【オリキャラ】先生は塞翁が馬という言葉を知っているかな? 外2

  • 1二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 21:19:50

    とりあえず色々言いたいことあるけど先に言わせてくれないか?

    前スレ落とさなくてありがとう……!!!

    この感謝だけは本当に伝えたかった

    残留死別…この最後の物語をしっかりとここで終わらせます


    保守してくれた前スレ

    【オリキャラ注意】先生は塞翁が馬という言葉を知っているかな? 外|あにまん掲示板先生の話は終わったけど、まだ彼女達の話が終わってないだから今度こそ、最後まで終わらせようと思います落ちたらその時はその時、立て直しはしませんだからこそ、このスレに全て包みます落ちた前スレhttps:/…bbs.animanch.com
  • 2スレ主25/05/23(金) 21:21:50
  • 3スレ主25/05/23(金) 21:29:10

    まだ書けてないので埋めがてら前スレの簡単な内容を
    1本編完結!神(イノリ)が死ぬ!!
    2エミコ、神が居ない普通の日常を寂しがる
    3日常の中でなんか衝撃的な出会いを神社で少女とする!
    4そんな中セイアと出会う!
    5セイアから神復活の話が……?
    6セイアの話を聞いた次の日から蛇が死ぬ不可解な事件が起きる
    7不穏な影に包まれながらも日常は進むが……
    8セイアと先生登場がまた登場!
    9ついに話が動く中、最近出会ってなかった神社の少女と出会い……
    10エミコ!神社の子に突き飛ばされる!!

    だいたいこんな感じです

  • 4スレ主25/05/23(金) 21:37:32

    人物紹介

    黄 エミコ
    語尾の「〜す」が特徴的 金髪でお団子がある
    この話の主人公
    心が強いやつだと神からお墨付きを頂いてるが本人はそんなことないと思ってる
    神隠しの事件後は身体能力が上がったらしい

    神 (イノリ)
    この話の全ての元凶であり被害者でもある子
    己の欲望のために神隠しを行い色々な人に迷惑をかけた だいたいイノリが悪い
    色々ありエミコと最後は和解のような形になり死亡
    クソ野郎だが悪いヤツではなかった

  • 5スレ主25/05/23(金) 21:47:19

    人物紹介その2

    赤城ヒトミ
    エミコと一緒にメンチカツ部をやっていた赤髪の子
    目が良く戦闘ではトリガーの瞬間を見てから弾丸を避けるという芸当をこなせる
    サブマシンガンを使うが特に思入れはない
    料理が壊滅的…とまでは言えないが下手である 目玉焼きに最近は挑戦している

    水戸野ミト
    エミコと一緒にメンチカツ部をやっていた緑髪の子
    いつもは冷静のようだがクールキャラではなくただ言葉遣いが冷静なキャラなだけである割と頭に血が上りやすい
    そんな本人の気質もあってか使う銃はショットガンである、本人的には気に入ってる
    料理はそこそこで可もなく不可もなく…だがメンチカツだけは何故かめっちゃ上手く作れる

  • 6スレ主25/05/23(金) 22:01:56

    人物紹介その3

    ハクノ先輩
    笑い声が特徴的な子であるゲヘナに居そう
    兵器作りが趣味でありいつも兵器を作ろうと試行錯誤してる
    神隠しの被害者で何年か前の生徒らしいが本人は特に気にしてない
    キヴォトスでは珍しく銃を持たない 銃持つ時間があるならば銃を作る時間に割くとの事
    いつも爆発を起こす問題児であるがもう学校内の全員が慣れてしまい1種の風物詩となっていることを本人は知らない(興味もない)
    だが最近雷を使うナニカを作ることに成功したらしい 出来栄えに本人はご満悦 よかったね

    カナさん
    家が金持ちのお嬢様 なんでここにいるんだよとツッコミたくなる
    本人は人付き合いがあまり好きではなく人と喋る様子は無い
    エミコ曰く世界が違う子
    神隠しの被害者ではあるが本人がそもそも人と喋らなかったため人間関係的にはそこまで変化はなかったらしい
    神隠し中に家が没落する…ようなこともなく家に居る2人のメイドが頑張って彼女の帰宅を待っていたらしい
    銃はスナイパーライフルを使い遠距離射撃を得意とするがそれを披露することはほとんどない
    最近は珍しく人(エミコ)に興味を持ち観察している

  • 7スレ主25/05/23(金) 22:11:16

    セノちゃん
    カナを様付けしつけているストーカー
    最近はエミコや他の子達とも話すようになったがストーカーは辞めないらしい
    神隠しの被害者であるがストーカー対象のカナ以外は喋りも挨拶もしなかったので本人的には気にしてない
    実は車の運転が得意であり森の中で発揮されるドラテクは相当なものである
    昔カナに助けて貰ったことがありそれ以降ずっとストーカーをしているがカナがその昔のことを覚えているかは不明
    銃はショットガンが持ち変則的な動きで相手を惑わせることが得意だが銃よりも車で人をぶっ飛ばすことの方が本人的には好きらしい
    エミコと話すようになって以降は基本的に表情豊かな可愛い子になってる

