- 1二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:25:02
「…………本当にあるんだな、こういうの」
照り付ける太陽、きらきらと反射する白い砂浜、透き通るような青い海。
まさにリゾートと言わんばかりの光景ではあるのだが、そこにはあまり人が多くなく、とても静かだった。
いや、パラソルの下で耳を澄ませば、遠くから喧騒は聞こえてくる。
つまるところ、ここはプライベートビーチというやつであった。
俺が手配したわけではなく、俺が担当しているウマ娘が招待されて、俺もそれに付き添ったという形。
正直なところ、招待されたからといって、彼女が素直に海水浴を楽しもうとするのは意外だった。
トレセン学園の夏合宿みたいなケースはともかく、こういうのにはあまり興味がないと思っていたから。
本人曰く、相手の厚意を無下にしないことも淑女としての振る舞い。
そして────見せておきたいものがある、とのことだった。
「でも、すごい綺麗な海だな」
この光景は、確かに見ておかなければならない光景だと思う。
本当にここで泳いだりしても良いのか、と思ってしまうほどに美しい海。
海は何度も行ったことがあるけれど、ここまでの絶景を目にしたのは初めてだった。
今度は俺が連れて行けるくらいにならないと、と心に決める、その矢先。
「────ごめんあそばせ、少し手間取ってしまいましたわ」
背後から聞こえてくる、凛と響き渡る声。
その瞬間、ビーチの視線の全てがこちらへ、正しくはこちらの後ろへと集まるのを感じた。
まあ、彼女の水着姿となればそうもなろう、と心の中で苦笑しながらも俺は振り向く。
そして、目を奪われた。 - 2二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:25:15
「しつこい『虫』が多かったの、まあ、少し『力』を示せば、すぐに遠ざかって行きましたけれど」
それを見た瞬間、自分の見識はどれほどまでに浅かったかを思い知らされた。
今、俺の目の前に広がっている光景こそが、本当の意味で『絶景』なのだとわかったから。
鹿毛のドーナッツヘア、真紅に輝く宝石のような瞳、幼さを残り愛らしい顔つき、ハート型の髪飾り。
担当ウマ娘のジェンティルドンナは────黒いビキニ姿で悠然と立っていた。
圧倒的なまでのプロポーション、切れ込みの深い大胆過ぎるほどの水着。
それでいて立ち姿は上品の一言で、その一切の無駄のない理想的な肉体も相まって、芸術品のよう。
真に美しいものを目にした時には、語る言葉を失ってしまうものなのだと、初めて理解した。
「……あら、どうかされまして?」
「……!」
気が付けばジェンティルは目の前に居て、怪訝な表情でこちらの顔を覗き込んでいた。
視線を少し下にズラせば、豊満という言葉すら足りないほどに深々としてる谷間。
その迫力ある山脈に見入ってしまいそうになり、慌てて視線を逸らした。
「ごめん、ちょっと見惚れてしまって」
「ほほほ、それはそれは…………けれど、レディーに対するマナーがなっていないのではなくて?」
「……えっ?」
ジェンティルは、少しだけ厳しい表情を浮かべていた。
何か忘れていただろうかと思考を巡らせて、すぐに、その表情の理由へと辿り着く。
確かに、マナーがなっていないと言われても仕方がない。
心の中で自省をしつつ、再び思考をフル回転させて何とか言葉を絞り出す。 - 3二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:25:26
「水着、とても綺麗だ、この場では何よりもキミが美しい、きっと海も嫉妬するだろうね」
「及第点、と言いたいところですけど、感想が遅かったのは減点ですわね?」
「それはごもっとも、その内挽回させてもらうよ……あっ、そうだ、一つだけいいかな」
「ええ、よろしくてよ」
「今後、その水着で動く時は必ず俺も付き添わせて、キミの『虫』をさせるのはあまりにも忍びないからね」
「……」
一瞬だけ、きょとんとした顔になるジェンティル。
やがて、くすくすと嬉しそうに、少女のような愛らしい微笑みを見せた。
「合格点……ふふっ、言われちゃった」 - 4二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:25:40
「それじゃあ、海を楽しもうか」
そう言ってから、俺達は何をするんだろう、と考えてしまった。
浅瀬でぱちゃぱちゃ遊ぶ、というのはあまりにも想像し難い光景。
じゃあひたすら泳ぐ、というのも、このプライベートビーチという場においては浮いてしまいそうだ。
……事前に、こういう時の振る舞いはリサーチをするべきだったな。
情けない限りであるが、ジェンティルに任せるとしよう、そう思った瞬間だった。
「トレーナー、一つ頼んでも良いかしら?」
「あっ、ああ、俺に出来ることだったら、何でも言ってくれ」
「……そう」
ジェンティルは、口角を吊り上げる。
それはまるで、罠にかかった獲物を見つけたかのような、獰猛な微笑み。
背筋にぞくりとするものを感じるものの、その正体を俺は掴むことが出来なかった。
そして彼女はおもむろに────水着のトップスの紐をするりと解く。
「えっ……?」
