- 1スレ主25/04/25(金) 13:00:12
- 2スレ主25/04/25(金) 13:04:51
このスレは、ブルーロックの登場人物による参加型ホラーSSです
舞台は、営業を終えた遊園地「パラミッド・パーク」
地図に載っていない施設――13号館『ブラッド・チャペル』へ迷い込んだ4人の選手たちは、バラバラに目を覚まし、誰も知らない“最後のアトラクション”に挑むことになります
※プレイヤーの選択(安価)や運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点・結末が大きく変化します
※選択肢次第で“発狂”or“絆”に分岐します
※正気度(SAN値)管理あり
※取り返しのつかない選択も……あるかもしれません - 3二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 13:08:11
楽しみ
- 4スレ主25/04/25(金) 13:12:28
■キャラヘイトを目的とするものではありません
■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください
■荒らしはスルーします
■SS初立てです、ゆっくり進行ご容赦ください
■感想、質問等頂けるとスレ主が大変喜びます - 5スレ主25/04/25(金) 13:29:24
それは、特別な遊園地だった
もう営業していないはずの場所
パンフレットにも、ネットの地図にも、存在しないはずの施設
この場所には、4人の選手がやって来た
ブルーロック広報企画として、“とある特別番組”の撮影に参加するために
特例的に参加したのは、現在国外クラブに所属する糸師冴
この日だけはスケジュールを調整し、「“ある目的”があって」同行していた
閉園した遊園地を舞台に、ただ遊ぶだけ――
……そう思っていた。
本当に、それだけのはずだった。
『イラッシャイマシタ。“最期”ノ アトラクションへ――』 - 6スレ主25/04/25(金) 13:34:36
【登場人物紹介】
潔 世一(いさぎ よいち)
真っ直ぐで不器用
誰よりも感情が表に出やすく、それがかえって場を和ませる存在
遊園地でははしゃぐタイプだが、空気の変化にも敏感で、いざという時には誰よりも周囲を見ている
千切 豹馬(ちぎり ひょうま)
明るい皮肉屋で繊細
軽口で場を和ませるが、怖がりな一面もある
“走ること”に強い執着を持っているが、迷宮の中で「走ってはいけない」と言われると、何かが試される気がしてしまう - 7スレ主25/04/25(金) 13:36:06
糸師 凛(いとし りん)
トゲのある言動で人との距離を保つが、感覚は誰よりも鋭い
空気、音、風、温度……すべての“異常”に敏感で、真っ先に気づく
口は悪い
「うぜぇ」「意味わかんねぇ」「知らねぇ」など、基本的に塩対応
……だが、兄・冴に対してだけは、時折そのトーンが和らぐ
糸師 冴(いとし さえ)
冷静で達観しているが、遊園地に“懐かしさ”を感じているようでもある
凛とは言葉を交わさずとも通じ合うような、複雑な空気を纏っている
記憶、予感、視線――
彼は誰よりも早く、“この場所の異常さ”に気づいていたのかもしれない
本来この撮影に呼ばれる予定はなかったが、
「凛の様子が気になった」と言ってスケジュールを調整し、同行している
それが“兄”としての感情か、それとも――別の理由かは、まだ分からない - 8スレ主25/04/25(金) 13:46:54
蝉の声が止んだ、夏の終わり。
都心から離れた山奥の遊園地――「パラミッド・パーク」は、すでに営業を終了している。
けれどこの日だけ、ブルーロックの広報企画として貸し切られていた。
招かれたのは、潔 世一、千切 豹馬、糸師 凛、そして――糸師 冴。
千切「……ってかさ、冴って普段こういう企画、出る人だっけ?」
潔「あ、確かに! すごい人来たなって思ったけど、なんで今日一緒なんすか?」
冴「……フツーに来ただけ。休みだったしな」
凛「ウソつけ。……何か、気になったから来たんだろ?」
冴「……さあな。
……俺が来なきゃ始まらない気がした。理由なんて、そんなもんで十分だろ?」 - 9スレ主25/04/25(金) 13:55:13
潔「えっ、なんかカッコいいこと言ったぞ!?」
千切「やべぇ、兄弟そろってそういうとこあるな……!」
凛「……知らねぇよ」
スタッフの姿はなく、アトラクションは“運転準備中”の表示が灯っている。
広報からは「園内を自由に回って、リアクションを撮ってください」とだけ伝えられていた。
潔「全部回ってOKってことは……絶叫系とかもアリなんだよな?」
千切「潔、絶叫系苦手だろ。カメラ回ってんの、忘れんなよ?」
潔「やめろって!俺だけ変な顔撮れるじゃんか!」
凛「……うぜぇ」
冴「観覧車はともかく、ホラー系があったら期待できるな」
園内の案内板には、定番のアトラクション名が並んでいた。
1:地下ジェットコースター
2:鏡の迷宮
3:スプラッシュボート
4:ゴーストカート - 10スレ主25/04/25(金) 14:05:55
千切「さて、どれから行く? 絶叫で景気づけする?」
冴「最初に叫ばせるなら、潔だな」
潔「えっ!?ちょ、待て待て俺確定なの!?」
凛「うるせーな。行くって言ってんだろ。さっさと決めろよ」
【選択肢:最初に向かうアトラクションは?】
1:地下ジェットコースター
2:鏡の迷宮
3:スプラッシュボート
4:ゴーストカート
