- 1二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:30:43
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて成長していく結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
これから映画視聴組すら未知の領域に踏み込む本編よりも先に地球に行ったり本編でどうなってるかわからぬ人々も出てたりしてますが一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
↓初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com↓前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)9|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:31:20
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:32:01
ブルキャノン
連邦MSの中でも一際発達したキャノン系の技術と01ガンダムをベースとした連邦としてのガンダムの技術を複合して新たに設計された最新鋭の重武装MS。
モチーフはブルG。
ジオン製のガンダムに対抗すべく連邦の技術力を注ぎ込み作り出されており、上層部は次期量産化も視野に入れた上での実践データ回収の為の試験機を特務潜入隊のジュン・ファンボイにこの機体を託した。
キャノン系とガンダム系を複合した新型の重装甲に加え凶悪さを感じさせるガンダムヘッドを搭載しており、従来のキャノン系よりも威圧感を出しつつも白と青のカラーリングによってどことなくヒロイックな雰囲気をも醸し出す。
主な武装はライフルブレード(高出力ビームサーベル内蔵型ビームライフル)、ビームサーベル、ヘヴィシールド(実体刃フレーム、二連装バズーカ内蔵シールド)、両肩部ビームキャノン砲、胸部両脇多連装ミサイルポッド。
高火力の射撃兵装による射撃戦は勿論、重武装重装甲でありながら背中のパワードブースターによる加速によって高い機動力を発揮し、搭乗者のジュンは射撃兵装で敵を翻弄しつつブレードまたはビームサーベルのビーム刃と盾の実体刃を駆使した二刀流で仕留める戦法を最も得意としている。
エル・サルバトーレ・コアとの戦闘でニャアンを庇って中破するがイズマ・コロニー繁華街市長の指示で修繕され、彼の刑務作業で軍警察配下で活動したり平和公園でオブジェになったりとコロニーで親しまれるようになる。
2度目の連邦軍の攻撃の際ブルキャノンⅡとの戦闘で更に中破するが、市長が秘密裏に進めていた強化改修計画によりブルキャノン・ブラウリッターへと生まれ変わる。 - 4二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:32:37
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 5二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:33:05
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたブルパップ式ライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 6二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:33:40
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味ジュンのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 7二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:34:12
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 8二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:34:50
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 9二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:35:38
ライラ・ミラ・ライラ
反連邦勢力の主力であるベトナム軍所属のMSパイロット。かつては連邦軍に所属していたが、敗戦後同じ地球圏への無差別な侵攻と搾取を行う統一機構に愛想を尽かして連邦軍を辞職した。連邦軍所属時代から口の聞き方で上官に疎まれていた反面さっぱりとしながらも面倒見のいい性格故に部下達からは信頼されており、ベトナム軍でも部下達からは「あねさん」と呼ばれて慕われている。
連邦軍辞職の際に中将閣下から最後の仕事として強襲揚陸艦ロード・ノアをベトナム領の無人島に隠す事を依頼されており、辞職後も中将への義理から部下達と共にロード・ノアの整備をしており、中将からの連絡があればいつでも動かせるようにしていた。
統一機構に狙われる身となったジュンとニャアンを中将閣下領に届ける為、並びにロード・ノアを返却する為にジュン達を乗せて古城を目指す事になる。
ロード・ノアの臨時艦長を務め、有事の際には愛機のガルバルディ改と共に出撃する。
ヘリス
ライラの部下の1人。縦横に大柄で気は小さい。
整備士兼通信士。
アグラ
ライラの部下の1人。中肉中背で真面目。
副艦長兼オペレーター。
ガレス
ライラの部下の1人。小柄で喧嘩っ早い。
操舵師。 - 10二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:36:22
ジェリド・メサ
地球連邦軍所属統一機構所属のエースパイロット。ジュンとは同僚であり、出会い方こそ最悪だったものの真正面からぶつかり合った事で互いを認め合い肩を並べて修羅場を潜り抜けた戦友でもある。
ロード・ノアによるジュンとニャアンを阻む為に地球横断を阻もうとする統一機構によって友人のカクリコン、恋人のマウアーと共に刺客としてホーチミンへ渡来。統一機構最新鋭の黒いガンダムに乗ってジュンと互角の戦いを演じる。
連邦からガンダムが盗まれた関係から本来の次元より若い段階で戦場に駆り出され、その時点で失言によりジュンにぶん殴られるトラブルや44バンチの悲劇と呼ばれる事件、その他様々な修羅場を潜り抜けた結果本来の時空よりも早く人間的に成長しており、常にバイアランに乗ってハマーンの戦艦を追い詰めた時並みの実力を発揮出来るようになった。
ガンダムMk-Ⅱ統一機構仕様
統一機構によって開発された最新鋭のガンダムタイプ。高い機動力を誇る01ガンダムをベースに機動力、装甲強度、総合火力を飛躍的に強化させた次世代エース機の試作品であり、現在は3機製造されている。
装甲強化に伴って外見は01ガンダムから大幅に変更され、別次元のガンダムMk-Ⅱとほぼ同じ形になったが、シールドだけが後述の特殊兵装を内蔵する為に既存のものより大型化している。
武装はビームサーベル、ビームライフル、ハイパーバズーカ、頭部バルカン、各機体専用大型盾内蔵の特殊兵装。ブースターで操作可能な3つの盾を使い分けて連携する事でより高い戦術性を発揮する、力と数を活かす連邦ならではの戦い方を得意とする。
ジェリド専用シールド
切先にクローアームが内蔵されており、殴打を防御した相手を掴み、至近距離からアーム中央のメガ粒子砲を叩き込む事が出来る近接戦用シールド。また、シールド内蔵のスラスターが他の盾よりも一際強力。モチーフはバイアラン。
マウアー専用シールド
スライドしてロングライフルに変形する遠距離戦用シールド。防御されると強力なプラズマを撒き散らし相手を怯ませる事が出来る。モチーフはフェダーインライフル。
カクリコン専用シールド
シールド表面からバリュートを応用した対ビーム防壁を展開する、防御特化シールド。耐熱、耐寒性能が極めて高く、普通にバリュートとして使う事も可能。モチーフはバリュート。 - 11二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:36:49
前スレのあらすじ
ホーチミンでかつての友人であるジェリドとの再開を喜びつつも彼が統一機構の刺客である事を悟り対峙する覚悟を決めたジュン。
統一機構のアッシマー隊をニャアン達が抑えてロードノアを進める間にジェリド達の操る三体の黒いガンダムを相手にブルキャノンで互角の戦いを繰り広げて退け、更には殿を務める奇襲隊隊長のロンを相手取り、紆余曲折あって仲間に引き入れる。
新たな仲間を迎え入れたロード・ノア一行が次に目指すのはアラビア砂漠の陸路。しかしそこに行くために立ち寄った港湾都市ムカッラーのアラビア支部の一同はベトナムと打って変わってジュンの事を蒼い悪魔と蔑み、陸路を通る見返りとしてブルキャノンとオイランゼンのデータを要求する。
結果としてオイランゼンのセキュリティが働き情報は守られたが、ジュンにとっては彼らによる冷遇よりも、商人の息子であるリーフの怒気をはらんだ罵声の方が心にこたえるものがあった… - 12二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:38:06
番号抜け故書き直しました記念すべき10スレ目
ジュン兄とジェリドが厳しい過去と向き合うことになりそうですが乗り越えられると信じて…!! - 13二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:44:47
新スレ乙です。
- 14二次元好きの匿名さん25/04/23(水) 23:52:39
- 15二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 06:45:32
- 16二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 07:07:44
- 17二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 07:27:24
アオザイであの照れようだったので多分直視出来るかも難しいw
- 18二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 13:15:06
- 19二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 18:21:18
(耐えるのが)無理そう
- 20二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 19:41:48
港湾基地MS格納庫
ジュン「へ?宿?」
二体のガンダムの調査を諦めた整備員達が引き上げているのをニャアンと共に見送っていたジュンは、支部長の言葉を反復する。
支部長「そうだ。正式な入国手続きには1日かかる。お前達2人はその間は我々が手配した宿に身を潜めていろ」
ジュン「いや別にそんな、いいですよ。ホーチミンにいた時もロード・ノアの仮眠室で寝てましたし、宿なんて全然…」
支部長「貴様の為に言っている訳ではない。蒼い悪魔とそのマヴがこの基地にいる事自体が気に入らんという輩が多いのだ。先の戦いでお前に友人を葬られた奴など、この基地内では珍しい方じゃないからな」
ニャアン「………」
その人達がテロじみた油田の占拠をしたのが悪いのに、とニャアンは思わず言いそうになったが、辛うじて堪えた。どんな経緯があってもその人達も本気で正しいと思う事の為に戦ったのだろうし、何よりこういう庇い方をしたらかえってジュンを傷付ける気がすると思い、とりあえずジュンの背中に隠れながら支部長を睨む程度にとどめておいた。
ライラ「…ここは支部長殿のお気遣いに甘えときな、ファンボイ。報復でアンタに何かあったらそれこそ三国会議に支障をきたすだろうし…何よりニャアンちゃんの方に何かあった時、アンタ我慢出来るかい?」
ジュン「………」
瞬く間に昏くなるジュンの瞳を見た支部長は、万が一こいつのマヴに何かあったら港湾基地が油田の二の舞になりかねんという恐怖心を覚えつつジュンにタブレットを投げつけるように放り、ハッとしたジュンは慌ててそれをキャッチする。
ジュン「うおっとと」
支部長「…その地図付き端末を受付に見せろ、話は通してある。お前らのような訳ありを隠す場所だ」
ロン「機体の見張りは俺達とガレス達が交換で行う。ホーチミンではずっと仮眠室で寝てたんだろう?今回はちゃんとした宿で眠ってよく休め」
ジュンとニャアンは顔を見合わせた後、慣れないムカッラーの地図に顔を近付けて宿の場所を探す… - 21二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 20:07:55
民宿『アリババの隠れ家』
港湾基地や商業港を中心に船の出入り客が止まる観光施設や海沿いの大型道路沿いの発展した都市部…からだいぶ離れた山寄りに並ぶアラビア独特の昔ならではの日干しレンガや石を用いた建物が並ぶ居住区の一角にある小さな民宿。ジュンとニャアンは支部長が手配したタクシーに乗ってその民宿まで向かったが、無数の階段を登った先にその民宿があった為タクシーだけでは上までいけず、結局2人は相当の高さの階段を登ってどうにかその民宿前までたどり着く事が出来た。
ジュン「ひ…久々に汗かくレベルの運動したな…」
ニャアン「あ…暑い…」
ジュン「あー…コロニーと違って地球は人間に厳しいからなぁ…これでも旧世紀よりはちょっと涼しくなってるらしいがアラビアは暑いなぁ…」
久々に地球の厳しさを体感しながらジュンが民宿のドアを開けると、そこは実に簡素な受付となっており、ただ少し開けた場所の奥に居座る受付カウンターにいるオーナーと思われる無精髭の男は入ってきた2人をじろりと見てから鍵を投げつけ、慌ててジュンはそれをキャッチする。
ジュン「おっとと…この国に来たからものを投げられる事が多いな…」
オーナー「石を投げないだけ感謝しな蒼い悪魔。支部長の頼みでなけりゃ俺が直々にぶちのめしてやりたいぐらいだ」
ニャアン「………」むすっ
ジュン「あははっ、寛大さに感謝するよ。なんなら1発目はマジで石だったからさ。基地に来てた子供に国を滅茶苦茶にしやがってって石投げられちまった」
オーナー「子供?…ああ、リーフか。相変わらず勉強熱心な子だな…」
ジュン「あ、有名なんだあの子」
オーナー「そりゃあ今時の子にしちゃ中々しっかりした…ってお前と馴れ合う気はねぇ。さっさと上行け」
ジュン「はいよー」
オーナー「………
鍵一つしか渡さなかったのにフツーに同じ部屋に向かったなアイツら…」
ツレの女は制服姿だし羞恥心はないのか、とオーナーはやや困惑気味に部屋へ向かう2人の背中を見送っていた…
- 22二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 21:01:59
鍵に記された番号の部屋へ向かった2人がドアを開けると、そこは受付同様簡素な部屋となっており、窓が一つの小さな部屋にあるのはベッド一つと窓際の小さなテーブルに椅子が2つというアラビア風のビジネスホテルといった具合の非常にシンプルな部屋であった。
イズマ・コロニー大型船で寝泊まりした2人からするとあまりにも簡素過ぎるように感じるかと思われたが…
ジュン「おー、落ち着く広さ」
ニャアン「うん、結構涼しくていい…日陰だから…?」
以外にも2人からの評価は良かった。片やその気になればブルキャノンのコクピットで半日以上過ごせる男と片や毎日が命懸けの難民経験者の為、屋根があってベッドがあってほどほどの気温の場所なら基本的にいい部屋扱いになる為こんな外国の格安民宿でも快適に過ごせる程度には2人とも逞しかったのだ。
ジュン「あー…久々にちゃんと動かない建物についてるベッドだなぁ」
子供のようにベッドにダイブして大の字になるジュンを見てニャアンは困ったように笑いながらテーブルに荷物を置いて窓際の椅子に腰掛けつつ外の眺めを見る。
ニャアン「…山沿いの高いところだから、景色がいい。港も町も、全部見渡せるよ?」
ジュン「マジで?…おー、ホントだ。アラビアといえば砂漠!!ってイメージだったけど、海沿いも結構栄えてるんだなぁ」
ニャアン「…そういえばベトナムも宇宙世紀になってからより一層鉱山資源とかで貿易が栄えたってロンさんも言ってたっけ。ここも港町だから色々ものの出入りがあるのかな」
ジュン「そうかもなぁ………俺、ずっと地球にいたのにそういう事全然考えてこなかったんだなぁ…こうしてゆっくり景色眺めて、ニャアンにそんな事言われなかったら、考えようともしなかったかもなぁ…」
ニャアン「……これからもっと、一緒に色んな景色見よ?」
ジュン「…ん」
景色を眺めていた2人はふと目が合い、2人揃って少し照れくさそうに笑う…
- 23二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 22:03:40
普段ジャンク屋で2人暮らしだから同じ部屋になる事には対抗ないんだろうなぁ…
- 24二次元好きの匿名さん25/04/24(木) 23:08:39
同刻、港湾基地MS格納庫
ジュン達がMS格納庫を離れた後、ブルキャノンとオイランゼンの隣にガルバルディ改とタンロンが並び、この2機もまた入国の為の機体登録の為にヘリスとアグラがアラビア支部の整備員達と会話しているのを、監視デッキからライラとロンが眺めていた。
ライラ「流石に私達の機体の情報は向こうもいらないみたいだね」
ロン「だろうな。どちらも一年戦争から使い古されたような骨董品を無理矢理カスタマイズして実戦に引っ張り出しているんだ。連中のザクや軽キャノンとどっこいどっこいだろう」
ライラ「む…骨董品とはちょっと聞き捨てならないね、ガルバルディは一年戦争時代じゃ末期に作られた高性能機だよ?ザクと一緒にされちゃ困るよ」
ロン「そういうものか。ジオニック製はよく分からんな…」
2人が他愛もない話をしているとガレスが声をかけてくる。
ガレス「あねさん。ロード・ノアの登録準備をこれから始められるみたいなんで、艦長のあねさんに立ち会いをお願いします」
ライラ「分かった、すぐ行く」
ガレス「………」
ロン「…?何かあったのか?」
ガレス「いやその…アラビアの奴らのファンボイへの当たり、強過ぎないっすか?口の悪さもそうっすけど、フツー整備兵がパイロットに平手なんてかまさないっすよ」
ガレス「…言ったろ?ファンボイは過去の任務で…」
ガレス「だとしても恨み過ぎっすよ。どんだけ暴れたんっすかアイツ…」
ライラ「……そりゃあもう、本気で暴れたのさ。
アラビアにMSを横流ししたジオンの奴らは、44バンチの悲劇にも関わった連中だったからね…」
ガレス「44バンチって…機構艦長が言ってた奴っすか?…どんな、事件だったんすか…?」
ライラ「…そのうち話すよ…」 - 25二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 07:10:09
- 26二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 07:24:54
- 27二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 12:33:34
過去スレ見直してふと気付いたけど最初期設定だとブルキャノンは連邦の最新鋭機体だったけれど物語の流れ的に多分完成した時期は一年戦争終結してから少し後ぐらいなのでそこまでめっちゃ最新型って訳ではないのかもしれない(今の所44バンチやアラビア襲撃が4年前設定のため)
ブルキャノン「そう考えると俺とオイランゼンの歳の差って相棒達とあんま変わらんなぁ」
オイランゼン「…なんですか、私が生まれたてのお子様とでも言いたいんですか?」むすっ
ブルキャノン「あっはっは、そこまでは言ってねぇって」
オイランゼン「むう…」 - 28二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 16:01:28
Q、ブルキャノンが4年前から処刑人として戦ってたジュン兄の機体だとしたらイズマ・コロニーの活動で足とかつきそうじゃないか?
