ここだけ・・・

  • 1スレ主25/05/14(水) 23:08:51
  • 2スレ主25/05/14(水) 23:09:55

    いつも通り、忙しく業務をこなす。空白をいくら埋めても、減っていかぬ書類。
    「…はあ」
    ヒュゥ、そんな音と共に息が漏れ、私の心は穏やかで無くなっていく。…コーヒーに手を伸ばすも、今日は飲む気にはなれない。…というより、喉が渇いている感覚がしているのに水分を取る気になれない。決して味のせいでは無い。今日はアコの入れたものでもないし。何か他に原因があるような感覚。
    …今日は万魔殿の命令で、私以外はゲヘナと他自治区の境界線あたりの仕事。…おおよそ、書類仕事を私だけに押し付けたかったのだろうけど。
    「…引き受けなければよかったわね」
    …と、そんな事を言っていると。
    ガチャ。
    「空崎ヒナ!調子はどうかな?追加の仕事をさらに持って来たぞ、キキキ!」
    …マコトとそのお付きのせいと。
    「…おいといて」
    ていねいにマコトもしょるいをもち、わたしのめのまえにおこうとする。…のまえに、とまった。
    「…顔色が悪いな。…どうした?そんなタチでは無かっただろう」
    かお?わるい?
    「…どういう━━━━━
    バタン!
    あれ。うごかない…くらい。

    「…急……部…を!」
    「……今す………!早……ろ!」

    いしき……なく……

  • 3二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:10:24

    察しが悪そうなスレ主!?

  • 4スレ主25/05/14(水) 23:10:37

    …目が覚める。…見知った天井。というよりこれは…私の家?
    「…私、あそこで」
    「やっと起きたか、迷惑をかけられたものだ、本当に」
    「え」
    目の前に居たのは…桃色の似合わないエプロンをつけた、マコト。…え?
    「…似合わないわね」
    「一言目がそれか。…倒れたのだ、貴様は。事もあろうに、私の目の前で」
    そう、か。私、あそこで
    「…ごめんなさい、今、仕事をしに…」
    ふらり。…ぱたっ。
    あれ?身体が、動かない。
    「今は安静にしていろ、仕事も今はいい」
    …驚いた。あのマコトが、こんな事を言うとは。…まるで、雷帝のいたあの時の…
    「食べ物は口に入れられそうか」
    「…ええ。たぶん」
    …かちゃかちゃと音が立てられたのち、スプーンとお粥が出される。
    「…ほら、あーん」
    「えっ」
    「?」
    「…いや、流石にそれは」
    「…ああ、そうか。すまんな、ついイブキにやるのと同じような感覚で」
    …そうか、イブキと…それほどまでに弱々しい見た目なのか、今の自分は。
    「…では、置いておく。…食べられなかったら言え」
    そのまま去って行こうとするマコトに、少しの思考がまとまった結果の疑問を放つ。
    「待って。なんで、貴女が私の看病をしてるの」
    「…救急医学部は風紀委員の空白を狙った温泉開発部にやられた。その他の風紀委員も出先で便利屋と美食研究会に当たってな…負傷が多いそうだ。…ああ、天雨アコは別だが…」
    「…やっぱり、いかなきゃ」
    「安心しろ、既に万魔殿のメンバーである程度の鎮圧は行った。虎丸をどこに配置するかの采配に困ったが…まあ、何とかしてみせたさ」
    …驚いた。マコトがそんな事まで手を回していたなんて。…なにか、私の腹の中で。少し黒いものが蠢いた気がした。

  • 5スレ主25/05/14(水) 23:11:36

    「…休んでいいの?」
    「安心しろ、このマコト様がバッチリ貴様を回復させようではないか」
    「…何だか少し裏がありそうで気持ち悪いわ」
    「そうずっと倒れられていても私の張り合いがない。何より、何も理解出来ないほどに病魔に伏せていてはこのマコト様の偉大さを思い知らせることが出来ないからな、キキキ…」
    「…安心した。やっぱりマコトはマコトね」
    「フン、少しは張り合いが出てきたではないか。やはり風紀委員長の体力は他とは違うようだな。それでいい」
    …ただ、やっぱり怖い所もあるけど…まあ、いいや…今は、このお粥を食べて…寝てしまおう。

