【SS】回歴する紫風信子 chapter1-2

  • 1スレ主25/04/22(火) 18:53:03

    もなき神々の王女が覚醒した世界線。そこで戦ってきたミドリが本編世界(本編開始前)に転移して、世界を救うために戦う話。

    chapter1-2 stage start


    SSスレではあるけど、概念投下とかもしてくれるとくっそ喜びます
    (前スレは落ちました。けど、まだ書きたい話しかないので書きます。お付き合いいただけると嬉しいです。)

  • 2スレ主25/04/22(火) 18:55:18
  • 3二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 18:56:30

    続き楽しみ

  • 4二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 18:59:37

    保守忘れてすまない……

  • 5スレ主25/04/22(火) 19:16:55

    あらすじ1
    パヴァーヌ2章、要塞都市で名もなき神々の王女が覚醒してしまった世界線。才羽ミドリは姉のモモイ、特異現象捜査部部長のヒマリと共に神々の王女と化したかつての仲間、アリスと戦い続けてきた。が、抵抗虚しく、母校は王女を構成するパーツとなり、大切な仲間すら無残に散っていった。それでも、希望のため、かつての日常のため、ミドリ達は戦った。
    キヴォトス中に魔王の手が蝕んできたころ、ヒマリの指示でミドリ達はトリニティ跡地へと向かい、対抗手段である『ヒエロニムス』を手にして王女と最後の戦いを繰り広げた。
    ヒエロニムスの力により善戦はしたものの、王女の主砲がヒエロニムス、ミドリを庇ったモモイを貫き、敗北。
    モモイが死に際に遺した祈り、願い。この世界の無念の思い。それが奇跡を起こしたのか、倒れたはずのヒエロニムスがミドリを転移をさせた

  • 6スレ主25/04/22(火) 19:26:02

    あらすじ2
    エデン条約を前に、通功の古聖堂に下見に来ていたミカは、壁に倒れている少女を発見する。その少女こそが転移してきたミドリであった。
    ミドリはミカの対応によって一命を取り留める。帰る場所がないことから、ミカの提案により、彼女の家に住ませてもらう事になったミドリは、桃園ムスカリという偽名を使い、トリニティへと編入しようたする。その途中、ナギサに疑いを向けられるがセイアの手助けによって何とか編入に成功し、新しい生活を送り始めるのだった

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:35:10

    マモレナカッタ…

  • 8スレ主25/04/22(火) 20:51:36

    登場人物

    才羽ミドリ(回歴)
    (偽名:桃園ムスカリ)
    トリニティでミカと共に生活している少女
    名もなき神々の王女との戦いの末、本編世界に転移してきた。本人は過去だと思っている(あながち間違いではないが)
    仲間を失い、学校を失い、姉を失い、絶望を味わっているが転移してきた世界で出会ったミカ、世界をやり直せるかもしれないという希望を拠り所に生きている。メンタルは何度も壊れかけたからか、逆に強くなっている。
    転移後、ミカと出会い、彼女の家に住まわせてもらっている。
    武器はミカが修理したユズの遺品
    素性を隠しながら、かつて掴めなかった希望のために戦い続けている

    聖園ミカ
    ティーパーティーパテル派のトップ
    古聖堂で倒れているミドリを見つけ、それ以降彼女を気にかけている。素性、過去を話せない上、家すらない彼女を放っておけず、ミドリを自分の家に迎えて、一緒に生活を始めた
    ミドリはトリニティと関係がなく、立場も気にしなくていいため、彼女と関わるときのミカはすごく楽しそうである。
    ミドリを編入させようと提案した人。そのせいでナギサとは対立している

    桐藤ナギサ
    ティーパーティーフィリウス派トップ。
    エデン条約が迫ってきているのもあって、精神的に余裕がない。そのせいで、編入希望のミドリを疑い、編入処理を破棄しようとした。ミカとは子の件で対立している

    百合子セイア
    ティーパーティーのホスト
    ミカとナギサの対立を抑えて、ミドリの編入を許可した。予知夢で、ミドリがトリニティのために戦う姿を見た。具体的な内容こそ分からないがミドリが世の理を超えていることに気づいている。

  • 9スレ主25/04/22(火) 21:15:15

    Tips:才羽モモイ(回歴世界)
    才羽ミドリの双子の姉であり、ゲーム開発部のムードメーカー…だった存在。本編世界よりはリアリストになっている。しかし、それはアリスを救いたいという思いとは別で、アリスが王女として覚醒して以降は、何とかして彼女を元のアリスに戻そうと奮闘してきた。そのせいか、王女への直接攻撃では引き金を引くのが遅れてしまう。
    仲間を、妹を失わないために鍛え続けてきたからか、回避・迎撃限定ではあるが、ネルにすら届く戦闘力を持っている。
    度重なる王女との戦闘で、下半身に重傷を負い、最終戦でミドリを庇い絶命した

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:17:36

    おわぁ…
    というか足負傷してる状態でやってたんか…

  • 11スレ主25/04/22(火) 23:41:34

    扉を開くとミカさんが待っていた。
    いつの間にか茜色に染まった空を見て、ミカさんは私を手招きする。

    「こっちだよ。」

    招かれた方向へとあるいて、ミカさんの見ている方向を見る

    「…綺麗」

    暁のひと時。夕焼けがトリニティの建物を照らし、影を作り出す。暖かい日の光が街を包みこんでいた

    「ね、綺麗でしょ。ここからはトリニティの中央部を一望できるんだ。せっかく来たんだから見せれて良かった」

    そういうとミカさんはにこっと笑う。その横顔は幸せに満ちていた
    生徒達が笑い合いながら寮へと帰っていく幸せな光景。何気ないけど大切な日常。そんな景色に私も見とれていた。

    日が落ちきるとミカさんは帰る準備を始めた。
    私は、さっきの光景の余韻を噛み締めて夜景を眺める。

    「ムスカリちゃん。そろそろ帰るよ」
     
    ミカさんが私を呼ぶ

    名残惜しさを感じつつも、ミカさんと共に屋敷へと帰っていった。

  • 12二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 07:02:05

    この様子だとまだミカはアリウスと接触してないのかな?

