【ホラー注意】ねえ、あの部屋ちょっと面白そうじゃない?

  • 1スレ主25/05/09(金) 07:44:40

    休日の買い物、ふと見つけた一室。

    軽い気持ちで入ったその先に、

    どこか現実とは違う空気があった。

    誰かが驚いて、誰かが叫んで、誰かが笑って、誰かがからかって…

    怖いけどそこには楽しい非日常が待っている。

  • 2スレ主25/05/09(金) 07:46:18

    このスレは、ブルーロックの登場人物による探索型ホラーSSです。

    舞台はショッピングモールの特設部屋“脱出ゲーム”。蜂楽に誘われてゲームに参加した彼らは、部屋の中で奇妙な体験をします。


    ※運命(ダイス)によって、ストーリーの視点が変化します。
    ※ロスト/発狂/SAN値管理/戦闘なし
    ※安心安全設計で、仲良しE4をお楽しみください。

  • 3スレ主25/05/09(金) 07:47:00
  • 4スレ主25/05/09(金) 07:48:30

    ■キャラヘイトを目的とするものではありません

    ■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください

    ■荒らしはスルーします

    ■基本的にゆっくり進行(社畜なので平日は特に)ですのでご容赦ください

    ■感想、質問、イラスト等頂けるとスレ主が大変喜びます

    ■広域ホスト規制に巻き込まれがちです。保守して頂けると幸いです

  • 5スレ主25/05/09(金) 07:50:44

    【登場人物紹介】


    ■潔 世一(いさぎ よいち)

    慎重で観察力に優れた思考派。
    だけど、いざという時には誰よりも大きく驚いて、思わず叫んでしまう。
    それでも、そんな時間が楽しくて、結局最後にはたくさん笑っている。


    ■蜂楽 廻(ばちら めぐる)

    不思議なものが大好きで、怖いより先に「面白い」が来るタイプ。
    多少の怪奇現象には動じず、誰かの悲鳴に笑いながら首をかしげる。
    世界が少しズレて見えてる彼には、ここも遊びの一部だったのかもしれない。

  • 6スレ主25/05/09(金) 07:53:13

    ■千切 豹馬(ちぎり ひょうま)

    冷静を装ってはいるが、心の中ではビビり度トップクラス。
    ちょっとした音や影にも敏感で、驚くたびに潔と一緒に騒ぎ出す。
    でも、最後にはケラケラ笑って、「もう行かねえ」と言いながら楽しんでいる。


    ■國神 錬介(くにがみ れんすけ)

    頼れる兄貴分。多少の異変にも動じず、落ち着きは全員分。
    ただし、潔や千切が叫ぶと、つい笑いをこらえられなくなる。
    実はちょっとだけ驚いていたが、それは最後まで誰にも言わなかった。

  • 7スレ主25/05/09(金) 07:56:24

    土曜の午後。
    ブルーロックの束の間の休暇を満喫すべく、潔、蜂楽、千切、國神の4人は、まるで遠足気分で都会の巨大ショッピングモールに繰り出していた。

    服屋、雑貨屋、スニーカーショップ――店を巡るたびに、誰かが何かに引っかかり、残りの誰かが止めに入る。

    それはもはや恒例行事であり、この感じこそが、彼らの“日常”だった。


    千切「潔!これ似合うんじゃね?」

    千切が得意げに突き出したのは、蛍光イエローにドクロ模様が乱舞する、全力で主張してくるパーカー。

    潔「いや……俺はもうちょい、こう、シンプルなほうが……」

    そう言いながら、鏡の前でしっかり肩に羽織ってみる潔。その表情はなんだかんだ真剣だ。


    蜂楽「國神ー!これどう?トゲトゲしててカッコよくない?」

    蜂楽が手にしていたのは、スタッズが無数に打たれたリストバンド。もはや武器。

    國神「高校生がつけるもんじゃねーだろ、それ」

    國神は真顔で返しつつも、口元がちょっとだけ緩んでいた。気づけば蜂楽はすでに両手に装着済みで、意外にも様になっているのがまた面白い。

  • 8スレ主25/05/09(金) 07:59:19

    食器屋では、千切が目を細めて、真剣な顔でマグカップを選んでいた。その背後で、潔と國神がこそこそ。

    潔「……意外と主婦力高いよな」

    國神「朝はパン派らしいしな……」


    一方、蜂楽はというと、香水コーナーで一心不乱にテスターを嗅ぎまくっていた。

    蜂楽「この匂い……潔っぽい」

    潔「どういう意味!?」

    すでにカゴの中には、蜂楽が“気になったから”という理由で放り込んだ意味不明な雑貨がいくつも入っていた。

  • 9スレ主25/05/09(金) 08:03:41

    一通り歩き回ってから、4人はモールの中庭にあるカフェへ。

    吹き抜けから射す光と、微かな音楽。ソファに沈みながら、疲れと心地よさがじわじわ染みてくる。


    千切「こういう休日、悪くないな」

    國神「ああ。ちゃんと身体も休めるしな」

    蜂楽はアイスラテのストローをくるくる回しながら、吹き抜けの天井をぼーっと見上げていた。

    蜂楽「ふわー……天井のライト、宇宙船っぽくない?」

    潔「……お前、どこ見てんだよ」

    潔が苦笑しつつも、自分の頼んだケーキをつつく。予想以上に甘くて、ちょっと顔をしかめた。

    千切「潔、それ甘すぎる顔してるぞ」

    千切がソファに深くもたれかかりながら、カップを口元に運ぶ。

    その様子がやたら絵になっていて、國神がぼそっとつぶやいた。

  • 10スレ主25/05/09(金) 08:04:54

    國神「お前、今日なんか雑誌の表紙みたいだな」

    千切「は?いや、褒めてんのかそれ」

    蜂楽「わかる!背景ぼかしたら千切りんだけバチッと写るやつだよね!」

    蜂楽がニヤニヤしながら口を挟むと、千切はわざとらしく咳払いして姿勢を正す。


    千切「じゃあ次は“休日のおしゃれ男子特集”とか出るか……?」

    潔「絶対載らねぇよ」

    潔が即座にツッコミを入れて、テーブルの上に笑いが落ちる。

  • 11スレ主25/05/09(金) 08:12:44

    その一方で、國神は静かにコーヒーを啜っていたが、ふと何かに気付いたように顔を上げた。

    國神「……そういえば、このフロアの奥、なんか変な張り紙あったの見たか?」

    蜂楽「え?どんなの?」

    蜂楽の目が、興味で一気に輝く。

    國神「“体験型ホラーイベント・本日限定”って……ポスターだったかな。妙に古びてて、ちょっと気味悪かった」

    千切が顔をしかめる。

    千切「うわ、そういうの苦手なんだけど……」

    蜂楽「でもちょっと面白そうじゃない?」

    蜂楽は行く気満々で、テーブルに肘をつきながら、にやりと笑う。

    潔「俺は遠慮したいところだけどな……」

    潔が言いかけたその時――


    カフェの隅、従業員用らしき扉が静かに、ほんの数センチ、開いた気がした。

    ……風、だよな?

    誰も言わなかったが、全員がほんの一瞬だけ視線をそちらに向けていた。

    次の行き先が、確かに決まりつつあった。

  • 12スレ主25/05/09(金) 08:35:24

    カフェを出てすぐの場所に、それはあった。

    「ホラー×脱出ゲーム」
    ――ど派手なフォントのポスターに、妙に陽気なガイコツのマスコット。

    蜂楽が足を止めた。


    蜂楽「おっ、これ絶対おもしろいやつじゃん!」

    潔は一歩引いて看板を眺めた。

    潔「“ホラー”って書いてあるけど……大丈夫かこれ……?」

    その横で千切はスマホを取り出していた。

    千切「あ、やべ。そろそろ親から連絡来る時間なんだよな。じゃ、俺ここで――」

    蜂楽「はいはい、逃げない逃げない!」

    蜂楽が潔と千切の腕を容赦なくがっしり掴む。

    潔「えっ、ちょっ、無理矢理!?」

    千切「俺は行くなんて一言も――!」

    文句を言いながらも引きずられていく二人。國神はその後ろで、肩を揺らして笑っていた。


    國神「……ほんと仲いいな、お前ら」

  • 13スレ主25/05/09(金) 09:26:22

    会場の入口には、元気すぎるスタッフが立っていた。

    スタッフ「ようこそー!ホラー×脱出ゲーム、勇気あるチャレンジャーを歓迎します!」

    潔「勇気はないです!」

    潔が即答する横で、蜂楽はニコニコしながら質問を始めていた。

    蜂楽「これ、中でおばけ出る系?それとも仕掛け? あと、叫んだら負けルールとかある?」

    スタッフ「中は真っ暗で、いろんな仕掛けがあります!アイテムを見つけて出口で引き換えると、豪華賞品が……!」

    蜂楽「おっ、それ絶対、俺が得意なやつじゃん!」

    蜂楽のテンションはうなぎのぼり。

    千切は小声で「賞品って……どうせチロルチョコとかだろ……」とつぶやいたが、すでに入場口の前に連れてこられていた。

  • 14スレ主25/05/09(金) 09:57:51

    潔は深呼吸してから、小さく呟いた。

    潔「……もうこうなったら、腹くくるしかないか」

    蜂楽「にゃはは♪ 潔、真剣な顔もいいけど、たまには叫んでもいいんだよ?」

    蜂楽がにやっと笑い、國神はそれを聞いてさらに笑いを堪えたように肩をすくめる。

    そして――

    スタッフ「それでは、ドア、オープン!」

    スタッフの掛け声とともに、薄暗い扉がギィィ……と音を立てて開かれた。

    その奥には、明かりのない、妙に静かな空間が待っていた。

    蜂楽「うっわー……テンション上がってきたー!」

    千切「下がってるんだけど……」

    潔「俺、今なら100メートル9秒で帰れる自信ある……」

    國神「はいはい、行くぞお前ら」

    4人は、わちゃわちゃと押し合いながら、その不気味な部屋の中へと足を踏み入れた――。

  • 15スレ主25/05/09(金) 11:13:56

    スタッフ:「あ、ちなみに探索終わるまで、この部屋からは出られませんからねー!」

    明るく無邪気なその一言が、まるで罠の引き金だった。

    潔「えっ……ちょっ、今なんて――」

    千切「おい待て!開けろって!」

    バン!と潔が扉を叩いたと同時に、それは静かに、確実に閉まりきる。

    ギィ……ガチャン――

    音がした瞬間、扉は鉄のようにびくともしなくなっていた。

    蜂楽はというと、「出られないとか、最高すぎない!?」とテンション高め。

    國神はそんな蜂楽を見ながら、「やっぱお前、何かズレてんだよな……」と肩をすくめた。

  • 16二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 11:31:00

    おかえりスレ主待ってたよ~!
    今回も楽しみにしてます!!