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 22:13:08

    わあい

  • 9スレ主25/05/23(金) 22:16:07

    人物紹介 その4

    鳥羽辺(とばべ) イノル

    残留死別の中でも重要な子であり彼女が起点となる
    名前の由来…というかアナグラムがありそれがこの話のヒントとなっている
    アナグラムのヒントは イノルのイをウにすること
    なんの銃を使うのか何が目的などかは本編中に明かされるがそのまで話がいってない(すいません)
    神隠しの被害者である

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/23(金) 22:16:09

    10までウメルヨー

  • 11スレ主25/05/23(金) 22:24:16

    最後に登場人物 その5
    先生
    いつも生徒想いの大人
    この先の活躍に期待して欲しい人である

    セイア
    神隠しの記憶を持っている子でありある意味ではこの残留死別の発端
    ネルの影響で付け焼き刃だが格闘戦ができる

    マエストロ
    ゲマトリアのメンバー、なぜこいつが出てきたのか
    それはこれから分かるはず…こいつが出てくるという状況自体がそれを示しているともいえる
    スレ主的にエミュが出来ているのか不安な子第1位
    前スレで初めてエミュをした
    マエストロっぽくないな〜って感じてもごめん!

  • 12スレ主25/05/23(金) 22:24:54

    明日から本編投稿始めます
    頑張る

  • 13二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:12:28

    それまで待機フォックスですまない。

  • 14二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 03:48:38

    今度も落とさずにいきたいもんだ。

  • 15二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 11:23:22

    待機フォックスですまない。

  • 16残留死別25/05/24(土) 14:20:24

    「――――ぅ」

    頭が痛い、体が熱い……だけど死んではない
    確かに感じる生命の息吹を押され目を開ける

    「――――――は?」


    最初に目に飛び込んだ情報はそれだ
    空間を埋め尽くすような黒、黒、黒
    そして次に感じ取れる違和感

    「椅子に座って……る?」

    今更だ、本当に今更、椅子に自身が座っている事に気づいた
    それだけ黒の衝撃が大きかったと言えるかもしれないが……

    「とにかく……!」

    ここから出なければ出て何かしなければならない
    脳の痛みに焦燥感が混じる、早く、早くと急かす

    「少しぐらい待てよ」
    「――――――え」

    声が聞こえた
    真後ろすぐ近く背中合わせの声……その声に覚えがあった
    いや…覚えてる、なんて次元じゃない
    もっと近く、身近で、いつも、いつも聞いている
    ――――――自分の…………声……………だ

  • 17残留死別25/05/24(土) 14:34:50

    有り得ない
    それは錯覚だ、空耳だ、有り得えて…存在していい事象ではない……だけど

    「あなたは…」

    背中合わせ、近く遠い場所へ居る『それ』へと声をかける

    「私?私のことは君が一番知っているよ」
    「そんな…噓だ……」

    脳が危険信号を鳴らす
    そこへ居てはいけない、そこへ存在をしてはならない
    だから

    「逃げるのか?」
    「――――ひ」

    冷たく、己の行動を責めるような言葉が響く
    ダメだ、耳を貸すな
    『それ』は毒だ
    自己をぐずぐずび溶かし消し去り崩壊させる毒だ
    だからこそ

    「知りたくないか?」

    心が凝固しかけたその時、声が毒が染み込んだ

    「決まったな」

    私にはそれを否定できるほどの力なんてものはなかった

  • 18二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 17:38:07

    ドロドロだぁ。片栗粉を溶かした溶けチョコレートを一気飲みした気分だぁ……。

  • 19残留死別25/05/24(土) 21:53:48

    「ハァ――――ハァ――」

    息が苦しい、少し頭が…痛い
    まだ体が『これ』に対応しきれてないのかわからないが苦しい
    ……以前よりは肉体との乖離に苦しむことはないが
    ユラユラと昏い夜の森を彷徨う
    そこに

    「すまない、体調が優れないようだが少し話をしてもいいか?」
    「――――ハァ」

    ニタリと口が裂けんばかりに嗤う
    見つけた、見つけた、見つけた、ミツケタ、みつけた!!

    「―――セイア!!」
    「……どうやらお互い自己紹介は必要ないようだね」

    出逢いは突然でそれは防ぎようのない因果だ
    故に

    「殺し合いましょう…私たちきっとそれでしか理解できない!!」
    「やれやれ、こういうことにならないように話し合いというものがあるんだけどね!!」

    あぁ……殺し合いをするにはあまりにも……今日は
    月が綺麗だ


    ”セイア……!!”

