- 1二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:49:28
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて成長していく結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
遂に始まった本編よりも先に地球に行ったり本編でどうなってるかわからぬ人々も出てたりしてますが一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
↓初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com↓前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)8|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:50:14
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:50:47
ブルキャノン
連邦MSの中でも一際発達したキャノン系の技術と01ガンダムをベースとした連邦としてのガンダムの技術を複合して新たに設計された最新鋭の重武装MS。
モチーフはブルG。
ジオン製のガンダムに対抗すべく連邦の技術力を注ぎ込み作り出されており、上層部は次期量産化も視野に入れた上での実践データ回収の為の試験機を特務潜入隊のジュン・ファンボイにこの機体を託した。
キャノン系とガンダム系を複合した新型の重装甲に加え凶悪さを感じさせるガンダムヘッドを搭載しており、従来のキャノン系よりも威圧感を出しつつも白と青のカラーリングによってどことなくヒロイックな雰囲気をも醸し出す。
主な武装はライフルブレード(高出力ビームサーベル内蔵型ビームライフル)、ビームサーベル、ヘヴィシールド(実体刃フレーム、二連装バズーカ内蔵シールド)、両肩部ビームキャノン砲、胸部両脇多連装ミサイルポッド。
高火力の射撃兵装による射撃戦は勿論、重武装重装甲でありながら背中のパワードブースターによる加速によって高い機動力を発揮し、搭乗者のジュンは射撃兵装で敵を翻弄しつつブレードまたはビームサーベルのビーム刃と盾の実体刃を駆使した二刀流で仕留める戦法を最も得意としている。
エル・サルバトーレ・コアとの戦闘でニャアンを庇って中破するがイズマ・コロニー繁華街市長の指示で修繕され、彼の刑務作業で軍警察配下で活動したり平和公園でオブジェになったりとコロニーで親しまれるようになる。
2度目の連邦軍の攻撃の際ブルキャノンⅡとの戦闘で更に中破するが、市長が秘密裏に進めていた強化改修計画によりブルキャノン・ブラウリッターへと生まれ変わる。 - 4二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:51:58
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 5二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:52:19
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたブルパップ式ライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 6二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:53:10
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味ジュンのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 7二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:54:21
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 8二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:54:42
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 9二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:55:18
リーラ・ゴーセブルーム
ブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンの連携によって発動する対ゼクノヴァ兵器。
『紫の大輪』を意味する通りにオイランゼンが操るペタルビットが高速回転する事で作り出される紫の光の輪から発生される強力な電磁力を輪の中央にいるリッターモードのブルキャノンに纏わせ超磁力の反発によってブルキャノンを射出し、ゼクノヴァに激突した際の衝撃波で対象のエネルギー膨張を消滅される事が出来る。
速い話がブルキャノンそのものを弾にしたレールガンのようなものであり、頑強なブルキャノンによる高速戦闘を得意としたジュンが弾役を、そのジュンを上手く補助出来るように軌道補正を出来るニャアンが射撃役をしないと姿勢制御が上手くいかず大惨事は免れない。
基本的な役目はゼクノヴァの消滅だが単純な突進技としても強力であり、弾役のジュンの負荷を無視すれば理論上はムサイ10艦を縦に貫通出来る。 - 10二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:56:22
ライラ・ミラ・ライラ
反連邦勢力の主力であるベトナム軍所属のMSパイロット。かつては連邦軍に所属していたが、敗戦後同じ地球圏への無差別な侵攻と搾取を行う統一機構に愛想を尽かして連邦軍を辞職した。連邦軍所属時代から口の聞き方で上官に疎まれていた反面さっぱりとしながらも面倒見のいい性格故に部下達からは信頼されており、ベトナム軍でも部下達からは「あねさん」と呼ばれて慕われている。
