【閲覧注意SS】カイザーという男②

  • 1二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 19:56:48

    カイザーという男がいた

    これはフットボールに出会わなかった

    とある不幸な青年が

    命を絶つまでの話である

  • 2二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 19:57:13
  • 3二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 20:15:23

    立ておつ
    頼む生きてくれカイザー

  • 4二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 20:26:02

    カイザー「……」コンコン

    ネス「……何ですか」
    カイザー「……タッパーを返しに来た」
    ネス「……」

    カイザー「ノアから聞いたか?」
    ネス「……何も」
    カイザー「あのポンコツ……」

    カイザー「……」
    ネス「……何ですか」
    カイザー「……今、暇か?」

    ネス「……ええ」
    カイザー「……」

    カイザー「ドライブに行くぞ」

  • 5二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 20:36:31

    喫茶店
    カイザー「……」
    ネス「……こんなところに……喫茶店が」
    カイザー「……」

    カイザー「俺の父親が」
    カイザー「昔連れてきてくれた」

    ネス「……」

    カイザー「この店はいつもお土産に」
    カイザー「パン耳のラスクを帰り際に持たせてくれる」
    カイザー「俺はそれが好きだった」

    店員「お待たせしました。コーヒーです」

    ネス「……」
    ネス「……カイザーの父親は、コーヒーが好きだったんですか?」
    カイザー「いいや、あのクソ野郎がこんな洒落た店を知っているわけない」

    カイザー「あくまで憶測だが」
    カイザー「……俺の母親と来た店なんじゃないか」

    ネス「……お母さんは?」
    カイザー「知らない」
    カイザー「俺を生んだっきり、どこかに消えた」
    ネス「……」
    カイザー「だから今、探している」

    ネス「!」

  • 6二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 20:55:16

    ネス「探してるって」
    ネス「どうやって……?」

    カイザー「ありとあらゆる方法で」
    ネス「……」

    ネス「僕に手伝えることはありますか」
    カイザー「ない」
    ネス「……そう、ですか」

    カイザー「……」
    ネス「……」

    ネス「クリスマス……」
    カイザー「あ?」

    ネス「もうすぐクリスマスですね」
    カイザー「……あと1ヶ月後だが?」
    ネス「僕にとってはもうすぐです」

    ネス「うちでパーティーをするんです」
    カイザー「そうか」
    ネス「君はサンタクロースです」
    カイザー「……は?」

    ネス「どうかうちに来てください、サンタさん」
    カイザー「……」

    カイザー「検討しておく」
    ネス「……用意しておきますね」

  • 7二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:20:12

    雪宮「やあ」
    雪宮「最近忙しそうだね」
    カイザー「……」
    よいち「いくぞカイザー!」
    りん「カイザー、こっちきてよ」

    雪宮「シッターに再就職かい?」
    カイザー「ああ」
    カイザー「現物支給でな」

    ネス「カイザー! 世一! 凛! ご飯ですよ!」

    雪宮「まあ、楽しそうでよかったよ」
    雪宮「……ちょっといい?」

    カイザー「あいつのことか」
    雪宮「スーパーでちょっとね、暴れちゃって」
    雪宮「お酒、売ってしまったらしいんだ」
    雪宮「ごめんね」
    カイザー「どうせ無駄だと思っていた」
    カイザー「かまわない」

    雪宮「……顔色、また悪くなってたよ」
    雪宮「お腹もひどく膨らんでた」
    雪宮「入院した方がいいくらいに」

    カイザー「……病院なんざ死んでもごめんらしい」
    カイザー「俺の言葉なんて聞きやしない」

    雪宮「……そっか」

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:28:13

    カイザー「……」コンコン
    カイザー「入るぞ」


    親父「ヒクッ……あー……」
    親父「ミヒャエルか……どうかしたか?」

    カイザー「薬は飲んだのか」
    親父「あー……どうだったか……」
    カイザー「……飯を買ってきた」
    親父「つまみか?」
    カイザー「……」

