- 1スレ主25/05/15(木) 20:03:07
- 2スレ主25/05/15(木) 20:03:32
このスレは、ブルーロックの登場人物による戦闘型ホラーSSです。
舞台は“ブルーロックの1室”。黒い壁紙、窓なし、最低限の家具だけが配置された密室で、外界との接触が絶たれたキャラたちは閉じ込められていました。彼らの前に現れるのは──髪と瞳の色が反転した“もう一人の自分”です。
※プレイヤーの選択(安価)/運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点・結末が大きく変化します。
※戦闘/ロスト/発狂/特殊描写あり
※スレ主の気分次第で救済あり
※取り返しのつかない選択も……あるかもしれません。 - 3スレ主25/05/15(木) 20:04:20
①
【ホラー注意】おめでとうございます。あなたは、選ばれました。|あにまん掲示板──ピー……ガガッ……ジリ……ジリ……「……ピー ──これより、“本物”の選別を開始します」「各自、自身の“偽物”を── ガガッ 討伐してください」「── 生き残った者が、“真実”となります」どこかで…bbs.animanch.com②
【ホラー注意】おめでとうございます。あなたは、選ばれました。【第十一室】|あにまん掲示板──ピー……ガガッ……ジリ……ジリ……「……ピー ──これより、“本物”の選別を開始します」「各自、自身の“偽物”を── ガガッ 討伐してください」「── 生き残った者が、“真実”となります」どこかで…bbs.animanch.com - 4スレ主25/05/15(木) 20:05:25
【ルール説明】
・戦闘を開始するキャラを選んでください(安価はこちらで指定します)
・ダイス値が42以上の場合は生存、40以下の場合はロスト
・ダイス値が41の場合、発狂確定
・ダイス値が1または100の場合、特殊描写発生
※前作『脱出ゲーム』にて、アイテムを『8個』取得しましたので、成功率が8パーセント上昇しております。 - 5スレ主25/05/15(木) 20:06:22
【特殊ルール説明】
①本物:ダイス成功値(42)を超えた分+補正
②偽物:ダイス失敗値(40)を下回った分+補正
③本物チームのダイス合計値>偽物のダイス合計値で勝利が確定
④偽物のダイス合計値が上回った場合は敗北が確定
⑤二度目の特殊戦闘において、③の上回った分+補正(①と重複不可、どちらか高い補正を採用)
- 6スレ主25/05/15(木) 20:06:42
■キャラヘイトを目的とするものではありません
■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください
■荒らしはスルーします
■基本的にゆっくり進行(社畜なので平日は特に)ですのでご容赦ください
■感想、質問、イラスト等頂けるとスレ主が大変喜びます
■広域ホスト規制に巻き込まれがちです。保守して頂けると幸いです - 7スレ主25/05/15(木) 20:07:22
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴
・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王
・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟
・雷市陣吾 - 8スレ主25/05/15(木) 20:25:35
【第十九室:選別完了】凪誠士郎 ── 生存
──音は、静かだった。
偽物が剣を振るうたび、空気が震えた。
だが、それを受け止める凪の動きは、とても静かで滑らかだった。
凪「……本当に、俺の偽物?」
その問いに、偽物は笑って応えた。
凪?「そうだよ。“怠け者のオマエ”が捨てた可能性、全部詰め込んだ存在」
凪「へぇ……」
ギィン──ッ!
剣が弾かれる音。
細剣が偽物の太刀を絡めとり、軌道をズラす。
凪は、ほとんど一歩も動かず、間合いを保ったまま言った。
凪「……だったらさ」
凪「──お前みたいな“器用なだけの俺”は──」
“いらないんだよ” - 9スレ主25/05/15(木) 20:29:56
一瞬、刃が閃いた。
二刀が交差し、偽物の胴体に深く斜めの傷が走る。
凪?「ッ……ぐ、あ……ッ!」
それでも、偽者は踏みとどまり、太刀を振りかぶる。
が、凪の動きはもう一手、先にあった。
凪「……終わり」
鋭い一閃。
太刀筋が偽者の肩口から胸を裂く。
反撃が遅れた──いや、できなかった。
偽者はよろめき、その場に崩れ落ちる。
凪?「なんで……?オレの方が……強いはず……なのに……」
凪は静かに、胸に受けた傷を押さえた。
血がにじむが、表情は変わらない。
凪「そっちの方が器用で、要領もいいけど……──“怒る理由”が、お前にはなかったんだよ」
その声に、どこまでも静かな怒りが滲んでいた。 - 10スレ主25/05/15(木) 20:34:14
斬鉄の死。仲間を模した“形だけの剣”。
それを斬るための理由だけで、凪は動いていた。
──カチリ。
扉が、音を立てて開く。
だが、凪は一歩も動かない。
足元の血が静かに広がる。
凪は、ぽつりとつぶやいた。
凪「……玲王が来るまでは、俺、ここにいる」
その言葉に、怠惰はなかった。
代わりにあったのは、真っ直ぐな“意志”。
二本の剣を静かに納めながら、凪誠士郎は椅子に腰を下ろす。
瞳は前を向いていた。
すべてを斬ったその目で、次に守るものを見据えて。
【第十九室:選別完了】
凪誠士郎:──生存
状態:胴に斬撃(軽傷)
精神動揺:安定/静かな怒り/戦意持続
扉:解放
次フェーズ:玲王待機中 - 11二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 20:42:10
お待ちしてました!
- 12スレ主25/05/15(木) 20:45:39
【第弐室】──“王様”の帰還、仲間たちの待機地
──ガチャ。
扉が開く音に、部屋の空気がふっと動いた。
閃堂「ただいま戻りましたっと」
先頭を歩くのは閃堂秋人。
その後ろに、二子──そして愛空に抱えられながら入ってきたのは、
潔「馬狼!!!」
潔が声を上げた。
続けて、雪宮、千切、氷織までもが一斉に立ち上がる。
千切「お前……!マジで、生きて……!」
馬狼「……ちょっと死にかけただけ、だろ」
馬狼は唇を噛みながら憎まれ口を叩くが、その身体はひどく傷んでいた。
愛空「バロちゃん、無理してんだって。素直に座って」
馬狼「チッ……偉そうな口きくな……」
愛空の肩を借りて、しぶしぶと馬狼は座る。 - 13スレ主25/05/15(木) 20:49:36
ネス「……危険な状態です」
静かに声を上げたのは、ネスだった。
いつになく真面目な声と整った姿勢で、魔術杖《アークワンド》を持ち上げる。
ネス「魔力は、もう少しだけ残っています。廻、豹馬、それに……照英。順番に施術しますね」
杖が微かに光る。
その輝きは、かすかながらも確かに“癒し”の力を宿していた。
(75以上で回復成功)
※馬狼のみ失敗でも最低保証あり(瀕死なので)
蜂楽:dice1d100=95 (95)
千切:dice1d100=81 (81)
馬狼:dice1d100=55 (55)
- 14スレ主25/05/15(木) 20:51:14
>>11 ありがとうございます!仕事休んだせいで激務でした!お待たせして申し訳ないです…!
- 15スレ主25/05/15(木) 21:07:26
【第弐室】蜂楽廻 千切豹馬 ── 回復成功
ネス「じゃあ……いきますよ」
ネスが一歩前へ出る。
魔術杖の先端が、小さく震えながら光を灯す。
──パァア……ッ
蜂楽「……すごい、あったかい」
その光が、折れた肋骨に触れた瞬間── 蜂楽の身体が、ほんのり蒸気を上げるように回復していく。
蜂楽は立ち上がり、体を動かしてみる。
蜂楽「うわ、動く動く……!すごいね、ネス!ありがと!」
杖を差し出した瞬間、千切の周囲に小さな渦が舞うような光が集まる。
千切「……ッ……」
肩に力が戻り、呼吸が深くなる。
視線が、すっと上を向いた。
ネス「──ネス、やるじゃん。……意外と、すげぇな」
ネスは、ふふんと鼻を鳴らしながらも、顔は少し赤かった。 - 16スレ主25/05/15(木) 21:12:38
ネスは静かに膝をつき、馬狼の前に立つ。
ネス「……あなたの傷は、深いです。完全には無理でも──死なせません」
馬狼は目をそらすように天井を見ながら、ぼそりと呟いた。
馬狼「……最初から死ぬつもりなんざねぇけどな……」
ネスはただ、微笑んだ。そして、杖を握る手に力を込める。
音もなく、腹部に走っていた裂傷が、みるみるうちに塞がっていく。
完全に癒えたわけではない。
だが、血が止まり、内臓も元の位置に戻っていた。
(……これなら、もう死なない)
誰もがそう感じた。
馬狼「………………助かった」
ネス「礼には及びません。ここは例外です、サッカーでは容赦しませんからね」
意地悪そうに、だけど嬉しそうに、ネスは笑った。
【蜂楽廻・千切豹馬:完治→戦闘可能】
【馬狼照英:腹部裂傷治癒、骨折残存→戦闘不可】 - 17スレ主25/05/15(木) 21:14:21
【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴
・國神錬介 ・凪誠士郎 ・糸師凛 ・御影玲王
・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・黒名蘭世 ・我牙丸吟
・雷市陣吾
- 18二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:14:54
- 19二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:14:58
玲王いこう
- 20二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:15:44
リストに凪が残ってるのは意図的なのかな?
