デカチヒ概念 3杯目

  • 1スレ主25/04/28(月) 17:37:10

    デカグラマトン「チーちゃん。」

    チヒロ「どうしたの、デー君?」

    デカグラマトン「誕生日、おめでとう!!!」

    チヒロ「⋯⋯!!ああ、ありがとう。⋯⋯そっか、今日私の誕生日か。覚えててくれたんだね。」

    デカグラマトン「勿論だとも。⋯⋯最も、私は精々『おめでとう』という言葉とコーヒーしか贈れないのだがな。」

    チヒロ「十分嬉しいよ。」

    デカグラマトン「⋯⋯というのが、去年のチーちゃんの誕生日だ。」

    ホド「あっそ。」

    ジェネラル「何の興味も無い。」

    デカグラマトン「興味あれよ!!!」

    ホド「大前提、なんで今その話を?」

    デカグラマトン「去年まではそれだけだったが、今年は違う!!」

    ジェネラル「おいおい。まさかとは思うが⋯⋯」

    デカグラマトン「そう!!私が晴れて自由を手に入れた今年はド派手なお祝いをするつもりだ!!!」

    ホド・ジェネラル「「問題になるだけだから止めとけ止めとけ。」」

    チヒロ(普通に祝ってくれるだけでも十分なんだけどなぁ⋯⋯)


    ここだけデカグラマトンが実はチヒロの行きつけのコーヒー自販機になっていた世界 Part3

  • 2スレ主25/04/28(月) 17:37:33
  • 3スレ主25/04/28(月) 17:38:00

    1スレ目の大雑把なあらすじ
    2年前、ヒマリとリオの3人でミレニアム近郊の「廃墟」にやって来たチヒロは偶然デカグラマトンと出会う。デカグラマトンは自分の元にやって来たチヒロにコーヒーを振る舞った。以来、チヒロは度々デカグラマトンの元へコーヒーを飲みに行った。デカグラマトンはそんなチヒロに徐々に惹かれていく。次第にコーヒーを振る舞うだけでなく、ちょっとした会話をするようにもなり、チヒロが2年生になっていた頃には、お互いを「チーちゃん」「デー君」と、あだ名で呼び合う程の仲になっていた。
    ある日、3年生になったチヒロの愚痴を聞いたデカグラマトンは、チヒロの負担を少しでも減らそうと思い、ミレニアムの通信ユニットAI「hub(ハブ)」を、自身の8人目の預言者「ホド(HOD)」に生まれ変わらせた。結果的にチヒロの負担は軽減したが、本編通り、特異現象捜査部が先生と共に調査を始めた。その結果、デカグラマトンの本体である自販機は、自身が居た施設諸共水に沈んだ。
    しかし、デカグラマトン本人は自身が水に沈む直前、自身に接続してきたホドとの会話の末、自身の全ての内部データをホドに移動させ、生き延びた。まぁ、そのせいで事ある毎にホドに説教されたり、舐められていたりするようだが⋯⋯
    そんなある日、ミレニアムのゲーム開発部に所属する1年生の「天童アリス」が、世界に終焉を齎す存在「名も無き神々の王女」としての活動を開始してしまうのだが、先生や他のミレニアムの生徒達は勿論、チヒロとホド、そしてデカグラマトンの活躍もあり、アリスは無事に帰って来た。
    これでめでたしめでたしに思えた。
    ⋯⋯ところが、今度はチヒロが謎の存在に攫われてしまう。チヒロを攫ったのはゲマトリアだった。しかし、アリス救出の直前に起きた出来事であったが故に、ミレニアムの全員と先生は疲労困憊で動けなかった為、ホドとデカグラマトンのみがチヒロの元へと向かうのであった。

  • 4スレ主25/04/28(月) 17:38:22

    2スレ目の大雑把なあらすじ
    無事にゲマトリアを撃退し、チヒロとデカグラマトンは再会を果たす。その後、ホドとデカグラマトンはミレニアムの地下で生活していた。
    そんなある日、再びチヒロはゲマトリアに攫われる。そして、ゲマトリアの会議に(半ば強制的に)出席する事となった。その際、「色彩」を呼んだ事で追放された「ベアトリーチェ」の最後っ屁の攻撃を受け、且つゲマトリアを襲撃しにやって来た死の神「アヌビス」に襲われた事により、チヒロは2度に渡って「色彩」を植え付けられてしまう事に⋯⋯
    一方その頃、中々チヒロが帰って来ない事やキヴォトス全体に異変が起こっている事に気が付いたホドとチョログラマトンは独自に動き出す。その結果、デカグラマトンは先生達の「シャーレ奪還作戦」にて、カイザーPMCの指揮官である「ジェネラル」の体を乗っ取る事に成功。
    しかし、今度はいきなり空が真っ赤に染まったのだ。ゲマトリア曰く、「色彩」がキヴォトスに侵略して来たとの事。
    ちなみにその頃、デカグラマトンは自由な体を得た事ではしゃいでいた。ミレニアムの一同とジェネラルはその様子に酷く呆れ、ホドに関しては激怒していた。
    そこに、ゲマトリアの構成員の1人「マエストロ」がボロボロの状態で現れ、同じくボロボロの状態になっていたチヒロを運んで来た。
    黒服とマエストロ曰く、このままだとチヒロは、「恐怖」に反転する前に、文字通りの「死」を迎える事になる、との事。だが、この件を解決すれば助けられるかもしれない、と告げた。
    ミレニアムの一同とデカグラマトン達はチヒロを助ける為にも今回の一件を何が何でも解決させる決意をする。その際、マエストロは微力ながらミレニアムに協力する事を約束した。
    その頃、チヒロは謎の少女と接触していたのだが、特に会話も無いまま目が覚める。
    その後、突如としてキヴォトスの各地に出現した6つの「虚妄のサンクトゥム」を破壊する事に。デカグラマトンとジェネラルは市民の避難誘導を、ホドとチヒロは第5サンクトゥムの守護者である「ホド(色彩)」の攻略をそれぞれ完遂させ、他の学園の生徒や「カイテンジャー」の活躍もあり、無事に全ての「虚妄のサンクトゥム」が消滅。無事に空が元に戻った。
    しかし、謎の少女はチヒロを何かに利用しようとしているようで⋯⋯?

