【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part11

  • 1佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/15(火) 20:06:39

    ひさしぶりにメイド服! ところで、このバトル漫画みたいな雰囲気は一体……

    佐藤カガリ 16歳(2年生)
    出身校:百鬼夜行連合学院
    身長 130+40 (40) cm
    胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛
    腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太
    尻 2 (2) 1.小さめ 2.やわらか 3.もちっ
    髪色:薄い黄色(3・1) 長さ64 (1で肩につかないくらい100で足元)
    瞳の色:オレンジ(5・2)
    肌の色:85 (1で芸術級スーパー美白、100で健康的こんがり褐色)

    (スレ主生きてます!!!! 節目的な出来事もあったので、タイトルは小数点ナンバリングではなくPart11としました テレグラのスレ纏め更新しないとだな……)

  • 2佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/15(火) 20:12:35

    情報まとめ

    天童アリスのストーカー佐藤カガリのまとめ ver2tele​gra.ph

    1スレ目

    【オリキャラ🎲】天童アリスのストーカーです、通して下さい|あにまん掲示板はぁ…………今日もかわいい……………………(スレ画は一番好きな表情)戦闘 dice1d100=@57 (57)@知性 dice1d100=@12 (12)@運動 dice1d100=@67 (67)@…bbs.animanch.com

    前スレ

    【オリキャラ🎲ss】天童アリスのストーカーです、通して下さい【佐藤カガリ】Part10.2|あにまん掲示板……????????佐藤カガリ 16歳(2年生)出身校:百鬼夜行連合学院身長 130+40 (40) cm胸 3 (3) 1.小盛 2.並盛 3.大盛腹 2 (2) 1.細 2.中 3.中太尻 2 (…bbs.animanch.com


    前回のあらすじ(ちょっとメタ)

    リオ会長からアプローチされる確率がカガリちゃんの日々の活動によって少しずつ上がっていくギミックを運用開始したところ、初回ダイスロールで5%をぶち当ててしまったスレ主 本当にびっくりしました(率直な感想)

    虚偽の連絡を与えられてトラップ部屋に立ち入ってしまい、謎の音と謎の映像で催眠状態にされて意識と記憶を失った後、目覚めた時には何事もなかったかのように解放されていたカガリ


    意識が無い間に教わったのか、気付けば『重力変調』という不思議な技術を会得していたものの、結局リオ会長とまともな会話を交わすことはあまり出来ず仕舞い、当初の目的が果たされたとは言えなさそうな状態であった

    セミナーに顛末を報告し、とは言え特別な何かが起こるでもなく、元の日常に戻ったカガリ スミレの元で行う日々のトレーニングで自分の身体を軽くして遊んでいたところ、従来から『重力変調』を門外不出の技術として扱っていたC&Cの面々からガッツリ詰められてしまう トキの提案によりC&Cで監察を受けることになったが、それは以前のような単なる体験入部では終わりそうに無い雰囲気だった どうなるカガリ

  • 3二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:33:53

    たておつです

  • 4二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:35:18

    たておつ
    ありがとう…本当にありがとう…

  • 5二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 20:38:39

    かんしゃ~

  • 6佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/15(火) 20:56:07

    (本編前にダイス 今のカガリちゃんには余裕があるので1セクションに行動を2つもしちゃいます)

    (試験的に、行動2つはそれぞれメイン・サブの関係を分けようと思います! メインはこれまで通り一人称視点で仔細に追いますが、サブはどれくらいサブになるかわかりません 思いつけばメインの進行にうまく絡みますが全然思いつかなければ次の行動時に後付けで生やすこともあります)


    今回のメインはC&Cでの活動 同時に何を進める?

    dice1d2=2 (2)

    1.エンジニア部に遊びに行ってインスピレーションを養う

    2.ゲーム開発部としてそろそろ新作について考えても良い頃じゃないか?

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:51:49

    4月になって生活環境が変わった人が多いからか落ちやすいね

  • 8二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:51:52

    たておつです

  • 9二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 22:05:18

    ゲーム開発部としての新たな一歩

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 22:21:41

    やったぜ

  • 11佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/16(水) 03:14:09

    ということで僕はしばらくC&Cでお世話になります。どうしよう。
    「どうしようって何ですかどうしようって」
    いや……期間中に何することになるかわかんないけど、あんまりにも苛烈だったらゲーム作りに回れないかもな、と……
    「な、なるほど。カガリ先輩なりに、いろいろ気にしてるんですね……」
    「でも、C&Cでの時間も大事にしたいと思ってるみたいです。アリスにはそういう言い方に聞こえます」

    そう言われればそうである。僕の感情としては、みんなに鬱陶しく思われない程度に、ゲーム開発部の戦力でありたい……これが『部員としての自覚』にあたるかどうかはわかんないけど。
    で、部活動ではない行動との間でどうバランスを取るかについては、困った時はモモイちゃんに判断仰いじゃおうかなって思ったり。部長のユズちゃんを差し置いてモモイちゃん頼りなのは……なんか、ユズちゃんって人に厳しくするの苦手かもなって。最近気づいた。

    「うっ、なんか熱い視線が浴びせられ始めたぞ……」
    ご、ごめん。その、どうしたらいいかについて、意見を伺いたいなと。
    「んー。別に、手を動かすだけがゲーム開発の全てってわけではないんじゃない? C&Cの人たちと関わってる時間で出来るゲーム開発もあるんじゃないかな。とか言ってみたり」
    ……難しい話?
    「た、多分そうでもないよ。うーん、なんて言うかなあ」
    「お姉ちゃんが言ってるのは、日常や非日常のどんな場面からでも、作品に繋がりそうなアイデアを貪欲に探せば、次の創作にきっと役立つ、みたいなことだと思います」
    「あーーーそうそう! 流石我が妹、うまく言葉にしてくれるね」
    「その上であわよくば、次の新作の原案担当をカガリ先輩に押し付けようとしてると思います」
    「それは違うかもしれないでしょーーー!!?!??」
    あはは……
    「と、とにかく! これも取材の一種だと思って楽しく有意義に過ごせば、それでいいと思うよってこと! ハイこの話終わり!」

