【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.15(建て直し)

  • 1ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:24:45

    【あらすじ】
    お茶会と参りましょう、皆さん。 ─── 歓迎しますよ。

  • 2ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:25:22
  • 3ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:27:05
  • 4ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:27:45
  • 5ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:28:19
  • 6ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:29:09
  • 7ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:30:29

    ────────────────────


    <小一時間後・・・ ───>


    リオ:

    「─── そういう経緯があったのね。」


    カヤ:

    「こちらの早とちりで、申し訳ありません。」


    リオ:

    「いいのよ。 ・・・それよりも連邦生徒会の直轄地を一部とはいえ吹き飛ばしてしまった件なのだけど・・・。」


    リン:

    「その件でしたら構いません。 ・・・元はと言えば我々のミスですから、お気になさらず。」


    リオ:

    「・・・そう言って貰えるのは ありがたいわ。」


    カヤ達はリゾートの離れの建物で卓を囲んでいた。

    周囲では大海龍の乗組員だった防衛室スタッフが忙しなく動いている。

    皆が皆、一時的な拠点を この離れを中心に構築していた。

    彼女らの本拠点とも言える大海龍は、先の先頭で のびてしまった。

    被害は最小限ではあるが、再起動に一晩は掛かる見込みだ。

    その為、修理用に外の仮拠点が必要だった。

  • 8ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:30:49

    カヤ達は既に必要な指示は出し終え、後は邪魔にならないように端っこの方で 茶を啜っている。
    スタッフの何人かが気を利かせて お茶菓子を出してくれたので、彩りには事欠かない。
    ・・・ただ、致命的に話題が足りていなかった。
    カヤ以外 自分から話題を出すタイプでもないので、これまでの経緯と先の戦闘による蟠りが解けてしまうと、ついに茶会は無言になる。
    されど ここ以外にいると部下達の迷惑になるので、動くわけにもいかないという天然の地獄が出来上がった。

    リオ:
    「・・・。」

    リン:
    「・・・。」

    カヤ:
    「・・・。」
    (おや、また腕を上げましたね。 素晴らしい茶菓子です。)

  • 9ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:31:07

    そうしてそんな地獄が十分弱 続いた後、唐突にカヤが茶器を置いた。

    カヤ:
    「─── ようやく来ましたか。」

    席を立ち、部下達が出入りする玄関とは反対側の裏口の扉を開ける。
    すると、一人の人影が砂煙を上げながらカヤ達の方へと向かっているところだった。

    ???:
    「─────!!」

    カヤ:
    「遅刻ですよ、ワカモ。」

    カヤは両手を広げてワカモを歓迎した。
    ワカモは そんなカヤの姿を確認すると、頭突きをするような勢いでカヤへ抱きつく。
    その顔は、何故か赤リンゴのように真っ赤だった。

  • 10ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:31:25

    カヤ:
    「ようこそ いらっしゃいました、歓迎しますよ。」

    ワカモ:
    「せん、先生にっ・・・か、かわっ・・・!」

    カヤ:
    「おや、先に先生に会ってくると聞いていましたが・・・何かあったのですか?」

    カヤは若干錯乱気味のワカモを、幼子をあやす時にそうするように、抱擁したまま背中をポンポンと叩くことで落ち着かせる。

    ワカモ:
    「私の・・・私の水着姿が・・・可愛いと・・・。」

    カヤ:
    「それは良かった。 貴方の青春が輝くこと、それは私にとって この上ない喜びです。
    ─── 貴方が一生懸命 選んだ その水着、そして貴方自身の これまでの努力を、私も祝福しますよ。」

    蚊が鳴くような小さな声で囁かれた乙女の報告を、カヤは自分のことのように喜んだ。

    ────────────────────

  • 11ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:31:53

    ────────────────────

    ワカモが落ち着くのを待った後、カヤはワカモを お茶会の席に座らせた。
    湯飲みを出し、約束通り とっておきの煎茶を煎れる。
    嬉しいことがあったので、お祝いに1ホールのケーキも出す。
    ・・・最低でも この場には4人いるので、食べ切れないことはないだろう。 きっと多分 恐らく・・・。

    ワカモ:
    「─── いつもながらカヤさんが出される物は美味しいですね。 クセになってしまいそうです♪」

    カヤ:
    「それは良かった。
    私の教え子達も、ワカモさんに褒めて頂けて喜ぶでしょう。」

    その言葉に同意するように、ワカモの横から黒い仮面を付けた防衛室スタッフが現われて、少なくなってきていたワカモの湯飲みに煎茶を注ぐ。
    そして恐縮とでも言わんばかりに少し頭を下げて退出していった。

    ワカモ:
    「カヤさんが こういったことを あの子達に教えているのですか?」

    カヤ:
    「えぇ、お茶会のソレに限らず料理全般を教えていますよ。
    中には お茶会に関することにしか興味の無い変わり者や、そもそも料理に興味の無い者もいますが。」

  • 12ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:32:14

    話題を出す人間が二人に増えたことで、お茶会は比較的賑やかに進む。
    そうして一頻り調理と、その教育に関する話題で盛り上がった後、お茶会は本題に入った。

    カヤ:
    「─── それで・・・ジャブジャブヘルメット団の皆さんは どうしたのですか?」

    ワカモ:
    「・・・? あぁ、今回の雇い主のことですか。 彼女達なら既に帰られました。」

    カヤ:
    「おや、それは惜しいですね。 出来れば臨時で雇いたかったのですが・・・。」

    リン:
    「・・・雇えないものは仕方がありません。 それよりも、今後についての話をしましょう。」

    リンはリゾート群島の地図を卓上に広げる。
    それに合わせて、カヤが卓上の茶菓子を隅に寄せた。

  • 13ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:32:30

    リン:
    「まず共通認識として これらの群島は連邦生徒会の直轄地です。
    そして どういうワケか、無許可で群島の使用権が方々に販売されていました。
    それも契約的に抜けのある、意図的に購入者を争わせる類いのものを・・・です。
    これによって この地域に紛争問題が根付く前に、我々の手でコレを奪還しなければなりません。」

    カヤ:
    「普段は使っていませんが、いざ軍港にすると便利な立地ですからね。
    海軍の補給拠点としては勿論、ミサイル発射基地としても有用です。
    概算ですが・・・恐らくここからサンクトゥム・タワーは勿論、三大学園も射程圏内に入るのではないでしょうか?」

    リオ:
    「そうね。 現行の最新モデルであれば十分 巡航ミサイルの発射圏内と言えるわ。」

    リン:
    「・・・脱線させないで下さい。
    確かにそれも重要な要素ですが、今回に限っては権利問題がメインになりますから。」

  • 14ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:32:50

    カヤ:
    「すみません。」

    リオ:
    「そうね、貴方が正しいわ。」

    リン:
    「分かって頂けたようで何よりです。
    ではこれから、リゾートのシステムから得られた通信情報を元にした、今後のプランを説明したいのですが・・・。」

    リンはワカモの方を見た。
    その目には拭いきれない不信感が浮かんでいる。

    カヤ:
    「ふむ・・・ワカモさん。 『我々』に雇われませんか?
    今回の問題を解決するにあたって、貴方の能力は非常に得がたいものです。」

    ワカモ:
    「あら、良いのですか? お高いですよ?」

    カヤ:
    「高くついた方が信用できます。 ・・・そうですよね、リン?」

    リンは深々と溜息をついた。

    リン:
    「・・・そうですね。 無償の善意よりは有償の奉仕の方が信用できます。」

    そう言って、リンは今後のプランを語り始めた。
    ────────────────────

  • 15ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:33:47

    ====================


    <一方その頃、D.U.内の とあるジムにて───>


    カンナ:

    「・・・なぁ、副局長。」


    トレーニングベンチに座りながら、カンナがコノカに話掛ける。


    コノカ:

    「えぇ~・・・オフなんすから、コノカって呼んで下さいよ。」


    ストレッチをしていたコノカは、不満そうに返した。


    カンナ:

    「─── コノカ。」


    コノカ:

    「お、おぉ・・・なんすか姉御?」


    自分で促したとはいえ、突然カンナから下の名前で呼ばれたコノカはドギマギしながらストレッチを続ける。


    カンナ:

    「思うんだが、私は銃で撃つより殴った方が早いんじゃないだろうか?」


    コノカ:

    「・・・姉御って偶にビックリするくらいアホになりますよね。」

  • 16ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:34:09

    カンナ:
    「あ”?」

    人を殺せそうな睨みと声だったが、コノカは気にせず言葉を続けた。

    コノカ:
    「殴るって単に言いますけど・・・動作で話をしたら───
    ①助走を付けて迫る。
    ②腕を引く。
    ③踏み込む。
    ④全身を使って拳を振りかぶる。
    ───って4動作必要なワケじゃないっすか?」

    カンナ:
    「まぁ・・・助走は要らないかも知れないが、そうだな。」

    コノカ:
    「でも銃なら───
    ①狙いを定める。
    ②引き金を引く。
    ───で済むじゃないっすか。
    リロードを含めても3動作っすよ?」

    カンナ:
    「ふむ。」

  • 17ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:34:24

    コノカ:
    「それに姉御の『第17号ヴァルキューレ制式拳銃』は弾倉に17発、本体の薬室に1発で計18発 最大で連射できるっす。
    姉御の腕なら並の生徒は一人1発で卒倒させられるでしょうから、つまり初手は一瞬で18人、リロード後は17人 無力化できる計算になるっす。」

    カンナ:
    「殴れば全員吹き飛ばせるが・・・?」

    コノカ:
    「あ~ダメっすよ姉御。 スマートじゃないっす。
    携帯がスマートなフォンになれたんすから、姉御がスマート姉御になれない道理は無いっす。」

    カンナ:
    「・・・適当言ってるだろう。」

    コノカ:
    「・・・分かりました。
    こう考えましょう・・・弾一発 撃つごとに体力を節約してるって。
    つまり弾を撃てば撃つほど、姉御は戦闘を継続出来ることになるっす!」

    カンナ:
    「別に格闘戦でも10日は戦えるが?」

  • 18ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:34:46

    コノカ:
    「(汗)・・・いやだな~銃 撃った方が楽っすよ?」

    カンナ:
    「楽・・・楽か・・・。」

    コノカ:
    「(よっしゃ話題変えよ!)そんなことより姉御! 前 言ってた例の話 聞かせて下さいよ!!」

    カンナ:
    「ん? 以前のSRT抗争の件なら全て話したつもりだが?」

    コノカ:
    「いや、そっちじゃなくて・・・ホラ、姉御とボルダリングしたときに零してたカヤ防衛室長と山登りに行ってたっていう・・・。」

    カンナ:
    「あぁ・・・アレか・・・。」

    カンナはトレーニングベンチに背を預け始める。
    バーベルラック(トレーニング用の重り置くヤツ)には、カンナ用に調整された特殊合金で出来た超重量のバーベル(重りを付ける棒、今回の場合 重りの方も含む)が用意されていた。
    あまりの重さに地盤沈下等が起きないよう、鉄筋コンクリートでバーベルラックが補強されている。
    鉄筋コンクリートの下部も、特別な杭によって岩盤から支えていた。

    そんなアホみたいなトレーニング器具に、手を付ける。

  • 19ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:35:56

    カンナ:

    「あれは・・・急に出張とか言われてレッドウィンターの更に北、バカみたいに高い山々が連なる極寒の『狂気山脈』に連れて行かれた時・・・───」


    コノカ:

    「えっ!? 『狂気山脈』って あの!?