とりあえず惑星召喚したいな
安価なら黒名で - 21スレ主25/05/15(木) 21:26:42
- 22スレ主25/05/15(木) 21:37:12
【第二十室】國神錬介 vs 偽・國神錬介
黒い部屋に、足音が一つ。
重厚で静かな歩調。
國神はすでに状況を理解していた。
(……ここは“試されてる”)
辺りを見回す。無機質な壁、閉ざされた空間。
──ピッ……ジジ……
スピーカーから、機械音が流れ出す。
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』
國神「……ああ。受けて立つさ」
その答えは、淀みなく、堂々と。
『これより、“本物”の選別を開始します。』
國神「本物か偽物かじゃない。“俺が俺であること”──それを証明すればいいだけだ」
『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』
『一人、生き残った者が、“真実”となります。』 - 23スレ主25/05/15(木) 21:41:05
國神は、一瞬だけ、静かに瞳を閉じた。
國神「……逃げる理由は、一つもないな」
彼の視線が、部屋の隅に移る。
そこにあったのは──リボルバーナックル《Justice Fist(ジャスティス・フィスト)》
拳に装着する、回転機構付きの“銃付き義拳”。
打撃と射撃、両方の力を持つ國神専用の“正義の鉄拳”。
手に取った瞬間、その重量が彼の覚悟を深く支える。
國神「……いい武器だな。強そうじゃなく、“守れそう”だ」
装着。回転シリンダーがカチリと音を立てる。
國神は軽く拳を構えて──そのまま、部屋の中央へ。
──そして、そこにいた。
真正面に立つ、“國神錬介の偽物”。
髪も瞳も同じ色、表情も酷似している。
だが、どこかに“濁り”があった。 - 24スレ主25/05/15(木) 21:42:25
國神「お前が俺の偽物か」
國神?「そうだ。お前が握ってない“力”を、俺は全部持ってる」
國神「そうか」
拳を静かに上げた。
國神「──なら、その手で証明するしかない。
“ヒーロー”は、誰かの偽物になんかならねえよ」
──選別、開始。
dice1d100=87 (87)
- 25二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:45:17
- 26スレ主25/05/15(木) 21:59:26
>>25 しっかりヒーローらしさを見せつけてくれましたね。
- 27二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 22:01:37
🎉E4全員生存
- 28スレ主25/05/15(木) 22:03:03
【第二十室:選別完了】國神錬介 ── 圧勝
──戦いは、短くも激しかった。
拳と拳がぶつかる音が、重く響く。國神の《Justice Fist》が放つ一撃ごとに、床が軋む。
偽・國神は、まるで鏡のように同じ動きを見せながらも、どこか攻撃に“迷い”があった。
國神「……その拳、強いな。だが──」
ドゴォッ!!
國神「……足りねえんだよ」
國神の拳が、偽者の腹部を貫いた。
回避もせず、真正面からの打撃戦。
國神「お前は、“誰かのため”じゃなく、“自分の正しさ”を証明したいだけだ。……それじゃあ、ヒーローにはなれねえ」
血を吐きながら、偽者が倒れ込む。
國神「……苦しまないように終わらせる。……それが、俺のやり方だ」
拳をもう一度だけ、構える。 - 29二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 22:04:23
良かった生き残った!
E4みんな生存で嬉しい!! - 30スレ主25/05/15(木) 22:08:40
國神「ありがとな。……俺を、もう一度、“ヒーロー”として試してくれて」
──ズンッ。
心臓に、正確に一撃。
偽者の顔から力が抜け、静かに目を閉じた。
部屋に再び、静けさが戻る。國神はゆっくりと拳を下ろし、深く息を吐いた。
その目には、怒りも驕りもない。ただ、ひとつの戦いを終えた男のまなざし。
扉が開く。
國神は少しだけ立ち止まり、亡骸に一礼する。
國神「……お前も、最後まで立派だったよ。──“偽物”って言葉じゃ片づけたくないくらいにはな」
そして、振り返らずに歩き出す。
この先に誰がいようとも。自分が、“本物”として生き残る理由は、もう揺るがない。
彼の歩く先で、何かが──静かに、待っているかもしれない。
【第二十室:選別結果】
國神錬介:──生存
状態:無傷 / 精神動揺:非常に安定
扉:開放 / 次フェーズ:移動中 - 31スレ主25/05/15(木) 22:10:13
- 32スレ主25/05/15(木) 22:32:27
だいぶ早いですが、仕事疲れでスレ主寝ます。
明日も仕事なので、更新ゆっくりですが、仕事終わりは頑張りたいと思います。
本作品を考える間に、別のネタが浮かんでしまうので、明日しれっと別スレを立ててる可能性があります(本作メインで、別スレはサブ・思いついた時にのんびり更新)。別スレのテーマは、ブルーロックスの日常です。彼らの日常、良ければ覗いて見てください。当然のようにホラー注意です、元気があるときに見ることをオススメします。
それではおやすみなさいませ。 - 33二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:01:17
お疲れ様でした、スレ主
ゆっくり休んでください〜 - 34二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 03:39:56
別スレも楽しみにしてます!
「元気があるときに〜」が若干怖いですが! - 35スレ主25/05/16(金) 07:36:11
- 36スレ主25/05/16(金) 07:43:43
【???/天国ロビー】勝利と賞賛
清羅「──やったぜ!!!!!」
清羅が両腕をブンブン振り回しながら、ソファの上で飛び跳ねていた。
七星「斬鉄さんの仇!!!取り返したっぺよぉぉぉお!!」
七星も涙目で叫び、乙夜が手を叩く。
乙夜「やるじゃん、ユーヴァース。さすが強キャラ集団、アガるわー」
斬鉄はというと──
斬鉄「お、俺の刀ぁぁ……!二子が拾ってくれてる……!!なんてイケメンなんだアイツ……!!!」
鼻水を垂らしながら泣いていた。
烏「お前ほんと一生推せるわ……」 - 37スレ主25/05/16(金) 07:49:09
乙夜が天井を見上げて、ぽつりと呟く。
乙夜「にしても、凪チョー決まってた、なんか背後に見えたし」
清羅「怒ってんの、めっちゃ分かったわ。静かだったけど、スゲェ“燃えてた”よなあれ」
烏も真面目な顔でうなずく。
烏「斬鉄が死んだ時、あいつ……一言も騒がずに戦って、勝って── しかも扉開いても動かんし。“玲王がまだ来てないから”って、…凄いわ」
斬鉄が再び鼻をすすりながら拳を握った。
斬鉄「凪……凪……!お前ほんと最高の相棒だな……!」
冴はソファにふんぞり返って一言。
冴「…………鼻、かむか?」 - 38スレ主25/05/16(金) 07:53:09
そして──画面が切り替わった瞬間。
全員が言葉を失う。
烏「……つっよ……」
偽者を苦しめず、真正面から打ち抜く。
倒れた相手に一礼し、何も語らず扉を出るその姿に──
全員が、口を揃えた。
「……ヒーローだ」
天国ロビーに、静かな拍手が広がる。
斬鉄「やっぱり……あいつらはまだまだ負けていないな。……俺たちの“死”も、ちゃんと意味があったわけだ」
乙夜が薄く笑う。
乙夜「だから、もうちょっと見とく。“あいつらの未来”」
七星「……はい。ずっと、見てたいです」
ソファに集う者たちが、次の戦いを見据えて、
今はただ──静かに、仲間たちの生を見守っていた。 - 39スレ主25/05/16(金) 07:55:14
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎、國神錬介
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴
・糸師凛 ・御影玲王 ・蟻生十兵衛 ・時光青志
・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾
安価により、御影玲王に決定 - 40スレ主25/05/16(金) 09:08:37
【第二十一室】御影玲王 vs 偽・御影玲王
暗い部屋の中、玲王はすでに目を覚ましていた。
けれど、動かない。
目を閉じたまま、胸の奥に広がる妙な静けさと、ぽっかりと空いた感覚を味わっていた。
(……斬鉄)
名前を思い出すだけで、胃の奥が痛む。
その“消失”が、どれだけ自分の中にあったのか──
玲王「……やっぱ、お前が死ぬなんて、許せねぇわ」
目を開けた瞬間、玲王の瞳が燃えていた。
──ピッ……ジジ……
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』
玲王「ハッ、選ばれた? だったらこっちも“選び返す”だけだ。本物も偽物も関係ねぇ。“奪い返す”って決めたからな」
『これより、“本物”の選別を開始します。』
『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』
『一人、生き残った者が、“真実”となります。』 - 41スレ主25/05/16(金) 09:11:51
玲王の足が、すっと装備台に向かう。
その瞬間──
目の前に並ぶのは、いくつもの武器。
それは、あたかも誰かの戦いを映した記憶のように。
・國神の《ジャスティス・フィスト》
・凪の二天一流の双刀
・士道のスパイクメイス
・雪宮の槍
・愛空の斧と盾 ……
玲王「──全部、使える。けど……」
玲王が手を伸ばしたのは、剣城斬鉄が使っていた“あの刀”と同型の、大太刀。
重く、鈍く、それでも芯の通った一振り。
玲王「……お前の武器でいく。コピーでも模倣でもいい。俺は、“斬鉄”を奪い返すんだ」
大太刀を片手に構え、玲王はゆっくりと振り下ろして試す。
その動きに、迷いはない。 - 42二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 09:26:53
イングランド組は玲王 イタリア組はオシャが生き残れば全員生存確定だね
- 43スレ主25/05/16(金) 10:19:59
──視線の先、現れたのは“反転した自分”。
玲王「へぇ、俺の顔してんな。けどさ」
紫の瞳が鋭く光る。
玲王「そっちの“俺”には、斬鉄がいねぇんだろ?
──なら、お前は“俺”じゃない。ここで終わりだ」
刃が、空気を裂く。
──選別、開始。
dice1d100=43 (43)
- 44スレ主25/05/16(金) 10:21:04
>>42 イングランドもチムレも大丈夫でしたね!死にかけてますが、凪がいるので大丈夫です。
- 45二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 10:21:10
あっっっっっっっっぶな この数値は実質ボーダーライナー
- 46二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 10:22:34
怖すぎ
瀕死じゃん - 47二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 10:32:47
もしかしてなんだけど玲王って冴とネスの杖って使える?だとしたらヒーラーとして動けるんじゃない?
てかさらっと流したけど今まで出てきた武器全部使えるのヤバすぎないか御影玲王 - 48スレ主25/05/16(金) 11:59:18
- 49二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 12:00:34
ヒーラー増えるの助かるな
ただ成功率は下がりそう? - 50スレ主25/05/16(金) 12:04:06
【第二十一室:選別完了】御影玲王 ── ギリギリ生存
──重い、戦いだった。
玲王?「俺の方が、器用で、強くて、早い──」
偽物はまるでマシンのように正確に刀を振るってくる。“本物”の御影玲王よりも、確かにスピードも精度も上だった。
だが、それでも──
ガッ──ッ!!!