※進行に直接の影響はありません、恐らく
- 11二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 14:07:55
1
- 12スレ主25/04/25(金) 14:16:53
【Mine Run!地底絶叫バギー】
――視点:潔 世一
【説明パネル】
《地下300mの廃鉱山を駆け抜ける恐怖体験!照明ほぼなし!叫ばなければ、帰ってこれる……かも?》
潔「なんだよこのキャッチコピー……叫んだら帰れないってどういう意味!?」
千切「潔が一番帰ってこられねぇな、これ」
潔「おかしくない!?なんで俺前提なの!?!?」
凛「うっせぇ。自覚あんだろ」
冴「ま、最初に絶叫してもらった方が“場”は温まるな」
4人乗りのライドに乗り込み、ガシャリとバーが下がる。
無人の係員ブース。だが、タイミングを合わせるかのようにレールがきしみを上げ、車両が動き出す。 - 13スレ主25/04/25(金) 14:22:01
千切「潔、前な。リアクション芸よろしく~」
潔「俺、芸人じゃないんですけど!?!?」
凛「前のやつが黙ってりゃ、静かに乗れるのにな……」
最初はゆっくり。坑道風の照明、錆びた鉄の柵、そして……音が消えた。
潔「え、え?今、音……止まったよな?」
千切「なんか、息苦しい。これ、BGMの演出じゃねーだろ」
冴「……空気が止まってる。風が抜けてねぇ」
凛「……これ、沈んでるな。下に、重さがある」
レールは下へ沈み、空気の圧が変わる。照明が消え、闇の中を――何も見えないまま、滑っていく。 - 14二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 14:30:36
このレスは削除されています
- 15二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 14:31:29
拾う
- 16スレ主25/04/25(金) 14:35:26
潔「っ、前……何か……見える!?」
遠く、同じコースを逆走してくるもう1台の車両が見える。
そこには、自分たちと同じ服、同じ顔の4人――その中の“潔”が、口だけを動かしていた。
「……た……す……け……」
潔「う、わ、わわわわああああああ!?!?!?」
凛「落ち着け。……喋ってねー。口だけだった」
冴「逆再生か。言葉の順がズレてたな」
千切「あれ、俺たちなのか……?」
レールの脇、照明が一瞬だけ戻ったとき、錆びた懐中時計が落ちているのが見えた。
潔「えっ……? 時計……?」
千切「なんだよ、気味悪っ……そんなもん拾うなよ」
凛「触んな。変なもん掴んでたら、マジで戻ってこれねぇぞ」
冴「……拾うなら、今だ。通り過ぎたら二度と手に入らないぞ」
【選択肢:時計を拾いますか?】
>>15 安価採用させていただきます。スレ主ミスって投稿消してしまいました。
- 17スレ主25/04/25(金) 14:47:17
直後、風と振動と音が一斉に戻る。車両が加速し、地上へと飛び出した。
潔「うおおおおおおおおおおッッッ!!!???」
千切「潔の声デカすぎて鼓膜死んだんだけどwww」
冴「お前叫びすぎだ…、まあ無事帰って来れて良かったがな」
凛(……? 時計壊れてんのか…?さっきも13:00だったような…)
ボロボロのトンネルから抜けた彼らを待っていたのは――再び、静かすぎる遊園地の風だった。
千切「潔、それ……さっきの時計? よく拾ったな」
潔「なんか……気になって。変な感じしたけど、捨てるのは怖くてさ」
凛「……まあ、悪霊付きじゃなけりゃな」
冴「“時間に抗う選択”は、そう簡単には来ねぇ。お前は……正解かもしれない」 - 18スレ主25/04/25(金) 14:54:11
千切「それにしてもさ潔、冴も言ってたけどマジで叫びすぎ。あれ絶対カメラに残ってるぞ」
潔「うぅ……やだ……あとで見るの怖い……」
凛「勝手に騒いで勝手に疲れてんじゃねーよ。バカか」
冴「……でも、今の“異常”は本物だ。錯覚だけじゃ済まないな、これ」
千切「あのさぁ、今さらだけど……これほんとに“ただの遊園地”なんだよな?」
潔「そ、それ俺も思ってた。なんか……変だよな?全部」
凛「今さら。最初から空気がクソ気持ち悪かっただろ」
冴「でも、帰るには“全部回らなきゃいけない”って、もう分かったろ」
潔「えっ、マジで?全部!?あと3つもあんのに!?」 - 19スレ主25/04/25(金) 15:04:52
千切「……で、次どうする? 俺、鏡とか嫌なんだけど。前フリ的にやばそうじゃね?」
潔「俺も正直、鏡はやだ……絶対出るよ!“もう1人の自分”的なやつ!!」
凛「……水の上とかも信用できねぇ。静かすぎんだよ」
冴「どれを選んでも“罠”なんだから、いっそ直感で行け」
潔「うっ、なんかもう一周絶叫系でも……」
千切「潔それ“逃げ”っていうんだぜ…」
【選択肢:次に向かうアトラクションは?】
2:鏡の迷宮
3:スプラッシュボート
4:ゴーストカート
- 20二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 15:08:32
2
- 21スレ主25/04/25(金) 15:30:38
【Mirror Hex ―鏡の迷宮―】
――視点:千切 豹馬
【説明パネル】
《何度も何度も、自分に出会う。でも……最後まで、自分の顔って覚えてる?》
※中では走らないでください。影が、追いかけてきます。
千切「うっわ……これ、ダメなやつじゃね? 俺この手のやつ、ホント無理」
