【ホラー注意】時計の針が進むたびに、俺たちは壊れていく【10:00】

  • 1スレ主25/05/01(木) 07:36:58

    ――目が覚めたら、そこは廃病院だった。

    時計の針が刻むのは、“時間”ではなく、“精神の崩壊”。

    目に見えないものが、確かにこちらを見ている。

  • 2スレ主25/05/01(木) 07:37:22

    このスレは、ブルーロックの登場人物による参加型ホラーSSです。
    舞台は謎の“廃病院”。彼らは気づけば、そこに閉じ込められていました。

    ※プレイヤーの選択(安価)や運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点・結末が大きく変化します。
    ※選択肢次第で“発狂”“精神崩壊”“絆”に分岐します。
    ※正気度(SAN値)管理あり。
    ※取り返しのつかない選択も……あるかもしれません。

  • 3スレ主25/05/01(木) 07:39:03
  • 4スレ主25/05/01(木) 07:39:41

    ■キャラヘイトを目的とするものではありません
    ■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください
    ■荒らしはスルーします
    ■SS初心者です、ゆっくり進行ご容赦ください
    ■感想、質問、イラスト等何でもスレ主は喜びます
    ■広域ホスト規制に巻き込まれがちです、保守して頂けると幸いです

  • 5スレ主25/05/01(木) 07:41:24

    【登場人物紹介】

    潔 世一(いさぎ よいち)/SAN値:17→15

    熱意と直感で動くエゴイスト。
    感情に振り回されがちだが、仲間のことも決して見捨てない。

    前作「13:00遊園地ホラー」のクリア経験者。精神に“ある記憶”が刻まれている。

    ■固有能力
    【直感の導き】一度だけ、最善の選択肢を自動で選べる。
    【共鳴の記憶】SANチェック1回を自動成功扱いにできる(使用後破棄)。


    烏 旅人(からす たびと)/SAN値:19→18

    関西弁の現実主義者。冷静かつ合理的、でも仲間には情が深い。
    よくツッコミ役になるが、誰よりも状況を読んでいる苦労人。

    ■固有能力
    【精神肩代わり】仲間のSAN減少を1回だけ引き受けられる。
    【ツッコミの業】全員暴走時に選択を1回だけ修正可能。

  • 6スレ主25/05/01(木) 07:42:31

    御影 玲王(みかげ れお)/SAN値:16→16

    明るくてコミュ力抜群な王様気質。実は繊細で、精神耐久はやや低め。
    ピンチでも誰かを励ます力を持ち、周囲の士気を支える存在。

    ■固有能力
    【励まし】仲間のSANを+1回復できる(1回のみ)。
    【???】未発動の“もうひとつの力”が眠っている気配がある。


    二子 一揮(にこ いっき)/SAN値:20→20

    寡黙で沈着な分析家タイプ。目元は前髪で隠れていてほとんど見えない。
    オタク気質でカードゲーム好き。無表情に見えて、実は誰より熱い。

    ■固有能力
    【精神遮断】1度だけ、恐怖イベントを“無視”して情報として記憶する。
    【???】ポケットには、まだ表を見せていないカードがある。

  • 7スレ主25/05/01(木) 07:44:37

    【所持アイテム】

    ・メンタルリバースカプセル:SAN値+1(個人)
    ・小型回復薬:SAN値+2(個人)
    ・精神安定剤:SAN値+3(個人)
    ・ナースブレンド:ティアドロップ・エッセンス:SAN値+3(個人)

    ・対深層認識暴露・一次遮断噴霧剤
    →使用対象:1名のみ使用可能
    →発動タイミング:使用宣言後、即時発動
    →有効時間:1探索フェーズ+1戦闘イベントまで(連続行動を1単位とみなす)
    ・防衛用精神安定剤:SAN値減少1回無効化(個人)

  • 8スレ主25/05/01(木) 07:48:54

    【所持情報】

    ・デジタル時計×4:SAN値・時間管理アイテム
    ・避難経路図(一部情報欠損):廃病院のマップ詳細
    ・隔離病棟の内部地図:地下のマップ詳細
    ・非常口マニュアル:A-7通路のルート詳細

    ・《B-1病棟患者記録:被験体B17号》:崩壊寸前の観察記録
    ・《Dフロア認可/B-1準観察立入許可》:“特別雇用職員 No.16──准医師/院長代理任用候補”、古びた顔写真と、名前が塗りつぶされた経歴書
    ・【破れた指令ファイル】:『B-1病棟:臨床試験第2段階/対象個体:複数精神リンク構築可能体』『リンク数:上限解除/職員No.16……適応率上昇中』『……対話記録(断片):“……君ハ、戻ル。必ズ──”』
    ・《記録装置:No.16音声ログ》:重要録音ファイル。再生でイベント進行可能。
    ・《最終観察報告書》:病院の“中枢システム”が夢とリンクしている記録。“誰か”の意識が病院を支配し、夢を構成している可能性が浮上。

    ・院長専用通達文書(断片):【内容未確認】

    ・院長の記憶:院長は“何かを待っている”“誰かが戻ってくること”を前提に、ループor再現を繰り返している可能性“戻ってくる誰か”とは?

    ・管理医師ログ(私的記録):“他者の意識に侵食”注意

    ・幽霊の証言:病院支配者、地下情報、A-7情報共有

  • 9スレ主25/05/01(木) 08:04:10

    【鎮静観察室:②記録台引き出し・御影玲王】

    【探索開始】10:00



    玲王「よし、俺はこの“記録台”だな。」


    ベッド横に設置された古びた記録台。

    引き出しは金属製で、取っ手が錆びてやや曲がっている。


    カラン……


    引き出しを開けると、古い記録用紙が数枚と、黒ずんだ封筒が1つ──

    そして、何かが紙の下で“わずかに動いた”。



    玲王「……動いた……?」



    慌てて紙束をどけようとした瞬間──

    指先が、冷たくぬるりとした感触に触れた。


    その正体を確認する前に、室内の照明が一瞬、点滅する。


    パチ、パチ……


    玲王「おい……嘘だろ。この部屋、“まだ動いてる”のかよ……」


    dice1d100=59 (59)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

  • 10スレ主25/05/01(木) 08:12:14

    【探索成功!】10:00

    玲王は、触れた冷たい物の正体を確かめるように、
    慎重に紙束をめくった。

    そこにあったのは──
    透明な、未開封の薬剤カプセル。

    同時に、記録台の奥から1枚の資料が出てきた。
    文字は汚れていたが、判別は可能だった。

    『薬剤名:セントリクス・ノワール』
    効果:被験体の“自己意識”を一時的に解体・外部操作を容易にする
    使用経路:点滴/空気経路投与により、身体感覚と記憶を断絶
    記録:B17/B20/R5 に対して“リンク確定”/“副作用反応”あり
    ※使用後、“現実感の喪失”を報告する職員多数

    玲王「……これって、“操る”ための薬……」

    メモの下部には、対象者の初期識別コードとともに、その後“リンクに失敗して暴走した”という赤字での追記があった。


    玲王(これが……あいつらを、“夢に閉じ込めた”薬かよ……)


    彼は紙束を懐へ押し込み、
    薬剤カプセルは封を切らずにしまい込んだ。
    ひとつ深呼吸をして──その場を離れる。

  • 11スレ主25/05/01(木) 08:15:58

    【鎮静観察室:③点滴スタンド・潔世一】

    【探索開始】10:00


    潔「……この点滴、空になってるけど……」


    その数は3つ。スタンドにぶら下がったバッグは、完全に乾いていた。しかし、ひとつだけ──逆さにしても“何か”が底に沈んでいた。


    潔は袋を慎重に持ち上げ、光にかざして確認する。



    中には、黒い球体のような異物が沈んでいた。

    液体は干上がっているはずなのに、なぜかそれだけが“濡れて”見える。



    潔「……おかしい……。これ、“何か生きてる”みたいに、じわじわ動いてる……」


    直後、スタンド全体がガタリと揺れた。



    潔(!……今、誰かが“触った”……?)


    ──後ろを振り返るが、仲間たちは離れた場所にいる。照明がパチ、パチとまた明滅した。



    潔(……“俺の目が”、誤魔化されてる……)


    dice1d100=80 (80)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

  • 12スレ主25/05/01(木) 08:26:54

    【探索大成功!】10:00

    潔「……これ、中に何か挟まってる……」

    黒い異物のひとつを丁寧に取り出すと、それは防水処理された封筒型のマイクロファイルだった。

    中には、小さく折り畳まれたカルテの断片と、掌サイズの“医療用補助具”が収められていた。

    『被験体R5──“意識リンク後、急激に夢の干渉領域を拡大”』『R5は“他者の精神領域に踏み込む”能力を持ち、最終的に夢の中に“観察者”を呼び寄せた』※夢の介入対象を増やす行動は、初期段階では“本人の意思”だった。

    潔「……自分から、“人を巻き込んだ”……?」

    夢の中で誰かを“呼ぶ”── それはつまり、リンクを“拡張させる力”を持っていたということだ。


    潔(こいつ……“今も”ここにいるのか?)


    封筒の中には、もうひとつの物もあった。「精神遮断マイクロパッチ」と記された医療用シール。

    潔「……誰が“夢を見てる”んだ、この病院……?」

    彼は封筒を懐に収め、そっと仲間たちのもとへ戻った。

    【獲得アイテム】
    ・《精神遮断マイクロパッチ》×1(誰か1名の“次回SAN値減少を無効化”)

    【獲得情報】
    ・《R5患者記録:自発的リンク誘導者》
    →病院内に“観察者を呼ぶ”機能を持った、特異な存在の存在証拠。夢を構成・拡張していたのは、院長だけではなかった可能性。

  • 13スレ主25/05/01(木) 08:33:07

    【鎮静観察室:④モニタースイッチパネル・二子一揮(異常発生リスク中)】
    【探索開始】10:00


    二子「……記録映像が残ってるかもしれません。」

    部屋の壁に埋め込まれた、旧式のスイッチパネル。
    観察ログやライブ映像が送信されていた端末らしく、側面にはテープで「再生するな」と書かれた警告が貼られていた。
    その警告をじっと見つめたまま、二子は呟く。


    二子「“再生するな”……なら、“再生すれば”分かるということです。」

    彼は無言でスイッチに指を伸ばした。
    指先に触れた瞬間──パネルが反応し、黒い画面が光り出す。


    ──画面には、誰もいないベッドの映像。
    それが数秒間、静かに流れたあと。

    ……ザッ……ザザ……

    画面が一瞬揺れ、ベッドの上に、何かが横たわっていた。

    だが、形が曖昧すぎる。

    明らかに人間だが、頭部だけが“塗りつぶされて”いた。いや──映像自体が“頭部を映せない”ように歪んでいた。

  • 14スレ主25/05/01(木) 08:33:48

    二子(……これは……)



    再び画面が明滅したそのとき──

    モニタの表面に、“何かの手”が内側から這うような跡が走った。



    ギィィ……パシンッ!!


    パネルがショートし、光が弾ける。


    二子は一歩後退しながら、震える声で呟く。



    二子「……誰かが……“画面の中からこっちを見ていた”……」


    dice1d100=47 (47)

    (1〜30:大失敗 31〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 15スレ主25/05/01(木) 08:40:09

    【探索失敗】10:00
    【SAN値:-1(20→19)】
    【異常発生リスク上昇…戦闘イベント確定】


    ──ショートしたパネルの縁から、白い煙が噴き出した。

    その煙は部屋全体に拡散することはなく、まるで“二子の顔だけを包み込むように”、渦を巻いた。


    二子「……ッ!」


    咄嗟に息を止めるも──煙に触れた瞬間、頭の中に、“誰かの記憶ではない”視界が流れ込んできた。

    血に濡れたベッド。
    人のいない病室。
    点滴から逆流する黒い液体。

    そして、画面の中──“塗り潰された顔の男”が、
    モニタ越しに、手を伸ばしてきた──。


    二子「……違う……これは、“僕の記憶じゃない”……!」


    彼は肩を震わせ、慌ててスイッチを叩き切る。
    パネルは音もなく沈黙したが、頭の奥に残った“視線”は消えなかった。

    二子(……これは、“見たらいけない記録”だった……)

  • 16スレ主25/05/01(木) 08:44:03

    数分後──探索を終えた4人が、室内の中央に集まる。


    潔「……これ、R5って名前の患者記録。自分の意思で、“他人を夢に呼び込んでた”って……」

    玲王「……それ、誘拐じゃねえか。現実にいる人間を、無理やりこっちに引きずり込むって……」

    烏「しかもコレ見てみ。録音ファイルと観察報告……どうやら“この病院”、人間の夢の中そのものかもしれん。」

    二子「……僕、“誰かの視界”を見ました。でも、それは僕じゃない。画面の中のやつが──“外から見てた”んです。」


    ──そして、烏は懐から“記録装置”を取り出した。

    烏「再生、するで……ちょっと覚悟しいや。」


    【再生開始──記録装置 No.16:音声ログ】

    『……リンクが深すぎる……これは、分離できない……』
    『中央演算機が、自動的に“夢の上書き”を始めた……』
    『No.16──“意識そのもの”が、この病院と融合しようとしている』
    『誰かの夢? 違う……これはもう、“夢が夢を喰らってる”……!』
    『やめろ……!──画面を見るな!』
    『“気づかれる”ぞ──!!』

    ……ザザ……ブツン……。

  • 17スレ主25/05/01(木) 08:49:23

    数秒の沈黙。



    玲王「……“気づかれる”? 誰に……?」



    ──そのときだった。


    部屋の照明が、一斉に“落ちた”。



    真っ暗な鎮静観察室の中、4人は言葉を失ったまま、呼吸を止める。

    そして──視界の隅。


    “誰か”が、ベッドの上にゆっくりと起き上がった。



    その身体には包帯が巻かれ、顔の輪郭ははっきりとしない。だが確かに、それは今までの怪異と──“何かが違う”。



    潔「……来るぞ──!!」



    【B-1怪異「観察者-R5」】

    【戦闘開始:40以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=62 (62)

    烏 dice1d100=66 (66)

    玲王 dice1d100=57 (57)

    二子 dice1d100=92 (92)

    ※B-1病棟の怪異に対する+10補正(全員)

  • 18スレ主25/05/01(木) 09:05:19

    (補正いらなかったな…………)
    【戦闘開始】10:00


    ──白いベッドの上、“塗り潰された顔”の何かが、ゆらりと身を起こす。

    玲王「……気持ち悪ぃな……けど──もう、怖気づいてなんかいられねぇ!」

    玲王は一歩踏み込み、その手に構えた備え付けのメスを──投擲!

    シュッ──! 狙いは“腕”──

    触れた瞬間、怪異の体がビリビリと震え、それが“物理的な干渉”を受ける存在だと、全員が理解する。


    潔「……“見えた”──!」

    直後、潔は走り出す。
    誰よりも速く、誰よりも冷静に──

    “相手の弱点”が、呼吸するように頭に浮かぶ。


    ──“右胸の包帯の奥”。そこが、全身を繋ぐ“夢の中枢”だ。

    潔「もらった……ッ!」

    ガン──ッ!

    打撃が命中し、怪異が大きく仰け反る。

  • 19スレ主25/05/01(木) 09:13:42

    烏「ようやく“凡”の底力、見せる番やなぁ!」

    烏は勢いよく飛び込みながら、その腕を払い上げるように振る。


    烏「非凡に染まりすぎた夢には、ツッコミで現実を叩き返すんや!」

    バチンッ!!

    全身を貫くような、乾いた音。


    そして──

    二子「……これで、終わらせます。」

    彼の手には、“データコードのフラグメント”。
    さきほど記録装置の中から拾った、謎の欠片だった。


    二子「“これは夢”だと気づかせたくないあなたに……現実を──挿入する。」

    ピッ──
    音が鳴った瞬間、怪異の体がガクンと崩れる。

    ──“視線”が消えた。
    “干渉”が、止まった。


    全員が、確かに感じた。

  • 20スレ主25/05/01(木) 09:19:12

    烏「……終わった、んか……?」

    潔「あぁ、完全に……“断ち切った”。」

    玲王「ハハ……やったな……!」

    二子「はい。“僕たちの力で”勝ちました。」


    【撃破報酬/1ターン撃破特典】
    ・《記録保管端末室の鍵》

    ・《アクセスパスコード端末》
    →情報アイテムと組み合わせて使用することで、“断片的な記録”や“欠落した観察日誌”などを自動解析・補足表示できる。

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 09:20:56

    やはり暴力! 暴力はすべてを解決する……!

  • 22二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 09:22:27

    探索に比べて戦闘の安心感よ

  • 23スレ主25/05/01(木) 09:25:04

    >>21 スレ主の思ってた展開と違いますが…これはこれで面白いのでおっけー!



