- 1二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 18:39:49
連邦生徒会とシャーレの先生の下で、罪を犯した生徒に対して然るべき処罰がなされ、平和が維持されたキヴォトス。私たちは、それこそが正しいと信じてきた。
アビドスとSRTの生徒たちは別の学園へ転校し、横領していたセミナーの生徒会長とクーデターを目論んだティーパーティーの元ホスト、そしてそれに加担したアリウスの傭兵は矯正局に送られた。それによってキヴォトスはずっと平和になると。
だからこそ、私たちのキヴォトスは滅んだ。企業の野望と悪い大人の謀略、そして『外』から現れた不可解な敵によって。
長い時が流れ、私は大人となった。先生と共に失われたと思われた『箱』も手に入れた。私はその旅路の果てで、二つ目のキヴォトスに辿り着いた。
かつて私たちの犯した過ちは繰り返さない。そのために私は、『シャーレの先生』としてここに立つ。
それが私、かつてのバカな一人の生徒だった『下江コハル』の取れる贖罪だから。 - 2二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 18:42:15
覚悟ガンギマってるコハルは良いぞ、格好いいし
- 3二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 18:45:28
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- 4二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 18:46:38
ここだけコハルが二周目のキヴォトスで『シャーレの先生』となってやり直す世界線。
- 5二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 18:52:07
来た時期は原作の先生と同じ?
- 6二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:08:14
同じと想定してます。ただし差異も割と多かったりします。
- 7二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:09:53
この世界にこの世界由来のコハルはいるの?
- 8二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:11:49
アンチヘイトって事はカイザーの連中ォシャーレの権力で解体して皆殺しよ!とか言っちゃう感じのコハルか。
- 9二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:15:18
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:37:27
2週目と言う事は過去戻りと言う感じか?
- 11二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 19:38:17
DU郊外 シャーレ・オフィス
リン「おはようございます、先生。ここには慣れてきましたか?」
先生「ええ、お陰様でね。ああ、書類ならそこに置いてあるから」
リン「感謝します。しかし…珍しい名前ですね。『清瀬ヒカル』…先生はかつてキヴォトスの卒業生だったとお聞きしていますが」
先生「そうよ。ま…正実でひっそりいた程度だったから余り知られてなかったけれど」
リン「そうでしたか…ところで、これからどうする予定ですか?」
先生「先ずはアビドスの方に向かうつもりよ。先程、私の『友人』経由で依頼が来たからね」 - 12二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 20:01:02
先生「さて、と…来て、アサミ」
???「はい。何の御用でしょうか、先生」
先生「アロナと共にアビドスへのナビゲートを頼める?一応万全の支度は整えているけど、『あの人』がどうやってアビドスに行ったのか詳しくは知らないから」
アサミ「分かりました。アロナ先輩、仕事の時間ですよ」
アロナ「むにゃ…いちごミルクは…」
アサミ「先生、ハリセンは何処にありますか?」
先生「起こすのにわざわざそれを使おうとしなくてもいいのよ!?」
この後、アビドス砂漠を過小評価していた一人の大人と一人の助手は、シロコに見つけてもらうまで砂漠の中を迷うこととなった。
- 13二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 20:06:18
RTA的な感じかな?
- 14二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 20:13:41
清瀬ヒカル
連邦特別捜査部『シャーレ』に着任した大人の先生。
かつてはトリニティの卒業生だったといい、『災厄の狐』と対峙した時はエンフィールド小銃片手に熾烈な撃ち合いを演じた。またコートの裏側に多くの手榴弾を隠し持っている。
傍に白髪の少女の助手を従えており、公私共に彼女の助けとなっている。
趣味はモモフレンズの収集と嗜む程度の飲酒、喫煙。そして古書と成年向け雑誌の読書。彼女の書斎には年代物のウイスキーとスコッチの瓶、大手出版社から個人出版のものまで集めた古い小説や成年向け雑誌が並んでいる。 - 15二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 20:51:20
先生「ここアビドス高校に来てはや数日…対策委員会の皆と出会って、拉致されかけたセリカを救出して、そして便利屋と対峙する…そこまでは良いのだけれど…」
アサミ「ここから先は、さらに面倒なことになる。でしょう?」
先生「ええ…リンの方からは『転校を勧めてみては』と言われてるけど…そうした先にカイザーが何を目論んだのか、覚えているわよね?」
アサミ「はい…『学園都市』を『企業都市』にしようと目論んだカイザーの企みにより、多くの犠牲が出ました。そしてその直後にあの『光』が…」
先生「そう…そして一番面倒なのは、アイツらが『捻れて歪んだ終着点』のその先を集めているということ。これから大分、忙しくなるわよ」
アサミ「はい、先生…いえ、下江コハルさん。私は全力で、貴方のことをサポート致します。もう二度と、キヴォトスに悲劇をもたらさないために」
???「随分と面倒な大人が、アビドスに付いたものだ。これに対してゲマトリアと貴様はどう対応するつもりだ?」
???「何、決まっていますよ理事。相手が脚本を無理やり変えてこようとするのならば、こちらはアドリブで乗り切るだけのことですから」 - 16二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 21:49:32
先生「アサミ、急で悪いけど仕事よ。トリニティの正義実現委員会から手伝いの要請が来ているわ。何でも不良勢力がゲヘナ自治区付近で騒ぎを起こしたそうよ」
アサミ「このタイミングで、ですか。まるで私たちがアビドスにいるのを見計らった様に…」
先生「こういう時こそ、柔軟な態勢で臨機応変に対処する時よ。ここキヴォトスでは『当たり前が通じないのが当たり前』なのだから」
アサミ「どのみち、行き当たりばったりになるのは相変わらずですね…では、さっさと終わらせてきます」
アサミ「…と言って現場に向かいましたが、そろそろトリニティ側より手練れの人が来るそうですが…」
???「君が、シャーレの先生の助手か。アビドスの方からわざわざ来てもらって悪いな」
アサミ「えっ…!?ティーパーティーの関係者…それに…!」
???「自己紹介がまだだったな。私はティーパーティー警護隊所属の錠前サオリだ。さて…そろそろ任務を始めるとしよう」
???「…さぁシャーレの先生…いや、下江コハル。捻れて歪んだ二度目のキヴォトスで、果たして悲劇を回避出来るかな?」
- 17二次元好きの匿名さん25/04/25(金) 22:12:32
アサミ「こちらアサミ、任務完了しました。これより帰投します」
先生「待って、アサミ。そこにトリニティの生徒はいるかしら?」
アサミ「はい。回線繋ぎます」
サオリ「こちら錠前サオリ、貴方がシャーレの清瀬ヒカル先生ですね?貴方の助手は素晴らしく強い。是非ともティーパーティー警護隊に引き入れたいものだ」
先生「お褒めに与り、光栄ね。それはそうとして、アビドスまで来てくれるかしら?実はアビドスの手伝いをしている際にトリニティの生徒を一人保護したの。帰りの護送を任せたいのだけれど…」
サオリ「成程…貴方に直接会う機会だ、是非とも行かせて頂こう」
サオリ「お初にお目にかかるよ、先生。ウチの生徒を保護してくれて助かるよ」
先生「ええ。それに彼女は今、トリニティにとっても大切な情報を知っている。無事に送り届けてちょうだい」
ヒフミ「先生、それに対策委員会の皆さん、本当にありがとうございました!」
先生「さて…アサミ、確か彼女は本来は『アリウススクワッドの生徒』だったわよね」
アサミ「ええ…それも矯正局に放り込まれていた筈の生徒です。それがトリニティの生徒だとは…」
先生「…アサミ、それにアロナ。少し『お使い』を頼めるかしら?私も色々と探ってみるわ」
- 18二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 00:35:46
待機
- 19二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 00:37:44
色々変わってるねぇ……
良いねぇ…! - 20二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 10:24:11
深夜・アビドス校舎屋上
先生「…」
???「貴方も随分と、タバコくゆらせる姿が似合う様になりましたね」
先生「…来たわね、エリ。貴方の方こそ、随分とそのコート姿が似合う様になったじゃないの」
エリ「いえ、社長に比べればまだまだですよ。で…私に一体何の用ですか?」
先生「少し、調べてほしいの。例えばトリニティはアリウスにいるはずの生徒がいたりしてる。他にも差異が無いかどうか、知りたいの」
エリ「分かりました。便利屋のモットーは応じた依頼には必ず応えることですので…」
先生「…貴方は、本当に生真面目ねぇ…」 - 21二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 12:04:45
待機
- 22二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 14:01:52
【SS・彼女は便利屋】
彼女と出会ったのは、ゲヘナが滅茶苦茶にされた後のことだった。
アリウスの策略によって崩壊した後、私はたった一人でうずくまるだけだった。敬愛すべき社長も、頼りになる課長も、にこやかな係長も喪った私の手を取ったのは、正義実現委員会で唯一生き残った彼女だった。
社長のコートと課長の銃、係長の鞄が形見となり、私は一人で便利屋を再開した。それだけが私の数少ない居場所なのだから。
そんなある時、一人のトリニティの少女を救った。彼女は長らくいじめを受けて居場所を喪いつつあった。その姿に私は大人になる前の自分を重ね合わせていた。
そして今、私はDU市内にある事務所で新しい仕事を始めている。シャーレの先生となった、正義実現委員会の少女の様に、困っている人たちを助けるために。
そして今日も、私のところに依頼が舞い込んでくる。そして私はこう応える。
「はい、便利屋68代表の草野エリです。依頼は何でしょうか?」 - 23二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 15:47:35
- 24二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 17:59:43
この頃は『便利屋68』の名が『二つ』ある状況です。なのでこの後面倒なことになります。
- 25二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 21:44:05
【SS・二つの便利屋】
アビドス砂漠・カイザーPMC基地
カイザーPMC理事「黒服、この『便利屋68(ろくじゅうはち)』とかいう連中は信用できるのか?この前雇った連中と同一じゃないよな?」
黒服「ああ、彼女たちなら信頼できますよ。確かに名前は『便利屋68(シックスティエイト)』に似ていますが、代表は私と同様にキヴォトスの『外』から来た者だそうです」黒服「傭兵として非常に腕が立つのは明らかでしょう…で、彼女たちを使いますか?」
カイザーPMC理事「ああ…『始末』にこちらの兵力を使う手間が省けるからな」
???「あの、ボス…この依頼、本当に受けるのですか?前金はかなり払ってもらえましたが…」
エリ「はい、マリカ。相手には『依頼は引き受けた』とは伝えましたよ。ですが『成功させます』とははっきり言ってません」
マリカ「えっ…?それは一体、どういう意味でしょうか…」
エリ「相手は便利屋同士で共倒れして欲しいと考えている様ですが…敢えてそれを逆手に取りましょう。社名を変えるいい機会です」
マリカ「ボス、一体何を…?」
アビドス自治区・市街地内
カヨコ「ボス、四方八方から風紀委員会が詰めて来ている。これはマズいわよ」
ムツキ「対策委員会の子たちも味方になってくれてるとはいえ、これは厳しそうかな?」
アル「でも、風紀委員会と真っ向から対決しているあの子たちを放って逃げるなんて出来ないわよ!」
???「おや、梃子摺っている様ですね。手を貸してあげましょうか?」
アル「えっ…!?」
ハルカ「だ、誰です…か…!?」
カヨコ「!?…ハルカ…?」
ムツキ「ふぇっ!?ハルカちゃんがもう一人!?」
エリ「…では皆さん、仕事を始めましょうか」
- 26二次元好きの匿名さん25/04/26(土) 22:00:18
アヤネ「せ、先生!見たことのない人たちが便利屋と合流しました!」
先生「落ち着いて、アヤネ。彼女たちは私の知り合いよ…エリ!いいタイミングで来るじゃない!」
エリ「丁度依頼で来たばかりですので!では皆さん、やっつけてしまいましょうか!」
イオリ「アコちゃん、面倒な連中が来た!例の『もう一つの便利屋』だ!」
アコ『こちらも把握しています。最近DU市内で紛らわしい名前で活動している者たちですね?まさかこんなところに来ているとは…』
チナツ「攻撃、仕掛けてきました!対処します!」
風紀委員会モブA「う、うわぁぁぁ!」
風紀委員会モブB「きゅ、救援を…!」
エリ「甘いですね、そんな適当な攻め方で制圧出来ると思わない事です」
先生「お互い、腕は衰えていない様で何よりね!」
アコ『な、何をやってるのですか!数ではこちらの方が圧倒しているのですよ!一気に押し切り―』
???「…エリから連絡を受けて来てみれば、無断で部隊を動かしてたんだ」
アコ『ふぇっ!?ひ、ヒナ委員長!?』
ヒナ「キヴォトス卒業生の大人二人を敵に回してまで、無理やり他校の自治区に侵攻するなんて、浅はか過ぎるわよ」
シロコ「アレは、ゲヘナの風紀委員長…!」
先生「おや…間に合ったようね。で、便利屋の連中は無事に逃げ出したと…これで、ある程度は何とかなるかしら…」
- 27二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 00:30:21
待機
- 28二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 07:17:01
アビドス自治区某所
マリカ「ボス、風紀委員会の撤退を確認しました」
エリ「そうですか。さて…」
アル「…」
カヨコ「…『もう一つの便利屋』…噂には聞いていたけど、まさかここで顔を会わせるとは思ってもみなかったな」
ムツキ「で、どーすんのアルちゃん?直ぐに訴えるの?」
ハルカ「あ、アル様!アル様のご命令があれば直ぐに…!」
エリ「まぁ、待って下さい。私はただ、アルさんに『社名変更』のことをお伝えに来ただけですよ。その最中に戦闘に加わることになっただけですので」
カヨコ「社名変更?…ああ、確かに『68』の呼び方が違うとはいえ、『便利屋68』が二つもあると、色々と面倒だしね」
エリ「『便利屋68』の屋号は、貴方たちにこそ相応しい。私の様な新参者が名乗るべきものではありませんよ」
