本当なんだってばー！｜あにまん掲示板

1SAN値⭐︎ピンチ⭐︎22/04/01(金) 11:12:59

「学園の壁にこーんなにおっきなクモがいたの！」

珍しく早起きをした同室の友人──ハルウララが帰ってくるなりそんなことを報告してきた…時計を見やると今日は4月1日…つまりこれは彼女なりのエイプリルフールなのだろう

「それにしたって学園の壁を覆うような大きさのクモなんているわけないでしょう？早起きしたからって寝ぼけすぎよ…」

私──キングヘイローは微笑半分呆れ半分に彼女の冗談を受け流す…すると彼女は頬を膨らませて

「むー…それじゃあ一緒に見に行こう！」

「は？えっちょっとウララさん！？」

こちらの手を引っ張り外へと駆け出した

2二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 11:13:47

これはいい始まり

3SAN値⭐︎ピンチ⭐︎22/04/01(金) 11:13:57

【トレセン学園某所】

「もー、どこまで行くのよ…そろそろ食堂が開く時間よ？」

「もーちょっともーちょっと！えへへ♪」

私の手を握りながら先導していく彼女の姿を見ながら呆れながらもまぁたまにはこの子の可愛らしい嘘に付き合うのも良いかとも思っていた

「とーちゃーく！ほら！あそこだよ！」

「ふふ、どれどれ？」

目的の場所に着いたのだろう、ハルウララは学園の壁を指差し視線を向けさせる…私はその姿を微笑ましく思いながら彼女の示す方を──見た

そこには何もいない…否、何もいないはずだ…だというのに私の眼はそこから逸らすことが出来ない…それどころかいないはずのモノに私の眼は勝手に焦点を合わせようとしている

首筋を冷たい汗が伝う、背筋に怖気が走る、今すぐに友人の手を取り駆け出して逃げたくなる──だが私の脚(本能)はそこから動くなと警鐘を鳴らす

やがて───焦点が合う…合ってしまう…

それはクモだった───否、クモのようなナニカだった…彼女がクモと見間違えたのもわかる気がする…何しろソレの手はたくさんあり眼もたくさんあった

だがアレはクモではない断じてない身体から伸びる腕の先の手の指が6本あるなど有り得ないし眼もクモのように規則的な並びではなく不規則無秩序なもの…何より学園の屋根から壁にかけてを覆うように張り付くような生き物はクモに限らず存在しないはずだ