連邦軍辞職の際に中将閣下から最後の仕事として強襲揚陸艦ロード・ノアをベトナム領の無人島に隠す事を依頼されており、辞職後も中将への義理から部下達と共にロード・ノアの整備をしており、中将からの連絡があればいつでも動かせるようにしていた。
統一機構に狙われる身となったジュンとニャアンを中将閣下領に届ける為、並びにロード・ノアを返却する為にジュン達を乗せて古城を目指す事になる。
ロード・ノアの臨時艦長を務め、有事の際には愛機のガルバルディ改と共に出撃する。
ヘリス
ライラの部下の1人。縦横に大柄で気は小さい。
整備士兼通信士。
アグラ
ライラの部下の1人。中肉中背で真面目。
副艦長兼オペレーター。
ガレス
ライラの部下の1人。小柄で喧嘩っ早い。
操舵師。 - 11二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:57:03
前スレのあらすじ
不時着した無人島がベトナム領のコンダオ諸島であるとライラに教えられ、彼女と共にコンソン島にいる反連邦組織の頭領に滞在許可を貰ったジュンとニャアン。
それぞれ先祖達の血故にかコンソン島の雰囲気を楽しむ2人だったが、2人を捕まえる名目で統一機構の艦隊が新型MAアッシマー部隊を引き連れて襲撃、ジュンとニャアンは大気圏内でありながら互いのガンダムの力をフル活用してこれを退け、襲撃メンバーを全員鹵獲。
しかし統一機構はジュンとニャアンを連邦軍における正式な排除対象として公表。ライラはこの事態を解決するために中将からの指示を受けて無人島に隠していた強襲揚陸艦ロード・ノアを起動、2人と共に中将領を目指して地球横断の旅に出る事になる。
はじめに一同は統一機構メンバーを移送する為にホーチミンへと向かい、機構艦長からの暴言で過去に起きた『44バンチの悲劇』の出来事を思い返して沈むジュンを元気付ける為に(ほぼライラの口車にのせられつつ)ニャアンはホーチミンの街でジュンとデートする。
ベトナム最大の都市での観光を楽しむ2人だったが、その途中で2人はかつてジュンと肩を並べて戦った連邦軍のMSパイロット、ジェリド・メサと出会う。ジュンはかつての戦友との再会を喜びつつニャアンと店を後にするが、別れ際に店を出るジェリドは、ジュンにも言えぬ使命を胸に秘めていた… - 12二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 19:59:09
- 13二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 20:56:50
今後の展開の空想のためにホーチミンの写真検索したりしてるけどいい場所だ、人形劇の楽器奏者さんが着てる民族衣装とかもニャアンに着て欲しい
- 14二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 21:43:04
- 15二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 22:13:56
2人は勿論、最近はちょっと出番少なめなシュウマチュ、エグコモにも幸せになって欲しいところ
シュウジの隠れ家
マチュ「…んー…とりあえず今は2人とも無事なのはニュースで見たけど…やっぱ2人が戻ってこないと寂しいなぁ…」シュウジにもたれかかり
シュウジ「…そうだね。ガンダムもそう言ってる」
マチュ「ガンダムも寂しいの?」
シュウジ「僕のガンダムは元々連邦製だから、ブルキャノンは兄弟みたいなものだも」
中将領古城
コモリ「…とりあえず先に着いたけど…2人とも大丈夫かな…」
エグザベ「きっと大丈夫だよ。特にファンボイ君は僕と7回サシでやり合って生き延びた男だもん…な、なんてちょっと傲慢かな?」
コモリ「どっちかと言うと連邦最新鋭のフルアーマー相手に7回やり合って生き延びたエグザベ君が凄いんじゃないかなそれは…」
- 16二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 23:07:15
VSエグザベ君戦はスパイになってからのジュン兄の戦い=ニャアンと出会って数年ぐらいの頃の筈なので時期によってだいぶジュン兄も揺れてる頃だから、この時点で緊急時に停戦して危険因子倒す為に手を貸したりしてるかもしれんな…
- 17二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 00:08:05
- 18二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 06:38:34
- 19二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 07:18:06
朝保守and今週は執筆ゆっくり予定
- 20二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 11:34:23
- 21二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 14:19:11
- 22二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:13:25
X(10)の次だからX-I(11)かなぁとも予想
- 23二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:13:39
しかし今回の試験場は地上…「重力の底」だからこれまでのような三次元機動は再現できない。
そして自分たちの土俵になる連邦は強そうだ。 - 24二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:37:40
前スレ200見たら遂にジュン兄がコスプレにまで手ぇ出してて草
ジュン「おー…これは中々…」
ニャアン(しゅ…羞恥心でタヒにそう…!!!!)