アル「…そう…(な、なんてアウトローなお方なの!しかも素晴らしい戦闘センスを持っている…)」
先生「ああ、ここにいたのね。風紀委員会はアビドスから離れたよ。それとエリ、例の依頼についてだけど…」
エリ「ああ、『間違い探し』の件ですね。それならここに…あと便利屋の皆さん、直ちにアビドスから出た方が良いですよ」
ムツキ「えっ、どうして?」
エリ「実はカイザーPMCの方から一つ依頼を受けてたのですが…『便利屋68をアビドスから排除しろ』というものです。簡単に言えば『口封じ』ですね」
アル「えっ!?か、カイザーが私たちを始末しようと…!?」
先生「でも…その際依頼を受ける際にひと芝居打ったのでしょう?」
エリ「はい、カイザーPMCが求めてきたのはあくまでも『アビドスからの排除』。ここアビドスで便利屋の姿を見なくなったら依頼は成功しますから…私たちも報酬を受け取ったら直ぐに社名を変えて縁を切ります」
先生「ホント、貴方は上手くカイザーPMCを騙すわね…」
- 29二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 11:59:56
待機
- 30二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:20:34
アビドス高校・校舎屋上
先生「はい、マールボロ。火はある?」
エリ「ありがとうございます。ライターなら自前がありますので」
エリ「…便利屋はこれからアビドスの外に出るそうです。こちらもカイザーPMCに対して三行半を叩きつけてきましたので、そろそろDUの方で新たな拠点を見つけて帰ります」
先生「そう…で、これからどうするの?エリ…いや、ハルカ」
エリ「…私はこの世界線で、アル様やもう一人の私、そして便利屋の皆を守りつつ自由に暮らしていくつもりです。どのみちシャーレは人手が足りないそうですから、マリカたちも手伝いに出しますよ」
先生「そういうところは変わらないわね、貴方は」
ハルカ「ああ、それと例の情報ですが…随分と厄介なことが分かってきました。少なくともトリニティに関しては、貴方の『下江コハルとして見てきた記憶』は頼れないと思っておいて下さい」
先生「なるほどね…忠告感謝するよ」
- 31二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 19:47:35
保守
- 32二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 22:33:37
【SS・水族館にて】
DU市内 水族館
シロコ「ん、先生ありがとう。まさか水族館に連れてきてくれるなんて」
先生「いいのよ、皆。いつも砂ばかり見てたら飽きるものでしょう?たまには沢山の水も見ましょう」
セリカ「あっ先生、あのコーナー見てみて!チンアナゴの水槽だって!」
先生「…」
アヤネ「あれ、どうしましたか?随分と顔が強張りましたが…」
先生「…ごめん、少し頭痛がしてね…(危なかった…ここで反射的に『死刑!』って言うところだった…)」
ホシノ「いやー、イルカショー楽しかったねぇ。しかもグッズも先生が買って上げてくれたし」
先生「皆がそう楽しんでくれただけでも、凄く良かったわよ」
???「あれ、先生?こんなところで何をしているのですか?」
シロコ「ん、誰?」
先生「おや、ユウカじゃない。それにもう片方は、見ない顔ね」
???「どうも始めまして!ユウカ先輩からお話は良く聞いています!」
ユウカ「ああ、先生はまだご存知ではありませんでしたね。彼女はセミナーで書記を務めている…」
???「生塩アリスと言います!先生、よろしくお願いします!」 - 33二次元好きの匿名さん25/04/27(日) 22:49:11
先生「生塩、アリス…アリス…」
アリス「…?どうしましたか、先生?」
先生「いえ…ちょっと、知り合いに似た名前の人がいたなぁ…ってね」
ユウカ「そうでしたか…ところで先生、彼女たちは?」
先生「ああ、アビドス高校の廃校対策委員会だよ。今は彼女たちの手伝いをしてるところなんだ」
アリス「そうでしたか。折角なので記念撮影を撮ってあげましょうか?」
ノノミ「あら、それは良いですね。私たちと先生の皆で記念撮影を撮ってもらいましょう!」
先生「全く…しょうがないわね」
先生「…ということがあってね。まぁ、楽しかったわよ」
エリ『それは良かったですね。しかし、セミナーの書記が彼女だとは…これを調べて知った時は驚きましたよ』
先生「確かに、私たちの元々ある知識と記憶が当てにならなくなってきているのは気になるところね…もう少し調査を頼むわ」
エリ『ええ。それでは、いい夜を』
アサミ「先生、お疲れ様です…大変なのは、まさにこれからですね」
先生「ええ…先生。貴方ならこの時はどうしますか?」
- 34二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 00:08:40
よかった…エ駄死は健在なんだ……
いやちょっとまてミレニアムどうなってんだノアはどこ行ったゲーム開発部どうなってる!? - 35二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 08:24:50
登場人物について二つ目
草野エリ
キヴォトスにて『万屋伊草(よろずやいぐさ)』を営む大人の傭兵兼探偵。
古くも手入れの届いたコートとカバンを常に持ち、武器は拳銃をメインに、各所に地雷や爆弾を仕掛けてトラップで相手を罠にはめる搦め手を得意とする。
かつてゲヘナで目立たぬ様に暮らしていたという彼女は、同じ境遇にある生徒たちを集め、彼女たちが正当に求められ、活躍できる場所を作った。その際彼女は、とある者たちの名前を便宜的に用いた。
どうしてその名を騙ったのか、それを知るのは彼女と、その友人であるシャーレの先生しか知らない。
- 36二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 11:51:07
【SS・尊敬すべき先輩】
アビドス高校校舎 屋上
先生「おやホシノ、珍しいね」
ホシノ「ありゃ、サボってるとこ見られちゃったか」
先生「少しばかりタバコ吸いに上がって来てみれば…まぁ、星空を見たくなるのは分かるよ」
先生「…そういえば、ホシノには生徒会で先輩がいたらしいわね。どういう人だったの?」
ホシノ「うーん、そうだね…あの人はドジっ子で夢見がちな人で…でも、当時のアビドスの人では一番一生懸命な人だったよ」
ホシノ「昔、砂祭りが開かれていたオアシスを取り戻すために必死でね…おじさんはよく先輩に振り回されてたなぁ」
先生「そう…私にも尊敬すべき先輩がいたの。その人は文武両道を地で行く人で、私もあの人の様になりたいと常に思っていたわ。まぁ…背丈はあの人に近づくことは出来たけれども」
ホシノ「そっか…先生が羨ましいよ」
ホシノ「だけどカイザーの連中、これからどうしよっかねぇ…借金もちゃんと返していかないといけないし…」
先生「そればかりは、直ぐに打てる手は無いだろうね。でも…余り無茶しないでね。あの手の連中はそういう先走った奴を狙ってくるから」
ホシノ「うへ、忠告ありがとうね。それじゃおやすみ」
先生「…さて…アロナ、メールを一つ頼むわ。宛先は…」
アロナ「はい、お任せ下さい!」
先生「それとアサミ…便利屋の居場所は分かってるわよね?」
アサミ「はい、先生。では行ってまいります」
先生「もしもここまでの流れが『あの通り』なら、私は打てる手を打っていくだけ。私とアビドスに邪魔しようとする連中は、どう出てくるかしら?」 - 37二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 17:32:19
待機
- 38二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 20:05:18
保守
- 39二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 22:11:05
【先生対カイザーPMC】
アビドス自治区
カイザーPMC指揮官「大隊、進め!小鳥遊ホシノはアビドスから去った!今のうちにアビドス高校を制圧せよ!」
カイザーPMC理事「フッフッフッ…黒服め、上手くやってくれた様だな。あとはアビドス高校に立て籠もる生意気な小娘たちを一捻りに…」
ズガァァァン!!!
カイザーPMC理事「!?何事か!」
カイザーPMC兵士A「て、敵襲です!真正面から来ます!」
カイザーPMC兵士B「アレは…シャーレの清瀬ヒカル先生!?」
カイザーPMC兵士C「ろ、6時の方向からも敵です!アレは…草野エリ!?それに便利屋!?」
カイザーPMC理事「ど、どういう事だ!?」
先生「皆、配置に着いた?」
アヤネ「はい!全員配置に着きました!」
エリ『こちら万屋伊草、現着しました!さてヒカルさん、私たち大人の力を見せてやりましょうか』
先生「ええ。対策委員会の皆、行くよ!」
- 40二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 22:20:21
アサミ「皆さん、行きますよ。あと次いでに、先生の戦い方も学んでおいて下さい」
セリカ「いやいやいや、アレ真似出来る!?」
ノノミ「背中の翼で飛びながら、真上から死角を突く形で狙撃なんて…トリニティの正義実現委員会にああいうことが出来る人がいるとは聞きましたけど…」
シロコ「ん、しかもビルを足場にしてより立体的に動き回りつつ、手榴弾を複数投擲して爆撃してる。アレじゃあカイザーの軍団もただの的だね」
アサミ「しかし、エリさんもお強いですね。部下たちを上手く使ってカイザーの兵士たちを誘い込み、狭い路地でクレイモアとかブービートラップで削っていってる…あちらも参考になるのでは?」
アル「な、何なのよあの人!?まるでヒナ委員長みたいな戦い方なんだけど!」
カヨコ「しかもしれっと複数のドローンを展開してるし、隙も無い…エリさんがあの人と顔見知りで本当に助かったよ」
カイザーPMC指揮官「り、理事!我が方の戦力は壊滅です!このままでは…!」
カイザーPMC理事「おのれぇ!おい、『ゴリアテ』を持ってこい!この手で一捻りにしてくれるわ!」
- 41二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 07:49:13
ほ
- 42二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 10:06:22
待機
- 43二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 12:04:40
先生「ん、アレは…カイザーご自慢のパワーローダーか。エリ!」
エリ「はい!ニ方向から挟みつつ翻弄しましょう!」
先生「アサミと対策委員会は、パワーローダー以外の敵を頼んだわ!私はこのデカブツを相手する!」
アサミ「了解しました、先生。シロコさん」
シロコ「ん、やろう」
この時の戦いを、シロコはこの様に振り返る。
「ん、アレは激戦そのものだった。カイザーの『ゴリアテ』はガトリング砲にミサイル、ビームカノンと様々な武装を備えていて危なかった。でも、先生とエリさんは遥かに強かった」
空を黒い翼が駆け、パワーローダー『ゴリアテ』の周囲に多数の手榴弾が降り注ぐ。その爆風の最中、カバンからバズーカを取り出したエリが突っ込み、至近距離から砲撃を叩き込む。
「調子に…乗るなぁ!」
ガトリング砲と一体化した腕を振り回し、ゴリアテは弾幕を張りながら暴れ回る。そしてビームカノンの赤い光線がビルを切り裂き、爆風が吹き荒れる。
「お邪魔虫め、吹き飛べ!!!」
『ゴリアテ』を駆るカイザーPMC理事の咆哮。それと共に放たれたビームは、先生の取り出したシールドによって弾かれる。それはホシノが使っていたのと同一のものだった。
「…貴方たちは、一つの故事を知ってるかしら?かつて、とある若者は石を一つ投げただけで巨人を倒した。そしてこちらには、その石ころ一つがある」
直後、先生は懐から一つの手榴弾を取り出す。そしてその細い腕から信じられぬ剛腕で以て、ビームカノンの砲身へそれを投げ入れた。
刹那、『ゴリアテ』は爆発と共に炎に呑まれる。それを見た一同はただ、先生のその実力の高さに呆然とするしかなかった。
- 44二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 13:42:13
待機
- 45二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 16:13:07
保守
- 46二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 22:25:36
カイザーPMC理事「ごほっ、ごほっ…」
カイザーPMC指揮官「て、撤退!」
シロコ「ん、撤退を開始したね」
アヤネ「でも…これからどうしましょう…」
先生「…その辺りの難しい話は、私に任せて。どうにか出来る範囲内で策を立てるから」
黒服「クックックッ…実に興味深い。彼女の在り方は実に素晴らしい。そうは思いませんか?」
???「いえ…私はただ、求めることが成せればそれで十分ですので」
- 47二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 07:05:03
保守
- 48二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 12:25:28
待機
- 49二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 12:42:40
モモイの次はコハルが先生になるのか
- 50二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 16:23:37
【SS・二人の大人】
ブラックマーケット某所
???「…どうぞ、お入り下さい」
先生「…友人に頼んで、カイザー・グループとよく連絡とか行っている企業や組織、これまでホシノに接触してきた人を調べて。ようやく辿り着いたわ…」
???「おや、お疲れ様です先生。まさか、そうして私のところに足を運んで下さるとは…」
???「では改めまして自己紹介を。私はここでは『黒服』と呼ばれております。私たちは『ゲマトリア』、ここキヴォトスにて研究を営んでいる組織です」
先生「研究、ね…そのために生徒を危険な目に遭わせることも厭わないと?」
黒服「クックックッ…私はあくまでも同意を求め、契約で承認を得ております。まさかそれに首を突っ込む気ですか?」
先生「生憎、彼女の出した退学書類には大人の代表である私のサインはない。契約を重んじる貴方ならば、無効となる条件もご存知の筈では?」
黒服「ほう…あくまでも、彼女を取り戻すためにここに来たと…ですが、それでカイザー・グループはアビドスから去りますかね?」
先生「…私はかつて、世の中など何一つ分かってない馬鹿だった。それだけに大人になって、多くの苦労をしてきた。だからこそ私は彼女を助けに来た」
先生「それに、私だって全くの無策じゃない。すでにヴァルキューレの方にいくつか情報を流して、法的措置でカイザーに対抗出来る様にもしている…私は彼女たちを助けるためなら何だってする」 - 51二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 16:44:41
先生「…昔、とある大人が平和のために奔走した事があった。完璧とは言えなくとも最良の結果を求めて出来ることをしてきた」
先生「でも…ある時それが裏目に出た事があった。転校を進めて一つの寂れた学校を潰した結果、そこが悪者の拠点となってしまった。それらに対抗出来る者たちもバラバラに散ってしまった」
先生「私はその『結果』を知っている。だからこそ、アビドスをよりよくするための『選択』を取るためなら、私は貴方たちに立ち向かう」
黒服「…それで、私の下に来たと?このことを伝えるためだけに?」
先生「…今、貴方たちは安易に触れてはいけないものを触れようとしている。その警告をしにきたまでよ。ホシノは何処にいるの?彼女が見つかるまで私は、万屋と共にブラックマーケットを破壊し尽くすつもりよ?」