潔「なんか、鏡の配置変じゃないか? ほぼ迷路だろこれ……」
冴「“走らないでください”って注意があるのが不穏だな。
“走りたくなるもの”が出てくる前提じゃないか」
凛「……面倒くせぇな、こういうの」
入口のドアがギィィ……と音を立てて開く。中は薄暗く、足元まで鏡の壁が立ち並んでいる。
音が響く。自分たちの足音なのに、“少しだけ遅れて”返ってくる。 - 22スレ主25/04/25(金) 15:41:16
5分ほど進んだとき――鏡の中の“自分たち”の表情が、少しだけズレていた。
笑っている。けれど、誰も笑っていない。
千切「……あれ……俺、今、笑ってた?」
潔「やだやだやだ、そういうのやめよ!? 鏡の中で勝手に笑うとか怖すぎ!」
凛「勝手に笑ってんのは“向こう”の方だ。……こっちじゃねぇ」
通路の角、鏡が一枚だけヒビ割れている。
その前に、手のひらサイズの欠けた鏡の破片が落ちていた。
千切「……なんだこれ。……鏡の、破片?」
潔「うっわ、なにそれ!絶対触んない方がいいやつ!!」
凛「拾うな。そういうのに触れると“映される側”になるんだよ」
冴「……けど、拾うか拾わないかは本人次第だ。
“自分をちゃんと覚えてる”なら、触っても大丈夫だ」
【選択肢:鏡の破片を拾いますか?】
- 23二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 15:42:09
拾う
- 24スレ主25/04/25(金) 15:53:37
千切「……じゃあ俺は、信じてみる。これ、俺の顔なんだろ?」
彼は破片を手に取り、鏡の中の“笑っている千切”と向き合った。
その瞬間、“影”の千切がニヤリと笑い――溶けるように消えた。
鏡の配置が、ガシャリ……と音を立てて自動的に動く。出口が、突然、正面に現れた。
潔「えっ!? あれ、いつの間に……!?」
凛「今の選択で、出口が出たってことか。……くだらねぇギミックだな」
冴「違う。くだらねぇのは、“見失うことの方”だ」
外の風は、先ほどより冷たくなっていた。空はまだ晴れているのに、太陽の位置は変わっていない。
ふと時計が視界に入る。――13:00から時が進んでいないと気がつくのに、そう時間はかからなかった。 - 25スレ主25/04/25(金) 16:02:27
潔「……なんか、空、全然変わってないな」
千切「太陽、動いてねぇ……いや、ずっと13:00って、ありえなくね?」
凛「……最初に入ったときからだ。空気の流れ、温度、全部が一緒。時間が“進んでない”っていうか、“止まってる”」
冴「……正確には、“閉じ込められてる”って表現の方が近いな。俺たちは今、“13:00の中”にいる」
園内の時計塔は長針も短針も、一歩も動いていない。
秒針すら――音すらない。
潔「ってことは、もう何時間もここにいて……でも、外は1分も経ってない?」
千切「やばい……マジでタイムループ系か?てか、選択ミスったら戻れねぇとかあんのか……?」
凛「だから言っただろ。最初から気配が“気持ち悪かった”って」
冴「けど――俺たちは、すでに“選んでる”。“止まってる”だけじゃない。“止まったまま、先に進める”ってことだ」
潔「……俺、時計持ってるから、なんか分かる気がする。変だけど、怖いけど……まだ、“次に進める感じ”がする」
千切「俺も……あの破片、ちゃんと見てくれてたの、俺だけだったし」
凛「ハッ……くだらねぇ。ただの自己満足じゃねぇか。……でも、それが今の俺らには必要なのかもな」 - 26スレ主25/04/25(金) 16:12:04
そのとき――園内全体に、金属が軋むような電子音が響いた。
パキ……パキ……
言葉にならない“ノイズ”が、じわじわと音声に変わっていく。
『……次ノ……アトラクション……ヘ――……』
『ドウゾ……オ進ミクダサイ……』
その声は、まるで“録音した誰かの声を機械が引き伸ばした”ような音質だった。
低すぎるところは割れ、高すぎるところは刺さる。言葉の間が不自然に空き、所々“無音”が挟まれている。
『……記憶……映像……幻影……遺物……』
『ソレラハ……ミナ……13:00ノ……サイハテ……ヘ……トモナイマス』
スピーカーの位置は特定できなかった。
声はまるで、遊園地そのものが喋っているようだった。
【選択肢:次に向かうアトラクションは?】
3:スプラッシュボート
4:ゴーストカート
- 27二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 16:34:32
4
- 28スレ主25/04/25(金) 17:30:57
【ナイトカート・ゴーストロード】
――視点:糸師 冴
【説明パネル】
《夜の遊園地を走り抜けろ!君のゴーストカートが導くのは、記憶か幻か。
――進路は、あなたの“記憶”が決めます》
ひとり乗りのカートが並ぶ。冴は黙ってそのひとつに乗り込んだ。
潔「冴、一人で行くって……ちょっと不安じゃないか?」
千切「てか、なんでこれだけ一人用なんだよ……」
凛「行かせとけ。兄貴はひとりの方が性に合ってんだよ」
冴「(振り向かず)……誰よりも速く、“未来”にたどり着くってのも悪くないだろ?」
【カウントダウン:3…2…1】
カートが音もなく発進する。コースは外の通路ではなく、地下に潜るように続いていた。
冴の乗るカートは、まるで勝手に行き先を知っているようだった。 - 29スレ主25/04/25(金) 17:36:10
冴(空気が変わった。照明が赤く、揺れもない。……記録用か?)
