【閲覧注意】【SS】【微🎲】意外と、呆気ないんだな 2

  • 1一般通過弟25/04/16(水) 20:02:44
  • 2二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:03:53

    続き楽しみ

  • 3一般通過弟25/04/16(水) 20:04:13

    視点はdice1d14=2 (2)

  • 4一般通過弟25/04/16(水) 20:26:53

    視点:手毬

    「手毬さん……ご飯が出来ましたわ。今、行きますわね」
    「うん、ありがとう」

    付き合ってから、半年。美鈴と会ってから……あの日から、半年が経った。あれ以降私は、ずっと千奈に溺れていく一方だった。千奈がそばにいないと落ち着かない。精神がおかしくなりそう。吐きそう。泣きそう。発狂してしまいそう。

    外に出るのが怖い。千奈意外信じられない。怖い。
    千奈だけが、信じられる。千奈だけが、私の生きる光。

    「そういえば……私達、今日で付き合って半年ですわね」
    「うん、そうだね。……ありがとう、千奈。ずっと私のそばにいてくれて」
    「お礼を言われるほどの事じゃありませんわ。私が、手毬さんのそばに居たい。だからそばに居る、ただそれだけの話ですもの」
    「優しいんだね、千奈は」
    「それはきっと、手毬さんだからですわ。きっと……いえ、絶対。手毬さん以外にこんな風にしたいなんて思えませんもの」

    あぁ、好き。大好き。千奈のその優しさが、大好き。
    私だけを見てほしい。私だけが見ていたい。私だけに優しくして欲しい。私以外、何も要らないって思って欲しい。

    「千奈」
    「……はい、どうしましたの? 」
    「私以外、何もいらない? って聞いたら、千奈は私の事重い女って思う? 」
    「いえ、思いませんわ。嬉しいですもの。手毬さんが、私を求めてくださっていることが」
    「そっか。……私以外、何もいらない? 」
    「……はい。私は、手毬さん以外何もいりませんわ」

  • 5一般通過弟25/04/16(水) 20:28:35

    今の2人の親愛度


    手毬→千奈 dice1d50=25 (25)

    千奈→手毬 dice1d50=49 (49)


    依存補正+150


    150~175 あなたの為なら死んでもいい。あなた以外何もいらない

    176~ 殺したいほどに愛してる。あなたは私のモノ

  • 6二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:31:00

    あれこれスレ落ち2時間後になってないか?

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 20:34:36

    >>6

    10スレまではそうだったはず。

    てまちなの関係性が素晴らしい…

  • 8一般通過弟25/04/16(水) 20:52:35

    「手毬さん。どうかずっと、これからもずっとずっとそばにいて下さいませ」
    「……うん、もちろん。千奈も、これからも私のそばにいて。離れないで」

    ……この半月の間、ずっと私が酷く千奈を求めすぎてしまってた。だからか、千奈も私に沢山依存してくれた。嬉しい。何よりも、嬉しい。私は千奈以外何もいらなくて。千奈は私以外何もいらなくて。その関係が、幸福。

    「あ、ごめん。余計な話しちゃった。……ご飯、食べよっか」
    「はい、そうですわね。いただきます」
    「いただきます。……ん、美味しいよ」
    「そう言って貰えて嬉しいですわ! 手毬さんが私の料理をたっくさん気に入ってくださるので……たくさん、やる気が湧いてきますの」
    「今まで食べたどんな料理よりも、千奈の料理が一番だよ。……ありがとう、いつもいつも」

    部屋の外から出たくない私を気遣って、千奈が料理を始めるようになった。最初の頃はちょっとおぼつかなかったけど、私が段々と千奈がそばにいないとダメになってくにつれて千奈の料理の腕も上達していった。

    千奈には、常に私のそばにいて欲しい。でも、料理してる時だけは耐えられる。だって、千奈のご飯は美味しいから。千奈の全てを感じられるから。千奈の愛情が、千奈の温もりが、千奈の血が……その全てが、感じられるから。

    「……千奈。腕、大丈夫? 」
    「なんにも問題はありませんわ! この程度、痛くなんてないですし……それに。手毬さんに、私の血を貰っていただけるんですもの。もっと、痛みなんて薄れますわ」
    「そっか。ありがとう。……千奈、あーん、ってして」
    「はい、わかりましたわ」

  • 9二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 21:03:36

    なんでこの2人も広燐と同じになってるの…しかも手毬の依存度が桁違いだし

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 21:09:40

    しれっと千奈ちゃん、血を料理に混ぜてませんか!?!?

  • 11二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 21:13:40

    なんかどっかで料理に血を混ぜて依存させるみたいなおとぎ話(?)を見た気がする

  • 12一般通過弟25/04/16(水) 22:24:42

    「手毬さん。あーん、ですわ」
    「あーん……うん、美味しい」
    「ふふっ、良かったですわ! 」

    最初は、ただ千奈に溺れてたい、千奈に逃げてたい、そう思うだけだった。でも、たまに観鈴の夢を見るようになって。それから、日に日にどんどんと深く依存していって。今の私はもう、取り返しのつかないところまできていた。千奈に依存していることだけが、私の生きがいになっていた。

    「私のご飯を食べる時の手毬さんの顔、ほんとに可愛くてもっと好きになっちゃいますわ」
    「そんな急に言わないでよ……照れるじゃん」
    「えへへ、そうやって照れてるところも可愛くて大好きですわ」