  • 12佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/16(水) 04:01:36

    『なるほど。モモイちゃんに感謝ですね』
    『取材……受ける側がしておくべきことはあるだろうか』
    『そんなに構える必要ないんじゃねえか? 普段通りにしてるのが一番良いだろ、多分』

    C&Cに僕の連絡先をプラスして新設された、『佐藤カガリさん観察』という怖い名前のグループチャットで、今後の方針を話し合う。
    僕の側から何を言うのが適切かわからず、つい『やる気はあります!』と送信してしまったりする。誰々が入力中、という表示が出たり消えたり、40秒くらい繰り返した後、ネルさんのチャットが流れた。

    『お前らさえ良ければ、久しぶりに合宿やってみないか?』
    『なんとなくそう仰られる気がしていましたよ、リーダー』
    『私は問題ない 思えば、随分と久しぶりな気がするな』
    『合宿だーーー!! いつにする? アスナいつでも予定空けるよ!!』
    あの 合宿ってなんですか?
    『C&Cが休息と訓練を兼ねて行う旅行のこと、だそうです。わたくし飛鳥馬トキが合流した際にも、互いの人となりを知る目的で開かれました』
    『初めの頃、トキは休息を摂るのが下手だった 私を超えるくらい』
    『でも、初めてとは思えないくらいチームワークあったよね! すごいなーって思ったの覚えてる!』
    も もしかしてトキさんの例でハードル上がってたり……
    『心配する必要はありませんよ 今回は私も先輩としてガイドを務めますので』

    ……チャットだけど、なんとなく脳裏にトキちゃんのピースが浮かんだ。これも心強さってやつだろうか。

  • 13二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 06:57:47

    観察は草

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 12:24:47

    合宿か
    ご飯食べたり枕投げしちゃったり?

  • 15二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:16:51

    青春の響きだ…

  • 16二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 00:02:50

    保守

  • 17佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/17(木) 03:59:49

    そして数日後……

    「それでは、今回もわたくし室笠アカネから、2泊3日となる合宿の詳しいプランについて説明します。しばしご清聴ください」
    「いえーい! 待ってました!」
    「おう、頼んだ」
    あ、あの、これ本当に合宿なんですか?? 今のところただの任務では???
    「む。……言われてみれば、確かに任務の準備と同じだけど」
    「我々の合宿中だけ、あらゆる緊急事態が気を遣って大人しくしてくれるわけでもありませんので。出撃要請があれば即座に対応できるような体勢を作っておくことは必要です」
    「あと、単純にヘリが一番早いしな。慣れるとこれ以外の移動はどうもまどろっこしく感じるっつーか……いいだろ、身内しかいないんだし」

    そ、そっか、これがこの人たちの『日常』なのか。スケールが大きすぎる……

    「今回のテーマは『リバーサイドで自然の息吹を感じながらアクティビティに大盛り上がり』です。河川の中流に構えられた個人経営のコテージ型宿泊所がミレニアムに存在しまして、そこを実質貸し切り状態で利用できることになりました」
    「おお! 流石アカネ、いつも心躍るような計画を立ててくれる……!」
    「初日のメインイベントは『フィッシング』! 釣り竿を用いた一般的な釣りだけでなく、投網漁の体験もできるとのことで、それらの釣果を晩御飯として戴ける流れになっています。折角なら大きなものを釣り上げたいですね、みんなで頑張りましょう♪」
    「釣り、ですか。経験はありませんが……問題ありません、誰よりも夕食を賑やかにしてみせます」
    「ったく、まーた張り合い癖か? 初日くらい気ィ抜けよ、こういうのってメリハリだぞ」
    「おや、ネル先輩は釣りが不得意でいらっしゃいましたか」
    「別にそうは言ってねえだろ!?」

    ……これはお魚いっぱい食べられそうな予感。というか、普通にすごく楽しそう! 正直かなりビビってたけど、とりあえず初日は怖い感じじゃないかも?

  • 18二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 07:55:06

    車より早いし小回りもきくしで実際便利ではあるんだろうな

  • 19二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 13:53:46

    川魚だと刺身は危ないんだっけかな

  • 20二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 14:12:40

    キヴォトスだぞ?
    ネルパイを丸呑みに出来るくらいの魚が居てもおかしくない

  • 21二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 22:30:41

    やるか、バーべキュー

  • 22佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/18(金) 04:09:15

    「ようこそ、C&Cの皆さん! 私がここのオーナーだよ。早速だけどー、お部屋のご案内から――」

    「ああ、荷物ならもうみんなで運び込んだ。と言っても最小限だけど」

    「テラス側にヘリを止めると早いですね。緊急時にすぐ乗り込めますし、一石二鳥です」

    「ええっ!? そ、そうなんだ。えーーと今朝の連絡で、到着後すぐフィッシング体験に移るって言ってたけども、本当にそれで……?」

    「うん、オッケーだよ! 何か準備とかあったっけ?」

    「防水のハイウェーダーをこっちで用意してるよ。ただ、サイズが合うか試さないことには」

    「うーっす、邪魔してたぞ。ウェーダーってこれだよな? とりあえず全員分持ってきた、サイズも多分合ってるだろ」ガチャ

    「ちょっとちょっとちょっと早すぎ!!! え、勝手に中見たの!?」

    「流石ですリーダー。それでは、オーナーさんの準備が済んだら川の方に行ってみましょうか」

    「どうなってるのこの人たちーーーー!!!!!」


    僕もそう思う。『手際が良い』で済ませていいものだろうか、これ……まあ、一応訓練も兼ねてきてるわけだし、あと時間も無限じゃないし、早く済ませられる部分は済ませちゃおうっていう意図には共感できた。ちょっとオーバーだけど。