    その様子を遠くから誰かが見ていた

  • 20二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 00:57:23

    止まらないか

  • 21二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 01:08:53

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 02:43:53

    >>21

    保守してくれてありがとう。さっきまで寝落ちしていたんだ。

  • 23二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 09:00:32

    待機フォックスですまない。

  • 24二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 13:46:21

    このレスは削除されています

  • 25残留死別25/05/25(日) 13:47:11

    失敗した

    最初に思ったのは事態の失敗とそれに対する保険だ
    数十分前の先生との会話を思い返す……
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    ″セイア…本当に大丈夫?私も一緒に…″
    「いいや大丈夫だよ先生、彼女の居場所を突き止められたのも先生のおかげだしこれ以上迷惑をかけられない」

    エミコの知らせを受けてあの学校にまた戻り、先生と一緒に蛇の事件を起こしてるらしき人物を探し当てた…ここまでいい
    問題は

    「だけど一応…ということもある」
    「先生には少し遠くの場所で待機してくれないかな?」
    ″―――うん、だけど決して無理はしないでねセイア″
    「―――あぁ大丈夫だよ先生」
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    「あはははははは!!!凄い!凄いわセイア!あなたどこまでいけるの!?」
    「これは少し……厳しい…かもしれないね!」

    相手が想像以上に強く、先生の助けが間に合わない可能性を最初に認識出来なかった事だ

  • 26残留死別25/05/25(日) 14:07:21

    相手は四方八方から森に身を隠し、凶弾を正確に撃ち抜こうとしてくる
    それを

    「く……!!」
    「あは!!」

    直感で避ける、避けなければ不味いと本能が叫ぶ
    基本的にこのキヴォトスでは銃弾を受けても普通は痛いぐらいだ、死に至るほどでは無い
    ――だがそれは相手が普通の銃、普通の弾丸を使えばの話
    地面を穿った弾丸の威力をみて戦慄する

    「見たこともないが…この威力、違法なモノだろうね!」
    「さァ?『ここ』のキヴォトスについて私そんなに知らないのよく分からないわ」
    「それは結構!私も君のことはよく知らないからお互い様だ!」

    森に潜み一発一発確実に当てようとしてる相手に避けることが出来ているのはほとんど直感のおかげと言っても過言では無い
    しかもこちらはまとも銃弾を食らわせることもままならず防戦一方
    何か、何か起死回生の一手を撃ち込めなければこのままジリ貧だ―――!!!

  • 27二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 18:26:14

    あんなにもやしっこなセイアが……

  • 28残留死別25/05/25(日) 23:47:56

    「――ぁ」
    「く!!」

    飛びそうな意識をかき集めなんとか凶弾を避ける
    疲労が、刻一刻と体を蝕んでいく

    「面白かったけど…そろそろ限界じゃない?」
    「ハァ―――ハァ―」

    息切れが激しい
    こんなにも自分の身体は弱かったのかと思わず後悔する
    身体は病に侵されるかのように重く辛く苦しかった
    それでも

    「まだ……まだだね」
    「――へぇ」

    笑う
    笑って誤魔化す
    なにせ後ろには先生が居るのだ
    今は気付かれてないが私がもしも倒れて先生の存在を知ったら……
    その惨劇は想像にかたくない
    だから

    「まだダンスを中止にするには遅すぎると私は思うんだけどね」
    「面白いことを言うじゃない…いいわ、その覚悟に免じて私も本気になりましょう」

    その言葉が耳を貫いた瞬間
    本能的に直感に従い私は横へ飛んだ
    その直後、緑の世界がその隠されていたベールを剝がした

  • 29残留死別25/05/25(日) 23:48:09

    「!?」
    「凄い、避けれたのね『それ』」

    軽く驚く彼女とは対照的に私の驚きは大きかった

    「な…なんだ今のは…!?」

    あまりの異常性にぼやけてた目が開く
    土が…いや肥大化したそれは土でない
    『根』が私の横を貫くようにかすめたのだ
    ――現実だと直視できない現状に有り得ないと呟く

    「ねぇ、『それ』によそ見してていいのかしら」
    「しま――!!」

    遅い
    もうすでに弾丸は発射され惨めに転がっている敗北者を貫こうとしてた
    それを

    「ぐううう」

    なんとか転がって避ける


    「掠めた…そろそろこのゲームも終わりね」

    尋常ならざる痛みを感じる
    掠めた個所から侵食するように痛みが走る
    痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い
    呼吸することすらままならない、死が明確な実態として体にまとわりついた感触がした

  • 30二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 02:05:29

    セ、セイアあああ!!?

