SS『虚構の平和は犠牲の元に』閲覧注意

  • 1二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:19:07

    なんでもない日常風景。

    “今日はトリニティでのお茶会、ついでに業務上の連絡だね“
    「逆ですよ先生!業務上の連絡のついでにお茶会をしませんか?というお誘いですからね!?」
    “はは、わかってるよアロナ………じゃあ、行こうか“

  • 2二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:19:24

    その日常はどうやって成り立っているのか。

    『トリニティ行き、特急、ホワイトマーブル13号が発車します、閉まるドアにご注意ください』
    「………ご乗車、ありがとうございます、次は大聖堂前、次は大聖堂前」
    「やっぱトリニティの路線は騒がしさがなくていいねぇ…もうゲヘナ線は懲り懲り」
    「わかります、もうあんなところに行きたくありません」
    「あれ?新人ちゃんってゲヘナ線の経験あったの?」
    「え、えぇ………はい、運よくこっちに来れましたけど…もう嫌です」

  • 3二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:19:35

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  • 4二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:19:46

    この平和のためにいくつの犠牲が生み出されたのか。

    「まさかゲヘナの方と和解できる日がくるとは…」
    「和解できるのは当然のことです、美食とは、人と人を繋ぐ架け橋ともなりえるのですから」
    「なるほど…しかしダイエット中なので…」
    「このパフェはホワイトマーブルの期間限定メニューだそうですよ?今食べなければ次はないかもしれません」
    「くっ………やはりゲヘナはだめですね……まさしく悪魔の囁き…………すみません、限定パフェ3つお願いします」

  • 5二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:20:04

    絶対に思い知らせてやる。

    「ねぇ…なんかあの人怪しくない?」
    「サングラスにマスクにフード………不審人物ですわ」
    「……顔はバレてませんね、大聖堂前までは40分…ふふ」
    「不審なことも言ってる」
    「通報した方がよろしいでしょうか?」

  • 6二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:20:14

    虚構の平和は犠牲の元に成り立っているのだと。

    『はい、こちらお客様対応窓口です、どうなさいましたか?』
    「DUシラトリ区からトリニティ総合学園へ向かっている列車、特急ホワイトマーブル13号に強力な爆弾を仕掛けた」

  • 7二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:21:46

    この物語は、ブルーアーカイブ、アビドス対策委員会3章、その直後を想定したifとなります。
    この作品には、鬱要素、ギャグ要素の両方を含みます。
    また、作者は鉄道関係にさほど詳しくないため、本来とは異なる点が出てくるかと思われます。
    予めご了承ください。

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:22:57

    DUシラトリ区、連邦生徒会、交通管制室

    「はい、こちらお客様対応窓口です、どうなさいましたか?」
    『DUシラトリ区からトリニティ総合学園へ向かっている列車、特急ホワイトマーブル13号に強力な爆弾を仕掛けた』

    変声器越しにキヴォトスでは日常化したいたずら電話の典型のような、陳腐な話を持ち出される。
    だが、コレがいたずらではないことを彼女は直ぐに悟る。

    「…爆弾…ですか?そういういたずらはおやめくださいと何度も告知しておりますし、規定通りあなたをヴァルキューレに通報───」
    『列車にはかの御仁、シャーレの先生が搭乗している。
    これが単なるいたずらではない証明としてシャーレを爆破した、ニュースを見ろ』
    「ま、まってください!あ、あの…モモカさん!こここっ、これ!」

    交通管理官の生徒は、自動で文字起こしされた会話履歴をモモカに見せる。

  • 9二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:23:11

    「なぁに?明太子味のポテチ食べるので忙し……ニュース、映して」
    「モニターに映します!」

    管制室の大型モニターにクロノス報道部のニュース映像が映し出される、そこには「シャーレで二度目の爆発事件発生か!?」というテロップと共に吹き飛んだシャーレオフィスが報道されていた。

    「聞こえる?私は交通室のモモカだよ、今この場における最高責任者は私。
    シャーレの件について今確認が取れた…先生はシッテムの箱で守られてる、例え爆破したとしても先生は〇なな………あー…最悪の場合でも〇ぬ程痛い思いをする程度で無傷だよ」
    『列車に取り付けられた爆弾は、エデン条約にて用いたヘイローを破壊する爆弾を再現したものだ、これはシッテムの箱の防御を貫通する可能性がある、爆弾は時速60kmを下回ると爆発する。
    交渉人として七神リンを呼べ、虚構の平和は犠牲の元に』

