- 1二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:45:05
- 2二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:45:51
おいまて逃げるな
- 3二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:46:07
こんなの僕のデータにないぞ!!?
- 4二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:49:07
どこ行った、探せ!
- 5二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:50:11
オウオウ待てや兄ちゃん
概念置き去りは許さへんで - 6二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:50:46
「里浜」って浜で出会ったから里は浜で里浜なんですか!?
- 7二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:52:07
- 8二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:57:44
ウミカの原風景は透明度の低い青くて暗い海だけど、魂の故郷は初めてひとりじゃなかったあの町……って、コト!?
- 9二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 11:59:40
- 10二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 12:10:25
これ考えると割とトンデモ説でも無さそうに思えてきたな…
- 11二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 12:42:27
ふざけやがって
テロリストか? - 12二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 12:50:46
続きはどこ……
ここ……? - 13二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 13:47:33
なんなのこの人
- 14二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 18:48:58
逃げるなアア卑怯者!!
- 15二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:54:09
これは落とすわけにはいかん
- 16二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:55:39
- 17二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:56:06
- 18二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 22:56:33
貝殻ビキニのウミカとな?
- 19二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:20:45
記憶の中で最も古い記憶は、闇でした。
一切の光も差さない寂しく淋しい単色の世界。
今思えば、深海だったのでしょう。
時折視界に入る奇妙な形状の魚や捨てられたゴミを観察することだけが、当時の唯一の楽しみでした。
独りきりに慣れていたので何も感じませんでした。
嬉しいも悲しいも無い、無味無臭に沈んでいく毎日。
かつての私は、思考しないという意味では水死体と同義でした。
ある日、気紛れが脳へ流れてきました。
ひたすら上に行けば、何かあるのではないか?
世界に底があるのは既に確認済みでした。
網目状のサンゴ、熱いものが噴き出る岩、さらさらとした物質たち。
それらと幾度も戯れてきました。
ならば、下に限界があるように、上にも限界があるのではないだろうか。
好奇心とも呼べないような小さな感情が発露してしまうのは、自明の理です。
無気力に足を動かし、上へ上へ向かいました。 - 20二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:35:49
人生初の感動でした。
双眸が潰れてしまいそうになるほどに明るい世界が私を待ち受けてました。
いや、待ち受けていた、というのは少し違いますね。
ただ、そこにあったのです。
私が停滞していただけです。
兎も角、その日、私は。
初めて光を浴び、初めて涙を流したのです。
瞳に熱を感じたので、きっと泣いていたのでしょう。
パレット上のように色とりどりな魚たち、笑顔を零しながら揺れている海藻、とめどなく入り込む眩むくらいの光。
暗闇と違うものばかり。
思わず心が躍り、小一時間ほどは笑い声をあげながら泳ぎ回りました。
ええ、それ程までに。
素晴らしい空間でした。
魚同士の捕食に関して、ですか?
耐性はついていました。
深海時代にクジラの死体へ群がるウナギや甲殻類とかは慣れっこでしたから
……失礼しました、少しアレな話でしたかね? - 21二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:46:41
泳ぎ疲れて、息も切らして。
気付けば夜のとばりが落ちていました。
恥ずかしいことに、いつの間にかまたあの闇へ移動してしまったと勘違いしてしまい。
焦燥の念を巡らせ、水面に向かいました。
とにかく上へ向かえば、また温かい世界が待っていると思っていたのです。
水から顔を出し、空気を吸う。
ただそれだけのことも最初はままならず、非常に当惑しました。
何せ水圧を感じなくなるのも始めてでしたから。
呼吸を整わせ、くらくらする頭を抑え、空を見上げました。
ぱあん。
賑やかな破裂音。
遥か遠くにて、色彩が散りました。
反射的に視線を動かすと、そこには一輪の花が咲いてました。
とても明るくて。
とてもキレイで。
とても素敵で。
胸が高まり、頭の灯火が煌めき、釘付けになってしまい。
はい、私は。
憧れを、覚えたのです。
いつか、特等席であの花を見たいと願ってしまったのです。 - 22二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:56:40
夜が明けました。
その日最後だったらしく、その大きな花火はそれ以降上がりませんでした。
あの輝きを、もう一度見たい。
仄かな決意を固めると、じぃっと、待ち続けました。
朝日が昇って、太陽が真上に立ち、陽が沈み、月が昇る。
月が昇ったのでまた見れると期待しましたが、結局見ることは叶いませんでした。
当然ですよね。
毎日花火は上がらないのですから。
一日中花火を待ち続け、時々潜り、また見詰め続ける。
そんな日が、何日も続きました。
嵐がやって来ました。
味わったことのない衝撃。
岩に捕まり、暫くはどうにか耐えましたが、最後には飛ばされてしまいました。
ぐるぐる、ぐるぐる、と。
一生にも思えるほどの時間が過ぎ、そしていつか、意識を手放しました。
目覚めた頃には砂浜に倒れていました。
打ち上げられたのです。
暑い、熱い。
熱が身体を襲いましたが、どうも動けません。
疲労満身です。
指一つたりとも動かすことができませんでした。 - 23二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:04:11
嗚呼、此処で終わるのだ。
諦念を抱いたまま。
灼熱の空間で。
そんな緩やかな絶望を噛み締めながら、その時を待っていました。
『ちょっと!?貴女大丈夫なの!?』
ところが。
私を起こし、呼び掛ける声が聞こえてきました。
逆光でよく顔も見えません。
言葉も充分に理解できません。
しかし、自分を心配していることだけは分かりました。
『部長!斎藤を持ってきまシタ!』
『でかしたわフィーナ!み、水、飲むかしら!?』
きゅぽり、と水筒を開け。
注がれた麦茶を此方に差し出してきました。
固まった身体を懸命に動かし、こくりと僅かに頷きました。
一人で飲めそうにない。
そう察したのか、首の後ろを支えながら、丁寧に飲ませてくれました。
あの時の潤いは忘れることはできません。 - 24二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:11:35
ある程度、容体が安定すると、地を踏み締め、よろよろと立ち上がりました。
何故だが分かりませんでしたが、二足歩行は可能でした。
初めての二足歩行、少しは手間取りそうなものでしたが。
身体が覚えてるいるように、自然に立ち上がれました。
不可思議なこともあるものですね。
『う、海の精霊デスかね・・・・・?それとも、人魚とか!?』
『・・・・・・・・えーと、貴女の名前、教えて貰えますか?』
喉を震わせようとしましたが、どうにも動きません。
掠れて潰れた、呼吸にも劣るもの。
それしか捻り出すことしか出来ませんでした。
自立は出来たのに、発声は不可能。
何とも奇妙な話です。
そして、口が効けないことに気が付いたのか、また二人は目を白黒させながら話し始めました。 - 25二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:12:14
斉藤じゃないや水筒
- 26二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:23:25
『名前、無さそうデスね?』
『うーん・・・・・海の女の子、
『海の香りがしますし、ウミカとかどうデショウか!?』
『それ採用!』
首の後ろと腰を掴み、持ち上げる。
所謂、お姫様抱っこの形です。
そして力強い笑顔を浮かべ、世界に宣戦布告するように。
私に名付けを行いました。
『貴女の名前は、今日から里浜ウミカよ!ふるさとの浜辺で、里浜!海の香りでウミカ!いいわね!フィーナ!車のエンジン掛けといて!』
『シズコ部長!?まさか、百夜堂へ持ち帰るんデスか!?
『当たり前じゃない!こんな特殊な子、放って置いたら良くない機関とかに狙われそうでしょ!』
少し怯えた様子の私を安心させるように、ぽんぽんと頭を撫でてくれました。
水面から眺めていた日差しよりも暖かく。
そして、優しい手でした。
今でも撫でられると、特別な気持ちになります。
『里浜ウミカ、貴女は今日から———!』
『お祭り運営委員会、百夜堂の一員デス!』
『台詞が取られた!?』
そして、その日から。
私は里浜ウミカになり。
お祭り運営委員会の一人になり。
百夜堂の一員となったのです。 - 27二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:33:10
えへへ、長くなってしまいましたね。
これが私の半生です。
残りの半生は正に波瀾万丈で、一日で語りきれそうにありません。
一緒にお祭りについて学んだり
百夜堂のスイーツを食べたり
激しい銃撃戦したり
たくさんたくさん、楽しいことがありました。
社長とフィーナ以外でこのことを話すのは、先生が初めてです。
他の子は、自分が海から産まれたナニカだとは知りません。
怖かったんです。
存在を否定されるのが、忌避されるのが。
だけど、それでも。
先生になら話しても良い、って思えたんです。
何で、でしょうか。
だから、先生。
これからも一緒に居てくださいね。
また先生だけのお祭りも開きますから。
今度は型抜きも用意しちゃいます!
そうだ、思い出しました。
明日は大きなお祭りがあるんです?
えっと、予定が空いてるなら、出店を一緒に回りませんか?
・・・・・・・・えへへ、嬉しいです。
それでは、先生。
明日の夜、とびきり大きな花火を見ましょうね。 - 28二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:35:45
クソッタレが!!!
誰も書かないから結局自分が書く羽目になったじゃねぇか!!!
こちとら皆んなの作品が見たいのによ!!!!!
もう書かないからな!!!!
バーカ!!!!!!!! - 29二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:09:36
素晴らしい物語だ
- 30二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:27:08
いつぞやのアカネスレを思い出す
- 31二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 08:27:58
規制で書き込めなかったけどいいSSですね
ウミカの心情が伝わる
1日で語りきれない残りの半生で言葉を教えられたり、『花火』を見たいとねだってお祭りに連れていってもらったり、そうしてお祭り運営委員会に正式に参加したりしたってことになるわけだ - 32二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 17:36:35
なんで文は綺麗なのに品性は無いんだよ