    千奈は、私にだけ笑ってくれる。私にだけ笑顔を見せてくれる。私以外には、別人のように冷たい目なのに。私にだけ、ずっと変わらない千奈でいてくれてる。それが、なによりもうれしい。

    「千奈。私の事、どれくらい好き?」
    「どのくらい、ですか。そうですわね」

    千奈が、元気にいつも通りに笑う。でも、前みたいな純粋な、太陽みたいな笑顔じゃなくて、例えるなら……金環日食。小さな光を覆い尽くすような大きい闇。まさに、そんな微笑みを私に見せて、千奈は言う。

    「殺したいくらいに愛してますわ」

  • 13一般通過弟25/04/16(水) 23:15:27

    視点変更(重要)

    dice1d2=1 (1)


    1 広

    2 燐羽

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 05:08:28

    重要とわざわざ書く辺りいよいよどっちか或いは両方………

  • 15一般通過弟25/04/17(木) 06:13:42

    視点:広

    ……いつからだろう。いつから私は、自分のことがこんなにも分からなくなったんだろう。私は、何が好きだった? 誰といて、何をするのが好きだった?

    「おはよう、燐羽……」
    「おはよ、広。……あら? もしかして、また眠れなかったのかしら」
    「ちょっと……ね」

    夢を見た。言葉では表しきれない地獄のような、死んだ方がマシとさえ思えるような、そんな夢。

    燐羽が、私の目の前で殺される夢。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も
    何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も私の目の前で殺される夢。

    夢のはずなのに、燐羽の血の感触が今もずっと残ってる。正直、泣いてしまいそう。

    「何か嫌な夢でも見たの? 」
    「さすが燐羽。私の事よくわかってる、ね」
    「当たり前じゃない。もうずっと一緒にいるのよ? 」
    「もう……あれから、一年半も経つんだ」
    「そうね……ほんと、あっという間だったわ」

    ……なんだろう。急に強烈な吐き気が、頭痛が、目眩が……全てが、私に襲いかかってくる。

    「りん、は……」
    「広! 」

    あ、だめだ……これ。

  • 16一般通過弟25/04/17(木) 06:29:49

    ……目を覚ましたら、何も無い真っ暗な世界にいて。そこに、まるで鏡で反射しているような、何もかもが同じのもう一人の私がいた。冷たい表情をして、ただじっとこちらを見つめている。

  • 17二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 11:24:33

    お、おう……如何なるんや…

  • 18二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 14:37:31

    この話どうやって閉じるんだろうか...

  • 19一般通過弟25/04/17(木) 16:34:24

    なんで、私が目の前に……いや、ここはどこ?
    燐羽は? ……怖い。燐羽がそばにいない。不安でおかしくなりそう。

    「……ね。ここは、どこ? 燐羽は? 」
    「ここは、私の夢の中。燐羽は……今、倒れた私のそばにいる」
    「あなたは? 」
    「私は篠澤広。もう一人の、夢の中のあなた」

    じっとこっちを見つめている……もう一人の私に、話しかける。これは、夢……私の夢。あぁ、思い出した。そうだ。私……倒れちゃったんだ。それで、燐羽がずっと私を見守ってくれてる、ってことなのか。

    ……それよりもなんでだろう。目の前にいる私を見ているだけで、無性に腹が立つ。イライラする。……なんで、だろう。なんでこんなに、嫌悪感がすごいんだろう。

    「私。いっこ、質問してもいい? 」
    「いいよ。……何? 」
    「私は……いつまで、自分に嘘をつき続けてるの? 」

    綺麗な琥珀色の瞳を醜く汚くどす黒く染めて、夢の中の私がそっと私に問い詰めてくる。

  • 20一般通過弟25/04/17(木) 16:41:57

    ……私が、嘘をついている? 自分の、気持ちに? 違う。それは、無い。

    「違う。それは、嘘。確かに私は何も分からなくなってきてる。でも、それでも燐羽の事を殺したいくらいに愛していて燐羽と堕ちていきたい。それは、ほんと。嘘偽りのない、ほんとの気持ち」
    「……それが嘘なんだよ、私。あなたは苦しい気持ちに嘘をつき続けて、そう思い込んで忘れようとした。……逃げただけ。確かに、燐羽の事は大好き。きっと、重すぎるほどに大好き。でも、殺したいほど大好きなんて──」
    「……うるさい」

    気づいたら、私の手には血塗られたナイフが握られていた。私はそれを、思いっきり夢の中の私へと振りかぶる。

    ……うるさい。

    「思っている訳じゃない。堕ちていきたいっていうのも嘘。そう思うことで──」

    うるさい

    「苦しみから逃げようとしているだけ。違う? 」
    「……図星なんだよね。否定できないんだよね──」

    だまって。
    だまれ。

    「燐羽の方は本気で私と堕ちてもいいって、殺したいほどに愛してるって思ってるのに」

    黙れ。黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

    「そろそろ何か言ったらどう? 」
    「……うるさい。早く消えて」

    なんで……なんでっ!! なんで、なんで消えないの?
    もう、百回は殺した。壊した。首を切った。心臓に突き刺した。真っ二つにした。なのになんで。

  • 21一般通過弟25/04/17(木) 17:38:34

    なんで、私は消えてくれないの? 何回も何回も殺して、血飛沫を浴びて。手も、足も、髪の毛も、何もかも。全部全部、血で真っ赤に染まっても真の意味で私が消えることは無かった。殺しても、何事も無かったかのようにまた現れる。

    「……そろそろ時間みたいだから、お望み通り消えてあげるね」

    少しため息をついて、夢の私がそういう。……やっと、やっとこの夢から解放される?