ジュン(ハロ)「ゲームノイショウ!!ゲームノイショウ!!」
ニャアン(ハロ)「ドンナゲーム?」
ジュン「一応持ってきたしやってみるかぁ」
ニャアン「用意がいい…」
この後やり込んだ結果全エンディング解放してシナリオの重さに頭を抱えた2人はしばらくニーアコスを封印したとかなんとか - 25二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:39:16
2bコスするにはニャアンはちょっとスレンダーすぎr
- 26二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 18:59:44
ホーチミン商業港前
自由時間を存分に活用してホーチミン観光から戻ったジュンとニャアン。2人がロード・ノアの前に到着した時には既に日は沈み始めており、優しい夕焼けが海を橙色の光で照らしていた。
ニャアン「すっかり遅くなっちゃったね。ライラさん達はまだ仕事終わって…」
ジュン「ニャアン。ちょっといいか?」
突然、迎えのタクシーが去ってニャアンと2人きりになったのを確認してからジュンはニャアンに声をかける。いつもニャアンが聞く陽気で優しい声、それなのに、何故かその声の響きが少し真剣で、それでいて寂しそうに聞こえ、ニャアンは思わず振り向いて聞き返す。
ニャアン「……ジュン?」
ジュン「今日、空港でジェリドに会った事は皆んなに言わないでくれるか?特に姉さんは勘がいいから、気付かれるかもしれないし」
ニャアン「え…気付くって…」
ジュン「多分ジェリドはな、
統一機構側の刺客だ」
…同刻、漁村倉庫
…ホーチミンの商業港から少し離れた小さな漁村にある、船を修理する為の大きな倉庫。その奥まった場所にある隠し扉から進める地下倉庫にて、入れ替わる前にタクシーを運転していた男…隊長と呼ばれた男が、ジェリドの言葉を反復する。
隊長「……ジュン・ファンボイはこちらの動きに気付いている、か…」
ジェリド「作戦内容までは察してはいないと思います。それに、隊長の事にも気付いてはいない筈です。ですが、我々と接した時点で既に奴も察している筈…申し訳ありません」
隊長「…確証はないが察している筈、と言いたい訳か…分かった、その事を前提に作戦を組み直そう…奴の事は、あの戦いを共にやり切ったお前が1番よく分かっているだろうからな…」
ジェリド「…はっ」 - 27二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 19:29:54
ニャアン「ジェリドさんが…統一機構の刺客…?」
ジュンの言葉を反復したニャアンはその内容を理解する為に少しフリーズしてしまったが、理解と共に慌ててジュンに詰め寄る。
ニャアン「で、でもジェリドさんは試験パイロットだって…!!」
ジュン「連邦を内側から変えようとする奴がそんな裏方仕事専門みてぇな事やってる訳ないだろ?今連邦で名を上げるなら、連邦の中でも特に勢いのある統一機構が目の敵にしてる蒼い騎士の首を取って、中将閣下の隠し財産も頂いちまうのが1番だろうからな」
寂しそうに笑うジュンの言葉には確信めいたものがあり、それを聞いたニャアンは不思議と焦りが消え、落ち着いた様子でジュンに言葉を投げかける。
ニャアン「……もしもそうだとしたら…どうしてライラさんには言わないの?刺客が迫るなら…伝えた方がいいんじゃない?」
ジュン「伝えちまったらよ、ベトナム軍の人達が迎撃の為に出張ってくるだろ?…そうなったら余計な被害が増えちまう」
ニャアン「…強いんだ、ジェリドさん」
ジュン「ああ。でも、今のアイツなら出張ってさえいなけりゃ無駄な被害を抑えてくれる筈だ…俺もアイツも、あんなのはもう真っ平だからな…」
ニャアン「…」
ジュンの口ぶりから、ニャアンはジェリドこそがジュンと共に44バンチの悲劇という事件を生き延びた人なのではないかと察するが、それは口にせず静かに頷く。