  • 13スレ主25/04/23(水) 07:07:35

    屋敷に帰り、ミカさんと共に夕食を食べ、一通り家事を終わらせてから、自室へと戻る

    今日買った物を棚に整理して、銃を整備する。
    そろそろ寝ようか、と考えつつ机の上にある物も整理していく。
    机上に置いてあったノートに目が止まる

    …最近、日記書いてなかったな

    こちらに来るまで、私はあれを止めるための情報整理として日記を記していた。元々はヒマリ先輩の日課だったのを私もまねしていたら、いつの間にか私の日課になっていた

    こっちに来てからは色々あったから書いてなかったなと思い、ノートを開き、ペンを走らせる

  • 14スレ主25/04/23(水) 07:14:08

    >>12

    アリウスとは接触しているけど、セイアが襲撃されてないからまだメンタルが安定してます

  • 15才羽ミドリ25/04/23(水) 07:34:32

    1日目
    こっちの世界での生活と未来の事を忘れないように、今日から日記を記すことにした

    午前中はミカさんと買い物をして編入準備をしてた。新品の慣れない制服も、少し系統の違う教材もこれから私が向き合っていく未来だ。がんばろう。

    午後はティーパーティーのテラスに挨拶に行ったナギサさんの反対やセイアさんの仲介など、紆余曲折を経て、今日から正式にトリニティの生徒となった。嬉しい反面、正直寂しいかな。けど、ミカさん達が支えてくれているし悪い事ではない。

    さて、あの絶望的な未来を変えるためにこれから起きることを整理しておこう
    確か今日の日付的にあと3週間後には、連邦生徒会長が失踪する。何かしらの形でコンタクトを取れると良いが、ミカさんやセイアさんはともかく、今の私の立場では代行になる七神リンに会えるかすら怪しいだろう。うーん私ももう少し立場があればなぁ。
    そして1ヶ月後、こっちの私達が『廃墟』へと向かう。未来を変えるなら、こっちに干渉するのが妥当かな。…やり方はまた考えよう。どの方法でもリスクが大きい。

    ここが一番未来を変えやすい地点だろうけど、アリスちゃんに出会わないと、廃部になってユズちゃんの変える場所がなくなるし…。

    残りの期間でできるだけ全員が幸せになれるよう考えてみよう

  • 16二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 13:36:11

    あちゃあ、もうアリウスと接触済みか

  • 17才羽ミドリ25/04/23(水) 18:23:04

    目の前に狭くも暖かい空間が広がる
    カーテンから漏れる光が部屋をうっすらと照らし、私の視界に入ったモニターを引き立てる。
    モニターの画面がつき、軽快な音楽と共にドット絵が画面を覆う。ふと、周りに意識を向けるとそこには3人の少女が、ワイワイとゲームを遊んでいる様子が朧気に見える。

    何回目だろうか。最近はこの夢をよく見る。

    …夢、なんだよね。

    夢であることを認識してしまったからだろう。私はどうしようもない寂しさを覚える

    「お姉ちゃん…。そろそろ返事してくれない…?」

    見ている夢幻に届く事もない言葉を話しかける

    夢であるせいだろう。…お姉ちゃんの顔がはっきりと見えない。

    だけど、気のせいかもだけどお姉ちゃんは何処か悲しそうな顔をしているように見えた

    お姉ちゃんは指を指して部室にあるソフトを示す。そこにあったのは、私達の大切な仲間達がタイトルとなったソフトであった。

    「これをやれってこと?」

    返事はない。頷いてるように見える。
    少し不気味さをかんじながらも、ゲーム機に『調月リオ』と書かれたゲームカードを差し込む。

    部屋が折りたたまれ、目の前に移る景色が大きく変わる。

    要塞都市エリドゥ。私達の歯車が乱れた場所。
    在りし日のその都市の光がお姉ちゃんの幻と私を照らす。

  • 18才羽ミドリ25/04/23(水) 18:23:57

    …あれは、ネル先輩だろうか。トキさんを追い詰めて、エレベーターの中に閉じこめてる様子が見える。ネル先輩がトキさんを倒した時の光景。直接はみていなかったけど、こういう感じだったのか。

    場面がまた移り変わる。

    リオ会長がアリスちゃんの破壊をしようとしていた部屋

    『………現時刻を持って、ATLAHASISを起動』

    アリスちゃんの声で、無慈悲かつ。終局の宣言がされる。

    『王女は鍵を手に入れ、方舟は用意された。無名の司祭の要請により、ここに新たなサンクトゥムを建設します。』

    あの時の絶望が蘇る。何が起きるかは分かっていなかったけど、大切な物が全て崩れる予感。全てを経験した今だからこそ、その感覚の本質が分かってしまう。

    周りを見渡すと、昔の私達が慌て怯える様子。
    リオ会長が後悔する様子が見えた。

    『…私の持つ全てを持って、ミレニアムの力を結集させ、この現象に備えてきた。…でもその選択が終焉を招くなんて。』

    苦虫をかみ潰すような顔でリオ会長がそう呟く
    あの時は分からなかったけど、リオ会長の顔は絶望に満ちていた。

  • 19才羽ミドリ25/04/23(水) 18:25:29

    でも、すぐに切り替えて覚悟を決める

    『リソース収集23%…………37%………』

    『私のせいよ。だからこそ、決断に迫られている。先生、あなたは皆を連れて避難して頂戴。』
    『“…リオはどうするの?”』
    『私が招いてしまった話。私一人の犠牲ですむなら私は、命を懸けてアリス。いえ、〈key〉のデータ、及び個体を破壊するわ。』

    そういうとリオ会長はAMASを呼び出し、その一つに乗り込む。

    『……47%…………59%………』

    その様子を見ていた先生がリオ会長に話しかける

    『“リオ。前にトロッコ問題について話した事があったね。”』
    『え、ええ。』
    『“リオは大勢を救うために少数を犠牲にしたけど…、私はもっと他に大事な観点があったと思っているよ。例えば、手を差し伸べてくれる人はいなかったのか…とかね”』
    『そう…ね。確かに、変数の多いこの世界ではそのような考えもあるかもしれない。』