冴(いや……違う。これは、“映像”を見せるための演出だ)
暗闇の先に、大型のスクリーンが浮かび上がる。
そこに映し出されたのは――倒れている糸師 凛の姿。
場所は、白く無機質なチャペルのような空間。
まるで、誰も知らない“その先”の映像のようだった。
《映像再生中》
《記録時刻:13:00》
《記録対象:イトシ リン》
《状態:意識消失》
《記録方法:記憶ログ》
冴「……未来を映してるつもりか。くだらねぇな」
だが、その声には、どこか微かな“迷い”が混じっていた。 - 30スレ主25/04/25(金) 18:17:07
「……兄ちゃん……どうして、俺を見てんだ……?」
冴が目を見開く。スクリーンの凛は動かない。
だが、確かに“耳元”で声がした。
「オレの未来、そんなに見たいか?」
「だったら、“開けてみろよ”。その扉をさ」
冴が振り返るが、そこには誰もいない。何もない。
壁も、道も、どこにも“鍵穴”すら存在しなかった。
冴「……チッ。開けねぇんじゃねぇ。“開けられねぇ”んだよ、俺は」
カートはそのまま加速し、闇を突き抜けて地上へ戻る。
冴が降りた瞬間、スクリーンの映像は砂嵐のように崩れ、全ての記録が消えていった。 - 31スレ主25/04/25(金) 18:27:29
潔「……冴、大丈夫? なんか、顔色悪いけど……」
冴「……問題ねぇよ。ただ、“見えた”だけだ。……答えじゃなく、“予感”をな」
千切「てか、ここまで回ったのに……まだ“13:00”って、どうなってんだよ……」
全員が時計塔を見上げる。太陽の角度も、空の色も、風の音も、全部止まったままだ。
潔「……進むしか、ないよな。もうあとひとつで、“全部”揃うんだし」
【彼の手の中の懐中時計は、まだ13:00のまま】
千切「俺も……今さら戻りたくねぇし。……ていうか、なんか、“今戻ったら後悔する気がする”」
【ポケットの中で、欠けた鏡の破片がひんやりと冷たさを持っていた】
凛「……チッ。お前ら、揃いも揃って……“やる気にな
ってんじゃねぇ”」
冴「じゃあ……最後の場所、行くか。“俺たちがまだ触れてない、最後の記憶”を拾いに」
スピーカーが、また異様なノイズと共に唸る
『……最終アトラクション ヘ ノ ルート……カイホウ』
『最期 ノ 記憶 ヲ オ持チ クダサイ……』 - 32スレ主25/04/25(金) 19:32:09
【サイレンス・リバー】
――視点:糸師 凛
【説明パネル】
《湖を巡る幻想的なナイトクルーズ体験。
小さな波と、優しい風に包まれて――
……音が聞こえなくなったら、振り向かないでください》
4人はボートに乗り込む。
夜の水面を模した演出。波も風もない“静寂”だけが漂う。
潔「……めっちゃ綺麗だけど……ちょっと静かすぎない?」
千切「やだやだやだ、“振り向くな”って書いてあったぞ!? 絶対出るって!!」
冴「……凛。お前、ここで何か“思い出してないか?”」
凛は黙って水面を見つめる。
そこに映るのは、真っ直ぐに進む自分の背中。
だが、その背後で――“もうひとりの凛”が立っていた。
凛(……俺は、あのとき、兄ちゃんの背中を見てた。)
凛(でも、いつからだ?俺の後ろにも“誰か”が立ってたのは――) - 33スレ主25/04/25(金) 19:54:18
水のせせらぎ、鳥の声、風――全てが止まる。
潔「っ!? 音、全部止まった……!?」
千切「嘘だろ、まただよこれ……なんか来る!!」
凛「動くな。今、なにかが俺たちを“測ってる”」
ふと、ボートの足元に、水に濡れたスケッチブックが落ちているのに気づく。
開かれていない。表紙には、にじんだ文字でこう書かれている。
「忘れたら、もう戻れない」
凛「……これ、誰のだ」
潔「うわ……触んない方がよくない!?やばいやつじゃ……」
千切「でも、書いてある。“忘れたら”って……なにを?」
冴「……拾ってみろ。“忘れてない”って証明するなら、それが唯一の方法だ」
【選択肢:スケッチブックを拾いますか?】
- 34二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:55:22
拾う
- 35スレ主25/04/25(金) 20:09:21
触れる前に、一瞬だけ指が止まる。
濡れている。重い。
“拾ったら、もう手放せなくなる”――そんな気がした。
潔が息を呑む。千切が何か言いかけて口を閉じる。冴は黙ったまま、凛の手の動きを見つめていた。
凛はそっと、スケッチブックに指をかけた。
最初は親指で端を押すだけだった。少しずつ、ゆっくりと。
濡れた紙がペリ、と音を立てたその瞬間――凛の目がわずかに見開かれる。
そこには、自分の描いた何かがあるような気がした。けれど、ページは閉じられたまま、まだ、中身を“見せようとしていない”。
凛「……くだらねぇ。……でも、これは、俺のもんだ」
そう言って、凛はスケッチブックを胸に引き寄せた。
濡れた背表紙に、無意識のうちに“爪を立てていた”。
それはまるで、“失くすことを本能で怖れていた”かのように。
冴「……偉いな、凛。忘れてないって、ちゃんと証明できた」
凛「……兄貴こそ、そんな顔すんなよ。俺は、……ちゃんと、見てるからな」
水面に映ったふたりの影が、ゆらりと重なって消えた。
そして、止まったままの“時間”が――ゆっくりと、動き始めた。