    その言葉を最後に連絡が途絶え、同時にモモカの声が鳴り響く。

    「ハイランダー鉄道学園ホワイトマーブル13号、並びにトリニティ総合学園へ連絡して!
    それから七神リン首席行政官、扇喜アオイ財務室長、ヴァルキューレの尾形カンナ公安局長へ緊急招集!アポは取らなくていい!」
    「は、はい!」

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:23:30

    私には運がない。

    『こちら管制室、ホワイトマーブル13号、応答』
    「こちらホワイトマーブル13号、どうぞ」
    『ホワイトマーブル13号は時速60km以下に落とすな、繰り返す、時速60km以下にするな、何があっても速度を維持せよ』
    「……あの、それってダイアの乱れが発生しませんか?停車できないんですよ?」

    せっかくトリニティの路線に移れたのに。

    『モモカさん…どうしますか?』
    『まぁ、言うしかないよね』
    『了解…ホワイトマーブル13号、その列車には強力な爆弾が仕掛けられている、その爆弾は時速60km以下になると爆発する』
    「………爆弾ってふざけてるのか?ワケってなんだ、もしかしてアレか?
    どうせ元ゲヘナ線の運転手なんだから、まともじゃないだろうって?
    疲れ切ってるんだから、私のことを馬鹿にできるとか…!ドッキリくらい許されるとか思ったんだろ…?」

    なんでいつもいつも私ばかり。

    『お、落ち着いて───』
    「言い訳なんて、もう分かってんだよ!どうせどこ行っても無法地帯だろうなんて考えで…白昼堂々、爆弾テロのドッキリをしようってんだろ!!もう限界だ!!管制室まで馬鹿にしてくるなんて」

  • 11二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:23:41

    どうしてこんな目に合わないといけないのか。

    『こちら、連邦生徒会、首席行政官の七神リンです』
    「は?お前も私のこと馬鹿にしようってのか?だったらこんな仕事やめて───」
    『犯人はこれがいたずらではないとしてシャーレを爆破しています、端末に情報を送りましたのでご確認ください。
    また、設置された爆弾はエデン条約にて用いられたヘイローを破壊する危険なものだと犯人は主張しています。
    繰り返しになりますが、絶対に時速60km以下に落とさないでください、時速80kmで固定をお願いします。
    また、乗客へは運行上の都合とし、駅に停車しないと伝えてください』
    「……………了解しました、ATC解放…解放…ヨシ、速度80に固定…あ、一ついいですか?」
    『なんでしょう?』
    「泣き叫ぶ許可をください」
    『乗客の不安を煽りかねません、停車してから泣いてください』
    「………ぶさけてるのか?」

    そうして、長い、長い一日が始まった。

  • 12二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:24:31

    笑えるけど笑えねえ…

  • 13二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:24:38

    書き溜めは以上です、ここからはプロットを元に少しずつ書いていきます

  • 14二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:28:11

    「これはフィクションであり、公式記録、専門家の分析及び関係者の証言は特に関係ありません」

  • 15二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:30:03

    さては新幹線大爆破って映画を見たな?

  • 16二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:30:52

    >>14

    "なんて事だ、もう助からないゾ♡"

  • 17二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:32:02

    何かどっかで見たことあるような希ガス

  • 18二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 20:34:14

    スピードの方かもしれない

  • 19二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 21:18:02

    この文法なんていうか知ってる…もし自分が想像してる人だとしたら曇らせの質がブルアカ本編のBAD END並にやばいんだが?また阿鼻叫喚の渦にぶち込まれるんだが?なぁ………今回は〇人は出ないよな?な?