それを見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
凍り付いたように固まっている俺の目の前で、ジェンティルはさも当然のようにうつ伏せで寝転がる。
眼下に晒される、砂浜のように白くキメ細やかな肌と、滑らかなボディライン。
そして、うつ伏せになったことにより地面に押し付けられた胸は、背中越しからでも圧倒的な存在感を放っている。
彼女は揶揄うような表情でこちらに視線を向けると、手に持っていた小さなチューブを差し出した。 - 5二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:26:29
「日焼け止めをまだ塗っておりませんの……塗って、くださるわよね?」
「……っ!」
「それとも、出来ないのかしら?」
断るという選択肢は、即座に潰される。
一度言った言葉を翻すことも、彼女に屈することも、俺には許せなかったから。
「いや、やるよ」
「ふふっ」
再び、楽しげに微笑むジェンティル。
そんな彼女から日焼け止めを受け取って、手のひらへとクリームを出す。
鼻先をくすぐる、華やかで力強く、それでいて気品に溢れる甘い香り。
まさに『貴婦人』ぴったりだな、そう思いながらもそれを両手で引き延ばしていく。
「……触るよ」
「……ええ、どうぞ」
声をかけると、ジェンティルの尻尾がゆらりと揺れる。
それは余裕の表れなのか、それとも僅かに零れ落ちた緊張なのか。
わからぬまま、俺は陶磁気のようなすべらかな肌へと手を伸ばして、遂に触れた。 - 6二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:27:01
「ん……っ」
小さな吐息が、ジェンティルから漏れる。
手のひらで触れた彼女の背中は、その完成された筋肉に反して、とても柔らかかった。
とある有名な格闘家の肉体はトップモデルと同じくらいに柔らかい感触がした、という話を聞いたことがある。
これは、そういう話なのかもしれない。
手のひらに吸い付くような瑞々しさ、それでいて水滴を弾きそうなほどのハリの良さ。
そして、じんわりと伝わってくる熱は妙に生々しく、緊張が高まってしまう。
深呼吸を一つ、俺は彼女の背中へと、手のひらを這わせていった。
「あ……うん…………貴方、少しだけ手つきが乱暴ではなくて?」
「あっ、ごっ、ごめん!」
「乙女の柔肌に触れているのよ、もっと丁重に、扱ってくださるかしら?」
言葉とは裏腹に、怒っているという感じの顔ではなかった。
貴方になら出来るでしょう、そんなある種の期待と信頼に満ちた表情。
そんな想いを向けられたのだから、応えてみせなければ、彼女のトレーナー失格だ。
高級品を扱うように丁寧に、粉雪に触れるように慎重に、咲き誇る花を包むように優しく。
ゆっくりと時間をかけて、隅から隅まで丹念に、ジェンティルの背中へと日焼け止めを広げていく。
「んん……は……やっ…………はぁ……ふぅ…………ええ、お上手よ…………あ……っ」
「……」
少しずつ、ジェンティルの声が甘さを帯びていくようになる。
肌もうっすらと赤みが差しているように感じられ、伝わる熱も高まっていた。
ドクンドクンと鳴り響く心臓、彼女から発せられる甘美で妖艶な色気に、周囲の視線は集中していく。
これは、まずいのではないだろうか。
こんな彼女の姿を衆目に晒してしまうのは、良くないのではないだろうか。
日焼け止めはしっかりと塗った、もう十分。
そう無理矢理判断して、俺はそっと手を離した。 - 7二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:27:24
「これで、いいかな?」
「…………そうね、背中は、十分よ」
「そっか」
ほっと安堵の息をついた、その次の瞬間────ジェンティルはごろんと寝返りを打った。
必然的に身体は反転し、俺の目の前で、黒い布地で覆われた双丘が大きく揺れる。
そして彼女は両手を上げて、蕩けた瞳を向けながら言葉を紡いだ。
「それでは、今度は前をお願いするわ」
「そ、それは」
「そして、腋の下から腕の先、鼠径部から爪先、指の一本一本から尻尾の付け根に至るまで、全部」
「……っ!」
この時、俺は不覚にも思ってしまったのだ。
そこまでやらなくてはいけないのか、ではなく、そこまでしても良いのか、と。
不埒な思考は、ジェンティルの真っ赤な双眸によって、あっさりと見抜かれてしまう。
彼女はとても愉しげな、悪戯っぽい微笑みを浮かべた。 - 8二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:27:38
「言ったでしょう、見せておきたいものがあると」
「……海のことじゃ、ないのか?」
「あら、ご自身で仰ったことをもう忘れたのかしら、この場の何よりも美しい、のでしょう?」
言葉ともに、ジェンティルの両手が伸びてくる。
その両手は俺の後頭部へと触れて、そのまま、自身に向けてぐいっと引き寄せて来た。
鼻先に近づく愛らしい顔、甘ったるい濃厚な匂いは俺の理性が激しくかき乱す。
そして、彼女は熱い息を吐きながら囁く。
「だから見せつけるの────私を、貴方に」
ちらりと、ジェンティルは視線を周囲に向けた。