  • 31二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 10:25:47

    うーわ

  • 32二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 11:58:52

    侵食するタイプの攻撃とかエグすぎる……。

  • 33二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 17:32:54

    なんてことを…

  • 34二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 21:52:52

    このレスは削除されています

  • 35残留死別25/05/26(月) 21:53:32

    傷口を触る…硬い感触がした

    「これ……は?」
    「直撃したら分かるんじゃないかしら!」

    体の感触に疑問を持つ余裕などない、即死の弾丸が迫る
    横に飛べ飛んで避けろ避けなければ死ぬ
    死が確実に近づいた音がした

    「ぐ……!!!」

    必死に歯を食いしばりなんとか活力をかき集める
    なん…とか避けれた

    「と思っているの?」
    「ま」「たない」

    腹に突き刺すような痛み
    ――1秒経ってそれが腹を蹴られた痛みだと認識する
    痛みが全身に周り身体中の感覚が消失する

    数メートル吹っ飛ばされたとやっと今理解した

    「はは…」

    乾いた笑みが私の顔を覆う…最悪の結論が出た
    もう私には…百合園セイアにはこの『怪物』を倒す手段はないと

  • 36二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 00:47:49

    セ、セイアあああ!!?

  • 37二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 03:29:56

    誰か助けてくれ……

  • 38二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 10:33:01

    絶体絶命や

  • 39二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 13:19:36

    なんだこの弾丸は、当たったら石化するのか?

  • 40二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 18:02:44

    待機フォックスですまない。

  • 41残留死別25/05/27(火) 22:53:48

    セイアと彼女との戦いは勝敗を決した
    セイアの負けという形で…いやそもそも戦いですらなかったのかもしれない
    私はその光景のすぐそばに居ながら何もできずただ『保険』の助けを待ってセイアがこのまま死ぬ惨劇を呆然と見ている

    ――このまま?

    肌にまとわりつく夏の体温、息を締め上げる空気

    ――――脳が軋む

    知らない何かが『私』を追い求めるように記憶の蓋をこじ開けようとする

    跳ね飛んだセイアをじっくりと追い詰めるようにゆっくりと歩く彼女
    これはもうすでに戦いではない、セイアに戦う意思があるかどうかは関係なくただの料理だ
    セイアという極上の品をどう調理する(殺す)かという残虐性極まりない料理

    ”――――”

    彼女は人の形をしたただの『災害』だ――本当に?
    それに立ち向かうなんて思い上がりも甚だしい――頭が痛い
    神隠しで終わり?全て解決?愚かな思考だったなにも解決してない、そしてその結果が代償がこれだ――白い髪の女が嗤ってる
    何も出来ない自分、ここからセイアを救おうをして何ができる?――嗤い声が響く
    こんなのは正常な人間の判断ではない、最初から一緒に戦えばまだこんな結末は避けれたかもしれないのに――一日が巻き戻る
    『保険』が発動するまでの時間は三分その時間でセイアは死ぬ――冷たい金属の感触
    ここまで十分だここから先は過剰な干渉だ、選択を間違えたのだ――何かに答えた自分
    指示をできる人もなにもない、私一人だけだ、独りぼっちだ――青空でセイアと再会した
    逃げようと意識が外へ向こうとする、もうどうにもできない――血にまみれたセイアの姿が見える


    彼女は怪物は災害は、ただ楽しそうにセイアの元へと歩いてる――――ふざけるな

  • 42残留死別25/05/27(火) 22:54:04

    ”セイアーーーーーーー!!!!!!”

    恐怖が震えが泣き言が何もかもが全て怒りに変換される
    お笑いぐさだ、一丁前に悩んでたことが馬鹿馬鹿しい
    助けることに躊躇していた自分に嫌気が差しそうだ
    だって私にはそもそも『生徒を助けない』という選択肢は微塵もないのだから――!!

    だいたいいい加減我慢の限界だったんだ
    意味の分からない神隠しに巻き込まれ、挙句の果てに場外で解決してた
    神隠しに巻き込まれ生徒を傷つけられたのにも関わらず最後までその結末を見ることもその中にいた『誰か』の願いも知らずに終わったことが許容できない
    しかもセイアはまた一人で神隠しの何かを解決しようと奔走してた
    ここまでされて『先生』なんて胸を張ることなんてできない
    だから今度こそは最後までとことん付き合ってやらないと腹が収まらない

    汗ばむ身体をいなすように左手で胸を掴む
    3分――いや2分、『保険』の発動にかかる時間を胸に刻んで走る!!
    連絡は既に送った…あとは配置の時間だけだ

    汗にまみれ震える身体、吐き気がする程に痛む脳、だから今は手にある冷たい金属の感触が心地良い

    セイアに向かって走る

    「――うぅ……せ……んせ……い?」
    ”よかった、まだ意識はある…!!”
    「ダメだ……先生に彼女が止められない訳ない…私が……やらないと…」

    その言葉は残酷で、だからこそ真摯だと分かった

    ”確かに私一人じゃ彼女を止められないと思う……だから”
    ”今度こそ『みんな』でこれを解決しよう”

  • 43残留死別25/05/27(火) 22:54:21

    伝えたいことは伝えた
    セイアを背にして戦うべき、相対すべき相手へと走る
    距離にして150M、助走含めて7秒で射程圏内につかなければならない

    「あぁん?」

    接近に気が付いたのかようやく相手が蛆を見るような目で私を認識する………セイアに使ってた『根』を使う気配はない
    それでいい、そうでなくては困る、その相手をただの『一般人』だと認識している目でなくては
    相手はただの人間が銃弾を受けない術がある事を知らない、そこを考慮出来てない
    そこに付け入る隙がある、その隙で『奇襲』ができる、正面からでも確実に『奇襲』が出来る…!
    ――私に出来るのはせいぜい『奇襲』程度で相手を倒すことなど不可能だが時間稼ぎはできる
    そしてその稼いだ時間で『保険』を作動させる……!!