  • 17スレ主25/05/09(金) 12:12:09

    >>16 嬉しいです!ありがとうございます!本日は仕事なので、空き時間で投稿できるように頑張りますね!

  • 18スレ主25/05/09(金) 12:14:17

    中は、思った以上に“静かすぎた”。

    天井にはかすかに揺れる裸電球。

    空調の音すら聞こえず、何かがどこかでこちらを待っているような、じっとりした気配。

    壁の色はくすんだ灰色で、少し手を触れると、なぜかぬるりと湿っていた。

    潔「……なんだこの空気。冷房っていうか……生ぬるくね……?」

    千切「やっぱやめときゃよかった……」

    蜂楽「でも、面白くなってきたじゃん?」


    ひとまず部屋の中を彷徨いていると、薄暗い廊下の中で、異様な空気を放つ“トイレ”のプレートがついた一角を発見した。

    足を踏み入れるべきか、否か――微妙な間が流れる。

    潔がそっと千切に目配せすると、千切もすぐに察して小さく頷く。

    潔「……よし、じゃあ國神。お前、体力あるし先行けるよな?」

    千切「うんうん、そうだよな。國神ってヒーロー志向だし、こういうの得意だろ?」

    國神は眉をぴくりと動かしながら、2人を交互に見た。

    國神「お前らな……分かりやすすぎだろ、押しつけが」

  • 19スレ主25/05/09(金) 13:24:09

    潔は目を逸らしながら鼻をこする。

    潔「いやいや、決して押しつけとかじゃなくて……信頼ってやつ?」

    千切「そう、信頼。リスペクト。敬意を込めてのお願いだよな、潔?」

    潔「そ、そうそう!國神なら幽霊の一人や二人、余裕で浄化できるって!」

    蜂楽は一歩後ろでくすくす笑っている。

    蜂楽「潔、千切りん、完全にヘタレムーブじゃん。國神の心労、プライスレスだねぇ」

    國神はため息をつきながらも、肩をすくめて前に出る。

    國神「……しゃーねぇな。俺が先に行く。その代わり、あとでお前らにも回すからな。交代制だ」

    潔「ぐっ……まぁ、最初だけな……!」

    千切「ちゃんと帰ってこいよ!ヒーロー!」

    蜂楽「いってらっしゃ~い、トイレの守護者~」

    國神「二度と言うなその肩書き」

  • 20スレ主25/05/09(金) 14:24:42

    【國神錬介:No.1・ドアがないトイレの個室】


    國神が一歩、トイレの前に立つ。

    どこか古びた造りで、床のタイルは湿っていて、天井の照明もひどく暗い。

    潔は眉をひそめて後ろに下がりながら、小声で呟いた。

    潔「……なあ、今、中から足見えた気がするんだけど」

    千切は顔を引きつらせてトイレに背を向ける。

    千切「便座の下から覗いてくるとかマジ無理!! 俺そういうの一番ダメなんだけど!!」

    蜂楽はというと、どこか楽しげに首をかしげていた。

    蜂楽「やっぱりトイレも住みたい場所なんだなぁ」

    國神は無表情で前に進みながら、ボソッと呟く。

    國神「誰かおしりペーパー届けてやれ」

    その一言で場の緊張が一瞬だけ抜けるが――

    個室の前に立つと、再び空気が重く沈んだ。

  • 21スレ主25/05/09(金) 15:21:55

    中は不思議なほど静かだった。


    ドアがない。

    だが、確かに“誰かがいる気配”がする。


    足音ではない。呼吸でもない。


    “いる”としか言いようのない、不快な存在感。


    國神が手を伸ばし、個室のドア枠に手をかける。


    國神「いくぞ」


    仲間たちの視線が背中に集まる。


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 22スレ主25/05/09(金) 15:27:42

    【探索成功:1】


    ギィ……と、鈍い音を立てて中を覗くと――
    誰も、いない。

    便器の上には、ぽつんと小さな金属プレートが置かれていた。

    刻まれた文字は、「No.1」。

    その下には、まるでいたずら書きのように何かのシミがついている。

    國神はプレートを手に取って振り返る。

    國神「問題なし。アイテム発見」

    潔は大きく息を吐いた。

    潔「マジで……心臓止まるかと思った……」

    千切も思わず壁にもたれかかる。

    蜂楽はにこにこしながら、

    蜂楽「國神、いい拾いっぷりだったよ!トイレヒーローって呼ぶね」

    國神は小さく笑いながら、一言。

    國神「……称号がダサすぎる」

  • 23スレ主25/05/09(金) 15:31:05

    次の探索場所を探している途中、國神がにやりと笑いながら振り返る。

    國神「よし、次は千切。行け」

    千切「は? なんで俺!?流れ的に潔だろ普通!」

    潔「いやいやいや、ここはスピードスターの出番でしょ。反応速度でホラーも回避できるって」

    蜂楽「うんうん。動体視力すごいんでしょ?何かが飛び出してきてもキャッチできるんじゃない?」

    千切「なぁ、俺そんな能力ついてた!?マジで無理だって!!」

    國神「ヒーローじゃなくても、ヒーローにされた気分はどうだ?」

    千切「お前絶対あとでグラウンド100周な!!……くっそ、行けばいいんだろ……!」

    ヤケクソ気味に千切は一歩を踏み出した。

  • 24スレ主25/05/09(金) 15:36:12

    【千切豹馬:No.2・鍵のかかった冷蔵庫】



    薄暗い廊下の突き当たりには、明らかに“そこだけ寒気を放っている”異質な冷蔵庫が置かれていた。


    どこか錆びついた古い型。ドアには五つもの鍵がかけられ、そのどれもが無造作にぶら下がっている。


    中からは――コン、コン……と、一定のリズムでノック音。


    潔が震える声で言う。


    潔「……何で内側からノックしてんの?」


    蜂楽がしゃがみ込んで、冷蔵庫に話しかけるように微笑む。


    蜂楽「誰か住んでるのかも!ご近所さん、こんにちは~!」


    千切が思わず叫ぶ。


    千切「おいやめろ!冷やすだけにしとけ、怖すぎ!」


    國神は笑いながらボソッと呟いた。


    國神「むしろ千切の叫び声で中身凍ってそうだな」


    千切「うるせえ!ッもういい、開けるぞ!」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 25スレ主25/05/09(金) 15:39:34

    【探索成功:2】


    千切がしぶしぶ鍵をひとつひとつ外していく。

    最後の一つをカチリと外した瞬間――ノック音がピタリと止まった。

    千切「うわ、これ絶対ヤバいヤツだって……」

    そう言いながらも千切は意を決して、ゆっくりとドアを引く。

    冷気が一気に吹き出し、視界が一瞬白く曇る。

    その中に、ぽつんと何かが落ちている。

    小さなプレート――“No.2”の刻印。

    千切がそれを拾い上げて振り返る。

    千切「ほら、取ったぞ!アイテムゲットな!はい!次!潔いけ!!」

    潔「うわ、強がってるけど声震えてたよな今……」

    蜂楽「でも千切りん、ちょっとかっこよかったかも!“冷蔵庫を制す者はゲームを制す”って感じ?」

    千切「なんだその格言!?」

    國神「まぁ、やるときはやるな。さすがスピードスターだ」

    千切「……ちょっと嬉しいから許すけど、お前あとでグラウンド50周は確定な。」

  • 26スレ主25/05/09(金) 15:43:36

    【潔世一:No.3・押入れのような小部屋】


    少し歩いた先、薄い木の扉が一つ。

    高さも奥行きも中途半端で、まるで古い和室の押入れのような雰囲気。

    だが、問題はその奥―― 中は真っ暗で、懐中電灯の光さえ届かない。

    千切が扉の前で即座に後退しながら言う。

    千切「俺絶対入らねぇからな!?このタイプ、一人犠牲になる系だろ!」

    蜂楽が手を叩いて提案する。

    蜂楽「じゃあ潔、じゃんけんしよっか」

    潔「じゃんけんで命懸けってどういうこと!?」

    國神が腕を組みながら笑う。

    國神「よし、蜂楽勝ったら潔確定で。潔が勝っても潔確定な」

    潔「はい陰謀!!しかも即決!!」

    蜂楽「だって潔のリアクション、ホラー向きなんだもん!」

    潔「ふざけんな!!」

    とは言え、他に行く者もおらず―― 潔は、覚悟を決めて押入れの扉を引いた。

  • 27スレ主25/05/09(金) 16:46:55

    ギィ……という音と共に開いた内部は、やはり真っ暗。


    空気がひやりとしていて、ほのかに埃と何かの土っぽい匂いが漂っている。


    懐中電灯を向けるも、光は奥で吸い込まれるように消える。


    その時――奥からふっと、風が吹いた。


    潔は固まった。


    潔「なあ……閉じた空間のはずなのに、風っておかしくない!?」


    蜂楽「おぉ、いいねいいね。地下に続いてたりして!」


    千切「え、ダンジョン!?やっぱダメだわ、潔マジで頼んだ!!」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 28スレ主25/05/09(金) 16:48:31