    だいたい3分後、一度建物内に消えていたオーナーさんが再び現れた……7人分の釣り用具を1人で背負った姿で。この人も大概思い切ったことするな。彼女に追従して川へ向かう……


    「はい、じゃあ実際に魚と戯れるお時間だよ。釣り竿と投網、まず最初に体験してみたい方をここから取っていってねもう半分くらい取られてるけど」

    が、頑張ってください……

    「様子見てる感じだとなんとなくあなたは比較的常識がある気がするよ! どうする、どっちにする!?」



    dice1d2=1 (1)

    1.釣り竿で魚との格闘技を楽しむ!

    2.投網で川との心理戦に興じる!

  • 23佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/18(金) 05:14:47

    ――そりゃああーーーーっ!!!
    「おおっ、良いキャスト。ポイントも反転流に入ってるよ」
    や、やったー。あとは……えっと、待ち時間ですか?
    「そうだねえ。けっこう地味だよ、釣りというものは」

    思い返せば、ゲームの中でも釣りって気の長い遊びだったな……
    「そわそわしてると気力が持たないから、自然と一体になってリラックスしよう」と言うオーナーさん。確かに、考え事をするにはうってつけの環境かも?

    「……おーい、カガリ」
    っと、カリンさん! そっちも釣り竿選んだんですか?
    「うん。場所探してて、この辺りが良いかなと思って……」
    「そうだね、じゃあカガリさんの近くからキャストしてみようか。雑談してたら魚を待つのも捗るよ! じゃ、やり方なんだけど――」
    「ああ、後ろで見ていたから大体はわかる。セットも済ませた」

    カリンさんがずいっと前に踏み出て、鋭く水面を睨む。的に狙いを付けるアーチェリー選手のような雰囲気だった、そうして10数秒の間、すさまじい気迫でタイミングを図った後、突然くわっと目を見開く。

    「――ハアアアアッ!!!!!」

    岩陰に向かって一直線に突き刺さっていく、光線のようなキャスティング。釣り針のサイズは僕と変わらないはずが、ここからでも見えるくらい大きな水飛沫が立って……
    ……その水面から、魚が飛び出す。体に針が突き刺さっている魚が。それを見た瞬間、僕とオーナーさんは魚と同じ顔で驚愕した。

    「! 針が外れてしまった……威力が足りていないのかもしれない、もっと早く打ち出さないと」
    カリンさんやっぱり一から教わってみようか!!
    「申し訳ないけどその方法ちょっと遠慮してもらいたいかな!!!針が壊れるかもしれない!!!」
    「……い、言われてみれば。すまない、つい熱くなって」

  • 24佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/18(金) 05:46:11

    ……気を取り直して、普通の釣りタイム。川の少し下の方でネルさんやアスナさん、トキちゃんが網を持って賑わっているのを見て、良い時間だなぁと思うこと数分……


    「……あまり気が休まらないな。魚の一挙手一投足に心を乱されてしまう」

    魚の場合、一挙手一投足って言うんですかね? 手も足も無いし……

    「言わないかもしれない。どうやって泳いでいるんだろう……私も、ヒレやエラの動きまで見えるわけじゃないから」

    ……待って、今しれっと流しかけたけど、このばっしゃばしゃの水面に魚の姿見えてるの????

    「う、うん。今、見える範囲には3体くらい……どれも、餌に近付くことはあるが、気付いていないのか素通りしてしまう」

    あー。確かに、見えたら余計にもどかしいかも……えっ、もしかしてそれって"重力変調"の応用だったり、

    「これは違う。元々人並み以上に目は良かった気がするけど、訓練していたらこうなった」

    ええー……超人……

    「見え過ぎると、困ることもある……でも、基本的には便利かもしれない。ここからでもアカネの様子を確認できるし」


    そう言ってカリンさんが指した、遥か向こうの上流の方……い、言われてみれば、豆粒みたいな人影が岩に座ってるような。というかいつの間にあんな遠くまで。


    「あっ! カガリ……あ、あー……その……」

    な、なんでしょう? ……!? か、掛かった!!!ええええっとここからどうすればいいんだっけ、確か竿は立てすぎないで、あああーーー、それで魚の動きに合わせて……ひいいいい思ってたより重い!!!!!

    「掛かりそうなの見えてたんだけど……言っていいのかわからなくて……」

    優しいねカリンさん!!!!うおおおおおお!!!!!


    dice1d100=32 (32) 戦闘ステータス(69)以下で成功

    dice1d100=87 (87) 技術ステータス(55)以下で成功

    dice1d100=86 (86) 精神力ステータス(79)以下で成功


    dice1d100=26 (26) 神秘ステータスの半分(42)以下でなにかがおこる

  • 25二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 10:08:44

    パワー的には行けたけど素人+焦りで失敗か
    残念

  • 26二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 14:36:14

    釣り針じゃなくて銛になっとるやないかーい

  • 27二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 22:00:58

    神秘の成功?
    このタイミングで一体何を

  • 28二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 02:55:06

    また何かやっちゃいました?