    「…う…けほっ、こほっ…」
    どうしよう。寝れない。咳が止まらない。…静かにドアが開けられる。
    「…なんだ、寝ていなかったのか?」
    「寝られないのよ…けほ…こほっ…」
    「咳止めを持ってこよう。…あとは何か欲しい物は?」
    「…寒い。…あっちの3段目の引き出しに追加の毛布があるから、持ってきて…」
    「ああ、了解した。…ああ、温度計を持ってきた、検温しておいてくれ」
    「…うん」
    …いやに手際が良い。…こんなに頼もしかったっけ…え?頼もしい…って思ったの?…ちょっと、疲れすぎているのかな。マコトのことを頼もしいだなんて…いや、真剣な時は確かに…?…ああ、もうよくわからない…
    ピピピピ、ピピピピ。
    …取り出す。…41.4℃…
    「持ってきたぞ…検温も終わったか?見せてみろ」
    コト、と水と薬の置かれたお盆を置き、私の方に毛布をかけ始めるマコト。
    「…はい、これ」
    「…まだ高いな…氷嚢を持ってくる。何かあれば呼べ。モモトークでも、電話をかけても気付くはずだ。なにかサインを出せ」
    「…わかった」
    再び部屋を出るマコト。
    「…」
    水に手を伸ばして口に含み、錠剤も含んで飲み込む。…流石に、すぐには良くならないわね。…そういえば、マコトは【まだ】と…検温を既にしていた?…というか、私は今パジャマに着替えているし…え、マコトが?ほんとに?
    「…考えるだけ無駄ね。…少しでも横になりましょうか」

  • 6スレ主25/05/14(水) 23:12:23

    …数分経ったか、マコトが氷嚢を持って来た。
    「…冷たいのが触れるぞ」
    …ぴとり。…冷たくて、きもちいい。頰が弛む感じがする。
    「これなら寝れそう…ありがと…」
    「礼には及ばんさ」
    …髪…というか、頭をふわりと撫でられる。
    「…太陽の匂いがするのだな、貴様の髪は。…優しい、落ち着いた匂い…」
    「…嗅がないでよ…マ…コト…」
    ふわり、ふわりと…まどろみに落ちていく。…意識が、じわりと、ゆっくりと、水に浸っていくみたいに…

  • 7スレ主25/05/14(水) 23:14:58

    さて、私はここからリアルタイムで書いていく必要がある模様です。がんばります。

  • 8スレ主25/05/14(水) 23:16:42

    ああああああ!wiki見たらマコトのヒナへの二人称がちがあああああう!!!
    栗原ァァァァァ!!!
    直せないので「貴様→お前」に変えて読んでください・・・ごめんなさい・・・