    「最後に……」

    ──このまま、正気に戻っちゃおうよ

    ただそれだけを言い残して、夢の中の私は砂のように崩れて消えた。……あれは、一体なんなんだろう。

  • 22一般通過弟25/04/17(木) 19:02:04

    「……あ、起きたのね、おはよう。何か嫌な夢でも見たのかしら? 叫んでたわよ」
    「……すごい、嫌な夢見た。おはよ、燐羽」

    ……夢から覚める。声の方へ振り向くと、キッチンに立って料理をしている燐羽がいた。

    「……無理、しないで頂戴ね」
    「うん、してない。燐羽の方こそしないで、ね」
    「当たり前よ。する訳ないじゃない。あなたとなら何をしても幸せだもの。例え人を殺したって、ね」

    燐羽にそう言われた瞬間に、胸がざわめきだして痛みが走る。……もしかして、本当に……燐羽への気持ちが、薄れたの……? 嫌、それは嫌。それだけは、認めたくない。私はずっと燐羽さえいればいい。燐羽がそばに居てくれたなら、何もいらない。燐羽を殺したいくらいに愛してる。そう、私は……そう。

    「……あら、こっちの方に来てもう大丈夫なの? 」
    「……………………」

    体が、言うことを聞かない。勝手に動き始めてる。足が勝手にキッチンへと進む。手が勝手に棚を開いて包丁を取り出す。……そっか。じゃあ、本当に、そうなんだ。私……燐羽への気持ちが、薄れてきてたんだ。ずっと、辛かったんだ。じゃあ……こんな私、いらない。早く、死んでしまえ。

    「だめよ」
    「りん、は……? 」

    胸の辺りに包丁を持ってきた時、腕が燐羽に掴まれる。

    「……私、死ぬならあなたとがいいっていうかあなたと以外嫌なのだけれど……今は、あなたと一緒に生きてたいわ」

  • 23一般通過弟25/04/17(木) 19:51:13

    「りん、は……」

    あれ、なんで……どうして? 涙が、止まらない。
    嬉しい。苦しい。痛い。幸せ。死にたい。生きてたい。……私が、わからない。

    「何があったか聞かせてくれないかしら? 私、これでもあなたの恋人だもの」
    「……うん」

    恐怖心を抑えつけて、燐羽にゆっくりと、話す。夢の話。私の本心の話。燐羽が私を愛しているくらいに燐羽の事を愛せていない話。燐羽はそっと、そっと私を抱きしめて最後まで話を聞いてくれた。

    「そ。……そんな事があったのね。……それくらいで見捨てるわけないじゃない。別に私は同じ量の愛情を求めてる訳では無いわ。それと……無理させちゃってたのはもうずっとわかってたわよ。あなた、なんにも言ってくれないもの」
    「えっと……ごめん」
    「……ね、広。明日、久しぶりにデートしない? 」
    「うん、いいよ」

  • 24一般通過弟25/04/17(木) 19:56:25

    ……燐羽は、優しいな。こんな私でもずっと受け入れてくれてる。……いいんだ、こんな私で。燐羽と同じであろうとしなくても、いいんだ。

    「ありがとう、燐羽。……大好き」
    「私もよ。愛してる」

  • 25二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 19:57:32

    このレスは削除されています

  • 26一般通過弟25/04/17(木) 20:00:59

    視点変更

    dice1d14=2 (2)

  • 27二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 20:02:24

    スレ主は手毬に好かれてるのか?

  • 28二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 20:54:15

    「……手毬さん。その、たまには外でデートをしませんか? 」

    いつも通りに過ごす日々の中。ふと、千奈が恐る恐る私に聞いてきた。……外でのデート、か。うん、たまには悪くないかもしれない。他の人の目に千奈が着くのは嫌だけど。

    「いいよ、行こっか」
    「……いいんですの? 」
    「他の人に千奈が見られるのは死ぬほど嫌だけど。でも、千奈が私を見てくれるなら」
    「もちろんですわ。もちろん、手毬さんだけを見てます」

    ……いつぶりだろう。千奈と一緒に外に出るのって。
    ここ数日、私はずっと私の要望で倉本邸にいた。……というか現在進行形で倉本邸に住んでる。そしてそのまま、ずっと外に出ることはなかった。私も、千奈も、お互いに他の人間に見られるのが嫌だったから。

    「久しぶりのお外ですわね、楽しんで参りましょう! 」
    「うん、そうだね。……手、離さないでね」
    「もちろんですわ。手毬さんも、強く離さないでくださいまし」

  • 29一般通過弟25/04/17(木) 21:59:57

    ぎゅっと強く、千奈の手を握る。ちっちゃくて可愛い手を。離さないように、死んでも離さないようにぎゅっと。

    「……大丈夫? 千奈、痛くない? 」
    「はい、全然痛くないですわ。ずっとこのままでいて下さいまし」
    「うん、わかった」
    「たまにはこうしてただ街を歩くだけ、というのも悪くないですわね」
    「そうだね。ずっと千奈の部屋にいてばっかりだったし」

    何をする、とかは特に決めてなく、デートと言ってもただの散歩。それでも、ただただ楽しくて幸せで、もっともっと千奈に溺れていく。こんな可愛い子の恋人でいること。それはきっと、生涯何があっても勝る事の無い幸せ。私だけを見てくれる。私だけのものでいてくれる。

  • 30二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 22:16:31

    ここだけ見ると平和だなぁ…
    いやそうでもないか

  • 31一般通過弟25/04/17(木) 22:31:07

    そして、手を繋いで歩いていること数分。

    「あれ? 手毬ちゃんと千奈ちゃん? 」
    「……姫崎先輩に、有村先輩? 」
    「こんなとこで会うなんて奇遇だね」

    後ろから、声をかけられる。声がした方を振り向くと、そこには有村先輩と姫崎先輩がいた。……二人なら、まぁ……大丈夫?

