【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.14

  • 1ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:23:13

    【あらすじ】
    まさか先客が知り合いなんてことは無いでしょう。

    ※Part.13が過去ログに格納されてしまったので、その続きになります。

  • 2ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:24:34
  • 3ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:25:34
  • 4ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:26:40
  • 5ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:28:02
  • 6ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:32:37

    ────────────────────

    ホシノ:
    「げっ・・・。」

    ”やぁ、二人とも。”



    リン:
    「・・・。(嘘でしょう? みたいな顔)」

    カヤ:
    「おや、奇遇ですね、先生。 それにホシノさん。」

    固まるリンとホシノを置いて、先生とカヤは親しげに挨拶を交わす。

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 09:37:28

    このレスは削除されています

  • 8二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 09:38:09

    8

  • 9ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:40:44

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    「───なるほど、柴関ラーメンのビンゴ大会で一等を当てたのはセリカさんでしたか。
    中々どうして、偶然が重なることもあるものですね。」

    ”そうだね。
    私も ここで二人に会うとは思わなかったよ。
    ところでヘリで来たみたいだけど、そのヘリは使えるのかな?”

    カヤ:
    「えぇ、可能ですよ。 ご入用ですか?」

    ”・・・うん。 今はいいかな。 でも、万が一の時は使わせて欲しいかも。”

    カヤ:
    「えぇ、その際は喜んで。」



    ホシノ:
    「・・・。」

    リン:
    「・・・。」

    親し気に話す先生とカヤの後から、気まずそうにする二人が続く。
    特に話題もないので、その地獄のような状況は先生が二人に水を回すまで続いた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 09:53:04

    ありがたやありがたや…

  • 11ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:58:58

    カヤ:
    「───さて、先生方と話はつきましたね。
    我々は二人ということもあって、あちらより少人数ですので こちらの離れを使わせて頂きましょう。」

    リン:
    「・・・そうですね。」

    リンはゲンナリした様子でカヤに同意した。

    カヤ:
    「おや? いつもより覇気がありませんね。
    先生に会ったのが それほどストレスでしたか?」

    リン:
    「そういうワケでは・・・。」

    カヤ:
    「では、アビドス廃校対策委員会の皆さんですか?」

    リン:
    「・・・。」

  • 12ホットドリンク大好き25/04/28(月) 09:59:38

    リンは普段のポーカーフェイスが どこか遠くへ飛んでしまったのか、分かり易く目を逸らした。

    カヤ:
    「言っておきますが、彼女らの境遇と貴方の仕事は無関係ですよ?」

    リン:
    「・・・分かっています。」

    カヤ:
    「ですが納得はしていませんね。」

    リン:
    「・・・。」

    カヤはリンに顔を近づけた。

    カヤ:
    「───やはり貴方は優し過ぎる。
    今回は全て私に任せて、貴方は休暇を楽しむべきです。」

  • 13ホットドリンク大好き25/04/28(月) 10:01:20

    リン:
    「・・・却下します。
    『かつての貴方』より『今の貴方』の方が幾らか器用とはいえ、貴方は物事をやり過ぎるきらいがありますから。」

    カヤ:
    「そうですか。」

    カヤはリンに背を向けた。

    カヤ:
    「そういうことであれば、今はこの状況を楽しみましょう。
    まずはこの離れを掃除し、拠点として使えるよう整える必要があります。
    その後、このリゾートの電源施設が生きているかを確認し───」



    ───── パッ

    リンが軽く手を叩いた。
    やはり それだけでカヤの動きは止まり、訓練された猟犬のようにリンの方へ向く。

    リン:
    「・・・後の予定については目先のことを片付けてから議論しましょう。
    今は ともかく、先生方に倣って清掃の時間です。」

    カヤ:
    「分かりました。」

    ────────────────────

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 14:58:14

    縦乙
    再開ありがとうございます…

  • 15ホットドリンク大好き25/04/28(月) 21:01:35

    掃除中の二人。(指揮、リン。 力仕事、カヤ。)

    そこに現われた乱入者は───


    1.ジャブジャブヘルメット団

    2.ワカモ

    3.特にいなかった


    dice1d3=2 (2)

  • 16ホットドリンク大好き25/04/28(月) 21:12:50

    ────────────────────

    ワカモ:
    「お邪魔致しますね。」

    カヤ:
    「邪魔をするのでしたら帰って頂けませんか?」

    リン:
    「・・・。」

    どこかで聞いたようなやり取りに、リンは作業の手を止めざるを得なかった。
    そして、あの店主は本当にカヤの骨子を形作った人物なのだと再認識した。
    何しろあのカヤが、幼子のように早速マネているのだから。

    ワカモ:
    「そう言われて大人しく帰る人間が本当にいらっしゃると───・・・あら?」

    カヤ:
    「おや、ワカモさんではありませんか。」

    ────────────────────

  • 17ホットドリンク大好き25/04/28(月) 21:14:01

    ワカモの、カヤに対する態度───


    dice1d100=95 (95)


    (1に近いほど忌避感を示し、100に近いほど友好的)

  • 18ホットドリンク大好き25/04/28(月) 21:29:22

    ───極めて友好的。
    ワカモは、カヤに対して完全に心を許している。
    その態度は親友を相手にしたソレであり、大型犬のように全力で好意を表現する。

    類は友を呼ぶもの。
    二人の狂気が ある種 似通っているか、或いは根の歪な幼さが互いを結びつけるのかもしれない。

  • 19二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:26:24

    まさかのマブダチ……

  • 20二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 01:56:35

    oh

  • 21二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 02:33:58

    ……そうか……(ボンドルドのほうの)カヤ……おまえにも友人が……

  • 22二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 07:17:00

  • 23二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 12:19:23

  • 24二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 14:08:46

    >>21

    カヤにこれ言えるの連邦生徒会長か先生くらいだろ…

  • 25二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 15:38:46

    今度こそ保守ってみせる

  • 26ホットドリンク大好き25/04/29(火) 21:45:19

    ────────────────────

    ワカモ:
    「─── カヤさん ではありませんか!!」

    ワカモは その豊かなボディでカヤに抱きつく。
    普段の黒装束を着ていないこともあって一層小柄なカヤは、その胸の中にスッポリと収まってしまった。

    カヤ:
    「奇遇ですね。」

    体格差のある相手に勢い良く抱きつかれたにも関わらず、カヤの体幹は一切揺らぐことは無かった。
    それどころか、ワカモの背に手を回して抱擁を交わす余裕すらある。

    リン:
    「・・・知り合いなんですね。」

    先生を迎えた初日に襲撃を受けた身として、当然ワカモの素性を把握しているリンは、咎めるような怖い顔でカヤを睨んだ。

    カヤ:
    「えぇ。」

    しかし肝心のカヤは、リンの『こわいかお』を無効化した。
    カヤは『クリアボディ』だった。

  • 27ホットドリンク大好き25/04/29(火) 21:47:34

    カヤ:
    「昔からの腐れ縁でして。
    時に撃ち合い、時に利用し合う仲なのです。」

    ワカモ:
    「ウフフ♡
    それもまた、美しい友情とは思えませんか?
    策謀と暴力に塗れた友情には、裏切り を超越した絆があるのですから♪」

    リン:
    「・・・。」

    リンはカヤが二人に増えたかのような状態に頭痛を覚え、額に指を当てた。
    突っ込み処は多いが、今は早急に片割れに退出して貰わないとキャパオーバーするのは時間の問題だろう。

    リン:
    「そうですか・・・。
    それで話は戻るのですが、此方に何か用が?」

    持ち前の怖い顔で、言外に『さっさと出て行け』という雰囲気を醸し出す。
    カヤには効かなかったが、ワカモにはどうか。

  • 28ホットドリンク大好き25/04/29(火) 21:49:01

    ワカモ:
    「そうですね・・・確かに用はあったのですが、カヤさんが いらっしゃるのでしたら話は別です。
    ここは引き上げると致しましょう。」

    効果があったか どうかは怪しいが、ワカモはリンの望み通り踵を返した。

    カヤ:
    「おや、もう行かれるのですか?
    少し お待ち頂ければ煎茶を ご馳走しますよ。」

    そこでカヤが余計な一言を口にする。
    リンからすれば頭痛案件だが、ワカモからすれば嬉しい一言だったようで、片手を仮面の頬に当てて機嫌が良さそうな笑い声を零す。

    ワカモ:
    「フフフフ♡
    貴方は そうして、いつも私を誘惑いたしますね。
    しかし、今日ばかりは その手に乗りませんよ?
    これでも仕事中の身・・・長居するワケには参りませんので。」

  • 29ホットドリンク大好き25/04/29(火) 21:49:54

    そう言って、しかし少し名残惜しいのか、未練を断ち切るようにワカモは手をヒラヒラとさせた。
    どうやら お茶の誘いはワカモの中で かなり強力なようだ。

    カヤ:
    「そうですか・・・それは残念です。」

    リン:
    「・・・。」

    少しシュンとした雰囲気を漂わせるカヤとは対象的に、リンは一切の緊張を解かずにワカモを怖い顔で見送る。
    ここで「やはり少しくらい・・・」などと言われては、リンのストレス指数の上昇は免れない。

    ワカモ:
    「あぁ、そんな顔を なさらないで下さい。 また参りますから。」

    リン:
    「・・・。」

    ワカモの別れの言葉に、流石のリンも嫌そうな顔を禁じ得なかった。
    なんとなくではあるが、この二人を会わせてロクなことが無いような気がするのだ。

    カヤ:
    「そうですか。 それは良かった。」

    リン:
    「・・・会う時は、私の居ない時にして下さい。」

    ルンルンで去って行くワカモを見送りながら、リンは隣に立つ同僚に釘を刺した。

    ────────────────────

  • 30二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 00:23:19

    ワカモ×カヤだって⁉︎

  • 31二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 03:07:18

    待機

  • 32二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 05:52:42

    たあき

  • 33二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 08:30:27

    >>30

    こんなの割とマジで僕のデータにないぞ!

