- 1白狼と盾騎士25/05/11(日) 13:26:21
「実はカドックさんに折り入ってご相談があるのですが、よろしいでしょうか?」
「マシュが僕に? 珍しいな……僕に出来ることなら構わないけど」
「はい、ええと……一ヵ月後に先輩の誕生日があるのでその準備をしたいのですが、プレゼントについてはサプライズとしたいのでその助力をお願いしたくて」
「……なるほど、なんで同室のアイツにじゃなくてわざわざ僕なのかと思ったらそういうことか。ただ、僕はプレゼントを選ぶということに自信が持てない……良いものを選びたいとかそういうのであれば■■■■・■■■■に帰ってから他の誰かと───」
「いえ、わたしがカドックさんと行いたいと思ったのです。……その、ご迷惑であるならばもちろん断わっていただいてもよいのですが……」
「───あ、いや。思いのほか、な理由だったから驚いてただけだ。そこまで望まれたならむしろ断る選択肢なんて有り得ないな、手伝うよ」
「ありがとうございます! ただ、その……先輩に内緒で動く、というところが第一関門としてはなかなかに難しいと思っているのですが……どうしましょう」
「アイツ結構麻雀にのめりこんでで結構長いこと遊ぼうとするから、その時にコッソリという形でいいんじゃないか? 必要ならば僕も抜けて合流するよ」
「それは、大丈夫なのでしょうか?」
「あぁ、アイツならともかく僕が抜ける分には問題ないだろう。代わりは誰かいれば頼むし、いなくても三麻をやると思うから気にする必要はないさ。それで、プレゼントの内容はどんなものを?」
「はい、そこが一番の悩みどころです。現状の候補としては───」 - 2白狼と盾騎士25/05/11(日) 13:29:53
「カドックさんカドックさん!」
「どうしたマシュ」
「問題発生です! 実はここだと目的の物が揃わない可能性が生じまして…!」
「ホントか? んー……そうなると■■■■・■■■■に帰ってからにせざるを得ないな」
「ですが……■■■■・■■■■に帰ってからあらためて■■■■■、などとなると流石に先輩に怪しまれ気付かれてしまうのでは……!? せ、せっかくのサプライズが……!」
「アイツ気付かない時は本当に気付かないし多分大丈夫だと思うが……そこまで心配なら、帰ってからの材料集めは僕がどうにかするって手もあるぞ」
「本当ですか!? 本当の本当に本当ですね!?」
「そこまでガッと詰め寄るほどのことか!? とりあえず落ち着けマシュ!」
「約束ですよカドックさん! 先輩に教えてもらった指切りげんまん、今が使いどころとみました!」
「はぁ……やれやれ。わかったよ、約束だ───」 - 3白狼と盾騎士25/05/11(日) 13:32:33
「───マシュ……マシュ・キリエライト」
「はい」
「これで君がAチーム最後の一人だ。その奮闘を期待する」
「はい……はい……!」
「……約束、守れなくてごめん」
「……っ……っ───!」 - 4白狼と盾騎士25/05/11(日) 13:35:29
カドックさん。
わたし、嬉しかったんです。
かつてのカルデアではあまり深められなかった交友を、こうして深められたことが。
あなたからも友と想ってもらえたことが。
……わたしは、これから先輩と一緒にこの旅の続きを歩いていきます。
あなたの期待に応えられるように。
そうしてこの旅が終わった時には───必ず、わたしたち二人であなたに会いに行きますから。
絶対に、またお友達になってくださいね。
今度こそ、約束ですよ? - 5白狼と盾騎士あとがき25/05/11(日) 13:37:12
なんかこう……カドックの手記のメッセージを反芻していたらカド+マシュを書きたくなったから書いた
以上 - 6二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:37:30
つらい
- 7二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 13:46:38
マシュにとっては同じチームの仲間で藤丸にとっては唯一の頼れる先輩マスターだからな。
改めて見ると喪失感が半端ない - 8白狼と盾騎士おまけ25/05/11(日) 14:20:23
「カドックさんカドックさん!」
「どうしたマシュ」
「カドックさんは掃除が得意だとお聞きしました。よろしければどのようにされているのか教えていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「……アイツからか。たしかこの前麻雀で掃除の話になった時にそれらしいことは言ったが……まあいい。マシュが教えを乞うと言うなら、僕も受け継ぐのはやぶさかじゃない。そう、我が家において掃除における宝具という肩書すらある───ゼムルプス棒を!」
「ゼムルプス棒!? 家の名を冠するということは余程重要なものなのでは……そ、それほどのものをわたしが受け継いでよいのでしょうか……!?」
「いや、肩書とか名称は冗談だ」
「(見事な引っ掛かりようだ……いや、僕からマシュにここまでの冗談を言ったことがこれまで無いから当然か)名称とかはともかく、実用性についてはお墨付きだ。他にも僕なりの掃除術について伝授するよ」
「は、はい! よろしくお願いします!」
- 9二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 14:27:51
ちなみに何作ろうとしてたんだこれ
- 10二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 14:28:43
マシュとカドックも仲良かったもんな
なんだかんだ気安い感じがあった - 11二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 14:30:02
マシュとカドック、Aチームの中じゃ年少組になるのかな
- 12二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 15:08:55
カドックがちょっとマシュに対応が優しいのいいよね。
- 13白狼と盾騎士あとがき25/05/11(日) 19:13:08
- 14二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 19:14:20
- 15二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 19:45:42
その時がきたら止めないでほしい
できるのなら止めたいです
大丈夫、止められない
こんな前振りがあってからの大令呪に思い至ってやめて…お願いだから…っていうマシュが辛すぎる - 16白狼と盾騎士おまけ225/05/11(日) 21:13:55
「カドックさんカドックさん!」
「どうしたマシュ」
「今先輩とカドックさんのA'ライブイベントについて近々行えるようスケジュールを組んでいるのですが、カドックさん的にはいつ頃が良いとかありますか?」
「───えっ。いやちょっと待て、話が大きくなったとは思っていたがあまりにも具体的な形を取り過ぎている! いくらなんでも■■■■・■■■■に帰るまでに行うとか本当に性急すぎるし、そもそもアイツはOK出したのか!?」
「先輩からは『カドックに任せる』と穏やかな笑顔で言われました!」
「(アイツ事態の収拾を僕に丸投げしたな……!? くそ、いきなりの事すぎてどうすれば対処できるのかわからない……せめて少しでも時間稼ぎになるような一手は無いか───そうだ!)マ、マシュはどのパートを担当するんだ?」
「えっ? ……えぇっ!?」
「ほ、ほら、僕たちは3人でA'だろ? A'ライブイベントという名目の中でマシュとしてはマネージャーとして動く方針なのかもしれないけど、僕としては僕とアイツだけじゃなくマシュにもメンバーとして参加してほしいと思って……」
「わ、わたしが……!? い、いえ、カドックさんのお願い事とあらば不肖マシュ・キリエライト、お二人の力添えとなれるよう猛勉強します! ただすみません、そうなるとどのパートがわたしに向いているのかとかそのあたりを調べる必要があるためお時間を頂きたく!」
「あ、あぁ、急がなくても大丈夫だ……(ほっ……とりあえずこれで■■■■・■■■■に帰るまではなんとか凌げそうだ)」 - 17二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:16:25
法廷でカドックのやろうとすることに段々と気付いて言葉が弱弱しくなっていくマシュが良くないけど良かったよね…
- 18二次元好きの匿名さん25/05/11(日) 21:40:53
頭の回転の早さもあるけどオフェリアの件もあって少し早めに気づいたんだろうなマシュ…
- 19二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:30:58
法螺貝いってみるか…
- 20二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 00:58:45
マシュは明らかに年少だけど(2000年生まれだし)、キリシュタリアとオフェリアはそう違わない印象がある。
せいぜい2〜3歳上くらいじゃないか?
あとマシュ以外のクリプターはコフィンで丸2年凍結されてた分、外見年齢の差が縮んでるだろうから、本当にほぼ同じくらい相当かもしれない。
- 21二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 01:00:03
まぁ分かるはずもないというか、一つに決めてしまうと可能性が狭まってしまうので、それでいいと思う
- 22白狼と盾騎士おまけ325/05/12(月) 01:17:00
>>19発祥
「カドックさんカドックさん!」
「どうしたマシュ」
「前にお話頂いたわたしのパートの件なのですが、やりたいものが見つかりました!」
「は、早いな……それで、マシュは何をやるつもりなんだ?」
「法螺貝です!」
「そうか、法螺貝か───法螺貝?」
「はい! わたし、これなら他の誰にも負けません! あらかじめ先輩にもお伺いを立てたのですが、快く承諾していただけました!」
「アイツ本当に考えて承諾してるのか!?(……いや、しかしマシュがここまで張り切っているとなると、僕としても意思を汲んであげたいところではある……かと言って法螺貝パートのある楽曲なんてそもそも───そうだ!)
マシュ、これは提案なんだが……オリジナルでいってみないか?」
「オ、オリジナルですか!?」
「あぁ。ほら、バンドでやれる法螺貝パートありの楽曲なんて早々ないだろ? だからってせっかくのマシュの意気込みを無下にするのも忍びない───なら、僕らでもやれる楽曲を創ってしまえばいいんだ。幸い■■■■・■■■■に帰りさえ出来れば音楽家系サーヴァントを呼び出せる。あとは彼らの力を借りながら作詞作曲をし、出来上がった楽曲でライブをやる……そういう流れはどうだろうか。もちろん、一から創る以上練習とかもより多く必要になるとは思うが」
「な、なるほど……! わたしとしては賛成です! A'としてのオリジナル曲なんて、考えるだけでワクワクします! 早速、先輩にもこの話を伝えてきますね!」
「うん、頼むよ。(……とは言ってみたが、法螺貝パートのある楽曲に一家言ある音楽家系サーヴァントなんているのか……?)」