    都市伝説とか信憑性の低い伝記でしか出て来ないあの!? 実在したんすか!?」


    カンナ:

    「・・・。」


    カンナはベンチプレスを始めた。

    ─── 急に無言になる。


    コノカ:

    「えっ? 終わり!? 姉御!? 続きは!??」


    カンナはバーベルを一度 置いた。


    カンナ:

    「─── トレーニング中だぞ。 話掛けるな。」


    ※高負荷トレーニング中の人に話掛けると、ケガのリスクが高まります。


    コノカ:

    「あっ、はい。」


    コノカは悶々としながらストレッチを続けた。


    <つづく・・・>

    ====================

  • 20ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:37:24

    ────────────────────


    <リンがプランを説明した翌日・・・>


    リオ:

    「───で、私達は どうして戦艦の上で釣り糸を垂らしているのかしら?」


    ミレニアム指定のスクール水着に着替えたリオが疑問を口にする。

    それに対して、隣に座っていたカヤが答えた。


    カヤ:

    「おや、忘れてしまったのですか?

    リンの発案で、我々は この戦艦でリゾート群島を回って元凶を探すことになったではありませんか。」


    リオ:

    「それは理解しているわ。

    この群島が連邦生徒会の直轄地であることを示す為に、示威行為として当艦で回ることが合理的だということも分かっている。

    ・・・だけど どうして釣り糸を垂らしているのかが分からないの。

    特に反対する理由も無かったから流れに乗っていたけど、こうして暇を持て余してみると酷く疑問に思えるわ。」

  • 21ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:37:41

    カヤ:
    「あぁ、そういうことでしたか。
    そういうことであれば、こちらの資料を ご覧ください。」

    そう言って、カヤは荷物の中から一束の資料を取りだしてリオに渡した。
    それは書式が多少違えど、リオにとって馴染み深い理論的な報告書だった。
    タイトルには『今年度の気候変動によるゴールドマグロ大量発生の可能性』と書かれている。

    カヤ:
    「群島といっても、島を跨ぐには多少 時間が掛かります。
    その時間を有効利用するにあたって、釣りは合理的だと思いませんか?」

    リオ:
    「(資料に目を通しながら)・・・そうね。
    この報告書に添付されているデータを見る限り、時間に対する利益効率は極めて高いと言えるわ。
    なるほど、水平線を眺めてボーッとするだけの価値はあるわね。」

    カヤ:
    「どこかの誰かが言うには、人生においてはボーッとしている時間こそが最も贅沢な時間だそうですよ?」

  • 22ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:37:58

    リオ:
    「・・・そうね。
    この時間の使い方は贅沢かもしれないわね。
    ・・・。
    効率化の為に、今からでも この戦艦に漁業装備の導入を検討しようかしら。」

    カヤ:
    「コンセプトから外れるような増築は避けた方が良いかと。
    ・・・それに、今は釣りが最も有効な状況だと思いませんか?」

    カヤは横並びに釣り糸を垂らす異色のメンバーに視線を飛ばした。
    カヤとリオは勿論、リンにワカモ、それに何故かアビドス廃校対策委員会も釣り糸を垂らしている。

    リオ:
    「・・・そうね。 艦上でのアイスブレイクには適切なイベントかもしれないわね。」

    どうしてアビドス廃校対策委員会が連邦生徒会の戦艦に搭乗しているのか。
    それは数時間前の話に遡る───

    ────────────────────

  • 23ホットドリンク大好き25/05/15(木) 22:39:05

    小休止・・・(ホットドリンクを飲む)

  • 24二次元好きの匿名さん25/05/15(木) 22:42:40

    立て直し乙です。
    もう、このスレを落としはしない!

  • 25ホットドリンク大好き25/05/15(木) 23:22:41

    頼むぞ、戦友。

  • 26ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:38:41

    ────────────────────


    <数時間前、出航前の砂浜にて───>


    ???:

    「だ・か・ら!!

    ここの代表者のカヤって奴を出せって言ってるの!!

    ここにいるのは分かってるんだからね!!!」


    防衛室スタッフA:

    「アビドス廃校対策委員会のセリカ様ですね。

    残念ながら室長は現在 出港準備で お忙しく・・・。

    何か ご用件があれば私の方で対応させて頂きます。」


    セリカ:

    「じゃあ、言うけど。

    この船に乗せてくれない?」


    防衛室スタッフA:

    「・・・はい?」


    セリカ:

    「だ~か~ら~!!

    この船に乗せてって言ってるの!

    どうせスペースは余ってるんでしょ!? こんなに大きいんだから!!」

  • 27ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:39:27

    防衛室スタッフA:
    「え~と・・・良いんだっけ? 部外者乗せても??」

    セリカの対応をしていた防衛室スタッフは、後ろで書類と睨めっこをしていた同僚に話掛けた。

    防衛室スタッフB:
    「え? 何、乗りたいの??
    ・・・まぁ、いいんじゃね? 確か原則で部外者の立ち入りは禁止だけど、原則は破るものって室長 常々言ってるし。」

    防衛室スタッフC:
    「───良いワケないだろ!! ボスは ちゃんとした考えがあって そういうことしているんだ!」

    急に怒鳴り込んできた同僚に、書類と睨めっこをしていた防衛室スタッフは深い溜息をついた。

    防衛室スタッフB:
    「出たよ、宵闇派(宵闇のクヌム時代からカヤに付き従う古参勢力)・・・。
    乗りたいって言ってるんだから、乗せてあげてもいいじゃん。
    どうせ物資は余剰に積んでるんだから。 一人増えようが・・・四人増えようが変わらないよ。」

    ウンザリした様子の防衛室スタッフは、セリカの後ろにいる他のアビドス廃校対策委員会のメンバーを見ながら言った。
    どういうワケか、アヤネだけ不在である。

  • 28ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:40:22

    防衛室スタッフD:
    「今、俺たちをバカにしたか・・・?」

    防衛室スタッフB:
    「あ? やる?
    頭まで筋肉にしたみたいなアンタ達が勝てるほど甘くないってとこ見せてあげるよ。」

    突然アビドス廃校対策委員会の四人を置いてバチバチとし始める防衛室スタッフ。

    シロコ:
    「みんなケンカしない。
    ホラ、これをあげるから・・・。」

    シロコは そう言って、防衛室スタッフ達の前にカジキマグロを一尾 放り込んだ。
    しっかりと活け締めが施されており、美食に対する敬意が感じられる。

    防衛室スタッフE:
    「ほう・・・これは良い・・・。」

    すると、騒ぎを聞きつけて集まってきた防衛室スタッフの中から何人かがカジキマグロに群がる。

  • 29ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:41:02

    防衛室スタッフF:
    「素晴らしい鮮度。 処理をした日時は?」

    シロコ:
    「今さっき。」

    防衛室スタッフG:
    「良い。 室長も お喜びになられる。 この者達を室長の下へ───」

    防衛室スタッフC:
    「待て待て待て!! ダメなものはダメだと言ってるだろう!?」

    防衛室スタッフE:
    「なんだ手前。 これほどの手土産に対し、なんたる傲慢。
    さては美食に対する冒涜か? 手前、異端者だな? 冒涜者だな?」

    防衛室スタッフD:
    「美食狂いがよぉ・・・。」

    防衛室スタッフF:
    「今、美食をバカにしたか・・・?」

  • 30ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:42:03

    防衛室スタッフH:
    「なぁ、お前・・・私が部外者入れるなって言ったのに入れようとしたよな?」

    防衛室スタッフI:
    「アビドスから来た友人を歓迎しましょう。」

    防衛室スタッフJ:
    「愛! 愛! 愛!!」

    防衛室スタッフK:
    「ところで うどん まだ?」

    防衛室スタッフL:
    「今からでも遅くない! 三連装砲をプラズマとレーザーの複合に改造しよう!!」

    防衛室スタッフM:
    「おめぇ、それ重すぎるからナシって言われただろうが!!」

    防衛室スタッフN:
    「猫と和解せよ!」

    防衛室スタッフO:
    「え、私 犬派なんだけど・・・。」

    防衛室スタッフN:
    「なんだと! ブッ飛ばしてやるぅ!!」

  • 31ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:42:53

    防衛室スタッフP:
    「なんだ───」

    防衛室スタッフQ:
    「うるさい───」

    防衛室スタッフR:
    「お前から沈めて───」



    カヤ:
    「何事ですか?」

    ───── ・・・。

    場が、シーンと静まり返った。
    防衛室スタッフの誰もが、カヤから目を離せないでいる。
    中には自然と五体投地の土下座をするものや、昔からのクセで咄嗟に跪く者もいた。

    ─── それだけの、悍ましいプレッシャーを放っていた。

  • 32ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:43:25

    見知った顔のはずなのに硬直してしまったセリカに代わり、ホシノが庇うように前に出る。

    ホシノ:
    「騒がせちゃって悪いねぇ。」

    カヤ:
    「いえ、こちらこそ見苦しいところを お見せしました。 それで、ご用件はなんでしょうか?」

    ホシノ:
    「いやぁね。 ちょっと船に乗せて欲しいんだ。
    先生から聞いたけど、この船で群島を回るんでしょ?」

    カヤは、リンと二人で先生にも今後のプランを説明したのを思い出した。
    そして先生がシャーレのオフィスに、アヤネの運転するヘリで戻っていったことも。

    カヤ:
    「なるほど。 『先生の紹介』で来られたのですね?
    そういうことであれば貴方がたは『部外者』とは言えないでしょう。 誤解が解けたようで何よりです。」

    あたかも誰のミスでもなく、ただ不幸な すれ違いであったかのように言うカヤ。
    ホシノも、それに乗っかった。

  • 33ホットドリンク大好き25/05/16(金) 00:44:29

    ホシノ:
    「そうだねぇ~。 分かって貰えて良かったよ。」

    硬直する周囲を無視して、二人で歩き出すホシノとカヤ。

    ホシノ:
    (良い部屋を用意してよ。 それでトントンってことで。)

    カヤ:
    (貴賓室を用立てましょう。 それでこの件は無かったことにして頂けると幸いです。)

    ホシノ:
    (乗った!)