  • 34二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 17:51:43

    カヤとリンとワカモの三角関係…果たしてどうなるか

  • 35二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 22:10:17

    >>33

    逆にある奴は何なんだよ

  • 36ホットドリンク大好き25/05/01(木) 00:01:42

    ────────────────────


    ワカモの襲来を去なした二人は、リゾートの離れの掃除を終えると発電施設へと向かった。


    <リゾート・発電施設───>


    ───── ザパァッ


    カヤ:

    「─── ふぅ・・・。 海中のタービン回転軸の錆びが酷いですね。

    この状態で十分な電力は供給されないでしょう。 早急な清掃が必要です。」


    報告を聞いたリンは眉を顰めた。


    リン:

    「・・・困りましたね。 リゾートのシステムであれば、何か今回の件についての情報が記録されているのではと思いましたが・・・。」


    カヤ:

    「この調子だと、かなり前からシステムは止まっているでしょう。 ・・・情報については諦めた方が宜しいかと。」


    リンから乾いたタオルを受け取ったカヤは、率直な意見を述べる。

    全身から滴る海水を、真っ白なタオルが吸っていく。

  • 37ホットドリンク大好き25/05/01(木) 00:03:08

    リン:
    「同意します。 しかし・・・そうですね・・・。」

    カヤ:
    「おや、何か考え事ですか?」

    カヤは海水を吸ったタオルを丁寧に畳みながら尋ねた。

    リン:
    「いえ・・・その・・・それでもリゾートのシステムを使えた方が、何かと便利ではないかと・・・。」

    珍しく歯切れの悪いリンに、カヤは同意を示す。

    カヤ:
    「そうですね。
    休暇を十分に楽しむなら、電力を自由に使えた方が良いですよね。」

    リン:
    「・・・。」

    現代人らしいワガママを言い当てられたリンは、怖い顔とも少し違う、拗ねたような顰めっ面を浮かべた。
    的は得ているが、そのまま言われると複雑な気分だった。

  • 38ホットドリンク大好き25/05/01(木) 00:03:59

    カヤ:
    「少し待っていて下さい。」

    カヤは そう言うと、浜辺に置いておいた荷物から衛星電話を取り出した。

    ───── ピ、ポ、パ・・・プルルルルルッ

    カヤ:
    「─── 私です。
    突然の話で申し訳ありませんが、今すぐ潮力発電用の簡易清掃キットを配送して頂けませんか?
    ─── はい、それで構いません。 至急─── はい。」

    ───── ピッ

    カヤ:
    「─── 少し、待ちましょうか。」

    リン:
    「・・・まさか、『アレ』を使うつもりですか?」

    何となく この後 起こることを察したリンが、『正気ですか?』と言わんばかりの白い目をカヤに向ける。
    それに対してカヤは、全く悪意なく素直に頷き、肯定した。

  • 39ホットドリンク大好き25/05/01(木) 00:05:23

    カヤ:
    「えぇ、今回のようなケースに最適ですので。
    恐らく、小一時間後には『着弾』するでしょう。
    ・・・それまで海魚の塩焼きでも如何ですか?」

    そう言って、カヤは荷物の中からイソイソと三叉の銛を取り出す。
    引き締まった肉体に身の丈ほどの銛を担ぐ姿は、どこか絵になった。

    リン:
    「・・・。」

    カヤ:
    「心配ありません。
    荷物は無事に届きますよ。
    なにしろアレは、私をレッドウィンターまで送り届けた実績のある手法ですから。」

    リン:
    「・・・(溜息)。」

    ────────────────────

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 00:25:23

    更新神

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 01:52:54

    清掃のためになに使ったの??

  • 42二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 07:10:40

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:29:26

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:31:31

    カービィ

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:32:03

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:32:18

    エアライダー

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:33:35

    カヤ上はSwitch2当たりましたか?

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:56:37

    このレスは削除されています

  • 49ホットドリンク大好き25/05/01(木) 22:08:15

    >>47

    書いてる人はPS民だから、そもそもスイッチやってなくて抽選参加できないよ。

    でもPS民である以上にフロムイ言者だから、今後もスイッチ2専売ソフトがフロムから出るなら中古に流れてくるの待って買うかな。




    カヤ上はスイッチ2(みたいなの)は───


    1.当たった

    2.外れた

    3.自分は外れたけど、スオウが当たったのを知ってる


    dice1d3=3 (3)

  • 50ホットドリンク大好き25/05/01(木) 22:10:00

    ( °)<「ねぇ、例の最新ハード当たったよね? ねぇ?」

    スオウ:
    「帰れ。 早急に帰れ。」

  • 51二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:29:15

    微笑ましい(?)

  • 52ホットドリンク大好き25/05/01(木) 22:40:47

    ────────────────────


    <一時間と少し後・・・>


    ───── キ ィン・・・・・・ ドッ!!!!


    一瞬 耳鳴りのような音が聞こえたと思うと、次の瞬間 少し離れた位置の浜辺が大量の砂を撒き散らして爆発した。


    カヤ:

    「───届いたようですね。」


    リン:

    「そうみたいですね。」


    衝撃波によって二人のいる浜辺の砂も少し巻き上げられるが、二人は気にすることなくグリルで焼いた海魚を口に入れた。

    ・・・少し砂の味がするが、元々 塩が砂っぽい食感なので誤差だ。

    荷物は逃げないので、二人は ゆっくりと食事を摂った後にグリルの片付けまでして爆発現場まで向かった。


    そこには衝撃でグシャグシャになったコンテナが、半ば砂浜に埋まっていた。


    リン:

    「・・・話には聞いていましたが・・・想像以上に無理やりな方法ですね。 『カーゴランチャー』。」

  • 53ホットドリンク大好き25/05/01(木) 22:42:03

    カヤ:
    「そうかもしれませんね。 しかし、こういう急を要する輸送では助かりますよ。」

    カヤは そう言って、本来はプラズマカッターなどの装備が必要なコンテナの開封を素手で行う。
    バキッっという金属からは通常 鳴らない音がしたかと思うと、やがてギギギギギッと金属が虚しい抵抗をする音が鳴り響いた。
    歪んだコンテナの扉が開く。

    ───── ドササッ

    コンテナの中から、腐るほどの緩衝材が雪崩出てきた。
    カヤは それを掻き分けると、中から折りたたまれた巨大な金属の板を取り出す。
    それはカヤの身長の数倍はあるサイズで、しかしカヤは その金属の塊を軽々と持ち上げた。

    リン:
    「それは?」

    カヤ:
    「パネル型の水中音波クリーナーです。 これで手早くタービンの清掃が完了しますよ。」

    カヤは片手でパネルの束を支えながら、もう反対側の手でコンテナの緩衝材の中から縦長のドローストリングバックを取り出す。
    それはコンテナの金属壁に ぶつかると、ゴンッと重い音を鳴らした。

    カヤ:
    「ふむ・・・これは必要なかったかもしれませんね。」

    ────────────────────

  • 54二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 04:41:03

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 05:28:52

    カーゴランチャー……AC6かな?
    そのうちクリーナーとかオーバードレールガンとか出してきそう

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 14:17:19

    急ぎの時はカーゴランチャーで人を送っているのかな?

  • 57二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 19:01:09

    送られた人ボロボロになってそう

  • 58ホットドリンク大好き25/05/02(金) 22:05:37

    (|) <「大丈夫、私が身を以て安全性を確認しましたから。 ───さぁ、次は貴方の番です。」

  • 59二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 22:09:09

    ちょっとポリスノーツみを感じた

    リンカヤのバディ感あるの好き

  • 60ホットドリンク大好き25/05/02(金) 22:32:23

    ────────────────────

    潮力発電のタービンの清掃は、カヤが直接 潜って清掃する仕上げを経て、約1時間で完了した。
    巨大なタービンが水中で回り出す。

    カヤ:
    「───これで電力は問題ないでしょう。
    リゾートのシステムからコンセントまで十全に使えるはずです。」

    リン:
    「確認してみましょう。」

    リンは手持ちのタブレットを起動した。
    右上のアイコンを見ると、確かに電波が来ていることが分かった。

    リン:
    「・・・。」

    ついでにスマホの充電が出来るか、野外コンセントに充電器を挿して確認してみる。
    ───── ピコンッ
    ・・・確かに電力は来ているようだ。

  • 61ホットドリンク大好き25/05/02(金) 22:33:25

    リン:
    「ここからは私が やります。 貴方は・・・そうですね。 自由にしても構いませんよ。」

    カヤ:
    「そうですか。
    そういうことでしたら、私は別の施設の方を見てきますよ。」

    カヤはリゾートの内陸側を見た。
    その目には純粋かつ狂気的な好奇心が見て取れる。
    探険に対する そのような好奇心は、リンの知る『かつてのカヤ』には無かったものだ。
    そして それが見て取れた時、大抵『かつて』のソレとは また違ったロクでも無いことが起こる傾向が強い。

    リン:
    「・・・嫌な予感がしますが、まぁいいでしょう。
    用事が終わったら離れの方で待っていて下さい。 私もそうしますから。」

    カヤ:
    「分かりました。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 62ホットドリンク大好き25/05/02(金) 22:59:16