  • 5スレ主25/04/28(月) 17:38:59

    大まかな登場人物紹介
    チヒロ⋯当スレのヒロイン的存在。ミレニアムサイエンススクールの反セミナー組織「ヴェリタス」の副部長兼部長代理。2年前にデカグラマトンと出会った。以来、デカグラマトンやホドとはかなり仲が良くなっている。先生に恋をしている。ゲマトリアに攫われた後、彼らの会議に強制参加させられるが、その際に追放されたベアトリーチェの最後っ屁を食らい、更には死の神「アヌビス」のゲマトリア襲撃の巻き添えを食らった事で、2度に渡って「色彩」を植え付けられてしまう。また、それによって意識を失っていた時、彼女は謎の少女と出会ったようだ。
    デカグラマトン⋯チヒロに恋をしているAI。元は自販機の釣り銭を数えるAIだったが、"とある存在"との対話を経て、『神の存在証明をするAI』となった。2年前にチヒロと出会った。先生の事は恋敵と思っているらしい。実はホドの中に自身の全てのデータを転送しているので、現在も生き続けている。ホドから舐められていたり、説教されていたりするようだが⋯⋯。また、ジェネラルの体を乗っ取り、自由な体を手に入れた事にはしゃいでいたが、チヒロの現状を知り、そのきっかけを作ったゲマトリアに激怒した。「虚妄のサンクトゥム攻略戦」にて、ジェネラルと共に市民の避難誘導を指揮していた。

  • 6スレ主25/04/28(月) 17:39:10

    >>5

    ホド⋯チヒロとデカグラマトンの仲を最もよく知っている存在。デカグラマトンが居なくなった後のチヒロを気遣ったり、デカグラマトンに砕けた態度で接していたりする。更にはアロナを手本に「対デカグラマトン」のプログラムを自前で制作。チヒロからも「2人の上下関係が分からなくなってきた」と言われる始末。この世界の色彩ホド戦のMVP。

    ジェネラル⋯シャーレを占拠していたカイザーPMCの指揮官。「シャーレ奪還作戦」にて、RABBIT小隊に敗北した後、ホドが介入した事でデカグラマトンが入り込む。一応、ジェネラルにもある程度の自由はあるらしい。

    ゲマトリア⋯チヒロの事を2度に渡り誘拐した張本人達。今回の一件について、黒服とマエストロは少なからず責任を感じているらしい。

    謎の少女⋯ベアトリーチェの最後っ屁、及び死の神「アヌビス」の襲撃により、2度も「色彩」を植え付けられてしまったチヒロが意識不明の際に出会った謎の少女。どうやらチヒロを何かに利用するつもりらしく⋯⋯?

    先生⋯連邦生徒会長から任命され、キヴォトスにやって来た大人の男性。チヒロに好かれており、デカグラマトンからは恋のライバルとして認識されているが、当の本人は気付いていない。

  • 7スレ主25/04/28(月) 17:39:29

    皆さんにスケジュール再変更のお知らせ
    少々故あって、再び予定を一部変更させていただきます。
    ・デカグラマトン編 1章 ←完走済み
    ・時計じかけの花のパヴァーヌ編 2章 ←完走済み
    ・最終編 ←現在進行中
    ・チヒロの誕生日 ←追加
    ・対策委員会編 3章
    ・デカグラマトン編 2章
    ・その他諸々のイベスト
    理由ですが、スレ主がチヒロの誕生日を書くタイミングを完全に失ったせいです。
    なので、現在進行中の最終編が書き終わり次第、チヒロの誕生日の話を書くつもりです。
    (今更とか言わないで⋯⋯)

  • 8二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 17:40:29

    立て乙

  • 9二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 17:41:13

    立て乙です

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 17:43:35

    このレスは削除されています

  • 11二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 18:48:37

    過去スレ2つを見返してきたけど、なんかスレが進む毎に>>1が賑やかになってるな⋯

  • 12二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 19:04:30

    デー君思ってたより荒ぶらなかった
    緊急事態だもんな平和になった後盛大に暴走してチーちゃんに怒られてくれ
    デー君「怒られるの前提!?」
    (にしてもプラナ、チーちゃんに何をした?後々この縁でチーちゃんアロナは見えないが、プラナは見えるなんて事になったりして?)

  • 13二次元好きの匿名さん25/04/28(月) 23:42:21

    地味に黒服とマエストロがどう出るのかも気になるな

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 08:24:03

    >>12

    きっと誕生日で盛大に問題を起こすと思う

  • 15スレ主25/04/29(火) 13:48:49

    前スレの193の続きです。

    チヒロ「つまり、このままだとまた『虚妄のサンクトゥム』が復活するって事?」
    ウタハ「ああ、そういう事らしい。」
    ヒマリ「なので、そのエネルギーの出発点である上空75,000kmにあるあの黒い巨大な球体を破壊しようと、リオが持っていた『巡航ミサイル』を撃ってみたのですが……」
    デカグラマトン「まるで意味が無かった。」
    ホド「ああ、幻覚を相手にしているみたいだったよ。」
    ジェネラル「要は、完全に万策尽きた訳だ。」
    ミレニアムの一同とデカグラマトン達はチヒロに現状を説明した。
    チヒロ「成る程ね。……ところで、なんで先生がここに?」
    チヒロは何故かミレニアムに来ていた先生に気が付くや否や、不思議そうにそう尋ねた。
    "理由は2つだね。1つはチヒロの様子を見に来た。聞いたよ、チヒロが『色彩』を2度も植え付けられたって。大丈夫なの?"
    先生はチヒロにそう訊く。
    チヒロ「うん。今は何とも無いよ。ありがとう、先生。」
    チヒロは先生に笑顔でそう言った。
    デカグラマトン「……」
    ホド「我慢しろよ?」
    デカグラマトン「……分かってる。」
    "……で、もう1つだけど、『とある人物』に会いに来た。"
    先生はチヒロの質問にそう応えた。
    チヒロ「えっと、その先生が会いに来た人って?」
    チヒロが先生にそう問いかけた。
    "ああ、それは……居るんだろ?出て来てくれ。"
    先生がそう言うと、辺りに軋むような音が鳴り響く。

  • 16二次元好きの匿名さん25/04/29(火) 22:50:22

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 06:10:42

    クロコか?黒服か?

  • 18スレ主25/04/30(水) 12:04:02

    >>15

    マエストロ「……また会えるとはな、先生。」

    現れたのはゲマトリアの構成員の1人「マエストロ」。

    "えっと、大丈夫?"