    【探索成功:3】


    潔は震える手で懐中電灯を少し奥へと差し入れる。

    その先に、小さな木箱のようなものが置かれているのが見えた。

    潔「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

    勢いだけで腕を突っ込み、がしっと中身を掴んで引き寄せる。

    出てきたのは、小さな金属プレート――“No.3”の刻印。

    潔は目を見開いたまま振り返る。

    潔「取った!!アイテム取ったからもう閉める!!閉じるからな!!」

    バンッと音を立てて扉を閉じた。

    千切「うおー、潔やるじゃん!スピリチュアルスカウト!」

    蜂楽「“風の呼吸 壱ノ型:押入れ回収”って感じ?」

    國神「でも声デカすぎて、逆に敵集まりそうだったな」

    潔「黙ってろーっ!!」

  • 29スレ主25/05/09(金) 17:45:55

    潔はじわじわと蜂楽の背後に回り、ポンと背中を叩いた。

    潔「……よし。次、蜂楽行こうか」

    蜂楽「え~? でも俺、見守る係だったんだけどなぁ?」

    千切「お前だけ涼しい顔して逃げ回ってたじゃん。そろそろ働けよ」

    國神「さっきからニコニコしすぎてて逆に怖い。たぶんお前が一番ホラー向きだろ」


    蜂楽はくるりとターンしながらウィンク。

    蜂楽「はーい!じゃあ、ホラー界に転職しまーす!」

    潔&千切「「やばいな……」」

    國神「頼もしい……というか、精神構造どうなってんだ……」

  • 30スレ主25/05/09(金) 19:07:07

    【蜂楽廻:No.4・風鈴が吊るされた部屋】


    古びた襖を開けた先は、畳敷きの和室。


    天井には細い糸が無数に垂れ、そこに無数の風鈴が吊るされている。


    ガラス、鉄、陶器――それぞれの風鈴が微かに揺れている。


    風は、ない。窓も、ない。


    なのに――チリン……チリン……と、不規則に音が鳴る。


    蜂楽「チリンチリン、夏の風物詩って感じ~」


    潔「誰が鳴らしてんだよ!?風ないのに!」


    千切「俺、風鈴の音もう聞けなくなりそう……」


    國神「潔の叫び声も風鈴に勝てるな」


    潔「は!?勝負するとこそこ!?」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 31スレ主25/05/09(金) 19:57:32

    【探索成功:4】


    蜂楽は一歩一歩、吊り下げられた風鈴の間をすり抜けながら歩いていく。

    そのたびに音がチリ……チリン……チ……と止まり、まるで部屋全体が息を潜めるようだった。

    ふと、一つだけ、やたら大きな陶器の風鈴が視界に入る。

    蜂楽「おっ、なんかコイツだけ存在感すごいなー」

    そっと揺らしてみると――中から何かが“コトン”と落ちた。

    畳の上に転がったのは、小さなプレート「No.4」。

    蜂楽「わーい、獲ったどー!」

    潔「お前すごいな……というか、なんか世界観違わない?」

    千切「やっぱ怖ぇよ……あの部屋に喜んで入るとか」

    國神「たぶん蜂楽がホラー側なんだよ、もう」

    蜂楽「ふふっ、もしかして俺……風鈴の精霊だったりして?」

    潔「もう黙っててこわい!!」

  • 32スレ主25/05/09(金) 20:09:44

    蜂楽が部屋から出てくると、風鈴の音が遠くでチリンと鳴っていた。

    蜂楽「いや~、風鈴と会話できるようになる日が来るとは思わなかったなぁ」

    潔「お前、別の意味で覚醒してない!?」

    千切「もはや“ブルーロック産霊媒師”じゃん……」

    蜂楽はケロッとした顔で3人を見回しながら、軽く指を立てる。

    蜂楽「というわけで、次行く人~?」

    潔と千切が同時に0.2秒で蜂楽の後ろに隠れた。

    潔&千切「「國神、出番!!」」

    國神「…は?どうしてそうなる」

    潔「だってさっき千切が冷蔵庫やったし、俺押し入れやったし、蜂楽も風鈴で一仕事したし……?」

    千切「公平性って大事だよな。国民的ヒーロー、よろしく!」

    國神は無言で3人を見つめたあと、静かに額に手をやった。

    國神「……ホントにお前ら、仲いいな」

    潔「褒め言葉として受け取っとく!」

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 21:13:19

    今のところダイスの調子良いね!
    4人が楽しそうで安心して見てられる

  • 34スレ主25/05/09(金) 21:15:30

    スレ主やっと仕事から解放されたので、スムーズに物語を紡ぐことが出来るように頑張ります。


    【國神錬介:No.5・日本人形の並ぶ棚】


    辿り着いた部屋は、まるで誰かの古びた和室。

    空気が重く、ひんやりしている。
    そして、部屋の奥――

    ずらりと並ぶ日本人形の棚。

    どの人形も、白くのっぺりとした顔に、暗い瞳。

    しかし――そのうちの一体だけ、目が合っているような感覚があった。

    千切「……は、何あの人形!ぜってーやばいじゃん!はい無理、任せたヒーロー」

    國神「なんでだよ、お前の俊足ならヤバくても走って逃げられるだろ」

  • 35スレ主25/05/09(金) 21:17:43

    >>33 前作が嘘のように、ダイスがいい感じです!