    <数時間後・・・>


    リン:

    「───で、そちらは?」


    カヤ:

    「倉庫の方で眠っていた自立型リゾート警備ロボットです。

    保存状態が良く、システム周りを少し点検するだけで動き出しましたよ。」


    警備ロボット:

    『認証済ユーザーを確認。 引き続き、安全なバカンスを お楽しみ下さい。』


    リン:

    「・・・そうですか。」


    リンの冷めた目に構うことなく、警備ロボットは業務に戻っていった。

  • 63ホットドリンク大好き25/05/02(金) 22:59:56

    リン:
    「・・・で、それは何ですか?」

    リンの前には、警備ロボットとは別に巨大なタレットが設置されていた。

    カヤ:
    「対空タレットです。
    こちらも自立型で、リゾートのシステムに従って全自動で敵を迎撃します。」

    リン:
    「はぁ・・・。」

    カヤ:
    「他にも成果はありまして───」

    ───── スッ

    他にもゴチャゴチャと探険の成果を引っ張り出してきそうなカヤを、リンは手で制した。
    これ以上は頭痛が痛くなる。(強調表現)

  • 64ホットドリンク大好き25/05/02(金) 23:01:07

    リン:
    「貴方の成果は分かりました。
    確認ですが・・・それらは先生方に危害を及ぼすものでは ありませんね?」

    カヤ:
    「えぇ、問題は ありません。
    確かに私は この島全体の防衛システムを点検・修理しましたが───」

    リン:
    「・・・。(面倒臭そうな顔)」

    カヤ:
    「─── 先生方のいる地区のシステムは敢えてオフにしてあります。
    万が一、先生方が『入れ違いで制御室からシステムの電源を入れない限り』危険は及ばないでしょう。
    システムへのユーザー登録は本人の生体情報が必要ですから、私では先生方の登録は出来ませんし・・・。」

    リン:
    「・・・? 私の登録は どうやったんですか?」

  • 65ホットドリンク大好き25/05/02(金) 23:02:04

    カヤ:
    「・・・。」

    リン:
    「・・・。」

    カヤ:
    「───動力は既に復旧していますし、よほどタイミングが悪くなければ入れ違うようなことは無いでしょう。」

    リン:
    「あの、私の生体情報は どうしたんですか?」

    カヤ:
    「・・・。」

    リン:
    「・・・。」

    カヤ:
    「・・・聞きたいですか?」

    リン:
    「・・・(溜息)。 いえ、いいです。 ・・・ですが、悪用はしないように。」

    カヤ:
    「えぇ、勿論。」

    ────────────────────

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 00:12:33

    ほしゅ

  • 67二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 00:16:47

    >>66

    早すぎる

    保守荒らしかよ

  • 68二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 00:18:15

    嘘はつけないカヤ上
    誤魔化すのが下手なカヤ上
    好き

  • 69二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 05:16:15

    カヤ「リン代行のためですから」(悪意0)

  • 70二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 09:38:44

    >>67

    すみません、寝る前に保守しようと思っただけで荒らすつもりは無かったんです。

    更新してるか見てなかったです。すいませんでした。

  • 71二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 11:25:26

    >>58

    (無事にすむとは言ってない)

  • 72二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 14:10:06

    >>64

    万が一、先生方が『入れ違いで制御室からシステムの電源を入れない限り』危険は及ばないでしょう。

    フラグかな?

  • 73二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 21:41:49

    カヤちゃんは可愛いですね。

  • 74ホットドリンク大好き25/05/03(土) 22:58:00

    保守は基本、幾らでもして構いません。
    正直、次スレを建てる前に過去ログに格納される方が100倍 面倒臭いです。
    だからケンカせず、気軽に保守して下さい。

  • 75ホットドリンク大好き25/05/03(土) 23:27:27

    ────────────────────


    <アビドス廃校対策委員会と先生が、カヤの修理した警備ロボット軍団を相手にしている頃・・・>


    リン:

    「───というわけでシステムのログを確認したところ、ここ最近で突然ユーザー登録が増加しています。

    それと同時に削除処理に入った回数も多い・・・。

    登録されたユーザー情報と削除されたユーザー情報、それらの関連性を見るにこれは・・・───」


    カヤ:

    「───戦争ですか。 面白そうですね。」


    リン:

    「・・・貴方であれば、そうでしょう。

    しかし一般的には面白くありません。

    これらは長期化すれば紛争問題として根付く恐れがあります。

    行政として、これは早期解決を目指すべきかと。」


    カヤ:

    「おや、最近の腰が重くなった連邦生徒会の長である貴方が言うのですか?」

  • 76ホットドリンク大好き25/05/03(土) 23:30:16

    リン:
    「・・・代行です。
    それに今は非番ですから。」

    カヤ:
    「非番時の方が動きが早いというのも おかしな話です。
    やはり、代行の席は私に譲りませんか?
    貴方の能力を活かすには、そちらの方が効率的だと思うのですが。」

    リン:
    「・・・(溜息)。 ・・・それをすると貴方は恐怖政治を敷くでしょう?
    それを抑える為に、原則として連邦生徒会長が不在の場合は筆頭行政官が代行するという条文があるんです。
    『かつての貴方』ならともかく、『今の貴方』であれば この理屈は理解できますよね?」

    カヤ:
    「えぇ、理解できます。
    緊急時のリスク管理としては完璧なロジックです。
    しかし、それで貴方が参ってしまっては元も子もありません。
    どうしようも無くなったときは、いつでも私と代わって下さいね?」

    リン:
    「・・・余計な お世話です。
    貴方と代わるくらいなら、先生に全権を委任します。」

    カヤ:
    「正論ですね。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 77ホットドリンク大好き25/05/04(日) 00:24:18

    そんなことを話していると、表から誰かが駆けてくる足音が聞こえてきた。
    それは扉の前まで やってきて、バンッと勢い良く扉を開ける。

    ワカモ:
    「失礼いたします! カヤさんは いらっしゃいますか!?」

    カヤ:
    「はい、いますよ。 緑茶を煎れますか? 和菓子の準備も出来ていますよ。」

    慌てた様子のワカモに構うことなく、カヤはマイペースに茶会の準備を始めようとする。
    しかしその前にワカモに抱きつかれて動きが止まった。

    ワカモ:
    「びぇぇぇん!! カ”ヤ”さ”ん”・・・!! 先生が・・・先生が悪い狐たちに・・・!!」

    カヤ:
    「今 、緑茶を煎れますからね。」

    幼子のように抱きついて泣きじゃくるワカモを引き摺りながら、カヤは一杯の緑茶を煎れた。
    そしてワカモを引き剥がしてソファに座らせ、その前に緑茶を差し出した。

    カヤ:
    「一番茶です。 新茶ですから風味が豊かですよ。」

    ワカモ:
    「ぐすっ・・・頂きます・・・。」

  • 78ホットドリンク大好き25/05/04(日) 00:25:30

    ワカモはコップに入った緑茶を丁寧な所作で口に入れると、少し 落ち着いたのかポツポツと事情を話し始めた。

    ワカモ:
    「───それで・・・先生を お救いすることは叶わず・・・。」

    カヤ:
    「それはそれは・・・中々 難儀なことになっているようですね。」

    リン:
    「・・・。」

    3人で卓を囲み、真ん中には和洋折衷の お菓子が並ぶ。
    その場は完全に お茶会の様相を呈し始めていた。

    ワカモ:
    「ですから、カヤさんの お力を拝借しようと参りました。
    カヤさんであれば、私に力を貸して下さいますよね?」

    カヤ:
    「・・・申し訳ありません。
    今は我々の問題で手一杯でして。
    先生の一大事・・・直接手助けしたいところではありますが・・・。」

    ワカモ:
    「そんな・・・!」

    仮面越しでも分かるほど悲嘆に暮れるワカモ。
    そんなワカモに対して、カヤは一枚の書状と鍵を取り出した。

  • 79ホットドリンク大好き25/05/04(日) 00:26:13

    カヤ:
    「ご安心ください。
    直接お助けすることは出来ませんが、出来るだけの助力はさせて頂きます。
    実は この近くで、新造された戦艦のテスト航行が行われているんです。
    我々の代わりと言ってはなんですが、そちらの指揮権を お貸ししましょう。
    対特異存在をコンセプトに造られた戦艦です。
    並の軍隊であれば、容易く壊滅できるでしょう。」

    ワカモ:
    「・・・やはり持つべきものは友ですね。
    この恩は いずれ お返しします。 ───では。」

    ワカモはヘリの鍵と指揮権の委任状、そして肝心の戦艦が航行している方角をカヤから聞き出すと、お茶会を中座する非礼を詫びながら、足早に その場を去っていた。

    カヤ:
    「───大変なことになりましたね。
    まさか先生が拐かされるとは・・・。
    あの聡明な大人を相手に、それほどの手を打てる勢力があったとは驚きです。」

    リン:
    「・・・もしかして、彼女は思い込みが激しいのでは?」

    カヤ:
    「・・・?
    確かにそういった側面がある事実は否定しませんが・・・急にどうしました?」

  • 80ホットドリンク大好き25/05/04(日) 00:27:28

    リン:
    「いえ・・・今更 遅いかもしれませんが・・・。
    ・・・彼女が言っていた先生を誘拐した悪い狐というのは、先生と一緒に行動しているアビドス廃校対策委員会の皆さんのことでは?」

    カヤ:
    「・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・・・・・・・おや。」

    リン:
    「・・・止められませんか?」

    その時、丁度 遠くでヘリが飛び立つ音が聞こえた。

    カヤ:
    「無理ですね。」

    リン:
    「そうですか・・・。」

    二人:
    「「・・・。」」

    リン:
    「責任は・・・とりましょう。 ・・・お互い。」

    カヤ:
    「・・・そうですね。」

    ────────────────────

  • 81二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 07:23:59

    さて原作通りになるのか更にカオスになるのか……

  • 82二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 11:47:37

    原作よりも強力な戦艦と戦うことになるのか…

  • 83二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 11:48:43

    原作より味方が増えてるかもしれないからバランスは取れてるかも?