黒服「…やれやれ、私たちは貴方を過小評価していた様です。彼女はカイザーPMC基地…かつてアビドス高校の本校があった場所にいます。ですが、そのカイザーPMCにどう勝つおつもりですか?」
先生「…それこそ、今の私と、アビドスの生徒たちに出来る事よ」
黒服「そうですか…では、最後に一言。私たちゲマトリアは、いつでも貴方の事を見ておりますよ」
アサミ「…とは申し上げましたが、これからどうするおつもりですか?」
先生「何のために貴方を探し、『大人のカード』を用意したと思っているの。取るべき方策を取り、やるべきことをやるだけのことよ」
- 52二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:21:35
待機
- 53二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 18:29:36
【SS・生徒の幸せのためならば】
ゲヘナ自治区・風紀委員会本部正門前
先生「…本当に、それをやれば話を通してくれるのね?」
アサミ「ボイスレコーダーと録画はもうしてありますよ。まさかこれで約束を不意にするつもりではありませんよね?」
イオリ「ぐっ…や、やればいい!」
先生「…」
ヒナ「…!?」
アコ「ちょ、何やってんですか先生!?それにイオリも!?」
アサミ「…取り敢えず、話は聞いてもらえましたね。にしても…よくあそこで『足を舐めろ?エッチ!変態!死 刑!』などと叫びませんでしたね」
先生「いちいちそこに突っ込む余裕があるのなら、アビドスはあんなことになってない。対策委員会の方はどうなの?」
アサミ「ヒフミさんを介してティーパーティーに話を通すことは出来たそうです。便利屋の方も、エリさんが何とかしてくれると…」
先生「そう…少なくとも、これでやれることは全てやった。後はホシノを助けに行くだけね」
アサミ「…しかし、ホシノさんは無茶し過ぎです。余りにも自己犠牲が強すぎます」
先生「そうね…でも、だからこそシロコたちは彼女を支えようと頑張ってきて、今があるのよ。そして彼女たちのその努力と幸せのためならば…」
「私は、何でもするよ」 - 54二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 21:32:24
先生「トリニティにゲヘナ…これまで話は通した。後は」
アサミ「あっ…噂をすれば」
エリ「奇遇ですね、ヒカルさん。一緒にお昼ご飯はどうですか?」
ラーメン柴関
柴大将「ほい、おまちどうさま」
先生「ありがとう。ああ、隣席のお代は私に回しておいて」
エリ「わざわざ筋を通して頂き、感謝します。さて…」
先生「…そっちはどう?便利屋も抱き込めたのでしょう?」
エリ「煽り方に関しては覚えがありますので…しかし、貴方も随分と無茶をします」
先生「楽な方に逃げて、難しいことを考えようとせずに遠回しにしてきた結界が、今の私なのだから…面倒でも逃げる訳には行かないわよ」
エリ「そうですか…変わりましたね、貴方も」
先生「ええ…お互いにね」
エリ「では、私はこれにて」
先生「ええ、そちらも…アサミ、これから忙しくなるわよ」
アサミ「はい、先生」
- 55二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 06:32:57
覚悟決まってんなぁ…マジで
- 56二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 13:02:42
待機
- 57二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 19:34:39
【先生対カイザーPMC】
アビドス砂漠 カイザーPMC基地
戦闘は、まさしく唐突に始まった。
「て、敵襲ー!」
突如として無数の砲弾が降り注ぎ、火柱が聳え立つ。それを合図に一人の紙袋を被った少女が無線機を手に取る。
「こちらファウスト、着弾しました。そこから侵入して下さい!」
それを合図に、五人の生徒と一人の大人が敷地内に突入する。それからワンテンポ遅れて、もう四人の生徒たちが入る。
「シャーレの先生からの頼みである上に、ナギサ様からの指示だ。俄作りの編成だが、各々上手くやってくれ」
「と、とは言われましても!私たちは基本的に後方支援がメインですよ!?ここからどうしろと言うのですか、サオリ姉さん!?」
「その通りの後方支援だ。私とアツコは対策委員会の後ろや隙を狙う敵を相手する。ヒヨリとミサキは援護射撃に徹しろ」
「了解した、サオリ姉さん。姫も気をつけて」
「分かった。行こう、サッちゃん」
その短い会話を挟み、二人の生徒がカイザーPMCに突撃を仕掛ける。アサルトライフルとサブマシンガンの銃声が響き、次々とPMC兵士が倒れていく中、サオリを攻撃しようとした兵士は真横からの狙撃を食らって倒れる。
「サオリ…!まさか貴方まで…」
「待たせたな、戦友。さて、共同戦線と行こうじゃないか」
「アレって、ヒフミを迎えに来ていたティーパーティーの…!」
「これはありがたい。私たちは先へと進みましょう。アロナ、ナビゲート頼むわ!」 - 58二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 19:39:02
おや…アリウス分派が追放されなかった世界線なのか
- 59二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:46:56
エリ「ヒカル、お待たせ!」
アル「便利屋68、只今参上!」
先生「いよっ、待ってました!」
ヒナ「私たちもいるわ、先生」
イオリ「このまま足を舐められて恥をかき続ける訳には行かないからな!覚悟しろ!」
チナツ「イオリ、敵を間違えないで下さいね!」
シロコ「凄い、味方がこんなに…!」
先生「よし…アロナ、ホシノの位置は特定した?」
アロナ『特定しました!急ぎましょう!』
カイザーPMC理事「便利屋に、ゲヘナの風紀委員会だと!?シャーレの先生め、面倒な連中をゾロゾロと…!」
カイザーPMC指揮官「くそっ、ゴリアテ部隊を出せ!対デカグラマトン対策部隊もだ!」
???「…この調子だと、カイザーPMCが負けるのは確定ね。どうするの、『キングゥ』?」
???「決まっているさ、『オジマンディアス』。ここは見物と洒落込もうじゃないか」
- 60二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 02:40:01
エジプトなのでファラオの名を冠するものがいるのはまあ分かる。このバビロニアにいた方の名前を冠する人は…?黒服!これは一体!?
- 61二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 09:30:39
飛んでもねぇメンツが来たもんだ
- 62二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 12:26:20
漸くカイザーPMC基地の中心部にたどり着いた一行。その目前に一機の巨体が現れる。
「これは…ゴリアテじゃない!?」
目前に現れた、四脚の巨大な怪獣。そこからカイザーPMC理事の声が響く。
『フハハハ、驚いたか!これこそが我らの対デカグラマトン戦用の切り札である、『ザーリオン』である!貴様らなど、この『ザーリオン』でまとめて叩き潰してくれるわ!』
「…噂に聞いていたけど、まさかこんなモノを隠していたとはね。皆、先に施設内に入って。私はコイツの相手をするから」
先生の言葉に、シロコたちは目を見開く。如何に多くの味方がいるからとはいえ、それがどれだけ無謀なものか。
「先生、無茶な…!」
『貴様、この私を侮るか!良いだろう、この場で貴様ら全員蹴散らして、ブラックマーケットの風俗街に売り渡してくれるわ!』
咆哮と共に、背部のビームカノンから赤いビームが放たれる。そして土埃が舞い上がる中、シールドによって無傷でいる皆の姿があった。
「…アサミ。シロコたちを頼んだ」
「了解しました、先生…ご武運を」
シロコたちと分かれた先生は背中の翼を開き、地を蹴る。そして巨大なマニピュレーターの攻撃を回避し、一気に距離を詰めていく。
「皆、先生を支援するわよ」
「駆動部を狙え、動きを鈍らせろ!」
ヒナとサオリは両側に広がって、真横からマシンガンとアサルトライフルの弾幕を叩きつける。『ザーリオン』は各所に配置した機関銃で迎え撃ち、地面を走る生徒たちを踏み潰しにかかる。
『小娘どもめ、ちょこまかと!ええい、傷物にしてもかまわん!まとめてビームで薙ぎ払って―』
そうして踏みしめたその時。足元の複数の地点が爆発し、『ザーリオン』の巨体が大きく跳ねる。同時に真横から幾つものロケット弾が飛来し、巨大な脚の駆動部に突き刺さる。
『なっ…ドローン!?しかも複数…!?』
「もしも協力を要請した人たちが来てくれなかった時に備えていたけど、ここで使い所が来て助かったわ」
- 63二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 12:34:33
駆動部に損傷を受けて動きが鈍った『ザーリオン』に対し、風紀委員会とトリニティの生徒たちは包囲し、破損箇所へ集中攻撃を仕掛ける。ビームカノンを一門失い、片脚が破損しながらも『ザーリオン』は抗うが、そこへドローンの集中攻撃が襲い掛かる。
『おのれ、小娘どもめ!大人しく私たちの栄光の贄になれば良いものを…!』
「―それで、生徒たちの大切なものを踏み躙ろうだなんて。余りにも傲慢そのものね」
直後、コックピットに激しい振動が加わる。ホシノのシールドを振るい、キャノピーを吹き飛ばした先生は、カイザーPMC理事の前に立ち、銃口を向ける。
「ま、待て!話し合おうじゃないか!利子なら私の権限で下げてやる!だからこれ以上の攻撃は―」
カイザーPMC理事は操縦桿から手を離し、両手を上げる。が、先生のその視線は余りにも冷たい。
「…先程、あの子たちをブラックマーケットの風俗街に送り込んでやるって言ったわね?ああいう少女の大切なものを汚そうとする人にはこう言うこととしてるの」
「『エッチなのは駄目、死刑』…ってね」
直後、幾つもの銃声と絶叫が響き渡った。
- 64二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:13:32
その台詞がここまでかっこいいものになるなんで……
- 65二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 13:42:25
カイザーPMC基地郊外
ホシノ「…ん…ここは…」
先生「…漸く起きたわね。全く…貴方は本当に、自分一人だけで背負いっぱなしなんだから」
セリカ「そうよ、皆心配したんだから!」
ノノミ「ちゃんと、周りの人たちに相談して下さい!」
アヤネ「まぁまぁ…」
シロコ「ん、何はともあれ…おかえり」
ホシノ「うへへ…ただいま」
サオリ「…終わったな。援護、感謝する」
ヒナ「元々、私たちもカイザーPMCの動向を常に警戒してたから丁度良かったわ。しかし…あんな兵器を隠し持っていたなんて…それに、見覚えがあるわ」
サオリ「…もしや、例の『雷帝』のか?」
ヒナ「…これは、先生に協力して正解だったかもしれないわね」
キングゥ「データ取得完了っと。オジマンディアス、そっちはどうかな?」
オジマンディアス「バレてはいけない類のものは、『アヌビス』と『クロムウェル』に処分させてる。シャーレの先生も、直ぐに私たちの存在に気付くことはないでしょう」
キングゥ「それは重畳だ。では、今は彼女たちに勝ちを譲ってやるとしよう」
キングゥ「…そう、いずれ答えは見つかるはずだ。もしも貴方がキヴォトスにおける『例外』だと言うのなら」
- 66二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 17:45:02
【SS・大人たちは集う】
DU市内・とある居酒屋
先生「エリ、お疲れ様。まさかカイザーPMCがあんなバケモノを隠し持っていたとはね」
エリ「ええ…恐らくはゲマトリアの協力があったのでしょうが、これは私の方でも調べてみます。次はどちらに?」
先生「次は、ミレニアムの方に行くつもりよ。先程、用事を終えてここに着いたって連絡が来たから。調整が終わったそうだし、ゲーム開発部に接触するついでに会ってくるわ」
エリ「そうですか…しかし、全く想像もつきませんね。私たちがこうして大人になって、こんな場所でお酒を飲んでいるなんて…」
先生「全くね。この飲み会の中に『あの人』もいて欲しかった…というのは、贅沢なことかしら」
エリ「それぐらいの夢を見るのであれば、『あの人』もにこやかに認めてくれるでしょう。ともあれ…お疲れ様でした」 - 67二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 19:49:17
待機
- 68二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 21:22:37
保守
- 69二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 22:38:58
待機
- 70二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 07:54:48
ほ
- 71二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 08:33:13
【SS・むかしばなし】
かつて、その学園には一人の勇者と四人の仲間がいました。
勇者はとても強く、その中に邪悪な魔王を封じ込めていました。勇者はその魔王と仲良くなることを望んでいました。
ある時、世界は外から来た悪魔に襲われ、滅ぼされてしまいました。
仲間たちは倒れ、勇者も激しい戦いの果てに力尽きました。魔王はこれを悲しみ、生き残った戦士と共に魔法使いとして旅立ちました。
「…久しぶりね、『モルガン』。ミレニアムに着いたばかりで悪いけど、どこかで落ち合わない?」
「分かりました。では、『彼女たち』の部室で会いましょう」 - 72二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 11:23:59
【ミレニアムの魔法使い】
ミレニアム自治区・とある工房
ウタハ「モルガンさん、今いますか?」
???『マスター、ウタハさんが来たよー!』
???「おや、ウタハ。一体どうしたんだい?」
ウタハ「雷ちゃんの改良について相談したくて。もう少し機動力を確保したいんだけど…」
モルガン「成る程ね。だったらこのパーツを使ってみたらどうだい?MI、MO、手を貸してあげな」
MO『りょーかーい!』
MI『ウタハさん、お手伝いします』
モルガン「さて…私は用事があるから、少しここを離れるよ。雷ちゃんの改良についてはMOたちが手伝ってくれるから、そっちを頼ってくれ」
ウタハ「アドバイスをくれただけでも感謝するよ。ではモルガンさん、気をつけて」
モルガン「さて、と…彼女がシャーレの先生か…本当にどうなるのか分からないものだねぇ…」 - 73二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 11:51:44
ゲーム開発部部室
モルガン「…で、どうしてこうなったんだい?」
先生「…」頭に大きなタンコブ
アサミ「…開発部の部室に向かっている途中、窓の外からゲーム機が飛んできまして…それが先生の頭に当たりまして…」
モモイ「本当に来てくれるのかどうかの言い合いをしてて、その際プライステーションを投げたら窓の外に飛んでいっちゃって…」
モルガン「成る程、概ね分かったよ。で、ヒカル…手伝うのかい?」
先生「…生徒から助けを求められた以上は手を貸すわよ。報酬に関しては心配しなくてもいいわ」
モルガン「アンタらしいねぇ、そういう生真面目なところは…」
モルガン「で、モモイ。いいゲームを作る算段は立っているのかい?」
モモイ「もっちろん!廃墟の中にあるとされる『G.Bible』さえ手に入れば、今度のミレニアムプライスは優勝間違いなしだよ!」
モルガン「そうかい。んじゃ、私も手伝おうかね…」
モモイ「えっ、モルガンさんも!?」
モルガン「アイツ(先生)が首を突っ込んできてるんだ、面白いことになるのは間違いないだろうさ」
- 74二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 13:40:54
四人?