    仲良しE4は癒しです。ホラーでも物語が明るくなりますよね。

  • 36スレ主25/05/09(金) 21:18:43

    蜂楽は人形を覗き込みながら微笑む。


    蜂楽「この子だけちょっと笑ってない?魂宿ってるのかな~」


    潔は棚の前でじりじり後ずさりながら叫ぶ。


    潔「もう!ぜってー動くやつだろこれ!!いやだよ俺!國神よろしくね!!」


    國神は深く息を吐き、ゆっくりと棚の前に進み出る。



    その背中に3人の視線が集まる中――


    部屋の空気が、ほんの少しだけ“重く沈んだ”。


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 37スレ主25/05/09(金) 21:21:27

    【探索成功:5】


    國神が一歩踏み出したその瞬間、

    カタリ。

    棚のどこかで、何かが微かに“動いた”。

    潔「い、今音したよな!?國神!?何か落ちたとかじゃなくて“動いた”って音だったよな!?」

    千切「俺ほんとマジで無理!人形ってだいたい呪われてんだろ!!」

    蜂楽は首を傾けながら、ニコッと笑う。

    蜂楽「うわぁ、やっぱ魂入ってる系だね~。かわいいじゃん」

    國神はそんな会話を背に、人形たちの間に手を差し入れる。

    ギギギギ……

    木製の棚がゆっくりと軋み、まるで“中に何かが潜んでいる”かのように、響く。


    そのとき――

    一体の人形の首が、カクン、と傾いた。

  • 38スレ主25/05/09(金) 21:26:13

    だが、國神は動じない。

    黙って、そっとその人形の台座の裏を探る。

    そこには―― 小さな金属プレート「No.5」。

    國神「……あった」


    蜂楽「すごい!人形マスター!」

    潔「いやいやいや、冷静に言ってるけど!今確実に人形動いたよね!?」

    千切「首傾いたし!一歩間違えたら絶対『ついてくる』系だったって!!」

    國神は人形の棚にもう一度目をやり、静かに言う。

    國神「……動いたら、追いつかれないように走れよ。ほら、次潔な」

    潔「次俺!?ってか今さらっとバトン渡したな!!」

    蜂楽「じゃあ次は潔、テレビとかどう?砂嵐系!」

    潔「やだあああああああああ!!!」

  • 39スレ主25/05/09(金) 21:31:01

    【潔世一:No.6・使われていないはずの洗面台】


    潔「あ゛ー……あ゛ーー……行きたくねぇ……!」

    肩をすくめ、顔をしかめ、今にも地面にしゃがみ込みそうな潔を、千切が優しく(?)背中で押し出す。

    千切「頑張れ潔。お前、最近キレてるし、運も味方してくれるって」

    潔「運が味方するなら、まずこの場にいねぇよ!!」

    國神は小さく笑いながら腕を組む。

    國神「“ブルーロックの申し子”、鏡越しでも実力発揮してこいよ」

    蜂楽は手を振って無責任に応援。

    蜂楽「お水出たらラッキー!顔でも洗って出直しておいで~」

    潔「俺を銭湯扱いすんな!!」

    文句を言いながらも、潔は恐る恐るその部屋へと足を踏み入れた。

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 21:43:01

    ここまで全部成功しててすごいな

  • 41スレ主25/05/09(金) 22:34:29

    >>40 E4は探索が上手みたいですね!アイテム集まって喜ぶE4が見られるのは、スレ主としても嬉しい限りです。

  • 42スレ主25/05/09(金) 22:35:41

    部屋の中には、古ぼけた洗面台がひとつ。

    蛇口は錆びつき、陶器の表面には無数のヒビ。

    だが、一番異様なのは――その上にある鏡だった。


    鏡には、くっきりと浮かぶ“手形”。

    まるでついさっき、内側から触れられたように、濡れている。


    蜂楽がぽつりと呟く。

    蜂楽「この手形、潔の?」

    潔「俺こんなでっかい手じゃねぇし!しかもこれ、濡れてんだけど!!」

  • 43スレ主25/05/09(金) 22:38:52

    千切が鏡を覗き込みながら、青ざめた声で言う。


    千切「てか今、鏡の奥、動かなかった……?」


    潔「ちょ、やめろやめろやめろ!!視界の隅が一番怖ぇんだから!!」



    國神は後ろで静かに言った。


    國神「潔、顔洗っとけ。現実逃避しろ」


    潔「いやだーっ!!!」


    鏡の中に自分の姿が映るのを避けるように、潔は洗面台にそっと近づいた。



    その時、鏡の表面にうっすらと、別の“指の跡”が現れ始める。


    それは、まるで“見てるぞ”とでも言いたげに、潔の動きに合わせて、少しずつ、少しずつ、追いかけてくるようだった――。


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 44スレ主25/05/09(金) 22:44:25

    【探索失敗:5】


    潔「……なんだよ……これ……!」

    潔は声を震わせながら、洗面ボウルの中を探るが、アイテムはない。

    潔「っくそ……!」


    その瞬間、鏡にバン!と新たな手形が増えた。

    しかも潔の頭と同じ高さに――

    潔「うわぁぁぁぁぁぁっ!!??」

    すっ飛んで部屋から飛び出し、背後の鏡は再び無音に戻る。

    千切「どうだった!?何かあった!?取れた!?」

    潔「無い!!もう何も無い!!心も無い!!魂も置いてきた!!」

    蜂楽「じゃあその魂、次の人が拾ってくれるといいねぇ~」


    國神「……じゃあ、次は蜂楽、もう一巡いっとくか?」

    蜂楽「おっ、マジで?やったー!」

    潔「なんで楽しそうなんだよ……!!」

  • 45スレ主25/05/09(金) 22:50:04

    【蜂楽廻:No.7・鳴らない黒電話】


    ガラガラ……と引き戸を開けた先に現れたのは、
    殺風景な部屋の中央に、ぽつんと置かれた黒電話。

    レトロを通り越して、今となっては“見るだけで不安になるレベルの骨董品”。

    受話器にはほこりがうっすら積もっている。だが、その雰囲気は“ただの古道具”ではなかった。


    蜂楽は黒電話を見るなり、ぱあっと顔を輝かせる。

    蜂楽「出てみたい……“もしもし、私いまあなたの後ろに――”とか言われたい」

    潔「いやいやいやいやいや、絶対ダメなやつ!!それ言われた時点でホラー確定!!」

    千切は電話に一歩近づいて目を細める。

    千切「今どき黒電話って逆に怖ぇんだけど。音が鳴ったら100%アウトだろこれ……」

    國神は冷静な顔で、けどどこか笑いをこらえながら言った。

    國神「潔が出たら、そのままフリーズして帰れなくなりそうだな」

    潔「俺はその場で昇天してもおかしくない!!」

  • 46スレ主25/05/09(金) 22:57:00

    蜂楽は無邪気な笑顔のまま、受話器に指をかける。


    蜂楽「もしもし~? お友達になりたい幽霊さん、いませんか~?」


    その瞬間、カチッと微かな音がして、部屋の電気が一瞬だけふっ……と揺れた。


    蜂楽「……お? 誰かいるのかな?」



    電話は鳴っていない。


    でも、受話器に耳を当てれば――何かが聞こえるかもしれない。


    蜂楽は楽しそうにくるくる受話器のコードを指に巻きながら、じわじわと口元をほころばせた。


    蜂楽「さあ、誰が出るのかな~?」


    潔「こわいこわいこわい!!お前のその余裕が一番怖いんだって!!」


    千切「……やっぱ蜂楽が一番ホラー向きだよな……」


    國神「少なくとも、相性は抜群だな。……どっち側としてかは置いといて」


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/09(金) 23:09:37

    おっとここに来て連続失敗が…

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 01:49:57

    蜂楽のムードメーカーっぷり良いね
    失敗出ても大丈夫な気にさせてくれる

  • 49スレ主25/05/10(土) 08:16:55

    >>47 探索疲れてきちゃったのかもしれませんね…

    >>48 蜂楽ならきっとなんとかしてくれますね!


    鯖落ちと規制に巻き込まれておりました。更新再開しますので、本日もよろしくお願いします!