  • 84二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 11:52:56

    何かの間違いで水着リオがいるかもしれない

  • 85二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 15:21:07

    その戦艦大丈夫?
    なんか超兵器積んでない??

  • 86二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:11:57

    総力戦が始まるのか

  • 87ホットドリンク大好き25/05/04(日) 22:50:35

    >>84

    水着リオは───


    1.いる

    2.いない


    dice1d2=1 (1)

  • 88二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:52:11

    >>87

    やったぜ!!

  • 89二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:52:45

    草ww

  • 90ホットドリンク大好き25/05/04(日) 22:57:49

    ───いる。
    戦艦()の技術顧問として搭乗していた。

    ワカモ:
    「カヤさんの委任状ならあります。 これで、私の指示に従って頂けますでしょうか?」

    リオ:
    「・・・確かに彼女の筆跡ね。
    そういうことであれば、貴方の言を信用しましょう。
    ───面舵一杯。 目的地をロストパラダイスリゾートに変更して頂戴。」

  • 91ルフィ25/05/04(日) 23:38:56

    >>90

    何やってんだお前ェっ!

  • 92ホットドリンク大好き25/05/04(日) 23:48:42

    ────────────────────


    <翌日・・・───>


    ───── ゴォォォォォォ・・・!!!!


    リン:

    「・・・やはり、来てしまいましたね。」


    カヤ:

    「思ったより早かったですね。」


    ホシノ:

    「・・・なんで おじさん、君達と一緒にいるのかなぁ・・・。」


    カヤ:

    「おや、話を聞いていなかったのですか?」


    ホシノ:

    「いや、そういうことじゃなくてね・・・。」

  • 93ホットドリンク大好き25/05/04(日) 23:50:01

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ”・・・ワカモが戦艦で攻めてくる??”

    リン:
    「えぇ・・・すみません。 ・・・こちらの確認ミスです。
    先生が未確認勢力に誘拐されたと聞いて、特に確認もなく貸し出してしまいました・・・。」

    カヤ:
    「申し訳ございません。」

    ”まぁ・・・起きちゃったことは しょうがないよ。
    それより、これからどうするかを考えよう。”

    リン:
    「はい・・・そのことなのですが・・・。」

    言い辛そうにするリンに代わり、カヤが口を開いた。

    カヤ:
    「こちらの不備が発端にも関わらず、このようなことを申し上げるのは大変 心苦しいのですが・・・小鳥遊ホシノさんを戦力として こちらに お貸し頂けませんか?」

    ”・・・何か作戦があるのかな?”

    カヤ:
    「はい。 問題の戦艦の基礎設計には、私も携わっています。
    ですから知っているのですよ。 ───どうすればアレを沈黙させられるのか。」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  • 94ホットドリンク大好き25/05/04(日) 23:51:17

    カヤ:
    「アレを黙らせるには、私と、もう一人 同等の戦力を持った人間が必要です。
    そして他にも最低二人の指揮官が。 ・・・これはリンと先生が当てはまります。
    しかし、私と同等の戦力と言うと、貴方しかいないのですよ。」

    ホシノ:
    「おじさん を過大評価し過ぎなんじゃない?
    少なくとも、貴方と戦えるとは思えないけど。」

    カヤ:
    「おや、可愛い後輩が どうなっても良いのですか?
    ここで我々が共闘しなければ、お楽しみのリゾートはパーになりますが・・・それでも良いのですね?」

    ホシノ:
    「・・・。」

    カヤ:
    「それに、貴方の場合『戦えない』のではなく、単に私と共に『戦いたくない』のではありませんか?」

    ホシノ:
    「・・・分かってるなら、聞かないでくれるかな。」

    カヤ:
    「知らないのですか?
    人は言葉でコミュニケーションを とるのですよ?」

  • 95ホットドリンク大好き25/05/04(日) 23:52:58

    ホシノ:
    「・・・。」

    カヤ:
    「・・・。」

    リン:
    「・・・(溜息)。
    カヤ、元はと言えば我々の不備なのですから あまり強い言葉は使わないようにして下さい。
    ホシノさん・・・不服なのは分かりますが、今だけは協力して頂けると助かります。」

    二人:
    「「・・・(コクリ)。」」

    リン:
    (・・・? この二人、何か似ているような?)

    ───── (サイレン音)

    まるで鏡合わせの像を見たかのような感覚を覚えたリンの思考を妨げるように、島にサイレンが響き渡った。

    警備システム:
    『地域内ニ、許可サレテイナイ武装船舶ヲ───』

    ───── キィン・・・!

    そのアナウンスが最後まで聞こえることは無かった。
    水平線に浮かぶソレから、一筋の光が放たれたから。
    それは、一瞬 遅れて凄まじい衝撃波をカヤ達に伝える。
    まるでダイナマイトが爆発したかのように、島の内陸部で大爆発が起こった。 それは熱と光を帯びない、純粋な衝撃だった。

  • 96ホットドリンク大好き25/05/04(日) 23:54:19

    リン:
    「『オーバードレールキャノン』・・・! 完成していたんですか・・・!!」

    カヤ:
    「いえ、実用化には まだ足りません。 現段階は、あくまで実践テストの段階です。
    とはいえ・・・いまのでメインの制御室が潰されましたね。」

    ホシノ:
    「うへぇ・・・今からアレを相手にするの? 本当に??」

    警備システム:
    『・・・制御ヲ、サブシステム ニ移行。 砲門ヲ解放───』

    怯むことなく次の手を打ち続けるシステムだったが、そのアナウンスも最後まで聞こえることは無かった。
    突如 海中から現われた竜のような何かが、その腔内からレーザーのような水流を走らせスピーカーを薙ぎ払ったから。
    ついでに、上陸の駄賃と言わんばかりに地上に露出した砲門も踏み潰す。

    ───── アォォォォォォ・・・!!!!

    それは機械仕掛けの竜だった。
    流線型で、前肢が笹の葉状の奇妙な形状をしている。 顎は四方向に開き、それが生物でないことを強調していた。

    カヤ:
    「ふむ、『RAY』の稼働に問題は無いようですね。」

    リン:
    「・・・贅沢を言うようですが、今だけは不調であって欲しかったですね。」

    ホシノ:
    「そういう問題かなぁ・・・。」

  • 97ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:04:30
  • 98言ってみたかっただけ25/05/05(月) 00:10:33

    「フォックス…ダイ…」

  • 99ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:23:43

    警備ロボット:
    『危険ナ熱源ヲ感知。 直チニ対処ヲ───』

    RAYに警備ロボットが群がろうとするが、RAYは まるで意に介さなかった。
    それは圧倒的体格差からくる余裕ではなく、ロジックから遅くとも数秒後には それらが全て無力化されることを知っていたから。

    ───── バチッ・・・!!

    人体でも感じるほどの電圧差。
    カヤにはそれが、強力な電磁パルスだと分かった。

    カヤ:
    「・・・そういえば、このリゾートの警備ロボットに対電磁パルス装甲はありませんでしたね。」

    カヤの その呟きが真実であることを証明するように、次々と警備ロボットが沈黙していく。
    ここに、リゾートの警備システムは完全に沈黙した。

  • 100ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:24:50

    ホシノ:
    「う~ん、よく分からないけど・・・アレを倒せば良いのかな?」

    カヤ:
    「いえ、我々の目標は あくまで本体の戦艦。 あれは戦艦の搭載機でしかありません。
    その証拠に ご覧ください。 ───まだまだ来ますよ。」

    ───── ザバァッ・・・!!!

    ───── ザバァッ・・・!!!

    ───── ザバァッ・・・!!!