    「手毬、まぁそう警戒しないでよ。大丈夫、千奈を取ったりするわけじゃないから。ほら」
    「それは……手錠、ですの? 」

    ……私、いつの間にか有村先輩の事睨んでたみたい。
    誤解を解くように、有村先輩はその姫崎先輩と手錠で繋がれた腕を見せる。

    「うん。もう二度と麻央がどこにも行かないように、私以外の誰かに取られないように、ね」

    安心した。なんだ、姫崎先輩も私と同じでもう取り返しのつかないくらい依存しちゃってるんだ。なら、姫崎先輩と有村先輩は安心して話せるな。

    「折角こうして会えたのも何かの縁なんだ。ダブルデート……と行かないかい? 折角なら。話しておきたいこともあるしね」
    「私は……大丈夫です。千奈は? 」
    「私も構いませんわ」

  • 32二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 23:16:32

    なんでこの世界は共依存ばかりなの…?しかも恋人以外は信用できない物凄い束縛だし…

  • 33二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 06:01:05

    >>32


    多分主がそういうのすごい好きな人なんでしょ

  • 34一般通過弟25/04/18(金) 06:16:31

    好感度

    麻央→莉波

    恋人補正70

    dice1d50=35 (35)


    70~100 普通に愛してる。前回心配させてしまったので否定はせず求められてる分には応えたい

    100~ そばにいて、ずっと愛して欲しい


    莉波→麻央

    dice1d50

    補正+150


    150~175 あなたは私だけのもの。もう二度と離したりなんてしない

    176~ 死ぬなら心中したい

  • 35二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 06:16:59

    このレスは削除されています

  • 36一般通過弟25/04/18(金) 06:17:25

    dice1d50=6 (6)

  • 37二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 09:09:51

  • 38一般通過弟25/04/18(金) 09:59:38

    「そう言ってくれてうれしいよ。ありがとう、千奈ちゃん、手毬ちゃん」

    まぁこのまま千奈と二人きりで散歩してるだけでも悪くはなかったんだけど。でも、千奈が一緒でもいいって言うなら、いっか。

    「そういえば二人とも、この後の予定は? 」
    「えっと……特には考えていませんでしたわ。ただ私たちはお散歩するだけの予定でしたもの」
    「だったらさ、カフェにでも行かない? この近くに私がよく行くおすすめのところがあるんだ。そこだったらきっと、話しやすいと思うんだ」
    「いいですわね。私は行ってみたいですわ! 手毬さんは、どうでしょう」
    「うん、いいよ。千奈が行きたいって言うなら」
    「ふふ、それじゃあ決まりだね」

    そして私たちは、姫崎先輩おすすめのカフェに向かった。
    ……途中で話してたんだけど姫崎先輩は以前に有村先輩が死にかけたことがあって、それ以降同じようなことになるのが怖くて有村先輩と自分の腕に手錠をかけて生活しているらしい。有村先輩は特に縛りたいとかはないみたいだけど、その例の話で心配させてしまったから、という理由で手錠をつけることを自分から望んだ、って。

    「あ、着いたよ、ここ」
    「まぁ。綺麗ですわね」

  • 39一般通過弟25/04/18(金) 10:16:09

    「……」
    「……」

    お腹が空いていたので席に着いてすぐに、サンドイッチを頼んだ。そしてそれを食べてるんだけど……
    味が、しない。食感も味も匂いも、何もしないし何も感じない。
    いつからか千奈が作ってくれるもの以外全部、何も感じなくなった。味も匂いも食感も何もかも全部、千奈が作ってくれるもの以外わからない。これ、美味しいのかな。
    ふと前を見たら、姫崎先輩も無言で冷たい目をして、食べていた。もしかして……姫崎先輩も、味覚が?

    「もしかして、莉波お姉さまも味を感じないのですか? 」
    「……え、千奈ちゃんわかるの? 」
    「えっと……私がそうなので。私は、千奈が作ってくれるもの以外何も感じれなくて」
    「やっぱりか。莉波も手毬も食べているときの目がそっくりだとおもったけど……」
    「私は、手毬ちゃんとは違って完全に味覚がなくなっちゃった」

  • 40一般通過弟25/04/18(金) 11:08:11

    「麻央が作ってくれたご飯でも、ずっと大好きだったお寿司屋やうどんでも、味がしなくなっちゃったんだ。これも……」

    姫崎先輩の表情が、恨みや憎悪に染まる。

    「これも全部、広ちゃんと燐羽ちゃんのせい。全部全部全部全部、あの二人のせい。あの二人のせいで、私はっ!! 」
    「莉波、落ち着いて。……待たせたね、本題に移ろう。二人に、話さないといけないことがある」
    「話さないといけないこと? 」

    声を荒げる姫崎先輩を、そっと有村先輩がなだめる。
    ……私たちに、話さないといけないこと?

