プロデューサーを誘って銭湯に行けば

「……ア？……なんでお前、こんなところに」
「いや、家の給湯器が壊れて……」
「……あんだけこき使われて、そんなボロ屋住まいなのか？ちゃんと給料もらってンのか？」
「あぁ、もらってるよ。……ルカこそなんで？」
「はぁ…………あいつらに、一回行ってみないかって。うるせぇから」
「あいつら……あぁ、羽那とはるきか。……じゃあ、これ。三人で牛乳でも飲んでくれ」
「……」
「……いや、ホントに給料はもらってるからさ。俺の懐は気にしないでくれよ」
「はぁ…………どうせ、このまま受け取らないと押し問答だろ？」
「ははっ、わかってくれると助かるよ」
「はァ～…………ほれ、さっさと行けよ、風呂」

「おっ、出てきたか」
「わ！ナイスタイミング！」
「お～……湯上りも私服もレアショットですねぇ」
「ナイスタイミング、じゃなくて……待ってたんだろ。お前、プロデューサーじゃなかったらストーカーだからな」
「ははっ、そう言わないでくれよ。……500円だと3人分に足りないな、って気付いたからさ。てっきり150円くらいだと思ってて……悪かった」
「牛乳、1本200円。……あ、もしかして『プロデューサーから牛乳オゴリ』って言って……」
「……ルカちゃんが？」
「チッ……」
「100円。補填させてくれ」
「要らない。帰るぞお前ら」
「あ、待ってよルカちゃん！」
「あの、一旦預かっておきますので……」
「あぁ、頼むよはるき」
「……ついてくんなよ。金、預けたんならよ……」
「いや、でもなぁ。流石に女の子だけで夜道を歩かせるのはマズいだろ」
「やったっ！湯上りデートだね？」
「はぁ～…………」