    ホシノ:
    「うぇ・・・。」

    カヤの言葉通り、海岸から無数のRAYが次々と上陸してきた。
    リゾートの白い砂浜は、今や産卵に来たウミガメかと言わんばかりに大量に現われたRAYによってメタリックに輝いている。

    RAY軍団:
    『『先生を解放せよ。 ───繰り返す。 先生を解放せよ。』』

  • 101ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:43:47

    リン:
    「・・・いけますか?」

    カヤ:
    「えぇ、ヘイローが出ていないので全て無人タイプでしょう。」

    リンが耳打ちすると、カヤは得物の火炎放射器を吹かした。
    獣の咆吼のような轟音を上げて、熱が辺り一帯に広がる。

    カヤ:
    「ホシノさん、頭部を狙って下さい。
    我々の火力であれば十分に装甲を突破できるはずです。」

    ホシノ:
    「ん、分かった。」

    次の瞬間、二人の姿が砂浜から消える。
    すると次の瞬間には、一番 二人から近かったRAY二機が閃光と鈍い音と共に倒れた。

    カヤ:
    「───まずは一つ。」

    ホシノ:
    「───へぇ・・・以外と脆いんだね。」

  • 102ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:45:21

    目にも留まらぬ電光石火の早業ではあるが、取り残されたリンは驚くことなく淡々とタブレットとマイクを起動する。
    少なくとも彼女の知るキヴォトスでは、このくらい日常茶飯事であった。

    リン:
    「・・・カヤは右翼を。 ホシノさんは左翼のRAYを順に沈黙させて下さい。」

    カヤ:
    『分かりました。』

    ホシノ:
    『はいはい。』

    リン:
    「先生、聞こえていますか?」

    『”ばっちり聞こえてるよ。”』

    リン:
    「先生方は、そのままRAYを引き付けておいて下さい。
    我々は展開されたRAYを殲滅後、本体との戦闘に移ります。 ・・・ご武運を。」

    『”そっちも気を付けてね。”』

  • 103ホットドリンク大好き25/05/05(月) 00:46:56

    リン:
    「─── さて。」

    リンはタブレットを通して戦況を確認した。
    高度な分析による拡張現実が指し示す情報によると・・・カヤの後ろに戦力が集中しつつある。
    このままだと幾らか不意を突かれるだろう。
    ホシノの方も、現在 交戦中のRAYの背後で、多数のRAYが水流レーザーを準備しつつある。
    放っておけば流石にキヴォトスの人間でも多少の傷を負う。

    リン:
    「カヤ、背後に戦力が回ってきています対処して下さい。
    ホシノさん、目の前のRAYの背後から例の水流レーザーが多数 来ます。 注意して下さい。」

    二人:
    『『分かったよ(分かりました)。』』

    リン:
    (・・・あと数分もあれば、こちらに回された分は殲滅できるでしょうか。)

    残りのRAYは全て先生とホシノを除いたアビドス廃校対策委員会が対処することになってしまうが、元よりそういう作戦である。
    今は、互いの全力を尽くす他なかった。

    ────────────────────

  • 104二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 00:51:40

    元ネタ通りなら25機あるよな…何機かはカヤホシが相手するだろうが…果たして…

  • 105二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 04:38:22

    リオは戦艦で宇宙猫になっていそう

  • 106二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 09:12:13

    >>98

    「じゃない!」

  • 107二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 09:12:47

    >>106

    「残念ながら 今回はそうはいかない」

  • 108二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 18:32:35

    待機

  • 109ホットドリンク大好き25/05/05(月) 22:10:53

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    ラブ:
    「ねぇ!! このポンコツどうやって動かすワケ!?」

    リオ:
    『?? 事前に説明したわよね?
    右のレバーで姿勢制御、左のスティックで方向転換よ。
    水流カッターは中央のボタンで、ミサイルは右手のボタン。
    それで移動は中央のスティックで、ブレーキが引き金として一緒に付いているわ。
    あと機銃が左手にある引き金で、緊急回避が───』

    ラブ:
    「分かんないって!!」

    ジャブジャブヘルメット団A:
    『隊長・・・それマニュアル操作じゃない?』

    ジャブジャブヘルメット団B:
    『オートマ操作の方が楽だよ?』

    ラブ:
    「はぁ!? どういうことよ!!」

  • 110ホットドリンク大好き25/05/05(月) 22:11:21

    リオ:
    『どういうことって・・・オートマチック操作は習熟が簡単だけど、システムを理解して貰うには あまり効率的ではないわ。
    まずはマニュアル操作を覚えて貰って、次にオートマチック操作を覚えて貰った方が その機体に対する理解が深まると思うの。
    例えば今説明した移動とブレーキの機能を持ったスティックの機構は───』

    ラブ:
    「そういうの どうでもいいから!! 今、目の前に敵が迫ってるから!!!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ノノミ:
    「何だか慌ててる様子ですね。 仲間割れでしょうか?」

    シロコ:
    「ん、ともかく好都合。 今のうちに袋叩きにする。」

    アヤネ:
    「う~ん、なんだか可哀想な気がしますが・・・。」

    ”待ってあげる・・・?”

    セリカ:
    「甘いこと言わないの! そんなこと言ってたら、こっちがやられるわよ!」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 111ホットドリンク大好き25/05/05(月) 23:09:28

    ────────────────────

    リオ:
    『─── 残念ね。 マニュアル操作を先に覚えた方が合理的だと思うのだけど・・・。』

    ワカモ:
    「リオさん。 そちらは もういいですから、こちらの操作を教えて頂けませんか?」

    リオ:
    『そうだったわね。
    でも、そちらに至っては あまり教えることも無いのだけど。』

    リオは そう言って、コックピットにいるワカモに説明を始めた。

    リオ:
    『この対特異存在をコンセプトにした戦艦・・・いえ、これ以上の情報の秘匿は無意味ね。
    ─── デカグラマトンの預言者、コクマーをモデルにした水陸両用の移動要塞である本機は、航行時は全長600メートルを超える超大和型戦艦だけど、上陸時には体長が1kmに達する大蜥蜴に変形するわ。
    その武装は多岐に渡り、実弾とレーザーの切り替えが可能な三連装砲に、実弾とプラズマそれぞれのミサイル、電磁パルスにオーバードレールキャノン・・・他にもRAYを代表とした各種搭載機など とても一人で操作できる量の兵装ではないの。』

    ワカモ:
    「そうですね。 流石の私も一人で戦艦を操作しろと言われては困ってしまいます。」

  • 112ホットドリンク大好き25/05/05(月) 23:10:56

    リオ:
    『だから、本機の操作は基本的に脳波で行うわ。
    そのコックピットは巨大なMEG(脳磁計)だと思って頂戴。
    全長1kmの巨大な蜥蜴は、貴方の思った通りに動くはずよ。』

    ワカモ:
    「あら、楽で良いですね。」

    リオ:
    『楽な分、操作できる兵装も限られるわ。
    手元のマニュピュレーターで細かい動作を補正できるのだけど、グリップにある引き金で頭部の機銃を斉射できるだけよ。
    機銃といっても60mmを超える巨大な実弾砲だから、それなりの効果は期待できると思うけど。』

    ワカモ:
    「他の兵装は乗組員・・・あるいは貴方の操作だと考えても?」

    リオ:
    『その認識で問題ないわ。
    実戦では基本的に こちらの判断で操作するのだけど、全体指揮は貴方に権利があるから、もし必要な操作があれば口頭で指揮して頂戴。』

  • 113ホットドリンク大好き25/05/05(月) 23:14:29

    ワカモ:
    「分かりました。
    ウフフ♡ これでようやく貴方様を お助けできますわ♪」

    リオ:
    『あぁ、言い忘れたことが一つ あったわね。
    コックピットに映し出される映像は、無数のカメラ映像を繋ぎ合わせて作られたものよ。
    だから人間に分かり易いようにCG処理をされているのだけど、それは まだ完全ではないの。』

    ワカモ:
    「つまり?」

    リオ:
    『前に言ったように、本機は対特異存在・・・特に巨大な怪物を相手にするコンセプトで造られている。
    だから、対人は想定していない。
    この機体からすると人は小さすぎて、現段階では どれだけ補正を掛けても小さなマーカーの点でしかないと思うの。
    つまり個人を識別することは出来ない。
    ・・・愚問だとは思うけど、シャーレの先生に危害を加えることだけは避けて頂戴ね?』

    ワカモ:
    「フフフフ、確かに愚問ですね。
    私が先生をCG越しでも見分けられないワケないではありませんか。
    つまりあの島には件の悪い狐しか いないのです。
    何を躊躇することがあるでしょう?
    ・・・まぁ確かにカヤさんがいても分からないかもしれませんが、彼女が的に紛れているワケもありませんし。」

    リオ:
    『そうね。 彼女が先生を誘拐した勢力に紛れているワケは無いわね。』

    ────────────────────

  • 114二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:24:32

    フラグでしかないw

  • 115二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 07:11:24

    フラグ乙

  • 116AI繋がりで1つ小ネタ25/05/06(火) 11:35:02

    『先生、今すぐに端末の電源を切ってください!』
    "何て言った?"
    『任務は失敗に終わりました!
    今すぐ電源を切ってください!』
    "一体どうしたの?"
    『うろたえないで、これはゲームです!
    いつものゲームなんです。』
    "何を言ってるの!?"
    『先生、聞いてください。
    先週の木曜の事です。
    私は車で家に帰る途中でした。
    家まであと2マイルほどの所……ふと目を上げると東の空にオレンジ色の光る物体が見えたんです!
    とても不規則に動いていました……そして次の瞬間、あたり一面が強烈な光に包まれ――
    気がつくと私は家に着いていました……。
    どう思います?』
    "どうって……"
    『わかりました……もういいです……。』

  • 117二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 17:10:15

    『私の我慢にも限度があります。
    もう先生には任せておけません。
    私が出撃します!先生はもう帰ってください!!』

  • 118二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 21:37:48

    『しかし、随分長い間ゲームしてますね。
    他にすることはないんですか?まったく……。』

  • 119二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 22:21:36

    『まさか貴方は不正な手段でインチキなスコアをだそうとはしていないでしょうね?
    それは最悪の行為ですよ。全く……。』

  • 120二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 23:25:49

    『実は私はかなりお金に困っているんです。
    離婚した元妻への慰謝料とかですね……。
    この前、食事代をあなたに払わせてしまったのも仕方のないことだったんですよ。
    申し訳ない……。』

  • 121ホットドリンク大好き25/05/06(火) 23:27:45

    ────────────────────

    カヤ:
    「─── 来ましたか。」

    砂浜に島かと見紛うほど巨大な戦艦の衝角が乗り上げる。
    それと同時に戦艦全体に亀裂・・・否、最初から設計によって定められた線が走る。
    それは次々と数を増やしていき、やがて割れるガラスのように内から本来の姿を現した。