    カイザー「病院、行かないか」
    カイザー「顔色がクソ悪い」

    親父「……」
    親父「……平気だ平気」

    親父「それよりお前、次の仕事見つけたのか?」
    親父「金は大丈夫なのか?」

    カイザー「……」そっと目を伏せる
    カイザー「平気だ。気にすることない」
    親父「そうか……ヒクッ……」

    カイザー「……」

  • 9二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:43:20

    支援

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:47:35

    ネスが可愛すぎて死ぬ

  • 11二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:54:09

    アンリ「……あ、カイザーさん」

    カイザー「……見つかったのか」

    アンリ「……ええ、まあ……」


    カイザー「まさか、生きてるのか?」

    カイザー「どこにいる? 今、何をしているんだ?」

    絵心「ただで教えるわけにはいかない」

    カイザー「いくらだ」

    アンリ「あ、あの……お金はいいんです」

    アンリ「ただ……」


    絵心「お前と母親のことを記事にする」

    絵心「それが条件だ」

    カイザー「……」


    絵心「悪いな」

    絵心「こっちも仕事だから」

    アンリ「……電車のホームで人を救ったヒーロー」

    アンリ「そんなあなたの、過去の話です」

    アンリ「たくさんの視聴者がつくでしょう」


    カイザー「……はぁ」

    カイザー「……」


    絵心「教えて欲しいか」

    絵心「やめておくなら、それでもかまわない」

    絵心「お前が嫌なら、俺はこのネタをゴミ箱に放り投げるだけだ」


    カイザー「……」

    カイザー「>>14

  • 12二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 21:55:01

    …考えさせてくれ

  • 13二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:13:44
  • 14二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:17:14
  • 15二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:34:36

    カイザー「……」
    りん「なにしてんの」
    よいち「いっしょに遊ぶ?」

    カイザー「……別に」
    よいち「カイザーはサンタさんにプレゼント頼んだ?」
    りん「はやくしないともらえねぇよ」

    カイザー「サンタね……」
    カイザー「残念だが俺の元には来ないな」
    よいち「どうして?」
    りん「わるいこだからだろ」

    カイザー「考えるったってな」
    カイザー「……」髪ガシガシ

    玲王「よう、久しぶり」
    よいち「だれ?」
    りん「ふしんしゃ」
    玲王「俺は玲王。カイザーの友達だ」
    カイザー「友達じゃない」
    玲王「で、どうだ? 進捗あったか?」
    カイザー「……」

  • 16二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:42:18

    玲王「そいつは酷いな」
    玲王「世間の見世物にされる代わりに、母親の居場所を教えてくれるってか」

    カイザー「……」

    玲王「まあ、俺なら」
    玲王「その代償を払う価値があるかどうかで判断する」

    玲王「その母親に狂わされたお前の人生」
    玲王「父親の人生」

    玲王「その真実を知るために代償を払うんだ」
    カイザー「……」

    玲王「知った後は全部リセットしてしまおうぜ」
    カイザー「リセット?」
    玲王「ゼロになるんだ」
    玲王「何もかも、新しくなろう」
    玲王「俺は、そうする予定だ」

  • 17二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:46:44

    雪宮「……」子犬散歩中
    雪宮「……あれ」

    雪宮「……カイザーのお父さんの……足が窓から見える……」
    雪宮「……まさか、倒れてる?」

    雪宮「……」コンコン
    雪宮「……」コンコン
    こいぬ「わんわん!」


    病院

    カイザー「はぁ、はぁ……」
    カイザー「……ふぅ……」
    カイザー「……生きてるか……?」
    雪宮「……医者から説明があると思う」
    雪宮「俺が行った時は意識がなくて」

    親父「……」管に繋がれている

    カイザー「……」

  • 18二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:53:56

    >>リセット

    あかん

  • 19二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 22:56:12

    カイザー「……」
    カイザー「だから言っただろクソが」椅子に座る
    親父「……」ベッドで眠っている

    (モニターの音が聞こえる)

    カイザー「……」
    カイザー「……もう長くない」
    カイザー「……起こすと痛みでイカれちまうから」
    カイザー「起こさない方がいいって言われた」
    親父「……」