  • 50スレ主25/05/10(土) 08:23:38

    【探索失敗:5】


    蜂楽が受話器を取ると、受話器からは何も聞こえない……はずだった。


    ツー……ツー……ツー……

    しかし、その“ツー音”の合間に、何かが混ざっていた。


    蜂楽「……あれ?笑い声?」

    最初はそう思った。

    でも次の瞬間――“ハァ……ハァ……”という濡れたような呼吸音に変わった。


    潔「やばい!やばいやばい!!もうやめろ蜂楽、戻れ!!」

    千切「マジでやばいやつだって!!これもう“呪われた電話”ってレベルだろ!!」

  • 51スレ主25/05/10(土) 08:25:13

    蜂楽は静かに受話器を戻すと、やんわりと肩をすくめた。

    蜂楽「うーん、アイテムは無かったけど……通話は無料でした!」

    潔「こっちは寿命課金されかけたんだよ!!」


    國神は淡々と言った。

    國神「次は千切だな」

    千切「俺!?いやでも……もう行くしかねぇか……っ」

    蜂楽「がんばれ~。きっと“彼ら”も応援してるよ」

    千切「“彼ら”って誰だよぉぉ!!」

  • 52スレ主25/05/10(土) 08:31:56

    【千切豹馬:No.8・古い日記帳】


    重たい木の扉を開けた先には、古ぼけたデスクと書棚が並ぶ、まるで誰かの書斎のような空間。

    埃の積もった空気。

    静かすぎる空間。

    そして、デスクの上に一冊の古い日記帳が、ぽつんと置かれていた。


    千切はすでに顔がひきつっていた。 …が、なぜかハイテンション。

    千切「うおー!来た来た来た来たー!絶対ヤバいやつ来たこれーッ!!」

    潔「千切!?怖さで人格崩壊してない!?」

    國神「テンションが逆にホラー」

    蜂楽「でも楽しそう~。さあ、“日記に魂を閉じ込めた者”の物語へようこそ~!」

  • 53スレ主25/05/10(土) 08:35:39

    千切は震える手で日記帳を開く。

    ページは薄く茶色に変色しており、古いインクの染みが残っている。

    日付も名前もないが、ページをめくるたびに、内容はどんどん支離滅裂になっていく。


    そして――最後のページ。

    千切は思わず声を上げた。

    千切「やば、最後のページに“見てる”って書いてあるんだけど」

    潔「見んなよ!読んだら呪われるって相場決まってんだよ!!開くなって何度言えばわかるの!?」

    蜂楽はページを覗き込みながら、首をかしげた。

    蜂楽「誰が書いたのかな~。名前書いてない?」

    國神が無表情でボソッと呟く。

    國神「潔の筆跡に似てね?」

    潔「やめろぉぉぉおおおお!!!書いてねぇからな!?俺じゃねぇからな!!」

  • 54スレ主25/05/10(土) 08:39:11

    千切は目を見開きながら、ぶんぶんと頭を振る。


    國神「もしかして俺ら全員分の名前、ここに書かれてたりとかしないよな!?あーはははは、わかんねーけどなー!?ホントだったらやべーけどなー!?」


    潔「だからなんでテンションバグってんだよ!!」


    蜂楽「日記、喜んでそう~。“楽しいお友達が来た”って思ってるよ」


    國神「千切、もしページがめくれ始めたら閉じろ。全力で」


    千切「めくれたら全力で燃やすわ!!火を持ってこい!!潔、摩擦で火ぃ起こせ!!」


    潔「原始人かよ!!」


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 55スレ主25/05/10(土) 08:44:15

    【探索失敗:5】


    千切がノートから少し目を離した時、

    ぱらっ……

    日記帳が“自分で”ページをめくった。

    風はない。誰も触れていない。
    それでも、紙は静かに語りかけてくるように開いた。


    まだ、生きていたい
    まだ、死にたくない
    まだ、みんなと一緒にいたい

    ■ ■ ■ ■ になりたくない


    最後の一文を見た瞬間、部屋の空気が急に重くなった。

    鏡のない壁に、自分たちの背中が映っているような錯覚が走る。

  • 56スレ主25/05/10(土) 08:49:22

    潔「やめろって……こういうのマジで脳に残るって……!」

    蜂楽「最後の行、何て書いてあったんだろうね。読めないって、逆にこわい」

    國神「……それは、“読んだら終わり”ってタイプかもしれんな」


    千切はアイテムを探したが――見当たらない。

    そして、何かに吸い込まれたように、日記帳はもう、ピクリとも動かない。


    千切「……ない。ない……ごめん、取れなかった。代わりに寿命削られた……」

    潔「もう、もういいって!とりあえず一旦休憩しよ!!」

    蜂楽「お茶飲みたーい。あったかいやつ」

    國神「……行こう。こっから少しでも離れよう」

  • 57スレ主25/05/10(土) 08:57:25

    探索エリアのどんよりした空気を抜け、4人はスタート地点――あの入口の扉の前へと戻ってきた。

    相変わらず扉は固く閉ざされたまま。けれど、その隙間からは、わずかに外の光が漏れている。

    白く淡い光。それだけでも、“ここがまだ現実だ”と信じさせてくれるようだった。


    4人はその光の届く範囲、薄明るい床の上に、半ば崩れるように座り込む。

    潔は壁にもたれ、頭を軽く打ち付けながらつぶやいた。

    潔「……光、見えるだけで泣きそう……なんであんな暗い部屋ばっかりなんだよ……」

    蜂楽はその横で、ドアの隙間を覗き込みながら首を傾げる。

    蜂楽「外、まだ普通に人が歩いてるっぽいねぇ。ガヤガヤ音もするし」

    千切は膝を抱えて、顔だけ上げて呟く。

    千切「“出られない”ってだけで、世界から隔離されてる感じ……なんか、精神的に来るわ」

    國神は壁際に腰を下ろしながら、脱力気味に笑った。

    國神「入口のすぐそばにいるのに、“外に届かない”ってのがまたな……」

  • 58スレ主25/05/10(土) 09:03:16

    潔は深く息を吐いて、ドアをじっと見つめた。

    潔「なんか……これって、“ここで迷ってる人たち”の気持ちって感じなのかもな」

    蜂楽が小声で付け加える。

    蜂楽「……日記帳の“まだ、みんなと一緒にいたい”って言葉、思い出した?」

    千切「うわっ、それ言うなよ……今それ、ダメージでかい……」


    國神は軽く咳払いをして、空気を切り替えるように言った。

    國神「とりあえず、ここで少し休め。次が誰かは……それからでいい」

    壁際に座る4人。

    その足元には、これまで集めたナンバー入りのプレートが並べられていた。

    全部揃えば、出口が開く――

    そう信じて、あと少しだけ、この“異空間の休憩所”で呼吸を整えるしかなかった。



    そんな沈黙の中、蜂楽がひょいと立ち上がる。

    蜂楽「じゃあ、次は俺が行こっか。……なんか、呼ばれてる気がするしね~」

  • 59スレ主25/05/10(土) 09:09:56

    【蜂楽廻:No.9・お札が貼られた木箱】


    4人が見つけた次の部屋は、他とは違って妙に乾いた空気が漂っていた。

    そして中央に、まるで“祭壇”のように鎮座する木箱―― それは古びた木材で組まれ、表面には複数のお札が無造作に貼られている。


    潔がすぐさま引き返そうとする。

    潔「やっべえやつじゃん!!封印系じゃん!!開けたら“出る”やつ!!」

    千切は遠巻きに見ながら、潔を軽く突く。

    千切「これ開けたら“バァ”って出るやつだろ!?潔、開けて!」

    潔「なんで俺!?ヒーローは國神だろ!?」

    國神は腕を組んだまま淡々と返す。

    國神「いや、潔も“勇気”ポイントを貯める時期だ」

    蜂楽がにっこりしながら、箱の前にしゃがみ込む。

    蜂楽「貯めるとガチャ回せる? SSR“ヒーロー潔”引けるかもよ?」

    潔「誰が引きたいんだそのレア……っ!!」

  • 60スレ主25/05/10(土) 09:16:22

    蜂楽はお札を眺めながら、無邪気に指を伸ばす。


    蜂楽「この箱、“何かが入ってる”ってより、“何かが出ちゃダメ”って感じがするよね~。うわ、テンション上がってきた!」


    千切「そっちのテンションだけは上がんなくていいからな!?」



    部屋全体は、微かに木と紙の焦げたような匂いが漂っていた。


    それに混じるように、箱の周囲から冷気のような空気が漂っている。


    お札は時間が経って風化しているのか、角がひらひらと揺れている。


    ――まるで、「剥がしてくれ」とでも言わんばかりに。



    蜂楽は一枚に指をかけ、にっこり笑う。


    蜂楽「じゃあ……開けてみま~す!」


    潔「ちょ、お前ほんとにやるのか!?待て、確認しよう、議会を開こう!!」


    國神「……いやもう遅い。こいつ、完全にスイッチ入ってる」


    千切「祈るしかねぇな……このまま爆発しませんように……」


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 61スレ主25/05/10(土) 09:22:47

    【探索失敗:5】


    蜂楽が一枚、また一枚とお札を剥がすたびに――

    部屋の温度が、明らかに下がっていく。

    潔「なあ、息、白くなってない!?夏なのに……!」

    千切「やばいって!!この感じはホラーアニメで知ってる!!“開けたら終わる”やつだろ!!」


    最後の1枚を剥がした瞬間――

    箱が、勝手にガタン!と跳ねた。

    蜂楽は少しだけ目を見開いたが、すぐに口元をゆるめた。

    蜂楽「……あれ、中……空っぽ?」

    だが、開かれた木箱の中には何もなかった。

    ただ、周囲の空気が異様に重い。

    目には見えないが、確かに――“出てしまった”気配だけが残っている。

  • 62スレ主25/05/10(土) 09:25:47

    蜂楽「残念。ガチャは爆死でした~。でも、なんか“引いた気配”はするねぇ……」

    潔「じゃあ!封印しなおそう!?な!?全員で今から札貼ろう!!」

    國神「もう遅い。この箱、開いた瞬間からこっち側の存在になってる」

    千切「それが一番怖い!!」


    蜂楽は肩をすくめながら、振り返る。

    蜂楽「じゃ、次……潔あたり行く?怖さに慣れてきた頃だよね!」

    潔「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

  • 63スレ主25/05/10(土) 09:41:47

    【潔世一:No.10・音のしない時計】


    次に現れた部屋は、薄暗い壁掛け時計がひとつだけ取り残されたようにかかっている、無人のリビングのような空間だった。

    その時計は―― 長針も短針も動いていない。

    なのに、秒針だけが、静かに、しかし確実に進んでいた。

    カチ、カチ、と音がしているわけではない。

    それなのに、動いている。目の錯覚ではない。確かに、動いている。

    潔はその場でピタリと足を止めた。

    潔「……止まってるのに、進んでる……とかもう脳がバグる……」

    蜂楽はにこにこしながら、秒針を指さして言う。

    蜂楽「なんか、秒針だけ動いてるのエモいよね。切ない青春、みたいな?」

    千切「エモさじゃなくて呪い度MAXだろこれ。 こういう“なんか違う”系って一番じわじわ来るやつじゃん」

    潔「青春が止まってるのも病んでるんだよ!!」

    國神は静かに言葉を重ねた。

    國神「潔の思考、ホラーより複雑」

    潔「うるせぇ!叫びすぎて喉いてぇけどツッコまずにはいられねぇ!!」

  • 64スレ主25/05/10(土) 09:47:17

    その瞬間、秒針がピタッと止まった。


    潔「……え?」

    潔が声を出した瞬間―― 秒針は、今度は逆回転を始めた。

    千切「うわ、来た来た来た!!これ絶対“時間巻き戻しで何か蘇る”系のやつ!!」

    蜂楽「もしかして、時計の中に魂が閉じ込められてて――」

    潔「やめろォォォォ!!もうそのストーリーやめてェェェ!!」

    時計の文字盤のガラスはわずかに曇っており、その奥で、秒針だけが、じり……じり……と反時計回りに回っていく。

    潔は震える手で、懐中ライトを掲げながら、一歩、時計に近づいた。

    國神「潔、無理そうなら交代してもいいぞ。千切が行くから」

    千切「それもまた地獄なんだけど!!」

  • 65スレ主25/05/10(土) 09:52:52

    潔が震える手で、壁の時計にそっと触れた瞬間――



    バン!!


    背後の空気が“弾ける”ような音がして、潔は思わず振り返る。


    だがそこには誰もいない。3人も、一歩も動いていない。


    それでも確かに、部屋全体の時間が、何かの拍子で“揺れた”。


    時計のガラスは曇りが消え、内部がはっきりと見えるようになっていた。


    その奥、機械の歯車の隙間に―― 何かが詰まっている。



    蜂楽「なんかさ、あの中……文字盤じゃなくて、“目”が見えた気がするんだよね」


    千切「お前のそういう感想、信憑性高いから困るんだよ!!」


    潔「黙ってろ!俺が終わらせる!!さっさと取って逃げる!!」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 11:40:39

    久々の成功だ!
    ここから巻き返せるといいな

  • 67スレ主25/05/10(土) 11:41:50

    【探索成功:6】

    潔は手を差し入れ、歯車に挟まれないよう慎重に指を伸ばす。

    カチ……カチ……

    逆回転を続けていた秒針が、潔の指が触れた瞬間にピタリと停止。

    そして、手に触れたもの―― 冷たい金属の感触。
    No.10の刻印があるプレート。

    潔「っしゃぁああああ!!取った!!もう帰る!!この部屋から今すぐ帰る!!」

    蜂楽「時間の守護者、降臨~。タイムリーパー潔~」

    千切「それ絶対、ループ系の呪い受けるタイプの称号だからな!?」

    國神は時計を一瞥し、ポツリと呟いた。

    國神「秒針、完全に止まったな。……次、また動き出したら、別の時間が始まるかもしれん」

    潔「やめて!!フラグ立てんな!!!」

    蜂楽がくるりと振り返る。

    蜂楽「じゃあ~次は……國神?千切りん?どっちが“時の続き”を見に行く~?」

    千切「俺は“止まりたい”……でも、やるしかねぇのか……」

    國神「……行くぞ。誰かが続けなきゃ終わらねぇ」

  • 68スレ主25/05/10(土) 11:48:03

    >>66 アイテムが集まればきっといいことがあるので、これからの探索に期待ですね!

  • 69スレ主25/05/10(土) 11:51:39

    【國神錬介:No.11・落書きだらけの黒板】


    次の部屋は、まるで使われなくなった教室のような造りだった。

    教卓も、椅子も、全部埃をかぶっている。

    なのに―― 正面の黒板だけが異様に“新しい”。

    まるで、さっき誰かが使っていたかのように。
    …いや、もしかすると、今も“誰かが使っている最中”かもしれない。


    その黒板には、無数の落書きがびっしりと書かれていた。

    “来るな”“帰れ”“だめ”“ここにいる”