    シロコ:
    「話は纏まった?」

    いつの間にかホシノに追いついていたシロコが、ホシノに声を掛ける。

    ホシノ:
    「ん。 バッチシだよ。」

    シロコ:
    「そう、なら良かった。 ・・・ん、皆も来る。」

    カヤ:
    「邪魔をしてしまいましたね。 皆さんも仕事に戻って下さい。」

    そして時は動き出す。 ─── こうして、アビドス廃校対策委員会が仲間になった。
    ────────────────────

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 04:09:40

    立て直し乙


    この動画みたいに(ゴールデン)マグロラーメン作りそう…


    マグロの調理方法


  • 35二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 08:50:09

    寿司も捨てがたい

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/16(金) 16:36:21

    ホシゅノ

  • 37ホットドリンク大好き25/05/16(金) 23:21:29

    ====================


    <一方その頃、D.U.内の子ウサギ公園にて・・・>


    カンナ:

    「───で、『狂気山脈』の話なんだが・・・。」


    コノカ:

    「え? 今っすか!?」


    コノカは スプリントインターバル(短距離ダッシュを繰り返すトレーニング)の途中だった。

    インターバル中に、カンナは前振りもなく語り始める。

    先日のジムでは忘れてしまったかのように その話題には触れなくなったので、コノカにとっては あまりにも突然の出来事だった。

    しかし、カンナからすれば本当に忘れていた話題を思い出し、話すことも無いので昔話を再開しただけである。


    カンナ:

    「・・・(ストップウォッチをチラ見する)。

    まず、当日は私とカヤだけしかいなかった。

    てっきり あの怪しげな仮面を被った防衛室スタッフの連中や、ユキノとFOX小隊の連中が付いてくるものだと思っていたから驚いたな。」

  • 38ホットドリンク大好き25/05/16(金) 23:22:06

    コノカ:
    「それで、それで!?」

    カンナ:
    「・・・インターバルは終わりだ。 行ってこい。」

    コノカ:
    「姉御のケチ!」

    コノカは猛ダッシュで公園を駆け抜ける。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    コノカ:
    「ふぅ・・・それで、姉御は どうしたんすか?」

    カンナ:
    「・・・(ストップウォッチを起動する)。
    『他の方々は どうしたのですか?』と聞いた。
    そうしたら奴は、『オフですから友人と遊ぼうと思いまして』と巫山戯たことを言ってきてな。
    その時点で帰ろうと思った。
    だが諸経費込みで旅費は あちらが持つと言うから、仕方なく付いていった。」

  • 39ホットドリンク大好き25/05/16(金) 23:23:04

    コノカ:
    「へぇ~、カヤ室長も太っ腹っすね。 いいなぁ、姉御。」

    カンナ:
    「何が良いものか。 お前は金が支払われれば爆弾とも旅できるのか?」

    コノカ:
    「でも、美味しいものは好きなだけ食べられるじゃないっすか!
    駅弁とか、ちょっと手が出しにくいレベルの値段のツマミとか食い放題っしょ?」

    カンナ:
    「あぁ、列車の旅程で一車両貸し切りの凄いヤツは出させたな。」

    コノカ:
    「え!? ど、どんなサービスが・・・?」

    カンナ:
    「凄いぞ。 食事に専属のシェフが付くし、車内で大画面の映画も楽しめる。」

  • 40ホットドリンク大好き25/05/16(金) 23:23:56

    コノカ:

    (ゴクリ。)


    カンナ:

    「・・・まぁ、それを差し引いても後の苦労を考えれば足りないくらいだったな。」


    コノカ:

    「え。」


    カンナ:

    「・・・インターバルは終わりだ。」


    コノカ:

    「え、今!?」


    カンナ:

    「早く行け。」


    コノカ:

    「う、うぉぉぉぉぉぉ!!」


    <つづく・・・>


    ====================

  • 41二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 04:36:33

    上げ

  • 42二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 08:59:56

    下げ

  • 43二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 10:12:31

    生徒じゃない神性(〇〇=〇〇〇さん)が居そうやなぁ

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 15:07:41

    コノカヤの絡みもいつか見られそう

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/17(土) 22:27:41

    『カンナは私の大切な友人ですよ。
    (カンナは私の大切な友人ですよ。)』

  • 46ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:05:09

    ────────────────────


    <話は戻って、戦艦()の甲板にて───>


    防衛室スタッフA:

    「───室長、件のものが出来上がりました。」


    カヤ:

    「おや、もうそんな時間ですか。

    釣り糸を垂らしていると時間の流れが早いですね。

    ─── 皆さん、休憩と致しましょう。

    だから、ワカモ。 爆薬を海に投げ込もうとするのは止めましょうね。」


    カヤは釣りに飽きて爆破漁を始めようとするワカモを羽交い締めにしながら、しかし一切 声を荒げずに休憩を宣言した。

    戦艦()の手すりに金具で固定された大型の釣り竿から、皆の手が離れる。


    カヤがワカモから爆薬を取り上げている間に、どこからともなく集まってきた防衛室スタッフ達が長机と椅子を用意し始めた。


    カヤがワカモから大量の爆薬を没収するまでに、防衛室スタッフ達の準備は すっかり整う。

  • 47ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:05:38

    カヤ:
    「───多過ぎですよ、ワカモ。
    ここら一帯の魚を絶滅させるつもりですか?」

    大きめの木箱一杯に詰め込まれた爆薬が、見かねた防衛室スタッフの手によって運ばれていく。
    ワカモは仮面越しでも分かるくらい恥ずかしそうにした。

    ワカモ:
    「申し訳ありません・・・。
    こう・・・あまりにも退屈で つい・・・。」

    カヤ:
    「・・・分かりました。
    確かに貴方の性には合っていませんでしたね。
    一休みしたら、今度は私が貴方の嗜好に付き合いましょう。」

    ワカモ:
    「あら? 良いのですか?
    かなり激しくなると思いますが・・・。」

    カヤ:
    「おや、いつから貴方の方がタフになったのでしょう? ─── むしろ貴方が踊り疲れてしまうのでは?」

    ワカモ:
    「・・・ウフフ♡ それは楽しみですね。 ─── えぇ、本当に楽しみです。」

  • 48ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:06:09

    一転して仮面越しでも分かる喜色を浮かべて、ワカモは席に着いた。
    カヤも隣の席に座る。
    全員が向かい合うような形になった。
    そこに何やら防衛室スタッフ達が、ワゴンに載せて湯気の立つ丼を運んでくる。

    防衛室スタッフB:
    「─── こちらはシロコ様から頂いたカジキマグロを丸々一尾使ったラーメンとなります。
    各々方の嗜好に合うよう、二種類のラーメンを ご用意しました。」

    そう言って、長机に座った面々の後ろから一杯のラーメンを饗する。

    防衛室スタッフC:
    「"Bouillon de Marlin Impérial"(ブイヨン・ド・マルラン・アンペリアル)になります。
    大層な名前ですが、実際は ただのラーメンですので気兼ねなく。」

    リン:
    「・・・そういった事は言わない方が華というものですよ。」

    リン、ワカモ、リオの前に、細麺の彩りが豊かなラーメンが。

  • 49ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:06:54

    防衛室スタッフD:
    「"カジキ一本勝負ラーメン"になります。
    ・・・今日は勝ちに来ました。」

    ノノミ:
    「名前の落差が凄いですね・・・。」

    セリカ:
    「それに、何に勝ちに来てるのよ・・・。」

    アビドス廃校対策委員会のメンバーとカヤの前には、全体的に茶色で太麺の、庶民的なラーメンが饗される。

    ホシノ:
    「・・・なんで貴方も同じものを?」

    カヤ:
    「おや、言ってませんでしたか?
    実は私、本当は こういうラーメンも大好きでして。
    ・・・お寿司の方が良かったですか?」

  • 50ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:07:22

    ホシノ:
    「いや・・・そういうことじゃないけど・・・。」

    カヤ:
    「なら良いではありませんか。
    シロコさん、貴方の手土産に感謝して頂きますよ。」

    ホシノ:
    「・・・まぁいいか。
    私からも ありがとね、シロコちゃん。」

    シロコ:
    「ん。 じゃあ私は このラーメンを作ってくれた人に感謝して食べる。」

    防衛室スタッフD:
    「・・・お伝えします。 シェフも喜ぶでしょう。」

    そう言いながら、防衛室スタッフは一枚のカルテのようなものを取り出した。

    防衛室スタッフD:
    「───では、本日の お食事の調理について解説させて頂きます。」

  • 51ホットドリンク大好き25/05/18(日) 00:07:53

    カヤ:
    「ふむ。」

    シロコ:
    「ん。」

    防衛室スタッフD:
    「まず頭部を切断し、三枚に下ろしてから骨と尾を取り除き、ぶつ切りにしてから───」



    セリカ:
    「・・・ねぇ、これ聞かないとダメ?」

    リン:
    「・・・いえ、これを聞くのはカヤと一部の防衛室スタッフだけです。 気にせず先に頂きましょう。」

    リオ:
    「ねぇ、そっちも少し頂けないかしら? 味の違いに興味があるわ。」

    ノノミ:
    「大丈夫ですよ~。 ───すみません、取り皿ありますか?」

    律儀に説明を聞くカヤとシロコを尻目に、思いの外 食事は和やかに進んだ。

    ────────────────────

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 02:38:05

    マグロのラーメンってどんな味なんだろう…

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 06:56:33

    ちょっと美味しそう

  • 54二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 15:38:31

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 22:39:33

    寝る前に

  • 56ホットドリンク大好き25/05/18(日) 23:15:38

    ====================


    <一方その頃、D.U.のとある通りにて・・・>


    コノカ:

    「いやぁ~、姉御と一緒に飯を食いに行けるなんて良い休日っすねぇ~。

    あ、アタシ今月 金欠なんで・・・奢ってくれないっすか?」


    カンナ:

    「・・・また無駄にジム用品を買ったな?」


    コノカ:

    「・・・可変式ダンベルがセールで・・・つい。」


    カンナ:

    「お前・・・前に同じメーカーの重量違いのダンベルを揃えたって言ってただろう?

    今更、可変式ダンベルを買う意味があるようには思えないが?」


    コノカ:

    「いや! 意味はあるっすよ!?

