【ホラー注意】おめでとうございます。あなたは、選ばれました。

  • 1スレ主25/05/10(土) 21:39:08

    ──ピー……ガガッ……ジリ……ジリ……


    「……ピー ──これより、“本物”の選別を開始します」

    「各自、自身の“偽物”を── ガガッ 討伐してください」

    「── 生き残った者が、“真実”となります」


    どこかでドアの施錠音が響いた。
    部屋にいるのは、自分と、“自分に似た何か”だけ。

  • 2スレ主25/05/10(土) 21:42:27

    このスレは、ブルーロックの登場人物による戦闘型ホラーSSです。

    舞台は“ブルーロックの1室”。黒い壁紙、窓なし、最低限の家具だけが配置された密室で、外界との接触が絶たれたキャラたちは閉じ込められていました。彼らの前に現れるのは──髪と瞳の色が反転した“もう一人の自分”です。

    ※プレイヤーの選択(安価)/運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点・結末が大きく変化します。
    ※戦闘/ロスト/発狂/特殊描写あり
    ※スレ主の気分次第で救済あり
    ※取り返しのつかない選択も……あるかもしれません。

  • 3スレ主25/05/10(土) 21:44:50
  • 4スレ主25/05/10(土) 21:50:41

    【ルール説明】
    ・戦闘を開始するキャラを選んでください(安価はこちらで指定します)
    ・ダイス値が42以上の場合は生存、40以下の場合はロスト
    ・ダイス値が41の場合、発狂確定
    ・ダイス値が1または100の場合、特殊描写発生

    ※前作『脱出ゲーム』にて、アイテムを『8個』取得しましたので、成功率が8パーセント上昇しております。

  • 5スレ主25/05/10(土) 21:52:24

    ■キャラヘイトを目的とするものではありません

    ■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください

    ■荒らしはスルーします

    ■基本的にゆっくり進行(社畜なので平日は特に)ですのでご容赦ください

    ■感想、質問、イラスト等頂けるとスレ主が大変喜びます

    ■広域ホスト規制に巻き込まれがちです。保守して頂けると幸いです

  • 6スレ主25/05/10(土) 22:02:26

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    ・潔世一 ・蜂楽廻 ・千切豹馬 ・國神錬介
    ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英 ・御影玲王
    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖 ・烏旅人
    ・乙夜影汰 ・雪宮剣優 ・オリヴァ愛空 ・糸師冴
    ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス
    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・氷織羊
    ・二子一揮 ・閃堂秋人・清羅刃
    ・七星虹郎 ・剣城斬鉄

  • 7スレ主25/05/10(土) 22:02:51

    (安価忘れてました)

    >>8

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:12:06

    一番手誰にするかめちゃめちゃ迷うな…
    やっぱ主人公だし潔かな

  • 9二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:13:04

    スレ主投稿頻度高くてすげーよ
    毎度楽しく読ませていただいています

  • 10スレ主25/05/10(土) 22:17:22

    >>8 潔で承知しました!最初って緊張しますよね。

    >>9 恐縮です…!1文1分は遅いのですが…笑 いつも物語にお付き合いくださりありがとうございます!


    物語考えますのでお待ちくださいね。

  • 11スレ主25/05/10(土) 22:30:03

    【第壱室】潔世一 vs 偽・潔世一


    ──ピー……ガガガ……チリ……

    天井のスピーカーが、まるで喉を焼き切るようなノイズを撒き散らす。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    ──何の冗談だよ。

    心臓が「ドクン」と音を立てた。

    目の前にあるのは、黒い壁紙に囲まれた無機質な部屋。窓はない。ドアも見えない。家具は金属製の簡易ベッドと、小さなテーブル、そして── 壁にかけられた1本の日本刀。

    潔「……は?」

    身体が汗ばんでいる。額に嫌な冷や汗が流れ、喉が異様に乾いた。

    ──ガリッ、ジ……

    アナウンスが再びノイズとともに流れる。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 12スレ主25/05/10(土) 22:36:46

    潔「……っ、偽物? って、どういう……」

    言葉を遮るように、床に音が響いた。

    何かが──"立ち上がる音"だ。

    振り返る。


    そこにいたのは、「自分」だった。

    ただし── 髪色は深い銀に染まり、瞳は氷のような冷たい黒。表情は、"いつもの自分の微笑み"とよく似ていた。だが、その口角はほんのわずかに、鋭すぎる角度で吊り上がっていた。

    潔?「やぁ、潔世一。──“俺のつもり”で、生きてたんだ?」

    声も、そっくりだ。ただ、何かが決定的に「違う」。

    潔「っ……なんだよ、これ……夢か……?」

    脚が震える。喉が詰まりそうになる。

    だが──視線を落とせば、壁にかかった日本刀が光っていた。刃のない模擬刀ではない。明らかに「斬るため」のそれ。

  • 13スレ主25/05/10(土) 22:37:55

    潔は、震える手を伸ばす。


    柄を握ると、手のひらに汗がにじむ感覚が"はっきり"あった。



    ──これは現実だ。


    潔「……こっちが本物って、証明してやる……!」


    刀を構える。刃を交える相手は、誰よりも自分を知っている"何か"だ。


    その目が、にやりと細められた。


    潔?「ふふ。“怖い”って、顔してるよ。」


    それを聞いた瞬間、潔の背筋に"電気のような悪寒"が走った。


    (これ──マジでやらないと、殺される)




    ──選別開始。


    dice1d100=58 (58)

  • 14二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:47:45

    >>13成功したぞ!やったー

  • 15スレ主25/05/10(土) 22:48:51

    >>14 やりました!潔世一生存!1人目から生存とはいい流れですね!

  • 16二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 22:50:40

    良かった…!このままみんな助かってくれ…!!

  • 17スレ主25/05/10(土) 22:52:35

    【第壱室:選別完了】潔 世一 ── 生存


    ──偽物は、動きも思考も、まるで鏡を見ているようだった。

    潔?「動くなら、こう来るだろ?」

    そう言って、偽・潔が真横から踏み込んできた。刃を伏せて、低い姿勢で──まさに、潔自身が無意識に使う"フェイントの癖"そのもの。

    (知ってる。全部──俺の動き、俺の読み……)

    潔は一歩遅れた。反射的に腕を上げたその瞬間── 左肩に熱い閃光が走る。日本刀がかすり、肉を裂いた。

    潔「ッッ──くそッ……!」


    だが、怯まなかった。

    血が滴り落ちる音を背に、潔は前へ出た。
    偽・潔の目が、わずかに揺れた──その刹那。

    潔「読めてるんだよ…ッ、全部!!!」

    握った日本刀を横薙ぎに振り切る。
    偽・潔の首筋に、まっすぐ刃が食い込む──

    潔?「──ぁ。」

    声にならない呻きが漏れた。
    刃は骨を割り、喉を断ち、背筋の奥まで届いた。

  • 18スレ主25/05/10(土) 22:55:37

    ドサッ、と音がした。
    偽物は、潔と寸分違わぬ顔のまま、血を流して崩れ落ちた。

    胸が上下する。視界がぼやける。喉が焼けるように痛いのに、何も叫ばなかった。

    潔は、ゆっくりと立ったまま── 血まみれの「自分」を見下ろした。

    震える指。持ち上がったままの刀が、小刻みにガタついていた。

    (やった……? 勝った……のか……)

    肩の傷から、赤黒い血が流れ続ける。
    けれど、潔の目に涙はなかった。


    ──後悔は、なかった。

    歯を食いしばる。
    自分を信じて、"それ"を斬った。
    どれほど似ていようと──"あれは自分じゃない"。

    (……でも、なんで……)

    見回す。



    ──扉は、開かない。

  • 19スレ主25/05/10(土) 22:57:32

    部屋は静まり返っていた。まるで、「正解だけど不合格」とでも言うような、不気味な静けさ。

    潔の肩が、びくりと揺れる。

    潔「……まだ……終わってないのか?」

    室内の蛍光灯が、カチッ……と一度だけ明滅した。



    その瞬間、血溜まりの中の"偽物の顔"が──ほんの一瞬、微笑んだように見えた。


    【第壱室:選別結果】
    潔世一:──生存
    状態:肩に切創
    精神動揺:中
    扉:未開
    次フェイズ:待機

  • 20スレ主25/05/10(土) 22:59:51

    >>16 推しが、みんなが死なないように祈りましょうね…!


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一


    ・蜂楽廻 ・千切豹馬 ・國神錬介

    ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英 ・御影玲王

    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖 ・烏旅人

    ・乙夜影汰 ・雪宮剣優 ・オリヴァ愛空 ・糸師冴

    ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・氷織羊

    ・二子一揮 ・閃堂秋人・清羅刃

    ・七星虹郎 ・剣城斬鉄

    >>21

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:01:25

    蜂楽

  • 22スレ主25/05/10(土) 23:02:38

    >>21 蜂楽で承知しました!


    物語を考えますのでお待ちくださいね。

  • 23スレ主25/05/10(土) 23:10:11

    【第弐室】蜂楽 廻 vs 偽・蜂楽 廻


    ……キィ……ン……

    高周波のノイズが、まるで頭の中で直接鳴り響くような音圧で流れた。

    ──ジッ、ガッ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    部屋の空気が、瞬間、重たくなった。
    湿度ではない── "期待と恐怖"が入り混じるような、ねっとりした空気。

    蜂楽「え? なに? なになに? やったの?」

    黒と黄色の瞳がくるりと部屋を見渡す。
    壁は黒一色。家具はほぼない。けれど彼は、特に驚いた様子もなかった。

    蜂楽「うーわ、閉じ込められちゃった感じ……これ、"試合"ってやつ?」

    スピーカーが再び鳴る。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 24スレ主25/05/10(土) 23:16:12

    蜂楽はしばらく黙って、言葉を反芻する。

    蜂楽「……ふーん? 『偽物』って……俺に似たヤツってこと?」

    と、その瞬間。


    ──コツン。

    背後に音がした。

    振り返った先に、“蜂楽廻が立っていた”。
    髪の黒と黄色が反転し、瞳も違う。だが、それ以外は……ほぼ同じ。姿勢も、笑顔も、声までも。

    蜂楽?「よっ。蜂楽廻。今日も楽しそうだね?」

    蜂楽「あー、君が“俺”ってやつね!」

    蜂楽は笑った。
    驚きも、怒りもない。
    ただ──「ワクワク」していた。

    蜂楽「ちょっと面白そうだし、遊んであげる!」

    そう言って蜂楽が手を伸ばしたのは── 壁に立てかけられていた、「フレイル」。
    鉄球のついた鎖を振り回す、中世の武器。
    とても"子供が扱えるようなもの"ではない。

    けれど、蜂楽はその柄を軽々と持ち上げ、肩に担ぐ。

  • 25スレ主25/05/10(土) 23:18:02

    蜂楽「ちょっと重いけど……いっか。これで“君”と、遊ぼっか?」


    偽・蜂楽の笑顔も、少しだけ歪んだ。


    蜂楽?「うん。じゃあ、“どっちが本物か”試そうよ。ルールは……命がなくなるまでね?」


    蜂楽の瞳が、ぞくりと細められる。


    蜂楽「楽しそー!」






    ──選別、開始。


    dice1d100=45 (45)

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:18:37

    せ、セーフ…?

  • 27スレ主25/05/10(土) 23:24:16

    >>26 セーフです!良かったですね、前作で“アイテムを拾っておいて”!

  • 28スレ主25/05/10(土) 23:32:04

    【第弐室:選別完了】蜂楽廻 ── 生存


    蜂楽「ねえねえ、君、けっこー強いね!」

    蜂楽は笑っていた。

    だが、息が荒い。
    額には脂汗。脇腹は不自然に凹んでいた。

    ゴォン!!

    鉄球が鈍い音を立てて床に転がる── 蜂楽自身が殴られたのだ。偽物が振り抜いたフレイルの鉄球が、彼の肋骨に直撃した。

    蜂楽「ッ……っっっ……ぐ、ふふ……」

    体が吹き飛び、背中から床に叩きつけられる。
    脳がぐらりと揺れる。呼吸をするたび、骨が中で「カキッ」と音を立てるのがわかる。

    (これ、肋骨……折れてるかも)

    蜂楽「でも──楽しいよ、君!」

    蜂楽は笑って立ち上がった。
    よろけながら、右手の鎖を引きずる。
    金属の軋む音が、室内に不気味なリズムを刻む。

  • 29スレ主25/05/10(土) 23:33:41

    偽物が、首を傾げた。

    蜂楽?「なんでそんな顔するの? ねえ……苦しいのに、なんで?」

    蜂楽の目が、ゆっくりと見開かれた。

    蜂楽「だって……今までの"試合"よりずっと、君は"俺"をよく知ってるからさ!」


    そのまま、鎖を地面に這わせて走り込む── 偽物の足元に鎖が絡みつく。

    蜂楽?「──ぐッ!?」

    バランスを崩した偽物の首筋へ、蜂楽は思い切り、鉄球側を手で持って振り抜いた。

    ビキィッ……!

