【ホラー注意】おめでとうございます。あなたは、選ばれました。【第十一室】

  • 1スレ主25/05/12(月) 21:10:41

    ──ピー……ガガッ……ジリ……ジリ……


    「……ピー ──これより、“本物”の選別を開始します」

    「各自、自身の“偽物”を── ガガッ 討伐してください」

    「── 生き残った者が、“真実”となります」


    どこかでドアの施錠音が響いた。
    部屋にいるのは、自分と、“自分に似た何か”だけ。

  • 2スレ主25/05/12(月) 21:11:24

    このスレは、ブルーロックの登場人物による戦闘型ホラーSSです。

    舞台は“ブルーロックの1室”。黒い壁紙、窓なし、最低限の家具だけが配置された密室で、外界との接触が絶たれたキャラたちは閉じ込められていました。彼らの前に現れるのは──髪と瞳の色が反転した“もう一人の自分”です。

    ※プレイヤーの選択(安価)/運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点・結末が大きく変化します。
    ※戦闘/ロスト/発狂/特殊描写あり
    ※スレ主の気分次第で救済あり
    ※取り返しのつかない選択も……あるかもしれません。

  • 3スレ主25/05/12(月) 21:12:03
  • 4スレ主25/05/12(月) 21:12:33

    【ルール説明】
    ・戦闘を開始するキャラを選んでください(安価はこちらで指定します)
    ・ダイス値が42以上の場合は生存、40以下の場合はロスト
    ・ダイス値が41の場合、発狂確定
    ・ダイス値が1または100の場合、特殊描写発生

    ※前作『脱出ゲーム』にて、アイテムを『8個』取得しましたので、成功率が8パーセント上昇しております。

  • 5スレ主25/05/12(月) 21:12:57

    ■キャラヘイトを目的とするものではありません

    ■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください

    ■荒らしはスルーします

    ■基本的にゆっくり進行(社畜なので平日は特に)ですのでご容赦ください

    ■感想、質問、イラスト等頂けるとスレ主が大変喜びます

    ■広域ホスト規制に巻き込まれがちです。保守して頂けると幸いです

  • 6スレ主25/05/12(月) 21:14:04

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス
    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃

    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英
    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖
    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟
    ・雷市陣吾 ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・剣城斬鉄

  • 7二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 21:26:33

    建て乙保守!

  • 8スレ主25/05/12(月) 21:30:05

    >>7 保守ありがとうございます!


    【第十一室:選別完了】清羅刃 ── ロスト



    風を切る重い斬撃が、空間を裂いた。


    清羅?「──っ……!」


    清羅の片刃剣が、わずかに偽者の肩をかすめる。

    だが──その一撃は、“致命”には届かなかった。


    清羅「……甘いんだよ」


    偽者の目が、鋭く細められる。


    刹那、空気が唸る。

    構えもなく、足も音を立てず、まるで斜めに走る雷のように──



    清羅「──が……ッ」


    清羅の身体が、肩から腰にかけて“斜めに”裂けた。



    大剣が手から滑り落ち、籠手が宙を回り、床に重く沈んだ。


    斜めに裂けた視界の中で、

    清羅は、かすかに笑ったように見えた。

  • 9スレ主25/05/12(月) 21:31:51

    清羅「……ボーダーライン……ミスったな……」


    ──沈黙。

    清羅刃は、その勝負に敗れた。





    偽・清羅は、血の飛び散った剣を肩に担いだまま、亡骸へと歩み寄る。

    カツ……カツ……

    床に落ちた籠手と剣を、無造作に蹴り飛ばす。

    清羅「……使えねぇな。こんなモン」

    装備をその場に投げ捨て、そのまま、清羅の死体の額に手を当てる。

    ジ……ジジッ……

    記憶が、音もなく吸い上げられていく。

    “負けず嫌い”
    “勝ちたい”
    “ボーダーを越えろ”

    そんな強烈な感情だけが、歪に焼き付けられていく。

  • 10スレ主25/05/12(月) 21:35:31

    清羅『──くだらねぇ“意地”だった』

    呟くと、偽者はその場に胡座をかいて座り込んだ。

    刃物を持たず、もう戦う気配もない。



    そして──扉は、開かない。

    清羅『……次の“本物”、来るまで寝てるか』

    あくびをしながら、静かな牢獄に、ひとり──“影”が待ち構えていた。


    【第十一室:選別結果】
    清羅刃:──ロスト
    状態:肩から腰までの斜断により即死

    偽・清羅:生存
    状態:記憶吸収完了
    装備:放棄
    扉:未開
    次フェーズ:胡座待機(戦闘意欲・知能:高)

  • 11二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 21:44:57

    あああ清羅が…
    ギリギリ狙おうとしすぎて失敗したのかな…悲しい…

  • 12スレ主25/05/12(月) 21:45:27

    【???/天国ロビー】新たな敗者、刃


    ──下界で、斜めに刻まれた“剣の男”がひとり。

    血を残し、敗北を抱えて──
    彼は、ふわりと天国ロビーへと“落ちてきた”。

    清羅「──……あー、負けた負けた」

    ソファに着地するや否や、清羅 刃は伸びをした。

    清羅「俺としたことが……普通にミスった」

    烏「ぬおおおおおおおおおお!?!?」

    真っ先に叫んだのは烏だった。


    烏「お前ボーダーライナーのくせに、めっちゃくちゃボーダー間違えとるやないかい!!」

    清羅「境界線、読もうとしたらズバァッてやられた。完全に甘かった」

    烏「言い訳すな言い訳!!」

    清羅「いや、言い訳じゃなくて事実。勝負の読み違えってやつ」

    乙夜がソファの上で胡坐をかいたまま、清羅へハイタッチを要求。

    乙夜「でもあのデカイ剣、アガったわ」

  • 13スレ主25/05/12(月) 21:50:39

    清羅「だろ?ザッ〇スか、ク〇ウドになった気分だったわ」

    清羅と乙夜、ハイタッチ。2人に新たな友情が芽生える。

    七星が半泣きでツッコむ。

    七星「でも、ちゃんと戦ったんだべ? 流石っす清羅さん……」

    烏「そこ慰めるなや七星ぇぇえ!!」


    清羅はそれを見ながら、頭をポリポリ。

    清羅「……ま、敗けは敗け。次は勝つ」

    乙夜「いやもう、次はないんじゃない?」

    清羅「再戦あるかもしんねーじゃん。選別バグるとか、そういうの」

    烏「お前……前向きやな……」

    天国ロビーは今日も変わらず、ツッコミとツッコまれで騒がしかった。

  • 14スレ主25/05/12(月) 21:52:47

    >>11 清羅「ボーダーラインの見極めに失敗した、まあそんなこともあるよな」とのことです。




    やがて4人はソファに沈み、下界のモニターに視線を戻す。


    清羅「んじゃ……次の奴ら、見守ってくか」


    七星「はい、しっかり見ましょう……“今度こそ”勝てるように」


    烏「よし、誰かの失敗は俺らの血肉や!」


    乙夜「烏、サガるからやめて」



    そして、再び観察が始まる。

    地上に残った“本物”たちの、命がけの戦いを──

  • 15スレ主25/05/12(月) 22:03:11

    【特殊ルール説明】

    ・本物:ダイス成功値(42)を超えた分+補正

    ・偽物:ダイス失敗値(40)を下回った分+補正

    ・本物チームのダイス合計値>偽物のダイス合計値で勝利が確定します

    ・偽物のダイス合計値が上回った場合は………。

  • 16スレ主25/05/12(月) 22:04:46

    【廊下/特殊戦闘前】氷織羊 × 千切豹馬 vs 烏旅人


    白く、長い廊下。
    風のない空間に、微かに足音が響いた。

    氷織「…………」

    氷織は、淡々と歩いていた。
    血の気の引いたような顔、しかしその瞳は──燃えていた。

    (……ここや)

    足が止まる。そこに立っていた男が、顔だけは“知っている”人物だった。


    白髪、赤い瞳……無造作な立ち姿、そして口元に浮かぶ皮肉な笑み。


    氷織「……烏」

    その名を呼ぶ声は、やさしくて、悲しくて、怒りに満ちていた。

    烏は、顔だけ笑った。

    烏『……ああ、なんや氷織』

    氷織「やめーや。そうやって、烏の真似事すんの」

    氷織は、静かに扇子の柄を握る。

  • 17スレ主25/05/12(月) 22:11:40

    氷織「アンタは、偽物や。──烏の仇、打ちに来た」

    扇子がシュルッと開く音と同時に、空気が緊張で張り詰める。

    烏も構える。手にしているのは、────サプレッサー付きハンドガン。

    烏『復讐、か。ええな、そういうの。見てて飽きんわ』


    そのとき。

    「──そこのお嬢さん」

    突然、風が吹いたように背後から声。

    「俺の助け、いるだろ?」


    ビビッドピンクの閃光が、廊下に滑り込む。

    千切豹馬。


    脚の義足が火花を散らし、ピタリと氷織の横に立つ。

  • 18スレ主25/05/12(月) 22:13:32

    氷織は、目を細めて微笑んだ。


    氷織「ふふっ……頼もしいなあ、お嬢さん」


    千切は鼻で笑い、構えを低くする。



    烏『……二人がかりかい。情けないなあ』


    烏は肩をすくめながら、にやりと笑った。


    烏『──まあ、ええわ。2人まとめて、やったるわ』



    三者、武器を構え、沈黙の中で距離を詰める。


    空気が跳ねる直前の水面のように揺れ──






    ──選別番外、開戦。


    烏:dice1d100=84 (84) +33

    氷織:dice1d100=72 (72) +10

    千切:dice1d100=12 (12) +53

  • 19二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 22:17:00

    氷織は大丈夫そうだけど千切やばい…?

  • 20スレ主25/05/12(月) 22:34:04

    【特殊戦闘イベント】氷織羊 & 千切豹馬 vs 烏旅人── 勝利


    廊下に、音のない銃声が鳴り響いていた。

    烏『……ちょこまかと……ッ!!』

    烏が、サプレッサー付きハンドガンを構えて追い込む。


    ──その射線に割り込んだのは、燃えるような閃光だった。

    千切「……お前の遊び、終わりだろ?」

    千切の疾走が、偽・烏の腹部を鋭くえぐる。


    ──だが。

    パン……!

    放たれた銃弾が、千切の左肩を貫いた。

    千切「ッ……ぐっ……!」

    血が飛び、勢いのまま後方へ吹き飛ぶ。義足でなんとか着地するも、左腕は力なく垂れ下がった。

    氷織「千切くんッ!」

    氷織が声を上げる。だが彼の動きは止まらなかった。

  • 21スレ主25/05/12(月) 22:35:42

    千切「……任せる。あと、お前の仇……決めろ」

    その言葉に頷き、氷織は静かに──烏の手から転げ落ちたハンドガンを拾い上げた。

    黒く光るサプレッサー。
    烏が使っていたもの。
    “あいつ”が使っていた、音のない死の道具。


    (烏──僕に、この武器を使わせてくれるか)

    氷織は、銃口を烏に向けた。
    偽者は、銃を奪われたまま、立ち上がりかけていた。


    烏『……へぇ、そっちがそれを撃つんや? なんや、アイロニーやな』

    氷織「違うわ。“儀式”や。お前が使ってた“声”で──終わらせる」

    烏が薄く笑う。
    氷織の指が、トリガーにかかる。

  • 22スレ主25/05/12(月) 22:38:40

    烏『せやかて、それはもう──』


    パン。

    言葉の途中で、銃弾が額を撃ち抜いた。音は小さいが、衝撃は致命的だった。

    烏は、瞬き一つせずに、真後ろに崩れ落ちた。
    その身体がもやのように、静かに消えていく。


    氷織はハンドガンを見つめながら、静かに呟いた。

    氷織「……烏、お前の“声”──ちゃんと、届いたで」


    千切は地面に座り込みながら、苦笑した。

    千切「撃つフォーム、……完璧だったな、氷織」

    氷織「そら、FPSやってるしな」

    ──彼らの勝利は、撃たれた音すら届かぬ静寂の中にあった。


    【戦闘結果】
    偽・烏:完全討伐
    氷織羊:無傷(ハンドガン回収)
    千切豹馬:左肩貫通(中〜重傷/戦闘困難)
    次フェーズ:負傷者搬送/合流候補:潔・蜂楽・雪宮

  • 23スレ主25/05/12(月) 22:43:40

    >>19 偽物と50以上の差がある千切は、怪我からは逃れられませんでしたね。ただ、千切がいてくれなければ、氷織は危なかったので、千切は“ヒーロー”になれたのではないでしょうか。


    というわけで、偽物烏の討伐に成功しましたので、少し早いですがスレ主は寝ます。次に敵討ちに向かうとすれば、カイザーが適任ですが、果たして彼は同意してくれるでしょうか。それでも、同意“させる”のでしょうか。体調が悪化しなければ、明日も仕事ですので、ゆっくり進行ご容赦くださいませ。

  • 24スレ主25/05/12(月) 22:46:08

    安価だけ置いておきますね。


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・オリヴァ愛空 ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟

    ・雷市陣吾 ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・剣城斬鉄

    >>25

  • 25二次元好きの匿名さん25/05/12(月) 22:47:39

    オリヴァ愛空

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 01:21:11

    >>23

    体調不良の中更新お疲れ様でした!

    スレ主の体調の回復が第一なのでゆっくり休んでお大事にしてくださいね!


    氷織と千切が偽物との戦いに勝てて良かった!

    生存してもまだ戦いが残ってるからハラハラしながら見守ってます

    推しが最後まで生き残れますように!!

  • 27スレ主25/05/13(火) 08:20:25

    >>25 愛空で承りました!

    >>26 お優しい言葉をありがとうございます!推しのご活躍及び生存を心から祈っております。


    おはようございます。本日もよろしくお願いします。体調絶不調のため、午後から消える可能性があります、ご容赦ください。

    次戦は愛空、余力の残して勝利できれば本物たちの大きな力になることでしょう。

  • 28スレ主25/05/13(火) 08:22:43

    【第十二室】オリヴァ・愛空 vs 偽・オリヴァ・愛空


    (……これ、やべーな)

    起きた瞬間、愛空はまず部屋の空気を読み取った。
    四方を黒い壁に囲まれた密室。窓なし、換気なし、閉じ込められた感満載の空間。

    愛空「……何この部屋、やる気削がれるわ……」


    天井のスピーカーが、突然ノイズを撒き散らした。

    ──ジ……ガ、ガガッ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』


    愛空「は? 何言ってんのコイツ……」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 29スレ主25/05/13(火) 08:25:36

    愛空は目を細めた。
    一瞬だけ沈黙し、すぐに笑う。

    愛空「へぇー……なるほど。そういう“ゲーム”ね?」


    壁際の装備台に目をやる。そこに立てかけられていたのは、タワーシールドと、曲線の鋭い斧。

    愛空「……俺に守らせたがってんのか? それとも、“殴れ”ってこと?」

    盾を手に取り、重量を確認。
    斧を軽く一振り、風を裂く感触を確かめる。

    愛空「…うん、悪くねーじゃん。動きもバチバチに調子いい。DFっつーより、“FW”の気分だな」


    そのとき──正面の闇から、何かが“歩いてくる”。

    鏡合わせのような立ち姿。
    鮮やかな髪の色も、オッドアイの色も、声のトーンも──だが、どこかが“濁っている”。

  • 30スレ主25/05/13(火) 09:24:47

    愛空?「よう、俺。“チーム”なんて、最初から意味なかっただろ?」


    愛空「おおっと、煽ってくんじゃん? いいぜ、ノった」


    愛空は、にやりと笑った。



    愛空「だけど言っとく。俺は“群れるため”にいるんじゃねぇ、“喰らうため”にいるんだよ。」


    タワーシールドを構え、斧を低く振りかぶる。


    愛空?「いーじゃん、楽しそうな選別(バトル)だな!」






    ──選別、開始。


    dice1d100=72 (72)

  • 31スレ主25/05/13(火) 10:19:59

    【第十二室:選別完了】オリヴァ・愛空 ── 生存


    ──ガキィン!!

    斧と斧がぶつかり合う音が、密室の中に鳴り響く。

    愛空「おっと……いい振りっぷりだな、“俺”」

    愛空は軽やかに半歩後ろへ跳び、タワーシールドで反撃を防ぐ。

    偽・愛空は無言。
    だが、動きに迷いはない。

    (振りが直線的すぎる……でも、読みやすい)

    愛空は小さく息を吐き、斧を振り抜いた。

    愛空「──甘いんだよ、“真似事”はよ!」

    刃が偽・愛空の肩口を掠め、衣服を裂いた。

    だが次の瞬間、偽者は低く身を沈め、反撃を繰り出す。


    愛空「っ──来るよな!」

    愛空はすかさずタワーシールドを正面に突き出す。

  • 32スレ主25/05/13(火) 10:22:07

    ドンッ!

    衝撃が全身に走るが、後ろへは下がらない。

    (ちょっとは痛いけど……こんぐらいなら、想定内)


    愛空「──さて、仕上げと行きますか」

    右手の斧を、グッと後ろに引く。
    偽者の動きが止まる。

    愛空「──オラッ!」

    ブン!

    放たれた斧が弧を描いて宙を飛ぶ。

    偽者は咄嗟に避けようとするが──




    愛空「読んでるって、それ」

    ズブッ……!!

    刃が、額に真っ直ぐ突き刺さる。

    偽・愛空の目が、空を見上げるように揺れ── そのまま、崩れ落ちた。

  • 33スレ主25/05/13(火) 11:21:53

    空気が、やっと静かになった。愛空は軽く息を整えて、ふぅ、と息を吐く。

    愛空「……さて。肩慣らしも済んだことだし──」

    両肩を回しながら、ふらりと扉の前へ。

    愛空「生きてるヤツら、探しに行くか!」


    ──扉は、開かない。

    愛空「……ええ……? いやいや、完璧だったじゃん、俺」

    そう言いつつ、何かを悟ったように苦笑。

    愛空「…んー、なるほどね。“完璧”すぎると、演出が追いつかないわけか」

    ポキポキと首を鳴らし、軽くストレッチを始める。

    愛空「ま、扉が開くまでの暇つぶしってことで……待ってな、他の奴ら。今すぐ合流してやるから」

    その笑顔は、陽気で鋭い── 喰らう準備を終えた“大蛇”の顔だった。


    【第十二室:選別結果】
    オリヴァ・愛空:──生存
    状態:無傷(軽い衝撃のみ)
    精神動揺:安定
    扉:未開
    次フェーズ:軽ストレッチ中/待機

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:42:45

    生き残れてよかった!
    けど、扉が開く人と開かない人の違いってなんだろう?90以上出したメンバーでも、千切は開いてカイザーは開かなかったりしたから単純に数値で決まってる訳でもなさそうだね

  • 35スレ主25/05/13(火) 11:47:13

    【第弐室】集結 ── 戦士たちの情報共有


    蜂楽、雪宮は静かに次の戦闘に備える。いつ、誰が来ようと──自分の最善を尽くせるように。
    潔は2人を守るべく、腰にさしていた日本刀を握った。


    ──カチャリ。

    ふと、扉が開いた。


    千切「……戦士の帰還だ」

    千切が、左肩を押さえながら現れる。隣で心配そうに千切を見つめる、氷織の姿もあった。

    潔「千切、氷織……! 大丈夫か!?」

    氷織「うん、生きとる。……だけど、千切くんは肩をやられた。これ以上闘うのは無理やね」


    続いて扉が開く。

    ネス「…あれ、なんか沢山いますね」

    ネスがひょっこり顔を出す。そして、その後ろから堂々と──

    カイザー「生きてたか世一、ゴール下に埋める手間が省けたな」

    ミヒャエル・カイザー、悠然と登場。

  • 36スレ主25/05/13(火) 11:56:13

    部屋の空気が、一瞬止まった。重傷者を含めた7名が揃うのは、これが初めてだった。

    潔はその瞬間、ハッとしたように目を伏せる。

    (……また……消えた)

    一瞬、温度が抜けるような感覚。心の奥で、何かが“欠けた”のを感じる。

    潔「……清羅が……やられた」

    誰も何も言わずに、うなずいた。もはや死は“珍しくない”空気になっていることが、逆に胸を締めつける。


    雪宮「……まずは、俺たちが知ってる情報を共有しよう」

    雪宮が舵を取り、全員が知っている情報を語り出す。

    ・死亡者は烏、乙夜、七星、清羅
    ・偽物は外に出ている
    ・殺された“本物”の記憶を吸収している
    ・一部の部屋には、壁に“温もり”が残っていた

    氷織「温もり……?」

    ネス「三ヶ所。……刃が死ぬ前と同じ人数です」

    千切「……それってつまり……」


    氷織「まだ、全部“終わってない”」

  • 37スレ主25/05/13(火) 12:01:31

    氷織「そういうことやろ、多分。清羅くんの分、“温もり”が増えとるはずや」

    彼は、腰に差したサプレッサー付きハンドガンを外して、皆の前に置いた。

    氷織「これ、烏の偽物が持ってたやつ。──倒したよ、ちゃんと。」

    千切を除いた一同が言葉を失う。
    けれど、その表情には確かな安心も混じっていた。


    潔「……なら、次は」

    雪宮「乙夜くんの部屋だね」

    潔がうなずく。

    潔「氷織、戦えるか?」

    氷織「うん、行ける。今の僕は──誰にも、止められへん」

    氷織の声には、確かな自信と覚悟が宿っていた。

    (──烏の想い、背負ったまま“次”を倒す。絶対に)

  • 38二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 12:09:33

    ネスたちと合流出来たから負傷者の回復が期待できるな

  • 39スレ主25/05/13(火) 12:11:32

    >>34 ご指摘の通り、扉の解放条件はダイス値だけではありません。基本的には“登場しているキャラ”と“怪我の程度”によって異なります(分かりやすい例で言えば、ネスはカイザーが登場していないと扉が開きません)(蜂楽は解放条件を満たしておりましたが、アバラがやられてるので動けず、扉は開きませんでした)。関係性のあるキャラが登場していれば扉は開くかと思いますが、偽物が放出された場合、もしかすると良くないことが起こるかもしれません。


    >>38 ネスチートなので、どうしようかなーと実は迷ってました。ちょっと考えますね。

  • 40スレ主25/05/13(火) 12:53:27

    カイザー「……ネス」


    ネス「はい、カイザー」


    ミヒャエル・カイザーは壁に背を預けたまま、目だけで合図する。


    ネスは魔術杖をくるりと回し、二歩前に出る。


    ネス「廻、剣優、豹馬。貴方たちは倒すべき敵ではありますが、……それはサッカーの話です。今から僕が“魔法”をかけますから、じっとしててください」


    雪宮「それは……魔術杖?」


    蜂楽「魔法?なにそれ、ワクワクするね!」


    千切「頼むぜ、“魔術師”」



    ネスが魔術杖を構え、静かに──言葉をつぶやく。


    ネス「回復の紫電、肉体よ、今ここに──“リザレクション”」


    (75以上で回復成功)

    蜂楽:dice1d100=45 (45)

    雪宮:dice1d100=46 (46)

    千切:dice1d100=67 (67)

  • 41スレ主25/05/13(火) 13:02:00

    【回復試行:失敗】魔力、枯渇


    ネスの言葉にあわせて、魔術杖が眩しく光った。

    千切、雪宮、蜂楽──三人の前に、紫の光が柔らかく降り注ぐ。

    皆、思わず目を細め──

    ──ピシッ

    あまりにもあっさりと、光が消えた。


    蜂楽「……あれ?」

    雪宮「え?」

    千切「……今、なんか……終わった?」

    千切が半眼で自分の肩を見た。
    雪宮も、蜂楽も、体の状態を確認するが──

    雪宮「うーん……特に変化なし、だね……」

    蜂楽「まだ痛い……」

    ネスはポカンと口を開けたあと、すぐに頭をガクンと垂れた。

    ネス「…………魔力切れ、です」

  • 42スレ主25/05/13(火) 13:07:09

    【アレクシス・ネス:魔術杖】
    ・ダイス値75以上で回復成功
    ・戦闘終了/特殊戦闘終了時に再試行可能
    ・回数制限なし(ネスの心が折れない限り)
    ※ヒーラーはもう1人追加を検討中です。

  • 43スレ主25/05/13(火) 13:11:56

    【選択肢:氷織の支援者をどちらか選択してください】


    潔世一:+16

    ミヒャエル・カイザー:+50

    (氷織:特殊戦闘で補正塗り替え:+29)

    >>44

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 13:13:23

    カイザー

  • 45スレ主25/05/13(火) 13:30:29

    >>44 カイザーで承りました!


    【第弐室:次なる選別へ】氷織羊 × ミヒャエル・カイザー



    雪宮「──で、誰を連れていく?」


    雪宮の問いに、氷織は躊躇わず、扉の方へ顔を向けた。


    氷織「……カイザー。アンタ、来てくれ」



    一瞬、空気が止まった。


    皆の視線が一斉に“皇帝”ミヒャエル・カイザーに集まる。


    カイザーは壁に寄りかかっていたが、ゆっくりと顔だけを向けた。



    カイザー「──は?」


    その声は冷ややかだった。


    カイザー「俺が同行者? 笑えない冗談だな、羊」


    氷織は表情を変えない。


    氷織「アンタが持ってるもん、そんだけ“強い”ってことやろ。だから、頼みたい」

  • 46スレ主25/05/13(火) 13:36:19

    カイザー「断る。どういう風の吹き回しか知らんが、“雑魚でも使えるなら利用する”思想にでも目覚めたのか?」


    氷織「ちゃう。単純に、勝つためや。勝ち筋、僕の中ではアンタが一番“濃い”」



    カイザー「……面白いな」


    カイザーは一瞬、動こうとする──が、再び壁にもたれる。


    カイザー「まだ足りないな。“指名されたから行く”なんて、俺らしくないだろ」


    氷織の表情は変わらない。けれど、左手だけが静かに腰のハンドガンに触れていた。


    氷織「そんじゃ……“決める手段”がいるってことやな」


    氷織が小さく笑う。


    氷織「皇帝さん、駆け引き──しよか」


    カイザーの瞳が細まり、口角が上がる。


    カイザー「……ハッ、俺を連れ出す手段があるとでも?」


    氷織「うん。取っておきのもの、用意してる」


    部屋の空気がピリつく中、二人の間に無言の火花が飛び交う。


    ???

    dice1d100=65 (65)

  • 47スレ主25/05/13(火) 13:48:01

    【氷織羊:説得成功】“取っておき”のもの ──


    潔「……おい、カイザー」

    潔の声は低かった。
    そして、その言葉で、部屋の温度が一気に下がった。

    潔「今ここで断るってのは何だ?“俺は選ぶ側だ”? “気まぐれじゃねぇと動かねぇ”?お前さふざけんなよどれだけの奴が死んだと思ってんだよ乙夜烏七星清羅みんな“戦って”それでも負けた次は誰かが勝たなきゃいけないんだよそうじゃなきゃあいつらの死が意味ねぇだろその戦いにお前が“最適”だから氷織が選んだそれだけの話だ“選ばれたくねぇ”なんてただのガキの駄々だお前は自分が特別で自分が選ぶ側で自分が王様だと思ってるでもな王様ってのは“最初に動く奴”のことだ戦場で偉そうにしてるだけの奴のことじゃねえ“誰かの指示じゃ動かねぇ”って言ってるお前はただの責任放棄だ自分で選ばなきゃ自分を守れないってビビってんのと同じだよ氷織は“お前なら勝てる”って言った俺もそう思ってるここにいる全員がお前の強さを知ってるなのにお前自身がそれを否定すんのか?誰かに認められることが“屈辱”だって思ってんなら、もう“皇帝”じゃねぇよ。王冠、床に落としてるぞだから言うよ。“行け”、カイザー。氷織が信じた“力”を、俺が信じてるこれが命令に聞こえるか?それともただの“願い”か? どっちでもいいけど一つ言っとくここで行かなきゃ──お前が、俺の中で一番つまんねぇヤツになる」

  • 48スレ主25/05/13(火) 13:52:19

    説得が成功しましたので、少しお昼寝します。夕方には更新再開予定です。

  • 49二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 17:29:26

    つよい(小並感)
    さすがです魔王様

  • 50スレ主25/05/13(火) 17:39:57

    沈黙のあと、カイザーはゆっくりと顔を上げた。

    カイザー「……相変わらず、イカれてるな」


    しばらく黙ったまま天井を見上げ──そして、ゆっくりと動き出す。

    カイザー「……クソだるいが、」

    氷織に視線を向ける。

    カイザー「羊、お前が選んだんだ。“俺”を使いこなしてみせろ」

    氷織「もちろん。……頼りにしてるで、“皇帝”さん」


    千切が呆れた顔で小さく笑い、蜂楽と雪宮は顔を見合わせる。ネスは、カイザーの背を静かに見守る。

    潔は最後にもう一度、カイザーの背に向かって言う。

    潔「……頼んだぞ。どっちも、絶対に──生きて帰れ」


    ギィ……と音を立てて開いた。

    そして、氷織とカイザーは並んで、“乙夜の部屋”へと進み出す。

  • 51スレ主25/05/13(火) 17:45:56

    >>49 潔さんには頭が上がりませんね…。



    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾

    ・二子一揮 ・閃堂秋人 ・剣城斬鉄

    >>52

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 17:46:58

    愛空出たし閃堂

  • 53スレ主25/05/13(火) 18:02:38

    >>52 閃堂で承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 54スレ主25/05/13(火) 18:41:37

    【第十三室】閃堂秋人 vs 偽・閃堂秋人


    (……なにこれ、怖……)

    暗い。狭い。静かすぎる。目を覚ました閃堂秋人は、黒一色の壁に囲まれた部屋に一人取り残されていた。

    閃堂「ちょっ、え、ここブルーロックだよな?……ホントに?こわ……」

    自分でぶつぶつ言いながら、じわじわと不安が募る。


    ──ジ……ピ、ガガッ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    閃堂「え……? お、おめでとうって何……?」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    閃堂「えっ……えっ、え!?ちょちょちょ待って!」

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    閃堂「ちょっ……なんか怖いんだけど!?それマジでやるやつ!?」

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 55スレ主25/05/13(火) 18:44:39

    秋人は口元をわなわなと震わせながら、それでもゆっくりと立ち上がる。

    (……ってか、ここで泣いても誰も来ねぇじゃん……俺が動くしかないのか……)

    部屋の中央に置かれていた、銀装飾の細剣(レイピア)と、小型のバックラー(円盾)。どちらも儀礼用のように見えて、よく見れば実戦仕様。

    閃堂「え、なにこれ……なんか“王子様セット”みたいな……でもちょっとカッコいい……」

    照れたように笑いながら、恐る恐る装備する。

    閃堂「よし……OK…………っしゃ……!いける、いけるって! だって俺、やる時はやるって言われてたし!」


    そのとき、空間の奥から──
    音もなく現れるもう一人の“閃堂秋人”。

    閃堂?「やぁ、“僕”。こわいの?」

    閃堂「うわ!?出た!!えっ、えっ、俺!?いや、違くない!?色ヤバくない!?」

    サーモンピンクの髪も、瞳も、色が反転して濁っている。
    だけど笑い方も仕草も、まるっきり“自分”。

  • 56スレ主25/05/13(火) 18:48:10

    偽者がにやりと笑う。


    閃堂?「でもね、君はどうせ、誰かに守られて生きたいだけじゃん?“本物”はね、そういうの全部、自分でどうにかするんだよ」


    閃堂「うっ……うるせぇな……!」


    閃堂は半歩引きながら、それでも剣を前に出す。



    閃堂「誰も助けに来てくれねえから、やんの!こっちは!!」


    閃堂?「やれるの?本当に?」


    閃堂「やれるって言ってんだろぉぉぉぉ!!」


    叫びながら、閃堂は剣を構え──盾を握りしめる。


    閃堂「チヤホヤされたいし!!それ以上に、“負けたくねぇ”んだよ!!」






    ──選別、開始。


    dice1d100=73 (73)

  • 57二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 18:54:32

    カッコいいぞ閃堂

  • 58スレ主25/05/13(火) 19:52:14

    >>57 エースストライカーの意地を見せてくれましたね。愛空も喜ぶのではないでしょうか。

  • 59スレ主25/05/13(火) 19:55:54

    【第十三室:選別完了】閃堂秋人 ── 生存


    閃堂「はぁっ、はぁっ……!!」

    レイピアとレイピアが何度もぶつかり合う。
    繊細な剣先、盾による押し合い、すれ違いざまに服が裂ける。

    閃堂の肩口が破けた。偽者の袖も切れていた。

    閃堂?「チッ……やるじゃん、“僕”」

    閃堂「お前こそ……しぶといな……!」

    互いに距離を取りながら、ゼェゼェと息を吐く。


    (やば……怖……でも、負けたくない……!)

    偽・閃堂が突っ込んでくる。

    レイピアを横薙ぎ──!

    閃堂「……っ!!」

    キィン!!

    閃堂の盾が受け止めた。火花が散る。
    その一瞬の“反動”で、偽者の体勢がブレた。

  • 60スレ主25/05/13(火) 19:57:11

    (──今だ!!)

    閃堂「お前は……“俺”じゃない……!!」

    レイピアの切っ先が、真っ直ぐに伸びる。


    閃堂「俺は……!!」



    閃堂「俺が──閃堂秋人だああああああああ!!」


    細身の剣が、偽物の心臓を正確に突き貫いた。


    偽者の瞳が見開かれ、ゆっくりと崩れ落ちる。
    仮初めの笑顔も、皮肉も、すべて消えて──


    沈黙。

  • 61スレ主25/05/13(火) 20:02:28

    閃堂「……はぁ、はぁっ、はああ……っ……!」

    閃堂は、剣をその場に落とすようにして崩れ、床に座り込んだ。額から汗が滴る。呼吸が乱れ、全身の筋肉がビリビリする。


    閃堂「……やった……マジで、やったぞ俺……!」

    自分自身に向けた“賞賛”を、静かに噛みしめるように、閃堂は笑った。


    ──ギィ……

    部屋の扉が、軋む音とともに開く。
    閃堂は一度だけ深く息を吸い、立ち上がった。

    閃堂「よっし……じゃ、行くか」

    扉の向こう、次に会いたいのはただ一人。

    閃堂「愛空ーー!俺をチヤホヤしてくれー!!!」

    勝利の余韻と共に、閃堂秋人は、愛空の待つ世界へと走り出した。


    【第十三室:選別結果】
    閃堂秋人:──生存
    状態:無傷(衣服の損壊のみ)
    精神動揺:安定/疲労強/士気高
    扉:開放
    次フェーズ:オリヴァ・愛空の部屋へ移動

  • 62二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 20:40:26

    おー、愛空と閃堂合流できそうか
    安心安心

  • 63スレ主25/05/13(火) 20:52:53

    【第十二室】閃堂秋人 × オリヴァ・愛空 ── 合流


    開かれた扉の先。廊下の奥から姿を現したのは、よれよれの制服と、乱れたサーモンピンクの髪。レイピアを脇に抱え、息を切らしてやってきた男──閃堂秋人。

    愛空「おーおー、よく生きて出てきたじゃん」

    壁にもたれた愛空が、どこか楽しそうに笑っていた。


    閃堂「愛空ーー!!俺の完全勝利だった!」

    愛空「やるねえ。こっちは扉閉まったまんまでヒマだったから、ストレッチずっとしてたわ」

    閃堂「ならずっと待っててくれたんだな!生きてる喜びを噛み締めようぜ、愛空ぅう!」

    愛空「おいおい、抱きつくなよ、汗くせーぞ」

    閃堂「うぅ……戦った後なんだぞ……少しぐらいチヤホヤしてくれても……」

    閃堂は膨れっ面をしながらも、笑っていた。
    愛空も、小さく息を吐きながら肩を叩く。

    愛空「でも、マジで凄いじゃん。倒したんだろ?お前自身の偽物」

    閃堂「うん……ちゃんと、俺が“俺”って言えるように、勝った」

    愛空「なら──チヤホヤ、認定してやるよ。流石だな、閃堂」

    閃堂「……へへ、何てったって俺はエースストライカーだからな!」

  • 64スレ主25/05/13(火) 20:57:55

    そんな言葉を交わす二人は、次なる部屋へと向かう準備を進める。


    閃堂「全員、揃ってんのかな」

    愛空「さて、どうだろうな。少なくとも、生きてるヤツらは俺ら以外にもいるはずだ」

    閃堂「……そっか、なら俺らに出来ること、やんなきゃな」

    怖いけど、と呟く閃堂の背中を、愛空が叩く。

    愛空「“勝つ”か、“負ける”か、どっちかだ。俺らのやってることと変わんねーよ。ま、気楽に行こうぜ」


    二人は、開いた扉の向こうへと消えていった。

  • 65スレ主25/05/13(火) 20:59:26

    >>62 2人が加われば大幅な戦力アップが見込まれますね。閃堂と愛空はこのまま仲良くいて欲しいものです。

  • 66スレ主25/05/13(火) 21:12:09

    【???/天国ロビー】勝利の報せ


    烏「──っしゃああああああ!!!」

    烏が、ソファから立ち上がってガッツポーズを決めた。

    烏「やったやんけ氷織!!お前やったやんけ!!ちゃんと倒したやんけぇ!!」

    隣で乙夜がぱちぱちと拍手している。

    乙夜「やるじゃん氷織。扇子も似合ってたし、打ち抜いたのかっこよかったわ、マジアガった」

    七星は涙目になりながら、画面を見つめていた。

    七星「千切さん、肩やられても最後まで速かったっぺ……凄い痛そうだったけど、かっこよかったっす……」

    清羅は腕を組んで頷く。

    清羅「……うん、ちゃんと勝ったな。悔しいけど、俺が届かなかったとこに、あいつらは届いた」

    烏「お前なぁ、死んだばっかで反省モード入っとるけど、割とええこと言うやんけ」

    烏が笑いながら、清羅の頭をわしゃわしゃと撫でる。

  • 67スレ主25/05/13(火) 21:19:11

    ──そのとき、画面が切り替わる。

    モニターには、愛空が斧を投げ、閃堂がレイピアを突き立てる映像。


    七星「……お二人とも、ちゃんと……勝った……!」

    清羅「てか愛空、投げ斧ヘッショって冷静に考えてヤベェな」

    乙夜「閃堂の“俺は閃堂秋人だぁ!”って叫んでたの、わりとキマってたじゃん」

    烏「いや、あれ完全に“ヒーローの決め台詞”だったやろ。ダサかっこいいってやつ」

    七星「にしても……俺たちの偽物だけ強すぎないですかね…?」

    烏&清羅「……同感」

    烏と清羅が同時にぼそっと呟いて、天国組に小さな笑いが起きる。


    乙夜がふと、手を前に伸ばして空に向かってぱたぱたと振った。

    乙夜「頑張れー。俺らの分まで、ちゃんと生きて」

    烏「“勝てる”って信じられるわ。今なら」

    清羅「だな──」 七星「ですね!」

    天国ロビーに、少しだけ、温かい風が吹いた気がした。

  • 68スレ主25/05/13(火) 21:34:15

    【第四室:開扉】氷織羊&ミヒャエル・カイザー ── 乙夜影汰との再会


    ──コン……コン……

    無言の足音だけが、長い廊下に響いていた。

    どちらも一言も発さず、互いに視線を交わすこともない。

    だがその背には、それぞれの“意味”と“覚悟”が、確かにあった。



    たどり着いたのは、《第四室》──
    かつて、乙夜影汰が選別された部屋。

    氷織の足が止まり、カイザーも自然と立ち止まる。

    重く沈んだ空気。
    扉には、ほんの微かな温もりが残っていた。

    氷織「……開けるで」

    低く言って、氷織が扉に手をかけた。

  • 69スレ主25/05/13(火) 21:37:57

    扉が開いた瞬間、二人の目に飛び込んできたのは──



    赤。

    床一面に広がる、血の海。

    その中心に、乙夜の亡骸が沈んでいた。

    目を閉じて眠るように、両手は胸の上で組まれている。だがその身体には、額と心臓を貫かれた苦無の跡。

    その傍らで、座っていた影が、ゆっくりと立ち上がった。


    ──偽・乙夜影汰。

    髪は黒ずみ、前髪の赤が深い毒のように濃く変色している。瞳の色は、夜の底に沈んだままのように赤黒い。


    乙夜『……ちゅーす。やっと来たんだ』

    ゆるく笑いながら、偽物が言った。

    氷織の眉が、微かに歪む。

    氷織「……乙夜くん……」

    だが、すぐに感情を封じる。
    右手には扇子。左腰には、烏から受け継いだハンドガン。

  • 70スレ主25/05/13(火) 21:43:17

    氷織「……僕たちの“乙夜くん”を、返せ」


    カイザーはレイピアをゆっくりと抜きながら、不敵に笑った。


    カイザー「返すも何も、こっちは“最初から”持ってないだろ。なぁ、“影汰”?」


    偽者が小さく首を傾げる。


    乙夜『……だったら、奪い返しに来たってわけか。しかも2人がかりで。…いいじゃん、アガる』



    ──3人、構えを取る。


    空気が、張り詰める。

    床の血が、戦場の境界線になる。






    氷織「──選別、再開や」


    氷織:dice1d100=33 (33) +29

    カイザー:dice1d100=6 (6) +50

    乙夜:dice1d100=66 (66) +18

  • 71二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 21:45:05

    2対1だと勝率ある程度安定するな

  • 72スレ主25/05/13(火) 21:56:14

    >>71 1人だと勝てる可能性が薄かったので、2人に調整しましたが、結構ギリギリなことが多いんですよね。仮に潔だった場合、ダイス値が偽物と同じになっていたので、3人相打ちでロストしてました。勝てる可能性があるキャラを連れていくのが得策だったので、カイザーを選んで正解でしたね。

  • 73スレ主25/05/13(火) 22:12:41

    【特殊戦闘イベント】氷織羊 & ミヒャエル・カイザー vs 乙夜影汰 ── 勝利


    ── 一瞬の沈黙ののち、乙夜の姿がすぅっと空気に溶けた。

    氷織「速っ──!」

    氷織が横へ飛ぶ。同時に、カイザーのレイピアが音を切るように突き出された。

    カイザー「チッ……!」

    偽者は軽やかに床を滑るように躱し、逆にカイザーの背へ回り込む。

    乙夜『背中ガラ空き、襲撃ちゃーんす』

    スッ──

    刹那、カイザーは振り返らずに肘を引き──
    後方へ刺突。偽者は間一髪で苦無を立てるも──

    グサッ!!

    鋭いレイピアが、偽者の左足を貫いた。

    乙夜『っ、くッ──!』

    体勢が崩れる。苦無が一瞬緩む。


    氷織は、その隙を見逃さなかった。

  • 74スレ主25/05/13(火) 22:14:28

    氷織「──ここや!」

    扇子が一閃。

    だが、狙いは“囮”。

    偽者がそれに反応した直後──


    パン。

    氷織の左手に握られたハンドガンが、音もなく火を吹いた。

    弾は、真っ直ぐに眉間を撃ち抜く。

    乙夜の動きが止まる。

    そのまま、ゆっくりと後ろに倒れ──
    “身体が2つに分裂”し、空気に溶けるように、塵と化した。



    ──完全討伐、完了。

  • 75スレ主25/05/13(火) 22:25:07

    (……なんや、いまの)

    氷織は、分裂した姿を怪訝そうに見つめ、転がった二振りの苦無を手に取る。

    カイザーがふぅと息をつき、右腕の袖をまくる。

    カイザー「クソ……かすってたか」

    切創。血がにじんでいるが、深くはない。

    氷織「大丈夫か?」

    カイザー「ああ、問題ない。ただのかすり傷だ」

    鼻で笑いながら、カイザーはレイピアを腰に納める。


    氷織は、床に横たわる乙夜の亡骸へとゆっくり歩み寄る。

    血の中に静かに沈むその体。氷織はしゃがみこみ、そっと手を重ねた。

    氷織「……乙夜くん。……ちゃんと、仇は取ったで」

    声は小さく、けれど確かだった。“僕らが、君の代わりに勝った”──そう、誓うように。

    カイザーが扉の方に目を向ける。

    カイザー「行くぞ、羊。“追いつく”んだろ?他の奴らに」

    氷織が立ち上がり、二人並んで部屋を後にした。

  • 76スレ主25/05/13(火) 22:40:16

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾

    ・二子一揮 ・剣城斬鉄

    >>77

  • 77二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:42:47

    にこ

  • 78スレ主25/05/13(火) 22:55:51

    >>77 二子で承りました!


    本日は寝ますので、物語は明日考えますね。引き続きよろしくお願いします。

  • 79二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:17:41

    お疲れさまです、続き楽しみにしています!!

    無理はなさらず、スレ主さんの負担にならないペースで進めてくださいね〜

  • 80二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 03:29:41

    彗星のごとく現れたスレ主のホラーシリーズ楽しすぎる

  • 81スレ主25/05/14(水) 07:48:27

    >>79 応援ありがとうございます!登場キャラや要素が増えてきた関係もあり、更新ペースは少し落ちるかもしれませんが、頑張りますね!

    >>80 そう言って頂けると、とっても嬉しいです!ずっとSS書きたいと思ってたので、ネタが尽きない限りは投稿を続けたいと思ってます!


    ホスト規制解除されましたので、更新を再開します。本日仕事はお休みなので、午前中はぼちぼち投稿できるかな、と思います。よろしくお願いします。

  • 82スレ主25/05/14(水) 07:53:26

    【第十四室】二子一揮 vs 偽・二子一揮


    目が覚めた時、まず最初に感じたのは、異常な“静けさ”だった。黒一色の壁。窓はない。時計もない。時間の感覚すら失われていく。

    二子「……ここ、どこですか」

    二子はゆっくりと体を起こし、あたりを見回す。
    無機質な空間の中心。彼一人だけが、そこに取り残されていた。


    ──ジ……ガガ……

    唐突にノイズが走る。天井のスピーカーから、無機質なアナウンスが流れる。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』


    二子「……選ばれた?」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 83スレ主25/05/14(水) 08:06:19

    二子「なるほど……、わかりました」


    二子は一歩前に出て、壁際の装備棚に目を向ける。
    そこには三節棍と、軽い防具が整えられていた。

    手に取ると、想像以上に重く、扱いが難しそうだった。だが、彼は表情を変えない。

    二子「選ばれた以上、やるしかありません。……僕は、負けません」

    三節棍を握り、ゆっくりと構える。


    その時、目の前に──現れた、もう一人の“自分”。

    前髪は掻きあげられ、ハッキリと見える瞳は、赤が灰がかっている。声はなく、ただ不気味な“自分”が、二子を見つめ返す。

  • 84スレ主25/05/14(水) 08:37:21

    二子「……あなたが、僕の“影”ですか」


    偽者は武器を抜き、構える。

    二子も静かに構え直す。


    二子「……わかりました、受けて立ちます。あなたに、…“本物”を見せてあげます」


    三節棍が、しなりながら空気を裂いた。






    ──選別、開始。


    dice1d100=62 (62)

  • 85スレ主25/05/14(水) 09:00:42

    【第十四室:選別完了】二子一揮 ── 生存


    ──ギィン……!

    金属がぶつかる鈍い音が、黒い部屋に響いた。

    二子「……ふっ」

    二子は冷静に一歩引き、三節棍を素早く構え直す。目の前の偽・二子も、全く同じ動作で間合いを取り直していた。

    二子「……やっぱり、動きはよく似ていますね。ですが」

    次の瞬間──二子が、踏み込んだ。
    真正面から、距離を詰める。

    だが、偽物の三節棍がうなるように振るわれる。

    二子「……っ!」

    左肩に鈍い衝撃が走るが──それを無視して、

    二子「──届きます」

    二子の三節棍が、鋭く振るわれた。


    偽者の額に、骨が折れるような、嫌な音を立てて命中する。

    わずかに揺らいだような目のまま、偽・二子はその場で崩れ落ち、そして、血の海に沈んだ。

  • 86スレ主25/05/14(水) 09:10:11

    二子「…………はぁ」

    二子はその場に立ち尽くし、深く息を吐いた。

    三節棍を下ろし、左肩を軽く押さえる。ジンとした痛みが残っていたが、それよりも── 手が、少しだけ震えていた。

    (……僕、殺したんだな)

    淡々と処理してきたつもりだった。冷静に、自分の方が“上”だと証明するための戦い。でも、偽者の顔が── ほんの一瞬、“自分の目”に見えた気がした。

    二子「……っ」

    視線を逸らす。
    偽者が倒れている場所を、見ないようにする。


    扉は、まだ開かない。
    静かに壁際に腰を下ろし、背中を預ける。

    二子「……僕は……生き残りました。だから……それで、いいんです」

    瞳を閉じ、誰にでもない言葉を、そっと落とした。


    【第十四室:選別結果】
    二子一揮:──生存
    状態:左肩掠傷(軽傷)
    精神動揺:中(揺らぎあり)
    扉:未開
    次フェーズ:待機

  • 87スレ主25/05/14(水) 09:21:00

    【第弐室】アレクシス・ネス ── 再びの回復施行



    空気が、少しだけ落ち着いていた。激しい戦闘の波が過ぎ、氷織とカイザーも去った後。傷ついた者たちは、黙ってその場に息を潜める。


    ネスは、ゆっくりと立ち上がる。

    そして魔術杖を手に取ると、静かな声で言った。


    ネス「……もう一度回復を試みますから、じっとしててください」


    雪宮、千切、蜂楽──

    三人に静かに杖を向け、ネスが目を閉じた。


    ネス「……力よ、今一度。この命に宿る光を、正すべき道へ。──“リザレクション・コード:0.2”」


    杖が、三方向へと淡く光を放ち始めた。


    魔術師が、再び願う。

    その祈りは、届くのか──



    (75以上で回復成功)

    蜂楽:dice1d100=2 (2)

    雪宮:dice1d100=95 (95)

    千切:dice1d100=40 (40)

  • 88スレ主25/05/14(水) 09:37:42

    【第弐室】雪宮剣優 ── 回復成功


    ネス「……行きます」

    ネスが魔術杖を静かに掲げた瞬間、部屋全体が、うっすらと紫がかった光に包まれた。

    その光はまっすぐに、
    ──蜂楽の胸元へ、
    ──千切の肩へ、
    ──そして、雪宮の“貫かれた右足”へと流れ込んでいく。

    ネス「……っ」

    ネスの額に汗がにじむ。


    杖の先から放たれた光が、一際強く輝いたのは、雪宮の足元だった。

    傷口を覆っていた血が消え、貫通していたはずの筋肉が、繊維ごと編み直されるように再構築されていく。

    雪宮「……っ……!?」

    雪宮自身が、目を大きく見開いた。

    蜂楽「今……これ……治って……」

    千切「ま、マジかよ……?」

    蜂楽も、千切も、そして後ろで見ていた潔も、同時に声を失う。

  • 89スレ主25/05/14(水) 09:41:29

    潔「まじか……おいネス、お前……」

    ネスは息を切らしながら、そっと杖を下ろした。

    ネス「……成功です。剣優の右足──治りました。たぶん、もう問題ないです」

    その声に、雪宮がゆっくりと右足を動かしてみる。


    痛みは、ない。

    雪宮「……動く。……全然、動く。……すごい……」

    ネスは、それを見てようやくふっと笑った。

    ネス「“魔法は絵本の中だけ”──僕、そう思ってたこともあったんですけど……、今だけは、この“魔法”は僕のものです」

    その言葉が、やけにまっすぐに響いた。


    【雪宮剣優:完治→戦闘可能】

  • 90スレ主25/05/14(水) 09:50:51

    【第弐室】回復の奇跡と、再会の余韻に ── 大蛇と王子、到着


    全員の顔に安堵が戻りつつある、そんな時だった。


    入口の扉がゆっくりと開き、現れたのは──

    愛空「おっ、なんか明るい雰囲気になってんね」

    閃堂「無事だったか、お前らあ!!!」

    オリヴァ愛空、そして何故か涙ぐんでる閃堂秋人。


    潔「愛空!!万堂!!」

    閃堂「閃堂!!!閃堂秋人!!!!!」

    愛空「もう万堂でもいいだろ、なんか強そうじゃん」

    場が一気に笑いに包まれる。
    空気はほんのひととき、“戦場”から“チーム”へと戻っていた。


    蜂楽「……みんな、ちゃんと生きて帰ろうね」

    蜂楽が小さく言った言葉に、
    誰もが、黙ってうなずいた。

  • 91スレ主25/05/14(水) 09:52:31

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・馬狼照英

    ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖

    ・糸師冴 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾

    ・剣城斬鉄

    >>92

  • 92二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 09:53:53

    馬狼

  • 93スレ主25/05/14(水) 09:59:59

    >>92 馬狼で承りました!


    物語を考えますので、お待ちください。

  • 94スレ主25/05/14(水) 10:18:27

    【第十五室】馬狼照英 vs 偽・馬狼照英


    ──バンッ!!

    黒い床を、靴が踏み鳴らす。

    馬狼「……なんだ、この部屋」

    目覚めと同時に、馬狼は辺りを睨みつけていた。四方を囲む黒壁。無音。窓なし。空気は異常に重い。

    だが、彼の眉ひとつ動かない。


    ──ピ……ガガッ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    馬狼「……あ?」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 95スレ主25/05/14(水) 10:24:46

    馬狼「……真実もクソもねぇ。俺が生きてる、それが“真実”だ」


    彼がゆっくりと歩み寄ったのは、装備台。そこに鎮座していたのは──黒鉄のバスタードソード。

    分厚く、重く、何より“王の剣”と呼ぶにふさわしい威圧感。


    馬狼「……ハッ、わかってんじゃねぇか」

    片手で持ち上げ、バランスを確かめる。
    二手で構え、空気を裂くように一振り。

    ブゥン……!

    馬狼「これだよ……この重みが、“キング”だろうが」


    その時、空間の奥に気配が走る。
    馬狼がふと振り向くと、そこには──もうひとりの“馬狼”。

    髪色は赤く、黒のメッシュが入っており、閉ざされた海底のように暗い青が馬狼を見つめる。

  • 96スレ主25/05/14(水) 10:27:33

    馬狼?「“王様”って、自分で言っちゃうあたり、滑稽だよな」


    馬狼「──黙ってろ」


    剣を地面に叩きつけるように構える。



    馬狼「“俺”は誰にも縛られねぇ。“俺”がこの世界の中心。この部屋も、お前も、俺の玉座の下に沈めてやるよ」


    戦闘開始を、刃が告げる。






    ──選別、開始。


    dice1d100=42 (42)

  • 97二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 11:01:41

    ヒェ

  • 98二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 11:04:18

    馬狼がボーダーライナーだったか(遠い目)

  • 99スレ主25/05/14(水) 11:14:57

    >>97 >>98 新たなボーダーライナーが誕生しましたね…。まさか成功値ピッタリが出るとは思ってなかったので、結構悩みましたが、物語が整いましたので更新再開します。

  • 100スレ主25/05/14(水) 11:20:16

    【第十五室:選別完了】馬狼照英 ──ギリギリ生存


    ──ズドォン!!!

    二人の体が、まったく同じタイミングで床に倒れ込んだ。


    馬狼「……っは、く……っ……!」

    馬狼の胸元、裂けた制服の下から血が溢れ出している。偽・馬狼の腹にも、黒鉄の剣が深々と突き刺さっていた。

    部屋中に漂う、鉄の匂いと、獣の息遣い。

    馬狼「っ……たれ……がよ……ッ!」

    左腕は折れ、足も動かない。
    深く切られた脇腹が、呼吸のたびに激痛を送る。


    ──馬狼は、笑っていなかった。

    勝ったのに。

    ──“俺”は笑っていない。


    馬狼「っは……ハァッ……はぁ……」

    反転した“自分”の死体を睨みながら、馬狼は、血を吐くように息をつく。

  • 101スレ主25/05/14(水) 11:24:23

    馬狼「チッ……こんな、こんな勝ち方があるかよ……!」

    ガリッと拳を床に叩きつけた。
    指の骨がきしむ音が、耳に響いた。



    馬狼「相打ちみてぇな……クソみてぇな結末が……ッ!“王様”は、圧倒してナンボだろうがああああああああ!!!!」


    部屋に響く、怒りと悔しさの咆哮。
    勝利の雄叫びではない。“理想に届かなかった”男の絶叫だった。



    扉は、開かない。

    ただ、暗い部屋の中で、
    馬狼は、呻きながら壁に背を預ける。

  • 102スレ主25/05/14(水) 11:28:22

    馬狼「……は、はぁ……くっそ……この程度で終わるか……よ……」

    血で濡れた手をぎゅっと握る。
    立てない。動けない。

    それでも、“心”だけは。


    馬狼「……絶対、立ってやるからな……この俺が、“真の王”だ……」

    静寂が戻った部屋の中。
    動かない身体と、燃え尽きない闘志だけが、そこにあった。


    【第十五室:選別結果】
    馬狼照英:──生存
    状態:左腕・両足骨折・深い裂傷
    精神状態:激しい怒り・屈辱・復活への意志強し
    扉:未開
    次フェーズ:待機/部屋内で気力のみで生存中

  • 103スレ主25/05/14(水) 11:40:13

    【???/天国ロビー】── 届いた刃、揺れる誇り、そして生還


    烏「──おおおおおぉぉぉぉ!!!!」

    最初に立ち上がったのは、烏旅人だった。

    烏「見たか!?見たか今の!!氷織とカイザー、見事すぎる連携やんけぇぇぇ!!」

    乙夜「ひゅー、流石過ぎるわ。これでテンションあがんないやつなんていないっしょ」

    隣で乙夜が、目を細めながら呟く。

    乙夜「……いや、ちょっと待って、いざ実際に仇討ちとかされると泣きそうなんだけど」

    烏「いや、さすがに泣いてええやろそれは」

    清羅が身を乗り出して画面を睨む。

    清羅「てか、カイザーあれでよく我慢したよな。ちゃんと協力したじゃん……っていうか、氷織のキル取り方、エグいな」

    乙夜「…グスッ、“最も苦しまず終わらせる一撃”、もはや俺より忍者っぽい」

    七星がぽつりと呟きながら、画面に映る氷織の背中を見つめていた。

    七星「……次、二子くんです」

  • 104二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 11:40:20

    キング…!
    早く合流して回復受けてくれ…!!

  • 105スレ主25/05/14(水) 11:43:01

    場面が切り替わる。
    黒い部屋、二子とその偽物の一騎打ち。

    全員が息をのんだ。

    静かだった。
    だが、二子の動きは正確で、ぶれず、鋭かった。

    清羅「……かっこよ……」

    七星「冷静……なんだけど、“本気”って感じしたっぺ……」


    乙夜「手ぇ震えてたの、見た?」

    乙夜の声に、全員が静かにうなずいた。

    乙夜「怖かったと思う。だけど、それでも勝った。ちゃんと、全部分かってて」

    七星が小さく拍手を送ると、他の全員も自然と手を叩いていた。

  • 106スレ主25/05/14(水) 11:46:30

    そして──画面が切り替わる。
    最後に映されたのは、馬狼照英の“怒りと屈辱の咆哮”。

    烏「……っは、これや……これが馬狼や……」

    烏が思わず立ち上がり、拳を握った。

    烏「ボロボロになってでも勝つ、“キング”の意地──これやろがい……!!」

    清羅が目を見開く。

    清羅「勝ったのに、全然嬉しそうじゃねえ……。“勝ち方”にこだわってる、あの人……」

    乙夜も、少しだけ苦笑した。

    乙夜「多分誇り。“圧倒して勝つこと”が」

    七星は、画面に映る馬狼の呻く姿を見て、ただ一言。


    七星「……それでも、生きててくれて、よかったです」

    その言葉に、全員が静かにうなずいた。


    喜びも、涙も、悔しさも混ざる天国のロビー。

    届かない声を、ただずっと──見守っていた。

  • 107スレ主25/05/14(水) 11:50:43

    >>104 動けない、扉が開かない…そんな危機的状況ですが、幸いなことにユーヴァースのチームメイトが生存しておりますので、彼らに救出をお任せしましょう。

  • 108スレ主25/05/14(水) 11:53:46

    【第十四室室】咆哮の先へ──二子一揮、動く


    二子「……ッ!?」

    二子が小さく息を飲んだ。座り込んでいた黒壁の前で、扉のロックが“カチリ”と外れる音が響いた直後──

    ──その向こうから、猛獣のような怒声が轟いた。

    二子「……今の声……馬狼くん……?」

    ただの怒りではない。
    何かに届かず、引き裂かれたような声。

    二子は立ち上がり、急ぎ足で廊下に出る。


    空間には、まだ怒気の残り香が漂っていた。
    隣室の扉──《第十五室》の前で、彼は足を止める。

    二子「馬狼くん……? いますか?」

    ノブに手をかける。


    ──開かない。

    二子「……施錠……?」

    扉は依然として閉ざされたまま。なのに、部屋の中には確実に“誰かがいる”気配がある。

  • 109スレ主25/05/14(水) 11:58:54

    二子は、手のひらをぐっと握り、扉を強く叩いた。

    二子「馬狼くん!中にいるんですよね!?」

    馬狼「……っ……!」


    室内。その声は、馬狼の耳には届いていた。

    けれど──動けない。

    声を出そうとしても、喉に絡んだ血と痛みで、言葉にならない。

    (チッ……聞こえてんのに……開けらんねぇとか……)

    拳を握りしめようとしても、力が入らない。


    コン、コン──

    もう一度だけ、二子は扉を叩いた。
    返事はない。だが、気配はある。息遣い、体温、何かの“強い感情”のようなもの。

    二子「……大丈夫。……ちゃんと、生きてる」

    彼は扉の前に立ったまま、迷いなく声をかけた。

    二子「馬狼くん、今から助けを呼んできます。少しだけ待っていてください」

    その声は、はっきりと、凛としていた。

  • 110スレ主25/05/14(水) 12:01:29

    二子「……必ず、戻ってきます」

    ひとつ、深呼吸して──二子は走り出した。
    廊下に靴音が響く。迷いのない足取り。

    (“誰かを救う”って、たぶん……こういうことなんだと思う)

    そんな言葉を胸の奥にしまいながら。



    ── 一方、閉ざされた室内。

    動かない体を引きずるようにして、馬狼はわずかに目を開いた。

    馬狼「……はっ……くく……」

    喉から洩れたのは、乾いた吐息とも笑いともつかない声。


    馬狼「……助け……なんざ……」

    血の混じった呼気が、言葉を濁す。

    馬狼「……いら、ねえよ……」

    そう呟いた“王様”の瞳は、誰よりも悔しそうに、そして誇らしげに揺れていた。

  • 111スレ主25/05/14(水) 12:07:35

    スレ主熱があるので、夕方くらいまで寝ます。余談ですが、馬狼の心情を考えたり、表現するのがとても楽しかったです。彼は圧勝じゃないと満足出来ないのかなあと考えてました。あと、安価置いておきますね。


    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】

    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王

    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖 ・糸師冴

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾 ・剣城斬鉄

    >>112

  • 112二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:10:38

    スレ主お大事に
    安価なら二子、馬狼のつながりで斬鉄お願いします!

  • 113二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:49:00

    更新ありがとうございます!
    お大事にしてください…!!

    ちょっと質問なのですが、描写的にみんなの服装は各自の高校の制服で合っていますか?
    冴や愛空など既に卒業しているキャラはどうなんでしょう?

  • 114スレ主25/05/14(水) 16:41:01

    >>112 斬鉄で承りました!

    >>113 高校在籍中のキャラは制服でOKです!卒業してたり制服分からないキャラはスーツを想定してました(偽物は全員スーツのイメージ)!ただ、色々考えている内に描写がブレてるかもしれませんでして…その辺はそっと目を瞑って頂けると大変ありがたいです…


    スレ主虚弱体質ですみません。更新再開しますので、よろしくお願いします。

  • 115スレ主25/05/14(水) 16:53:59

    【第十六室】剣城斬鉄 vs 偽・剣城斬鉄


    ──目を覚ますと、見慣れない暗い部屋だった。

    四方は黒い壁。窓はない。空気は妙に重い。

    斬鉄「……うーん……なんか……“デッドスペース”だなここ」

    ひとまず思いついた単語を口にする斬鉄。
    意味はあまり分かっていない。


    そのとき──

    ──ピッ……ガガガ……

    天井のスピーカーから、ノイズ混じりのアナウンスが流れ始めた。


    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    斬鉄「お、なんか“ノミネート”されたっぽいな」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 116スレ主25/05/14(水) 16:57:54

    斬鉄「それってつまり……俺が……俺じゃなくなる可能性もあるってことか……?」

    思わず口元が引き締まる。

    斬鉄「でも、負けないぞ。俺、そういうの……嫌いだからな」


    斬鉄が壁際に近づくと、そこには──銀色の大太刀が、静かに立てかけられていた。

    斬鉄「…………!男のロマンってやつだな……!」

    手に取ると、意外にも軽い。
    試しに構えると、腕にしっくり馴染んだ。

    斬鉄「これが、“パーソナルブレード”か」

    意味はあやしいが、気持ちは込もっていた。

  • 117二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 16:59:39

    生き残れ

  • 118スレ主25/05/14(水) 17:01:57

    斬鉄はふぅと息を吐き、正面を向く。


    ──その先には、すでに立っていた。

    髪と瞳は影のかかった白、“剣城斬鉄”──偽者が、眼鏡越しに無言でこちらを睨んでいる。


    斬鉄「おお……こいつ……俺に似てるな……でも……違うな」


    斬鉄は剣を構えた。

    体勢を低く、斜めに構え、静かに言う。


    斬鉄「斬るぞ。……俺が、“俺であるために”」






    ──選別、開始。


    dice1d100=34 (34)

  • 119二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 17:11:20

    ギリギリセーフ?

  • 120スレ主25/05/14(水) 17:16:27

    >>119 42が成功値なのでアウトですね!

  • 121スレ主25/05/14(水) 17:26:21

    【第十六室:選別完了】剣城斬鉄 ── ロスト


    ──ガキィン!!!

    金属がぶつかり合う、何度目かの交錯。息を詰めるような攻防が続く中、斬鉄の大太刀が、偽者の右腕を弾き飛ばした。

    斬鉄「よしッ……!」


    だが──

    その直後、偽者の剣が深く、重く、斬鉄の腹を裂いた。


    刃が骨ごと、身体を凪ぐ。
    一拍遅れて、膝が落ちる。
    刃を持つ手に力が入らない。


    斬鉄「……あ……れ……?」

    自分が勝ったと思っていた。
    勝ちたかった。

    だが、目の前の偽者はまだ立っていた。


    傷を負い、片腕を失ってなお──
    その目には、確かな“生”が宿っていた。

  • 122スレ主25/05/14(水) 17:30:47

    斬鉄の身体が、横に崩れる。

    (……くそ、俺……やられたのか……)

    視界が滲む。


    (……二子……凪、……玲王……)

    浮かんだのは、仲間の顔だった。
    強くて、頼れて、ちょっとだけ距離がある、でも、信じられるやつら。

    斬鉄「……すまん、な……」

    最後に呟いたその声は、誰にも届かなかった。



    偽者は、傷ついた体を引きずって、斬鉄の亡骸へ近づく。

    斬鉄?「……“俺”は、お前じゃない。この記憶は、全部もらってやるよ」

    そう言いながら、手を伸ばす──


    ──ビキィッ!!

    目に見えない衝撃が、偽者の腕を弾いた。

    斬鉄?「……!? なんだ……?」

  • 123スレ主25/05/14(水) 17:40:13

    次の瞬間──
    斬鉄の記憶の奥底、意識の“残滓”のような領域に、三つの“存在”が立ち塞がっていた。


    ──「これは、渡せません」
    ──「めんどくさくないし、あげたくない」
    ──「お前に触らせるかよ、“斬鉄の記憶”を」

    “記憶”の中の仲間たちが、無言の圧で偽者を拒絶する。

    斬鉄?「……クソッ、条件が……足りねぇのか……!?」

    怒りを押し殺し、偽者はひとつ深呼吸する。

    扉が、カチリと音を立てて開いた。

    偽・斬鉄は、──大太刀を左手に持ち、無言で扉を出た。
    後ろに、冷えた死体を残して。


    【第十六室:選別結果】
    剣城斬鉄:ロスト
    状態:身体真っ二つにより即死

    偽・斬鉄:生存
    状態:右腕切断/記憶吸収失敗
    扉:解放/次フェーズ:“本物”と遭遇可能性大

  • 124スレ主25/05/14(水) 17:55:48

    【第弐室】王の危機、届く声 ── 走れ、チーム・ユーヴァース


    扉が開いた瞬間、そこにいた全員が、咄嗟に顔を上げた。

    廊下から駆け込んできたのは──二子一揮。
    顔は汗で濡れ、息も荒い。それでも、前髪からのぞく目だけはまっすぐに、強く訴えていた。


    二子「ッ──馬狼くんが……!!」

    声が割れるほど、大きく。

    その瞬間、閃堂秋人と、オリヴァ・愛空が同時に立ち上がった。

    閃堂「え……!?馬狼!?何があったんだ!?!」

    愛空「場所は!?部屋はどこだ!?」

    二子「第十五室!!中にはまだ、閉じ込められたままで!!」

    言い終える前に、閃堂と愛空はすでに走り出していた。

    愛空「行くぞ閃堂!!」

    閃堂「っ、おう!!!」

    二子もすぐさまあとを追う。

    足音が廊下に響き渡る。第十五室へ向けて、──“王様”を見捨てないために。

  • 125スレ主25/05/14(水) 18:33:24

    【第弐室】── 帰還、そして“次”への気配


    氷織「──ただいま、戻ったで」

    低く静かな声とともに、氷織羊が第弐室の扉を押し開けた。その後ろを、少し面倒くさそうな顔でカイザーがついてくる。

    部屋の空気は、先ほどより柔らかく、明るかった。どこか張り詰めていた緊張感が、ふっと緩んでいる。

    氷織「……あれ、雪宮くんの足……」

    氷織の視線が、真っ直ぐに雪宮の右足へと向かう。──血は消え、肉もつき、すでに違和感なく立てる状態。

    蜂楽が笑いながら言う。

    蜂楽「ほんとにすごかったよ!“魔法”ってあるんだな~って!」

    雪宮も小さくうなずいた。

    雪宮「動けるようになったよ。ありがとね、氷織くん。仇……取ってくれて」

    氷織「当然のことしただけや。そっちは、よう耐えたな」

    カイザーはあくび交じりに一言。

    カイザー「死んでなかったか、残念。見応えあるバッドエンドを期待してたのに」

    潔「お前さぁ……」

    潔が小さくため息をつくと、すぐに話を戻す。

  • 126スレ主25/05/14(水) 18:37:26

    潔「……いまさっき、二子がここに来たよ。息切らして、“馬狼が危ない”って。……それ聞いて、愛空と閃堂が走っていった」

    氷織の目がわずかに揺れる。

    氷織「馬狼くんが……」

    潔「二子も一緒に行った。馬狼の状態はわからないけど、たぶん……生きてる。だからこそ、間に合うと思う」

    氷織は短くうなずいた。

    氷織「僕も行くわ。手ぇ足りてへんやろ」

    カイザー「──いや、待て」

    カイザーが声を挟んだ。

    カイザー「今行っても、介入は遅れる。なら──こっちも整えてから動くべきだ」

    氷織「……どういう意味や」

    カイザー「“戦力の整備”。回復、戦略、補填。それが済んでからじゃないと“次”で死人が増えるぞ」

    氷織「……言うやん。まあ、考えとくわ」


    そんな会話の隙間で、雪宮はただ静かに、“戦場にいる仲間たち”を思っていた。

    (……負けるな、みんな)

  • 127スレ主25/05/14(水) 18:53:11

    【???/夢とも死ともつかぬ空間】馬狼照英


    気づけば、視界が白かった。
    重たい体が、ふわりと浮いている。あの血塗れの床も、偽物の死体も、どこにもなかった。

    (……あ?)

    烏「おい、馬狼……!!」

    聞き慣れた声が、前から飛んでくる。

    烏「“こっち”来んなやボケェェェェェェ!!!!」

    烏旅人が正面から正拳突き。

    ゴッ!!

    腹にクリーンヒット。

    馬狼「ッガ……てめっ……はあ!?烏!?」

    烏「死にかけたからって勝手にこっち来ようとすんなや!!お前はそっちで生き残る係やろがい!!」

    次に横から、清羅刃が蹴り飛ばす。

    清羅「クソッたれが!!!“圧倒できなかったから勝ちじゃねえ”って何だよ!!生き残った時点で勝ちだろうが!バカ王様がよ!!!」

    馬狼「ぐっ……てめぇ……蹴りやがったな……!」

  • 128スレ主25/05/14(水) 18:57:20

    後ろから、七星虹郎が静かに棒で突く。

    七星「勝ってくれて、ありがとうだっぺ。でも、そんな顔しないでください……俺、嬉しかったんです」

    馬狼「……お、お前まで……!?」

    最後に、ぬるっと現れた乙夜が、耳元でささやく。

    乙夜「キング、“ここ”まだお前の席ないから」

    馬狼「チッ……ふざけんな……」

    乙夜「じゃあね、──また、ずっとずっと先でね」




    そして──

    全員に後ろから思いっきり押される。

    「落ちろ馬狼ォォォォ!!!」

    「帰れえええええええええ!!!!」

    「まだ死ぬなアホ王様あああああ!!!」

    「生きてこそ“王”だっぺえええええ!!」

    ズドォォォン!!!!!!

  • 129スレ主25/05/14(水) 19:47:21

    【現実/第十五室】


    馬狼「……っ、かはっ!!」

    馬狼照英、激しく咳き込んで目を覚ます。

    口の端から血を垂らしながら、荒い息。


    頭がまだぼんやりするが──
    耳に、微かに“あいつらの声”が、まだ残っていた。

    馬狼「……あの野郎ども……マジでぶっ飛ばす……!」

    そう悪態をつきながら、わずかに口元がゆがんだ。



    笑っていた。

    まだ、終わっていない。


    馬狼照英:依然動けないが気力回復
    精神状態:やる気MAX/謎の友情感増加中

  • 130スレ主25/05/14(水) 19:49:46

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王

    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・士道龍聖 ・糸師冴

    ・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾

    >>131

  • 131二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 19:52:04
  • 132スレ主25/05/14(水) 20:16:39

    >>131 士道で承りました!


    物語を考えましたが、スレ主は士道龍聖がどういう人間なのか、なぜサンタを恨み、一日の終わりに涙を流すのか、理解ができていない部分が多いです。そういう所が彼の良さでもあるのだと思いますが……。その点ご容赦くださいませ。

  • 133スレ主25/05/14(水) 20:20:57

    【第十七室】士道龍聖 vs 偽・士道龍聖


    ──暗闇に、破裂音のような笑いが響く。

    士道「……ッハハハハハハ!!!」

    黒い部屋。無音。無彩色の空間。

    それなのに、士道はその目をギラつかせ、興奮を隠そうともしなかった。

    士道「やば……これ、やべぇじゃん……!!」


    ──ピッ……ジジ……

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    士道「ッハッ、まじで?チョー面白ぇ!!」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    士道「うんうんうん、“本物”ってワード、めちゃめちゃイイ……!“自分”を殺して、“自分”になるってことだろ!?最高じゃん!!!」

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    士道「ウッハァ……やっば。自分殺し、自分成り……?俺が俺を殺す?──爆発、起きるわコレ。絶対起きるわ。魂がチリチリしてきたもん!」

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 134スレ主25/05/14(水) 20:24:23

    士道「よっしゃあああ!!この選別、ぶっ壊してやるぜ!!」

    言葉の意味も整合性も関係ない。
    “この状況”が、彼の全神経を爆発的に高ぶらせていた。


    部屋の角、そこに置かれていたのは──

    漆黒のスパイクメイス。

    鉄球に無数の棘。持ち手には重量制御のギミック付き。それを手にした瞬間、士道の笑顔がさらに跳ね上がった。

    士道「……ヤッッッッッッベ!!!カッコイイ!!!俺、これ似合うよな!?爆発って感じするよなこれ!!?」

    振り回せば音が鳴る。打ちつければ凶器になる。
    脳が直接“力”に歓喜していた。


    そして──

    その気配に、自然と目が向く。

    部屋の対面。そこに立っていたのは、強烈なショッキングピンクの髪に金色が混ざる、澄み渡る空のような色の瞳を持つ“士道龍聖”。

  • 135二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:25:14

    >>114

    服装了解です!想像が捗ります〜

    スーツかっこいいですね…ありがとうございます!!

  • 136スレ主25/05/14(水) 20:27:46

    >>135 制服姿も学生らしくていいですが、スーツ姿も良いですよね!次作から整合性がとれるように引き続き気をつけます!

  • 137スレ主25/05/14(水) 20:29:47

    偽物は、にやりと笑った。


    士道?「……お前、興奮してんな。どうした、殺りたくて震えてんのか?」


    士道「ア゛アアアアア~~~~~~!!たまんねぇ~~~~~~!!!」


    士道は武器をぐるんと回し、スパイクメイスを肩に担ぐ。


    士道「“俺”とか“お前”とか、もうどーでもいい!!ここで、魂ごとぶちまけて!吹き飛ばして!爆発すんのが、マジで最っっっっっ高~~~~~~!!!」



    ──構えた。


    瞳に炎のような輝き。

    全身が喜びに打ち震える、“殺し合い”を前にした表情。






    ──選別、開始。


    dice1d100=94 (94)

  • 138二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:30:54

    流石すぎる

  • 139二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:30:54

    ヤッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアア流石ワイの推しィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ

  • 140二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:31:53

    偽物ミンチになってそう

  • 141スレ主25/05/14(水) 20:40:37

    【第十七室:選別完了】士道龍聖 ── 圧勝


    士道「──遅い!!」

    ガッシャァァァァン!!!

    床をえぐるほどの音が響いた。
    スパイクメイスが振り抜かれ、偽・士道の腹を捻じ曲げるように叩き潰した。

    士道?「ぐ、ッ──あっ、が……!!」

    士道「お前、“俺”のクセに、その程度のテンションかよォォォ!!!!??」

    偽者が咳き込んで膝をつく隙を、士道は一切与えなかった。

    士道「──ッらあ!!!!!」

    追撃。鉄球が頭を跳ね上げ、壁に激突させる。
    骨の砕ける音が、はっきりと聞こえた。

    それでも、偽物は言葉を吐こうとする。

    士道?「な……なんで……俺の方が、冷静で、効率的で──」

    ゴッ!!

    士道「──効率!?!?!?」

    鉄球が今度は地面に叩きつけられ、偽者の腕ごと砕く。

  • 142スレ主25/05/14(水) 20:42:37

    士道「俺が欲しいのはなァ!!!」

    スパイクメイスを振り上げ、刃が鈍く光る。

    士道「“理性”とか“器用さ”とか、そういうのじゃねぇんだよ……!!!爆ぜるまでの昂り!ぶつかり合う痛み!!──魂が爆発すんのを、俺は求めてんだよッッッッ!!!!!」



    ドッ!!!

    最後の一撃が、偽者の頭を砕いた。
    黒い床に、血が飛び散る。

    士道は、ぜえぜえと肩で息をしていたが──


    ……すぐに、顔をしかめた。

    士道「……クッソ……つまんねぇ……」

    戦いの余韻など、そこにはない。

    圧倒。蹂躙。完全勝利。

    でもそれは、士道にとってはただの退屈な消化試合だった。

    士道「はあ~~~~~~~ッ!?!?爆発力ゼロ!!バイブスも感情も死んでんじゃん……!!」

  • 143スレ主25/05/14(水) 20:45:03

    扉は、開かない。


    士道「……はぁ、マジで冷める……。なあ、冴チャン、リンリン──」

    壁に背中を預け、スパイクメイスを肩に立てかける。


    士道「生きてっかな~~~……」

    瞳だけが、静かに燃え続けていた。
    “本当の爆発”をくれる誰かが、まだこの中にいるはずだと信じて。


    【第十七室:選別結果】
    士道龍聖:──圧勝
    状態:無傷
    精神動揺:退屈/落胆/期待だけは残る
    扉:未開
    次フェーズ:待機/次なる“爆発”を求め、士道は誰かの名を呼び続ける

  • 144スレ主25/05/14(水) 20:48:11

    >>138 >>139 >>140 ご希望通りミンチにしておきました!次戦でも活躍が期待できますね!

    士道「ちょ~〜〜暇、次は強いヤツよろしくな」とのことです!

  • 145スレ主25/05/14(水) 20:57:22

    【天国ロビー・その手前】── 剣城斬鉄、現在地不明


    斬鉄「……あれ?ここ、“天界ゲートウェイ”だったか……?」

    ふわふわとした光の中。
    霧のような床をふらつきながら歩くのは、眼鏡をかけた剣城斬鉄。

    手には持ってきた覚えのない紙コップ(中身は謎のジュース)。

    斬鉄「ていうか俺、今……どこにいるんだ?“天の迷宮”……?違うな、“天の爪痕”……?」

    言葉の意味は、本人もわかっていない。

    とにかく、それっぽいことを言いながら、真逆の方向に歩いていた。


    その後方、遥か遠くのロビーでは──

    乙夜「斬鉄、全然来ないんだけど」

    七星「今、どこで迷ってるんでしょう……」

    烏「“死んでから迷子”とか斬鉄らしいわ……」

    清羅「誰か迎えに行ってやれよ!!」


    剣城斬鉄、現在天国で絶賛迷子中──
    天国組、探索検討中……かもしれない。

  • 146二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:57:26

    圧勝!無傷!!強すぎるだろこの悪魔

  • 147スレ主25/05/14(水) 21:00:39

    >>146 ダイスの女神、しっかり原作守ってきましたね。未開の扉もたぶん壊せると思いますが、士道無双が始まってしまうので、少し大人しくしててもらいましょうね。

  • 148スレ主25/05/14(水) 21:04:23

    【第十五室前】── "王様"、救出


    愛空「ここか……!」

    廊下を駆け抜け、三人は第十五室の前に立った。

    愛空「やっぱ開いてねえな……!」

    二子がドアノブを回すも、完全にロックされている。

    二子「……愛空くん?」

    愛空「任せろ、俺は突破力も一流なんでね」

    愛空が背負っていた斧を取り出し、逆手に構える。

    左手には盾──それをドアの蝶番に叩きつける。


    ガンッ!!ガンッ!!バキィン!!
    三発目で、扉は粉砕された。

    閃堂と二子は、一瞬事態を忘れて拍手。

    閃堂「うおおー……」 二子「すご……」

    愛空「お前ら、今はシリアス場面!!」

    二子「すみません……!」

  • 149スレ主25/05/14(水) 21:08:15

    愛空が真っ先に室内へ飛び込む。
    その先で、視界に飛び込んできたのは──

    血まみれで、壁に倒れかけている馬狼照英。

    両脚、曲がらない角度。
    左腕は不自然に腫れ、右腕は力なく垂れている。


    愛空「──バロちゃん!!!」

    叫びながら駆け寄る愛空。
    視線が合った瞬間、馬狼の口元がわずかに動いた。

    馬狼「……くたばって……たまるかよ、こんな所で……」

    吐き捨てるような声。


    だがその奥に、確かに生きた意志があった。

    馬狼「……さっき、会ったんだよ……“あいつら”にさ……」

    愛空「──あいつら……?」

    馬狼「……清羅と、烏と、乙夜と……七星までよ。“こっち来んなバカ王様”って……全員で追い返されてきたわ……」

    そう言って、ほんのわずかに、笑った。

  • 150スレ主25/05/14(水) 21:11:26

    愛空が歯を食いしばってうなずく。

    愛空「……分かった。回復が先だ、あとは俺たちがなんとかする」

    馬狼「……あぁ……任せた」

    ゆっくりと、馬狼の体を抱き上げる。
    血で滑るのも構わず、がっしりと両腕に抱える。


    愛空「……バロちゃん、今だけは大人しく運ばれて。──“王様”の帰還、ちゃんと見届ける人間、まだ残ってるからさ」

    馬狼「チッ……言わせとけよ……」


    その言葉が、感謝か、照れ隠しか。
    愛空はもう何も言わず、そのまま馬狼を抱え──

    第弐室へと、歩き出した。

    閃堂と二子もすぐにあとを追い、三人の影が、廊下に伸びていく。

  • 151スレ主25/05/14(水) 21:18:44

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王

    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・糸師冴 ・黒名蘭世

    ・我牙丸吟 ・雷市陣吾

    >>152

  • 152二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:18:58
  • 153スレ主25/05/14(水) 21:21:02

    >>152 冴で承りました!


    物語を考えます。もちろん全員生きていて欲しいのですが、冴兄ちゃはスレ主の推しなので是非頑張っていただきたいです。

  • 154二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:21:34

    士道無双は草 千切カイザーと並んで偽物スレイヤー(デストロイヤー)結成できそう

  • 155スレ主25/05/14(水) 21:34:57

    >>154 千切豹馬!ミヒャエル・カイザー!士道龍聖!我ら、絶対偽物殺すマン!偽物スレイヤー(デストロイヤー)!士道はノリノリで名乗りあげてくれそうですね!

  • 156スレ主25/05/14(水) 21:38:56

    【第十八室】糸師冴 vs 偽・糸師冴


    視界が暗くなる。次に目を開けた時、糸師冴は黒い壁に囲まれた無機質な空間に立っていた。

    (……またこれか)

    状況の異常さに、驚きも困惑もない。
    彼はすでに、分析に入っていた。


    ──ピッ……ジジ……

    天井から、ノイズとともにアナウンスが流れ始める。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    冴「“選ばれる”……」

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    冴は、唇をわずかに歪める。

    冴「自分と戦え、ってことか」

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    冴「安っぽい設定だな」

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 157スレ主25/05/14(水) 21:43:22

    彼は黙って壁際に歩いた。


    そこに置かれていたのは──銀の指揮杖。

    一見、地味な魔術具。
    しかし、触れた瞬間、冴の脳内に一気に情報が流れ込んできた。

    ──神経干渉系/細胞修復/情報演算/行動最適化/アシスト・サポート特化構造──

    冴「……なるほど。“魔法”ってやつか」

    軽く杖を振ると、光の粒子が音もなく浮かんだ。


    彼の背後に、無数の数字が一瞬だけ浮かび、消える。

    ──109221.32.76.100──
    ──接敵タイミング:予測ズレ±0.04──
    ──必要魔力量:79.12% 最適条件:位置C2──


    冴は杖を片手に、部屋の奥を見る。

    すでにそこには── “糸師凛”と同じ髪色の“糸師冴”が立っていた。

  • 158二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:46:34

    冴 髪色と眼的に魔女っぽいよね

  • 159スレ主25/05/14(水) 21:47:34

    冴「…………凛。…いや、“俺”か。紛らわしい髪色しやがって」


    偽者は無言。


    冴はほんの少しだけ眉を上げ、

    ゆっくりと杖を構えた。


    冴「“魔法”をかけてやる。お前の存在、まるごと消し飛ばしてやるよ」


    “至宝”は冷たく、静かに、“最も効率的な勝利”を狙う。






    ──選別、開始。


    dice1d100=10 (10)

  • 160二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:48:02

    悲鳴

  • 161スレ主25/05/14(水) 21:48:06

    推しが死にました。

  • 162二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:49:50

    士道……壁蹴破って何とかしてくれないか??(白目)

  • 163二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:51:10

    そんな…
    しかも烏に次いで低い数値じゃない…?

  • 164二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:55:08

    兄ちゃ………かっこよくキメたのに………

  • 165二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:56:56

    士道、出れたらそいつデストロイしといて……

  • 166スレ主25/05/14(水) 22:01:09

    >>158 原作の演出がよく似合いますよね。


    >>160 >>162 >>163 >>164 >>165

    ………………ロストはロストです。スレ主泣きそうですが、物語を考えました。もう1人の推し、凛ちゃん……お前は死ぬな………絶対に………。そしてヒーラーが死にましたので、ネス1人で頑張ってもらうしかありません。よろしくネス。兄ちゃのかっこいい回復施行考えてたんですが、残念ながらお蔵入りです。

  • 167スレ主25/05/14(水) 22:04:00

    【第十八室:選別完了】糸師冴 ── ロスト


    戦闘は、冷静な判断の連続だった。
    指揮杖《クアドラ・コード》は、冴の脳に戦場情報を送り続ける。

    ──距離:4.22m/敵動作予測:Aパターン
    ──干渉魔法発動率:61%/補助効果適用時間:6.8秒

    そのすべてを、冴は的確に操作し、捌いていた。

    だが、違和感があった。

    冴「……計算が……ズレてる?」

    ほんの一瞬。わずかに、予測ラインから逸れる軌道。

    (情報が……おかしい)

    偽物の杖が光った瞬間──冴の全身に拘束呪が突き刺さった。

    冴「っ──……!」

    身体が動かない。反射制御に遅延が走る。

    冴「くそ……!」

    冴は無言で魔力を注ぎ、反転干渉を試みるが──

    間に合わなかった。

  • 168二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:04:17

    フランス戦でイマジナリー兄ちゃ出てたし凛ちゃんのダイスが素晴らしければイマジナリー兄ちゃワンチャン…?

  • 169スレ主25/05/14(水) 22:08:16

    鋭く伸びた魔法の矢が、腹部を貫いた。

    そして──胸を、心臓を、貫いた。


    糸師冴は、崩れ落ちるように膝をついた。

    冴「……やられたな。完璧に……」

    口から赤い液体がこぼれる。

    それでも、取り乱すことはなかった。


    ただ、最後に一度だけ、目を細めて、名前を口にする。



    冴「……凛……」

    脳裏に浮かぶのは、“弟”の顔。

    ふっ、と少しだけ口元が緩み、──瞳が閉じた。

  • 170スレ主25/05/14(水) 22:15:27

    冴の亡骸の前に、偽・冴が杖を構える。

    冴?「無駄に出来ないよな、この素材は」

    杖が淡く光り──死体から蒸気のような魔力が吸い上げられる。その瞬間、冴の身体が小さく痙攣し、無言で立ち上がる。


    ──傀儡。

    冴の亡骸は、もう冴ではない。魔力によって操られる、“器”へと変わっていた。

    冴?「よし。これで“冴”は俺のものだ。……残念だな、“本物”」

    カチリ。背後で、扉が開く音がした。

    偽者は傀儡となった冴を従えて、無言でそこを去っていった。誰も、冴の魂が最後に思い浮かべた、“弟”の存在に気づくことはなかった。

    ──扉が、閉じた。


    【第十八室:選別結果】
    糸師冴:ロスト
    状態:心臓貫通/静かに死亡

    偽・冴:生存
    状態:冴の亡骸を傀儡として使用
    扉:解放 /次フェーズ:移動中

    傀儡冴:偽物陣営として戦闘参加可能
    状態:──冴の凛への想いだけは消えず

  • 171スレ主25/05/14(水) 22:16:22

    >>168 もしかすると、何か“奇跡”が起きるかもしれませんね。

  • 172スレ主25/05/14(水) 22:29:38

    【???/天国ロビー】── 合流、圧勝、そして静かな帰還


    七星「斬鉄さーん!」

    霧のかかった空間の向こう、懐かしい声が響いた。

    斬鉄「おおっ……七星……!え?ここって……“ソウルゾーン”?」

    七星「天国です!天・国!てんごく!今までどこで迷ってたんですか…」

    斬鉄「“魂の抜け道”に迷い込んでた……」

    乙夜&清羅「「言い方!」」

    乙夜と清羅が顔を見合わせて噴き出す。

    烏「まあでも無事でよかったわ。お前がまさかこんな所で迷子になるとは思わんかった」


    そんなわちゃわちゃの中、画面が切り替わる。

  • 173スレ主25/05/14(水) 22:31:53

    士道龍聖 vs 偽・士道龍聖 ──

    乙夜「……あっ、これ」

    清羅「秒で終わる」


    全員が目を見開く暇もなく、偽物が爆散した。

    一方的な蹂躙。

    斬鉄「今の“ヘッドインパクトクラッシャー”みたいな技だったな……!」

    七星「それ絶対違うっぺ……」


    士道は、つまらなそうに壁に寄りかかりながら「冴チャン、リンリン生きてっかな〜」とつぶやいていた。

    空気が一瞬なごんだ、その直後だった。


    ──視界が変わる。

  • 174スレ主25/05/14(水) 22:36:53

    次の瞬間、天国ロビーの奥から静かに歩いてきた男の姿に、全員が言葉を失う。

    烏「……あれ……糸師冴か……?」

    誰より先に立ち上がったのは烏。

    冴は、変わらず無表情のまま、まっすぐに皆を見る。


    乙夜「……え、マジで来たの……?」

    冴「ああ、死んだ」

    七星「えっ!?冴さん死んだんですか…!?」

    冴は少しだけ首を傾け、微かに眉をひそめた。

    冴「“敗け”は“敗け”だ、俺が弱かった、ただそれだけの話だろ」

    斬鉄が、言葉を選びながら尋ねる。

    斬鉄「最後、怖かったか?」

    冴は、ほんの一瞬だけ目を閉じて──

    冴「……いや。ただ──最後に、ちょっとだけ思い出した顔があっただけだ」

    それ以上は語らず、静かにソファへ腰を下ろした。

    天国ロビーの空気が、少しだけ引き締まった。

  • 175スレ主25/05/14(水) 22:44:32

    【第十七室:選別後】── 爆発は、怒りから始まる


    士道「……は?」

    ──それを感じた瞬間、空気が止まった。

    士道は、壁にもたれながら欠伸混じりに時間を潰していた。だが、何かが胸の奥で“チリ”と火花を散らす。

    (……冴チャンの、匂いが──消えた)

    士道「は……?いや、冗談……だろ?」

    思わず口に出していた。だが、脳はもう理解していた。

    糸師冴──死亡。

    士道「……ッざけんなよ」

    ポツリと落とした声が、低く濁っていた。

    士道「……俺を爆発させてくれる人間、殺すとか──」

    士道「──俺に、喧嘩売ってんのと同じだろうがァァァァァアアアアアア!!!!!!!」

    ズドオオオオオン!!!!

    叫びと同時に、士道は手に持ったスパイクメイスを振り上げ──目の前の扉を思い切り叩き潰した。

    鉄と黒壁が軋み、強制開扉。

  • 176スレ主25/05/14(水) 22:49:54

    士道「冴チャンはなァ……!!他の連中とは違うんだよ!!脳が沸騰して、魂が震えて、俺が“まだ見たことねぇ俺”になれそうな──……そういう存在だったんだよ!!!!」

    部屋を出る。
    血の匂いが染みついた廊下を、獣のように足音を立てて走り出す。


    その全身から放たれるのは──

    “殺意”。

    “この状況そのもの”への、爆発的怒り。


    士道「殺す……殺す……絶対ぶっ壊す……!」

    振り回すメイスが、壁に当たって火花を散らす。
    その爆音が、次なる混沌を呼ぶ鐘のように、響き渡っていた。


    【士道龍聖:行動開始】
    ・扉:強制破壊により開放
    ・状態:完全無傷/殺意MAX/感情:怒り・憤怒・悲哀未満の執着
    ・目標:冴を殺した“何か”を探して潰す

  • 177スレ主25/05/14(水) 22:59:09

    しどぴ怒りの扉破壊、復讐はどうなるのか。スレ主的には1対2になってしまうので、誰か一人呼びたいところです(出来れば生き残った凛)。


    スレ主寝ますので、安価だけ置かせてください。次は馬狼救出チームと偽・斬鉄が接触します。それではまた明日、よろしくお願いします。


    【ユーヴァーズ4人 vs 偽・剣城斬鉄】


    【選択肢:馬狼照英の守護者1名、戦闘者2名を選んでください】


    ・オリヴァ・愛空:+30

    ・閃堂秋人:+31

    ・二子一揮:+20

    ※万が一の場合、守護者が馬狼照英だけは守り抜きます。

    >>178

  • 178二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:02:39

    守護者は二子で他二人が戦闘で

  • 179二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 02:57:43
  • 180スレ主25/05/15(木) 08:24:59

    >>178 承りました!

    >>179 保守ありがとうございました!


    本日仕事のため、ぼちぼち更新したいと思います。職場で次スレが立てられないので、帰宅次第次スレを立てたいと思いますので、よろしくお願いします。

  • 181スレ主25/05/15(木) 08:28:20

    【廊下交差点/ユーヴァース遭遇】──“仲間の顔”をした敵


    黒い廊下を、ひとつ、ふたつと曲がるたびに、胸の奥がざわめいた。

    馬狼は無言のまま肩で息をし、愛空は馬狼を抱えながら、歩調を崩さず進む。
    その後ろには、二子と閃堂。
    傷ついた仲間を守るように、全員が警戒を絶やしていなかった。


    ──その時。

    二子「……ッ、止まってください」

    二子の言葉と同時に、全員の視線が“前方”に向く。

    廊下の奥。
    照明の灯らぬ死角から、ひとりの男が現れた。


    閃堂「……あ」

    閃堂が、言葉を失う。

    見覚えのあるシルエット。
    眼鏡。身長。空気感。

    二子「……斬鉄くん……?」

    一瞬、全員が足を止めた。

  • 182スレ主25/05/15(木) 09:44:10

    だが次の瞬間──おかしいと気づく。


    目線が合わない。
    なにより──そこに“温度”がない。

    愛空が、馬狼を壁際に預けながら前に出る。

    愛空「お前……それ、誰の顔を借りてんだ?」

    偽・斬鉄は、無言で剣を構えた。
    視線は空っぽ、だが剣の意志は鋭利だった。

    馬狼「……ふざけんなよ……」

    馬狼が、壁にもたれたまま、低く唸る。

    馬狼「“斬鉄の姿”をしてんなら、斬鉄みてぇに──まっすぐ来いよ、テメェ……」

    廊下に緊張が走る。
    数秒の沈黙。
    誰が前に出るか、誰が戦うか──その選択の瞬間。


    偽・斬鉄は無言で剣を構えたまま、一歩前へと踏み出した。

    その動きに、四人全員の身体が一瞬だけ硬直する。

  • 183スレ主25/05/15(木) 09:46:27

    愛空が、低く、鋭く声を発した。

    愛空「……バロちゃんを頼んだ」

    二子「わかりました」

    二子は頷き、すぐに馬狼の前へと立ちはだかる。

    (“斬鉄くんの姿”をしてる相手だからこそ、僕が冷静にならなきゃいけない)

    ちらりと横目で馬狼を見る。
    歯を食いしばり、立ち上がろうとする姿に、静かに言った。

    二子「馬狼くん、今はまだ無理です。……ちゃんと生き延びるために、“任せてください”」

    馬狼は悔しそうに舌打ちしながらも、それ以上何も言わなかった。



    ──前線。

    愛空は肩を回し、盾を左腕に固定する。

    愛空「“俺たちの斬鉄”なら、ここで牙を抜かせるなんて許さねえからな」

  • 184スレ主25/05/15(木) 10:47:07

    閃堂も横に並び、鋭く構えを取る。


    閃堂「俺たちが、“お前”をちゃんと討つ。……それが斬鉄に対するケジメだ」


    偽者は依然として何も言わない。

    だが、その剣先だけがじりじりと二人に向けられる。


    愛空「……いいね。やろうぜ」


    愛空と閃堂が、同時に一歩を踏み出した。






    ──討伐、開始。


    愛空:dice1d100=83 (83) +30

    閃堂:dice1d100=82 (82) +31

    斬鉄?:dice1d100=89 (89) +6

  • 185スレ主25/05/15(木) 10:49:17

    前は閃堂が73、愛空が72でしたが、今回は閃堂が82、愛空が83で、なんかいいですね。そして斬鉄片腕ないのに強いですね(負けですが)。

  • 186スレ主25/05/15(木) 11:50:01

    【廊下交差点・特殊戦闘】オリヴァ・愛空 × 閃堂秋人 vs 偽・剣城斬鉄 ── 勝利


    愛空「……来るぞ」

    閃堂「分かってる!」

    ──瞬間、偽・斬鉄が床を蹴った。
    片腕でありながら、大太刀を高速で振り抜く。その動きは重く、無骨で、それでも研ぎ澄まされていた。

    閃堂「……っらああっ!!」

    閃堂秋人が、ギリギリでレイピアを差し込む。刃が斬鉄の大太刀の内側に食い込み、動きを止める。

    その隙を──見逃さなかった。


    愛空「喰らえ!!」

    愛空の斧が真横から唸りを上げて叩きつけられる。

    偽・斬鉄、壁に吹き飛ぶ。


    だが起き上がる。
    片腕で大太刀を引きずり、再び立ち上がる。

    閃堂「しぶといな……!」

    閃堂が息を整え、再度突きを構える。愛空も盾を前に突進姿勢。

  • 187スレ主25/05/15(木) 11:53:33

    偽者は呻き声のような呼吸を吐き出すが──そこに“声”はなかった。
    ただ剣を、命の限り振るっていた。


    愛空「──でも、俺たちの方が、強いんだよ」

    愛空が前へ。閃堂が側面から回り込む。

    カチリ── 一瞬、太刀がずれる音がした。


    閃堂「そこ!!」

    閃堂のレイピアが肩を貫く。
    動きを止めたところに──

    愛空の盾が全力でぶつけられた。


    偽者の身体が浮き、壁へ叩きつけられ──そのまま動かなくなった。

    片腕の剣が床に滑り落ち、カラン、と音を立てた。



    ──勝負は、決した。

  • 188スレ主25/05/15(木) 11:57:53

    しばらく、誰も動かなかった。

    ただ、剣だけがそこに残っていた。

    偽者が最後まで握っていた、剣城斬鉄の“大太刀”。


    二子「……」

    後方で、馬狼を守っていた二子が、ゆっくりと歩み寄る。

    倒れた偽者の顔を一瞥する。

    (……もう、“あの声”はしない)

    静かに、大太刀を拾い上げた。


    二子「これは──返します。“彼”のところへ」

    それは剣であり、斬鉄という存在の、痕跡だった。


    二子「ありがとう」

    二子は誰にともなくそう呟いて、剣を抱えた。

  • 189スレ主25/05/15(木) 12:01:55

    【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】


    【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖

    【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴


    ・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王

    ・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟

    ・雷市陣吾

    >>190

  • 190二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 12:02:19
  • 191スレ主25/05/15(木) 12:05:38

    >>190 凪で承りました!


    物語を考えますが、仕事のため更新遅くなる旨ご容赦ください。(次スレ立てる都合上、197で更新止めます。キリが悪くなりそうなら途中で止めます。)

  • 192スレ主25/05/15(木) 12:22:01

    【第十九室】凪誠士郎 vs 偽・凪誠士郎


    ──目が覚めた瞬間、凪は察していた。

    部屋の空気が重いとか、身体がダルいとか、そういうんじゃない。胸の奥に、“ぽっかり”空いたような感覚があった。

    凪「……斬鉄、死んだの?」

    誰に言うでもなく、ただ呟いた。
    誰にも答えられない、確信だけがあった。


    次の瞬間──

    ──ピッ……ジジ……

    スピーカーから、ノイズ混じりのアナウンスが流れる。

    『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』

    凪はそれを聞きながら、ゆっくりと上体を起こす。

    『これより、“本物”の選別を開始します。』

    凪「ふーん……選別、ね」

    『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』

    『一人、生き残った者が、“真実”となります。』

  • 193スレ主25/05/15(木) 12:24:15

    凪「……ま、倒すくらいならできるよ。めんどくさいけど──斬鉄が死んだってんなら、やるしかないじゃん」

    立ち上がった凪は、壁際へ向かう。


    そこには──銀と黒の混合刀、“二天一流の双刀”が並んでいた。

    片方は細く鋭く、もう片方は重く太い。

    手に取った瞬間、空気が変わった。


    ──その静けさに、怒りが滲む。


    (斬鉄……馬鹿で、うるさくて、でも隣にいた)

    (……ああいうのが、いなくなるのは、結構キツいんだよ)

  • 194スレ主25/05/15(木) 13:31:34

    静かに、二本の刀を腰に差す。


    瞳に、わずかな光が宿る。


    普段のように「めんどくさい」とは言わない。


    今の凪誠士郎は、“誰か”を失った男の目をしていた。



    偽物には目もくれず、凪は呟く。


    凪「行くよ、“偽の俺”──お前ごと、終わらせてやるから」






    ──選別、開始。


    dice1d100=55 (55)

  • 195二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 13:36:39

    ちょっとヒヤッとする数値

  • 196スレ主25/05/15(木) 14:35:32

    >>195 斬鉄パワーで救われましたね!


    帰宅しましたらスレ立てしますので、更新一旦ストップしますね。

  • 197スレ主25/05/15(木) 20:09:30
  • 198スレ主25/05/15(木) 20:11:55

    余談⑤
    ・兄ちゃが死ぬ描写を書きながら、最後の3行(凛を思い浮かべ、笑って目を閉じる)で普通に泣きました。ロスト作品書いてる人、改めて尊敬します。

  • 199スレ主25/05/15(木) 20:13:21

    余談⑤
    ・馬狼と士道を書くのが結構楽しかったです。個性で勝ち負けの捉え方が違うので、ブルーロックは奥が深いなあと思ってました。

  • 200スレ主25/05/15(木) 20:14:50

    余談⑥
    ・ネタって無限に思いつきますよね。キャラが魅力的なので、シンプルなホラーでも、ギャグでもなんでも楽しいです。

オススメ

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