    烏「こいつはええもん拾ったな。情報がつながるんやったら、暗号も怖ないで!」


    潔「……今のうちに、手がかりをどんどん拾っていこう。」


    玲王は吐息混じりに笑いながら、背中に投げかけられる視線を振り返らず、こう言い放つ。



    玲王「残りの部屋も、あと少しだろ……? “全部暴いて、帰る”ぞ。」



    その言葉に──誰もが無言で頷いた。


    迷いは、もうない。



    彼らはこの病院の“深層”に、確実に触れ始めている。夢と記録の狭間。沈んでいた“真実の形”を、ひとつずつ掘り起こすために──。


    ──時計の針は、なお静かに進み続けている。



    ① 隔離居室A:重症者が1名のみ使用。扉に爪痕のような跡。

    ② 記録保管端末室:デジタル化されていない紙記録が保管されている。

    ※④以降の部屋はまだロック中。一定の探索進行で開放予定。


    【選択肢:どこに向かいますか?】

    >>24

  • 24二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 09:26:37
  • 25スレ主25/05/01(木) 09:41:40

    >>22 戦闘イベントがご褒美になりつつあります。

    >>24 ご選択ありがとうございました。



    ──B-1病棟北側、分厚い防火扉の奥。


    そこに、かつてこの病院の職員たちが

    “最終記録”を保管していたという部屋がある。



    潔「ここか……“記録保管端末室”。」


    扉には、しっかりとした電子ロックがかかっていたが── 烏がポケットから“戦闘で得た鍵”を取り出すと、カチリと軽い音で開錠された。



    烏「最近は物理キーも捨てたもんやないな……」

     


    ゆっくりと扉を押し開けた瞬間──

    中から、乾いた紙の匂いと、

    微かなオゾンの匂いが立ち昇った。



    二子「……誰かが、ずっと“ここで仕事をしていた”ような気配があります。」


    玲王「気を抜くなよ。ここは情報の“核”かもしれねぇ。」



    4人は慎重に足を踏み入れた。

  • 26スレ主25/05/01(木) 09:46:29

    部屋は約20畳ほどの広さ。

    窓はなく、蛍光灯が1本だけチリチリと点滅していた。


    中には──


    膝の高さまで積まれた紙の書類束。

    床に散乱するファイルケースと開きかけのダンボール。

    壁面に設置された旧型のログ入力端末。

    誰かが“作業していた痕跡”を残した記録確認スペース。


    そのすべてに、薄く埃が積もっているのに──

    “どこか最近使われた気配”が、微かに残っているのだ。



    潔「──人の気配がする。」


    烏「生きとるかは知らんけどな。」



    ① 古びたファイル棚:引き出しの奥に“署名入りの未登録記録”があるかもしれない。

    ② ログ端末背面:機器の裏側に、誰かが“物理メモ”を隠した形跡がある(異常発生リスク小)

    ③ 床に散らばる帳簿束:医師たちの“日常ログ”が混じっている可能性あり。

    ④ 記録確認スペース(デスク周辺):ライトが点滅している。電源は切れているはずなのに……?(異常発生リスク中)


    【選択肢:誰がどの場所を探索しますか?】

    1:潔 2:烏 3:玲王 4:二子


    4人まとめてお願いします。

    (例:1が① 2が② 3が③ 4が④など)

    >>27

  • 27二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 10:01:50

    1が① 2が④ 3が③ 4が②

  • 28スレ主25/05/01(木) 10:48:33

    【記録保管端末室探索:①古びたファイル棚・潔世一)

    【探索開始】10:00



    潔は壁際にそびえる、金属製の古びたファイル棚へと歩み寄った。


    見上げるほどの高さ。錆びた取っ手。

    引き出しには手書きの分類ラベルが貼られていたが、その多くは文字がにじみ、判別不能だった。


    潔「……ここだけ、誰かが最近いじったみたいだな。」



    最上段から三段目──そこだけ、埃がかぶっていなかった。まるで誰かが“急いで引き出した”かのような乱れ方だ。



    潔は静かに息を吐き、手袋越しに取っ手へ指をかける。


    潔(……頼む。情報があるなら──出てきてくれ。)


    ギ……ギィ……


    引き出しは、わずかに抵抗を感じながらも、軋む音を立てて開いた──


    その奥にあるのは、封筒の束と乱雑に詰められた紙片の影。


    中に“何が眠っているか”は、まだわからない。


    dice1d100=16 (16)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

  • 29二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 10:52:00

    ひえ…

  • 30スレ主25/05/01(木) 11:01:24

    >>29 戦闘は優秀なんですけどね…。



    【探索大失敗】11:00

    【SAN値-1(15→14)】


    ──ギィ……ギィィィ……


    引き出しは、途中までしか開かなかった。

    妙な手応え。紙の束ではない、

    “何か硬いもの”がつっかえている。



    潔「……?」


    潔は少し力を入れて引っ張った──その瞬間。



    バサァァァァ──ッ!


    引き出しの中から、“紙片ではない何か”が零れ落ちた。


    それは、黄ばんだカルテを束ねるバンド。

    ……人間の髪の毛の束で、縛られていた。



    潔「っ──!」


    反射的に後ずさる。

    けれど視線が、それに釘付けになって離れなかった。

  • 31スレ主25/05/01(木) 11:02:27

    潔(なんで、こんなもんで……?)

    そして──
    カルテの一番上に、名前のない診療記録があった。

    日付は、全て黒く塗り潰されている。
    その下に、“自分と似た名前”が手書きされているのを見て──潔は、息を呑んだ。


    潔「俺……じゃ、ないよな……?」

    その瞬間、世界がほんの一秒だけ、
    ぐらりと傾いたような感覚に襲われた。

    誰かの記録── けれど、
    自分の未来を覗いているような、奇妙な錯覚。


    【警告文】
    【精神状態】に異常が発生しました
    次回戦闘時-5補正がかかります

  • 32二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 11:04:49

    やばい!

  • 33スレ主25/05/01(木) 11:06:24

    【記録保管端末室:②ログ端末背面・二子一揮(異常発生リスク小)】

    【探索開始】11:00



    二子は無言で、壁に設置された旧型のログ端末へと歩を進めた。


    側面に並ぶ配線。排熱スリット。

    そして、その背後には埃にまみれた空間が広がっている。



    二子(このサイズの端末なら、裏面にメンテナンスパネルがあるはず……)


    二子は膝をつき、慎重に手を伸ばす。


    ──そのとき、指先に何かが触れた。



    硬質な紙質。端が少し折れている。誰かが裏面に“貼り付けて隠していた”形跡。



    二子「……メモか、な。」


    手探りでそれを引き抜いた。

    今にも破れそうな、茶色く変色した紙の切れ端だった。


    だが、そこにはまだ読める文字が残っている──


    dice1d100=81 (81)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 34スレ主25/05/01(木) 11:14:40

    >>32

    -5と+10補正で、計+5なのできっと大丈夫です!



    二子は慎重に紙片を開いた。

    紙は脆く、触れただけで崩れてしまいそうだった。


    ──それでも、その筆跡ははっきりと残っていた。


    《メモログ:K-FL端末/No.16の手記抜粋》


    ・“B17”の夢は定期的に病院構造を模倣し、そのうち“架空の区画”まで構築し始めた。

    ・リンクした私(No.16)は、その構造を“精神記録”として抽出・保存。この病院の深層領域は、既に彼(B17)の“認識”に影響されている。

    “記録は一部、2階院長室端末”へバックアップ済。鍵コード:─[赤黒く塗り潰されている]─



    二子「……“夢の中で病院を構築した”?

    それを記録に……?」


    これは、精神世界に留まらず、病院そのものを

    “B17の夢”に変えようとした試み──


    そして、No.16がその一端を担っていた証拠だった。



    二子は静かに目を細めた。


    二子「──ここはもう、現実じゃないのかもしれません。」

  • 35スレ主25/05/01(木) 11:18:42

    【記録保管端末室:③床の帳簿束・御影玲王】

    【探索開始】11:00



    玲王は深く腰を落とし、

    床一面に広がる帳簿の山を睨んでいた。


    封筒、記録紙、名簿──その中に、

    “職員ログ”と印字された紙束を見つける。



    玲王「この感じ、データじゃなくて“個人の記録”っぽいな。」


    彼は手早くページをめくる。

    日報形式。だが、奇妙なことに──日付の進行が途中で止まっている。


    そして、その先のページが──何かに塗り潰されていた。



    ──黒ではない。

    ──血に似た、何かで。



    玲王「……なんだこれ……絵具か、インクか、それとも……」


    息を吐きながら、玲王は慎重にページを剥がしていく。


    dice1d100=37 (37)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

  • 36スレ主25/05/01(木) 11:24:25

    【探索失敗】11:00
    【SAN値:-1(16→15)】


    ページをめくる玲王の手が止まる。

    インク……ではない。血……かもしれない。
    その“何か”に触れた瞬間、ざらりとした嫌な感触が指に伝わった。


    ──ビリッ。


    思わず力が入り、ページが破けた。


    玲王「っ……クソ……!」

    めくろうとした先の紙は、
    破損と染みで完全に読めなくなっていた。

    気づけば、手袋の指先まで赤黒い染みが広がっている。


    玲王「……なんだよ、これ。まるで“記録を隠すために”わざとやったみたいじゃねーか……」


    目の奥がじんわりと痛む。

    視界の端に、一瞬だけ“何かの残像”が見えた気がした──が、それはすぐに消えた。

  • 37スレ主25/05/01(木) 11:28:49

    【記録保管端末室:④記録確認スペース・烏旅人(異常発生リスク中)】

    【探索開始】11:00



    烏は、部屋の隅──端末が乱雑に散らばる作業台に足を向けた。


    天井のライトはチカチカと不規則に点滅しており、それが机の上の“器具の影”を、まるで生きているように揺らしている。



    烏「なんや……空気、変わったな。」


    彼は目を細め、ゆっくりと作業台の引き出しへと手を伸ばす。だがその時、足元の床が“ギシリ”と鳴った。


    烏「……ッ」


    まるで“誰かが真後ろに立った”ような、息のかかる気配。

    肩越しに振り返る──そこには“誰も”いない。


    だが、机の下に“布のようなもの”がぶら下がっていた。それは静かに揺れていた。



    烏「──非凡やな……これ。」


    彼は深く息を吐くと、おどけた調子を無理やり作る。


    烏「お化けでも、礼儀がなかったら退場やで。……さて、挨拶代わりに開けたるわ、この引き出し──」


    dice1d100=33 (33)

    (1〜30:大失敗 31〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 38スレ主25/05/01(木) 11:42:37

    【探索失敗】12:00
    【SAN値:-1(18→17)】
    【異常発生リスク上昇…戦闘イベント確定】


    ──カチン。

    引き出しを開けた瞬間、
    内側に固定されていた割れた注射器が転がり落ちた。
    針先に残っていたのは、どす黒く濁った液体。

    烏「うお……気色悪……ッ!」

    その瞬間、揺れていた布が、カサリと動いた。

    中から“人の手の形をした何か”が落ちてくる──否、それは手ではなかった。

    “腕の皮だけを剥いだような、空の袋”。


    烏「──ッ、はっ、はは……うわ、非凡すぎるやろ……!」

    笑おうとしたが、喉が上手く動かない。胃のあたりがざわつき、脳が軋むような異音を立てた。
     
    烏(……アカン。ちょっと、きてもうたかも……)


    【警告文】
    【精神状態】に異常が発生しました
    次回戦闘時-5補正がかかります

  • 39スレ主25/05/01(木) 11:45:30

    烏が青ざめた顔で机から離れた直後──

    空気が“少しだけ、重くなった”。


    二子「……みなさん、おそらく次です。怪異が来る。」

    潔は腕時計を見て、ふと目を見開く。


    潔「……! “時計の針”、進んでる──」

    それは、誰も気づかぬうちに静かに動いていた。


    玲王「さっき、10:00だったよな……?……くそっ、もう半分来ちまってんじゃねーか。」

    烏「時間も、体力も、そろそろギリやな……」


    潔は小さく頷き、仲間たちを見渡す。


    潔「でも、俺たちはここまで来た。
    ──次も、必ず突破する。」

    ──その言葉が、部屋の静けさを裂いた。

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 11:47:06

    成功率下がってる箇所があるとはいえ、探索の失敗多いの怖いな

  • 41スレ主25/05/01(木) 11:50:42

    ──ピィィィ……ピッ……ザザ……ピィ……


    ログ端末のスピーカーから、
    雑音混じりの音声が流れ始めた。

    スピーカーは誰も操作していないのに、
    勝手に電源が入り、映像が浮かび上がる。


    画面には、診察台に座るひとりの患者──
    B17号と記された少年の姿が映っていた。

    だがその顔は、こちらの顔と同じに変化していく。

    四人の誰か。あるいは、
    混ぜ合わせたような──「お前たち」自身。

    映像の中の“彼”が、唐突にこちらを睨む。


    映像「──ボクは、まだ壊れてないよ……?」
    映像「まだ“同じ夢”の中にいるんだ……ねえ……一緒に見ようよ……」
     

    ──キィィィイイイイイイイ……ッ!!

    モニターが破裂した。

  • 42スレ主25/05/01(木) 11:54:03

    >>40 失敗が多い=アイテムor情報が貰えない=SAN値回復orSAN値減少無効アイテムなど、全員無事で脱出するためのアイテムが拾えない、ということですからね…。



    飛び散る破片と共に、

    記録保管端末室の空気がひときわ冷たく染まる。


    足音のような、呼吸のような、

    “記録の歪み”が現実の隙間を這い回る。

     


    潔「来るぞ、構えろ……ッ!」


    烏「どうせやったら、もうちょいマシな登場の仕方せぇや……!」


    玲王「……次で終わりだ、絶対にぶっ倒す……ッ!」


    二子「敵、接近──交戦準備を。」



    【B-1怪異「夢を見るもの-B17」】

    【戦闘開始:40以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=98 (98)

    烏 dice1d100=100 (100)

    玲王 dice1d100=83 (83)

    二子 dice1d100=79 (79)

    ※B-1病棟の怪異に対する+10補正(全員)

    ※潔世一、烏旅人に対する-5補正

  • 43スレ主25/05/01(木) 11:55:01

    殺意高すぎてスレ主死ぬほど笑ってます。昼ごはん作りながら展開考えますね。

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 11:55:10

    だから殺意高いって!!
    なんで探索でこの出目でないの?!

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 11:55:48

    相変わらず戦闘は優秀で草

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 12:11:01

    潔と烏強すぎるだろ
    補正入れたら100オーバーじゃん!

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 12:17:10

    潔と烏ほんとにマイナス補正食らってんのか?
    と疑いたくなるレベルの出目

  • 48スレ主25/05/01(木) 12:28:12

    >>44 変わらず絶対に生き残る強い意志を感じます。

    >>45 4人だと1ターン勝率100%なんですよね…。

    >>46 補正に救われる展開はなさそうですね。

    >>47 ピンチだと燃え上がるタイプなのかな(謎)



    【戦闘開始】12:00


    ──足音が、鳴った瞬間。空間が、裂けた。


    病室の一角から現れたのは、無数の記録紙とコードが絡みついたような“ヒト型の影”。

    だが、4人は臆さなかった。


    二子「──誘導します。“記録の外側”へ。」


    二子は、右手を振ると同時に、足元にあった金属製の器具を蹴り飛ばす。音が反響し、怪異の注意が逸れる。


    その隙に、彼は迅速に移動。観察力の鬼である二子は、“存在の歪み”に即座に気づく。


    二子「ここ──急所です。」


    冷静に、音もなく“裂け目”へとメスのように突き刺す一撃を放つ。


    玲王「悪いけどな、記録でもなんでも……俺たちは書き換えてくからよ!!」


    声を張り上げながら突っ込む。過去の失敗も迷いも──この瞬間だけは、全部振り払った。


    玲王「ぶち壊す!」


    足場を蹴り、天井のパイプを踏み台にして斜め上から激突。攻撃は的確に、“情報の核”を断ち切った。

  • 49スレ主25/05/01(木) 12:32:17

    潔「──俺たちは、未来を選べる。そのために、今を変える──!」

    周囲の連携に合わせるように、視界がスッと開けた。

    未来視にも近い直感── 怪異の動き、破綻する軌道、そして“まだ見えない攻撃”の余波までもが読めた。

    潔「終わらせるッ!」

    バチッ……バチチチ……!