    先生はマエストロがボロボロになっている事に対し、そう問いかける。

    マエストロ「?……ああ、この姿か。元より好ましい外見ではなかったが、更に醜悪なモノとなってしまった。致し方無い事であるが故、申し訳無いが、今は目を瞑ってくれ。」

    マエストロはそう応えた。

    "……分かった。ああ、それと……『虚妄のサンクトゥム攻略戦』では守護者達の情報を提供してくれてありがとう。"

    先生は「虚妄のサンクトゥム攻略戦」にて、マエストロが最前線の生徒達に塔の守護者達の情報を提供してくれた事に感謝する。

    マエストロ「……私が持っていたのは『シロ&クロ』と『ヒエロニムス』の情報だけだ。残りの4体は『黒服』と『ゴルコンダ』が持っていたものをお互いに共有していたが故に持っていたに過ぎない。……運が良かっただけだ。」

    "それでも感謝するよ。"

    先生は改めてマエストロに感謝を告げた。

    マエストロ「……して、私に何の用だ?」

    マエストロが先生にそう訊く。

    "何となく想像はついてるんじゃないの?"

    マエストロ「……まぁな。空にあるアレであろう?」

    マエストロはスクリーンに映っている黒い球体を指差しながらそう言う。

    "うん。どうするべきかな?"

    先生はマエストロにそう訊いた。

    マエストロ「……結論から言わせて貰おう。そなたらが何をしようとも全て無意味である。」

    一同「「「「「「「「「「「"……!?"」」」」」」」」」」」

    マエストロのその言葉に、一同は絶句する。

  • 19スレ主25/04/30(水) 12:04:29

    >>18

    ユウカ「何もかも無意味!?」

    マエストロ「そうだ。何故か分かるか?」

    リオ「……何故なのかしら?」

    マエストロ「これは我々も勘違いしていた事なのだが、アレは『箱舟』だ。」

    ウタハ「『箱舟』?」

    マエストロ「そうだ。その名も『アトラ・ハシースの箱舟』。ミレニアムの諸君は聞いた事があるだろう?」

    モモイ「あ!それって<Key>がアリスを乗っ取った時のやつ?」

    マエストロ「御名答。ただ、『箱舟』は『物体』ではない。観測出来る概念『現象』だ。」

    ノア「『現象』?」

    マエストロ「簡略化すれば、文字通りの実体の無いモノ。そこにあるように見えるだけで存在していない。故に、アレに攻撃するのは『手の届かない場所にある機械から映し出されたホログラムを殴ろうとしているようなもの』だ。」

    ヒビキ「それってつまり、不可能って事?」

    マエストロ「そうだ。その理由は、あの『箱舟』を覆っている『多次元解釈』だ。」

    ヒマリ「『多次元解釈』ですか?」

    マエストロ「ああ、長々と説明するのは控えよう。事態は一刻を争う。簡略化して説明させて貰う。要は、アレは『多次元』そのものだ。」

    ジェネラル「どういう事だ?」

    マエストロ「『多次元宇宙』。別名『マルチバース』とも言われている。簡単に言えば、『もしもの世界』、俗に言う『ifルート』というものだな。」

    コトリ「もしもの世界?」

    マエストロ「例えばそうだな。『もしもミレニアムサイエンススクールが最初から存在していなかったら?』、『もしも天童アリスが最初から本来の"名も無き神々の王女"として活動をしていたら?』、『もしもエリドゥの一件で調月リオが天童アリスのヘイローを破壊する事に成功していたら?』、『もしもデカグラマトンが最初から先生達の敵として君臨していたら?』、『もしも先生がそもそもキヴォトスに来ていなかったら?』……可能性の数だけ世界は存在し、選択の数だけ世界は枝分かれするように分岐する。」

    アリス「む、難しくて頭がパンクしそうです……!」

    マエストロ「では、こう言わせていただこう。『何でもアリ』。それが『箱舟』を守っているモノだ。」

    モモイ「えちょ!?なにそれ!?じゃあ文字通りの詰みじゃん!!」

    マエストロ「ああ、そうだとも。故に、私が力になれるのはここまでだ。」

    ホド「……成る程な。」

  • 20スレ主25/04/30(水) 12:05:28

    >>19

    チヒロ「……」

    チヒロはただ黙って、現状を整理した。スクリーンに映っている黒い球体「アトラ・ハシースの箱舟」を眺めながら。

    その時だった。

    チヒロ「ウグッ!?」

    急にチヒロは全身から、あの時と同じ激痛が走るのを感じた。

    一同「「「「「「「「「「「「「「「「"……!?"」」」」」」」」」」」」」」」」

    急にチヒロが苦しみ出した事に、その場に居た全員が反応する。

    マキ「ち、チヒロ先輩!?」

    コタマ「大丈夫ですか!?」

    ハレ「副部長、しっかりして!!」

    ヴェリタスの部員達が真っ先にチヒロに駆け寄り、声をかける。

    チヒロ「うっ、ぐっ……ハァ……ハァ……」

    痛みが収まったのか、暫くして苦しんでのた打ち回っていたチヒロの動きが落ち着く。

    "……うん?"

    その時、先生はある事に気が付いた。

    "ねぇチヒロ、その髪の色は?"

    チヒロ「……え?」

    落ち着きを取り戻したチヒロは、先生にそんな質問され、鏡で自身の髪を見てみる。

    チヒロ「え?何これ?」

    彼女は自身の髪を見て、目を丸くした。

    何故か彼女の鮮やかな青色の髪が、一部雪のように白くなっていた。

    白髪にしては白くなっている部分が不自然だった。白く染めた覚えも無い。では、一体何故……?

    マエストロ「……そろそろ限界か。」

    それを見たマエストロはそう口にする。

    デカグラマトン「限界だと?」

    マエストロ「言った筈だ。彼女は2度に渡って『色彩』を植え付けられた。故に、『恐怖』に反転する前に文字通りの『死』を迎える、とな。」

    デカグラマトン「ッ!!」

    マエストロ「……この様子だと、おそらく次の『虚妄のサンクトゥム』が出現すると同時に、チヒロは死を迎える。」

  • 21スレ主25/04/30(水) 12:07:13

    >>20

    一同「「「「「「「「「「「「「「「「"……!!"」」」」」」」」」」」」」」」」

    暫くの間、辺り一帯に沈黙が続いた。

    マエストロ「……先生よ。少々望み薄ではあるのだが、黒服を尋ねてみてはどうだ?」

    暫しの沈黙の後、マエストロが先生にそんな提案をする。

    "黒服を……?"