    なんといっても省スペースになりますし、何よりカッコイイっす!」


    カンナ:

    「で? 今は何に使われているんだ?」


    コノカ:

    「・・・ブロックタイプだったんで・・・物置き台になってるっすね・・・。」

  • 57ホットドリンク大好き25/05/18(日) 23:16:10

    カンナ:
    「・・・(溜息)。
    前に重量違いを揃えた時も、軽いヤツは何かしら重しになってただろう。 いい加減 学んだらどうだ?」

    コノカ:
    「いやぁ・・・コレばっかりは何とも・・・。
    あ! でも少なくとも、同じ重さのダンベルを幾つも買うよりはマシだと思うっす!」

    カンナ:
    「・・・? 同じ重さのダンベルを? 幾つも??
    ・・・・・・何に使うんだ???
    二つなら両手のトレーニングをするととれるが・・・言い方からして二つ以上だろう?」

    コノカ:
    「何か・・・聞いた話だとショッピングカートにタワーが出来るくらい・・・。」

    カンナ:
    「?? ボーリングでもするのか? ピンをダンベルで重くして・・・倒し辛くするのか??」

    コノカ:
    「スゥ~・・・(面倒臭い話題フッちゃったなぁ・・・)。
    ・・・ところで、姉御。 話は変わるっすが、今日は私以外の女が来るんすよね?(強引な話題そらし)」

  • 58ホットドリンク大好き25/05/18(日) 23:17:19

    カンナ:
    「ん? あぁ、変な言い方をするな。 ビックリするだろう。
    別に腐れ縁の知人から面倒な食事の誘いが来たから、丁度良いところに来たお前を巻き込んだだけだ。」

    コノカ:
    「はい!?」

    カンナ:
    「安心しろ、付き合って貰う以上 昼食代は私が払ってやる。 よかったな、食費が浮いたぞ。」

    コノカ:
    「いや!? 何も安心できないし、何も良くないっすよ!?!?
    そんな・・・ケチで頭が硬くて やることなすことメチャクチャな姉御が倦厭するような人って───」

    カンナはコノカの頭を軽くハタいた。

    コノカ:
    「痛ぁ!」

    カンナ:
    「口に気を付けろ。」



    ???:
    「あら? カンナさんではありませんか。 来て頂けたのですね。」

  • 59ホットドリンク大好き25/05/18(日) 23:18:14

    二人の後ろから、上品な言葉遣いの声が掛かった。
    振り返ると、そこには軍服のような格好をした銀髪の生徒が立っていた。

    カンナ:
    「・・・本当なら無視しようと思ったが、道連れが見つかったからな。
    面倒事には面倒事を ぶつけようと思って来た。」

    ???:
    「相変わらず正直な方。 しかし、だからこそ共に食事をする価値があるというものです。」

    コノカ:
    「あの・・・なんで美食研究会の黒舘ハルナが ここに?
    署内でもブラックリストに挙げられてる、札付きのワルっすよね??」

    カンナの待ち人はハルナだった。
    やけに親しげにハルナと話していたカンナは、面倒臭そうに溜息をついた。

    カンナ:
    「・・・さっき、『狂気山脈』の話をしただろう?」

    コノカ:
    「? はい、しましたね。」

    カンナ:
    「コイツもいたんだ。 後から、いざ狂気山脈に登る前日に偶然 合流した。」

  • 60ホットドリンク大好き25/05/18(日) 23:18:56

    コノカ:

    「うぇ!?」


    ハルナ:

    「あら、懐かしい名前ですね。 あの山脈の話をするのですか?」


    カンナ:

    「・・・今は それより店に入ろう。

    今日は お前のオススメで良かったな?」


    ハルナ:

    「というよりも前から目を付けていた店・・・という感じですが、まぁ大体そうですわね。」


    カンナ:

    「対して変わらないだろう。 ・・・この先で良いのか?」


    ハルナ:

    「そうですね。 この先を右です。」


    一台のスマホを二人で覗き見るカンナとハルナ。

    トゲトゲしい言葉とは裏腹に、やけに信頼関係があるように見える。


    コノカ:

    (なんか・・・くだらない理由で別れた元カノみたいな距離感だな・・・。

    !! まさか『腐れ縁』って そういう・・・!?)


    口に出していたらカンナにハタかれそうなことを考えながら、コノカは二人の後に続いた。


    <つづく・・・>

    ====================

  • 61二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 02:37:09

    >>60

    メル「!!」ガタッ!

  • 62二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 06:17:38

    このレスは削除されています

  • 63二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 14:50:34

    あげ

  • 64ホットドリンク大好き25/05/19(月) 22:01:19

    ────────────────────


    <戦艦()の甲板上、昼食後・・・>


    ホシノ:

    「うん・・・?」


    食後のティータイムに妙に馴染めず、一人 釣りを再開したホシノの釣り竿がクンッと曲がる。

    あまりにも急に曲がったので、根掛かりかと思って釣り竿に手を伸ばしたホシノだったが、次の瞬間 戦艦()と併走するように浮上する人一人以上もの高さがある巨大な背びれを目撃してしまった。

    そして、肝心の釣り糸は その背びれの先に伸びている。


    ホシノ:

    「・・・目の錯覚かな?」


    ホシノは目をゴシゴシと擦る。

    しかし海上の背びれは消えない。


    ホシノ:

    「夢だったりして。」


    今度は ほっぺたを抓ってみる。

    ・・・痛い。

    夢でもない。

  • 65ホットドリンク大好き25/05/19(月) 22:02:02

    ホシノ:
    「・・・う~ん。」

    さてどうしたものかと思案し始めた その時だった。

    ───── ザッパンッ

    海上から、先の機動兵器『RAY』にも勝るとも劣らない巨大な影が跳ねた。
    それはホシノから日光を遮るような軌道を描いた後、巨大な水柱を上げて再び海中へと戻っていった。

    ホシノ:
    「・・・うへぇ。」

    あまりのことにビックリして、少しの間 呆けていたホシノだったが、やがて状況を理解すると ゆっくりと後ろを向いた。

    ホシノ:
    「掛かったよぉ~!」

    ────────────────────

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 01:01:36

    交信乙

  • 67二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 07:25:18

    保守

  • 68二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 13:17:10

    あげ

  • 69二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:52:46

    だま

  • 70ホットドリンク大好き25/05/20(火) 22:01:36

    ====================


    <とある飲食店・・・>


    カンナは店内に入ると、店員に3人の来客を伝えた後、カウンター席に陣取った。

    左右にハルナとコノカが座る。

    カンナはメニュー表を手に取った。


    カンナ:

    「・・・普通だな。」


    メニュー表には、当たり障り無いメニューが書かれている。

    正直、ハルナが『目を付ける』意図が分からない。

    カンナはハルナを横目で見た。

    ハルナは涼しい顔で、店員から出された お冷やを『放置』していた。


    カンナ:

    (・・・そういうことか。)


    ここにきてハルナの意図を察したカンナは、お冷やに手を伸ばしていたコノカの手首を掴んだ。

  • 71ホットドリンク大好き25/05/20(火) 22:02:29

    コノカ:
    「? どうしました、姉御?」

    カンナ:
    (飲むな。 ───何も口にするな。)

    カンナは怖い顔で、囁くようにコノカへ警告した。
    途端にコノカも真剣な顔になる。

    コノカ:
    (・・・混ぜ物っすか?)

    カンナ:
    (恐らく、そうだろう。)

    カンナは横目でハルナを睨み付けた。

    カンナ:
    「・・・最初から これが目的か。」

    ハルナ:
    「えぇ、そうです。 食を穢す害虫の群れを駆除するには、貴方が適切かと思いまして。」

    ハルナの目が、獰猛な光を放った。

    ====================

  • 72二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 22:08:38

    ((((;゚Д゚)))))))
    ハルナが原作より怖い…

  • 73ホットドリンク大好き25/05/20(火) 22:37:18

    ────────────────────

    カヤ:
    「─── 竜ですね。」

    ホシノの釣り竿の糸の先、海上に露出した背びれを見ながら、何という事は無いようにカヤは そう言った。

    カヤ:
    「見たところ魚竜種のようですね。 ガノトトスでしょうか?」

    リオ:
    「そうね。
    あの針状の背びれは特徴的だもの。 間違いないと思うわ。」

    カヤ:
    「体色が暗い。 通常種ですね。」

    リオ:
    「海中から水ブレスが飛んでくる恐れは無さそうね。」

    ホシノ:
    「何だか平気そうだね、二人とも。」

  • 74ホットドリンク大好き25/05/20(火) 22:40:13
  • 75二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 22:42:27

    (ガノトトス…って…モン◯ンのあれよね…モンスターよね…何で動じてないの!?何で「珍しい魚が釣れたわね」くらいのテンションなの!?)

  • 76二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 22:44:15

    >>75

    モンスターよりモンスターじみた強さの人がいますから…

  • 77ホットドリンク大好き25/05/20(火) 23:07:22

    カヤ:
    「遠洋での漁といえば竜ですからね。」

    ホシノ:
    「聞いたことないかなぁ~・・・。」

    リオ:
    「で、どうするのかしら?
    位置的に撃退用のミサイルも難しいのだけど・・・。」

    カヤ:
    「あぁ、問題はありません。 ─── 今 釣り上げます。」

    リオ:
    「そう。 じゃあ警告用のサイレンを鳴らすわね。」

    セリカ:
    「・・・ねぇ、貴方は突っ込むべきじゃないの?」

    セリカは一切動じずにマグカップを傾けるリンの脇腹を肘で突いた。

  • 78ホットドリンク大好き25/05/20(火) 23:09:32

    リン:
    「・・・突っ込んでも場を混乱させるだけですから。 それに、今は それよりも考えることが あります。」

    セリカ:
    「考えること・・・?」

    リン:
    「─── 何に掴まるかです。 経験則ですが、恐らく直ぐに この艦は傾きますよ。」

    セリカ:
    「え!? 戦艦が傾くって何!??」

    慌てて掴まる物を探し始めるセリカを尻目に、リンは予定調和のように近くの金属柱に掴まった。

    カヤ:
    「お手元、失礼します。」

    カヤはホシノの釣り竿を握った。

    カヤ:
    「私に掴まって下さい。 皆さんも、手近な何かに。」

    リオは何のためらいもなくカヤの肩を掴む。
    他の面々も何となく緊迫した空気から思い思いの物を掴む中、ホシノもカヤの胴に手を回した。

  • 79ホットドリンク大好き25/05/20(火) 23:10:32

    ホシノ:
    「おじさん も力を貸そうかな。」

    カヤ:
    「おや、それは心強い。」

    次の瞬間、カヤは思いっ切り釣り竿を引っ張った。
    極太の釣り竿が今にも折れそうなほど深い「く」の字に曲がり、戦艦がゆっくりと、しかしその巨体からすれば恐ろしい速度で傾く。
    物を掴み損ねた何人かの非戦闘員の防衛室スタッフが手摺りに頭を ぶつけた。

    ───── ザッパンッ

    しかし、果たしてその価値はあった。
    ヘッドセットがあったとはいえ衝撃で呻く防衛室スタッフ達を太陽から隠すように、宙に巨大な影が跳ねる。
    そしてその影は戦艦の甲板へと落ちた。

    巨大な魚竜が、甲板で魚のように跳ねる。

    カヤ:
    「─── さて、竜狩りと参りましょう。」

    ショットガンを構えるホシノと共に、火炎放射器を吹かしながらカヤは そう言った。

    ────────────────────

  • 80二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 01:52:06

    モンハンが始まった

  • 81二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:24:10

    時が戻ってしまった

  • 82二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 20:59:42

    >>81

    カヤだけが時間が戻ったことに気付いているんだよね…

  • 83二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 21:07:25

    ガノトトス肉は身が引き締まってて美味しそう

  • 84二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 22:38:58

    火炎放射で狩ることでガノトトスが倒れる頃には焼肉になっているという時短戦法

  • 85二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:12:28

    カヤ「さあ!またガノトトスのお肉を美味しくいただきましょう!」
    リン「…また?」
    カヤ「…ああそうでした。この世界線ではまだ食べていないんでしたね。」

  • 86二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:21:23

    カヤ「キングクリムゾン!」

  • 87ホットドリンク大好き25/05/22(木) 00:27:26

    ====================


    <D.U.内のとある飲食店にて・・・>


    店員:

    「─── お冷やは如何ですか?」


    コノカ:

    「あ”?