    「――」
    ”すぅーーー!!”

    息を吸い込む、相手との距離を再確認する
    残り100M、全力疾走で走っている今ならば射程圏内まで3秒で行ける
    接触は目的ではない、一瞬の隙をかいくぐったあとのタイミングだけのことだけに集中する

    ――銃口がみえた

    ”アロナ!!!”

    放たれた凶弾が軌道を変え私からズレる

    「!!!」
    ”――ここからだ”

    手の中に隠し持っていた『それ』を投げた

  • 44二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 02:00:33

    先生…!

  • 45二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 09:36:59

    何を投げたんだろ…

  • 46二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 15:42:53

    待機フォックスですまない。

  • 47二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 19:49:46

    >>45

    フラッシュバンあたりが妥当だろうけど、もしかしたら爆弾だったりして…

  • 48残留死別25/05/28(水) 21:12:38

    『それ』が発動する、その一瞬前
    微かに…しかし確実に相手の顔が歪んだ

    ”―――ハ”

    閃光に包まれる視界の中、セイアとの戦いを見て感じ取ってた『違和感』が確信に至る
    相手は―――いや神隠しの被害者は基本的に『昔の時代』の人だ
    ここ数年間の空白があり、時間においていかれた者たち
    言い換えれば『今の時代を知らない者』…つまり歴史はもちろん今までの武器の変化についてもなにも知れない――!!
    だからこそ相手がセイアの弾丸を当たらないようにしていた理由がみえる
    それはただ単純にセイアを危険視していたという理由ではなく

    ”君にとってもセイアは武器は未知数だった!だからこそ森に隠れてセイアの弾丸を食らわないように必死だったんだ!!”
    「それがどう」”だから君には分からない”

    怒号に応答するように喋り次なるポイントへと走る
    潰れた視界、記憶の地図だけを頼りに動き

    ”これからの私の行動を”

    視界が戻り始める、最初のフラッシュバンで先手をとった
    服の中にある一つの物を手に取り投げる

    「こんなもの!」

    まだ閃光の影響から抜け切れてないのかふらつきながらも目を塞ぎ二度目のフラッシュバンに耐えようとする……が

    ”これはフラッシュバンじゃないよ”

    巻き起こったのは閃光ではなく、周囲を包む煙だった

  • 49残留死別25/05/28(水) 21:12:55

    「けほ―――今度はなに!?」

    相手の反応で二つ目の推測が当たった
    今までセイアと戦ってた時の相手の動きは相当…いや結構凄い、だが

    ”色々杜撰すぎる……?”

    今までの行動を振り返って考える
    まず思ったのは、セイアを正確に撃ちぬこうとしていたのにも関わらずセイアに一発も直に当てれなかったことだ
    これは単にセイアが凄いで片付けられる話ではない
    例えばこれがセイアではなく武闘派…例えばC&Cの場合でも、相手の弾丸を避けることができるだろう
    相手の弾丸は恐ろしいが、隙を突くかたちでセイアに一発やっと掠めたレベルの精度
    そして今回のフラッシュバン…相手は私が本当に何も持ってないと判断しまんまと先手をとられた
    普通、相手が接近してきたら何かしらの策があると感じ、警戒するはずが………それが全くといっていいほどなかった
    ここから考えれる推測は一つ

    ―――実戦経験が圧倒的に相手にはない

    今までの生徒の戦闘を観て、感じてた自分の長所…と言えばいいのかわからないが、数多くの生徒を観てきたこの慧眼は信頼できる
    だから足りない手札を、知恵を、力を…経験で全部補って稼いでやる

    ”―――付き合ってもらうよ、最後まで”
    「えぇ―――えぇ!!いいわ!!そんなに死にたいのならとことんまで付き合ってあげる!!」

    震えを誤魔化すようにニヤリと笑う

    ”頼んだよ”

    必ず来てくれる『保険』を活力にして夜の走った

  • 50二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 00:29:33

    必ず来てくれる「保険」……?

  • 51二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 02:28:48

    パッと思いつくやつといえばワカモだが…。

  • 52二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 10:32:46

    何が来るかな

  • 53二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 17:36:22

    待機フォックスですまない。

  • 54二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 02:05:00

    待機フォックスですまない。

  • 55二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 10:10:52

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 13:20:35

    >>必ず来てくれる『保険』を活力にして【夜の走った】


    これ後半は『夜の森を走った』と考えていいんでしょうか?