A、基本的に標的皆ゴロしにしてた&指揮官が偽装工作をしてた為上手いことバレなかった、多分エグザベ君が真正面から戦って初の生存者 - 29二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:42:02
民宿『アリババの隠れ家』
港湾基地にてロード・ノアの正式な入国手続きの準備が進むその頃、支部長の提案によって港から離れた日干しレンガ住宅街の一角にある小さな民宿に泊まる事になったジュンとニャアンは各々の荷物を置き、テレビ代わりに支部長から貰ったタブレットでニュースでも見れないものかと端末をいじろうとした所で景色を見ていたニャアンがあっと声をあげる。
ニャアン「…そういえば、今日のご飯はどうしよう…?」
ジュン「へ?そりゃあ宿の……いや宿から出るタイプじゃあないな。素泊まり5000円とかのタイプだもんな、この感じ」
ニャアン「…お昼は基地でどたばたしてたから食べれてないし…き、気付いちゃったらお腹空いてきた…」
ジュン「うーん…正直俺も晩飯時まで何も食べずに待つのもキツいな…まだ14時だし、なんか簡単に食べれそうなパンだけでも晩飯前に腹に詰めておきたいな…」
受付カウンター
ジュン「って訳だからちょっと散歩がてら飯買ってくるよ。日が沈む前には帰ってくるからさ」
ニャアン「あの、ここってレンジとか貸し出したりしてますか?ホントは夜も外で食べたいけど暗くなったら迷いそうだし夜ご飯はお弁当買ってあっためて食べようかって相談して…」
オーナー「何フツーにアラビア観光楽しもうとしてんだオメーら…ダメに決まってんだろ…」頭抱えながら
ジュン「えーっ、駄目?」
オーナー「あたりめぇだろボケナス!!ただでさえ宇宙放送で顔の割れた蒼い悪魔とそのマヴだってだけでもムカッラーじゃ目立つだろうにテメェら統一機構に指名手配されてんだろ!?なんの為にこんな辺鄙な民宿に隠したと思ってんだ!!」
ニャアン「…?いい民宿だと思うけど…」
オーナー「そりゃどうも!!飯はこっちで買うからお前らは部屋に篭って何もするんじゃな…」
???「なーにケチくさい事いってんだいアンタは」
街へ繰り出そうとするジュン達と頭を抱えるオーナーに向かって声をかけるものがいた… - 30二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:42:47
民宿の入り口からジュン達に声をかけてきたのは、アラビア風ながらもどことなく日本の割烹着を思わせる服を着た大柄な女性だった。女子としては高身長なニャアンと比べても更に一回り大きく、なんならジュンよりも大きい上にかなりの筋肉質だ。顔つきも中々に勇ましく、直球的な意味で「戦う母親」といった風貌である。
オーナー「げっ、か、母ちゃん…」
オーナー妻「げっとはなんだいげっとは!!自分の妻に向かってんな口きくのはこの口かい!?」オーナーの頬を指でつまみながら引っ張ってる
オーナー「いでででで暴力反対!!!!」
ジュン「ど…どこの国もカミさんってのは強いなぁ…」
ニャアン「う、うん…ベトナムのお肉屋さんと八百屋さんの奥さんにも負けてない感じがする…」
頬を引っ張られてタップする夫からバチンと音がする程の勢いで手を離してからオーナーの妻はジュンの方をじろりと見る。
オーナー妻「…あんた、公爵家の蒼い騎士ってやつだろ?」
ジュン「う、うっす」
思わず萎縮するジュンをオーナーの妻はじっと見つめて…それからぱっと笑ってジュンの肩を叩く。
オーナー妻「噂は聞いてるよ!!4年前にジオンとつるんだバカども相手に1人で大暴れしたんだろ!?大した豪傑じゃないの、あっはっは!!」肩ばしばし
ジュン「へっ!?ど、どうも…?」
ニャアン「…奥さんは、ジュンの事を恨んでいないんですか?」
オーナー妻「なんで恨まなきゃならないんだい。戦ってくたばるかもしれなかったのはこの子も同じだし、そもそもこっちのバカどもがジオンなんかとつるまなきゃこの子がここに来る必要もなかっただけの話だろ?」
オーナー「お、おい、流石にそれは極論だろうが」
オーナー妻「極論なもんかい!!寧ろ半グレどもが払い下げのザクだのなんだの訳わからんデカブツを乗り回してデカい顔してた所を潰して貰って街の風通しはよくなったってもんだよ!!あっはっは!!」
豪快に笑う妻を見ながらジュンとニャアンはぽかんとしており、しかしニャアンはジュンを否定するアラビアの人達に向かって叫びたい事を全部言ってくれたようなさっぱりとした言い分を聞いてどことなく安堵していた… - 31二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:28:45
オーナー妻「そんで、2人は街に繰り出したいって話だろ?いーよいーよ行ってきな。どーせこのボロ宿にゃあテレビもなんにもないんだから、日が落ちる前ぐらいは暇つぶしでくるといいさ」
オーナー「だ、だからな…母ちゃんが良くてもアラビアの奴らの多くはコイツらに反感を持ってるんだぞ?宇宙中継で顔も割れてるし…」
オーナー妻「だったらバレんように変装でもしてきゃいいだけの話じゃないかバカだねぇ…ちょいと待ってな、サイズの合う服を探してやるから」
ニャアン「え、そ、そんな、悪いです…」
オーナー妻「いいのいいの!!こんなボロ民宿に泊まる奴の中には宿泊代払えないのに家追い出されてやむを得ず泊まったりする奴らもいてねぇ。そういう奴らからはカタとして服やらなんやら貰ってるから貸し出す服には困らないのさ、アッハッハ!!」
そういって笑いながらオーナーの妻はドカドカと宿の奥の部屋の扉を開けて大量の服を漁り始める。
ジュン「…パワフルな奥さんだなぁ」
オーナー「…若い頃からあんなんだったよ。全くなんであんな暴れ馬貰っちまったのか…」
ジュン「…でも、今も一緒にいる訳だ」
オーナー「…文句あるかよ」
ジュン「んにゃ、素敵だと思うぜ…俺もそうありたいよ」
オーナー「…そうかい」
オーナー妻「おぉい蒼い…ええと、ファンボイだっけ!?横幅合うか確認させておくれよ!!」
ジュン「はいよー…ってうわっ、随分また古風な…これかえって目立たない?」
オーナー妻「平気平気!!若いのがこういうの着てたら浮かれポンチの観光客としてばっちり溶け込めるさ!!」
ニャアン「う、浮かれポンチ…」
かくして2人はオーナーの妻が用意した衣装を着る事になるのであった…
- 32二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 22:08:33
前スレの200でおどりこのふく装備の可能性が出たけれど一旦比較的まともな変装を挟みます(そんなおどりこのふくがまともじゃないみたいな)
- 33二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 22:44:35
オーナーの妻が引っ張り出した衣服を受け取ってから暫くして、それぞれ更衣室を借りて着替えた2人はアラビア風の衣装に着替えた相方と対面する事になる。
ジュン「おー…ニャアンの服もかなりアラビアンって感じだな…」
ニャアン「アラビア風っていうならジュンの方が強い気がする…」
ジュンが着ているのは涼しげな青いインナーの上にゆったりとした白い布の上着と同じ素材のズボンに黒い足袋姿という、動きやすそうなアラビア風の衣装であった。腰に短剣でも差しておけばアラビアンナイトの物語に出てくるような盗賊のようにも見えなくはない。
一方のニャアンはこれまたアラビア風の模様が刻まれた黒いドレス姿であり、顔を隠す為に紫色のシャイラと呼ばれるスカーフをまいている。動きやすそうなジュンの衣装に比べて厳かな雰囲気があるものの、生地は薄く真っ黒でありながら意外と涼しげだ。
オーナー妻「うんうん、2人とも似合ってるじゃないか!!これならアラビアの街に溶け込めそうだ!!」
オーナー「…女の方はまぁ比較的オーソドックスなアラビア衣装だが…蒼い悪魔の方の衣装は古過ぎないか?こんな格好してる奴本場でもあまり見かけんぞ?」
ジュン「あ、やっぱあんまメジャーな服じゃねぇのかコレ…確かにこんな格好の人はあんますれ違わなかったなぁ…」
ニャアン「でも、似合ってるよその服。なんかこう、盗賊っぽい」
ジュン「それ褒めてるかぁ?…でもまぁ、ニャアンが似合うって言ってくれるならこれで行こうかな」
オーナー「ゴホン!!…一応変装はした訳だが、目立った真似はするなよ。後、イチャつくならロビーじゃなくて部屋ん中でやってくれ」
ニャアン「う…」赤面
ジュン「た、たはは、悪い悪い…」
オーナー妻「もー、デリカシーがないねうちの穀潰しは…気にするこたぁないよ!!ウチらは一度寝たら朝までぐっすりだからね!!多少夜やかましくても気にしないからさ!!」
ジュン「奥さんも大概デリカシーねぇなぁ…」
ニャアン「は、早く行こ」
ニャアンに引っ張られながらもジュンは2人に会釈して宿を後にする。
オーナー妻「…で、どうだい?アンタらのいう蒼い悪魔とやらと話してみた感想は?」
オーナー「…感想も何も…普通の青年過ぎて何も感想が浮かばんよ」
ぶっきらぼうにぼやきながら新聞で顔を隠す夫を見て、妻はいたずらっぽく笑う…
- 34二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 23:21:02
- 35二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 06:13:42
多分いざ寝るときになってようやく気付くんだろうな…
- 36二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 10:04:08
ムカッラー商店街
ジュン達が民宿を出て住宅街エリアから少し歩いた先にある道の左右は商店街となっており、道の狭さに反してびっしりと並ぶ店には色とりどりの衣類や皿が売られる店の隣から肉を焼くおいしそうな匂いがして、更にその隣ではジャンク品が売っているなど全体的にごちゃごちゃとしており、いよいよイズマ・コロニーの繁華街らしい雰囲気になっていた。
ジュン「コンソン島の時もそうだけど、なんか商店街ってのは地球も宇宙もあんま変わんねぇなぁ」
ニャアン「わかる気がする。暑い事に目を瞑れば、殆どコロニーの繁華街と同じ」
ジュン「…やっぱその格好暑くないか?黒いし肌出てねぇし、なんならスカーフまで巻いてるし」
ニャアン「意外と生地が薄いから、着心地はいいよ」
ジュン「ほーん……厚着に見えて実は薄いって考えるとなんか色っぽいな」
ニャアン「…制服好きといいジュンの衣類に対するこだわりはホント変…」ジト目
ジュン「変じゃないですー!!比較的ごく普通の趣味嗜好ですー!!」
賑やかに談笑するジュンとそれについていくニャアンの2人は商店街を暫く歩き、店の一角にある屋台でピタパンと呼ばれるパンを買って食べる事になった。ピタパンは中身が空洞のふっくらとしたパンに具を挟んで食べる中東方式で、ジュンはスパイスの効いたチキンとレタスを挟んだパンを、ニャアンは白身魚のフライとレタスを挟んだパンを選ぶ。
ジュン「うん、うめぇや。やっぱこーゆー片手で掴んで食べれるようなもんが気楽に食えていいんだよなぁ」
ニャアン「…パイロットのジュンが言うと、ちょっと職業病っぽい」
ジュン「いや違う違うそういうの抜きで好きなんだって!!…ニャアンの魚のやつもうまそうだな…」
ニャアン「…一口あげるから、一口ちょうだい。私も、チキンの方の匂いが気になってた」
2人揃って互いのピタパンを相手に差し出して食べさせ合う様子を見た商店街の人々は、随分とまた仲がいいなぁと呆れた様子で笑いつつも特に何も言わずに2人の背中を見送っていた… - 37二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 10:05:08
その後も2人はタピパンを食べた後も工芸品店やジャンク屋を冷やかしてみたり、中東でよく飲まれるというレモンミントジュースを飲んだだりしながらムカッラーの商店街を歩き回り、今は商店街の隅っこにある日陰のベンチに腰掛けながらここに来るまでにデジカメで撮った商店街の写真を覗き込んでいた。
ニャアン「こうして見ると…食べ物屋さんのインパクトは地球の方が強いかも。お肉も野菜も大きくて安いし」
ジュン「ははっ、確かに。タピパン屋で回してた肉の塊をシュウジが見たらアイツよだれ垂らしそうだもんなぁ」
ニャアン「パンどころか回してるお肉食べようとしそうだもんね、シュウジは…あ、ここの服屋さんの洋服、綺麗だったなぁ…もうちょっとお金に余裕があったらマチュのお土産に買いたかった…」
ジュン「コンソン島で家具の修理手伝って貰った小遣いもそろそろなくなりそうだしなぁ…晩飯はもう買ったし、そろそろ宿に戻るか?」
ジュンがベンチから立ちあがるのに続いてニャアンも立ちあがろうと顔を上げた時、彼女は視界に入った1つの人影の様子が気になってそちらを見つめる。
ジュン「…?どうしたよニャアン」
ニャアン「…ジュン、あの子、もしかして迷子…?」
ニャアンにつられてそちらを見ると、商店街の人混みの中で7歳前後の、やはりアラビア風の衣服を着ている女の子が上の方を見ながら右往左往しており、今にも泣きそうな表情を浮かべている。
ジュン「あー…確かにありゃ迷子っぽいな。ちょいと声かけてみるか」
ニャアン「ん」
2人は席を立ち、少女の目線に自分達の目線を合わせられるように屈んでから少女に声をかける。
ジュン「よ、嬢ちゃん平気かい?」
ニャアン「大丈夫…?お父さんとお母さん、探してたりする…?」
少女「う…うん…あの、あのね?お兄ちゃんが迷子になっちゃったの…」
お兄ちゃんとはぐれちゃったのか、と内心ジュンは笑いながらも少女の頭を優しく撫でてにこっと笑う。
ジュン「よし、それなら俺らがお兄ちゃんを探してやるよ。な、ニャアン」
ニャアン「うん、私達背が高いから、人探しは得意だよ」
少女「ホント!?」
パッと笑顔を浮かべる少女を見て、ニャアンは思わず頬を緩める…
- 38二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 14:06:30
商店街で迷子の少女に出会った2人は、彼女とはぐれたという(恐らくはぐれたのは少女の方だが)兄を探す為、それぞれ片手で少女と手を繋いで談話しつつ商店街を歩き回る。
ジュン「ほえー、じゃあマタルちゃんのお兄ちゃんはいつもここで買い物してるんだ」
マタル「うんっ、お肉もお野菜もここで買うと安いからいつもここで買うの!!でも今日は買うものが多いからマタルもお手伝いに来たんだけど…お兄ちゃん迷子になっちゃったの…」
ニャアン「…お兄ちゃんの事、好き?」
マタル「大好き!!お兄ちゃんは頑張り屋さんで、マタルにもお勉強教えてくれて、優しいの!!」
ニャアン「…そっか」
にぱっと笑うマタルの笑顔を見てニャアンは口数が少ないながらも思わず表情を綻ばせてしまい、それを隠すように周囲を見渡して兄を探し回る。
マタル「ねぇねぇ、ファンちゃんとニャンちゃんはどうして商店街に来たの?」
ジュン「んー?俺らはまぁ、ちょっと船出まで時間があってさ。暇潰し兼デートかな」
マタル「でーと?」
ジュン「あははっ、大好きな人と同じ時間を過ごすって事だよ」
ニャアン「う…」子供がいる手前いつもみたいにぽかぽか殴れない
マタル「たいせつなひと…じゃあ、そのうちパパとママになるの?」
ジュン「へ!?あ、あー…そりゃあまぁ…ゆくゆくは…?」
ニャアン「……照れるぐらいならこういう話題降らないでよ…」赤面目逸らし
マタル「わぁ!!とっても素敵!!ファンちゃんもニャンちゃんもいいパパとママになると思うの!!」
マタルの無垢な笑みを真正面から受けた2人は、心なしか一回り小さくしぼんで無垢な笑みから赤面しつつ目を逸らす…
- 39二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 14:11:10
引き続きマタルの兄探しをする為に3人で商店街を歩く一同だったが、2人は途中で重要な事に気付く。
ニャアン「あっ…そういえば私達マタルちゃんのお兄ちゃんの名前聞いてない…」
ジュン「…しまった…言われてみりゃ聞いてねぇわ…単にマタルちゃん連れて歩き回ってるだけになっちまってたな…わ、わりぃマタルちゃんの兄ちゃんの名前ってなんだ?」
マタル「お兄ちゃんの名前?