    しかしその合間に、なぜかひとこと――「ようこそ」

    潔が思わず声を上げる。

    潔「なにこの“来るな”って連打されてるやつ!!ホラー演出フルコンボかよ!!」

    蜂楽は顔を近づけて、目を細めながらにっこり。

    蜂楽「でも“ようこそ”ってのもあるし、気分屋かな?優しさと狂気の共存って感じ~」

    千切は両手で頭を抱えて呻く。

    千切「ホラー空間における多重人格黒板とかやめて……精神にくる……」

  • 70スレ主25/05/10(土) 11:59:57

    國神はそんな騒がしい3人の後ろを、無言で通り抜けた。


    黒板の前に立つその姿は、どこか堂々として見える―― だが、光の当たらない角度で、指先がほんの少しだけ震えていた。


    國神「潔がひと文字消したら呪われるぞ」


    潔「やめろ!マジでそういうの一番効くから!!」



    國神は、黒板の左下、他の文字とは違う“新しい落書き”に目を止めた。


    それは、誰かがついさっきチョークで書いたような筆跡で―― 「ずっと、待ってた」とだけ書かれていた。


    蜂楽「それ、返信必要なやつかな?“ごめん待たせた!”みたいな?」


    千切「絶対ダメ!!そのノリで会話始めたら取り憑かれるタイプ!!」


    國神は黒板消しに手を伸ばした。


    だが、触れる前に――黒板がわずかに“軋んだ”。


    まるで、触られることを拒んでいるように。


    潔「おい國神、今、黒板が鳴ったぞ!?まじで呪われるぞ!!」


    國神は小さく息を吐きながら、それでも静かに黒板の中央に近づいていく。


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 71スレ主25/05/10(土) 12:07:08

    【探索失敗:6】


    國神は黒板にそっと手を伸ばした。
    だが触れた瞬間―― まるで誰かが裏から板を押し返したような、不自然な軋んだ音が響く。

    潔「今の音、やばくね!?絶対“やめろ”って言ってるって!!」

    蜂楽「ブラックボード、拒絶モード入ったねぇ」

    千切「もう“会話してる”扱いでいいと思う。むしろしてる」

    國神はプレートを探すために周囲を見渡すが、チョーク受けにも、机にも―― 何も見つからない。

    そして、黒板の中央に新しい文字が浮かび上がる。

    『また、すぐ会えるよ』

    潔「いやいやいや、まだ何も終わってねぇのに“また”って何!?またって何ィィ!!」

    蜂楽「この感じ……黒板が未練タラタラなタイプだね」

    國神はプレートを得られぬまま静かに後ろを振り返り、言った。

    國神「……次は誰が行く?」

    千切は顔を引きつらせたまま、ギュッと拳を握った。

    千切「……俺だ。もう、覚悟はできてる……ような気がする……っ!」

  • 72スレ主25/05/10(土) 12:14:25

    【千切豹馬:No.12・ヒビ割れた大鏡】


    次に現れた部屋は、他の部屋よりもひときわ無音だった。

    まるで、時間そのものが止まったような空気。

    中央に置かれたのは、天井近くまである巨大な姿見鏡。

    その表面には、いくつものヒビが走っていた。

    割れてはいるが、壊れてはいない。

    だからこそ――
    奥の“何か”が反射するには、十分すぎるほど明瞭だった。


    千切は珍しく、まっすぐ前を見据えて、一歩を踏み出した。

    千切「よし……もう、腹括った。行ってやるよ。こういうの、ビビったら負けだからな」

    潔「おお……千切が堂々としてると、頼もしさあるな……!」

    蜂楽「じゃあ、お先にどうぞ!鏡の世界へレッツゴー!」

  • 73スレ主25/05/10(土) 12:20:51

    千切は鏡の前に立ち、ふと眉をひそめた。

    千切「えっ……俺ら、映ってなくね?これって幽霊が見えるパターンじゃん!」

    蜂楽は屈託なく笑いながら、鏡の隅を覗き込む。

    蜂楽「映ってないなら、もう俺たち幽霊だったりしてね?」

    潔「やめろマジで!!俺、生きてるって信じてるから!!いま唯一信じてるのそれだけだから!!」


    國神は鏡に映らない潔の顔を一瞥しながら淡々と。

    國神「潔、顔色はすでに幽霊だぞ」

    潔「やめてくれー!!俺もう存在確認してないと不安なんだよ!!」


    そのときだった。

    ヒビの奥―― 誰もいないはずの鏡の“向こう側”で、なにかが、すう……と横切った。

    千切「ぅわぁああああああああああああああ!!!??? 今、動いた!!!動いたよな!?なぁ!!!??」

    潔「お前が一番堂々としてる顔で叫ぶからこっちの心臓止まるわ!!」

    蜂楽「うん、見えた。“誰か”いた。……あれ、もしかして前の探索者の人とか?」

    千切「やめろぉぉぉぉ!!やめろってそのワード!!“前の”とか使うな!!」

  • 74スレ主25/05/10(土) 12:31:15

    國神は鏡のヒビをじっと見つめながら、低く呟いた。

    國神「ヒビが増えてる……さっきより。中で、こっちを“見てる”な」

    千切は顔をこわばらせながらも、拳をギュッと握り直した。

    千切「大丈夫……大丈夫……アイテムだけ取ってすぐ出る……取って、出る……!」

    千切が鏡の前に立った瞬間、空気が張りつめたように変化した。

    一歩前に出るごとに、足音すら吸い込まれるように消えていく。

    ヒビの入った鏡の表面に、ぼんやりと―― 何かが浮かび上がる。


    千切「……え……?」

    それは、千切自身。

    ただし、髪の色は空のように、瞳は海のように青く―― 色が“反転していた”。

    それは、鏡の中で千切と同じ動きをしていない。

    ただじっと、こっちを見つめ――

    『アハハハハハハ……』

    口角が裂けるように、あり得ないほど大きく、笑った。

    その目からは、青い涙がすーっと流れていた。

  • 75スレ主25/05/10(土) 12:34:48

    潔「うわあああああああ!!千切映ってるけど違う!!絶対違う!!」


    蜂楽「なんか反転カラーで出てきた!二Pカラーの呪い系!?」


    千切「ちょっっっ……誰!?誰俺じゃない!?なに笑ってんのぉぉぉ!!」


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 76スレ主25/05/10(土) 12:38:36

    【探索失敗:6】


    千切は震える手で鏡の裏に手を伸ばす。

    だが、ガラスのヒビが邪魔をして、指が奥に届かない。

    千切「……くそ、あれ……絶対アイテムだったのに……!」


    そのとき、鏡の中の“反転した千切”が――動いた。

    潔「うわあああああああ!!消えてない!むしろ存在感増してる!!」

    蜂楽「出てきたらどうしようね。“新しい千切りん”として帰ってきたりして?」

    千切「やめろぉぉぉ!!それ言われたら本当に自己認識崩れるだろ!!」


    國神は千切の肩をぽんと叩いた。

    國神「……無理はするな。今度は俺が行く。まだ残ってる」

    千切は顔を青ざめさせたまま、頷いた。

    千切「……たのむ……次、頼んだ……!」

  • 77スレ主25/05/10(土) 17:05:31

    【國神錬介:No.13・無数の写真が貼られた壁】


    次の部屋に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

    壁一面に、無数の写真。

    フレームもバラバラ。年代も質感もバラバラ。

    なのに、どれもが似たような構図――


    後ろ姿。

    ただの風景写真かと思えば、そこに必ず“人影”がある。

    そして、ある一枚に潔が目を留めた。

    潔「……なぁ、これ……この写真の後ろ姿、俺じゃね……?」

    千切もその横で顔を寄せて、硬直する。

    千切「うわ、俺もいる!?何これ、勝手に撮られてんの!?いつ!?どこで!?」

    蜂楽はぺたんと床に座り込み、にこにこしながら指を差す。

    蜂楽「愛されてるなあ」

    潔「怖い方の“愛”だろ!!見てるやつが一方的すぎる!!」

  • 78スレ主25/05/10(土) 17:14:06

    國神は無言で壁に近づき、ゆっくりと写真の列を眺める。

    國神「ファンサービスにはほどがあるな…… いや、もはや“監視”か……“観察”か……」

    蜂楽「もしかしてこの部屋自体が、カメラの中だったりして?」

    千切「やめろやめろ!!今のセリフ、オチに使うやつだから!!」


    写真の中には、はっきりと今着ている服と同じ後ろ姿が写っているものもあった。

    潔「おい國神、今もどっかにカメラあんじゃね!?俺らまだ撮られてるんじゃ――」

    國神「……大丈夫だ。」

    國神はそれだけを言って、一歩、写真の壁の真ん中へと進んだ。


    國神が写真の中央に近づいたとき、

    貼られた一枚の写真の“質感”だけが異様に新しかった。

    画面に映るのは――背中を向けた4人の少年たち。
    それは、まぎれもなく自分たちだった。

    潔「やっぱり俺たちじゃん!!この背中、完全に俺のユニの折れ目あるもん!!」

    千切「マジで盗撮じゃん!!これアウトだろ!!何でこんなにあるんだよ!!」

    蜂楽「カメラマンの情熱ってすごいねぇ。物量で語ってくるタイプだ」

  • 79スレ主25/05/10(土) 17:18:46

    國神がそっと、その写真の表面に指を伸ばした瞬間―― すべての写真の中の4人が、同時に振り返った。


    ギッ……ギギギ……


    異音にも似た音が頭の奥で響く。


    鏡写しのような彼らの顔には、目だけが真っ黒に塗りつぶされていた。



    そして――國神の耳元で、低く、濁った声が囁く。


    『……お前は、誰だ』



    潔「うわあああああああああ!!?声出た!!声きた!!リアル音声ホラーきたぁぁ!!」


    千切「俺たちの顔でそのセリフやめろ!!アイデンティティ破壊系はホントやめろ!!」


    蜂楽「“自分を見つめ直す時間”ってやつだね~」


    dice1d2=2 (2)

    (1:成功 2:失敗)

  • 80スレ主25/05/10(土) 17:28:37

    【探索失敗:6】


    國神は慎重に写真の列を探っていくが―― 裏にもフレームの中にも、プレートらしきものは見つからなかった。

    写真の4人がこちらを振り返ったその直後、一枚、また一枚と、写真が勝手に“ズレて”落ちていく。

    潔「うわっ、動いてる……動いてるって!!生きてるってコレ!!」

    蜂楽「もしかして“撮られた方が消える”タイプかもよ?」

    千切「うわやべぇ……俺、なんかちょっと心当たりある気がしてきた……!」


    その中の一枚。

    國神の背中が写っていた写真だけ、なぜか“何も映っていない”。

    國神はそれをじっと見つめ、呟く。

    國神「……何かの暗示かもな」

    彼が静かに踵を返すと、写真で埋め尽くされた壁に、再び「こちらを見ている4人の背中」が、そっと貼り戻されていた。


    蜂楽「じゃ、次は俺の番かな~」

    潔「なあ、せめてちょっとは怖がってくれない!?怖さの温度差でこっちの胃が溶ける!!」

  • 81スレ主25/05/10(土) 17:40:41

    【蜂楽廻:No.14・天井の点検口】


    一通りの部屋を見て回りながら、蜂楽はご機嫌な足取りで物色していた。

    蜂楽「うーん、どこ行こっかな~。写真のお兄さんとはもう会ったし……あ、あの部屋、天井低めで好きかも!」

    蜂楽が目をつけたのは、狭い書庫のような部屋。

    中は資料の束が乱雑に積まれているだけ―― かと思いきや、天井の一角に点検口があった。


    潔が一歩も近づかずに即座に叫ぶ。

    潔「いやいやいや!!そこ絶対“上から来るやつ”の定番ポジションだろ!!」

    蜂楽はニコリと笑って指を天井に向ける。

    蜂楽「上から来るぞー!気をつけろー!」

    千切「ゲームじゃねぇんだよ!!お前ノリノリすぎだろ!!」

    國神は腕を組んだまま、斜め上を見てひとこと。

    國神「潔がこれ以上ビビったら、垂直跳びで天井壊す勢いだな」

    潔「うるせぇ!俺の足は敵のゴールを割るためのもんであって天井ぶち破る用じゃねぇ!!」

  • 82スレ主25/05/10(土) 17:58:43

    蜂楽は点検口の下に椅子を引き寄せ、ぴょんと軽やかに立ち上がる。


    蜂楽「さてさて、開けてみますかね~」


    カチッ。


    軽い音とともに点検口のロックが外れる。



    その直後――


    カサ……


    潔「えっ!?今カサって音したぞ!?絶対いたって!!何かいたって!!今の音、“人の爪”っぽかったよな!!」


    蜂楽はワクワクしたように目を輝かせる。


    蜂楽「ねえねえ、なに落ちてくると思う?人形?髪?それとも“名前のある何か”?」


    千切「“名前のある何か”ってホラー用語やめろぉぉぉ!!」


    蜂楽は笑いながら、ゆっくりと蓋に手をかけた。


    蜂楽「じゃあ、開けま~す……3、2、1……!」


    潔「やめてくれー!!そのカウントダウンに命削られてんだこっちは!!」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 83二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 18:05:55

    >>82成功した!

  • 84スレ主25/05/10(土) 18:40:32

    >>83 成功率ちょうど50パーセントですね!