  • 9スレ主25/05/14(水) 23:27:56

    俺はよォ・・・遅筆だからよォ・・・投下すんの明日になりそうなんだ・・・
    保守・・・お願いできねぇかな・・・

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/14(水) 23:51:12

    良きかな
    続きを所望する

  • 11二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 00:45:34

    >>8

    まぁマコトは貴様とか普通に言いそうだから仕方無いね

    そう思うとヒナにお前は……なんでもないです。

  • 12二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 08:05:21

    ほっしゅ

  • 13スレ主25/05/15(木) 08:37:52

    数刻前。空崎ヒナが倒れたとき。
    バタン!
    「ヒナ?…おい、空崎ヒナ。おい」
    机に突っ伏し倒れ込んだ空崎ヒナの方へ向かう。少し揺する。…本来この対処は正しく無いのだが……不味い。
    「…救急医学部を!」
    些か体温が高過ぎる。
    「わ、わかりました…ええと…」
    「今すぐだ!早くしろ!」
    「…繋がりません!氷室セナ本人にも同様です!」
    「何!?何が起こって━━━━━」
    ドゴォン!
    「!」
    あれは。温泉開発部?不味い。アレがぶち壊した訳か。
    「…風紀委員は私が外へ追いやった…空崎ヒナも今はこう…」
    思慮を巡らせる。何とか頭を働かせなくては。どうする。どうすれば良い?
    「…イロハを呼んでこい。虎丸を出して対処しろ」
    「了解しました!」
    「私の指揮なしに榴弾砲を使用するのも許可する!風紀委員の呼び戻しは出来るか!」
    「…順次報告します!」
    「今すぐ行け!」
    「「了解!」」
    外へ出ていく二人の生徒。…勢いで外に出してしまったな。…空崎ヒナの看病も頼む予定だったが…まあ、いい。風紀委員共がやるだろう。ここで出来る看病…とりあえず、部屋内のソファへ寝かせる。
    「触るぞ……」
    ぴとりと手の平をヒナの頭に当てる。…凡そ、自身とは全くもって体温が離れていることだけが分かる。…あたりを見回す。…私が押し付けた書類ばかり。…ずっと向き合っていたのか。…やり過ぎたな、いくらなんでも…偉大さを思い知らせる以前に、倒れられては…立ち上がって、頭を冷やすためのタオルを持って来ようとする。
    きゅっ… 袖を引かれる。
    「いか…ないで…」
    「な…意識があるのか?」
    はぁ、はぁと呼吸が荒く、その言葉も何処から出たのかは分からない。おおよそ無自覚に、無意識に出したに違いはないだろう。…ただ…
    「…ああ、分かった。」
    それを聞き入れず何処かへと向かう気にはなれなかった。

  • 14二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 12:24:48

    これを読んでもマコトへの評価があんまり変わらないのがマコトクオリティ

  • 15二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:10:18

    保守

  • 16スレ主25/05/15(木) 22:34:23

    時は戻り。
    「(…仕事を押し付け過ぎるのも考えものだな)」
    「(加減していたつもりだったが…空崎ヒナだからと限度はある、か)」
    体を拭いたタオルや洗濯カゴに溜まっていた無数の洗濯物を粗方洗濯する。
    「…あまり音が出るのも考えものだな…」
    洗濯機を回したは良いが音が立つ。…この程度は遮音できるか…?
    …一応確認してくるとしようか。ヒナの寝ている部屋へ行く。
    そっと扉を開ける。
    「…おおよそ大丈夫そうだな」
    …ごそっ。…ベッドから音が立つ。…不味い、起こしたか。
    「…んう…ふわ…まこ、とぉ…」
    半分眠ったような声でそう語りかけ、両手を広げ何かを要求するような…
    …いや。内容は分かっているはず。…ただ、それを聞き入れるにはいささか無茶が、と言った所。
    「…無理だが?」
    「や」
    「……分かった、分かった。」
    そっと応じる。…身から出た錆…とはいえ、よくもこんなに数奇な状況に身を置けるものだな、私は…
    やはりまだ熱い。病魔に、対抗している証拠ではあろうが…少しだけ早い心音と、浅く多い呼吸も相まり、私に心配を植え付ける。
    …心配?私が、空崎ヒナを?……いや、あり得んな。…私も疲れて来たのだろうか?

  • 17二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 22:35:59

    おねむヒナちゃんかわいい

  • 18スレ主25/05/15(木) 23:22:38

    と言うことで俺も寝ます!!!お休み!!!

  • 19二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 01:07:26

    保守授業部

  • 20スレ主25/05/16(金) 07:32:40

    セルフで保守とか出来ねえかな…

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 08:08:02

    待つ

  • 22二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 16:26:33

  • 23二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:02:53

    補習

  • 24スレ主25/05/16(金) 22:43:05

    時間がたち・・・

    「...39.5℃。...下がっては来たが」
    「...ねえ、やっぱり仕事しちゃ」
    「ダメだ。...平熱は優に越しているだろう」
    ...無理をさせすぎたか、こういうときにも働こうとするのは難点やもしれない。...こんな反省をするとは思わなかったな。

    ―――――
    何だこの感覚は。暗い、黒い。何かしなければという強迫的な思い。
    自身が動いていないことによる周りへの迷惑。自身がどれだけ停滞しているか。
    それを刻まれている気がする、辛い。辛い。
    「...」
    早く、早く体調を治さなければ。