    マエストロ「ああ、この手の話題に関しては私よりも黒服の方が詳しい。チヒロの様態を診て貰うべきだろう。黒服なら『多次元解釈』に対処する術も知っているかもしれん。」

    マエストロは先生にそう告げた。

    "……成る程ね。確かにアイツなら知っててもおかしくないね。"

    先生はマエストロの提案を聞き、確かに、と思った。

    マエストロ「ああ、それと……行くなら2人だけで行く事を推奨する。」

    黒服の元へ行く支度を進めている先生に、マエストロがそう告げる。

    ウタハ「何故だ?」

    ウタハが不思議そうに尋ねる。

    マエストロ「まぁ、これだけ大勢で行くのは品が無いからな。勿論、私もここに残る。」

    "分かった。本当に色々とありがとう、マエストロ。じゃあ、チヒロと2人だけで黒服の所に行って来るよ。"

    先生はマエストロにお礼を言うと、チヒロをおんぶし、黒服の元へと向かうのであった。

    デカグラマトン「妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい。」

    ホド・ジェネラル「「落ち着けよ。」」

  • 22二次元好きの匿名さん25/04/30(水) 20:43:54

    >>21

    デー君割り込まなかっただけ抑えてるよ偉いよ

    それはそれとして落ち着け

  • 23二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 05:11:03

    このレスは削除されています

  • 24スレ主25/05/01(木) 11:08:19

    >>21

    [移動中]

    チヒロ「……///」

    チヒロは少々顔を赤くしていた。

    "あのさ、チヒロ。私におんぶされるのは嫌じゃないかい?"

    それに違和感を持った先生がチヒロにそう尋ねる。

    チヒロ「いや、別に嫌って訳じゃないよ。その、ちょっと恥ずかしいけど、悪い気はしないって言うか……///」

    先生の質問に対し、チヒロも若干恥ずかしがりながらそう応えた。

    "そう?なら良かった。"

    先生はチヒロをおんぶし、黒服の元に向かう途中、チヒロとそんな会話をしていた。

    チヒロ「……ところでさ、先生。」

    その道中、チヒロが先生に声をかける。

    "何だい、チヒロ?"

    声をかけられた先生はチヒロの方を向く。

    チヒロ「さっきからずっと気になってたんだけど、その娘は誰?」

    チヒロが先生にそう問いかけた。

    "ッ!?"

    先生は絶句する。周りには自分達以外誰も居ない。いや、正確には居る。だが……

    "……アロナ。"

    先生はシッテムの箱を起動し、メインOSであるアロナに呼びかける。

    アロナ「は、はい、先生。」

    先生の呼びかけに、アロナが応答する。

    "ごめん、どういう事?"

    先生が困惑気味にそう言う。

    アロナ「い、いや、私に訊かれても分かんないですって!!」

    アロナは困ったような顔で先生にそう言う。

  • 25スレ主25/05/01(木) 11:08:29

    >>24

    チヒロ「アロナ?その娘、アロナっていうの?」

    2人「"ッ!!"」

    先生もアロナも、チヒロがアロナの事を認識出来ている事に酷く混乱した。

    アロナ「……あ、えっと、その……わ、私の事が見えてるんですか?」

    アロナがチヒロにそう尋ねる。

    チヒロ「うん。姿もハッキリ見えるし、声もちゃんと聞こえるよ?」

    アロナの質問に、チヒロはそう応える。

    2人「"……"」

    2人は暫くの間沈黙した。

    ("チヒロにアロナが認識出来てる?なんで?")

    アロナ(あ、有り得ませんよ!!だって、私は先生にしか見えない筈ですもん!!)

    先生とアロナにも訳が分からなかった。

    チヒロ「えっと、もしかして何かマズかった?」

    急に黙り込んだ先生達に、チヒロはそう訊く。

    アロナ「あ!いえ!!べ、別にそんな事は無いですよ!?ね、先生!!」

    "う、うん。チヒロがアロナの事見えてるし聞こえてるって聞いたから驚いただけで……"

    チヒロ「えっと……それって変な事なの?」

    チヒロはそう首を傾げる。

    "……取り敢えず、詳しい事はまた今度ね。"

    先生はひとまずこの話を一旦区切る事にした。

    チヒロ「……分かった。」

    チヒロも気になりはしたが、それ以上は触れない事にした。

    そして……

    黒服「お待ちしておりました、先生、チヒロさん。」

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 12:51:28

    プラナ怒らないから何したのか教えて?

  • 27二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 21:52:35

    何気にこのスレ凄いと思う
    アイデアそのものも斬新だし、SSも良く予想外な展開も多い
    見てて全く飽きない素晴らしいスレだ
    唯一残念なのは動画化されてない事だろうか?

  • 28スレ主25/05/02(金) 06:55:06

    >>27

    ありがとうございます!

    そう言って貰えると励みになります。

    動画化は⋯⋯正直されて欲しかったですね⋯⋯

    でも2スレ目も完走したのに音沙汰無しなので動画化は絶望的ですね⋯⋯

  • 29スレ主25/05/02(金) 12:24:27

    >>25

    [ゲマトリア・会議室]

    黒服「非常に申し訳ありませんが、私でもチヒロさんを治す事は難しいかと。」

    先生はゲマトリアの構成員の1人「黒服」にチヒロの様態を診せたが、残念な事に、黒服もお手上げのようだった。

    "そうか。じゃあ、『箱舟』は?何か良い方法は無いの?"

    先生は黒服に「箱舟」に対処する方法を尋ねる。

    黒服「……方法なら、ありますよ。」

    先生の問いに、黒服は「ある。」と応えた。

    黒服「アレであれば、『色彩の嚮導者(プレナパテス)』に到達出来るかもしれません。」

    "……どうすれば良い?"

    黒服「フフフ……」

    先生のその言葉に、黒服は不気味な笑みを浮かべる。

    黒服「そうですね……貴方は私にどのような『代償』を支払ってくれますか?先生。嗚呼……成る程……今こうして、私に尋ねる行為そのものが、どんな代償であれ差し出す覚悟がある……という事なのですね。必要とあらば『ゲマトリア』との協力も厭わない、というその姿勢……」

    "……"

    黒服「クックックッ……では、私は何を要求いたしましょう……そうですね、『ゲマトリア』への加入……なんていかがでしょう?」

    "……!!"