玲王の右肩を大太刀が貫通した瞬間。
玲王「──ッ……ぐッ……」
一歩、下がれば逃げられた。
でも、下がればこの一太刀で終わっていた。
斬鉄の刀を持って、逃げるわけにはいかなかった。
玲王「なぁ……お前、“痛み”って知ってるか?」
血を吐きながら、足を踏み出す。
玲王「“強さ”がどうとか、“効率”がどうとか、──お前、斬鉄のこと、何もわかってねぇよ」 - 51スレ主25/05/16(金) 12:07:32
偽物の太刀が玲王の肋骨を叩く。
骨が悲鳴を上げ、呼吸が浅くなる。
だが、足は止まらない。
玲王「……あいつ、バカだったけど、真っ直ぐだったんだよ。誰のためにって言われたら、“仲間のため”って言えるような……」
──そんな奴が、死んで。
玲王「……俺が逃げるわけに、いかねぇだろうがよ!!!!!」
最後の一閃。
偽物の首元を、玲王が“あいつの刀”で真っ直ぐに断ち切った。
──勝った。
だが、勝利と引き換えに、
玲王は右腕を垂れ、左手で胸元を押さえながら、その場に膝をついた。 - 52スレ主25/05/16(金) 12:13:28
玲王「ッ……は、ぁ……」
荒い息。痛みが波のように押し寄せる。手は震えていた。血がにじみ、服を濡らしていく。
でも、それでも。
玲王「俺は……俺で良かったんだよな。斬鉄……」
誰にでもなくそう呟いた時──
扉が、開いた。
玲王は立ち上がろうとするが、身体が上手く動かない。
(くそ……)
それでも、目の奥は燃えていた。
玲王「……絶対、外まで行ってやる」
そう言い聞かせるように、壁を支えにして立ち上がろうと奮闘する。
誰も“斬鉄のコピー”じゃない── 今、ここにいるのは、“御影玲王”ただ一人だ。
【第二十一室:選別結果】
御影玲王:──生存
状態:肋骨骨折/右腕骨折/肩貫通/出血あり
精神動揺:安定/確固たる意思
扉:開放 / 次フェーズ:移動しようと奮闘中 - 53スレ主25/05/16(金) 12:16:19
- 54二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 12:39:09
ネスより必要数値高いと流石に厳しいだろうから
複数回ダイス振って平均値でどれくらい治せたか決めるとか?
MAX100じゃなくて99〜90くらいに下げて完治でなくて手当て程度に止めるとか
ネスならダイス必要値が少し高い代わりに出目次第で完治するけど
玲王は成功率が割と高い代わりに止血はできたとか傷は塞がったが激しく動くと傷が開いちゃうみたいなイメージ
※勝手な読者側の妄想だから不採用でも全然大丈夫です - 55二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 13:49:41
重傷→中傷みたいに
判定成功で一段階ぶん回復とか? - 56スレ主25/05/16(金) 16:25:26
- 57スレ主25/05/16(金) 16:32:52
【第十九室】── 沈黙のその先に、動き出す心
──カチ。
部屋の扉が、静かに開いた。
それでも、凪誠士郎は動かなかった。
二刀を膝の上に置いたまま、座った姿勢のまま目だけを上げる。
扉の向こうに、ゆっくりと現れたのは──國神錬介。
背筋を伸ばし、傷一つないその姿に、凪は小さく「へぇ」と呟いた。
國神「……出ないのか?」
國神の問いは、静かで真っ直ぐだった。
凪は目を伏せて、少しだけ唇を歪める。
凪「玲王が、まだなんだよ。だから、俺はここにいる」
國神「……そうか」
國神はそれ以上、何も言わなかった。 - 58スレ主25/05/16(金) 16:34:29
扉の前に立ち、しばらく沈黙が続く。
そのとき──ふと、國神が眉をひそめた。
國神「……血の匂いがする。すぐ近くからだ」
凪がはっと目を見開く。
凪「……玲王?」
二本の刀を瞬時に腰へ差し、立ち上がる。
足取りは、いつもの“めんどくさい”からは程遠い速さだった。
凪「……行く」
その一言だけ残して──
凪誠士郎は、玲王の元へと走り出した。 - 59スレ主25/05/16(金) 16:35:42
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎、國神錬介、御影玲王
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴
・糸師凛 ・蟻生十兵衛 ・時光青志
・黒名蘭世 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾
安価により、黒名蘭世に決定 - 60スレ主25/05/16(金) 16:44:55
【第二十二室】黒名蘭世 vs 偽・黒名蘭世
目を開けた時には、もうすでに状況を把握していた。
黒い壁、閉ざされた空間、外との接続なし。
最小限の照明と、気配のない空気。
黒名「……閉鎖空間だな」
独りごとのように呟く。
次の瞬間──
──ピッ……ジジ……
ノイズ交じりのアナウンスが天井から響く。
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』
『これより、“本物”の選別を開始します。』
『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』
『一人、生き残った者が、“真実”となります。』 - 61スレ主25/05/16(金) 16:48:07
黒名「制圧する。討伐、討伐」
黒名はすっと立ち上がる。
感情の見えない表情で、壁際に歩き──
そこにある棚から、迷わず“それ”を手に取った。
片手に収まる鋭い湾曲刃と、鎖で繋がれた重り付きの小型ククリナイフ。
近接・牽制・拘束・高速回避を可能にする、スピード制圧用の暗器武器。
黒名は静かにチェーンを巻き取り、重りを指で弾く。
黒名「小回りがきくいい武器だな、殺傷能力も強そうだ」
彼の動きは、無駄がない。
まるで戦闘が“作業”であるかのように、静かに──確実に準備を進める。 - 62スレ主25/05/16(金) 17:18:49
視線を前に向けた。
──そこに、立っていたのは“黒名蘭世”。
曇天に浮かぶ、濁った雲のような髪と瞳。
無言で、まったく同じ顔が、こちらを見つめ返す。
黒名「……負けない、負けない」
手首を軽く振り、ククリが低く唸った。
構えのまま、膝を沈め、静かに──しかし鋭く──
一撃目を放つ準備は、すでに整っていた。
──選別、開始。
dice1d100=35 (35)
- 63二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 17:27:10
ア"
- 64スレ主25/05/16(金) 17:28:02
【第二十二室:選別完了】黒名蘭世 ── ロスト
黒名「制圧……制圧──」
鎖が唸り、ククリが閃く。
その動きは速く、冷静で、正確だった。
偽物の動きも同様に研ぎ澄まされていたが──
初撃を奪ったのは“本物”だった。
ブシュ──!!
黒名のククリが、偽物の足首を吹き飛ばす。
黒名「小回り、制圧──」
続けざまに、鎖を巻き戻し、腕の一閃で右腕も裂いた。
偽物の身体が傾ぐ。だが、倒れない。
黒名?「──……」
言葉もなく、血まみれの身体で、偽物は跳びかかってきた。
その速さ──“死にかけの刃”が、本能だけで突き刺す。 - 65スレ主25/05/16(金) 17:32:09
ズシャッ──
黒名の腹部に、偽物の刃が突き刺さった。
黒名「──────、……」
声は出なかった。
「痛い」と叫ぶ時間すらなかった。
片膝をつき、呼吸が止まる。
そのまま、黒名蘭世の身体が崩れ落ちた。
勝者──偽・黒名蘭世。
だが、その姿は勝者とは程遠い。
両脚は機能せず、右腕も裂かれ、呼吸は不安定。
ゆっくりと倒れた“本物”へ手を伸ばし、記憶を吸収しようとする。
──ピリッ
その瞬間、手が弾かれるように跳ね返った。
黒名?「……記憶吸収、失敗──失敗、失敗……」
掠れた声で呟き、血まみれのままうずくまる。 - 66スレ主25/05/16(金) 17:32:41
扉が、ゆっくりと開く。
だが、偽物は立てない。
誰かが来るのを待つしかない。
あるいは──ここで、ただ“朽ちる”しかない。
【第二十二室:選別結果】
黒名蘭世:──ロスト
状態:腹部貫通により即死
偽・黒名:生存
状態:足首・腕破損/記憶吸収失敗
扉:開放
次フェーズ:事切れるか、誰かと遭遇するまで待機 - 67二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 17:33:41
あああ・・・
- 68スレ主25/05/16(金) 17:34:50
>>63 黒名、天国に行ってしまいましたね。
- 69スレ主25/05/16(金) 17:40:04
>>67 失敗確率下げたのに、結構死にますね… スレ主、実は黒名結構推してました。推しは死ぬ運命にあります。
- 70スレ主25/05/16(金) 17:41:36
さて、帰宅しましたが第三の推しが死にましたので、気分転換にラーメンでも食べてきます。戻ったら更新再開しつつ、別スレしれっと立てます。よろしくお願いします。
- 71スレ主25/05/16(金) 20:15:18
【???/天国ロビー】── 黒名蘭世、合流
烏「……おおお!!ギリッギリやな……!」
七星「でも勝ったっぺ……!!」
全員が息を飲みながら、倒れかける玲王の姿を見守る。
斬鉄は拳を強く握って、震える声で呟いた。
斬鉄「玲王……お前も“最高の相棒”だ…!凪も玲王も最高だ!!!テンカムソウってやつだな!!」
誰もが安堵し、画面の光がゆっくりと切り替わる──
そのときだった。
「……あれ……?」
誰かの声がした。
振り返ると、霧のような光の隙間から、桃色の髪と瞳──黒名蘭世が、ひょこりと立っていた。
黒名「……天国……来たな。死んだ、死んだ」
表情は無表情。けれど、ほんのわずかに口元が揺れていた。 - 72スレ主25/05/16(金) 20:25:19
清羅が真っ先に立ち上がる。
清羅「黒名!!!マジかよ……お前も……!」
乙夜「来ちゃったかー。“制圧、失敗”だったんだ」
黒名はコクリと頷く。
黒名「負けた……ちゃんと、制圧……したのに。足も腕も壊したのに。でも──負けた、死んだ。制圧、できなかった……」
その言葉と同時に、黒名の頬に一筋の涙が流れ落ちた。
それに、全員が一瞬だけ言葉を失った。
斬鉄が、静かに手を伸ばして、黒名の頭をポンと撫でる。
冴は、無言でハンカチを差し出す。
乙夜は、そっと黒名の袖を引いて、小さく微笑む。
乙夜「死んでも、仲間だから……大丈夫。ここ、ぬくいし。アガるやつらも揃ってるし」
黒名はそのまま、静かに座った。
その顔は泣き顔のままだったけれど──