    「だいぶ前の話になるけど。二人は、もう美鈴にはあったかい? 」

    ……聞かれたくなかったこと。思い出したくなかったこと。頭に、またあの言葉が聞こえてくる。

    「もういいです」

    今でもたまに思い出してしまう。言葉にしがたいほど鋭く、凍てついたあの低い声を。
    あの時の気持ちがよみがえってくる。呼吸が、乱れる。うまくできない。

    「……大丈夫ですわ。手毬さん、落ち着いてくださいませ」
    「う、ん。ありがとう、千奈」
    「トラウマを掘り返してしまったようだね、すまない」
    「手毬ちゃん、大丈夫……? 」

  • 41二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 13:37:44

    ほしゅ

  • 42一般通過弟25/04/18(金) 17:57:32

    「……うん、落ち着いた。もう大丈夫。有村先輩、続けてください」
    「話を戻そう。美鈴があんな風になったのは」

    有村先輩は知ってるんだ、美鈴が何でああなったのか。そういえば……美鈴、ちょっと気になることを言ってたな。確か、

    「私が治り次第殺そうとするんでしょう? 」

    ──りんちゃんの、ように……

    「広と、燐羽が原因だ」
    「……篠澤さんと賀陽さんが……? 」
    「美鈴は、あの二人に階段から突き落とされて……それで、そのせいで重度の人間不信を患ってしまったみたいなんだ。……それから、ボクのこれも」
    「あっ、有村先輩!? そ、そんな破廉恥ですわ!! って……な、なんですの、これは」

    有村先輩がすっと服をめくって、お腹……いや、背中を見せる。その背中には、見るからに痛々しい刺傷があった。

    「この傷は莉波がこうなった事とも関連していてね。これは、燐羽に刺されて出来たものなんだ。おかげで半年近く眠りっぱになっちゃって……だから、莉波は今こんな風になってるんだ」

    ……え? 燐羽が? じゃ、じゃあ……この一年近く起こってる殺人事件や大きな騒ぎって……全部全部、広と燐羽の仕業……なの?

    「……では。星南お姉様を殺したのも、あさり先生を殺したのも、莉波お姉様を自殺未遂まで追い込んだのも、何もかも……全部、篠澤さんと賀陽さんの仕業なんですの……? 」

    じゃあ……あの時、リーリヤにあんな酷い脅しをしたのも全部広と燐羽が……? な、なんでそんな事……

    「……うん、そうだね。ぜんぶぜんぶぜーーーーーーんぶ、二人のせい。燐羽ちゃんも広ちゃんのせい。……絶対に、許さない」

    外を見ていた姫崎先輩が話し始める。……じゃあ前に美鈴と話を聞いた時は、もう既に脅されてたんだ。やっぱりあの時助けてって聞こえたのは間違いじゃなかったんだ。

  • 43一般通過弟25/04/18(金) 18:03:09

    「あ……ごめん、千奈。千奈以外のことばかり考えちゃって」

    「全然大丈夫ですわ。それから、私も、ごめんなさい。手毬さんがいるのに……篠澤さんを、初恋の人の事を考えてしまいましたわ」


    ……考えてる事は同じ、なんだね。


    「踏み込んだことをお聞きしますけれど。……お姉様は、おふたりを恨んでいますか? ……その、どうしたいのですか? 」


    もう何度も見た真っ黒な瞳で千奈が姫崎先輩に語り掛ける。それに、姫崎先輩も同じ目で、淡々と無感情で答える。


    「……恨んでるよ、かなり。きっとあれで麻央が死んでたら私も殺してたと思う。それで……どうしたい、だったよね」


    dice1d3=2 (2)


    1 自首させたい

    2 目的を知りたい

    3 殺したい

  • 44一般通過弟25/04/18(金) 18:12:25

    「目的を知りたい、かな。……なんであの時会長を殺して埋めて……それから続くように沢山傷つけたのか、それを知りたいかな。今は、それ以外は考えてない」
    「……私も、知りたい。燐羽は絶対にそんなことをするような人じゃなかった。……きっと、何かがあって歪んじゃったんだと思う」

    ……良かった、のかもしれない。まだ完璧に、完全に千奈に溺れてるわけじゃなかった。姫崎先輩の話を聞いて、知りたいって思えた。大丈夫、これからも千奈は死んでも離さないしきっとまたいつものように二人だけの生活に戻るんだ。

    「答えによっては……殺す、かな。さっきも言ったけど、私だいぶ恨んでるから」
    「今更だけど……二人は思ったより傷ついてないんだね」
    「……千奈がいるので。千奈が私を支えてくれる。千奈がそばにいて手を握ってくれる。だから、私はこうしていられるんです」
    「私も、手毬さんと同じ理由ですわ。手毬さんが、そばに居てくれる。ただそれだけで、幸せですもの」

  • 45二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:02:27

    莉波は🎲の影響で会長が自殺で、広燐羽が殺した訳では無いの知らないのよな

  • 46二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 19:18:28

    説得しても無駄だったろうけど、見て見ぬふりした時点で殺したに等しいからな

  • 47一般通過弟25/04/18(金) 20:15:25

    「そっか。……強いんだね、二人は」
    「ただそう見せてるだけかもしれませんわよ? 実際、私としてはだいぶ複雑な気持ちですもの。……まさか、初恋の人が全ての犯人だった、なんて」
    「私は……逃げてる、から。燐羽も、美鈴も、私を突き放した。だからそれを千奈で埋めてるだけ。強くなんて、無いですよ」