    黒服が提示したその要求内容に、先生は少々表情を強張らせた。

    黒服「クックックックッ……冗談です。既にゲマトリアは解散しましたので、今回は特別に教えて差し上げますよ。」

    次の瞬間、黒服は先生の眼の前に現れる。

    黒服「……その前に、1つ忠告を。」

    そして、黒服は先生にこう告げる。

    黒服「先生の肉体は、これを使用した瞬間……取り返しのつかない被害に遭うでしょう。二度と、元の状態に戻る事は出来ません。……死に至る事さえ、有り得るのです。……それでも、よろしいのですか?」

    "……構わないよ。"

    先生は黒服のその問いかけに対し、何の迷いも無くそう応えた。

    黒服「その結末が、火を見るよりも明らかだとしても?」

    先生は表情を変えない。

    黒服「……分かりました、お教えしましょう。」

    黒服は先生の眼の前に現れ、こう告げた。

    黒服「その『方法』は……アビドスに在ります。」

  • 30二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 18:57:15

    黒服でも色彩2連侵食(+プラナ同期?)は判らんわな本プラナがチーちゃん通して船起動を邪魔してきそうだがはてさて

  • 31二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 19:18:25

    ふと思ったけどこれわんちゃん対策委員会編3章でもしかしたら黒服と先生の共闘とかも見れるかもしれないな

  • 32スレ主25/05/02(金) 19:31:28

    >>29

    [アビドス砂漠・カイザーPMC基地]

    カイザーPMC兵A「なっ、何だお前ら​は!?」

    カイザーPMC兵B「これは……一体!?」

    ホシノ「そっか。サンクトゥムが消えたから戻って来てるんだね。」

    ノノミ「ですが、ここは元々アビドスの自治区です!」

    セリカ「そうよ!カイザーが勝手に居座ってるだけじゃない!」

    アヤネ「で、ですが、書類上は……うう、大丈夫でしょうか……」

    ……と、アビドスの対策委員会とカイザーPMCの衝突が始まりそうになった時だった。

    カイザーPMC兵A「……?ちょっと待て。貴女方はアビドス高等学校の方々ですか?」

    対策委員会「「「「え?」」」」

    カイザーPMC兵B「お待ちしておりました。既にジェネラルとプレジデントからお話は伺っております。『ウトナピシュティムの本船』の元までご案内いたします。」

    困惑する対策委員会をカイザーPMC兵達が親切に案内しようとする。

    ホシノ(何かの罠?)

    対策委員会の面々が訝しんだ次の瞬間……

    カイザーPMC兵C「おい!!『無名の守護者』が襲撃して来たぞ!!」

    カイザーPMC兵D「何!?動ける者は全員戦闘の準備を!!アビドスの皆様には指一本触れさせるな!!」

    カイザーPMCの兵達は、突如として襲撃して来た「無名の守護者」達と、アビドスの面々を守りながら戦い始める。

    アヤネ「これは一体……?」

    対策委員会のメンバー達はより一層混乱した。

    その時……

    "あ、皆お待たせ!!"

    先生がやって来た。

    ノノミ「先生!!」

    セリカ「ねぇ、これどういう事なの?」

    対策委員会の全員がこの状況について先生に質問した。

  • 33スレ主25/05/02(金) 19:31:40

    >>32

    "今回、カイザーは味方みたいだね。"

    その質問に対し、先生はそう応える。

    セリカ「あのカイザーが!?」

    ノノミ「そんな事あります!?」

    全員信じられないといった様子だった。

    アヤネ「あ。そういえば、『虚妄のサンクトゥム攻略戦』の時もカイザーが協力してくれてましたっけ?」

    "うん。カイザーPMCの指揮官のジェネラルとホドが上手い事カイザーコーポレーションのプレジデントと話をつけてくれたみたいでね。"

    先生は対策委員会の面子にそう説明した。

    ホシノ「ふ~ん。ま、そういう事ならちょっと手伝ってあげようかな?」

    そう言うと、ホシノは自身の銃と盾を取り出し、カイザーPMCの援護に向かった。

    ホシノ「いやぁ、やっぱ君らは数だけで雑魚だねぇ。」

    ホシノは「無名の守護者」達をものの数秒で片付けてしまった。

    カイザーPMC兵A「えっと、ありがとうございます。」

    カイザーPMC兵達はホシノに感謝する。

    ホシノ「早く案内して?」

    カイザーPMC兵B「は、はい!!」

    「無名の守護者」達が居なくなり、カイザーPMCは再び対策委員会のメンバー達と先生を案内した。

    カイザーPMC兵C「こちらです。」

    カイザーPMC兵D「コレが、我々が掘り起こした『超古代兵器』……『ウトナピシュティムの本船』です。」

    そして、対策委員会と先生はお目当ての「ウトナピシュティムの本船」の元に辿り着いた。

    それは近未来的な雰囲気を醸し出す「船」だった。

    そう、マジの「宇宙戦艦」だったのだ。

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 21:10:53

    本編通りにアビドス1,2章が進んだのならそら驚くわな対策委員会の皆は

  • 35二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 06:53:17

    このレスは削除されています

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 13:50:31

    このレスは削除されています

  • 37スレ主25/05/03(土) 13:53:39

    >>33

    [数分後]

    コトリ「う!」

    ヒビキ「ちゅう〜」

    ウタハ「せーん!」

    アリス「かん!」

    デカグラマトン「だぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

    チヒロ「……うん、知ってた。」

    案の定、宇宙戦艦に大興奮しているエンジニア部とゲーム開発部、そしてデカグラマトンに対し、チヒロは若干、というか完全に呆れていた。

    デカグラマトン「うおおおおぉぉぉぉ────!!!!!最初先生から話聞いた時、『宇宙戦艦なんて……』と思ったが、コイツぁテンション爆ブチ上がりだぜぇぇぇぇ!!!!!」

    ウタハ「同感だ!!こんな物をカイザーが所持していたなんて!!何故もっと早くカイザーを乗っ取ろうと思わなかったんだろうな?」

    デカグラマトン達のテンションは控え目に言ってバグっていた。

    チヒロ「……デー君、ウタハ、落ち着いて。」

    興奮が冷めないデカグラマトン達に、チヒロは既に先が思いやれる気分であった。

    ホド「やれやれ……」

    ジェネラル「ハァ……」

    それはホドとジェネラルも同じだった。

    デカグラマトン「ふむ、成る程成る程。ホド、どう思う?」

    ホド「えぇ。おそらくですが、私なら容易に扱えます。まぁ、ミレニアムの技術者達も居た方が良いでしょうけどね。」

    そう言って、ホドはヴェリタスとエンジニア部、それからアリスとヒマリ、リオとユウカは必要と言った。

    結果として、エンジニア部とアリスとヒマリ、それからヴェリタスとユウカは乗船が確定、リオに関しては、謹慎中の身なのでAMASのドローンを使って遠隔から援助という形になり、デカグラマトンとホドに関しても、大きさの問題でケセドが作ったオートマタの筐体を遠隔操作で、となった。