お兄ちゃんはね、リーフって言うの!!」
ニャアン「………え…」
その名前を聞いたニャアンは、この国に来て最初にジュンを蒼い悪魔と呼んで睨みつけてきた少年の名前を聞いたニャアンの表情は思わず言葉を詰まらせてしまい、マタルに目線を合わせて問いかけたジュンも思わず凍り付く。
リーフ「…っ!?お前ら、俺の妹に何してやがる!!」
そしてまさにそんなタイミングで、繁華街にいる3人を見つけたリーフは血相を変えて駆け寄る。兄を見つけたマタルは嬉しそうに笑うが他の3人はそれどころではない。
マタル「お兄ちゃん!!もう、どこ行ってたの!?」
リーフ「今はそんな事どうでもいい!!来いマタル!!」
リーフはマタルを庇うように2人の間に割って入り、戸惑うマタルに構わずジュンに怒鳴りつける。
リーフ「蒼い悪魔!!なんでお前がこの街にいるんだよ!!今度は何企んでやがる!!」
物凄い剣幕で怒鳴るリーフの勢いにニャアンが怯える中、ジュンは落ち着いた様子でリーフの方を見て静かに答える。
ジュン「出港待ちで暇してたらその子が迷子になってるの見かけてな。兄ちゃん探すの手伝ってたんだ。でもお前が兄ちゃんだとは知らなかった」
リーフ「知らなかった!?お前みたいな悪魔と妹が一緒にいるだけで俺がどんな風に思うかなんてお前に分かっ…」
ジュン「分かるよ。
俺だって妹がジオンの奴と一緒にいたらそいつの腑を引き裂いて野晒しにやりたいって思うさ」
リーフ「っ…!?」
目の前の悪魔の言葉にリーフは顔を引き攣らせながらも妹を守るように立ち塞がり、それを見てジュンはにこりと笑って立ち上がる。
ジュン「…そんな風に考えるから俺ぁこの国の人に悪魔って呼ばれるんだろうな…悪いな、怖がらせてよ…出港までもう顔は出さねぇから、安心してくれや」
笑いながらジュンが踵を返すのを見て、ニャアンは慌ててそれについていく。そんな2人の背中を、幼い兄妹は見つめていた…
- 40二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 16:04:51
マタルとその兄であるリーフが合流したのを見届けたジュンは、その後ニャアンを連れて真っ直ぐ民宿へと帰る。途中、リーフの怒鳴り声を聞いてジュンの正体に気付いた半グレらしき何人かが因縁をつけてこようとしていたが、ぞっとする程無表情な彼の顔に怖気を覚えた彼らは結局何も言わずに彼が横切るのを見送り、大きなトラブルもなく民宿へと戻り、戻った頃には彼の顔はいつもの笑顔に戻ってオーナーに声をかけていた。
ジュン「たっだいまー!!」
ニャアン「…戻りました…」
オーナー「おう、日没までには戻って来れたな」
オーナー妻「どうだい、港湾都市の山寄りのショボい商店街でも案外楽しめただろう?」
ジュン「あははっ、ショボくないって!!コンソン島とかホーチミンに比べて雰囲気は違うけど、やっぱ俺みたいな庶民派みたいなのにはあーゆーのが1番落ち着くんだから!!あ、奥さん衣装ありがとな、洗濯してから返すわ」
オーナー妻「いいよいいよ!!そいつはアンタらにやるよ、どーせ金返す気もない奴らが置いてったカタなんだから、アンタらで有効活用しな」
ジュン「マジ!?奥さん太っ腹ー!!…じゃ、俺少し部屋に籠ってるから!!ニャアンはどうする?」
ニャアン「……私も同じ部屋だよ」
ジュン「あっはっは、そうだったな!!」
朗らかに笑い部屋に向かうジュンと静かについていくニャアンに対して、オーナーの妻は怪訝そうに首を傾げる。
オーナー妻「…?ファンボイの方、どうしたんだい?なんか妙に元気なさそうな…」
オーナー「元気なさそう…?いや、だいぶ饒舌だったと思うが…」
民宿の個室に戻ったジュンは、2人きりになった後もからからと笑いながら、ニャアンの目を見ずに言葉を続ける。
ジュン「あっ、そういや結局電子レンジあるのかオーナーさんに答えて貰ってねぇのに弁当買っちまったなぁ。まぁオーナーさん自身も住んでるんだし流石に借り…」
ニャアン「ジュン」
短く自身を呼ぶ言葉を聞いて、ジュンはびくりと肩を震わせ、ゆっくりとニャアンの方を見る。すると、ニャアンがベッドに腰掛けて両手を広げてこっちを見ていた。
ニャアン「こっちおいで」
ジュン「……ん」
…ジュンはニャアンの言葉に従い、そのまま力無く隣人にもたれかかり、隣人はそれを受け止めて優しく頭を撫でる…
- 41二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 16:49:19
隣人にもたれかかり頭を撫でられるジュンは暫く何も言わず目を伏せたままで、ニャアンの方も何も言わず頭を撫でていた。しかし、程なくしてジュンはぽつぽつと呟き始め、ニャアンはそれに耳を傾ける。
ジュン「…俺さ」
ニャアン「うん」
ジュン「殆ど憎しみと怒りで連邦軍に入ったけどさ…一応、ほんのひとつまみぐらい、願いがあって軍属を選んだんだ。もう二度とコロニー落としなんて起きないで欲しい、俺みたいに地球に住む人達が俺みたいに家族を失って泣かないで欲しい、憎しみを抱いて戦場に向かわないで欲しいって…本当に少しだけだけど、願ってた」
ニャアン「…ジュンは優しいね」
ジュン「…でもさ…リーフの本気で憎む目を見て実感したよ。俺は…俺が思っていた以上に憎しみを撒き散らしてたんだって。ジオンどころか地球の…俺と同じ、妹を大切に思ってる子供にまで憎まれてた」
ニャアン「…ジュンも、サウちゃんが大切だもんね」
ジュン「…4年前、俺の任務は油田基地を守るMS部隊の殲滅だった。基地そのものの破壊は後続部隊がやる筈だった…俺は…それを1人でやり切った…憎しみに任せて…あんなの…サウに見せられたもんじゃない…」
ニャアン「…でも…今一生懸命に頑張ってるジュンは、サウちゃんに自信を持って見せられると思うよ」
ジュン「…今の俺も…あんま見せたくねぇなぁ…」
項垂れるジュンの頭を、ニャアンは一際優しく撫でて言葉を返す。
ニャアン「それでも私は見て欲しい。きっと今のジュンを見たら、サウちゃんだって応援してくれると思うから…私だって応援してるんだから、負けないで欲しい」
ジュン「……つまり根性入れ直して前を向けと?」
ニャアン「ん」
酷く下手な気合いの入れ方だなぁ、とジュンは苦笑しながらも、優しく頭を撫でる隣人の温もりによって胸を締め付けていた重い気持ちが少しずつ軽くなっていくのを感じる。
ジュン「…そうだな…そうだよな…いつまでもうじうじ思い返してても仕方ないよな…ありがのな、ニャアン」
寂しそうに笑いながらも、ジュンは隣人とまっすぐ目を合わせて感謝を伝え、ニャアンも安堵したようにはにかんで頷く。窓から差し込む夕陽が2人のいる場所を照らしていた…
- 42二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 17:18:13
- 43二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 18:25:20
- 44二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 20:09:06
- 45二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 20:59:31
マチュ「よし、ムーディな音楽を流して二人をその気にさせる!」
だがマチュが流したのはよりによってこの曲であった
(日本文化に詳しいジュンは勿論吹き出した)
- 46二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 21:04:55
- 47二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 21:20:47
- 48二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 22:23:55
おまけ、2人の距離感
ジュン達が民宿で寄り添ってるのと同じ頃、ロード・ノア居残り組
ライラ「なぁアンタら、それからロンさん。前から聞きたかったんだが…ベトナムの血筋の人達ってのは揃いも揃ってあの2人みたく恋人は他人の目を気にせず寄り添うもんなのかい?」
ロン「な、なんだ藪から棒に…」
ライラ「いやさ、これまで私の周りの若いベトナム人といえばこの3人だけだったんだがコイツらは見ての通り女の影もないだろう?」
アグラ「あねさん???俺らとて急に刺されたら痛いんですよ???」
ライラ「コンソン島の市場の奴らには既婚者もいるが大抵旦那が奥さんに尻に敷かれて真面目に働いてるが、付き合いたての若い奴らってのをあんま見かけなくてね。付き合いはひっそりやるもんなのかなぁ、なんて思ってた矢先に宇宙からやって来たあの2人だよ。宇宙報道で愛を叫べるぐらい、アンタらの血筋ってのは愛が強いのかい?」
ガレス「いやいやいやあんなブレーキの壊れたMAみたいな勢いの告白をベトナムの基準にしないで下さいよあねさん」
ヘリス「あ、あの告白も事故みたいなものだと言ってますし、2人だって清いお付き合いなんでしょう?」
ロン「……清い…付き合い…?」
瞬間、ロンの脳裏に思い起こされるのはホーチミンからムカッラーまで向かうまでの航海中の2人の様子…具体的には昼飯を食べる時にはほぼほぼ隣り合って食事を交換したり、休憩中寄り添って片耳ずつのイヤホンで音楽を聞いたり、自然と2人で仮眠室に入ってそのまま寝たり、場合によってはMSコクピットでシュミレートしてたところ密着したまま揃って寝落ちかましてたりする2人…
ロン「………まぁ…やる事はやってないらしいから清いか…」
ライラ「ニャアンちゃんの保護者が聞いたら怒髪天になりそうな清さだねぇ…」 - 49二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 22:49:47
ペイン翁「流石にイズマにはMS用バリュートの予備は無いか…」
看守娘「それは流石にアウトだと思うなー。折角看守補助員のお手柄で模範囚になったんだから、早く保釈貰える方向狙った方がいいんじゃない?」
ペ「そうは言うがな…”あの蒼き獣(ケダモノ)を狩れ”と心の奥底から声が聞こえてくるんじゃ」
娘「帰ってくるまでに保釈か、せめて外出許可権取っておけば朝でも夜でもいつでもシメに行けるでしょ?」
ペ「そう言うおんしはあの女学校狙えるのか? 今の調子だと面接で落とされるぞ?」
娘「ご心配には及びませんわ。アマテお姉様やペイン小父様からご教授頂いた面接必勝法と人の心に浸透するスパイ技術で、面接官の皆様を悉く籠絡してご覧に入れましょう。うふふふ…」
ペ「(一瞬で気配を変えおったわい。これがあの看守と厨房班長殿の間に生まれた脱力系下町娘とは思えん…少し強化しすぎたかの…いや、それより)…あの赤毛の娘は何を教えたんじゃ…」
- 50二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 23:13:49
- 51二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 23:18:55
- 52二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 06:34:58
- 53二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 09:48:25
- 54二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 14:06:07
- 55二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 15:10:25
- 56二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:08:41
同刻、統一機構シリア基地
…ロード・ノアの正式な入国準備が着々と進み、ジュンがニャアンの励ましを受けて気合を入れ直していたその頃、彼らが目指す先にある地中海側の中東国内の一つであるシリア砂漠にて、反連邦勢力地域の中でも数少ない統一機構拠点であるシリア基地ではジェリド達の搭乗する三体の黒いガンダムとそのパイロット達の正式な入国手続きが完了していた。
基地内のガレージに並ぶ3体のガンダム達の前で敬礼するジェリド、カクリコン、マウアーに対して、アラビア風のターバンを巻いた基地局長は訝しげに3人の顔を覗き込む。
局長「…始末対象の裏切り者といい鹵獲対象のスペースノイドのガキといい…ガンダム乗りというのは若者に任せるのがそっちの風習なのかねぇ?上層部どももよくもまぁこんな若造どもに新型のガンダムを任せたもんだ」
むっとするマウアーの横で、ジェリドは冷静に受け答えする。
ジェリド「我々が新型を受領出来たのは先の戦争におけるデータから得られた適正によるものが大きいと上層部から聞かされております。次期主力を目的としたMK-Ⅱも今はこの三機のみ。今はその性能を測る為、適性のある我々がその試験を任されたという形になっております」
局長「適正…?3体1で挑んでおきながらブルキャノンを取り逃しておいて、そんなものがあると言えるのかね?」
ジェリド「ブルキャノンは単騎で戦局を支配する為の機体です。それを3体で抑える事が出来た点に関しては、充分なデータを得られたと自負しております」
局長「…成る程成る程、確かにあの悪魔を足止めした点は評価すべきか。
流石、44バンチでの被害を最低限に抑えた英雄様は結果を残してくれるな」
言い過ぎだ、とカクリコンは思わず怒鳴ろうとするが、それよりも早くジェリドが返す。
ジェリド「…局長殿、一つ訂正して頂きたい認識があります」
局長「なんだね?私は君の功績を正しく評価して…」
ジェリド「私ではなくジュン・ファンボイに対する認識です。確かに奴は尋常ではない強さを誇りますが、それは卓越した技術と経験が彼を騎士に仕立て上げた為です。彼とてまた1人の人間です。それを悪魔の一言で片付けるような認識の甘さでは、奴には勝てません」
局長「っ…」
ジェリド「では、失礼します」
再び敬礼し直してからガレージを後にした3人を、局長は忌々しげに睨む… - 57二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:09:38
ガレージを後にした3人は、作戦に向けて準備をする現地隊員達に奇異の目で見られ、陰口を叩かれながら基地内を歩く。
隊員1「あいつ…例の44バンチの…」
隊員2「新型のガンダムのパイロットって噂は本当だったのか…局長殿も大変だな、上層部からあんな奴を渡されるなんて…」
隊員3「作戦も奴らを中心に組めとの話なんだろう?出世のために簡単に引き金を引いたような奴をよくもまぁ中心に出来たもんだよなぁ」
カクリコン「……ジェリド、向こうの連中のターバンをひん剥いて少し黙らせてこようか」
帽子をとってマウアーに渡しつつ指を鳴らしながら現地隊員達をひと睨みするカクリコンの肩に、ジェリドはそっと手を置いて彼を止める。
ジェリド「やめておけ。次の作戦はシリア基地各員との連携が必須の方位攻撃なんだ。援護担当の彼らと遺恨を残すような真似をしたら連携に支障をきたす…概ね、向こうが言ってることにも間違いはないしな」
カクリコン「む…」
マウアー「…私としてはカクリコンに賛成だけど…ジェリド自身がそう思うなら、やめた方がいいね」
マウアーは少し困ったように笑いながらカクリコンの頭に帽子を戻し、帽子を受け取ったカクリコンもジェリドに従うが、やはり不満げに言葉を漏らす。
カクリコン「…全く…昔のお前はもう少し無鉄砲というかプライドが高いというか…フォローしがいのある奴だったんだがな…」
ジェリド「褒めてるのか挑発しているのか分かりづらい事を言うなよ…」
マウアー「まぁ、その分戦場で支えてやればいいじゃないか。ブルキャノンにサシの白兵戦挑む無茶とかはする訳なんだからさ」
カクリコン「お、それだそれだ。あの時俺もマウアーも本当に焦ったんだからな?早いとこドッグから離脱して流れ弾が出ないように空中で遠距離戦を挑めばいいものを…」
ジェリド「わ、分かった分かった!!その辺の反省会はブリーフィングでな」
友人と恋人に囲まれて文句を言われながら困ったような笑みを浮かべるジェリドだったが、その内心では先程の局長の言葉が反響し続けていた。
ジェリド(……奴も…ジュンもこうなのだろうか…あの事件を思い出して…眠れなくなったりするのだろうか…)
- 58二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:24:56
同刻、民宿『アリババの隠れ家』
…統一機構シリア基地にてジェリドが親友もまた自分と同じ想いで眠れない夜があるのだろうかと考えていたその頃、すっかり日が沈んだムカッラーの民宿にいるジュンは、確かに眠れずにいた…いたにはいたのだが、ジェリドが思っているよりもだいぶ情けない理由で理由で彼は寝付けずにいた。と、言うのも…
ジュンニャアン((ね…寝れない…!!!!))同じベッドで背中合わせになって寝ようとしてる
…この2人、寄り添って貰って気合いを入れ直し、明日は早くに船出だからと夕食を終えてシャワーも浴びていざ寝ようとした所でようやく部屋のベッドが一つだけだという事に気付き、慌ててもう一部屋頼もうとするもオーナーの奥さんに「遠慮しなくていいから!!(?)」と押し切られて部屋に戻されてしまい、結果として2人はやむを得ず同じベッドで寝ることになったのだ。因みに2人は朝早い事と何かあった時の為にすぐ出られるようにいつもの服装に着替え直している。
ニャアン「……じゅ…ジュン、起きてる?」
ジュン「お、おう。ちょっと晩飯のチキンが辛味強過ぎたかな、目が冴えてるわ」
ニャアン「わ、私もコーヒー飲んじゃったから眠れなくて…」
ジュン「そ、そっか…いや別に変な事じゃないよな!!俺ら添い寝してるし!!今更だよな!!」
ニャアン「そ、そうだよね、別に今更…民宿で…2人きり…」
…ジュンを案じてたジェリドが見たら助走をつけてぶん殴って来そうな甘酸っぱさだが、本人達としては中々に非常事態であった。とにかく早いとこ寝ようと目を瞑るとかえって背中越しに伝わる温もりに緊張してしまい、余計寝付けなくなってしまうのを2人は実感していた。
ジュン(いやいやいやいやさっきまでフツーにハグしてたじゃんか!!何を今更そんな緊張する必要があるよ!?考えてみりゃ17の少女だぜ!?いくら恋してるからってそんな…いや浴場で見た時の体は結構素直に女らしry消えろ煩悩!!!!!!)
ニャアン(か…顔が熱くて寝れない…別に緊張してない!!隣で寝るぐらい今更だし!!なんなら浴場で何一つ着てない状態でジュンの頭抱き抱えry余計な事考えないでよ私の馬鹿!!!!!!)