ニャアン「…分かった。ライラさんには内緒にする。ロード・ノアを守るのも、しっかりやるから」
ジュン「…ん、ありがとな」
ジュンはニャアンの頭を優しく撫でてから、最終調整をするライラ達の方へと向かう…
- 28二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 20:01:53
同刻、漁村倉庫
隊長「……成る程。確かにこの作戦通りに行けば戦闘時の被害は最低限に抑えられるだろう…だがこれはあくまで蒼い騎士が貴殿の読み通りに動いた場合の話だ」
ジェリド「奴は港への被害を抑える為に必ず1人で我々の前に立ち塞がります。そうなればロード・ノアの守りは手薄になる。我々3人でブルキャノンを仕留めた後でロード・ノアを追撃、隊長及び領海端に控えた本隊と合流して一気に囲めば船上での防衛経験の乏しいオイランゼンの鹵獲も苦労はしない筈です」
隊長「…その読み、信じてもいいのだな」
ジェリド「奴と肩を並べて戦った誇りに賭けて、申し上げます」
隊長「………いいだろう、貴殿の経験と、奴との絆を信じよう。奇襲隊の指揮は貴殿に任せる」
ジェリド「はっ!!」
カクリコンとマウアーは思っていた以上にジェリドの提案がすんなり通った事に思わず顔を見合わせるが、それに答えるように隊長は呟く。
隊長「…短い時間だったが、半日ほど蒼い騎士と共にいた。機構の上層部どもは裏切り者だの血も涙もない処刑人だのとほざいていたが…なんともまぁ普通の青年だったよ…ジェリド中尉、貴殿と同じでな」
ジェリド「…」
隊長「……本当にいいのか、ジェリド中尉、貴殿は友を…」
ジェリド「自分は…今の連邦を変える為にここに志願しました。実績を残し、上に立つ為ならば……覚悟の上です」
隊長「………そうか…ならばついてこい。機体の最終調整をするぞ」
そう言って隊長が踵を返した先には、
ダークブルーの装甲が特徴的なガンダムが3体、
静かに佇んでいた…
- 29二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 20:53:30
ロード・ノア甲板
ジュン「たっだいまー」
ニャアン「も、戻りました」
ヘリス「あ、2人ともおかえり、よく休めた?」
ジュン「いやぁ、休む間もなくホーチミン観光してきたわ、コンソン島とは違ってマジに都会だったけどこれはこれでいいもんだな!!」
ガレス「オメー昨日の夜から今朝まで見張りで寝不足だったろうに元気なもんだなぁ…」
アグラ「あねさん、2人が戻ってきました」
ライラ「ああ、おかえり……うん、昨日の夜よりはマシな顔になったね」
ジュン「た、たはは、その節はどうもご迷惑を…」
ライラ「誰もそんな事思っちゃいないさ。強いて言うなら、アンタに元気をくれたガールフレンドちゃんに感謝してやりな」
ジュン「あはは、それは毎日してます」
ニャアン「……」赤面しながら俯いて弱々しくジュンの背中をつねってる
ライラ「…全く、見てるだけで砂糖を吐きそうだよ。苦味の強い酒でも飲みたいねぇ…」
ジュン「あ、そうだ姉さん。ロード・ノアの最終調整はどれぐらい進みました?」
ライラ「もう終わったよ。明日の朝には出れる筈だ」
ジュン「(…ならジェリドが仕掛けてくるのは朝か…いやそれよりも前か…?)さっすが姉さん仕事が早い!!…じゃ、俺ブルキャノンのコクピットで仮眠取っときますね」
ガレス「コラコラコラまーた見張りする気かオメー!?」
アグラ「…流石に連続での夜番はキツイだろう。俺達も交代でやるから、お前は少し眠れ…おい聞いてるのか?」
ヘリス「…き、聞いてない…?そ、そうだ、ニャアンちゃんもファンボイに寝るように言ってあげてよ」
ニャアン「…見張りをやるって言い出すとジュンは私が止めても聞かなくて…ああもう既にブルキャノンのコクピット開いてる…」
ライラ「………おーいファンボイ!!!!
