- 1二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:51:23
- 2二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:52:32
建て乙です
- 3二次元好きの匿名さん25/05/13(火) 23:54:36
スレに来る新規にも分かりやすい解説あったほうが良さげな気もする
- 4二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:01:10
現実世界の人間にも似た症状や病気ってあるのだろうか?
- 5二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:04:10
たておつ
- 6二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:23:42
このレスは削除されています
- 7二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:29:21
要は本編より脚が悪くてトレセン来れなかった世界線ってこと?
- 8二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:39:34
オグリには幸せになってほしい
- 9二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:54:12
うん
- 10二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 00:54:32
前スレからSSも投稿されてるっぽいのでそれも楽しみ
- 11二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 01:01:31
確かに
- 12二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 01:08:47
この世界線のカサマツトレセンはどうなることか
- 13二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 01:31:37
お労しやオグリの母上
- 14二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 01:32:35
前スレのキタハラジョーンズとオグリキャップの邂逅で物語が動き始めそうな気配。
原作の5年前くらい(キタハラ35オグリ10?)で出会って脚の力のかけ方とかをアドバイスされたら歩行距離が伸び始めた…とかあったら本編スタート時点でスポーツ用品店でバイトしててベルノ(店の社長令嬢)と遭遇とかに連鎖できるか? - 15二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 01:39:26
オグリの将来がどうなるか謎すぎる世界でもある
- 16二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 08:08:44
特に気になっているのは3人組
- 17二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 09:23:26
あの三馬カはロリ時代からの付き合いだから同じだと思う。
ただトレセン校内では浄化機会が無く荒れ気味なままかもしれないが…
え? スポーツ用品店で脚の不調を見抜くバイトの芦毛と遭遇させる? - 18二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 11:32:30
バイトから正社員雇用もありえそう
- 19二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:43:29
レースは走れなくてもサポートする側として大成するのかな?
- 20二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 13:30:57
まさかpart2までいくとは
- 21二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 16:30:42
バイトしてるならもしかして自分の食費も稼げるのか?
- 22二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 18:00:50
- 23二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 18:23:11
昼にバイトを掛け持ちして夜学に通うオグリ。
前スレにもあった、脚部不安を抱える人へのアドバイスの的確さ(キタハラに切っ掛けを教わり後は独学)で社長令嬢(ベルノ)の目にとまり正社員(夜学在学中は残業免除)登用。本社社食で食費負担も軽減。
自らが走る事ではなく、走れない人へ走る希望を灯す事で人々に希望を与える「もう一つのオグリの物語」
- 24二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 19:02:05
シンデレラで例えるならシンデレラを助ける魔法使いみたいな感じかな?
- 25二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:16:56
この世界のオグリもいいですね……
- 26二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:08:28
もしかしたらマーチともバイト中に出会う一幕がありそう
- 27二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:18:44
- 28二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:52:07
きっとブラッキーはペガサスカップ以降も破竹の勢いで勝ち続けられると思われる
- 29二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:54:37
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:56:10
あれはオグリキャップといって
アルバイトなんだ - 31二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:01:07
アニメ勢で単行本ないからアニメでやってない範囲のことが分からないでヤンス···中古で買うか···
- 32二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:19:15
中古あるかな?
- 33二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:22:45
東海ダービーを獲ったフジマサマーチの快進撃を、トレセン校外から支えた謎のバイトウマ娘
- 34二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:35:46
- 35二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:42:05
スレ見てない内にオグリがスポーツ用品店のアルバイトになっとる···
- 36二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 00:19:41
(大丈夫か…あの子?)
帽子のおじさんがそう思うのも無理はない。早朝、誰も彼もが寝ている時間に、芦毛のウマ娘の少女…恐らく小学生の幼女が、独りで河原を歩いているなど、明らか何かがあったとしか思えない。
(だが……ここで話しかけたら…)
おじさんと独りの幼女、明らか事案である。
深く帽子を被り、逡巡する。
――――――――――――――――――
「ぅぅ……」
膝から発せられる痛みは、ココ最近では久しぶりのレベルで強いものだった。お母さんに「足の調子がいい!」と嘘をついて、半ば強引に一人散歩するようになったのだ。しかも早朝に。
秘密にしなくちゃ…心配させてしまう
『大丈夫!…おお~歩いたっ!!歩けた!!歩けたね!!!』
『今日はあんたのお祝いとして、人参ハンバーグだよ!!』
…………痛いよ。マッサージに体操、身体測定の長座体前屈では満点なのに。最近は良くなって来たのに
「休もう」
もう2キロも歩いた。昔は数百mしか歩けなかったのに。いつかは走れるぐらい良くなる。中学生になる頃には、きっと
希望は裏切らない、努力は報われると思う
……!?
(ふ、不審者…)
こっちを見ている帽子のおじさんに、オグリは気づいた。痛みよりも色んな不安で涙が零れた
【ありがとう…私がここに立って居られるのは―――】 - 37二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 00:24:26
オグリが本編通りに進むか、それともベルノと一緒に頑張るか、どっちにしようか……
遅筆で申し訳ない。作者は漫画も読んでないしアニメも見られてない愚か者だが、許して欲しい。明日買う - 38二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 00:41:17
大丈夫です!いつも楽しみに待ってます!応援しています!
- 39二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 01:21:54
本編ルートにも軌道修正可能で驚いたのはオラなんだよね
- 40二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 01:24:59
まあ良いことだ、走れるようになるんだ希望持てるんだ
- 41二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 01:34:19
オグリってテレビ見るんだ…と今更ながら知った
そういやハイセイコーからサイン貰おうとしてたな - 42二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 01:56:26
- 43二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 02:05:59
様々な分岐があるのね面白いのね
- 44二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 08:30:49
走って……走って……その先に待っているのは……
- 45二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 08:58:30
そういえばジャパンカップ控えてる状態ですね
- 46二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 10:18:53
- 47二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 12:53:45
- 48二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 13:27:10
神経?筋肉?骨?
- 49二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 15:14:08
希望?
- 50二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 16:29:21
オグリと出会ってない場合3人組との仲はあまり進展してないのか?
- 51二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 17:30:43
記載忘れた マーチ
- 52二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 17:31:03
まあ気にしないで 走れるルートもありますから
- 53二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 19:38:38
健康ランド師匠は、あの世界だとどうしているのかな?
オグリとの出会いの有無でも色々変わるだろうし - 54二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 20:10:06
- 55二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 20:46:57
わかる
- 56二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:11:18
バリエーション多いな
- 57二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:08:35
世界線によって体型が変化していたりしそう
- 58二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:00:06
そうかな?
- 59二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:19:56
(不審者?)
オグリがそう思うのも無理はない。怖いものは怖い。帽子のおじさんを無条件に信じる事は出来ない。もし襲われたら?……勝てるわけも無いし、走れないかは捕まるのは必死だ。
(……行こう。目標を守らないと)
”目標”……走る為に決めた日々の目標。もう少しで歩行距離の目標は果たせそうなのだ。今日で達成したくて仕方が無い。
もう痛みは引いたと思う。怖い。ひょっとベンチから立ち上がり、背を向けて歩き出した。
歩き出したのだが……
「あ~…君―――」
「ひっ」
逃げ出した。が
―――――――――――――――
(……こんな朝からトレーニングか、……それとも最近問題になってるネグレクトか?)
(靴がボロボロだ。歩き方…右脚を庇ってるいるような感じだった。何か怪我でもしているのか)
(ここで無視したら、流石に不味いよな。でも話しかければ―――)
トレーナーとしての能力か、ウマ娘の状態を観察する事には長けている。性分なのだろう、思わず観察してしまう。また、元来の性格からか、こういう事態で見なかった事には出来ない。
(これも何かの”縁”なんだろうな?)
覚悟を決める
「あ~…君、何か怪我し―――?」
「ひっ」パッ
(やらかしたっ!!) - 60二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:21:55
オグリがビックリしとる…!
- 61二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:24:40
このレスは削除されています
- 62二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:29:36
少しだけ臆病になっています。膝がまだまだ治って居ないこと、それにまだ●歳で幼女ですのでね。
あと2巻買いました。まじでおもろいわ。全巻買ってええか!? - 63二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:30:45
ワイも何巻か買ってみようかな…
- 64二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 01:29:45
北原優しいな···
- 65二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 07:04:07
まあ、変質者なら「脚が悪いウマ娘幼女」なんて獲物と考えるだろうから母も警戒は躾てるだろうし…
- 66二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 08:26:57
VRウマレーター使わせてみたい
- 67二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 15:25:58
「ひっ」
突然話しかけて来た大人。悪い人かもしれない。早朝で辺りには人気はなく、助けてくれる者は誰もいない。ただでさえ、心配するお母さんを無理やり説得して活動しているのに……
もしも問題が起きたら……
すぐに背中を向けて足を動かす。動かしたいのだが、足が重い。歩き過ぎたのだ。右脚を半ば引きずりながら、必死に逃げようとして
「うあっ…………ひぐっ」バテン
足をもつれさせてしまい
「ひぐっ…ぅぅ…うっうぐっ、ぐすっ―――」
せっかくもう少しで目標の■kmまで歩けそうだったのに、お母さんに謝らないといけなくて、普段から抱える不安に耐えられなくて、怖くて
「―――うわぁぁぁぁん」
涙が溢れてしまった。 - 68二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 15:36:11
今更気づいたが、曇らせ展開まで長いなこれ。随分と長編書くことになりそうやな。足が本編よりも悪いのを活かすぞー!
短編なら
ベルノに負けて、本編のベルノのセリフを言うオグリ。
夢を諦めて、サポート課に行って胸の中のモヤモヤに苦しむオグリとか
脚に苦しむままの無情で切ない描写誰ぞ書いておくれ - 69二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 16:01:17
ほう···おくびょうオグリか···
- 70二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 19:33:12
ウマ娘特有のフィジカルに身を任せてヒトミミが追い付けない高速で逃げるって手段が取れないから仕方なし
後がねーんだ - 71二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 21:55:59
(やらかしたッ!!)
「うわぁぁぁぁ……ひぐっ、うぐっ」
少女は倒れた身体を起き上がらせて、ぺたりと地面に座り込む。そして、大粒の涙が、ぽろぽろと頬を伝い、悲痛な悲鳴を小さく零した。
絶え間なく流れる涙は、拭っても拭っても払いきれない。
(やべぇ、もしも)
『すいません、署にご同行お願いします』
『ジョーさん、失望しましたよ』
『バカ野郎がっ!!』
警察、柴崎、六平さんに殺される未来が見える。
今しなければいけないこと。それは
「な、泣かないでくれ。えぇと、お、おじさんは君が心配で―――」
「ひぐっ、ぅぅぅぅ!」
(やべぇ、なんて言えばいいのかわかんねぇ!!)
過去一で緊張しているのが分かる。これ程真剣に思考するは、トレーナー試験を受けた時以来である。子供のあやし方なんて分からない。
……いや、待て、
(やるしかないっ!!)
「実はオ、…おじさんは””トレーナー””をやっているんだ。ええっと、それで君の事が心配になって話しかけてしまったんだっ!!ごめんよ……」
(どうだ……これでも無理なら……)
- 72二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:05:00
キタハラ…!頑張るんやで!
- 73二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:47:14
失敗したら逮捕なのか……
- 74二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 01:42:36
泣くオグリもありだな·····
- 75二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 11:29:05
目線が向いたら脚を気遣ってあげなさい。
共感して貰えることばが一番浸透できる…ハズ - 76二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 13:38:31
なお素早さは逆V
- 77二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 14:06:00
- 78二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 17:58:10
- 79二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 20:54:15
鬼畜すぎる
- 80二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 03:13:21
おつらいやつや
- 81二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 08:54:45
- 82二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 10:02:40
(どうだっ……!)
「うぐっ……ぐずっ……?」
先程よりも泣き声が収まり、嗚咽の頻度が急に少なくなった。やはり、トレーナーという事に興味が惹かれたのだろう。芦毛の少女の瞳には、彼の姿が写っている。
「それで、おじさんは、君の事が心配になって声をかけたんだ!!えっと…その…ごめんな」
「……ぐずっ…お、じさんは……悪い人じゃ…ない?」
「あはは……」
(危なかった……信じてくれた)
ほっと一息する、帽子のおじさんだった
――――――――――――
目の前には、帽子を被ったおじさんがいた。自分と同じ目線にしゃがんで、泣いている自分を慰めていた。
不思議と、恐ろしいと思えなくなった。
謝らなくちゃ……
「”とれーなー”?」
頷いてくれた
「本当に?」
勢い良く首を縦に振ってくれてる
「………」
「ごめ゛ん゛なさい…」
「泣かないでくれ…なっ?」
優しいおじさん。トレーナのおじさん。悪い人じゃなかった。なんかもう…どうしたらいいんだろう。
ベンチに戻って、泣き止まるまでおじさんが傍にいてくれた。 - 83二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 10:03:04
レース界隈自体があるかどうか
- 84二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 13:59:19
キタハラよかったのぉ 誤解が解けて
- 85二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 17:45:18
おい
- 86二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 19:55:31
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 20:33:12
既に早朝の香りは消えつつある。お天道様が顔を出しつつあって、そろそろ帰らなきゃ行けない。おじさんは、わたしが泣き止むまでずっと傍にいてくれた。優しいおじさんだった。
「ごめんなさい……」
「確かに怪しかったよなぁ…」トホホ
「「…………………………」」
何を話したらいいんだろう?右脚がじんじん痛む。逃げ出した時に負荷を掛けすぎたのかも。
とれーなーのおじさん……とれーなー?
「とれーなー?」
「ん?おじさんはカサマツって所でトレーナをやってるだぞ。う、嘘じゃないからなっ?」
すっごく分かりやすい反応をするおじさん。聞かなきゃいけない事がある。
(でも……でも……足の事は……)
右脚が酷く外向していることは、幼心からしても酷いコンプレックスだった。いっつも長ズボンやジャージで見えないようにしているぐらいだ。
それでも、ウマ娘としての本能には勝てなかった
「とれーなーのおじさん」
「わたしも、……みんなみたいに、走れるようになれるかな……?」
俯いている暇はない。一も二もなく、口から言葉が発せられていた。
少女の熱い眼差しが、彼の眼と合う。 - 88二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 22:00:47
おおっ!
- 89二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 22:17:46
ある日の土曜日の話だ
「先生……あの子は、走れるようになれますか?」
「…………あの子の回復具合からして、ん゛ん」
言い淀む白衣を纏った老人、不安げな表情をした芦毛のウマ娘の女性。老人の側には、誰かの足を写したレントゲン図があった。右脚だろうか、左脚と比べて酷く歪な形をしていた。
右脚が大きく外向しているのだ。
「まだ■歳。小学■年生になったばかり。手術せずに、今では歩けるほどに回復しました。これは奇跡と言えるでしょう、貴方とあの子の努力の成果です。このまま行けば、日常生活で支障は無くなるでしょう。ですが……レースに出ているウマ娘達のように、走るのは……無理でしょう。仮に―――」
―――奇跡があっても。
重々しく、その言葉は放たれた。いつも、娘に対してハツラツな姿を見せて、元気づけていた彼女でも、その言葉を受け入れられずにいた。
「お力添え出来ず、申し訳ありません」
「はい……ありがとうございました。先生」
彼女は診察料を払って、帰路に着く。
何度も考えてしまう。
もし、奇跡が起きて、走れるようになったら……と。でも、同じウマ娘として、結末を予想出来た。きっと、いつか足が壊れて、引退してしまうだろうと。その末路は悲惨だ。障害を抱えてしまうかもしれない。
”立って歩く。それだけでも奇跡”
『やったね!!!歩いたっ歩けた!!!おめでとう、本当におめでとう!!!』
『えへへ…あるけるよ、おかあーさん』
あの子が歩いた瞬間を覚えている。奇跡に感謝した。跳ね上がるほどに嬉しかった。精一杯に、にこりと笑顔を浮かべる娘の姿に、胸をうたれた。
『わたしもあんなふうに……はしれるようになるかな……?』
ごめんね。ごめんね。
画面の向こうのスターのように、貴女は走れないかもしれない。でも、でも、奇跡が起きたら、画面の向こうのスターになれるかもしれない。でも、必ず茨の道を歩む事になる。もしかしたら、このまま走れない方が幸せかもしれない。そんな世界に、奇跡を起こしてでも送ろうとする私は母親失格だ。
「おかえり、お母さん?」
「ただいま、今日もハツラツだね。オグリちゃんは」
この子が幸せになるように、願うだけだ。 - 90二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 23:27:02
「わたしも、……みんなみたいに、走れるようになれるかな……?」
「っ!?!?」
少女の蒼い瞳からは、疑念、希望、羨望、悲しみ、怒りがあった。誰もがその瞳からは、少女らしい弱々しさを感じるはずだった。
だが、強く、はっきりと、自分の眼を射抜く視線からは、あまりにも多くの感情と熱が放たれていることに気づいた。ドクンと、心臓が跳ねた。
キタハラは一瞬、呼吸することを忘れた。その瞳には―――
―――歴々のスターと同じ、輝きが宿っていたからだ。
その眼差しは、画面の向こうの彼女たちと同じだった。若人を魅力し、惹きつけ、駆り立てるカリスマ性。どうして、そんなふうに感じたのか、それは本人にも分からない。でも、確かに感じたのだ。
(……すっげ……)
(…出会っちまったのか!?)
(何だっ!?……俺は、この子に魅せられたのか!?)
「嘘だろ……」
「……え?」
「あっいやっ、何でもない。……じゃあ、足見てもいいか?」
「うん」
長ズボンをしゅるしゅると上げていく。ゆっくりと、痛くしないように丁寧に。そして驚愕した。 - 91二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 23:27:38
「っ……」
(マジか……この足は)
「……おじさん?」
思わず、観察を止めてしまった。左脚はいい。すらっと綺麗な足をしていて、いいふくらはぎだし、足首にも問題はない。足指にも、膝にも問題は見えなかった。だが、右脚は
(右脚は……膝が悪すぎる。…大きく外向してやがる。左脚と右脚の向きが違え……両足の長さもかなり微妙にだが…違う)
(他の部分、問題ないな)
(右脚だけが……右脚の膝だけが)
「おじさん?」
「あっいや、もう少し待ってくれ」
なんて言うべきか。実の所もうわかっていた。この足では、「走れない」という事はわかった。
走れたとしても、…………
(言えるはずねぇだろ……本当のこと言って、何になるんだ!)
(今、走れないだけだっ!!ならっ)
「君、名前は!?」
「…ハツラツ」
「溌剌……良い名だ!俺は北原穣!」
「俺と一緒に、天下を取ろう!!!」
「俺が君を、走れるようにするっ!!!」
この出会いに、嘘をつけない - 92二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 23:30:47
ちなみに、オグリが偽名を言ったのは、お母さんの躾です。よく知らない人には、名前を言っちゃダメというのを、ちゃんと守った結果です
- 93二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 23:41:22
ここで、北原が真実を言うか言わないかで、展開を変えるつもりでした。最後の最後まで、走らせるかどうか迷ってしまいました。
真実を言う……ベルノのようになる、或いはトレーナーになるべく頑張る。
真実を隠し、まだ頑張る……茨の道を走る - 94二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 23:52:34
オグリはどうなるのだろうか…!!
- 95二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 00:37:00
大丈夫だぁ、どーにもならなくなったらアメリカから酷いX脚でバラのレイが似合うのは墓に入った時だけだとか言われながら噛みついていったあいつが…あいつも雲ってそうだな…助けてミンナノヒーロー!
- 96二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:10:23
やっぱり運命なんかぁ
- 97二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:54:16
- 98二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 09:04:26
これから北原とオグリの二人三脚が始まるんかな?
- 99二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 17:15:26
おそらく
- 100二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 17:21:11
「俺が君を、走れるようにする」
「……え?」
「君には走る才能がある。ただ、今は走れない。だから、俺が君をサポートする。」
「……サポート?」
「ああ!歩き方の矯正だとか、トレーニングを手伝う。今以上に、効率的に、走れるようにサポートする!トレセン入学までには、走れるようになろう」
「……いいの?」
「これも何かの縁だからな。これからよろしくな、……えぇと、ハツラツちゃん」
「……ありがとう」
――――――――――――――――――
その後、時間も時間なので、2人は帰路に着き別れた。その頃には、膝の痛みは消えていて、代わりに胸の奥で、何か熱い物を感じていた。
心臓が、重く、重低音を奏でている。まるでクジラのような脈動を感じる。霧がかっていた未来が、少しだけ開いた気がする。
「わたしも、走れるかも」
やっぱり、諦めなくてよかった。
「ただいまっ、おかあさん!」
「随分と今日は遅かったけど……嬉しい事があったの?」
「……ひみつ!」
「そっかぁー、なら聞かないでおこうかな。ご飯、出来てるよ」
「おー!!」 - 101二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 20:19:58
こっからどう書こうかなぁ……曇らせ展開もある程度浮かぶんだけどなぁ。なんというか、原作なぞりしてるだけみたいなんよなぁ
- 102二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 23:53:30
曇らせまでが長い……そして辛い
- 103二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 23:55:25
オラワクワクすっぞ!
- 104二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 00:34:59
良いじゃん、オグリのオルタのはなし…好きだぜ。
むしろこの場合はオグリに脚が悪かった頃の要素が、北原にオグリの生産牧場の人の要素が強く引き継がれた感じかな
オグリキャップ・リリー?
夢の守り人的な…
- 105二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 08:41:00
わくわく、おぐおぐ、もぐもぐ……
- 106二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 16:01:33
おぐおぐ わくわく
- 107二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:11:42
オルタ•リリーってFateだっけ?
- 108二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 01:00:38
おじさん…キタハラと会って、朝が楽しくなった。
正しい歩き方への矯正、膝や太もも等のマッサージ、柔軟体操…などなど、監督者付きで行うようになった。キタハラは無茶の無いように、管理してくれているのだ。
「よう。ハツラツ、早起きだな」ヨシヨシヨシ
「おはようキタハラ。…くすぐったい」
「ハハハっ、よし、今日も体操してから、歩行訓練だ」
キタハラは本当のトレーナーみたいだ。これまで知らなかった事を教えてくれた。まだ治っている実感はしない…けど、良くなっていると思う。身体も柔らかくなったし、可動域も少しずつ大きくなったと思う。背中で手を組めるようになった。
「言った通り、意識して歩けてるな。もう少し歩いたら、今日は終わりだな」
「わかった」オイショオイショ
つま先をまっすぐ正面を向けて歩く。背筋を伸ばして、まっすぐに立つ。かかとから脚を床につけ、つま先で蹴り出す。歩幅を大きくとって歩く。身体のバランスを左右対称にして歩く。
(これだけの事を言っておいてだが……ハツラツは覚えが早い。この調子なら、トレセン入学迄には走れる……か?)
『ハツラツ、トモを触らせてもらうが……大丈夫か?』
『とも?…食べれないぞ?』
(確認してみて、筋肉の付き方は悪くなかった。そこまで左右差は大きくなかった。それに、想像以上に体が柔軟だ。……通常、これ程悪いと、膝や太もも、腰が硬くて大変なのが普通だ。…ハツラツのお母さんは根気強い人だな。)
「よし、おつかれさん。どうだ、何処か痛くないか?」
「大丈夫だ。痛くない」 - 109二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 01:02:34
一応、このオグリは右脚、特に右膝が悪いです。多分O脚やばい版って感じだと思います。
- 110二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 01:09:14
出会ってから数日経った、とある早朝の物語。ちなみに、その前日に、トモの触診が何かよく分からず了承した結果、突然ズボンを捲り上げられ、あちこち触診され困惑したオグリ(幼女と少女の境目)は、キタハラの事を変態と非難しかけました。
どこかの中央トレーナーみたいには蹴られませんでした
- 111二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 01:49:54
良い方向に物事が進んでいるねぇ
- 112二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 02:10:53
上手く膝が本編より悪い事を活かしきれないねぇ。ムズい
- 113二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:20:58
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- 114二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 23:44:22
- 115二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:12:16
2人が出会って、2年と少しが経った。少女はもう少しで6年生になる。成長期に入り、身長が伸びて、女性的な体つきに変わろうとしている。今は11歳、5年生である。素晴らしい秋空に、冷涼な風が突き抜けていく。木の葉は枯れて、紅葉が美しい。早朝は暗く、冷たい朝風に身が凍えそうになる。変わらず2人は河川にいた。
「成長痛とか大丈夫か?」
「あぁ、特に痛くないぞ。膝も大丈夫だ。」
「そうか……今、身長何cmになった?」
「158cmなったぞ、キタハラ…むっ、お母さんみたいな目をしないでくれ」
「会った時と比べ、随分と大きくなったな。と思ってな。本題に戻るか、これからのトレーニングについてだ。」
「!!」ミミピョコピョコ
これまで極めて基礎的なトレーニングを積み重ねてやってきた。それはひとえに、膝の矯正の為だ。均等な筋肉が付くように、正しい歩き方になるように、スタートラインに立てるようにしてきた。……これまでは、”歩く”為のトレーニング
なら、これからのトレーニングは
(これまで2年間の矯正期間、基礎的なトレーニングは十分行った。……ハツラツは、あと1年で小学校卒業。歩行は十分良くなった。膝もある程度形は……急ぐ必要は無いが、頃合か)
「来年、冬明けから、”走る”為のトレーニングを行う」
「!!!!」 - 116二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:14:41
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- 117二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:17:26
右脚だけ酷いO脚ということにしました。現実で、右前脚が外向してるとあったので、それをウマ娘に当てはめたら、これかなぁと適当に選びました。
- 118二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:57:29
ようやく第1次曇らせポイントに突入しました。
小学生時代の思い出と言えば? - 119二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 07:02:52
- 120二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 11:55:26
どうだろうねぇ
- 121二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 20:12:03
モチベーションがさらに高かったのか
- 122二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 20:19:36
なんとなくジークアクスを思い出す雰囲気だ···
- 123二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 20:54:59
OPでキタハラと一緒にゆっくり走るオグリ?
- 124二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 22:28:52
「とはいえ、まだ故障の可能性は拭えない。これまで通りの練習をするぞ」
「………走りたい」
「人生初の『走り』は残しておかないとな。怪我したらやばいからな。」
(ハツラツがお母さんに伝えていればいいが……もし何も伝えてなかったら、俺、ただの不審者では?)トホホ
「キタハラ」
「どうした?」
「こんなにスムーズに歩けようになった」
「ああ、それも、ハツラツの努力の成果だな。」
「…………キタハラがいいトレーナーだからだ」
「今日のハツラツは素直だな」ヨシヨシ
「むっ」
気づけば2年と数ヶ月、一緒にいた。早朝のトレーニングの時だけ出会う関係性。とっても奇妙で変な関係。2人隣り合わせで、河川敷を歩いている。2年前では有り得なかった姿だ。2年、それだけの時間をもって、ようやく2人は同じ速度で歩けるようになった。
「じゃあ、今日も練習を開始するぞ」
「ん!」
思った以上に、この秋の終わりは早かった。 - 125二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 22:36:44
カサマツトレセン廃校の危機ってラブライブかな?って思ったらキタハラとオグリがゆっくり歩く物語だった
- 126二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 23:13:21
冬休み。当然、岐阜県でも雪は降る。しんしんと新雪が積もり、あの冬特有の香りがする。
まぁ、お部屋の中にいるのだが
「朝は寒いねぇ。じゃあ、お仕事行ってくるよ」
「気をつけてね。」
「転ばないよ。じゃっ」
(1人だ……)
静かな部屋。特にゲーム機がある訳でも、読み応えのある本がある訳でもない。暇で暇で仕方ない。出歩くのも大変だし…去年もそう思ったと思う。
(何しよう。……キタハラ)
(早く冬……終わってほしいなぁ)
――――――――――――――――――
「ジョーさん、ジョーさん!」
「んあ?……どうしたんだ、柴崎」
「ココ最近、いっつもボケっとしているじゃないですか。集中してください。……何か相談に乗りますよ」
「いやっ、そう言うもんじゃなくてな。すまん、心配させた。」
「なら良かったです。伝えた事、忘れないでくださいね。では、私はここで帰ります」
冬休み。当然、雪は降る。しんしんと新雪が積もり、あの冬特有の香りがする。もう雪で覆われて、ウマ娘達は体育館で励んでいた。
と言う俺は、トレーナー室の中にいるのだが。
外はもう暗い、適当に手を動かして、教え子達の走る姿を見ていた。
(いい走りしてんなぁ…改善点は―――)
「帰るかぁ……」
(早く冬、終わればいいんだけどな) - 127二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 23:15:06
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- 128二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 03:00:24
冬か···
- 129二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 09:16:45
これからどうなるんや……
- 130二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 09:22:57
続きが楽しみになる
- 131二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 11:19:17
- 132二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 19:31:56
オグリキャップ像かな?
- 133二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:07:16
続きは休日に一気に出していきますね
- 134二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 07:16:20
本業大丈夫かキタハラジョーンズ…
- 135二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 13:46:50
キタハラはオールマイトだったのか
- 136二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 23:13:55
わかりました
- 137二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 23:20:24
「ぅぅ、さっむ」
「私は寒くないが」
「そりゃウマ娘だからだっ」
3月の下旬。2人はまた同じ場所にいた。と言っても、今日は休日で午後の1時である。春の日差しが気持ちいい。それでも、風は冬の残滓のように冷たい。道路には微かに雪が残っている。
「キタハラ。今日は!!」
「走る為の練習を」
「「するぞー!!」」
びゅぅぅー
「…寒っ…テンション間違えたか…」
「早く教えてくれっ!」
きらきら……ギラギラ輝いた目が貫く。興奮しているのが一目瞭然だ。尻尾がかつてないほどぶん回している。
「おーし、まずは」
「まずはっ?」
「早歩きからだ」
「……早歩き?」 - 138二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:02:12
「の、前にトモ触るぞ。冬休みの間、怠けてないだろな」
「ふっ、当たり前だ。長座体前屈なら、学校イチのままだろう。」
「そうかそうか、じゃあそこのベンチに座ってな」
長ズボンを丁寧に引き上げていく。左脚の見た目は問題ない。健康的で鍛えられている。触って見ても問題ない。関節、筋肉、骨、足指まで徹底して確認する。
「んっ……くすぐったいぞ」
「はいはい、次右脚な」
(問題ないな。問題は右脚だ。でも、去年の段階でだいぶ矯正出来てたんだ。実際、走ろうと思えば走れる程度には)
(だが、膝が治ってなかったら、走った時に痛くなるかもしれねぇ。それこそ、腸脛靭帯炎だとか―――)
ズボンを引き上げる。
「どうだ、私は走れるか?」
「「……」」
ふくらはぎ、太もも、足首、足指―etc問題ナシ
(いける……か)
初めて会った時、右脚の膝は重度で悪かった。右脚だけが、酷かった。身体のバランスの歪み、筋肉の付き方の左右差。今は軽度だ、随分とマシになった。これなら、これまで通り矯正しながらやれる。
「これなら、走れるぞ。」
「本当かっ!?……ぅぅ、お゛か゛あさん、きたはら……」ポロポロ
「うおっ、泣くなよハツラツ。ははっ抱きつくなって……うおっジヌッじぬぅぅぅ!!!」
「ありがとう……ありがとう。」 - 139二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:06:22
一抹の不安を残して、走り出す。
この世界では、常に膝の事を隠し続けます。明かすのは親しい人だけ。本当に、レースは楽しいだけのものだろうか……
ずっとずっと、膝のことで悩み続けます - 140二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:13:02
自分で書いた後に思ったけど、小学生の膝やら太もも、ふくらはぎ触診してるのって、犯罪臭するな
- 141二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 01:00:01
制限有りの膝状態です。軽度といえど、ウマ娘のパワーで走ると……
- 142二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 01:33:44
80%!?冗談じゃありません!現状で、オグリキャップの性能は100%出せます!
- 143二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 05:55:17
アルダンお嬢様とお友達になりそうな…
- 144二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 13:38:20
なんか嫌な予感がする
- 145二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 14:11:26
キタハラを信じる
- 146二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 18:04:34
「ぐすっ……」
「泣き止んだか?」
「ああ、すまない。」
恥ずかしいけど、本当に嬉しいことなんだ。私にとって、”走れる”なんてことは、”歩ける”ことの数倍に奇跡的なことだから。
嬉しい、本当に嬉しい
「よしっ、じゃあ準備体操とかしてから、早歩きから始めていくぞ。」
「わかった!」
―――――――――
「ふふっ遂に走れるのか!」
「はしゃぎすぎんなよ。ゆっくり慣らしていくぞ」
心臓が緊張よって、ドクンドクンとけたたましく脈動する。身体が火照って、思考が浮ついてしまう。
右足、左足―――早歩きなら、全然できる。腰、膝、足首が連動している。痛みもガタツキもない。
「よーし。早歩きは問題ないな」
「まずは軽く走るぞ。真似をしてくれ」
母さん、今日初めて、走れるかも。 - 147二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 19:05:10
「いちにっ、いちにっ……こんな風に、体の軸をまっすぐに、軽い前傾姿勢。踵からの着地ではなく、足裏全体で着地して、踏み出す。首や肩に余分な力を入れない。腕振りと足の動きを合わせて、これを連続して繰り返す。わかったか?」
「………?」プシュー
(わかってんのかな……これ。)
「まぁ、ゆっくりやっていこう。身体に馴染ませるには、やってみないと分かんないからな。」
「ああ。やってみる」
頭の上に?マークが浮かんでいる。キャパを超えてしまったか。まぁ、ハツラツならすぐ覚えるだろう。
―――――――――――――――
(ようやく、この日が)
緊張の瞬間。いつにもまして、場は静寂に包まれていた。いつもの河川敷、隣合う2人。芦毛の少女の額から、一筋の汗が流れる。
「見ていてくれ、キタハラ」
「ふー」
「いっち、に。いっち、に。」
ゆっくり、慎重に。早歩きから、徐々に動きを早くする。腕の振りを大きくする。足の回転を早くする。はやく、早く、速く!!!
「キタハラ、私は走れているのか?」
「よおおし!!いいぞ、出来てるぞ!!」
初めての速度。ずっと憧れていたモノ。お母さん、走れるようになったよ。身体が風みたいだ。
キタハラから「ここで終わり」の合図でゆっくりと、速度を落とす。
「どうだハツラツ。走るのは楽しいだろ?」
「……キタハラ」
「ん…な、なんかあったのか!?大丈夫か!?」
「いや。私は大丈夫だ。」
「…?」
「本当に嬉しいんだ。嬉しくて…だから、ありがとうって。これからも一緒に走ってくれ。」
「ああ、お安い御用だ。これからもよろしくな、ハツラツ。」 - 148二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 19:56:32
オグリが走った!
- 149二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 20:42:06
- 150二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 23:04:27
空を見上げているだけだった小鳥がやっと羽ばたいて空に出られた…
- 151二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 23:33:38
月日は流れて、ジジっと蝉達が騒ぐ頃。オグリキャップ、小学6年生夏休み。今日は特別熱心に練習に取り組んでいた。休憩がてら、現状について
「最初はヒールストライク走法になってたが、最近は慣れてミッドフット走法になってきた。」
「走法を安定させるのは、本当に難しい。頑張ったなハツラツ。全体的に良好だな」ナデナデ
「……直すところは?」アタマアズケ
「これまで通りのストレッチにトレーニングを、この半年、”走る”為の物に変化させて来た。現状から見て、問題はない。強いていえば……膝を無意識的に庇ってることだが、ゆっくり治していこう」
「うん。」
ベンチに座って、現状報告するキタハラ。耳をピクピク右往左往して、気になるオグリ。初めて走ってから数ヶ月で、同世代のウマ娘よりも綺麗なフォームで走れている。腕の振り、身体の軸、足の回し方、問題ない。才能を感じさせる。が……それは人間基準の速度の中での”走り”でだ
「本気で走っちゃだめなの?」
「…今、他のウマ娘と同じレベルで、本気で走れば時速50kmは余裕で超える。これまでは、あくまでも人間の速度で走ってたんだ。ウマ娘は、本気になれば車になれる。危ないからな…夏休みの最後の日にやるか……」
「……ん」
人間の走りと、ウマ娘の走りは次元が違う。トレーニング方は同じでも、その他で教える事は全く違う。トレーナー試験用の教本には必ず書かれる―――”人とウマ娘の走りは別物だ、混同するな”
うずうずしていたのは分かってる。でも、今はまだ早い。まだ走り出して半年程度なのだ。時間はある、時間はある。
「キタハラ、聞いてもいいか?」
「どうした?」
「夏休みがおわったら、体育大会があるんだ。出てもいいと思う?」
「それは……」
「夢だったんだ。歩いて、走って……誰かと一緒に走るのが。」 - 152二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 00:28:57
『その……もしかして、貴女は?』
『はい、何時も娘がお世話になってますよね。……北原穣さん。』
『娘について、話があります。』
まだ暗い暗い朝の時間、悲しい眼をした芦毛の婦女が、娘の代わりにそこにいた。これは体育大会の後の時間
――――――――――――
今は午前の8時頃。今日は普段よりも遅くトレーニングを始めたので、終わるのが8時になった。
「トモ触るぞ」
「ぅぅ……んっ」
(明日で夏休みが終わる。出来れば今日で走りたい。本気で走りたい)
(最後の体育大会、玉入れ以外もやりたいな。)
(……こうやって、見て触って、よく分かるな。キタハラはきっとスゴイのだな。)
「うん、問題はないか。膝が痛む事はあったか?」
「大丈夫。それで、私は走れるか?」
きっと、キタハラに迷惑を掛けているんだろうな。でも、お母さんに走れる事を教えたい。褒めて欲しい、喜んで欲しい。せっかくここまで秘密にしてきたんだ。
「よし……本気で走ってみるか。これまで最高で時速45kmだったが、今回は50kmを超えてみよう。じゃあ、ウマ娘専用道路に行くか」
「おおー!!」
運動会で走れれば、きっと喜んでくれるよね。 - 153二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 00:32:05
体育大会どうなるか···!
- 154二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 00:33:04
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- 155二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 01:27:13
「俺は後ろからバイクで追うからな。何か不調があったら、ゆっくりに減速するんだぞ。」
「うん。安全第一、でしょ?」
「おう👍」
ここは人通りが少ない県道だ。この時間でも、そこまで交通量は少ない。走るなら最適な道路だ。これまで走らせてきた河川敷沿いの道と比べ、アスファルトは硬く、試行回数は少ないが、これまでしっかりやってきたんだ。
後は、信じるだけだ。
「ふぅ…ふぅ」
「……っ!!」
―――時速30km
ジョギングから、徐々に速度に身体を慣らしている。ここまでは問題ない。身体の駆動はスムーズで、綺麗な滑り出しだ。
(本気の走りは、ウマ娘本来の性質が映し出される。人間基準の走りじゃ見えない本質。走り方、脚質、適正距離、問題点……これまで見えてこなかった、ありとあらゆる物が表出する。)
―――時速40km
人類の限界地点。まだまだ、汗の一つも流していない。息も安定している。足運びも綺麗だ。しっかりと、ミッドフット走法を守ってる。
「よーし。ハツラツ!40kmだ!!そのまま走れ!!」
(偶にヒールストライク走法になってるが、問題ないな。無意識的に、膝を庇う動作も矯正できたか?)
あの河川敷の所でも、この速度は慣らしてある。不安な部分はあるが、ハツラツの走り方は見事と言える。ただし、人間の走りの基準で。
時速50km、ここからだ。ウマ娘の真価が発揮するのは - 156二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 06:46:06
このレスは削除されています
- 157二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 09:57:01
ここまでは良さそうだが…
- 158二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 14:34:43
頑張れ!オグリ!
- 159二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:05:29
―――時速50km
完全に、人間基準の速度を超える。ウマ娘でしか出せない速度。ここまで来れば、最早車と同等である。そして、この速度は長距離レースで走るウマ娘の平均時速と同じだ。まだ小学6年生、11歳のウマ娘なら、ここら辺が最高速度のはず。
「50km出てるぞ!!」
「ふぅ、…ふぅ―――」
(思った以上のスタミナ!普段から息の入りが良いとは思っていたが、想像以上だ!)
(もっと本格的に測りたかったが、今日はあくまでも、走れるかの確認。もう200m程度走らせて、今日はこれで終わりに)
「ハツラツー!!もう十分だ。もう少し走ったら、ゆっくり止まれー。……ハツラツ?、ハツラツ!!」
(不味い!!掛かって聞こえてねぇ!!これ以上速く走ったら―――)
ドッ!!!!
爆発するかのような音と共に、気配が変わる。走り方も変わる。教えられていないはずなのに、身体は勝手にその姿勢を選んだ。
『ウマ娘の真価、本質が見えるのは50kmからだ。』
ハツラツがあんな表情で走ってる姿など見たことはない。何かに取り憑かれたような状態。
そして何よりも、不安を煽られたのは、超前傾姿勢で走っていることだ。
トレーナー業をして、あんな姿勢で走っているウマ娘は見たことがない。
「なっ、あんな姿勢で走ったら、転んじまうっ」
「ハツラツっ!!!」 - 160二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:13:11
「よーし。ハツラツ!40kmだ!!そのまま走れ!!」
「ふぅ…ふぅ」
(久しぶりだ。こんなに走るだなんて!!)
なんて楽しいだろう。風を突き抜けて走っている。ずっとずっと、欲しかった物を手に入れた感じ。心臓がうねり出す感覚
どくん、ドクン――
クジラのような心臓が、ようやく目覚める。胸の奥が、熱い。血液が全身に強く送り出されてる。夢中になる世界、まるで自分1人しか居ないみたいな。
「●■km出■るぞ!!」
「ふぅ、…ふぅ―――」
(私は、こんな風に走れるのか。)
キタ■●?
誰かが私に向かって喋ってる。誰だろう。どうでもいいや、走れればそれでいい。
膝?……気にしなくていいか。
『走って、走って』
自分と似たような声がする。何処から。分からない、分からないけど、直感で勝手に理解できる。この声は、私の中からしてるんだ。
『走ろう、走ろう』
そうだ!!なんで忘れてたんだろう。私は本来、本当なら、こんな風に―――
「ハツ●ツー!!も●分●だ。もう少し走ったら、ゆ■■■●止●れー。……ハ●ラ■?、●ツラ●!!」
『走れる』
―――走れる!!!!!!! - 161二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:15:24
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- 162二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:19:21
(楽しいッ…楽しいっ!)
全力で走れる。やった!やった!!
お母さん、走れるよ。走れるようになったよ。
トレーニング、マッサージ、ストレッチ…2人でずっとやった。お母さんが支えてくれたおかげで、初めて歩けた。
『走って、走って』
「ハ■■■!!!」
足を引き摺って、いつも歩いてた。小学校のみんなが、帰り道を走って帰る姿を見て、私も走って……転んで砂を食べた。
―――羨ましかった。
『走って、走って』
「ハツ■■!!」
諦めたくなかった。歩けるだけでも、奇跡だなんて……認めたくなかった。でも、いつまで経っても、膝は良くならなかった。痛みを放つこの膝が、好きになれない。
『大丈夫。諦めなかったら、必ず良いウマ娘になれるよ』
―――悲しかった。
『走れる、走れる』
「ハツラ■!!」
お母さんを無理やり説得して、朝から1人で散歩する事にした。お母さんは心配してくれた。ごめんなさい。きっと良くなる筈だから、いつか誰かと同じ歩幅で、隣に居れるって。でも、私は1人だった。
―――辛かった
[私、走れるように……なるかな?]
[おれが君を、走れるようにする!]
(……わたしは)
『走って、走って、走―――』
「ハツラツ!!!俺がいるからなぁ!!!隣にぃ!!!」
「だから、ゆっくり、止まってくれ!!」 - 163二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:38:13
オグリ止まれなくなってる?
- 164二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 00:26:27
「ゆっくり、止まってくれ!!ハツラツっ」
「きた……はら?」
「あっ!?」
時速60kmに迫るほどの爆走。完全に小学6年生が出していい速度を超過している。先程まで自分は何を思って、どんな状態で走っていたのか、いまいち分からない。
夢中の中にいた時の自分と、突如預けられた速度を制御しようとしている自分は、何かが違う気がする。そんなことよりっ!
「―――」
時速50km
腕の振り、足の回転が早すぎる。意識を合わせないと。ゆっくり……ゆっくり……ゆっくり!!
時速40km
何とか制御出来た。このまま……このまま
………………
…………
……
「はあっはあっはあっ……ケホッ…おぇ……」
「ハツラツ…」
身体が猛烈に酸素を求めて、肺を動かす。心臓は未だ走ってるかのように、血液を全身に回す。あまりの苦しさに咳き込み、吐きそうだ。
そして、ずっと背中をさすってくれるキタハラ。
「ふぅ…ふぅ…きた、はら」
「落ち着いてから話そう、な?。ハツラツ」
怒られるかな…… - 165二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 08:44:50
危ういところだった
- 166二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 16:50:06
ギリギリセーフ…
- 167二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 17:33:13
鯨のような心臓、そうか、この世界のオグリも怪物になる能力が…
ただ、スポーツ心臓は拍数少なすぎて心臓肥大に片足突っ込みかけらしいからな…まだ小学生のオグリの身体はそれを使いこなせるのか。 - 168二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 22:11:52
「おえっ……けほっけほっ、うぅ」
「落ち着け、息を整えな」
(さっきのが…アレがハツラツの本当の走り方なのか……)
(アレだけの速度を、小学生で…信じられねぇ。まるであれじゃ、『怪物』だ。だが、ハツラツの身体が、身体が壊れちまう)
(俺は……この子に何をしているんだ)
”東海ダービー優勝”
トレーナーに憧れた時、成った時からその目標を持っていた。熱意を持って、たくさんのウマ娘と共に切磋琢磨をしてきた。たくさんの涙を見てきた。……それでも、いつの間にか熱意は消えかけていた。
『北原トレーナー!よろしくお願いしまーす!』
気づけば画面の向こうを見つめて、夢を見ていた。なんて失礼な事だろうか。目の前の頑張るウマ娘に、期待しなくなってしまった。
そんな時だ、弱っちくて、小さな芦毛のウマ娘の少女に出会った。トレーナーとして、ただ心配して話しかけただけだった。何も考えてなかったのに―――
『わたしも……走れるのかな?』
―――魅せられた
何故か分からないが、この子ならと思った。邪な思いだ。東海ダービーに行けると思ったから、この子を支える事にした。本当なら、ご両親にも挨拶しなければいけないのに、それを忘れて、朝だけ会って、教えて……そんな2年3年を過ごした。
この子と会っている時は、トレーナーになった時みたいな、熱意を持てた。
気づけばこの子は走れるようになって、今日こうやって本気で走らせた。
―――そして、この子を壊しかけた
(俺は、勝手な期待をして、この子を見てなかったんじゃなのか)
(俺は……俺はなんて、情けないんだ)
「ハツラツ…何処か痛いところとかあるか?」
「はあっ…はあっ……大丈夫。何処も痛くない。ごめんなさい…ぐずっ、気づいたら、勝手に」
「そうか、良かった、本当に良かった。」
夏なのに、照りつける日差しがどうしてか、熱く感じられなかった。 - 169二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 22:39:59
if
何時もの河川敷に戻って、出会った時と同じ場所の、ベンチに座っていた。
(俺はこの子の、隣に居る資格があるんだろうか……)
「ハツラツ……俺は君の隣に居る資格なんてない。……今日で、会うのはやめよう。」
「……へ?……なに、言って?」
「俺は、この子となら勝てると思ってた。ハツラツを見てたんじゃなくて、レースを見てたんだ。」
「最低最悪なクソ野郎だ。ハツラツの隣に居る資格なんて無いんだ。このまま一緒にいたら、きっと故障させる。だから―――ごめんなぁ」
「なに、いって……ずっといっしょだって、隣にいるって……約束した、約束した。行かないでぇ、行かないでよぉ」
「ハツラツ…きっと君は良いウマ娘になれる。走れる様にもなった。もう……俺は要らない。ごめんなぁ」
「あぁっ待って、まって。キタハラ……きたはらぁぁぁぁ」
―――なんで、なんで
歩きたいって、走りたいって、ずっと思ってた。それは、みんなと同じに成りたくて、弱い自分が嫌だったから。でも、それ以上に
「まってぇ……まってよぉ。独りにしないで」
隣に居たかったから。歩けるのに、走れるのに
「うわぁぁぁぁぁぁ」
涙が、いつまで経っても枯れなかった。
―――――――――――――――
「今年の新入生は……やはり、フジマサマーチか」
「……ジョーさん、始まりますよ。」
ゲートが開く。彼女は1番で駆け抜けた。
おおおお!!彼女をチームに誘おうと、北原以外のトレーナーが歩む。
「…しかし、どうもなぁ」
「えっと、次出走するのは……ルディレモート、ミニーザレディ、ベルノライト―――」
「―――オグリキャップ…か」
「北原……!!」 - 170二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 22:41:35
これはifです。こうしても良かった
- 171二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 00:18:30
この世界線だとキタハラに対する目線全てが「無礼ルナ」級の圧こもってそうなオグリ…
- 172二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 00:18:39
「北原に走り方の全てを教わった」の意味がめちゃくちゃに重くなりませんか……なりますね……良いですね……
- 173二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 00:24:44
- 174二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 02:00:01
- 175二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 10:15:23
ケガするタイプによくあるやつ
- 176二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 17:48:06
機体を強化するしかない···
- 177二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 22:40:12
きっと怒られる。アブナイ事をして、迷惑をかけちゃった。悪い事をしてしまった。今も背中を撫でて、私の調子が治るまで待ってくれてる北原に、私は……
「けほっ、けほっ……き、たはらぁ」
「ハツラツが無事で良かった。無事でいてくれて良かった。」
「お、けほっ…こ、らない…の?」
「怒るわけないさ、むしろ、俺の事を怒って欲しいくらいだ。歩けるか?」
「……むり」
怒らない。叱られるって思ったのに。どうして、お母さんも、北原も、こんなに優しいのだろう。いつか、大人になれば分かるのかな。タオルでグリグリ汗を拭き取られて……飲料水も貰って
「無理して歩くなよ。ほらっ、おんぶするからな。」
「……」ぎゅっ
「バイクどうしたもんか……2人乗りは流石にな。後で歩いて取りに来たらいいか。」
私だって、2年前と比べておっきくなったのに。それでも、北原の背中は出会った時と同じ位大きく感じる。
信じられないほどに、身体に力がない。さっきだって、立とうと思ったら震えて立てなかった。異常な疲労感、もう……
「…………すぅ……すぅ」
「寝ちまったか……いい加減、親御さんに挨拶しに行かないと不味いだろうな…」
「それにしても、……大きくなったんだな。あんなに小さかったのに。」
「俺は……どうするべきなんだろうな」
甘い眠気に包まれて
- 178二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 22:49:03
このオグリは発育不良が多少起きているかもです。足の左右差とかで、原作167cmのところ、163プラマイ2cmぐらいかも。ただ足もある程度治っているので、いつかは原作と同じになるかも。
- 179二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 23:53:05
「「暑い……」」
「ところでハツラツ。……いつまでこの姿勢なんだ。」
「歩けるようになるまで……だめ?」
忘れているかもしれないが、今は夏なのだ。幸いな事に雲がお天道様を隠してくれているお陰で、少しだけ涼しいのだが。
寝て起きるまで、ずっと膝枕していたのである。当然、腰など痛めないように、使わなかったタオルを敷いて。30過ぎのおじさんにとって、中々に辛いものがあった。痛い
「まあいいか。それで、体育大会についてだが」
「!!」
「これから数週間後なんだってな。なら、しっかり準備してから、きっと大丈夫さ。」
「でも、今日みたいになれば……」ショボン
「…とにかく、それも直していかないとな。」
しょぼくれる姿をみると、こっちだって辛い。小学校の思い出くらい、守ってやりたいと思うのは、1人の人間として普通だろう。
「キタハラはなんで、こんなに面倒みてくれるんだ?」
「は?…………なんでだろうな。初めはただ心配で見てただけなんだろう、が。今は、…恥ずかしいから言わなくてもいいか。」
「なら、いつか教えてもらうね。」
これで、小学生最後の夏休みは終わった。これからも、2人は共に進む……かもしれない。
次の話は、体育大会である。 - 180二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 23:53:42
体育大会!
- 181二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 00:02:32
ある日のこと
『おかあさん……1人で行くっ!!』ヨタヨタ
『あんた、1人でこんな早朝に行ったら、誘拐されるのよ。だめ』
『むぅぅぅぅ、行く、行く!!』
『どうしたものかしら……』
1つ決めたらやり通す頑固さがある。こうなったら、テコでも動かない。
『…仕方ないか、1人で行ってもいい』
『えへへっ!!じゃあっいってきます!!』ヨチヨチ
まだ覚束無い足取りの娘を、本当に1人で行かせる親がいるだろうか。いや、居ない。つまり、後ろを追跡する。
1日目、問題なし。2日目、問題ない。……X日目
『うわぁぁぁん』
『えっと、おじさんは―――』
殺す。そう思って、駆け出そうと思った。けれど、『トレーナーなんだ』……なんですって。
耳を絞って聞き耳を立てる。どうしたものか、親として、どうしたらいいものか。
①あの不審者を逮捕する、娘を守る
②あの不審者を信じ、娘の成長を支えてもらう
……結局のところ、私はあの”北原穣”さんを信じる事になった。当然、あの子が出会う時は後ろを追跡して監視するが。
2年も続くと、流石に信じざるを得なくなった。あの日から、あの子からは希望を感じるようになった。覚束無い歩行も治って、今では走る事に挑戦しているみたいだ。
『お母さんっ……見て!!歩ける!!』
『あんたぁ……うううおめでとう、おめでとう!!』
『お母さん……走れるようになった!!』
『あんたって子は……ぅぅ、焼肉食べに行くわよ!!』
明確に成長しているし、娘も好意を抱いているみたい。でも、娘は最近、体育大会に出たいとの事で、夏休みでも彼と特訓しているみたいだ。
『……ご飯たべる』
仕事から帰ってきたら、しょぼくれていた。 - 182二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 00:28:49
私、恥ずかしい事にスレ立てしたこと無くて怖いので、その時が来たら代わりに立てて頂ければ幸いです。このような拙作を読んで頂きありがとうございます。
- 183二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 00:40:18
時間ある際に次スレ建てておきます!
- 184二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 07:18:18
オグリの今後が楽しみだねぇ
- 185二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 11:16:08
最後に、体育大会で……を書き終わったら、第0R目は終わりになります。長かった
- 186二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 18:08:00
アグネスタキオン…?
- 187二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 22:05:53
朝の五時、トレーニングは終わり、別れる前
「もう学校始まったよ」
「そりゃ大変な事だな。……本当に出るつもりなのか?」ナデナデ
「出る…けど、少し怖いんだ。もしあの時みたいになれば」ナデラレ
「呑み込まれないように耐えるしかない。まぁ、体育大会と言えど、他のウマ娘が本気で走ること何て無いさ。学校も怪我させられないからな。昭和中期じゃあるまいし。」
昔はそれはそれは凄かったのである。……まぁ、本気で走ること何てないだろう。転ぶのは怖いが、恐らくは擦り傷程度で終わるはず。そのはず
「楽しんで来いよ」
「うん。最後くらいはリレーに参加する。優勝する!」
「……本気出すなよ、身体をいたわって、怪我しないようにな」
「うん。じゃあバイバイ」
言い知れぬ不安が胸を過ぎる。結局、引き停めればいいのだろうか。分からない。
―――――――――――――――
「あんた。本当に体育大会で走るの?」
「……走りたい。むぅ」
「普通に走るなら怪我しないだろうけど、それでも心配な物は心配よ。」
「最後くらいは、走りたい」
………………
…………
……
そんな事で、その日はやって来た。 - 188二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 23:54:13
オグリ!がんばれ!
- 189二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 00:47:13
わあわぁ、ざわざわっ
体育大会となれば、全生徒が校庭に出て、各種目を競い合う。休んで椅子に座っている者達は、これから戦う子達を応援したり、くだらない雑談をして大笑いしている。何て良くある風景だろう。
「オグリちゃんも次の出るんだね。珍しいのだ」
「何時もは走らない競技に出てたから。初めてで緊張してる。」
「ふふっ、オグリちゃんは何時も玉入れとかだったもんね。頑張って!」
「ああ。行ってくる」
次はウマ娘バトンリレーだ。これが小学校の体育大会で最初で最後の走る種目だ。なるべく怪我しないように走る。勝つ事は忘れずに
「はぁーい。次の種目に参加の方は集まってください。みなさん、くれぐれも怪我をなさらぬように、気をつけましょう。」
「勝てー!」
「負けるなぁ!」
一番の盛り上がりだ。とはいえ、オグリの出番は終盤あたりだ。最初に早い子に任せ、余裕を持って勝つ作戦らしい。
「よぉーい……」
パァンッ!!
リレーが始まった - 190二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 01:18:15
無事完走してくれキャップ!
- 191二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 08:49:44
- 192二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 14:48:09
了解です!
- 193二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 15:48:44
- 194二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 17:19:55
ありがとうございます
- 195二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 02:29:47
おつです