…かくして、(情けない理由で)眠れない2人の夜が始まった…
- 59二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:38:13
お前ら……ww
- 60二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 20:40:06
ジュン「………」
ニャアン「………」
ジュン「ね、寝たか?」
ニャアン「ま、まだ…」
ジュン「…い、いっそ眠気が来るまでもうちょい雑談するか?」
ニャアン「う、うん。賛成」
沈黙と温もりに耐えかねた2人は同じ布団から這い出し、ジュンは胡座、ニャアンは正座でベットの上に座り込み対面する。
ジュン「そ、そんな畏まるなよ、楽に座ろうぜ?」
ニャアン「だ…だって…このスカートだと正座しないと色々見え過ぎるから…」
ジュン「ほ、ほーん…そっか………」
ニャアン「…あまり見ないで…」俯き
ジュン「お、おう、ごめん」目逸らし
ニャアン「……」赤面俯き
…そろそろ案じてたジェリドがプラズマを流してジュンの顔面目掛けて飛び蹴りをかまして来そうな雰囲気になっているが、本人達は至って真面目に寝ようとしており、なんとか眠気を誘う為に熱暴走気味な脳味噌をフル回転させて会話を広げようとする。
ジュン「え、えーとその、アレだな、今の状況ベイン爺さんに見られたら俺締め上げられちまうな、あっはっは…」
ニャアン「そ、そうだね。ベインおじさん心配性だもんね」
ベイン「へっくし!!!!」
看守「お?爺さん風邪かい?」
ニャアン「…おじさん、今何してるかな」
ジュン「あの人は元気してるだろうさ。刑務作業も真面目だし、若い奴らにも負けてない作業量こなしてるって演歌のおっちゃんが言ってたっけ」
ニャアン「演歌さんも暫く会ってないね…そういえば、初めて会った演歌さんは怖かったっけ」
ジュン「そうそう、俺ら危うく違法密輸品取引容疑で逮捕されるところだったんだよな」
ニャアン「う…その時はともかく、私は実際密輸品扱ってたから耳が痛い…」
ジュン「あはは、俺は元始末屋だし、俺らよく今こんな風に隣り合えてるよなぁ…」
膝を合わせながら、2人はどこかおかしそうに笑い合う…
- 61二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 22:29:27
暫く膝を合わせて談笑していた2人だったが、その途中でニャアンが少し顔を顰める。
ジュン「…?どうした?」
ニャアン「えっと…その…足痺れてきた…」
ジュン「あー…慣れない正座なんてするから…」
ニャアン「し、仕方ないでしょ!?ジュンは胡座かいてるからズルいよ!!」
ジュン「だったらニャアンも胡座…かいたらダメだな、うん…一回ベッドから降りてさっきみたいにベッドに腰掛けた方がいいんじゃねぇの?」
ニャアン「うう…もう少し早く気付けば良かった…」
痺れる足に顔を顰めながらニャアンは立ちあがろうとするが、痺れ故に思わず大きく姿勢を崩してしまう。
ニャアン「わっ…!?」
ジュン「馬鹿っ、危ねぇ!!」
ベッド端の電灯に頭をぶつけそうになるニャアンを庇うように慌ててジュンは立ち上がってニャアンを抱き抱えようとする…が、彼もベッドという柔らかい足場で胡座から急に姿勢を変えたせいで姿勢を崩し、電灯への直撃は免れたものの2人揃って大きく姿勢を崩し…
結果的に、ジュンがニャアンをベッドへ押し倒す形になってしまった。
ニャアン「あっ…」
ジュン「っ!!!?」
ジュンは慌てて飛び退こうとしたが、咄嗟に握ってしまったニャアンの細い手首の暖かさや、倒れた拍子に広がった綺麗な黒髪、頬を染めて目を逸らすニャアンの照れ顔、その他諸々様々な要因が重なって思わず固まってしまう。
ジュン「あ、いや、違、違くて!!す、すぐ退くから!!神様仏様ベイン様に誓ってまだそーゆー事はその…!!」
しどろもどろになりながらもなけなしの理性を搾り出して早口に捲し立てるジュンだったが、
ニャアンの潤んだ瞳と目が合った瞬間、
ジュンは思わず見惚れてしまい、薄暗い部屋を静寂が支配する…
- 62二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 22:30:10
- 63二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 23:15:45
2人揃って寄り添う時とフツーの時の触れ合う事に対する抵抗感というか心の振れ幅が激し過ぎる…
- 64二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 02:08:33
- 65二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 06:34:31
- 66二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 07:14:34
錯乱したジュンならこーゆー事思いそうではあるw
- 67二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 12:41:56
この時空だと(現実なら年齢問題で)1番一線超えてはいけない2人組が1番先に一線超えそう(ぶっちゃけ宇宙世紀なので全然フツーに超えそうではある)
シュウジ「くっ…先を越された…悔しいけれど僕とマチュは2番手だね…」
エグザベ(なんの迷いもなく3番手にされた…)残当 - 68二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 16:46:26
今のジュン兄は心の中でノスタル爺とベイン爺が殴り合いしてて大変そうだ…
- 69二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:25:36
民宿『アリババの隠れ家』
月の光が差し込む一室のベットの上で、偶然とは言えニャアンを押し倒してしまったジュン。
ジュンは押し倒した少女の潤んだ瞳から目が離せず、押し倒されたニャアンも自分に覆い被さりそうな程の距離にいる青年に抵抗を見せず、じっとしている。
2人は暫く動けないままでいたが…突然、先程まで興奮やら葛藤やらで物凄い顔になってたジュンの表情がすんと落ち着いたものになり、ニャアンの手首を押さえていた右手をゆっくりと離す。
ニャアン「っ…」
ニャアンは思わず目を瞑り、しかし一切抵抗するそぶりを見せない。恐る恐るといった様子ではあるが、ニャアンはジュンの手がゆっくりと下に向かうのをそのまま見守り…
ジュンが何故か自分のベルトに差してあるプラスドライバーに手をかけたあたりで、違和感を感じる。
ニャアン「…?ジュン…?なんでドライバーなんて…」
ジュン「しっ」
ジュンはゆっくりとドライバーの先端を指で摘みながらそっとベットを降り、静かに扉の方へと向き直る。
ニャアン「…???」
いきなり何をしてるのかとニャアンが扉の方を覗き込もうとした瞬間、
突然ドアが蹴破られ、ターバンとマスクで顔を隠した男が、バールを振り上げて部屋の中に飛び込もうとする。
ニャアン「っ!!!?」
しかし男がバールを振り下ろすよりも早くジュンの投げたドライバーが男の右腕に突き刺さり、男は悲鳴をあげて蹲る。その悲鳴の為に、男の背後にいた武装する男達はどよめきながら後退る。
ニャアン「な、な、何…!?」
ジュン「何かは分からねぇけど、多分あまり嬉しいお客さんではねぇな…」
ジュンはベルトからレンチとマイナスドライバーを引き抜いて入口の武装する男達に向き合う… - 70二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:40:56
- 71二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:44:21
ベイン「よくないがヨシ!!!!」
- 72二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:45:52
突如部屋の入り口ドアを蹴破ってジュン達の部屋へ入り込もうとして来た男達のうち1人が、短剣を振りかぶってジュンへ切りかかろうとする。しかし男が先にドライバーを腕に刺されて蹲る男を避けて進もうとした僅かな隙にジュンは短剣の男の懐に飛び込んでレンチの挟む部分で短剣の刃を挟み、サードブレーカーの容量で鉈を端折り、へし折られた短剣を見て男がぎょっとしているうちにレンチで肩を殴りつけて腕の骨をへし折った上で後ろの2人の方向へ蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた男達が骨折した仲間をどかそうともがいているうちにジュンは左手のマイナスドライバーを投げ、更には最初にプラスドライバーを刺された男からドライバーを引き抜きそれも投げ、残り2人の男達の手甲にもドライバーを突き刺して武器を落とさせる。
時間にして10数秒足らず、ジュンは部屋に乗り込もうとしてきた4人の男達を工具3本で無力化する事に成功した。
ジュン「ふーっ…やっぱ普段から工具は身につけとくもんだな。大型船からブルキャノンに乗る時普段着で良かったぜ…」
ニャアン「じゅ、ジュン…その人達何…?」
ジュン「それに関してはちょっと分かんねぇけど…いや待て、見覚えあるような…」
オーナー「おいおいおいなんの騒ぎだ…ってうおっ、な、なんだこいつらいつの間に!?」
オーナー妻「あれま、強盗かなんかかい?…ファンボイあんたこいつら1人で仕留めたのか、やるねぇ!!」
ジュン「たははっ、これに関しては閣下と指揮官仕込みの護身剣術が役に立ったかなぁ」
男達からドライバーを引き抜いて縛り出すジュンに対して、ニャアンはひそひそ声で話しかける。
ニャアン「……ねぇ、ジュン」ひそひそ
ジュン「とりあえずコイツら以外はいなそうだけど縛っとこう。だからひとまずは安心して…」
ニャアン「…もしこの人達が来てなかったら…止まれてた?」ひそひそ
ジュン「…………よーしテメェら今から尋問すっからな!!オラッキリキリ歩け!!!!」
男1「いでででで!!!!」
男2「4人纏めて縛られてるのに歩けるわけねぇだろ!!!!」
ニャアン「………けだもの…」
ニャアンは赤面しながらぼそっと呟く…
- 73二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:46:44
- 74二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 21:13:54
中将「今や実戦剣術など趣味でしかないがね」
指揮官「しかし昨今はMSのビームサーベル導入でにわかに注目を集めています」
中将「それに私は剣を振るうより打つ方が好きだね」
指揮官「それは私もです…参りました」(剣を弾き飛ばされた)
親方「如何ですかな、旦那様?」
中将「使い易さを重視しているようだが、どう使っても手に馴染む良い剣だね」
親方「恐れ入ります」
指揮官「で…親方。今打っている剣は本当に奴ら…いえ、ジオンやイズマのスペースノイドに渡すのかい?」
親方「はい若様。旦那様より”此度の客人に我が工房の神髄をお見せするように”との沙汰がございましたので」
中将「急の仕事を入れて済まないね」
親方「なんのなんの。コレで誰憚る事無く鍛冶工房でハンマーを奮えますでの」
中将「親方の工学の所見も今回の技術交流に欲しいところなんだがね」
親方「この老いぼれにMSはやはりあたら良すぎますでの。若い者に任せても差し支えありますまいて」
指揮官「私は元帥閣下との連絡で城を離れる事が多い。出来る範囲で良いので、話を聞いておいて貰えないか?」
親方「若様のお申し付けとあれば、この老骨も会議室の隅で居眠りせんように気をつけますわい」
- 75二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 21:22:50
- 76二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 21:23:32
ジュンの反撃によって鎮圧され、一旦ロビーの柱に縛り上げられた4人の男達はいずれもアラビア系の若い男達であり、いずれも厳つい顔つきでジュンを忌々しげに並んでいる。ジュンはそんな面々をじっと観察し、暫くしてからあっと声をあげる。
ジュン「あっ思い出した、アンタら夕暮れ時に商店街で俺らの事睨んでた半グレっぽい人達か」
ニャアン「…言われてみれば…似てるかも…?」
ジュンに言われて顔を覗き込もうとするニャアンだったが、男の1人が睨んできた為慌ててジュンの背後に隠れ、ジュンは屈んでその男に目線を合わせて問いかける。
ジュン「態々俺達の部屋に殴り込みに来たのはただの物取り強盗…って訳じゃないよな…俺への恨みか?」
男1「けっ…悪魔なんぞと誰が離すかよ」
ジュン「うーん…微妙だな…この国だと俺が恨まれまくってるせいでシンプルに俺が恨まれて狙われたのか誰かに依頼されてるのか分かんねぇや…」
ジュンか頭を抱えてると、オーナーの妻が男の胸ぐらを掴んで怒鳴りつける。
オーナー妻「なぁにが悪魔だいこのアンポンタンが!!人の根城に押し入ってよってたかって袋叩きにしようとした情けないガキどもが一丁前に吠えてんじゃないよ!!」
男1「は、離せババァ!!腑抜けになったアラビア支部の飼い犬がよくもこんな…!!」
オーナー妻「誰がババアだってぇ!?」
オーナー「こ、こらこらやめんか、取り調べはこれから来るアラビア支部の方々にに任せればいいって」
ニャアン「お、奥さん、落ち着いて落ち着いて」
慌てて2人が止めに入るもオーナー妻の揺さぶりは止まらず、その弾みで男の首から首飾りのようなものが外れて落ちる…
- 77二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 21:36:07
「盾」初代スレ167レスを引っ張ると
「スペースノイド以外には有能で優秀で人格者だった」
だから、地球から出なかったら多分何の問題も無い人物だった。
多分ゴップ元帥の処へ連絡将校やってても「ほとぼりが冷めたらまたこっちで仕事をしないかい?」って過半本気で声かかってるんじゃないかな―――元帥は(サイド6で少しは視野も広がっただろう。無闇なスペースノイド蔑視が無くなれば、宇宙への見識を併せ持った良い将官になりそうだ)くらいの評価してるかも。
- 78二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 21:44:48
ジュン「…?なんか落とした…ぜ………」
男の首元から落ちた首飾りは、奇妙な模様が刻まれた金属の首飾りだった。模様、というよりもそれは1つの異形の姿であり、枯れ木のように細い両腕を大きく広げ、ボロ布を纏った身体の真ん中には三日月のような形の両目と口によって不気味な笑みを浮かべている怪物は、子供が悪戯でシーツを被って扮する幽霊を禍々しく書き直したような姿をしている。
ニャアン「…なんか…お化け屋敷の幽霊みたいだね……?…ジュン…?」
首飾りを見た途端動かなくなってしまったジュンは、先程奇襲に気付いた時の冷静な雰囲気とは真逆…何かに気付きながらも、抑えきれないような何かに震え、その表情はみるみる怒気に染まっていく。
ニャアン「じゅ…ジュン…?」
ジュンはゆらりと男の方へ向き合い、いきなり胸ぐらを掴んで睨みつけながら首飾りを見せて問い詰める。
ジュン「…何故…こんなものを持っている…奴らの…
『嗤う幽霊(ラフィン・ゴースト)』のエンブレムが刻まれた首飾りを、テメェらみたいな半グレが持っている!!」
ニャアン「ラフィ…?何…?」
ニャアンが首を傾げる横で、オーナー夫婦はその名前を聞いた途端さっと青ざめ、それを見た男達はにやにやと笑い出す。
ジュン「笑ってねぇで答えろ!!あの部隊は俺達が全滅させた筈だ!!生き残りがいたのか!?そいつらがお前達に指示を出したのか!?」
胸ぐらを掴み唯ならぬ様子で迫るジュンに対して、男達は嗤うばかりで答えようとしない。
ジュン「くそっ…!!」
ニャアン「…?…???」
これまでに見せた事がない程に取り乱すジュンの様子に不安を覚えたニャアンが声をかけようとしたその時、民宿の入り口から更なる来訪者が姿を現す…
- 79二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 22:12:35
…民宿に駆け込んで来たのは、港湾基地で出会ったリーフの父親だった。息を切らし、尋常ではない程に狼狽えた様子でドアを開けて転がり込むようにロビーに入って来たリーフの父親は、縋り付くようにジュンの方へ駆け寄って彼の肩を掴む。
ジュン「っ!?あ、アンタ確か、リーフの…?」
ニャアン「なんで、ここに…?」
商人父「き、君達、昼過ぎにリーフ達と一緒にいたんだよね!?あの後あの子達がどこに行ったか知らないかい!?」
ニャアン「り、リーフ君達の行方…?ごめんなさい、リーフ君を見つけてマタルちゃんと別れた後の事は何も…」
商人父「そ、そんな…!!」
オーナー「だ、旦那…?リーフ君達がどうしまんですかい?」
商人父「いないんだよ!!仕事を終えて買い物に行くと言って2人で出かけて、それからずっと戻って来てない!!商店街中を探してもどこにもいなくて…!!」
オーナー妻「なんだって…!?」
オーナー夫妻が動揺する中、今もなおにやにやと嗤う男達を見たジュンは、男の胸ぐらを掴んで怒鳴る。
ジュン「まさか…テメェらなのか!?また子供を巻き込むような真似を…!!!!」
ニャアン「じゅ、ジュン!!今はリーフ君達を探そう!!この人達の事はアラビア支部の人達に任せよう!!」
ニャアンは咄嗟に叫んだ、何故か分からないが、今ここでこれ以上ジュンとこの人達を一緒にしてはいけないと、ニャアンは本能的に感じ取ったのだ。
ジュン「っ…!!分かった…!!オーナーさん、奥さん!!そいつら見張っといてくれ!!商人さん、俺らがリーフに会った所まで案内するから来てくれ!!」
商人父「わ、分かった…!!」
3人は駆け出して民宿を後にする…
- 80二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 22:37:26
…夜の商店街。日も沈み今の時間に空いている店などなく、普段ならば夜の静けさが広がる場所…の筈だったのだが、今宵は少し様子が違った。
というのも、3人が駆けつけると何故か商店街には無数の大人達が懐中電灯や松明を持って右往左往しており、必死な様子で子供達の名前を呼んでいたのだ。
ニャアン「な…何…これ…?」
ジュン「…まさか…この人達も自分の子供が戻って来てないのか…?」
町人1「だ、旦那!!リーフ君達はいましたか!?」
商人父「ダメだ…!!アリババの隠れ家のオーナー達も知らないらしい…!!」
町人2「あそこにもいないのか!?どうなってんだよ…!!おーい!!どこだぁ!?」
…明らかに普通ではない状態にジュン達が戸惑い、商店街で立ち尽くしているその頃…
ジェリド達の滞在するシリア基地の付近にある集落の住民達が似たような異変を訴える為に基地へと殺到していた。
集落民1「娘が!!娘が家に戻ってきていないんです!!」
集落民2「うちの息子もです…!!どうか軍の方で捜査を…!!」
隊員1「え、ええい落ち着かんか!!」
隊員2「くそっ、向こうの集落からも似たような連絡が…!!」
ジェリド「これは…何が起きているんだ…?」
押し寄せる住民達を見ながら、ジェリド、マウアー、カクリコンの3人も戸惑いのあまり立ち尽くす…
- 81二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 22:46:11
子供?このスレで子供……あっ(察し)
- 82二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:13:15
- 83二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:27:28
演歌軍警「あの爺さんも大概だからな。電磁警棒一本で半グレの不正改造赤目ザク4機5分で仕留めた。しかも周囲の被害無し」
アラガ「ファンボイの野郎より冷静な分アッチの爺さんの方が怖いわ」
ラゴウチ「これ、ニャアンちゃんに手出す奴いたら宇宙のチリでも済まないッスね」
軍警一同『まあ生き残れるのは…ファンボイぐらいだろ』
- 84二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:44:17
- 85二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:50:55
- 86二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:58:58
でも上手く生き残る術は教えてそう。
アララゴ『班長殿、”脱走囚”一名連行して参りました!』
看守嫁「ああごくろーさん。悪いねぇ装甲機動隊のアンタらに年寄りの介護まで。夜食あるから食ってっとくれ」
アララゴ『はい! ゴチになります!』
看守嫁「もう少し早い時間なら通いの娘らもいるんだけどね。流石にこの時間は宿舎済みのアタシしかいないからさぁ」
アラガ「とんでもありません!」
ラゴウチ「正直この美味い飯だけで役得です!」
看守嫁「だったらさっさと家でそういうの作ってくれる連れ合い探しなってんだよこのスットコドッコイどもが!(お玉で一撃ずつ」
- 87二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 07:20:03
- 88二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 13:09:13
刑務進んで仮釈放(ジュンと同じような扱い)になった数年後とかには定期的にジュンニャアンの子供預かったりしてそう
- 89二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 16:31:05
もしも民宿で男達が乱入してなくて行くとこまで行ったとしてもジュンの顔面凹むぐらいしばき回された後で泣きながら「ニャアンの事幸せにしなきゃ承知せんぞ…!!」するのがよく似合う爺さんだよ、ベイン爺さんは
- 90二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 19:37:44
夜、商店街
街から消えた子供達を探す為、商店街には多くの人達が集まって各々が懐中電灯や松明を持って必死で呼びかけを続けており、ジュンとニャアンもそれに加わる。蒼い悪魔とそのマヴの姿を見るとアラビアの人々は奇異の目で2人を見るが、今は事態が事態の為特に言い寄る事もなく子供探しを優先してくれている。
ジュン「おーい!!リーフ!!いるなら返事してくれぇ!!」
ニャアン「マタルちゃん!!どこ!?」
2人が大声で呼びかけても子供達の声は聞こえず、夜の商店街に響くのは大人達の必死の声だけだ。
商人父「ああ…どうしよう…!?2人に何かあったら…!!!!」
ニャアン「ジュ、ジュン…もっと調べる範囲を広げた方がいいんじゃない…?」
ジュン「ああ…これだけの人数で探してもいないとなると別の場所か…或いは…」