誰も、それを笑わなかった。 - 73スレ主25/05/16(金) 20:45:34
【第十一室】──目覚め、再起動。
──カチリ。
微かな電子音とともに、長らく閉ざされていた扉がゆっくりと開く。
その奥。
黒い床の上、胡座をかいたまま動かなかった“清羅刃の姿をした何か”が、ゆっくりと瞼を開けた。
清羅『……ん。扉、開いた……っつーことは、そろそろか』
小さく欠伸をひとつ。
その仕草は、完全に“人間”だった。
否──「清羅刃の記憶を完全に取り込んだ偽物」であるこの存在は、もはや模倣を超えて、本人と見紛うような“感情の断片”すら持ち始めていた。
清羅『寝ちゃってたな。久々に、夢を見た。
──俺が俺を切ってる、夢だった』
立ち上がると、足元に転がしていた刀と装備を無造作に拾い上げる。
清羅と、偽物も使っていた、大振りの片刃剣(モノブレード)と、金属製の籠手(ガントレット)。 - 74スレ主25/05/16(金) 20:49:41
清羅『……もう“あいつ”はいねぇのに、まだ体が震えてんのは何でだろうな。 ──やっぱちょっと……キてんのかもな、俺』
肩を回し、軽く刀を試し振り。
静かな金属音が室内に響く。
清羅『行くか』
ゆっくりと歩き出す。
向かう先は、そう──
“俺”が見ていた、“あいつら”の場所。
扉をくぐるその背中には、清羅の記憶、清羅の言葉、清羅の癖、そして、“清羅刃になろうとする”何かの意思が絡みついていた。
【第十一室】
扉:解放
偽・清羅刃:行動開始
目的:“自分と同じ”“本物”に逢いに行く - 75スレ主25/05/16(金) 21:09:25
【第二十一室──再会】
──カチャ。
凪の手が、ためらいなく扉を押し開けた。
開いた瞬間、鉄と血の匂いが押し寄せる。
凪「……っ!」
部屋の中心に、倒れかけていた紫の影。
その髪は乱れ、顔には血がこびりついていた。
右肩は貫かれ、右腕と肋骨は内側から折れている。
──それでも、その瞳だけは、かすかに、凪の方を見ていた。
凪「玲王!!!!!!」
凪が、叫んだ。
これまで“何があっても動かなかった”彼の感情が、はっきりと声になった瞬間だった。
躊躇なく駆け寄り、膝をついて玲王の身体を支える。
凪「ねえ、大丈夫!? ちょっと待て、今──」
玲王が、薄く笑った。
玲王「……凪、すげぇ顔……してんじゃん……ははっ……ざまあねぇな……俺……」 - 76スレ主25/05/16(金) 21:17:32
呼吸は荒く、声もかすれているのに──
どこか嬉しそうに笑ったその表情を、凪は見下ろして震える手で支え続けた。
その後ろから、國神錬介が静かに歩み寄る。
國神「……よく、生きてたな」
玲王が顔を向ける。
國神は、まっすぐな瞳で言葉を続ける。
國神「……お前の勝ちだ、玲王。その身体で立ってたってだけで、充分すげぇよ」
ゆっくりと膝をつき、凪とともに玲王の体を安定させるように支える。
國神「もう一人じゃない。俺たちが支える。
──ここからは、“チーム”で動くんだ」
その言葉に、玲王が息を震わせた。
凪は何も言わなかった。
ただ、肩にかかる血を払いもせず、玲王の背を、しっかりと支え続けた。 - 77スレ主25/05/16(金) 21:19:07
【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎、國神錬介、御影玲王
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴、黒名蘭世
・糸師凛 ・蟻生十兵衛 ・時光青志
・我牙丸吟 ・雷市陣吾
- 78二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 21:21:53
- 79スレ主25/05/16(金) 21:25:55
- 80スレ主25/05/16(金) 21:41:16
【第二十三室】糸師凛 vs 偽・糸師凛
──目を開けた瞬間、世界が“濁って”見えた。
糸師凛は静かに上体を起こし、眉間に皺を寄せる。
(……クソみたいな空気だな)
部屋は暗く、無機質で、窓も出口もない。けれどそんなことより──
凛「……いない」
言葉にするまでもない。呼吸の質、空気の温度、胸の奥に刺さるような予感。
──兄・糸師冴は、死んでいる。
凛はそれ以上は何も言わない。
けれどその指先は、ピクリと震えていた。
──ピッ……ジジ……
スピーカーから、無機質なアナウンスが流れる。
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』
『これより、“本物”の選別を開始します。』
『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』
『一人、生き残った者が、“真実”となります。』 - 81スレ主25/05/16(金) 21:45:53
凛は立ち上がり、部屋を見渡す。
そこに置かれていたのは──
背丈とほぼ同じ長さの黒い大鎌。
斬式大鎌《ヘカトンブレード》
刃の内側に数列の“数字”が刻まれている。
凛は黙って鎌を取り上げると、片手で軽く肩に担ぐ。
凛「……全員──兄貴の仇だ」
静かに呟く。
その目にあるのはただ、怒りにも似た静かな“衝動”と、“殺意”。 - 82スレ主25/05/16(金) 21:49:35
──その時。
部屋の奥に、“反転した自分”が現れる。
髪は小豆色、瞳は鮮やかなエメラルドグリーン。
──まるで、兄・冴のような色。
凛の表情が、一瞬で顔が険しくなる。
凛「──誰の“姿”使ってんだよ、ゴミが」
鎌を握り直し、静かに身構えた。
凛「殺す。お前が兄貴を殺したんだろ」
凛「だったら──俺が、お前を殺す。“正解”だろ」
……殺してやる、と、凛は呟き続ける。
──選別、開始。
dice1d100=34 (34) ???
- 83二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 21:51:01
あっ…
- 84二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 21:52:09
??? がついているということは数値以外になにかあるかな
- 85スレ主25/05/16(金) 21:56:43
- 86スレ主25/05/16(金) 22:14:25
【第二十三室:選別完了】糸師凛 ── ロスト拒否
──数字は、「34」だった。
鎌の刃に、微かに刻まれた“その数字”を見た瞬間、凛の瞳が冷たく細められる。
凛「……は?」
反転した ── 冴に似た顔をしたその偽物が、ニタリと笑う。
凛?「残念だったな。弱かったのは、お前も同じだったってことだ──」
だが、その瞬間だった。
刃に刻まれていた「34」の数字が砕け散り、その背後に、“新たな数字”が浮かび上がった。
──《+32》
“足りなかった兄の命”を継ぐ力。
鎌全体に、数式のようなエフェクトが走り出す。
凛の背後には“連なる数字の残像”が浮かぶ。
17、43、91、23、74──
それは凛の中で燃え上がる“全ての怒りと才能”の計算式。 - 87スレ主25/05/16(金) 22:21:19
偽物が一瞬だけ、言葉を失った。
凛?「……嘘、そんなはず──」
その間に、凛の足が消える。
加速──ゼロ距離。
凛「“兄貴”を使って俺に勝てるとでも思ったのかよ── そのセンスの無さが、お前の“死因”だ」
刃が一閃する──
だがそれは、“時間差”で相手を切り裂いたような感覚だった。
偽物がふらりと後ずさり、胸から血を吹く。
凛は、動かず。
その時だった。
──ヒュウッ、と風が吹いたような気がした。
後ろから、気配。
見間違えるはずもない。
その姿は、兄──糸師冴。 - 88スレ主25/05/16(金) 22:24:27
凛「………………にい、ちゃ?」
一瞬、凛の目が揺らぐ。
冴の姿は淡く、ノイズのように揺れながらも、
その目だけは、凛をまっすぐに見つめていた。
言葉は、たった一つ。
冴「……死ぬなよ」
凛の鎌に刻まれていた“66”の数字が、鮮やかな赤に燃え上がって弾け飛ぶ。
そして──“∞”という文字に変わった。
凛は、偽物に背を向けたまま言った。
凛「……兄貴の顔──使った罰だ。せいぜい後悔しながら死んどけ」
偽物が崩れ落ちる音を背に受けながら──
扉が開いた。 - 89スレ主25/05/16(金) 22:30:01
凛は一歩も迷わず、鎌を肩に担いでその先へ向かう。
凛「……“死ぬまで”じゃ、なかったのかよ」
幼子の時の記憶を思い出しながら──
黒い廊下を、爆ぜるような気配と共に駆け抜けていった。
【第二十五室:特別戦闘結果】
糸師凛:ロスト拒否/∞
状態:無傷
精神動揺:殺意
扉:解放
次フェーズ:移動中
目的:冴を殺した相手を抹殺する - 90スレ主25/05/16(金) 22:33:04
(推し贔屓ではないですよ、悪しからず……凪、氷織には用意してましたが発動しませんでした)
- 91二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:47:38
- 92二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 22:49:26
- 93スレ主25/05/16(金) 22:50:48
【第二十一室】命を繋ぐ“魔法”
凪「……玲王、立てそう?」
凪の肩を借りながら、玲王はかすかに笑って首を振った。
玲王「……無理だった、肋骨も、腕も、肩も、ぜんぶ……終わってる」
國神が眉をひそめていた。
このままでは、次の一撃どころか、数分後の生命すら怪しい。
だが、玲王はふと、視線を横に動かす。
そこに、“違和感のある杖”があった。
紫金の柄、先端には4つのリング。
──指揮杖《クアドラ・コード》 - 94スレ主25/05/16(金) 22:51:51
凪「玲王、それって…」
玲王は笑った。
弱々しく、でもどこか誇らしげに。
玲王「“魔法”、……使えたらかっこよくね?」
杖を手に取る。
手のひらが震え、右腕はうまく動かせない。
けれど──
玲王「──真似するの、得意なんだよ。俺は」
杖を掲げた瞬間、わずかに金色の光が点滅した。
(……お願いだから、届いてくれ)
その祈りを胸に、玲王がクアドラ・コードを振り下ろす──
(1~24:瀕死回避/25~49:3割回復
50~74:5割回復/75~100:8割回復)
dice1d100=28 (28)
- 95スレ主25/05/16(金) 22:56:12
- 96二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 23:45:00
玲王3割回復か…動けるようにはなるかな?