    (てめぇ、それに変なモン入ってるって分かって言ってるんだろうな? 姉御に変なモン飲ませるつもりか?? あ???)」


    カンナ:

    「ステイ、ステイ。 まだだっ、まだだっ。」


    カンナは激昂するコノカを抑える。



    参照元:
    「ポプテピピック(๏д๏)」おしゃれまとめの人気アイデア|Pinterest|B☆Kです。 | ポプテピピック, ポプテピピック 漫画, 面白いイラストこのピンは、B☆Kです。さんが見つけました。あなたも Pinterest で自分だけのピンを見つけて保存しましょう!jp.pinterest.com
  • 88二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 00:31:41

    >>86

    どちらかと言うとパイツァ・ダストが近いかも

  • 89ホットドリンク大好き25/05/22(木) 00:55:07

    コノカは暫く唸っていたが、やがて 大人しく席に戻った。

    コノカ:
    「チッ・・・命拾いしたな、テメェ。」

    店員は目を白黒させながら退散していった。

    カンナ:
    「─── で、私達が『狂気山脈』に行ったときの話なんだが・・・。」

    コノカ:
    「え、今すか!?」

    カンナ:
    「? 逆に今しか話すタイミングは無いだろう??
    ─── どうせ、ここは直ぐに戦場になるのだからな。」

    カンナの その言葉に、店員の何人かが立ち止まり手を止める。
    少しの間 異様な空気が店内に流れた。
    しかし それも一瞬のこと。
    直ぐに店内には、何事も無かったかのような活気が戻ってきた。

    カンナ:
    「だから、お前もソレは仕舞え。 ・・・まだだ、まだ早い。」

    カンナは起爆スイッチを どこからともなく取り出したハルナを今度は抑え始めた。
    どうやら爆弾は どうやったのか既に設置を終えているらしい。

  • 90ホットドリンク大好き25/05/22(木) 00:55:49

    ハルナ:

    「ふふっ、なぜです?

    汚物は消毒するべきだと思いますが??」


    カンナ:

    「・・・私を呼んだからには、私のやり方に従って貰う。

    さもなくば、お前は必要以上の面倒事を背負い込むことになるぞ? 大切な美食も十分に楽しめなくなるかもな。」


    ハルナ:

    「・・・。」


    暫く睨み合っていた二人だったが、やがてハルナの方が目を逸らした。


    ハルナ:

    「・・・タイミングは任せます。」


    カンナ:

    「・・・あぁ。」


    爆弾の起爆装置は鞄の中に戻っていった。


    カンナ:

    「─── で、話は戻るが『狂気山脈』近くの村の宿屋で、偶然ハルナと出会ったワケだ。」


    コノカ:

    「はぁ・・・。

    (さっきまでのやり取りの情報量が多すぎて、集中できねぇ・・・。)」


    <つづく・・・>

    ====================

  • 91二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 01:53:35

    見ろ!狂悪な公安の犬が焦らしプレイをしているぞ!

  • 92二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 07:33:27

    あげ

  • 93二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 13:03:52

    保守

  • 94ホットドリンク大好き25/05/22(木) 22:30:17

    ────────────────────

    カヤ:
    「─── 時空連続体が途切れて・・・戻って・・・また進み始めて・・・ふむ。」

    ホシノ:
    「何言ってるのか分からないけど、こっち手伝ってくれないかなぁ!?」

    ガノトトスによる水ブレスの薙ぎ払いを軽く避けたホシノが言う。
    カヤも頤に手を当てながらも、軽く しゃがんで躱した。

    カヤ:
    「あぁ、すみません。
    そういえば『まだ この時間では』仕留めていませんでしたね。」


    カヤの火炎放射器が、竜のブレスのような勢いで放たれる。
    ガノトトスは姿勢を低くして炎を避けた。
    例え竜でも、躱さざるを得ない勢いだった。

    カヤ:
    「タックルには気を付けて下さい。
    見た目以上の範囲に衝撃が来ます。 科学的に、なぜ衝撃が来るのかは未だ解明されていない未知の攻撃です。」

    ホシノ:
    「・・・シロコちゃんが 吹っ飛ばされる前に言って欲しかったかな。」

    縄が括り付けられた浮き輪を持ってシロコが飛んでいった方の海面にダッシュするセリカを横目で見ながら、ホシノはイラっとした様子で言った。

    ────────────────────

  • 95二次元好きの匿名さん25/05/22(木) 23:31:59

    時をかけるカヤ

  • 96二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 03:55:03

  • 97ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:23:16

    ====================

    ハルナ:
    「─── それで、快く同行を許して頂けまして。」

    カンナ:
    「バカ言え。 お前が極地の登山を舐め腐った装備をしていたから見殺しに出来なかっただけだ。」

    ハルナ:
    「しっかりと運動し易い服装だったと思いますけれど・・・。」

    カンナ:
    「・・・体操服は確かに運動し易いだろうが・・・。」u

    ハルナ:
    「防寒対策にジャージも羽織っていきましたし・・・。」

    カンナ:
    「遭遇した時点で死にかけてたがな。」

    ハルナ:
    「若気の至りですわね。」

    カンナ:
    「あぁ・・・確かに あの頃は若かった。」

  • 98ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:24:25

    コノカ:
    「二人とも十分若いと思うっすけど・・・。」

    カンナ:
    「フッ、お世辞はいい。」

    コノカ:
    「いや、お世辞とかじゃなくて。 17は流石に若いっす。」

    カンナ:
    「話が逸れたな。」

    コノカ:
    「私が悪いのかなぁ・・・。」

    カンナ:
    「それで凍りかけてたハルナを湯煎で溶かし───」

    ハルナ:
    「ふふっ、カップ麺の気持ちが味わえる貴重な経験でした♪」

    カンナ:
    「カヤが どこからともなく淹れてきたココアを三人で啜り───」

    ハルナ:
    「生クリームとミルクの配分が絶妙で・・・シチュエーションも相まって、あれは美食の到達点の一つといえるでしょうね。」

  • 99ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:25:47

    カンナ:
    「『狂気山脈』を登る目的と、その道筋を話し合った。
    奇しくも我々の目的は一致していて、狂気山脈の奥底にあるという幻の食材『オールミート』を手に入れることだった。」

    ハルナ:
    「その昔、極地に赴いた探検隊が偶然口にしたと言われる幻の珍味だったのです。
    都市伝説レベルの代物で、実際に市場に流通することはなく、永らく存在自体が疑問視されていたのですが・・・。」

    カンナ:
    「だが、カヤと その志を同じくする調理狂い達は見つけ出した。
    定説だった南ではなく、その逆・・・北の果てに。
    ・・・で、コイツが それを嗅ぎつけたというワケだ。」

    ハルナ:
    「嗅ぎつけたなんて人聞きの悪い・・・。
    私はただ、同志から快く教えて頂いただけです。」

    カンナ:
    「まぁ・・・あの調理狂い達は聞かれれば答えるだろうな。
    なんといってもコイツと仲間意識を覚えるような連中だからな。」

    ハルナ:
    「ふふっ、光栄なことですわ。」

  • 100ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:26:52

    カンナ:
    「・・・まぁ、それはいい。
    問題は話し合った後だった。
    コイツ、体力が無いのに無理やり着いてこようとしてな。」

    ハルナ:
    「やはり、美食というのは自らの手で見つけ出してこそでしょう?」

    カンナ:
    「志だけは立派だが、登山装備を身に付けた途端 重さで動けなくなった。
    それでも行きたいとゴネるから、カヤが絆されて この『荷物』を背負っていくハメになった。」

    ハルナ:
    「あれもまた、新鮮な体験でした。 蓑虫のように寝袋に詰め込まれ・・・。」

    カンナ:
    「重量的には軽かったから良かったが、定期的にコイツの体調チェックしないといけなくなったから精神的には重かったな。」

    ハルナ:
    「あら、お上手ですね。」

    カンナ:
    「・・・『重量的には軽かった』の部分だけしか聞こえてないのか・・・?」

  • 101ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:28:15

    昔話を一緒にすることで、ちょっとイイ雰囲気になった(ようにコノカには見えている)二人を見て、コノカはニマリと笑みを浮かべ、少しイタズラを仕掛けてみることにした。

    コノカ:
    「お、試しに持ち上げてみてくださいよ。」

    ハルナ:
    「??」

    カンナ:
    「そうだな、久しぶりに やってみるか。」

    ハルナ:
    「!??」

    混乱しているハルナを余所に、カンナはハルナの細い腰を掴むと、そのまま幼子にそうするように軽々と持ち上げた。

  • 102ホットドリンク大好き25/05/23(金) 08:29:11

    カンナ:
    「・・・少し痩せたか?
    相変わらず小食な部分は変わってないようだな。」

    ハルナ:
    「あの・・・降ろして頂けませんか・・・?」

    ちょっと恥ずかしそうにしているハルナをカンナは降ろした。
    何事も無かったかのように席に戻る。

    カンナ:
    「良いな。
    次から お前が面倒臭いことになってきたら持ち上げてみるか・・・。」

    ハルナ:
    「やめて下さい。 暴れますわよ?」

    コノカ:
    「やっぱ仲良いっすね、二人とも。」

    意図せず熟年夫婦のような雰囲気を醸し出している二人を、コノカは面白そうな目で見ていた。

    ====================

  • 103二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 14:57:45

    ハルナをお姫様抱っこするカンナ…やだこの狂犬イケメン…

  • 104二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 23:02:09

    無自覚イケメンムーブ好き

  • 105二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 04:06:33

    >>103

    メル「!!!」ガタカタッ!

  • 106ホットドリンク大好き25/05/24(土) 10:14:43

    ────────────────────

    カヤ:
    「─── ようやく斃れましたか。」

    カヤは安全を確かめる為に、他の人間を下げて一人で倒れ伏したガノトトスを火炎放射器の先でツンツンした。
    火炎放射器を握っている方と反対の腕の手首に取り付けられた機材を、ガノトトスの太い血管が通っている部分に当てる。
    手首を軽く捻ると、手首に取り付けられた機材が反応してガノトトスの身体に当てられた部分から鋭い刃物が飛び出した。
    刃物は、ガノトトスの身体の奥深くに侵入し、太い神経と血管をズタズタに引き裂く。

    ───── ビクンッ

    ガノトトスの身体が一瞬 大きく痙攣したが、それ以上 動くことは無かった。
    ここで多少息があれば、間違い無く激痛で暴れていただろう。
    カヤは ここにきてようやく、このガノトトスは死んでいると判断した。

    カヤ:
    「死亡を確認しました。 ─── 解体班。」

    防衛室スタッフA:
    「Yes,sir.」

    カヤが声を掛けると、目隠し用の衝立と刃渡りが異常に長いノコギリを持った防衛室スタッフが ぞろぞろとガノトトスの死体を取り囲み始める。
    カヤがホシノ達の方に近づく頃には、すっかりガノトトスは衝立に遮られて見えなくなっていた。
    衝立の中から、金属を切断するような甲高い切削音と、何やらグチャグチャと湿った音が聞こえてくる。

    カヤ:
    「さて、竜狩りも終わったことですし釣りに戻りましょうか。 皆さん。」

    ────────────────────

  • 107二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 15:16:35

    ⭐の

  • 108二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 15:20:41

    >>107

    ガノトトスはカヤにとっては星1レベルのクエストってこと!?