  • 29佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/19(土) 05:06:29

    正直、まだ心のどこかで疑っていたかもしれない。それでもこの時は確信した。
    ……トレーニングの成果、出てる!!!! 脇を締めて竿を体の重心に寄せて、全身の全力で抵抗しても疲れが来ない、むしろ内側から更に湧き上がってくるかのよう。息が全然苦しくない……深く吸い込む余裕すらある。頭の隅々にまで新鮮な酸素が行き渡って、魚と格闘している間にも冷静に状況を判断できるほど頭が回る。す、すごい。前までの僕だったら、戦いにすらなってなかったはず!

    「こっ、これ結構おっきいんじゃないの!? わわわわ私が網の準備するからとりま集中!!!」

    い、言われた通りに集中はするんだけど、ちょっとまずい。ここから選択肢を全く間違えず、完璧に正しい手順を踏み続けたとして……釣り上げられるの、あと数百秒後とかなんじゃ? それは……流石に体力が持たない。
    何かの間違いでこっちまで来てくれたりしない? 有効な策が思いつかない状態で、立ったままにのたうち回る。リールを握る、真っ赤に膨れ上がった手を見ていると、目の前が暗くなってくる……
    その瞬間、竿越しに伝わってくる重量の感触が、一瞬狂った。ほとんど反射で顔を上げると――

    「……跳んだ!?」
    「これっ、チャンス――」

    ……あああああああああ!!!! と大きい声が出るだけで、手の動きと一致しない。パニックを起こして人体が制御不能になる。ニジマスの虹色が僕をあざ笑うかのように照る。うわーんもう駄目だおしまいだ。全身から力が抜ける……

    「あれ? なんだあれ、なんか……」
    「……!!?!?!?」
    「待って待って待って待って、何これ何これ何これ??? カガリさん何したの????」
    ふぇ? ……???????
    「私の目には……魚が、空中に浮いているように見えるんだけど」
    「だよね?????」

  • 30佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/19(土) 05:36:38

    ……ちょっと行ってくる、と言ってオーナーさんの手から網を掠め取り、岩を飛び移りながら川を渡っていくカリンさん。浮遊する魚の傍に立ち、ちょいちょいと数回つついた後、まるで虫取りのような動作で捕獲し、そのまま帰ってきた。


    「カガリ。これは多分、私たちの勝ちだ」

    「……いええええいおめでとーーーー!!!!」

    無かったことになるんですかこれ!!??

    「まあ、この場にいる全員が良ければ」

    「良くないよ!!!! そりゃ一瞬だけなら見間違いかもしれないけど、合計で1分くらい浮きっぱなしだったよ!!?!? 絶対何か超自然的な力が」

    「オーナーさん?」

    「どわっ!? えー、あー、アカネさんだっけ。あれ、さっきまでは向こうに――」

    「オーナーさんは今、何も見ませんでした。良いですね?」

    「えっ。いや、流石にあれを見ないフリは」

    「良いですね?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    「ハイ!!!!!!!!」

    「……いずれにせよ、リーダーには後で報告しないと」


    ……どこかスッキリしない気分だったので、その後も改めて川に釣りを挑んでみた。結局いちばん大きかったのは例の浮遊ニジマスだったけど、それなりに大きいのは数匹釣れたり。

    何より、楽しかった。そりゃ、激闘に比べれば退屈な時間ではあったけど……質の良い退屈って、実は楽しいものなのかもしれない。この感覚は大事にしよう。



    (好感度が相互に上昇します)

    カガリ→カリン 47 +dice2d4=2 2 (4)

    カリン→カガリ 76 +2

  • 31二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 12:10:52

    とりあえず美味しそうだからヨシ!

  • 32二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 19:45:13

    ナニモナカッタ

  • 33二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 23:51:58

    そういやカリンからって結構高かったんだな

  • 34二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 09:12:02

    お魚パーティーはできそうだ

  • 35二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 18:07:26

    楽しんでるな

  • 36二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 23:12:49

    圧が凄い

  • 37佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/21(月) 02:43:19

    「あー、意識しなくても出るのか。それは……なんつーか、厄介だな」
    「しかし、現象としてはかなり特異なものでは? コントロールが可能になれば、ただでさえサンプルに乏しい"重力変調"の新しい可能性として期待できそうです」
    「はい、私もそう思います。ただ……確かに可能性ではありますが、実戦という観点から考えると、今一つ足りないと言わざるを得ないのが現状かと」

    ニジマス、改めてテーブルに乗っかるとかなり大きかった。まあ、ネルさんが獲ってきた60cm級のイワナという強すぎる比較対象があるんだけど……主にこの2匹を中心に箸休めを数皿追加した、すごく豪華な夕食。
    オーナーさんが腕によりをかけて作ってくれたこれをみんなでつつきながら、"重力変調"について専門的な議論を交わす。こんな感じに、オンとオフに境目が無くていつどんな話でも出来るっていうのは、僕の知ってるC&Cらしさの一つだった。

    「個人的には、一旦イレギュラーは無視して、カガリの今の能力に適合する使い道を考えた方が良いと思う。私たちがそうしたように」
    「短所を補ったり、長所を伸ばしたり……だっけ? リーダーが思うカガリの短所長所って何?」
    「……短所は判断力。長所は度胸」
    「どっちも手を付けようがありませんね♪」
    本当にすいません……
    「逆に言えば、どの方面にも向かっていけるということではありませんか。そしてそれは今の私の状況に近しいものがあります」
    え、トキちゃんが?
    「はい。コールサイン04として合流する以前の私は、アビ・エシュフ……少々特殊な事情がありまして、"重力変調"はその存在を知るのみに留まっていました。先輩方に比べれば突出した部分もなく、未完成と言ってよいでしょう」
    「と言っても、トキの技術のことは誰も心配してないと思うけど。不足を感じたことが全く無いのは私だけじゃないはず」
    「突出した部分がないということは、オールラウンダーということでもあります。したがって初学者を教え導く役割はこの飛鳥馬トキが最適かと」
    「やっぱりトキちゃん、遊びたいんじゃ?」
    「現在はそう思っていません。これはれっきとした任務です」