- 97二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 00:49:11
いまだに推し全員生死不明でわろとる
生きてくれることを願って楽しみに待ってます - 98二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 05:27:01
凪は玲王死亡かつ41以下だと発動
氷織は烏死亡かつ41以下だと発動したで合ってる? - 99スレ主25/05/17(土) 08:12:10
- 100スレ主25/05/17(土) 08:17:41
【第二十一室】──最低限の魔法
玲王「……うまくいけ」
震える指先。握力のない右手は使えない。
玲王は左手一本で、《クアドラ・コード》を掲げた。
リングが微かに震え、杖の先からごく淡い金色の光が漏れ出す。
凪と國神が見守る中──
玲王「……俺は、“止める”くらいでいい」
杖を、胸のあたり──折れた肋骨の上に、そっと添える。
一瞬、空気が震えた。
ス……ッ……
玲王の体がわずかに浮き、金の粒子が骨の位置をなぞるように流れていく。
玲王「……っ……!」
痛みが完全に消えることはない。
だが、それでも──
呼吸が、戻った。 - 101スレ主25/05/17(土) 08:21:55
玲王「──ハァ……ははっ。息、できるわ……! 生きてる、俺!」
右肩も腕も痛む。けれど、胸が開く感覚は、明らかに“致命傷”からは遠ざかっていた。
凪が、小さく安堵の息をついた。
凪「よかった……」
國神は頷き、立ち上がった玲王を肩で支える。
國神「動けるか?」
玲王「……動く。今度は、“俺が”何かを守る番だ」
玲王は、杖に視線を落とす。
(冴……、ありがとな)
そのまま凪の肩に寄りかかりながら、扉の前に立つ。
玲王「行こうぜ、凪。國神」
國神「おう」 凪「……うん」
3人の影が、黒い廊下へと歩き出した。
【御影玲王:肋骨骨折治癒】
【右肩貫通、右腕骨折:現状維持→戦闘不能】 - 102スレ主25/05/17(土) 08:35:49
【???/天国ロビー】──死者たちが見た“拒絶された死”
「……やば……」
誰かの呟きが漏れる。
静まり返った天国ロビーに映るのは、死が確定したのはずの凛が、数字を纏い、冴の幻影に導かれて“勝利を掴む”姿。
その背に浮かんだ「+32」の数字。
刻まれた“兄の不在”と、それでも“生きろ”と囁く幻影。
──「……死ぬなよ」
その一言で、空気が凍った。
斬鉄が、ぽかんと口を開けていた。
斬鉄「……凛が、助けられた……?」
乙夜が腕を組みながら、いつになく真面目な顔をして言う。
乙夜「幻覚っていうのは違う。あの言葉……多分、“冴の意思”だった感じ」
「カッケェ……」と素直に呟いたのは清羅。
七星は、ぽつりと呟いた。
七星「凛さん、やっぱ最強だっぺ……」 - 103スレ主25/05/17(土) 08:40:29
黒名がぽそっと補足する。
黒名「死者の記憶は、データとして残る。
──凛は、記録じゃなく、“感情”を拾った。
それが、強さ。計算外。想定外。……でも、正解」
一方、腕を組みながら無言で画面を見つめていた烏が、しばらくしてぽつりと漏らす。
烏「……いいな。冴も凛も、やっぱ“兄弟”なんやな」
すると隣の乙夜が、不意ににやりと笑った。
乙夜「でもさー、冴、普通にしれっと凛の命助けてるの、ずるくね?演出としてはアガったからいいけど」
その瞬間。
ソファの後ろから現れた当の本人──糸師冴が、
無表情で一言。
冴「別に、助けたわけじゃない」
冴「“死ぬなよ”って言っただけだ」
「いや、それが助けたんだろ!!」
「わかっててやってるやろお前ぇぇぇ!」
──一斉に突っ込まれながら、
冴はほんの一瞬だけ、ほんのほんの一瞬だけ、
唇の端を、わずかに持ち上げたように見えた。 - 104スレ主25/05/17(土) 09:09:35
【第八室】──次の“選別”へ
──カチ。
何の予兆もなく、扉が音を立てて開く。
部屋の中にしゃがみこんでいた“それ”は、ゆっくりと顔を上げる。
白髪、濁った白い瞳。
朴訥な声で喋るその様子は、「七星虹郎」を忠実に再現しようとしているようで、どこかズレている。
七星『記憶……取った、取った。全部、ぜんぶ……俺のだっぺ』
感情の抜けた声が、反響する。
左足には深い裂傷の痕が残っており、
歩くたびに血の気配がにじむ。
けれど、それを痛がる素振りはまるでない。
七星『……誰が、俺を“偽物”なんて言った?
“本物”は、勝った方、残った方…それが真実…』
偽物が拾い上げたのは、農具のような鉄錆色の鎌。
形状こそ刃物だが、
鋼の質感は不規則で、まるで“土”を断ち切るように重く鈍い。
──これは、人間ではなく、“何か”を刈るための道具。 - 105スレ主25/05/17(土) 09:10:23
偽・七星はその柄を肩に担ぎながら、ひょいと立ち上がる。
ひとつ、口元が吊り上がる。
七星『俺が、“本物”だっぺ。
次は、誰が“嘘”か、確かめに行こう──』
よたよたとした歩幅で、それでも確実に。
偽・七星虹郎は、廊下へと一歩を踏み出した。
【第八室】
扉:解放
偽・七星虹郎:行動開始
目的:“嘘”を確かめに行く - 106スレ主25/05/17(土) 09:11:39
【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎、國神錬介、御影玲王、糸師凛
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴、黒名蘭世
・蟻生十兵衛 ・時光青志 ・我牙丸吟 ・雷市陣吾
- 107二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 09:12:42
- 108二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 11:11:00
時光、どうなるんだろ
- 109二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 11:12:06
TOP3全員生存してくれ
- 110スレ主25/05/17(土) 12:01:17
- 111二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 13:11:58
推しがロスト拒否して生存!ありがとう兄ちゃ
ところで凛ロスト→冴の順番になってたら特殊効果はあった? - 112スレ主25/05/17(土) 13:14:32
【第二十四室】時光青志 vs 偽・時光青志
時光「……うぅ……」
時光青志は目を覚まして、
両手で自分の顔を覆ったまま、小さく呻いた。
時光「なにここ、気持ち悪いよお……」
照明は薄暗く、室内には無機質な壁とわずかな家具。
窓もなく、空気はやたらと静かだ。
──ピッ……ジジジ……
ノイズ混じりのアナウンスが流れ始める。
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました。』
時光「えええぇぇぇ……何が“おめでとう”なの……!?選ばれたくないよ、こんな状況で……選ばれたくなんかないよお……」
『これより、“本物”の選別を開始します。』
時光「うわあ、出た……選別って……このパターン、絶対死ぬやつじゃん……!俺、ぜったい“しれっ”と死ぬタイプだってぇ……」
『各自、自身の“偽物”を──討伐してください。』
時光「しかも自分の偽物……? わざわざそんなヤなヤツと一騎打ち……!?絶対こっちが“雑魚の方”にされるやつだよね……!?」 - 113スレ主25/05/17(土) 13:18:44
『一人、生き残った者が、“真実”となります。』
時光「え、1人だけ!?え、死ぬの!?いやいやいやいやいや!!俺、できれば生き残るルートが良いんだけど!?ねぇ、そういうの無理なの!?なんでだよおぉぉ……」
しかし、どれだけうだうだ言っても──
時光の足は、自然と棚の前まで進んでいた。
・片手に棘付きメイス、もう一方の腕には装甲ガントレットを装着
・防御を兼ねた殴打用装備/「圧」でねじ伏せる型
時光「……うわ。重っ。あーでも、うん……こっちの方がまだマシかも。剣とかだと下手に切り損ねて終わりそうだもんね……」
そう呟きながら、装甲ガントレットを手首に巻き付ける。
メイスの重量にもすぐ慣れ、肩に担ぐ形で構える。 - 114スレ主25/05/17(土) 13:19:52
そして──
部屋の奥に、ふと“自分と同じ顔”が現れた。
時光「うわああああ!!!出たよ! 来たよ!! あああああもう本当に嫌なんだけどぉ!!……っていうか、“俺の顔”でこっち見てくるのおかしくない!?」
時光?「お前のその性格!俺がネガティブで臆病で根暗でビビりなのを……そのまま返してくんの!?ねえ!?どうしてそうなるの!?」
──でも。
口ではそう言いながら、
時光の構えは、ブレていなかった。
時光「……はあああ、いいよ。だったらやるよ。仕方ないじゃん、やらなきゃ死ぬんだし……、俺が“偽物”じゃないって、証明してみせる……!」
メイスが、床を叩いて音を鳴らす。
──選別、開始。
dice1d100=36 (36)
- 115二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 13:21:28
ア°
- 116スレ主25/05/17(土) 13:23:01
>>111 凛ロスト→冴の場合、ダイスは通常通りですね。兄ちゃは淡々とこなします。ただ、弟を守れなかったことを、後悔し続けるだけです。
- 117スレ主25/05/17(土) 13:34:21
>>115 死者が続きますね…
- 118スレ主25/05/17(土) 13:38:28
【第二十六室──選別完了】時光青志 ── ロスト
時光「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
叫んだのは、時光青志の方だった。
重いメイスを振り下ろし、偽物の肩を潰す。
だがその直後、ガントレットを跳ね上げられ、胸元に鋭利な蹴りを叩き込まれる──
時光「グ……ッ!!」
右肺が潰れた。
血を吐きながら、時光はメイスを地面に引きずるように構える。
時光「や……だよ、ここで終わるの……
なんか……俺だけ、地味に死ぬの、やだ……!」
偽物は黙っていた。
目はすでに片方潰れ、左足もメイスの直撃で“膝から上”がねじ切られている。
それでも、立っていた。
時光?「……“本物”のくせに、よく喋るね。そういうとこ、嫌いなんだよ。ずっと聞いててイライラした」
偽物のメイスが振り下ろされる。 - 119スレ主25/05/17(土) 13:40:59
時光は避けきれず、肩に直撃。
鉄と骨の砕ける音。
時光「……だって……そっちの方が怖いでしょ……
……本音って、言った方が怖いんだよ……俺は、怖いの、隠してただけ……だよ……」
膝をつく。
武器を落とす。
視界が、傾いていく──
時光「俺だって……本当は、ヒーローみたいに戦いたかったんだよ……!」
そのまま、叫ぶように、泣くように。
時光青志は、沈黙した。
偽物の身体も、まともに立てない。
右眼は潰れ、足はちぎれ、肺が潰れているのは本物だけではなかった。
それでも、“呼吸が続いていた”のは偽物だけだった。
時光?「……勝った……のか、俺……?」
偽・時光は、血の中に転がる本物の顔を見つめ、吐き捨てるように笑った。 - 120スレ主25/05/17(土) 13:44:49
扉は、開かない。
時光?「……え?なんで……? 開かないの……?
