- 1二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:29:06
- 2二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:30:02
- 3二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:33:32
たておつ
- 4二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:33:48
そんでもってなんで立て直し?
- 5二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:45:57
スレタイの変更のためです、とりあえず10まで伸ばします
- 6二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:46:11
6
- 7二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:46:59
たておつ
- 8二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:47:27
8
- 9二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:47:40
9
- 10二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 07:47:59
これでヨシッ!
- 11二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 10:10:31
たておつ、SS待ってる間にツルとハスの苗字とか考えてても良いかな?
- 12黒い獣25/05/14(水) 10:19:47
SSですけど今日の更新は遅れます、多分
- 13二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 12:48:04
了解です
- 14黒い獣25/05/14(水) 15:22:23
「ハスは、ハスはどこなんだよ!答えろ!」
「落ち着け、ツル、アイツは無事だ」
ミネの代わりに答えたのは、ちょうど部屋に入ってきたツルギだった。
「それより離してやれ、首が締まっている、〇す気か?」
「っ!ご、ごめ…そんなつもりじゃ…」
「ゲホッ………こほっ…………本当に………何があったんですか?その首輪といい…怪力といい…」
「首輪?」
友人の無事と、ミネを〇しかけたことへの恐怖で冷静さを取り戻したツルは、自分の首に手を当てる。
先程までは混乱していたことや、寝起きだったことで気付けなかった何か取り付けられているのを感じた。
「………ツル、お前、変な薬を使ったそうだな?何をした?」
「…それより…あの………ハスに─────」
「何をした?」
ツルの言葉を塞ぐように、ツルギは質問を重ねる………いや、それは質問などではないとツルは悟る。
ツルギが今ここに来たのは単なる見舞いなどではない。
部員と自身を〇しかけた存在に尋問をしにきたのだと。 - 15黒い獣25/05/14(水) 15:22:35
「ツルギ委員長、いくらなんでもそれはあんまりではありませんか?」
「いや、妥当な処置だ…コイツはいつ暴れだすかはわからない、それにあの時は強大な力に対して肉体が追い付いていなかったように感じた。
もしあのまま放置していたら、私でも手をつけられない存在に成り果てていただろう。
単騎で数万人の兵力に匹敵する、世界を崩壊させる、知性のない獣にな」
ツルは今の自分の危険性というものを初めて自覚した、制御できない破壊衝動、キヴォトス最強(剣先ツルギ)ですら危うくなる力、それが合わさってしまった自身という存在。
それは文字通りの「大量破壊兵器」
「もしも、お前がお前でなくなった時、私はこの引き金を引く、そこに迷いはない」
「ツルギ委員長、お言葉ですが、そうならないために首輪をつけているのではありませんか?もしそうなったとしたら、私の救護力が────」
「ミネ、これはお前が背負うことじゃない、私が背負うべき責任だ。
……それに私は一度引き金を引いている、決断を終えている、既に私は正義の執行人ではない、だからこそ、私が背負うべきだ、そうだろ?」
「ツルギ委員長…あなたは…」
ツルギの目には確かな覚悟を宿し、最悪の自体に備えようとしている
「話を戻す、ツル、お前はあの時、何をした?」 - 16二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 17:39:08
ほしゅ
- 17二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 18:27:02
委員長、覚悟決めてるな…
- 18二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 19:56:13
ほしゅ
- 19二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:25:08
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 20:38:57
スレ自体の保守なっていると思いますが、それはそれとして単語一つでもいいので感想書いた方が良いのではと思いますね。
そしてレスの上限に関しては貴方のそれも、私のこれも、書けるレスを減らすだけなので保守以上に意味ないですよ。
そしてこの会話はこれ以上続けてもスレ主の迷惑になるだけなのでやめましょう。以上。
- 21二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 21:16:10
ツルが話してくれるのか心配だなぁ。良かれと思ってしたことが裏目に出て自罰的になって逆に何も言わなくなるとかあり得るし。
- 22黒い獣25/05/14(水) 21:17:19
「………神秘について、委員長は何処まで知っていますか?」
「私達に宿るものだろ?」
「質問を変えます、その神秘について何処まで説明できますか?」
「説明?神秘ってのは………」
ツルギは神秘について説明しようとして気付く、何もわからないと。
「………あー?」
「神秘とは我々生徒にとっての力の源であり、ヘイローとは神秘を用いた肉体の強化、そして保護の仕組み。
神秘と肉体の繋がりが大きければ大きいほど、強い生徒へと至る………ですので、委員長はキヴォトスでもトップクラスに神秘との繋がりが強いと言えます」
「ツルさんはお詳しいのですね…しかし………上手く使えば救護の精度を高められる可能性も…」
ミネは神秘の救護利用を考え始めたが、ツルギはそのまま質問を続けた。
「そうか…ソレが今回の件に関係あると?」
「はい、神秘との繋がりが強くなる原理は二つ、一つ目は成長と共に自然と強くなるのを待つこと………言ってしまえば才能、ですかね」
「努力でどうにかなるものじゃないのか?」
「多少の変化はあるかもしれませんが、おそらくは誤差の範囲です、自然と強くなるのを待つ程度では、限界は変えられません。
そこで二つ目の方法、神秘との現状における繋がりをそのまま大きくします」
「大きくする?」
「神秘との繋がりとは血管のようなものです、成長と共に身体が大きくなり、その分だけ血管の量も、長さも増える。
その血管の数は意図的に変えることはできない、しかし…興奮状態に陥れば血管は太くなる、それは神秘との繋がりも同様」
「………激情を用いた暴走」
ツルギの言葉に頷き、答え合わせをする。
「神秘増強薬、という薬を使い、暴走を誘発させました」 - 23黒い獣25/05/14(水) 21:34:27
「………お前、自分が何やったかわかってるのか?」
「……………」
「おい」
「……………」
「聞こえてるのか!」
ツルギが怒鳴りつけても、ツルは答えなかった、だが目に後悔の念と罪悪感が見て取れた。
「ツルギ委員長…今の彼女は」
「黙ってろ!………ツル、私が言ったことは覚えてるか?」
「………」
「人間は一人では生きられないものであり、戦う時も一人では駄目なんだ、もっと周りを見て、誰かを頼れ、そう言ったはずだ」
「………」
「あの時、周りに誰がいた?ハスミがいたはずだ、アイツは確かに利き腕を怪我をしていた。
だが片手で銃を撃つ訓練はしている、それこそお前の援護くらいはできた、それで援軍を待つことも、可能だったはずだ。
お前………そういった確認をしなかっただろ?自分を犠牲にして、二人が生き残れば良いとでも思ったのか?