    カイザー「なあ……」
    カイザー「母親に、会わせてやろうと思ったんだよ」
    カイザー「クソみたいな俺らだけど」
    カイザー「母親だってクソみたいなやつに決まってる」
    カイザー「罵ったってバチは当たらないはずだろ」
    親父「……」


    カイザー「……どうすりゃいい……」頭を抱える
    カイザー「……」
    カイザー「……リセット」

  • 20二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:00:17

    ネス「カイザー!」
    ネス「最近見ないと思ったら……どこに行っていたんですか?」

    カイザー「少しな」
    カイザー「……ネス」
    ネス「?」

    カイザー「新車を買った」
    ネス「!!」
    ネス「す、すごい……かっこいい!」

    カイザー「運転してみろ」
    ネス「え!? いいんですか!?」
    よいち「わーい」
    りん「……」乗り込む
    ノア「俺は?」
    カイザー「留守番だ」

    ネス「き、き、緊張する……」
    ネス「事故ったら弁償ですか……?」
    カイザー「当たり前だ」
    ネス「ひいっ……」

    カイザー「……冗談だ」
    カイザー「クソ気楽に運転しろ」

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:07:25

    ネス「……明日はクリスマスですね」
    カイザー「……ああ」

    よいち「カイザーも来る!?」
    りん「パーティーするけど」

    カイザー「後から来る」
    ネス「そうですよ、カイザーは後から合流しますからね」

    カイザー「……」
    カイザー「上達したんじゃないか」
    ネス「ん? へへ」
    ネス「そりゃ、こんなに何回も練習に付き合ってくれたなら……」

    カイザー「……」
    ネス「カイザー? 眠いんですか?」
    ネス「僕の運転で寝てくれるなんて光栄ですね」

    カイザー「……」
    ネス「君の前の車を街中で見ました」
    ネス「紫髪の学生が乗っていましたよ」
    ネス「あげたんですか?」

    カイザー「……遠くへ行く足がないと言っていた」
    カイザー「丁度よく押し付ける口実になっただけだ」
    ネス「?」

  • 22二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:08:42

    チビ達が懐いててかわいいな

  • 23二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:13:11

    ノア「メリークリスマス」
    よいち「わあ……」
    りん「サンタだ……!」

    ネス「いやそれはサンタ帽子をかぶったノアです」
    ネス「本物のサンタがやってきますよ」
    ネス「じゃーん!!」

    カイザー「……」すたすた
    よいち「あれ?」
    りん「サンタじゃない」

    ネス「えっ!? あれ!?」
    カイザー「俺はサンタじゃないぞガキども」

    カイザー「……」わざとらしく後ろを見る

    カイザー「今、玄関の方で物音がしたな」
    よいち「サンタさんだ!!」ダッシュ
    りん「行くぞ!!」ダッシュ


    サンタ凪「メリークリスマス」(棒)
    玲王「ようお前ら」
    玲王「俺の相方のサンタだ。特別に連れてきてやったぜ」
    よいち「すごい!!」ぴょんぴょんっ
    りん「ほんとにいたんだ……」

  • 24二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:15:08

    無理やり連れてこられたであろう凪サンタ草
    子供達の前だから棒読みやめろ!!!

  • 25二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:32:40

    わいわい
    がやがや

    カイザー「……」
    ネス「ちゃんと食べてますか?」
    カイザー「ああ」

    よいち「カイザー見て! サンタさんからのプレゼント!」
    りん「ほしかったおもちゃだ……」
    カイザー「壊さないようにしろよ」

    ノア「俺にも見せろ」
    カイザー「見るだけにしろよ。こいつに持たせたらおもちゃが爆発する」


    ネス「……」
    ネス「……ありがとうございます」
    ネス「……お父さんのことで、忙しかったはずなのに」
    カイザー「別に」
    カイザー「葬儀はあげなくていいと言われていたからな」
    カイザー「すぐに済んだ」

    ネス「……僕も、お墓参りに行っていいですか?」
    カイザー「必要ない」
    カイザー「……あんなやつのために時間を割かなくていい」
    ネス「でも、行きたいんです」

