- 1二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 20:00:25
ハスミさんのその一言は私にとってはまさに救世主の言葉に等しかった。
テーブルの反対側には驚いたようにハスミさんをみるサクラコさんとミネ団長。つい先程までこの2人は顔を付き合わせて言い争いをしていた。そこまでならいつものことだろう。いつもこの2人はミネ団長が疑念をぶつけサクラコさんが釈明をするというある種のお約束のようなやりとりを繰り返してきた。それであればある程度やらせておけば収まるくらいのことはもう何十回も同じことを見てきた私にとって分かりきったことであった。
しかし今回は違った。なにせ今回のお題目は「1番可愛い一年生」であったからだ。何がきっかけだったかは最早覚えていない。最初は本当にただの後輩自慢でしかなかった。だが次第にどちらもヒートアップ、幸い貶し合うことはなかったが互いに譲らず主義主張をぶつけ合うばかり。いつもであれば攻めるミネ団長受けるサクラコさんの構図になるところが後輩の自慢という銃を向け合い互いにノーガードの撃ち合いを続けているのだから決着がつかないのだ。
そろそろ仲裁をすべきかと頼れる親友2人の方を見ると片やシマエナガちゃんとお喋り、片やスマホをいじっている。2人とも興味がないというか巻き込まれないようにしている。分かります、巻き込まれたくないですよね。しかしこの会のホストとしてそろそろ何かしらの暴力が飛び出しそうな空間に待ったをかけなければならない。私は覚悟を決めてカップの紅茶を仰ぎ立ちあがろうとした瞬間、ハスミさんの一声が場を止めたのだった。 - 2二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 20:08:29
おお!?
- 3二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 20:44:13
「ミネ…団長、サクラコさん、二人の言いたいことはよくわかりました。確かにハナエさんもマリーさんも二人にとっては大切な後輩でとても可愛がっているのがよくわかります。」
ハスミさんはあくまで落ち着いて言い聞かせるように話す。数多くの後輩を教え導き、数多くの問題児と対峙してきた正義実現委員会の副委員長の言葉はすっかり熱くなっていた二人をクールダウンさせていた。
「しかし、どちらかが1番ということはないのです。それぞれにとっては1番かもしれませんが、かと言って万人にとっての1番にはなり得ないのです。」
素晴らしい。私は心の中で拍手喝采をした。流石は羽川ハスミ、後で何かスイーツでも差し入れることにしましょう。
二人ともすっかりバツが悪そうな顔をして席についている。後はホストの私が締めくくり、この会を仕切り直すとしよう。
「ハスミさんの言うとおりです。それぞれにとっての
「マシロとコハル、どちらも可愛いのですから1番を決められるはずがないでしょう!」
「ええええええええ!?」 - 4二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 20:45:35
〜unwelcome school〜
- 5二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:08:54
そこからはハスミさんの独擅場だった。やれマシロはここが可愛い。やれコハルはあれが可愛い。後輩2人で自慢も2倍、とにかく2人を褒めちぎる。
ガタッ、という音を聞き恐る恐るその方へ目をやるとクールダウンしてシットダウンしたはずの2人がヒートアップしてスタンドアップしている。思わず私は天を仰いだ。このまま3人は先程のように…いや先程以上の論争を繰り広げるのだろう。そうなれば私に止める術はあるのだろうか。というかこのまま座るのは私が場を納めることが出来ないと公言するようなものだ。かと言って呆然と立ち尽くすのも良くない。親友2人は私と目を合わせようともせずに自分の世界に没頭している。いっそ無理矢理にでも話題を振って巻き込んでしまおうか。とにかく何とかしなければ、思考をめぐらせ始めた時、この論争にエントリーするものが現れた。
「落ち着け、ハスミ」
ツルギ委員長であった。 - 6二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:09:31
頼むぞツルギ委員長
- 7二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:26:31
ハスミさんとはまた違った畏怖と迫力を纏った言葉は3人だけでなくシマエナガちゃんが飛び立ち自分の世界に没頭していた者達でさえ目を向けてしまうものであった。
「ハスミ、他の2人も、このような場で言い争うべきではない。」
冷静かつ場を制す言葉は確かな力を持って争いを止めた。
そうであった、正義実現委員会委員長剣先ツルギは一度戦場に解き放たれれば圧倒的な力を持って暴れ回る凶暴性を見せるが、治安維持組織の長として激情家でもある副長を諌める冷静さを兼ね備えている。
トリニティの誇る最高戦力の一人、そのブレない確かな正義はこのような場でも発揮されるのですね。
論争が止まった今こそ私は改めてこの場を締めくくり、会を仕切り直そうではないか。そして着席しお茶を飲もう。
「3人とも、もうよろし
「マシロが1番。コハルも1番。2人とも1番。それでいいだろう。」
「ええええええええええ!?」 - 8二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:44:34
「私達がこの場で為すべき正義は2人が1番であると示すことだ。」
「そうですね、私が間違っていました。ありがとうございますツルギ。」
「お待ち下さい。先ほどからお二人はマシロさんとコハルさん以外が1番になることはない、そう仰りたいのですか?」
「結果的にそうなる。」
「それが!ハナエが1番可愛いという事実を捻じ曲げて正義を騙るなどと!それが正義実現委員会のすることですか!?」
「マリーこそ!1番可愛いと何故皆さんは理解できないのですか!?」
「コハルとマシロが1番可愛い。」
「それが私たちの掲げる正義です!」
うん、もう無理ですね。私は大人しく座ってお茶でも飲んでましょう。今までのヒフミさんの可愛いシーンを思い返して現実逃避しましょう。
お茶をカップに注ぎ口をつけようとした時、ずっと気配を消し本を読んでいたウイさんがボソッと呟いた言葉が聞こえたのは恐らく私だけだろう。だが気にせず私は脳内のヒフミさんフォルダを開き夢想していくのだった。
「1番可愛いのはシミコなんですけどね…」 - 9二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:46:43
後方腕組ウイすき
- 10二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:47:41
こういうバカな揉め好き
- 11二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:50:54
ナギちゃんはこういう胃痛ポジが似合うよね
- 12二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:53:00
ヒフミが1年生なら参加してたかもしれんがな
- 13二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 21:59:51
親バカ先輩ズはもっと増えていい
- 14二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:10:31
ミカとセイアが終始関わらないようにしてるの笑う
- 15二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:21:51
揉め事が起きているのを察知してやってくるスズミはいないのか!?
- 16二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:41:09
スズミ 「皆さん待ってください!レイサさんが1番可愛いです!」
- 17二次元好きの匿名さん25/05/20(火) 23:43:53
裏では一年たちが仲良くしてたらいいな
- 18二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 21:24:13
ヒナタは…お留守番か
- 19二次元好きの匿名さん25/05/21(水) 21:33:33
1年生も一番美人な先輩は誰かで言い争ってるよ多分