或いは何か事情を知っているかもしれない自分達に襲いかかった男達を本格的に問い詰めるしかない、とジュンが考えていた時、人々の輪の中からより一層大きな声が響く。
男性「お、おい!!こっちに子供が倒れてるぞ!?」
女性「う…嘘…リーフ君…!?」
商人父「リーフ!!!?」
リーフの父は大慌てで人々の方へ駆け寄り、そこで倒れているリーフの姿を見て狼狽える。
リーフ「う…うう…」
倒れ込んでうめくリーフの頬には殴られたようなアザが出来ており、服も派手に倒れ込んだように土埃で薄汚れている。顔だけではない、どうにも相当蹴る殴るをされた様子で呻いている。
ジュン「なっ…おい、リーフ!!しっかりしろ!!…息はしてるが…かなりの怪我だ…」
商人父「な……なん…で…なんで…こんな…」
ニャアン「ひ…酷い…誰か、冷たい水か氷を持ってる人はいますか!?病院に運ぶ前に応急処置をしないと…!!」
ニャアンが不安そうに眺める人々に向かって声をかけたその時、商店街から少し離れた一角…山寄りの住民居住区の開けた場所から、突然物凄い轟音が鳴り響く… - 91二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 19:55:39
ニャアン「っ!?な…何この音…!?」
ジュン「こいつは…戦闘機…いや、MSのスラスターをふかす音か!?」
凄まじい轟音に思わず両耳を塞ぎながらもジュンは音源の開けた場所から飛び出す4体のMSの姿を目撃する。
暗闇に紛れて見え辛い状態ではあるが、スペースノイドどころか地球在住の人間にとってもモノアイタイプMSとしてメジャーな形状は間違いなくザクのものであった。だが、砂漠戦仕様なのかいずれの機体もカラーリングは砂漠の砂を思わせるカーキ色であり、更に脚部はドムのように太く、強力なスラスターを搭載しており、それを用いて住宅街側の山壁を跳躍しながら登り始めている。
男性「ざ、ザク…!?なんでこんな居住区から!?」
女性「…?あのザク…何か手に持ってない…?」
女性の呟きを聞いたジュンが目を凝らすと、確かに山を飛び越えるザク達は両手で大型トラックサイズのコンテナのようなものを運んでいるのが分かる
ジュン「…なんだありゃ…?」
ニャアン「コンテナ…だよね…?なんであんなものを…」
リーフ「う、うう…」
苦しげにうめくリーフの声を聞いてはっとジュンが振り向くと、リーフは痛む手を動かしてジュンの手を取り、必死の形相で訴えてくる。
リーフ「あ…あの…コンテナ…
あそこに…マタル達が…俺以外の子供達が詰め込まれて…」
ジュン「何!?」
慌ててジュンがザク達を見ると、既に4機とも山を越え、足のスラスターによるホバー移動で山を降り出し、見えなくなってしまう。
ニャアン「に、逃げてく…!!どうしよう、ジュン!?」
ジュン「っ…!!」
ジュンは狼狽える人々の波を掻き分けて、路地に泊まっていたキーが刺さりっぱなしのバイクに飛び乗る。
男性「ちょ、それ俺のバイク!!」
ジュン「港湾基地に置いておく!!後これレンタル料!!」財布を投げつける
ニャアン「っ…!!」
バイクのエンジンをかけたのを見たニャアンは後ろに跨り、2人は港湾基地へ向かってバイクで駆け出す…
- 92二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 20:07:12
ジュンとニャアンは二人乗りのバイクで夜のムカッラーを駆け出す。無免許ノーヘルとかなりの無茶をしているが、2人ともそんな事に気を回せる程余裕がない。
ニャアン「どうするのジュン!?」
ジュン「ブルキャノンで奴らを追う!!ロードノアはともかく機体だけなら登録は先にやってたから終わってる筈だしな!!」
ニャアン「なら私もオイランゼンで行けばいいよね!?」
ジュン「ああ!!索敵能力はオイランゼンの方が上だ!!正直こんな事にまたニャアン連れて首突っ込むのは嫌だが…!!」
ニャアン「そんなのクラバに巻き込まれた時から今更だから!!気負う必要ない!!」
ジュン「ホント最高にいい女だよオメーは!!」
爆速で坂を下るジュン達は港方面まで到着し、大通りの交差点で信号待ちの為に止まるが、ここで2人は気付く。
この騒ぎは、商店街に限った話ではなかったのだと言う事に。
女性2「うちの子が戻って来ていないんです!!お隣の子も!!」
男性2「俺の倅もそうだ!!何が起きてるんだ!?」
警官「お、落ち着いて下さい!!今他の地区でも同じことが起きてて…!!…何!?子供を見つけた!?怪我をしてる!?分かったすぐ行く!!」
ニャアン「…嘘…港町の方でも…!?」
ジュン「っ…急ぐぞ!!」
ジュンは信号が変わると共にアクセル全開でバイクを走らせる…
- 93二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 20:40:37
盗んだバイクで走り出す(尾〇豊感)
- 94二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 20:51:46
一応財布担保に渡したから…(なおお土産買ってたせいでほぼカラ)
- 95二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 21:19:10
同刻、統一機構シリア基地
ジェリド「何故出撃命令を出さないのですか!!!!」
シリア基地の局長室に乗り込んだジェリドは局長の座る司令席のテーブルを拳で叩きながら司令に怒鳴りつけるように問い詰める。司令の左右にいる護衛はそれを止めようとジェリドに近寄ろうとするが、司令は手を伸ばしてそれを止め、ジェリドに対して答える。
司令「最新型であるガンダムMK-Ⅱの作戦運用の為には統一機構上層部の承認が必要なのだよ。誘拐犯と思われるMSの目的が分からぬ以上不用意に君達を出す訳には…」
ジェリド「我々だけではない!!この基地に配属されている筈のアッシマー隊にも動きがありません!!これはどういう事ですか!?」
司令「現在所属不明のMSが発生させていたMSの信号の確認中だよ。まずは敵を知る所から…」
ジェリド「そんな悠長な事をやっている場合ですか!!子供達が攫われているんですよ!?」
激昂しながら詰め寄るジェリドをカクリコンとマウアーは不安げに見守り、司令は鬱陶しそうに目を合わせてジェリドに問いを返す。
司令「…いやに熱いじゃないかジェリド中尉。
そうやって子供を気にかける素振りを見せることが、君なりの罪悪感の薄め方なのかね?」
ジェリド「っ!!!!」
…一瞬、ジェリドの脳裏にかつての己の過ちが過り言葉を失うが、彼はどうにか平静を取り戻して答える。
ジェリド「…自分は…統一機構の軍人です。ジオンが用いるMSが地球圏内で活動をしているとなれば、この事態を見逃す訳にはいかない、そう思っただけであります」
司令「ふぅん…?」
司令が訝しげにジェリドを睨んでいると、机の上の黒電話が鳴り、司令がそれを取る。
司令「…?私だ……っ!?し、失礼しました!!ご用件は一体…!?」
ジェリド「…?」
司令「はい………は、はい…承知致しました…では…」
戸惑うジェリドの前で、司令はより戸惑った様子でジェリドに指示を出す。
司令「…最高議長からだ…ガンダムMK-Ⅱ三機による出撃を許可するとの事だ…」
ジェリド「っ!?本当ですか!?」
司令「あ、ああ…2人の指揮も君に任せるとの事だ…」
ジェリド「はっ!!失礼致しました!!!!」
部屋を飛び出す3人を、司令は戸惑った様子で見送る…
- 96二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 21:19:59
同刻、港湾基地MS格納庫
バイクに乗っていた2人は港湾基地前まで辿り着き、基地の手前にバイクを置いて敷地内に入る。基地内部ではアラビア支部仕様の軽キャノンやザクが緊急出動用の警報と共に起動準備がされ始めており、その足元では整理班や武装車両部隊などが慌ただしく行き来している。
ニャアン「アラビア支部の人達も…動き始めてるみたいだね…」
ジュン「俺達も急ぐぞ!!」
ジュンとニャアンはそれぞれの愛機の前に駆け寄り、ライラ達に変わって見張りをしていたガレス達に声をかける。
ジュン「ガレス!!ライラ姉さんとロンさんは!?」
ガレス「それぞれの機体に乗ってロード・ノアに戻った!!支部の奴らが出る以上ロード・ノアが手薄になっちまうからな…お前らは出るのか!?」
ニャアン「すぐにでも!!オイランゼン!!」
ニャアンが呼びかけるとオイランゼンが起動し、コクピットが開く。
ヘリス「う、うわっ、開いた…!!」
アグラ「相変わらず便利なもんだ…」
支部長「お前達何をしている!!」
2人がそれぞれの機体に乗り込もうとすると、銃を持った部下を引き連れた支部長が2人の元へ歩み寄ってくる…が、オイランゼンの首がゆらりと自分達の方に傾けられたのに気付いた一同は怯えながら後退る。
ジュン「子供達を攫ったザクを発見したんだ!!データは先行して送るから、俺達も出撃を…!!」
支部長「ふざけるな!!この国を滅茶苦茶にした蒼い悪魔を、こんな非常事態に飛ばせと言うのか!?」
ニャアン「こんな事態だからでしょ!?どさくさでデータ盗るようなせこいこと考えるなら今この場で私達を利用して悪い奴ら捕まえる方が理にかなってるじゃない!!!!」
支部長「ぬ…」
ニャアンのあまりの言い草に支部長は思わず顔をしかめるが、その言葉を受け止めて熟考し、やがて決断を下す。
支部長「……いいだろう。逃亡MSを発見次第すぐに連絡をよこすように!!それと、間違っても油田施設に火器を打ち込むんじゃないぞ!!」
ジュン「了解!!!!」
ニャアン「はいっ!!!!」
- 97二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 22:04:37
ブルキャノンに飛び乗ったジュンが武装確認をしていると、ヘリスからの無線が入る。
ヘリス『そうだ、ファンボイ!!
君が離れてる間にブル・フライヤーの最適化が完了したんだ!!
追跡がどれぐらいの飛行になるか分からない以上、移動はこれを使って行くといい!!今からクレーンで換装するから待ってて!!』
ジュン「マジか!!仕事早いなぁヘリス!!」
ロード・ノアに搭載されていたブルキャノン用の新兵器が使用可能になった事をジュンが喜ぶ隣で、オイランゼンのコクピットに乗るニャアンは怪訝そうな顔をしながら液晶の表示を見ていた。
ニャアン「…?…何これ…」
『ジュン・ファンボイとの同調率の上昇を確認、ジャミングフィールドが強化されました』
ニャアン「同調率…?強化…???」
ジュン「ニャアン!!出れそうか!?」
ニャアン「あ、う、うん!!」
ニャアンは一旦液晶表示を消し、新たな装備を携えたブルキャノンの隣のカタパルトにオイランゼンを移動させる。
ブル・フライヤーと呼ばれたそれはガンキャノンの運搬に用いられる軽アーマーに似た形状をしており、青と白のカラーリングのそれが変形してそのままブルキャノンの追加ブースターのようになって背中に取り付けられている。
ニャアン「それが、ブル・フライヤー…?ただでさえブルキャノン重そうなのに、余計重そう…」
ジュン「へへっ、MSはなんぼ重くたっていいのさ。飛んだら背中に乗れよ!!
ジュン・ファンボイ、ブルキャノン・ブラウリッター、出るぜ!!」
ニャアン「ガンダム・オイランゼン…行きます!!」
ジェリド「標的は所属不明のジオニックMS!!対象が子供達を拉致している危険性がある以上最低限の攻撃で鎮圧する事を忘れるな!!」
カクリコン「了解した!!」
マウアー「仕留めるのは子供達の安全を確保してからって事だね!!」
ジェリド「ジェリド・メサ!!ガンダムMK-Ⅱ、出るぞ!!」
アラビアの地の両端から、合計5体のガンダムが子供達を守る為に飛び上がる…
- 98二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 23:14:32
アラビアの人達からしたら蒼い悪魔がまた自分達の国の空を飛ぶって考えると恐ろしいかもだけれど今はそうも言ってられなさそうだ…
- 99二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 23:20:17
遠目にはそれが5機も移動してたら…
- 100二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 00:56:49
おまけ、(ちょいメタ視点)4話視聴ジュン+ニャアン
ジュン「」ソファにもたれかかって両手で頭抑えてる
ニャアン「」頭痛を抑えるように蹲ってる
演歌「あ…頭抱えてやがる…」
看守「4話視聴楽しみにわいわいしてたのが嘘みてぇだな…」 - 101二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 06:58:32
- 102二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 07:37:42
お母さんのクラバの時点で指揮官がジークアクスと赤いガンダム討伐の為にブルキャノンに発進命令出してジュン兄が乱入、トドメ行く前に場をかき乱すとかっすかね…(ジャミングかけて身バレしないようにしつつ)
- 103二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 08:08:52
- 104二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 09:32:41
シュウジがコクピット潰さずに頭だけでなんとか終わらせるようにしないとな⋯
同じ戦況になったらそんな余裕はなくなるだろうから、事前イベントでマチュが傍観じゃなくて戦場に突っ込めるようにするかシュウジの技術力を更に上げるか⋯? - 105二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 10:09:30
- 106二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 12:55:59
面識があるかはともかくとして両親失ってるジュンとしては幸せな家庭ある状態の母親がMS戦で命を落とす事態は避けたいな…頑張ってシュウマチュレベリングするのが吉か…?
- 107二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 16:33:58
戦法的にお母さんの主戦場は宇宙っぽいから地球防衛してたジュンと面識がない可能性は高いけどあるとしたら無事退役して母さんしてて息子さんもいる女性とか絶対戦場から遠ざけたいじゃん…
- 108二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:41:06
当スレ時空でのジークアクス本編の時期ってまだファンボイくんのメンタルも比較的荒れてた頃じゃない?
シイコさんと生身で出くわしてお喋りしようもんならそっちに共鳴しちゃわない?大丈夫? - 109二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:46:30
- 110二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:51:33
このレスは削除されています
- 111二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:56:25
このレスは削除されています
- 112二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 19:02:21
このレスは削除されています
- 113二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 19:02:47
シイコさんごとゲルググの鹵獲依頼とかされてたとかならまだ何とかなるか……?アニメでのゲルググってまだ民間に払い下げられていないはずだからもしかしたら後のブルキャノンⅡとか作るためにジオンのガンダムのデータが少しでも欲しかったとかの理由を付けたら説得力が少し増しそう
- 114二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 19:36:29
- 115二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 20:05:20
- 116二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 20:11:42
- 117二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 20:31:34
ムカッラー商店街
男性「お、おい、あれ見ろ!!」
救急隊を呼んで怪我を負ったリーフの搬送を手伝う商店街の男性が指差した先の夜空に、港湾基地から2体のガンダムが飛び出す。そのうち一機を見たムカッラーの人々は、かつて自分達の生活を滅茶苦茶にしたMSの姿に怯え、恐れ慄く。
女性「ブ…ブルキャノン…蒼い悪魔のMS…!!」
男性2「奴のマヴの機体まで…!?アラビア支部の奴らはなんであんな悪魔を基地に招き入れたんだ!?」
女性2「ま、まさか…子供達がいないのもアイツのせいで…!?」
オーナー妻「憶測でものを言うんじゃないよアンタら!!!!」
どよめく人々の声は、突然響いたオーナーの妻の声によって止められる。
商人父「お、オーナーの奥さん…?あの、民宿にいた縛られた人達は…」
オーナー妻「今主人とアラビア支部の奴らが連行してるから安心しな!!…それよりアンタらさっきから黙って聞いてりゃぐちぐちと!!アタシゃ同じムカッラーの民として恥ずかしいよ!!見な!!アイツらはアンタらがおろおろしてる間に誰よりも早く子供を助ける為に飛び出したんだよ!?アンタらはそんな2人を悪魔と呼ぶのかい!?」
怒鳴るオーナーの妻の声に戸惑いながら空を見上げている間に、飛翔したブルキャノンの背負うブル・フライヤーは変形し、地面に向かって並行になるように機体を傾けたブルキャノンの背中に装着されたフライトユニットのような形になり、オイランゼンはその状態のブルキャノンに飛び乗って片膝着地する。
オーナー様「…まぁ…私らはただの一般人さ…今は縋るしかない…頼むよ、ファンボイ、ニャアンちゃん」
2体のガンダムがアラビアの夜空に溶けるように飛んでいくのを、オーナーの妻とアラビアの人々は見守る… - 118二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 20:47:54
アラビア砂漠イエメン地区
港湾都市ムカッラーを飛び出した2人はあっという間に先程目視でザク達が降っていた山壁を超え、砂漠地帯へと踏み込む。夜のアラビア砂漠を照らすのは月明かりと星の輝きのみであり、見渡す限り広がる砂丘は昼間に見てもサボテンや僅かな植物が生えるだけの渇き切った大地だが、夜の砂漠はより一層殺風景であり、昼間の灼熱に照らされた地帯とはまた異なる雰囲気を醸し出していた。
そんな殺風景な景色の上を、2体のガンダムはブル・フライヤーの力を借りて高速飛行している。
ジュン「ぐっ…!?思ったよりGがきついなブル・フライヤー…!!リッターモードの飛行とは勝手が違う…!!ニャアン!!逃げたザクの反応は確認出来るか!?」
ニャアン「うん!!…でも…反応がついたり消えたりしてるし、物凄い速さで遠のいてる…!!このままだと見失うかもしれない!!」
ジュン「なら飛ばして捕まえるしかねぇか…!!」
ニャアン「でも…追いついた後どうするの!?相手は子供達の入ったコンテナを持って逃げてるんだよね!?」
ジュン「連中が目的地に到着するまで泳がせる!!到着してコンテナを手放した瞬間に一気に叩く!!ペタルビットを突き刺せば誘爆の心配はない、俺が陽動する隙に叩き込んでくれ!!」
ニャアン「分かった!!」
2体のガンダムは消えかけている機体反応を目印に更に加速して空を飛ぶ…
- 119二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 21:08:38
同刻、アラビア砂漠シリア地区
ジュン達がイエメン方面の砂漠地区を飛行しているのと同じ頃、ジェリド率いるMK-Ⅱ部隊もまた消えかけているMSの反応を追いながらフライングアーマーによる飛行を続けていた。
カクリコン「…なぁジェリド、こいつら妙に早くないか?目撃情報が間違いなければ標的の機体は砂漠戦仕様にカスタムされたジオニックの機体だが、いくらなんでもフライングアーマーを超えるほどの速度を出せるとは思えない」
マウアー「…連中も何かしらのMS高速運搬用装備で逃げてるって事かい?」
ジェリド「…可能性は高いな…万が一フライングアーマーの速度で振り切られるようなら俺が先行する。俺のシールドギミックを使えばフライングアーマーよりも速度を出せるからな」
カクリコン「了解した…しかし、このMK-Ⅱもよく出来た機体だよなぁ。ガンダムをジオンに盗まれてから作り直したにしても、よくここまで完成度の高いもんを作れたもんだ」
マウアー「シールドギミックもそうだが…あのアッシマー、だったか。可変機体の実戦運用もあんなに早くなるなんてね…少し前までは軽キャノンが主流だったのに、随分進歩したもんだよ」
ジェリド「……統一機構上層部の尽力の賜物だろうさ。使えるものは使うに限る」
どこか吐き捨てるように呟くジェリドだったが、彼はレーダーに映る反応が薄くなったのを見て2人に即座に指示を出す。
ジェリド「フライングアーマーの速度を上げろ!!これで更に距離を開けられるようなら俺が先行する!!」
3体の黒いガンダムはアラビアの夜空を更なる速度で飛行する…
- 120二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 22:41:49
このレスは削除されています
- 121二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 22:43:44
同刻、港湾基地取調室
アラビアの両端から飛び出した合計5体のガンダム達が砂漠を駆け抜け飛び出すその頃、ジュン達の民宿に乗り込み返り討ちにあった男達はオーナーが呼んだアラビア支部の隊員達によって連行され、支部長と護衛の兵士達が控える取調室にて彼らは尋問を受けていた。
支部長「…単刀直入に聞こう。貴様らは今この都市で起きている子供達の失踪に関与しているのか?」
半グレ1「貴様らのような半端者に話す事など何もない。形だけの抵抗で統一機構と本格的に事を構えるつもりなどない腑抜けどもに、これから我々が成す事こそがアラビア全土の平和に繋がるのだ」
支部長「……」
支部長はジュンが拾った禍々しい幽霊の模様が刻まれた首飾りを取り出して男に見せる。
支部長「これは『嗤う幽霊』の隊員が持つ首飾りだな?お前達はその信奉者…或いはその関係者という事でいいのか?本来の嗤う幽霊どもは、ジュン・ファンボイによって1人残らず始末された筈だからな」
ジュンの名前を聞いた途端、男はげらげらと嗤い出す。
支部長「…何がおかしい?」
半グレ1「始末された…?馬鹿を言え!!嗤う幽霊は不滅だ!!!!