  • 109二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 22:04:43

    >>108

    デジャブを感じるぞ…

  • 110二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 22:07:48

    >>109

    時が戻ったからな…しかしそのループを知っているのはカヤのみ…

  • 111ホットドリンク大好き25/05/24(土) 22:21:08

    (|) < 「先生・・・リセットマラソンをして進行をリセットしましたか?」

  • 112二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 22:23:14

    カヤがサンズとかリセットさんみたいなこと言ってるw

  • 113ホットドリンク大好き25/05/24(土) 23:06:00

    ====================


    <D.U.の とある飲食店・・・>


    店内のカウンターでは、三人の客の誰もが冷水にすら手を付けず、注文もせずに話に花を咲かせるという奇妙な光景が続いていた。


    カンナ:

    「─── それで私がハルナを背負って勾配が120°の絶壁を登ったワケだが・・・。」


    コノカ:

    「うわ~、吹雪の中それはキツいっすね~。」


    ハルナ:

    「しかし、綺麗な景色でしたわ。」


    カンナ:

    「・・・まぁ、確かに手空きの お前は景色を楽しむ暇があるだろうが・・・。

    ん? 景色を楽しむ?

    顔の露出だけでも体温を急激に奪うから、カヤは お前の全身を包んでたはずだが・・・お前まさか・・・。」


    ハルナ:

    「・・・。」


    ハルナは顔を赤くして目線を逸らした。

    ─── それが答えだった。


    カンナはハルナの肩を掴んで、顔をキスするのかと思えるほど近づける。

    反対側から見ているコノカからすると口元に手を当てて「ワッ」とするような甘い場面のように見えたが、ハルナからすると全力で目を逸らしたくなる修羅場だった。

    ハルナの視界一杯に、眉間に皺を寄せたカンナの怒り顔が広がる。

    元々の目付きの鋭さもあって、銃器を直接 額に当てられているかのような”凄み”があった。

  • 114ホットドリンク大好き25/05/24(土) 23:08:07

    カンナ:
    「お前・・・私達が途中で体調を崩した お前の為に どれだけ苦労したか知っているよな?
    簡易シェルターを作って、火を焚いて内部を温め、手持ちの機材で何とか加湿器モドキを作り出して湿度を上げ、楽な姿勢になるように寝袋を敷いてやり、手持ちの食料から消化のし易いスープを───」

    ハルナ:
    「あれは絶品でした・・・。 機会があれば、もう一度口にしたいものです。」

    カンナはハルナの肩をガタガタと揺らした。
    二人の顔が更に近づく。
    何か間違いがあれば、本当にキスしてしまいそうな距離まで。
    二人は背後でコノカがドギマギしていることなど知らず、緊張感を持った会話を続ける。

    カンナ:
    「今は そういう話をしているワケではない。
    私は、お前の迂闊さを責めている。 ・・・分かるな?」

    ハルナ:
    「何事も経験ですよ、カンナさん。」

  • 115ホットドリンク大好き25/05/24(土) 23:08:27

    カンナ:
    「死にかけたんだぞ! 分かってるのか!?」

    ハルナ:
    「お顔が近いです・・・離れて下さい・・・。(怖いから止めて欲しいの意)」

    カンナの背後で、いよいよコノカが「ワッ」と言った。
    口元どころか顔全体を両手を覆い隠し、しかし指先が開いて確かに二人を凝視し続けている。
    コノカ視点から見ると、カンナがハルナを心配して怒っているようにしか見えなかった。
    ちょっとバツが悪いハルナが顔を赤くしているのも悪い方向に働いている。
    実際のところ、カンナは無駄な手間を掛けさせられたことにキレてるだけだし、ハルナも自分の過去の失態がバレて恥ずかしがっているだけだ。
    しかしそんなことはコノカからすると分からない。
    コノカの脳内では完全に、互いに好きなのに痴話喧嘩が拗れて別れてしまった不完全燃焼カップルの図式が出来上がってしまっていた。

    ====================

  • 116二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 01:50:21

    カン×ハルだって!?
    僕のデータにはないぞ!?

    だが防衛室長ならば…!

  • 117二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 05:05:37

    「……」

  • 118二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 11:36:40
  • 119二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 15:12:57

  • 120ホットドリンク大好き25/05/25(日) 23:56:45

    ────────────────────


    カヤ:

    「─── 釣りは順調ですか、シロコさん。」


    シロコ:

    「・・・ん。」


    明らかに順調ではない様子でシロコは返した。

    シロコの後ろでは、釣り上げられた<カジキマグロ>を処理する防衛室スタッフ達の姿があった。

    そういった光景は他の面々の背後でも見られ、多くの<ゴールドマグロ>が処理されていた。


    ─── ゴールドマグロ ラッシュの中で、シロコだけが何故かカジキマグロを釣り続けていた。


    シロコ:

    「そっちはどう? ・・・片付いた?」


    カヤ:

    「いえ、今はインターバルです。 直ぐに戻って踊り直しますよ。」


    カヤは釣りに飽きたワカモの相手をしていた。

    戦艦()のトレーニングルームに籠もって、互いの力と知恵を比べ続ける荒行。

    しかしそれは二人にとって、何よりのコミュニケーションだった。


    ちなみに、リンは最低限の付き合いだけ釣りを楽しむと、何人かの防衛室スタッフを連れて作戦室に籠もった。

    恐らく今後の詳細を詰めにいったのだろう。 方向性は決められたが、宙に浮かんだ仕事は山ほどある。

    本来であればカヤも詰めるべきなのだが、リンに強い口調で「できるだけ あの方(ワカモ)を暴れさせないように。」と言われていた。


    後、リンはアジを釣り上げた。 今頃、刺身として調理を終えた防衛室スタッフが間食として運んでいることだろう。

    「刺身ですか・・・。 ・・・今?」と困惑する様子が目に浮かぶようだった。

  • 121ホットドリンク大好き25/05/26(月) 00:09:53

    カヤ:
    「─── 今年は異常にゴールドマグロが釣れます。 ・・・しばらくは保管ですね。 ゆっくりと市場に流していくことにします。」

    シロコ:
    「・・・幾らくらいになる?」

    カヤ:
    「理論上で言えば1,000億以上の売上になりますが、実際には供給過多で値崩れしますから10分の1以下の売上でしょう。
    100億に達すれば良い方かと。」

    シロコ:
    「100億・・・。」

    カヤ:
    「良ければ幾らか分配致しましょうか?」

    シロコは首を振った。

    シロコ:
    「ダメ。 そういうのは違う。」

  • 122ホットドリンク大好き25/05/26(月) 00:10:20

    カヤ:
    「・・・本当に宜しいのですか?
    皆さんと共に仕留めたガノトトスの素材だけでも数十億はくだりません。
    その内から幾らか分配するだけでも あなた方の借金は返済することができます。」

    シロコ:
    「・・・主導権は誰にも渡しちゃいけない。 それは魂を売り渡すのと同じ。」

    カヤ:
    「例え時間を売り渡しても?」

    シロコ:
    「ん。」

    カヤ:
    「なるほど。」

    少しの間 二人は沈黙した。

  • 123二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 00:25:23

    >>122

    >>カヤ:

    >>「例え時間を売り渡しても?」

    …まさか…

  • 124ホットドリンク大好き25/05/26(月) 00:28:33

    カヤ:

    「─── ガノトトスに限らず、本来であれば竜が この海域に現われることは まず ありません。」


    シロコ:

    「?」


    話題を探るような、それでいて独り言のような言葉にシロコは耳を傾けた。


    カヤ:

    「<古龍渡り>が起こっている可能性があります。

    そしてそれが事実なら・・・もっと大きい獲物が出るでしょう。」


    カヤの視線がシロコへと向かう。

    穏やかな、幼子を祝福する年長者の顔をしていた。


    カヤ:

    「<緊急討伐>には それなりの高給が支払われます。

    レンガ(数千万)程度ですが、少しは足しになるかと。 ・・・こちらは受け取って頂けますか?」


    シロコ:

    「・・・ん、問題ない。」


    話は それで終わりだった。 特に接点のない二人だったが、同じように海を眺めた。

    晴れた青空の下、穏やかな海が力強く呼吸をしている。 潮風が耳の中でゴウゴウと渦を巻いた。 どこからかカモメの鳴き声もする。


    シロコの釣り竿に獲物が掛かった。

    暫くの格闘の後、いざ釣り上げるシロコ。 横には水揚げ用のワイヤークリップを構える防衛室スタッフが待機している。

    ・・・水揚げされたのは<カジキマグロ>だった。


    ────────────────────

  • 125ホットドリンク大好き25/05/26(月) 00:33:37

    >>123

    ごめん、意味深な言葉遣いしてるけどバイトの話してるだけ。 ホラ、基本時給制だと思うから・・・。


    (|) <「貴重な青春をバイトで食い潰すつもりですか?(意訳)」


    シロコ「それでも他人に魂を売り渡すよりはマシ。(意訳)」

  • 126二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 00:41:55

    >>125

    サクラコ「言葉遣いって難しいですよね。」

  • 127二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 07:25:46

    >>126

    (I)「全くその通りですね」

  • 128二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 15:06:07

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 22:13:07

    カジキマグロしか釣れない神秘があるかもしれない…
    …いや流石にそんなピンポイントな神秘はないか…
    …ないよね?

  • 130ホットドリンク大好き25/05/26(月) 22:19:13

    だってシロコ(水着)のEXスキルで、本来いるはずのない沿岸部でカジキ釣るし・・・。

  • 131ホットドリンク大好き25/05/26(月) 23:14:43

    ====================


    過去の失態が明るみになったハルナに強面で迫っていたカンナだったが、やがて無駄だと悟ると深い溜息をついてハルナの肩から手を離した。


    カンナ:

    「・・・まったく。

    何とかなったから良かったものを・・・。」


    ハルナ:

    「ふふっ、原住民の方々が薬を分けて下さらなかったら本当に死んでいたかもしれませんね。

    最も、美食の為に死すのであれば本望ですが。

    あの方達は今も あの山脈に住まわれているのでしょうか。 あの───<古のもの>達は。」


    コノカ:

    「ん?」


    カンナ:

    「なんだ知らないのか?