  • 38佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/21(月) 03:40:12

    ……その。これに関して僕の面倒を見て下さるのって、リオさんが関わってるから、ですか?
    「私個人はその意図も含んで動いています。先輩方がどのようにお考えかは知りません」
    えっと、リオさんって確か、もう辞表を出したって聞いてて。単純な興味なんですけど、今のC&Cって何を基準に動いてるのかな、と……
    「…………んー。難しいな」

    基本的にはセミナーからの指令を受けて作戦行動する、それはリオの一件があっても同じだ、と前置きするネルさん。どこか消極的に聞こえるその口振りは、そこに多くの例外が挟まりうることを暗に示していた。

    「今から言うことが全てという訳ではありませんが」

    「案外みんな、リーダーの判断に従っている部分が大きいかもしれない、と私は思っていますよ」
    「あー、言われてみたらそうかも。リーダーの逆方向に行くこと滅多に無いもん私」
    「……どうだろう。ネル先輩1人にばかり背負わせたくはないけど……でも、頼りにしてるのは確か」
    「ふむ。とても慕われているようですね、ネル先輩」
    ね。ちょっとグッと来ちゃった。
    「からかう言い方やめろって。慣れてねえんだよそういうの」
    す、すいません。……じゃあ、ネルさんが良しとしたことでさえあれば、リオさんがどうとかは一旦考えなくてもいい、って感じなのかな。
    「……では、ネル先輩はリオ会長のことをどう思っていらっしゃるのでしょうか。この機会ですしお伺いしたいです」

    ネルさん、ややこしいのは嫌いだとよく言っている印象だけど、考え事をする姿が珍しいわけではない。頭の中で答えは決まっていて、その言い方に慎重だったりするのかも……そして、トキちゃんが投げたこの問いかけに関しては、特にみんな興味があるみたいだった。

    「仲間、だと思ってる。どんな仲間かは、まあ、その時によるけど」

  • 39佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/21(月) 04:12:09

    「誤解されやすいけど、あたしは別に、あれがC&Cに指令できる立場だからとか、ミレニアムの中で偉いから、みたいな理由でリオの指示に従うわけじゃない。もっと単純に、あいつが優秀で、あいつの考える懸念だとか予測だとか、大体は当たってそうだから従ってる」
    「ふふっ。リーダーらしいですね」
    「っつーか、セミナーとかも一部はこういう感じなんじゃねーの? あたしだけじゃないだろ」
    じゃあ、基準は昔も今も同じなんですね。……その、アリスちゃんの時も……
    「あの時か。アレも複雑だったけど……あたしが良いと思った時は力を貸す、違うって思った時は貸さない、んで、基本的にあいつはあたしに『良い』って思わせるのが上手い。それだけ……いや、アリスの時は先生の影響もあったか」
    「難しい言い方してるけど、簡単に言えば信頼してるんだよね!」
    「ま、そうだな。お前も同じことだよ、カガリ」
    ……僕ですか?
    「ああ。リオが"重力変調"について教えたってことは、何かしらそれがミレニアムの為になるって判断したんだろ、多分。当のお前が理由教わってねーのはちょっと不思議だけど」

    ……教わってない……教わってないっけ? な、なんか……意識飛んでる途中、話し掛けられてた感じはあるんだけど。もしかして単純に僕が忘れてたり……

    「……忘れたか?」
    う゛っっっ……
    「ははっ、気にすんな。人の記憶消すとか当たり前のようにやってるあいつが悪い」
    「……本当に、対等なんですね。ネル先輩とリオ会長は」
    「んー。まあ、そう見えるんだったら、それでいいぞ」

  • 40佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/21(月) 04:50:13

    ……その後、止まってしまっていたご飯の手をみんなで再び動かしながら、リオさんについて話したりした。ネルさんはちょっと配慮しながら喋っているみたいだったけど、トキちゃんは初めて聞くこと一つ一つに動揺していて、トキちゃんにとってリオさんはかなり思い入れのある相手なんだな、と思った。
    全部の料理を平らげて、ごちそうさまをして、お皿を下げたりした後、それぞれのタイミングで全員相部屋の寝室に向かう。外は既に、空だけじゃなく真っ暗だった……耳を澄ますと虫や鳥の声がする。

    「おい」
    わ゛ーっ!!?!? な、なんでしょうか。
    「考えてみたらもう1つあった、佐藤カガリの面倒を見る理由。まあ、わざわざ言うことじゃねえかもしれないが」
    ? は、はい。
    「……なんつーか、"守られる側"の人間じゃない気がするんだよ。最初に会った時はピンと来なかったけど、今はそう見える」
    "守られる側"……じゃない方なんだ、僕。
    「もしも自分の手が届くところで、他の誰かが危ない目に遭ってるとしたら、ほんの少しでも自分に出来ることを探したいと思わないか?」
    ……まあ。でも、みんなそんな感じじゃないですか?
    「……その時の為に、前もって出来ることは、全部やっとけ。今から手に入れられる力の殆どは、後から欲しくなっても叶わないからな」

    それを言い終わると、ネルさんはすたすたと歩いていってしまった。……すごく重い言葉を受け取った気がして、その場に立ち尽くす。
    ほんの少しでも、自分に出来ること……心の奥がざわっと波打つのを感じる。僕はそれがいつなのか知らないのに、なぜか知っているような気がした。

  • 41二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 09:09:30

    ネルパイひょっとしてカガリちゃんの謎の部分に薄ら感付いてる感じ…?