    鈍い音と共に、首が不自然にねじれ──そのまま跳ねた。

    偽物の身体がくしゃりと崩れ、まるで操り人形の糸が切れたように動かなくなった。

  • 30スレ主25/05/10(土) 23:45:38

    室内に、静けさが戻る。

    蜂楽は、肩で息をしながらそれを見下ろした。

    蜂楽「うん。たのしかった……かも。」

    笑ってそう言ったが、すぐにその場にぺたんと座り込んだ。

    肋骨が明らかに悲鳴をあげている。
    額から、滲むように血が伝う。
    でも、彼の目にはどこか満足げな光が宿っていた。

    蜂楽「次の“俺”が来るなら……また、遊んであげるよ?」

    誰もいない空間へ、そう話しかけた。





    ──だが、扉は開かない。

  • 31スレ主25/05/10(土) 23:47:17

    じり……と、照明がわずかに暗くなった。

    (あれ……まだ終わってないの?)

    蜂楽は壁にもたれながら、偽物の跳ねた首の向こう側をじっと見つめた。



    あの顔もまた──微笑んでいた。


    【第弐室:選別結果】
    蜂楽廻:──生存
    状態:肋骨骨折、軽度の頭部打撲
    精神動揺:低
    扉:未開
    次フェイズ:待機

  • 32スレ主25/05/10(土) 23:49:33

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻


    ・千切豹馬 ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛

    ・馬狼照英 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志

    ・士道龍聖 ・烏旅人 ・乙夜影汰 ・雪宮剣優

    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・ミヒャエルカイザー

    ・アレクシスネス ・黒名蘭世 ・我牙丸吟

    ・雷市陣吾 ・氷織羊 ・二子一揮 ・閃堂秋人

    ・清羅刃 ・七星虹郎 ・剣城斬鉄

    >>33

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/10(土) 23:49:53

    ユッキー

  • 34スレ主25/05/10(土) 23:51:06

    >>33 雪宮で承りました!


    そろそろホスト規制かかりそうなので、その際はご容赦くださいませ。物語を準備してきます。

  • 35スレ主25/05/11(日) 00:01:15

    【第参室】雪宮 剣優 vs 偽・雪宮 剣優


    ──パチッ……

    蛍光灯が、まるで目を覚ますように点滅する。黒い壁、無音の空間。わずかに軋む空調音だけが、鼓膜を撫でる。

    雪宮「……ここは……?」

    雪宮は、そっと眼鏡を押し上げた。どこか冷静で、知的な部分を感じる優しげな目元。しかしその視線は、すでに空間の異常性に気づいていた。

    雪宮「随分、殺風景だな……まるで、"密室"だ。」

    ──ジ……ピ──……ガッ……

    スピーカーが、低く軋む。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    雪宮は、やや困ったように微笑した。

    雪宮「……選ばれた……? 何に……」

    その言葉を追うように、冷たい声が続く。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 36スレ主25/05/11(日) 00:06:31

    一拍の沈黙。

    やがて、雪宮は静かに息を吐いた。

    雪宮「そういう、"遊び"かな。……嫌だな、こういうの。」

    目線を横にずらす。

    壁際に、一振りの槍が立てかけられていた。
    細身で、戦闘用に研ぎ澄まされた形状。触れただけでわかる。これは人を殺すための武器だ。

    (……見たことないデザインだ。でも、扱えなくはない)

    静かに槍を持ち上げる。
    その動作には迷いがない。

    優しい声とは裏腹に、雪宮の手は全く震えていなかった。

  • 37スレ主25/05/11(日) 00:09:30

    雪宮「うん……なるほど。そういう顔をしているんだね、"俺"は。」


    視線の先。

    そこには──雪宮と瓜二つの存在が立っていた。


    髪は白に近い銀、瞳は深い青。その「反転した自分」は、表情を変えずにこちらをじっと見ている。


    雪宮「何か……言いたいことはある?」


    雪宮?「別に。殺すだけだし。」


    低く、感情のない声。


    雪宮は、薄く笑った。その笑みは穏やかだが、その奥に刃のような何かが垣間見えた。


    雪宮「……そっか。じゃあ──始めようか。」


    雪宮は、静かに構えた。


    身を落とし、槍の切っ先を地面すれすれに──まるで獣のように。


    雪宮「本物かどうかは、"俺"が証明するよ。」






    ──選別、開始。


    dice1d100=49 (49)

  • 38スレ主25/05/11(日) 00:17:30

    ユッキーが生存したので安眠できそうです。また朝に投稿開始しますので、引き続きよろしくお願いします。

  • 39二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 01:59:34

    ここまでみんな助かってて良かった
    前作でE4がアイテム集め頑張ってくれたおかげだね!ありがとうE4!!
    それにしても反転した自分って前回のE4話で見たような…これが伏線の1つかも?

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 08:12:03

  • 41スレ主25/05/11(日) 08:49:47

    >>39 E4のお陰ですでに2名生存してますからね…!伏線散りばめてますので、よければ引き続きお付き合いくださいませ!

    >>40 保守ありがとうございます!


    更新再開します!本日もよろしくお願いします。途中で出かけたりしますが、そんなに長時間は不在にしない予定です。

  • 42スレ主25/05/11(日) 08:53:57

    【第参室:選別完了】雪宮剣優 ── 生存


    床に響く、槍と槍の打ち合う音。金属が火花を散らし、空気が切り裂かれる。

    雪宮「なかなか……やるね」

    雪宮は息を吐きながら距離を取った。
    頬には薄く血がにじみ、左手は腹部をかばっている。

    偽・雪宮も、無表情のまま静かに構えていた。その動きは、完璧に本人の癖をトレースしている。

    (タイミングも読みも、完全に"俺"と同じ。だけど……)

    ──それでも、"何か"が違う。

    次の瞬間、偽物が踏み込んできた。
    槍の切っ先が、一直線に雪宮の脚を狙う。

    雪宮「──っ!」

    ガシュッ!

    右足を貫かれた。槍が肉を裂き、骨にぶつかって止まる。

    雪宮「っ……ぐ、あ……ッ!」

    歯を食いしばる。
    声は漏れても、叫びにはならなかった。

  • 43スレ主25/05/11(日) 08:56:36

    倒れそうになる体を左手で支え、反対の手で── 槍の柄を強引に引き寄せる。

    雪宮「──ッ甘いよ」

    そのまま、重心をずらし、偽物の胸に、自分の槍をまっすぐ── 突き刺した。

    ズンッ……!

    刃が、心臓を貫いた感触。偽・雪宮の瞳が揺れる。


    槍を抜くこともせず、雪宮は顔を近づける。

    雪宮「最後に──言い残すこと、ある?」

    偽・雪宮は口を開いたが……声は出なかった。
    わずかに唇が動き、「お前は──」と何かを言いかけたまま、崩れ落ちた。

    (……なんだよ、それ)

    雪宮は片膝をつき、荒い息をつく。
    貫かれた右足からは、血が滴り、床を染めていた。

    雪宮「……はぁ……っ……」

    静寂。槍を杖代わりにして、ようやく立ち上がる。

    見下ろす死体の顔は、最期まで"自分とそっくり"だった。

    (なんか……変な感じだな……)

  • 44スレ主25/05/11(日) 09:00:07

    右足が痛む。
    でも、手で目元を触ると──ちゃんと見えていた。

    雪宮「……目が、無事でよかった」

    ぽつりと、笑いも怒りもないトーンで呟いた。

    雪宮 剣優が抱える「目の病気」── この地獄のような選別で、それだけが奇跡のように守られた。





    ──だが、扉は開かない。

    どこからか、カサ……という紙をめくるような音が聞こえた。ふと見ると、偽物の目は、今も開いたまま……まっすぐ彼を見つめていた。


    【第参室:選別結果】
    雪宮剣優:──生存
    状態:右足貫通・出血あり
    精神動揺:低~中
    扉:未開
    次フェイズ:待機

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 09:02:40

    ある一定の数値で生存と死亡が分けられている?

  • 46スレ主25/05/11(日) 09:04:45

    >>45 生存/ロストは、>>4 をご参照ください!


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優


    ・千切豹馬 ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛

    ・馬狼照英 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志

    ・士道龍聖 ・烏旅人 ・乙夜影汰 ・オリヴァ愛空

    ・糸師冴 ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・氷織羊

    ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・清羅刃 ・七星虹郎

    ・剣城斬鉄

    >>47

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 09:09:26

    乙夜

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 09:10:57

    今んとこ全員生存してんのがこえー
    あとからとんでもないしっぺ返しきそう

    ――と、盛大にフラグを立てておけば回収されないのではの思想

  • 49スレ主25/05/11(日) 09:28:05

    >>47 乙夜で承りました!

    >>48 逆フラグ建築士ですね…!“本物”の生き様に期待ですね!


    物語を考えますね。途中で出掛けるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

  • 50スレ主25/05/11(日) 09:37:55

    【第四室】乙夜 影汰 vs 偽・乙夜 影汰

    ──ジ……ッ、チチッ……ピー……

    高周波ノイズが、空気をねじ曲げるように響く。
    黒い壁に囲まれた、閉ざされた密室。そこに立つ乙夜は、ぼんやりと天井を見つめていた。

    乙夜「ちゅーす。……て、誰もいないじゃん」

    眠たげな目元と、無造作にかかった緑の前髪。テンションはいつも通り。だが、空間の異様さにはすでに気づいていた。

    乙夜「うわ、ダル。部屋のセンス、ゼロ」

    ──ガガッ、ガリッ……

    スピーカーが割れたような音を立てる。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    乙夜は無言。ただ、眉がほんの少しだけピクリと動いた。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 51スレ主25/05/11(日) 09:42:24

    その声を聞きながら、乙夜はゆるゆると伸びをした。

    乙夜「……あー、そーいう感じ。なるほどね」

    身体の奥に、じわじわと熱が滲む。

    (ま、やるなら……やるか)

    ふと横を見ると、二本組の苦無が壁に刺さっていた。
    忍者のような小型の苦無。素早く、致命を奪うのに特化した武器。

    乙夜は一本ずつ抜き取り、クルクルと指で回す。
    その動作は、驚くほど慣れていた。

    乙夜「へぇ。“俺”にしちゃ、センスいいじゃん」


    その時だった。
    まるで鏡を見ているような存在が、壁の向こうから現れる。

    ──偽・乙夜 影汰。

    髪は黒。前髪の一部だけが、深い紅に染まっている。瞳も反転し、赤黒く濁っていた。それでも、雰囲気は"本人"とそっくりだ。

  • 52スレ主25/05/11(日) 09:44:47

    乙夜?「ちゅーす。死にに来た?」


    同じ挨拶。けれど、声には棘がある。


    乙夜「言うねー」


    乙夜の口元が、ふわりと笑った。


    目の奥に──光が灯る。


    乙夜「……アがる。──なら、やろっか?」


    苦無を低く構え、無音のままステップを切る。


    視線が鋭くなる。

    さっきまでのだるさは、もうそこにはない。






    ──選別、開始。


    dice1d100=22 (22)

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 09:55:27

    え…30すらいってないよ

  • 54スレ主25/05/11(日) 10:04:35

    >>53 乙夜影汰……残念ながら。


    お出かけから戻りましたらロスト描写投稿しますね!

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 10:33:07

    わああ…最初の犠牲者が…

  • 56スレ主25/05/11(日) 12:25:35

    >>55 これから彼らはどうなるんでしょうね…。


    戻りましたので更新再開します。引き続きよろしくお願いします。

  • 57スレ主25/05/11(日) 12:29:32

    【第四室:選別完了】乙夜影汰 ── ロスト


    室内を、乾いた金属音が満たしていた。
    シャッ、シャッ、シャッ……

    ──刃が、風を裂く音。

    乙夜は無言で動いた。無駄な動きは一切ない。
    苦無の切っ先が、正確に偽・乙夜の左腕を裂く。

    シュッ……ザクッ……!

    乙夜?「……やるぅ!」

    口元に、かすかな笑みを浮かべる。
    その瞳には、一切の怯えがなかった。

    乙夜?「俺にしちゃ、悪くない動きだ」

    偽・乙夜は無表情のまま苦無を投げ返し、すぐに距離を詰めてくる。

    乙夜?「……うん。俺は、“君”より少しだけ賢い──それだけ。」

    反転した目が、細く揺れた。

  • 58スレ主25/05/11(日) 12:31:58

    ──気づいたときには、もう遅かった。

    (……速ッ)

    偽・乙夜の苦無が、一閃。
    まず、額を抉るように突き刺さった。

    乙夜「っ……!」

    一歩、後退。

    次の瞬間、偽物は片手の苦無をそのまま心臓めがけて突き立てた。

    ズグッ……!

    乙夜の体が跳ねる。 口元から、血がこぼれた。


    乙夜「……あー……負け、ちゃったか……」

    苦無を取り落とし、膝から崩れ落ちる。

    乙夜「でもさ……悪くなかったよ。人生も……サッカーも……」

    乙夜「……全部、……………。」

    そう呟いた瞬間──
    乙夜影汰の瞳から、光が消えた。

    ──その死は、静かで、まるで眠るようだった。

  • 59スレ主25/05/11(日) 12:36:33

    偽・乙夜は、その亡骸のそばに膝をついた。まるで何かを確かめるように、額に手を添える。

    ジリ……ジリジリ……ッ

    空間が歪む。微かに、光が揺らぐ。……記憶──を、奪っている。

    そして偽・乙夜は、乙夜の顔を見下ろして呟いた。

    乙夜『──“本物”は、俺だったね』

    静かに立ち上がる。部屋には、死体がひとつ。それを踏み越えて、扉には手をかけない。





    扉は、やはり──開かない。

    室内の蛍光灯が一度だけ、薄く明滅した。その光の中で、『乙夜』の目が、ひどく穏やかに見えた。


    【第四室:選別結果】
    乙夜 影汰:──ロスト
    状態:額・心臓への致命傷により死亡

    偽・乙夜:生存
    状態:記憶吸収完了
    扉:未開
    次フェイズ:異常兆候あり(同一存在の分離化の可能性)

  • 60スレ主25/05/11(日) 12:39:48

    【第弐室/選別後フェイズ】蜂楽廻 ── 異常感知


    血の味が、まだ口の中に残っている。
    肋の痛みがズキズキと響くなか、蜂楽は背中を壁に預け、目を閉じていた。

    (……やっぱさ、誰も来ないの、つまんないよねー……)

    その瞬間。

    ドクン。

    鼓動が、突然跳ねた。理由のない、空気の"変化"。
    呼吸が一瞬、引っかかる。

    「……あれ?」

    蜂楽は、パチリと目を開けた。

    部屋には変化はない。
    けれど──何かが、欠けたような違和感だけが残っていた。

    (……誰かが、消えた?)

    頭の中に、チームの顔が浮かぶ。
    バルチャのメンバー ──

    蜂楽「……乙っち……?」

    さっきまでふわっと脳裏に浮かんでいた"気配"が、ぷつりと切れたような感覚。まるで、そこにあった"音"だけを抜かれたラジオ。

  • 61スレ主25/05/11(日) 12:42:43

    (……死んだ、の?)

    血の気が引く、という感覚は蜂楽には馴染みがない。

    けれど、この時ばかりは、内側が冷えた。

    蜂楽「……潔……」

    そう呟くと、蜂楽は立ち上がった。
    痛む肋骨を気にせず、壁際へ歩く。

    ──ドン。ドンッ!

    蜂楽「ねぇ! 潔いるんでしょ!? 隣、でしょ!?」

    壁を拳で二度、強く叩く。
    自分の声が、空間に吸い込まれていく。

    蜂楽「なんか、変なんだよ……乙夜の気配が……さ……っきまで、そこにあったのに、ないんだよ……!」

    その声は、笑っていなかった。

    蜂楽廻の瞳から、あの無邪気な光が一瞬だけ消えていた。


    【第弐室/臨界点接触】
    蜂楽廻:──感知成功
    異常:乙夜影汰の"気配消失"を精神的直感により検知
    隣室:潔世一に呼びかけ中

  • 62スレ主25/05/11(日) 12:46:05

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優

    【死亡】乙夜影汰


    ・千切豹馬 ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛

    ・馬狼照英 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志

    ・士道龍聖 ・烏旅人 ・オリヴァ愛空・糸師冴

    ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・氷織羊

    ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・清羅刃 ・七星虹郎

    ・剣城斬鉄

    >>63

  • 63二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 12:54:48
  • 64スレ主25/05/11(日) 12:56:16

    >>63 烏で承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 65スレ主25/05/11(日) 13:04:13

    【第伍室】烏 旅人 vs 偽・烏 旅人


    (……ん、寒っ)

    目を覚ましたように、烏はゆっくりと身体を起こした。見慣れない天井、黒い壁、金属の床。

    烏「おいおい……なんやこれ……ホテルでも、牢屋でもない……?」

    軽く笑うように呟いて、手で首筋をさする。

    (……いや、笑えんわこれ)

    空気が張り詰めている。光はあるが、外の気配は一切ない。静かすぎる。

    ──そんな時。

    ……ジジ……ピ──……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    烏「は?」

    烏は眉をひそめた。やたらと無機質な女の声。誰かのいたずらにしては、妙に本気っぽい。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:06:06

    2回連続死亡なら綺麗だな

  • 67スレ主25/05/11(日) 13:07:55

    沈黙。
    それを数秒味わった後──烏は笑った。

    烏「……あー、なるほどな。これはアレか。ひとり一殺式の“自分殺しゲーム”ってやつか?」

    吐き捨てるような口調。
    でもその目は、真っ直ぐだった。

    烏「…まあ、ええか。ようできた偽物と入れ替わっても気づかれんような、“凡”やしな──」

    (……カタン)

    音がした。
    後ろを振り向くと、壁の影にひとつの武器が置かれていた。

    ──サプレッサー付きのハンドガン。

    黒く、重たい殺意の塊。

    烏「……“殺す道具”としては、だいぶわかりやすいな……」

    軽く笑いながら、それを拾い上げる。

    構えはスムーズ。
    少し躊躇いながらも、指がトリガーに触れる。

    烏「……人、撃つんは初めてやけど……“自分”なら、撃てるかもな」

  • 68スレ主25/05/11(日) 13:10:31

    と、その時──



    足音。


    静かに現れたのは、まるで鏡の中の自分。

    ただし、髪は白く、瞳は深紅。反転した“烏旅人”。


    烏「……よう、凡。あんた、死ぬん、得意そうやな?」


    烏「そっちも、口が達者やな、“俺”。」


    烏は、にやりと笑った。

    銃口をゆっくりと、真正面に向ける。


    烏「ほな、撃ち合おか。“本物”が、どっちか……確かめるためにな」






    ──選別、開始。


    dice1d100=7 (7)

  • 69二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:11:34

    今までの最低値で草
    言霊ってあるんだな

  • 70二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:15:42

    かっこいい描写からの7で申し訳ないけど笑った
    そんなことある?

  • 71スレ主25/05/11(日) 13:18:44

    >>66 >>69 >>70 スレ主のダイス運が悪い意味で非凡過ぎましたね…。まあ、天国で乙夜と仲良くやってますよ、きっと…。

  • 72スレ主25/05/11(日) 13:22:04

    【第伍室:選別完了】烏旅人 ── ロスト


    パンッ──!

    音は、異様なほどに静かだった。
    反響もなく、まるで脳内で鳴ったような錯覚。

    額の中心に、弾痕。鮮やかな赤が、ぽつりと額から溢れる。

    膝が崩れた。銃が床にカシャンと転がる。

    烏「……まあ、こんなもんやろ……」

    呆れたような、乾いた笑い声。
    烏旅人の声は、最後の最後まで平坦だった。


    だが──その目が閉じる前。視界の端に、ふと浮かぶ誰かの姿。

    (氷織……)

    記憶の中の、その静かな背中。

    烏「……氷織、お前だけは……」

    口元がそう動いた瞬間、命の火が──消えた。

    バタリ、と音を立てて倒れる。
    彼の戦いは、それで終わった。

  • 73スレ主25/05/11(日) 13:24:46

    ──だが。

    偽物は、終わらなかった。

    静かに近づく。
    表情は変わらないまま、烏の亡骸の胸元に手を添える。

    ジ……ジジ……ジィィ……

    空間が淡く波打ち、何かが流れ込むように収束する。
    それは、記憶の吸収。人格の上書き。
    "殺した本物"の中身を、まるごと"喰う"行為。

    偽・烏はゆっくりと立ち上がり、額の弾痕を見下ろしてつぶやいた。

    烏『さーて……“非凡”の力、見せたるか』

    声は完全に烏のそれ──関西弁までも、完璧だった。

  • 74スレ主25/05/11(日) 13:28:23

    その瞬間。



    ──ガチャ……ッ

    扉が、開いた。

    黒い部屋に初めて"出口"が出現した。

    そこに広がっていたのは── 真っ白な廊下。

    壁も天井も床も、全て漂白されたような白。
    どこまでも無機質で、異様に静かだった。

    だが、そこには"空間の余白"があった。
    これまでの部屋とは違う、「■■■■」の匂い。

    偽・烏は、笑いながらその中へと消えていった。


    【第五室:選別結果】
    烏旅人:──ロスト
    状態:額を撃ち抜かれ即死

    偽・烏:生存
    状態:記憶吸収完了
    扉:開放
    次フェーズ:進行中

  • 75スレ主25/05/11(日) 13:33:03

    【第壱室/選別後フェイズ】潔世一 ── 応答


    ずっと、静かだった。

    室内の血の匂いにも慣れてしまった。倒れた「偽物」の死体は、もう動かない。けれど、扉も、何も動かない。

    (……何人、いるんだ……? 他のやつらは……誰か、やられてないか?)

    自問するたび、脳裏に浮かぶのは知った顔。仲間か、ライバルか、今はもうわからない。
    でも、誰かが──「死ぬ」かもしれない。

    (こんなの……ふざけてる……!)


    ──その時だった。

    ドン。ドンッ!

    「ねぇ! 潔いるんでしょ!? 隣、でしょ!?」

    潔「……!」

    頭が跳ねた。幻聴かと思った。

    でも──

    「なんか、変なんだよ……乙夜の気配が……さ……っきまで、そこにあったのに、ないんだよ……!」

    それは──蜂楽廻の声だった。

  • 76スレ主25/05/11(日) 13:35:12

    潔は、思わず壁に駆け寄る。

    潔「蜂楽……っ!? お前、生きてんのか!?」

    拳で壁を叩き返す。
    焦りで喉が乾く。目の奥がじんじんする。

    潔「よかった……本当に……っ、お前、マジで……っ」

    声が震えていた。
    勝手に涙がにじんだ。

    潔「生きてて……くれて、よかった……!」

    壁一枚を挟んでいるのに、手が届きそうだった。
    この地獄で、ようやく“確かな存在”に触れた気がした。

    向こうから、蜂楽の声が返ってくる。

    蜂楽「……そっちも、無事なんだ。やったじゃん……!」

    少しだけ、あの笑い声が戻った気がした。
    でも、そのすぐ後に──

    蜂楽「……でも、乙夜はもう、いないよ」

    言葉の温度が、また少し下がった。

  • 77二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:35:34

    >>75良かった。ちゃんと聞こえてるんだ

  • 78スレ主25/05/11(日) 13:37:24

    沈黙。
    壁越しの空気が、重くなる。

    潔は静かに目を閉じ、拳を壁につけた。

    潔「……わかった。」

    その声は、震えていなかった。
    鋭く、静かに、殺気を宿していた。


    【第壱室/第弐室:通信成立】
    潔世一 × 蜂楽廻──対話成功
    精神安定度一時回復。
    乙夜影汰の死、共有完了。

  • 79スレ主25/05/11(日) 13:44:37

    >>77 今回は聞こえました…!次は分かりませんが。


    スレ主ロスト耐性0なので(自分で物語作っててなんですが)、ちょこちょこ色んな描写を挟みます。ご注意ください。

  • 80スレ主25/05/11(日) 13:47:14

    【???/天国ロビー】乙夜影汰 × 烏旅人
    ──成仏はまだ先


    ──ふわ、っと身体が浮いたかと思ったら、次に目を開けた時には、もうそこにいた。

    白い、空間。空もなければ、地もない。
    ただ、どこまでも明るく、やけに涼しい風が吹いている。

    乙夜「……ここ、天国ってやつ?」

    乙夜影汰は、口元に手を当てながら欠伸をひとつ。表情はゆるいが、目の奥は……少しだけ寂しげだった。

    (あー……やっぱ、死んだんだ。……まあ、楽しかったけどね)

    と、その時だった。


    空間の奥から、パンッ!と何かが弾けるような音。

    ふらふらと浮かび上がってきたのは──

    烏「うわあああああ!マジで死んどるやないか俺ええええええ!」


    ──烏旅人、魂バージョン。

  • 81スレ主25/05/11(日) 13:50:05

    烏「おい!誰やねん!撃ったやつ誰や!!……俺や!!俺が凡やからや!!ちくしょぉぉ……!」

    頭を抱えて騒いでいたが、ふと目を上げた瞬間──

    烏「あ、乙夜?」

    乙夜「ちゅーす」

    二人の視線が合った瞬間、空気が一変。


    烏「お前死んどんかい!!忍者の末裔のくせに、情けないな!!」

    乙夜「は? そっちこそ殺し屋スタイルのくせに、銃で負けてんじゃん、ダッサ!!」

    烏「うっ……! いやいや、撃った瞬間に脳にくるとか反則やろ!?もうちょっと……あったやろ……!」

    乙「それ、心臓と額に苦無ぶっ刺されて死んだ俺に言える?」

    烏「ぐぅぅ……ッッ!!」

    しばし、天国の静寂に似つかわしくない激しめの口喧嘩(関西弁&ダウナー風味)が展開される。

  • 82二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:51:30

    >>81天国ロビーが平和でよかった

  • 83スレ主25/05/11(日) 13:52:59

    やがて、乙夜がぽつりと呟いた。

    乙夜「……言い争っても、戻れないしね」

    烏「……せやな。下界で、まだ続いとるやろな、アレ」

    二人は並んで腰を下ろす。
    足元はないが、不思議と落ち着く。

    乙夜「……蜂楽、生きてるといいな」

    烏「潔も。……あいつ、泣き虫やしな」


    烏「……氷織、お前だけは……か」

    烏がぽつりと、最後の言葉を反芻する。

    乙夜は、ふわりと目を細めて呟いた。

    乙夜「じゃー、見てよっか。“自分たちの世界”をさ」

    静かな空間に、下界の光景がぼんやりと浮かび上がる。血に染まった選別室。まだ戦い続ける“彼ら”。
    そして、まだ知らぬ“死”の影。

    二人の魂は、それをただ、黙って見つめていた。

    どこか、懐かしさと切なさを湛えて。

  • 84スレ主25/05/11(日) 13:58:22

    >>82 仲良く喧嘩しながらわちゃわちゃしてます(書いてて逆に辛いですが…)


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人


    ・千切豹馬 ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛

    ・馬狼照英 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志

    ・士道龍聖 ・オリヴァ愛空・糸師冴

    ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・氷織羊

    ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・清羅刃 ・七星虹郎

    ・剣城斬鉄

    >>85

  • 85二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:58:45

    ひおり

  • 86スレ主25/05/11(日) 13:59:34

    >>85 氷織で承りました!


    物語を考えますのでお待ちください。

  • 87スレ主25/05/11(日) 14:05:02

    【第陸室】氷織 羊 vs 偽・氷織 羊


    (……どこやろ、ここ)

    目を開けると、そこは無機質な暗室だった。黒い壁、閉ざされた空間。空気が、ひどく重い。
    氷織は身を起こしながら、静かに辺りを見回した。

    氷織「……んー、ちょっと洒落にならん空気やなぁ……」

    どこかゲームの“罠ステージ”を思わせる不気味さがある。なのに、心の奥が――ひどく静かだった。

    (嫌な感じや……これ、“選ばれる”ような流れやろ)

    その時だった。

    ──ジリ……ガガ……ピ──

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    氷織「……はぁ?」

    思わず漏れた声。
    だが、その直後のアナウンスはさらに意味深で、救いがなかった。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 88スレ主25/05/11(日) 14:07:45

    沈黙。
    けれど氷織は、冷静だった。

    氷織「そっか……そういう、ゲームなんやな」

    彼の表情からは、怒りも怯えも消えていた。
    ただ、薄く笑って、天井を見つめた。

    氷織「烏……まさか、もう……」

    ほんの数秒、俯いたあと──氷織は顔を上げた。


    壁際に何かが立てかけられている。

    ──仕込み扇。

    鉄骨で強化された扇子。開けば鋭利な刃が並び、近接戦闘と投擲の両方に対応する“忍び系ガジェット”。

    まるで、乙夜の残した何かが、ここに届いたようだった。

    氷織「……えらい粋なチョイスやな。こんなん、ちょっとテンション上がるやん」

    ひらりと扇を開く。
    薄く光る刃の列。

    氷織「よし。ほんで、やるんは“自分自身”ってことか……」


    視線の先に、もう一人の“氷織 羊”が立っていた。

  • 89スレ主25/05/11(日) 14:10:27

    ──髪は薄桃色、水色の反転。瞳は濁ったピンク。

    その表情は、まるで誰かの“感情”を模倣しているような、うすら寒い笑みだった。


    氷織「こんにちは、僕。優しさって、いちばん無意味やと思わん?」


    氷織「はは……やなヤツやなぁ、僕の“影”は」


    氷織は、柔らかく笑いながら構えた。


    扇子を左手に、右足をわずかに引き、静かな型に入る。


    氷織「せやけどな。お前にだけは、“本物”見せたるわ」






    ──選別、開始。


    dice1d100=52 (52)

  • 90二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 14:19:15

    >>89生存した。連続死亡を回避したやったー

  • 91スレ主25/05/11(日) 14:24:46

    >>90 烏の思いと、乙夜の天国の見守りが実りました!

  • 92スレ主25/05/11(日) 14:28:21

    【第陸室:選別完了】氷織羊 ── 生存


    ──シュバッ!

    空気を裂く鋭い音。氷織の左腕に、赤い線が浮かぶ。扇の刃がかすめた一瞬の交錯。

    (うわ、えげつない切れ味やな……)

    だが、眉一つ動かさない。痛みはあったが、それよりも──

    (“あいつ”の目……ぜんぜん、心が見えへん)

    真正面から睨み返す。偽・氷織の目は、空っぽだった。


    氷織「なぁ、“僕”ってほんまに、そないに弱いんか?」

    次の瞬間、氷織は一歩踏み込んだ。
    右手に握った扇子を、大きく展開。

    氷織「……ほな、見せたるわ。“本物”ってやつを──!」

    ザシュッ!

    一閃。刃の連なった扇が、弧を描いて偽物の腹部を斬り裂く。

    バギィッ……!

    裂けた服と皮膚。深々と入った傷から、闇のような液体が溢れ出す。

  • 93スレ主25/05/11(日) 14:30:44

    偽・氷織が、その場に崩れ落ちる。

    氷織?「……さすがやな……“僕”は──」

    氷織「──黙っとき」

    その言葉を最後まで言わせることなく、氷織は構えを解いた。


    静寂が戻る。

    氷織は、短く「ふぅ」と息を吐いた。
    扇の血を布で拭いながら、目を細める。

    (……烏。……乙夜くん)

    目を閉じた瞬間、胸の奥に鋭い重さが走る。
    名前を呼ばずとも分かった。
    あの二人の“気配”が──もう、どこにもない。

    氷織「……せやろな。あんな簡単に済むはず、ないもんな」

    顔が少しだけ歪む。
    けれど、すぐに表情を整える。

    氷織「でもな、僕、泣かへんよ。あんたらの分まで、戦うわ」

    扇を再び閉じ、ゆっくりと立ち上がる。

  • 94スレ主25/05/11(日) 14:32:43

    その瞬間──


    ギィ……ッ

    扉が、開いた。

    室内に差し込む、微かな白い光。
    その向こうにあるのは、誰かの偽物がまだ生きている証。

    氷織は迷いなく、扉をくぐる。
    視線は鋭く、心は静かに燃えていた。

    氷織「“あんたらの仇”、僕が取ったる」

    そして彼は、再び刃を携え、"仲間を殺した影"を探しに消えていった。


    【第六室:選別結果】
    氷織羊:──生存
    状態:左腕切創あり
    精神動揺:中→安定化
    扉:開放
    次フェーズ:進行中
    目的:“乙夜&烏の偽物”の捜索

  • 95スレ主25/05/11(日) 14:39:31

    【第参室:戦後フェイズ】雪宮剣優 ── 通信受信


    壁にもたれたまま、雪宮は右足を投げ出していた。
    額からは汗。貫かれた脚は、じんわりと痛む。戦いの余韻にしては、あまりに長すぎる静寂。

    雪宮「……はぁ……」

    小さくため息をつき、ポケットに手を突っ込む。

    そのとき──

    ブゥゥ……ブゥゥ……

    雪宮「……え?」

    震えたのは──スマホだった。


    (電波、圏外のはず……)

    液晶に表示された名前は──氷織羊。

    雪宮「……氷織くん……?」

    戸惑いながらも通話を取る。

    氷織「雪宮くん、聞こえる?」

    雪宮「氷織くん……、どうやって──」

  • 96スレ主25/05/11(日) 14:47:32

    氷織「説明はあと。……まず伝える。」

    一拍置いて、彼の声が低く落ちた。

    氷織「──乙夜くんと、烏。……死んだ」


    雪宮の目が見開かれる。

    雪宮「……っ……ほんと、なの」

    氷織「見たわけやない。けど、“分かった”。気配が、途切れた」

    言葉に、確信があった。
    どんなに静かでも、嘘をついてる声じゃない。

    雪宮「……あいつら、どこまで“普通”に逝くんだよ……」

    氷織は続けた。

    氷織「僕、今から“偽物”へ仇取りに行く。旅人と乙夜くんの“影”、生き残っとる」

    雪宮「待って。俺も、行く……!」

    雪宮は立ち上がろうとした──だが、

    雪宮「……ッ!」

    脚に電流のような痛み。膝が崩れ、床に手をついた。

  • 97スレ主25/05/11(日) 14:48:41

    氷織「雪宮くん?」


    雪宮「……脚、やられてて……でも、行けないなんて言わない」


    肩で息をしながら、雪宮は声を振り絞った。


    雪宮「行けるようにする……なんとかするから。……必ず、合流するから」


    言葉の先に、意思があった。

    弱さも無力さも、飲み込んだ上での、本物の決意。


    氷織の声が、少しだけ和らいだ。


    氷織「……了解。信じとる」


    通話が切れた。


    雪宮は、握ったスマホをそっと床に置き、息を整える。



    ???

    dice1d100=18 (18)

  • 98スレ主25/05/11(日) 14:57:53

    【第参室:回復試行】雪宮剣優 ── 失敗


    雪宮「ッ……クソッ……」

    脚に力を入れた瞬間、激痛が走った。神経が悲鳴をあげ、視界がにじむ。汗が噴き出し、手が震える。

    (……ダメだ。筋まで、いってるか……?)

    包帯もない。固定もできない。冷静な頭は、なおさら「これは悪化する」と判断していた。

    雪宮「……このままで、終われるかよ……」

    拳が、床を叩いた。くしゃっと顔を歪め、唇を噛む。

    (俺は、まだ……“選ばれる側”なんだ)

    体はボロボロでも、目だけは冷えていた。

    その時、足元に転がったスマホが一度だけ震えた。もう表示はない。ただ、なぜか“温度”だけが残っていた。

    雪宮「……俺も“何か”掴んどくから」

    雪宮剣優は、動けなかった。
    けれど彼の目だけは、次に会う誰かに向けて、研ぎ澄まされていた。


    【回復失敗:雪宮剣優】
    行動制限中(移動・戦闘不可)
    精神集中フェーズへ移行(予知・分析・遠隔感知などの特殊思考展開に繋げる可能性あり)

  • 99スレ主25/05/11(日) 15:01:49

    スレ主夕方~夜まで離脱します。戦闘、敵討ち、そして天国ロビー…、これからの物語はどう進むのでしょうか。


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人


    ・千切豹馬 ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛

    ・馬狼照英 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志

    ・士道龍聖 ・オリヴァ愛空・糸師冴

    ・ミヒャエルカイザー ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・二子一揮

    ・閃堂秋人 ・清羅刃 ・七星虹郎・剣城斬鉄

    >>100

  • 100二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 15:03:18

    ちぎり

  • 101スレ主25/05/11(日) 17:55:49

    >>100 千切で承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 102スレ主25/05/11(日) 18:07:03

    【第七室】千切 豹馬 vs 偽・千切 豹馬


    ──静寂。鋭い蛍光灯の白が、空間を切り裂くように照らしている。

    千切は、壁にもたれた状態でゆっくりと目を開けた。
    瞬きもせず、ただ淡々と空間を観察する。

    千切「……また、これか」

    黒い壁。閉ざされた空間。前にも似たような場所を知っている──『脱出ゲーム』。

    あの時、あの鏡に映った自分じゃない“何か”。
    妙に笑っていた反転の自分。

    (……ほんとに、“またすぐ”だったな)

    ──ピ……ガッ、ジリ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    千切は眉ひとつ動かさず、無言。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 103二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:08:00

    お願い

  • 104スレ主25/05/11(日) 18:11:05

    千切「……どうせそう来ると思ったよ」


    その瞬間。

    部屋の奥に、“誰か”が立っていた。

    全身の輪郭、体格、仕草。 ──全てが、自分そのもの。

    ただし、髪色は空のように、瞳は海のように青い。

    千切?「やっほー、千切。久しぶり」

    その声、その笑い方。

    ──あの時の“言葉”が蘇る。

    『また、すぐに会えるね』


    千切「……お前、あの時の──」

    千切?「やっと思い出してくれた? 嬉しいよ。こっちは、ずっと覚えてたのに」

    偽・千切が一歩近づくたびに、空気が歪んでいく。まるで、空間が“速さ”に耐えきれていないようだった。

  • 105スレ主25/05/11(日) 18:14:38

    千切は舌打ちをし、視線を壁に向ける。

    そこにあったのは──カーボン素材のブレードランナー用義足型ブーツ。


    千切「チューニング済み、ね……速く走れってことか」


    ブーツを履き、足を鳴らす。

    軽い。反応は最速。まるで皮膚の延長のようだ。


    千切「こっちの速度、舐めるなよ──“俺”」


    偽物の口角が吊り上がった。


    千切?「わかってるさ、速いんでしょ? でも、どっちが“本物”かは別だよね?」


    千切「……面白いこと言うじゃん」


    千切は、腰を落とし、爆発の前兆のように構える。


    スイッチは、もう入っていた。






    ──選別、開始。


    dice1d100=95 (95)

  • 106二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:15:33

    よっしゃああああああ! 推しが生き残ったあああああ!

  • 107スレ主25/05/11(日) 18:52:06

    >>103 >>106 おめでとうございます!95でいい数字も出してくれまして、千切はとても頼りになりますね!

  • 108二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 18:54:29

    >>107

    今までで出たなかで圧倒的最高値だよね

  • 109スレ主25/05/11(日) 19:08:39

    >>108 高くてもずっと50台でしたからね…

  • 110スレ主25/05/11(日) 19:12:38

    【第七室:選別完了】千切豹馬 ── 圧勝


    ──シュン……!!

    空気が裂ける。

    ほんの一歩。それだけで、偽物の視線が“置いていかれた”。

    千切?「──ッ……!」

    偽・千切が振り返る暇もなく、ブレードの駆動音が空間を切り裂く。

    ドンッ!ドドッ!!

    二発、三発と鳴る音。ただ走っただけ。けれどその残像は、まるで三人同時に動いたようだった。

    千切「……どうしたよ、“俺”? そんなんじゃ、ぜんっぜん追いつけないぜ?」

    笑いながら加速する。煽るように──“自分自身”の限界を試すように。


    千切「言っただろ。速さが──俺のすべてだって!」

    偽・千切が苦しげに追いかけようとする。だが、間に合わない。反応が一手遅い。

  • 111スレ主25/05/11(日) 20:08:10

    その刹那──

    ビィィィン……!

    足元に一閃の火花。
    千切の脚が地面を蹴り、軌道をズラす。

    千切「……バイバイ、“俺”」

    ドスッ。

    鋭く開いたブレードつま先が、喉元に正確に突き刺さった。刃は骨を越え、気管を断つ。
    偽・千切がよろめき、崩れ落ちる。


    血の中で痙攣する偽物を、千切は淡々と見下ろした。

    千切「──なぁ、1つ教えろよ」

    しゃがみ込み、顔を覗き込む。

    千切「お前は……いや、“お前たち”は、どうやって外に出たんだ?」

    偽・千切の目が揺れる。
    最期の声で、低く呟いた。

    千切?「……“もう、閉じてなんか、ないんだよ”……あの場所は……」

    千切「……どういう意味だ?」

  • 112スレ主25/05/11(日) 20:13:06

    千切?「俺たちは……ずっと前から、出てる。……誰も、気づかないだけで…………、知らないなんて、バカだなあ、……ッふ、……アハハハハハ」

    偽・千切は嘲け笑うように声を発する。
    ……青い涙を流しながら。

    ──グシャッ。

    千切は、それ以上言わせなかった。手で頭部を押さえつけ、ブレードで首を裂いた。



    ──静寂。

    そして、扉が開いた。

    ギィ……という金属音。薄暗い空間の向こうに、わずかな白い光が漏れる。

    千切は立ち上がる。壁の死体に一瞥もくれず、軽やかに足を鳴らした。

    千切「……他の“本物”にも、会いに行かなきゃな」

    千切豹馬は、扉の先へと歩き出した。


    【第七室:選別結果】
    千切豹馬:──生存
    状態:無傷
    精神動揺:低
    扉:解放
    次フェイズ:進行中

  • 113スレ主25/05/11(日) 20:22:38

    【第弐室:戦後フェイズ】蜂楽廻 ── 動こうとする者


    蜂楽「……そろそろ、動かなきゃ」

    壁に背を預けたまま、蜂楽はポツリと呟いた。
    その声には、いつもの軽さがなかった。

    蜂楽「扉は開かないけど……いつでも出られるように、しておかなきゃ……だよね」

    目を伏せて笑う。
    けれど、その笑みもどこか歪んでいた。

    そっと身体を起こす。
    肋骨に響く、ミシッ……という不快な軋み音。

    蜂楽「っ……うぅぅ……」

    額に汗。笑おうとしても、口元がひきつる。

    それでも──蜂楽廻は、立とうとした。

    蜂楽「動かなきゃ……“俺”は、ここにいるよって……証明しなきゃ」


    右足に力を込めて立ち上がろうとした瞬間──

    ズキィッ!!

    肋骨が、悲鳴をあげた。

  • 114スレ主25/05/11(日) 20:24:32

    蜂楽「──ッ……!」


    バランスを崩して、床に崩れ落ちる。


    掌が床に打ちつけられ、震えが伝わる。


    けれど蜂楽は、諦めない。



    蜂楽「……動かなきゃ」


    誰にでもなく、己に言い聞かせるように。


    蜂楽「“俺”はまだ──生きてるんだから」


    瞳に浮かんだのは、痛みに耐える涙か、それともただの汗か。


    それでも彼は、また立ち上がろうとする。



    ???


    dice1d100=26 (26)

  • 115スレ主25/05/11(日) 20:36:57

    【第弐室:回復失敗】蜂楽廻 ── 動けなくても


    蜂楽「──ん、いっ……!」

    肋に響く鋭い痛みに、歯を食いしばる。
    蜂楽は、何度目か分からない試行をまた繰り返していた。

    (もう何回、立とうとしたっけ……?)

    右手を壁について、踏ん張って……崩れる。
    膝を床について、もう一度だけ……崩れる。
    深呼吸して、慎重にゆっくり……それでも、崩れる。

    蜂楽「っ……くそぉ……っ、もぉ……!」

    痛みで頭がくらくらする。視界も滲む。
    呼吸をするだけで肋骨がミシミシと泣いている。

    最後の最後、手を伸ばすようにして立とうとして──


    ドサッ……

    完全に、力が抜けた。

  • 116二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 20:37:37

    このレスは削除されています

  • 117スレ主25/05/11(日) 20:42:08

    蜂楽「……だめかあ……」

    天井を仰ぎながら、笑う。
    その笑みは、悔しさと虚しさと、ちょっぴりの情けなさ。

    でも──そのまま、黙ってはいなかった。


    蜂楽「……いいや。立てなくても……俺にできること、探そ」

    蜂楽「足でまといになんか──なるもんか」

    目の奥に宿る光が、もう一度燃えはじめる。

    “蜂楽廻は、ここにいる”。
    それを証明するために、立ち上がれなくても──彼は、動こうとする。


    【蜂楽廻:回復失敗】
    行動制限(移動不可・戦闘困難)
    状態:座位維持/呼吸苦あり
    精神状態:安定(決意により崩れず)
    次フェーズ:“行動不能な中でできること”探索中

  • 118スレ主25/05/11(日) 20:44:43

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊

    千切豹馬

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・ミヒャエルカイザー

    ・アレクシスネス ・黒名蘭世 ・我牙丸吟

    ・雷市陣吾 ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・清羅刃

    ・七星虹郎・剣城斬鉄

    >>119

  • 119二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 20:50:05
  • 120スレ主25/05/11(日) 20:53:10

    >>119 七星で承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 121スレ主25/05/11(日) 21:04:10

    【第八室】七星 虹郎 vs 偽・七星 虹郎


    (……どこ、だっぺ?)

    七星はゆっくりと目を開けた。黒く閉ざされた壁、静かすぎる室内。聞こえるのは自分の呼吸と、心音だけ。

    七星「……これ、夢でも見てる……?」

    訛った声が、ぽつりと漏れる。
    けれど、床に触れた手の感触が“現実”だと教えてくる。

    (変な部屋……ブルーロックの施設、こんなだったべか?)

    頭を掻きながら立ち上がる──と、

    ──ジリ……チチッ……ガ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    七星「は……?」

    困惑の色が、はっきりと顔に出る。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 122スレ主25/05/11(日) 21:06:50

    (……“偽物”? なんだそりゃ……)

    混乱しながらも、ゆっくりと室内を見回す。
    壁際に、何かが立てかけられていた。

    ──農具型の“鎌(カマ)”。

    鋭く、湾曲した刃。見慣れたはずの形状が、“武器”として目の前にあることに、寒気が走る。

    七星「……俺が、使う道具って、こと?」

    無意識に手を伸ばす。
    鎌の柄は木製だが、先端は刃物そのもの。まるで昔から握っていたかのように馴染む。


    そして──背後に気配が現れる。

    七星?「……やぁ、虹郎。よく来てくれたね」

    その声は、自分自身のもの。
    振り返るとそこに立っていたのは──

    ──髪が白く、瞳が濁った“もうひとりの自分”。

  • 123スレ主25/05/11(日) 21:10:32

    七星「“俺の偽物”……?」


    偽・七星は、ニコニコと笑いながら鎌を逆手に持っている。


    七星?「まさか、君が本物で、俺が偽物なんて言わないよね?」


    七星は、構えた。

    その動きに、無駄な迷いはなかった。


    七星「……悪いけど、俺、まだ終われないっす」


    七星「“本物”がどっちかなんて、この鎌で、決めるしかねぇっぺよ」






    ──選別、開始。


    dice1d100=33 (33)

  • 124二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:11:42

    >>123死亡3人目だ…

  • 125スレ主25/05/11(日) 21:20:35

    >>124 天国組が増えてしまいましたね…。

  • 126スレ主25/05/11(日) 21:23:37

    【第八室:選別完了】七星虹郎 ── ロスト


    鎌が火花を散らすたび、空気が震えた。

    七星は静かに、確かに動いていた。鎌の重みを活かした斬撃。腰を落とし、地面すれすれの踏み込み。

    偽・七星も同じ武器を構え、まるで鏡合わせのように対抗してくる。

    (互角……いや、ちょっとずつ押されてる……)

    それでも七星は、一瞬の隙を逃さなかった。

    七星「──もらった!!」

    鋭く振るわれた鎌の刃が、偽・七星の左足を深々と裂いた。

    ガシュッ……!

    七星?「……っ!」

    偽者の顔がわずかに歪む。
    七星の攻撃が、ようやく表情を変えさせた。


    だが──次の瞬間。

    七星?「お返しだよ、“俺”」

    偽者は笑ったまま、──視界の外から振り上げた鎌を、一直線に振り下ろした。

  • 127スレ主25/05/11(日) 21:25:11

    ズバッ……!

    七星「──っ……あ──」


    世界が、ぐらりと傾く。

    目線が、天井を見ていた。
    そして、自分の体が倒れる音を耳で聞いた。

    七星「まだ……やることが……あるのに……」

    視界が白く染まり、意識が薄れていく中で、七星は最後まで、「やり残し」を悔いていた。


    ──それが、彼の最後の言葉だった。

    首が、床を転がった。


    偽・七星は、足を引きずりながら近づいていく。

    ズリ……ズリ…… 血溜まりを踏み越え、倒れた“本物”の亡骸に手を添える。

    七星?「中々やるなあ……でも、やっぱり」

    ジリ……ジジ……ッ

    記憶が吸い上げられていく。
    七星の“優しさ”も“後悔”も、そのまま。

  • 128スレ主25/05/11(日) 21:28:47

    七星『……本物は、俺だっぺ』

    にやりと笑いながらそう言う声に、茨城の訛りが確かに混じっていた。




    しかし──

    扉は、開かない。

    白も黒もない。 ただ、血の赤だけが室内を染めていた。

    蛍光灯が、一度だけチカ……と明滅した。


    【第八室:選別結果】
    七星虹郎:──ロスト
    状態:首切断により即死

    偽・七星:生存
    状態:左足損壊/記憶吸収完了
    扉:未開
    次フェーズ:待機

  • 129スレ主25/05/11(日) 21:34:23

    【???/天国ロビー】天上モニター観察中


    白く淡い空間に、ふわふわしたソファが三つ。烏は横になり、乙夜は胡座、画面の向こうをずっと見つめていた。

    烏「──氷織、やるやん……」

    烏が感心したように唸る。

    乙夜「左腕切られても、冷静だったもんね。やるぅ」

    乙夜も同意するように、無感情っぽく頷く。目はキラキラしていた。

    画面の中で、氷織が静かにトドメを刺す。

    烏「“本物”やな、あいつ……」



    続いて千切の部屋が映る。

    ──瞬間移動のようなスピード、爆速のブレード義足、完封勝利。

    烏「ッッワハハ!!速っっ!!何!?何してん!?忍者ちゃうんか千切も!?」

    千切「さすがクノイチ。テンションアがるわー」

    烏は拍手しながら立ち上がり、手を叩く。

    烏「今日イチ気持ちええ勝ち方やん!この調子で全員ぶっ倒せやあッ!」

  • 130スレ主25/05/11(日) 21:37:34

    ──が。

    次に映ったのは、第八室──七星虹郎。

    素朴な笑顔、互角の戦い、鋭い一撃……そして。


    ズバッ……首が飛んだ。

    烏「──ッあ?」

    乙夜の目が一瞬止まった。

    乙夜「……七星、死んだ」

    烏の肩がビクッと跳ねる。


    烏「いや……いやいやいやいやッッッ!!!」

    烏「なにしとんじゃお前えええええええええええええ!!!!!!」

    天国に響く、地獄のような大絶叫。

    乙夜も少しだけ声を上げた。

    乙夜「ちょっと待って、あれは、悲しい、マジで!」

  • 131スレ主25/05/11(日) 21:40:45

    その時だった。

    空間の奥に、とぼとぼ歩いてくる人影。

    七星「……あ、皆さん……」

    七星虹郎は、申し訳なさそうに頭を下げた。


    七星「す、すみません……俺、負けちゃいました……」

    目は潤んでいて、語尾は弱々しく、まるで怒られる子犬のようだった。

    烏は一瞬むくれて口を開きかけたが──

    烏「……はぁああ……もう、怒られへんわ……」

    肩をがっくり落とした。

    乙夜は七星の頭をくしゃっと撫でて、ぽつり。

    乙夜「でもさ、足斬ったじゃん。ちゃんと、やったよ」

    七星「……ほんとですか?」

    乙夜「うん。あれは、アガった」

    安心したように、七星は少しだけ笑った。

  • 132スレ主25/05/11(日) 21:41:37

    烏がソファに座り直し、ため息。

    烏「もうええ。次は誰が戦うか、しっかり見届けたるわ……」

    七星「俺も……応援します」




    天国ロビーには、また静かな観察時間が流れる。


    死んだって、仲間は仲間だ。
    見届ける目は、地上よりもずっと真剣だった。

  • 133二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:44:38

    大きい数値で勝つほど損傷も少ないのかな

  • 134スレ主25/05/11(日) 21:47:56

    >>133 よくぞお分かりで!ダイス値が高いほど傷を負いにくくなります(なので、40台の蜂楽、雪宮は重傷です)。怪我は今後の進行に影響します(だから、蜂楽と雪宮は動けない)。

  • 135二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:49:54

    千切の数値が高くて喜んでたら七星が…
    ダイスの女神の気まぐれ怖いね
    天国の様子が穏やかなのが救いだよ

  • 136スレ主25/05/11(日) 21:52:39

    【廊下フェーズ】氷織羊 ── 探索中


    廊下には、微かな靴音だけが響いていた。

    壁も床も白。何も語らない、無機質な空間。
    それでも氷織の目は、明確な“目的”を持って動いていた。

    氷織「……乙夜くん、烏……おるなら、偽物の方や」

    扇子を軽く指で回し、鞘に納める。

    (僕が、ちゃんと……終わらせたる)


    その時だった。

    廊下の左手。一つの扉のランプだけが赤く、閉じたままになっていた。

    足が止まる。

    プレートには、うっすらと刻まれている。

    ──《第四室》

    (……乙夜くんの部屋や)


    氷織は静かに、扉に手を添える。

  • 137スレ主25/05/11(日) 21:54:06

    (──まだ、開いてへん)

    それはつまり、「乙夜が選別に敗れたこと」と、「偽物が部屋から出ていないこと」を意味していた。

    氷織は一瞬だけ目を伏せて、小さく微笑んだ。

    氷織「……そこに、おるんやね。待っとき」

    声は優しく、凛としていた。

    氷織「あとで、ちゃんと会いに行くわ」

    手を離すと、もう一度前を向く。


    ──次は、烏の部屋。

    まだ“何か”が残っている。
    それが分かるからこそ、前に進む理由がある。

    氷織「待っててな、烏。……お前の偽物も、僕が──」

    足音がまた、廊下に響く。

    傷口から血が滴り落ちる。
    氷織羊の歩みは、止まらない。

  • 138スレ主25/05/11(日) 22:00:33

    >>135 天国はやかましいくらい賑やかですが、やっぱり寂しいですね。

  • 139スレ主25/05/11(日) 22:04:14

    【第弐室/選別後フェイズ】潔世一 ── 異常感知


    ドクン……ドクン……

    心臓の音がうるさい。
    理由の分からない、胸のざわつき。

    でも、潔はすぐに気づいた。

    (……気配が、ひとつ──消えた)

    瞬間、喉の奥がぎゅっと締まる。

    潔「……七星……」

    確信はない。けれど、身体が理解してしまった。


    次の瞬間、潔は拳を強く握り──

    潔「……クソッ!!!」

    叫びとともに、床を思いきり叩いた。


    拳が割れそうな音。血がにじむ。
    それでも痛みなんて、どうでもよかった。

    (また……仲間が、死んだ──!)

  • 140スレ主25/05/11(日) 22:07:16

    ──ギィ……

    突然、部屋のドアが軋んで開いた。

    潔が顔を上げる。

    潔「……え?」


    そこにいたのは、ショッキングピンクの髪と鮮やかな瞳── 千切豹馬。

    潔「……千切!! 良かった……生きてたのか!」

    潔が声を上げる。涙ではなく、震えた声だった。


    千切はふっと笑みを浮かべた。

    千切「まー……俺の圧勝? っていうか?」

    軽口を叩くその顔に、傷ひとつない。

    千切「完封でぶっ飛ばしてきたわ、“俺”の偽物」

    潔は胸の奥が熱くなるのを感じながら、声を絞った。


    潔「……七星が、やられた」

  • 141スレ主25/05/11(日) 22:10:29

    一瞬、千切の目が静かに細くなった。

    千切「……マジか」

    潔「確信はない。でも……感じた。“いなくなった”って、そう思った瞬間があった」


    千切は軽く息を吐き、壁にもたれながらポケットに手を突っ込む。

    千切「……じゃあ、教えてやるよ。俺が“あいつ”から聞き出したこと」

    潔が顔を上げる。千切の声が、低くなる。


    千切「偽物たちは──もう、外に出てる」

    潔「……!」

    千切「出てるんだ。とっくの昔に。俺たち“本物”だけが、ここに閉じ込められてる。……“あいつ”に、そう言われた」

    潔の表情に、薄い影が落ちる。
    でも、すぐにそれが過去の記憶と繋がった。

    (……そうか、“脱出ゲーム”……)

    あの時の、“またすぐ会える”という言葉。
    “外に出られる”………


    潔「……そういう意味だったんだ」

  • 142スレ主25/05/11(日) 22:13:00

    千切がうなずく。

    千切「俺たちは……ゲームの中じゃなくて、もう戦場にいる」

    潔は、ゆっくりと立ち上がった。
    手に残る血を拭い、拳を固める。


    潔「だったら──ここから出よう。“生きてるやつ”のもとに行く」

    千切も立ち上がる。

    千切「オッケー。次は誰?」

    潔「雪宮の部屋だ。アイツは……きっと生きてる」

    二人は、目を合わせて頷いた。

    そして、並んで“扉の向こう”へと進んだ。


    【第壱室:解放】
    潔世一 × 千切豹馬:──合流成功
    七星の死を共有/偽者の外部進出を認識
    次フェーズ:雪宮剣優の部屋(救援・合流目的)

  • 143スレ主25/05/11(日) 22:14:25

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・ミヒャエルカイザー

    ・アレクシスネス ・黒名蘭世 ・我牙丸吟

    ・雷市陣吾 ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・清羅刃

    ・剣城斬鉄

    >>144

  • 144二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:14:49

    カイザー

  • 145スレ主25/05/11(日) 22:17:33

    >>144 カイザー承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 146二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:19:25

    (すごく楽しんでるんだけど1つだけ…千切のキャラカラーはショッキングピンクじゃなくてビビッドピンクなんだ…言おうかどうか迷ったんだけど気を悪くさせちゃったらごめんね)

  • 147スレ主25/05/11(日) 22:24:30

    >>146 (わああ、すみません!間違えないようにネットで探しながらだったのですが、ビビットピンクだったのですね!教えてくれてありがとうございます!次からこっそり修正します…!)

  • 148二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:25:57

    (ショッキングピンクなのは士道だね)

  • 149スレ主25/05/11(日) 22:28:14

    >>148 (士道!記憶しました!ピンクやら赤やら小豆色やらカラバリが多い…!!!不慣れですみません!)

  • 150スレ主25/05/11(日) 22:32:24

    【第九室】ミヒャエル・カイザー vs 偽・ミヒャエル・カイザー


    カイザー「……随分と、ダサい部屋だな」

    天井の蛍光灯が薄く唸る中、ミヒャエル・カイザーはつまらなそうに口を開いた。黒い壁。窓のない密室。質素で退屈な空間。

    そして──「選別」のアナウンス。

    ──ジジッ、ガ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』


    カイザー「……何様だよ、クソスピーカー」

    笑いながら、壁を指で弾く。

    カイザーー「“選ばれた”? 俺が? ……ハッ、逆だろ?」

    続いて流れた言葉にも、顔色ひとつ変えない。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 151スレ主25/05/11(日) 22:43:51

    ふ、と鼻で笑う。

    カイザー「“本物”の定義を、俺に教えようなんて──いい度胸だな」


    そのとき、視線の先──壁際のスタンドに、一振りの剣が立てかけられていた。

    ──銀のレイピア。
    細身で直線的。斬るのではなく、貫くことに特化した支配者の剣。

    カイザー「……演出は悪くない、気に入った」

    剣をひねるように抜き、ひらりと宙を舞わせる。
    鞘などいらない。カイザーにとってこれは、“手段”ではなく“表現”だ。

    カイザー「さぁ、“俺”。さっさと出てこい」

  • 152スレ主25/05/11(日) 22:45:14

    その言葉に応えるように──

    部屋の反対側から、一人の男が歩み出てくる。


    髪は黒に金のハイライト。そして瞳は赤、目尻は青に反転していた。


    ──偽・ミヒャエル・カイザー。


    表情も、声も、歩き方すらも完璧に“本人”だ。


    カイザー?「……君が“ミヒャエル・カイザー”? 冗談きついよ」


    カイザー「“俺”のつもりなら、せめて話し方からやり直せ、クソコピー」


    目が合った瞬間、空気が張り詰める。



    カイザー「王座に座るのはどちらか。教えてやるよ」


    軽く剣を構える。

    視線は一点。笑顔の奥に、鋭い殺意が宿る。






    ──選別、開始。


    dice1d100=92 (92)

  • 153二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:47:21

    強い!

  • 154二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 22:48:27

    90超え2人目きた!

  • 155スレ主25/05/11(日) 23:04:38

    >>153 >>154 名に恥じない結果を叩き出してくれましたね!

  • 156スレ主25/05/11(日) 23:07:02

    【第九室:選別完了】ミヒャエル・カイザー ── 圧勝


    キィィン……ッ

    レイピアが空気を裂くたび、細く高い音が響いた。
    そしてそれに続くのは、偽者の肉が切り裂かれる音。

    シュッ、ザシュッ、パシン……ッ

    カイザー「ハッ、よく“俺”だなんて言えたもんだな、ヘタクソ♪」

    ミヒャエル・カイザーの剣が、踊るように宙を舞う。
    その軌道には、一分の無駄もない。

    一突きごとに、偽・カイザーの腕、足、頬、胴が切り刻まれていく。けれど、一切の致命傷は与えない。


    カイザー「ほら、反撃はどうした?“天才のくせに”震えてるぞ?」

    カイザー「もっとさ、見せてくれよ。“俺を超える偽物”なんだろ?」

    偽・カイザーは肩で息をしながら、片膝をつく。
    返す刃もなく、ひたすら“王の剣”に翻弄されていた。

  • 157スレ主25/05/11(日) 23:09:49

    カイザー?「……クソ、ッ……」

    カイザー「その言葉、口にする資格があると思ってるのが滑稽だな。“クソ俺”」

    カイザーは剣をクルリと一回転させ、斜めに構えた。
    その目に宿るのは、もう怒りですらない──“飽き”だった。


    カイザー「……もういい。終わりにしよう」

    ス……ッ

    レイピアが、無音で振るわれた。
    次の瞬間──

    偽・カイザーの首筋の動脈が、音もなく裂けた。
    赤い線が、にじむように浮かび上がる。

    カイザー?「──ッ!」

    血が噴き上がる前に、偽者の身体はぐらりと揺れ、真横に崩れ落ちた。

    死に際すら、美しくも無様だった。

    カイザーは、一切の感情を浮かべずにその亡骸を見下ろす。


    カイザー「……あー……余興にもならんな」

    ふぅ……と小さく息を吐き、剣を払う。

  • 158スレ主25/05/11(日) 23:12:42

    部屋は静まり返ったまま。



    ──だが、扉は開かない。

    カイザー「……は?」

    カイザーの目が、少しだけ鋭く細まる。

    カイザー「俺が勝って、見せて、殺して、扉が開かない? ──クソ構造だな」

    死体を一瞥。
    その目に哀れみは一片もなかった。

    カイザー「“本物”は、舞台を選べないってのか?」

    ミヒャエル・カイザーは、暇を持て余した獅子のように、剣の柄を弄びながら次の“観客”を待っていた。


    【第九室:選別結果】
    ミヒャエル・カイザー:──生存
    状態:無傷
    精神状態:安定(やや退屈)
    扉:未開
    次フェーズ:待機

  • 159スレ主25/05/11(日) 23:22:15

    【第参室】潔世一 × 千切豹馬 × 雪宮剣優 ── 合流


    ──ガチャッ

    扉が開く音と共に、薄暗い部屋に足音が響く。

    潔「雪宮ッ!!」

    真っ先に声を上げたのは潔だった。室内の隅、壁にもたれたまま座っている雪宮の姿を見た瞬間、彼は駆け寄った。

    雪宮「……潔くん?千切くんも……来てくれたんだ」

    声はまだしっかりしている。だが、左脚に巻かれた布の隙間からは、赤黒い染みが滲んでいた。

    潔「っ……足、こんな……!」

    雪宮「まぁ……ちょっと、貫かれちゃってね。動けないのが……悔しい」

    雪宮は静かに笑った。けれど、その目の奥は、確かに何かを堪えていた。


    雪宮「それと──伝えなきゃならないことがある」

    少し間を置いて、彼は続けた。

    雪宮「乙夜と、烏。……死んだよ」


    沈黙。潔と千切の顔から、一気に熱が引いた。

  • 160スレ主25/05/11(日) 23:24:53

    千切「……っ……」

    声が出なかった。千切が唇を噛む。
    潔は、拳を強く握りしめた。

    雪宮「氷織くんは、それを察知して──偽物の仇を討ちに行った。……一人で」

    雪宮の目が伏せられる。

    雪宮「……本当は、俺が行くべきだった。でも……動けない。何もできないのは、痛みより、何倍もキツいよ」


    千切が立ち上がる。

    千切「……なら、俺が行くよ」

    言葉に迷いはなかった。
    視線は真っ直ぐ、部屋の扉の先を見据えている。

    千切「今ならまだ間に合う。“偽物ども”をぶっ潰すタイミングがある」

    潔が顔を上げ、頷く。

    潔「……じゃあ、俺は雪宮を連れて行く。蜂楽の部屋まで」

    雪宮が小さく首を振りかけたが、潔は静かに言った。

    潔「“俺たち”は、置いていかない。絶対にだ」

    雪宮「……ありがとう」

  • 161スレ主25/05/11(日) 23:29:07

    雪宮「千切くん。……氷織くんの居場所、教えるよ」

    目を閉じて、深く集中する。
    (……この空間の“流れ”は不自然だ。でも、氷織くんの気配はまだ消えていない。むしろ──動いてる)

    雪宮「第五室を通って、右の廊下……扉を三つ超えた先に、かすかに残ってる。そこだと思う」

    千切「了解。行ってくる」

    千切は背を向け、軽く手を挙げて部屋を出ていった。

    ──残った潔は、雪宮の肩をそっと支える。

    潔「じゃあ、行こう。……歩けるか?」

    雪宮「さすがに無理。でも……支えてくれるなら、大丈夫だよ」

    潔「もちろん。こっちは任せろ」

    潔は雪宮の腕を肩に回し、二人でゆっくりと立ち上がった。

    潔「……氷織が、無茶しないうちに。俺たちも、追いつこう」

    雪宮の体重を支えながら、扉の向こう── 第弐室、蜂楽のもとへと進んでいった。


    【第参室:連携完了】
    潔世一 × 雪宮剣優:第弐室(蜂楽廻)へ移動開始
    千切豹馬:氷織羊の位置へ単独捜索開始
    目的:合流/偽物討伐/戦力再編成

  • 162スレ主25/05/11(日) 23:30:49

    明日から仕事なので、スレ主は入眠します。平日は帰宅まで投稿が非常に不規則(昼休憩と仕事の合間くらいしか更新ができません)になるので、ゆっくり進行ご容赦くださいませ。
    スレは落とさないように頑張ります。

  • 163二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:06:44

    今日も更新お疲れ様です!
    応援してるので無理せずスレ主のペースでやっていってね!
    生き残りの合流メンバーが増えてきたの頼もしいね
    まだ出てないメンバー達もできるだけ生き残ってほしいけどどうなるかな…

  • 164スレ主25/05/12(月) 07:31:50

    >>163 お優しい言葉をありがとうございます!応援、大変励みになります!残りのメンバーや、生き残りメンバーのこの先の運命は、神のみぞ知る…です。

  • 165スレ主25/05/12(月) 08:36:20

    【第弐室】潔世一 × 雪宮剣優 × 蜂楽廻 ── 合流


    ──カチャリ。

    扉の開く音に、蜂楽が顔を上げた。足元に布を巻いたまま、壁にもたれ、目を細めていた彼の表情が──一気にほころぶ。

    潔「……蜂楽!」

    潔の声が響いた。そして、肩を貸しながら慎重に入ってくる雪宮の姿もあった。

    潔「お待たせ、蜂楽。……遅くなってごめん」

    蜂楽はパッと笑って、首を横に振る。

    蜂楽「…ぜーんぜん!…ッおかえり、潔!」

    その笑顔を見て、潔の胸が少しだけ軽くなった。


    潔「……無事で、よかった。呼吸は大丈夫か。無理だけはするなよ…」

    雪宮も、目を細めて蜂楽を見つめた。

    雪宮「……蜂楽くん、肋骨……やったね。だいぶキツそうだけど……」

    蜂楽は指を立てて、ピース。

  • 166スレ主25/05/12(月) 09:38:49

    蜂楽「肋骨、ッげほ、…たぶん折れてるけどね~? まあ……へーき!」

    潔「へーきなわけ、ないだろ」

    潔が眉を寄せて小声で呟く。
    その声に、雪宮も小さく笑った。

    雪宮「潔くんの方が、“肋骨の扱い”うまそうだね」

    潔「なんだその言い方……」

    3人の間に、かすかに温かい空気が流れた。


    けれど、その後──潔の表情が、ふっと陰る。

    潔「……蜂楽。知らせがある」

    蜂楽の目が、少しだけ揺れた。

    蜂楽「……なに?」


    潔「烏と、七星……やられた。二人とも、もう……」

    言葉はそれ以上出なかった。けれど、意味は伝わった。

  • 167スレ主25/05/12(月) 10:38:10

    蜂楽は、ふと視線を落とす。

    蜂楽「……そっか……ッ、烏と……七星も、かあ……」

    雪宮「……俺、気づけなかった。……ごめん」

    雪宮が静かに呟く。
    潔と蜂楽は、雪宮の手をそっと握り、視線を送った。


    潔「七星のやつ、最後までちゃんと戦いぬいたはずだ。だから、謝る必要なんてない」

    蜂楽はそれに頷くように、少し寂しげな笑みを浮かべた。

    蜂楽「……みんな、ちゃんと戦ってるんだね。俺も、頑張らなきゃ」

    潔は、蜂楽の隣に雪宮をそっと下ろす。


    潔「とりあえず、ここで休んでくれ。俺は──ここに残る」

    雪宮「潔くん?」

    潔「重傷者を置いていけるわけない。何かあった時、代わりに戦うのは俺の役目だ」

    言葉に、決意が滲んでいた。

    蜂楽はそれを聞いて、目を細めた。

  • 168スレ主25/05/12(月) 11:33:54

    蜂楽「……潔は、優しいなぁ。でも、そーいうとこ……好きだよ」

    潔「……急に言うなよ、そういうこと」

    顔を背けながら潔が言うと、蜂楽はまた笑った。


    蜂楽「ちょっと部屋、観察してみたんだけど──気づいたこと、あるよ」

    雪宮と潔が目を向ける。

    蜂楽「この部屋、壁にうっすら凹みがある場所が3ヶ所ある。触ると、じんわり“温かい”んだよね」

    潔「温かい……?」

    蜂楽「うん、まるで“誰かがそこにいた”みたいな感じ。生きてるっていうか、残ってるっていうか」

    潔は考え込む。

    潔「……監視……いや、記録? ……いずれにせよ、何かの“痕跡”が残ってる」

  • 169スレ主25/05/12(月) 11:34:25

    雪宮「多分、“待ってる”んだよ。俺らが動くのを」

    雪宮がぽつりと呟いた。


    潔「……じゃあ、動く時が来るまで、準備しておこう」

    蜂楽「うん。きっとすぐだよ」

    3人はそれぞれ、静かに目を閉じた。
    ──心は、もう次の戦場に向いていた。


    【第弐室:待機フェーズ】
    潔世一 × 雪宮剣優 × 蜂楽廻:重傷2名支援のため全員待機
    情報共有完了(烏/乙夜/七星 死亡)
    部屋内部に不審な“温もりの痕跡”あり

  • 170スレ主25/05/12(月) 11:56:08

    仕事中に新しい要素を思いついたので、現在構成整え中です。引き続き物語を楽しみにお待ちください。


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・アレクシスネス

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・二子一揮

    ・閃堂秋人 ・清羅刃 ・剣城斬鉄

    >>171

  • 171二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 12:23:49
  • 172二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 12:27:01

    清羅

  • 173スレ主25/05/12(月) 12:57:35

    >>171 ネスで承りました!

    >>172 次の探索者は清羅にしますね!


    物語を考え、仕事が終わり次第投稿しますのでお待ちくださいませ。

  • 174スレ主25/05/12(月) 17:06:14

    【第十室】アレクシス・ネス vs 偽・アレクシス・ネス

    (……なに、これ)

    黒い壁。無機質な天井。まるで劇場の“裏側”みたいな殺風景な空間。
    アレクシス・ネスは、眉をひそめたまま、宙を見上げた。

    (まさかこんな舞台に立たされるなんて……僕はピエロかなにかなの?)


    ──ジジッ、ピ──……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』


    ネス「……はぁ?」

    (何が“おめでとう”だよ。言葉選びがチープすぎる)

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 175スレ主25/05/12(月) 17:15:27

    ネス「……ふざけないでよ」

    呆れたように肩をすくめる。
    けれどその目は、すでに戦場の空気を読んでいた。

    (“魔術師”は、どんな盤面だろうと演出する側だからね)


    その時、部屋の一角に何かが出現する──

    ──装飾の施されたワンド(魔術杖)と、細身のショートダガー。どちらも重厚な意匠。柄にはマジカルパープルのラインストーン。魔術師という異名にふさわしく、“演出”と“刺突”の両面を担う装備だ。

    ネス「……これ、魔法の杖だ!!ダガーもかっこいい!僕に似合ってるかな?カイザーに見せてみよーっと」

    ワンドを左手に、ダガーを右手に取る。
    指先でくるりと回し、軽く構える。


    その時、室内に現れたもうひとつの気配。

    ネス?「……やぁ、“僕”。会いたかったよ」

    そこに立っていたのは──
    逆転した色の髪、濁った瞳、そして全く同じ笑み。

  • 176スレ主25/05/12(月) 17:20:53

    ネス「ちょっと、いま忙しいんですけど。あとにして貰えます?」


    ネス?「そんなこと言うなよ。君も知ってるんだろ、“本物”を決めなきゃ、出られないって」


    ネス「……はあ、なら僕の魔法で消えてください」


    静かに構え直す。

    紫色の瞳が細められ、表情から一切の茶化しが消える。


    ネス「覚悟しやがれ、その幻想(フェイク)──僕が処理してやります」






    ──選別、開始。


    dice1d100=47 (47)

  • 177二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 17:25:54

    >>176ギリギリ生存だから重傷か…生き残ってくれて嬉しい

  • 178スレ主25/05/12(月) 17:28:20

    >>177 なんとか勝ちましたね! 魔法の杖を見つけて、きっとネスもウキウキだったんでしょう。

  • 179スレ主25/05/12(月) 18:33:47

    【第十室:選別完了】アレクシス・ネス ── 生存


    ──チンッ! チャッ!

    金属がぶつかる軽快な音が、空間に弾けていた。

    ネスは、魔術杖と短剣(ダガー)を左右に交差させ、その場を舞うように立ち回る。

    ネス「やるね、“僕”……でも、読みが甘めーです!」

    鋭い踏み込みから、ダガーで偽者の肩口を裂く。
    だがその瞬間──

    ネス?「──ふふっ、“魔法”って、信じる?」


    偽物の杖が光を放った。

    紫紺の霧がネスの視界を覆い──

    ネス「──っ、!?」


    気づけば、自分のダガーを持つ右腕が、自らの左腕を刺していた。

    ズブッ……!

    自分の手で、自分の腕を──

  • 180スレ主25/05/12(月) 18:39:47

    だが、ネスは笑った。


    ネス「───洗脳性の魔法!? 凄い、本物!!?」

    口元が大きく吊り上がる。

    傷口から血が滴っても、痛みは笑いにかき消されていた。

    ネス「炎は出るのかな!?風なら出るかな…?!魔法って絵本の世界だけじゃなかったんだ!!!わああ、嬉しい!色々試してみたいなあ!!」

    踏み込む。
    目が、完全に獲物を捉えている。


    ネス「──さっさと、死んじゃってください✡️」

    偽物のダガーを奪い、反転させる動きのまま、自分の剣を“偽物の胸”に突き刺した。


    ドシュッ!!

    ネス?「──ッ……!」

    偽・ネスが膝をつき、目を見開く。

    ネス「ふふふっ。ね? ちゃんと“幻想”は壊れてくれるんです」

    ネスは、返り血を浴びながら笑っていた。

  • 181スレ主25/05/12(月) 18:54:53

    偽物の体が崩れ落ちる。

    杖も、ダガーも、光を失い──

    “魔法”は、そこで終わった。


    ネスは、腕の傷を見もせず立ち上がる。

    ネス「こんな舞台も、たまには悪くないよね!また“偽物”と闘えば、魔法が使えるのかな。楽しみだな」


    扉が、開く。

    ギィィ……と軋む音すら、効果音のように聞こえるほどに、ネスは高揚していた。

    そして、血塗れの腕をブンブン振りながら、無邪気な声で言い放つ。


    ネス「カイザーに、会いに行こう」

    そのまま、真っ直ぐに──“皇帝のもと”へ。


    【第十室:選別結果】
    アレクシス・ネス:──生存
    状態:左腕刺傷(自己損傷)
    精神状態:高揚/異常テンション
    扉:開放
    次フェーズ::カイザーの部屋を目指して移動開始

  • 182スレ主25/05/12(月) 18:57:40

    スレ主体調不良で更新速度が下がる可能性があります。ご容赦ください。
    (ネスは精神異常ではなく、シンプルに魔術杖と魔法でテンション上がってるだけなのでご安心くださいませ)

  • 183スレ主25/05/12(月) 19:39:07

    【???/天国ロビー】天上のUNO

    カイザーがレイピアで偽物を斬り裂き、ネスが魔術めいた狂気で胸を貫いていた頃──


    乙夜「はい、ドロー4。」

    烏「ハァ!? 3連続はイジメやろがぁ!!」

    烏がカードをばら撒きながら絶叫していた。

    七星「“UNO”!で、合ってますか…?」

    七星、UNOを宣言。
    だが、カードは手元に沢山残っている。

    烏「七星、お前それ“UNO”じゃなくて“終わり”や」

    烏が突っ込みながら、どんどん手札を積まれていく。


    ……そんな空間に、不意に漂う“焦げた魔力の残り香”。

    乙夜「あ、ネス、今死にかけた」

    烏「はぁ……地上、相変わらず騒がしいな」

    カードを投げ出しながら、烏が空を見上げた。

    次の死者が上がってくるのは──まだ、先のようだった。

  • 184スレ主25/05/12(月) 19:57:52

    【第九室室】ミヒャエル・カイザー × アレクシス・ネス ── 合流


    (──遅いな)

    カイザーは、黒い壁に背を預けたまま、つまらなそうに剣を指で転がしていた。

    偽物はとっくに処理済み。扉は開かない。刺激も足りない。


    ──そのとき。

    勢いよく扉が開いた。

    ネス「カイザー!!お待たせ!!!」

    カイザー「──は?」

    現れたのは、血塗れのネスだった。


    目がキラキラしている。そして左腕からは、明らかにヤバい量の出血が続いていた。

    カイザー「……お前、それ、腕……?」

    ネス「え? あ、忘れてた!刺したんだよ、自分で!」

    カイザー「……?」

    あまりに自然に言うので、カイザーも一瞬理解が追いつかない。

  • 185スレ主25/05/12(月) 20:04:14

    ネス「洗脳魔法で、勝手に自分を刺してたんだ!すごいね、“魔法”って!」


    カイザーはジッとネスの杖を見る。


    カイザー「……じゃあその“魔術杖”、お前にとってはただの棒じゃないのか」


    ネス「ただの棒じゃないよ!魔力っていうか、きっと何かがあるんだよ!」


    カイザー「なら試せ」


    ネス「……え?」


    カイザー「“魔法”が存在するなら、治癒魔法もあるだろ。“自分を癒せる魔術師”なのか、証明して見せろ」



    ネスの目がさらに輝いた。


    ネス「──それ! 最高だねカイザー!!」


    そして、ネスは片手で魔術杖を掲げ、負傷した左腕に向ける。


    ネス「よーし!!回復魔法、発動です!!」


    dice1d100=83 (83)

  • 186スレ主25/05/12(月) 20:16:52

    【第九室:回復試行】アレクシス・ネス ── 成功


    空気が、ヒュウッ……と引き締まった。

    カイザー「……ん?」

    カイザーが目を細めた、その時だった。

    杖の先端が、紫色に淡く輝く。

    その光はネスの左腕にそっと降り注ぎ、血がにじんだ肌を包み込むように、柔らかく――


    ネス「あ……」

    痛みが、消えた。

    刺し傷のまわりに広がっていた痺れと熱が、波が引くようにスゥ……と消えていく。

    服の裂け目の下、肉の裂けた断面が、少しずつ──縫われるように塞がっていく。

    ネス「……魔法、使えた!!!」

    腕をブンブン振りながらネスが大騒ぎする。

    ネス「見て見て!見てくださいカイザー!!腕が治ったよ!!!」

    カイザーはその様子を、無表情でじっと見ていたが── 次の瞬間、ふっ、と笑った。

  • 187スレ主25/05/12(月) 20:30:41

    ネスの興奮が落ち着いた頃──


    カイザー「さて、世一の顔でも見に行くか」

    カイザーは、腰のレイピアを軽く指先で鳴らす。

    ネス「死んでないといいですね、クソ世一」

    カイザー「ハッ、死んでたらゴール下にでも埋めてやるさ」

    ネスは肩をすくめつつ、魔術杖を背に固定する。

    ネス「……もし、死んでたら──“偽物”もゴール下に埋めとこう」


    ──ギィィィ……

    重い金属音を立てて、二人は揃って部屋を後にした。

    次に目指すのは──第弐室、潔世一のいる場所。

    “魔術師”と“皇帝”、並び立つ異色の双星が、次の舞台へと歩き出す。


    【回復成功:アレクシス・ネス】
    状態:左腕刺創→9割回復(動作可能)
    精神動揺:高揚/異常テンション→安定
    異常:魔術杖に微弱な“治癒系反応”の記録追加
    次フェーズ:ミヒャエル・カイザーと共に第弐室へ移動

  • 188スレ主25/05/12(月) 20:32:14

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス
    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎

    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英
    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖
    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟
    ・雷市陣吾 ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・剣城斬鉄

    →清羅刃、選択済

  • 189二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 20:42:37

    >>188清羅がボーダーラインしてくれると信じたい

  • 190スレ主25/05/12(月) 20:43:51

    【第十一室】清羅 刃 vs 偽・清羅 刃


    (……は?)

    目が覚めた瞬間、清羅は天井を睨んでいた。
    コンクリ打ちっぱなしのような無機質な天井。視界をぐるりと回すと、黒い壁、鉄の床、重い空気。

    清羅「……っだれだよ、こんなクッソ味気ねぇ部屋用意したの」

    小さく舌打ちしながら起き上がる。
    身体は無傷。だが、心がざらつく。

    (こんなんじゃねぇだろ……俺が立つ舞台ってのはよ)


    ──ピ……ガガッ……

    その時、頭上のスピーカーがノイズ混じりに唸った。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    清羅「……あ?」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 191スレ主25/05/12(月) 20:48:05

    清羅「──ああ?」

    顔をしかめたまま、立ち上がる。

    清羅「“本物”だ? “偽物”だ? ……燃えるじゃねえか」


    視線を壁に走らせると、ひときわ異様な装備が置かれていた。

    ──大振りの片刃剣(モノブレード)と、金属製の籠手(ガントレット)。

    無骨で重量感のある組み合わせ。けれど、その重さすら「斬り込む理由」に変えられると、彼は知っていた。


    清羅「……やるじゃん。刃を研げ、勝負に備えろ──ってな」

    籠手を装着し、剣を肩に担ぐ。

  • 192スレ主25/05/12(月) 20:50:19

    視線の先、空間の奥から現れる“もうひとりの自分”。


    ──髪の色が薄く、瞳が濁っている。けれど立ち姿も、動きも、構えも──完全に“清羅刃”だ。



    清羅「お前が“俺”……? 笑わせんなよ」


    偽者は口元を歪めて笑う。


    清羅?「ホンモノは、勝つ側にいるやつのことだ。“お前”にそれができるか?」



    清羅はニヤリと笑って剣を振った。


    清羅「あい。じゃあ“勝負”──やろーぜ」






    ──選別、開始。


    dice1d100=15 (15)

  • 193スレ主25/05/12(月) 20:51:03

    >>189 ボーダーライン大きく下回りましたね…。

  • 194スレ主25/05/12(月) 21:08:38

    次スレ立ててきますね。お待ちくださいませ。

  • 195スレ主25/05/12(月) 21:14:48
  • 196スレ主25/05/12(月) 21:17:20

    余談①
    ・ここまでの物語で、ダントツでキャラエミュが難しかったのがネスです(多分違和感が凄いと思います)。次に七星、その次にカイザーです。違和感があると物語に集中できないため、スレ主の勉強不足を恥じるばかりです。

  • 197スレ主25/05/12(月) 21:18:52

    余談②
    ・いままで何やかんやでロスト/発狂を回避してきましたが、実際ロストすると、原作を見る度に「でもこのキャラ死んだんだよな…」と思ってしまう病気にかかりました。

  • 198スレ主25/05/12(月) 21:19:45

    余談③
    ・なんでかっこよく決めたキャラほど死ぬんですかね(烏しかり、清羅しかり…)

  • 199スレ主25/05/12(月) 21:22:00

    余談④
    ・清羅はダイスの女神に好かれてる(いつもボーダーラインぎりぎり狙ってる)イメージでしたが、スレ主の運がないせいでロストしてしまいました。ファンの皆様にはお詫び申し上げます。

  • 200スレ主25/05/12(月) 21:23:22

    余談⑤
    ・最近幻聴/幻覚が発生する時があります。ホラーの書きすぎでしょうか。

オススメ

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