今ならニャアンちゃんが添い寝してくれるってさ!!!!」
ジュン「!!!!!?」
ニャアン「ら、ら、ライラさん!!!?」
ライラ「どうすんだい!?ブルキャノンのコクピットから降りんのかい!?降りないのかい!?」
ジュン「降りまぁす!!!!!!!」
ヘリス「某デビルハンター並みに判断が早い…」
- 30二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 21:50:52
ロード・ノア仮眠室
やや寝不足とジェリドを迎え撃つ為に頭がいっぱいいっぱいな時にライラの口車に乗せられて素直にブルキャノンを降りたジュンとほぼほぼ状況理解に追いついてないにも関わらずとにかくジュンを寝かしつける為に同行したニャアンはロード・ノア仮眠室に入った…のだが…
ジュン「………」
ニャアン「………」
仮眠室に入り横になった辺りでジュンは「俺は一体何をやってるんだ…?」と冷静になり慌てて起きあがろうとするも既に時遅く、顔を真っ赤にしたニャアンが後ろから抱きついている状態のため、「やっぱいいです」と言うわけにもいかなくなってしまい、結果的に2人は添い寝をする事になった。
ジュン「そ…その…なんかゴメンなニャアン。ちょっと冷静さが足りてなかったと言いますか…」
ニャアン「べ、別にいいから。早く寝て」
ジュン「いやでもこの姿勢だとだいぶ当たってて寝づらいと言いますか寝るどころじゃないといいますか恥ずかしいと言いますか…」
ニャアン「…大浴場ではもっと恥ずかしい事私にしたくせに」ぼそっ
ジュン「すいません寝ます!!!!」
これ以上いらん事言って興奮のあまり寝れなくなる前に寝ようと必死になるジュンだったが、暫くするとまたニャアンが声をかけてくる。
ニャアン「…ジュン、まだ寝れない?」
ジュン「い、いやもーちょっとで寝れると思うから少し待っててくれ、そろそろウトウト出来る気が…」
ニャアン「ウトウトしてる人の口数じゃないよ」
ジュン「う…」
ニャアン「…もう、しょうがないな…」
少し困ったように笑いながら、ニャアンは一度ジュンから離れ、小さなデジカメを取り出す。
ニャアン「じゃあ、これでも見て時間潰そ?まだ数日だけど、結構写真撮れたから」
ジュン「おお、マチュのデジカメ…うわっ結構いっぱい取ってたんだなぁ…」
一度起き上がった2人は肩を寄せ合ってデジカメの小さな画面を見始める…
- 31二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 22:25:46
- 32二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 22:47:25
これだけやって実際に添い寝になると急にすんと静かになって背中見せるのホンマジュン兄
多分普段からこーゆーとこあるおかげで17の少女と付き合ってても「まぁあの人だし」で済んでるところある
尚一度タガが外れたら前スレの教師生徒みたいな事態になって手がつけられなくなる
- 33二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 23:24:45
- 34二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 01:06:09
- 35二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 07:18:32
- 36二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 07:36:03
- 37二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 10:28:00
ポニテ姿で台所に立ってる姿が想像できる
- 38二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 11:44:06
- 39二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 14:23:20
- 40二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 18:15:00
暫く経つと軍警新人隊員目線では「旦那に弁当持ってくるジャンク屋の女将さん」になって…
…って思ったんだけど、あの全地球圏放送された告白とその後の演劇配信でいつまで経っても忘れて貰えない可能性高くなってるよね?