    美鈴と会ったあの日から、ずっとずっと、胸に穴が空いたような気分だった。空虚さを感じていた。一日ずつ、ぐんぐんぐんぐんと広がっていく。空虚さが大きくなっていく。

    ……逃げたかった。逃げるしかなかった。きっと、そうでもしないと私も直ぐに自分から死んでしまうから。だから、千奈に依存してしまった。こんなにも深く深く依存してしまった。ただ、穴を埋めたくて。
    空虚さを満たしたくて。

    「ボクはそんなに強くないからさ、羨ましいよ。……今でもずっと、胸が痛い。忘れられないし、信じられない、信じたくない」
    「私ね、有村先輩も十分に強いと思いますわ。……信じてた人に裏切られたら、殺されかけたら、そうなるのはきっと当然だと思いますもの。きっと、下手したら愛する人でさえ信じれなくなるかもしれませんわ。でも、お姉様を愛して……もう二度と心配させないようにこうして手錠までしてそばにいる。……それは、強いと思いますわ」

  • 48一般通過弟25/04/18(金) 20:27:31

    「……そっか。ありがとう、千奈」

    ……その後はまたいつも通りに戻って、味のしないパンにコーヒーにそれからデザートを食べて、解散した。

    「手毬、千奈。なるべく、気をつけて」
    「ありがとうございます、有村先輩」

    最後に、有村先輩は優しく笑いかけてくれた。ちょっとだけ……姫崎先輩の目が怖くなってたけど、まぁ大丈夫だとは思う。

  • 49一般通過弟25/04/18(金) 20:36:48

    「千奈……」

    それから、また倉本邸の千奈の部屋に戻ってきた。
    千奈に、全部話さないとな。私が千奈に逃げてること。千奈で、無理やり心の穴を埋めようとしていること。

    「ごめん」
    「……き、急にどうしましたの? 」
    「ずっと、言いたくても怖くて言えなかったけど……やっぱり言わないといけない気がする」
    「よくわかりませんけれど……私は、あなたに何を言われても嫌いになるなんてことはありませんわ。絶対、離したりしないって決めましたもの。……私、一度決めたらなかなか折れないんですのよ? 」
    「さっきも言ったけど。私は……ずっと、あなたに逃げてた。ただ、二人が消えた傷をあなたで埋めたかった。弱い自分から、目を逸らしていたかった」

    ……どうして、この子はこんなに優しいんだろう。こんな私を受け入れてくれるんだろう。

    「ずっとずっとずっとずっと、胸に穴が空いてるような感覚がして……苦しかった。そしてそこに、千奈がいた。千奈が彼女になった。……あなたしかいないと思った。あなたじゃないと、私のこの傷は、この穴は、埋められないと思った。……だから私は、純粋にあなたを愛すことが出来ていなかった。……本当に、ごめんなさい」
    「手毬さん。顔を、あげてくださいまし。……一人で、ずっと耐え続けてきたんですのね。誰よりも側にいて、でも何も気づけなくて、ごめんなさい。……彼女として、恥ずかしい限りですわ。それから……ありがとうございます」

  • 50二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 21:23:02

    なんだろう…間違いを犯してない分てまちなが健全に見えてくる
    サラダも、正当に裁いた後ならこうなったのかなぁ

  • 51一般通過弟25/04/18(金) 21:52:24

    「私に、話してくれて。私を、手毬さんの役に立たせてくれて。私、言ったでしょう? 何があっても離れませんわ、って。……純粋に愛されたい、だなんて思ってませんわ。それが、汚くても、歪んでいても……大好きなあなたから愛されている。その事実だけでも、罰が当たりそうなくらいに嬉しいですもの」

    千奈が、強く私を抱きしめる。私の胸に、自分の顔を埋めて。暖かいな。……いや、ちょっと冷たい。あれ、ちょっと服が濡れてる。もしかして、千奈……泣いてるの?

    あ、いや。違う。泣いているのは、私だ。

    「ち、な……」
    「私、約束してもいいですわ。何があっても手毬さんを愛し続けて、突き放さないって。もし、破るようなことがあれば……私の全てを、手毬さんに差し上げたって構いませんわ。この目も、この口も、耳も、鼻も、胸も、手も、足も……それから、命も」
    「なんで……そこまで、優しいの? なんでそこまで、千奈は……暖かいの? 」
    「簡単な理由ですわ。私が手毬さんに依存している。ただそれだけの理由です。それから、彼女として彼氏が苦しんでいるところを黙って見逃したくないですもの」
    「ねえ、千奈……泣かせて? 」
    「はい、わかりましたわ。……どうぞ、この胸をいくらでも濡らしてくださいまし。この胸は、あなただけのものですもの」

  • 52一般通過弟25/04/18(金) 22:12:54

    そっと千奈が手を離す。そして今度は私が千奈を強く抱き寄せて、その胸に顔を埋める。……もう、止まらない。涙が、どうしても。

    「千奈、大好きっ……ほんとに、ほんとに大好きっ……」
    「はい、私も大好きですわ。愛しておりますわ」
    「ずっと、ずっとずっと怖かった……千奈が純粋に私を愛してくれる度に、胸が痛かった! 何度も思った。私このままでいいのかなって。でも、千奈が離れたらって考えると怖くて怖くて、なかなか言い出せなくて……それで、ずっとずっと、逃げてるだけだった」