音が戻る。水が揺れ、ライトが点灯する。スプラッシュボートは、静かに地上へ戻っていく。 - 36スレ主25/04/25(金) 20:12:30
4人が地上に戻ったとき、遠くに見える建物に灯が点る。
白く、無機質で、地図にない場所。
――13号館
【所持アイテム】
・潔:錆びた懐中時計
・千切:欠けた鏡の破片
・凛:濡れたスケッチブック
・冴:なし - 37スレ主25/04/25(金) 20:24:38
遊園地の奥――地図にも載っていない道を進む。
13:00のままの空。風が止んで、空気がぴたりと重くなる。
ボロボロの看板。文字が削れて読めない。
その奥にあったのは、白く静かな“建物”だった。
無人のチャペル。けれど、扉だけが開いていた。
潔「……13号館、ってここだよな…。……なあ、千切、ここってさ。」
千切「ああ……なんで俺ら、見たこともないのに“ここが最後”って分かってんだろ……」
凛「……全部が、ここに向かってた。そういう“感じ”だった」
冴「感じじゃねえ。“構造”だ。この遊園地自体が、“ここへ来させる”ために作られてる」
誰も、返事をしなかった。 - 38スレ主25/04/25(金) 20:32:20
冴「……行くか」
潔「お、おう……っ、俺、覚悟は決まった!」
千切「ま、まてまて……!!俺は心臓が準備できてねぇ……!」
凛「……うるせぇ。お前らの声で、耳が壊れんだよ。さっさと行くぞ。」
中は――“真っ白”だった。壁も、床も、天井も、すべてが存在感を消すように無機質。けれど、確かに、誰かが「待っている」気配だけがあった。
潔「……だ、誰か……いるのか……?」
突如、世界が歪む。白い床がぐにゃりと傾き、視界がぐらつく。
千切「あ――っ……な、んだ、これ…――……!」
凛「っくそ……音が、揺れてる……」
冴「ここは……っ、“記憶の中身”だ……」
全員の意識が、崩れるように沈んでいく。 - 39スレ主25/04/25(金) 20:36:01
- 40二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 20:36:55
潔
- 41スレ主25/04/25(金) 20:58:49
真っ白な世界の中――潔は、たったひとりで目を覚ました。
目の前に広がっていたのは、天井の見えない廊下。左右どちらを向いても、“果て”がない。床も壁も天井も、白すぎて遠近感が狂う。
まるで、“思考が続く限り、道も続いている”かのようだった。
潔(……俺、たしか……みんなと一緒に……最後のアトラクションを終えて……)
潔(白い部屋……兄弟の声……凛が、何か……拾ってた、ような……)
潔(――でも、今ここにいるのは……)
潔「みんな、どこ……?」
答えはない。音もない。
けれど、足元には確かに“床”があり、手の中には“時計”があった。
時計の針は、やっぱり――13:00のままだ。
- 42スレ主25/04/25(金) 21:04:33
視界の先、左右に分かれる通路がゆっくりと開いていく。
それぞれの奥から、“微かな気配”が漂ってきた。
潔(行かないと。誰かを探さなきゃ……)
潔(でも、どこに? どっちから? …どうすればいい?)
【選択肢:どこに向かいますか?】
1:右の通路(ほのかな暖かさ/何かが待っている気配)
2:左の通路(ひんやりとした風/懐かしい匂いがする)
3:今は動かない(その場で気配を探る/“何か”が近づいてくる)
- 43二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:06:02
1
- 44スレ主25/04/25(金) 21:37:52
白い廊下の奥、潔は迷いなく右へと足を踏み出した。
空気が、わずかにあたたかった。それだけで――なぜか、妙に安心できた。
足を進めるごとに、白い廊下の壁がわずかに揺れるように見えた。まるで、空間そのものが“記憶の中”に潜っていくような感覚。
そして、その先にあった――木製の扉。
白い空間に似合わない、誰かの手で作られたような、不自然な扉だった。
扉の表面には、削れかけた文字が浮かんでいた。
『忘れないで』
『忘れたことを』
潔が手を伸ばそうとした時、後ろから物音がした。
振り返ると、それはスケッチブックのようだった。
――あの日、凛が拾ったもの。
スケッチブックを抱え、再度扉を開くために潔は手を伸ばす。
潔「……行くぞ、凛。迎えにきた。」 - 45スレ主25/04/25(金) 21:51:52
扉を開けた途端、視界が反転した。
床も壁も天井も、すべてが滑らかな鏡面。無数の自分が、さかさまに映っている。でも、どれも“自分じゃないように見える”。
部屋の中心に、ひとりの少年が立っていた。
凛――のような、誰か。
姿形は同じ。でも、表情が違った。目が笑っていた。けれど、口元は動いていない。まるで、“誰かが凛の顔を真似て作った人形”。
潔「……凛……なのか?」
返事はない。けれど、代わりに部屋全体に響くような声が届いた。
『オレは、お前が“見たがった”凛だよ』
『でも、今の凛が“覚えていない”オレでもある』
潔が眉をひそめる。
その瞬間――鏡の床に、冴の顔が浮かび上がった。
冷たい目。距離のある横顔。でも、それを“見失った”ときの凛の表情は、もっと苦しそうだった。
『兄ちゃんって、なんだっけ?』
『オレは、忘れたよ。だから、ここにいるんだ』 - 46スレ主25/04/25(金) 21:55:49