- 41二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 19:27:33
漁村海辺
ジュンとニャアンが添い寝に落ち着かずデジカメの写真を見返し始めていたその頃、商業港から離れた漁村にて、小型漁船が幾つも停泊する海辺に転がる大きめな流木にジェリドは腰掛けながら商業港とその先のホーチミンの夜景を眺めていた。そんなジェリドの横にマウアーが腰掛けてそっともたれかかる。
マウアー「…寝付けないのかい?」
ジェリド「……ああ。まぁ、いつもの事だ」
マウアー「じゃあ、添い寝でもしてあげようか?」
ジェリド「ば、馬鹿言え。そんなガキじゃあるまいし…」
マウアー「そうかい?ファンボイさんは恋人とそういう事しそうなタイプっぽいし、ジェリドも同い年なんだから恥ずかしい事じゃないだろ」
ジェリド「いや流石にあいつもそんな………いやあいつは確かにやりそうだな…何ならニャアンちゃんの服装からして未だに癖も拗れてそうだ…」
マウアー「ああ、やっぱりあの子の服装ってファンボイさんの趣味なんだ」
ジェリド「身近な奴しか知らん話だがアイツの制服好きは連邦でも無類でなぁ。仲間内でこっそり貸し出してる本の所在が上官にバレた時奴が制服についてあまりにも熱弁して上官をドン引かせて懲罰免除になったのは俺たちの間じゃ伝説だよホント」
笑いながら語るジェリドを見ながら、マウアーは優しげに、しかし少し寂しげに笑う。
マウアー「…本当に、仲がいいんだね」
ジェリド「……ああ。俺にとってはカクリコンとエマと同じぐらい一緒に死線を潜り抜けてきた仲だ」
マウアー「…覚悟は、あるんだよね」
ジェリド「………ああ」
2人はそっと寄り添いながら無言で商業港を見つめ、倉庫の影からそんな様子を眺めていたカクリコンは何も言わずに踵を返す… - 42二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 19:45:16
同刻、ロード・ノア仮眠室
ジュン「そしたらジェリドの奴が俺に張り合って速度上げてさぁ、どっちも張り合って止めないもんだからゴールと同時に2人揃って外壁に衝突。始末書めっちゃ書かされたなぁ、あっはっは」
ニャアン「無人コロニーじゃなかったら始末書じゃ済まなそうな話ばっかり…」
一通り写真を見終えた2人は暇になってしまい、それでもイマイチ眠気の来ないジュンの様子を見たニャアンは、折角だからジェリドとジュンの思い出を聞きたいと提案。結果ジュンの選抜したジェリドとの思い出話を聞く事になるのだが、2人揃ってまぁまぁ危ない事をしてるなぁ、とニャアンは呆れてジト目になっていた。
ジュン「たはは…同年代の男だとフィンとディル以外とはあまり話さなかったからさ、全然違う境遇でパイロットになったアイツの考え方は新鮮で、パイロットとして力をつける為に色んな見方や戦術を知りたいって接してるうちに気が付いたら友達になってたんだ。多分向こうも似たような理由で俺といたんじゃないかな」
ニャアン「じゃあ、出会ってからずっと互いに切磋琢磨してたんだ」
ジュン「あー…いや、出会った当初はそんな事になるとは思わなかったな。あんだけ殴り合ったのにまさか友達になるとはなぁ…」
ニャアン「…そういえば大喧嘩したって言ってたっけ…なんで喧嘩したの?」
ジュン「えー?それ聞きたいかぁ?」
ニャアン「うん。なんでジュンがケンカするほど怒ったのか、知っておきたい。うっかり私もそうやって傷付けたりしたら、怖いから」
ジュン「いや別にニャアンはそんな…」
ニャアン「…リリーさんと戦う前、私、ジュンに酷い事言ったでしょ?…あの時みたいなジュンの顔、もう見たくないから」
ジュン「……そっか。ニャアンは優しいな」なでなで
ニャアン「…」俯きながら頬を染めてる
ジュン「よしっ、分かった、話すよ…あれは戦争末期、人手不足が過ぎて俺達新兵すらもジャブローに召集された時だったっけな…」
- 43二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:00:35
…5年前、ジャブロー基地…
当時17歳だったジュン達公爵家配下の若きMSパイロット候補生達は人手不足のジャブロー防衛戦の為に借り出されていた。中将閣下古城の防衛戦で実際経験を積んでいるとはいえ最前線に出すには早過ぎると中将は反対したが当時から中将へ反発していた上層部達によって半ば強制的に4人はジャブローへ向かう事になり、かの有名な貴族家の配下達を、そして初陣で10機以上のザクを残忍に葬り去った蒼い騎士と呼ばれるジュンの姿を、基地内では新兵から上官までもが奇異の目で見ていた。