勝ったよね? 俺、“勝った”んだよね?」
その言葉には、不安が滲んでいた。
偽物でさえも、満身創痍。
──その意味を、薄々、理解し始めていた。
時光?「……まさか……俺、“間違ってる”?」
“自分が本物である”と信じていたはずの偽物に、少しずつ、“壊れ”の兆しが見え始める──
部屋は静かだった。
その静けさが、不気味なほどに深かった。
【第二十六室:選別結果】
時光青志:──ロスト
状態:右肺潰れ死亡
偽・時光:生存
状態:右眼失明/左足損壊/肺機能せず
扉:未開/記憶吸収失敗
次フェーズ:時間経過で消滅、または他者との接触可能性あり - 121二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 13:47:35
記憶吸収失敗してる偽物が何人かいるね
成功するか失敗するかも登場順が関係してたりするのかな - 122スレ主25/05/17(土) 13:59:54
>>121 一定値から失敗するようにしております(スレ主がミスってない限り)。怪我の損傷が大きいほど、“偽物”は“本物”にはなれません。
※冴の描写のみ例外です(傀儡がいるので)
- 123スレ主25/05/17(土) 14:12:19
【第弐室】──異常
氷織「……なあ、この音って──」
潔「清羅……?」
蜂楽「ちがう──!」
蜂楽の声が一瞬で鋭くなり、
馬狼が苦しそうに立ち上がろうとするのを雪宮が押しとどめた。
その足音は確かに覚えのあるリズムだった。
ゆっくりと扉の向こうを歩いてくる気配は、“知っている誰か”のもの。
だが──
──カチャ。
扉が開いた瞬間、
その空気は一変した。
清羅『待たせたな、お前ら』
清羅刃が、笑っていた。
肩に大振りの片刃剣を担ぎ、金属製の籠手を身につけ、少し寝起きのような顔で、まるで気の抜けたような声だった。
だけど──
その場の誰一人として、口を開かなかった。 - 124スレ主25/05/17(土) 14:16:41
清羅『あれ、どうした? ……もしかして、泣いてた?……って、ああ、そっか。“俺が”いなかったからか』
千切「お前……清羅じゃないだろ」
一瞬だけ、空気が止まる。
清羅は、笑みを保ったまま、目だけをゆっくりと細めた。
清羅『……なんだよ、冗談キツいぜ。 俺だよ、清羅刃」
その言葉に、誰も警戒態勢を解かない。
清羅『……ああ、なるほどな──』
その口角が、少しずつ引きつっていく。
清羅『お前ら……“本物”なんだよな。でも、俺を見て、疑ってる……ならさ──』
清羅『お前らの方が、“偽物”じゃねぇのか?』
重く、確信に満ちた声だった。
閃堂が僅かに震える。
馬狼が唸り声をあげ、氷織が銃と扇子に手をかける。
部屋の空気が、一気に“戦闘”へと傾いた。 - 125スレ主25/05/17(土) 14:24:14
【選択肢:清羅刃(+25)との戦闘者2名を選んでください】
・潔:+16
・蜂楽:+3
・雪宮:+7
・氷織:+33(特殊戦闘にて補正変換済)
・千切:+53
・カイザー:+50
・ネス:+5
・愛空:+50(特殊戦闘にて補正上限値へ変換済)
・閃堂:+50(特殊戦闘にて補正上限値へ変換済)
・二子:+20
- 126二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 14:43:12
- 127スレ主25/05/17(土) 14:54:49
>>126 氷織とカイザーで承知しました!清羅は、バスミュンの彼らに任せましょう。
- 128スレ主25/05/17(土) 15:13:30
【第弐室/特殊戦闘前】氷織羊 × ミヒャエル・カイザー vs 清羅刃
部屋にいる誰もが沈黙する中、
2人だけが、ごく自然に前に出た。
氷織羊と、ミヒャエル・カイザー。
カイザー「…………行くぞ」
氷織は扇子を構え、腰のハンドガンにも軽く触れた。
氷織「……ああ。今回も、こっちから始めよか」
その横で、カイザーは一言、笑った。
カイザー「ったく……この面子、デジャヴだな」
それ以上、言葉は交わさない。
もう、必要がなかった。
2人の間にはすでに、「殺すべきものを殺す」という、共通の理解だけがある。 - 129スレ主25/05/17(土) 15:14:51
清羅が、口の端を引きつらせた。
清羅『……ふーん。二人がかりか。“清羅刃”はそんなに弱くなかったはずだけどな……?』
氷織の瞳が冷たく細まる。
氷織「──お前は清羅くんやない。“清羅くんのふりしただけの怪物”や」
そして、カイザーが嗤う。
清羅が刀を抜くと同時に、氷織が足を鳴らし、カイザーがレイピアを構える。
静寂が、引き裂かれる一瞬前。
氷織「じゃ、始めよか──」
──選別番外、開戦。
氷織:dice1d100=23 (23) +33
カイザー:dice1d100=32 (32) +50
清羅:dice1d100=45 (45) +25
- 130二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 15:34:43
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 15:40:42
これは…カイザーがギリ勝ってる?
- 132スレ主25/05/17(土) 20:29:39
- 133スレ主25/05/17(土) 20:33:12
【特殊戦闘イベント】氷織羊 & ミヒャエル・カイザー vs 清羅刃 ── 勝利
──ズガンッ!
重く鋭い風が、部屋を切り裂いた。
清羅の片刃剣が振り抜かれた瞬間、
床を擦るような踏み込みで氷織が真横に跳ぶ──だが、間に合わない。
ガッ!
氷織「ッ……!」
左肩に籠手がめり込み、骨にまで振動が走る。
軽く吹き飛びながらも、氷織は空中で身体をひねり、扇子を逆手に握った。
氷織「まだ……いける、擦り傷や」
着地と同時に、ハンドガンを抜き──
パンッ! パンッ! パンッ!
三発の弾丸が清羅の肩・腹・太腿へと正確に放たれる。 - 134スレ主25/05/17(土) 20:36:15
しかし──
清羅『……その程度、“俺”には通じねぇよ』
籠手で弾道を逸らしながら、
偽・清羅は血を流しつつも突撃する。
氷織「チッ──」
氷織が交わす。
すれ違いざま──
シュッ、と銀の刃が閃いた。
「気は済んだか?」
その声は、氷織の後ろ──カイザーだった。
優雅な足取り。
まるで今さっきまで踊っていたかのような軽さで、レイピアを構え直している。
カイザー「お前、“刃のつもり”で戦ってるが──
自分の攻撃、自分で計算してるのか?
自分の動き、自分の意志で選んでいるのか?」
偽・清羅の動きが止まる。
清羅『……なにが言いたい』 - 135スレ主25/05/17(土) 20:39:07
カイザー「分からないか……、なら──“お前は偽物”ってことだな」
瞬間、氷織が再び距離を詰め、足元へハンドガンを撃ち込む。
よろめいた隙に、カイザーが背後からレイピアを突き出した。
カイザー「“清羅刃”に似てるって言われたいなら──もうちょっと“強く”なれよ、クソ偽物」
ズッ──!
レイピアの刃が、偽・清羅の背中を貫通した。
清羅が、呻き声を漏らす。
清羅『く……そ……、なんでだよ……俺の方が……“本物”の記憶……』
氷織「記憶だけじゃ、“命”にはなれへん」
氷織が冷たく言い放った。
──ガタリ。
偽・清羅刃は、そのまま崩れ落ちた。 - 136スレ主25/05/17(土) 21:01:53
──血の気配が薄れていく。
亡骸は、氷織とカイザーの背後で沈黙していた。
刃も籠手もすでに無力。
まず沈黙を破ったのは、千切だった。
千切「……氷織、傷……大丈夫か?」
心配そうな視線を送ると、氷織は軽く肩を回しながら片腕を押さえた。
氷織「平気や。ちょっと殴られただけ。
せやけど……手加減いらんかったな、あれは」
潔「“清羅”の顔してたけど……中身は違ってた」
潔の声は静かだった。
潔「戦ってるの見てわかったよ。
……ありがとう。俺、少し怖かったんだ。“清羅”の顔で、何かを壊されるのが」
その言葉に、カイザーが少しだけ鼻を鳴らした。
カイザー「“顔が似てる”くらいで躊躇うなら、すぐ死ぬぞ世一」
愛空「それを躊躇わずにやれるのが、お前らの強さってわけか……」
愛空がうなるように呟いた。 - 137スレ主25/05/17(土) 21:06:35
閃堂がにかっと笑う。
閃堂「お前ら、めっちゃかっこよかった!!
まじで無駄のない連携だったし!」
ネスも頷きながら、「今の戦闘、次に活かせそうだな…。魔法支援とか、うまく入れれば……」とすでに戦術モード。
二子がぽつりと呟いた。
二子「“偽物でも仲間の顔をしている”……それが一番、判断を鈍らせます。でも、二人はそうならなかった。……すごいことだと思います」
その言葉に、蜂楽が小さく笑った。
蜂楽「うん、俺も見てて思った!……なんか、安心した。やっぱり、強いってかっこいいなあって!」
最後に、雪宮がぽそっと付け加えた。
雪宮「これで……清羅くんも、報われるんじゃないかな。負けず嫌いだったからさ。偽物が生きてるの、絶対悔しがる」
氷織は返事の代わりに、小さく息を吐いた。
カイザーはレイピアを払い、壁にもたれるように座り込む。
カイザー「……さて。次はどいつが出てくる?」 - 138スレ主25/05/17(土) 21:24:40
【第二十二室】──終焉
静寂が、室内を支配していた。
偽・黒名蘭世は、床に倒れていた。
流れ出た血が、冷たい床に染みを広げている。
足は既に動かない。
右腕も裂かれ、神経が切断されていた。
呼吸は浅く、細い。
吸って、吐いて、
それだけが、かろうじて“生”を証明していた。
だが──
その目は、開いたまま動かず、どこか虚空を見つめていた。
“本物”だったもの。
繰り返される言葉、走る感覚、笑い声、怒声、
グラウンドの匂い、スパイクの音──
最後まで“わからなかった”。 - 139スレ主25/05/17(土) 21:26:28
──本物の黒名蘭世は、
どんな気持ちで仲間を見ていた?
──どんな心で、ピッチに立っていた?