    『…71%…87%』

    だったら、と先生はリオ会長に手を伸ばす
    リオ会長も考えるが、首を振る

    『…ごめんなさい先生。そうするには少し遅すぎたみたいね。その思考に至るのが早ければ、もっと違う未来もあったかもしれない。けど、今の危機を止めるのが、ミレニアムの会長である私の責任よ。…ミレニアムの皆をよろしく頼むわ、先生。』

  • 20才羽ミドリ25/04/23(水) 18:25:53

    『……99%…』

    そういうとリオ会長はAMASを走らせ、アリスに向かって突撃し、ビル二つ分ほど突き飛ばす。
    それをドローンを使って追いかける。

    『アヴァンギャルド君MK.0!』

    そう叫ぶとエリドゥの地面が割れ、アヴァンギャルド君が出てくる。どうやら、あの時戦った個体のデモ機のようだ。…こんなのも作っていたんだ。そう感心するのもつかの間

    『飽和攻撃開始!!』

    リオ会長の号令と共に、AMAS、アヴァンギャルド君がエネルギー砲を打ち出す

    それがアリスを直撃する。

    …本来であれば。
     
    『…100%。物質の分解、再構築を開始します』

    アリス。いや、名もなき神々の王女がそう宣言した。

  • 21スレ主25/04/23(水) 19:50:13

    地が鳴動し、建ち並んでいるビルは粒子となっていく。

    ふと背後を振り返ると過去の私達が先生と共に退避している様子が目に映る。…
    崩れゆく都市の中でリオ会長は王女に向き直る。 
    彼女が乗っていた以外のAMASすら分解されていきながらも、抵抗を続ける

    先ほど当てたはずの飽和攻撃すら、アビ・エシュフの性能のオリジナルである未来演算により避けられてしまう。
    王女は歪な形の建造物を背後に作り出し、リオ会長に向けて攻撃を始めた

    「っ!会長!」

    夢だと分かっていながらも私は思わず駆け出し、手を伸ばすも、その手が届くことはなかった。

    リオ会長を王女の電磁砲が貫く

    それと共にこの景色が崩れだす。意識を失う直前に見たのは、砕け散るリオ会長のヘイローだった。

  • 22二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 20:00:57

    ミドリが主役なのあんま見たことないから嬉しい 見守らねば

  • 23スレ主25/04/23(水) 20:43:42

    Tips:調月リオ(回歴世界)
    ミレニアムの生徒会長。アリスの正体が名もなき神々の王女であることを見抜き、要塞都市エリドゥでアリスを破壊しようとした
    本編との違いは殆どないが、〈key〉の起動により、自身のやり方の間違いには気づいたものの、ミレニアムを背負う物である責任、結果として自ら災厄を強化してしまうという事実から、王女として目覚める前に破壊することを決意。
    試作機であったアヴァンギャルド君MK.0、大量のAMASを使いアリスを破壊しようとするが、ほんの一瞬間に合わなかった
    結果、自身の作った都市は王女の手足となり、王女の攻撃に貫かれて絶命。
    だが、彼女が生前遺していた名もなき神々、失われし神々の技術の情報は後の戦いで重宝された

  • 24二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 05:30:25

    ミドリがトリニティとどう絡んでいくか楽しみ

  • 25スレ主25/04/24(木) 07:42:02

    4:55分
    目が醒める。冷や汗をかいていたみたいだ

    最悪な寝起きだなぁ。…リオ会長の最後。私は避難している最中だったから見てなかったけども、いざ視てしまうと、その残酷さに吐き気が止まらなくなる。
    こっちに来てからその光景と縁がなかったのもそうなった原因だろう
    ヘイローが砕け散るのを見ることは多々あったけど、慣れることはないし、絶対に慣れたくない。

    「もう、こんな光景は絶対に見たくないよ」

    そう、口をこぼしていた。

    私の心は強くない。お姉ちゃんみたいに明るく周りを引っ張ることはできないし、会長やヒマリ先輩みたいに、すぐに切り替えて行動することもできない。だから、弱みがすぐに零れてしまう。…そんなことをしても誰かが助けてくれる訳でもないのにね。

    それでも、私は私にもできることをしよう。

    決意を抱いて、気持ち悪さと戦いつつ、日記帳とは違うノートに夢の概要や、王女の戦い方を書き記していく。

    「…これでいいかな。」

    思いだしながら書いていたせいで、吐き気がより酷くなる。
    精神を落ち着かせるために、いつものルーティンである銃の整備を始める。今日は、見た夢が意識から消えるように、念入りに念入りに集中して整備していく