- 75二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 18:47:07
セミナー サロン
セミナー所属生「そういえばユウカさん、工房を構えているモルガンさんって人いますよね?あの人は誰なんですか?何かアリスさんを大人っぽくした感じですけど、本当にアリスさんとは関係ないんですか?」
ユウカ「ああ、そういえばそのことを話していなかったわね。彼女はシャーレの先生が活躍し始めた頃にやってきた人で、エンジニア部やヴェリタスによくアドバイスしてるのよ」
セミナー所属生「そうでしたか…そういえば、見慣れないドローンを三機引き連れていますね。アレは彼女の発明品ですか?」
ユウカ「そうよ。アレらはモルガンさんの助手でかなり優秀なAIを搭載してるの。まぁ声がゲーム開発部の三人にそっくりなのは気になるけどね」
- 76二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 19:44:16
MO……MI………
お労しさがえげつない……!! - 77二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 20:20:04
ゲーム開発部 部室
モルガン「さて、探しに行く前に…出てきな」コンコン
???「ひゃっ…!」
先生「あら、いたのね。彼女も連れていくの?」
モルガン「先生や私がいるからといって、モモイとミドリにばかり負担かかってしまっては不平等だろう?それにユズ、自分の作ったゲームを褒めてくれた二人のために頑張りたいと相談してきたんだろ?だったら一緒に行くよ」
ユズ「は、はい…」
モルガン「てなわけで、三人にはそれぞれお供をつけよう。MO!MI!YZ!」
先生「おお、これが噂のお供ドローンね」
MO『はいはーい、お待たせー!』
MI『マスター、ご指示をお願いします』
YZ『あの、一応ウタハさんのお手伝いは終わりましたが…これから何を…?』
モルガン「なーに、冒険って奴さ!んじゃ、ぱぱっとお宝探しに行きますかね!」
先生「一応、私が先導するんだけどな…」
- 78二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 03:28:46
モモイミドリユズだとしか思えない……
- 79二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 10:59:34
ミレニアム郊外 廃墟
「皆、大丈夫かい!?」
廃墟の一角にある施設。その中に広がる空間に、モルガンの声が響く。彼女の目前には地下へと続く入口があり、先生たちはそこへ落ちていった。急ぎ入口へ入ると、そこにはドミノ倒しになっている先生たちの姿があった。
『お、落ちただけで大丈夫だよ…』
「とりあえず皆、私を座布団代わりにしてるのはいいけどそろそろどいてくれるかしら?」
「み、皆…向こうにまで続いているみたい。行ってみようよ」
モモイたちは何とか立ち上がり、辺りを見回す。と光が差す場所をユズが見つけ、一同はそっちへと向かい始める。
「結構広いね…廃墟にこんな場所があったなんて…」
「こういうところは前々から連邦生徒会長や歴代セミナー会長が封鎖していたからねぇ。知らないのも当然だよ」
『マスター、前方50メートルに反応あり!誰かいるみたいだよ』
MOの報告を聞き、一行は足早に進む。そして光が照らす広大な空間に出て、一同は瞠目した。
「先生、アレ…!」
『生体反応、確認されません。ですが、アレは…』
モモイたちが驚きをあらわにする中、先生とモルガンはそろって目を細める。
「…まさか、こんなところにいたとはね。いわゆる『修正力』…ってものかしら?」
「…同感だよ、ヒカル。これで辻褄はあったね」
彼女たちのその視線の先。そこには、一人の白髪の少女の姿があった。
- 80二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 11:13:13
やはりここにもアリスは……いや待って白髪…?アリスじゃ……ない…!?
- 81二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 11:49:43
ノアがこっちに?
- 82二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 14:59:12
モモイ「…へんじがない。ただのしたいのようだ」
ミドリ「いきなり怖いこと言わないでよお姉ちゃん…」
モルガン「…取り敢えずは、一通り調べてみるかね。にしても全裸で放置だとは…」チラッ
先生「…これにわざわざ突っ込む様な野暮なことはしないわよ。余りにも不自然過ぎるわ」
モルガン「だねぇ。MO、補給ドローンを呼んできな。マテリアルクラフターで着るモンを用意する」
MO『了解、マスター。MIとYZはその間にスキャンして。スリーサイズぐらいは直ぐに計測できるでしょ』
MI『分かった、MI』
補給ドローン『イバラキケンジン、ここにありだぁー!』
MO『データ送信完了!三分ぐらいは待って!』
先生「…にしても、何なのあの掛け声?モルガン貴方、何かMADでも見たでしょ?」
モルガン「んー?何のことかね?」
ユズ「それにしても、なんだろう…これ…」
モモイ「あっ、台座に名前があるよ!えっと…N・O・A…ノア、かな?」
ミドリ「これ、O(オー)じゃなくて0(ゼロ)だと思うよお姉ちゃん…」
先生「本当ね、N‐0A…ふーん…」
- 83二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 15:01:01
もしかして…あの没案だったアリス枠のあの子だったり…
- 84二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 15:06:55
- 85二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 16:11:23
ゲーム開発部 部室
ミドリ「…取り敢えず彼女をここに連れて来ちゃったけど…これからどうするの?」
モモイ「そりゃミドリ、決まってるでしょ?モルガンさん、手伝って欲しいことがあるんだけど…」
モルガン「学生証のことだろう?任せな、ヴェリタスやヒマリの奴にも話を通しておく」
先生「…さて、これからどうしようか。貴方は今どうしていたい?」
???「回答。現時点で私の行える機能はありません。指示をお願いします」
先生「…この調子だし、ミドリはどうする?」
ミドリ「そうだなぁ…取り敢えずゲームを一つやらせてみましょう。会話がメインのRPGなら、それで基本的な話し方を覚えてくれるかもしれません」
モルガン「さて…ヒカル、ひと段落ついたら少し話そうか。エリの奴にも声をかけるか?」
先生「いえ…今回は貴方と二人で話すとしましょう」
- 86二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 16:40:27
深夜 ゲーム開発部部室
モモイ「みんなー、夜食持ってきたよ!」
モルガン「ついでに色々と下準備もしてきたよ。で、嬢ちゃんはどうしてる?」
先生「ああ、丁度いいタイミングで来たね。ノア!」
???「はい!何の用でしょうか、マスター!」
モルガン「ん?マスター?それにその名前…」
ノア「魔術師さん、始めまして!私はノアと言います!」
先生「MOに頼んで、モルガンのよく遊んでいるゲームとかもさせてみたの。でその合間に基本的な会話のやり方とか教えて、ここまで成長したわ」
モルガン「…アンタが先生らしいことをしているの、始めて見たよ」
モルガン「ああ、そうだノア。アンタに一つ贈り物がある。これを受け取りな」
ノア「パンパカパーン!ノアはふしぎなアイテムを受け取った!」
モモイ「ノア、それは学生証といって、ここミレニアムでお買い物したり、勉強をしたりするのに必要なアイテムなんだ。モルガンさんが半日かけて用意してくれたの!」
ノア「わぁっ、凄いです!モルガンさんはまるで魔法使いですね!」
モルガン「魔法使い、ねぇ…言い得て妙ってところかね」
ユズ「よ、良かった…何とか間に合ったかも…」
- 87二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 17:05:37
翌朝 エンジニア部工房
モルガン「ウタハ、いるかい?」
ウタハ「ああ、おはようモルガンさん。何の用かな?」
先生「少し相談があってね。ノア、こっちに来て」
ノア「始めまして!転入生の天童ノアといいます!モルガンさんの紹介で武器を買いに来ました!」
モルガン「コタマの奴から話は通されてるだろ?彼女にいい武器をあげたくてね。私の工房にあるのは、ちと扱いが難しいモンばかりだしね」
ウタハ「成る程、理解したよ。ヒビキ!コトリ!ちょっと手伝ってくれ!」
先生「…そういえばモルガン、エンジニア部の面々と手を組んで新しい乗り物を開発していると聞いたわよ。空飛ぶ船だそうね」
モルガン「前々からオデュッセイアや連邦生徒会交通室の連中から、新たな輸送手段の開発を頼まれていてね。一先ず形にはなりつつあるよ」
モルガン「それに…これはアンタが一番必要としている奴だろう?そろそろカイザーの連中が見つけ出すだろうが、手はいくらあってもいい。違うかい?」
先生「…そうね」
- 88二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 17:30:00
セミナー
アリス「ユウカ先輩、お疲れ様です!書類の整理とコユキの行った犯罪行為の処理は完了しました!」
冏「うああー、なんでー!!!」ギチギチギチ
ユウカ「…関節技をかけてる理由はさておき、お疲れ様。取り敢えず休憩に入りましょう」
アリス「そういえば、聞きましたか?ゲーム開発部に新たに部員が入ったそうです。しかもエンジニア部で試作兵器を受け取ったみたいで、モルガンさんや先生の姿もありました」
ユウカ「新しい部員?それは気になるわね…顔を出しておくとしましょう」
ノア「見て下さい先生!ノアは新たな武器を手に入れました!」
先生「エンジニア部謹製・宇宙戦艦用レールガン…随分とデカいモノを拵えたものね…」
モルガン「念のためにサブウェポンとして、普通のハンドガンも用意してあげたけど、随分と様になってるねぇ」
モモイ「んじゃ改めて…ノア、ゲーム開発部へようこそ!これからよろしくね!」
この後、部室の下にユウカがやって来て、ノアは彼女に対して自己紹介をする。そして生徒として認められる一方で新たな問題が出てくることとなるが、それは別の話。
- 89二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 19:09:09
めちゃくちゃワクワクするな…この展開…
- 90二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 20:34:27
【SS・ミレニアムに奉仕する者たち】
ミレニアム自治区内・とあるビル
???「リーダー、ただいま戻りました。任務は恙無く遂行いたしました」
???「おう、お疲れ。ああそれと、セミナーの方から新たな依頼だ。いつもの様に暴れていいんだとよ」
???「承知致しました。しかし…もう、二年は経つのですね。リーダーやアスナ先輩、カリンと共に始めましたこの部活、私にとっては素晴らしい場所です」
???「…それは、アイツに仕込まれたプログラムか?それとも、テメエ自身での感想か?」
???「無論、後者ですよネル先輩。聞けば、ミス・モルガンは何やら、自身をモデルとした高性能アンドロイドを開発し、私たちC&Cに供与して下さるらしいですね。生みの親は違うとはいえ、妹が出来る様な気分です」
ネル「妹、ねぇ…まぁ、人手はナンボあってもいいからな。ただその分、きっちり面倒見ろよ」
???「承知しておりますとも、リーダー。それが私…コールサイン03、室笠アカネの、先代セミナー会長から与えられた勤めですので」 - 91二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 02:48:05
おっとぉ…?
