- 1二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:01:48
- 2二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:02:28
「うん、空いてるよ。今日は何か、やりたいことある?言ってみて」
「ありがとう。じゃあ甘えちゃおうかな。
君と、ふたりきり。───デートがしたいな!」
「っ......あっ......い、いいよぉ!?」
自分の喉から出たのか疑わしい声でかろうじてOKをだす。出してしまった。デートのお誘い。
だって、こんなの反則だ。あのフジキセキの瞳と、声と、知恵と、心を全力で駆使して出された一手に、抗う術などなかった。
むしろ抗おうとすら思えなかった。
「フフッ、やったね!あ、服装なんだけど、私が指定しても良いかな?」
「ドレスコードもあるんだ。どこに行くのか、ちょっとドキドキしてきちゃうな」
「あはは、そうだなぁ。確かに、たくさんドキドキしてもらうことになるかもね。
じゃあ、この場所、この時間に............」 - 3二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:03:35
待ち合わせの場所は、河川敷。
確かにデートといえばの定番かもしれないが、ドレスコードを着ていくには、些か野生味が強い場所だ。
「お待たせ、トレーナーさん!」
現れたフジは、先程までトレセンにいた時と同じジャージ姿。
こちらも、コースに出て指導をする時のラフな格好......つまりジャージだ。
「それじゃあ、トレーナーさんのペースでいいよ。一緒に行こう」
河川敷にてジャージとスニーカー二人が揃う。
こうして、デートという名のクールダウン〜トレーナーの並走付き〜が始まった。 - 4二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:04:08
「どう?トレーナーさん。ドキドキしてきた?」
「ハッ...ハッ...結構...してきた...!ハッ...ハッ...」
一応若さを活かして頑張ってみるものの、横で走る......走ってるのか怪しいレベルで身体はブレないフジキセキは、息も切らさず話している。なんなら、ちょっと先に行きだす。
彼女はファンや後輩には温和で優しいけど、ヒシアマゾンやナリタブライアンなど親しい友人には、意外といたずら好きであることを思い出させられる。でも、自分がそんな間柄になれていることは、すごく嬉しかったりする。
「あはは、ごめんごめん。ちょっと意地悪が過ぎちゃったかな?いいよ、ゆっくり歩こう」
フジはタオルを何処からともなく取り出して手渡してくる。
相変わらず、フジの周りの空間は4次元なのではなかろうかと思うほどの手品のクオリティだ。 - 5二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:05:15
「今日のような日が、ずっと続いて欲しい」
切り出した彼女の横顔は、夕日よりも眩しく、されど静かに、輝いていた。
「そんなに良かったかな、並走」
「うん。本当に。
君と一緒に、同じ方向に向かって、同じペースで、時には速く、時には歩いて、たまに向かい合って。
こうやって進んでいけるこの時間が、どんなに綺麗な宝石よりも私には価値がある。
今日は素敵な時間をありがとう、トレーナーさん。」
「いつでも、いつまでも付き合うよ。こちらこそ、ありがとう。そしてお誕生日おめでとう、フジキセキ!」
「ああ、なんて素敵な日なんだろう。本当にありがとう、トレーナーさん。少し、お手を借りても?」
両の手で右手を握られる。そしてフジが離すと、自分の右手には、一輪の薔薇が握られていた。
綺麗だったけど、目の前のスタァの輝きが全てを飲み込むような美しさで、あまり目に入らなかった。 - 6二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:05:52
終
誕生日間に合ってなかったorz - 7二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:06:32
去年の今頃はまさかあんなにフジキセキの供給が貰えるなんて思っていませんでした
本当にありがとう新時代の扉 - 8二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:06:35
乙
エエヤン - 9二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:09:18
ありがとうございます!
- 10二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:24:39
- 11二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:30:22
いいじゃんすき
- 12二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 00:32:48
何でもないような事が幸せだったりするんだ…