潔は、ゆっくりとスケッチブックを取り出す。濡れて、重く、でも確かにここにある。
ページを開いた瞬間――ぬぐわれたはずの線が、ふっと浮かび上がった。
色は薄れている。にじんでいる。でも、そこには確かに――冴と凛が並ぶ姿が描かれていた。
潔「見ろよ……お前、ちゃんと描いてたじゃねぇか」
潔「忘れてなかったんだよ。お前自身が、一番……忘れたくなかったんだ」
影の凛が一歩下がる。初めて、怯えるような“人間らしさ”が滲む。
『それ、オレの手で描いた……のか……?』
潔「ああ。だから、戻ってこい。忘れるんじゃなくて、思い出したまま――“これからを選べよ”」
潔の声が届いた瞬間――床に走った亀裂が、影の凛を飲み込んだ。
影は、光になって弾け、鏡の部屋から消えた。
そしてそこに倒れていたのは――本物の凛だった。 - 47スレ主25/04/25(金) 22:04:32
静かに、目を開ける。凛は、しばらく視線を宙に泳がせたあと、ゆっくりと潔を見た。
凛「……チッ。くだらねぇ……。……でも、忘れるより、痛ぇほうがマシだったな」
潔「だろ? お前は、忘れるような奴じゃないよ」
潔が笑ってスケッチブックを差し出すと、凛はほんの少しだけ眉を下げた。
凛「……持ってろ。お前のほうが、忘れねぇ気がする」
潔は頷き、スケッチブックを胸にしまう。そのとき、鏡の部屋にあった反射光がすべて消え――白い扉が再び現れた。
凛「他の奴らも、まだだろ」
潔「ああ。……次は、誰を迎えに行く?」
潔:SAN値6 自分が知らなかった凛との対面により-1減少
凛:SAN値8 スケッチブックによる自我回復成功により変動なし
【選択肢:誰の部屋に向かいますか?】
1:千切
2:冴
- 48二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 22:05:15
千切
- 49スレ主25/04/25(金) 22:19:00
白い扉が開き、ふたりは新たな通路へと進んだ。
さっきよりも、少しだけ空気が重い。
潔「……なんとなく、次は“あいつ”の気がする」
凛「赤髪か」
ふたりの足音が、廊下に静かに響く。
そして、凛がぽつりと口を開いた。
凛「あいつ、弱ぇとこ見せねぇよな」
潔「見せないだけだよ。ずっと、ギリギリでやってた」
凛「……知ってる風な口利くなよ」
潔「俺は、見てた。走れなかった時のことも、走れた日のことも――全部」
潔の怒気を含んだ声に、凛がわずかに目を伏せる。
その沈黙の中で、千切の名前が書かれた部屋の扉が、静かに姿を現した。 - 50スレ主25/04/25(金) 22:26:37
扉を開けると、そこは――無限に続くトラックだった。外は暗く、照明は切れている。だが、足元にだけ淡い光が差している。
その先を、千切が走っていた。
制服のまま、スパイクも履かず。全速力で、苦しそうに――けれど、止まらずに。
潔「千切……!?」
凛「待て、見ろ。あれ、“ひとりじゃない”」
千切の後ろに、“もうひとりの千切”が走っていた。顔がない。髪も色も同じなのに――目も口も、描かれていない。ただ、同じ速度で追いかけてくる。
『お前は、ずっと遅れてる』
『誰も、お前を待ってなんかいない』
千切「違う…!!…俺はッ、…、もう走れる……!走れるんだよ……!!!」
潔「千切!! それ、影だ!!お前じゃねぇ!! そいつに追いつかせんな!!」
千切が振り返った瞬間、目が真っ白になっていた。呼吸が荒い。足が止まりかけている。
“もう一歩で追いつかれる”。 - 51スレ主25/04/25(金) 22:32:37
潔が床に落ちているモノに気づく。
そこには――“自分を信じるため”に千切が拾った、鏡の破片があった。
潔は、それを千切の前に投げるように滑らせた。
光が割れて、鏡の破片が床に転がる――
千切の足が、それを踏みしめた瞬間。
『誰も見てない』
『誰にも気づかれない』
その言葉が、スッと、かき消えた。
千切「……見てたのかよ、お前……」
千切の背後にいた“顔のない自分”は崩れ、静かに霧のように消えていった。 - 52スレ主25/04/25(金) 22:40:06
千切はその場に倒れこむ。呼吸が荒い。
潔が駆け寄り、凛は少し離れて見ている。
潔「お前、ホントに……もう、限界だったんだな」
千切「……情けねぇとこ、見られた……」
凛「見せる相手、選べよ。……俺には向かねぇ」
千切「だな……」
呆れたように笑う千切が、少しだけ涙をこぼしていたことを、潔はそっと、見なかったことにした。
潔:SAN値6 “救うべきもの”に迷いなしのため変動なし
凛:SAN値7 自分と向き合う千切を見て、過去の自分を思い出したため-1
千切:SAN値6 影に飲まれかけたが、自己像回復により変動なし - 53二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 02:37:37
今のところ良い方向に進んでそうだね
このまま皆無事に助かってほしいなあ - 54スレ主25/04/26(土) 08:19:41
4人のうち、最後のひとりだけがまだ戻ってこない。
冴の気配がする部屋は、白くて冷たく――扉は、閉ざされたままだった。
潔「……冴は、きっとここにいる」
千切「でも……開かねぇ」
凛「そりゃそうだ。鍵がねぇからな。……あいつは、拾わなかった」
沈黙。
凛の目が、扉を見つめている。