  • 25スレ主25/05/17(土) 01:53:22

    本日はこのあたりでベッドにどぼーんします
    明日は忙しそう・・・更新遅くなるでございますわよ

  • 26二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 08:31:14

    >>24

    わ、ワーカーホリック…

  • 27スレ主25/05/17(土) 16:14:17

    ……顔色から、息の浅さから、熱から。その体調の悪さが伺える。決して悪化はしていない、熱はむしろ下がっている。…しかし、あまりにも焦りが見えているのがわかる。病に伏せていれば心も病むといったところか。…空崎ヒナのヘイローの輝きは依然神秘的だが。そんな事を考えながら、次は何をするべきかを思考する。…再び粥を作ってくるか…
    「腹の具合は」
    「……あ。…えっと…大丈夫。食べれる」
    何か言い淀んだのが伺える。
    「…無理はするな、何かあれば遠慮なく言え。でなければ治るものも治らないからな」
    「大丈夫、大丈夫、だから…」
    「…ああ、分かった。」
    まあ、言いたくない事もあるか。…部屋を出る。
    粥を作りながら、ふと回想する。…奴の、空崎ヒナのヘイローの形が認識できるようになったのはいつだったか。…何を考えているのだろう。…やめだ、やめ。これを作るのに集中せねばな。

  • 28二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 17:39:27

    ヘイローを…認識…?!

  • 29スレ主25/05/18(日) 00:51:29

    「...さて、作って来た...食べるがいい」
    「ん...ありがと。」
    マコトがおかゆを持って来る。...美味しい。そういえば、前は味をほとんど気に出来ていなかったような気がする。...なんだか、少しマコトが優しく見える。...そういう事ではないのは分かるんだけれど。...そういえば、私はいつからかマコトのヘイローが識別できるようになっていた事を思い出す。...ヘイローは呼吸のような物で、普通は見分けがつかないし、私もマコト以外のヘイローは分からない。...深い関係の人物の仕草を、なんとなく覚えてしまうような物だろうか。...ただ、それだと私とマコトが...いや、この考えはやめよう。よくわからなくなってくる。

    「...美味しいわ」
    「そうか。...まあ、このマコト様の手製だからな。当然だ。キキキ...」
    「ふふ」
    なんだか柔らかな感覚。安心感を覚えた。

  • 30スレ主25/05/18(日) 01:37:42

    執筆者がバカ健康体なので
    いまいち病に伏している描写が上手じゃなくなってしまいました。
    まぜそばとか食ってくるレベルには元気です。
    どうしましょうか。

  • 31スレ主25/05/18(日) 01:38:06

    あ、寝る旨を書くの忘れた!
    おやすみなさい!

  • 32二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 10:12:18

    >>29

    一見平和そうだけどヘイロー認識が不安…

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 14:14:28

    ヒナマコはいいぞ

  • 34スレ主25/05/18(日) 15:39:34

    「37.7か。大分下がって来たな。後もう一押しと言ったところだな」
    「…確かに、大分楽になってきたわ。…ただ…」
    「?どうした、言ってみろ」
    「…いや、その……体が、少し汗ばんできて。気持ち悪くて」
    「ああ…そう、いう」
    「…その…マコト。私を着替えさせてくれた…のよね?」
    これは言っていいものか。迷いと、恥ずかしさが背中を這う。
    …本当にそれだけか?
    違う。…これは愉悦のようなもの。目の前の、目の前の貴女に体を預けたい。何故だろう、こんな動機で。何かおかしくなったのか?…いや、違う。元から、こんな物だったのだろう。互いに、素直になれただけ。
    「私の身体を、拭いて?」
    「…分かった。…望みというのなら」
    少し驚いたような顔でそう言う。その顔が、その態度が…
    少し、愛おしく見えた。

  • 35二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 22:47:03

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 08:10:07

  • 37二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 17:53:24

    保守

  • 38二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 22:57:33

    >>34

    ちょっといやらしくなってきたな(歓喜)