我々こそが生き証人なのだからな!!!!」
支部長「…?いや、待て、本当に待て。何を言っているんだ…?そんな筈はないだろう?嗤う幽霊は…」
半グレ1「我々はあの日の雪辱を晴らす!!連邦の悪しき企みを打ち砕く為に宇宙で戦い…
黒いガンダム乗りの男が引いた引き金で計画を滅茶苦茶にされたその恨みを…!!
それを立て直す為にアラビアに降りた我々を焼き払った蒼い悪魔への恨みを…!!
我々は必ず晴らす…我ら嗤う幽霊がなぁ!!!!」
げらげらと嗤う男の声が取調室に響き渡り…
男の瞳が、濁った空色に爛々と輝く…
- 122二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 23:10:32
数年後ジャンク屋リビング、なんやなんやあって茶をする3人
ニャアン「そ、それじゃあシイコさんもMSのパイロットで…マチュ達と戦ってたんですね…知らなかった…シイコさんも、無事で良かったです」
シイコ「決着前に横槍を入れて来た困った坊やがいたからね」にこっ
ジュン「…子持ちの癖に無茶するような馬鹿を止めただけだよ」そっぽ向き
シイコ「まぁ酷い。あんなに情熱的に迫ったのに…私、主人にだってあんなに激しく責め立てられた事ないのよ?」
ニャアン「………ジュン???」ハイライトオフで手にはクソデカ岩塩
ジュン「言い方ぁ!!!!ま、待て落ち着け!!完全に悪意のある言い方いででででで暴力反対!!!!」
どたばた追いかけっこしてる2人を楽しそうに眺めてる
- 123二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 06:41:27
- 124二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 07:37:29
- 125二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 07:50:18
- 126二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 08:07:00
- 127二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 12:40:52
- 128二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 12:42:26
ガンダムパイロットでなければ即タヒだった…(尚重症)
- 129二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 17:24:52
多分ジュン兄はずっと不機嫌なニャアンに四六時中謝りまくってるし謝る為に仕事早く切り上げたりしてる(尚周りからはそんな顔面になるぐらいなら休めやと突っ込まれてる)
ジャンク屋リビング
マチュ「なーるほど、それでここ数日ずっと拗ねてたんだ」
コモリ(ほぼほぼ事故だけどこれ言ったら余計不機嫌になりそうだからやめとこう)
ニャアン「…」ムスッとしながら修理した商品の梱包作業中
マチュ「…不機嫌な割にはずっとジャンク屋にいるんだ?」
ニャアン「…喧嘩した後で私がジャンク屋にいないとジュンが狼狽えるから…」そっぽ向き
コモリ(仲直りは時間の問題かなぁ)
このあとジュン兄が3日間謝りまくってどうにか許して貰った
- 130二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 19:52:33
今宵はGW前の忙しさ故ちょっと本編進むか怪しい(進んでも多分遅く)なので、あったら嬉しいシイコさんネタなんかを自由に書き綴ってくれたら幸いです
劇薬だけどリリーあたりと合わせて反応を見てみたい
リリー(シイコさんってどう見てもニュータイプなのになんで認めないんだろう…?)じーっ
シイコ(リリーちゃんってどう見てもニュータイプ…なんだけど…ファンボイ君に向ける諸々が強過ぎてなんか別軸の方向に能力育ってて別物っぽくなってるせいかあまりあの子に対してはコンプレックス湧かないわね…)じーっ
ディル「…見合ったまま動かないな…」
フィン「何考えてるんだろうねぇ…?」 - 131二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:01:12
- 132二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 21:13:27
本編前と考えるとジュンが指揮官からニャアンを庇うのを見て情緒がおかしくなる前だから元々のおとなしい性格面が強い時期だったのも良かったのかもしれない
逆に本編後リリーを見た生存シイコさんが豹変ぶりに戸惑いそうではある
- 133二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:47:50
ジュン兄はシイコさん相手だとお母さん思い出したり性格的な面とかがあったりでシラフだと対面するのが気恥ずかしい感じがして苦手そう、シイコさんはニュータイプ能力で察知して照れてて可愛いわねぇって甘やかしそう、尚ニャアンは拗ねる
どっちかというとジュン兄はシイコさんの相方のボカタさんみたいに真っ当な元軍人って感じのさっぱりした人の方が気軽につるめそう - 134二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:05:37
- 135二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:27:48
肩組んでガハハと笑いながら酒飲んでるジュン兄とボカタさん、2人の付き添いで無駄にアルコール度高い安酒飲み過ぎてグロッキーなエグザベ君、居酒屋の女将に気に入られてサービスで出て来た焼き鳥を沢山食べてるシュウジ
同刻、スイパラ
マチュ「ボカタさん男子組の飲み会についてっちゃったね」
シイコ「あの人はああいう男らしい感じの集まりの方が好きだからね」
コモリ「ニャアンちゃん的にはいいの?彼氏が他の女の人と飲み会って」
ニャアン「ボカタさんはなんかこう…ライラさんに近い姉御肌って感じがするから、まぁいいかなって」
シイコ「良かった、ボカタの事認めて貰えてホッとしたわぁ」
ニャアン「……寧ろジュン周りの事だとシイコさんの方が不安要素多いです…」ジト目
マチュ「ファン兄ちゃん母性強い人に惹かれそうだもんねぇ」にまにま
シイコ「ふふっ、恥ずかしいわね」
ニャアン「あ…あげませんから…!!!!」
コモリ(…恋人は女子高生ぐらいの歳の少女で惹かれるであろう女性のタイプは母性のある人…羅列するとファンボイ君ってコスプレ癖云々以前にニャアンちゃんがいなかったら色々終わってたのでは…???)
- 136二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:33:18
- 137二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 01:09:42
- 138二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 05:42:01
- 139二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 07:09:04
またスイカバーか…
- 140二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 07:11:19
- 141二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 11:04:03
多分だけどマチュがうっかり口を滑らせてあの時のこと喋っちゃって知った流れですねこれは
- 142二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:13:09
アラビア砂漠中央地区
ブル・フライヤーによって擬似的なフライトユニットとなったブルキャノンに乗ってアラビアの夜空を駆けるオイランゼン。2体のガンダムは戦闘機以上の速度で空を駆けながら消え掛かっている機体反応を追いかけ、少しずつではあるが距離を詰めている。
ジュン「くそっ…!!こんだけ加速してるってのに…!!いくら砂漠仕様だからってこの速さはねぇだろ…!!」
ニャアン「向こうの機体も何かに乗ってるの…!?でも…」
ジュン「そうだとしたらそこいらの半グレが用意出来るもんじゃねぇ!!…こいつら本当に嗤う幽霊なのか…!?」
嗤う幽霊、ニャアンの知らないその言葉を吐き出すたびにジュンの声音が苦しげなものになるのを感じたニャアンが聞くべきか否か迷っていると、突然オイランゼンの熱源センサーが警告音を響かせる。
ニャアン「っ!?ジュン避けて!!」
ニャアンの叫びを聞いて咄嗟にジュンがブル・フライヤーを旋回させると、その直後2人が先ほどまでいた場所を凄まじい速度と威力で飛んできた弾丸のような何かが掠め、その圧力でブル・フライヤーはバランスを崩しかけるがジュンは辛うじて姿勢を保ち飛行を続行する。
ジュン「カノン砲…!?いや…大型レールガンか…!!」
ジュンが遠距離望遠機能で睨む先には、先程のザクと同じ配色、そして同じくドムのような足をしたザクの姿が6機あった。うち4機はそれぞれがザクマシンガンとヒートホークを一つずつ装備しており、残り2機はガンキャノンから外されたものを改造したと思われる大型レールガンを装備して上空の2人に向かって構えていた。
ニャアン「さっきの奴らと同じザク…!?待ち伏せ…!?」
ジュン「みてぇだな…!!ニャアン!!コイツらは俺が仕留める!!ブル・フライヤーの操縦権はそっちに渡すからカノン砲を警戒しつつ逃げる奴らを見失わないように索敵を続けてくれ!!」
ニャアン「う、うん!!」
ブル・フライヤーの下部に取り付けられたブルキャノンはフライヤーと分離し、青い炎のマントをはためかせて砂漠を這う4体のザク目掛けて流星のように落ちていく… - 143二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:13:47
青い炎のマントをはためかせ、ライフルブレードとエアロシールドを構えながら4体のザク目掛けて上空から迫るブルキャノン。
青いガンダムの接近を確認したレールガン装備のザク2体はすぐさま迎撃を計るが、ブルキャノンは放たれる砲撃を悉く避け、瞬く間に間合いを詰めていく。対空砲撃は不可能と判断した6体のザクは、それぞれレールガン装備1機、マシンガン装備2機で左右へ飛び退き、マシンガン装備の4機はホバー移動によって後退しつつもマシンガンでの牽制を続けるが、ブルキャノンはその完成をものともせず右側へ飛び退いたザク達目掛けて突っ込み、滑走するように着地しながらマシンガン装備のザクの間をすり抜けてレールガン装備のザクの両腕両足を斬り伏せ、更にはその直後それを見て狙いを定めた反対側のレールガン装備のザク目掛けてライフルブレードを構えて引き金を引き、レールガンの銃口にビームを叩き込んで発射前に相手の火器を爆散させる。
武器を失ったレールガン装備のザクを庇うように4体のザクはマシンガンとヒートホークを構えつつ高機動型のホバー走行によってブルキャノンを撹乱するように連携を取るが…
いかに砂漠戦仕様のザクとはいえ、公爵家の蒼い騎士の為に強化改修されたブルキャノンにとって、それらは最早敵ではなかった。
ジュン「退けってんだよ中古品の一つ目どもが!!!!」
ジュンは後方へ飛び退こうとする2体のザクの間をすり抜けるように飛ぶ瞬間に高速回転して炎のマントが作り出す流動する炎の刃でそれらの両腕と首を跳ね飛ばし、回転後の急加速でヒートホークを構えて接近戦を試みる残り2体の頭部をブレードと盾の刃で跳ね飛ばし、回し蹴りで2体纏めて砂漠に叩きつける。
月夜に照らされながら瞬く間に鉄屑と化したザク達を踏みつけて佇む姿は、確かに蒼い悪魔と呼ばれても文句が言えない程に凶悪であった…
- 144二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:14:30
ガンダムタイプにとって最早ザクなど敵ではない…ブルキャノンが6機のザクを蹴散らす一角から少し離れた砂漠でも、
それを証明するような暴れぶりを見せる黒いガンダムの姿があった。
ジェリド「邪魔だっ!!!!」
フライングアーマーから飛び降りたジェリドのMK-Ⅱは大型盾を構えたまま対空射撃を行う6機のザク目掛けて落下し、レールガン発射の瞬間に大型盾を足場にして横へ飛んで狙撃を避け、避けながらビームライフルの連射で頭上からレールガン装備のザクの火器を撃ち抜きその爆風でレールガン装備の2体は吹き飛ばされる。
狙撃手の撃破を確認したジェリドは盾のブースターを稼働させて遠隔操作し、本体のビームと盾のクローアームのメガ粒子砲による挟撃によってザク達のホバー移動を阻み、ザク達が左右へ飛び退く前に着陸した本体がビームサーベルを引き抜いて2体のザクの両手両足を斬り伏せ、本体に気を取られた残り2体のザクは背後から迫る盾のクローアームに顔面を掴まれてゼロ距離からのメガ粒子砲を浴び、頭部爆散の衝撃で倒れ込んだ所を本体のライフル射撃によって両手両足を撃ち抜かれ無力化される。
迎撃部隊の無力化を確認したジェリドは上空で索敵中の2人へ無線を繋ぐ。
ジェリド「マウアー、カクリコン。迎撃部隊と思われる6体は全員無力化した。逃亡する機影はまだ見えるか?」
カクリコン「ああ、依然としてノイズは強いがまだ追跡可能圏内だ」
マウアー「それにしてもジェリド、随分MK-Ⅱを使いこなしてるね。ザク相手とはいえ連携無しで6機をこの速さで…勘もよくなったかい?」
ジェリド「こっちはガンダムに乗ってるんだ、ジオンの払い下げなんぞに負けてられるか…それに、勘があろうがなかろうが強い奴は強い。ジュンなら全く勘がなくてもこいつらを同じぐらいの速さで仕留めてるだろうさ」
カクリコン「……いや、勘はあった方が良さそうだぞジェリド。勘頼みにでもしないと面倒な状態になった」
ジェリド「…?どういう事だ?」
マウアー「……成る程…確かにこれはマズいね…」
- 145二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:16:34
ジュン「散開して逃げてる…!?」
6体のザクを蹴散らしてから上空で索敵を続けるニャアンに状況確認をしたジュンは思わずニャアンからの返答を復唱してしまう。
ニャアン「速度は同じまま…でも西、北、南の3方向に分かれて逃げてる…!!南北の2つはもう機体反応が薄くなって見えなくなりそう…!!」
ジュン「っ…!!逃亡方向を記録してアラビア支部に送れ!!俺達は最短距離で追い詰められる西側の奴らの追跡を続行する!!」
ニャアン「き、記録…!?え、ええと、やり方は…」
『ジュン・ファンボイからの指示を受諾、適正MS部隊の逃走経路をアラビア支部に送信しました』
ニャアン「あ…記録と送信、オイランゼンがやってくれた…」
ジュン「…マジで仕事早いなオイランゼンのAIは…」
安全を確認した後下降したブル・フライヤー目掛けて跳躍したブルキャノンはリッターモードを解除し、再びフライヤーと合体して西側の逃走部隊を目掛けて飛行する。
ニャアン「…北と南は大丈夫かな…アラビア支部の人達のMSって普通のザクと軽キャノンだったよね…?」
ジュン「…いざとなったらライラさんとロンさんにも出てもらおう。ロード・ノアには後3機ブル・フライヤーがあったからそれを使って貰えれば…」
ニャアン「っ!?待ってジュン!!逃げてるザク達とは別に前から別の機体が来てる!!」
ジュン「な…また迎撃かよ!?どんだけいるんだ!?」
ニャアン「…あれ…何これ…?向こうから来てる機体反応…追う側と追われる側みたいな離れ方してる…?」
ジュン「へ…?」
ジュンが遠隔望遠でようやく目視出来るようになったホバー走行中の2機の高機動型ザクを見ると、その先には確かに同じように逃げる高機動型ザクが2機、
そして、それを追う為にフライングアーマーに乗る3体の黒いガンダムの姿があった。
ジュン「黒いガンダム…!?まさかジェリドか!?」
ジェリド「オイランゼン…!?足元の軽アーマーと連結してるのは…ブルキャノンか!?」
- 146二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 14:46:19
プチ設定
ブル・フライヤー
ロード・ノアに収納されていたブルキャノン追加兵装の1つ。見た目は青と白のカラーリングの軽アーマーだが、可変機能によってブルキャノンのブースターに連結する事で大気圏内での空中戦を可能にし、また、今回ジュンがやっているようにブルキャノン全体と合体してブルキャノン自身をフライングアーマーのようにした高速飛行形態に変形する事も出来る。
ブラウリッターに改修された為に規格が合わず当初は使用出来なくなってしまったがヘリスがフライヤー側の接合部分を改造して運用可能になり、長距離移動の際に用いる事が出来るようになった。
合体時には両肩のキャノン砲が前面を向き、ミサイルポットも使用可能な上に背中部分に他の重武装機体を乗せればMA並のの火力を出せる上に本体のブースターとフライヤーのブースターを併用する事で凄まじい速度を出せるが、直線的な最高速度はリッターモードを使いこなすジュンをもってしても「凄まじいGだ」と評される程なので、長時間最高速度を出す事は難しい。これは欠陥というより、従来のブルキャノンとフライヤーのブースター併用だったら安全だった所をブラウリッターへの改修で速力が上がってしまった結果想定を上回るGが発生した為の想定外の事態であったが、ジュンはこれを気力と技術でカバーしている。 - 147二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 18:13:42
三手に分かれ逃げる高機動型ザク達のうち少しでも追いつける可能性が高い西側へ逃げた2機を追っていたジュンは、同じ理由から東側に逃げた2機のザクを追うジェリド達と鉢合わせ、結果としてアラビア砂漠の中心で空を飛ぶ5体のガンダムが鉢合わせするという異例の事態が発生する。
マウアー「ガンダムオイランゼン…!?ロード・ノアの出航予定は明日の朝じゃなかったのか…!?」
カクリコン「おいジェリド、奴が乗っているフライトユニット…」
ジェリド「ああ、ブルキャノンで間違いない!!」
ニャアン「じゅ、ジュン!!あの3機ってホーチミンでジュンが戦ってた…!!」
ジュン「ああ…!!なんでまたこんな立て込んでる時に…!!」
一同が予想外の対面に面食らっていると、今も砂漠をホバー走行する4機の高機動型ザクはレールガンを構えて上空の4機(ブルキャノンとオイランゼンを1機として纏める)に向かって狙撃を行い、それに反応した一同は咄嗟に回避行動を取って本来の目的を果たす為に行動する。
ニャアン「っ…!?ジュンッ、今撃ってきたザク達コンテナを持ってない!!」
ジュン「クソッ、コイツら囮か!!ならもう用はねぇ!!」
カクリコン「ジェリド!!報告にあった移送用コンテナは周囲に確認出来ない!!ハズレだ!!」
ジェリド「くっ、無駄な手間を!!」
それぞれのユニットと分離して空中から飛び降りた青と黒のガンダムはそれぞれの剣と盾を構えて落下し、頭上からの一閃で2体のザクの首を跳ね飛ばす。
合計4体のザクの残骸を撒き散らし、砂漠に降り立った2体のガンダムが静かに向き合う… - 148二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 19:33:08
4体のザクを瞬く間に蹴散らした2体のガンダムは、殆ど同じタイミングでそれぞれが手に持つライフルを構え、対面する相手のガンダムへ銃口を突きつける。
月明かりに照らされる砂漠に降り立った2体のガンダムは正確に狙いを定めて睨み合うが、迅速な臨戦体制に対してパイロットの2人は内心焦っていた。
ジュン(よりによってジェリドかよ…!!シリア方面に統一機構の奴らが構えている事は想定してたがこのタイミングでコイツとやり合わなきゃいけないのは最悪だ…!!)