    そのおかげか、整備が終わる頃には吐き気はおさまってきた。

    私は時計を見て、時間を確認する。5:30。そろそろ他の事もしようかな。

    グレネードランチャーを立て掛け、制服に着替える。

    髪を整えて、キッチンへと向かい朝食を作ってミカさんが起きるのを待つ。

  • 26二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 17:33:02

    待機

  • 27スレ主25/04/24(木) 19:34:09

    二十分ほど待ったかな?ミカさんが入ってきて、一緒に食事をする。

    「今日もありがとね。来てから家事をしてくれてて。…なんか逆に申し訳ない気が」

    ふとミカさんがそう言う。

    …私としては恩返しのつもりだから別に気にしないで欲しいんだけどなぁ

    だから、ミカさんに私は微笑んで答える。

    「いえ。泊めて頂いてる訳ですから、これくらいやらせてください。」

    「…じゃあお願いしちゃおうかな?」

    少し考えた後、ミカさんからはそう返事が返ってきた。

    私は頷いて、それに応える。
    その後は、特に変哲もない食事が続いた。ミカさんと会話をしながら、食事と紅茶を味わう新しい幸せなルーティン。

    2人とも食事を終えると、私は食器を洗い食器棚へとしまっていく。

    「ねえ、ミドリちゃん。どこからいくつもりなの?」

    暇になったのかミカさんは私に話してくる。

    …えっと。今日の予定は

    頭を巡らせ、記憶を蘇らせる

  • 28スレ主25/04/24(木) 19:36:00

    ーー昨日の夕食後ーー
    「ミドリちゃん。トリニティでは部活とかどうするの?」

    唐突にミカさんが話しかけてくる

    「…なんにも考えてなかったです。」
    「え~。まあ、そうだよね。考える余裕なんてなかっただろうし」

    うーん。とミカさんが唸ってる

    「あっ!じゃあこんなのはどう?明日色んな所を見てみようよ!」
    「あ、明日ですか!?」

    急な提案にびっくりしながらも、ミカさんはそんなことはお構いなしにスマホの画面を見せてくる。

    「ほら、色々部活があるし、見ておこうよ!」

    部活の一覧の画面を見せてミカさんはそう言う

    「そうですね。じゃあ、明日準備しておきます。」
    「オッケー!じゃ、こっちも話は通しておくから!」

    ミカさんは各組織へモモトークを送っているらしい。じゃあ、わたしも今のうちに確認しておこうかな。

    ミカさんがみせてくれた画面を見るため、トリニティのホームページを開いて見てみる

    ティーパーティー…正義実現委員会…救護騎士団…シスターフッド…

    放課後スイーツ部みたいな部活もあるものの、比較的公的な組織が多いみたい。やっぱり校風の違いかな。ミレニアムはそういう組織はセミナーやC&C みたいにあったけど、大体は好き勝手に浪漫を求める部活だったから。
    斬新さを感じながら、連絡を送り終わっただろうミカさんにあることを聞いてみる

  • 29スレ主25/04/24(木) 20:41:35

    「ちなみに、ミカさんはおすすめってあるんですか?」

    ミカさんはじっくりと考える

    「私としてはティーパーティーに来て欲しいけど…、派閥だとか新参者がとか厄介だろうしなぁ。他の部活もなんかあまりイメージがつかないんだよね。ミドリちゃんはなんというか、かっちりとした枠組みで動くより、好きに物を求めて動くように見えるというか…」

    まあ、確かに。

    ミカさんは定期的にクリティカルな推測をするよね…。その通りで、こういう公的な物はどちらかといえば乱してた側だから…。

    「だからこそ、色々見て決めて欲しいな」

    ミカさんはそう言うと、私に明日までに決めといてねと軽く伝えて、自分の部屋へと向かう

    「それじゃミドリちゃん。おやすみ!」
    ーーーー
    思いだした私はちょっぴり考えて、ミカさんに伝える

    「じゃあ。まずは救護騎士団にいきます。」
    「救護騎士団?じゃあ、ここの病院。きっと1人はいるだろうから。」

    ミカさんは地図を示して伝えると、救護騎士団団長の青森ミネへと連絡をする
    ミカさんはティーパーティーの仕事でがあるらしく今日は私1人で動くらしい。
    私は準備をして、ミカさんに言われた病院へと向かった。

  • 30スレ主25/04/24(木) 21:22:33

    Tips:才羽ミドリ(回歴) 2
    年齢:16才
    身長:146cm  
    本編よりも1年長く生きてきた分、身長が伸びている。実はネルと同じ身長になった。

    容姿:ゲーム開発部時代から変わりロングヘアになっている。
    制服:一般的なトリニティの制服

    ネコ耳のヘッドホンとネコのしっぽのアクセサリーは壊れてしまい、今はつけていない。転移時は壊れているものをつけていたが、心機一転のために外した。

  • 31二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 05:30:00

    保守

  • 32二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 14:42:58

    面白い

  • 33二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 15:13:48

    救護騎士団が拠点としている病院、その一室へと入る。

    「お久しぶりです。ムスカリさん」
    「ミネさん。お久しぶりです。病院ではありがとうございました」

    待たせていたらしい。ミネさんが私を出迎えてくれた。

    「あれ以降体の方に不調はありませんか?…といってもその様子を見るに大丈夫そうですね。」

    ミネさんは私を軽く観察してそういう。
    ミネさんには入院中、治療にリハビリにと、色々とお世話になっていて、そのおかげでこんなに速く動けるようになった。
    当時気絶していたから私自身には自覚はないけど、ミカさん曰く、こっちにきたばかりの私を治療してくれたのはミネさんらしい。そういう意味でも、命の恩人だ。

    私は改めてお礼を告げて、ミネさんの向かい側に座る。

    ミネさんは少し照れくさそうにしつつも、キリッとした表情で私に応える

    「いえ。救護を必要とする方に救護を届けるのが、私達救護騎士団の仕事ですから。」

    流石だなぁ。自分の活動への信念と誇りを感じる。彼女の治療の精度がとても高いのも、この信念に起因するのだろう。

    そんなことを考えつつも、経過報告も兼ねて軽く現状についても報告をする。

    「…というわけで、トリニティへの編入が決まりました。これから、よろしくお願いします」

    「おめでとうございます。…なるほど、ミカさんから急に連絡が来たと思ったらそういう事だったのですね。であれば、今は所属する派閥や部活を決めている所ですね。」

    ミカさんから上手く伝わっていなかった所もあったようだが、ミネさんは今の会話で大体理解したようで、準備を始める。

    準備中ふと疑問に思ったのか、私にあることを尋ねてくる。

  • 34二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:53:14

    >>30

    AIイラスト作ってみた

    ネコ耳イヤホンは外せなかったけど、こんな感じかな?

  • 35二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:54:37

    >>34

    差分

    さっきの方は服がミカっぽいかも

  • 36二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:09:27

    「ミカさんの元で生活をしていましたよね?」
    「…?はい」

    私は質問の意図を汲めず、疑問が声に出ながら返事をしてしまった。
    それを察したのか、ミネさんは質問に説明を加える。

    「私はてっきりパテル派になじみが深い部活に入るのかと。ミカさんはパテル派のトップですので。」

    なるほど。派閥争いが強いというのは私の想像以上みたいだね。

    「いえ、ミカさんは色々見るようにと。」
    「…なるほど、確かに比較的寛容な方ですからね。最近はエデン条約以外にも和平に取り組もうとしているという噂も聞きますし」

    そう言うと、納得したようで私に活動で使う器具を渡してくる

    「救護騎士団の活動の見学という形にはなりますが、少しの間よろしくお願いしますね。」

    そうして私の体験入部一回目が始まった

  • 37二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 06:24:02

    保守します!