- 92二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 08:37:37
待機
- 93二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 10:27:09
【廃墟探索】
モモイ「うわーん、どうしよ!?ノアが部員に入ってくれたのはいいけど、ミレニアム・プライスまでにゲーム作って評価されないと廃部になっちゃう!」
先生「…一難去ってまた一難、か…取り敢えずこれから作るゲームの下地を作って、その上で『G.Bible』を探しましょう」
モルガン「ノーパソは持ってるだろう?廃墟に向かいながら下地を作るよ」
ミドリ「二人とも、割と現実的だ…」
廃墟内部
ノア「敵とエンカウントしました!これより戦闘を開始します!」
モルガン「よーし、私もやりますかね!MO、MI、YZ!お前たちは防御に徹しな!」
ユズ「す、凄い…ノアの『光の剣』もだけど、モルガンさんのビーム砲もかなりの威力…そしてほぼ外していない…」
ミドリ「それに、MOたちとは別のドローンを展開して、複数の敵に対して攻撃してる…本当に強い…」
先生「驚いた?モルガンは元々射撃の才が高いのよ。それに趣味としてアニメに出てくる武器の再現もしてるのよ」
モモイ「そう語りながら、手榴弾をばら撒いて一網打尽にしてる先生も強いよ!?」 - 94二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 12:00:48
ユズ「この日、私たちは廃墟の中を沢山走りました。途中でノートパソコンが壊されたり、とんでもない兵器が現れたりして大変でしたが、私たちはノアについて行って一つのコンピュータの前に辿り着きました」
ユズ「コンピュータの中には、電源ロストと同時に喪われそうになっていたデータがあり、ミドリはモモイの持っていたゲーム機を使って何とかデータを確保しました。モモイは泣きましたが、結局は自業自得にも等しいものでした」
ユズ「…で、ここまで日記に書いておいたけど…新作ゲームはどうやって作るの?」
モルガン「こういうことがたまにあるから、アナログは手放せないんだよね。ミドリが紙のメモ帳にモモイと話し合った内容とかを書き殴ってくれて助かったよ」
ミドリ「取り敢えず、ヴェリタスの皆に解析してもらって、その間に製作を進めよう」
モモイ「うん…そうだね…」
ノア「はい!ノアも沢山手伝います!」
- 95二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 12:10:15
モルガン「…でだ、ヒカル。ちょっといいかい?」
先生「ん、何?」
モルガン「私は少し野暮用が出来た。『G.Bible』の解析が終わった後、そのゲーム機を貸してくれる様にモモイに伝えておいてくれ」
先生「…成る程。分かったわ。モルガンも頑張って」
???「…枢機卿ペトロ、偽名キングゥ。この世界の『王女』とその『従者』は奴らに奪われた。これも貴様の計画のうちか?」
キングゥ「ええ…この時点で彼女たちの計画を狂わせるのは容易いですが、キヴォトスは広大です。いち学園を制したとしてそれで全て解決する訳では無いことはご承知の筈です」
キングゥ「どのみち、彼女たちは思い知るでしょう。『捻れて歪んだ終着点』がどれ程までに厄介なものなのかを」
- 96二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 12:10:43
まさか…アカネが遺跡で見つかったアンドロイド概念…!?
- 97二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 17:52:22
【『鏡』の奪い合いの裏で】
ミレニアム自治区 某所
モルガン「やぁやぁ皆さん、お揃いで。やはり気になるかい?」
ヒマリ「気にならない訳がないでしょう?ゲーム開発部が廃墟から見つけ出したというあの少女…ノアに関しては特に」
リオ「ええ。元々あの廃墟は『無名の司祭』と呼ばれる存在が有していた施設の一つであり、そこで見つかった以上は詳しく調べさせてもらうわ」
モルガン「だろうね。まぁ技術者として純粋に彼女の力は見てみたいところだ、しっかりと観察させてもらおう」
モルガン「さて…セミナーはヒマリが発明したツール『鏡』を守る側だ。そしてその兵力としてC&Cを雇った訳だが…」
ヒマリ「…やはり、気になりますか?C&Cの四番手、コールサイン03が」
モルガン「室笠アカネ。二年前、ゲヘナで雷帝が様々な兵器を開発していたのを警戒していたセミナーの先代会長は、それらに対抗するための軍団を作ろうとした」
モルガン「結局のところ、雷帝の失脚により量産化はされず、試作品一機のみが作られた訳だが…その試作品がメイドとはね」
リオ「元々、C&Cもエデン条約に対抗するために組織されたものだから。数相手ならドローンやオートマタで事足りるだろうけど、ヒナやツルギといった実力者相手には優秀な個人が必要だから」 - 98二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:11:43
ヒマリ「おや、始まった様ですね。先ずはノアちゃんが仕掛けた模様です」
アカネ『では見せてもらいましょうか。ゲーム開発部の新人、その能力とやらを』
カァオッ!!!
アカネ『ほう、レールガンですか…大層素晴らしい火力ですね。ですが…』
ドバババババ!!!
アカネ『当たらなければどうということはありません!』
ドカッ、バキッ!
ノア『ひ、ヒーラーによる回復を…』
モルガン「…複数地点に仕掛けたクレイモアで動きを封じつつ、ネル仕込みの近接格闘で無力化。瞬く間にKOか」
リオ「彼女を仲間に迎え入れて以降、ネルは彼女をよく可愛がってあげてたからね。そこにアンドロイドとしての性能も含めれば、文句無しよ」
アカネ『それにしても、強くて可愛い子ですね。六人目のメイドにしてあげたいぐらいです!』
トキ「これは私に手強い後輩が出来るということですね?面白そうです」
モルガン「…アンタ、一体何処から出てきたんだい?」
ヒマリ「さて、次は夜に動き出す訳となりますが…」
トキ「よければ、お飲み物とお食事でも用意いたしましょうか?」
ヒマリ「では私はクラムチャウダーとレモンティーを」
リオ「焼き鳥弁当とコーラを頼むわ」
モルガン「私は自前でファストフードとビールを買ってくるかね…酒は他人に買ってもらう訳にはいかないだろ?」
トキ「提案した私が言うのもあれですが、モルガン様は試合鑑賞の気分で検証しようとしていませんか?」
- 99二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:23:23
ヒマリ「さて夜…ヴェリタスが動き出しましたね」
アカネ『モモイちゃんとミドリちゃん、じゃない…!?監視カメラの映像では確かに…!』
モルガン「…この手の技術を使った搦め手に対して弱いのも相変わらずだな。しかもハッキングの一部、ありゃヒカルの奴も手を貸してるな?」
リオ「あら、シャーレの先生もハッカーなの?」
モルガン「アマチュアだけどね。アイツ、未成年お断りのコンテンツ視聴のためにインターネットの年齢制限の裏をかく技術を磨いていてね…それに『外』ではパソコンを使ったサイバー犯罪にも詳しくないとキツいことも多々あった。この程度は楽勝だろうよ」
ミドリ『お姉ちゃん、伏せて!』
モモイ『うわっ!?』
トキ「アレは、角館カリン先輩の狙撃ですね。アレは一発でも食らったら動けなくなりますよ」
モルガン「だが、それに対して動きもあった。ウタハが直々に出てくるとはね」
リオ「…ユウカにアリスも何とか対応しようとしてるわね。でも、ヴェリタスの本職相手に余りにも分が悪いわ」
ヒマリ「加えてペーパーカンパニー経由で仕込んだ、エンジニア部謹製のセキュリティシステムもあります。これはセミナーにとってピンチですね」
モルガン「ふむ…」カシュッ
トキ「…モルガン様、もうビール三杯目ですよ」
- 100二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:40:27
アカネ『やはりこの手に限りますね。ユウカさん、離れてください。壁を破ります』
ガァン!ベキィッ!
モルガン「おいおい…無理やり隔壁をこじ開けたよ。特殊合金製なのだろう?」
リオ「彼女は破壊に関して相当なスペシャリストよ。その上ナノマシンによる急速修復能力で無理も言わせられるわ」
ヒマリ「にしては、乱暴に過ぎませんかね…?」
モルガン「…以前、ヒカルから聞いたことがあるんだが。トリニティには素手で壁を破れる生徒が複数人いるらしい。複数人いるってだけで背筋が寒くなるよ」グビグビ
トキ「…酔いの生み出した狂言だと、捉えておきます」
アカネ『アスナ先輩、お待たせしました!』
アスナ『あははっ、待ってたよアカネ!今ものすごい面白いところだから!』
カリン『ユウカ、アリス、相手の位置情報を教えてくれ』
ヒマリ「おや、ここからC&Cとセミナーが逆転し始めましたね。伊達に戦闘のプロではありませんか」
リオ「加えて先生に対しては、圧倒的な数のドローンとオートマタを仕向けて包囲し、カリンの狙撃もあってモモイ及びミドリと分断…これは勝ったわね」
モルガン「おやおや…流石にこれは彼女たちにとって分が悪いかね…」カラン
- 101二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 00:52:21
ほ
- 102二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 08:06:06
ノア『先生!モモイ、ミドリ!助けに来ました!』
ユウカ『お、オートマタ軍団とアスナが吹き飛ばされた!?』
アカネ『ぐっ…掠めただけでこの威力ですか』
モルガン「おっと、ここでノアが参戦か。しかも上手い具合に当ててきたね」
ヒマリ「あのレールガン、確かエンジニア部の発明品でしたね?あの威力も納得です」
リオ「…」
先生『オートマタの幾つか、制御権を奪ったわ!今のうちに急ぐわよ!』
ヒマリ「ん?先生、あの短時間でオートマタを幾つか掌握しましたよ?どうやらあのタブレット端末によるものらしいですが…」
リオ「…ミス・モルガン。彼女は貴方の知人だとお聞きしましたが、一体何処でこの技術を?」
モルガン「さて、ね?こればかりはアイツに聞かないと分からないだろうさ」
ユズ『こ、怖かった…皆、大丈夫…?』
モモイ『な、何とか!』
ノア『見つかるかと思いました…』
先生『私も、危うく生徒に手を上げかけたわ…多分返り討ちにされてるかもしれないけど…』
リオ「…そろそろ、指示を出しましょう。検証は終了したわ」
ヒマリ「ええ。貴重なデータを得られましたし、これで良いでしょう」
モルガン「…リオ、アカネは私んとこに回しておきな。ナノマシンがあるとはいえ、あそこまで壊れちまえば本格的なメンテが必要だろう?」
トキ「では、私は後始末に回ってきます」
モルガン「さて…私もそろそろゲーム開発部とヴェリタスの手伝いに向かうとしますかね」
- 103二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 08:11:29
- 104二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 08:21:17
でも実際、パヴァーヌ1章の『鏡』を巡るゲーム開発部陣営とセミナー・C&Cの駆け引きと戦闘は見物しがいがあると思う
- 105二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 08:40:33
翌日 ゲーム開発部部室
マキ「解析終わったよー!」
先生「マキ、お疲れ様。これで『G.Bible』を見ることが出来るね」
モルガン「製作中のゲームもある程度組み上がって来てるし、その『G.Bible』の中にあるデータでブラッシュアップ出来れば万々歳だろうね」
モモイ「やったぁ!これでミレニアム・プライス優勝間違いなし!」
ユズ「ま、先ずは見に行かないと…!」
モルガン「んじゃ…モモイ、ゲーム機借りるよ。あとヒカル、アサミの奴は何処にいるんだい?」
先生「アサミなら今、トリニティとゲヘナでバイト中よ。呼び戻す?」
モルガン「…いや、今は大丈夫だ。MOたちに手伝ってもらうよ。頼るのは完成した後にすんかね」
先生「分かったわ…待ってるわよ」
- 106二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 09:37:31
【王女に仕えし者】
数日後 ミレニアム自治区工房
モルガン「ミレニアム・プライス特別賞受賞、おめでとさん。無事に完成して結果も残せて、良かったね」
モモイ「モルガンさん、ありがとう!」
アサミ「お食事とか色々買ってきました。MOさんたちの手伝いに感謝します」
先生「アサミもお疲れ様。しかし、良くゲーム完成させられたわね」
ミドリ「しかも体験版を配信し始めた直後にネル先輩に襲撃されましたし…本当に肝が冷えましたよ…」
モルガン「ま、今は大変だったことを忘れようじゃないか。楽しむ時は楽しむ!それが私たちのモットーの一つさ」
モルガン「ノア、アサミ、ちょっといいかい?ヒカルもだ」
ノア「?何でしょうか?」
モルガン「後でモモイたちに教えることなんだが、実は『G.Bible』以外にもう一つ、見知らぬデータが入ってたんだ。それの解析が終わったところでね、それを見て欲しい」
先生「…もう一つのデータ、ね…だからあんなVRシステムを作ってたのね」
モルガン「ま、百聞は一見にしかず。アサミにも色々と手伝ってもらうよ」 - 107二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:48:48
目を開いた時、彼女たちの目の前には広大な空間が広がっていた。
「ここは…廃墟?しかも、ノアと出会った場所だ…」
「おっ、成功したみたいだね。ここはモモイたちがノアと出会った場所を再現した仮想空間だ。ゲーム機に『G.Bible』と共にインストールされてたデータが面白いモンだったからね」
モルガンはそう言いながら、隣に立つノアの頭を撫でる。その言葉にノアやモモイが首を傾げたその時。
「…成程。王女を利用して誘い出したというわけですか。悪趣味です」
背後より、声が聞こえる。振り向くとそこには、一人の少女の姿があった。
その少女は、ノアの髪を黒くしたかの様な姿をしており、黒いドレスを身に纏っていた。
「えっ!?ノアが、もう一人…?」
「正確には、ノアの姿を真似て出てきたといった方が正しいね。恐らくはノアが作られた理由の一つだ」