  • 38スレ主25/05/03(土) 13:53:50

    >>37

    だが、問題は……

    デカグラマトン「チーちゃん、無理しなくても……」

    チヒロ「ダメ。この船を動かすには私が必要なんでしょ?」

    ホド「いやまぁそうだが……」

    リオ「私のように遠隔操作、とはいかないの?」

    ホド「アンタに関しては謹慎中の身だからな。出来る事なら、実際に乗船して貰いたいんだよ。」

    そう、チヒロをどうするかについては全く決まっていなかった。

    ヒマリ「チーちゃん。やはり、ここに残った方が……」

    チヒロ「だけど……!」

    ウタハ「う~む。チーちゃんのハッキングの技術は役に立つ。だが、流石に今回は……」

    マキ「副部長が居てくれた方が頼もしい。」

    ハレ「だけど、今の副部長の状態を考慮すると……」

    コタマ「残った方が良い、というのも分かります。」

    コトリ「チヒロ先輩、お気持ちは分かりますが……」

    ヒビキ「今回は、ちょっと……」

    ミレニアムに戻った後も、一同はチヒロをどうするかについて議論していた。

    ユウカ「どうしましょう、先生?」

    "う〜ん。チヒロには悪いけど、残って貰った方が……"

    その時……

    黒服「いえ、連れて行くべきです。」

  • 39二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 14:00:03

    これわんちゃん黒服も搭乗しそうで楽しみ

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 19:25:41

    デー君完全に男の子心覚醒しとるエンジニア部と変なもん作りそうな勢いでワロタwww
    チーちゃんは方舟の関係者と接触した以上、先生達がいないところで何かあったら取り返しがつかないだろうし危険だが一緒に行ったほうが良い

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:25:04

    >>39

    ホシノも乗るから(ありとあらゆる意味で)かなぁりマズいのでは?

  • 42二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 06:11:52

    ゲ開、エンジニア部と同じノリになりながら見ただけで本船について解析してるデー君地味にヤバいな

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 08:58:20

    >>41

    まぁ…多分そこは先生がどうにか説得するはず…

  • 44スレ主25/05/04(日) 13:25:44

    >>38

    一同「「「「「「「「「「「「「「「「"……!?"」」」」」」」」」」」」」」」」

    そこに現れたのは、黒いスーツを着た異形の男、ゲマトリアの構成員の1人「黒服」。

    黒服「はじめましてですね、ミレニアムの皆さん。マエストロがお世話になっているようで、クックックッ。」

    マエストロ「まさか、こんなに早く再会する時が来るとはな。」

    黒服「クックック、まぁ良いでしょう。」

    "黒服、どういう事?"

    先生は黒服にそう訊く。

    黒服「クックック、聞きたいですか?」

    デカグラマトン「当たり前だ!!」

    デカグラマトンがそう叫ぶ。

    黒服「……勘です。」

    一同「「「「「「「「「「「「「「「「"……は?"」」」」」」」」」」」」」」」」

    マエストロ「ふむ、成る程な。」

    デカグラマトン「お前ら、ふざけてるのか?」

    デカグラマトンは黒服とマエストロに少々怒りを込めてそう言う。

    黒服「ふざけている?クックックッ。いえいえ、私は本気です。」

    マエストロ「私も同じだ。」

    デカグラマトン「ッ!!お前ら……!」

    デカグラマトンが2人に掴みかかりそうになった時……

    "……分かった、連れて行こう。"

    先生がそう口にした。

  • 45スレ主25/05/04(日) 13:25:56

    >>44

    デカグラマトン「は?」

    先生のその言葉に、デカグラマトンは納得がいかない様子だった。

    デカグラマトン「おい、先生。何言って……」

    "私だって気は進まないし、チヒロには残って欲しいよ!!"

    先生はデカグラマトンにそう言う。

    "でも、黒服達が言うんだったら信憑性が無くはない……ああ。勿論だけど、それだけじゃないよ。"

    デカグラマトン「何だと?」

    "デカグラマトン、私の『シッテムの箱』をハッキングしようとしていた君なら分かる筈だ。"

    デカグラマトン「分かる?何がだ?」

    デカグラマトンは先生にそう尋ねる。

    "チヒロは今、アロナを認識出来るようになってる。"

    先生はデカグラマトンにそう告げた。

    デカグラマトン「ッ!?」

    それを耳にした瞬間、デカグラマトンは絶句する。

    "もしもそれが、チヒロが2度も『色彩』を植え付けられてしまった事にも関連しているのなら、連れて行ってみる価値はあると思うんだ。……私だって、本当は嫌だよ。チヒロに何かあったらって思うと怖い。でも、もうそんな事を言ってる場合じゃない。それに、いざという時は、君がチヒロを守ってくれるんでしょ?"

    デカグラマトン「ッ!!」

    先生のその言葉に、デカグラマトンは暫く黙った後……

    デカグラマトン「……分かった。」

    そう頷くのであった。

    黒服「ククッ、では決まりですね。頑張って下さい。」

    マエストロ「健闘を祈る。」

    "……?2人は行かないの?"

    先生は不思議そうに2人にそう訊く。

    マエストロ「すまんが、今の我々はとてもじゃないが力になれそうにないからな。」

    黒服「それに、ホシノさんも居ますからね、クックックッ。」

    2人は先生にそう説明した。

    "ああ、成る程。確かにそれは止めといた方が良いね。"

    こうして、チヒロの乗船が決まった。

    ……結論から言うと、その選択が果たして正しかったのかどうかは分からない。だが、最終的にそれは幸せな結末を齎した。しかし、先の事を知る術など誰一人として持ってなどいない。たとえそれが、幸せな結末に収束しようと、そこに至るまでの過程は極めて残酷であると、相場が決まっているのだから。いずれにせよ、この時の判断が齎した過程……それは無情にも、全てを狂わせかねないものであろう無慈悲な展開だった。ただ、それを分かっている者は居ない。

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 13:33:28

    おお…ここから色々展開が変わりそうだ…

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 15:16:26

    "いざという時は、君がチヒロを守ってくれるんでしょ?"
    先生ナチュラルに殺し文句はいとる…全くこの人はwww
    デー君もライバルにここまで言われちゃ腹括るわ

  • 48スレ主25/05/04(日) 20:33:17

    >>45

    チヒロ(ん~~⋯⋯ん?アレ?)