ジェリド(なんでまたこんな面倒な時にお前がいるんだ…!!だが接触した異常放置する訳にもいかない…!!)
最速で始末して子供達を助け出す、2人の若きガンダム乗りが弾き出した結論は全く同じであり、2人は引き金に手をかけようとする。
ニャアン「2人とも待って!!!!」
…が、その直前にブルキャノンの、更には3体のMK-Ⅱの無線からニャアンの叫びが響き、2人は思わず引き金を引こうとする指を止めてはっとする。
ジュン「ニャアン…?」
ジェリド「この声…ジュンの恋人の…?」
ニャアン「ジュン、撃ったらダメ!!多分ジェリドさんも私達と同じ目的で来てる!!」
ジュン「何…?」
ニャアン「ジェリドさん、さっきカクリコンさんとの無線が聞こえたんです!!子供達の入れられたコンテナを探してるんですよね!?」
カクリコン「無線を…?特務用の秘匿回線をキャッチしたのか…?」
マウアー「…おかしな話じゃないさ。イズマの新型ならやりかねない」
ジェリド「…同じ…という事は…まさか2人も…」
ニャアン「ムカッラーの子供達が攫われたんです…急いで助け出さないといけないんです…!!だから、2人が戦ったらダメなんです!!」
ニャアンの必死の叫びを聞いた2人は、戸惑いながらも静かに銃身を下ろす…
- 149二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 20:53:59
障害を始末して目的を果たす…!!という判断を速攻で下すのが2人揃って若きエースパイロットって感じだ…(ニャアンいなかったら多分やり合ってる)
- 150二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 21:11:19
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- 151二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 23:03:34
2人揃って支えの隣人がいないと無茶な方向に突っ走るところがあるのも似てると言えば似てる…?
- 152二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 06:26:43
- 153二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 09:10:40
- 154二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 09:37:28
アリです、でも宇宙世紀じゃないけどディランザみたいにあからさまに重武装だけどホバーで意外にも早いぞ…!!って感じの奴が一際好き(アラビア編の章ボスも今の所ホバー系が関わる、予定)
- 155二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 12:41:00
キャノンついてるし機動力高いし、案外マドロックとかも上手く扱えそうだなジュン兄…
- 156二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 17:25:37
アラビア砂漠中央地区
同じように子供達を攫った正体不明の敵を追って夜の砂漠で鉢合わせた5体のガンダム。本来なら敵対関係にある2組だが、オイランゼンの傍聴能力によって目的が同じという事を理解したニャアンの説得により一同は一旦矛を収め、銃を下ろしたブルキャノンとジェリドのMK-Ⅱの側にオイランゼンと2体のMK-Ⅱも降りて情報交換を始める。
カクリコン「…そちらの機体で撮影した戦闘ログを確認した。確かにジェリドが途中で撃墜した高機動型ザクと同じタイプの機体を相手にしているようだな」
マウアー「コンテナに子供達を入れて運んでるという情報も一致する。最も私らがこの情報を得られたのは負傷した一般人からのタレコミという話で、ケガをした子供がいるという話はなかったけれど…どうする、ジェリド?」
ジェリド「………」
ジェリドは暫しの間沈黙を続け、ジュンとニャアンはその沈黙を固唾を飲んで見守る。
ジェリド「…そちらの情報に虚偽がない事は分かった。いいだろう、今優先すべきは所属不明の敵の方だ。お前達はいつでも倒せるが、子供達の方はそういう訳にもいかんしな」
ニャアン「よ、良かった…」
ジュン「へっ、これで俺らとの戦闘を優先するようだったらぶん殴ってやってたよ…ニャアン、南北に逃げた機体反応はどうなってる?」
ニャアン「ええと…」
オイランゼンが手を翳すと腰のペタルビットが4枚浮遊し、上空で大きな円を描くようにくるくると回転する。
ニャアン「…今も物凄い速さでそれぞれの方向に逃げてる…港湾基地から出たMS隊もこっちが送った移動先のデータを元に追跡してるみたいだけど…」
カクリコン「そんな遠方まで索敵出来るのか…?便利なもんだな…」
ジェリド「マウアー、シリア基地からの増援は?」
マウアー「…ダメだね。アッシマー隊が出撃してるならもうとっくについてる頃だろうに、機体反応はさっぱりだ」
ジェリド「…あくまで許可されたのは俺達3人の出撃のみということか…しかし…」
ジェリドはジュンと蹴散らした高機動型ザクの残骸を睨み、ジュンに問いかける。
ジェリド「…コイツら、本当に嗤う幽霊なのか?」
ジュン「…それは…今から確かめるしかねぇな…」
ブルキャノンはゆっくりと倒れ込むザクに近付き、コクピットの装甲を引き剥がす… - 157二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 17:26:14
同刻、港湾基地取調室
ライラ「…嗤う幽霊は不滅、我々こそが生き証人…奴らはそう言ったんだね?」
一旦基地内の警戒体制が解除されてロード・ノアを離れたライラは、マジックミラー越しに取調室の様子を見ながら支部長に尋ね、その隣でロンは顔を顰めながら重々しく口を開く。
ロン「冗談だとしたら悪趣味が過ぎる…そうでなければ狂人の戯言…だが…支部長殿にはそうは聞こえなかった、と」
支部長「…ああ…どう考えても辻褄が合わない事は分かっている。
何せ奴はつい先月に地元の半グレチームに加入したような若者だ。4年前のブルキャノンによる油田襲撃…ましてや44バンチの悲劇が起きた頃はまだ20も行かぬ若造…そもそも奴は生まれも育ちもムカッラーだ。いくらアラビア支部とジオンがかつて繋がっていたからと言って、あの事件に関わりがある筈がない」
ロン「…俺のように子を失った…訳ではないな…両親も健在なのだろう?」
支部長「先程両親が面会を求めて来たよ…随分狼狽えていたが…あんな様子の奴を合わせる訳にもいくまい…」
マジックミラーの先では、取り調べを受けながら、とても若者とは思えない歪みを思わせる凶悪な笑みを浮かべる青年が映されている。
ライラ「…酷いツラだね…ありゃあ本当に戦地の地獄を体験してきた奴しか出来ないような嫌な顔だ…半グレのガキの顔じゃない…」
ロン「…奴の言う通り本物の嗤う幽霊の隊員だとでも言うのか?」
支部長「奴らは蒼い悪魔が皆殺しにした。それはありえない…
奴らが本物の幽霊にでもなって他人に取り憑いたりでもしない限りは…」
…取調室の一同が歪んだ笑みを浮かべる若者を監視するその頃、アラビア砂漠の戦いの跡にてブルキャノンは倒れ込むザクの装甲を引き剥がしパイロットと対面する。
取調室の若者同様に、年不相応に老成された邪悪な怒りを浮かべ、濁った空色の瞳で青いガンダムを睨む青年と…
- 158二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 17:28:06
半壊したコクピット内でライフルブレードの銃口を突きつけるブルキャノンを睨みあげる青年はジュンと同い年か、それよりも少し若い程度の、アラビア系の若者だった。しかし、彼が身に纏うパイロットスーツを見たジュンとジェリドは思わず眉を顰める。
ジュン「…一年戦争時代の…ジオン兵のパイロットスーツ…?」
ジェリド「なんで現地の若造がこんな古いパイロットスーツを…」
2人が戸惑う中、カクリコンは拡声機能と集音機能を操作して青年のパイロットへの尋問を試みる。
カクリコン「聞こえるな、ザクのパイロット。お前の身柄は統一機構で拘束させて貰うが、その前に幾つか確認する事がある。素直に答えればある程度の恩赦も…」
青年「ほざけ連邦の犬が!!貴様らのような何年も腐敗し続けたままの連邦に対して答える事など何もない!!」
カクリコン「何年もって…おいおい、随分ジジくさい事いうじゃねぇか、お前何歳だよ?」
マウアー「っ…なんだ…?こいつから感じる…この歪な感覚は…」
ニャアン「マウアーさん…?」
一同が戸惑う中、青年は再びブルキャノンを睨んで叫ぶ。
青年「公爵家の蒼い騎士…!!またしても貴様が我々の任務を…連邦への粛清を邪魔立てするというのか!!
4年前の粛正と同じように!!!!」
ジェリド「…何…?」
ジュン「…4年前の粛正…ってのは…44バンチの事を言ってるのか…?」
青年「ああそうだ!!貴様が邪魔立てしなければ…あの粛正は執行されていた!!貴様と、あのシャトルを撃ち抜いたガンダムのパイロットさえいなければ!!」
ジェリド「っ…!!」
喚く青年の言葉を聞いて、ジェリドは思わず苦しげに表情を歪め、それを察知したマウアーはカクリコンへ無線を繋ぐ。
マウアー「…カクリコン、こいつはまともな精神状態じゃない。南北へ分かれた2組のどちらに子供がいるか確認出来ないようならもう放置して…」
ジュン「北だ」
ジュンの短い呟きに、一同はブルキャノンの方を見る。
ニャアン「…ジュン…?」
ジュン「理屈も原理も分からねぇけど…
こいつは間違いなく俺と戦った嗤う幽霊の隊員だ。
そうだとしたら、拠点は北の油田跡地にある筈だ…」
- 159二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 17:38:02
まさかのガチオカルト案件……?
- 160二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 20:06:38
5体のガンダムはアラビア砂漠中央地区を後にし、北にあるという油田跡地を目指して再度飛行を開始する。因みに中央地区にいたザクに乗るパイロット達はその後もジュンに対する罵詈雑言を喚き散らした結果オイランゼンにエラー扱いされ機体にペタルビットを突き刺されて直に対人電磁波を流されて失神、アラビア支部の隊員に連絡をして連行して貰う運びとなった。
カクリコン「オイランゼンのビットが対人電磁波を流すというのは聞いてたが…成る程、これはうちのアッシマー隊の連中が怯える訳だ」
ニャアン「あ、あっしまー…?」
マウアー「ウチのところの空飛ぶ円盤だよ。ホーチミンで大暴れするアンタに散々な目に遭わされてオイランゼンを見るだけでも嫌ってトラウマになっちまった奴が多数いてね」
ニャアン「えっあっ、ご、ごめんなさい…」
マウアー「いいのいいの。なんならアイツらジェリドの事も馬鹿にしてたから、私としてはすっきりしたぐらいさ」
カクリコン「とはいえ、アレを直にぶち込まれるのは勘弁だな…やり合う事になったら加減してくれや」
敵対関係でありながはも対して優しく接する2人に対してニャアンはおずおずと問いかける。
ニャアン「その…カクリコンさんはジェリドさんのお友達で…ジュンとも友達なんですよね?」
カクリコン「まぁ、腐れ縁だな。あの2人の無茶には散々頭を悩まされたもんだよ」
ニャアン「す、すいませんうちの無鉄砲が…」
マウアー「ふふっ、できたガールフレンドさんじゃないか。若いのに立派なもんだよ」
カクリコン「控えめな部分はお前より立派かもしれんなぁ、マウアー」
カクリコン「ふんっ、うるさいよ」
ニャアン「…マウアーさんは、もしかしてジェリドさんの…」
マウアー「ん…?…まぁ、別に隠すほどの事でもないけれど…面と向かって言うと恥ずかしいもんだね」
カクリコン「ははっ、柄になく照れてやがる」
マウアー「…カクリコン、そろそろ殴るよ」
2人と語らう事で少しずつ緊張もほぐれてきたニャアンだったが…
ジュン「……」
ジェリド「……」
…先行するジェリドと、フライヤーと合体しニャアンを運ぶジュンは移動中全く会話をしておらず、迷いに迷った結果、ニャアンは思い切って2人にも声をかける事にした… - 161二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 20:07:56
ニャアン「…ジュン、ジェリドさん、聞こえる?」
ジュン「っ、お、おう、どしたよニャアン?」
ジェリド「ああ、聞こえるが…」
ニャアン「…大丈夫…じゃなさそうだよね…嗤う幽霊って言葉が出てきてからジュンはずっと必死な感じがするし…ジェリドさんもなんか辛そうだし…」
ジュン「た、たはは…やっぱ俺ら顔に出やすいんかなぁ…?」
ジェリド「…お前のツレはお前と違って感が良さそうだなぁ。思いやりもお前の分を補って有り余ってそうだ」
ジュン「いやぁニャアンにはしょっちゅう頼りっぱなしでってオォイ!!それは俺に思いやりがないとでも言いてぇのか!?金髪タワシのノンデリ野郎がよく言えたもんだなぁ!?」
ジェリド「何ぃ!?俺がタワシならお前だって金属タワシだろうが!!ホームセンターに売ってる使い捨ての安モンの!!」
やいのやいのと言い合う2人を見て、ニャアンはくすくすと笑う。
ニャアン「…なんとなく、ジュンが連邦にいた時ジェリドさんとどんな風に過ごしてたか分かった気がする。ライラさんの事沢山苦労させたでしょ」
ジュン「うっ…ら、ライラ姉さんにはまぁ、迷惑沢山かけたよなぁ…」
ジェリド「それはまぁ、そうだな…今でもライラには頭が上がらないよ…」
ジュン「ははっ、お前は特に姉さんに惚れ込んでたもんなぁ。一緒に酒でも飲まないかって熱心に誘ったりしてた」
ジェリド「む、昔の話だろそれは!!」
マウアー「…」ムスッ
カクリコン「おーい親友。お前の今の彼女がヘソ曲げちまったぞ?」
ジェリド「だ、だからマウアー!!何度も言ってるがそれは昔の話だと言って…!!」
ジュン「ははっ、モテる男は辛いねぇ」
ジェリド「お、お前だって連邦軍じゃ女の噂が絶えない男だったろ!?幼馴染ニュータイプとか人妻撃墜王とか!!!!」
ジュン「ば、馬鹿野郎それは全部冤罪と誤解だって言ったろうが!!!!」
ニャアン「………ジュン?」ジト目
ジュン「ほれ見ろいらんこと言うから!!ニャアンマジで誤解だからな!?大体当時の俺そんな色恋沙汰にうつつ抜かしてる暇なくて…!!」
やや情けない男達の弁明を響かせながら、5体のガンダムはアラビアの夜空を駆ける…
- 162二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 20:57:43
- 163二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 21:35:17
よくよく考えたらジュンとジェリドが組んでる頃はまだ人妻じゃなかった可能性高いけど、あまりにも語呂が良過ぎる人妻撃墜王
完全ネタおまけ、ジュンの取り合いが発生した場合
リリー「分かってるよねニャアンちゃん!?まずはシイコさんから潰すよ!!!!」
ニャアン「はいっ!!!!」
シイコ「あら怖い…2人揃って可愛いのに物騒な事言うのねぇ」
リリー「だってシイコさんの属性がすっっっごいジュンに刺さりそうで嫌なんだもん!!!!」半泣き
ニャアン「人妻だから母性があるのズルい!!!!私達同年代と年下だから甘えさせてあげるのにも限界があるのに!!!!」半泣き
シイコ「そんな本気で泣かなくても…」2人の取り合いが面白いのでからかうつもりで参加してみたら思ったより2人がガチ泣きして困ってる
- 164二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 23:07:47
- 165二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 23:08:00
一方その隣ではライラ姉さんにからかわれてムキになってるマウアーに引っ張られて疲れ切ってるジェリドの姿が…
- 166二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 07:34:00
オイランゼンvsブルキャノンvsゲルググは全員物凄い機動で切り結ぶから見応えありそう(見てる場合ではない)
- 167二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 07:37:00
- 168二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 07:56:54
- 169二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 08:59:44
中将「上手くいったみたいだね」
親方「あんな坊主を工房出入自由にさせるとは…と正直旦那様は正気かとは思いましたが、若様が巧く手綱を握っておられますな」
中将「彼女の戦争病を癒やすには、戦争では無くあくまでも仕事…という空気の中でMSに乗る環境を用立てるべきと考えたのでね。あの子はその鍵になってくれた」
親方「それに、あの…マグネットコーティングでしたかの。あの博士らも程よく肩の力が抜けて良い仕事ぶりになっとるようですな」
中将「親方の目には、あの技術はどうかな?」
親方「面白い”油の差し方”だとは思いますがの…機体が保たないのでは無いかと心配になりますわい。少なくとも”騎士”に使わせるには今暫くの熟成が必要かと」
中将「確かに彼なら限界まで機体を使いこなすだろうからね。油だけではなく、機体側にも改修が必要と見るか…まだ母の手元で育てる時期だろうね。あの坊やみたいに」
親方「ほっほっほ。まあ、今は戦の秋でもありませんでな、手間を掛けて育てていけば良かろうかと。しかし、あの坊主を見ていると旦那様や若様の子供の頃を思い出しますわい」
中将「あの頃の子供にとって、この工房は好奇心を刺激する宝箱だろうね。将来が楽しみだ」
親方「旦那様の新技術と人材集めの癖が出てますぞい。まあ、儂が生きている内に工房の門を叩くならじっくりと鍛えて参りましょうかの」
中将「その時は身許引受と保証人を公爵家で預かるとしようか。ご両親には早々に話しておかねばね」
親方「なんとも気の早いことですな。年寄りめいてまいりましたの旦那様も」
二人『はっはっはw』
- 170二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 09:51:21
Q、(キャノンモード中限定ではあるが)機体スペックはブラウリッターの上をいくブルキャノンⅡとブルキャノン支援に特化したオイランゼンが組んで何故負けたのか?