モルガンがそう語る中、その少女は近付く。そして名乗った。
「…私の名はKey。我が『名も無き神々の王女N‐0A』に仕え、アトラ・ハシースの方舟と共に忘れられた神々に裁きを下す者。我らが王女を玉座に導く鍵なり」
- 108二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:59:05
「Key…!?」
「…言うなれば附属品、といったところだ。何せ廃墟の中にあったんだ、相当なブツが仕込まれてるだろうと思い、敢えてノアと接続する様に仕込んでみたんだ。まぁ大当たりだったね」
モルガンが呑気そうに言う中、Keyは静かにノアへと近寄る。ノアは身体をビクリと震わせ、先生の後ろに隠れる。
「王女よ、貴方には名前は不要です。貴方は名を捨て、このキヴォトスに採決を下す存在なのです。今こそ与えられた使命を果たすとき―」
とその時、Keyの周りに半透明の壁が現れ、彼女を閉じ込める。それを見たモルガンは、隣に立つアサミに目配せをする。
「…そう動くと思ったよ。アサミ、ナイスタイミング」
「ええ…ノアさんへの干渉を想定してプログラムを仕込んでおいて正解でした」
- 109二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 18:01:16
「さて…そろそろアンタはタブレット端末に封じ込めさせてもらおう。アンタを野放しにしてしまうと、文句を言う奴が複数人いるからね。それでいいだろ、ヒカル?」
「…ええ。お願い」
モルガンは手元のタブレットを操作し、ついにKeyの姿が消える。それから数十秒が経ち、先生たちの意識は現実へと戻っていた。
「…でヒカル、この『問題児』は何処に預けるかい?こればかりは信頼出来る奴に任せないと危ないだろう?」
「一先ずは私のところで預かっておくわ。ただ、ヴァルキューレで信頼出来る子が一人いるから、その子に連絡ツールの代わりで預けておきましょう」
「ふーっ…久々に骨が折れました。移送されるその途中まで抵抗していましたので、完了するその直前まで大変でした」
アサミがフラフラとなりながらカプセルから出てくると、その隣のカプセルの中で、ノアがうずくまっているのに気付く。そこへモモイが話しかける。
「…ノア、大丈夫?」
問いかけに対し、ノアは無言を返す。するとモルガンが近寄り、彼女の頭に手を置いた。
「…大丈夫。アンタを邪悪な魔王に変えようとした悪魔は私が封印した。大丈夫、私が保証する。なんてったって、私は魔法使いだからね」
「…モルガン、さん…」
泣きそうになっている彼女の頭を優しく撫でるモルガンの後ろ姿を、先生とアサミは無言で見つめ続けた。
- 110二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 18:29:03
その夜 DU市内のバー
モルガン「お疲れ様、ヒカル。こうして二人で駄弁るのは久し振りだねぇ。しかも個室とは」
先生「この形の方が、色々と話しやすいでしょう?今はシラフで飲むわよ」
先生「…しかし、当然と言えば当然だけど、随分とノアに肩入れしてるわね、モルガン…いや、ケイ」
モルガン「…それは当然でしょう。この世界の王女がセミナーの書記となってて、逆に本来セミナーの書記である筈の人物が王女となっているのです。絶対に私の知る形ではありません」
モルガン「その上、アビドスの時の様に悪巧みを目論む存在もいる。となれば出来る限り先んじて対策を取るのがいい。それが彼女と、彼女の従者のためになります」
先生「…それはそうね。あの時、ゲーム開発部の三人は倒れ、四人目の仲間とも呼ばれていた先生は行方不明となり、果てにはアリスは戦闘の中で身体だけを残して消えた…二度とあんなことにならないために、私たちはここに来てるのだから」
先生「…しかし、MOにMI、YZと、いいAIを作ったわね。アリスを模したモノは敢えて作らなかったの?」
モルガン「…仕えるべき王女を守れなかった、役立たずの従者にその資格があると?どのみち私は『この世界の王女』を守らねばなりません。それが今の私に出来る、唯一の贖罪ですから」
先生「贖罪、か…」
キングゥ「おやおや、これは困ったことになった。何かしら策を取ってくるだろうとは思っていたが、これは想定外だ」
ギルガメッシュ「そう言いながら、貴方は『名もなき神々の王女』を遠隔操作する手段を作り上げているじゃない。想定はしていたんじゃないの?」
キングゥ「さて、ね…まぁ今は、あの横領女の計画を進めさせることとしようじゃないか」
- 111二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 18:48:20
三人目の『大人』についての紹介です。
モルガン(戸籍名 石川ミウミ)
ミレニアム自治区に現れた、謎のエンジニア。
様々な発明品を作る高い技術力を持ち、サポートAIを搭載したドローンを助手に従えている。
セミナーやエンジニア部、ヴェリタスからも一目置かれており、魔法の様な技術も多数有していることから『魔法使い』の二つ名を持つ。
かつて、その世界線のミレニアムにはゲームをこよなく愛する部活があった。
空が赤く染まり、ビッグシスターを欠いたミレニアムが不可解な軍団に攻め滅ぼされたとき、その部活は一人の勇者の身体だけが残った。
その勇者を世界を滅ぼす魔王にする筈だった従者は存在意義を失い、深い失望の中で一人の少女と出会った。
戦闘で『光の剣』を失い、勇者の魂もが破壊された後、彼女は残されていた数少ない『資源』でその身体を修復し、偽りの名を背負って旅立った。その『資源』が何なのかは、シャーレの先生とゲヘナの万屋以外に知る者はいない。
- 112二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 22:16:54
待機
- 113二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 07:06:16
重い!
- 114二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 09:41:59
待機
- 115二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 15:55:00
天童ノア
ミレニアム自治区郊外の廃墟で発見された、謎の少女。
ゲーム開発部の下で名前を与えられた後、四人目の部員として活動している。
武器はエンジニア部の開発したレールガン『光の剣』で、サブウェポンとしてハンドガン『スイッチブレード』(見た目はP220)を装備している。
見た目は原作アリスの服装を着たノアで、誕生日は3月25日。身長は原作ノアと同一。
- 116二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 22:26:20
生塩アリス
セミナーに新たに入った書記。
一年生でコユキと同期。
武器は原作ノアの用いているハンドガン『書記の採決』。
見た目は原作ノアの衣装を着たアリスで、誕生日は4月13日。身長は原作アリスと同じ。
- 117二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 06:33:42
待機
- 118二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 11:27:50
待機
- 119二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 14:14:59
アリス「ところで先生、たまにモルガンさんが私のことを『王女』って呼び間違えるんですが、それって一体どういうことでしょうか?」
先生「…モルガンの知り合いにね、『王女』ってニックネームで呼ばれていた人がいたの。それもアリス、貴方にそっくりな人がね」
アリス「そうだったんですか…でも、王女様呼ばわりなんてまるでお姫様に扱われているみたいです」
先生「…そうね」 - 120二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 18:46:48
【SS・正義を欲する者】
トリニティ総合学園。そこは淑女の学び舎であり、多くの令嬢が通う場所。
しかしその輝かしい舞台の裏には、どす黒い策謀がうごめき、息苦しい日常が多くの少女を蝕んでいる。
その中で正義を成すために、私は黒色の制服に袖を通した。その中で私は多くの謀略と陰湿な政治闘争を目の当たりにしてきた。
それでも私は、この学園の平和を守るために銃を手に、戦い続けてきた。それこそが私のあるべき姿だとして。
トリニティ学生寮
「先輩、失礼するっす。起きてるっすか?」
仲正イチカはそう言いながら、部屋の中に入っていく。と洗面所から人気を感じ、その先へ覗くと、一人の桃色の髪の少女が、湯を満たしたバスタブに浸かっていた。
「…先輩、何やってるんすか?服着たまま風呂に浸かってたら風邪引くっすよ」
「…着衣浴は案外いいわよ、イチカ。頭の痛くなるようなことをしばし忘れていられる」
「そう現実逃避している暇はないっすよ、副会長。ツルギ先輩からもさっさと連れてきてって言われてますから」
「…分かったわ。そろそろ出ましょうか」
そう答えてバスタブから出てくると、テーブルの上に置いたスマートフォンが鳴り始める。バスタオルで水気を拭いた少女は、スマートフォンを手に取り、応じた。
「正義実現委員会副会長、下江コハルです。何用でしょうか、ナギサ様?」 - 121二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 19:13:26
待機
- 122二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 19:55:20
待機
- 123二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 20:52:49
【補習授業部】
トリニティ自治区 ティーパーティー
ナギサ「では、彼女たちのことは任せましたよ」
先生「では、私はこれで…」
ミカ「それにしても、先生って本当にコハルにそっくりだよね。お供のアサミちゃんも、髪の色以外は正義実現委員会の娘にそっくり!」
先生「…そういえば、そのコハルさんにはシャーレでお世話になりました。彼女は本当に頼り甲斐がありますね」
サオリ「ティーパーティーからの無茶振り、本当にお疲れ様です」
先生「何、この手の難問は日常茶飯事よ。さて…先ずは補習授業部の部長さんに会いに行きましょう」
サオリ「先生、頑張って下さい。それと戦友、皆を支えてやってくれ」
アサミ「ええ、言われずとも」 - 124二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 21:53:40
待機
- 125二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 22:29:37
そういやアサミの素性触れられてなかったな
- 126二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 05:47:46
コハルの着衣風呂…あれかな…
- 127二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 08:26:06
ヒフミ「あはは…お、お久しぶりです」
先生「…大方、モモフレンズのグッズを欲してテストをサボったのでしょう?」
ヒフミ「あ、あはは…そこまでお見通しでしたか…」
先生「まぁ、いいわ。補習授業部で良い成績を叩き出して実力を証明する…ただそれだけよ」
アサミ「では次は、他に対象とされた人を迎えに行きましょう。確か正義実現委員会の施設にいる筈です」
???「おや、ヒカル先生ではありませんか」
先生「あっ…久し振りね、コハル。それにミサキ」
ミサキ「アビドスの時以来だね、先生。アサミ、サオリ姉さんと仲良くしてくれてありがとう」
アサミ「お二人はこれからどちらに?」
コハル「校内で弾薬庫に立て籠もっているテロリストを逮捕しに向かうところです。では、急いでいるので」
ヒフミ「…テロリストが校内に…?怖いですね…」
先生「対策委員会の悪乗りに乗せられて銀行強盗した人のセリフじゃないわよ」
- 128二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 13:07:51
正義実現委員会本部
先生「失礼します。誰かいませんか?」
???「あっ、ど、どうもこんにちは…すみません、少し散らかってて…」
ヒフミ「す、凄い量のお菓子…」
???「うふふ、ハスミちゃんは本当に食いしん坊さんですね。この前も回転寿司店でゲヘナの生徒さんと大食い勝負してたって聞きましたよ?」
アサミ「…大量のお菓子の空き箱を積み上げてる正義実現委員会の人と、水着姿で紅茶を嗜んでいる様子のおかしい人と、情報量が多過ぎます」
ヒフミ「えっと…そこの水着の人が補習授業部の二人目です。名は…浦和ハナコ」
先生「…どうも始めまして。私は清瀬ヒカル、シャーレの先生よ」
ハナコ「あら、貴方が噂の…確かに、コハルさんにそっくりですね」
- 129二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 13:57:54
コハル「ハスミさん、お待たせ。大人しく待ってましたか?」
ミサキ「というか浦和ハナコ、いつの間に脱獄してるんじゃないわよ!」
ハスミ「あっ、コハル先輩にミサキ先輩!すみません、只今この変態を牢屋へ送りますので!」
先生「ああ、そこの変態は私が引き取るわよ。彼女も補習授業部に入ることになるから」
コハル「ああ、成程。これで手間が省けましたよ」
???「…シュコー」
ヒフミ「あ、あの…その子は?」
ミサキ「ああ、例の弾薬庫を占拠していたテロリストよ。名は確か…」
???「…錠前シズカ。それ以外に答えることはない」
ヒフミ「錠前シズカ…こ、この人も補習授業部です!」
先生「…奇遇ね、まさか補習授業部に選ばれた人がこの場に一堂に会するなんて」
ハスミ「こ、これは…先生も大変ですね、こんな変わり者に囲まれることとなるなんて。御愁傷様です」
アサミ「…」
ヒフミ「…あの、補習授業部に選ばれた人はさらにいまして…羽川ハスミさん、貴方です」
ハスミ「…へ?」
サオリ「阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、羽川ハスミ…そして…錠前シズカ。これは珍しい顔触れだ」