  • 38二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 14:43:03

    待機

  • 39二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 19:18:00

    活動が始まり、私達は騒動の起きた地域へと足を運ぶ。抗争があったようで、数人の軽症者と1人の重症者がいた。ミネさんが重症者の治療を行うそばで、軽症者の処置を行う。これくらいであれば、前の戦いの経験と知識のおかげでスムーズにできる。効率よく治療し、重症者をミネさんが搬送している間に、軽症者の手当が終わる。

    「軽症者への対処は済みましたよ。」
    「ご協力感謝します。一先ず、この辺りの要救助者は対処できたようですね。」

    辺りを見回して、怪我人が取り残されていないか確認して、次の目的地へと向かいだす

    「手際がいいのですね。助かりましたよ、ムスカリさん。」

    移動しながらの会話でミネさんはそう、私に言う

    「ありがとうございます、ミネさん。…昔の経験がちょっぴり役に立って良かったです」
    「医療経験があるのですか?」
    興味を持ったのか、ミネさんは尋ねてきた

    「ちょっとだけ…。といっても戦闘の負傷者を応急手当した位なので、医療経験と言うと怪しいですけどね」

    そう答えた通り、私はほんの僅かの間ミレニアム防衛で医療を担当していた。…それだけ、あの戦いは人手が足りていなかった。今回の応急手当てはその時に学んだ技術で、機械の使用が事実上制限されていたあの時はこれが最善手であった。
    まあ、結局人が足りなくなって前線に出たんだけどね…

    「そうでしたか。もし、気分を悪くしてしまっていたら申し訳ありません。」

    過去の出来事を思い出してる私に気を使ってくれたのか、そうフォローを入れてくれる。
    考えごとをしていたら誤解を生んだらしい。私は慌ててそれに応える

    「いいえ、ちょっと思い出していただけですので…お気になさらず。」

    ミネさんは私が何か隠していると感じたのか怪しむような表情を浮かべたものの、聞いてはこなかった。

    「…そうですか。では次の場所でもよろしくお願いしますね。」

  • 40二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 23:09:55

    次の目的地へと駆けて、私達はまた治療を始める。先ほどと同じで私が軽症者、ミネさんが重症者を治療する。そのような対応を数カ所で繰り返していった

    「今日、トラブル多くないですか?」
    きれた包帯を取り出しながら私はミネさんに聞く。

    今日は抗争がだいぶ多発している気がする。少なくとも昨日はこんなに怪我人は見ていないし、ミレニアムにいた頃私が聞いていたトリニティは政治トラブルこそあれど、直接的な抗争はあまり起きない学校だった。…医療従事者側として対応をしているから、その分多く感じるのかもしれないけど

    「そうですね。いつも軽い抗争こそあれど、ここまでトラブルが多発することはあまりないですね。」

    やっぱり。…何も起きなければいいけど、なんか嫌な予感がする。

    「ですが、セリナとハナエも各地を巡っているので、次の場所が最後ですね。最後まで気を抜かずに参りましょう」

    ミネさんはそう言うと作業を再開する。

    この場所での処置がある程度すんだ頃、突然爆発音が鳴り響く。
    私はとっさに治療中の生徒を身で覆い巻き込まれないように守る。
    こういうときの嫌な予感は悲しくも当たりやすいのだ。ため息をつきながら、爆発の位置や規模を推測する。

    20m先、西側。爆発の規模は小さめではありそう。そう推定する。私は銃を構え、その現場の方向へと駆けようとした。

    だが、私よりも先にミネさんが動いていた。
    彼女は地面を強く踏み込むと、高く飛び上がり爆発音の響いた方角へと進んでいく。

    「戦場での救護を行います!ムスカリさん、申し訳ありませんが、この場所の治療を任せます!!」
    「了解です!終わり次第向かいます」

    ミネさんは戦場へと向かいながら私に指示をだす。その一挙手一投足からは、これまでの培いと信念が感じられた。
    ミネさんの指示に従い、テキパキと軽症者の処置を行う。幸い、重症者はミネさんが対処してくれていたから私1人でも何とか解決することができた。
    安全な方向へと怪我人を誘導したのち、私も爆発の起きた方向へと走っていった

  • 41二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 00:25:51

    「ミネさん、大丈夫です…か?」

    何があったのこれ。
    困惑して、目が点になる。到着し、ミネさんの安否を確認しようとした。…はずなのだが、ミネさんが倒れている生徒達の中央で立っていた。
    まるで、レベリング中のパーティーのように

    「えっと…何があったんです?」

    思わずミネさんにそう問う

    「見ての通り『救護』しておりました。この方々が先ほどまでの抗争の一因であったようなので。人為的要因の場合怪我させる人が居なければ、怪我は起きませんので」
    「なるほど??」

    原因の排除…ということかな?…いや、確かに一応、理論にはなってはいるのだろうけど。なってるのかな…?流石に暴すぎないこれ。
    考え方自体にはまだ理解できたが、あまりのやり方に脳が追いつかなかった。色んな視点で考えてはみたけど、結論を出すことはできない
    …アカネ先輩みたいな感じか。私は考える事を辞めた。

    その後は、ミネさんが制圧したときにおきた怪我を治療して、もう一カ所の対応も終わらせた。ミネさんが怪我させた人の傷を直すのはよくわからない感覚に襲われたけど、それ以外は順調に終わった

    「もう、お昼ですね。…正直、まだ手伝っていただきたいのはありますけど、他の部活の体験もあるでしょうし、体験入部はここまでにしましょう」

    ミネさんはそう告げた。私はそれを聞き、最大限の感謝を伝える

    「ミネさん、今日はありがとうございました。」
    「こちらこそ、今日はムスカリさんが手伝っていただき、本当に助かりました。もし、よろしければ入部していただけると嬉しいです」

    最後に言われ救護騎士団の体験入部は幕を閉じた。

    『ミネが壊して、騎士団が直す』
    この風評を聞いたのは、ミネさんと別れたあとだった。

  • 42二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 08:31:05

    流石救護騎士団の騎士団担当のミネだな()

  • 43二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 14:07:31

    注文を済ませ、待っている間にスマホを開いて確認をする。
    ミカさんからモモトークがきてる

    『お疲れ~ミドリちゃん!どうだった?』
    『あっそうだ!午後体験する所送っといてね。手配しとくから!』
    そのモモトークに返信を打ちながら、次の場所を考える
    『作業は少し大変でしたけど楽しかったですよ』
    『午後は正義実現委員会の体験をしたいです』

    そう送って、料理を待つ。今日あった事を軽くメモにまとめて、日記に残せるように準備をする。
    しばらく待って、届いたスパゲッティを食べ、会計を済ませたあともう一度スマホを除くと返信が来ていた

    『正実は大きいから分かるとは思うけどこの建物ね』
    ミカさんの送ってきた写真とマップを照らし合わせて正義実現委員会の拠点の建物へと向かう

    建物の入り口には、黒い翼の少女が待っていた

    「…あ。体験入部希望の方っすか?」

    少女は私の方に気づくとそうフランクに言って近づいてくる。

    「はい。今日はお願いします」
    「こっちこそ、半日お願いするっす。じゃあ立ち話もあれなんで中へどうぞ」

    そう言われ、建物の中へと入る。
    内部には沢山の生徒が各々の作業や任務の準備をしていた。救護騎士団に行ったときとは大違いの人数に驚いていると

    「普段はこんなにいないんすけど、今日はなぜかトラブルが多発してるみたいで。みんなにお願いして多めに手伝ってもらってるっすね」
    と少女は説明してくれた。
    やっぱり今日は色々と不安定な情勢らしい。そう感じながら、談話室へと入っていった。

  • 44二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 21:12:55

    部屋はトリニティらしく気品に溢れているけど部員達がゆったりと話せるようにか、リラックスできるように、家具やインテリアが配置されていた

    「さっ、座って」

    先に入った少女に促されてソファに腰掛ける。
    少女はお茶を出して私の前に座り話し始める。

    「この時期に体験入部の申し込みって珍しいっすね。もしかして転入生の方っすか?」
    「はい、昨日編入が認められました。」
    「じゃあわからない事も色々あると思うんで、その時は気兼ねなく聞いて欲しいっす。」

    糸目の少女はそう言うと、自己紹介をしてくれる。
     
    「私は仲正イチカ。2年で主に仲介や、外交関連の問題に対応してるっす。」
    「よろしくお願いしますね、イチカさん。」
    「イチカでいいっすよ。噂じゃ同じ2年って聞いてるんでかしこまらなくていいっすよ。」
    「じゃあイチカちゃん、お願いしますね。」

    そう呼ぶと想定外だったのか、目を開いて驚く

    「お~、それはちょっと予想してなかったっすね。ま、よろしくっす。…えっと、名前聞いてなかった」
    「桃園ムスカリです。一応2年で、編入してきました。」

    まだ私の自己紹介が済んでいなかったことをお互いに思い出して、本当に軽く自己紹介をする

    「ムスカリさん、あらためてお願いするっす。っと、じゃあそろそろ本題に。」

    そう言うと、イチカちゃんは正義実現委員会の活動を説明してくれた
     
    「まあ、簡単に言うならトラブルの鎮圧っすね。百鬼夜行なら、百花繚乱。ゲヘナの風紀委員会。この辺と同じような認識でいいっすよ。まあ、見て習えとも言いますし、実際にどう活動してるのか見てみましょうか。」

  • 45二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 23:16:16

    自分の銃を取り出し、イチカちゃんは立ち上がって私に外にでるように促す

    「そうだ。ムスカリさんの使ってる武器ってなんすか?」

    やれる仕事が変わってくるんで、と付け加えて廊下を歩きながら、聞き忘れていたのかそう問われる。

    「今使ってるのはグレネードランチャーです。スナイパーライフルも使えますけど。」
    「珍しいっすね。トリニティでは見たことないっす。」
    「そんなに珍しいものなんですか?」
    「手に入らないことはないけど…くらいっすかね?わざわざそこまでして使う人も少ないでしょうし」

    言われてみて思い返す。そう考えると、ミレニアムでもユズちゃんしか使っていなかったなぁ。確かにキヴォトスの中でもあまり使われていない武器なのかも。

    そう考えているとイチカちゃんがちょっと迷いながら、考えごとをしている様子が見えた

    「う~ん、そうなると、うちの子達との連携は難しいだろうし。かといって単独任務は絶対にさせれないっすし。」

    珍しい武器ゆえの弊害か、集団で戦うこの組織とは相性が悪いのかも。そう言ってるイチカちゃんを見て思う。

    「現地で判断するしかないっすね。行ってみましょっか。」

    そうして、戦闘の起きている地区へと行った。
    戦場に着くと正義実現委員会の部員は4人、トラブルの原因である不良は6人であるものの戦線は拮抗しているようで、一進一退の状況になっていた。

    「うげっ…援軍か」 
    「ただでさえ面倒なのによりによって仲正イチカかよ…」

    「イチカ先輩!ナイスタイミングです!ちょっと手伝ってください!」
    「助かった…!先輩お願いします!」
    「はいはいちょっと待ってて。今行くっす!」

  • 46二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 23:18:37

    不良はぼやき、正義実現委員会の子は目を輝かせてイチカちゃんを見る。
    イチカちゃんは銃を構えて、不良の方へ突っ込んでいく。身を翻しながら銃弾を躱し、近くにいた不良へと銃を向け、至近距離から弾丸を撃ち込む。

    流石に堪えたのか銃弾をもろに食らった不良は倒れる。その様子を見て、警戒心を高めた残りの不良達はイチカちゃんを集中的に狙う。
    イチカちゃんは各個撃破を狙うが、それを他の不良に阻まれる

    「じれったいっすね…。」

    正義実現委員会の生徒も援護射撃をするものの、あまり効果は見られずこのままだと戦局はイチカちゃんと不良で硬直してしまう。
    確実にイチカちゃんが勝つだろうけど、時間がかかって他の場所でトラブルがまた発生したら元も子もない。
    そこで私は装弾し、イチカちゃんを巻き込まないように擲弾を撃ち込む。
    想定外の角度だったのか不良は大きくよろけ、その隙をイチカちゃんが狩る。その後統率の乱れた不良たちを正義実現委員会の生徒達が倒し、拘束する。

    「みんなお疲れっす。後は私が処理しとくんで、先に戻って休んでていいっすよ。」
    「ありがとうございました、イチカ先輩!と…」
    「あ~紹介してなかったっすね。ムスカリさん。ほら、編入で噂になってた子がいたじゃないっすか。今は体験入部でサポートしてくれてるんすよ。」
    「えっと、ありがとうございました。ムスカリ…先輩?」

    イチカちゃんが私を紹介するとその子達は私の方をみて礼を言う

    ちょっとむず痒さを感じながら、私も笑顔を返して、イチカちゃんと一緒に事後処理を始める。

    しばらくしてその子達も帰って行き、イチカちゃんと二人きりになった

  • 47二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 23:36:32

    先輩…かぁ。初めてそう言われ、何とも言えない気分になる。こっちに来るまでぎりぎり1年生だったのと、そもそも後輩がいるという環境にいなかった分、とてつもなく不思議な感覚だ。

    ヒマリ先輩やリオ会長、ユウカ。私の知ってる先輩はみんな頼りになって、私達のことを引っ張って支えてくれた。同じような事を私はできるだろうか…

    私に先輩が務まるのかな…?そう不安を抱きながら作業を続けていると、それを察したのかイチカちゃんが話しかけてくる。

    「その様子を見るに、先輩って呼ばれ慣れてないっすね?」

    そう言うとイチカちゃんは遠くを見ながら私に語り始める。

    「分かるっすよ。高2になって、今まで支えて貰っていたのが急に、そっちの立場になって。私もハスミ先輩やツルギ先輩、去年の3年生達と同じ事ができるのか~って悩んだっすから。」

    でも、とイチカちゃんは笑ってこっちを向く

    「案外立場と時間が勝手に何とかしてくれるもんっすよ。それに、後輩達もみんないい子で頼りになるし。だから一緒に頑張りましょう。きっとムスカリさんもいい先輩になれるっすよ。」

    そう励まされて、頑張ってみようと思った。
    私なりに、ユウカ達とは違っても後輩達の支えになるように。

    「よしっ。これでいいんじゃないかな。ムスカリさん、次の場所行くっすよ~!」
    「ちょっと待ってて下さい。すぐ追いかけます」 

    イチカちゃんに呼ばれて私もそれについていく

    イチカちゃんが後輩達に慕われてる理由がよく分かった気がした

  • 48二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 09:18:48

    なんやかんや連携できてる…

  • 49二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 18:35:26

    二カ所目の戦場に行くと、今度の相手は戦車を持ち出したようで委員会の子がかなり苦戦している様子が見えた。
    戦車に乗り込んでるのはヘルメット団だろうか。恐らく、トリニティ内で乱れた治安に便乗して暴れているのだろう。
    …鎮圧しだい、何が起きているか尋問してみるのもありかな

    「さっきみたいに援護お願いしてもいいっすか?」
    「もちろん、任せて下さい!」

    私は煙幕弾を装填して戦車に向かって構える

    イチカちゃんは私との連携に集中するためか、委員会の後輩達を1度戦線から引かせて単身で突撃する。
    私はそれに合わせて煙幕弾を撃つ

    「うおっ!何だこれは!」
    「煙幕か…!気をつけろ!」

    炸裂した先でそんな声が聞こえるが、その声は次の瞬間銃声にかき消される。
    煙が消え、私の目に映ったのは中破した戦車と残党と戦っているイチカちゃんだった。

    「みんな、行くっすよ!」

    こちら全体に呼びかけ、それに合わせて、正義実現委員会は統制を持って突っ込んでいく。
    私もミニミサイルを装弾して後方に居るリーダー格のヘルメット団をめがけて撃つ

    その後はあっという間だった。イチカちゃんを中心に連携のとれた正義実現委員会はヘルメット団を1人1人倒し、戦場に静けさが戻った。

    イチカちゃん達が事後処理をしている傍ら私はヘルメット団のリーダーの前に立ち、銃口を突きつける

    「…さて、何でこんなことしたか。話してくれない?」

  • 50二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 01:44:08

    カッコいいミドリだ

  • 51二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 08:52:36

    素早い鎮圧ッ!

  • 52二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 10:16:28

    沈黙が続く。
    …まあ、流石に簡単に話してはくれないか
    引き金に手をかける。撃つつもりはないけど、これならどうかな?

    「状況を飲み込んでるなら話した方がいいと思うけど」

    私も声を低くして、そう問いかける。
    少しの間相手は葛藤した様子を見せるが、観念したように話しだす。

    「私達はあくまで雇われだ。」
    「雇われ?」

    いつもみたいに騒ぎに乗じた訳ではない…みたいだね。ならば、なおさら聞き出さないと状況は悪くなる一方だね。

    「ああ。トリニティ内部で噂を流し、騒ぎを起こさせる。暴動が起き始めたらそれに乗じて私達も暴れる。これが依頼内容だ。まあ、お前らのせいで計画はお陀仏になった訳だが。」

    諦めたリーダーはそう言いヘルメット越しに落胆の表情を見せる

    この感じ、しばらくは騒動は起こさないかな?
    1番大事な質問が終わり次第、尋問は終わらそうか。

    「最後の質問だよ。その依頼人と居場所。教えてくれないかな?」

    顔が引きつるのが見える。流石に…それをばらすと自分の…いや、自分達の団全体に関わるようだ。

    このままじゃあ、話してはくれなさそうだね。
    …ならば

    「…あなた達の安全を保障できるとは限らないけど、私達としても困ってるからその依頼人は捕まえるよ。」

  • 53二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 10:17:58

    対価を提案して様子をうかがう。
    こちらに言った方が利益があると考えたのだろうか。リーダーはゆっくりと口を開く

    「…アリウス分校。居場所は…」

    そう言うと急に口を閉じてしまう。
    …いやそれだけじゃない。恐怖で怯えている?
    まるで、何かに見つかったみたいな…

    「まさか…っ!」

    リーダーの視線の先を振り返って凝視する。先の路地にはガスマスクをつけ、こちらを伺っている様子の者がいた

    そいつは、私に気づかれたのを察知したのか逃げ出す

    「逃がさないよ」

    私も銃に装弾しながら、そいつを追いかけ路地に飛び込んでいった

  • 54二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 12:15:22

    見失わないように入り組んだ路地を走り続ける。時に妨害か閃光弾や煙幕弾がとんでくるが、できるだけ回避しつつもくらいなから追い掛けていき、路地の奥まで追い詰める

    「覚悟して」

    ミニミサイルを撃つ。しっかり命中した。
    それを確認して、銃を下ろす。確保のために倒れた少女へと近づく

    …?倒されたのに笑っている?計画の犯人であろうそいつに不気味さを覚える。

    その時だった。
    頭上で轟音が鳴り響き、瓦礫が落下してくる。
    咄嗟に身をひねって避けるものの、それすら予測されてたのか私の体を大量の銃弾が襲う

    「…っ。痛っ…!」

    これは…左手は駄目かな。特に銃弾が命中し続けた部位は痛みが酷く本来戦闘は続けないような物かもしれない。けと、状況がそれを許してはくれなかった。

    恐らく、受けた銃弾の量を見るに10人以上はいるだろう。追い詰められてたのは私だったようだ。

    だけど、逃げれもしないこの状況。戦うしかないみたい。幸い、左手はボロボロだが勝機はあるだろう。少なくとも、あの絶望に比べたら。覚悟を決めて私は戦いに挑んでいった

    擲弾を放ち、様子見をしながら1人の後方へと回り込んで銃身を敵の頭部へとぶつける。

    流石に直接殴るのは想定はできないだろう。そいつは気絶して倒れ込む。それに気づいた他のやつらは私に攻撃してくるが、それを気絶したやつを盾にして防いで駆け出す
    勢いよく地面を蹴り、ネル先輩の動きを真似て壁を駆ける。その最中に閃光弾を上空へと投げて、注意がそれた相手に飛び蹴りを食らわせる

    2人目。着実に人数は減らせてる。このまま行けば制圧はできるだろう。が、危機感が増した敵は統率力が増すのが常だ。…それに、私の手ももつかどうか。流石に片手打ちは精度が低いからそうなったら負けは濃厚だろう。
    …タイムリミットは5分位だろうか。

  • 55二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 18:11:36

    擲弾を2発発射して、それと同時に私自身も突撃する。1人は持っていけたが、もう1人には銃身で防がれる。けど、甘い。
    防御に使った銃を蹴り上げ、そいつを飛ばす。武器がなくなり無防備になった所を撃ち、倒れこむのを掴んで、まだ意識のある他の兵へと投げる。

    これで5人。…本当に減っているの?
    違和感を覚える。確かに倒してはいるが、受ける銃弾の総量は減るどころか増えている。
    …援軍かぁ。やっとここで気づいた。敵は…10人所じゃない。駆けつけてきた相手も含めたら、20人、いや30人もいるかもしれない。

    「これは、だめかも。」

    諦めかけ、その言葉が漏れてしまう

    それでも、最後まで戦えるようにリロードして左手を庇いながら手榴弾を取り出し、それをまとまっている所を狙い投げる。流石に大勢居たからか手榴弾に銃弾が当たり爆発する。
    だけど、ここまでは予想通り。装弾済みのミニミサイルを爆発で隠しながら撃ち込む。
    爆風で見えないけど、3人は持っていけただろう。そのまま私は近くにいた敵をけり飛ばし、その反動で間合いを取る。

    3分ほどたっただろうか…左手の痛みが強くなってきた頃、先ほどとはまた違う場所から銃声が響く。

    増援…今度こそ駄目かも。

    けどすぐにその絶望は希望へと変わった

    「きええええええっっっ!!!」

    叫び声と共に壁を破って突っ込んできた少女が到着まもなく、敵に銃弾を撃ち込みつつ、近くにいた相手を掴んで投げ飛ばす
    到着した少女は、見覚えのある黒と赤を基調とした服を着ていた。…正義実現委員会の一員らしい。少女はこちらに布と思われるものを投げてくる。

    「手当しとけ。ここは私が何とかする」

  • 56二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 20:26:05

    よく持ちこたえたな

  • 57二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 22:38:38

    受け取った布を左腕に巻いて止血しながら様子を見る

    少女は受ける銃弾をものともせずに突き進み、目の前にいる敵へと弾丸を撃ち込む。火力もオーバー気味だったらしく、すぐに兵は崩れ落ち、少女はそれを確認しながら跳躍し狙いを定めて更に1人に集中砲火を浴びせる。

    強い。スピードもタフネスも常軌を逸してる。
    その戦いぶりを見て脳裏に昔聞いた異名が浮かぶ。トリニティの戦術兵器、剣先ツルギ。正義実現委員会の委員長にて、トリニティの最高戦力。この戦い方を見るに、この少女こそ剣先ツルギその人なのだろう。

    剣先ツルギは着地と同時に全方位から襲ってくる兵士たちを1人1人2丁の銃で撃ち抜いていく。
    その状況を変えるためだろうか、1人の敵がツルギを至近距離から襲うが、びくともせずに背後に回り込み2発発射する。

    瞬時の判断。その判断を100%生かす圧倒的なフィジカル。
    あまりの気迫とその強さはネル先輩や1度共闘したヒナさんを思わせるようなものだった。

    左手の応急手当を済ませた私は様子を見ながら銃を構え直す。…正直、私は居なくても勝つだろうけど、鎮圧が速くなる事に超したことはないだろう。そう考えた私ももう一度、戦いへと戻る。

    狙いが剣先ツルギに向いているなら、私への警戒は減っているはず。それに、人数も私がここにきたときと同等まで減っているみたい。
    なら、一斉に鎮圧するに限る

    「ツルギさん、一瞬目をつむってください!」

    そう叫ぶと共に閃光弾を投げる。ツルギさんも一瞬で意味を理解し私の作戦に応じてくれた。閃光弾が炸裂し、相手の視界が眩んだ所にツルギさんのショットガンと私の擲弾が兵たちに、直撃する。

    周りから銃声が消える。鎮圧完了…だろう。

    「いいサポートだった。だが、今は安静にしとけ。悪化する。」

    ツルギさんは私に近づいてそう言うと、鎮圧した敵を縛り始めた。

    暫くして、私達への増援の予定だったのだろう。イチカちゃんたちが到着して、ツルギさんの作業を手伝いだす。イチカちゃんは私のそばへと駆け寄って、事情を聞いてくる。私は何が起きたのか包み隠さずに話した。

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