  • 42二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 14:59:34

    クソデカイワナ良いなぁ
    自分も釣ってみたいわ

  • 43二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 00:35:34

    保守

  • 44佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/22(火) 05:31:51

    「――カガリ、起きて! ちょっと予定変更になった」


    翌朝、カリンさんに引っ張り起こされて目覚める。まだ5時じゃないですか。普段こんな時間に起きること中々ないけど、昨日かなり早めに寝付いちゃったのもあり、思ったよりは……いや、まだちょっと眠いかも。

    優しく急かされながら身支度を済ませつつ、事情を聞く。昨日説明された通り、2日目のアクティビティは『カヤック』で昨日魚獲りに興じた川を上流から一気にだだだーっと下り、もし途中で手こずってもお昼過ぎくらいには戻ってくるって予定だったんだけど……


    「雨、ですか?」

    「はい、オーナーさんが言うには、昼頃目がけて大きな雨雲の形成が予測されると……」

    「……ほら、予報でも降水確率が上がってる。さっきまでは大丈夫だったのに」

    ほあーーーすごい。勘ってやつなのかな。

    「んじゃ、今から急いで上の方まで行って……間に合うか? あたしらだけならまだしも、荷物結構大きいだろ」

    「そこも相談して、ヘリに全て載せて飛ぶことにしました。オーナーさんとアスナ先輩に積み込みをお願いしています」

    本当に思い切り良いですね……

    「可能ならば全員で体験したかったところですが……ヘリに載る分のカヤック、そして帰りの操縦のことも考えると、4人までになってしまいそうで。そこは機内で改めて話し合いましょう」


    なんとか準備を済ませ、いつもより余計に手狭なヘリに乗り込む。当たり前なのかもしれないけど、起床からほぼフルスロットルで動いているにも関わらず、みんなまるで平気そうな様子だった……

    そしてメンバー選定。積み込まれたカヤックは、2人乗りが2艇……ペアをふたつ組む形になる。僕は乗せてもらえることになったけど、誰と組むかは無作為にしたいと申し出た。人を選ぶのは苦手なので。



    (話し合って誰になったんでしょうか カリンは昨日絡んだのでお休みとします)

    dice1d4=3 (3)

    1.ネル

    2.アスナ

    3.アカネ

    4.トキ

  • 45佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/22(火) 05:58:39

    「ごめん、みんな。やっぱりパスしていい?」

    アカネさんが上流の狭いスペースに凄まじいテクニックでヘリを着陸させ、みんなで荷物を降ろして準備、いよいよ今から乗り込むぞ……というところで、カリンさんがそう言った。そういうこともあるよね、と思う一方、カリンさんにそういうイメージあんまり無いなとも思う。

    「なんだ、カリン。こういうの苦手だったか」
    「……かも、しれない。どうも気が休まらなくて」
    「そしたら、アスナが代わりに入ってもいい? っていうかもう楽しみになってきちゃった!」
    「では、アスナ先輩は私と組むということで。変わらず良いサポートができるように努めます」
    「うん、お願い。私はヘリから見てる……出来る限り、みんなの位置が正確にわかる場所にいたい。いつもと同じように」
    ……えっ、気が休まらないってそういう理由ですか????
    「どうだろう。自分でもよくわからない……もしかしたら職業病のようなものかもしれない。私にとって"上手く行っている時"とは、援護すべき前線がきちんと見えている時だから」
    ……かっこいい。
    「だろ? ま、こんな時くらいリラックスしてもいいんだぞって言いたいけどな、先輩としては」
    「うう。ごめんなさい……」
    「気にしなくていいと思いますよ。そうですね、代わりに……」ポン
    「ん。これは……?」
    「今回の旅の記録用に持ってきたカメラです。後で見るために、ヘリの上からの写真もお願いします♪」

    パッと目を輝かせるカリンさん。凄腕のエージェントという印象の奥にある、とても純粋で素直な人の姿がそこにはあった。
    ……C&C、良い職場すぎる。比べるものでもないだろうけど、ゲーム開発部がちょっと殺伐とした環境に見えるくらいだった。ゲームのアイデアだけじゃなく、組織の在り方についても勉強になる部分が多いかもしれない。

  • 46二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 08:03:37

    写真も大事だからね

  • 47二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 14:59:18

    後々で見返すと楽しいんだよな写真って
    カリンも後で撮ろうね

  • 48二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 23:28:08

    レジャー中に悪天候とかついてないなぁ
    濡れるのはともかく川下りで荒れるのは嫌すぎる

  • 49佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/23(水) 05:01:29

    「あははははっ!!楽しいーー!!!!」

    「くっ、船体が流れの影響を受けやすい……抵抗してはいけませんね、むしろ身を任せて同化しなければ」

    『そうそう、みんな上手ーい! 初体験でこれって結構すごいよ!』

    「……前と離れてしまっていますね。スピードを上げるにはどうすればいいのでしょう」


    わからないけど、離れているのはたぶん僕のせいだった。ひっくり返らないように、左右のバランスを整えるのに精いっぱい……前後に揺らされてパドルを上手く扱えないだけじゃなく、上下に弾んで視界不良まで起こして、激流のなんたるかを思い知らされている。同じ揺れを受けているのにすんとした顔で景色を楽しんでいるアカネさんは何かズルをしているのか。


    「今、『アカネさんは何かズルをしているのか』と思いましたか?」

    えっ!? ……えっ!!?!??