でもその視線は、ずっと“自分の中”を見ているようだった。 - 55スレ主25/04/26(土) 08:25:20
潔「凛……どうするんだ?」
凛は、何も言わなかった。けれど、少し震える手で、潔の胸ポケットからスケッチブックを取り出した。
開かれたページには、かすれた線で、こう書いてあった。
『オレを、忘れるな』
凛「あいつは、俺の兄貴だ。……でも、たぶん、俺が忘れかけてた」
凛「だから、ここまで来て――やっと、思い出した。“忘れなかった俺”の意味を」
凛が、手で扉を叩く。
コン……コン……
反応はない。だが、“中の誰か”が確かに気づいたような気配がする。
凛「開けろ。……兄貴、迎えにきたぞ」 - 56スレ主25/04/26(土) 08:31:33
鍵はなかった。
けれど、凛の声が、確かに“扉”の記憶を開いた。
扉が、音もなく軋むように開く。
その奥は――空っぽのチャペル。椅子が並び、光が差し込まない白い空間。
だが、その中心に、誰かが座っていた。
冴。
だがその姿は、まるで“映像の中の人間”のように動かない。
凛が、ゆっくりと歩を進める。
潔と千切は、少し距離を保って見守る。
凛「兄貴……こんなとこで、なにやってんだよ」 - 57スレ主25/04/26(土) 08:48:55
冴は、ゆっくりと顔を上げる。
けれど、その瞳は“見えていない”。
『凛? ……違うな。お前は、もういないはずだ』
凛「……は? 何言って」
『お前たちは、先に行っただろ。』
『俺だけが、“ここに置いてきぼり”になった。』
『俺は、忘れられる存在でいいと思ってたんだ』 - 58スレ主25/04/26(土) 09:16:21
その言葉を聞いて、凛がほんの一瞬、目を伏せる。
そして、スケッチブックを――そっと冴の膝の上に置いた。
凛「……違ぇよ、兄ちゃん。俺は……兄ちゃんを忘れてなんかねぇ。忘れたいって思ったことは、あったかもしんねぇけど……」
凛「でも、忘れたことは、一度もねぇ」
冴が、ゆっくりとスケッチブックに手をかける。
ページが、一枚ずつめくられる。
描かれていたのは、凛の描いた“試合前の兄弟のツーショット”。
色は抜けている。けれど、表情は、はっきりと笑っていた。
『こんな顔……してたんだな、俺』
冴がゆっくりと立ち上がる。
その目に、光が戻っていた。 - 59スレ主25/04/26(土) 09:22:59
冴の顔に、うっすらとした微笑が浮かぶ。ほんの少しだけ、恥ずかしそうに。
冴「よく……来たな。凛、潔世一、千切豹馬」
千切「……!無事で良かった……!」
潔「あとは、帰るだけだ! 冴!」
凛「……戻ってこいよ、兄貴。お前、ここにいたら“死んだ奴”みたいじゃねぇか」
冴「……それ、結構グサッとくるな」
寂しげに顔を背け呟く凛に、冴はふっと笑った。
全員が扉をくぐったとき、チャペルが音を立てて崩れはじめる。
天井が割れ、床が白い砂のように消えていく。
その中心で――潔の懐中時計が、“カチッ”と音を立てた。
13:01
時が、動き出した。 - 60スレ主25/04/26(土) 09:41:11
――――HAPPY END
【13:01、そして君は振り向いた】
時間が止まったままだった、白い世界。
でも、誰かの言葉が、誰かの記憶が――“その針”を動かした。
忘れなかった。忘れなかったから、今ここにいる。
4人の記憶が、絆が、世界を再び色づかせた。 - 61スレ主25/04/26(土) 09:43:59
【エピローグ】
目を覚ましたとき、
あの遊園地は――“静かに、ただ朝を迎えていた”。
ベンチに腰かけていたのは、潔、千切、凛、冴。
誰ひとり欠けていない。
けれど、夢だったとは思えないほど――“全員、あの日のことを覚えている”。
潔がポケットを探ると、あった。
止まったままの懐中時計。
もう動くことはない。でも、それでいい。
潔(13:00は終わった。だけど……)
潔(忘れない。……絶対に、忘れない――あの時、確かに俺たちは、“生きていた”)
そして、誰にも言わなかったけれど、凛の部屋の机には、新しいページを開いたスケッチブックが、静かに置かれていた。 - 62スレ主25/04/26(土) 09:52:31
【後日談】
――――ファミレス。笑えるほど“普通の時間”。
千切「潔ー!アイス来たぞ!溶ける前に全部食え!!!」
潔「いやまって、デカすぎだろ!?これ3人分くらいあるって!!!」
凛「騒ぐな、うるせぇ。」
冴「別にいいだろ、凛。お前もさっきアイス頼んでたし」
凛「……それは兄ちゃんが頼んだから、別にそういう訳じゃねえし……」
笑った。
それだけで、“あの世界”が夢じゃなかったって、わかる。
そして、誰も口には出さないけれど、彼らは確かに“ひとつの夜を越えた”仲間だった。
潔が、財布の奥にこっそりしまったスケッチブックの切れ端。それがふと、ポケットから落ちそうになる。
でも彼は、何も言わずにそれをしまい直した。
潔(俺らは、ちゃんと帰ってこれた。全員で、な) - 63スレ主25/04/26(土) 09:58:01
これにて13:00の物語はおしまいです。
結局ダイスは出せず終いでした。
至らぬ点も多々あったかと思いますが、最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
また次回作でお会いしましょう。
何か質問、要望(次回は○○を登場させて欲しい等)がありましたらお気軽に。