A、リリーが真価を発揮する近接戦闘技術はニュータイプ能力を活かした自在性の高い近接戦闘とスティンガービットを併用したものでありジュンが得意とするフルアーマータイプの性能を極限まで引き出した高速白兵戦とは異なりニャアンが援護しにくい、ビット同士の軌道がかぶって2人とも全力を発揮出来ない、そもそもオイランゼンのAIがリリーを援護したがらない、などなどの要因が重なった結果負けたと思われます
リリー「ニャアンちゃんあそこで私が撃ったビーム反射してれば上手い事追い詰められたよね!?」
ニャアン「ジュンと違って射角とか考えてないビームをどうやって反射するんですか!?」
リリー「へーそーゆー事言うんだ!?ジュンは自分の事ちゃんと分かってますと!?」
ニャアン「言ったら悪いですか!!!?」
ジェリド「おい親友、俺の方はいいからお前んとこの黒猫と銀猫どうにかしてこい、ニュータイプ能力と紫電が混ざって大変な事になるから」
ジュン「今俺が言ったら余計拗れないか…???」
- 171二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 10:07:10
- 172二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 13:19:25
しれっと博士も抱え込んでる…
- 173二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 17:43:50
統一機構シリア基地司令室
5体のガンダムがアラビア砂漠の空を駆けているその頃、統一機構シリア基地司令部では司令が黒電話の受話器を手に、護衛達を部屋の入り口に控えさせた上で話をしていた。
司令「…ええ。指示通りジェリド中尉率いるMK-Ⅱ部隊は出撃させ、引き続き偵察機からの監視を続けています…しかし、本当に宜しいのですか?最高司令の読み通り、奴は最重要討伐対象であるブルキャノンと接触しながら奴と交戦するどころか奴らと組んで追跡を続けているようです。手柄の為にこちらへの連絡も寄越さぬような野心家を野放しにしておくのはあまりにも危険かと…」
???『いや、それで良い。
『あのお方』もそれを望まれている。
それが奴を…公爵家の蒼い騎士を追い込む為に必要になってくる』
司令「は、はっ!!…では、後続のアッシマー部隊は北の油田跡地へ向かわせるという形で…」
???『ああ…『彼ら』との連携も、抜かりなく頼むよ、司令殿』
黒電話が切れたのを確認して、司令はどっと疲れたようにソファに腰掛けて受話器を置く。
司令「ふぅ…しかし…上層部の方々を思い切った事をしてくださる…
裏切り者の蒼い騎士を追い詰める為にそこまでやるとは…」
呆れたような、恐れ慄くような複雑な表情を浮かべながら、司令は基地から発進するアッシマー隊をぼんやりと眺めている… - 174二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 19:05:12
アラビア砂漠北方地区
夜空を駆ける5体のガンダムが北を目指して飛行する事約10分、殺風景な砂漠の片隅の中で異質な存在感を放つ巨大な施設が見えてきた。真ん中から切り裂かれて残骸がその足元に転がりながらもMSと比べても何十倍も大きい錆びついた鉄塔や、内部からの爆発によって潰れた卵のようにひしゃげた丸いガスタンク、それらから伸びるパイプは至る所に穴が空いており、遠目に見ても廃棄された施設だという事がすぐに分かった。
ニャアン「…見えてきた…あれが…」
ジュン「…ああ…四年前に俺が破壊した油田設備だ…あれから修理の手も回ってなかったみたいだな…」
カクリコン「四年前に破壊…宇宙から流れた嗤う幽霊の残党の根城というやつか…お前が単独で殲滅したという噂は俺達の耳にも届いてたが…」
ジェリド「…あの場所に…奴らが…」
マウアー「…ジェリド、大丈夫かい?」
ジェリド「あ、ああ…まずは本当にあの場所が逃亡したザク達の根城なのか確認を…」
ジェリドが指示を出そうとした瞬間、オイランゼンのコクピットからブルキャノンがロックされた事を伝える為の警告音が響く。
ニャアン「っ!?ジュン、避けて!!」
ジュン「っ!!」
ジュンは咄嗟にブル・フライヤーから自身をパージしつつ、パージの瞬間に身体を捻ってフライヤーの腹を足場にして自身を下に落下させつつオイランゼンをフライヤーごと上に蹴り上げる。
その直後、空中分離した2機の間を凄まじい速度と威力を兼ね備えた砲撃が掠めて空を切っていく。
ニャアン「っ…!!」
ジェリド「どうやら当たりのようだな…!!カクリコン、マウアー!!2人はニャアンちゃんのカバーに回れ!!子供の安全が確認出来ない以上俺とジュンが白兵戦で狙撃手を仕留める!!やれるか、ジュン!!」
ジュン「誰にモノ言ってやがんだよ!!」
落下するブルキャノンは青い炎のマントをはためかせ、先行するジェリドと共にザク達を控えさせた狙撃手へと迫る…
- 175二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 19:06:04
上空のガンダム達を狙った狙撃手の正体…それは、既存のMSと比べても極めて異質な巨体と重装甲を誇る機体であった。
砂漠の砂を思わせる土色の重装甲、胴体のまん前から少し出っ張ったように伸びるモノアイの頭部、二本指の独特なマニピュレーター、装甲を支える為と思われる巨大なホバースラスターを搭載した脚部に、バランスを取る為の腰後方の大型スカート、そして、右肩に搭載された折り畳み式の大型カノン砲は、接近する2体のガンダムに向かってぴたりと標準を向けている。
ジェリド「ザメルか…!!戦争末期の旧型だがカノン砲の威力だけなら今でも十分に通用する厄介なシロモノだぞ!!」
ジュン「なら懐に潜り込んで潰す!!!!」
ブルキャノンはリッターモードを活かした縦横無尽な機動で砲撃を避け、ジェリドのMK-Ⅱは牽制の為にザメルの前に控えるザク達が放つマシンガンの連射を大型盾で弾きながら迫る。
ジュン「当たるかよデブが!!!!」
ジェリド「そんな豆鉄砲なぞ今更!!!!」
ジュンは空中からライフルブレードでザメルへ、ジェリドも同じタイミングでフライングシールドから飛び降りビームサーベルでザク目掛けて斬りかかるが、ザメルとザクは2機の接近の前にホバー移動で後方へ飛び退きながら陣形を組んで距離を取る。
ジュン「ちいっ!!デカブツのクセに素早い!!」
ジェリド「逃がすかっ!!」
ジュンとジェリドが再び飛んでザメル達を追おうとした瞬間、ザメルは空中に向けて左肩のミサイルポッドから無数のミサイルを斜め前に向かって放ち、それらは空中で爆散し、濁った空色の粉末を付近一体へと撒き散らす。
ジェリド「煙幕…!?」
ジュン「しゃらくせぇ真似を!!」
ブルキャノンは再び炎のマントで飛翔するが…
空色の粉末が炎に触れた途端、ブルキャノンの炎のマントが突然消える。
ジュン「何っ!?」
ジュンは咄嗟に脚部のスラスターを吹かせて辛うじて着地するが、その着地を狙ってザメルはカノン砲を放つ。
ジュン「やべっ…!!」
次の瞬間、カノン砲の着弾により凄まじい爆発が生じる…
- 176二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 19:42:42
ニャアン「っ…!?う…嘘…ジュン…?」
ブルキャノンを包むカノン砲着弾によって生じた爆発を見たニャアンは青ざめ、ニャアンをカバーするカクリコンとマウアーも言葉を失うが…
爆煙が夜風によってかき消されると同時に殆ど無傷で煙をあげる盾を構えながら片膝をつくブルキャノンの姿を、上空のMK-Ⅱの2人は捉えた。
カクリコン「待てニャアンちゃん!!大丈夫、ジュンは無事だ!!」
マウアー「直撃を盾で防いだか…!!流石にジェリドと張り合えるだけのことはある!!」
ニャアン「よ、良かった…でも…」
マウアー「…ああ、急に炎のマントが消えたような気がするね…」
上空の3人がブルキャノンの無事を確認した今もジュンはリッターモードの起動を試みるが、ブースターからはマント展開の為の粒子が飛び散るだけで、炎のマントは生成されない。
ジュン「クソッ、やっぱりダメか…!!」
ジェリド「どうしたジュン!?機体トラブルか!?」
ジェリドはスラスターを吹かせてジュンの前に飛び出し、大型盾を構えてブルキャノンが立ち上がる隙をカバーする。
ジュン「リッターモードが急に解けた…!!ジェリド、お前の機体に異常はないのか!?」
ジェリド「MK-Ⅱのスラスターに異常は見られない!!お前も足のスラスターで着地出来ていたのも見るに…あの妙な煙幕に何か作用があるとすれば…」
ジュン「対リッターモード用の兵装…!?なんで旧式のザク使い回してるような連中がそんな特殊兵装持ってるんだ!?」
ジェリド「俺が知るかそんな事!!」
ザメルのカノン砲が更に火を吹いた事を察知した2人はその場を飛び退いて着弾を避けるが…
2人を横切って地面に着弾した砲弾は盾に直撃した時の数倍の大爆発を引き起こす。
ジュン「なんっだこの威力!!!?」
ジェリド「まさかっ…撤去されていない配管に残った石油に誘爆したのか!?」
下手に避ける事すらも子供達への危険を高める。その事実が更に2体のガンダムの動きを鈍らさる…
- 177二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 20:08:20
- 178二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 20:17:43
- 179二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 21:24:27
- 180二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:50:19
誘爆によって数倍の規模で砂漠を抉る砲撃の威力は、上空の3体のガンダムにまで衝撃として響く程であった。
カクリコン「この威力…石油への誘爆か…!!」
マウアー「マズいね…奴らそれに構わず滅茶苦茶に撃ちまくってる…万が一今以上の誘爆が起きたら子供達が…!!」
ニャアン「っ…!!マウアーさん!!私達も近付きましょう!!上空に向かって撃ってくれれば2人が戦いやすくなる筈です!!」
ニャアンの提案に2体の黒いガンダムは顔を合わせて頷き、下降しようとする…
だがその直後、3体の後方から発射された無数のニードルガンの連射がオイランゼンを襲う。
ニャアン「っ!?」
フライヤーによる回避が間に合わないと判断したニャアンはフライヤーを踏み台にして跳躍しこれを避けるが、飛び退いたオイランゼンに向かって2体のアッシマーが突進し、MS形態になってオイランゼンを左右から押さえ込む。
ニャアン「わっ…!?」
カクリコン「何っ!?」
マウアー「後続のアッシマー隊…!?何をしている!!司令部に連絡した筈だ、現在ブルキャノンとオイランゼンは所属不明機体追跡の為に一時停戦と…!!」
隊員1「追跡は終了しました、この時点で停戦は無効と司令部は判断しております」
カクリコン「そんな馬鹿な話があるか!!ジュンとジェリドは今も敵対勢力と交戦中なんだぞ!?」
隊員2「その件ですが、司令部より第一級命令を授かっています」
マウアー「…何だって…?」
ジェリド「っ…!?」
ジュン「どうしたジェリド!?」
ジェリド「…統一機構特務無線だ…後続のアッシマー隊が…ニャアンちゃんを鹵獲した…!?」
ジュン「なっ…何やってんだこんな時に!?」
ジェリド「俺が聞きたいぐらいだ!!…待て、まだ無線の続きが…」
無線の内容を聞いたジェリドは、絶句する。
…第一級命令を通達、前方のMS部隊及び後続のアッシマー隊と連携し、
ジュン・ファンボイを始末せよ。
単純明快なその指示が、絶句するジェリドの脳を反復する…
- 181二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 23:17:55
先に次スレ作りました、多分書けるのは明日からだけれど、ようやく44バンチの悲劇について書けそうです、多分
- 182二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 00:40:31
新スレ立て乙です。
ゴップ元帥:…そうか。大分面倒な事になっているようだね(ぺちぺち
指揮官:…はっ。中将も可能であれば部隊を送りたいところですが、”高度な政治的判断”が必要と(アセアセ)
ゴ:わかった。このまま統一機構の過激派に好き勝手させるわけにも行かないだろう。私の方でどうにかしよう(むにむに
指:よろしくお願いいたします(ヒヤヒヤ)
ぼうや:おじちゃんぷよぷよー!(肩車されながら頭を好き勝手に捏ねくり回しつつ)
指:いい加減しろ小僧! そもそもこんな場所まで
ゴ:まあまあ。私もすっかり孫とは疎遠でね。こんな可愛い子に構って貰えるのは嬉しい限りだよ
指:申し訳ありません元帥閣下。どうしてもついて行くと聞かず
ゴ:君自身の子ではないのに、随分と好かれているね
指:今現在は元帥閣下がお気に入りのようですがね
ゴ:どうだね。アースノイドだスペースノイドだと言っても、生まれは皆同じだし子供は皆可愛いものだろう?
指:中将は"将来の工房を背負って立つかも知れない”と期待しておりますが、両親共々地球で鍛え直すべきかと
ゴ:(まだ宇宙への偏見は残っているか…)まあまあ。ご両親にも本来の生活がある。いずれモビルスーツの開発に関わるなら、宇宙への見識は深めて置いて損は無いよ
ぼ:おじちゃんはっしーん!
ゴ:よしよし。”ゴップキャノン”行きまーす!(肥満体で肩車しながら全力疾走
指:元帥閣下ああああああああ!?(頭抱えつつ)
- 183二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 03:26:17
- 184二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 07:09:35
- 185二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 07:43:02
- 186二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 10:06:13
なお有機装甲は超重キャノン級なので速度・戦闘継続能力は絶望的。
但し指揮能力は激高。
…そんな「せっけいず」を描いたぼうやは、工房に帰ってから公爵と親方に見せて二人揃ってワインとビールを盛大に噴き出したそうなw
公爵「これは…誰がどう見ても…だよねぇ」
親方「確かに…特徴は大変的確に捉えとりますのう」
指揮官「元帥閣下が鷹揚に接している間に調子に乗りましてあの小僧…これだからスペースノイドは」
親方「まあまあ若様。この年頃の坊主のやんちゃはこの程度なら可愛いモンですわい」
公爵「それは否定できないねぇ。しかし、あの子三面図まで引いてるよ。これは将来に期待できるね」
指揮官「帰りの機上で落書きをしていると思ったらこのとおりです。工房より先に当家の執事にでも付けて教育した方が良いのでは?」
- 187二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 11:34:18
- 188二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 11:42:47
- 189二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 13:39:37
『よくも哀れな子供の親をころしたな!(本編4話見つつ)』
- 190二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 13:52:25
冷血動物、マシーンドムごろし!ユニカーマッッ!!
- 191二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:04:11
撃墜数世界チャンピオン、ユニカーマッッ!!
- 192二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:09:18
\テーテテーッテテレー♪/
- 193二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:20:05
レオパルドン(次世代型MS)
- 194二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:23:42
- 195二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:37:36
喫茶☆マー(イズマ・コロニー支店)
- 196二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 14:56:28
- 197二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 17:43:48
- 198二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:19:26
腰やる前に息切れしたから大丈夫w
- 199二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:22:05
東映版にスレ乗っ取られてて笑っちゃうんすよね
- 200二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:22:59