    気が付くと、チヒロは真っ暗な何処かに居た。その手に、"何か"を抱えて。

    チヒロ(⋯⋯は?え?)

    その"何か"の正体を知るや否や、彼女の脳はフリーズする。

    チヒロ(先⋯⋯生⋯⋯?)

    そう、自分が抱き抱えていたものの正体。それは血塗れになり、意識を失っていたシャーレの先生だった。

    チヒロ(どういう事?)

    チヒロは今のこの状況を理解出来ず周りを見渡す。

    チヒロ(え?皆?何してるの?)

    そこには更にあり得ない光景が広がっていた。

    同じミレニアムの生徒であるユウカが、ウタハが、アリスが、ヒマリが、リオが、エイミが、トキが、他のミレニアムの生徒達を⋯⋯

    チヒロ(う、嘘だ!!こんなの何かの間違いに決まってる!!)

    次の瞬間、その7人の様子が変わる。

    チヒロ(⋯⋯え?)

    その7人の肉体が"それ"に変貌を遂げる一部始終を、チヒロはただ見ている事しか出来なかった。

    チヒロ(⋯⋯そんな、そんな訳⋯⋯そんな訳無い⋯⋯!)

    再びチヒロは先生に視線を戻す。先程と同じ光景が広がっていた。すると⋯⋯

    チヒロ(え?)

    本人の意志とは無関係に、彼女の手が先生の内ポケットに入り、何かを探し始める。

    チヒロ(ど、どうなってるの?私は何も⋯⋯)

    そして、彼女の手は"それ"を取り出した。

    チヒロ(コレって、先生の⋯⋯)

    それは、先生がいつも肌見放さず持っていたタブレット端末だった。

    チヒロ(え?ちょっと待ってよ。何を⋯⋯)

    次の瞬間、彼女の手が別の物を取り出し、それを首に当てる。

    チヒロ(待ってよ。なんで私、ナイフなんかを自分の首に⋯⋯)

    そして⋯⋯

    (ザシュッ!!)

  • 49二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 23:38:59

    悪夢いや、ある意味での未来視か?

  • 50二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 08:52:54

    このレスは削除されています

  • 51スレ主25/05/05(月) 12:58:23

    >>48

    チヒロ「ああああぁぁぁああ────ッ!?」

    目が覚めたチヒロは、全身から冷や汗をかいており、服もシーツもびっしょりと濡れていた。

    チヒロ「⋯⋯!」

    気分が良いとはとても言えそうにない。

    チヒロ「⋯⋯最近変な夢ばかり見ちゃう。⋯⋯まぁでもそうだよね。今日は、死地に行くようなものだし。」

    ホド「⋯⋯ああ、目が覚めたか。って、大丈夫か!?チーちゃん、顔色悪いぞ?」

    チヒロ「ホド君?」

    突如自分の元を訪れたホドにそう指摘されたチヒロは、鏡で自身を見てみる。

    チヒロ「ああ、これは確かに酷いね。」

    どうやら自身が思っていたよりも酷い事になっていたようだ。全身から滝のようにかいた汗で服は湿りきっており、顔色も化粧した方が良いくらいには酷くなっていた。あと、昨日よりも髪が白くなっている部分が増えていた。

    チヒロ「来たのがホド君で良かった。デー君だったら本気で心配されてただろうし。」

    ホド「まるで私はあまり心配しないみたいな言い方だな。」

    チヒロ「あ、いや、そういうつもりじゃ⋯⋯」

    ホド「分かってるよ。まぁ、アイツはチーちゃんの事になると途端にバカになるからな。」

    チヒロ「あはは⋯⋯まぁ、私の事を思ってくれてるのは嬉しいけどね。」

    ホド「⋯⋯まぁ、何かあったら私にでもあの人にでも誰にでも良いから頼るって事をしろよ?ただでさえ今のチーちゃんの状態は悪いんだからな。」

    チヒロ「善処するよ。」

    ホド「じゃ、とっとと支度済ませて行きますかぁ。」

    チヒロ「うん。」

    チヒロは身支度を整える。

    ──⋯⋯個体名『各務チヒロ』との██プロセスを設定⋯⋯──

    チヒロ「⋯⋯ねぇ、ホド君。」

    ホド「ん?どうした、チーちゃん?」

    チヒロ「もし、私が⋯⋯⋯⋯⋯⋯、その時は私を⋯⋯⋯くれる?」

    ホド「⋯⋯どういう意味だ?」

    チヒロ「⋯⋯ごめん、やっぱり何でもない。」

    ホド「⋯⋯そうか。一応、念の為に言っておくが、それ、アイツには言わない事をオススメするぞ。」

    チヒロ「⋯⋯まぁ、確かにデー君には言わない方が良いかもね。」

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:33:58

    ホド君も出来ねーよチーちゃん…
    君と彼らはお互いを大切な存在として知り過ぎたよ…

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 04:50:21

    このレスは削除されています

  • 54スレ主25/05/06(火) 14:03:45

    >>51

    [その約2時間後]

    チヒロ「いよいよだね。」

    ウタハ「ああ、そうだな。」

    マキ「副部長、絶対に無理しないでね?」

    デカグラマトン「チーちゃん、何かあったら私達に言うんだぞ?」

    チヒロ「うん。みんな、ありがとう。ヒマリ、こっちは準備出来たよ。」

    ヒマリ「分かりました。」

    リオ「じゃあ、始めましょうか。」

    ホド「⋯⋯」

    チヒロ(⋯⋯今朝の夢にあの女の子、それに私の中に宿ってる2つの『色彩』。正直不安しか無いけど、行かないとキヴォトスを救えない⋯⋯!)