    内部構造が崩壊していく音が、現実を震わせた。


    ──静かに、彼は笑っていた。

    烏「やっぱり俺、非凡やろ──?」

    動き出すまでに、0.1秒もかからなかった。
    滑り込むように移動し、破裂寸前の怪異の“背後”を取り、一瞬で制圧。

    烏「名探偵、西の突撃隊長、烏旅人!……トリは任せとき!」

    声と共に、容赦ない掌底が突き上げられた。
    それはもう攻撃ではなく、まるで“儀式”だった。


    そして──

    B17「……ああ、“壊れた”のは……やっぱり、ボクだったのか……」 
    崩れるように、記録紙とコードの塊が床に沈んでいく。

  • 50スレ主25/05/01(木) 12:36:19

    全員がその場で立ち尽くす。

    一瞬の静寂。

     
    二子「……完璧です。」

    玲王「っし……よっしゃああああ!!」

    潔「……みんな、すごかった……」

    玲王「いや、お前の一撃、ヤバかっただろ……!“見えてた”だろ、あれ。なあ?」

    烏「せやなあ、凡のくせに……いや、今回は“非凡”認定や。すげぇもん見せてもろたで。」

    二子「……“見えていた”というより、全体が“自然に繋がった”ように見えました。」


    玲王「つーか烏、お前……マジで何それ、動きがキレッキレじゃん!」

    烏「ふふん!この世界で、たぶん一番かっこいい凡人や!」


    みんなが、笑った。

    ほんの一瞬だけ、怪異に囲まれたはずの病院が“生きている”ように見えた。

  • 51スレ主25/05/01(木) 12:40:47

    【撃破報酬/1ターン撃破特典/クリティカル】

    ・『隔離液:精神安定処方』
     →1人のSAN値減少を無効化

    ・屋上通路の鍵

    ■クリティカル特典1(潔)
    ・『精神遮断ブロックコード』
     →次回SAN値減少無効(まとめて2人に効果)

    ■クリティカル特典2(烏)
    ・次回探索時:自動成功確定
    ・次回戦闘時:ダイス+10補正


    烏「鍵、手に入れたで。“屋上通路”のやつやな。」

    二子「もしかしたら、外に出られるかも……」

    玲王「いや、出られるとしても、どうせ“何か仕掛け”はあるだろ。」

    潔「でも、それでも進むしかない……このまま終わるわけにはいかない。」

    4人は戦いを終えたばかりの部屋を見渡す。
    そこに残されたコードと紙の山は、まだこの場所が異常であることを否応なく思い出させる。

  • 52スレ主25/05/01(木) 12:44:02

    ──その中から、奇妙なメモ書きを見つけた。

    《メモログ:B17号・最終観察記録》
    ・彼は記録の中で、“夢の断片”を収集していた。
    ・断片には“顔のない医師”の記録が混入していた。
    ・それは“B20号”か、“No.16”か……確証はない。
    ・ただ、彼が最後に書き残した言葉は──
    「次は、きっと“あの子”が壊れる」


    潔「“あの子”って……誰だよ……?」

    玲王「まだ誰か囚われてるってことか……?」

    二子「……“B20号”──残りの怪異。次に現れるのは、そちらでしょう。」

    烏「せやな。“記録”がもうこうなってるってことは……“現実”が追いついてくるっちゅーことや。」


    ──次なる部屋は、B20号の眠る場所──
    隔離居室Aである。

  • 53スレ主25/05/01(木) 12:54:52

    ──記録保管端末室を出て、長く伸びる通路の突き当たり。他の病室とは明らかに造りが異なる、分厚い鉄扉がひとつだけ設置されている。

    その前で、4人は立ち止まった。


    二子「……この部屋だけ、明らかに“空気”が違います。」

    扉に近づくと、“爪で引き裂かれたような痕”が、
    あらゆる場所に刻まれている。
    金属が削られ、
    扉の内側から暴れた形跡が無数に残っている。


    烏「どんな患者やねん……いや、もう“患者”ちゃうやろ、これ。」


    鍵はすでに壊されていた。

    開けるまでもなく、
    扉の一部がわずかに“外側に膨らんで”いる。


    潔「……じゃあ、もう中に“いない”のかも……?」

    玲王「いや……“いたとしても、形が変わってる”だろうな。」


    慎重に扉を押し開けた──。

  • 54スレ主25/05/01(木) 13:01:46

    ──隔離居室A。

    その名に違わず、部屋に一歩踏み込んだ瞬間から、空気が変わった。

    ただ“気持ち悪い”のではない。
    身体の芯に直接響くような、“拒絶”の波動が空間中に満ちていた。


    烏「……こっわ……さっきのとこより、ずっと……キてるな……」

    天井のマネキンがギィ……ギィ……と不規則に揺れるたび、頭の奥で誰かに囁かれるような、奇妙な幻聴が走る。

    玲王「この部屋、マジで……“何かある”。さっきから、俺の足が勝手に“逃げようとしてる”感じするし……」

    潔「……もしこの部屋で、何かが“動き出したら”── やばい。直感でそう感じる。」

    二子「“精神侵食濃度”、おそらくB-1病棟内でも最高ランクです。万が一にも接触すれば、発狂のリスクすらあります。」

    二子の腕時計表示された数値が、かすかにノイズを刻む。これまでのどの空間よりも、不安定な領域であることは確かだった。


    ──だからこそ、慎重に準備しなければならない。

    この空間に長く留まるだけで、精神は確実に蝕まれる。怪異が出るか否かに関係なく、“先に守りを固めておくべき”かもしれない。

    潔「アイテムや、能力……使うなら、今だな。」

    烏「そうやな。出し惜しみして、倒れたら元も子もないしな。」

    玲王「用心しすぎってぐらいがちょうどいい……っつー空気だよな。ここ。」

  • 55スレ主25/05/01(木) 13:07:50

    【選択肢:アイテム、固有能力を使用しますか?】


    ※成功率が下がります。(烏は1度探索自動成功)

    ※戦闘イベントには、+10補正があります。

    ※SAN値減少時や回避不可時にも使用可能です。

    ※事前に使用したいものがあれば、>>58 まで教えてください。なければ「なし」と教えてください。

    ※この場面で使いたい!等も教えてください。

    ※固有能力は>>5 >>6

    ※アイテムは>>7 +下記の通りです。


    ・精神遮断マイクロパッチ:SAN値減少を無効化(個人)

    ・隔離液:精神安定処方:SAN値減少を無効化(個人)

    ・精神遮断ブロックコード:SAN値減少無効(2名)

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 13:27:36

    潔に小型回復薬(+2)か精神安定剤(+3)のどっちか使う?

  • 57スレ主25/05/01(木) 13:36:09

    とりあえず進めますが、使用したいアイテムや固有能力があればご申告くださいね!ちなみに、SAN値減少無効は、「次回SAN値減少時」なので、からぶることはないのでご安心を。対深層認識暴露・一次遮断噴霧剤は最終戦あたりで使用するのをオススメします。


    >>56 それでは潔に小型回復薬使用しましょう。

  • 58二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 13:43:11

    SAN減少無効化はこの段階じゃ使いたくないな
    今まで減少が1ずつだったからいいが、最終戦近くなると一気に5くらい持ってかれる可能性が否めない

    二子の精神遮断は絶対に落とせない情報があるところで使えたら強いわ

  • 59スレ主25/05/01(木) 13:43:26

    潔は、ポケットから小さな銀色のスプレー缶を取り出した。

    玲王「あ、それ……」

    潔「うん、“小型回復薬”。たぶん、精神の揺れを少し抑えてくれるやつ……だったよな。」

    缶を軽く振ってから、こめかみに一吹き。
    ひんやりとした感覚と共に、心のざわつきがスッと引いていくのを感じた。


    潔「……ふぅ。ちょっとだけ……落ち着いた、かも。」

    二子「安定しましたね。今の状態なら、“軽度の侵食”までは耐えられそうです。」

    烏「ナイス判断やな、潔。これでちょっとは安心できるわ。」


    ──ほんの少しでも、“冷静さ”を取り戻せることが、この空間では生死を分ける。

    4人は互いに小さく頷き、探索の態勢へと入った。

    【SAN値:潔世一:14 → 16】

  • 60スレ主25/05/01(木) 13:51:55

    >>58 畏まりました。スレ主からのアドバイスも引き続きしっかり行いますね。



    【探索進行】12:00


    潔「じゃあ、分担して調べるか。」

     

    玲王「ああ……さっさと済ませよう。長居は禁物だ。」


    二子「各所、異常発生リスクがあります。特に、拘束器具とあのマネキン下部……注意してください。」


    烏「……怖いわぁ。こっちくんなよ、ほんま……“動くなよ”? 絶対やで?」


    天井のマネキンが、またギィ……と、誰にも触れられていないのに揺れた。


    誰も口には出さなかったが、全員の背中に冷たい汗が流れたのだった──。



    ① 拘束器具の破損跡:壊された手枷や足枷に、“何かが記録されていた”痕跡(異常発生リスク中)

    ② 酸素チューブ付近の床下:チューブの下に、“意図的に隠された箱”のような物がある

    ③ 隔離日誌の落下束:医師が残したメモ類。投薬や観察内容に関する詳細が残っている可能性。

    ④ 天井のマネキン頭部の下:その下の床に、謎の“円形の痕跡”が描かれている。近づくと、“何か”が動いている気配(異常発生リスク:中)


    【選択肢:誰がどの場所を探索しますか?】

    1:潔 2:烏 3:玲王 4:二子


    4人まとめてお願いします。

    (例:1が① 2が② 3が③ 4が④など)

    >>61

  • 61二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 14:05:15

    1が② 2が① 3が③ 4が④

  • 62スレ主25/05/01(木) 14:12:59

    >>61 ご選択ありがとうございました。



    【隔離居室A探索:①拘束器具の破損跡・烏旅人】

    【探索開始】12:00



    烏「──ほな、俺がこの“地雷っぽいの”見てくるわ……」


    自分に言い聞かせるように呟きながら、

    烏はゆっくりと壊れた拘束ベッドに近づいていく。


    手足を固定するはずの金属製の枷は、完全に引きちぎられており、ねじれた破片が床に散らばっていた。


    烏「なぁ……これさあ……“引きちぎった”っちゅうレベルちゃうで? “自分の骨も砕いてでも抜け出した”みたいな……」


    近づいた瞬間、強烈な違和感が襲った。

    まるでこの場所だけ、空間そのものが

    “ねじれている”かのように、視界がゆらめく。



    その歪んだ視界の中に、何かがチラついた──

    床に、赤黒く染み込んだ何かの“記録”のような痕跡。手形のような、文字のような、それでいて人ではない“意志”のような形。

  • 63スレ主25/05/01(木) 14:15:41

    烏「……こらアカン、絶対なんか見落としたらアカンやつや。凡には分からんけど、“非凡なやばさ”だけは感じる……」



    烏は慎重に、金属片を踏まないよう注意しながら、

    床の染みを指でなぞった。


    触れた瞬間──



    ギィ……ギギィ……


    扉の向こうで、何かが“金属を引きずるような音”を立てている気がした。


    烏「ちょ、待て、待て待て……っ! お前、動くなよ!? 枷のくせに、じっとしとけよ!?」


    心の中で何度も“逃げたい”と叫びながらも、

    烏はその場を動かず、静かに状況を見極めていた。


    【異常発生リスク中】

    dice1d100=2 (2)

    (1〜35:大失敗 36〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 64二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 14:19:00

    あっ

  • 65スレ主25/05/01(木) 14:26:43

    >>64 烏ファンブルです。やっちゃったね。


    【探索大失敗(ファンブル)】13:00

    【SAN値:-2(17→15)】



    ──カチッ

     

    床の金属片のひとつを避けようと、烏が足をずらした瞬間。

    爪先が、何か“粘着質な塊”を踏んだ。


    ブチュ……。



    次の瞬間── 烏の意識の中に、誰かの悲鳴と、暴れる肉塊の記憶が流れ込んできた。


    『やめてくれ、もうやめてくれ……ッ!ここは……“正しい治療の場所”だったはずだろ……!?』


    ──ああ、まただ。また、頭の中に“誰か”が入ってくる。



    烏「ッ……やめろ……! 俺の思考に、土足で入ってくんな……ッ!!」


    頭を押さえながら後ずさるが、錯覚は止まらない。手足の感覚が曖昧になり、立っている床の傾きさえ怪しくなる。


    ──精神、乱調。


    【警告文】

    【精神状態】に異常が発生しました

    次回戦闘時-10補正がかかります

  • 66スレ主25/05/01(木) 14:29:56

    玲王「おい、烏!? 大丈夫か!? 顔色、最っ悪だぞ!」

    烏「アカン……声が、聞こえる……まだ、“中に残ってる”かもしれへん……」

    烏「今の俺、たぶんまともに戦われへん……ッ!!」

    潔「くそ……ここはやっぱり、ヤバい場所だった……!」

    二子「深層リンクの初期段階……侵蝕率、現在7%超。“再発動時は即時沈下”のリスクもあります。」

     

    烏は額の汗を拭いながら、
    なんとか立ち直ろうと肩を震わせる。
    が、明らかに精神の安定は損なわれているのが、
    誰の目にも明らかだった。


    ──時計の針が、カチリ、と進んだ。

    【現在時刻:13:00】


    【異常発生リスク上昇…戦闘イベント確定】
    【特殊イベント準備開始】

  • 67スレ主25/05/01(木) 14:34:14

    【隔離居室A:②酸素チューブ付近の床下・潔世一】

    【探索開始】13:00



    部屋の片隅、

    天井から垂れ下がる酸素供給チューブの下──

    そこに何か、“不自然に置かれた銀色の箱”のようなものが、薄暗い床の影に隠れていた。



    潔「……あれか?」


    屈んで覗き込むと、箱の表面には医療用の管理番号と、“注意:薬品封入”と書かれた黄ばんだシールが貼られている。



    潔「……ちょっと不気味だな……」


    慎重に手を伸ばし、箱を引き寄せる。

    チューブがカタカタと揺れ、天井のマネキンが“それに呼応するように”わずかに揺れ動いた。


    ギィ……ギィ……


    潔「……落ち着け。落ち着け、俺。」


    視線は箱に集中しながらも、

    耳は背後の全てに神経を張り巡らせている。

    まるで、何かが“気配だけで近づいてくる”ような、薄気味悪さが、この部屋にはあった。


    dice1d100=64 (64)

    (1〜30:大失敗 31〜55:失敗)

    (56〜80:成功 81〜100:大成功)

  • 68二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 14:36:32

    ヨシ!

  • 69スレ主25/05/01(木) 14:41:51

    >>68 セーフです、よくやってくれました。



    【探索成功】13:00


    箱の蓋を開けると、中には薬品類と共に、

    一枚の薄い透明シートが丁寧に挟まれていた。


    その透明シートには、“人体図に赤くマーキングされた複数箇所”が浮かび上がっている。

    どうやら、特定の部位に集中的な影響が及ぶタイプの精神汚染を示す図のようだった。



    潔「……これ、怪異に襲われた人間の“汚染経路”……か?」


    図の隅には、手書きの走り書きが残されていた。



    『B20号──“最終段階の精神汚染”を確認。

     症状:他者の意識と完全な“同調”を開始。

     観察最終日:記録不能。思考汚染のため“映像資料も不使用”。』



    潔「……B20号。まだ、終わってないってことか……」


    この情報は明らかに、“次の戦い”に関わるものだ。

    隔離居室Aには、まだ“何かがいる”。

    そして、それは意識の中に入り込んでくるタイプの怪異である可能性が高い──。



    潔「みんなにこれを共有しよう。次、下手したら“触れるだけで終わる”かもしれない……!」

  • 70スレ主25/05/01(木) 14:45:50

    【隔離居室A:③隔離日誌の落下束・御影玲王】

    【探索開始】13:00



    天井のマネキンが揺れる真下、積み重なった記録束の山の中。散乱した紙の束の端から、わずかに覗いている“黒い背表紙”があった。


    玲王「……日誌か? この感じ……医師の記録ノート?」


    玲王はしゃがみ込み、慎重に紙束をかき分けていく。

    ページの多くは血のようなもので濡れていたが、それでも数ページは読める状態を保っていた。


    《隔離記録:B17号〜B20号》


    記録は断片的だったが、確実に共通していたのは──彼らが“精神的接続を強制的に誘導された存在”であるということ。


    玲王「……患者を、“誰かと繋げる”実験……?」


    最終ページの手前で、突然、紙束の間から“何かの髪の毛のようなもの”が垂れてきた。


    玲王「……っ!」


    驚いて手を引いたその直後──

    マネキンがギィィィィ……と揺れた。



    玲王「チッ、マジでビビらせんなっての……!」


    dice1d100=89 (89)

    (1〜30:大失敗 31〜55:失敗)

    (56〜80:成功 81〜100:大成功)

  • 71二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 14:54:33

    玲王が探索成功してると感慨深くなる

  • 72スレ主25/05/01(木) 14:54:56

    【探索大成功!】13:00

    玲王は慎重に記録束をかき分け、最奥から黒い革表紙の小さなメモ帳を引き抜いた。
    表紙には、手書きでこう記されていた。

    《職員私記:第七観察医・ミナト》

    中をめくると、日誌というよりは
    “職員の独白”のような内容が続いていた。
    その中に、目を引く一文がある。

    『B20号は“接続の核心”に近づきすぎた。
     彼女の発狂後、部屋は完全に“共鳴構造”へ移行。
     部屋に入った者の精神に、遺留意識が侵入する──』

    玲王「“共鳴構造”? ……マジかよ。そんなん、“近づいた時点で終わり”じゃねえか……」

    記録の最後には、鍵のアイコンと共に、
    簡単な手描きの図が添えられていた。

    そこに示されていたのは、非常時に使用できる“精神遮断フィルター”の使用法だった。

    玲王「これ……たぶん、あの遮断スプレー、もう一本くらいあるってことかもな。」


    彼は急いで紙を破り、ポケットに押し込んだ。

    【アイテム取得】
    ・《遮断フィルターの使用マニュアル》
    →特定の探索 or イベント時に、精神汚染を軽減できる可能性あり。

  • 73スレ主25/05/01(木) 15:01:07

    >>71 失敗が沢山続きましたからね…


    【隔離居室A:④天井のマネキン頭部の下・二子一揮】

    【探索開始】13:00


    部屋の中央、天井のマネキンが吊るされた真下。その足元に広がる薄暗い範囲に、何かが転がっていた。


    二子「……この位置、“あまりにも嫌な配置”ですね。」


    静かに近づいた二子は、細身のライトを取り出し、対象物を照らす。光の輪に照らされたのは──割れたガラス片と、小さなタグ付きの記録カード。


    その瞬間──マネキンの首が、“ギィ”と音を立てて、二子の方へと曲がった。


    二子「……ッ、反応、あり。」


    周囲に動きは見えない。けれど、マネキンが“見ている”という錯覚が、全身に悪寒を走らせる。


    二子は慎重に手を伸ばす。

    ガラス片の間に、封筒に入ったままの何かが見える──が、その封筒を持ち上げかけたその時──


    ギィィィィ……


    マネキンの首が再び揺れた。今度は“確かに”動いた。誰も触れていないのに──!