    千奈が、暖かい手で優しく頭を撫でてくれる。それはまるで、あの日見た夢の……お日様のような、ぽかぽかとした、心癒される暖かさだった。

    「そんなの、気にしないでいいですのに。私は、対等な愛を求めてる訳ではありませんもの。さっきも言いましたけれど、私が求めてるのは対等な愛ではなくてあなたからの愛ですから。例え、逃げてたって、心を埋めるための道具に過ぎなくたって、構いませんわ。だって……こうして、私を愛してくれてるじゃないですか」

    ……改めて思った。私には、あなたしかいないって。こんなに弱い私を見せたいって思えるのも、受け止めてくれるのも、その暖かさが嬉しいのも、全部全部千奈だけ。千奈が好き。その優しさが、暖かさが、元気が、笑顔が、所作が……その全てが、だいすき。

    「ありがとう、千奈。……これからもずっと、愛してる」
    「私もずっとずっといつまでも、愛していますわ」

    もう、何回目かも分からない千奈とのキス。でも、一回一回幸せが溢れて、頭がとろけてしまいそうになる。……大好き。愛してる。

    ……気づいた時にはもう、私の涙は止まっていて。窓に映った私は、とても幸せそうに笑っていた。

  • 53一般通過弟25/04/18(金) 22:13:57

    視点変更

    dice1d14=3 (3)

  • 54二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 22:19:10

    もうてまちなとことさきを書けってダイス神が言ってるなこれ

  • 55一般通過弟25/04/18(金) 22:29:46

    スレ主です、恐らく次りんひろのどちらかが来たら限りなく終わり近くになるか終わりまで持ってきます

  • 56一般通過弟25/04/18(金) 22:30:06

    裏を返せばりんひろ来ない限りエンドレスで続きます

  • 57二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 22:45:09

    頼んだダイス神!

  • 58二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 05:46:04

  • 59一般通過弟25/04/19(土) 09:41:00

    視点:ことね

    「ことね。明日って空いてるわよね」
    「おう、ちょうどライブ後でなかったはずだぞ~……どしたん? 」
    「その……デート、しましょう? 」

    あーもうなんなんだ!! なんでこんなに可愛いんだこいつぅ! そんな顔赤らめて上目遣いされたら断れないじゃん! 断るつもりないけど!!

    「……あたしが咲季の誘いを断るわけないじゃん。んで、どこ行きたい? 」
    「ひひっ、ありがとうことね! どこ行くかならもう決めてるわ、水族館よ!! 」
    「水族館な、りょーかい。んじゃ準備するわ」

    水族館か……久しぶりだなぁ。最後に行ったのっていつだっけ。確か、家族全員で行ったきりだから六年ぶりとかか。嬉しいな、咲季と行けるの。

  • 60一般通過弟25/04/19(土) 10:23:16

    「よし、準備オーケー。ことねちゃんいつでも行けるぞ~」
    「えっと……その、ことね」

    十分ほどして準備が終わり、さあ行こうとなった時。
    咲季がまた顔を赤らめて、恥ずかしそうにもじもじしだした。……あ、咲季がこうなる時って大抵あたしも死ぬやつだ。……何要求されんだろ、今度は

    「き、……キス、しましょう? したく、なっちゃったから」
    「……咲季。ずるすぎるっての」
    「むぐっ……」

    なーんでデート前にこんなこと言うんだこいつぅ……しかも多分これ今までで一番恥ずかしそうにしてるし! あれだけあっさり告白OKした癖に可愛すぎるだろ!!

    「ぷはっ……ちょ、ちょっと」

    あーだめだこれ止まれない……ほんっとあたしもダメだな、咲季の前だとすぐに理性が飛ぶんだから。

    「咲季が悪いんだからな……そんな可愛い表情で誘ってきて」
    「ここまでするとは思ってなかったもの」
    「でも、満足なんだろ? 」
    「……ええ、そうね。大満足よ。それじゃあ改めて出発しましょうか! 」

  • 61一般通過弟25/04/19(土) 10:53:27

    ……やばい。朝からドキドキしすぎて水族館来るまで話してたことなーんも覚えてない。ちょっとあたしってば……咲季の事好きすぎるでしょ

    「ことね、さっきからずっと顔赤いわよ? 」
    「……ずっと、咲季の事考えてたからな」
    「ことねって、私の事好きすぎるわよね」
    「な、なら咲季だってあたしのこと好きすぎるだろ! 」
    「ええそうよ、大好き」

    くっこの……普段凄い恥ずかしがり屋で照れ屋で可愛いのにあたしがそうなってる時ばっかり強気になってきやがってぇ!! そういうとこ大好きだよ!!!!