【最終SAN値まとめ】
潔:SAN値7 すべてを繋ぎ、全員を導いた“観測者”
千切:SAN値7 自分を信じる力を取り戻した“走者”
凛:SAN値9 忘れかけた絆を、弟として取り戻した“記憶の継承者”
冴:SAN値11 孤独を受け入れ、もう一度“人間に戻った兄” - 64スレ主25/04/26(土) 10:03:50
【余談】
・冴だけアイテム入手ルートが開かなかった理由:アトラクションに乗る順番が関係しております。
・発狂が発生しなかった理由:3人がアイテムを入手できたからです。冴は凛のアイテムがあれば救済できるルートを作成しておりました。最初はアイテムなしで考えていたのですが、みんながすぐ発生するので救済を増やしました。
・スレ立て時間:本物語にあわせて13:00投稿にしてみました。 - 65スレ主25/04/26(土) 10:09:09
【CLEAR特典一覧】
おめでとうございます!
13:00を生きて乗り越えたプレイヤーの皆さんには、以下の特典が付与されました!
■共通クリア特典【共鳴の記憶】
いかなる異界/閉鎖空間でも、“仲間の存在”を感じ取る力が目覚めました。
→ 【次回作にて:SAN値減少イベント1回自動回避】
■ 個人特典(次回作へ引き継ぎ可能)
潔:観測者の時計 全体の中から“真実に近い選択肢”を直感で1度だけ選べる
千切:疾風の破片 罠や影の追跡から1回だけ仲間を救出できる(高速反応)
凛:記憶のページ “消されかけた記憶”や“不自然な空間”を感知できる
冴:白き空間の鍵 他人の精神領域に1回だけ“干渉”して引き戻すことができる
■ ペア特典(絆ボーナス)
潔&千切:コンビネーション・スピリット 分岐イベントにて、どちらかがパニック状態でも助け合える
凛&冴:記憶の継承者たち “忘れられた者”に対し、言葉だけで道を開くことができる - 66二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 10:23:27
- 67スレ主25/04/26(土) 10:44:48
- 68二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 11:45:02
ハッピーエンドおめでとう!
楽しかったです、完結おつかれさまでした!
最初に潔が目覚めた所、その場に留まってたらどうなってたんですか? - 69スレ主25/04/26(土) 12:06:16
- 70二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 12:12:37
- 71スレ主25/04/26(土) 12:28:37
物語に大きな変化はありません(千切のアイテム取得済ですので)
ただ、潔は千切の弱さを知っている(千切覚醒前)ので、凛がいない文千切の脆さが出やすくなり(千切がもっと取り乱してる)、潔にSAN値チェックが入ります(凛がいる時より数値が大きめ)
そして、潔と一緒に凛と合流したあと、千切が若干気まずくなります(凛の弱さを知らなかったので)
- 72二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 21:52:00
冴のゴーストカートでの扉が開いてたら扉の中はどうなってたのか知りたいな
- 73スレ主25/04/26(土) 23:48:22
作成していたSSがありました。
冴はアイテムを拾う、またはアイテム入手ルートが閉ざされてることが生還の1つの条件でした。ですので、この進行(アイテムを拾わなかった場合)になっていたら、非常に危なかったです(凛がスケブ拾ってるのでなんとか救えますが…)。
扉が、軋むような音を立てて開いた。
白い霧が、カートの中に流れ込んでくる。
冴はゆっくりと顔を上げる。
『ここじゃない……外に、出ないと……』
そう思った。
けれど、外に一歩踏み出した瞬間――冴は気づく。
そこには、無限に続くレールがあった。
でも、もう列車もカートもない。
ただ、レールだけが、真っ白な世界に、まっすぐ伸びていた。
冴(……ここは……どこだ?)
足元には、もう“世界”というものがない。
歩けば歩くほど、レールだけが延び、ほかには何もない。
音もない。
風もない。
光さえ、ない。
ただ、足音だけが、ひとりきりに響く。
- 74二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 02:20:45
- 75二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 10:57:13
- 76スレ主25/04/27(日) 11:04:56
リクエストありがとうございます。
E4(潔、蜂楽、千切、國神)の探索にて承知致しました。現在潔、烏、玲王、二子で廃病院探索を行っておりますので、こちらの物語が無事完結後、リクエストの内容でスレ立てを行いたいと思います。
お時間頂いてしまいますが…必ず。
良ければ次回作をご覧になってお待ちくださいませ。
【ホラー注意】時計の針が進むたびに、俺たちは壊れていく|あにまん掲示板――目が覚めたら、そこは廃病院だった。時計の針が刻むのは、“時間”ではなく、“精神の崩壊”。目に見えないものが、確かにこちらを見ている。bbs.animanch.com