    二子「……タイムリミット、迫ってます。この部屋、早急に離脱が必要です。」


    【異常発生リスク中】

    dice1d100=42 (42)

    (1〜35:大失敗 36〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 74スレ主25/05/01(木) 15:16:22

    【探索失敗】13:00
    【SAN値:-2(19→17)】
    【精神不安定回避】


    ──その瞬間、
    “何か”が視界の奥に差し込んできた。

    手を伸ばした瞬間、マネキンの首から
    “音もなく”何かが滑り落ちる。

    それはまるで、脳内に侵入するような、
    透明な“囁き”だった。


    『……みつけた……。君の、思考、優しいね。ねぇ……、ねぇ……こっちに……』


    二子「──っ!」

    体がビクリと跳ね、手にした封筒を落とす。

    心臓の鼓動が一瞬遅れ、汗がにじむ。

    視界がゆらぎ、幻のような“鏡像の自分”が
    床に立っていたように思えた。

  • 75スレ主25/05/01(木) 15:19:16

    潔「……これ、たぶん“B20号”の治療記録。
    “汚染経路”と“共鳴の始まり”の記録があった。
    最悪、見るだけでやられるってことだ。」

    玲王「こっちも確認取れた。
    “部屋そのものが精神を誘導する構造”になってる。
    やっぱ、ここの怪異は、体より“頭にくる”タイプだ。」

    烏「せやけど……俺の頭には、すでに誰か住んでそうやけどな……」

    烏は震えながら、さりげなくみんなの顔色を伺っている。


    二子「“リンク対象”がまだ残っている可能性も否定できません。観測データ上、“複数回の侵入”が記録されています。」


    全員が、どこか重苦しい空気の中、
    互いに視線を交わし、覚悟を決める。


    潔「行こう。ここに“残ってる”なら──もう、止めなきゃいけない存在だ。」

  • 76スレ主25/05/01(木) 15:27:05

    ──ギィイイ……ィィィ……



    部屋の隅、マネキンの足元がずるりと崩れる。

    そして、床に“染み込んでいた黒い影”が、静かに立ち上がった。



    その姿は──白い患者服を着た少女の影。

    しかしその顔は、まるでガラスのようにひび割れた“マネキン”そのものだった。



    『……また来たの……。どうして、逃げないの……?』


    少女の瞳孔は潰れ、口元だけが笑っていた。

    誰かの記憶、誰かの思念、

    そして──この部屋で“壊れてしまった存在”。



    二子「…全員、戦闘準備を。」



    【B-1怪異「壊れたマネキン - B20」】

    【戦闘開始:45以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=21 (21)

    烏 dice1d100=11 (11)

    玲王 dice1d100=3 (3)

    二子 dice1d100=9 (9)

    ※B-1病棟の怪異に対する+10補正(全員)

    ※烏旅人に対する-10補正

    ※潔世一、御影玲王の取得情報に“汚染経路”と“侵食反応の前兆”あり、B20対する+10補正(全員1ターン限定)

  • 77スレ主25/05/01(木) 15:30:25

    全員やる気なくしました。
    玲王の遮断フィルター記録が自動発動し、回避失敗の場合、SAN値-1・精神不安定(-5)まで抑えられます。
    使用したいアイテム、固有能力があれば教えてください(烏の固有能力だとダイス振り直すことができます)。

  • 78二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 15:32:46

    ワァ…ァ…!
    烏の固有能力でダイス振りなおしお願いしたいです!

  • 79スレ主25/05/01(木) 15:32:53

    あと玲王ファンブルなので、ダイスに-10が付きます。

  • 80スレ主25/05/01(木) 15:37:42

    >>78 準備します!(玲王ファンブル取り消し)

  • 81スレ主25/05/01(木) 15:41:31

    【烏旅人・固有能力:ツッコミの業使用】13:00


    ──直後。


    潔「くっ、動きが……!」

    玲王「ダメだ……! 体が“読まれてる”……!」

    二子「ッ……タイミングが……ずれて……!」


    そして、怪異の影が全員に“同時に襲いかかろう”とした──

    そのとき。




    烏「──ッ待たんかい!!!!!」

    部屋全体に、凄まじい声が響き渡った。
    瞬間、世界が“パリィィン!”という音と共に、
    まるでガラスが砕けるようにひび割れ──


     

    ──時が、戻る。

  • 82二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 15:42:52

    急に戦意削がれたの笑っちゃいけないんだけど面白いw
    みんな頑張れ!

  • 83スレ主25/05/01(木) 15:46:05

    >>82 烏って本当おもしれー男ですよね。



    潔「……!? 今の……デジャヴ……?」


    玲王「いや……違う。これ、“アイツの声”……?」


    二子「……烏くん。“修正、完了”ですね。」



    烏「せや、俺が未来からツッコミかましに来たんや。こんな情けない戦闘、読者に見せられるかい!!!!」


    烏「(ぐっ……言ってることはめちゃくちゃやけど、ツッコミが重く響く……)」



    潔「……行こう。“仕切り直し”だ!」



    【B-1怪異「壊れたマネキン - B20」】

    【戦闘開始:45以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=79 (79)

    烏 dice1d100=37 (37)

    玲王 dice1d100=98 (98)

    二子 dice1d100=30 (30)

    ※B-1病棟の怪異に対する+10補正(全員)

    ※烏旅人に対する-10補正

    ※潔世一、御影玲王の取得情報に“汚染経路”と“侵食反応の前兆”あり、B20対する+10補正(全員1ターン限定)

  • 84スレ主25/05/01(木) 15:49:48

    (ツッコミめちゃくちゃ便利なので、玲王のクリティカルで固有能力復活させたいんですけど、皆様怒りますか?)

  • 85二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 15:50:02

    割り込みになるけど、烏ってさっきの100で探索自動成功なかったっけ

  • 86二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:02:53

    >>84

    面白いのでアリだと思います!

  • 87スレ主25/05/01(木) 16:16:08

    >>85 ああああ申し訳ありません、次の探索で反映させます!ご指摘ありがとうございます、助かります。

    >>86 ありがとうございます!復活させます!


    【戦闘開始】13:00


    空間が──歪んだ。

    B20が四人を見据え、じわりと意識を“喰らう”ように近づいてきた。


    ──だが。

    その動きを迎え撃ったのは、完全な連携と、誰もが恐怖に飲まれない“覚悟”だった。



    二子「──構造分析、完了。」


    彼が取り出したのは、怪異の意識誘導パターンを妨害する“即席の遮断式ペンライト”。


    B20の虚ろな眼差しに、鋭い光が走る。


    二子「これで、“視界リンク”は切断。……あとは、お願いします。」



    烏「──なんや、思ってたより“顔色悪いだけ”やんけ!」


    烏は、いつものように軽口を叩きながらも、足取りは鋭く、軌道は完璧。不安を押し殺すように笑い、突っ込む。


    烏「──“笑ってるヤツ”が一番怖いって、知っとったか?」


    彼の手に握られたのは、かつて手術室で拾った金属片。それを見事に投げつけ、B20の右腕を貫いた。


    影がよろめいた──。

  • 88スレ主25/05/01(木) 16:19:25

    潔「──“見えた”。」

    動いた瞬間、
    潔の眼には“明確な軌道”が映っていた。
    さっきまでの失敗のイメージも、感情も、
    すべてが削ぎ落ち──ただ、一点だけを見据える。

    潔「ありがとう、烏、二子。次で──決める。」

    鋭い足運びから放たれた一撃。それはまさに、“チームで繋いだ意思”の結晶だった。

    怪異の中心が、崩れはじめる。


    ──だが。

    玲王「“仕上げ”は任せてもらうぜ。」

    冷たい笑みと共に、玲王が最後の一撃を放った。
    それは、どこか──“自分を乗り越える”ような、
    一閃だった。


    玲王「──お前の顔、前に“夢の中”で見た気がすんだよな。だったら、もう二度と、見たくねぇよ。」

    彼の放った一撃が、怪異の“共鳴核”を貫いた瞬間── B20号の体は静かに、そして穏やかに崩れていった。

    ──笑っていた口元が、ゆっくりと閉じた。

  • 89スレ主25/05/01(木) 16:23:48

    影は霧散し、静寂が戻る。
    空気が、やっと“生きている”ものに戻っていく。


    潔「……終わった……のか。」

    烏「いや、今のはマジでアカンかった。俺の声が時戻したん、マジで世界救ったんちゃうか……?」

    二子「烏くんに感謝ですね。あと、玲王くんも……」

    潔「──玲王、ありがとう。最後、完璧だったな。すげぇよ。」

    玲王「ハッ、まあな。全部お前らが繋いでくれたからだ。……にしても、“俺が褒められてる”って、すげえ違和感あるな……」

    烏「“非凡”やったわ。お前が一番光っとる。……そのうち雷落ちるんちゃうか?」

    玲王「縁起でもねぇ……!」


    怪異の崩壊と同時に、床下の隙間から金属製の封筒が転がり出てくる。
    それは“実験記録”と記された分厚い文書だった。

    『第3次接続実験により、“B20号”の思念は統合段階へ。この部屋全体は現在、共鳴領域と化しており、時間軸に歪みが発生中。このまま放置すると、下層施設にも影響が出る恐れあり──』

  • 90スレ主25/05/01(木) 16:43:54

    【撃破報酬/1ターン撃破特典/クリティカル】

    ・《院長室のセキュリティキー》

    ・《施錠記録解除キー(刻印:???)》
    → 病院内部でも“完全に封鎖”されていたエリアへのアクセスが可能に。

    ・《メンタルリブートパッチ》
    → 戦闘不能者を即時復帰(SAN値+2)

    ・固有能力《ツッコミの業》再発動
    → 全員戦闘失敗時に時を“1度だけ”巻き戻す機能が復活。


    烏「──戻ってきたで……我が魂の叫び。“ツッコミの業”、復ッ活!!!」

    潔「……頼れるわ、マジで。」

    玲王「まじで、“声の圧”だけで時戻ったからな……ヤバすぎる。」

    二子「烏くんの存在は“現象”と分類しておきます。もう人ではない。」


    一同、笑いながらも息を整え──
    次の部屋に進む覚悟を、もう一度だけ、胸に刻んだ。

  • 91スレ主25/05/01(木) 16:50:02

    それぞれが手にした鍵を握りしめながら、

    次の選択を見据える──


    ① 院長室(異常ロック解除可能)

    ② 屋上通路(解錠可能)

    ③ B-1病棟・???(特別通路の解除キーで解放)


    【選択肢:どこに向かいますか?】

    >>92


    ※まずは③へ向かうことをオススメします。

    ※危険度:③安全 ②危険 ①超危険

  • 92二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 16:50:41
  • 93スレ主25/05/01(木) 17:02:17

    >>92 ご選択ありがとうございました。


    特殊イベント準備中です。

    楽しみにお待ちくださいませ。

  • 94スレ主25/05/01(木) 17:19:35

    静かに、だが確かに。
    4人の足音が、廊下に重く響いた。


    烏「……次は、“ここ”か。」

    二子が避難経路図を確認する。
    確かに記されている、しかし部屋の名は伏せられ、
    記号すら潰れている──

    玲王「──名前、消えてる? そんなこと、あるのかよ……」

    潔「わざと……かもな。何かを“隠すため”に。」


    “何かが潜んでいる”。

    誰も口には出さないが、
    その予感が、全員の中で揺れていた。


    【???】と書かれたプレートのかかった、
    ドアの前に立った瞬間。




    ──バン!

  • 95スレ主25/05/01(木) 17:23:28

    ドアの向こうから、
    何かが硬い壁を叩くような音が鳴った。


    続けざまに、

    ギィィッ……ギンッ……!

     


    烏「おい、今の音……中、誰かおるんか?」

    玲王「ってか、動いてる? 中から、誰かが……?」

    潔はそっとドアに手をかけようとする。
    しかし、鍵がかかっている。


    二子「……暴れている“音”がします。生存者であればよいのですが……逆に、“何か”だった場合……」

    全員が警戒の色を深めた。

  • 96スレ主25/05/01(木) 17:24:17

    玲王「開けるのか……?」

    潔「──ああ。ここまで来たら、避けて通れないだろ。」


    カチ、カチカチ……

    潔が手に入れた、
    《特別通路の解除キー》を差し込む。


    ──次の瞬間、
    扉が低く“唸る”ように、わずかに開き始めた。

    中から──
    破壊音、怒号、激しい気配……
    そのすべてがこちらに向かって漏れてくる。

     
    一歩踏み込むか、引き返すか。
    この扉の向こうには、
    ただの探索では終わらない“何か”がある。


    【???】──
    4人が、扉の奥に向けて、構え直す。


    ──開ける覚悟は、あるか

  • 97スレ主25/05/01(木) 17:27:32

    とってもいい所ですが、少し離脱します。
    20時~21時には戻ります。

    部屋の中には“何が”いるのか、本当に“安全”なのか。それは扉を開けるまで分かりません。
    特殊イベント、渾身の力作です。どうか更新再開をお待ちくださいませ。

  • 98二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 19:00:03

    スレ主待ちついでにここいらで現在戦績を
    探索 成功/失敗
    潔 8(自動成功1、大成功1)/6(大失敗2)
    烏 5(大成功2)/8(大失敗1) ※探索不可1
    玲王 4(自動成功1、大成功1)/10(大失敗1)
    二子 5(大成功1)/9

    戦闘 成功(うちクリティカル)/失敗(うちファンブル) ※振り直しは集計外
    潔 9(3)/1(0)
    烏 8(1)/2
    玲王 6(1)/1 ※不参加3
    二子 7(2)/3

    回避 成功/失敗
    潔 1/1
    烏 2/0
    玲王 1/1
    二子 1/1

  • 99スレ主25/05/01(木) 20:01:39

    >>98 ありがとうございます!潔は探索も戦闘もいい結果出してますね。これからの活躍に期待です。


    戻りましたので更新再開します。

    特殊イベント後から常時、アイテム・固有能力使用の募集を行います。物語で判明する情報をもとに、いつ誰に何を使用したいか教えてください(危険と判断した場合はこちらからもアナウンスします)。4人の無事は皆様のご判断にかかっております。

  • 100スレ主25/05/01(木) 20:08:03

    【B-1病棟・???:特殊イベント】13:00


    扉を開けようとする潔に、二子が声をかける。

    二子「……潔くん、時計。」

    潔「……えっ?」

    ふと腕元を見ると、
    気づかぬうちに、彼のデジタル表示が──

    『13:00』を示していた。


    烏「こっちもや。いつの間に……針が進んどる……」

    玲王「“13時”……前にも聞いたぞ、その時間……!」

    潔「……この先、“何か”がある──」


    覚悟を決め、鉄製の扉を開く。
    ゆっくりと軋みを上げて、扉が開いた。

  • 101スレ主25/05/01(木) 20:18:09

    扉を開けたその場所は──完全に崩壊していた。

    天井の一部は落ち、床に散らばった破片。重く焦げた匂いと、散らばる医療器具。奥には倒れたロッカーがあり── その扉が、わずかに膨らんでいた。

    烏「な、なんや、これ……中、なんか入ってるんちゃうんか……?」

    二子「生命反応……確認されます。……けど、“人間かどうかは不明”。」

    玲王「また怪異か……?」


    ──その瞬間だった。

    ?「おい!!! 誰か……!聞こえてんだろ、ここ開けろってぇえええ!!」

    ?「…マジでここ、閉じ込められてんのか? …チッ、潔、お前また変なとこ来たんじゃねぇだろうな!?」

    ?「おい、お前らうるせーんだよ、静かにしろ。……は? 本当に開かねぇじゃねーか。」

    ?「だあああああッ、もう耐えらんねぇ!!潔ィイイイイイ!!!」

    ?「仕方ねえ、全員で合わせて蹴り破るぞ。」

    ?「こんなところに閉じ込めやがって……潔殺す」



    ──ドンッ!!!

    ロッカーの扉が、“内側から”吹き飛ぶ。破片が飛び散り、粉塵が舞い上がる。

  • 102スレ主25/05/01(木) 20:27:15

    潔「……まさか……」

    烏「……この声……あいつらや……」

    玲王「……いや、ウソだろ……?」

    二子「脳波パターン──前回の記録と一致。本人たちです。」


    潔は思い出す。
    あの日、遊園地で起こった出来事を。


    『――13号館、『13:00』開演です。』



    潔「「パラミッド・パーク」とリンクした…!?」


    ロッカーの中心から── 赤髪が這い上がる。


    千切豹馬「──ふっざけんなよオオオオオオオオ!!!!」

    潔「千切ィイイイイ!!!」

    ──潔は即座に駆け出し、千切と全力で“ハイタッチ”。
    爆音が鳴るほどの音を立てて、掌と掌がぶつかった。

  • 103二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:34:32

    前作と繋がった!?
    嬉しいイベントきた!!