  • 57スレ主25/05/30(金) 14:00:47

    >>56

    ああああああああぁぁぁそうです!!めっちゃそうです!!脱字です!!書き終わったら確認せずすぐに書き込む悪い癖が出ました!!申し訳ないです!!

    脳内変換しておいてください……いやほんとすいません……

  • 58二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 16:39:26

    切り替えていきましょー。

  • 59二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 00:32:33

    待機フォックスですまない。

  • 60二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 02:48:21

    先生が無事に済みますように……

  • 61二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:00:42

    待機フォックスですまない。

  • 62残留死別25/05/31(土) 11:48:25

    「そこね!!」

    みえた人影に弾丸を打ち込むが

    ”―――!!”

    すんでのところで避けられる
    メキメキと脳に根を張る痛む……苦しい

    ―――早く、決着をつけないと

    銃で決着がつきそうにないというのならば『根』を使うしかないが……
    『根』の発動には時間がかかる、セイアみたいに疲労して動きを止めた人に使う決め手としてはいいが走り回ってる人に当てることは難しい
    つまり

    「いいわ!!あなたのその鬼ごっこに付き合ってあげる!!」

    ――この戦闘に勝つためにはあの男を捕まえ『根』を使うしかないということだ

    だがそれはあまりにも厳しい…『適応』し始めて能力が向上していているがあの男は場の地形、煙などの物を使った攪乱などest…
    とにかくできることが多すぎる

    「見つけちゃった!!」
    ”ごめん!!”

    なにに対する謝罪なのかはわからないがとりあえ男の影を撃つ……こんな影だっけ?
    弾丸が影を穿つ―――プシュッと空気がぬける軽い音
    その場には

    「なに……カバ?」

  • 63残留死別25/05/31(土) 11:48:39

    ”ごめんペロロ様!!”


    「―――は?」

    この男はどれだけ人を愚弄するのが得意なんだろうか……なんだペロロ様って……
    怒りに頭が痛くなる

    「よし……殺すわ」

    元々殺すことは確定事項だったがこの敵は果てしない拷問の末に一番苦しい死を与える

    ”く……割と理不尽な理由で酷い死に方をしそうになった気がする!!”
    「そこのね!!」
    ”不味い…バレた”

    殺す、この敵は殺す
    ここまで頭が沸騰したのは初めてだ、ここまでコケにされたのは初めてだ
    あの『イノリ』ほど憎悪する相手が居るなんて想像つかなかった

    「虫みたいにコソコソ……殺すわ!!」
    ”怒りすぎて殺すが語尾みたいになってる……!!”

    ―――怒りが身体を成長させる
    もっと速く……もっと強く……もっと……もっともっと!!!

    「ほら!!ほら!!走らないと死ぬわよ!!」

    大地を掴み補強……石のように投擲する
    さぁ……あの敵はどうするのかしら!!

  • 64残留死別25/05/31(土) 11:49:14

    投擲されたそれはもはや石などではなく岩だ
    土を根で補強した大地をシャベルのように持ち上げたその投擲物は『死』のカタチをしていた

    ”く……”

    避けることなど不可能、だが被弾は許されない、被弾すれば体力はもちろん血の匂いで追跡が楽になってしまう
    ともすれば何で足掻く?何故に足搔く?
    死への恐怖が背中を突き飛ばす
    生死観が回転する
    身体は生を求めた

    ”あああああああああ!!!”

    逃げるのではなく突っ込む
    横に避けるのは不可能、背を向けて逃げることは尚更
    背中から肉を剥がれる感覚がした

    「あはは!!いいわ!!凄く……殺しがいがある!!」
    ”ふぅ―――”

    避けることはできた
    だが

    「でも……ここまでのようね」

    背中が熱い、アスファルトの上の高温で熱されているようだ
    意識が点滅していってる、なにか喋っているようだがよく……わからない
    くらりとよろけ膝をつく、ついてしまう

    あぁ―――でも…よかった、最後に……なんとか……間に合っ……たよ………う………………だ

  • 65二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 16:15:23

    救護ォ!!!!!

  • 66二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 21:05:55

    団長ォ!!!!!!!!

  • 67二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 03:02:25

    待機フォックスですまない。

  • 68二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 11:01:01

    待機フォックスですまない。

  • 69残留死別25/06/01(日) 15:41:12

    かくん
    と敵は最後に何か言って倒れた

    「なんだ、あっけない終わりだったわね」

    倒した高揚もなにもない
    本当に……あっさりとあっけなく終わった

    「ま、いいか」

    本来の目的はセイアを殺すことだ
    邪魔が入ったがここは変わらず―――








    ―――なにが……おこった?
    認識することすらできていない
    何故、私が倒れているの??????

    「な……に………?」

    理解できない、理解できない、理解できない!!
    一体なにが―――!!