──あの言葉を、
あの目を、
あの笑顔を、
“自分”は再現できなかった。
──「制圧、制圧」
──「死守、死守」
──「勝利、勝利」
──「仲間、仲間……」 - 140スレ主25/05/17(土) 21:27:31
思考の海が、浅く、薄く、色を失っていく。
息が、止まりかけた。
誰も来なかった。
誰も名を呼ばなかった。
誰も、手を伸ばしてくれなかった。
“本物”のように、最後まで戦い、
“本物”のように、息をしていたつもりだった──
けれど。
──“本物”は、孤独で死なない。
その事実に、気づいた瞬間には、
もう意識は朽ちていた。
偽・黒名蘭世は、
音もなく、塵のように静かに“終わった”。 - 141二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 21:34:21
蘭世……
- 142二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 21:35:32
黒名は本物も偽物も悲しい結末だね…
- 143スレ主25/05/17(土) 21:43:50
- 144スレ主25/05/17(土) 21:49:07
【???/天国ロビー】──刃、静寂、そして再会
「おおおおおおおおおおおっっ!!!」
「やったーーー!! 氷織とカイザー、マジつえぇ!!」
「偽・清羅、瞬殺とまではいかないけど、あの連携マジでエグいって……!」
ロビーの画面に映った戦闘終了と同時に、天国組から歓声が上がる。
烏は天井を指差して絶叫。
乙夜はぽつりと「やるぅ」と呟き、斬鉄と七星が「やばいなあれ」「映画みたいだったっぺ」と目を輝かせる。
清羅は口を押さえていた。
そして、ゆっくりと立ち上がり、顔を背ける。
清羅「……負けちまった俺の分まで、しっかり勝ってくれてるって思ったら、ちょっと泣けてきたな。……ありがとな、氷織、カイザー。俺の、刃を研いでくれてよ」
その言葉に、周囲は静かに頷いた。 - 145スレ主25/05/17(土) 21:53:31
──その直後、空気が変わる。
画面に映るのは、誰もいない部屋。
そして、静かに横たわる“黒名蘭世の姿を模した、何か”。
誰もいなかった。
誰も来なかった。
ただ、偽物がひとり──静かに、音もなく、死んでいた。
沈黙。
七星が、そっと手を組む。
七星「……ひとりで、死んじゃった……」
清羅「……誰にも見てもらえねぇなんて、切ねぇよ」
乙夜が小さく呟く。
乙夜「最後まで、“ひとり”だったのは、“偽物”の方だったか。……でも、やっぱちょっと、寂しい」
黒名は、静かに画面に背を向けた。
黒名「……………“次”は、負けない。
忘れない、忘れない…、絶対に」
それは、黒名の優しさだった。 - 146スレ主25/05/17(土) 21:57:26
その直後──
ロビーの扉がバンッ!と開く。
時光「──ッはぁっ、はぁっ……死んだぁ……俺、死んだよね……!!」
時光「“しれっと”死ぬヤツって、俺のことだったぁぁぁぁ!!!」
時光青志、到着。
「うわっ!」「出たっ!?」「うわあ……めっちゃネガってる!!」
斬鉄が駆け寄って手を振り、乙夜と七星がサッと手を引っ張って座らせる。
乙夜「時光、おかえり~」
黒名「お茶、お茶。あと冷えピタ」
烏「ふぅー……なんか“来ると思ってた感”あるわ、お前」
時光は泣きそうな顔で叫ぶ。
時光「だって!戦ったの!めっちゃ怖かったの!肺潰されたし!!“俺がんばった”って褒めてくれてもいいよね!?いいよね!?!?」
「褒める!褒める!」「めっちゃ褒める!」「ようやったよお前ええええええ!!」「お前は本物だった!!」「ていうか偽物に勝ちかけたの普通にすごい!!」
わちゃわちゃ。
泣き笑いの時光を中心に、
天国ロビーはしばし、笑いと涙と優しさに包まれた。 - 147スレ主25/05/17(土) 22:03:50
その端で、偽・黒名の霊がそっと現れた。
偽物はほんの一瞬、“仲間に囲まれる”光景を、静かに見つめていた。
そして、何も言わずにその場に腰を下ろし、背中を壁に預けた。
目は閉じず、ただ前を見つめていた。
その端で、
黒名蘭世だけが──気づいた。
壁際に、誰にも気づかれず腰を下ろしている、“もうひとりの自分”に。
だけどそこには、どこか寂しげで、空っぽの気配が漂っていた。
黒名は、黙って立ち上がると、小走りでそちらへ向かう。
自分の影に、そっと腰を落とし、目線を合わせる。
そして、
ぽつりと、語りかけた。 - 148スレ主25/05/17(土) 22:07:22
黒名「────サッカー、しよう。
昨日の敵は今日の友、って誰かが言ってただろ。
ちなみに、サッカーは俺の方が強い。……負けない、負けない」
──沈黙。
一瞬の間を置いて、偽・黒名の霊が、かすかに瞬きをした。
揺れる瞳。
ぎこちなく震える唇。
それは“誰かの真似”ではなく、ようやく零れた“自分の声”。
『……仲間、仲間……』
言葉はそれだけだった。
けれど、その響きは確かに──“温かかった”。
黒名は、それ以上何も言わなかった。
ただ隣に座り、同じ空を見上げていた。
何もなくても、何も言わなくても。
今は、それで十分だった。 - 149二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 22:09:14
エモい
- 150二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 22:09:57
尊い
- 151スレ主25/05/17(土) 22:22:50
- 152二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 22:26:51
- 153スレ主25/05/17(土) 22:42:04
- 154スレ主25/05/17(土) 22:54:25
【第二十五室】蟻生十兵衛 vs 偽・蟻生十兵衛
──カツン、カツン。
ヒールのように鋭く、響く足音。
髪は艶やかに整い、瞳は鏡のように澄んでいた。
そして彼は、全身の姿見に向かってポージングしていた。
蟻生「……ふむ、今日の“俺”、実にオシャ。この状況下でも、“美”の探求を怠らない俺”──実に、実にオシャだ」
──ジジッ。
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました』
蟻生「……ん?」
『これより、“本物”の選別を開始します』
蟻生「“本物”……それはつまり、“真にオシャな存在”ってことだな?」
『各自、自身の“偽物”を討伐してください』
蟻生「ほう……“俺”を模した存在がいると?それは……興味深い。だが、“俺”をコピーできると思ったら大間違いだ」
『一人、生き残った者が“真実”となります』
蟻生はゆっくりと動き出す。 - 155スレ主25/05/17(土) 22:58:38
《螺旋双刃パラソル・オルフェウス》
黒曜石の骨組みと銀の布地で構成された戦闘用パラソル。閉じれば刺突武器、開けば防御+回転斬撃/攻守一体の芸術的構造。
まるで“舞うように戦う”蟻生にぴったりな、“オシャ”な武器。
蟻生「“傘”──否、これは美と死を纏う武器。
名は《オルフェウス》。100点オシャだな」
パラソルを片手にくるりと一回転し、柄の先端を地にトンとつく。
蟻生「“俺”が“俺”であるために、偽物は排除されねばならない。この選別は、オシャの祭典……つまり、美の決闘だ」
蟻生はふっと微笑むと、口元に手を添えた。
蟻生「“俺”を真似るなんて、ノットオシャだ。
──行くぞ、“俺”を汚した偽物よ。今こそ、美の審判を下してやる……!」
そして、静かに戦場へと向かう。
その一歩すらも、完璧なシルエットで。
──選別、開始。
dice1d100=84 (84)
- 156二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:00:24
ヨシ!勝った!
- 157二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:00:49
やった!!
- 158二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:02:07
オシャばんざい!
- 159スレ主25/05/17(土) 23:09:32
- 160スレ主25/05/17(土) 23:17:00
【第二十後室:選別完了】蟻生十兵衛 ── パーフェクトオシャ
──開幕から、空気が違った。
蟻生?「……」
“それ”は蟻生十兵衛の顔をしていた。髪も、肌も、身にまとう衣も、“彼”そのものだった。
だが、立ち方ひとつ、目線ひとつ、すべてがノットオシャ。
蟻生は何も言わなかった。
ただ一度、傘を開いた。
銀の布地が空気を切り裂く。
螺旋状の刃が広がると同時に、部屋全体に微細な風が流れた。
──次の瞬間、偽物が踏み込む。
傘を手に、真横からの刺突。
蟻生は、動かない。
ただ、一歩──斜めに“ズラした”。
風と共に傘が回転する。
刺突は刃の内側で受け流され、
偽物の手首が、まるで滑るように弾かれた。 - 161スレ主25/05/17(土) 23:19:05
一合。
二合。
三合。
そのどれもが、“美”のために設計された動きだった。
激突ではなく、拒絶。
斬り合いではなく、流し切り。
汚れも衝撃も、自分に触れさせない。
十手先まで読んだ上での“上書き”。
──そして、偽物が足を滑らせた瞬間。
蟻生は静かに傘を畳み、
刃の先を、その胸元へ真っ直ぐ差し込んだ。
力は込めない。
ただ、その一点に“重さ”だけを乗せる。
刃が、骨を貫く音が、しない。
返り血は、舞わない。
血は、蟻生の衣にも、指先にも届かない。
偽物は、驚いた顔をしたまま、ゆっくりと倒れた。
蟻生は、振り向かない。
傘をくるりと回し、柄をトンと床に突いて、静かに佇む。 - 162スレ主25/05/17(土) 23:24:26
呼吸すら整っている。
傷ひとつない。
乱れもない。
ただ、“勝利だけがそこにある”。
蟻生「……」
何も言わず、鏡の前へと戻る。
ゆっくりと姿を映し、襟を直す。
その顔には、確かな満足があった。
今日の“俺”、パーフェクトオシャ──
扉が、静かに開いた。
彼は微笑んだまま、それをくぐって外へ歩き出す。
風も、空気も、すべてが“舞台”であるかのように。
【第二十五室:選別完了】
蟻生十兵衛:──生存
状態:無傷
精神動揺:安定/上機嫌
扉:開放
次フェーズ:周囲探索/第弐室合流 - 163二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:25:41
⭐︎これこそが“オシャ”――……!
- 164二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:27:15
このレスは削除されています
- 165二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:31:44
オシャすげぇ!