  • 39スレ主25/05/20(火) 00:15:44

    濡らしたタオルを持ってきたマコト。
    彼女の体が私に近づく。すり、すりと布が私の体に擦れる音がする。ああ、これは。愉悦か。少しの温かさを持たせつつも、ひやりと感じさせるその湿度と少しのこそばゆい感覚が私を悦ばせる。ああ、気持ちいい。不快感の除去だけではない。他の何かが、快感が確実にある。
    「...なあ、空崎ヒナ。何を、そんな、笑顔を浮かべて」
    「え?...ああ、いや、なんでもないわ。ふふ。...意外だったな、って。あなたが、ここまでしてくれるなんて」
    「...前にも聞いたような気はするが...倒れられていては、という話だからな。」
    あはは。とっても意外で、でも私はそれが嬉しい。...そうだ、すこし悪戯でもしてみましょうか。
    「...」
    すり...すり。二人の皮膚がこすれ合う音がする。私は彼女の肩までその上体を引き起こし、彼女の耳元で囁く。
    「つかまえた」
    「なっ...やめろ、空崎ヒナ。冗談にしては、笑えんぞ」
    背中に腕を回す。風邪で力が入らないとはいえ、流石は私。抵抗を許さず、しっかりと捕まえている。
    「...きっと、調子が悪くて変に動転しているだけだろう。こんな事しても、あとから虚しくなるだけだ」
    ...は? 何を、何を言うの? 何を。何を。何を。何を。何を。何を。何を。何を。何を。何を。
    「ねえ―――」
    「いいから。...今は、寝ていろ」
    少しだけ怯えたような、拒絶の表情。それが、あまりにも私には衝撃で。そんな顔されると思わなくて。...私は、そこでは引くしかなかった。

  • 40スレ主25/05/20(火) 00:32:35

    エ駄死つけてなかったのであんまり直接表現ができないのが惜しい・・・
    なんとか雰囲気だけ出せる文で収めます。今日は休みやす・・・

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 08:03:50

    保守

  • 42スレ主25/05/20(火) 16:55:30

    次の日。
    私は復帰し、仕事に励んでいたのだが。
    「…はぁ」
    「どうされました、委員長?…やはり、まだ体調が」
    「いや、そういうわけでは無いのよ」
    「では…?」
    「…まあ、気にしなくていいわ」
    アコにそう言い、自らの焦りを誤魔化す。…焦り、とは何か。…仕事がもう終わってしまったのだ。いつもならこの量を終わらせてもまだまだ積み重なっているはず。万魔殿の仕事が押し付けられていない、では済まない。風紀委員としての仕事も少なくなっている、というか。…とどのつまり、仕事が少ないというわけだ。…さて、適当になにか仕事をもらってこようか。
    「…万魔殿の方に行ってくる」
    「!…やはり、まだ体調が…私が行って来ます、委員長の手を煩わせる訳には「いいのよ」…え?」
    「そういう訳でもないから。じゃ、行ってくるわね」
    部屋を出て、万魔殿の建物へ向かう。扉を開ける。
    「…ん?…ああ、お前か…どうした?」
    珍しい。マコトが自ら書類仕事をしているとは。らしくないなあ。
    「…他の構成員は?イブキもいないのね」
    「…ああ、皆は先の一件で忙しくさせたからな。休暇を取らせている」
    「…ああ。そういう。本題に入りましょう、仕事をもらいに来たわ。いつもあれだけ捻出しているんですもの、あるでしょう?」
    「…もう終わらせたのか?…ああ、いや、いつもあの数倍を押し付けていたからか…今日はもういいさ、慣らしという訳で━━━━━」
    「なんで?」
    …空気が乾く。マコトがなにか、怯えたような顔でこちらを見始める。
    「私、もっと役に立てるわ。それとも、何?私を信用できなくなったの?」
    ああ、なんだ、なんだ。イライラする。こんな筈ではないんだけど。
    「いや、違う、また倒れられては」
    「そうしたら貴女がまた看病すればいいじゃない。また甘やかしてくれればいい。違う?それとも、本当はあなたが私にそうさせられたかった?」
    「…待て、やっぱり何かおかしいぞ。いつもそんな風ではなかっただろう」
    「こうさせたのは貴女よ、マコト。…だから」
    早歩き程度の速度でマコトと距離を詰める。マコトは動こうとしたが椅子から転び、動けなくなる。そこで私は彼女の腕を掴んで。
    「誰もいないわ…貴女と私以外」
    「や、やめろ!こんな事…!」
    ああ、もうどうなってもいい。…ただ私は。抑えきれなくなった渇望、欲望を。貴女にぶつけたい…