    「ここでワンポイントレッスンです。"重力変調"を使って、自分自身を重くするようにイメージしてみてください……質量とは力。運動エネルギーをぶつけ合わせる戦いにおいての最重要項目。例え相手が大自然でも、それは同じですよ」


    ……な、なーるほど!? 駄目元でやってみようかなっ、ひょっとしたら余計なこと考えてる方が操縦も上手く行くかもしれないし!!!



    dice3d100=21 67 95 (183) ダイス1つごとに神秘ステータスの半分(42)以下で1回成功

  • 50佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/23(水) 05:23:18

    ……こ、こうかな? 身体がずんと重くなる……って表現したらまるで疲れてるみたいだけど、そんな感じではない。
    身体や船体にぶつかる水の塊が、さっきよりちょっとだけ軽く感じる。プラシーボだったらどうしよう。そうだったとしても、"圧倒される"感覚は少し和らいで、ごく僅かに冷静さを取り戻せたかも!

    『お、おおっ!? 動き良くなったよ!!!』
    『リーダー、ヘリでもう少し前に回り込んで、高度も下げられない? 一瞬でいいから、みんなを正面から撮るカットも欲しい』
    『簡単に言ってくれるなあ!? 操縦なんか専門じゃねえんだぞ、ったく』ガチャ ブウウウウウン
    『……うん、良い感じ。オーナーさん、危ないから一旦後ろに』
    『わあああああああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!』ヒューーーーーーーーーン

    ……小型通信機から聞こえてきたそんなやり取り。何事かと見上げると、前のカヤックと僕たちの間あたりに向かって、ヘリから自由落下してくる影が……

    「……あ、アスナ先輩、要救助者です! どうしましょう、ここから手が届くでしょうか!?」
    「えー!?? ……うん、とりあえず一旦ぶつけて止めるね!」
    『カリン悪い、操縦変わってくれ。行ってくる』
    『わ、わかった! 酷い怪我じゃないといいけど……』
    ぬ゛ああああぶつかるぶつかるぶつかる!!!!!!!
    「いえ、軌道はそのままで! おそらくリーダーが――」

    視線をもう一度上げる。さっきよりも遥かに近い角度でネルさんが降ってくる……僕たちのカヤックを足場にするつもりで! 驚愕の1秒間で咄嗟に込めた力が重力に働きかけると、さっきよりも広く強い"場"を形成した気がして……その"場"が、アカネさんを中心としたもう1枚の"場"とぶつかったような感触すらあった。……いやそんなこと気にしてる暇じゃ――

    「おらあああああああ!!!!!!」バシャアアアアアン
    ひいいいいいい!!!!!!

  • 51佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/23(水) 05:52:11

    「っ……右手に見える岩に接近できた時、私が掴んでカヤックの進行を遅らせます! が、どのくらい持つかはわかりません!」
    「ありがとートキちゃん!! じゃあ、その間にこのパドルでオーナーさんを……」
    アスナさん!! その人気絶しちゃってます!!
    「ホントだ!!!」
    「あたしが拾う! アカネ、ひっくり返ったらそっちでなんとかしてくれ!」
    「はい、お構いなく♪」

    お構いなくって物分かり良すぎない!? ……と思った次の一瞬、とんでもない強さの"場"が瞬きくらいのスピードで現れて消えて、ネルさんの姿が斜め方向に10mくらい跳躍する。びっくりしすぎて完全に固まってたけど衝撃はアカネさんがなんとかしてくれた。
    どういう技術かわからないけど、そうして大砲のように自分自身を発射したネルさんが、狙いすました通りに直接オーナーさんの元へ着弾。片腕で腕を絡め取って確保した後、激流に流される方向を調整してアスナさんが差し出したパドルを目掛け、片腕でがっしりキャッチ……ここまで15秒くらい。

    「よしっ、一旦陸に上げるぞ、それっぽい場所あるか!?」
    「目視できます、およそ30m先!」
    「いいね、そこまでこの態勢のまま流れよっか! 大丈夫? リーダー、岩肌にぶつかったりしたら――」
    「はっ、誰の心配してんだよ。なんならもう慣れたって言ってもいいぜ」
    「……あちらは大丈夫そうですね。邪魔にならない程度の距離感で合流を目指しましょう」
    ふうううう……焦ったーーーーー……
    「それにしても、よくあの一瞬で意識が無いとわかりましたね。あんな真っ白な波の中で、もがいているようにも見える流され方でしたが」
    な、なんかゾーン入ったんだと思います。たぶん。

  • 52二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 10:05:48

    ひぇ~あっぶね

  • 53二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 16:39:38

    とんだサプライズ訓練だぜ

  • 54二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 00:48:13

    カガリちゃんも良い働きだった

  • 55佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/24(木) 05:52:34

    浅瀬から地面に乗り上げ、ちょっと手荒で迅速な容態確認を済ませ、小休止。僕たちの真上でホバリング状態のヘリから縄ばしごが降り、トキちゃんが昇っていって毛布を持ってくる……で、みんなでオーナーさんを素早く巻き寿司にする。ちょっと不謹慎だけど、速さを追求したせいでまるで人が物みたくダイナミックに扱われてる現場を見ると、笑いが込み上げてきた。

    「よし、ひとまず作戦終了! こいつが起きるまで休憩……あとカガリ、いい加減重力切れ」
    へ? ……あっ、言われてみればずっと重い。え、えーっと、どう戻せば。
    「では、こちらでオンオフの特訓をしましょうか。カガリさんは『軽くする』方もできるみたいですし、その感覚と繋げるかもしれません」
    「! アカネ先輩、私も混ぜてください。何か力になれるかもしれま――」
    『あ、あー。緊急連絡。空から見て、雨雲の接近が無視できなくなってきた』

    ああっ、そういえばそうだった。色々と予定外のことが重なって、次の一手を新しく考えなければいけない状況に。
    ヘリが着陸できそうな場所は近くにはないらしい。オーナーさんをどうにか運び上げるのはできるとしても、それより遥かにバランスが悪いカヤック2隻にパドル4本を空中で積み込むのは、風が強くなってきたのも相俟って現実的じゃなくて……いや、ネルさんは「あたしが全部担いで山駆け下りるんでもいいけどよ」って言ってるけど。ほ、ホントにそれになるんですか?