    「ごめん………遅れちゃた先生………今から埋め合わせするよ」

  • 70残留死別25/06/01(日) 15:41:48

    「―――」

    こいつにかける言葉はない、あの敵に気を取られて不意を突かれて痛い目を見たが今度はこちらの番だ
    あのサブマシンガンに見覚えはない、ならば撃たれるまえに撃ち殺す
    赤髪の女に弾丸を二発、弾丸を撃った
    一つは直撃させるための一発、もう一つは避けれることを想定しての少し対象から外しての一発!!

    「そんなのに僕が当たるとでも?」
    「――は!?」

    赤髪が蝶のように揺らめき…弾丸を掠りもせずに避けた
    いやそれは見間違いだ、赤髪の女にはそこまでの身体能力はない………ならば

    「銃口の位置を見てトリガーの瞬間に合わせるように………避けた?」
    「ご名答」

    答えを言い当てたそのお返しとばかりに弾丸の雨が降り注ぐ
    これは―――今の身体では避けきれない!!

    「ぐ―――!!」

    大地から沸き立つ断層の隆起を『根』で疑似的に再現、自らを吹き飛ばす

    「う―――ハァ」

    投げ飛ばされるような形だが弾丸を避けた
    咄嗟お判断だったが我ながらいいアイディアだ………多少のダメージが入るが緊急回避としては良いだろう
    それよりも

    「さっきあの敵を『先生』って……」

  • 71残留死別25/06/01(日) 15:42:05

    先生

    聞いたことがある
    それは、確かあの連邦生徒会長が選んだ―――
    いや、今その思考は必要ない…だがあの敵が先生だとすれば

    「不味い!!」

    すぐにここから離れなく「逃げるが勝ちとはいうけど逃げれない状況じゃ勝ちは拾えないわよ」

    「ぶ―――」

    声と同時に腹に強い衝撃………撃たれた方向を覗くと

    「あはは……これはちょっと厄介な事になったわね………」
    「ちょっと?自分の状況が見えてないんじゃないかしら?」

    冷酷にしかし節々に感じる声の感情が緑髪の少女の怒りを表している

    ―――これは本当に不味い

    脳を締め上げていく頭痛が今は有り難い…腹の痛みを忘れられるから

    「まだわかってないようだから言うけど―――」

    緑髪の処刑人は語る
    蜘蛛の糸の上に囚われた哀れな挑戦者に
    これから起こる事実を

    「これから始まるのは一方的なワンサイドゲームよ」

  • 72残留死別25/06/01(日) 18:45:22

    「ペラペラと…お喋りが好きのよう…ね!!!」

    さっきの会話の時間で『根』のチャージは溜まっている
    このまま下から―――

    「さっきも言ったけど、これはもう戦いじゃないのよ」
    「ば」

    『根』を発動しようとした瞬間、背中に無数の衝撃が走る
    振り向くと

    「赤髪ーー!」
    「僕にはヒトミって名前があるんだけどね!」

    あの会話はただの会話だはなく、ヒトミを背後に回り込ませ挟み撃ちするための時間だったのだと今更ながら気付く

    「―――フ!!!」

    『根』を使うのを破棄、即座にこの状態から離脱するために緊急回避を使う

    「甘いぞ!!!」

    緊急回避しようとした瞬間、『根』の動きがみえたのか私に接近し

    「く」
    「どりゃあああああああ」

    ヒトミが繰り出した蹴りがメキッと重く鋭い痛みで骨まで伝わる
    この威力…咄嗟に腕で胸を防御したがそれがなかったと思うとゾッとする

  • 73残留死別25/06/01(日) 18:45:34

    「舐めるんじゃ…ないわよ!!」

    脳をきつく締める頭痛が怒りを加速させる
    先生だろうが何だろうが
    殺す

    「まるでヒトミみたいな獣ね」
    「えっ僕今ディスられた!?」

    知るか、殺す、殺す
    銃へ弾丸はもう既に込めてある、あとは引き金を―――!!