馬鹿かてめぇは、突っ走る前に、最後の手段を使う前に、やれることが本当に何もないか確認をしろ。
お前は一人じゃない、なのにお前の方から一人になってどうする?お前が無茶すれば解決する問題なんてありはしないんだぞ?わかってるのか?」
「………」
「黙ってないで答えろ、ツル」
ツルギの説教に対し、ツルはやっと口を開いた。
「委員長も、私を〇すために銃口を向けているじゃないですか、一人で」 - 24黒い獣25/05/14(水) 21:56:29
「お前っ!」
「あの時、何があったのかの報告は終えました、あとは最後の事後処理だけです………撃ってください」
「ツルさん!」
「ミネ団長、アンタにも迷惑をかけた、だがこれは私の罪で、償わないといけない」
「だから命で償うと?」
何も言わず、ただ見つめる。
「本当に………本当にどこまでも…どうしようもない馬鹿だな、お前………言ったはずだ、お前がお前でなくなった時に手を下すと。
ソレは今じゃない、まだやれることはある」
「しかし最後は一人で背負うと」
「黙れ、自暴自棄の極論に意味はない」
「………」
「力の使い方を教えてやる、お前の腐った根性も叩き直す、どれほど泣いても、〇してくれと懇願しても、お前がお前である間は諦める気はない。
何がために戦うかを思い出せ、既に私達は正義ではない、だがそれでも、何かを守りたいという思いは今も変わってない、そうだろ?」
「………」
ツルギは銃口を下げ、ツルに命令する。
「お前が罪悪感に苛まれるなら、破壊衝動に流されそうだと言うのなら、それを飼い慣らせ、自分の力に変えてみろ、ソレがお前にできる償いだ」 - 25二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 22:35:49
ツルギ優しい
- 26二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:54:05
これで少女漫画やれない小説読書が趣味ってんだからほんと、可愛いよね。
- 27二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:54:43
これで少女漫画や【恋愛】小説読書が趣味ってんだからほんと、可愛いよね。
- 28二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 02:39:08
一見狂気に飲まれているように見えるからこそ、ふとした時の真面目モードが光るのよ…。
- 29二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 07:40:51
はたして無事ハッピーエンドになってくれるのか…
個人的には圧倒的ハッピーエンドが見たいが - 30黒い獣25/05/15(木) 08:07:24
未だ傷は癒えず、入院中のベッドの上で、お見舞いに来てくれた友人が林檎の皮を剥く音が響く。
「ハス、林檎剥けたッスよ」
「ありがとうございます…あ、剥くのは一個で良いです……今は食欲がなくて…」
「ハスもッスか?ハスミ先輩もそうだったッスけど、本当に何があったんッスか?」
あの時の出来事は一部の者にしか知られていない、それはあの子への畏怖、あるいは傀儡にし、戦力として取り込もうとする動きを懸念してのことだった。
今の彼女は剣先ツルギに匹敵するか、それを超える力を持つ、同時に、制御不可能な凶暴性も。
トリニティの大量破壊兵器、あるいは激情の黒い獣、それが今のツルちゃんという存在だった。
「ツルのこと、やっぱ心配ッスか?ツルギ委員長が来るまでの間、たった一人で持ちこたえて、大怪我したって…」
「………そうだね、すごく心配だよ」
心配しているのは本当、だから、曖昧に肯定する、悟られないために。
「でも、本当は何があったんスか?」
ただ、イチカちゃんはこういう時は鋭い…でも…
「………ごめん、言えない」
「あ、あぁ…そ、そうッスよね、言えるなら言えるッスよね………申し訳ないッス」
「いいよ、イチカちゃんは私の心を軽くしようとしてくれたんだよね」
「あ、あはは………そうッスね…」
「………ありがとう」
未だ傷は癒えない、きっと、これからも… - 31黒い獣25/05/15(木) 12:19:22
自分が目覚めるまでに起きたことを知らされた。
まず、調印式を襲撃したのはアリウス分校だったこと、そしてエデン条約を乗っ取り、その防御機能であるユスティナ聖徒会を奪われたこと。
そして、私が暴走していた同時刻、シャーレの先生が撃たれ、重症を負ったこと。
その現場と、私達の位置はかなり近かったこと。
その後、目を覚ました先生が、ユスティナ聖徒会を無力化し、更に相手の切り札であるヒエロニムス(人工天使)に大人のカードを用いて制圧したこと。
全てはアリウスの目論見通り、調印式はおろか、エデン条約そのものが白紙に戻さたこと。
百合園セイアが一時的に目覚めたが、彼女の発言が発端となり、聖園ミカが脱走、アリウス自治区へと進行したこと。
そして、エデン条約襲撃の首謀者の大人を取り逃がしたことも…
もし、あの時、私が判断を間違っていなければ…ツルギ委員長が先生の元に素早く駆けつけて、守りきれていたかもしれない。
だからこそ、委員長は私にこの罰を与えたのだろう。
「きぃぃぃいえぁぁぁぁぁああああ!!!」
「踏み込みが甘いっ!」
「がっ!るぉぁぁぁあああああ!!!」
「恐怖心は捨てろ、だが正気を保とうともするな」
「ごふっ…どうしろ………と…」
「正気と狂気の狭間、そこで意識を保ってみろ。
狂気の破壊衝動、正気の判断力、それを同時に使いこなせるはずだ」
「無茶苦茶な…」
「無駄口を叩くな、やれ、そうでなければお前は人ではいられなくなる」 - 32二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 15:15:36
ハス「私がもっとしっかりしていれば」
になっているよねこれ - 33二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 15:20:51
ベアおば逃げた扱いなんか?(単にデカルコマニーに回収されたやつを報告せずに誤魔化した可能性もあるが)
- 34黒い獣25/05/15(木) 17:49:08
- 35黒い獣25/05/15(木) 18:05:35
所定の位置に戻り、もう一度委員長へと突撃する、だが武器は使わない、使うのは自分の身体。
翼を盾に、槍に変えて攻撃する、これは昔ツルギ委員長が使っていた技であり、翼がボロボロな理由の1つ。
「いい動きだな、だが遅い」
「あがっ…」
攻撃を躱された直後、腹に蹴りを叩き込まれ吹き飛ぶ…これで何度目になるか………100超えた辺りから数えるのはやめた。
「立て、まだ終わりじゃない、まだ動けるはずだ、限界を自分で決めるな、予備の力を使い果たしたら次は命を削れ、そこまでしなければ私には勝てない」
「フッー…フッー…」
「もう一度だ」
もう一度、所定の位置に立って、姿勢を低くして構える。
「来い」
前に踏み出そうとした瞬間、私の中で何かが蠢いた。 - 36黒い獣25/05/15(木) 18:05:51
「………グルッ」
「…来たか」
「アォォォオオオオオ!」
私の口から出たそれは真似事の奇声ではなく、遠吠えだった。
同時に、今まで以上の速度、最小限の動きで委員長に迫り…
「ガルァァァァァアアアアア!!!」
「ッ!」
委員長の左脇腹に攻撃を当てることができた………でも…
「グルルル……グルァァァァアアアアアアアアア!!!」
攻撃を止めたくても身体が言うことを聞かない、でも意識は確かにここにある。
このままだと委員長が━━━━━
「確かに速いな、だが単調過ぎる」
その言葉と共に委員長が放った拳が鳩尾に入り、また吹き飛ばされ、地面を転がった。 - 37黒い獣25/05/15(木) 19:22:19
「ガッ、あぐっ…ぶえ……」
「感じられたか?お前の中にあるものを、お前自身がこれから飼いならす衝動を、激情を」
「………ケホッ…これを…どうにか………できると?」
「できるようにする、しなければいけない………だが、今日の目的は果たせた、訓練は終わりだ」
「目的?」
「お前の中の激情を引き出し、それを知覚させる、これから向き合うべきモノを知る、それが一番の目的だ、まぁ…技を教えるというのもあるがな」
つまり、本来の目的のついでに技を叩き込んだと…
「ミネ、治療は頼んだ」
「肝が冷えましたよ、本当に」
あぁ、ターミネーターも来てた━━━
「救護っ!」
一瞬で意識を刈り取られた。 - 38二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 03:09:46
このレスは削除されています
- 39二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 03:40:42
ゾ・シアかよ
- 40黒い獣25/05/16(金) 07:41:33
「………ちょっと見慣れてきた天井だ」
救護騎士団の部室、白い天井…もしやここはリスポーン地点なのではないだろうか。
“起きたね“
「あんたは確か…」
“はじめまして、シャーレの先生だよ“
「噂は聞いてる……いいのか、いつ暴れ出すかもわからない、制御不能の大量破壊兵器に生身の人間が近づいて」
“大丈夫だよ、君はそんなことにはならないし、私がさせない“
「それは大人の責任だから?」
“それもあるね、ただ私は、純粋に君を助けたいんだ“
本当に噂通りの人だった。
「それ、おいそれと言わない方が良い、勘違いした女の子にそのうち刺される」
“ははは、大丈夫だよ、みんな優しいから“
「………誰か助ける為に命を差し出せと言われれば絶対にやるだろ?無茶するなよ、先生が消えたら悲しむ奴が大勢いる」
“それ人のこと言えるの?“
「残念ながら悲しんでくれる人なんてもういない、だから勝手に守って、勝手にくたばるつもり」
それが私の選択、私のやり方、私の生き方、私の…タヒに方。 - 41黒い獣25/05/16(金) 10:01:39
“………君はもっと周りを頼っていい、君は君が思っているよりも大切にされているから“
「………」
大切にされている…か、ただ単に救護騎士団としての仕事をしてるだけだろう、それよりも…
「………で、部屋の外で待機させてるやつはどうする?」