    「……さーて。そろそろ起きないかなー、こいつさえ起きてくれれば話は早いんだけどなー」スタスタ
    「体温が戻れば、いずれ自然に目を覚ますと思いますが。どのような様子ですか」
    「見た感じ顔色にも問題ないと思うぞ? あー、じれってえし、一瞬頬っぺたつねるくらい――」
    「ぅおらあああああああああああああ!!!!!!!!!」シュッ
    わ゛ーーーっ!!?!?

    突然の怒声。毛布の巻き寿司の中から、近寄ったネルさんに向かってこぶしが飛ぶ。……あっさり避けられ、顔に蹴りを入れられたオーナーさんが「へぶっ」と言って再び倒れる。

    「どうせ不意打ち狙うなら、ちったぁ殺気抑えろ。筒抜けだったぞさっきから」
    ……とっくに起きてたんですか???
    「ぐ、ぐぬぬぬぁ……おのれ美甘ネル……」

  • 56二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 10:28:37

    何事?

  • 57二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 15:32:34

    あちこち忙しいな

  • 58二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 22:39:12

    皆落ち着こう
    天気悪いから、屋根と壁のある所に行こう

  • 59佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/25(金) 05:56:17

    「悪いのはお前らだぞC&C!!!!!!!!」
    「えっ、私たち!?」
    「随分な言い草ですね。しかし心当たりがありませんよ、私たちは任務を遂行するだけの存在ですし」
    「忘れたとは言わせない、オレが働いてたショッピングモール! あの、ミレニアム本校の南西あたりにあった、あの、2階にファミレスとかあったあれ」
    「当のお前が忘れてるじゃねえか」
    「うるさい!!!!! とにかく、オレは夏の間あそこで親子連れにアイスクリーム売るのが人生の楽しみだったんだよ!!!!!! それをお前らが任務だかなんだか知らねえが爆破しやがって!!!!!!!」
    「……そういう任務が以前あったのですか?」
    「い、言われてみれば、あったかもしれない。確かに結構ハデにやったような……でも、セミナーから弁償があったって聞いたけど」
    「ショッピングモールじゃなくなったんだよ、今キヴォトス靴流通センターになってんの!!!!!! お前らのせいだからな!!!!!!!!」

    筋が通ってるような通ってないような。言ってる間にもふたたびネルさんに殴りかかり、簡単にあしらわれている。

    「で、結局てめーは何をどうしたいんだよ」
    「ラッキーなこともあるもんだなって思うぜ。美甘ネルゥ、C&C最強って聞いてるけど、今は銃持ってねえよなあ!? ボコボコにしてやるよ!!!!」
    「えっ、銃持ってないのはオーナーさんも同じじゃない?」
    「先程から様子を見ている限り、勝てそうな要素は微塵もありませんが」
    「あたしもそう思う。……あー、そうだな。じゃあ、こうしよう」
    「なんだぁ!? 降参か!??」
    「違ぇよ。選手交代だ、あたしの代わりにC&Cを代表して……カガリ! 多分いけるだろ、やっちまえ」
    ええええええええええ!!!?!?!?!?!??

  • 60佐藤カガリ ◆IEd0n050V225/04/25(金) 06:19:18

    まるで緊張感がないシチュエーションだけど、促されるまま前に出る。オーナーさんは僕が相手でもすごい好戦的で、こっちを威嚇するっぽいステップを踏みながらパンチの素振りをしている。いや、ネルさんに比べればちり紙みたいなものだとしても、この人平均以上にフィジカルも体力もあるのは本当だし……どうしたものか。っていうか、さっきから"オーナーさん"って言ってるけど――


    「どうした? 戦意喪失かお前、いかにもビビリって感じの顔してるもんなお前」

    え、えっと。僕、佐藤カガリって言います。……あなたは?

    「…………なんだ、気付いたのか」

    「……気付いた? どういう意味でしょうか」

    「名前はまあ、無い。表のやつが付けてないってだけ。だから強いて言うなら表と同じ名前」

    「あーーーー、そういうことか。確かに、色々腑に落ちるな」

    この人、恐らく『多重人格』です。今までは多分、僕たちを明るく出迎えてくれたほうの人が、こっちを抑え込んでて……

    「ははあ。それが落水のはずみでひっくり返ってしまったと」

    っていうか、自分のコテージにC&Cが来るって知った時から、内心気が気じゃなかったんじゃないかな。むしろよく宿泊受け入れてくれたなって感じ。

    「折角だ、ついでに教えておいてやる。こっちの性格は控えめに言って最悪!!! 一度根に持ったことは10年経っても忘れないし、オレが納得するまでオレに付き合う以外の選択肢は許さないからな!!!!!」

    「じ、自分で言うんだ……」

    「あははっ、なんか面白いかも! カガリがんばれー!」


    ……仕方ない、やろう。何をやるのかはまだよくわからなかった。ただ、"納得"って言ってるからには、単純なやり方だけじゃ要求が終わらなくて時間を浪費してしまうかもしれない……何か良いアプローチないかなぁ。



    dice3d100=98 36 48 (182) ダイス1つごとに戦闘ステータス(69)以下で1回成功

    dice3d100=83 87 29 (199) ダイス1つごとに神秘ステータスの半分(42)以下で1回成功

  • 61二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 07:51:29

    そういう事だったのか

  • 62二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 13:37:55

    らんまみてえだ

オススメ

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