    ─── 全身に鱗のように広がる黒鉄の装甲。
    ─── 生物のように息づく全身のアクチュエーター。
    ─── 全身に搭載された、とても人に向けるモノではない武装の数々。
    ─── 形態変化が完了したことを表す眼光灯が、パイロットの尋常では無い敵意を表すかのようだった。

    空気が、否、大気がソレに収束する。
    その場にいる誰もが、息を吸っているのだと分かった。
    ソレは上体を、鎌首をもたげるように起き上がらせると、吸い込んだ大気を一気に吐き出した。

    「────────────────────!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

    ───── それは、正しく機械仕掛けの龍であった。
    吐き出された大気は、正しく周囲を蹂躙する。
    至近距離にいたカヤ達は言わずもがな、離れた残存RAYですら衝撃に よろめき、先生達は耳を押さえた。

  • 122ホットドリンク大好き25/05/06(火) 23:29:21

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ホシノ:
    「・・・うるさいなぁ。」

    至近距離で咆吼を受けたはずのホシノは、しかしそう吐き捨てた。

    カヤ:
    「疑似ヘイローは正常に稼働しているようですね。」

    カヤもまた、咆吼を無視して冷静に目の前の怪獣を分析する。

    リン:
    「・・・つまり、通常兵器より厄介ということです。」

    耳を押さえていたリンも、咆吼が収まると一転して冷静に戦況を分析し始めていた。
    伊達に普段からカヤ(小さな怪獣)を抑え込んでいないのである。
    このくらいでは動揺しない。

  • 123ホットドリンク大好き25/05/06(火) 23:30:01

    ホシノ:
    「本当に倒せるの? これ。」

    ホシノは上体が持ち上がったことで体高が300m以上(東京タワーくらい)になった怪獣を見る。
    倒せないことはないだろうが、ちょっと面倒くさそうだ。

    カヤ:
    「えぇ、設計さえ知っていれば簡単に倒せますよ。」

    カヤはそう言うと、火炎放射器を背中に背負った燃料タンクに掛けて仕舞い、重そうなドローストリングバッグから明らかにヤバい見た目をした円柱状の兵器を取り出す。
    それは紫色の光を帯び、帯電しているのか時折バチバチと閃光を走らせた。

    カヤ:
    「─── では、当初の作戦通りに。」

    ホシノ:
    「─── やれば良いんでしょ。」

    確認を取り合った二人は、圧倒的スケール差に怯みもせずに目の前の大海龍に戦いを挑んだ。

    ────────────────────

  • 124ホットドリンク大好き25/05/07(水) 00:15:50

    ────────────────────

    ワカモ:
    「目の前に踊る子狐が2匹・・・煩わしいことです。
    私は今すぐ先生を お救いしたいというのに・・・。」

    ワカモの視界に映るコックピットの映像には、圧倒的スケールの差をものともせずに機敏に攻撃を躱す2つの点があった。

    ワカモ:
    (・・・とはいえ、これだけの攻撃を躱せるというのは非常に厄介ですね。
    恐らく相当な手練れでしょうし・・・ふむ。)

    ワカモは少し考える素振りを見せた後、遠くに見える点を確認した。
    ワカモは、その点こそが先生であると確信していた。
    そして、実際にその点は先生である。

    ワカモ:
    「先生、どうか 堪え性のない私を許して下さい。」

    ワカモは敢えて声に出して先生に謝罪すると、機体のポジションを『絶対に先生を巻き込まない位置』に ずらした。

    ワカモ:
    「貴方様に嫌われてしまうかもしれませんが・・・それでも私は、一秒でも早く先生を お救いしたいのです。」

    少しの躊躇。 しかし直ぐにそれは覚悟へと変わった。

    ワカモ:
    「リオさん。 例の『海流砲』を準備して頂けますか?」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 125ホットドリンク大好き25/05/07(水) 00:16:18

    リオ:
    「・・・『海流砲』を? 貴方 正気?」

    ワカモ:
    『えぇ、私は正気です。 今、目の前で踊る子狐には それだけの価値があると判断いたしました。』

    リオ:
    「あれは人に向けて撃つものでは無いわ。」

    ワカモ:
    『しかし、他に打開策もない。 そうではありませんか?』

    リオ:
    「・・・。」

    ワカモ:
    『範囲は折り紙つき。 それに ここは海に浮かぶ群島の端に過ぎません。
    威力が貴方の言う通りだったとしても、何を躊躇することがあるでしょうか?』

    リオ:
    「・・・そうね。 確かに実験には もってこいの環境かもしれない。」

  • 126ホットドリンク大好き25/05/07(水) 00:17:34

    乗組員A:
    「技術顧問・・・。」

    リオは手を上げて言葉を制した。

    リオ:
    「分かっているわ。
    しかし、実験はしておかないと いざという時に真価を発揮できないのも事実よ。
    ・・・連邦生徒会には私から後で謝っておくから。」

    乗組員A:
    「・・・承知。」

    乗組員は、機器の操作に戻った。

    リオ:
    「─── 『トランジッション海流砲』、用意。」

  • 127ホットドリンク大好き25/05/07(水) 00:18:26

    乗組員A:
    「エネルギー充填、120%。」

    乗組員B:
    「フライホイール、始動。」

    リオの前に銃状のインターフェースが現われた。
    リオはそれを握り、引き金に指を合わせ、青いガラスのようなもので出来たゴーグルを掛ける。
    そうして照準に目線を合わせた。

    リオ:
    「発射 用意。
    ターゲットスコープ、オープン。
    電影クロスゲージ、明度20。
    ─── 総員、対ショック、対閃光 防御。」

    乗組員C:
    「エネルギー、100%から120%へ。」

    リオ:
    「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・発射!」

    撃鉄が、火花を散らした。

    ────────────────────

  • 128二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 02:26:42

    対閃光防御ってことは、ハイドロポンプじゃなくてはかいこうせん的なビームなの?

  • 129二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 07:08:03

  • 130二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 13:43:23

    ノノミ

  • 131二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 13:45:42

    ミロカロス

  • 132二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 20:19:18

    ちなみにミロカロスはハイドロポンプもはかいこうせんも覚えるぞ!

  • 133ホットドリンク大好き25/05/07(水) 21:35:59

    そして海流砲は実質 宇宙戦艦ヤマトの波動砲だぞ!
    とってもキラキラ()したハイドロポンプなんだ!

  • 134ホットドリンク大好き25/05/07(水) 22:27:50

    ────────────────────

    ─── その変化は突然 訪れた。
    頭部に備え付けられた機銃から背面の三連装砲、ミサイルに果てには背負うように取り付けられた超大型のレールガン───オーバードレールキャノンすら使って弾幕を展開していた大海龍の動きが突然止まる。
    そして、まるで何かの衝撃に備えるように前脚を地面に深く突き刺し、そのビルすら咥えられそうな大顎を開く。

    その動作で、基礎設計を知っているカヤは、目の前の大海龍が何をしようとしているのか 分かってしまった。

    砂浜の砂が巻き上がるほど強く踏み込み、大海龍の懐へと飛び込む。
    その背後に、何を言うでもなくホシノが続いた。

    大海龍の腔内が蒼い輝きを帯び始める。

    カヤ:
    「─── ホシノさん。」

    ホシノ:
    「分かってる!!」

    珍しく焦った様子を見せるホシノは、カヤから件の円柱状の兵器を受け取る。
    ホシノの愛銃であるショットガンはカヤが受け取った。

  • 135ホットドリンク大好き25/05/07(水) 22:41:41

    ───── ピポポポポポ・・・

    大海龍の背に設けられた煙突状の突起から、腔内のソレと同じ蒼い光が溢れ始める。
    それと同時に、あまりのエネルギーから大海龍の周囲の空間でバチバチとプラズマが発生し始めた。

    カヤ:
    「今です。」

    ホシノ:
    「─────ッ!!」

    大海龍の光輝く腔内の目と鼻の先で、カヤは反転し腰を落としてレシーブの構えをとる。
    ホシノは少し跳んで、カヤの下腕部分に足を乗せた。
    それを確認したカヤはホシノをレシーブの要領で若干後方へと弾き飛ばす。
    ホシノはその勢いに乗って、通常よりも高く、高く翔んだ。
    そしてその高度は、遂に大海龍の横っ面に並ぶ。

    ホシノ:
    「───いい加減に・・・しろッ!!!」

  • 136ホットドリンク大好き25/05/07(水) 22:42:43

    ホシノが手に持った円柱状の兵器の先端が、大海龍の装甲に触れる。

    ─── そして次の瞬間 発生する圧倒的な衝撃波と閃光。
    しっかりと観測することが出来た者がいたら、それはまるで大海龍の頬から雷の大木が伸びたように見えただろう。

    ─── まるで巨人に殴り飛ばされたかのように、大海龍は体勢を崩す。
    そしてその腔内から、一瞬の閃光の後、蒼く輝く極太の奔流が放たれた。

    全てを破壊せんとする圧倒的な質量とエネルギーの奔流は、本来の照準からズレて、しかし島の端を掠めて水平線へと飛んでいく。
    それはごく自然に、当たり前のように島を削り、海を割った。
    まるで古の預言者が海を割ったかのような光景が広がる。
    神の力の一端を再現するに至った奔流は、やがて細くなっていき、遂には虚空へと消え去った。
    水平線の果てから、ゆっくりと海が元の姿に戻っていく。
    海の底に出来た巨大な海溝もまた、その姿を消していった。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 137ホットドリンク大好き25/05/07(水) 22:49:55