    カイザー「……紙、寄越せ」
    ネス「ありがとうございます」

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:36:05

    カイザー「ノア」
    ノア「なんだ」
    カイザー「……」

    カイザー「夜、ネスが寝たら」
    カイザー「これを枕元に置け」
    ノア「……手紙?」

    カイザー「クリスマスプレゼントだ」
    カイザー「サンタ役を任されたからな」

    ノア「……」
    カイザー「しっかり置けよ」
    ノア「…………」

    カイザー「ネス、俺は帰る」
    よいち「カイザー帰るの?」
    りん「とまってけば」
    カイザー「この家の寝具は俺にあわない」

    ネス「ではまた」
    カイザー「ああ」



    カイザー「じゃあな」

  • 27二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:37:48

    こんなに不安になる「じゃあな」ある?

  • 28二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:41:20

    翌朝

    ネス「ああ世一! 溢してますよ!」
    ネス「凛! おもちゃはしまって!」

    ノア「……」
    ノア「置き忘れたな……」手紙
    ノア「ネス、サンタから手紙が届いている」
    ノア「……ネス?」

    ネス「……ノア……」
    ネス「カイザーが、雪かき、してないんです」
    ネス「いつもなら、真面目なあの人なら」
    ネス「必ず、家の前の雪をかくのに」

