アロナとサングラス【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 21:56:04

    シッテムの箱のディスプレイが、キヴォトスの柔らかな夕焼けを映し出す。先生がログインすると、青い髪の小さなAI、アロナがぴょこんと飛び上がった。
    「あっ、先生ー! 何かご用でしょうか?」
    
アロナの声は、まるで子どものように弾む。キラキラした水色の瞳が、スクリーン越しに先生を見つめる。
    「いや、ちょっと気分転換にね。」
    
先生は椅子に腰を下ろし、書類の疲れを吐き出すように笑う。
    「そうですかー、おつかれさまですー!」
    
アロナはぷにっとしたほっぺを膨らませ、くるんと椅子に座り直す。両足をぱたぱた揺らす姿は、まるで保育園児のようだ。
    「そうだ、アロナ。」
    
先生が立ち上がり、ちゃぷちゃぷと水音のような効果音を立てながら(なぜか)アロナに近づく。
    「? 先生…?」

    アロナは首をかしげ、大きな瞳をぱちぱち。小さな手が、自分の椅子をつかむ。
    「はい。」
    
先生はにこりと笑い、懐からサングラスを取り出す。そっとアロナの頭にかけさせると、サングラスが彼女の小さな顔にちょこんと収まった。
    
「いつも頑張ってくれているお礼。」
    「…………」
    
アロナはぽかん。サングラス越しに先生を見つめる。
    「……あれ?」
    
先生が首をかしげると、突然、シッテムの箱がピピッと軽快な音を鳴らし、ステータスウィンドウがポップアップした。
    アロナ ステータス更新
    •先生適性: SS(UP!)
    •おやつ適性: SS(UP!)
    •ガチャ適性: C
    「気に入った?」

    先生が柔らかく聞くと、アロナは「はい、先生!」と元気に答える。サングラスをキリッと直すけど、柔らかそうなほっぺがぷにっと膨らんで、かっこよさが全然決まらない。まるで子猫がサングラスを借りたみたいだ。
    「そうか、よかった。」
    
先生はアロナの頭をなで、アロナは「えへへ」と照れ笑い。
    「またいちご牛乳もお願いしますー!」

    アロナはサングラスをずらして、ぱたぱた手を振る。先生がログアウトしても、彼女は椅子でくるくる回りながら、サングラスを大事そうに触っていた。
    
「先生…えへへっ!」
    
小さなAIの胸に、ほんのり甘い「気になる度」が芽生えたのだった。

  • 2二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:29:21

    せめて一人でいいので反応してほしい…

  • 3二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:30:50

    癒された、傑作をありがとう。

  • 4二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:31:38

    やはりアロナは俺の娘…!?

  • 5二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 23:48:32

    >>3

    えへへ、ありがとうございます!

  • 6二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 00:24:23

    >>4

    ありがとうございます!

  • 7二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 02:03:50

    主じゃないけど読んで欲しいのであげ

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 02:04:23

    ん、もっと伸びるべき。

  • 9二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 07:02:53

    >>7

    えへへ、ありがとうございます!

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 07:15:27

    >>8

    ん、ありがとうございます!

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