  • 85スレ主25/05/10(土) 18:43:54

    【探索成功:7】


    蜂楽が点検口の蓋に手をかけ、ゆっくりと開ける――

    ギィ……キィ……パタン。

    蓋が開いた瞬間、部屋の空気が一変した。まるで、押し込められていた冷気がスッと降りてくるような感覚。


    次の瞬間――

    ドサッ。

    埃まみれの何かが、蜂楽の足元に落ちた……が、それは見えない。


    潔「うわっ!?今何か落ちたよな!?音したよな!?なのに何もないの!?それが一番怖ぇよ!!」

    千切「……見えないってことはさ、“ここにいない”んじゃなくて、“ここにいるけど見えてない”ってことじゃね……?」


    蜂楽は落ちた“気配”の位置をじっと見下ろしながら、微笑む。

    蜂楽「まだ、上にいる。……気配、消えてないよ」

    國神が目を細め、点検口を睨む。

    國神「……終わってないな。“見えない”のが、一番厄介だ」

  • 86スレ主25/05/10(土) 18:56:55

    蜂楽は落ちてきた埃の中に手を差し入れると―― その中に、カツンと指に当たる感触。

    蜂楽「……あった」

    手に取ったのは、金属のプレート「No.14」。

    潔「うわああ……この状況で“見えない何か”の横からアイテム拾うとか無理ゲーすぎる……!」

    蜂楽「うん、なんか近くで呼吸されてた気がする。多分気のせいじゃないよ」

    千切「怖ぇぇよお前の感覚!!もう色々超越してるだろ!!」


    國神「あと残り……1つだな」

    蜂楽はプレートをくるくる回しながら、にっこり。

    蜂楽「ラスト……潔と千切りんで行ってみる?2人なら心強いでしょ?」

    潔「はぁ!?なんで俺が――「……行こう」」

    潔「え?」

    千切は真顔で言った。

    千切「最後だろ。俺たちで終わらせようぜ。つーか、1人じゃ無理だし」

    潔は一瞬だけ戸惑い、それでも小さく頷いた。

    潔「……じゃあ、行くか。2人で」

  • 87スレ主25/05/10(土) 20:17:06

    【潔世一&千切豹馬:No.15・砂嵐のままのテレビ】


    最後の部屋は、妙に静かだった。

    物がほとんどなく、古いローテーブルと、埃をかぶったブラウン管テレビがひとつ。

    その画面は、ずっと――砂嵐。

    電源コードは抜けている。それでも画面は「ザーーーー……」と不気味に光っていた。


    潔と千切は、互いの肩をがっつり掴み合って、ソロソロと部屋の中へ。

    潔「やばいやばいやばいやばい、最終ステージ感すごい……!」

    千切「お前の声で怖さが2倍になるんだって……!」

    蜂楽は部屋の入り口で、楽しげに言った。

    蜂楽「この砂嵐、ずっと見てたら第三の目開きそう」


    潔はテレビの裏を覗き込んで絶叫する。

    潔「電源切っても映ってるんだけど!?絶対これ呪い系!!呪い特化型家電!!」

    千切はテレビから視線を逸らしながら呟いた。

    千切「俺テレビでホラー観ないのに、今リアルで巻き込まれてんだけど……これもうトラウマ確定……」

  • 88スレ主25/05/10(土) 20:19:20

    國神は壁にもたれながら口を開いた。

    國神「じゃあ潔、チャンネル変えてみろよ。地獄チャンネルかもな」

    潔「見る前から地獄だよ!!せめてバラエティにしてくれ!!」


    テレビの前まで来ると、画面の砂嵐がふと、“ぴたり”と止まった。

    千切「……え……?」

    千切の手が、潔の袖をギュッと掴む。

    画面の中には、静止した映像。うっすらと、4人の後ろ姿が映っている。

    千切「これ……俺らだよな……?」


    その直後、「誰か」の姿が加わる。

    蜂楽「ねぇ、よく見て。“誰か”増えてない?」

    潔&千切「「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」


    だが、それが“誰か”は、誰にも認識できない。

    ただ、確かに“人数が1人増えている”。

    しかも、それは―― 画面の中の4人のうち、誰かと入れ替わっているように見えた。

  • 89スレ主25/05/10(土) 20:27:29

    次の瞬間――画面がゆっくりと切り替わる。


    そこに映ったのは、どこかで見たことのある風景。


    家具の配置も、壁紙の模様も、なんとなく記憶にある。


    けれど、それが“いつ・どこで・誰といた場所か”がまったく思い出せない。


    潔「……どこだこれ……知ってるはずなのに……思い出せない……」


    千切「やばいやばいやばい……思い出せないのが一番怖ぇ……!」



    そのとき、テレビのスピーカーから声がする。


    「楽しみだね……」「もう少しだね……」

    「やっと……」


    「外に出られるね」


    その声は、混ざり合った複数人の声。


    男とも女とも、若くも老いても聞こえる声―― いや、“人の声”かどうかも曖昧だった。


    潔「やばいって!!これ、俺らのこと言ってんの!?“出られる”って何が!?!?」


    蜂楽「出てくるのは……俺ら?それとも“中の誰か”かな~?」


    dice1d2=1 (1)

    (1:成功 2:失敗)

  • 90スレ主25/05/10(土) 20:36:49

    【探索成功:8】


    潔が震える手でテレビの脇を探る。

    画面の裏―― リモコンの隙間に、何かが挟まっていた。

    潔「……あった!取った!!最後のやつ!!」

    金属プレート「No.15」―― ついに、ラストピース。


    その瞬間、テレビの画面がふっと消える。

    電源が切れたかのように静まり返った部屋。


    だが―― その直後、扉が勝手に開いた。

    蜂楽「おお、エンディングって感じ~!脱出成功、なのかな?」

    國神「……まだ安心するな。走れ」

    潔「走れ!?マジで走るの!?」

    千切「走れ!!振り返るな!!置いてかれると戻れなくなるぞ!!」

    絶叫しながら、4人は開いた入口へと一斉に駆け出した――!

  • 91スレ主25/05/10(土) 20:44:57

    開いた扉を駆け抜けた4人は、一斉に明るい照明の下に飛び出した。

    モールの中庭―― ほんの数時間前に立っていた、あの場所だった。

    潔は勢いそのままに床に崩れ落ち、空を仰ぐように天井を見上げて叫んだ。

    潔「俺、生きてる!!うわマジで生きてるぅぅぅ!!」

    千切もその隣でへたり込みながら息を吐く。

    千「心臓持ってかれたかと思った……体感、10年は縮んだ……」

    蜂楽はぴょんとスキップして外に出ながら、目を輝かせる。

    蜂楽「すっごい!あれ最高だったね!また行きたいなぁ!」

    潔「嘘だろ!?お前の“楽しかった”基準、どうなってんの!?」

    國神はひとつだけ深く息をつき、冷静に周囲を確認してから言った。

    國神「……ちゃんと戻ってきてる。現実だ。たぶん」

  • 92スレ主25/05/10(土) 20:47:39

    そんな4人を、明るい制服姿のスタッフが満面の笑顔で迎えた。

    スタッフ「おかえりなさい!探索、お疲れ様でした~!」

    千切はその笑顔に思わずツッコミを入れる。

    千切「とんでもなく怖かったわ!!ホラーってレベルじゃねぇし!!」

    潔「マジで!命かかったわ!もう体験じゃなくて試練だったわ!」

    蜂楽「でも、“人外とのふれあい”って感じで面白かったよね~」

    スタッフはにこにこと箱を差し出した。

    スタッフ「アイテムは『8個』ですね!では、お持ちのアイテムと引き換えに―― こちらの商品をどうぞ!」

    中から出てきたのは―― 小さな、もこもこのテディベア。
    しかもそれぞれのイメージカラー(ライムグリーン・イエロー・ショッキングピンク・オレンジ)に染められていた。

    蜂楽は目を輝かせて、自分のカラーのベアを受け取る。

    蜂楽「かわいい~!!この子、名前つけよっかな!」

    千切「見た目だけで癒されるのズルいな……」

    潔は自分のテディベアを見つめながら言った。

    潔「でもこれ……中から“目”とか出てこないよな?」

    國神「確認してから持ち帰れ。もし喋ったら、すぐ燃やせ」

  • 93スレ主25/05/10(土) 20:49:13

    ひと騒動終えたあと、4人はふたたびモール内のカフェへ。

    前とは違って、今は照明が心地よくて、音楽もちゃんと“人間の世界”に聞こえる。

    全員、座るなりドッと脱力。

    テディベアをテーブルに並べながら、思い思いに語り出す。

    潔「いやー……まじで無理だった。鏡のやつとか今でも思い出すと鳥肌ヤバい」

    千切「俺、日記帳。あれ絶対なんか憑いてたって……寝れなくなるわ」

    蜂楽「でもさ、“またすぐ会えるよ”って言葉、ちょっと嬉しかったよね?」

    潔&千切「「嬉しくねぇよ!!!!」」

  • 94スレ主25/05/10(土) 20:52:15

    國神はコーヒーを一口飲み、静かに呟いた。

    國神「でも、プレート揃えて出られたのは事実だ。……不思議な体験だったな」

    蜂楽は自分のテディベアを抱きながら、笑う。

    蜂楽「また行こうよ。次はもっと怖いやつにしよう!」

    潔「絶っっっ対行かねぇからな!!」

    千切「俺も!ていうかもう日常に戻らせて!!」


    國神はふっと微笑んだ。

    國神「……まぁ、次があるなら、今度は逃げる役は交代な」

    そして、4人は日が落ちるまで脱出ゲームで体験した出来事を語り合い、笑いあった。





    ――だが、4人は知らなかった。この先、現実が“どこまで現実のまま”でいてくれるのかを。

  • 95スレ主25/05/10(土) 20:54:48

    短編にはなってしまいましたが、本物語は完結です!次作に繋がりますので、準備してきますね。
    なお、次作はダイスで描写が大きく変わりますので、ダイスの出目を確認してから、都度物語を紡ぐ関係上、投稿が遅くなってしまう可能性がありますので、ご了承ください。
    早れけば本日中にはスレ立てします!

    本物語の後日談ですが、ご希望に応じて作成しますので、見たいキャラを教えていただけますと幸いです!

  • 96スレ主25/05/10(土) 21:03:42

    【次回作品(準備中)】

    ・表紙組(大人組、マスター組除く)で戦闘型ホラー
    ※スレ主のキャラエミュの都合上、登場しないキャラクターがいるかもしれません。できる限り頑張ります。
    ・安価/ダイス管理
    ・一定の確率でロスト
    ・出目によっては発狂あり/1or100で特殊描写
    ・スレ主の気まぐれで救済あり
    ・テーマは「1体1の生死を掛けた戦い」
    ・今作のアイテム入手数が大きく影響


    【次次回作品】

    ・千切、凪、凛、冴で、廃病院の奪還編if
    ・ダイス管理(ときどき安価発生)
    ・ロスト/発狂の可能性は0ではない
    ・基本的に無双予定(奪還編なので強くていいと思ってます)
    ・テーマは「廃病院の破壊と探索者の救出」
    ・固有能力やアイテムは以前お知らせした内容+‪α‬

  • 97スレ主25/05/10(土) 21:05:42

    ※もしご希望があれば、奪還編の次の作品のリクエストを募集しますので、登場して欲しいキャラとテーマ(場所など)を教えてください。

  • 98二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 21:24:32

    完結お疲れ様です!
    E4のみんながわいわい探索してるの見るの楽しかったです!!
    途中で出目が失敗続きになってハラハラしたけど半分くらいはアイテム持ち帰れて良かった~

  • 99スレ主25/05/10(土) 21:33:41

    >>98 最後までお付き合いくださりありがとうございました! 今回は「仲良く」「楽しく」「でも怖く」を念頭に物語を作成してみました!わちゃわちゃしているキャラの物語を紡ぐのがとても楽しかったです!

