- 1二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 17:50:14
闇堕ちしたお姉ちゃんを見てみたい気持ちはすごい分かるけど、結局どこまで行っても解釈違いになっちゃうんだよね。
闇堕ち咲季FAを見る度に「うおおお闇堕ち咲季だ!」ってなるけど、心のどこかで「言うはずがないだろうそんなことを!あの花海咲季が!!」って言ってる花海咲季厄介オタクの自分がいる。
ということで解釈違いを起こさないように闇堕ち咲季を作る方法を考えてきました。
学Pが咲季を担当する世界線で学Pとのデート中に花海咲季の厄介ファンに遭遇し、「浮気だ!」と発狂したファンが学Pをナイフで滅多刺しにする。その後学Pは病院に運ばれ延命治療で2日だけ生きた後に絶命。その間咲季は寝たきりの学Pの傍に寄り添い続ける。
そしてその間、夢現状態の学Pの意識が少しだけ覚醒する。咲季は学Pに必死しに話しかけるが、学Pにその声は届かない。起き上がる力もない学Pは仰向けに寝たままボソボソと何やら呟き始める。そしてそれは花海咲季の今後のプロデュース方針だった。冥府の淵を彷徨いながらもなお、学Pは花海咲季をトップアイドルにしようとしていた。風音よりも小さい途切れ途切れの掠れ声によって紡がれる花海咲季のプロデュース計画を、咲季は一言一句漏れなくメモする。そして必ずトップアイドルになることを誓う。 - 2二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 17:51:13
その後、周囲(特に佑芽)には苦悩を隠し気丈に振る舞い、今まで通り、あるいは今まで以上にストイックに努力を重ねる咲季。実際、ボーカルダンスビジュアルは今まで以上に磨きがかかりその人気は更に上がっていく。
しかしある日、佑芽とのライブ勝負にて完敗する。向上したボーカルダンスビジュアルの技術はスペックの怪物花海佑芽のそれには届かなかった。そして今までの花海咲季が放っていた「アノマリー」の輝きは気づけば失われていて、そこには笑顔も志もファン達への思いも、全てハリボテの本当の意味で偽物のアイドルがいた。
それからは少しづつ、今まで貼っていた「国民的アイドル花海咲季」のメッキが剥がれていく。そして、そのメッキの下にはかつて賀陽燐羽がその方がステキと称した魅力的な何かはない。花海咲季は、トップアイドルという学Pとの約束と花海佑芽に勝たなければならないという使命に呪われた中身のない傀儡に成り下がっていた。 - 3二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 17:51:41
ある日のライブで会場に集まった咲季のファンのうちの一人が、あの日学Pを刺したあの男に見えた。もちろん実際にはそんなことはなく、あの厄介ファンは今は刑務所の中に居るはずだ。しかし咲季には、今の上面だけ取り繕ったハリボテアイドルの自分を応援するファン達があの日のあの男とどれだけの違いがあるのかが分からなくなってしまう。そして気がつけばライブ会場にいるファン全員が、あの時の厄介ファンの男に見えてしまう。そのことに花海咲季は立ちすくんでしまう。ライブ中にも関わらず、歌うのも踊るのも止め、怯えと怒り、そして絶望を顔に浮かべ、ただただ立ちすくむ。ライブなのだから踊らなくてはならない。ファンを不安にさせてはならない。アイドルは常に笑顔でなければならない。いつだか学Pに教わったことが頭をよぎるが、一度壊れてしまったハリボテは治らない。そこで初めて花海咲季は、自信がアイドルとして終わってしまったことを悟る。
きっと今後も、ライブステージの上からファンを見ればそれらは全てあの時のあの男に見えてしまう。だから、もうアイドルはできない。心が折れた花海咲季は、それからは毎日お花のように過ごす。誰に話しかけられても言葉は耳を通り落ち、生返事しか返さない。そして佑芽に話しかけられた時だけ、偶に「ごめんなさい」とこぼす。それだけしかできない状態になってしまうんだ……。 - 4二次元好きの匿名さん25/05/18(日) 17:52:00
だけど! やっぱり花海咲季だから! 花海咲季はそこで終わる女じゃないから!
その後クラスメイトの助けとか佑芽の発破とかなんやかんやがあって、花海咲季は立ち直るんだ。それで再びアイドルやって、やっぱり佑芽にも勝って、トップアイドルになって、天国の学Pに向かって「見たわねプロデューサー! 私、ちゃんとトップアイドルになったわよ!」ってあの勝気な笑顔で吠えるんだ。
花海咲季はそういう女なんだ。