ナギサ「ええ。そして、シズカの義理の姉を務めていらっしゃる貴方には悪いですが…彼女たちが退学になることで、このトリニティの平和は保たれます。全ては、エデン条約を達成するために」
サオリ「…」
- 130二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 14:34:50
ハスミ「なんで…どうして…勉強はちゃんとしてるし、テストの成績もそこそこだし…」
アサミ「…理由としては、『ちょくちょく巡回中に買い食いしているところが目撃されており、態度に問題が見られるため』というのが一つ。あと成績も特定の教科に偏りが見られるため、だそうです」
シズカ「…それで、私たちは何をすれば良い?」
先生「何、簡単なことよ。3回行われる学力試験のうち、どれか1回でも全員基準点を満たしたら合格。満たせなかった場合は考えずに、真面目にやるわよ」
ヒフミ「というわけで、補習授業部の部長を務めます阿慈谷ヒフミです!これからよろしくお願いします!」
先生「問題で分からないことがあったら、私やアサミに聞いて。大丈夫、普通に勉強して普通に試験を受けて、普通に合格すればいいだけの事だから」
シズカ「成程、分かりやすい任務だ。これからよろしく頼む」
先生「ああそうそう、今回外から頼れる助っ人を呼んでいるから安心してね」
ハナコ「助っ人、ですか?」
エリ「はいどうも、ナギサさん。メロンです。それと依頼の請求書です」
ナギサ「感謝します、エリさん。報酬はいつも通り、口座の方に振り込ませてもらいます」
エリ「いえいえ…ゲヘナ出身の何でも屋をご贔屓にしてくれてるのです。感謝すべきは私の方ですよ」
ナギサ「だからこそ、ですよ。同じトリニティでも、情報を武器に私を引きずり降ろそうと目論む者は多い。ですが貴方にはその野心も、動機もない」
エリ「成程…それはどうも」
- 131二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 14:48:02
- 132二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 17:07:36
二日後 トリニティ自治区内 とある酒場
エリ「ヒカルさん、お疲れ様です。しかし、補習授業部ですか…」
モルガン「ゲーム開発部に比べればまだマシだけど、随分と癖の強い連中だねぇ。授業の手伝いとか必要かい?」
先生「今のところは、直ぐに二人の手を借りる様な状態じゃないわ。まぁ、学力を伸ばす点に関してはアサミの方が詳しいし…二人には別のことをしてもらいたいから」
エリ「…『トリニティの裏切り者』と『アリウスの動向』ですね?」
モルガン「確かに、こっちを探る余裕は今のヒカルには無いね。いいよ、受けてやる」
先生「…感謝するわ、二人とも」
- 133二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 18:05:12
待機
- 134二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 20:27:07
待機
- 135二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 00:18:48
待機
- 136二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 09:12:11
【トリニティの歪み】
補習授業部 合宿所
マリー「けほっ、けほっ…お水まで出して下さり、感謝します」
アツコ「シズカの事だから、ブービートラップとか仕掛けてあるだろうなと想定して進んでいたけど、見事に裏をかかれたなぁ…」
先生「いいのよ、迷惑かけた分はこうしてもてなしてやらないと」
ヒフミ「ですが、どうしてシスターフッドがこちらに?」
マリー「はい、実はシズカさんにお礼を言いたい人が私たちのところに来まして…」
先生「…いじめから守ってくれた人たちがシズカに逆恨みをして正義実現委員会に虚偽の通報をして、で弾薬庫立て籠もりに至ったと」
ハナコ「生徒同士のいじめとか嫌がらせは、本当に酷いですからね…元々は様々な派閥の寄合所帯ですから、ここは…」
シズカ「私はあくまでも、正当防衛をしたまでだ。それにいじめから守ることは、一人の生徒としてやるべき事だから」
ハスミ「そ、そうなんだ…」 - 137二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 12:35:52
その日の夜。先生は合宿所の一室で一人、オフィスから持ち込んでいたウィスキーを開けながら、レポートを書いていた。
「お疲れ様です、先生。それと深酒は遠慮した方がいいですよ」
「大丈夫よ、一瓶丸ごとは飲まないから…ん?」
アサミに注意されつつもロックアイスを入れたグラスを手にしていると、そこにヒフミがやって来た。
「先生、少し相談よろしいでしょうか?」
「良いわよ。と言っても、大体予想はつくけどね…『裏切り者探し』でしょう?」
先生の言葉に、ヒフミの顔がやや引きつる。そして先生はウィスキーを一口飲みつつ、廊下の方へ顔を出した。
「…盗み聞きとは感心しないわよ。ハナコ、貴方もこっちに来なさい」
「…!」
そう呼ばれ、ハナコも先生の部屋へ連れてこられる。そして先生は電気ケトルで湯を沸かし、ホットココアを作りながら話し始めた。
「…ヒフミ。貴方はナギサから『エデン条約の締結を妨害しようとしてくる裏切り者を探して来なさい』と頼まれたのでしょう?で、同じ補習授業部の面々を疑う事など出来ないから、相談しに来たと」
「…はい。ナギサ様はアビドスでの風紀委員会の動向も大分気にしておられました。そしてトリニティの平和のために、問題は早期に解決しなければとも…」
「…やはりね。実はお昼頃、皆が模擬試験をしていた時にミカがこっそり訪れて来てたの。そして色々と話してくれたわ」
「えっ…!?」
「ミカさんが…?」
その言葉に、ヒフミだけでなくハナコの表情も変わる。しかし問い質す前に二人の前に、熱々のホットココアが差し出された。
「でも、今は勉強に集中して。そういう面倒なことは私の様な大人が解決するべきことなのだから」
- 138二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 18:55:36
翌朝 トリニティ自治区郊外
シミコ「あっ、アサミさん!サオリさん!お待ちしておりました!」
アサミ「ここが、トリニティの旧アリウス分校跡か…もはや廃墟ですね」
シミコ「ええ…今回は遺跡調査のアルバイトとその監督となります!よろしくお願いします!」
サオリ「ところで戦友、トリニティがどうやって出来たのかは知ってるか?」
アサミ「先生から幾分かは話を聞きました。かつて、一つの学園にまとまる事に反対していたアリウスは、迫害を受けて姿を消したと…」
サオリ「ああ…だが実際には、別の場所で活動を続けているという。補習授業部に錠前シズカがいるだろう?彼女はそのアリウスから転校してきた生徒だ」
アサミ「…義理の妹という割には、サオリに大分そっくりでしたけど、本当に血の繋がった妹ではないんですね」
サオリ「驚きだろう、戦友?全く…ミカ様も一体何処から見つけ出して来たのやら…」
アサミ「よし…ある程度の遺物は拾えたかな。後はウイさんに任せましょう」
ウイ「うぇぇ…どうして私が外で、こんな仕事を…」
シミコ「予算申請のために、ちゃんと活動を見せるためでしょう?頑張りましょう!」
サオリ「ああ、それと…夕方から大雨になるそうだ。あの合宿所はかなり古いからな、雨漏りとかには気をつけておいてくれ、戦友」
- 139二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:10:26
待機
- 140二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 06:46:30
保守
- 141二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 10:42:57
【深夜のから騒ぎ】
トリニティ自治区 補習授業部合宿所
アサミ「先生、モルガンさんに連絡を入れました。あと10分で修理しに来るとのことです」
先生「分かったわ。しかし…まさか大雨の中で落雷、そして配電盤とかがやられて止まっちゃうなんてね…」
ヒフミ「あ、あはは…」
ハナコ「でもまぁ、水着パーティーがやれてるのですからそれで良いではありませんか」
ハスミ「全然良くありませんよ!」
先生「…アサミ、ハナコは元よりハスミもあんなに大きかったっけ?」
アサミ「この世界のコハルさんとハスミさんの立場が入れ替わりになった様に、体型も入れ替わりになったのかと思いましたが…身長と体型は二人の数値を足して2で割った感じですね」 - 142二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:36:53
モルガン「待たせたね、ヒカル。にしても随分と賑やかそうじゃないか。水着姿で楽しく会話してた様だね」
先生「茶化す前に、先ずは配電盤とか直してくれるとありがたいのだけど」
MO『マスター、検査終わったよ!洗濯機そのものに落雷の影響はないみたい!』
MI『あったかいスープとかレトルト食品も用意しました!皆さんどうぞ!』
YZ『しゅ、修理なら私たちに任せてね…』
ハナコ「あら、これはこれは…ミレニアムの魔術師さんが使役しているという精霊さんたちですか」
モルガン「おや、噂はトリニティの方にまで流れていたとは驚きだねぇ」
先生「その耳の速さには、素直に感心するしかないわ…」
ハスミ「や、やっと着替えることが出来る…くしゅんっ!」
- 143二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:49:50
トリニティ自治区 市街地
先生「まぁ、取り敢えず合宿所の設備が直るまで、こうして市街地でブラブラ歩く事となったけど…皆は何がしたい?」
ヒフミ「でしたら、文房具とか買いに書店に行きましょう!」
シズカ「そうだな。銃撃戦で筆箱が文字通り吹き飛ぶことなんてよくあることだし」
先生「それもそうね。アサミ、この近くに書店があった筈よね?そこに行きましょう」
先生「さて、いい文具はあるかな…ん?」
???「えっ!?せ、先生…!?」
ハスミ「こ、コハル先輩!?」
先生「…貴方、幾ら三年生だからってどうしてそこに…」
シズカ「…成年向け雑誌コーナーからコハルが出てきた…」
アサミ「(…そういう趣味の部分も、先生と同じでしたか…)」
- 144二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:31:24
トリニティ自治区内 とあるカフェ
先生「…私は基本的に、生徒の趣味に対して干渉する気は無いのよ。でもまさか、あんなところでコソコソと買ってたなんてね」
コハル「ううっ…」
アサミ「まぁ、先生もたまに色々と本と酒とタバコを沢山買って、ユウカさんにどやされてることも多いですから、一方的に責めることの出来る立場ではありませんしね」
シズカ「酒にタバコ?先生、それで身体を悪くしたりしてないか?」
先生「たまにアサミや、何処からともなく現れてくるセリナに小言を言われる程度には、ね…」
アサミ「本当にご自愛下さい、先生。下手に体調崩して面倒を見切れない事態になったら、補習授業部の皆さんが大分お困りになるんですから」
ヒフミ「あはは…先生も大変ですね…」
- 145二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 08:13:44
お酒もたばこをやってるのか……
- 146二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 12:28:11
- 147二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 12:35:09
コハル「…ん?イチカから電話ですね。もしもし」
イチカ『あー、もしもし?コハル先輩今何処にいるっすか?今市街地の水族館でゲヘナの生徒が暴れてまして…』
コハル「ゲヘナが?まさか万魔殿か風紀委員会が嫌がらせを…!?」
イチカ『いや、どうやら美食研究会の連中みたいっす。今巡回部隊が対応してるんすけど、応援に来れますか?』
先生「…よりによって美食研ね…コハル、私たちも手伝うわ。その代わり、お互いに今夜のことは…」
コハル「…はぁ、貴方は本当にずるいお方です。分かりました、共に行きましょう」
ヒフミ「せ、せっかくお茶してるところなのに…!」
ハスミ「私なんてパフェ頼もうとしてたところよ!」
先生「まぁまぁ、後で沢山食べさせてあげるから…」
アサミ「一応、頼んだものはテイクアウトの形で確保しておきます。今は水族館で迷惑を振りまいてる食いしん坊さんたちを叩きのめしましょう」
- 148二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 18:31:45
水族館
サオリ「やぁ戦友、忙しそうだな」
アサミ「こんばんは、サオリ。この近くでゲヘナの美食研を見かけませんでしたか?」
サオリ「ゲヘナの?そうだな…市街地の方へ走って逃げて行ったな」
アサミ「非番のところ感謝します。ではハスミさん、さっさと捕まえましょう」
ハルナ「あらあら、全員捕まってしまいましたわね?」
ジュンコ「はぁー、正義実現委員会怖かった…」
アカリ「ところで、この有り得ない方向に折れ曲がった腕どうしましょうか?」
イズミ「せっかく、ゴールデンマグロのお刺身を食べる機会が…!」
先生「貴方たち本当に食べることしか考えてないのね…フウカも大丈夫?」
フウカ「な、何とか…申し訳ありません、先生…」
コハル「では、この人たちの引き渡しは先生にお任せ致します。エデン条約前なので先生が身柄移送を担ってくれるのであれば幸いです」
先生「分かったわ。全く、このまま暴れ続けられたら、この先一生トリニティのグルメを味わう機会が来なくなるわよ貴方たち」
ハルナ「うぐっ…!」
アカリ「見事に痛いところを突いて来ましたね☆」
アサミ「『痛くなければ覚えない』とはよく言いますが、相手がどんなことで痛みを知るのか考えて説教するのは有効的ですね」
- 149二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 22:23:23
トリニティ・ゲヘナ自治区境界線
セナ「お待たせしました。新鮮な4体がこちらにあると聞いて」
先生「腹ペコ共ならこのトラックの中よ」
