お姉ちゃん「アルバムのお姉ちゃん言葉って…知ってるかい?」

  • 1注意書き22/03/31(木) 23:28:26

    俺「あ…あの今日…カレンチャンの誕生日なんスよ。トレ♀ウマ成分濃い目でいいスか?」
    我「しょうがねぇな。人外成分少な目な時に………」
    私「あざーす」ガシッ
    僕「なにっ」
    朕「しゃあっ本文は次レスから!」

    ご了承ください

  • 2お姉ちゃん言葉ってなにさ1/522/03/31(木) 23:29:21

    「お疲れ様。今日はここまでにしようか」
    夕暮れ時のトレセン学園で、今日の結果を書き込み終えた私はカレンにそう告げた。
    いつもならもう少し遅くまでトレーニングをしても門限に間に合うのだが今日は少し事情が違うのだ。
    「うーん、カレン的にはまだまだ大丈夫だけど…パパとママをあまり待たせちゃうのも悪いから仕方ないかな」

    カレンのご両親が泣きながら電話をかけて来たのは1週間ほど前の事だった。
    なんでもカレンに会いたくてしょうがないので来週の誕生日は家族でお誕生日パーティーをさせてほしい。との事だった。
    あまりの泣きっぷりに身内に不幸があったのかと身構えていたので脱力したのは嘘ではない。
    …が、カレンのカワイさを考えると逆ホームシックにかかるのも致し方ないというものだろう。それほどまでに、カワイイのだ。

  • 3お姉ちゃん言葉ってなにさ2/522/03/31(木) 23:30:32

    かくしてトレーニングを早めに切り上げ外泊という形で一時帰宅する形のなったのだ(流石に家族団欒に水を差すのは悪いと思いお呼ばれは辞退した)。
    「もー、せっかく今日はお姉ちゃんとお誕生日デートしようと思ったのに…パパとママはしょうがないんだから!」
    「それが親というものだよ」
    滅多に見せない、年相応の拗ねた顔をするカレンを宥めつつ、私はその顔を素直に可愛いと思いバレないように写真に収めた。
    「これご両親によろしくね」
    「はーい、ありがとうお姉ちゃん。…それで…ね?」
    顔を出せない代わりの菓子折りを受け取りつつ、カレンはカワイく首を傾げてこちらを見つめてくる。
    この場面で渡すものなんてあと1つしかないし、無論用意はしているのだが…いや、大丈夫だ。もう覚悟を決めた。
    私は一息ついてからもう1つ持っていた紙袋の中からやや大きめの袋を渡し、言った。
    「カレン、お誕生日おめでとう」
    「えへへー、嬉しいなぁ。ねね、今開けてもいい?」
    「もちろん」
    カレンがウキウキと、しかし丁寧に梱包を解いて行き箱を開ける。中身は───アルバムだ。
    「これは…あっお姉ちゃんがいつもデジカメで撮ってるカレンの写真集だね?ねぇ良いのがあったらあとでデータもらってもいい?ウマスタでもお姉ちゃんが撮った写真って評判いいんだー♪」
    カレンがページをめくりながらにこやかに聞いてきたがおそらく今回はウマスタにあげられるような写真はないだろう。なぜなら…

  • 4お姉ちゃん言葉ってなにさ3/522/03/31(木) 23:31:48

    「ん?うーん?…お姉ちゃん、この写真って」
    カレンが指さしたその写真は、どうしてもやる気が起きなくてソファーで寝転んでいるカレンの写真だった。その隣は山中に迎えに行った後助手席でぐったりしているカレンの写真。さらに隣は連続出走を告げられむくれるカレンの写真等々…
    おそらくはどれもウマスタには上げたがらない写真である事だろう。
    「うーん…どの写真も良く撮れてるとは思うけどちょーっとカワイくないかなーって」
    「そうだろうね」
    「そうだろうねって…わかってるならなんで…」
    流石に怪訝そうな顔をし始めたカレンを制して私は続けた
    「でも私は『可愛い』と思った」
    「年相応な表情を見せるカレンを…『可愛い』と思った」
    真剣な私の表情を見て何か察してくれたのかカレンは黙って聞いてくれている。
    「私はずっとあなたを見て来た」
    「カレンのカワイイ所を…そしてふとした時に見せる『可愛い』所も」
    最初はカレンの言われるままカレンというフィルターを通したカワイイを見て満足していた。
    「出来る事なら…これからももっともっと『可愛い』部分を見せてほしい」
    けど今はそれじゃあもう物足りない。
    「あなたのことをもっともっと知りたい」
    このアルバムはそんな私の心情であり、決心であり、2人だけの秘密を形にしたものだった
    「お姉ちゃん…」
    胸の内を吐露した私をしばらく呆然と見つめていたが、やがてカレンは視線を落としアルバムをペラペラとめくっていく。
    そのページは私の積み重なったナニカを表すように多い。
    「こんなに…。そっか、カレン知らない間にこんなにもお姉ちゃんの前で…」
    カレン何かを確かめるように頷きながらアルバムを見続け、やがて最後のページを閉じた。