“気付いてたの?“
「この身体になってから、嗅覚が異常に良くなって………臭いで何が何処にあるかってわかる、犬みたいに」
“そっか…なら本題に入るよ“
やっとか…まぁだいたい察しはつくけど。
“入ってきて“
「クックックッ、ついに出番ですね」
入ってきたのは真っ黒な大人、文字通りに全身が黒くて、スーツも黒い、身体中にひび割れがあった。
「………なるほど、マエストロが言っていたように、確かに天使ですね」
「アイツの知り合い?」
「同僚のようなものです、私のことは黒服、とでも」 - 42黒い獣25/05/16(金) 10:06:53
「………で、アイツの同僚さんが何の用?」
「クックックッ、そう急がないでください、私とて気持ちを落ち着かせるので精一杯なのですから」
「………?」
「その首輪を作ったのは私です、まさかこのような使い道があったとは………実に興味深い」
首輪に触れ、位置を直す…この首輪には神秘を抑制する力がある、正確には激情を抑制し、神秘の流れを狭める。
神秘増強薬とは真逆の効果だからこそ、互いに打ち消し合うことができている。
それを作ったのがこの大人だと言うのなら、何故ここに来たのかはなんとなくわかる。
「未だ、力が衰えてない、そのことについて調べにきた?」
「話が早いですね、えぇ、そのとおりです、どうです?私の元で助手をやってみませんか?」
“黒服、その冗談は面白くない“
「クックックッ、これは冗談などではありません、キヴォトス最高の神秘、彼女にはそれとは違った希少性があります。
ただ、それが災いし、キヴォトスを滅亡させるというのなら私は全力で止めるつもりです。
キヴォトスが滅んでは研究などできませんので」
“………“
そのついでに研究対象として記録を集めると………合理性を考えれば、私にとっても悪い話じゃない………か。
「考えとく」
「それはそれは、良いお返事、期待しておりますよ」 - 43黒い獣25/05/16(金) 12:38:54
「話が反れました、改めて本題に入らせていただきます」
「私の神秘、その繋がりと溢れ出して収まることを知らないこの力について、であってる?」
「はい、こちらでもいくつかの仮説を立てておりますが、実際にどうなのかは調べてみないことにはわかりません」
「………何をすれば良い?」
「本当に話が早いですね、ですが、貴女はそのまま動かないでください、こちらで用意した機器を用いて測定を行います。
と言っても、簡易的なものになりますし、精度はそこまで高くはありませんが」
黒服が取り出したのはディスプレイ付きのトランシーバーのようなもの。
というより、ガイガーカウンターによく似た何かだった。
「放射線測定でもする気?」
「似たようなものですね、漏れ出している神秘、あるいはそれに近いなにかをそれを測定する機械になります。
更に言えば、ある程度は宿っている神秘の正体を絞り込めます、と言っても、そちらの精度は低いですが」
“完全に置いてけぼりなんだけど、大丈夫なの?それ“
「大丈夫かどうかを調べるためにここにいるのですよ、そのつもりで私を呼んだのではありませんか?」
“………“
「先程も言いましたが、動かないでください、動くとそれだけで測定結果が乱れますので」
動くなというのは気を使ったのではなく、本当に動かないことが仕事だったらしい。
「では、失礼して…」
黒服が測定機の電源を入れ、私にかざしてくる…が…
「このまま30分はじっとしていてください」
「………本気で言ってる?」
「小型故に時間がかかるのですよ」
クソほど面倒くさい機器だった - 44二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 16:32:17
こういう時の黒服の頼もしさと胡散臭さの半々具合がたまらんよね。
- 45黒い獣25/05/16(金) 20:07:55
「………測定が終わりました」
「長かった…」
“お疲れ様、なにか欲しいものはある?話が終わったら買ってくるよ?“
「ない………それより、結果を教えて」
「長くなりますが、よろしいでしょうか?」
「じっとしているよりは良い」
いや本当に…測定機のためにじっとしてるよりは遥かにマシ。
「クックックッ、では遠慮なくいかせていただきます。
まず数値ですが、完全に異常値を示しています、本来、普通の生徒であれば高くとも10を超えることは滅多にありません。
ですが…貴女の場合は32、基準値…というものはありませんが、他者と比べるとかなりの量になります」
“大丈夫なの?それ“
「わかりません」
「おい」
「クックックッ、そう怒らないでください、貴女以上に漏れ出ている生徒を私は知っていますが、彼女は特定の行為をしなければ普通に生活ができています」
「特定の行為?」
「ゲヘナ学園、給食部、1年、牛牧ジュリ、数値としては73でして、彼女が調理を行いますと、完成した品に神秘…いえ、生命が宿ります………おそらくは、漏れ出た神秘の影響でしょう」
“黒服、ジュリに何かしてないよね?“
「クックックッ、ただ測定をして、料理をしていただいただけですよ………えぇ……お腹を壊すのでもう二度とやりませんが」
コイツ、躍り食いでもしたのか?
「ともかく、何らかの条件を満たした場合、何かが起きる可能性はあるでしょう、それがどのようなことなのかは今のところ予測はできません」
「で、私に宿る神秘についてはどう?」
正直、そっちの方が気になって仕方ない、薬の影響とはいえ、溢れ出して止まらない力、激情…多分、獣神か何かだとは思うけど… - 46黒い獣25/05/16(金) 20:52:20
「出たものとしては狼の神秘でした、本来、生徒の見た目は元となった神秘に引っ張られることはありますが……であれば翼の生えた天使というのはおかしな話です」
“ツルの背中には翼………なら鳥や天使の神秘?“
「えぇ、本来であればそうなるはずかと………しかし、今回の測定で候補は一気に絞り込めました」
「その中で一番可能性が高いのは?」
「そうですね、最も有力なのは“マーナガルム“でしょう。
マーナガルムはタヒ者の肉を喰らい、月を捕獲し、天と地を血で染め上げ、太陽の光を奪ったとされる狼です。
それは文字通りの獣であり、知性はなく、本能のままに存在すると記されています」
本能のままに存在する獣………激情に駆られ、本能のままに存在する私と同じ…
「ですが、先程も申したとおり本来貴女は獣ではなく天使、であれば戦女神や鳥神、天使などの神秘を宿すはず。
しかし、本来天使という種には存在しないはずの狼の神秘が宿ってしまった、それ故に貴女は力を発揮できず、成長に伴う強化も小さかったのでしょう」
「何しても強くなれなかったのって…」
「はい、どうしようもない程に肉体との相性が悪過ぎたのかと………身体が不自由でもない限り、才能のない人間でも本気で鍛えれば中堅以上強者未満にはなれます。
ただ、相性が悪かったことで神秘は眠りについたような状態だったのかもしれません。
それが神秘増強薬により激情を、本能を刺激したことで、眠っていた狼は鎖を引き千切り、己の飢えを満たそうと全てを喰らい始めた。
本来の存在であれば世界を、星を、宇宙を、文字通りに全てを喰らい尽くす勢いがあるでしょう」
大量破壊をもたらす獣…ツルギ委員長の読みはこれだったと考えるなら確かに辻褄はあっている………か?
「そして、それはキヴォトス最高の神秘を超える希少価値でもあります、全く前例がない、少なくとも記録の無い存在。
実に興味深いですね、クックックッ、やはり、どうですか?私の元に来ませんか?」
「……………給料は?」
「お望みのままに」
「ならお前の心臓で」
「お戯れを」 - 47二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:12:09
ガルムって名前聞くと地獄の番犬を思い出すけどあれとは別なのか
- 48二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:51:16
獣ってそういう
- 49二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 08:06:47
このレスは削除されています
- 50黒い獣25/05/17(土) 08:09:32
私は強くなった、そう思ってた。
でも、それは幼い頃に比べたらという程度、だからあの子に無茶をさせてしまった。
「………ふっー」
息を吐いて即座に銃を構え射撃する、ボルトを握り込み、次弾を薬室へと送り、中指で引金を引き、もう一度ボルトを操作することで速射する。
300m先に置かれた金属製の的が5回、反響音を響かせたのを確認し、銃を置く。
望遠鏡を使い、より正確に的の状態を確認し………落胆する。
「………駄目」
確かに的に命中はしている、しかしただ当たっただけでは駄目、酷いものは18mmもズレてる。
「同じ場所に当てないと…」
ワンホールショット、銃弾で一度穴を開け、その穴に別の銃弾を通す…それくらいの技量を私が持たなければ、あの子はまた無茶をする。
「約束…だからね」
今度は私が守ると言われたし、それが約束だった、でも私はただ、ツルちゃんと互いに支え会えるような仲でいたかっただけ。
どちらかが強くなり過ぎたら駄目だった、その事実に私は気付けなかったから、今度は私が置いていかれた。
きっとあの子は、ずっとこんな想いをしながら生きてきた…私が自分しか見てなかったから、ツルちゃんのこと、もっとしっかりと見てなかったから…
「…もう一度」
もう一度銃を構え、引金を引く。 - 51黒い獣25/05/17(土) 12:30:41
「………なんですか、これ」
「小説だ、前にも言ったが人間は一人では生きられない、お前には話題作りの一貫としてそれを貸し出す」
と、言っているものの…どれも女性向けの恋愛小説ばかり。
「布教しに来ましたね?」
「………」
「顔を赤らめることで返事しないでください」
「い、良いから読め!私はパトロールに向かう!」
そう言ってツルギ委員長は外に向った、窓から。
「ここって五階だったような…」
まぁ、委員長なら何の問題もないだろう、階下から悲鳴が聞こえる気がするが私の知ったことではない。
「ん?これは…」
どれから読むかと小説を漁っていたら、女の子同士の恋愛小説が出てきた、あの人ってそういうのも読むのか?
………いや、右下にR-18と書かれているんだが…もしや押収品が紛れ込んだのか?