    「なんでそーいう事どストレートに言えるかな……恥ずかしくないの? あたし、咲季に何か言う時いつも恥ずかしいけど」
    「恥ずかしくなかったらさっきみたいな事になってないわよ……ばか」
    「んじゃ、お互い様だな。良かった良かった、あたしだけじゃなくて。……あ、咲季。あたしクラゲ見に行きたい」
    「いいわね。早速、行きましょうか」

  • 62一般通過弟25/04/19(土) 13:26:42

    「……綺麗だな、咲季」
    「ええ、そうね。……とっても、綺麗」

    綺麗な空色に輝いてぷかぷかと漂っているそれを、咲季と一緒に見つめる。……久しぶりに見たけど、部屋の明るさもあってやっぱクラゲって綺麗なんだよな。
    ……ていうか、クラゲに見惚れている咲季が可愛すぎる。

    「咲季は好きなの?クラゲとか」
    「幼い頃にね、佑芽と見たことがあるのよ。それがとても綺麗で……つい、思い出したの。ことねは? 」
    「あたしもそんな感じだよ。お父さんが、まだ家に居た時。水族館に連れて行ってくれてさ。ちびどもと一緒に、お月様みたいだとか、私もあんなふうに綺麗になりたいだとか話してた」
    「不思議ね。佑芽と見たあの時よりも、ずっと綺麗に見えるわ。まるで、宝石みたい。綺麗で、神秘的で……何よりも美しい。これはきっと、ことねがいてくれるからね」

    大好きな咲季がそばに居てくれるから、違って……より綺麗に見える。なんて、恋愛漫画かっての。なんて、前までなら思ってたろうな。

    「あたしも。咲季が、こうしてそばに居てくれるから……ちびどもと見た時よりもずっとずっと、百倍も千倍も綺麗に見える。きっと、一生忘れないだろうな。今日の、この輝きは」
    「……死んでも、忘れたりなんてしない。一これだけじゃないわ。あなたとの思い出は、どれもこれも全部覚えてる。どれだけ増えても、絶対に何ひとつとして埋もれたりなんてしないもの」
    「嬉しいこと言ってくれるじゃん。あたしも、ちゃんと全部覚えてるよ。……さ、次はどこ行こっか」
    「それじゃあ少しゆっくり回ってみないかしら」
    「そーするかぁ。……咲季、手を離すなよ」
    「当たり前じゃない。嫌と言っても離さないわ」
    「嫌なんて言うわけないだろ、このあたしが」

  • 63一般通過弟25/04/19(土) 14:48:56

    「あっ、午後からイルカショーがあるみたいね! 見に行きましょう! 」
    「はいよ、イルカショーね」

    咲季、だいぶテンション上がってるな。……色々見て回ってるけど、沢山驚いて、興奮して……なんだか、子供みたいで可愛い。咲季っていつもの頼れるイメージしかないから、尚更だな。

    「ことね、楽しい? 」
    「もちろん。咲季と一緒ならどこに行ったってつまらないことなんてないよ。冗談抜きでナ」
    「ふふっ、なら良かったわ。私も、沢山楽しんでいるわよ! ねぇ、ちょっとはしゃぎすぎちゃってないかしら? 私」
    「そんな言うほどはしゃいではないよ。むしろ今の咲季は、初めて来た子供みたいで可愛い」
    「……そう。ことねだって、我慢ばっかりしてなくてはしゃいでもいいのよ? 」
    「あたしはいいかな~、世界一可愛い咲季ちゃんの姿をしっかりこの目に焼きつけることに必死なんでぇ~」

    あたしも大概人のこと言えないけど、咲季ってすぐに顔に出るから分かりやすくて可愛いんだよなぁ。今も、ぷくっと頬を膨らませて照れてるし。……あーもうほんっと可愛いな。

  • 64一般通過弟25/04/19(土) 16:05:46

    あっという間にイルカショーの時間になり、あたし達は屋外のステージに来た。んだけど……

    「ねえ、ことね。これって、あなたの曲よね」
    「……そう、だな。『yellow big bang!』だな……」

    ショーで流れてる音楽が、まさかのあたしの曲だった。……もどかしいとか思ってたけど大事なんだな、変装って。きっとお忍びデートじゃなかったら今頃イルカショーどころの騒ぎじゃなくなってるだろうなぁ。自画自賛になるけど……最近割とあたし達の人気すごいしー?


    「それじゃあショーのお手伝いしてくれるお友達~? はーい! 」
    「ことね、行ってみてもいいかしら? 」
    「……ま、たまにはいいか」
    「ひひっ、ありがと! 」
    「じゃあそこの……赤髪のお姉さん! 」

    いやいやまさか……なんでピンポイントで咲季当てるんだよ!! もしやあのお姉さん、あたし達の事に気づいてるんじゃねーだろうな!?

    「行ってくるわ、ことね」
    「お名前を教えてください! 」
    「……いいかしらー!! 」
    「はぁ……好きにしろー!! 」
    「許可が降りたわ! 私は……花海咲季! 未来の、トップアイドルよ! 」

    まぁ案の定会場内は大騒ぎ。……もうこうなりゃやけだと思って許可したけど。あれこれ、あたしもバレるんじゃ!?

    「さ、咲季ちゃん!? ってことはそっちにいるお姉さんは……」
    「ど、ども~……藤田ことねちゃんでーっす」

    会場が、まるで油が注がれた火のようによりいっそうと盛り上がる。……いや、まぁ……そうなるよね。
    なんだかんだ言ってあたし達、名の知れたカップルアイドルだし。こういうとこ来る時は絶対咲季とあたしは一緒だし。

スレッドは4/20 02:05頃に落ちます

オススメ

レス投稿

1.アンカーはレス番号をクリックで自動入力できます。
2.誹謗中傷・暴言・煽り・スレッドと無関係な投稿は削除・規制対象です。
 他サイト・特定個人への中傷・暴言は禁止です。
※規約違反は各レスの『報告』からお知らせください。削除依頼は『お問い合わせ』からお願いします。
3.二次創作画像は、作者本人でない場合は必ずURLで貼ってください。サムネとリンク先が表示されます。
4.巻き添え規制を受けている方や荒らしを反省した方はお問い合わせから連絡をください。