ヒナ「本当に先生って忙しいのね。補習授業部の面倒からトリニティで暴れたゲヘナ生の捕縛、そして私たちへの引き渡しまで…」
先生「頼まれたことにちゃんと応えるのが、大人の仕事だから。ヒナもこの時間までお疲れ様ね」
セナ「それでは、全員引き取りました。おやすみなさい、先生」
先生「ええ、ヒナたちもおやすみなさい。それじゃ…補習授業部の皆の下に戻りますか」
- 150二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 07:06:36
待機
- 151二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:52:30
【第二次学力試験】
トリニティ自治区 補習授業部合宿所
アサミ「先生、エリさんから情報と、依頼料の請求書です」
先生「ありがとう、アサミ。アリウスのアジトの幾つかは正義実現委員会への通報で潰して、面倒ごとを起こすだろう温泉開発部の面々もアサミと風紀委員会のお陰でしばし行動不能。後は、第二次学力試験を無事に終えるだけ…」
アサミ「はい…しかし、もどかしいですね。私たちも何とか先んじて手を打ってはいますが、相手が私たちよりさらに先に一手を打ってくるために、これまで先生が経験してきた展開となっている…」
先生「だからこそ、私たちは最善最良の選択を欲しているのよ。でも、その選択が本当は間違いだった…なんて可能性もあるのが怖いのよ」
アサミ「…確かに、先生は直接、『選択の誤りがもたらしたもの』を目の当たりにしていますからね」
ヒフミ「先生、大変です!第二次学力試験の日程とか試験範囲が変更されています!」
先生「…早速ね。皆を教室に集めて、さっさと試験の準備に取り掛かるわよ」 - 152二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 14:53:09
トリニティ自治区郊外 ゲヘナ自治区との境界線付近
ハルナ「皆さん、お待たせしました」
ハスミ「えっ、美食研究会!?どうしてここに?」
先生「ゲヘナ自治区を通る関係上、道案内が出来る人を雇っておいたの。いわゆる司法取引よ」
アカリ「しかもわざわざ車をレンタルしておいてくれて、感謝します☆」
ヒフミ「ですが、どうしてゲヘナ自治区の中に試験会場が…」
シズカ「それぐらいに、私たちを退学させたいということか…」
アサミ「皆さん、ここで考えてる暇はありませんよ。さっさと向かいましょう」
キングゥ「まさか、温泉開発部と風紀委員会の双方に対して手を打っているとは驚いたよ。ミレニアムの時といい、あの先生はかなりのやり手だ」
???「ええ…だからこそ、私たちも同様に手を打っておきましょう。どのみち、ここでアリウスと裏切り者の行動を止めることは出来ないのだから」
- 153二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 17:57:24
1時間後
ヒフミ「なんとか、試験開始時刻にまで間に合いましたね…」
先生「美食研の皆も、無事に逃げおおせたみたいだから、後は試験を受けるだけだけど…」
シズカ「皆、こっちを見て。砲弾がある」
ハナコ「中身は…紙の束ですね。それに通信機もあります」
アサミ「成程…事前に用意してたというわけですか。ともかく、急いで試験を終えてトリニティに帰りましょう」
???「こちら『クロムウェル』、配置に就いた。仕込みも万全だ」
キングゥ「ナイスだ、モレー。タイミングは君に任せるよ」
モレー「だけど…本当に爆破だけでいいのか?例の『爆弾』を使ってもいいのだろう?」
キングゥ「始末だけなら、ここまで回りくどい方法は取らないよ。まぁ、今はこの茶番劇を続ける方に力を入れようじゃないか」
ハスミ「どうして、こうなるんですか!?」
シズカ「色々と、吹き飛ばされてしまったな…」
ハナコ「まさか、ここまで徹底的に邪魔をするとは…」
ヒフミ「せ、先生…」
先生「…何故、何故なの…!?」
- 154二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 19:49:03
待機
- 155二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:35:59
【今はただ努力あるのみ】
トリニティ自治区 補習授業部合宿所
アサミ「先生、模擬試験の結果が出ました」
先生「そう…しかし、こうも補習授業部の活動を邪魔されていくとなると、本当に頭が痛いわ…」
アサミ「…『あの人』も同じ事をよく仰られていました。でもそれでも、出来ることを一つずつ進めていって、何とか補習授業部の皆さんを合格させる事に成功しました」
先生「…とにかく、今はただやれることをしていこう。ヒフミたちはあんなに頑張っているのだから、さらに力を入れないと」
アサミ「ええ…それと、エリさんとモルガンさんから連絡です。内容はこちらの手紙にあります」
先生「アナログも時には便利なものね。さて…」
先生「補習授業部を全員合格させる。そしてエデン条約を邪魔する要因も解決する。両方やらなくちゃならないのが、大人の辛いところね」 - 156二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:36:54
たいきほしゅ
- 157二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 10:01:05
先生「皆、準備できてる?」
ヒフミ「あっ、先生!実はシズカちゃんが話したいことがあるって…」
先生「話したい事?」
シズカ「ああ…皆には正直に話しておきたいことがあるんだ」
先生「…シズカは実はアリウスから送り込まれた間諜で、アリウスに対してトリニティの情報を流していた…」
アサミ「でもその裏ではアリウスを裏切り、エデン条約を締結するために奔走していた、と…」
シズカ「ああ…私はエデン条約によってもたらされる筈の平和のために戦うことを選んだ。アリウスがトリニティと和解し、正式にキヴォトスに復帰する機会はエデン条約以外にない」
ハナコ「シズカちゃん…貴方って人は…」
シズカ「このトリニティでヒフミたちと出会い、補習授業部で過ごした日々は本当に楽しかった。この日常を守るためなら、私は何だってやる」
先生「…シズカ。何か悩んでいることがあったのなら、ちゃんと私に説明して。大人として手伝えることがあるのなら手伝ってあげるから」
シズカ「怒らない、のか…?」
先生「怒っているわよ。でも、それは自身の悩みを打ち明けなかったことに対して。そういう難しい問題を解決するのは、私たち大人のやるべきことなのだから」
- 158二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 10:30:26
その夜 補習授業部合宿所
先生「…そろそろ時間ね。アサミ、シズカとハナコは?」
アサミ『現在、私たちはナギサさんの方へ向かっています。先生もお気をつけて』
先生「分かってるわよ…来たわね」
エリ「お待たせしました。随分と派手に動こうとしていますね」
モルガン「エリはともかく、私までも引っ張り出してくるなんて相当面倒なことが起きそうだねぇ」
先生「あくまでも学力試験がメインだから、戦闘は私たちメインで進めていくわよ。それに…話も色々と手紙で通してあるから」
エリ「手紙…?」
???「お待たせ、呼んだ?」
???「ん、ファウストからの指示でここに来た」
???「覆面水着団、トリニティに参上です♡」
???「随分と派手に仕掛けたものだな、先生。戦友から話は聞いているよ」
- 159二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:54:09
アサミ『先生、到着しました。皆さんに音声流します』
先生「分かったわ。にしても、よく手伝ってくれたわね」
サオリ「先生には多くの恩があるからな。それに応じるのはトリニティとして当然だ」
ヒヨリ「強化合宿でシズカちゃんの成績が上がってきているって話を聞いて一番喜んでいましたからね、サオリ姉さん」
シロコ「それに、アビドスでは結構助けてくれたし。困っているときはお互い様」
先生「皆…」
ハナコ『では、私たちのリーダーから伝言です。『あはは、えっと…それなりに楽しかったですよ、ナギサ様とのお友達ごっこ』』
先生「…」無言で頭を抱える
サオリ「これはひどい」
セリカ「ちょっと、これはひどい…」
ミサキ「…後でお見舞いに行こうか」
- 160二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 19:07:41
補習授業部 合宿所
アリウス生徒A「くそ、スパイが裏切った!」
アリウス生徒B「しかもティーパーティーの護衛や正実の奴もいる!謀ったな!」
シズカ「よし、これである程度時間は稼げている…あとは、正義実現委員会の人たちが来るまで耐え忍べば…」
アサミ「ですが、このまま籠城するのも厳しいです。試験会場に移動しつつ対応しましょう」
先生「皆お待たせ!ナギサはそこにいるわね!?」
アサミ「随分と軽かったので余裕で運べました!先生頼みます!」
先生「ええ、任された!」
モルガン「おや、お姫様抱っことはやるねぇ」
エリ「とりあえずシズカさんが仕掛けたもの以外にもブービートラップを仕掛けたので、直ぐには追い付けない筈です!」
シロコ「ん、私も手伝った」
ミサキ「しかし、まさかアリウスがここまで忍び込んでくるとは思ってもみなかったな…警備は一体どうしていたのよ…」
キングゥ「おや、アリウス部隊はすっかり手玉に取られているねぇ。だがここからは『彼女』が引っ搔き回してくれる筈だ」
???「―理解できぬ。枢機卿ペトロ、貴様は一体何を企んでいる?」
キングゥ「なーに、トリニティそのものを揺るがすだけですよ、無名の司祭どの。さて…上手くやりなよ、お姫様」
- 161二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:02:08
「よし、やっと試験会場の近くにまで…」
一同の先陣を切るハスミはそう言いながら、先へ進んでいこうとする。がその時、エリが彼女の首根っこを掴んで引き戻した。
「待って下さい!」
遅れて言葉が出た直後、モルガンの連れているドローンが警告を発する。そしてアサルトライフルがその正体を炙り出した。
『この先に、クレイモアが仕掛けられてるよ!それに、周辺にアリウス生徒の反応を多数検出!』
「先回りされた…!?」
シズカが珍しく瞠目の表情を見せる中、そこでようやくナギサが目を覚ます。そして彼女を抱える先生が立ち止まった時、二人の耳に声が聞こえてきた。
「まさか、ここまで頑張るとはね。流石はシャーレの先生と補習授業部に選ばれた裏切り者の候補たちだね」
「その、声は…!?」
ナギサの声が震える。振り向いたハナコは、先生の表情を見て息を飲む。それはまるで、悪夢を目の当たりにしたかの様に。
「やっ、久し振りだね先生。どうしたの、そんな顔して?まるで―裏切り者でもいたみたいなさ」
その言葉に、最初に口を開いたのは先生ではなく―この中で最も必死に頑張ってきた、ヒフミだった。
「どう、して…どうしてなんですか…ミカ様…!?」
- 162二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 03:46:10
保守
- 163二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 11:27:30
「ミカ、さん…!?」
ナギサの驚愕と困惑の入り混じった声が響く。その目前には、何人ものアリウス生徒を率いる聖園ミカの姿があった。
「ナギちゃん、先生にお姫様抱っこされてて羨ましいね。まさか、先生たちがここまで動くのは信じられなかったよ」
「…ミカ。やはり貴方がアリウスと手を組んでいたのね」
先生の問いかけに対し、ミカは表情を崩すことなく答える。
「そうだよ。元々パテル分派とアリウスは、反ゲヘナという点が共通してたから。それに、パテル分派内部やエデン条約に元々反対してた人たちは、ナギちゃんをホストの席から引きずり降ろして私をホストの座に就ける計画を立ててた。その上でアリウスを同盟相手としてゲヘナを攻め滅ぼすことも」
その話に、多くの者たちが息を飲む。考えつく限りで最も最悪な計画に、ナギサさえも唖然となる。
「そう…ゲヘナをこの世から消し去って、疑わしき敵全てを倒して、本当の楽園をキヴォトスに築き上げる。それがパテルとアリウスの立てた計画。ナギちゃんには悪いけど、大人しくしてもらえると嬉しいな」
ミカから言われ、ナギサの顔が引き攣る。とその時、先生は口を開いた。
「…その計画、本当に貴方が望むことなの?」
その問いかけに、今度はミカの顔が引き攣る。そして先生は彼女を真正面から見据えながら言った。
「私はあの時言った。『私は、全ての生徒の味方』だと。でも、誰も幸せになれない様なことには断固反対するわよ。私は…学校や立場の区別なく全ての生徒を守るためにシャーレに来たのだから」
- 164二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 20:05:33
その時だった。真横より多数の砲弾が降り注ぎ、アリウス生徒たちの周辺に着弾する。砲弾が飛んできた方向へ目を向けると、そこには十数人のシスター姿の少女たちがあった。
「先生、それに皆さん、お待たせしました!」
「ナイスタイミングでしたよ、サクラコさん!」
「アレは、シスターフッド…!?」
歌住サクラコ率いるシスターフッドの出現に、ミカも瞠目を露わにする。先生はハナコへ目を移しつつ、ニヤリと笑う。
「こちらは元々妨害を受ける前提で策を練っていたからね。ここから先は私たちのターンよ」
直後、シスターフッドが銃撃を開始。補習授業部の面々も攻撃を仕掛け始め、アリウス生徒部隊は複数方向からの銃撃に押され始める。ミカもその中で激しく抵抗するが、自身の戦力が一人、また一人と倒れていく中、不利に陥っていく。
「ミカ様!これ以上の戦闘は無益です!降伏を!」
「相変わらず優しいんだね、ヒフミちゃんは。よくそれでアビドスの皆と銀行強盗が出来たものだね」
急に信じ難い発言を流しつつ、ミカは短機関銃一丁でシスターフッドの生徒を一人ずつ倒していく。その戦闘技術は余りにも高く、ハナコたちはそれに驚くばかりだった。
「でも、私はもう止まれないの。何せ、パテルはそれを望んでいるから。セイアちゃんがああなった以上、私は…!」
その時、彼女の目前に先生が踊りかかる。ミカは咄嗟に左手を振り、しかし彼女の拳を先生の身体が受け止めた。
「せ…先生!?」
「ヒカル!?」
「ヒカルさん…!?」