フィン「うっ…す…凄い見られてる…」
ディル「…まぁ見られているのは概ねジュンだが…」
リリー「じゅ…ジュン、大丈夫?嫌な感じ、しない?」
ジュン「別に敵でもねぇ奴に見られた所で何とも思わねぇよ」
ぶっきらぼうに吐き捨ててジュンは上官への挨拶の為に一同の視線を無視して歩き出す。
リリー「あっ、まっ、待ってよジュン!!ジュンってば!!」
…大声で名を呼ぶリリーの声は、同じく当時17歳で、当時から友人だったカクリコン、エマと話していたジェリドの耳にも届き、彼は思わず思った事を口にしてしまう。
ジェリド「ジュン…?ニッポン人の名前なのに…なんだベトナム混じりか」
…それは、本当に思った事をそのまま言っただけであり、彼に悪気は微塵もなかった。
が、その呟きを聞いた途端、ジュンは自らの頭の血管が切れるような音を聞き、それと同時に怒りに燃える瞳でジェリドを睨み、歩み寄る。
ジュン「…てめぁ…今なんて言った…?」
ジェリド「ん…?」
ジュン「なんて言ったって聞いてんだよタワシ頭が!!!!!!」
次の瞬間、
全体重を乗せて放ったジュンの拳が、
ジェリドの顔面を捉えて殴り飛ばした…
- 44二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:07:43
- 45二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:13:08
ジェリド「ぐあっ…!?」
エマ「なっ…!?」
カクリコン「ジェリド!?」
顔面にストレートを喰らい吹き飛ばされたジェリドを見て慌ててカクリコンとエマはジェリドの方へ駆け寄るが、ジュンはそんな2人には目をくれず、加減無しで殴った故に痛む拳をより強く握りながら叫ぶ。
ジュン「ジュンって名前の奴がベトナム混じりで何が悪いんだよ!!!!この名前は…母さんが俺にくれた名前だ!!!!俺の母さんはベトナム人だ…父さんが日本人だから父さんの為に慣れない日本の言葉の名前を一生懸命選んでくれたんだ!!!!何も知らねぇタワシ頭が喚いてんじゃねぇぞクソ野郎が!!!!」
周囲の人間全員が怯える程の怒気を放って叫ぶジュンを見て、その拳を喰らったジェリドは痛みに顔を顰めつつも立ち上がり、ジュンを睨む。
ジェリド「…そうかい。そいつは悪い事を言ったみたいだな、謝るよ…だがな、そう思うならニッポン人らしい慎みを覚えた方がいいぜ。ベトナムのゲリラだってもう少し野蛮じゃないだろうさ」
ジュン「テメェ!!!!」
再び放たれたジュンの拳をジェリドは受け流し、カウンターの拳を鳩尾に打ち込む。
ジュン「がっ…!!」
ジェリド「どうしたよ素人!!公爵家様秘蔵のパイロットがこの程度……っ!?」
しかし、ジュンは鳩尾に拳がめり込んだままジェリドを睨み、ジェリドの胸ぐらを掴む。
ジェリド「こ…コイツ…!!」
ジュン「があっ!!!!」
ジュンとジェリドはほぼ同時に頭突きを放ち、額から血を流したまま睨み合う…
- 46二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:25:07
上官1「…?なんだ、騒がしいな…」
上官2「ライラ部隊長。何事だ?」
ライラ「いえ、大した事ではありません。少しばかり新兵達がコミュニュケーションを図っているだけです」
ライラの答えに怪訝そうに2人の上官が新兵達の輪を覗き込むと、その中心では血まみれになって尚殴り合うジュンとジェリドの姿があった。
ジュン「ぜぇ…ぜぇ…」
ジェリド「はぁ…はぁ…」
上官1「き、貴様ら何をしとるか!?」
上官2「お前は中将閣下直属の…ええい配属初日から何を…!!」
ライラ「お待ちください、ここは一度思い切りやり合わせるべきです。半端に終わったら引き摺って戦闘に支障が出ます」
上官1「言っている場合か!!おいお前達すぐにやめ…!!」
ジェリド「退け!!!!」上官の顔面を蹴り上げる
上官2「なっ、き、貴様上官に向かっ…」
ジュン「うるせぇ!!!!」拳で上官の鼻をへし折る
カクリコン「お、おいジェリドお前上官を…」
ジュン「黙ってろカクリコン!!!!!」
フィン「や、やばいってジュン!!」
ジュン「引っ込んでろフィン!!!!」
2人は止めようとする上官をも暴力でねじ伏せて殴り合いを続行、そんな様子を見ながらライラは中々筋のいい2人だと感心していた…
- 47二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:43:27