  • 20二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:01:59

    ホワイトマーブル13号、3号車、食堂

    「期間限定パフェ…とても美味しかったですね…また食べたいです」
    「しかし、こういったものはその期間にしかないからこそ無意識のうちにより深く味わおうとするものです。
    それもまた、美食の構成要素と言えるでしょう」
    「なるほど…では、次は別のスイーツを───」
    『お客様にご連絡申し上げます、現在、運行上の都合により、次の大聖堂前には停車いたしません、繰り返します、次の大聖堂前は通過いたします、大変ご迷惑をおかけしたことを深く謝罪申し上げます』
    「………何かあったのでしょうか?」
    「困りましたね…大聖堂の近くにあるチョコミント専門店に向かうつもりでしたのに…」
    「そんな専門店があるんですか?私も是非行ってみたいものですが…」
    「残念ながら、降りられませんね」

    2人は深くため息をついた。

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:06:04

    「……これでひとまずは良いでしょう…それで、モモカ……いえ、交通室長、緊急招集について、直接の説明をしていただけますか?」
    「それについては他2人が揃ってからね、二度手間は嫌だよ」
    「それなら問題ないわよ、交通室長」
    「ヴァルキューレ公安局長、尾形カンナ、現着いたしました」
    「来るのが早くて助かるよ……じゃあ、説明なんだけど………とりあえずこの録音を聞いて」

    『DUシラトリ区からトリニティ総合学園へ向かっている列車、特急ホワイトマーブル13号に強力な爆弾を仕掛けた』
    『列車にはかの御仁、シャーレの先生が搭乗している。
    これが単なるいたずらではない証明としてシャーレを爆破した、ニュースを見ろ』
    『列車に取り付けられた爆弾は、エデン条約にて用いたヘイローを破壊する爆弾を再現したものだ、これはシッテムの箱の防御を貫通する可能性がある、爆弾は時速60kmを下回ると爆発する。
    交渉人として七神リンを呼べ、虚構の平和は犠牲の元に』

    「まぁ、完結に言えばテロだね、おそらくは先生を狙った爆弾テロ、今のところ要求は不明で連絡もなし。
    身代金を要求された時のことを考えて財務室にも声をかけた、ってところかな?
    リン先輩と公安局長を呼んだのは当然の処置、特にリン先輩は御指名までされてるからね。
    現在ホワイトマーブル13号はATC解放状態…いわゆる安全装置を解除した状態で、ゼロ地点、ノーストリニティ駅へと向けて時速80で走行中、到達は約6時間後。
    車両は動力車1、客車6、武装客車2の9両編成、乗員乗客合わせて217名、人数を把握してるのは、この列車に乗るためには切符とは別で事前に追加料金を払う必要があるから。
    武装客車についてだけど、最近は走行中の列車を襲撃する事件が増えてきたことで、防衛用にって導入されたやつだね、普段は格納してるけど、地対空ミサイルが撃てる。
    説明は以上だよ」

  • 22二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:14:29

    なんかすごい曇らせが見れそう

  • 23二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 22:16:48

    さ~て、どれ程の人数が散り、どれくらいの人に心に傷を残せるかな?
    鬱って書いてるからそれくらいは覚悟しねえとな!!

  • 24二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:21:43

    「なるほど…確かに私が呼ばれたのも納得できるわね、いったいいくら欲しがるのかしら」
    「さぁ?あ、でも犯人はリン先輩を交渉人として指名してるからお金じゃなかったりするのかな?」
    「いえ、単に私が現状における暫定的なトップだから、という安易な考えかもしれません」

    三人は互いに考えを出し合うも、結論には至らなかった、だが、カンナは別のことが気になっていた。

    「虚構の平和は犠牲の元に………か」
    「公安局長?」
    「通信の最後に犯人が残した言葉です、交渉でも、要求でもない、何かのメッセージ………それがどうにも気になりまして…その意味が理解できれば犯人のことがわかるかもしれません」
    「で、わかったとしてどうなるの?」
    「犯人の人物像、出身、事件の動機、心理状態…上手くいけば現在地を割り出し、逮捕が可能になります」
    「流石ヴァルキューレの狂犬、鼻が鋭いのね」
    「…光栄です」

    カンナは少し複雑そうに返事をし、アオイはどこか不思議そうに首を傾げ、気に触ったなら謝罪しようと思考したその時、端末が鳴った。

  • 25二次元好きの匿名さん25/05/01(木) 23:46:59

    期待

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 00:14:34

    >>23

    まだ散るとは書いてないぞ、ただそれに匹敵するとんでもねぇ爆弾を投下される可能性は大いにあると思う、例えば既に過去に起きた事象なので変えられません(ユメ先輩とかそういうの)がくるかもしれない。