  • 5お姉ちゃん言葉ってなにさ4/522/03/31(木) 23:33:07

    「うん、お姉ちゃんの考えはよくわかったよ」
    「それで…どうかな?」
    なんとか平穏を装っているが私の内心は穏やかではなかった。
    が、債は投げられたのだ駄目だったらその時だ。海へ消えるか山へ消えるかは拒絶された時に考えれば良い。
    「カレンが色んな表情を見せるかは…」
    「見せるかは…?」
    「お姉ちゃん次第かな?」
    カレンは明るくそう応えた。どうやら最悪の結果は免れたらしい。
    良かった…本当に良かった…。
    「お姉ちゃんがいーっぱいカレンの事を見てくれてたのはわかったし嬉しいよ♪だけどカレン的にはやっぱりお姉ちゃんにもカワイイカレンを見てほしいし、そういうカレンもやっぱり本当のカレンなんだよ」
    「それは…まぁおっしゃるとおりです」
    「だから…カレンが思わず色んな顔しちゃうようなカワイくカッコイイお姉ちゃんにならないとね。お姉ちゃんもまた今日から新しい修行の日々が始まるんだよ、頑張ろうね!」
    そういって嬉しそうに腕に抱き付いてきたカレンを、私は「ガンバリマス…」となんとか答えながら誘うように耳が動いている頭を撫でた

  • 6お姉ちゃん言葉ってなにさ5/522/03/31(木) 23:34:21

    「…けどお姉ちゃん。良く考えたらこれやっぱり誕生日プレゼントとしてはナイかなって」
    「えっ」
    「これはお姉ちゃんが私を見てくれていたっていう証拠であり、色んな表情を見たいっていうお願いの為の道具でしょ?これをプレゼントっていうのは…」
    一理ある。
    一理あるが流石にこれ以外の物を用意していないのも事実である。本当は何かアクセサリーかと思ったのだが中等部の女の子に渡すには重いと思って却下し、色々と考えた上でのアルバムだったのだ。
    …アクセサリーを渡す以上に重い発言をした気もするがこの際考えないでおこう。
    「ど、どうすれば…」
    「うーん…そうだねー」
    しばしカワイく考えていたカレンが急にいたずらっぽい笑みを浮かべた。
    「あっそうだ!『お姉ちゃんがなんでも言う事を聞く券』が欲しい!カレンの誕生日にちなんで3枚…ううん、ここは31枚ほしいかも!」
    「えっ、今なんでもって…?」
    「お姉ちゃんも色んなカレンを見たいって言ってたし丁度いいと思うなぁー。うん、それがいい決まり!」
    それじゃあよろしくねと言い残し、カレンは上機嫌で荷物をまとめて帰る準備をしていく。
    「ちなみに今日の夜コッソリお姉ちゃんに会いに行くからその時までに用意しておいてね!またね!」
    「えぇっ?!」
    嬉しそうな…年相応な笑顔を見せながら去っていくカレンを見ながら私は───取りあえず裁断機を借りに事務室へ走った。

  • 7お姉ちゃん言葉ってなにさ6/522/03/31(木) 23:35:46

    以上です。
    カレンチャンの1コマてあるじゃないですか。パフェ食べてるやつ。
    あれ最初見た時「あっこれ凄い。凄い可愛くてカワイイ」って思ったんですよ。
    ウマスタに上げるようにカワイイをキメてるカレンとおそらくロケテ用に1人でパフェを食べているカレンチャンの可愛い表情が対比になってて天才の所業かよと思ってそこからインスパイアを得た所存であります。
    あと自分が書かせていただいているカレおねSSは基本的に『カレンちゃんもお姉ちゃんの事が大好きであってほしい』という願望が混ざってるのですが今回はそれが顕著です。
    実際に盗撮写真集を相手にプレゼントする際はくれぐれも相手との距離感や好感度を見極めてから自己責任でよろしくお願いします。
    お付き合いいただきありがとうございました。

    【カワイイ】カレンチャンハッピーバースディ【カワイイ】

    P.S.アルバムのお姉ちゃん言葉は『あなただけを見つめている』だそうです。相手の為にポケベル持ち始めそう(偏見)

  • 8二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:36:52

    素晴らしい…

  • 9二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:37:54

    触手に向けられていた世界観がトレウマに全振りされるとこうなるのか…

  • 10二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:40:09

    結局お姉ちゃん言葉ってなんだよ

  • 11二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:49:21

    タフカテで…立てなくていいか

  • 12二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:55:45

    1コマの人そこまで考えてないと思うよ

  • 13二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:56:26

    なにっ 良SS!

  • 14二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:57:00

    お姉ちゃんはもう手遅れだな

  • 15二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:57:08

    しゃあっ

  • 16二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:57:45

    怒らないでくださいね

    タイトルと>>1で絶対損してるじゃないですか

  • 17二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 06:59:14

    しゃあっトレ・ウマ!

  • 18二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 08:56:03

    うあああ
    り…良質なカレおねカレSSがウマカテを練り歩いている

  • 19二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:03:38

    重いよお姉ちゃん…

  • 20二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:06:40

    あぁ~~~~トウトミでとける~~~~

  • 21二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 12:56:48

    >>19

    ふぅん。物理的に重くなったのがダスカトレで精神的に重くなったのがカレントレということか

  • 22二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:06:59

    これすき

  • 23二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 23:09:33

    >相手の為にポケベル持ち始めそう(偏見)

    さてはお前オッサン(オバサン)だな?

オススメ

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