ジュン「…がっ…ぜぇ…ぜぇ…ぺっ」擦りむいた口に溜まった血を吐き捨てながら睨む
リリー「じゅ、ジュン、もうやめよ…!?」
ジェリド「ぐ…ぎっ…クソッ…」揺らぐ視界を戻す為に自分の頭を叩いて視界を戻して睨む
エマ「本当にこれ以上は不味いわよ!!2人ともいい加減に…!!」
ジュンジェリド「「黙ってろ女!!!!」」
満身創痍になりながらも2人は全くの異口同音で叫び、互いを睨み合う。
ジュン「…てめぇ…エリート気取りのタワシ頭の癖に根性あるじゃねぇかよ…」
ジェリド「俺は貴様のような野良犬とは違う…!!俺自身の力を示す為にここに来たんだ…貴様なんぞに負けるか…!!」
ジュン「いいぜ犬仲間にしてやるよ…文句無しの負け犬になぁ!!!!」
ジェリド「ほざけよ!!!!」
最後の力を振り絞って放った2人の拳は交差し、どちらもそれぞれの顔面に直撃する。
ジュン「ぐあっ…」
ジェリド「こ…の…」
拳はお互いにクリーンヒット、遂に力を出し切った2人は糸が切れた人形のように大の字になって倒れ込み、そんな2人をライラが覗き込む。
ライラ「…どうだい、まだやれそうかい?」
満身創痍の2人は倒れながら互いの顔を見て、しばらく考えつつ、やがて2人揃って口を開く。
ジュンジェリド「「…ギブアップ…」」
ライラ「よし、暫く休みな。処罰はその後下してやるからさ」
- 48二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:04:17
…殴り合いから数時間後、顔面傷だらけの2人は、ジャブロー基地の便所掃除をしていた。黙々とモップでタイルの床を掃除する2人だったが、沈黙に耐えかねたのか、或いはシンプルに暇になったのか、2人は自然と言葉を交わすようになっていく。
ジュン「…力を示す為に軍人になるってよぉ…随分俗っぽい理由で連邦に入ってるよなぁ、お前」
ジェリド「悪いかよ。最後にものを言うのは結局力だ。MSを支配出来る軍人こそが1番力を手に入れられる場所だ。俺は絶対に連邦のトップに立ってやる」
ジュン「トップになってどうすんだよ、俺達に便所掃除させた上官どもに同じ事やらせるか?」
ジェリド「それもありだが…とりあえずはスペースノイドどもを地球からもっと早く追い出してやる。俺なら絶対今の役立たずよりも早く奴らを追い出せる」
ジュン「……そっか…ならまぁ、応援してやるよ」
ジェリド「……お前が軍に入ったのは…復讐の為か?」
ジュン「…おう…スペースノイドどもは…少なくともジオンの奴らは…この世から根絶やしにしてやる…そのつもりで、俺はここに来た」
ジェリド「……俺がそれなりの立場になったら、お前は重宝してやるよ。純粋な怒りを持ってる奴は、強いからな、
ジュン「……あんがとよ、ええと…」
ジェリド「ジェリドだ、ジェリド・メサ。宜しくな、ジュン」
ジュン「おう、宜しく」
2人はモップを手にしつつ握手を交わす…
- 49二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:57:18
ロード・ノア仮眠室
ジュン「…で、その後俺とジェリドはライラ姉さんの部隊に配属されたんだよ。何せ上官殴る蹴るしちゃったもんだから連中がビビって新兵指示役の姉さん直属で手綱を握らせようとしてさ…結果的に姉さんと仲良くなれたから結果オーライだったかな、あっはっは」
ニャアン「…私と同い年の頃のジュンってマチュ以上に狂犬だったんだね…」
ジュン「わ、若気の至りかなぁ…でもほら、ニャアンの名前の事でジェリドに言われた時の対応は大人になったろ?」
ニャアン「まぁ確かに。えらいえらい」なでなで
ジュン「あ、あはは…」
実は取り調べ中にニャアンを侮辱した艦長の顔面を電気スタンドでぶっ叩いた事を胸のうちにしまいつつ、呆れたように笑うニャアンに頭を撫でられるジュンは若干ぎこちない笑みをニャアンに返す。
ニャアン「同じ部隊になってからは、仲直り出来た?」
ジュン「そりゃまぁ同じ部隊の仲間だからな。自然と仲良くなれたよ。戦後俺がブルキャノンを託された時にアイツも当時の新型を与えられて……それから……」
懐かしそうに笑っていたジュンの顔から、ふっと笑みが消える。それを見たニャアンはそっとジュンの頭を抱き寄せて優しく撫でる。
ニャアン「…そろそろ眠くなってきた?」
ジュン「……ああ」
ニャアン「じゃあ、目を閉じて。眠るまでずっとこうしててあげる」
ジュン「………」
思い出された記憶と共に湧き出した後悔が、少しずつ溶けていく。そんな感覚を覚えながらジュンはゆっくりと瞼を閉じ、暖かな気持ちで眠りに落ちる…