- 1スレヌシ25/04/20(日) 21:24:34
- 2二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 21:29:53
前々から思ってた
バリアシオンとかムーンシャイニィとかACの機体名みたいだなって - 3スレヌシ25/04/20(日) 22:04:32
「私を、H.I.Fに出すってこと? ……dice1d3 」
1. 任せてよ。必ず撃墜王《プリマステラ》になってみせますから
2. まだ、時期尚早なんじゃ……
3. 無理です。出たく、ありません
- 4スレヌシ25/04/20(日) 22:05:02
ダイスミス
dice1d3=2 (2)
- 5スレヌシ25/04/20(日) 22:20:40
H.I.F───Hatsuboshi IRONDOLL FESTIVAL。
それは年に一度、初星学園アイドル科にて行われる、巨大ロボット、アイアンドールを用いた決闘祭である
かつてアイアンドールは作業用に開発された搭乗式人型機械であったが、当初の設計理念は失われて久しく、今日ではもっぱらアイドルたちの華麗かつ苛烈な決闘向けに生産されることがあほとんどとなっている。
今、若い二人組……初星学園高等部アイドル科一年一組所属生徒、月村手毬と、そのプロデューサーが立ち入った場所もまた、そんなアイアンドールの内の一つを格納する、格納庫の一角であった。
学P「月村さんにしては珍しく、自信がないようですね」
手毬「あ、あたりまえです! 中等部では、その、ほとんどアイアンドールに乗らないし……」
学P「その少ない機会に乗ったときには、突っ込んでくる相手に怯んで一方的に叩きのめされたとか」
手毬「なっ……!? ……なんで、知ってるんすか」
学P「担当のことですから、調べておいて当然です。アイアンドールに怯んだ、というのも気にすることではないと思います。体験してみたことはありますが、あれは確かに怖い」
手毬「プロデューサー……!」
学P「───とはいえ、そのままでいい、という話でもありません。アイアンドールはアイドルの嗜み。トップアイドルになるのならば、アイアンドールへの苦手意識は克服してもらわなくていけませんから」
手毬「う゛っ……それは……そうかもしれないけれど……」
学P「そこで、月村さんにはH.I.Fに出場し、勝ってもらいます」
手毬「どこでそうなったんですか!?」 - 6スレヌシ25/04/20(日) 22:25:25
訂正 ×勝って 〇戦って
学P「dice1d2=1 (1) 」
1. 経験を積みましょう。いままで経験することから逃げていた分
2. 勝って自信をつけましょう。月村さんなら、勝てますから
- 7スレヌシ25/04/20(日) 22:39:26
学P「経験を積みましょう。いままで経験することから逃げていた分。そして、経験するのなら、とびきりレベルの高い舞台を味わう方が、きっと得るものも多い」
手毬「でも、いきなりすぎる……!」
学P「もちろん、準備期間は設けます。それに、俺はいきなりすぎるとは思っていません」
手毬「えっ?」
学P「シミュレーターの使用履歴にも、目は通しています。実機の訓練は避けていましたが、シミュレーターでの自主訓練は欠かしていない」
手毬「それは、だって……苦手なままは、いやだったし」
学P「だから、大丈夫です。H.I.Fが初陣だろうと勝ちますよ、月村手毬は」
手毬「……プロデューサー」
学P「もちろん、月村さんの努力に胡坐をかく気もありません。できる限りの支援はさせてもらいます。その一環がこの機体です」 - 8スレヌシ25/04/20(日) 23:00:11
二人の見上げる先には、照明に照らされた18mほどの人型が佇んでいた。
深い───夜空のように深い青に彩られた、新品のアイアンドール。
鋭い印象の相貌はどこか狼のようにも見えた。
学P「月村手毬専用アイアンドール、《ディアナディーヴァ》。俺と、この機体を信じて、H.I.Fに参加してください」
手毬「……わかったよ、プロデューサー」
手毬「自信は……今でもありません。けれど、出るよ。出るし……出たからには、勝つから」
学P「期待しています」 - 9スレヌシ25/04/20(日) 23:06:33
~一月後~
学P「ついにH.I.Fですね。月村さん、コンディションはいかがですか?」
手毬「dice1d3=1 (1) 」
1. 最高です
2. 普通です
3. 不安です……
- 10スレヌシ25/04/20(日) 23:11:16
手毬「最高ですよ、プロデューサー。これなら……勝てる!」
学P(すごい自信だ。これは……dice1d3=2 (2) )
1. 本当にとても調子がいいな
2. 気合は十分だが、普段とそこまで変わらない気がする
3. 疲れて変なテンションになってる……!