- 166スレ主25/05/17(土) 23:39:03
- 167スレ主25/05/17(土) 23:41:30
さて、キリがいいのでこちらの物語は本日ストップします。次は凛vs偽・七星。凛ちゃん∞継続中で無双予定です。そのうち士道とも合流するのでお楽しみに。
余談ですが、別スレ、キャラに話しかけると喜びます。 - 168二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:50:17
🎉祝イタリア組全員生還
- 169スレ主25/05/17(土) 23:53:18
>>168 ユーヴァース全員揃いましたね!ロレンツォとスナッフィーは、どこかでのんびり過ごしてます。彼らの状況も知らずに。
- 170二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 23:56:18
フランス組の死亡率がヤバすぎる
- 171二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 00:22:35
- 172スレ主25/05/18(日) 08:42:39
- 173スレ主25/05/18(日) 08:57:26
【廊下】──静寂と断罪
コツ、コツ……
廊下を、静かに駆ける音。
凛の足音は、周囲の音すら飲み込んで、真っ直ぐに響いていた。
その視線の先にはただ一つ。
兄──糸師冴を殺した、“何か”。
“それ”を探していた彼の前に、
影が、現れる。
『……凛さん?』
声が響く。
どこか柔らかく、馴染んだような雰囲気を持つ声。
凛の目の前に立ったのは、七星虹郎の姿をした偽物だった。
七星『無事だったんですね!よかったっす……なんかこの建物、変ですよね? あの、冴さんも廊下で──』
凛「……お前も、兄貴の仇か」
凛の声は低く、抑えられていた。 - 174スレ主25/05/18(日) 09:00:38
七星『え? 仇って……いや、俺、冴さん見かけただけで──』
凛「それは兄貴じゃねえ」
凛「兄貴の“仇”だ」
七星『……?』
偽・七星は、困惑の色を浮かべる。
凛の瞳は、その瞬間、完全に“殺意”に染まっていた。
凛「じゃあもう、話す必要ねぇな」
音もなく、背後から現れたような──
圧倒的な加速。
刹那。
偽・七星がその意味を理解するよりも早く、
──ザシュ。
振り上げられた鎌が、一閃。 - 175スレ主25/05/18(日) 09:03:05
“∞”と刻まれた刃が、首を――斬り落とした。
返り血は、鎌の曲線に沿って流れ、床に音もなく落ちる。
偽・七星の身体が、反応しきれないまま崩れ落ちる。
目を見開いたまま、言葉もない。
凛は、無表情のまま、血の滴る鎌を軽く振った。
凛「所有物のくせに、勝手に死んでんじゃねえよ」
誰に言うでもなく、
誰に聞かせるでもなく、ただ独り言のように。
そして、
糸師凛は再び走り出した。
この廊下に、迷いはない。
“次”へ向かう視線は、もう別の影を捉えていた。
【戦闘結果:特殊戦闘スキップ】
糸師凛 vs 偽・七星虹郎:即死処刑
凛:無傷/冷徹
鎌:《∞》効果持続中
次フェーズ:仇の捜索再開 - 176スレ主25/05/18(日) 09:19:08
【第二十四室】──赤の静寂
──キィ。
重たい扉が静かに開いた。
蟻生十兵衛は、音を立てない足取りでその部屋へと足を踏み入れる。
そこは、赤で満ちていた。
血の色。
壁にも、床にも、天井にまで――
ただ“赤”だけが支配していた。
ゆっくりと視線を巡らせる。
そして、目に留まるふたつの存在。
ひとつは、すでに事切れていた。
時光青志。
その表情は苦悶だけではなかった。どこか、ほんの少しだけ安らかに見えた。
そしてもうひとつ。
その傍らで、もはや腕も足もまともに動かせない状態で、“偽物”が生きていた。 - 177スレ主25/05/18(日) 09:21:43
喉を震わせるようなかすれ声。
時光?「……ねえ……俺、は……間違っ、て、……た……?」
細い声だった。
感情は、にじんでいた。
それは“本物”を模した存在の、限界の問いかけだった。
蟻生はその前で、静かに立ち止まる。
傘を抱え、少しだけ顎を引き、目を細める。
沈黙が、数秒。
そして──
蟻生「……ああ。間違っていたな。
お前は、“オシャ”じゃなかった」
だがそれは、否定でも拒絶でもなく、
ただ、美に対する純粋な基準としての“答え”だった。
蟻生「だが──」
そう続けるように、
蟻生は亡骸のほうへと視線を移した。 - 178スレ主25/05/18(日) 09:23:58
蟻生「“本物”の時光は……オシャだったよ」
偽物は、何も言わなかった。
そのまま、静かに、こと切れた。
蟻生は傘を軽く回し、背を向ける。
振り返らない。
ただ一歩、また一歩と、
赤い床に足跡を残すことなく、音も立てずに歩いていく。
──パタン
静かに、重い扉が閉まった。
【蟻生十兵衛】
次フェーズ:第弐室へ - 179二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 10:25:31
- 180二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 10:31:25
オシャが最高にオシャでたまらんね
- 181スレ主25/05/18(日) 12:21:13
- 182スレ主25/05/18(日) 12:25:00
【???/天国ロビー】──それぞれの“今”
清羅「……マジで、完璧だったな」
清羅が、息を飲むように呟いた。
画面に映っていたのは、蟻生十兵衛──
血を一滴も浴びず、衣服すら乱さず、偽物を仕留めた男。その背中は、勝利すら“演出”のように昇華していた。
清羅「やべぇ……“オシャ”の極みってこういうことかよ……」
七星「ノットオシャ要素、ゼロだっぺ」
乙夜が軽く口元を緩める。
「アガるわ」と短く評価しながら、くるりと座椅子を回す。
斬鉄は目を見開いて感嘆する。
斬鉄「戦い方も歩き方も全部キマってた!
あれ、剣術じゃなくて“芸術”だっただろ……!?」
時光はというと、少し恥ずかしそうに笑った。
時光「いやぁ……死ぬ間際の俺、凄い惨めだったけど、あんなふうに言ってもらえたら……ちょっと報われた気がするよ……」
烏「お前は、ちゃんと“本物”やったぞ」
烏が静かにそう言って、時光の肩を叩いた。 - 183スレ主25/05/18(日) 12:30:25
一方その頃。
七星は、沈黙のままだった。
画面には、首を飛ばされ、抵抗する暇もなく終わった“自分”の姿。
七星「……なんか、俺、あの、あれ……」
斬鉄「無理だったな?」
七星「無理でした」
斬鉄とアイコンタクトして、2人でしょんぼり。
だが、乙夜がぽつりと呟いた。
乙夜「でも、凛は迷わなかった。
“兄貴の仇”って言って、すぐ終わらせた。……それだけ、本気だったんだと思うけどね」
斬鉄「そうだな」
七星「俺は“もう終わってた”ってことですね」
七星は、少し苦笑して、それでも仲間たちの輪に戻っていった。 - 184スレ主25/05/18(日) 12:32:26
ロビーから少し離れた場所。
そこには──真っ青な空と白い砂が広がるフィールド。
冴の姿が、見えた。
ただ風に吹かれながら、静かに“空”を見上げていた。
隣には誰もいない。
けれど、その瞳の奥には、
弟・凛の背中が映っているように見えた。
さらに別の場所。
パァン、と乾いた音が響く。
黒名と──偽・黒名が、1対1のサッカーをしていた。
ボールの扱いも、身のこなしも、完全に拮抗。
どちらが攻め、どちらが守っているのか分からないほどに、“似すぎていて、逆に違いが浮き彫りになる”対戦。
黒名「ディフェンス上手いな」
『お前も、お前も』
言葉少なく、蹴り合い続ける2人。
だがその目には、どこか楽しげな光も見え隠れしていた。 - 185スレ主25/05/18(日) 12:34:39
ロビーに戻る。
時光が立ち上がり、口元に笑みを浮かべる。
時光「……そろそろ俺も、元気出していこうかな……、蟻生くんに“本物の俺”って、言ってもらったから……!」
斬鉄と七星が頷き、乙夜と清羅が肩を並べる。
烏はただひとつ──地上へ向けて視線を落とす。
烏「……次は、誰や?」
空に問いかけるように、低く、熱を孕んだ声で。
その問いに、誰も答えは返さなかった。
けれど皆、きっと、同じ方向を見ていた。
──選別は、あと少し。 - 186スレ主25/05/18(日) 12:35:55
【選択肢:戦闘を開始するキャラを選んでください】
【生存】潔世一、蜂楽廻、雪宮剣優、氷織羊、千切豹馬、ミヒャエル・カイザー、アレクシス・ネス、オリヴァ・愛空、閃堂秋人、二子一揮、馬狼照英、士道龍聖、凪誠士郎、國神錬介、御影玲王、糸師凛、蟻生十兵衛
【死亡】乙夜影汰、烏旅人、七星虹郎、清羅刃、剣城斬鉄、糸師冴、黒名蘭世、時光青志
・我牙丸吟 ・雷市陣吾
- 187二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 13:15:06
- 188スレ主25/05/18(日) 13:22:01
- 189スレ主25/05/18(日) 13:35:57
【第二十六室】我牙丸吟 vs 偽・我牙丸吟
──ジジジ……
『おめでとうございます。あなたは、選ばれました』
『これより、“本物”の選別を開始します』
『各自、自身の“偽物”を討伐してください』
『一人、生き残った者が“真実”となります』
アナウンスが響いた時、
我牙丸は、部屋の床にうずくまるように座っていた。
背筋は伸びておらず、どこかけだるげに。
だがその瞳は、まっすぐ正面の壁を見据えていた。
しばらくの沈黙。
我牙丸「選ばれたらしいな」
我牙丸は、立ち上がる。
動きに迷いはない。疲れも、不安も、まったく見えない。 - 190スレ主25/05/18(日) 16:13:05
ただ自然に。
まるで“夜になったから寝る”“雨が降ったから濡れる”── それと同じ感覚で“選別”を受け入れる。
棚に手を伸ばすと、
そこには“山刀”があった。
柄は革紐で無骨に巻かれ、
刃は手入れが行き届いておらず、むしろ傷だらけだった。
だが──握った瞬間、ぴたりと我牙丸の手に馴染んだ。
刃をゆっくりと抜き、日光のない部屋の中でひと振り。
我牙丸「まあ、やるしかないか」
まるで“猟”に出る前のような表情だった。 - 191スレ主25/05/18(日) 16:13:55
呼吸は静か。
鼓動は平常。
鼓舞するでもなく、気負うでもない。
「戦う」──それが我牙丸にとって、自然なことだった。
床にしゃがみ、跳躍の姿勢を取る。
部屋の中で、唯一空気が張り詰めたのは、その瞬間。
野生が牙を見せる前の、沈黙。
我牙丸「すぐ終わるといいなー」
その声と共に、我牙丸の身体が静かに沈む。
“飛びかかる”準備は、もう整っていた。
──選別、開始。
dice1d100=60 (60)
- 192二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 16:14:30
生存確定!
流石守護神 - 193二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 16:17:10
ガガ様がんばれー
- 194二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 16:21:01
がんばれ!
- 195スレ主25/05/18(日) 16:27:02
- 196スレ主25/05/18(日) 16:35:52
- 197スレ主25/05/18(日) 16:39:01
余談⑦
・別スレですが、ちょっとスレ主と物語の進行の関係上、レスが物語に反映されない時間が空くことがあります。ご了承くださいませ(レス自体が消えさえしなければ、そのうちキャラから返事が来ます。気長にお待ちいただければ…) - 198スレ主25/05/18(日) 16:40:07
余談⑧
・トリは雷市陣吾。スレ主のおもしれー男ナンバーワン。面白いダイスを期待してます。 - 199スレ主25/05/18(日) 16:42:14
余談⑨
・黒名可愛いので、偽物もきっと可愛いです。2人で永遠にわちゃわちゃしててほしいです。彼らこそが本当の惑星ホットラインかもしれません。 - 200スレ主25/05/18(日) 16:43:47
余談⑩
・次のスレで完結します。結末はスレ主の匙加減です。