    アイテム約半分入手できたので、次回作も少し安心できる設計になりました!

  • 100二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 21:42:21

    >>95

    スレ主に余裕があれば後日談4人とも見たいな


    途中の蜂楽の発言が所々意味深だったけど次回作のフラグだったりする?というか(霊感的な意味で)何か見えてる…?

    色違いのもこもこテディベア持ってるE4想像したらめちゃめちゃ可愛くてほっこりした

  • 101スレ主25/05/10(土) 21:49:10

    >>100 4人の後日談承知しました!それぞれキャラ指定はありますか?(例えば、潔と馬狼等)

    蜂楽は次回作の伏線というよりかは、霊感ありの設定ですね!(原作にはそんな設定ないですが、蜂楽ってなんか幽霊見えそうだし、怖がらなそうだなーという……)。伏線は他の部分でところどころ仕組んでおります!

    持ち帰ったテディベア(目も出てこないし話もしない)は各自部屋に飾って可愛がってて欲しいですよね笑

  • 102スレ主25/05/10(土) 21:53:17
  • 103二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:11:57

    >>102参加します。楽しみ

  • 104スレ主25/05/10(土) 22:14:33

    >>103 わーい!嬉しいです、ありがとうございます!

    推しが死なないように祈りましょうね!

  • 105二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:20:37

    >>97

    スレ主完結お疲れ様です!良ければリクエスト何ですが白宝が揃ってるのが見たい&7thの士道や黒名が居る話も見てみたいです!

  • 106スレ主25/05/10(土) 22:28:48

    >>105 最後までお付き合いくださりありがとうございました!白宝、士道や黒名で承ります!テーマ考えておきますね!次次回作品が終わり次第にはなりますので、お時間頂いてしまいますが…どうかご容赦くださいませ。

  • 107二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:14:05

    >>101

    ありがとうございます!

    キャラ指定は潔は黒名と、蜂楽は乙夜とが見たいんだけど、千切・國神は誰とにしようか迷ってるのでスレ主にお任せしても良いですか?


    地の文にも伏線かな?って気になる描写がいろいろあったので次回作読みながら見比べてみます!

  • 108スレ主25/05/10(土) 23:43:33

    >>107 潔と黒名、蜂楽と乙夜で承りました!千切と國神はチムレで玲王にしましょうかね!後日談を作成の上、明日投稿しますのでよろしくお願いします!

    ありがとうございます!伏線回収忘れないようにします!笑

  • 109スレ主25/05/11(日) 08:38:39

    【後日談①:見えないものも、いるんだな】


    夕方、トレーニングを終えた潔が、疲れた様子で水を飲んでいると、黒名が駆け寄ってきた。

    黒名「潔。潔。モールの脱出ゲームに行ったんだってな。ホラーのやつ。」

    潔「……あぁ。マジで怖かった。“ホラー×脱出”って聞いてたけど、あれもう完全に実話ベースの心霊体験だった」

    黒名「心霊……ほんとのやつか……やばい、やばい……」

    黒名は目を丸くしつつも、真剣な目で聞いてくる。

    黒名「潔、それ……本当に“出られない”空間だったのか?」

    潔「あぁ。探索してアイテム見つけないと扉が開かない仕組みだったんだけど……途中から、明らかに“誰か”に見られてた。俺たち、ずっと」

    黒名「ずっと……か。見られてたのか……怖い話だな、それは……」

    潔はスクイズボトルを握ったまま、遠くを見ながらつぶやく。

    潔「テレビから声がしてさ。『外に出られるね』って。でもそれ、“俺たち”のことじゃない気がしたんだよ。何か……“中の奴”が、外に出たがってた気がする」

    黒名「それはやばいやつだな。入れ替わり。入れ替わり。」

  • 110スレ主25/05/11(日) 08:45:41

    少し震えるように言いながらも、黒名はふっと笑う。

    黒名「でも、無事でよかった。戻ってこられて、ほんとによかったな、潔」

    潔「……信じるんだな、こういう話」

    黒名「信じる。信じる。潔の言うってことは、全部信じる。俺、そういうの、信じるタイプだし……大事なことって、大抵“見えない”ものだから。」

    潔は驚いたように黒名を見る。

    潔「……お前、ほんといいやつだな」

    黒名「よく言われる」

    潔は笑って肩をすくめ、歩き出す。

    潔「もし次、また“選ばれる”ことがあったら……その時はよろしくな」

    黒名「任せろ。お化けとか苦手だけど、戦ってやっつけてやる。入れ替わりなんか、させない」

    夕暮れの影が2人分、長く伸びていた。
    そしてその間に―― 一瞬だけ、“誰かの足音”が混ざった気がしたのは、気のせいだったかもしれない。

    【後日談:潔世一・黒名蘭世】

  • 111スレ主25/05/11(日) 09:21:54

    【後日談②:見えちゃうって、サガるよね】


    ブルーロックの食堂。
    ランチラッシュも過ぎた頃、静かにカレーを食べていた乙夜の前に、トレイを持った蜂楽がテンション高く座ってきた。

    蜂楽「ねぇ乙っち、ホラーってアガる?“知らない誰かに見られてる”とか、“自分じゃない自分が笑ってる”とか~!」

    乙夜(カレーもぐもぐ)「アガんねー。そういうのってさ、“こっち来んな”系の話っしょ?むしろサガるわ~」

    蜂楽「この前ね、潔たちと行った脱出ホラーがめちゃくちゃアガったんだ~!黒板勝手に書くし、鏡に“反転千切りん”出てきて青い涙流して笑うの~!」

    乙夜は一瞬だけスプーンを止めて、蜂楽の顔を見た。

    乙夜「……それ、だいぶ終わってるやつじゃん。笑うやつはマジでヤバいやつだし、青い涙って……だいたい未練系。サガり方エグい」

    蜂楽「だよね~!やっぱ乙っち、わかってる!見える系?」

    乙夜「たまーに。“いるはずないものの音”とか、“誰かいた気配の匂い”とか。そういうの、分かんの。俺、忍者の末裔だからかな」

  • 112スレ主25/05/11(日) 09:25:39

    蜂楽は目を輝かせながら、コロッケを口に放り込む。

    蜂楽「じゃあ今度一緒に行こうよ!“見えてる人”と“俺”って相性良くない?」

    乙夜「アガらんてー。そーいうの、一緒に行った方が“余計なの連れて帰る”タイプじゃん。マジで帰ってこれなくなるやつ」

    蜂楽は一瞬だけ真顔になり、少し笑ってスプーンを置いた。

    蜂楽「そっか。じゃあ今度は俺が、“見えない人”として誘われる番かな~」

    乙夜「……言い方こわ。マジで“こっち側”にアガってくるヤツ、いるからな……注意しときな」

    食堂の床に、2人の影が静かに揺れていた。
    その隣で、空席の椅子にだけ光が当たらなかったことに、乙夜はふっと目を細める。

    乙夜「……蜂楽、さっき手ぇ振ってたけど……あれ、誰に?」

    蜂楽「うーん……次の参加者、かもね~」

    乙夜は目を伏せたまま、つぶやく。

    乙夜「それ、マジでサガる」

    【後日談:蜂楽廻・乙夜影汰】

  • 113スレ主25/05/11(日) 09:59:26

    【後日談③:怖い話は、部屋でこっそり】


    千切の部屋。筋トレ後のくつろぎタイム、床に敷かれたヨガマットにバスタオルを放り投げ、國神が缶のプロテイン飲料を片手に座っている。
    ベッドに寝転ぶ千切の隣には、玲王がタブレットを持って遊びに来ていた。

    玲王「でさ、結局どんな感じだった?ホラー脱出って!お前ら無事に出てこれてるから笑えるけど、内容聞いたらマジでヤバいんじゃねーの?」

    千切「ヤバかったってレベルじゃねぇ……マジで生き霊とか本霊とか反転とか日記帳とか黒板とか、もうごった煮だったわ……!」

    玲王「あー出た、“反転”系。鏡に映った自分が笑ってるやつな!最高のホラーテンプレじゃん!」

    國神「笑いながら青い涙を流してた。千切、叫びながら後退りして、俺の背中に激突した」

    千切「言うなっつってんだろ!!俺があそこでヒーローにぶつかってなかったら今頃呪われてたかもなんだぞ!!」

    玲王「それにしても潔も蜂楽も、よく帰ってこれたな。てか、途中で“誰か増えてる”とかいう話あったよな?やばくね?」

    國神「あれは……映像に写ってる人数が変わってた。俺たちは4人しかいないのに、映ってるのは5人目がいた。それに、出口を開けた“誰か”が、本当に俺たちだったかどうかは――」

    千切「やめろっ!!お前がそれ言うと真実味出るんだって!!そういう発言は入口の前にプロテインぶちまけてからにしろ!」

  • 114スレ主25/05/11(日) 10:02:27

    玲王は膝を抱えながらふっと笑った。

    玲王「でもさ、もしまた行けるってなったら――お前らまた行く?」

    千切「行くかぁぁ!!誰が行くかぁぁ!!もう俺一生ショッピングモール入れねぇ!!」

    國神「……まぁ、誰かが行くなら俺は付き合う。千切はそのとき、今度は一番最初に突っ込む係な」

    千切「ヒーローが一番最初に守るんじゃねぇのかよぉぉ!?」

    玲王「じゃあ、次は3人で行ってみるか?体験談だけじゃなくてさ――“映る側”になってみるのも、面白そうじゃん?」

    千切がピクッと動いた。

    千切「……やっぱこの部屋でホラー話するの禁止な。今日からな!!」

    國神(無言でうなずく)

    玲王「ははっ!でも次の脱出予約、チェックだけしとこ~っと」

    ベッドの上。天井の隅に設置されたカメラの“赤いインジケーター”が、ほんの一瞬だけ点滅したように見えたのは――誰も気づかなかった。

    【後日談:千切豹馬・國神錬介・御影玲王】

  • 115二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 11:45:36

    後日談ありがとう!
    不穏なフラグはちらほらあるけどやっぱりほのぼのしてるの見ると安心するね
    泣いてる反転千切が次作ではどうなってるのか気になるなあ

  • 116スレ主25/05/11(日) 12:51:50

    >>115 生きてる…ってなりますよね! 千切はどうしようかなーと実は悩み中です…、が、上手に構成考えます!

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