その声は、あたしの友だち、四音ちゃんじゃない?

  • 1二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:55:20

     清夏は四音と同年にアイドルの第に登り、友人の少かった四音にとっては、最も親しい友であった。温和な清夏の性情が、峻峭な四音の性情と衝突しなかったためであろう。
     叢の中からは、暫く返辞が無かった。しのび泣きかと思われる微かな声が時々洩れるばかりである。ややあって、低い声が答えた。「如何にもボクは極月学園の四音だ」と。
     清夏は恐怖を忘れ、Pっちから下りて叢に近づき、懐かしげに久闊を叙した。そして、何故叢から出て来ないのかと問うた。四音の声が答えて言う。ボクは今や異類の身となっている。どうして、おめおめと友の前にあさましい姿をさらせようか。かつ又、ボクが姿を現せば、必ずキミに畏怖倦厭の情を起させるに決っているからだ。しかし、今、図らずも友に会うことを得て、愧赧の念をも忘れる程に懐かしい。どうか、ほんの暫くでいいから、我が醜悪な今の外形を厭わず、曾て君の友四音であったこのボクと話を交してくれないだろうか。
     後で考えれば不思議だったが、その時、清夏は、この超自然の怪異を、実に素直に受容れて、少しも怪もうとしなかった。彼女はリーリヤに命じて行列の進行を停め、自分は叢の傍に立って、見えざる声と対談した。都の噂、旧友の消息、清夏が現在の地位、それに対する四音の祝辞。学生時代に親しかった者同志の、あの隔てのない語調で、それ等が語られた後、清夏は、四音がどうして今の身となるに至ったかを訊ねた。草中の声は次のように語った。
     今から一年程前、ボクが旅に出て汝水のほとりに泊った夜のこと、一睡してから、ふと眼を覚ますと、戸外で誰かがボクの名を呼んでいる。声に応じて外へ出て見ると、声は闇の中から頻りにボクを招く。覚えず、ボクは声を追って走り出した。無我夢中で駈けて行く中に、いつしか道は山林に入り、しかも、知らぬ間に自分は左右の手で地を攫んで走っていた。何か身体中に力が充ち満ちたような感じで、軽々と岩石を跳び越えて行った。気が付くと、手先や肱のあたりに毛を生じているらしい。少し明るくなってから、谷川に臨んで姿を映して見ると、既に虎となっていた。

    というコミュをどこかで見た気がするのですが、探しても見つかりません。どなたか知りませんか?

  • 2二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:56:36

    山月記っていうコミュですね

  • 3二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:57:01

    極月記

  • 4二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:58:05
  • 5二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:59:15

    しれっとPっちに騎乗するな

  • 6二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 20:59:35

    とりあえず文語文で出直して?(過激派)

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:00:15

    言われてみれば李徴と四音ってちょっと似てるよね

  • 8二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:13:54

    出たな初星学園文豪部

  • 9二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 21:56:56

    >>5

    スミーカが学Pに騎乗位になってるって?(難聴)

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 22:16:02

    愚虎

  • 11二次元好きの匿名さん25/04/22(火) 22:19:46

    久しぶりの初星文学スレ嬉しい

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