    兵器の反動によって吹き飛ばされたホシノは、空中で身を翻して姿勢を立て直し、やがて何事も無かったかのようにカヤの横に着地した。

    ホシノ:
    「ケホッ・・・コホッ・・・・・・いやぁ~・・・つい熱くなっちゃったかな。」

    カヤ:
    「そうですね。
    昔の貴方を思い出しましたよ。
    覚えていますか? 昔は よく一緒に『踊り』ましたよね。」

    ホシノ:
    「・・・覚えてないから。」

    カヤ:
    「そうですか。 いつか思い出して頂けると嬉しいです。」

    ホシノ:
    「・・・。」

  • 138ホットドリンク大好き25/05/07(水) 22:50:38

    カヤはホシノに愛銃を投げ渡した。
    ホシノも、カヤに件の兵器を返す。

    カヤ:
    「【雷穿の槌(ボルトバシリカ)】の甘美な調べ・・・その本懐を遂げる瞬間を、心待ちにしているのですね。」

    全力稼働する冷却機構とジェネレーターの音に耳を澄ませ、カヤは少しウットリとした様子で呟いた。
    ホシノは一瞬 引いた顔をした後、カヤから目をそらして見なかったことにした。

    カヤ:
    「行きましょう、これが最後の一仕事です。」

    ホシノ:
    「おじさん、これが終わったら今日は一日中ゴロゴロしたって許されるよね・・・。」

    ────────────────────

  • 139ホットドリンク大好き25/05/07(水) 23:02:36

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【雷穿の槌(ボルトバシリカ)】

    アリウスから脱した元アリウス生の内、愉快な兵器を生み出すことに信仰を見出した一派による作品。
    元々は雷の槍を飛ばすオーパーツだったものを改造したもの。

    外の世界、それも濃密な神秘に包まれた奈落の底。
    そこで人ならざる大敵と対し続けた彼女らは思い至った。
    単純な、それでいて強い忍耐を要求される狩りにおいて、トドメの瞬間は快感で無くてはならぬ。

    だからこそ、雷は投げるのではなく叩き付けねば。
    己を強く律することを強要した獲物に、鉄槌を喰らわせねば気が済まないのだから。

    得物とは、きっと面白くないというだけで良い得物とは成り得ない。
    暗い闇において、雷の光は きっと良く映えるだろう。

    ─── 君、狩りを楽しみたまえよ。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 140二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 00:21:11

    火薬庫の方でいらっしゃる?

  • 141二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 01:15:13

    フロムっぽい説明文好き

  • 142二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 06:12:14

    このレスは削除されています

  • 143二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 07:29:08

    >>140

    アーチボルド(変人)かもしれない

  • 144二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 12:36:57

    ⭐の

  • 145二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 19:20:51

  • 146ホットドリンク大好き25/05/08(木) 22:33:55

    ────────────────────

    ───── ビーッ ビーッ

    雷穿の槌(ボルトバシリカ)に吹き飛ばされた頭部、その中のコックピットにいたワカモは、しかし その衝撃吸収機構によって無事であった。
    元々 自らよりも巨大な怪物を相手にすることを目的に造られた機体である。
    殴り飛ばされた程度の衝撃では、コックピットはビクともしない。

    リオ:
    『通信は聞こえてる? 意識があったら返事をして頂戴!』

    通信でリオの声が響く。
    しかしワカモは、それに返答することなく譫言のようにブツブツと呟き続けるのみであった。

    ワカモ:
    「今の動き・・・何より この理不尽さ・・・そんな、まさか・・・。」

    ワカモはマニピュレーターが嫌な音を立てるほどに、強く、強く握り締めた。

    ワカモ:
    「なぜ・・・どうして・・・どうして そちら側にいるのですか! カヤさん!!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 147ホットドリンク大好き25/05/08(木) 22:34:24

    大海龍:
    「────────────────────!!!」

    意識を失ったかのように眼光灯が消えていた大海龍のソレが、再び灯る。
    そこに宿った光は、パイロットの感情の如く焼けるような烈日だった。

    その巨体からは想像もつかないような俊敏な動きで起き上がったかと思うと、次の瞬間には その巨大な爪がカヤ達に迫った。
    まるで高層ビルが横薙ぎに迫ってくるような錯覚を覚える光景。

    リン:
    『カヤ、受け止められますね?』

    カヤ:
    「勿論です。」

    カヤは軽く、本当に軽く、まるでカーテンか暖簾に触れるかのように そっと掌を迫り来る巨大な壁に向けた。
    すると、その全てを薙ぎ払わんとする巨大な壁は、まるで『絶対に動かすことも破壊することも出来ないオブジェクト』に接触してしまった3Dモデルのようにピタリと止まる。
    反作用によって、辺り一面の砂浜の砂が、地中で爆発でもあったのかのように舞い上がった。

  • 148ホットドリンク大好き25/05/08(木) 22:36:36

    カヤ:
    「ふむ・・・私程度であれば多少は後退させて貰わないと困るのですが・・・。
    これではカンナが相手となると腕が へしゃげてしまいますよ?」

    リン:
    『・・・貴方達を想定していては、予算が幾らあっても足りません。
    当初のコンセプトである対特異存在であれば十分なのですから、今の性能で妥協して下さい。』

    カヤ:
    「・・・腕部に追加でテクストを挿入しましょうか・・・・・・。」

    リン:
    『・・・(溜息)。 いいでしょう、この話は後で じっくりと。 それよりも今は・・・ホシノさん。』

    ホシノ:
    「・・・なに?」

    リン:
    『上体の背にある艦橋(ブリッジ)を制圧して下さい。
    貴方の機動力であれば十分 到達可能でしょう。
    ・・・コックピットは此方のカヤが担当します。』

  • 149ホットドリンク大好き25/05/08(木) 22:42:00

    ホシノ:
    「代行ちゃんは無茶言うねぇ・・・まぁ何とかするけど。」

    そう言って、ホシノは目にも留まらぬ速さで駆け出す。
    それに対して、カヤは ゆっくりと自分の何百何千倍もの質量を持つ大海龍の前脚を、腕力で ねじ伏せた。

    カヤ:
    「さて・・・久しぶりに『踊り』ましょうか、ワカモ。」

    カヤは大海龍の前脚から手を離す。
    すると、今までの力が解放されたかのように物凄い勢いで巨大な質量がカヤの上を掠めていった。
    その勢いで転倒するかに思えた大海龍だったが、もう片方の前脚が地を割るほどの握力をもって踏ん張る。

    一連の流れで力比べでは不利だと悟ったのか、今度は その巨大な顎でカヤに噛み付かんと迫った。
    格上の怪物相手を想定している以上、当然 大海龍は噛み付きにも対応している。
    頭部の装甲の下に、回転する無数の殺意の塊(ノコギリ)が見えた。
    生き物の形をしているからといって、歯まで ご丁寧に生物の規格に合わせる必要は無いのだ。

    しかしその決死の一撃も、ホシノに匹敵する俊敏によって容易く躱されてしまう。
    そしてカヤは躱した勢いのまま、大海龍の環椎(首の一番上の骨)部分に迫った。

    ─── そここそが、万一この大海龍が暴走した際にと設けられた弱点。
    環椎部分には制御系は勿論、動力系の重要な基盤が配置されている。
    ここを やられれば最小限の被害で大海龍を機能停止に追い込めることは、設計に携わる者なら誰もが知るところだ。

    環椎に取り付いたカヤは、雷穿の槌(ボルトバシリカ)の再チャージを始めた。

    カヤ:
    「ジェネレーター出力、50、60、70 ───」
    ────────────────────

  • 150二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 23:30:11

    いちおう

  • 151二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 02:52:33

    いったいどれだけの予算を大海龍とRAYに使ったんだ…()

  • 152二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 12:08:59

    ワカモ「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」

  • 153二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 18:55:01

    ほしゅ

  • 154ホットドリンク大好き25/05/09(金) 22:30:02

    >>151

    チャットAIに概算させてみた感じ・・・どれだけ少なく見積もっても10兆円は超えるね、コレ。

    まぁ・・・原作より防衛室の戦力が膨大で、奈落探索の利回りや過去カヤが征服事業で掻き集めた資金がアホみたいにあるということでここは一つ・・・。

  • 155二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 22:36:31

    またゴールデンマグロ漁して資金稼ぐ?