  • 104スレ主25/05/01(木) 20:38:33

    千切「ハァ、ハァ……やっっと来たかよ、潔!!!」

    潔「マジで、お前無事だったのか!?」

    千切「無事じゃねーよ!見てみろ、このボロッボロな姿!3人詰め込まれてずっとロッカーよ!?この俺が!!!!」

    玲王「ホントに……いたんだな……」

    烏「ホンマ、生き霊かと思ったで……!」



    ──次に現れたのは、潔を鋭い眼光で睨む男。


    凛「ったく……お前ら、来るの遅すぎんだよ。どんだけかかったと思ってんだ。」

    潔「凛……ッ!!」

    玲王「来てくれたんだな……お前も……!」

    凛「別に来たくて来たんじゃねえ。「呼ばれた」だけだ。…ただ、ロッカーに閉じ込められるのは想定外だったけどな。お前がもっと早く来ればいい話だったんだよ、潔。何チンタラしてんだ、タコ。」

    潔「俺だって、一生懸命頑張ってここまで来たんですけど!? 凛達が来てるなんて知らなかったんだけど…!??」

    凛「黙れ潔、言い訳すんな、殺す。」

  • 105スレ主25/05/01(木) 20:49:39

    ──最後に、落ち着いた男が姿を見せる。


    冴「……やれやれ。ロッカーの中も、ここも、どっちも地獄だな。汚ねえし、臭せえし、嫌な感じがする。」

    烏「お、お前まで……ほんまに、みんな……おったんや……」

    冴「珍しく焦った。大の男がロッカーに箱詰めされる機会なんざそうそうねーだろ。凛がデカいせいで空気が薄くて大変だった。」

    凛「兄貴も大して変わんないだろ…!人のせいにすんな!」

    千切「糸師兄弟はいつでも仲良しだなー」

    凛「仲良くねえ!!!」

    二子「………触らぬ神に祟りなし、です。」


    ふと、千切が思い出したかのように話し出す。

    千切「…あ!そうだ、俺ら「呼ばれた」時に持たされたアイテムがあるんだわ!」

    ドヤァァァ……と笑う千切が、
    ポケットから取り出したのは──

    【戦術支援デバイス】。

  • 106スレ主25/05/01(木) 21:03:01

    千切「まず、“時計の進行を遅くする”アイテム!腕に着けてる時計が「24:00」になるとヤバいんだろ?しかも、時計は“時間”じゃなくて、“精神状態”で進行するって、意味わかんねー機能がついてる。」

    千切「そこで、そのアイテムを使えば、“時計の進行がゆっくり”になる!喜べ、お前達の生存率が上がったぞ!!」

    潔「マジか……!めちゃくちゃありがたい!」


    千切がドヤ顔のまま、話を続ける。


    千切「2つ目が、“俺たちを呼び出して一撃カマす”!それぞれ1回しか使えねーから慎重に使えよ!」

    冴「戦うからには負けねえ。絶対に当ててやる。期待しとけ。」

    凛「呼んでおいてくたばったら笑ってやる。」

    烏「一言多いんや、この非凡…」

  • 107スレ主25/05/01(木) 21:08:27

    凛が、玲王の顔を見る。


    凛「それと……おい、紫頭。」

    玲王「……ん、俺のことか?」

    凛「胸に手を当ててみろ。そこにあるもんを、忘れるなよ。」

    【御影玲王・固有能力更新】
    【記憶の灯】:凛の支援により、SAN値減少を3度回避することが出来る。



    冴が、二子を呼ぶ。


    冴「……そこの、前髪目隠れくん。」

    二子「…僕、ですかね……?」

    冴「ポケット、見てみろ。“最後の一線”で必要になるかもしれない。」

    【二子一揮・固有能力更新】
    【リザーブ・ドロー】:カードが一定条件を満たしたときのみ表になる。効果は本人も知らないが、非常に強力な力を発揮するはず。

  • 108スレ主25/05/01(木) 21:14:53

    ──空気が静まり返る。

    潔「……お前ら、ほんとに……ありがとう。」

    烏「おかげで、“生きて帰れる気がしてきた”わ……」

    玲王「……力、もらったぜ。」

    二子「“決意”、更新しました。」


    千切「帰ってきたらなんか奢れよー!」

    凛「廃病院はホラーの定番だ。こんな所で苦戦してるようなら、ブルーロックで生き残れねえぞ。」

    冴「無事戻ってきたら、キッチリ練習しろよ。こんな場所にいたら色々鈍るからな。」


    そして、千切たちは、微笑みながら──霧のように消えていった。


    潔「──絶対、帰る。」

    烏「オレもや。……ボケるまで、笑わせたる。」

    玲王「バケモンなんざ、ぶっ潰してやるよ……!」

    二子「この記憶は、記録としても心としても──“残す”。」

    ──決戦の時が、迫っていた。

  • 109スレ主25/05/01(木) 21:17:50

    >>103 スレ主こういうイベント好きなんですよね。


    特殊イベント終了です。千切、凛、冴から貰ったアイテム・固有能力、今後の物語に活かしていきましょう。


    【選択肢:どこに向かいますか?】

    ① 院長室

    ② 屋上通路

    >>110

  • 110二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 21:20:36

    前回の危険度的に②かな

  • 111スレ主25/05/01(木) 21:35:38

    >>110 ご選択ありがとうございました。


    アイテム・固有能力、募集開始しますので、遠慮なくお申し付けください。(詳細不明なものはこちらで管理します)ここから更に難易度が上がります。



    玲王「次は──屋上通路だな。」


    残されたルートは、わずか──だが、

    確実に“終わり”が近づいている気がする。



    潔「……あのロッカーから出てきた三人。千切も、凛も、冴も……“ここ”にいたってことは──」


    二子「……最終脱出口が、屋上である可能性は高いです。」


    烏「せやけど……まっすぐ帰れる、っちゅー保証もあらへんな。この病院、凡な期待は裏切るんが十八番や。」



    それでも──“行くしかない”。


    4人は、裏手にある非常階段へと向かった。



    壁に取りつけられた古いスチール製のドア。

    そこには、灰色のプレートが埋め込まれていた。


    《屋上通路:封鎖中》

    《解除キー:通路区画K-4を通過した者に限り解放》


    今の4人にとって、その条件は“既に満たされている”。

  • 112スレ主25/05/01(木) 21:39:18

    二子「カードキー、読み込み開始します。」


    ピッ……ピ──。
     
    電子ロックが、低く唸った。

     
    烏「よし……これで屋上まで行けるっちゅうわけやな。階段、登るで。」

    錆び付いた階段を、足音だけが鳴り響く。
    あれほど賑やかだった空気は──今だけ静かだった。

    そして──屋上へと繋がる鉄扉の前に、彼らは立った。


    潔「……ここまで来た。戻る理由はないよな。」

    手が、ゆっくりとドアのノブにかかる。

    カチリ、と軽く鳴る音。金属製の扉が、わずかに軋みを立てた。

    二子「開きます……行きましょう。」


    ガチャ──ギィィィィ……


    ドアの先に広がる光景は、まだ、見えない。
    しかし、“何か”が風に乗って運ばれてくるような──そんな予感だけが、胸をざわつかせていた。

  • 113スレ主25/05/01(木) 21:44:01

    【探索進行】13:00


    ──ギィィィ……バタン。
    扉が閉まる音が、やけに重たく響く。

    眼前に広がったのは、鈍色の空と、無機質な屋上空間。風はあるが、どこか“濁った”冷気を含んでいた。


    フェンスは、胸ほどの高さ。
    その先に広がるのは、見渡す限りの暗雲と──現実と隔絶された病院の外壁。

    烏「……あかんな、ここ。非常階段もなけりゃ、フェンスも“切り口”がない。飛び降りたら、アレやろ……。」

    潔「この高さからじゃ、無理だ。非常はしごも──見当たらない。」


    二子が、非常灯のランプを睨むように見つめていた。

    二子「“非常時の誘導灯”……本来なら、ここも避難経路の1つのはずです。 でも、“それが存在しない”ということは── この屋上、完全に隔離されています。」

    玲王「……“ここからは逃げられない”ってわけか。」

  • 114スレ主25/05/01(木) 21:48:16

    屋上は、脱出ルートの1つではなかった。


    むしろ、それを“思わせるために造られた偽装経路”── 希望を与えるために設けられた“罠”だったのかもしれない。


     

    無人の屋上には、いくつかの異様な“痕跡”が残っていた。そして、その中には──明らかに“何かがおかしい”ものも、含まれている。



    ①中央設備ボックス周辺:何者かがこじ開けたような跡あり。中から低い電子音が断続的に響いている(異常発生リスク中)

    ②排気口ダクト付近:一部の排気口が塞がれ、内部に何かが引きずり込まれたような痕がある(異常発生リスク中)

    ③屋上ヘリの足場周辺:足跡が不自然に乱れており、明らかに“誰かが立ち止まっていた”形跡(異常発生リスク小)

    ④屋上物置:扉の裏側:小さな金属扉が半開きになっている。内部に資料箱のようなものが積まれている。


    【選択肢:誰がどの場所を探索しますか?】

    1:潔 2:烏 3:玲王 4:二子

    (烏はクリティカル特典で自動成功)


    4人まとめてお願いします。

    (例:1が① 2が② 3が③ 4が④など)

    >>115

  • 115二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 21:52:25

    自動成功の烏とSAN高めの二子は危険度高いとこに置いときたいね
    1が④、2が①、3が③、4が②で

  • 116スレ主25/05/01(木) 22:01:48

    >>115 ご選択ありがとうございました。


    【屋上探索:①中央設備ボックス周辺・烏旅人(異常発生リスク中)】

    【探索開始】13:00



    烏「……なんやコレ。設備ボックスのフタ、グニャって歪んどるやんけ。」


    屋上の中央に設置された、電気設備用の金属ボックス。その扉は、不自然にこじ開けられたような形跡が残っていた。鍵穴は壊れ、ボックスの下には、黒い液体が乾いたような跡。


    ゴツ、と金属板を足で軽く蹴る。


    烏「中に……“誰か”が入っとったんか? ちゃう、これは──引きずり込まれた跡や。」


    二子が静かに口を挟む。


    二子「電子ロックを……“内側から”無理やり壊しているようにも見えます。」


    玲王「中で、何が暴れたんだよ……?」



    ボックスの内側からは、カチ、カチ……という乾いた電子音が、微かに鳴っていた。一定のリズムで繰り返される音は、明らかに“正常”ではない。


    烏「……非凡やな。これ、絶対ロクなモン出てけぇへんヤツや。」



    彼の手が、ゆっくりとボックスの蓋へ伸びる。何が潜んでいるかわからない──それでも、“確かめなければ前に進めない”。


    ■クリティカル100特典:自動成功

  • 117スレ主25/05/01(木) 22:09:17

    【探索自動成功】13:00

    ──キィィ……

    音を立てて、ボックスの扉が開いた。

    中には、ぐしゃぐしゃに潰れた機械部品。その奥に、折り畳まれたメモ用紙が挟まっていた。

    烏「……紙や。」

    周囲の異様な空気とは不釣り合いな、手書きのメモ。だが──その内容は、想像以上に非凡だった。

    《隔離処置報告》
    ・対象:B17号、B20号 及び関係職員No.16
    ・措置:屋上通路隔離。外部避難ルートを“偽装”
    ・目的:病棟外への“感染拡散”を阻止するため
    ※施設上層部の判断により、屋上からの避難手段は排除。患者・職員の“意志による脱出”は想定されない。
    《備考》“屋上の脱出経路は、存在しない”。

    烏「……“屋上から逃げる道は、初めから用意されとらんかった”っちゅうわけか。」

    潔「つまり……俺たちは、屋上から出られない“前提”で動かされてたってことかよ。」

    二子「精神的に追い詰められるように構成された、病院全体の“構造設計”……。」

    玲王「マジで……ふざけてんな、ここの管理者。」
     
    誰かの命を守る“施設”であるはずの病院。だが──屋上には“最初から出口がなかった”。

    4人の間に、沈黙が落ちる。だが、それでも足は止まらなかった。

  • 118スレ主25/05/01(木) 22:15:58

    【屋上探索:②排気口ダクト付近・二子一揮(異常発生リスク中)】

    【探索開始】13:00



    二子は、屋上の片隅──

    ダクトが並ぶ場所に足を向けていた。


    二子「この排気口、塞がれてる……?」



    金属パイプの一部が、内側からボコリと凹んでいた。換気口の網目の奥から、なにか黒ずんだ液体が“引きずり込まれたような痕”。


    二子「……逆流した痕跡。異常排気か、“侵入痕”……。」



    風が吹いた瞬間──


    ヒュゥゥゥ……カラカラカラ……。


    奥から、鈍く金属が擦れるような音がした。

    手にしたライトを、そっとダクトの内部に向ける。



    二子「──何か、いる……?」


    だが、それでも二子は──手を伸ばした。


    dice1d100=82 (82)

    (1〜40:大失敗 41〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 119スレ主25/05/01(木) 22:24:45

    【探索成功!】13:00

    二子は、慎重に排気口の網目の隙間に手を入れ、古びた封筒を引きずり出した。湿気を吸ってふやけた紙は、それでも明確な記録を残していた。

    封筒の裏には、赤い印字。
    《封印観察記録》
    《対象個体:“K-7”》

    二子「……B番号でもなく、“No.”の職員でもない……」

    【入手情報:屋上隔離観察資料「K-7個体」】
    《個体名称:K-7》
    ・分類:精神汚染起因の異形変質体、備考:人格形成前に精神的崩壊を発症、拘束・隔離により“静止状態”を維持中
    ・“他者の記憶・感情に共鳴”し、姿と性質が変化
    ※暴走時は「最も記憶に強く焼き付いた対象」に変容し、精神侵食を試みる。
    《備考:長期観察困難》:反応対象が不特定多数のため、職員の精神安定度が低下傾向。

    二子「これ、これまでの怪異とは……性質がまるで違います。」

    彼は資料を広げながら、眉間にシワを寄せた。

    二子「……この“K-7”という個体、記憶と感情を“媒介”にして他者を侵す。“僕たち自身”が、リスクそのものになります。」

    烏「うわぁ……マジで非凡すぎて笑えんな、これ……。」

    潔「記憶に焼き付いた存在に変身……? 最悪、仲間と戦わされるってことも……」

    玲王「ちっ、もううんざりだっつーの……!

    風が、再び屋上を通り抜ける。緊張感が、じわじわと彼らの背筋を這い上がっていく。

  • 120スレ主25/05/01(木) 22:28:28

    【屋上探索:③空調点検装置付近・御影玲王(異常発生リスク小)】

    【探索開始】13:00



    玲王は、屋上北側の縁──空調点検装置のパネル前にしゃがみ込んでいた。


    玲王「……こっちもか。パネル、凹んでんじゃん……。」


    機器を覆う金属カバーは、ボルトが外され、こじ開けられた痕跡。内部には、配線がむき出しになり、何かを強引に接続しようとした形跡があった。



    だが──


    カチ、カチ、カチ、カチ……。


    どこかで聞いたような、あの“時計の音”に似た電子ノイズが、機械の奥から鳴っている。



    玲王「また、コレかよ……。こっちにも“こいつら”の手が回ってんのか……?」



    彼は眉をひそめながら、内部へと手を伸ばす。


    玲王「……この中に、何か残っててくれよな……。」


    dice1d100=67 (67)

    (1〜35:大失敗 36〜60:失敗)

    (61〜80:成功 81〜100:大成功)

  • 121スレ主25/05/01(木) 22:49:45

    【探索成功】13:00


    ──バチッ。

    配線の奥から何かが外れた。
    焦げた匂いと共に、メモリーチップのような装置が落ちてきた。

    玲王「……よっしゃ、ビンゴ。」

    焦げ跡のついたデータカードには、手書きの文字。

    《K-7観察記録・補足ファイル》
    ・個体“変異”は、対象者の精神状態と深く連動
    ・恐怖/怒り/絶望 などの感情値が高まると変異スピード増加
    ・共鳴阻止には、“精神遮断”または“共鳴構造の断絶”が有効
    《戦闘時対応指針》
    ・精神安定状態を保った対象による“直接攻撃”が有効打となる。共鳴状態にない者(=感情動揺が少ない者)は、変異形態に“優位”を得られる。


    玲王「……つまり、冷静さがカギってわけか。やっぱり、最後は“どんだけブレずにいられるか”だな……。」

    そう呟いた彼は、ふと背後を振り返る。
    ──仲間たちの背中を、もう一度見つめるように。

    玲王「絶対、全員で帰ろうぜ……。」


    【情報×2取得のため、K-7との戦闘時、全員ダイス+5補正発動】
    ※潔と烏のクリティカル特典は温存予定

  • 122スレ主25/05/01(木) 22:53:19

    【屋上探索:④崩れた設備制御パネル・潔世一】

    【探索開始】13:00



    屋上の最も奥──ひび割れた床の先に、崩れかけた設備制御パネルが横たわっている。


    配電盤ごと壁面が崩れかけており、無理に手を伸ばせば落下の危険すらあった。



    潔「……この先、“なんかある”。」


    そう確信したように、潔は膝をつき、崩れた縁から中を覗き込む。



    潔「道がなかったら、“切り拓く”だけだろ……。」


    ブレることなく、潔はその手を──闇の中へ差し伸べた。


    dice1d100=52 (52)

    (1〜30:大失敗 31〜55:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

  • 123スレ主25/05/01(木) 22:55:21

    表示ミスなので、成功失敗どちらにも該当してしまいます。スレ主のミスでSAN値削るのは可哀想なので、成功にします。

  • 124スレ主25/05/01(木) 23:07:05

    【探索成功!】13:00


    潔は、瓦礫の隙間に手を伸ばし、慎重に引き寄せる。
    ──そこで手に触れたのは、金属製のケースだった。


    潔「……これは。」

    中には、保存状態の良い注射器が4本。
    それぞれにラベルが貼られている。

    潔「……“ここぞ”って時まで、温存しよう。」

    潔は、それをそっとポーチに収める。


    ・簡易精神安定剤:SAN値+2(全員)


