- 1◆DF7Hj.bbAk22/03/26(土) 21:42:45
それは担当ウマ娘、ヒシアマゾンの誕生日。
どうやらバースデーサプライズをするようで、私も誘われた。ちょうど私もそれを祝いたいと思っていたから、美浦のウマ娘たちと準備を行った。できるだけ彼女には内緒にしながら。
と言ってもできることはそこまでない。私がやったのは生徒会に、カフェテリアの一区画を借りる旨を伝える書類を渡すこととある程度のバースデーディナーを作ることだけだ。どちらも少しばかりの味見と足りない調味料を加える程度のものだ。
「……よし」
ある程度準備が終わったところで、次は何を贈るかを考える。
彼女の好みを考えてみるが、これといって思い浮かばない。
ならば普段使いできるものが良いだろうか。それとも身に着けるものがいいのだろうか。
どちらにせよ、彼女は笑顔で受け取ってくれそうな気もするが妥協はしたくなかった。
ふと、彼女のつぶやきを思い出す。
「最近はちょっと乾くね、トレ公。あ……ちょっと指がカサついちまってる……」
水仕事をやることも多いとはいえ彼女も学生だ。指、というより肌が荒れるのはあまり望まないだろう。
ある程度なら私もそういうものに詳しい。それなら、と私はハンドクリームを送ることにしてみた。できる限り喜んでくれるいいな、と少しお高めのものを買ってみる。
そしてサプライズ決行前。
最後に確認だけしてから、ヒシアマを呼び出してもらう。
そして目隠しをしたままの彼女がやってきた。どうやら上手く言いくるめられたらしい。彼女らしくて、ちょっとだけ笑いが漏れてしまった。
そしてヒシアマが目隠しを外すと同時に、彼女にクラッカーを浴びせかける。
一瞬だけ驚いた顔をしたが、瞬時に理解したらしい。
私は特等席までのエスコート役として、彼女の手を取ってその椅子に誘導する。
そのまま祝いの言葉を終わらせると同時に、横から『本日の主役』と書かれたタスキが飛んできた。もちろん、それはヒシアマゾンに掛ける。
年相応に浮かれているのが、目に見てわかった。どうやらサプライズバースデーは大成功のようだ。
「なぁ、トレ公。これの意味さ、わかってて渡してるのかい?」
「えっ……意味? いや、ごめん……調べる時間がなくって……」
「ふふっ、やっぱりか。でも信じてるからね、トレ公」 - 2◆DF7Hj.bbAk22/03/26(土) 21:43:45
- 3二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 21:48:57
アンタなら書いてくれると思ってたぜ!!
- 4二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 21:59:22
書いた上に描きおったな!?
- 5二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 22:05:54
誕生日おめでとう!!
姐さん可愛いぞ!!! - 6二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 22:35:38
トレーナー視点だ…!
- 7二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 23:00:01
良い…
- 8二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 23:50:13
SSだけでなく絵も……!!
凄すぎてほんと尊敬する - 9二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 23:54:15
- 10二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 00:10:21
「でも信じてるからね、トレ公」
ここ好き… - 11二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 11:01:00
姐さんには幸せに年取ってほしい…