「これにするか」
どうせなので多分押収品であろうものから読むことにした。
ただ、この選択が私の趣味嗜好を一変させるとは思いもしなかった。 - 52二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 12:33:14
꒰𑁬(⸝⸝ↀᯅↀ⸝⸝)໒꒱
- 53黒い獣25/05/17(土) 12:46:04
「アッ…エッ………エッ!……」
これは………これは……!
「キェァァァアアアアアア!!!」
エッ過ぎる…!なんだこれ!?なんなんだこれ!?と、というか女の子同士でそういう風になるの!?いやあの発言とか構図とか見覚えあるぞ!?子供の頃にハスに助けてもらった時、そしてハスを助けるために覚悟を決めた時!ま、まさか…
「わ………私…」
ハスのことが………!
「ツ、ツルちゃん…だ、大丈夫?奇声上げてたけど…」
「ヒッ!」 - 54黒い獣25/05/17(土) 12:46:15
ま、待ってくれ!こんな時に来ないでくれ!なんか心臓がバクバクする!いや、これもあれだ!激情だ!ああそうだ!そういうことだ!決してハスにときめいているわけじゃない!
「……顔赤いよ?」
「ミッ?!」
顔近っ!しかもなんか汗だくなのにいい匂いがするんだが?!なんなんだ?何が起きてる?!
「………頭、触るよ?」
「〜〜〜!」
あああああああああ!
「熱は大丈夫…ツルちゃん?ツルちゃ〜ん?もしも〜し?」
そ、そうか…私、ハスのことが…
「………タヒんでる…ど、どうしよう」
好き… - 55黒い獣25/05/17(土) 12:48:37
報告を忘れてましたが、ここからは前スレで出た概念などを可能な限り回収していくつもりです。
また、SSを書いている途中でも概念を投げていただければ可能な限り拾いますので、お気軽に投げてください。 - 56二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 18:35:26
ツルは野生児でパ〇ツ履いてない方が良いと思うんだ、対してハスはハスミみたいに大人びた下着と見せかけてお子様パ〇ツがいいと思うんだよね。
ただこの辺りの話はエ駄死とか閲覧注意かもしれないので、消すかどうかはスレ主さんに任せます。 - 57125/05/17(土) 18:46:19
- 58二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 19:40:00
そういやツルギと同じで純情乙女だったな、この子
- 59二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 20:05:18
2年生になって後輩が出来ると1年の面倒を見ることになる…みたいな風習が誠実にはあるのかもね。
イチカは特に人気があるタイプでツルやハスにも慕ってついて来てくれる後輩が出来てる…って概念もいいなと思う。 - 60二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 21:23:53
ツルもハスも後輩が出来て面倒を見るけど後輩の方が2人について行くのに先に音をあげそう
- 61二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 21:46:04
- 62二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 22:05:32
ハスのチームに入ってから体重と体型が右肩上がりに膨らんでいく1年生達を尻目に乳と尻だけに贅肉がついていくハスミとハス
- 63二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 02:32:01
保守
- 64二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 03:44:40
おや、おやおや、おやおやおや、おやおやおやおや??????
- 65黒い獣25/05/18(日) 07:33:42
- 66125/05/18(日) 07:39:10
やるかやらないかで言えばやりそうなのが困る、それはそうとグロいので却下します。
- 67二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 08:11:45
この作者HELLSINGとかのグロ多めのバトル作品が好きなんだろうなってのが読み取れる、でも一般人にはそういうのは刺激が強いから…
- 68黒い獣25/05/18(日) 08:43:32
「………知ってる天井だ」
救護騎士団の部室、いつもの白い天井、私はまたここに来たらしい。
「………柔らかかったな」
これまでもハスの贅肉おっ〇いに潰されてきたし、今回も額に手を当てるために近寄って来た結果、豊満な山二つによって窒息した。
「ツルギ委員長に匹敵する脅威…」
「何が脅威なのですか?」
なんてアホなこと考えてたら団長がいた、この人も結構大きいよな………対して私は…
「………」
「何か?」
「…なんでもない」
これ以上はやめておこう、頭がアリウスになってしまう。
「また来る」
「来なくて良いように努めてください、怪我も病気もないことが一番ですから」 - 69二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 09:18:16
でも二人のエッな描写は見たい…見たくない?
- 70黒い獣25/05/18(日) 11:47:52
帰る途中、気分転換の一環としていつもとは違う道を通ることにした…のだが…
「あれ?こんな所に財布が”落ちてる”なぁ」
「へぇ、不思議なこともあるね、あれ?”私が無くした”お金が入ってる」
「よかったじゃん、見つかってさ」
「か、返して!返してよ!」
「なに?あんた持ち主?駄目でしょ、人のお金盗んだらさぁ」
イジメの現場に居合わせてしまった…しかもどっちも正義実現委員会の制服着てるな……まぁ、今の私が正義を語れるような立場にはないが、教育くらいはしてやるか。
「ち、違っ…」
「違う?何が違うって言うの?」
「そうそう、それに拾ってあげたんだからさぁ、お礼くらいは━━━━━」
「あれ?こんな所に財布が”落ちてる”なぁ」
同じように財布を奪い取り、同じ台詞を言う。
「は?あんた何して…ってツル先輩!?」
「げ…」
「あ…あの…返してください…」
「ほら、もう落とすなよ」
財布を持ち主に返し、一人と二人の間に割って入る…さて…
「こ、これやばいんじゃ…」
「大丈夫大丈夫、この人そんなに強くないから」
「試してみるか?」
「正直さぁ、先輩って委員長の猿真似してるだけで気に入らないんだよね、弱いくせにイキっててさ」
「あーもう…一応先輩だし戦いたくないんだけど…やるなら本気でやっちゃうよ?」 - 71黒い獣25/05/18(日) 15:38:47
二人が武器を構え終える前に踏み込み、銃身を掴んで思いっきり引っ張る。
「うわっ?!」
「ちょっ!」
咄嗟に銃を手放せなかった…というより、スリングのせいで背中から押されるようにつんのめり、倒れてくる。
あとは鳩尾に拳を叩き込んで無力化する。
「あぐっ…」
「かはっ…」
「………相手をナメ過ぎたな、戦いにすらならない」
この程度なら薬を使う前の私でもやれる、これは力ではなく技術であり、経験がものをいう。
つまり本当にイキっていたのは私ではなくこの二人だった、ということになる。
「他愛もないな」
それだけ言って帰ろうとしたが…
「あ、あのっ」
イジメられてた方が話しかけてきた。 - 72黒い獣25/05/18(日) 16:39:29
「ありがとうございます」
「………」
「わ、私…弱くて…」
「………」
「だから…助けてもらったら…あの…お礼言わないと……って」
お礼ねぇ…確かに礼を言うのは常識だろう、だが…
「それだけか?」
「………え?」
「礼を言って終わりか?」
「えっと………あの……す、スイーツなんか━━━━」
「悔しいと思わないのか?」
「それは………」
「なら足掻け、強くなれば抗える、それを知れたなら自分を鍛えろ」
「で、でも…」
「今を変えたいからここに入ったんだろ?イジメられるのが嫌だったから正義実現委員会に入ったんだろ?」
「そ、それは…」
「なら這いつくばってでも前に進め、醜くても足掻くことを辞めるな、お前を笑ってる奴がいるなら笑わせておけば良い、いつかはその笑いが引きつったものになる」
「………」
「ただしやり方は間違えるな、力を求め過ぎて本来の目的を忘れるな、自分が何者であるかを忘れるな………何があってもな」
でなければ私のようになる…とは、あえて言わないでおく、道を誤った私を目指す先にされても困る。 - 73黒い獣25/05/18(日) 21:09:05
机に置かれたパフェ、それを眺めている少女が二人。
「………はぁ」
「………ふぅ」
食欲がないのかため息をつく。
「………パフェを見れば食欲が湧くと思ったのですが」
「駄目でしたね」
ハスミとハスは未だにあの時のことを引き摺っていた、そこで少しでも気を紛らわそうと二人でパフェを食べに来ていたが、結局、食欲が湧かず、気を紛らわすこともできなかった。
「お前ら、何してる?」
「ツルギ…来ていたのですか…」
「あぁ、また食べ過ぎているんじゃないかと思ったんだが」
「………あの時、私があんな怪我を負わなければ…」
「いえ、私が無理にでも戦っていれば…」
二人は私が、私が、と自責の念を口にする。
しかし、ツルギは二人の言葉を否定した。 - 74黒い獣25/05/18(日) 21:09:16
「お前達のせいじゃない、あれはツルが選んだことであり、命を投げ出してでも守るという覚悟だ、それを自分のせいでそうなったと引きずるのは侮辱でしかない………今日は目をつぶってやる、食え」
「ツルギ…」
「委員長…」
二人はスプーンを手に、目の前のパフェに手を付けた、だが…
「………駄目です、口に運ぶのも億劫になります…」
「……そうか」
「今日はやめておきま━━━」
そう言いながらハスが席を立とうとしたその時
「こ、ここです!」
「あ、あぁ…」
ツルが店に入ってきた。 - 75黒い獣25/05/18(日) 22:02:38
時間を少し遡る。
「お礼がしたい、か…」
「は、はい!えっと…だめ……ですか?」
「……好きにしてくれ」
ツルは助けた子に連れられ、行き付けだというレストランに入った。
「こ、ここです!」
「あ、あぁ…」
行き付け、とは言っているものの、そこはツルにとっても行き付けの場所であり、ハスやハスミもよくくる場所であり…
