険まで検知出来るのは何故?
A、最初のクラバ前からニャアンのバイタル状態から『心から信じられる人』として認知しておりこの時点で相当大切な人として定義されていたが、クラバ当日で2人の宇宙告白を超至近距離で聞いた結果AIの保護機能が完全なものになり2人の生存を最優先するようになった。
オイランゼン「とは言え武装は支援用なので本格的な戦いの時はしっかり守って下さいね、先輩」
ブルキャノン「なーにが支援機だオメー。お亡くなりになってる奴がいないからまだいいがお前の紫電波って生身相手に対人バルカンぶっ放してるようなもんだからな???」
オイランゼン「でもヒートシミターより重いもの持てませんし…」
オイランゼン「アレだって可変機の駆動部に突っ込んでも折れない業物だろーが」
タンロン「うーむ…宇宙の女は強い…」
ガルバルディ「ホントにねぇ…」 - 173二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 23:17:14
- 174二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 05:51:17
- 175二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 07:07:40
誰が上手い事言えとw
- 176二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 07:35:41
朝保守and今日はもしかしたら私用につき執筆少なめ予定です
- 177二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 12:05:13
次週には本編でジムのような何かの戦闘シーンが見れそうで楽しみ
演歌「そういや風の噂で連邦軍には撃墜王?ってのがいるらしいじゃねぇの。ファン坊も張り合えたりするんかねぇ?」
看守「あいつの場合正式に撃破数としてカウントしちゃいけない敵との交戦が多いから正確な数字がよう分からんな…」 - 178二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 16:33:42
パイロットの子もまだどんな子が分からない部分多いけど連邦繋がりで場合によっては出番ある…のか…?(この辺はマジでどうなるか分からない)
- 179二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 20:39:26
ジュン兄もニャアンに出会うまでは女の人に失礼な事言って怒られそうなタイプだよね…若い頃はジェリドと一緒にライラ姉さんの蹴り技喰らいまくってそう
若ジュン「俺らの隊長殿って口より足が早く出るよなぁ、ダチョウみたいに」
若ジェリド「全くだ。ムエタイでもやらせたらいい線行くんじゃないか?ダチョウがムエタイしたらルール違反だろうがな」
あっはっはと笑う2人の背後ににこにこ笑うライラ姉さん
若ライラ「聞こえてるよガキども!!!!」回し蹴り
ジュンジェリド「ぐえっ!!!!」2人まとめて蹴り飛ばされてる
- 180二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 22:27:08
次スレ作りました、ちょいシリアス多めになるかもなので(行き当たりばったり)、残りはジュンニャアンアンドモアーの平和な空想したら尚ヨシ
- 181二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:27:28
先程の新スレですがスレ番号ミスりましたので書き直します、お手数かけてしまい申し訳…!!
- 182二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:41:34
次スレ修正版用意完了です、執筆は多分明日の遅くから…!!
誤植をすると最近「多分ジュン兄も机仕事とか苦手だから計算ミスとかして請求金額変になるけど適当にしてニャアンに怒られたりするのかなぁ」などと考えたりしてます、多分ジュン兄は戦闘面以外だと地頭的なものがニャアンに比べてよくない
- 183二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:51:18
新スレ乙でした。
??「ふう。そろそろギプスも外れたし…仕事にかかろうかねぇ」
??『もうよろしいので?』
??「毎日贅沢な生活をしていても、最低限の健康くらいは気をつけていたのでね。骨もしっかりくっついてくれた…まったく、骨折など士官学校時代以来だよ」
??『それでは、機構の現状について…』
??「すまないが…そこは直接話をしたいのでね」
??『それでは、アレを元帥閣下の許に』
??「彼もいい仕事をするようになったじゃないか。だから言ったろう?”人材というのは必ずどこかで出番がある”と」 - 184二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 00:00:46
ジュン兄達の戦いとはまた別の形で戦っている人々の影…!!
- 185二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 06:43:17
新スレ立て乙です
ところでここのニャアンがジュンに初めて出会ったタイミングってマチュ達と会うのより前でしたっけ? - 186二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 07:29:25
- 187二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 13:16:14
まさかそのニャアンの友人が赤いガンダムとジオン新型ガンダムに乗ってるとは当時のジュン兄も思うまい…
- 188二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 18:28:15
- 189二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 18:38:40
殴ったのがクラバやってる半グレとかだったら多分任務のどさくさで2度とMS乗れなくなるぐらいには締め上げてそう、なんなら当時の指揮官も「まぁブルキャノンの戦闘データ増やせるならいいか…」で容認してるまである
- 190二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 21:37:19
- 191二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 23:11:14
- 192二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 05:58:45
朝保守
- 193二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 07:26:58
- 194二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 08:01:37
- 195二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 11:30:08
- 196二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 14:43:23
なまじ2人とも背ぇ高いから目立ちそう
- 197二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:46:04
上官A「な、何!?ファンボイ准尉とジェリド准尉が崖から転落した!?」
上官B「雪で足を滑らせて…?流石にMS戦で負け知らずの奴らでも自然には勝てなかったか…」
ジュンジェリド「「ただいま戻りました!!!!」」包帯ぐるぐる巻き
上官A「うわぁ生きてる!!!?」
上官B「そこはくたばっておけよ人として…」
- 198二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:22:29
「悪いのはこっちだから……仕方ないよ」とニャアンが口にした途端
「仕方ないなんて言葉で片付けて良いわけないだろ!!」とつい感情的になるジュン
その後ついビクッとさせてしまったニャアンに謝りながらも自分の感情の動きに戸惑ってそう
- 199二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:31:31
ファンボイは付けヒゲして、ニャアンはあちらの普通の衣装(頭を覆うヤツ)付けて歩いた方が…
- 200二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:36:48
200ならニャアンが「おどりこのふく」装備するw