    ──探索終了後、4人は屋上中央に集まり、情報を共有した。

  • 125スレ主25/05/01(木) 23:10:46

    ・K-7は“強い記憶”や“個人的な感情”を媒介に形を変える
    ・恐怖や怒り、不安などの感情変動が激しい者を優先的に狙う
    ・対処法は「精神状態の安定」──冷静であることが唯一の対抗策
    ・特定の者に“似た姿”で現れる可能性があるため、動揺に注意


    烏「変身系のバケモンってわけか……ややこしぃな、ほんま。」

    二子「姿形はともかく、“正体を惑わす”のが目的でしょう。」

    玲王「でも情報は揃った。“ブレなきゃ勝てる”──だろ?」

    潔「だったら、俺たちは──“揺るがない”だけだ。」

    潔の一言に、3人も頷いた。


    【全員探索成功のため、K-7との戦闘時、全員ダイス+5補正発動】
    ※潔と烏のクリティカル特典は温存予定

  • 126スレ主25/05/01(木) 23:15:06

    ──その瞬間だった。



    屋上の空気が、音もなく沈み込む。

    気圧の変化ではない。これは──“圧”そのものだ。


    空間が、歪む。

    そして、ノイズのような“声”。


    ???「……ボクヲ、ボクヲ、ボクヲ……ワスレナイデ……」


    ゆらり、と。ヒトの形をした、けれど確実に“人間ではない”存在が、屋上の端に現れた。



    二子「……あれが、“K-7”。」


    玲王「“誰かの影”を貼り合わせたみたいな……いや、“みんなの影”か?」


    烏「どこまでやっても、キモいのは変わらんわ。──ブチ抜いたるわ!」


    潔「構えろ! ここで終わらせる!」



    【屋上怪異「何かに似た者」 - K-7」】

    【戦闘開始:45以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=4 (4)

    烏 dice1d100=7 (7)

    玲王 dice1d100=95 (95)

    二子 dice1d100=96 (96)

    ※K-7の怪異に対する+10補正(全員)

  • 127スレ主25/05/01(木) 23:16:29

    クリティカル(×2)、ファンブル(×1)…
    出目が極端すぎます、描写考えます。

  • 128二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:20:41

    このレスは削除されています

  • 129スレ主25/05/01(木) 23:35:22

    【戦闘開始】13:00
    【潔世一:ファンブルのためSAN値-1(16→15)】


    二子の声が、空気を切り裂いた。

    二子「今です、潔くん──“こいつはもう、情報の塊だ”!」


    瞬間、潔の瞳に“見えていた幻”が弾けるように消える。だが、彼の顔は明らかに青ざめていた。


    潔(……今の、“千切”じゃなかったか……?)

    潔(いや──違う。違う、違う……!)

    二子はその顔色を見て、すぐに察した。


    だが、あえて何も言わない。ただ横に立ち──
    二子「……集中してください。まだ、“現実”は終わっていません。」

    二子が、潔の背を押した。

    潔は拳を固め、今度こそ確かに“敵”を見据えた。

    潔「──…ああ。“俺の目”で、見た。」

    二人の攻撃が、完璧なタイミングで叩き込まれる。
    K-7の形状が揺れ、霧のように崩れる。

  • 130スレ主25/05/01(木) 23:37:29

    烏「チッ……すべったな……! くっそ、俺のツッコミじゃ届かんのか!」

    玲王「届かせるんだよ、こうやって──!」


    玲王が烏の腕を掴み、引き寄せる。

    二人の連撃が一拍ずれて炸裂。
    だがそれは──“妙にリズムが合っていた”。


    烏「──おおおおおっしゃああああッ!!」

    玲王「決まった……ッ! やっと……ッ!」


    K-7の断末魔が、無数の“誰かの声”を模して屋上に響く。

    「たすけて……」
    「いかないで……」
    「やめて……」


    それを飲み込むように──霧は晴れた。

     

    ──K-7、撃破。 

  • 131スレ主25/05/01(木) 23:39:23

    烏「どやぁああ! 名コンビやんけ俺ら! 玲王、ええ動きしたわ!」

    玲王「はっ、そっちこそ、“非凡な滑り込み”だったぜ。ナイス連携。」

    軽く拳を合わせる2人。


    潔「……助かった、二子。俺、“一瞬見失ってた”。」

    二子「……いいんです。“一度でも”戻れれば、それで。」

    二子の落ち着いた視線に、潔は息を吐いた。

     
    二子はその目を逸らさず、静かに語る。

    二子「……“誰かの形をした怪異”は、“忘れられたくない記憶”を食います。 潔くん……“千切豹馬”を、忘れないで。」

    潔「……ああ。“絶対に”だ。」

  • 132スレ主25/05/01(木) 23:44:45

    【戦闘終了】13:00

    K-7の残骸が霧散した場所に、銀色のカプセルが転がっていた。
    表面には、院長室の封印文字と同じ“刻印”。


    【撃破報酬/1ターン撃破報酬】

    ・《精神遮断スプレー》×2
    → 使用者に1度だけ、“SAN値減少を無効化”する(連続使用不可)

    ・《特殊情報:K-7解析断章》
    → 「K-7は“記憶の感応力”を利用した外部影響体」
    → 「類似構造は“院長室の扉”に干渉している」
    → 【院長室の異常を中和するための“耐性キー”として機能】


    玲王「院長室、もう近いな……。“最後の部屋”かもな。」

    烏「ここまで来て引けるかいな。“全部終わらせる”ぞ。」

    潔「──ああ、千切も、みんなも、“見てる”はずだ。」

    二子「なら、“勝って”戻るしかないですね。」


    ──時計の針が、ゆっくりと進み続ける。

    4人は互いの顔を見合わせ──黙って頷いた。

  • 133スレ主25/05/01(木) 23:49:28

    スレ主は限界なので寝ます。
    明日の朝更新再開予定です。
    院長室…戦闘成功率や探索も厳しくなる予感です。(情報補正が入るので幾らか緩和されますが)
    怪異は1ターンでは撃破できなくなります。(クリティカル入れば別かもですが)
    残り5部屋(の予定)、上手く行けば明日完結予定です。最後までよろしくお願いします。

    アイテム・固有能力使用したい場合はいつでも教えてくださいね。下記現在のSAN値を置いておきます。

    潔世一:15
    烏旅人:15
    御影玲王:15
    二子一揮:17

  • 134二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 00:01:11

    スレ主お疲れ様!
    4人が静観するまで見届けます!

    院長室がラスボス(級)ならSANの回復とSAN減少無効アイテム使っておきたいね

  • 135二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 01:00:03

    今日も更新お疲れ様でした!
    明日もよろしくお願いします!!
    台詞内の” ”で囲まれてる部分って何か重要な意味があったりするのかな…

  • 136二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 02:38:57

    お疲れさまです!

    イラスト描かせていただきました!
    少し画質悪くてぼやけてますが…

    続き楽しみにしています!

  • 137スレ主25/05/02(金) 07:48:06

    >>134 ありがとうございます!脱出に近づくほどに危険度が増しますので、院長室はそこそこ危険…という感じです。一先ずSAN値回復使用し、減少無効は必要に応じて使用しますね!


    >>135 ありがとうございます!“”は特に強調したい時に使用しております。見通すと大変!というわけではないので、安心してお読みくださいませ。


    >>136 アッ……神絵師が降臨された……全員の覚悟が決まった目とイラスト構成、最高にかっこいいですね!!嬉しいです、ありがとうございます!!!



    おはようございます、更新再開しますので、本日もよろしくお願いします。

  • 138スレ主25/05/02(金) 08:11:44

    静まり返った廊下を、足音だけが響く。

    4人の足取りは、ゆっくり、だが迷いはなかった。


    烏「……いよいよやな。」

    玲王「ああ。これで“全部のピース”がそろう……かもしれねぇ。」

    潔「けど、“わからないこと”はまだある。院長……本当にそこにいるのか。」

    二子「…“何か”が、そこにいるのは分かります。ただ、院長なのか、…別の何かなのかは不明です、」

    その視線の先、院長室の扉は、まるで“呼吸”しているように見えた。


    金属の枠が、熱を帯びているように波打つ。
    扉の中心には、今まで入手した全てのキーの刻印が重なり、淡く光を放っていた。


    最後の扉。ここを無事出ることが出来れば、脱出の道が開ける。
    だか、その向こうは、まだ“人の空間”かすら不明である。

  • 139スレ主25/05/02(金) 08:15:27

    二子がバッグの中から、小さな銀色のケースを取り出す。4本のアンプル──《簡易精神安定剤》。


    二子「ここで一旦、リセットしましょう。……“精神、整えて”ください。」

    4人はそれぞれ、無言で頷き、アンプルを折る。

    静かな“チン”という音が、廊下に響いた。心の奥に染み渡るように、焦燥と不安が少しずつ後退していく。


    玲王「……ふぅ。マシになった気がする。」

    烏「今さらビビってもしゃーないしな。けど、ここは“ほんまにシャレにならん場所”やろな……。」

    二子が扉を見据えたまま、口を開いた。

    二子「……準備は、整いましたか?」

    潔「──ああ。“行こう。”」

    烏が、ポケットから鍵を取り出す。4つの異なる刻印が、鍵穴と一つに重なる。

    ガチャリ──と、機械音のような、でも有機的な音が鳴った。


    ──院長室、開放。

    【SAN値】
    潔世一:15→17 烏旅人:15→17
    御影玲王:15→17 二子一揮:17→19

  • 140スレ主25/05/02(金) 08:24:41

    扉の前で、一瞬、沈黙が落ちる。
    その静寂を破ったのは、二子の声だった。

    二子「……これ、使えるかもしれません。」

    彼が取り出したのは、かつて入手した《院長専用通達文書(断片)》《アクセスパスコード端末》。

    機械が共鳴するように振動を始めた。


    「“共鳴認証——開始”」

    低く、機械音声が鳴る。


    そして——

    《コード補完開始》
    《パスコード:Σ13-Ω27-A77──認証完了》

    玲王「……コード、見えた。塗り潰されてたの、これか。」

    潔「“Σ13-Ω27-A77”……A-7通路と繋がってる……!」

    二子が静かに言葉を継ぐ。

    二子「これで、“院長端末の全記録”にアクセスできます。“あの怪異”の正体も、これで──」

    烏「なら、覚悟決めなあかんな。全部、暴いたる。」

  • 141スレ主25/05/02(金) 08:32:47

    扉が開いた瞬間——

    重たい空気が、まるで液体のように押し寄せてきた。
    室内は異常な静けさに包まれているのに、何かが確かに“蠢いている”気配があった。

    天井の蛍光灯はほとんど切れており、室内の光源は、
    院長デスク奥のモニター端末が放つ赤黒い光ただひとつ。

    壁一面には、病院の歴代記録と思しき古い写真と、何かを監視するようなモニター映像。
    その中のいくつかは、既に映像がループし、歪んでいる。

    部屋の奥、中央に位置するモニター台の前にある椅子は空席。

    だが、そこには“誰かが座っていた”異様な沈殿感が残っていた。


    床に這うコード。
    古びた医療ファイル。
    壁面に残された、血のような手形。

    そして——

    部屋の一角、封鎖された記録端末台には、明確にこう表示されていた。

    《起動条件:K-7中和コードの挿入》

  • 142スレ主25/05/02(金) 08:37:09

    その瞬間、二子の持つ“《特殊情報:K-7解析断章》”が、微かに発光した。



    二子「……この情報、まさか……“耐性キー”?」


    玲王「ああ、間違いねぇ。……この部屋の異常、“K-7”を使えば中和できる。」


    潔「じゃあ……“もう、全部やれる準備は整ってる”ってことか。」


    烏「……よっしゃ、暴いたるわ全部。」



    ──そして、探索が始まる。



    ①院長机の中:引き出しには、古い紙の記録が大量に残されている。情報収集に役立つ可能性。

    ②記録端末台(中央):解析により、新たな情報が判明する可能性(※コード取得により自動成功確定)

    ③血痕のある壁の奥:何かが削られたような跡と、血文字が残る(異常発生リスク中)

    ④天井近くの通風口:不自然に開いており、何かが“出入りした”形跡がある(異常発生リスク中)

    ※K-7解析断章で中和済。


    【選択肢:誰がどの場所を探索しますか?】

    1:潔 2:烏 3:玲王 4:二子


    4人まとめてお願いします。

    (例:1が① 2が② 3が③ 4が④など)

    >>143

  • 143二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 08:53:48

    1が③ 2が① 3が② 4が④

  • 144二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 08:57:05

    1が① 2が③ 3が② 4が④

  • 145スレ主25/05/02(金) 09:03:43

    おっと、ご選択ありがとうございました。>>143 さんの1が③、2が①と、>>144 さんの3が②、4が④(共通部分)で進めますね。



    【院長室探索:①院長机の中・烏旅人】

    【探索進行】13:00



    烏「机の中、何が入っとるか知らんけど……隠すっちゅうのは、見られたくないもんってことやろ。」


    静かに、しかし確かな手つきで院長机の取っ手に手をかける。微かに錆びた音が鳴りながら、引き出しが少しだけ開いた。


    ──中には、紙の記録、冊子、何かの医療申請書、そして……茶色い封筒に包まれた何かの“録音テープ”。


    烏(……録音? それに、こっちの封筒……“開封厳禁”って書いてある。怪しさ満点やな。)


    一見、ただの書類に見えるが、“ある種の意図”で仕分けられているようにも感じる。



    紙の端に微かに記された文字。

    ページの隙間に挟まれたメモ書き。


    どれも、誰かが“個人的に”保存していたような痕跡。


    烏「この机、ただの収納ちゃうな。……“選ばれたもんだけ”詰められとる。」


    烏は息を殺し、紙の束の奥へと手を伸ばす。


    dice1d100=63 (63)

    (1〜30:大失敗 31〜55:失敗)

    (56〜80:成功 81〜100:大成功)

  • 146スレ主25/05/02(金) 09:09:43

    【探索成功!】13:00

    封筒をそっと破くと、
    中には“記録テープ”と一枚の紙切れ。
    ──それは、極めて私的な記録だった。

    『No.16──院長代理任用候補。この職員の“顔面識別記録が取得不能”と表示され続けている。職員認証システムにおいても照合不能。……まるで“存在はあるが、誰でもない”ような状態──。』

    『あれは、本当に“人間”なのか?』


    烏「……顔が、記録できへん? 何それ……化け物やん。」

    血の気が引くような感覚が、
    指先から背中へと這い上がる。
    ただの記録とは思えない“異質さ”が、
    手に伝わってきた。


    さらに──
    小さなメモ用紙の裏に、震えた字で走り書きされていた。

    『……職員No.16、意識交信失敗。“医師”という肩書きは、もはや形式だけだ。奴は、もう“医師”ではない。“顔のない者”だ。』


    烏「……ええ加減にしてくれ……気色悪ぃにもほどがあるわ。」

  • 147スレ主25/05/02(金) 09:14:45

    【院長室探索:②端末操作・御影玲王】
    【探索自動成功(コード入手済み)】13:00


    玲王「コード入力……よし、反応した。」

    端末が低く唸りを上げ、液晶に情報が表示され始める。

    ──表示されたファイル名:【観察ログ No.16/特別雇用職員】

    玲王が読み上げる。

    『対象:No.16──顔のない医師。
    ・複数人格“模写現象”発症。自己の存在境界の崩壊を確認。対象は、精神リンク実験による“多重リンク適応者”として隔離後観察中。通常接触・対話不可。唯一の対処方法は──』

    ……文書はここで途切れていた。


    玲王「──多重リンク……人格模写……。これはもう、人じゃねえ。“何か”に取り憑かれた存在……。」

    振り返ると、烏と目が合う。互いの手には、異なる形の“恐怖”が握られていた。


    二人の情報が合致し、──“顔のない医師”ことNo.16の正体がほぼ判明する。


    玲王「……これで、勝てる準備は整った。あとは──ぶちのめすだけだ。」

    【情報×2取得のため、No.16との戦闘時、全員ダイス+5補正発動】
    ※潔と烏のクリティカル特典は温存予定

  • 148スレ主25/05/02(金) 09:21:27

    【院長室探索:③診察ベッド下・潔世一(異常発生リスク中)】

    【探索開始】13:00



    潔「……なんか引っかかる。ベッド下、ちゃんと見とくか。」


    診察ベッドは、古く革張りの医療用── 無機質で、使い古された鉄の脚が目に留まる。

    潔は膝をつき、慎重に身をかがめて覗き込んだ。


    埃が舞い上がり、僅かに金属の匂いが鼻をつく。その奥に、何かがある。書類のようなもの…… いや、それだけじゃない。


    潔「……この空気、なんか重い。」


    背中に嫌な汗がにじんだ。“視線”を感じる── だが、この部屋にいるのは、自分と仲間たちだけのはず。


    ベッド下には、封をされた金属製のケースと、何かが這いずったような、黒い擦れ跡が残っている。


    潔(──何かがここにいて、出ていった……?)