- 11スレヌシ25/04/20(日) 23:12:37
- 12スレヌシ25/04/20(日) 23:24:09
手毬「見ててください、プロデューサー!」
学P(月村さんの気合は十分だ。その分のポテンシャルを発揮できるかもしれない)
学P「はい。月村さんが勝つところ、楽しみにしています」
手毬「───月村手毬、ディアナディーヴァ、いきます!」 - 13スレヌシ25/04/20(日) 23:47:46
ことね「来たな手毬───!」
手毬「───ことね!」
向かい合わせのカタパルトから射出された機体と機体が、互いに互いを視認する。
ディアナディーヴァに相対するは、日輪を象ったような円形の装備を背負った黄金の機体。
本来なら、射撃戦に入る間合い。しかし、正対したまま両機は一切のスピードを緩めず、真正面から激突した。
手毬「舐めてるね……! この機体に正面から格闘戦なんて……!」
ことね「舐めてねーし! あたしのミダスハートは、伊達じゃない!」
戦闘力
ディアナディーヴァ dice1d100=24 (24) テンション補正+10
ミダスハート dice1d100=44 (44)
- 14スレヌシ25/04/20(日) 23:57:40
ミダスハートの背部ユニットが展開すると同時に、機体の接触個所からスパークが爆ぜる
手毬「電撃!? 機体の、パワーが……!」
ことね「単純な性能はそっちに負けるけどさ、こういう搦手ができちゃったり?」
手毬「くっ!」
とっさにディーヴァでミダスハートを蹴り飛ばし、手毬は距離を取った。
機体の各所には電撃でのダメージが入ってしまい、しばらくは性能が戻らない。
手毬(ちょ、調子に乗りすぎちゃった……! プロデューサーが用意してくれたこの機体、なにやってもすごく強いから……! こ、このまま押されたらまずい……!)
ディアナディーヴァdice1d100=51 (51)
ミダスハートdice1d100=4 (4)
- 15二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 00:20:39
手毬「こ───のぉ!」
ことね「げぇっ!? まっず……っ!」
ディアナディーヴァがライフルを構える。同時に背部のキャノン砲が展開し、ミダスハートを照準した。
手毬「食・ら・え───!」
ことね「ぎゃーーーっ!」
放たれる粒子線の光に、為す術なく飲み込まれるミダスハート。接近してたのが仇となり、マトモに回避行動も取れなかったのだ。
ことね「きっつう……!」
手毬「まだ堕ちない……!」
手毬(でも、優勢!)
ディアナディーヴァdice1d100=84 (84)
ミダスハートdice1d100=22 (22)
- 16二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 00:48:36
ことね「まだ……! もう一度、ミダスの電撃で!」
手毬「当たらない……っ!」
ミダスハートは急加速をかけ、不規則な軌跡を描きながらディアナディーヴァに突っ込んでくる。
それを迎撃するように幾度もディアナディーヴァは引き金を引くが、黄金の機影を捉えられない。
ことね「もらったぁ!」
手毬「───そこ!」
ついにミダスハートの手が届くその刹那───ディアナディーヴァは粒子線の剣を抜刀し、返す刀でミダスハートを切り裂いた。
ことね「うっそぉお!?」
手毬「……ことねなら、射撃全部避けて突っ込んでくるって思ったよ」
ことね「誘導された……!? くっ……やっぱり、舐めてたのはあたしの方かよぉ!」
ことね「くっそぉ」 - 17二次元好きの匿名さん25/04/21(月) 00:53:31
ことね「次は、あたしが───!」
手毬「うん。次も、私が勝つ……!」
ちゅどーん!と爆煙を上げながら墜落するミダスハートを見下ろしながら、ほっと手毬は息を吐いた。
僅かに、ミダスの手は機体に届いていた。電撃は機体にかなりのダメージを与えている。2回戦までにも尾を引くだろう。
……あと一歩踏み込まれていたら、墜ちていたのは自分の方だったかもしれない。
手毬(けれど……)
手毬「勝ったよ、プロデューサー……!」
月村手毬、H.I.F 1回戦突破