「は、ハス!?」
「………」
今日もハスがいた、その他にツルギとハスミもいた。
「……ツルちゃん、その子、どうしたの?怪我してるみたいだけど」
「いやっ?あのっ…」
「ツルちゃん?」
ハスがツルに近づき、屈みこむようにして目線を合わせ…
「き…きぃぃぃいいえあああああ!!!!!」
限界に達したツルがレストランの壁をぶち抜いて走り出した。 - 76二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 22:48:15
草
- 77黒い獣25/05/19(月) 07:34:57
前スレの概念見直してたんですけどあんまり概念が無かったということに気付きました()
とりあえず慕ってくれる後輩ちゃんを合流させることはできたのでそろそろ………日常パートは終わりですかね。 - 78二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 12:19:15
このレスは削除されています
- 79二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 12:43:23
このレスは削除されています
- 80黒い獣25/05/19(月) 15:16:45
読んでる人いませんかね?であれば他を書きに行きますが…
- 81二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 15:26:42
ここにいるぞ。感想残さなくてすまない。
- 82二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 15:50:50
溜め込んでから読むタイプの人ですまない
ツルがすごく成長してて良き - 83黒い獣25/05/19(月) 17:48:01
すみません、自分は不安症なところがあるので、少し気にしすぎてたようです。
- 84二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 18:56:29
ハートだけでも押すか
- 85二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 20:24:47
最近楽しみにしてる事のひとつやで
- 86黒い獣25/05/19(月) 20:48:07
「アイツ………完璧な一撃を出しやがった…」
「ツルギがやり方を教えていたとは聞き及んでいましたが、とんでもない威力ですね」
「あぁ……だが………あれは…」
ツルギは見抜いていた、ツルの中に蠢く感情を、ハスへの想いを………だが…
「………ツルちゃん」
「ハス、無事か?」
「委員長……私…ツルちゃんに嫌われたんですか?」
「……………」
ハスには恋心がわからなかった。
「あ、あの…ハス先輩、ご、ごめんなさい!私のせいで…」
「ううん…私のせいだよ………私が…」
「あれは誰も悪くない、強いて言えばツルが悪い」
「そうですね、レストランの壁を壊すのはいくらなんでもやり過ぎかと」
「………私、行ってきます」
「ハス先輩?」
「追わないと…二度と会えなくなりそうな気がして……あ、このパフェ代わりに食べていいよ、まだ口つけてないからそこは心配しないでね」
「ぇ…む、ムリです!無理無理無理!………行っちゃいました」
そう言って、ハスは飛び出して行った、重量8.6kgのバケツパフェを置いて。 - 87二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 21:01:59
重量8.6kgのバケツパフェとかそんなの前にしたら食う前から食欲無くすわ!!!!!!
- 88二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 21:29:18
お気に入りに入れて定期的に見にくるぐらい楽しみにしてるssですわ
- 89二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 21:48:49
後輩ちゃん「8.6kgのバケツパフェ」
ツルギ「奇跡が起こる」 - 90二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 22:22:52
このレスは削除されています
- 91二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 23:07:19
味変なしでバケツプリンはちょっと地獄すぎる
- 92二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 06:07:05
8.6kgは並の大食いタレントでも滅多に食べたことないサイズなんよ
- 93二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 06:09:47
戻って来たら空の皿と救急医学部の担架に乗せられて運ばれる球体と化した後輩ちゃんの姿が…
- 94二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 06:49:18
すっかりハスミに普通の感覚を狂わされて平気な顔してスイーツショップでドカ盛りを頼むし、後輩ちゃん達を連れてスイーツショップのハシゴをするハス概念いいな…
いじめっ子とちゃんと話をしようとしてスイーツショップに行くし、いじめっ子はハスに奢ってもらうつもりで調子に乗ってホイホイ付いてくるんだけど、ハスがドンドン注文するから残すに残せなくなっていって…
それが何回か続く内にいじめっ子達に大食い癖が付いて久しぶりにいじめっ子2人を見たら別人のように激太りして意識してか無意識か因果応報を与えるハス。
みたいな所まで想像できた。 - 95二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 07:03:22
- 96黒い獣25/05/20(火) 08:03:40
「ツルちゃん…どこに行ったの?」
ハスは連絡を入れ、ツルがいそうな場所を巡り探し回った。
だが、何処にもいなかった、連絡すら来なかった。
「ツルちゃん……」
ハスはツルの中に蠢く存在を聞かされている。
ツルの中に蠢くもの、それはたった一匹の、それでいて規格外な大きさの狼だと、しかし…
「………狼だって、一匹じゃ生きられないのに」
狼は生まれ育った群れを離れ、同様に群れから離れた狼同士で子を成し、新しい群れを作る。
だが、一匹狼になるのは巣立ちだけではない、弱いが故にイジメられ、追い出されることも稀にある。
「見つけた…ツルちゃん!」
「ヒッ!は、ハス?!」
ただでさえ単独での狩りの成功率は低く、一匹のままでは衰弱していく、それが弱い個体ならば生きていくことなど不可能に思える。
「だ、だだ、抱きつくな!」
「やだ、離したら逃げるから…ツルちゃん、聞いて」 - 97黒い獣25/05/20(火) 08:04:53
しかし、弱い狼は狼以外の存在と群れを作るようになる、その相手は烏だ。
烏は狼に獲物の位置を教え、狼は烏に案内され、獲物を効率的に狩り、烏は狼の食べ残しを喰らう。
「私………ツルちゃんのこと、ちゃんと見てなかった…ずっと一人にしてた」
「それは…私が弱かったからで…」
だからこそ、彼女は考えていた。
「今は強くなったかもしれない、でも、一匹狼になったら駄目………狼は群れるものだから」
狼の道案内をしようと。
「………ハスに迷惑がかかる」
「迷惑…かけてよ、頼ってほしいから…私は…ツルちゃんと一緒にいたいから………ずっと」
マーナガルムのカラスになろうと。
だが…
「……………すまない」
狼はそれを拒絶した。 - 98黒い獣25/05/20(火) 12:57:42
「怖いんだよ、お前のこと傷つけそうで」
「ツル…ちゃん?」
「………最近、同じ夢を見るんだ、空が真っ赤に染まって、知性も、理性も、何もかも失って…獣に成り果てた私がハスのことを喰らう夢を」
「そ、それは夢の話で」
「現実に起こり得ることだ、だからこそ………怖い」
ハスは自分と同年の、それでいて自分よりも小さな少女が腕の中で震えているのを感じた。
それは彼女にとっての恐怖、彼女を飲み込もうとする闇。
世界すら終わらせる力など、人間如きに扱えるものではなかった。
「………でも、それでも…私はツルのこと支えるつもりだよ」
「……………」
「置いて行ったことは後悔してるし、今度は置いて行かれてることが悔しいって思う…ツルはずっとこんな想いしてたんだって」
抱きしめる力が強まる。
「こんなの、私のエゴだってわかってる、でも…それでも……」
「……………」
「私は………私はツルのこと……………好きだから…友達以上に…なんて言えば良いのかわからないけど……好きだって、それだけはわかる」
ハスは頬を赤らめながら、自分の想いをぶつける、それはきっと、勇気のいることだっただろう、だが…
「ツル?」
「……………」
「もしもーし?」
「……………」
「し、タヒんでる…」
腕に力を込め過ぎたがために、首を締め上げたというのは完全な誤算だった。 - 99二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:01:25
ノルマ達成
- 100二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:03:46
実際でっかいおっぱいで窒息してみたい。
- 101二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:06:21
ははーん、ハスさん、さては隠れ怪力キャラだな? (ツルが気を遣って苦しいとか言わなかっただけかもしれんが)
- 102二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:33:47
抱きしめるついでにヘッドロック極めてるのは中々…
- 103黒い獣25/05/20(火) 20:33:54
- 104二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:03:20
休んでおくれよゆっくりと
- 105二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 22:08:21
スマホがオーバーヒートしたかな?