    最近 奴らは あらゆる場所に進出してきているぞ。

    この前なんか下水道の底あたりでバッタリ会った。」


    コノカ:

    「んん??」


    ハルナ:

    「あら、そうだったのですか。 お元気そうで何よりですわ。」


    カンナ:

    「連中ときたら無許可で下水道に意味の分からん生き物を放とうとしててな・・・。

    新型の<蠢く肉塊(スライム)>だか何だか知らないが、こちらが把握していない場所に怪物を放とうとするのは どうにかならないのか・・・。」

  • 132ホットドリンク大好き25/05/26(月) 23:16:38

    ハルナ:

    「研究熱心で良いではありませんか。

    ところで、その<蠢く肉塊(スライム)>は食用ですか?」


    カンナ:

    「・・・汚水処理用の生物だ。

    下水道で見かけても絶対口にするなよ? 細菌と寄生虫の宝庫だぞ。」


    ハルナ:

    「しかし・・・調理次第では───」


    カンナ:

    「連中に金を払えば汚水を吸う前のヤツが手に入るから、そっちを食え。

    ・・・奴らは他にも多種多様な珍しい生物を取り扱っているぞ? カヤも顧客の一人だそうだ。」


    ハルナ:

    「なるほど。 それは良いことを耳にしました。」

  • 133ホットドリンク大好き25/05/26(月) 23:17:33

    まるで古い共通の知人の話題かのように、二人は平然と話を進める。

    それに対して、コノカはう~んと唸って考え込んでいた。


    コノカ:

    (<古のもの>ってUMAというか・・・宇宙人だったような・・・。)


    少なくとも、オカルト雑誌などでは そういう扱いだった。


    コノカ:

    (う~ん。)


    本当なら世紀の大発見だが、防衛室長であるカヤが伏せている以上、公表すると不味い事実なのだろう。

    先方が公の存在になることを拒んだか、あるいは何か あるいは誰かから存在を隠しているのか。

    そんな機密情報が、こんな場末の、しかも特級の爆弾が付いていると思われる飲食店で公然と話題に上っている。


    コノカ:

    「・・・ま、いっか。」


    しばらく考えた後、コノカは思考を放棄した。

    だって姉御のすることが滅茶苦茶なのは いつものことなのだから。


    こうして、コノカは正気度喪失のアイデアロールを避けることに成功したのだった。


    ====================

  • 134二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 02:14:08

    聞いてた場合のSAN値はどうなっていたんだ…??

  • 135二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 08:11:34

    >> 姉御のすることが滅茶苦茶なのは いつものことなのだから。


  • 136二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 12:09:12

    あげ

  • 137二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 12:21:17

    (シロコが釣ったマグロのから)あげ

  • 138二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 16:33:36

    >>137

    ん、おいしそう…

    ご飯と一緒にたべたいね

  • 139二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 18:39:12

    >>138

    (|)「防衛室スタッフにお米を用意してもらいましょう」

  • 140ホットドリンク大好き25/05/27(火) 22:38:54

    >>134

    手元の神話生物図鑑によると、<古のもの>との遭遇による正気度喪失は0だった・・・。


    でもCopilotのエリンは1D6~1D20が妥当だって言ってるから、ダイス振るならそうしてたかな。

  • 141ホットドリンク大好き25/05/27(火) 23:10:01

    一通り釣りを終えた連邦生徒会(非番)勢力が遭遇したのは───


    1.水着スケバン

    2.幻の泉脈を探す硫黄の鉱夫たち

    3.敗者を破滅に導く白い耳の怪物たち

    4.全てに対価を要求する玄武の使者たち

    5.片っ端から喧嘩を売って回るヘルメット団

    6.お祭り運営委員会


    dice1d6=6 (6)

  • 142ホットドリンク大好き25/05/27(火) 23:40:10

    ────────────────────


    カヤ:

    「───お初に お目に掛かります、お祭り実行委員会の皆さん。 あぁ、抵抗は しないで頂きたい。」


    シズコ:

    「この状況で!?」


    シズコ達 お祭り実行委員会は、無数の防衛室スタッフに周囲を囲まれていた。

    上空にはヘリやドローンが飛び回り、砂浜からは<RAY>を代表とした機動兵器が次々と上陸してきている。

    更には船着き場を占領する、島と見紛うほどの巨大な金属のトカゲ。 変形した新型戦艦が揚陸してきていた。


    これで抵抗する方も抵抗する方だが、突然来て突然包囲されたのでは警戒せずにはいられない。

    おまけに360°を超えて、陸から上空から海岸からと四方八方から無数の火器で狙われているのに どうして心穏やかでいられようか。


    カヤ:

    「何も問題はありません。

    ただ、我々の指示に従って全ての情報を話して下さればそれで良いのです。

    何も心配は ありません。

    さぁ、ですから抵抗はしないよう。」

  • 143ホットドリンク大好き25/05/27(火) 23:41:03

    ウミカ:
    「あの・・・何か人違いをされているのでは・・・?」

    イズナ:
    「お、お二人には指一本 触れさせません・・・!!」

    アナウンス:
    『抵抗を止めて、投降せよ。』

    アナウンス:
    『抵抗を止めて、投降せよ。』

    アナウンス:
    『抵抗を止めて───』

    シズコ:
    「あぁ、もう! うるさいなぁ!! 私達、何か悪いことしたぁ!?」

    カヤ:
    「それを確かめる為に私はここに居るのです。 ですから、さぁ こちらへ。」

    シズコ:
    「いや、それ護送車!! 事情も分からないのに乗るワケないでしょ!!?」

    カヤ:
    「あぁ、可哀想に。 混乱しているのですね?
    大丈夫、我々が保護します。 ですから ひとまずこちらへ───さぁ。」

  • 144ホットドリンク大好き25/05/27(火) 23:41:40

    シズコ:
    「い・や! 無理やり乗せられると思ったら大間違いなんだからね!!
    あなた達もウチの営業妨害しに来たんでしょ!?」

    カヤ:
    「おや、興奮させてしまいましたか。
    しかし、問題ありません。 ───直ぐに、落ち着くでしょう。」

    シズコ達が銃を構え、カヤが一斉掃射の合図として腕を振り上げようとした その時。

    ”ちょっと待った!!”

    カヤ:
    「・・・おや。」

    先生の声が響いた。

    ────────────────────

  • 145二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 03:38:54

    おやおや?

  • 146二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 08:34:08

    交渉開始?

  • 147二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 11:36:05

  • 148二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 18:21:29

    (シロコが釣ったマグロの竜田)あげ

  • 149ホットドリンク大好き25/05/28(水) 23:02:44

    (|) < 「ホラ、シロコさん。 有志の方がカジキマグロを美味しく調理して下さっていますよ。」

    シロコ「・・・ゴールドマグロ、釣れなかった。」

  • 150二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 03:28:09

    >>149

    カジキも安くはないけど流石に数千万単位のマグロを周りが釣っていたらね…


    ゴールドマグロとカジキマグロで食べ比べしそう

  • 151二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 07:32:47

    食べて元気出すんだシロコちゃん!

  • 152ホットドリンク大好き25/05/29(木) 10:10:26

    ────────────────────


    真っ暗な部屋の中、卓上のロウソクに火が灯される。

    ロウソクの炎が膨らむと、暗闇の中に丸い机を囲む面々が浮かび上がった。


    カヤ:

    「─── 貴方の 仰りたいことは分かりました。 先生。

    つまり、お祭り運営員会は被害者であり、黒幕は他にいると言いたいのですね?」


    ”うん。 だから ここは手を取り合えないかな?”


    カヤは隣に座るリンの方を見た。

    それは餌を前に<待て>されている猟犬の様子に似ていた。


    リン:

    「・・・我々としては手を取り合うのは構いません。 むしろ ありがたいくらいです。」


    GOサインが出た。

    カヤは先生の手を取る。


    カヤ:

    「貴方に助力頂けるのであれば、これほど心強いことはありません。

    共に、ロストリゾートパラダイスに潜む黒幕を見つけ出しましょう。」


    ワカモ:

    「カヤさんの仰る通りです。

    あなた様が望むのであれば、リゾートの砂浜全てを赤く染めて見せますわ♡」

  • 153ホットドリンク大好き25/05/29(木) 10:11:09

    リンは先生に群がる2匹の大型犬を幻視した。
    人間としての柵があるので席に座っているが、もし本当に犬であったのなら きっと飛び掛かって じゃれていただろう。
    現にワカモの尾は、その昂る感情を表すかのように揺れていた。

    リオ:
    「・・・ところで、どうして部屋を閉め切って暗くしているのかしら?
    周囲はスタッフで固められているし、盗聴対策だとしても合理的では無いと思うのだけど・・・。」

    イズナ:
    「? 密談といえば暗い密室ですよね??」

    リオ:
    「そうなの・・・?」

    イズナ:
    「忍者の常識です!」

    リオ:
    「なるほど・・・これが百鬼夜行の伝統的なスタイルなのね・・・。」

    リオは変な常識を覚えた。

  • 154ホットドリンク大好き25/05/29(木) 10:11:59

    リン:

    「・・・騙されないで下さい、リオさん。

    彼女達は<密談っぽい>雰囲気を楽しんでいるだけです。」


    リオ:

    「・・・そうなの?」


    ウミカ:

    「私はそういうことだと思ってました・・・。

    まさかこれが忍者の伝統的なスタイルだったなんて・・・。」


    リオ:

    「つまり・・・一般的な百鬼夜行の生徒でも知り得ない。

    それだけの機密性があるスタイルだということね・・・。」


    リン:

    「話を ややこしくしないで頂けませんか・・・?」


    百鬼夜行連合学院の伝統に対するリオの誤解は、シズコが真顔で否定するまで続いた。


    ────────────────────

  • 155二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 10:13:15

    リオリオちゃん天然w

  • 156二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 15:46:32

    (から)あげ

  • 157二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 19:40:56

    リオ:
    「それにしても・・・からあげ美味しいわ・・・。」

  • 158二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 22:28:09

    このレスは削除されています

  • 159二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 22:32:55

    >>157

    今は水着イベント中だから多分リオも今は水着姿なんだろう

    …この水着を着ているかは分からんが

  • 160ホットドリンク大好き25/05/29(木) 23:18:34

    一応、合理性からミレニアムのスクール水着 着てるって設定だけど、パッと思いつくミレニアム生の水着がエイミのしか出てこんから、もしかしたら そういうのかも知れんし、シロコタイプのエグいやつかも知れんし、普通に現代風のスク水かも知れん。


    ミレニアムの制式水着って出てきてたっけ?

    出てきてないならミレニアムの制式水着が原作で観測されるまでワンチャン>>157も有り得るシュレディンガーのリオなんだけど・・・。

  • 161二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 23:22:52

    困った
    原作で水着着てるのがエイミしかいない

  • 162二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 23:24:16

    一応スピンオフでユウカがスク水着ていたが…
    学校指定かまでは分からん…

  • 163二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 23:25:01

    シュレディンガーのリオ状態…

  • 164二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 00:31:53

    つまりこう?