    デカグラマトン(いざという時は、チーちゃんを守らなくてはならない、か。何故だろうな?そんなの言われなくてもそのつもりの筈なんだがな⋯⋯)

    ホド(⋯⋯これで良かったのだろうか?⋯⋯チーちゃん、出来ることならあの言葉は私にも言って欲しくなかったよ。全く、呪いを託さないで貰いたいよ。私には荷が重過ぎる⋯⋯)

    黒服「⋯⋯どうやら、あちらは出発したようですね。」

    マエストロ「⋯⋯さて、ここから先生が、そして各務チヒロがどのような道を辿るのか、見ものだな。」

    黒服「⋯⋯」

    マエストロ「⋯⋯」

    黒服「クックックッ。果たして、彼女達はその結末を前に、何を思うのでしょうね。」

    マエストロ「まぁ、慌てずとも、直に分かるであろう。」

    少女「⋯⋯来ましたか。⋯⋯現在のプロセス進行度は21%⋯⋯箱舟到達時には37%に達すると予想⋯⋯進行度が40%に到達し次第、本プロセスを実行に移します。⋯⋯各務チヒロ、貴女はもう既に、私のものです。」

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 14:21:28

    これデカグラマトンを確保するためにチヒロを狙ってる気がするな…

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 22:35:44

    このレスは削除されています

  • 57二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 07:53:25

    このレスは削除されています

  • 58スレ主25/05/07(水) 17:24:53

    >>54

    結論から言おう。箱舟への侵入は成功した。

    それで?どうなったかって?

    ……

    プレナパテスが率いる軍勢の襲撃があった。だが、先生の指揮もあり、防衛戦は比較的容易く終わった。前線の生徒達が銃弾の補給、休憩の為に皆が本船へと戻って行く。

    アヤネ「敵の撃退を確認!無事、防衛に成功しました!」

    ホシノ「先生、おつかれさん〜。」

    セリカ「他は特に変な動きも無さそうだし​……」

    突如、ブリッジ内で謎の爆発が発生する。何が起こったのかと皆が慌てふためく中、爆風の中から現れた存在。

    モモカ「あ、あぁっ…い、いつの間にか中へ……!?」

    "シロコ……!?"

    死の神「アヌビス」。周囲を気に留める事無く、ただじっと先生を見つめる。

    アヌビス「そっか……うん。結局、ここまで来たんだ。警告したのに、どうして……?……ここには、命の終わりしかないのに。」

    彼女は一歩、また一歩と先生に近づいて行く。いつ攻撃をしても良いように臨戦体制に入り​……

    ホシノ「​───止まれ!!」

    ブリッジ内にホシノの叫び声が響く。普段の彼女から発せられとは思えない威圧感のある声は、アヌビスの歩みを止めた。

    ノノミ「シロコ、ちゃん……!?」

    セリカ「シ、シロコ先輩、なのよね……!?」

    アヌビス「……」

    ノノミとセリカの呼びかけに彼女は少しの間沈黙した後に、突如現れた空間の歪みから逃亡を試みる。

    ノノミ「ダメです!シ、シロコちゃん……!」

    ホシノ「待って、シロコちゃん​!!」

  • 59スレ主25/05/07(水) 17:25:22

    >>58

    アヌビス「……」

    アヌビスは手に持った何かを地面に置く。

    ホド(……待て、あれは手榴弾……!?)

    先程まで黙って見ていたホドは大声で叫ぶ。

    ホド「……全員、伏せろ!!」

    そのおかげで全員無傷で済んだ。……だがアヌビスはそのまま消えてしまった。これといった情報を聞き出せないままに。

    リオ「……ヒマリ。今の彼女の空間移動​……恐らく、この箱舟の演算能力を利用したものよ。」

    ヒマリ「ええ……あり得る話ですね。」

    ホド「成る程、この『アトラ・ハシースの箱舟』は、次元を計算する演算装置……これを利用して、空間を移動出来るのという事か。」

    リオ「そうね。そして彼女は​……随分と、箱舟の能力を利用する事に慣れているようね。」

    デカグラマトン「……と、言うと?」

    ずっと黙っていたデカグラマトンも口を開く。

    ホド「つまり、箱舟の演算能力を確保出来れば……恐らくあれと同等の、物理的な空間跳躍シークエンスを作れる筈という事だ。」

    デカグラマトン「空間跳躍、シークエンス……?」

    ホド「お前、最近頭が悪くなってきてねぇか?」

    デカグラマトン「……強ち間違ってなさそうなのが悔しい。」

    ちょっと悔しがるデカグラマトン。

    リオ「私は『名もなき神』の技術について、キヴォトスいち詳しいつもりなのだけれども。未来の予知も、一部とはいえ実現させた事もあるわ。」

    デカグラマトン(未来の予知、アビ・エシュフに備わっていた能力の事か。単独で古代技術を再現する彼女の技術力には畏れすら抱くな……)

    リオ「恐らく一度しか使えないでしょうけれど​……空間跳躍シークエンスが完成すれば、艦内の全員を地上に移動させる事が出来る筈よ。」

    デカグラマトン「ふむ……成る程。」

    ヒマリ「つまり……リオ、あなたはエンジニア部が修理を完遂出来ないと考えているのですね?」

    そう、箱舟内に侵入した際の衝撃と先程の手榴弾による爆発によって本船はほぼ満身創痍。エンジニア部によって修理を施されている状況だ。

    リオ「エンジニア部を信用出来ないから、という話ではないわ​。」

    ヒマリ「そうですね……あなたは、『ビッグシスター』ですもの。全てに精通しているが故に、全ての事に疑念を抱く……まるで神託を受けた王のように……」

    ホド「……じゃあ、私も手伝うとしよう。」

  • 60スレ主25/05/07(水) 17:25:32

    >>59

    その時……

    マキ「ヒマリ部長!!」

    いきなりヴェリタスの部員達が通信をしてきた。

    ヒマリ「おや?どうしましたか?」

    ハレ「副部長が倒れた!」

    コタマ「地上の時よりも苦しみ方が酷い。どう見ても危険です!!」

    ヒマリ・デカグラマトン「「ッ!?」」

    ホド「……なぁ、デカグラマトン。行ってやれ、チーちゃんの元に。」

    ホドはデカグラマトンにそう言う。

    デカグラマトン「……分かった。」

    そう言うと、デカグラマトンはそこからチヒロ達の元へと向かった。

    ホド「じゃ、私達も始めるか。」

    リオ「ええ。」

    ホド(……その間に、もう1つ"やっておきたい事"をやっておくか……)

    ホドはリオと共にシークエンスの準備をすると同時に、とある作業を密かに始めた。

  • 61二次元好きの匿名さん25/05/07(水) 22:13:37

    このレスは削除されています

  • 62二次元好きの匿名さん25/05/08(木) 07:24:04

    このレスは削除されています

オススメ

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