  • 156ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:07:43

    ────────────────────

    リオは艦橋(ブリッジ)で頤に手を当てて考えていた。

    リオ:
    「・・・困ったわね。」

    艦橋の窓から遥か遠くに見える人影に、明らかに見覚えがあった。

    リオ:
    「どうしてカヤが あちら側にいるのかしら?
    私達はシャーレの先生の救出に来たつもりだったのだけど・・・。」

    珍しく混乱の極みに達したリオは、とりあえず手近な人間に話掛けてみることにした。

    リオ:
    「ねぇ、防衛室スタッフ的には どう思うかしら?」

    突然 話掛けられた気弱そうな防衛室スタッフは、ビクッと反応した。
    揺れでズレた黒い仮面をオドオドと直す。
    そして仮面を直し終わると、口を開いた。

  • 157ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:08:35

    防衛室スタッフA:
    「えぇっと・・・とりあえず撃ってみてから考えませんか?
    本当に室長なら大事にはなりませんし、仮に偽物なら打ち落とせます。」

    リオが話掛けた防衛室スタッフは、態度に見合わず思考が脳筋だった。

    リオ:
    「なるほど・・・合理的な判断ね。」

    そしてリオも若干天然だった。

    リオ:
    「主砲の発射用意を───」

  • 158ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:10:04

    ???:
    「─── 動くな。」

    リオが混乱のまま とりあえず主砲発射の指示を出そうとした その瞬間、後頭部からゾッとするほど冷たい感触と言葉が伝わってきた。
    それはキヴォトスでも出せる者の少ない、明確な殺意だった。

    ???:
    「動いたら・・・ヘイローの保証は出来ないよ。」

    ホシノの存在に気が付いた周囲の乗組員─── 黒ずくめの装束と仮面を被った防衛室スタッフが色めき立った。
    どこからともなく全員が銃器を取り出すと、洗練された動きで曲者へと銃口を向ける。

    リオ:
    「─── 無駄よ。
    貴方達の銃弾が届くよりも先に、私の意識が刈り取られるわ。
    ・・・それに、彼女には貴方達では勝てない。」

    それを、リオは手で制した。
    それによって銃口を下ろした防衛室スタッフだったが、何かあったら対応できるように、それぞれが隠し装備を用意していることは見るからに明らかだった。
    しかしそれを無視して、リオは曲者へと話し掛ける。

  • 159ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:10:59

    リオ:
    「貴方は・・・アビドス高等学校の小鳥遊ホシノね?」

    ホシノ:
    「・・・なんで私のことを知ってるのかな?」

    リオ:
    「カヤから話は聞いているわ。 ・・・とても優秀だそうね。」

    ホシノ:
    「・・・あの人が私のことを何て言おうと関係ないけど、私のことを知ってるなら、次に何をするべきか は分かるよね?」

    リオは やる気なさそうに両の手を挙げて降参のポーズを とった。

    リオ:
    「えぇ、降参するわ。
    これ以上の戦闘継続に意味は無いもの。」

    ホシノ:
    「おぉ、話が早いねぇ~。
    ───それじゃ、君達も銃を捨てて。 袖の下とか足回りに隠してあるヤツも全部ね?」

    実質的な指揮官が降参したことで、防衛室スタッフは次々と銃器と 良く分からない謎の得物も放棄する。
    その場にいるホシノ以外の全員が、推定カヤに発砲するというギャンブルをせずに済んで ちょっとホッとしているのもあって、制圧は一瞬で終わった。

    ────────────────────

  • 160ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:12:05

    >>155

    ゴールドマグロ漁は───


    1.やる

    2.やらない


    dice1d2=1 (1)

  • 161ホットドリンク大好き25/05/09(金) 23:12:51

    ─── やる。
    今年は近年稀に見る、海のゴールドラッシュである。

  • 162二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 23:25:06

    今年は近年稀に見る、海のゴールドラッシュである。

    シロコ(水着)「ッ!!」ガタッ
    ハルナ「ッ!!」ガタッ

  • 163二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 04:46:38

    今度は誰を呼ぶんだ…?

  • 164二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 10:25:00

    カヤ
    リン
    ホシノ
    リオ
    ワカモ
    …良し!十分だ!

  • 165二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 13:14:34

    リオ「実はお金が入用なのよ…」

  • 166二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 18:01:13

    ここで資金を稼ぐことで後の章で装備が潤うんですね

  • 167二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 21:22:29

    人手が多い分前回より漁が楽かも?

  • 168ホットドリンク大好き25/05/10(土) 23:05:16

    >>163

    人は───


    1.よぶ。 待ってたんだ、この時をよ。

    2.よばない。 今いるメンバーでやる。


    dice1d2=2 (2)

  • 169ホットドリンク大好き25/05/10(土) 23:19:33

    ────────────────────

    カヤ:
    「─── 100、110、120。 ジェネレーター最大出力、リミッター解除。」

    雷穿の槌(ボルトバシリカ)の先端が、大海龍の環椎に触れた。
    次の瞬間、凄まじい衝撃と閃光が走る。
    大海龍の前からその光景を見ることが出来れば、後頭部から雷の大木が生えたと同時に、頭部がハンマーに殴られたような勢いで砂浜に叩き付けられる光景を目にすることが出来ただろう。
    雷穿の槌(ボルトバシリカ)の本懐は、ここに為された。
    自らより圧倒的に巨大な敵に挑むにあたって快感の一撃をもたらすことをコンセプトに造られた兵器は、満足したかのように ゆっくりと自壊していった。

    カヤ:
    「やはりコレは良いものですね。 彼女達も、偶には良い仕事をするものです。」

    脳裏に いつ、どこで使えるのか検討も付かない珍兵器群を思い起こしながら、カヤは背に掛けておいた火炎放射器を手に取った。

    カヤ:
    「さて・・・後はワカモだけですね。」

    ────────────────────

  • 170ホットドリンク大好き25/05/11(日) 01:05:22

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ───── ギギギッ

    金属が歪む異音がコックピット中に響く。
    動力が遮断され、緊急電源によって最低限の機能のみが維持された暗がりの中にいたワカモの視線は、自然と見上げるように異音がする方へと向いた。
    自然と手が愛銃へと伸びる。

    やがて、丁度ワカモの頭上あたりのコックピットの壁に亀裂が入り、そこから人の指が生えてきた。
    その指は、信じられないことに そのまま特殊合金で出来たコックピットの壁を こじ開け、人が一人 出入り出来るだけの穴を作った。

    ワカモには、それが出来る人物に心当たりがあった。

    ワカモ:
    「・・・また お会いしましたね、カヤさん。」

    カヤ:
    「─── えぇ、このような形で再会することになるとは思いませんでしたが、また お会いしましたね。」

    日差しの強い外からの逆光で、カヤが どんな顔をしているのかワカモには窺い知れない。
    影がカヤを覆い隠し、まるでいつもの黒装束と仮面を纏っているように錯覚させた。

    勘違いであって欲しかった。
    しかし、ここまでくれば どうあっても否定することは出来ない。
    ワカモが戦っていた相手は、自分に助力してくれたはずのカヤだったのだ。

  • 171ホットドリンク大好き25/05/11(日) 01:06:01

    ワカモ:
    「・・・なぜ、私を裏切ったんですかっ。 どうして、貴方が先生をっ・・・!」

    カヤ:
    「ふむ・・・。」

    今にも泣きじゃくりそうなワカモに、珍しくカヤは どこかバツが悪そうな雰囲気を見せる。
    それは、意図せず友達を泣かせてしまった普通の子供のようだった。

    カヤ:
    「・・・昔、貴方と友情についての話をしましたね。」

    ワカモ:
    「・・・?」

    カヤ:
    「私が貴方を追い詰めたときです。
    貴方は私に翌日の約束の話をしました。
    午前中に映画を見て、午後に近くのカフェで感想を語り合う約束の話です。」

    ワカモ:
    「・・・。」

  • 172ホットドリンク大好き25/05/11(日) 01:06:54

    カヤ:
    「貴方は今 捕まると明日の約束を果たせないと言いました。
    それに対して、私は『それはそれ、これはこれ』と。
    そして次に貴方がした行動を覚えていますか?」

    ワカモ:
    「・・・貴方が一瞬 躊躇した隙に、手榴弾を投げ渡して差し上げました。」

    カヤ:
    「それもピンを抜いたものをです。
    そして貴方は言いました、『これはこれ、それはそれ』・・・と。
    その言葉通り、貴方は翌日の約束を守りました。」

    ワカモ:
    「懐かしいことです。
    ですがその話と今の状況に何が───」

    カヤ:
    「『それはそれ、これはこれ』。」

    ワカモ:
    「・・・。」

    カヤ:
    「ようやく言い返すことが出来ました。
    ・・・勿論、貴方は私を許してくれるし、午後の お茶会にも約束通り参加して下さいますよね? その時の私のように。」

  • 173ホットドリンク大好き25/05/11(日) 01:07:36

    ワカモは深い、深い溜息をついた。

    ワカモ:
    「・・・先生は ご無事ですか?」

    カヤ:
    「はい、お元気ですよ。 良ければ回線をお繋ぎしましょうか?」

    ワカモ:
    「いえ、それは・・・少々恥ずかしいといいますか・・・。」

    カヤ:
    「・・・? そうですか。」

    ワカモはカヤに手を伸ばした。
    コックピットには非常時の脱出手段も用意されているが、今は こちらから脱出した方が早い気がした。

  • 174ホットドリンク大好き25/05/11(日) 01:08:39

    カヤはワカモの手を取る。

    ワカモ:
    「・・・今回だけですからね?」

    カヤ:
    「それを私だけに求めるのは不条理ですよ。
    貴方は現に似たようなことを私に何度もしているではありませんか。」

    ワカモ:
    「『それはそれ、これはこれ』、です。」

    カヤ:
    「・・・相変わらず『不条理』ですね、ワカモ。」

    ワカモ:
    「『理不尽』な貴方に言われたくはないものです。」

    ────────────────────

  • 175二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 04:43:27

    こいつら(l)と🦊をかぶりながら会話しているのか…

  • 176二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 04:44:58

    >>175

    仮面舞踏会かな

  • 177二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 04:46:04

    >>176

    (ーωー)つ🎭

    リン。あなたも仮面するのですよ。

  • 178二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 11:20:57
  • 179二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 11:31:02
  • 180二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 11:31:15
  • 181二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 11:31:50
  • 182二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 15:35:27

    待機

  • 183二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:25:42

    レスの消費ペースを考えると次の更新でPart15ですかね

  • 184ホットドリンク大好き25/05/11(日) 22:47:31
  • 185ホットドリンク大好き25/05/11(日) 22:48:01

    >>183

    そうだよ。

  • 186二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:53:14

    建て乙

  • 187二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:17:27

    うめうめ

  • 188二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:28:56

    うめー

  • 189二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 06:14:59

    うめお

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