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 22:40:14

    議長ヒナに詰められてちょっと乙女なってて草

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 04:26:25

    保守

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:16:52

    保守

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 22:45:22

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 08:04:18

    保守

  • 48二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 17:43:23

    ゆうべのマコトの顔が頭から離れなくて、仕事が少なくなったのを自分への不信のせいだと思うヒナちゃんかわいいね...。

  • 49二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 22:44:39

    保守

  • 50スレ主25/05/23(金) 02:16:08

    私の深い吐息とマコトの浅い過呼吸。対照のようで、でも恐らく似ていて。それが混ざって、しっとりと互いの頬を湿らせる。その服をツゥ、となぞる。ぴくん、と体が跳ね、ひゅ、と空気が漏れる音がする。何か喋っているようには聞こえるが内容は入ってこない。無視する。身をよじって逃げようと試みている。かわいい。...緩急をつけ一気に服を掴み、逃げるのは許さないことを教え込む。
    「だめ」
    それに呼応するようにマコトは私に何かを話しかけているように見える。...聞こえない。聞きたくない。早く、早く早く早く。私に甘い言葉を囁いて。
    私は無意識に彼女の首筋に腕を持っていき―――
    ...がちゃんっ!
    「...あれ、誰もいないですね...」
    「マコト先輩はやはり口だけだったのでしょうか...いや、書類はそこそこ進んでますね...休憩でしょうか」
    コツ、コツ、コツと誰かが近づいてくる音。これは、イロハか。...助けでも求めようとしているのかマコトが一層力を入れ始めた。口を抑え、机の下に隠れてマコトに一言。
    「助けを求めちゃダメよ?」
    顔を真っ青にしながら、怯えるようにうなずいていた。
    ...かわいい。

  • 51二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 08:00:34

    保守

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 17:36:47

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 22:39:41

    保守

  • 54スレ主25/05/24(土) 01:38:02

    私、今日は20時台以降からしか多分書き込み出来ないです。書き貯めるので保守お願いします。

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 08:03:54

    待つ

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 17:24:49

    楽しみ

  • 57二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 23:16:37

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 09:06:46

    保守!!!ギリギリ!!!

  • 59スレ主25/05/25(日) 10:11:31

    「...さて、マコト先輩はいないようですし帰ってごろごろしますか...」
    ...足音が鳴り、ドアが開いて閉じられる。...扉の外から鳴るくぐもった足音がする。それはいつしか消え、彼女が去ったことを浮き彫りにした。...去ってしまえばどうということは無い。続けてしまおう。
    「...ねえ、マコト」
    ばさっ。机の中に隠れていた状態から再び押し倒す。片手で体を抑え、今度は彼女の長い髪に手を伸ばす。
    「さらさらしてるわ。私のとは違う。」
    腕に絡ませる。あなたの体を。あなたの髪を。 ああ、ああ。なんて、なんてかわいいのか。

    ―――――――
    「...あれは、流石に私では」
    "...そっか。言ってくれてありがとう、イロハ"
    シャーレの一室、イロハが先生に相談をしていた。腰掛けていた椅子から立ち上がり、いつものようにタブレット―――所謂、シッテムの箱を持って立ち上がる。
    行先は万魔殿。出来るだけ早く対処するため、少し早歩きで向かった。

  • 60スレ主25/05/25(日) 10:12:21

    謝罪します。用事が忙しくて書き溜められませんでした。順次書いていきます・・・すいません・・・

  • 61二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 19:12:14

    ンアー

  • 62二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 22:40:17

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 07:28:07

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:03:29

  • 65二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 18:04:43

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:01:00

    保守

  • 67二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 08:08:17

    待つ

  • 68二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 18:05:52

    楽しみ

  • 69二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 22:51:03

  • 70スレ主25/05/28(水) 01:18:54

    こちらに顔を出せない訳ではないのですが少し投下に時間をかける必要がある模様です。
    何日間かをかけることをお許しください。

  • 71二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 07:28:33

    ho

  • 72二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 15:05:22

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 22:40:44

    夜ほ

  • 74二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 08:14:17

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 17:46:43

    保守

  • 76二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 23:18:31

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 01:51:34

    グイグイ行くヒナいいですねぇ
    マコトも乙女っぽくてカワイイ

オススメ

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