    目を凝らすたびに、かすかに“影”のような揺らぎが視界の隅にちらついた。脳が“ここを開けるべきではない”と警告を鳴らす。


    しかし──


    潔「……それでも、“前に進む”って決めたからな。」


    潔はそっと手を伸ばす──。


    dice1d100=90 (90)

    (1〜35:大失敗 36〜70:失敗)

    (71〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 149スレ主25/05/02(金) 09:29:22

    【探索大成功!】13:00

    ベッド下から引き出した金属ケースは、
    封印のように硬く閉ざされていた。
    潔は慎重に手袋をはめ、息を詰めて蓋に指をかける。


    ──カチ。

    機械的な音と共に、ロックが外れる。
    開いた内部には、血の滲んだ資料と、黒いガーゼに包まれた一本の注射器が納められていた。


    玲王「っ……それ、まさか──」

    二子「“精神遮断注入剤”。ラベルが残ってます。“No.16対応用”って書かれてる。」

    烏「……ほな、これが“唯一の対処方法”っちゅーやつか。」

    潔「……これ、全員分あるっぽい。4本……だな。」

    丁寧に封を解き、内容を確認。


    記録によれば、これは《No.16による“強制精神侵食”を抑制する》ための最終手段。使用すれば一定時間、完全に干渉を防ぐことができる。

    だが── 副作用の記述もある。使用中は感情の起伏が極端に鈍化する恐れがあるため、《行動判断が一時的に遅れる可能性》があると明記されていた。

    潔「……それでも、“必要なら迷わず使え”ってことだな。」

  • 150スレ主25/05/02(金) 09:34:24

    【アイテム・情報補足説明】

    《精神遮断注入剤・No.16対応型》×4
    (SAN値減少1回完全無効/副作用:1ターン判定-10)

    《No.16 対応マニュアル・簡易版》
    No.16が《“精神リンク”を媒介に侵食を進めてくる》こと、一定の精神強度で跳ね返すと“反動で自壊を起こす”性質があることが判明。
    ※全員へ【戦闘時:判定+5補正】が付与される。


    精神遮断注入剤を使用すると、回避失敗時SAN値減少が無効化されます。しかし、攻撃時、-10補正がかかります(情報×3で+10補正が相殺されます)。
    No.16の戦闘は必ず回避が発生します(クリティカル多発しない限り)。精神遮断注入剤を使用するか否か、どうぞお決め下さい(特に指示がない場合、自動使用します)

  • 151スレ主25/05/02(金) 09:38:43

    【院長室探索:④モニター裏・二子一揮(異常発生リスク中)】

    【探索開始】13:00



    二子「……空間的に、ここが一番死角になりますね。」


    静かにモニターの裏側へと移動する。

    病院の記録用端末らしき配線がむき出しになっており、何度も改造された跡がある。


    二子は腰を落とし、手にしたライトで奥を照らした。



    ──カサ……。


    何かが“這う音”。


    二子(……この音、聞いたことがある。)



    違和感が確信へと変わっていく。

    記録ケーブルに混じって、

    血が乾ききった何かが巻きついている──

    まるで、“体温”がそこに残っているかのように。


    dice1d100=27 (27)

    (1〜35:大失敗 36〜70:失敗)

    (71〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 152二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 09:39:53

    1ターンは攻撃→回避の流れのことを指しますか?
    それとも1アクション=1ターン?

  • 153スレ主25/05/02(金) 09:45:13

    >>152 今回は1ターンは行動1回(攻撃or回避)を指します。ですので、攻撃→回避(ここでアイテム使用、SAN値減少回避)→攻撃(ここで副作用のため-10補正(副作用は1回限り))というイメージですね!

  • 154スレ主25/05/02(金) 09:52:22

    【探索大失敗】14:00
    【SAN値:-2(19→17)】


    モニター裏に手を伸ばした瞬間──

    ピタッ……と、空気が止まった。


    二子「……っ、え……?」

    手に触れた“何か”が生きているかのように蠢いた。
    心臓の鼓動が、耳の中で爆音のように響く。


    ──視界が、歪む。

    モニターに映った映像が、一瞬だけ“変わった”。

    写っていたのは、黒い布で覆われた存在。
    そして、その背後に──

    【誰か】がいた。


    ……“髪の長い、顔のない誰か”。

  • 155スレ主25/05/02(金) 09:54:03

    二子「──っ!」

    膝が崩れた。空気が凍り、
    何かに引きずられるような感覚が背骨を這い上がる。


    潔「二子ッ! 大丈夫か……!?」

    烏「おい、顔色、めっちゃ悪なっとるぞ!」

    玲王「こっちへ来い! 落ち着け……!」


    震える手を握り締めながら、
    二子は歯を食いしばる。

    だが、声はかすれ、
    返事すらままならなかった。


    【警告文】
    【精神状態】に異常が発生しました
    No.16との戦闘時、-10補正がかかります

  • 156スレ主25/05/02(金) 09:57:20

    4人が全員、院長室の中央に集まる。


    潔「こっちも、これを見つけた。“No.16用の遮断注射”。全員分ある。」

    烏「こっちにもあったで。……“顔のない医者”は、どうも最初から人間やなかったらしい。」

    玲王「コードも見つけた。モニターのログには、《処理不能な人格融合》って……。」

    二子「……No.16、“器として壊れた”……」

    声は弱々しいが、言葉は確かに届く。


    潔「……戦うしか、ない。」

    玲王「こいつを倒さなきゃ、俺たちは帰れない。」

    烏「おもろい話やないけど……非凡な結末にせんと、気が済まへんわな。」


    全員が顔を見合わせ──

    全員「──行こう。」



    ──時計の針が、震える。

    カチリ。 【14:00】

  • 157スレ主25/05/02(金) 10:00:37

    ──その瞬間だった。

    医師用のデスクの奥、
    誰も近づいていなかった“観察端末”の液晶が──
    ひとりでに、点いた。


    表示されたログ:
    【患者No.16 精神侵食率:89%──上昇中】
    【解放条件:コード一致・観察対象全制圧・最終段階処理】


    その直後。

    室内の照明が──すべて、落ちた。


    ──ギ……ギ……ギ……

    四方の壁に設置されたモニターから、異音が響きだす。

    その中に“顔”が浮かび上がる。


    いくつもの顔。
    無表情の、抜け殻のような人々。
    笑顔、泣き顔、怒り、苦痛、悲鳴……
    “全部”、No.16に取り込まれた人格たち。

  • 158二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:00:43

    二子このままで戦闘行って大丈夫か……?

  • 159スレ主25/05/02(金) 10:06:43

    >>158 ひとまずは大丈夫ですが、攻撃2回目で撃破できなかった場合…危険です。二子の行動、全員の行動に注意してください。



    潔「来る……!」


    ──バチバチバチバチッ!!


    観察端末がショートし、火花を散らす。



    そこから“這い出してきた”のは──


    ──白衣を着た、男の“ような何か”。


    “顔がない”。そして、無数の管が背中から伸び、空中で“絡み合っている”。



    玲王「……あれが、“No.16”……!」


    怪異は、手に持った医療器具を“まるでメスのように”構えると、空気に爪を立てるようにして、カッ……と目のない顔をこちらに向けた。


    【院長室怪異「顔のない医師-No.16」】

    (5回攻撃成功で撃破)】

    【戦闘開始:50以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=73 (73)

    烏 dice1d100=81 (81)

    玲王 dice1d100=74 (74)

    二子 dice1d100=83 (83)

    ※No.16に対する+10補正(全員)

    ※二子一揮に対する-10補正

  • 160スレ主25/05/02(金) 10:16:35

    【戦闘開始】14:00


    ──“ズッ……”と、床が軋む。
    液晶のノイズ音に紛れて、蠢く“医師”が不気味に腕を掲げる。

    烏「──来よったな、顔なしドクター……!」


    潔「──動きが見えた。」

    一瞬だけ、空気がひらいた。
    潔の目が、その隙を正確に捕える。

    潔「──“いける”!」

    足元から勢いよく踏み込むと、勢いよく滑り込み──そのまま、怪異の足元を“蹴り上げる”!

    怪異「………………ッ!!」


    玲王「ハッ、今の見たかよ!」

    牙を剥いたような笑み。右手に握った金属バットのようなパイプを一閃。

    玲王「──“まとめて沈める!”」

    一歩、潔の後ろから走り込み、体重を預けた“水平打ち”が、怪異の胴に直撃した!

    怪異「ォオアァアア──ッ!!」

  • 161スレ主25/05/02(金) 10:21:01

    烏「悪いな、非凡な二人の後やとハードル上がるわ……」

    低く、鋭く笑って──
    烏はポケットから“ネジのような金属片”を取り出す。

    烏「これ、さっき拾ろた“圧縮式注射器”。せやけど、今はこう使うねん──“ツッコミとして”な!」

    金属片を“怪異の口元”にぶち込むように突き刺す!

    怪異「……グギ……ギギギ……ッ!」


    二子「──…全体の動き、見えてます。」

    目を伏せたまま、髪の隙間から睨むような視線。

    二子「“右後方に死角”あり。…今、あなたはそこに意識がない。」

    ポケットから取り出したカードを、地面に滑らせる。

    瞬間、怪異の背中から“管の一本”がバチン!と切断された。

    二子「……ターンエンド、です。」

  • 162二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:22:02

    攻撃意識高いなー!

  • 163スレ主25/05/02(金) 10:24:48

    ※二子は沢山カードを持ってます。固有能力とは別です。

    【回避自動成功(精神遮断注入剤使用)】14:00

    怪異「……アアアアアアア……ァアア……!!」

    天井のライトが“明滅”する。

    ノイズの中から、怪異が“尖った手術器具”を振りかざす。無数のコードが、まるで触手のように“全員”に向かって襲いかかる!


    潔「──今だ、“使うぞ”!」

    迷いなく、ポケットから“遮断注入剤”を取り出す。
    腕に、冷たい感触が走る──。

    プシュッ。

    同時に、烏・玲王・二子も注射器を起動。
    注入された瞬間、脳の奥にあった“ざわめき”が消える。

    怪異の影が迫る。

    だが──

    潔「今は、絶対に“折れない”。」

    怪異の刃が振り下ろされる瞬間、全員の眼に、静かな“自信”と“覚悟”が宿る。

    ──その刃は、届かなかった。

  • 164スレ主25/05/02(金) 10:29:01

    >>162 いい感じですね!



    【戦闘続行】14:00


    全員、無傷──。


    あと一撃で、この“顔のない医師”を終わらせられる──!



    【院長室怪異「顔のない医師-No.16」】

    (あと1回攻撃成功で撃破)】

    【戦闘開始:50以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=56 (56)

    烏 dice1d100=66 (66)

    玲王 dice1d100=76 (76)

    二子 dice1d100=89 (89)

    ※No.16に対する+10補正(全員)

    ※二子一揮に対する-10補正

    ※精神遮断注入剤の副作用により-10補正(全員)

  • 165二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:35:13

    プラスマイナスどっちの補正も意味ねぇ〜
    全員頭脳派集団じゃなく脳筋集団だった…?

  • 166スレ主25/05/02(金) 10:41:25

    >>165 戦闘は安定の成功率を維持してますね。



    【戦闘開始】14:00


    その時、空気が……“止まった”。


    潔「──終わらせる。」


    鋭く絞った声と同時に、潔の足が床を蹴る音だけが、世界に響いた。


    動きは、まるで風のように滑らかで── 床に跳ねた反動のまま、潔は“怪異の胴”を蹴り抜く!


    潔「──“ここが出口だろ!”」


    怪異「ガァァァ……アァァ……!」


    その体勢の崩れに──


    烏「ほら、“ええ感じ”にぐらついとるやん……!」


    ポケットから取り出したのは、探索で拾った“曲がった手術器具”。


    烏「──凡を集めて非凡になるっちゅーこっちゃ!」


    手術器具を回転させながら、怪異の腕と胸部を“X字”にえぐるように斬り上げた!


    怪異「……グギャァァァ!!」


    コードが軋み、肉が弾ける。

  • 167スレ主25/05/02(金) 10:45:19

    玲王「──もたもたしてると、置いてくぞ」

    短く吐き捨てて、玲王は左手を胸に当てる。

    その瞬間、“凛”の残した感触が、確かに蘇る。

    玲王「……おかげで、“ブレねぇ”わ」

    バットのような金属パイプを片手に、
    全力で踏み込むと──

    玲王「──ぶっ倒れてろ、“クソ医者ァ!!”」

    凄まじい音を立てて、頭部を横から粉砕!


    最後に──

    二子「……チェックメイトです。、」

    静かに、1枚のカードを取り出す。
    それは、蒼白く光る──“青眼の白龍”。

    指で弾くように滑らせると、
    カードは宙を舞い──怪異の胸に突き刺さった“ように”見えた。

  • 168スレ主25/05/02(金) 10:47:10

    怪異「────ァ……」

    “顔のない医師”の動きが、止まった。

    天井の蛍光灯が、“ピィ……ピィ……”と明滅を繰り返し、 ──次の瞬間。


    怪異の身体が音もなく“崩れ”、
    そこに残ったのは──

    ・《脱出通路:A-7》の電子カードキー
    ・《地下通路アクセスキー》

    “2つの鍵”だった。


    玲王「──やったか……?」

    床に崩れる前に、潔が支える。

    潔「……終わった。“本当に”」

    烏「おいおい、今の連携、非凡にも程あるやろ。まるで4人で1枚のカード使ったみたいやな!」

    二子「ええ、……なかなか高レベルの“デュエル”でした」

    玲王「“勝ち”だ。異論ねぇだろ」


    ──みんなが、笑っていた。

  • 169スレ主25/05/02(金) 10:51:57

    潔「これで……ようやく、“出口に繋がる鍵”が揃ったんだな」

    烏「せやけど……2本も鍵あるってことは、道は2つか」

    玲王「A-7か、地下通路か……どっちに進んでも、“最後”ってワケだな」

    二子「選択次第で、帰れるかどうかが決まる──そんな気がします」


    全員が、“重み”を受け止めるように、静かに息を吐いた。


    潔「でも……どっちに進んでも、“一緒”に行こうぜ」

    玲王「──当たり前だ」

    烏「今さら、離れるワケあらへんやろ」

    二子「……ええ、“4人で、ここを出る”って決めたんですから」


    ──病院に、ほんの一瞬だけ、静けさが訪れた。

    けれど、今はわかっている。
    この静けさの裏には、“まだ続く悪意”が潜んでいることを。

  • 170スレ主25/05/02(金) 10:53:52

    ──その時。


    「カチ……カチ……」

    静寂の中に、微かな電子音が響いた。

    潔「……!」

    ポケットに入れていたデジタル時計の画面が、
    一斉に光を放ち──


    全員の時計が、同じ瞬間に“14:00”を示す。


    烏「……進んだな」

    玲王「なんだろな、今まで以上に“息苦しい”」

    二子「精神の限界を、少しずつ削られてる感覚……気のせいじゃないですね」

    潔「でも──“止まってない”ってことだ。俺たちは、ちゃんと前に進んでる」


    ──“時計の針”は止まらない。
    けれど、確かに今、ここにいる。仲間と共に。

    その事実が、彼らの背中を押していた。

  • 171スレ主25/05/02(金) 11:00:16

    【警告文】


    全員が無事で生還するために、

    重要な選択肢が発生しました。


    → A-7通路(脱出経路)

    → 地下通路(病院の最深部)


    少しでも安全に脱出を目指すなら、【A-7通路】

    発狂・ロスト何でも来い!なら、【地下通路】


    どちらでも“無事クリア”出来れば脱出可能です。

    物語の結末に影響はありません。

    通常は地下通路しか開かない予定でしたが、ダイス、安価の選択によって非常用出口A-7通路が開かれました。


    皆様、ご選択の時です。

    >>172>>174 まで希望を受け付けます。

    意見が分かれた場合、意見が多い方を採用します。

  • 172二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 11:16:43
  • 173二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 11:22:41

    ビビリだからA-7
    でももしよかったらクリア後にifルート見せてくれたら嬉しい

  • 174二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 11:27:28

    A-7でお願いします

  • 175スレ主25/05/02(金) 11:36:16

    >>172 >>173 >>174

    IP変わってますがスレ主です。ご選択ありがとうございました。ご飯の買い物に行ってるので、戻り次第更新再開します。

    Ifルート承知しました、全描写は難しいので、各部屋の詳細や怪異情報、無事クリアした後の流れ等、物語が完結した後に投稿しますね。

  • 176スレ主25/05/02(金) 12:18:18

    【A-7通路】
    ──かつて唯一の“避難出口”とされた、最後の道。

    院長室で手に入れたカードキーを握りしめながら、
    4人は静かに、無言で通路前へと歩を進める。


    乾いた廊下の先に、“重厚な金属扉”が佇んでいた。
    緊急時以外は開かないとされていたその扉には、
    【A-7】という刻印が、薄く光っている。


    潔「──ここだな」

    玲王「あの放送で呼ばれた、あの……“出口”」

    二子「“出口”……だけど、“解放”とは限らない」

    烏「凡やけど……逃げ道っちゅーのは、得てして“罠”になりがちやからな」

     
    扉の脇には、赤く点滅する認証端末。
    カードキーを通すスロットの上には、
    【職員認証・第7警戒レベル】と記されている。


    不穏な空気が、また一段と濃くなった気がした。

  • 177スレ主25/05/02(金) 12:20:15

    潔「……行こう。鍵は、もう手に入れてる」


    カチリ。

    電子音と共に、スロットにカードが差し込まれ──
    一瞬の沈黙の後、扉のロックが、重々しく解除されていく。


    ──次の瞬間。

    背後で、何かが“ぴたり”と動きを止めたような気配がした。病院そのものが、息を潜めたような静寂。


    そして──


    扉の向こう。
    “外”へと続くはずの、その通路へ──

    彼らは、一歩を踏み出す。

  • 178スレ主25/05/02(金) 12:26:50

    【A-7通路:第一区画──“剥離の間”】14:00


    カードキーで扉を開いたその先にあったのは──

    無機質で殺風景な廊下ではなかった。


    そこはまるで、“廃棄された無菌室”のようだった。

    天井の蛍光灯は、明滅を繰り返し、
    壁面の一部が“ペリペリ”と剥がれ落ちている。

    剥離された内壁の奥からは、
    何層にも重ねられたような別の構造体が、
    じわじわと露出していた。


    玲王「──なんだよ、これ……病院の構造じゃねえだろ……」

    床には、病院でよく見かけた、白いタイルが敷かれているが、その一部が“ねじれて”いた。


    二子「構造が……おかしい。“空間ごと歪んでます”。」

  • 179スレ主25/05/02(金) 12:29:41

    そして、何より奇妙だったのは──

    壁に貼りつけられた、“誰かの手形”。



    それらが無数に、

    あちこちの面に“内側から”押しつけられていた。

    助けを求めるように、何かを引き裂くように、

    その“跡”は、明らかに“生”を求めていた痕跡。



    潔「……ここを抜けたら、“本当に外”に出られるのか……?」


    烏「出られるとしても──ただじゃ済まんやろな……」



    ①剥離した壁の奥:壁が何重にも剥がれている。向こう側に“何か”が隠されている気配(異常発生リスク中)

    ②薄暗いガラスケースの中:医療器具が陳列されていた痕跡だが、奥に何かが挟まっている(異常発生リスク中)

    ③ 床下のタイルに浮かぶ“黒い染み”:誰かがそこに“何か”を沈めたような痕跡。掘り返すことができそうだが……(異常発生リスク小)

    ④ 配線がむき出しになった監視端末:何かの記録が閲覧できるかもしれないが、触れるには覚悟が必要。


    【選択肢:誰がどの場所を探索しますか?】

    1:潔 2:烏 3:玲王 4:二子


    4人まとめてお願いします。

    (例:1が① 2が② 3が③ 4が④など)

    >>180

  • 180二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 12:53:10

    1が③ 2が① 3が② 4が④

    ifルートのことも考えてくれてありがとうスレ主!

  • 181スレ主25/05/02(金) 13:05:10

    >>180 ご選択ありがとうございました。いえいえ、こちらこそ物語に深く関わって下さりありがとうございます!


    【A-7通路:第一区画──“剥離の間”:①剥離した壁の奥・烏旅人(異常発生リスク中)】14:00



    烏「──ほな、俺はこの“剥がれたとこ”いかせてもらうわ」


    烏が向かったのは、壁面の一部──

    表層が“ペリペリ”と剥がれ、奥の層が露出した箇所だった。


    烏「……なんやコレ、まるで“脱皮”でもしとるみたいやな……」


    壁は、何層にも重なっていた。

    病院の構造材とは思えないほど不自然に、厚く、そして脆く。


    何層目かをめくるたび、“異臭”が混じる空気が微かにこぼれてきた。



    潔「烏、大丈夫か! 変な臭い……そっちからしてきてる!」


    烏「平気や。──こう見えて、鼻はええ方なんやで。

    ……ああ、せやけどコレは、ちょっと“非凡”やな……」


    剥がれた奥には、何かが“押し込められていた”ような跡。空間が、変に窪んでいる。


    その内部に、ぼんやりとした“何かの影”が、沈んでいる──。


    dice1d100=40 (40)

    (1〜40:大失敗 41〜70:失敗)

    (71〜90:成功 91〜100:大成功)

  • 182スレ主25/05/02(金) 13:13:00

    【探索大失敗】14:00
    【SAN値:-2(17→15)】


    ──ペリ……

    最後の一層をめくった瞬間、
    「ずるっ」と壁の奥から、“何か”がこぼれ落ちた。


    烏「っ──!」

    それは、“液状化したヒトの顔”だった。
    目や鼻、口の原型はない。
    だが“顔”だと直感させる、生理的嫌悪の塊。

    落下と同時に、“音”が流れ込んできた。

     


    ──烏、タスケテ──

    ──オレヲ、オレヲ……

    ──ツレモドセ……!

  • 183スレ主25/05/02(金) 13:14:46

    烏「……っ!? な、なんや……頭ん中に……!」


    視界が歪む。耳鳴りが刺さる。
    体の芯に、
    “誰かの絶叫”が直接流し込まれてくるような感覚。

    立っていられず、壁に手をつく。

     
    潔「烏!? おい、大丈夫か……!」

    烏「……だい、じょうぶ、や……」


    返事はしたものの、
    烏の額には冷や汗がにじみ、
    目は焦点を結んでいない。

    ──彼の中で、“何か”が蠢きはじめていた。


    【警告文】
    【精神状態】に異常が発生しました
    次回戦闘時、-10補正がかかります

  • 184スレ主25/05/02(金) 13:19:07

    【A-7通路:第一区画──“剥離の間”:②焼却記録管理ボックス・御影玲王(異常発生リスク中)】14:00



    玲王「……ちょっと様子が変だな、ここも。……ったく、さっきの烏……またヤバいもん踏んだんじゃねぇのか……」


    玲王が足を止めたのは、壁際に取り付けられた、

    古びた金属製の“記録管理ボックス”。


    焦げ付いたような黒い痕が、金属表面にこびりついている。



    玲王「“焼却痕”……? 焼かれたのか、コイツ。──でも、まだ中に何か残ってるな。燃えカスじゃない……紙……?」



    慎重に蓋を開けると、中には“一部だけ焼け残ったカルテ”のようなものが、何枚か。


    だが、それに触れた瞬間──


    ──パチッ


    金属ボックスの奥から、“赤黒い液体”が染み出した。


    玲王「……っ、チッ! なんだよコレ……っ!」


    手を引くが、遅い。

    液体はわずかに指先を濡らし、“皮膚の内側”に染みこもうとしていた──


    dice1d100=99 (99)

    (1〜40:大失敗 41〜70:失敗)

    (71〜90:成功 91〜100:大成功)

  • 185スレ主25/05/02(金) 13:32:21

    【探索大成功!】14:00


    ──パチッ……

    赤黒い液体が染み出した瞬間、
    玲王は咄嗟に“焼け残った紙片”を引き抜いた。

    その瞬間、指先を掠めた液体が僅かに皮膚を焼いた── だが、それでも引かない。


    玲王「……っ、“燃えカス”のくせに、こんなもんまで残してやがる……!」

    彼が引き抜いた紙は、奇跡的に焦げずに残った“中核資料”。

    ──“この部屋”に潜む怪異の、詳細な記録だった。

     
    『【対象名称:A20号被験体】
    異常発生個体──剥離性幻影現象確認
    自己複製・擬態能力を保持。明確な自己認識を持ち、捕食対象の記憶に擬態し襲撃を加える。』


    玲王「擬態、ね……。つまり、“誰かに見える何か”が襲ってくるってわけか……!」

    彼の目に宿ったのは、迷いなき確信。


    【有力情報取得のため、A20との戦闘時、全員ダイス+5補正発動】
    ※潔と烏のクリティカル特典は温存予定

  • 186スレ主25/05/02(金) 13:35:37

    ──そして。

    管理ボックスの奥に、
    “小型アンプル”が隠されていた。


    玲王「これは……“遮断剤”……?」


    “対精神侵蝕用”と記されたアンプル。
    気付けば、さっきまで膝をついていた烏が、背後で肩を上下させていた。


    玲王「……おい、烏。手、貸せ。」

    烏「……あぁ?」

    アンプルのキャップを外し、
    そのまま彼の腕に差し出す。

    玲王「……さっさと打てよ。“うるさい声”が静まるだろ?」

    烏「…………っふ、世話焼きボンボンめ……ありがたく打たせてもらうわ」

    アンプルを打ち込むと同時に、烏の肩の震えが僅かに治まる。


    【烏旅人】
    SAN値回復 15→17/精神異常-10→-5へ減少

  • 187スレ主25/05/02(金) 13:40:30

    【A-7通路:第一区画──:③破れた非常案内図周辺・潔世一(異常発生リスク小)】14:00



    潔「(玲王……やるじゃんか)」


    視線を移したのは、

    壁に貼られたボロボロの“非常案内図”。


    だが、何かがおかしい。



    潔「──破れてる……いや、“一部だけ、切り抜かれてる”……?」



    よく見ると、案内図の“階層の一部”だけが、

    意図的に切除されていた。



    潔「……ってことは、何か隠したってことか」


    案内図の奥、めくれた壁紙の隙間に、

    何かが挟まっている。


    潔は手を伸ばす──


    dice1d100=62 (62)

    (1〜35:大失敗 36〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

  • 188スレ主25/05/02(金) 13:49:07

    【探索失敗】15:00

    潔「……っ、クソッ。なんでだ……」

    器具棚の奥へ手を差し込んだ瞬間。
    ひどく冷たい“なにか”が指先をなぞった。


    潔「っ──!」

    飛びのいた拍子に、棚の上から器具が崩れ落ち、激しい音を立てて床に散らばる。

    息を呑む3人。沈黙。潔は拳を握りしめたまま、動けずにいた。


    潔(……違う、“見えた”はずなのに……なんで……)

    その時だった。
    部屋の隅に設置された鏡面が、ふっと“歪んだ”。

    一瞬だけ、鏡の中の自分が、“サッカーをしていない”“ただの凡人”として立ち尽くしていた。


    潔「──っ!……違う……俺は……!」

    胸の奥に走る鋭い痛みと、うっすらとした吐き気。鏡は何も映していない。ただ、潔の心が蝕まれたのだ。

    【警告文】
    【精神状態】に異常が発生しました
    A20との戦闘時、-5補正がかかります

  • 189スレ主25/05/02(金) 13:53:36

    【A-7通路:第一区画──:④鏡張りの壁面・二子一揮】15:00


    鏡張りの壁面。

    まるで誰かが執拗に磨いたような、

    不自然なほどの光沢。


    他の場所と違い、

    埃ひとつ落ちていないのがかえって異様だった。


    二子「……この反射率、通常の鏡とは材質が違います。おそらく、“観察目的”で設置されたものだと思います」


    静かに歩を進め、鏡の表面に指先を添える。

    一瞬──体温を奪われるような、

    冷たい感触が走った。



    二子「……やっぱり、ですね。誰かに“見られている”気配……ずっと感じていました」


    ポケットから、カードサイズのメモリ端末を取り出す。それを鏡に向け、わずかに傾けながら光の反射を読み取る。



    二子「……僕の“切り札”は、まだ見せていません。この鏡に映るのは……僕自身じゃない。なら、正体を突き止めます」


    瞳の奥に、静かな覚悟が灯る。

    鏡の奥に潜む“何か”へ向けて、二子の観察が始まった──。


    dice1d100=69 (69)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜80:成功 81〜100:大成功)

  • 190スレ主25/05/02(金) 14:01:00

    【探索成功】15:00


    ──カチッ。

    小さな電子音と共に、鏡の下部がわずかに開いた。
    そこには、薄いファイルのようなデータシートが差し込まれていた。

    二子「……これは、観察記録。A20号、ですね。やはり、通常の患者ではなかったようです」


    記録の中には、こう記されていた。

    【記録断片:A20号患者観察記録】
    ・外見変異・自己同一性の解離が進行中。
    ・“観察者への模倣反応”が確認される。
    ・観察者と接触することで、“形”を得る可能性あり──。接触禁止。会話禁止。視線の接続を禁ず。


    二子「……この怪異、“見られる”ことで正体を完成させるタイプかもしれません。言語的接触、視線接触……危険です」


    顔を上げると、鏡に映った自分の目が、わずかに揺れて見えた。

    二子「“模倣する”怪異……“偽物”を創ることで、“本物”を侵食する。見た目だけじゃなく、…心まで奪われるかもしれない」

    ファイルを持ち、慎重に後ろへ下がった。

  • 191スレ主25/05/02(金) 14:06:18

    ──部屋の隅。

    一度集まった4人は、
    これまでの探索で得た情報を静かに共有し合った。


    烏「……“見られたら終わり”ってか。えらい気ぃ悪いな……」

    彼の額には、かすかな汗が滲んでいる。
    その表情に、いつもの軽口はなかった。

    玲王「お前、まだ顔色ヤバいぞ……無理してんじゃねーよ」

    思わず座り込んだ烏を、玲王がさりげなく支える。
    ふたりの間に、短い沈黙。


    潔「……俺も、ちょっと頭が重い。たぶん、精神的な疲労が限界に近い」

    その声を聞いた瞬間、二子が小さく口を開いた。

    二子「潔くん、あなたの視線……さっき、鏡に映った“影”と重なってました。……視覚汚染。進行してる可能性があります。危険です」

    潔「はは……俺も、誰かに“見られてる”気がしてたんだよな……」

    笑ってはいるが、頬の強張りは隠せなかった。

  • 192スレ主25/05/02(金) 14:12:06

    ──音もなく、霧が満ちる。


    突然、空気が澱んだ。

    気圧が下がり、視界が白く霞んでゆく。


    カツ、カツ、カツ──。


    革靴のような音が、虚空から響いた。だが、その音の主は見えない。どこにもいない。ただ、鏡にだけ、何者かの“影”が映っていた。



    二子「“映像干渉型”。視界を通して、我々の思考に侵入してきます」


    鏡の中の“誰か”が、一歩ずつこちらへ近づいてくる。だが、鏡の外には、誰もいない。


    烏「……来るで」


    玲王「こっちを見てる……くっそ、なんでこんなヤツばっかり……!」


    潔「──見破れ、見破れ、見破れ……!」



    【A-7通路:第一区画怪異「模倣者-A20」】

    (5回攻撃成功で撃破)】

    【戦闘開始:55以上の場合、成功】

    潔 dice1d100=91 (91)

    烏 dice1d100=67 (67)

    玲王 dice1d100=23 (23)

    二子 dice1d100=63 (63)

    ※A20に対する+5補正(全員)

    ※潔世一、烏旅人に対する-5補正

  • 193二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 14:21:35

    探索時ってクリティカルなしだっけ?
    玲王以外攻撃通ったの良かった

  • 194スレ主25/05/02(金) 14:23:08

    【戦闘開始】15:00


    ──鏡の中で、“それ”は笑った。

    玲王「……っ!」

    その影が、ゆっくりと顔を上げる。
    その瞬間、玲王の瞳が大きく見開かれた。



    玲王「……な、なんで……“凪”が……?」

    鏡に映るのは、あの無気力で飄々とした天才、凪誠士郎。しかし、すぐに異変に気づく。動きが、ぎこちない。目の奥に光がない。口角が、裂けていた。

    玲王「──違う!アイツじゃねぇ……っ!」

    だが、判断が遅れた。玲王の手がわずかに震え、撃つはずの攻撃が逸れてしまう。


    烏「玲王ッ!気ぃ抜くなやッ!!」

    即座に烏が前へ出る。手にした器具を、怪異の影の中心へ振り抜いた。

    烏「──凡のままやられへんっちゅうねん……“俺は非凡”や!!」

    ガシャン!!

    鏡にヒビが走る。

  • 195スレ主25/05/02(金) 14:27:42

    >>193 明確にしてなかったはずでした…!(大成功がクリティカルみたいな感じ)一応99が出た玲王には、有力情報とそこそこ強力なアイテムを上げました。



    その隙を縫って、二子が静かにステップを踏んだ。

    カードを模したデバイスを構え──


    二子「“僕のターン……ドロー”──」


    展開された光の陣に、模倣体の影がわずかに引き寄せられ、動きが止まる。


    二子「“本物の僕たちは、影に負けない”。消えてください──偽物さん」


    光の刃が影の身体を裂いた。



    そして、潔が──


    潔「……見えたッ!」


    背後に一瞬浮かんだ残像を断ち切るように、まっすぐに踏み込み、拳を突き出した。


    潔「“お前じゃない”、ってことだけは──わかるから!!」


    鏡の中の影が、音もなく弾ける。


     


    ──影が“怒った”。


    空間がわずかに捻じれ、視界がぼやける。

  • 196スレ主25/05/02(金) 14:29:14

    半端になりそうなので次スレ立ててきます。
    無事撃破できるか、楽しみにお待ちくださいませ。

  • 197スレ主25/05/02(金) 14:42:39
  • 198スレ主25/05/02(金) 14:45:05

    【余談⑨:特殊イベント】

    スレ主はピンチの時に仲間が助けてくれる的な物語が好きです。なので、前作から登場してもらいました。凛が饒舌なのは、「うるせえ」「黙れ」しか言わないと話が続かないので、普段より口数多め&子供っぽくなってもらいました。

  • 199スレ主25/05/02(金) 14:46:08

    【余談⑩:時計】

    現時点15:00ならまずまずの調子です。ここからSAN値減りまくらないように気を付けないと行けませんが。

  • 200スレ主25/05/02(金) 14:49:07

    【余談⑪:スレ主の推し】

    冴最推しの糸師兄弟推しです。物語に再度登場させたいけど、発狂する姿は見たくない…という面倒臭い感情に挟まれてます。ちなみにおもしれー男ベスト3は、雷市、烏、千切です。いるだけで物語が明るくなります。潔はなんかスレ主の中で神様みたいな立ち位置です。

    それでは残り3部屋(現在の部屋を除き)、最後までよろしくお願いします。

オススメ

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