- 106二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:04:52
スマホはホスト規制が怖いのよな、10時間毎に落ちるように変わったし…
- 107二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 00:32:05
鯖落ちも怖い
- 108二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 02:19:20
お疲れ様です
- 109二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:10:19
あにまん重すぎる()
- 110二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:11:08
というか一部レスが消えてる?
- 111二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:54:32
- 112黒い獣25/05/21(水) 21:01:44
- 113二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 21:38:08
- 114黒い獣25/05/21(水) 22:02:59
- 115黒い獣25/05/21(水) 22:03:47
「親の顔より見た天井だ」
いつものようにリスポーン地点に戻され、目を覚ます、そしてミネ団長が声をかけて………こない。
「………ミネ団長?いないのか?」
「団長なら今日は留守にしていますよ」
「セリナか、今日はっていうのは、医療関係の講演会か?」
「違います、今日は各校の首脳陣が先生の要請でサンクトゥムタワーに集まっているんです」
「初耳なんだが」
「………いいですか?落ち着いて聞いてください」
「は、ハナエか、なんだよ急に改まって…」
「アナタが眠っていたのは………9年です」
何言ってんだこいつ。
「あれ?驚きませんね?」
「考えてもみろ、9年も経ってたら今の在校生全員卒業してるだろ」
「あ…」
「で、どれくらい寝てた?」
「9日間です」
「…マジ?」
「はい」
- 116黒い獣25/05/21(水) 22:04:00
日付を確認すると、本当に9日間経っていた………嘘だろ?そんなに疲れてたのか?それとも…
もう、長くは保たないということか。
「………絶対ハスに余計な心配をかけたよな」
アイツの想いは嬉しいが、傷つけるのが怖い、それでいて心配をかけるのも嫌……本当にどうしようもないわがままだが、正直、人間の感情なんてそんなもんだろう…謝るだけ謝っておくか。
「ハスは今どこにいる?」
「ティーパーティーの護衛としてサンクトゥムタワーへ向かいましたよ」
「いつ戻る?」
「わかりません、緊急招集でしたから、会合の内容次第では明日まで戻らない可能性もあります」
謝ることすら許されないというのか、私は…
「そうか、なら私は帰って待つとし………」
なんだ?この感覚…いや、前にも感じたことはある………この嫌な感じ…エデン条約の時と同じ…
「……………DU、行くとするか」
野生の勘に従って、私は行動を開始した。 - 117二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 22:41:59
おいたわしや
- 118黒い獣25/05/21(水) 22:54:38
「先生、来ませんでしたね」
「そうですね、何かあったのでしょうか?」
「私語は慎め…と言いたいが、今回ばかりは大目に見よう」
先生の要請によって各校のトップが呼び出された、なのに先生は来なかった。
「………」
「どうしましたか?」
「え?あ、いえ…」
「ツルを締め上げたことを気にしてるのか?」
「………」
「気にするな、アイツはあの程度ではくたばることはない、ただ………私との模擬戦で疲れてたんだろう」
「それだけなら…良いんですが…」
実際のところ、あの日からずっと、ツルちゃんの様子がおかしかった、顔を赤くしたり、戦闘中でもないのに急に奇声をあげたり…
「………」
「なんだ?」
もしかしてツルギ委員長に毒されてるんじゃ………
「ツルちゃんは渡しませから」
「………あー?…あー……あ………ケヒッ!」
「ツルギ」
「す、すまん…これは……刺激が強い」 - 119二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:18:13
え、なに、ツルちゃん死亡フラグ立ってんの?
- 120二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 01:51:45
長くないなんて、そんな悲しいことなんか言うなよ!! ツルぅ!!
- 121二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 03:04:40
目の前で自分たちに似た後輩が純愛しているとか眩しすぎるやろうな。
- 122黒い獣25/05/22(木) 08:09:26
「………おや?これは…」
「どうしたハスミ」
「こちらを」
ハスミが端末を二人に見せる、そこに記されていたのは連邦生徒会からの外出禁止令と情報統制。
「これは…戒厳令か?連邦生徒会は何を考えてるんだ?」
「え…あ、あの…あれを見てください」
ハスがどこか焦ったように二人に外を見るように促す、そこにいたのは迷彩色のロボット達の軍勢だった。
「カイザーPMC?戒厳令を敷くならばヴァルキューレが担うはずの仕事を何故カイザーが?」
「いったい何が起きてる?」
本来ならばありえない状況に困惑する三人、だがそれは他の面々も、それこそ他校の者達でさえ同じ感想を抱く。
わかるのは、これから何か大きな騒動が始まるという予感だけ。
ただ、それがキヴォトス全土を巻き込む程の破滅だとは誰も予想しえなかった。 - 123二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 08:12:57
始まったか……
- 124黒い獣25/05/22(木) 10:04:34
- 125二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 12:17:27
お疲れっす
- 126二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 12:28:55
またあにまん重くなってるし、その対策…もとい避難所として考えるとありだね、これ。
スレ落ちたとしてもここにURL貼れるし。 - 127黒い獣25/05/22(木) 12:55:00
今更ながらこの子達の苗字ってありましたか?苗字がわからず少々不都合が出てきたので…
- 128二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 13:08:00
いや、なかった。ツルモブ、ハスモブで一貫していた。
- 129二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 15:05:36
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- 130125/05/22(木) 15:05:54
安価やダイスなどはお好きにどうぞ、というよりも正直、その辺りは丸投げします
- 131黒い獣25/05/22(木) 15:09:55
全部投げられた…二人の苗字の候補があれば投げてもらえればと、無かったら身の回りにあるものから引っ張ってきます()
- 132二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 15:13:06
佐藤(さとう)ツル
永井(ながい)ハス - 133二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 17:39:12
亜人じゃねぇか
- 134二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 18:00:00
羽犬ツル、鴉宮ハス
- 135二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 20:20:17
このレスは削除されています
- 136黒い獣25/05/22(木) 20:28:53
子ウサギ公園、RABBIT小隊キャンプ場での一幕。
「戒厳令ね…なーんか連邦生徒会おかしくなってるんじゃない?」
「そんなもの今更だろ、自分達にとって必要な武力であるSRTを閉校させたりする時点でな」
「わ、私達…また弾圧されちゃうんだ…」
「ふひひ…その時はまたふっ飛ばせばいいじゃん」
「で、どうする?ミヤコ」
サキの言葉と共に、ミヤコへと視線が集まる。
「そうですね、私達はいつでも出撃できるように準備をし、この場で警戒態勢に移行します。
それから先生からの連絡あると思われますので、RABBIT3はネットワークを介しての情報収集を優先してください」
「了解了解、腕がなるね〜………って、あれ?」
「どうかしましたか?」
「地点より2-4-0、UNKNOWNを補足、基数1」
「240…トリニティ方面だな」
「………うわ、マジ?地雷源の地雷を完璧に避けながら走って来るんだけど…しかも白旗も出してる」
「服装から所属はわかりませんか?」
「ちょっと待っててね〜、顔も識別できたし調べてみるから」
モエは端末を操作して、自分達の元へと突っ込んでくる人物の特定を始め、その間にも他の面々は臨戦態勢に入る。
「出た、トリニティ総合学園、正義実現委員会2年、羽犬ツル」 - 137二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 22:15:12
RABBIT小隊の所に行く理由ってなんだろ?
- 138二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 03:11:08
苗字がカッケェ。
- 139黒い獣25/05/23(金) 08:04:47
臭いで地雷の位置がわかる。
地雷だけでなく、ワイヤートラップについてもほんの少しの反射光で判別できる。
少し前の私ならこんなことはできなかっただろう………それだけ、人間を辞め始めてるということか。
本当に、人間で居られる期間は長くはないのだろう。
「動かないでください」
「………」
「羽犬ツル、貴女はSRT RABBIT小隊のキャンプ地へと侵入しています、直ちに退去してください」
数は四人、それなりに強い……が、まだ詰めの甘さを感じる。
敵を相手に非道になれない、そういう迷いがあるのだろう。
だが、今は贅沢を言ってられるほどの余裕もない。
「………ここに来たのは理由がある、力を貸してほしい」 - 140二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 09:25:39
- 141二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 10:04:13
なんだかんだで許可は得たから
- 142二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 12:17:20
この時間帯は危ないので念のために
- 143黒い獣25/05/23(金) 19:18:08
「…聞くだけ聞かせてください、内容次第で決めます」
「おいミヤコ」
「彼女程の強者が我々を頼ってきた、この時点でただ事ではないというのは明白です」
「私が強い…か、何故そう思う?」
「ここまでトラップに1つもかかりませんでした。
それを運が良いからと切り捨てるようなら、そう切り捨てる人間は雑兵以下の存在でしょう。
相手を甘く見てない、非道にはなれないと思ったのは撤回すべきか?