    ノア「……ネス」
    ネス「っ!!」家を飛び出す
    ネス「はぁっ、はぁっ……」

    ネス「カイザー!!」ドンドン
    ネス「カイザー……!!」ドンドン

  • 29二次元好きの匿名さん25/05/05(月) 23:43:49

    ネス「どうしよう……」
    ネス「鍵……鍵は……!」

    ノア「ネス」
    ネス「ぼーっとしてないで探してくださいよ!」
    ノア「カイザーから手紙だ」

    ネス「……え?」
    ノア「クリスマスプレゼントだと言っていた」
    ネス「……」

    ノア「読んでみないか」

    ネス「……」
    ネス「…………僕への、手紙……?」

  • 30二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 07:36:19

    どうかカイザーが救われますように……

  • 31二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:03:08

    何が書いてあるんだろう…

  • 32二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:21:08

    ネス「ネスへ……」

    この手紙に入れた契約書と鍵
    俺の車のものだ、お前にやる
    ささやかなクリスマスプレゼントだと思っていい

    お前のことだ
    これを読んだらすぐに家のドアを馬鹿みたいに叩いているはずだ
    俺はガキみたいにはしゃぐお前を想定している

    だがこれはノアが俺の話をきちんと聞いていたという前提で

    俺の予想では、あいつは悪びれもせずに翌朝に渡すのだろう
    サプライズが台無しだが、世一や凛に頼むことは出来ないからな

    どっちみちお前の行動は、変わりはしないだろうが

    長い話になる
    外で読めば凍え死ぬくらいに
    だから最初に言っておくが、その家の中に俺はいない

    もうどこにも俺はいない

    自分の家で、あたたかい部屋と、家族にでも囲まれながらこれを読んで

    最悪な気分を味わってくれたらいい

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:35:33

    あいつがくたばる少し前のことだ

    文字にして"父"と書くのは憚られる
    それに"母"とも書きたくない

    だから俺にとって彼らは
    "あいつ"と"そいつ"だ

    そいつは狭い監獄みたいな場所にいた
    病院だ、心を病んだらしい

    頭がイカれていて
    誰彼構わず、"ぼうや"と呼んでいた
    そこらで眠っているジジイにも
    女の職員にもそう言っていた

    そいつにとっては全員が"息子"だったんだ

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:43:47

    どんな事情があったのか
    イカれてしまったそいつに聞こうが意味がない

    ただわかるのは
    そいつにとって息子を置いて消えたことは
    頭がイカれちまうくらいの出来事だったことだけ

    俺の顔を見た看護師が、俺とそいつをそっくりだと言った
    吐き気がしたよ

    そいつは俺の顔を見て、変わらず"ぼうや"と呼んできた
    頬を両手でつつんで泣くんだ
    気持ち悪くてしかたなかった

    そいつの膝に顔を埋めて、頭を撫でられた
    俺のことを何も知らないくせに

    こいつはずっと、妄想の中の息子を愛し続けていたと知って、生きていた中で一番死にたくなった

    クソみたいな気分だった

  • 35二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 12:54:56

    それから数日後だ
    あいつは薬で眠らされて
    ムカつくぐらい安らかに死んだ

    1回だけ目を冷ました時にあいつは何て言ったと思う

    よく来たな、元気か? だとよ
    どの口が言いやがるって殴ってやれば良かったのかもしれない

    長々と綴ったが、後はもう語ることはない

    俺は1度すべてをゼロにしようと思った

    不自由な人生だった
    でも自由になりたいわけでもなかった
    縛られた人生の方が、皮肉にも息がしやすかった

    警察に捜索届、なんて馬鹿な真似はよせ
    俺は死んだんだ
    墓石に名前が刻まれていないだけ

    ただそれだけだ

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:04:56

    ネス、車はお前にやる
    ただし、これだけは約束しろ
    ノアのクソ野郎には絶対に運転させるな
    あれはお前にあげた車だ
    お前以外は運転するな

    世一と凛には車の中にプレゼントを置いた
    サンタ役はこれで終いだ
    あいつらにはどこか遠くに引っ越したとでも言っておけ



    ネス「……」
    (手紙を持つ手に力が入る)
    ネス「…………ぐすっ」
    よいち「どうかしたネス?」
    りん「なんでないてんの」

    ノア「……」

    ネス「カイザーぁ……」

  • 37二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:12:56

    それからの僕の毎日は
    何だか色褪せたみたいに思えた

    カイザーのお父さんの墓参りには毎年行くようにした

    カイザーのお父さんのためか、カイザーのためか
    僕にはわからなかった

    ノアは相変わらずポンコツで
    運転はもっぱら僕がやっている

    世一と凛はいつも剣優のところの犬と遊んでる
    最近は2人ともやんちゃで困っているよ

    毎年クリスマスになると君を思い出す
    サンタの格好をした面白い君が、玄関の扉を叩くんじゃないかって

    やって来るのは、帽子が傾いてつけ髭がずれた、間抜けなノアサンタなんだけれどね

  • 38二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:18:15

    墓参り

    ネス「……」
    ネス「……?」

    ネス「僕の前に、誰かが花を供えてる」

    ネス「……?」

    ネス「青い薔薇……? 墓前に?」
    ネス「……絵葉書が……」

    ネス「……」

    (とある薔薇園の写真)

    ネス「……」

    (写真の端、ベンチの上に置かれたボロボロのサッカーボールが見える)

    ネス「……これって」

    おわり

  • 39二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:24:35

    『カイザー』は一度死んでまた薔薇園で生きている彼になったのか
    よかったね……

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:28:45

    ゼロになってリセットしたんだね…

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:29:38

    面白かったわ
    スレ主クソ感謝

  • 42二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:31:40

    よかった…よかった

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 13:42:04

    すごい楽しんだわ
    ありがとうスレ主

  • 44スレ主25/05/06(火) 13:47:59

    このカイザーは世間的には親に虐待された可哀想なやつ
    ただしネス達との交流を経て心穏やかに生きていけるようになった

    原作のカイザーは世間的にはフットボーラーとして成功している
    ただし悪意の中でしか生きられない

    GWをなんてもんに消費しちまったんだ(後悔)

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 14:08:08

    ハラハラ&ほっこりしつつラストめちゃくちゃ感動したいいスレだった
    スレ主にクソ感謝

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 14:28:51

    このSSクソお気に入り

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 15:40:51

    映画一本観終わったような満足感
    GW最終日に最高のSSに出会えて良かった
    スレ主にクソ感謝

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/06(火) 15:48:08

    >>44

    「ミヒャエル・カイザー」にとってはどっちが“マシな人生”なんだろうな

    ミヒャエルくんとカイザーでそれぞれ答えは異なりそうだけども

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています