- 1カルビ22/03/30(水) 22:05:47
「ほら、パパがお仕事の時間だからご挨拶しなきゃ」
フジキセキが抱える3090gの奇跡は訳もわからずきょとんとしたまま。フジキセキは苦笑いしながら、小さな手を握って"バイバイ"とゆっくり降り出す。
「カネヒキリにはまだ分かんないかな………?」
漸く首が据わったばかりの彼女は自分がその指先を軽く握ると、溶けるように笑う。それだけでなんだか心が軽くなった。
──フジキセキと結婚した。
その言葉に違和感を覚えなくなったのはいつからだろう。ドリームリーグで4戦した後、引退し、今は舞台俳優をしている彼女。
そんな中で、桜が咲く前に生まれた自分達の娘はウマ娘で。普通の子の育児の常識が通用しない彼女にはほとほと手を焼かされている。
フジキセキがいなければ、きっと心が擦り減っていただろうに。
フジキセキがいるから、きっと心が満たされているのだから。
「今日は早く帰るよ。一緒にご飯食べよう」
「そうだね。あなた。貴方の好きなもの作って待っているから」
フジキセキの蒼い瞳に瞼が閉じる。それはお決まりの挨拶で。愛を形にして、行為で好意を伝えるこの瞬間がとても大事なんだ。
軽く触れた唇から僅かな水音とリップ音。
いつからかしなくなる日も来るのだろう。
見送りされる日も来なくなるのだろう。
それでもきっと──この結婚に後悔はないのだ。
フジキセキの隣で歩き続ける。
あの日の答えが未だこの胸にある限り。 - 2二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:09:16
3090gの奇跡ってお洒落な表現で好き
- 3二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:09:43
どっから出てきた3090g
- 4二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:10:14
- 5二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:11:16
- 6二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:11:17
あーなるほど………エモいな
- 7二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:14:40
末永くイチャついててほしい
- 8二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:15:21
- 9カルビ22/03/30(水) 22:30:50
「カネヒキリ、ママといい子にしてるんだぞ〜」
仕事前だというのにだらしなく破顔した彼の顔、それも仕方ないだろう。私の腕の中にいる3090gの天使は皆を楽しませる生まれながらのエンターテイナーなのだから。
──トレーナーさんと結婚した。
ドリームリーグで4戦後、マイル適性に振られていた私の足に長距離での戦いはあまりにも負担が多く、麗しのクラシック三冠時代の走りが出来ないと分かった時、彼は言ったのだ。
『キミがこれから先、どんな人生を歩もうとキミの隣で歩き続ける──これがあの日の答えだよ、フジキセキ』
嬉しかった、安心した。何度も私から言っていたけど、無理をさせてないかって、時々不安に駆られていたから。
貴方が私を好きだと言ってくれたから、私は安心して自分の道を歩めるのだと。
私の帰る場所になってくれたから、私は今、小さな奇跡を産んだのだと。
「フジキセキ」
夫の瞳に私が映る。新婚夫婦のお決まりの挨拶。始めたのは私からで、習慣にしたのは彼の方で。
小さな暗闇で彼のかさついた唇が触れ、熱が伝わり、身体中に暖かさを与える。
「………幸せだなぁ」
「俺もだよ、フジキセキ」
思わず漏れた言葉に夫も重ねてそう言って、私に背中を向けた。
だから、私はこういった。いつまでも貴方の隣でこの言葉を言いたいから。
声が枯れたらずっと手を握り締めてでも、貴方に伝えたいから。
「あなた──あいしてる」
──1億2965万回貴方を愛してる。 - 10二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:33:19
うわぁ! フジキセキ目線!
- 11二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:33:32
おかわりあるなん聞いてないですわ!?
- 12二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:34:42
ウワーッ!追いカルビ!
- 13二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:35:32
いいですね…
1億2965万回は何か意味あるのかな - 14二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:35:41
連日のカルビだと言うのに全く胃もたれしないのお
- 15二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 22:37:27
獲得賞金かな?
- 16二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 23:31:35
夏目漱石「日本人が愛してるだなんて直接言うなよ!月が綺麗だって・・・なんだフジとフジトレか!何度でも言いなさい!!」