「モエ、そちらはどうですか?」
「今も調べてみているけど、雑兵って感じの情報ばっか…それに、少し前から情報の更新が止まってるね、何があったのかは知らないけど……ナメてかかると一瞬で全滅するかも」
「了解しました…では、ツル先輩…でよろしいでしょうか?」
「ああ」
「ご要件をお聞かせください」
「簡単な話だ、これからキヴォトス全土を巻き込む大事件が発生する…証拠…としてはもう手遅れになるが、明日の昼に空が赤く染まるだろう」
「それを止めるために協力を要請すると?」
「ヴァルキューレの本校舎の近くで待機してくれ…それだけでも時間を短縮できる」
というのは建前で、実際のところ、ここにこいつらがいたら…こいつらは全滅する、そんな気がする。
「もう一つ、いいですか?」
「なんだ?」
「貴女に何があったかは聞きません、ただ、これだけは答えてください、貴女にとって正義とはなんですか?」
「正義…正義ね…」 - 144黒い獣25/05/23(金) 19:18:20
守るために捨てたよ
- 145二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:13:48
わあ、危うーい! ハス、ハスはどこじゃあああ!?
- 146二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 03:38:27
コハルは抑えた! ハス、ツルとエ駄死しろ!!
- 147黒い獣25/05/24(土) 10:17:02
四人を見送ったあと、私は彼女達のキャンプ地に留まっていた。
「………」
本当に、野生(私)の勘が正しいのならここに何かが来るはずだからだ。
とはいえ、勘が外れていたり、当たっていたとしてもその時が来るでは暇だった。
「………腹減ったな」
何かないかとポケットをあさると包装紙の感触があった、取り出してみるとビーフジャーキーだった。
「これ…食えんのか?」
ただし犬用。
「……………まっず」
薄味だった。 - 148黒い獣25/05/24(土) 13:34:05
辺りを見回し、何かないかと探ってみればスキレットや飯盒があった。
他には小麦なども少しばかりあるが、本当に少量程度、他には何も無い。
「………飯作るか」
強くなるためにあえて極限のサバイバル環境に身を置いていたことがあり、最終的には食材どころか調理器具さえ現地調達できるほどになった。
そして最初から調理器具があるのなら、それだけで食っていける。
山菜の類を集めながら獲物を探すと蛇を見つけた、都会とはいえここは自然公園、蛇が住める程度の生態型は整っている。
「………捕まえた、食材は…まぁこれくらいでいいか」
集めた食材としては、名前がよくわからい草共と蛇一匹、あと犬用ジャーキー。
よく腹を壊しながら覚えていったおかげで毒がないことはわかる。
「…タッパーもあるなら作り置きしておいてやるか」 - 149黒い獣25/05/24(土) 15:18:46
まずは焚き火で火起こしをする、ライターはないがここにショットガンはある。
なので適当に落ち葉を集め、そこにショットシェルを分解して火薬をかけ、後ろの雷管を叩くことで火薬を燃焼させれば落ち葉に引火する。
あとは火が消えないように小さな枝から順に入れて、火を大きくする。
「このくらいでいいか」
火を起こしたら次は食材の調理、まずは蛇の頭に落ちていた釘を刺して屠殺、次に少しばかりナイフで切れ込みを入れて蛇革を剥ぐ。
売ると小遣い程度の金になるし、調理方法次第では煎餅みたくパリパリになる、今回は売るのではなく焼いてオヤツにする。
革を剥いだ蛇に枝を通し、火で炙りつつ、蛇革を洗って天日干しにする。
その後は洗った山菜を手で引き千切り、食べやすい大きさにしてスキレットで焼く、味付けについては塩のみだが、それでも十分美味いだろう。
「いい具合に火が通ったか」
蛇が焼けたらナイフで切り、山菜の入ったスキレットに入れて混ぜ合わせれば蛇と山菜の炒め物が完成する。
「タッパーに適当に入れておいた………残りは自分で━━━━ッ!」
食べようとした瞬間、ローブを纏ったやつに攻撃された。 - 150二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 17:46:21
- 151黒い獣25/05/24(土) 19:35:53
「食事の時に襲うとは、良い度胸してるな………って離しを聞け!」
返事は無い、というより何も言わずにまた攻撃してくる。
それにしてもこいつ…
「強い…」
ほんの少し交えただけでもわかる、ツルギ委員長と同等、あるいはそれ以上の化物だと。
ただ、そんな奴がここに来たということは私の勘が当たっていたということ…
まぁ、なぜそうしなければいけないと思ったのかは正直自分でもわからない。強いて言えば行かなければならない、やらねばならないと本能が訴えてくるから。
とにかく思考をし続けないと激情に飲み込まれてしまうから。
「………潮時か」
だが思考するのもこれ以上は必要ない…今の私ではコイツに勝てないと本能的にわかる。
首輪に手を付け━━━━
「………許せ、ハス」
引き千切るように外した。 - 152二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 22:32:32
おバカ!
- 153二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:27:29
…野暮ってもんだけど更新ペース落ちた?
- 154二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:43:33
そりゃ落ちる時もあるでしょう。ゆったり気長に待ちましょうや。
- 155二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 02:50:44
ひえええ!? 壊したら誰がまた首輪はめると思ってんのさああああ!!?
- 156二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 05:19:29
ツル!
この、馬鹿野郎!! - 157二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 10:47:30
なんてことを……!
- 158黒い獣25/05/25(日) 14:43:22
「…!」
閉じ込めていた感情が溢れ出す、怒り、悲しみ、喜び…それは混沌とした感情の奔流。
「ア…ガァ…!」
激情。
「ツル…アアア…」
その激情がツルを支配し、知性を奪い去るのは一瞬だった。
「グルァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
鎖から解き放たれた獣が、目の前にいる獲物へと襲いかかる。
だが知性はなくとも獣には本能がある、だからこそ狙いは正確であり、獲物の息の根を確実に止めようと首元へと喰らいつかんと迫った、だが。 - 159黒い獣25/05/25(日) 14:45:12
「………結局、こうなるんだね」
「ギャインッ!」
その言葉と共に獣は蹴り飛ばされ、焚き火の炎へと叩きこまれる。
身を焼かれながらも、それでも獣は立ち上がり、ローブの存在へと再び迫る。
今度は本能的に攻撃を回避し、銃弾を避け、後ろへと回り込み、ローブへと嚙みついた。
「グルァァァァアアアア!!!」
「っ!」
ローブがはがされ、その姿が露になる、その姿を認識した獣は攻撃をやめた。
獣の中に残された、僅かに残された知性が、理性が、そうさせたのだろう。
「………ツルちゃんには見られたくなかったなぁ」
そして、獣中に激情とは違う感情が、溢れだし、激情との調和を図りだす。
それは激情(Pathos)とは似て非なる感情、怒りよりも根深く、悲しみよりも黒く、喜びとは対極に位置するその感情が、獣の知性を呼び覚ます。
「ぁ…ぁぁ……」
目の前の存在は、激情が、神秘が、全てが逆位置と成り果てた者。
「な…んで……」
恐怖(Terror)。 - 160黒い獣25/05/25(日) 15:14:08
「は…す……」
「私はハスじゃない」
「ちが…おまえは……ハス…」
「私はコルヴス、偽りの告げ口」
「なんで…なんで!」
「…本来の目的とは違うけど……いっか…迎えに来たよ、ハティ」
ハティ、そう呼ばれた瞬間、再び激情が溢れ出す、それは歓喜、真の名を思い出したことへの喜び。
「っ!やめ…あ……やめろ…!」
ツルはその激情に抗おうと必死になるが、それは事態を悪化させるだけだった。
「ヘイロー、割れちゃうよ?」
「ぃっ…ぁ…」
ハスは━━━コルヴスはツルの後ろへと回り込み、誘惑するように抱きつき、ただささやく。
「楽になった方がいい、抗うのは辛いから」
「やめろっ……」
「力を抜いて、激情(Pathos)に身を任せて」
「やめてくれ…」
「アヌビスも、スコルも待ってるから」
「いや…」
「群れにおいで、ハティ」
「やだ…」
「壊れちゃうよ?」
「……ハスッ…たすけ…」 - 161黒い獣25/05/25(日) 15:14:31
- 162二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 15:18:49
- 163二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 15:35:55
見ろ!!邪悪な作者が本性を現したぞ!!