  • 27二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 07:42:59

    >>26

    まぁ、そのくらいの心持ちは大切でしょ、心に防御壁を簡易的にたてておけば人がなくなっても耐えれるからね

  • 28二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:15:14

    「連絡を確認、番号は………犯人からです!」
    「逆探知、準備」
    「了解!」
    「行政官、できる限り通話の時間を稼いでください、それによって逆探知に失敗しても次の精度は上がります」
    「わかりました」

    リンがボタンを押し、通話に出る。

    『聞こえるか、連邦生徒会』

    モモカへと視線を送れば、モモカは頷くことで「この人物で間違いない」と合図し、リンは一呼吸おいて犯人に返事をする。

    「………聞こえています…私は、連邦生徒会、首席行政官の七神リンです」
    『対応が早いな、連邦生徒会は動かないものだと考えていたが、先生が絡むと別なのか?』
    「……………どうでしょうね」
    『時間稼ぎか?無駄だ、この通信は逆探知できない』
    「………要求はなんでしょうか?金銭であれば直ぐに用意できる額でない限り、難しいとお考えください」

    その言葉にアオイの表情が少し険しくなる、だが、犯人の返答は予想打にしないものであった。

    『金はいらない』
    「………はい?」
    『要求はただ1つ』

    キヴォトスに存在する全ての学園を解体せよ

  • 29二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:45:53

    だいぶ派手に出たなぁ

  • 30二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 10:49:45

    何故?何故?何故?
    学園を解体していったい何になるのですか、理解できません
    ただ、この先で理由は出てくるでしょうから、答えをゆっくりと待ちましょうか

  • 31二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 11:29:08

    ホワイトマーブル13号、5号車、個室

    「せ、先生!こ、これを!」
    「先輩、落ち着いてください」
    「ででで、でもっ!」
    “どうしたの?“
    「………単刀直入に申し上げます、シャーレが爆破されました」
    “キヴォトスでは日常だね、それで、どうして爆発したの?“
    「それにつきましては、車掌室へと向かってください、緊急の連絡が入っています」
    “わかった…と言っても………どっちに行けば…“

    先生が個室を出て、通路で悩んでいると、声をかけてくる人物がいた。

    「あ、あのっ!シャーレの先生でしょうかっ!?」
    “うん?そうだけど、君は?“
    「は、ハイランダー鉄道学園1年生、ホワイトマーブル13号の新人車掌ですっ!緊急事態につき、1号車、武装客車にあります、車掌室まで同行をお願いしますっ!」
    “もしかして、例の件かな?“
    「なんのことかは言えませんが、おそらくはそれであっています!」

    車掌は緊張した面持ちで声高らかに返事を返す、一見すれば微笑ましく思えるが、状況が状況であることも踏まえれば、不安を隠すので必死なのだろうと先生は見抜いていた。

    “………大丈夫、必ず助かるから、案内はよろしくね“
    「は、はい!」

  • 32125/05/02(金) 19:11:09

    「………あら?」
    「ハルナさん、どうなさいましたか?」
    「あちらを」
    「あれは………先生ですね、ご挨拶をしておきませんと」
    「私(ワタクシ)も同行いたしますわ」

    2人が席を立つとほぼ同時に、先生もまた、2人の存在に気付いた。

    “やぁハスミ、ハルナ、珍しい組み合わせだね?“
    「こんにちは、先生」
    「ごきげんよう、先生、先生もこの列車に乗っていらしたのですね」
    “うん、ナギサとのお茶会(会合)があるからね………2人は?“
    「私は…その………この列車で提供されているお食事が美味しいと聞きまして…」
    「私は大聖堂の近くにあります、チョコミント専門店へと向かうついでに、この列車での期間限定メニューを……そのつもりでしたが…もう、いっそこの列車を吹き飛ばした方が」

    列車を吹き飛ばす、その言葉に新人の車掌は青ざめ、掠れた声で制止する。

    「ひっ…ぁ…だめ……ですっ…」
    「あら?そこまで怯えられるとは思いませんでしたわ…でしたら、降ろしていただけませんか?」
    「ハルナさん、流石にそれは横暴過ぎますよ、どれほど策を講じても、トラブルは起きるものです」
    “………“

    2人のやり取りに、先生は黙り込むようして考える、このままハルナを放置すれば速度に関係なく列車が爆発しかねないというこの状況をどう切り抜けるかと。

    「………先生、何か知っていますわね?」
    「先生、もし協力が必要だと言うのであれば、私を頼ってください」

    だが、そんな先生の姿を見て、2人は何か事情があると見抜いていた。

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/02(金) 19:36:10

    洒落にならんからやめるんだハルナ

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 02:37:43

    事情があるのを見抜けるの強いな

  • 35二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 08:05:04

    ホワイトマーブル13号、1号車、車掌室

    「こ、こちらホワイトマーブル13号!車掌です!応答、お願いします!」
    『こちら管制室どうぞ』
    「せ、先生…これを」
    “もしもし?聞こえる?私はシャーレの先生だよ“
    『お疲れ様です、先生……了解…七神リン首席行政官と変わります』
    『先生、ご無事ですか?』
    “今のところはね、それで………例の件についてなんだけどさ…乗客2人に話しちゃった“

    通話越しにもわかるほど、管制室はざわついた。

    『………はい?あの…先生、事の重大性を理解されていますか?』
    “リンちゃん、こればかりは仕方ないことなんだよ、話さなかったら速度に関係なく爆破されてしまうからね“
    『どういうことですか?』
    “この列車に美食研究会のハルナが乗ってたんだけどさ、大聖堂前で降りられなくて、抗議のために爆破するって言ってきてね。
    誘爆したら危ないと判断して話すことにしたんだ、それからもう一人については、今回の事件において強力なスケットになれると思うよ、はい“
    「…正義実現委員会委員、副委員長の羽川ハスミです、例の件についてですが、もし公表されるのであれば多大な混乱を招くことになると思われます。
    その際に治安維持組織の人間が居るというのは混乱を収める際に大いに役立てると考えています、どうか協力させてください」

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 10:03:35

    「…わかりました、公表する際に発生する混乱への対応、お願いします」
    『かしこまりました』
    “それで、犯人からの要求は───“
    「行政官!電話が来ました、例の犯人からです!」
    「ホワイトマーブル13号との通信はそのままに、繋いでください…私が対応します」
    『聞こえるか連邦生徒会』
    「…こちら、連邦生徒会、七神リンです」
    『まだマスコミへのアクションを起こしていないようだな?』
    「混乱を避けるためには必要な措置かと」
    『今すぐマスコミにこちらの要求をリークしろ、さもなくば他の爆弾が起爆するぞ』
    「他の………爆弾?」
    『列車以外にも時限爆弾を仕掛けた、場所は山海經、梅花園、爆発まであと10分だ』
    「っ!」
    『他にも爆弾は仕掛けてある、マスコミに情報を流し、記者会見を行えば残りの位置も教える』
    「ま、待ってくださ───」

    通話が切られる。

    「山海經、梅花園に緊急連絡、その場にいる全員を避難させてください!大至急!」
    「は、はい!」

  • 37二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 13:13:00

    キヴォトスでは珍しいガチ過ぎるテロだ…美食研や温泉開発部、ワカモがやってる破壊活動が可愛く思える()

  • 38二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 20:49:29

    ハルカとハスミが2人一緒に先生についてるの新鮮

  • 39二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:03:55

    「爆弾………ですか?それはいたずらなどではありませんか?」
    『遺憾ながら犯人は2時間程前にシャーレを爆破しています、爆発まで残り10分と言っていました、玄龍門の許可などについては今は無視して、直ちに避難を!』
    「わ、わかりました!ココナちゃん!みんなを外へ!とにかくできるだけ遠くへ!」
    「わかりました!シュン姉さんはどうしますか?」

    シュンは少し言いよどみ、微笑みながらココナの頭を撫でる。

    「…私はギリギリまで園児が残っていないかを確認します」
    「そ、そんなの危険です!一緒に逃げましょう!」
    「あなたは子供達のことをお願いします、人手が惜しくはありますが───」
    「なら私も残ろう」
    「み、ミナ執行部長!?ど、どうしてここに!?」
    「爆弾騒ぎの連絡を聞きつけてすぐさまやってきた…と、言いたいが、実際は偶然近くを通って、話し声が聞こえたというだけのことだ………ココナ教官、君は子供達を頼む、人数確認のために通話は繋いでおいてくれ」
    「………どうか…ご無事で……みんな!こっちだよ!」
    「「「はーい!」」」
    「………行ったな、私は建物の中を調べてくる」
    「私は外と倉庫を調べてきます」

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:10:26

    このレスは削除されています

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:13:49

    ”爆弾のこと、公表するんだね?要求についても”
    「キヴォトスに存在する全学園の…解体?そんなこと…そんなことできるはずがありません!」
    『…可能です』
    「ッ!」
    『連邦生徒会長失踪から時間が立っています、既に臨時連邦生徒会長決定閣議を行えるはずでしたが…それを行う前に防衛室のクーデーターにより有耶無耶に。
    …連邦生徒会長であれば学園に対し、解体命令が可能であり、もし従わなければ反逆罪として当該学園は他の全学園の敵として認定され、攻撃が開始される仕組みです』
    「………キヴォトス全土で全面戦争を始めさせるつもりですか?」
    『………おそらくは…それが狙いかと』
    “………“
    『みなさん、時間がありません…こちらでは記者会見の準備を行っておりますので、電車内での指揮は先生にお任せいたします』
    “任せておいて“

  • 42二次元好きの匿名さん25/05/03(土) 22:24:41

    戦争するか平和のために犠牲を払うか選べと…

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 03:23:02

    戦か数多の死か

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 08:47:13

    色々考察したけど、よく考えられたテロだってわかった。

    まず、アビドス3章まで終えているということは、先生はキヴォトスを何度も救った英雄としてキヴォトス中に知れ渡っているということ。
    そしてキヴォトス人数百人よりも、キヴォトスの英雄の方が人質としての価値は高く、その英雄が創り上げた秩序が今のキヴォトスだとするならば、どこの学園も下手に手出しできなくなる。
    そして犯人の要求はキヴォトスの全学園の解体、それによって引き起こされる全面戦争とした場合、最悪要求が通らなくとも英雄が消えることで秩序が崩壊。
    全面戦争とまでいかなかったとしても、先生が緩衝材となり保たれていた三大校の均衡が崩れるし、そうならなくともカイザー(残党)やデカグラマトンなどの先生を脅威と見ている者達がキヴォトスを崩壊させる。
    未だにわからないのは何故キヴォトスの崩壊を望むのかということ。

    これはもう実質詰みでは?

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 09:02:03

    このレスは削除されています

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 09:03:17

    記載し忘れてたけど、梅花園をはじめ他の場所に爆弾設置したのは圧をかけるためってのもあると思うけど、それで犠牲者が出れば連邦生徒会への不信感や批判を集められる。
    それによって先生が消えたあと、連邦生徒会に対して学園対学園レベルの大規模クーデーターを起こす可能性が出てくるし、そこで制圧への協力要請を出しても他校が従うかと言われたら不干渉になるか、最悪クーデーター側に回る可能性が出てくる。
    多分だけど三大校にもしかけてると思うんだよね、その方が先生が消えた時に秩序の崩壊が起こりやすいから。

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 13:18:01

    爆弾の方向は案外すんなりと受け入れられていた。

    『お客様に、お知らせがあります………当列車には、心無い者によって、爆弾が仕掛けられています』
    「爆弾?困るんだけど〜」
    「まぁ最悪爆発しても痛いだけだし…やだなぁ〜」

    だがそれは、爆弾が一般的な物であったならばという前提がつくのだろう。

    『この爆弾は、時速60km以下になると爆発するとの脅迫があり、更に、この爆弾はヘイローを破壊する爆弾であると主張しています、お客様には大変ご迷惑をおかけしていますこと、深くお詫び申し上げます』
    「ね、ねぇ…ヘイローを壊すって…」
    「いやいや、そんな爆弾ないでしょ」
    「エデン条約で…セイア様が被害にあったって…」
    「じゃ、じゃあ本物?」
    「ね、ねぇ…このままし…〇ぬの?」

    混乱が広がり、ある者は車両から飛び降りようとしたり、ある者は友人や家族に電話を始め、ある者は神に祈り、そして………

    「おいおい車掌さんよ〜、爆弾ってどういうこと?安全点検とかやってねぇのか!」

    誰もが不安を誤魔化そうと、乗務員を問い詰め始めた。

    「あ、あわわわ…」
    「あわわわじゃねぇんだよ!」
    「え、えっと、あの、ご、ご迷惑おかけしております!えっと、その…わ、私は新人で」
    「新人?新人だったらなんだ?何も知らねぇから許されるとでも思ってんのか!」
    「ひぃん…」

    しかし、こうなることは予想済みであり、だからこそ彼女は声を上げた。

    「正義実現委員会、副委員長の羽川ハスミです、みなさん、どうか落ち着いてください」

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 18:21:25

    「正義実現委員会?なんでここに正実がいるんだよ?まさか訓練か?爆弾テロに対する訓練のために乗ってんのか?なら爆弾なんて嘘なんだろ?おいはやく列車を止めろよ!はやく!」

    その言葉に便乗するように、あっちこっちから「列車を止めろ!」「爆弾なんて嘘なんだ!」といった声が上がった…だが…

    「あ、あの……違うんです、違うんです!これは少しわけありでして!」
    「わけありって爆弾仕掛けた犯人だからわけありなんだろ!?どこに仕掛けたんだよ!はやく言えよ!」

    それらの混乱を収め、視線を集めてしまう人物がいた。

    “ちょ、ちょっと落ち着いてください、この人は私の知り合いですから“
    「シャーレの先生…知り合いって、コイツ誰ですか?」
    “えーっと…サクラコ、何してるの?“
    「あ、あの……その……」
    “正直に言った方が多分誤解されないよ“
    「…お、御忍びで…スイーツを…」

    とは言っているものの、黒いパーカーにフードを深々と被り、サングラスにマスク………見た目はどう考えても典型的な不審人物だった。

    「サクラコって…あの歌住サクラコ?」
    「ふふ、そうですよ?」
    「じゃ、じゃああれか?俺達は儀式の生贄にされるってのか!?」

    そして、正体が判明すれば、サクラコの音も葉も無い黒い噂が足を引っ張りだす。

    「だ、だからこの列車に爆弾を仕掛けたんだろ!?な、なぁ助けてくれ!頼む!このとおりだ!」
    「わ、私のこともどうか、どうか助けてくださいサクラコ様!」
    「お願いだ!俺はまだ〇にたかねぇ!」

  • 49二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 18:21:45

    山海經、玄龍門前

    「嘘…やっぱり1人足りない?まさか……シュン姉さん、ミナ執行部長!子供が、子供が1人いません!」
    『数え間違いではなく?』
    「ほ、本当なんです!点呼を取ってもあと1人足りないんです!───ちゃんがいないんです!」
    『時間は……もう…』
    「シュン姉さん、はやく……はやく逃げて!」
    『で、でも、幼い子を置いていけません!』
    『こちらミナだ…子供は私が探し出す、シュン教官は先に行ってくれ、はやく行け』
    『し、しかし』
    『いいから行け!もう時間がない!はやく!』
    『………どうか、ご無事で』
    『……あぁ』

  • 50二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 20:33:18

    >>44

    故にこそ下準備が到底不可能に〝見える〟のが痛手だな。同時多発爆破予告とか、それこそ地下ピのアレみたいな盤外の神秘要素でもなけりゃ納得出来る手段なくない?まぁ、ひょっとしたら某の及びも付かないような華麗なる解答が来るかもしれないから期待せず待とう

    動機は2次創作である以上所詮マクガフィンだろうね。であれば、どう終わるか。カイザーやデカグラなんかによる支配シフト染みた決着でも是とするような陳腐な黒幕でなければいいけどこれは個人の願望か

  • 51二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:39:46

    “サクラコ、大丈夫?“
    「え、えぇ………大丈夫です…あの………爆弾って……本当なんですか?何かの間違いではありませんか?」
    “………それについては本当の話だよ、シャーレのオフィスが爆破されて、犯行声明…いや、脅迫も受けてる“
    「そんな………どうしてこのようなことを…」
    “……犯人の要求は、キヴォトスにお存在する全学園の解体“
    「そ、そんな、戦争を始めるおつもりですか!?どれほどの犠牲が出ると───」
    ”犯人はこうも言っていたんだ、虚構の平和は犠牲の元に、と”
    「………平和のために犠牲を払えと、そう、言いたいのですか?」
    ”わからない、もしかしたら他の意味があるのかもしれないし、そうじゃないかもしれない”
    「……………」
    「サクラコさん、ここには私も、先生もいます、絶対に誰も犠牲になんてさせません………絶対に」
    ”そうだね、ハルナも………って、あれ?ハルナ?”

    先生が周囲を見渡すが、ハルナの姿は見えなかった。

    「どちらに行かれたのでしょう?」
    ”………”

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:40:21

    「はぁ…はぁ…見つけた」
    「ミナおねえちゃん?」
    「こっちだ!」
    「痛い、痛いよ!」
    「すまん!だが今は優しく抱きかかえられるほどの余裕もない!聞こえるか?子供を確保した!繰り返す、子供は無事だ!」
    『こちら連邦生徒会、そちらの状況は?避難は終わりましたか?』
    「まだ梅花園だ、子供が残ってたものでな!」
    『っ!アオイ、残り時間は?』
    『あと15秒』
    『ミナ執行部長!もうすぐ10分です!はやく逃げて!』
    『爆発まで残り10秒…もう間に合いません、伏せてください!』
    「クソッ!」
    「ミナおねえちゃん…」
    「…あとは頼んだ、カンナ」

    ミナがその場で子供に覆いかぶさるようにして伏せると同時に、梅花園が爆発した。

    『ミナ執行部長………ミナ執行部長、返事をしてください…こ、こんな時にまで映画の真似とか……流石に怒りますよ?……………う、嘘ですよね?執行部長…ミナさん………返事してください、ミナさん!』

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 22:45:16

    まあ、ミナはそう言うことするよな

  • 54二次元好きの匿名さん25/05/04(日) 23:06:58

    まだ生きてる、ギャグ補正が働くはず…だよな?

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 07:42:57

    救いはないんですか?

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 07:53:12

    スレ主です、諸事情で更新頻度が落ちます。

  • 57二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 15:06:54

    「近衛ミナ………通信…途絶…」
    「…救助を……お願いします、私は……記者会見の準備に向かいます、アオイ室長…一時的に、指揮権を譲渡します」
    「………拝命したわ」

    暗い雰囲気に包まれた管制室、だが、その状況下においても冷静に路線を眺めている者がいた。

    「この先に急カーブ…制限速度は……よん……じゅ…まずい…!」
    「どうしましたか?」
    「この先に制限速度40kmの急カーブ地点があります、制限速度は曲がり切れる速度から時速10km遅くしています、つまり…理論値では50kmが限界なんです、このまま行けば……脱線、あるいは横転します!」
    「…不幸は重なるものね…他の路線は?」
    「………ありません」
    「到達予想時刻は?現在時速80kmmで突っ込んでいったとして…およそ…1時間後……この急カーブは住宅街が近く…もしここで爆発すれば、被害は…被害は計り知れません」

    絶望的な状況下において、追い打ちをかけるようにあらたな絶望が次々と押し寄せてくる。

    「犯人からの…通信です…」
    「…私が出るわ…こちら連邦生徒会、代理の扇喜アオイよ」
    『時間になった、梅花園はどうなった?綺麗に吹き飛んだか?』
    「あ、あなたね…!」
    『犠牲者がでたか?ならば覚えておけ、それがこれからの平和のための犠牲だ、お前達が生み出した犠牲だと覚えて───』
    「ふざけるな」
    『なに?』
    「ふざけるなよテロリストが!何が平和のための犠牲だ!何がお前達が生み出した犠牲だ!この犠牲は…お前の身勝手によって生まれた!お前が…お前がやったんだ!必ず逮捕する!必ず!…友のために」
    『………その感情を忘れるな』
    「おい待て、おい、おい!」

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