海へバカンスに来ているはずの人達は、こちらへと釘付けになってしまっている。
そして彼女は俺へと視線を戻し、自信に満ち溢れた得意げな笑顔で、再び囁くのであった。
「だから見せつけるの────私達を、皆様に」 - 9二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 03:28:14
お わ り
雑談スレでちょっと出ていたネタが書いたものです 間に合わんかった
プライベートビーチくんが何したってんだ - 10二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 04:44:22
ジェントレか囲い込みされちまう〜!
- 11二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:16:59
ジェンティルのスタイルでそれやるのはもはやうまぴょいなのよ
- 12二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:20:12
よく理性保ってるな
- 13二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:22:49
こんなんハロン棒がアレしてしまうよ
- 14二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:22:58
めちゃんこ好き、悩殺されて沸騰しちまいそう
- 15二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 07:30:37
悩殺…そう、悩殺という言葉が相応しい
自分がいかに魅力的かを分かっている強者だからこそできるムーブだね - 16二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 08:45:47
えっちだ!えっちだよこれ!
でもドンナは満更でもなさそうだよ?
ほなセーフかぁ
良いSSをありがとうございます - 17二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 09:31:14
姉さんのクリスマスイベントでこうなることが示唆されてしまったからな
末永くお幸せに - 18二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 09:52:52
えっ!?衆人環視の前でドンナの前面に日焼け止めを塗る!?
- 19二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 09:56:04
- 20二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 10:11:31
- 21二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 10:14:51
- 22二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 13:24:16
他人とかではなく家の関係者や学園の関係者なのかもしれない
それならばこの見せつけもより効果的……いや効果強すぎん? - 23二次元好きの匿名さん25/05/19(月) 13:25:41
一緒にヴヴヴ3姉妹がいたら指の隙間から眺めてそう
- 24125/05/19(月) 21:52:58
婚約者候補の脳破壊が進む
水着姿だけで林檎に怒られそう
鋼の意志はトレーナーの標準装備だから・・・
こらえて
攻め攻め貴婦人は温暖化を後押しする
強者はアピールも強者なんやなって
肉体美を見せつけているだけだからセーフ
一般通過アドバイス貴婦人好き
トレーナー「できらあ!」
イメージとしては他人が持ってるプライベートビーチの招待された という感じです
まあプライベートビーチエアプなので実際どんな感じかは俺もさっぱりわかりません
どうせやるなら効率的な方が良いからね
指の隙間から見るヴィルシーナ 全力で視界を塞ぐシュヴァル ガン見のヴィブロス
- 25二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 00:41:59
前面塗りはどっからどう見ても前ぴょいじゃねえかなぁ!?
- 26125/05/20(火) 08:47:35
ただの全方位わからせだから…
- 27二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 09:36:38
全方位の中にトレーナーさんも入っているのは如何なものかと
- 28125/05/20(火) 16:06:59
そっちが一番のターゲットだからしゃーなし
- 29二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:18:02
そういやそうか
本丸を落としつつついでに回りに見せつけて外堀を埋めるという完璧な作戦だな
あれ? - 30125/05/21(水) 03:39:30
順序が逆ですね…