  • 165ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:00:59

    ====================


    カンナ:

    「─── そうして、我々は洞窟を見つけた。

    そこは<古のもの>共の都だったものへの入り口であり、そして<古のもの>の口から直接語られた<オートミート>の在処でもあった。」


    コノカ:

    「(ゴクリッ)・・・。)」


    ハルナ:

    「ここで私は ようやく蓑虫から人に成りました。」


    カンナ:

    「・・・そうだな。

    移動中 手荷物は全てカヤ持ちだったし、帰りも再び蓑虫になる運命だったが、確かに当時は辛うじて人だったな。

    ・・・もっとも、下って行ったら直ぐにバテて また私が負ぶるハメになったが。」


    ハルナ:

    「・・・あまりその お話は・・・その・・・。」


    コノカ:

    「(ドキドキ)・・・。」

  • 166ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:01:27

    カンナ:

    「・・・話を戻そう。

    我々が下った洞窟・・・いや地下通路の先には想像を絶する巨大な都があった。

    ハチの巣・・・が私達が知っているもので一番近いだろうか。

    地下空間の底を削り取ったようなその都は、今や無数の<古のもの>達の墓場と化していた。

    ハチの巣の穴に無数の蜂の子がいるように、かつて<古のもの>が暮らしていたであろう一つ一つの穴に、その亡骸が埋葬されているようだった。

    そこで我々は確かに聞いた。

    『テケリ・リ。 テケリ・リ。』

    それは その地下世界に住まい、翼も色も目も退化してしまった鳥の鳴き声だった。

    しかしここで妙なのは、その鳴き声が異常に大きいことだ。

    しかも、翼のない鳥が辿り着けるはずのない頭上から聞こえてくる。

    ここで我々は頭上を見上げた。

    そこでは藻のように深い緑色をした巨大な肉塊が、無数の橙色の瞳を こちらに向けていた・・・。」


    コノカ:

    「ひぃ・・・。」


    カンナ:

    「─── 問題は調理方法だった。」


    コノカ:

    「うん?」

  • 167ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:02:00

    カンナ:

    「現われた怪物、<ショゴス>は変幻自在の肉体を持っているし、何より下手なダメージでは直ぐに回復してしまう。

    我々は ゆっくりと時間を掛けて、確実に<ショゴス>を調理していった。」


    コノカ:

    「あの・・・まさかとは思うっすけど<オートミート>って・・・。」


    カンナ:

    「そう、そうして手に入ったのが<オートミート>。 どんな肉質にも変化する魔法の肉だ。」


    コノカ:

    「うわぁ・・・聞きたくなかったかも・・・。」


    ショゴスの大まかな外見をオカルト雑誌で知っていたコノカは若干吐き気を催した。

    思わず口元を手で押さえる。


    カンナ:

    「・・・コノカ。 今こそ真実を伝えよう。」


    コノカ:

    「はい??」


    変に真剣な表情で自分を見つめる姉御に嫌な予感がして、思わず目が引き攣る。

  • 168ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:03:11

    カンナ:

    「前に お前が面白がって食べていた購買の<謎肉カップ麺>あったな。

    私が『よく食べられるな、そんなもの』といってた例の・・・。」


    コノカ:

    「あっ、ちょっと待って下さい。 それ以上は ちょっと言わないで欲しいというか───」


    カンナ:

    「あれは品種改良に成功した<ショゴス>の肉だ。

    安価で、尚且つ栄養価にも優れているので、我々が作戦中に口にする<行動食>の原材料にも選ばれている。」


    コノカ:

    「・・・うぇ。」


    コノカは思わず嘔吐いた。

    その背中をハルナが優しく擦る。


    ハルナ:

    「大丈夫ですよ。

    見た目こそアレですが、<オートミート>は優れた食材です。

    きっと貴方もいつか理解できるでしょう。

    美食の優劣を決めるのは、見た目でも匂いでも、果てには味ですらなく、作り手の料理に対する真摯な愛と、何より食べる貴方の心の持ち様だと。」

  • 169ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:04:17

    カンナ:

    「・・・こんなものは序の口だ。

    世の中には知らないことが良い方が多すぎる。

    我々が何を食べ、足元に何があり、頭上に何があり、何を利用し、何に利用されているのか。

    ・・・どうする? 今からでも全てを忘れてしまうか?」


    カンナは白い錠剤の入ったパックを取り出した。

    パッケージには、確かに<記憶処理剤>と書かれている。


    コノカ:

    「・・・。」


    コノカは迷わずそれを押しのけた。


    コノカ:

    「・・・あんまり舐めないで下さい。

    ─── どうあっても、私は姉御に着いていきます。」


    カンナ:

    「フッ、そうか。 それは悪かったな。」


    カンナはニヤリと少し嬉しそうな表情を浮かべた。

  • 170ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:05:14

    カンナ:
    「貴官の決断に敬意を表そう。 さて───」

    カンナが席を立つ。
    すると次の瞬間、その動向を注視していた店員が、一斉に隠していた銃器を向けた。

    銃声が響く。

    カンナ:
    「───なるほど、確かに殴り飛ばすより楽だ。」

    果たして立っていたのはカンナだった。
    手にした第17号ヴァルキューレ制式拳銃が硝煙の匂いを撒き散らし、先制攻撃を仕掛けたはずの後ろ暗い店員達が倒れる。

    カンナはコノカ達の方に振り返った。
    その目に先程までの理知的な光はなく、ただ暴力的な狂気だけが渦巻いている。

    カンナ:
    「”着いてこい”。 」

    コノカ:
    「は、はい・・・!」

    コノカ達はカンナの後に続いて店の奥へと消えていった。

    ====================

  • 171ホットドリンク大好き25/05/30(金) 01:05:50

    >>164

    たぶん、だいたいそう。

  • 172二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 03:38:02

    >>164

    ヱ駄氏

  • 173二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 12:52:33

    カンナ「狂気の沙汰ほど面白い」

  • 174二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 19:26:19

    リオ:

    「<謎肉カップ麺>…味は美味しいわよ。」

  • 175ホットドリンク大好き25/05/30(金) 21:47:34

    謎肉カップ麺のパッケージ:
    「これの原材料は大豆ではありません。 ご了承の上お召し上がり下さい。
    (本製品の原材料に対する お問い合わせは一切 受け付けておりません。)」

  • 176ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:32:51

    ────────────────────


    <先生達との話し合いを終えて・・・>


    カヤ:

    「・・・リン。」


    リン:

    「・・・何ですか、カヤ。」


    カヤ:

    「やはり、この群島は お祭り運営委員会に売却してしまった方が宜しかったのでは?」


    リン:

    「ダメです。

    正式に議案として通った売却案ならともかく、勝手に売却された権利を認めるわけにはいきません。

    それを認めることは、連邦生徒会の存在を否定するのと同じです。」


    カヤ:

    「そうですか。

    相変わらず不器用で可愛いですね、リンは。」


    リン:

    「・・・。(嫌そうな顔)」

  • 177ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:33:22

    カヤ:
    「それはさておき、先の話し合いの結果を振り返りましょう。
    我々は先生と別行動。
    先生と お祭り運営委員会の皆さんが”穏当に”不法占拠グループの退去を願い、我々は話が通じなさそうな方々を”強制的”に排除する。
    ・・・間違いありませんね?」

    リン:
    「えぇ、それで構いません。
    今回ばかりは貴方に頼ることになります。」

    カヤ:
    「おやおや、貴方に そう言って頂けるとは。
    かつて、頑なに私の やり方を認めようとしなかった貴方に。
    石の上にも三年とは良く言ったものです。」

    リン:
    「・・・私が石だと?(ギロッ)」

    カヤ:
    「えぇ、素敵ですよね。 石。」

    リン:
    「・・・(溜息)。」

  • 178ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:33:58

    カヤ:

    「ところで、やり方は私に一任して頂いても?

    出来れば強制的に退去させた不法占拠者の資産を押収して、穏当に退去して頂く方々の退去費用などに回したいのですが・・・。」


    リン:

    「却下します。

    例えオフとはいえ、貴方は連邦生徒会の防衛室長です。

    <以前の貴方>のような略奪行為は認められません。」


    カヤ:

    「おやおやおやおや・・・それは困ってしまいました。

    <縄張り争い>は<かつての私>の十八番だったというのに。

    ・・・少し、やり方を変える必要が出てきたようですね。」

  • 179ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:34:40

    ???:
    「ふっふっふっ・・・お困りのようだね。」

    カヤの後ろから不意に人影がニュッっと現われた。

    カヤ:
    「おや、ホシノさん。
    何やら先程から聞き耳を立てているとは思っていましたが、何か名案が?」

    ホシノ:
    「・・・うん。 気付いてたとしても言わないで欲しかったかな。
    ・・・まぁ、いいや。
    話は聞いたよ? 貴方の やり方じゃ、代行ちゃんは満足させられないみたいだね。」

    カヤ:
    「そのようです。
    私はただ、暴力で全てを略奪しようとしただけなのですが・・・。」

    リン:
    「・・・(頭痛を堪えるような仕草をする)。」

  • 180ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:39:31

    ホシノ:
    「・・・それはダメ。
    『暴力に頼ることが当たり前になっちゃうのは いけないこと』だよ。
    ─── ・・・だから、ここは おじさんに任せてくれないかなぁ。」

    カヤ:
    「おや、貴方が指揮を執ると?」

    ホシノ:
    「そ、面倒だけどね。」

    カヤはリンの方に視線を向けた。
    リンは少しホシノに値踏みするような視線を向けた後、カヤに視線を戻して深い溜息を付いた。

    リン:
    「・・・(溜息)。
    まぁ、カヤの暴走を許すよりはマシでしょう。」

    カヤ:
    「これは手厳しい。」

  • 181ホットドリンク大好き25/05/30(金) 23:40:27

    ホシノ:

    「よぉ~し、それじゃ皆これ被ってね~。」


    ホシノは何かを二人に手渡した。


    リン:

    「・・・これは?」


    ホシノ:

    「覆面。 (ゴソッ)急いで用意したからナンバーは付いてないけどね。」


    ホシノは自ら覆面を被って繋がりを示した。

    それは<覆面水着団>の正装だった。


    カヤ:

    「なるほど、共通の装備を身に付けることで団結を高めるのですね?」


    ホシノ:

    「お、分かってるね~。 やっぱり、悪いことするなら形から入らなきゃ。」


    リン:

    「・・・。」


    リンは人選を間違えたことを悟った。


    ────────────────────

  • 182二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 04:35:54

    ???「リンちゃんのミスでした」

  • 183二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 11:56:57

    朝あげ

  • 184二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:22:50

    次スレ?

  • 185ホットドリンク大好き25/05/31(土) 20:26:12
  • 186二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:27:45

    見てる分には面白いから
    まあスレ主に任せる

  • 187ホットドリンク大好き25/05/31(土) 22:58:11

    取り敢えず原作メインストーリー最新まで意地でも完走するつもりだから、もう暫く付き合ってくれよな。

  • 188二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 04:53:30

    >>185

    >>187

    建て乙

  • 189二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 05:15:09

  • 190二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 15:00:15

    埋めがてら水着カヤを…

  • 191二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:03:35

    埋めがてら水着カヤを…その2

  • 192二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 03:04:07

    梅干し

  • 193二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 11:21:48

    埋めがてら水着カヤを…その3

  • 194二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:54:06

    埋めがてら水着カヤを…その4

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