- 164二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 16:59:41
精度が高くないって言ってたのはこれか、黒服の予想が外れてる
- 165二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 20:36:40
- 166二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 22:03:00
これ最終編だしハス*テラーの可能性もあるぞ
- 167二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 22:33:56
規制の時間を考え保険を…
- 168二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 02:04:18
鯖落ちの時間を考え保険を…
- 169二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:10:36
コルヴスってからす座のことみたいだね、偽りの告げ口というのは「お前の婚約者が浮気してるぞ」って嘘をついたから「偽りの告げ口」と呼ばれてるとか。
- 170二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 11:03:37
ハティ(Hati) は古ノルド語で「憎しみ」「敵」を意味する狼。 北欧神話に登場する。 月(マーニ)を絶えず追いかけており、月食はこの狼が月を捕らえたために起こると考えられた。
- 171二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 12:08:52
対になるスコルの名前も出てるけど、ツルの神秘がハティだとしたらスコルは誰?
- 172黒い獣25/05/26(月) 12:38:43
「ッ!」
5回の銃声が鳴り響くと同時にコルヴスはツルを手放した。
「攻撃された?でも………ここは地雷原…それにあの速射……セミオートライフルのマークスマン(選抜狙撃手)?いや……まさか…」
「ゲホッ…あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「……ツルちゃん、そろそろ我慢するのをやめないと、本当にヘイロー割れちゃうよ?」
「だれが……ぐぅぅ…」
「はぁ……潮時かな、また迎えにくるから、ハティ」
空間が裂けるようにして穴が空き、その中へとコルヴスが消えていく。
そこに追い打ちと言わんばかりにもう一度5発の銃声が鳴り響いた。
「ハ……ス……ごめ…」
薄れ行く意識の中、ツルの耳に誰かの声が届いた。
「無茶し過ぎだ大馬鹿が」 - 173二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 18:01:02
ツルギ委員長…?
- 174黒い獣25/05/26(月) 18:45:50
─────
──────────
───────────────
「いた、パテルのおちこぼれ」
「パテルじゃないよ、あれはマトだよ」
「あはは!たしかに!」
「………」
………またあの日の夢、いや…少し違和感があるような…
「なんでアンタは弱いの?」
「………」
「お母さんはね、パテル分派でも特に強かったっていうのに、なんでこのくらいのこともできないの?」
「ごめんなさ━━━」
「ごめんじゃない、なんでって聞いてるの、わかる?」
………御袋?あの人は幼い頃に病気でこの世を去った…まともに歩けもせず、衰弱するばかりだったはず……それに… - 175黒い獣25/05/26(月) 18:46:03
「えっと…」
「答えなさい」
「…わ、わかりません」
「わからない?なんでわからない?ねぇ?どうして?」
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
「もういい、今日もご飯抜きだから」
「それは…」
「弱い子は羽犬にはいらない、そう教えてるでしょ?」
「………はい」
教えが厳しい人だったが、こんな理不尽を押し付けて来たことはなかった。
確かに私が弱いってことを責め立てることはあった。
だが肉体的に弱いのなら戦術でカバーしろと言って、知力を伸ばそうとしたり、咄嗟の判断力で補わせようとした。
この世を去るまでしっかりと面倒を見てくれてくれていた。
ならば、これは…誰の記憶? - 176二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 19:50:56
毒親じゃん
- 177二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:10:05
ハス*テラー(仮称)に神秘の名を呼ばれたことではずがいたであろう平行世界の自分の記憶と繋がった感じかな?
- 178二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:14:03
多分このハス*テラー(仮称)は原作でいうクロコポジなんだろうな。
- 179あかきし25/05/26(月) 22:02:48
- 180二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 22:20:03
- 181黒い獣25/05/26(月) 22:30:50
「アンタ…実力が足りずに正義実現委員会にすら入れないなんて…はぁ……もういい、家から出ていって、その後は寮で暮らしなさい、あぁ、仕送りはしないから学費含めてバイトでもして稼ぎなさい」
とんでもない発言だな…私の御袋は絶対にそんなことは言わない、絶対に…
あの人が生きているうちに、あの人の期待に応えられなかったのは悔やんでるがな…別に正義実現委員会じゃなくても良いとも言ってたが……
だが……もし、あの人が病気にならなかったら…こうなっていたのだろうか?
「聞いてる?」
「………」
「撃たれたいの?」
女が銃を抜いて、こちらに銃口を向けてくる……こんなことは普通の親ならしないだろうな。
戦闘訓練などの致し方ない理由でもない限りは……だが…
「…………………クソアマが」
「何?」
「クソアマって言ってんだよ」
コイツ(記憶の主)も限界を迎えていたらしい。
「アンタ…誰にそんな口聞いてると思って━━━━━━え」
女が瞬きしたその一瞬で、近くに置かれていたペンを喉元に突き付けていた。
軽く食い込んではいるものの、刺さってはいない。
「あ、アンタ……なんで…」 - 182二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 22:38:20
このレスは削除されています
- 183黒い獣25/05/26(月) 22:49:53
「弱い…弱い…弱い…弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い!
いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもそればかり!
………結局、私のことをちゃんと見てくれなかった、だから私の“強さ“に気づけなかった」
それは彼女(私)が溜め込んできたもの。
「つ、強さ?何?強くなれたの?そ、そうなのね、流石私の━━━━━」
「お前を親だと思ったことはない」
いくつもの感情が混ざり合い、ぐちゃぐちゃになったもの。
「つ、ツル?何を言ってるの?私はあなたの母親なのよ?」
「お前が欲しいのは都合の良い駒、ソレにならないようにしてた………それでいつか、私のことを見てくれるって…」
ただただ裏切られ、誰も手を差し伸べてくれなかった。
「私を愛してくれるって」
子供が親から受け取るべき無条件な愛情を蔑ろにされた。
「いつかは…いつかは……ごめんなさいって……抱きしめてくれるって…」
ずっと孤独なまま生き続けてきたことへの…
「お前なんか家族じゃない!」
激情なのだと。 - 184二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:27:46
ツルちゃん…
- 185二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:46:01
アヤメかな?
- 186二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:50:44
アヤメは真逆だぞ、行き着いたところは似てるけど
- 187二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 00:23:17
ツルちゃんやばめやな
- 188二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 03:33:07
- 189黒い獣25/05/27(火) 08:13:35
「ぐっ…ぅぅ…」
「正義実現委員会の次期委員長って弱いんだな」
「貴女に……正義は…正義はないの?」
「お前、私と戦う時にこう言ったよな………虐げられる人を救いたい、誰も傷つかないようにしたい、誰も孤独にさせないように生きてきたと」
「そ、それが…なに」
「虐げられた人間を認識できない、救えもしない、挙げ句、お前が見落とした人間に敗北する、そんな正義に興味なんかない」
「そ、それは…そんなはずは…」
「嘘つき」
………あの時、ハスと出会えていなければ、私はこうなっていたとでもいうのか。
ハスのためにも強くなろうとして、孤独な方がより強くなれたとでも言うのか…
「………いつまで人の記憶を覗くつもりだ?さっさと起きろマヌケ」
───────────────
──────────
───── - 190二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 13:17:01
ツルギじゃない……? 並行世界のツル……?
- 191黒い獣25/05/27(火) 13:44:49
「………知らない天井どころかお星さまだ」
野外で起きた、ついに私は救護騎士団の部室から追い出されたらしい。
「目が覚めたか、首輪付き」
「っ!」
「どうした?鳩がミサイルを叩き込まれたような顔をして」
鳩がミサイルを叩き込まれたら驚愕する前に木っ端微塵になると思うが…今の私なら本当にそういう顔をしていてもおかしくはない。
「………私?」
目の前にいたのが自分自身だったからだ、ただ身体的な特徴である翼はなく、代わりに犬の耳と尻尾があった。 - 192黒い獣25/05/27(火) 13:45:02
「半分正しいが、半分違う」
「……………双子?」
「それも半分だけ正しい」
「……いや、まさか…さっきの夢は…」
「あれは私の記憶だ、お前のじゃない」
こいつの記憶………だとすれば…
「………並行世界って本当にあるんだな」
「少しずつ違う世界というのは存在する、だがその少しというのは世界規模で見た時のこと、1つ1つの物事に当てはめれば大きく違うこともある」
「私のように?」
「ああ」
「………なんで助けた?」
「気に入らないやつがいるから邪魔をする、その一環………だったが、今は気が変わった、だから会話を試みていてる」
「……………目的は?」
「ハス………今はコルヴスか、アイツらを止めたい、それと………」
少し言い淀み、口を開いた
「全てを終えたら、タヒにたい」 - 193二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 18:14:12
おおーっとこれは予想外…?
- 194125/05/27(火) 19:29:38
- 195二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 20:39:24
こっちどうする?埋める?逃がしてやる?〇す?
- 196125/05/27(火) 20:43:15
逃がすを選んでみたい気持ちと〇すを選びたい気持ちがある…
- 19719525/05/27(火) 21:33:44
- 198二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 22:05:24
怖いて
- 199二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 23:07:44
埋めるか
- 200二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 23:08:30
200ならハスツルのエ駄死が見れる