    「うおおおおおおおおおおこれがなろう運転ですうううう!!」


    「は?」

    思考が、確実に一瞬止まった

    「いやちょ、くるま!?」

    さっきまでの激情も忘れて逃げに徹しようとしたが

    「危ない!!アクセル全開!!!」

    1500kgの鉄の塊が全速力で目の前に迫り

    「ば」

    言葉を発する時間もなく上空へと車によってぶっ飛ばされる

  • 74二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:06:31

    つ、つよい……

  • 75二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 01:01:27

    待機フォックスですまない。

  • 76二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 08:37:25

    待機フォックスですまない。

  • 77二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 11:30:15

    とんでもない展開に目が離せんな。どうなるんだこれ。

  • 78二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 15:19:57

    思い残すことないように、保守する。

  • 79二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 22:16:29

    待機フォックスですまない

  • 80スレ主25/06/02(月) 22:54:31

    まだ書いてる途中ですがこの少し先の展開に安価を入れようと思っているので改めて安価の説明を簡単にしようと思います


    安価の説明

    1 安価を三つ出す

    2 出された安価をdiceで選ぶ

    3 その安価で(例えば)先生の行動が変わる

    4 行動によって色々なBADENDなどになることがある

    5 BADENDなどになったら安価の場面まで戻り再安価

    6 二回BADENDなどになったらスレ主が考えた行動で本編が進む


    ノベルゲーによくある選択肢の要素だと思って楽しんでくれれば幸いです

    質問があれば出来る限り答えるので気軽にどうぞ

  • 81二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 02:20:38

    BAD ENDで終わらないならヨシッ

  • 82二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 10:00:53

    待機フォックスですまない

  • 83二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 13:53:28

    巻き戻しがあるのはありがたい。

  • 84残留死別25/06/03(火) 17:06:31

    上空にぶっ飛ばされ脳が発狂するほど痛む
    こんなのありえていいのか!?
    ワンサイドゲームだと言った緑髪の髪の少女の声が脳裏に響く
    なぜ?なぜこんな………

    「ぶべ!?」

    上空の浮遊時間が終わり惨めに地面へと叩きつけられる

    ―――頭が痛い
    まるで声のように頭痛が脳へと響く

    「ハァ―――ぁ」
    「あなたが後悔しているのだとしたら、それはもう遅いわ」

    跪いてる私に偉そうに声を掛けるこいつがうるさい

    「あなたの罪の重さを知りなさい」

    うるさい

    「これで―――」「うるさい、うるさい、うるさい!!!」

    ころ―――
    カンッと軽い音がした……銃が撃たれ手元から離れた音だった

    「”なんとか間に合った”ようだね」

    ゆっくり…ゆっくりと撃たれた先を見ると
    負傷しながらも立っている先生とセイアが居た………いてた

  • 85残留死別25/06/03(火) 17:06:52

    手元に狂気(凶器)はなく数も不利

    ―――勝ち目も逃げ目もない


    負けた


    ここからどう挽回するのか、そんなことすら思いつかない

    ここにいない第三者から見ても私の敗北は見えているだろう
    そもそも私自身勝てる見込みがない
    正気(勝機)を失った戦い、既に終わることが決定している事実









    なのになぜこの『声』は私を離さないのだろうか

  • 86二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:49:14

    なぜこの人は自分が殺される前提で独白しているのだろう…

  • 87二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 01:00:59

    >>86

    先生だからまさか殺すなんてことはしないだろうけど、ほら、こういう殺生を厭わないのは得てして、ね。

  • 88スレ主25/06/04(水) 06:27:29

    言い忘れましたがBADENDは閲覧注意レベルかもしれないです

    が、そこまで求めてねぇよって方がいたら教えてくださいマイルドに頑張ります

    >>80

  • 89二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 14:22:31

    無料でみさせてもらってる立場としてはそこら辺はまぁ、やりたいようにお願いします。

  • 90二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 15:42:32

    待機フォックスですまない

  • 91残留死別25/06/04(水) 19:16:45

    怒りが身体をあやふやにさせる
    脳が頭が眼球が飛び出るほど痛い、ぐるぐると世界が回って吐き気がする
    『自分』という核があやふやに曖昧になってほどけていく
    何をしたかったのか
    なにを
    な………に………を?


    なにをしたいのか
    ―――『あいつ』を絶望させたい………もういいの

    なぜなのか
    ―――だってもう『みんな』はいない、だから………違う!

    だから

    もっと、もっと、力が欲しい………私は

    他力本願でもなんでもいい、元から腐りきっている身だ………いやだ、私は

    そのために………ダメ!その道は





    「『私』は私を捨てるわ」


    本当は私は、ただ『あの時』を

  • 92残留死別25/06/04(水) 19:17:16

    違う!
    私じゃない!
    私………わた………わ………………………………??????

    わたおれたち?
    きみ?ぼく?わた

    繧上d繧?d縺」繧?ス呻ス吶▲繧?d?吶?縺翫&縺九≧??§繧?≠縺ゅ°繧上≠繧薙&縺」縺輔≠縺溘¥縺励≠縺ゅ≠縺ゅ⊂縺擾ス難ス薙′縺ゅ≠縺ゑス?ス薙°?翫@縺?≠縺?°縺ゑス翫?縺ェ縺ー








    隱ー縺句勧縺代※






    あぁ………………なんで今まで気づかなかったんだろう
    あの時足に落ちた水滴は
    私の涙だったなんて



    ―――でもそんな事に気づいても、もう遅かったみたい

  • 93残留死別25/06/04(水) 20:05:09

    勝った…勝ったはずだ

    『保険』であるヒトミやミト達みんなを呼んで、カノがみんなを指定の位置まで配置する時間を稼いで…やっと倒したはずなのに
    なのになぜ、身体はさっきまでよりも震えているんだ―――!?

    ”セイア―――セノを呼ぶ………杞憂だといいけど”
    「先生……?」

    世界はなんの変化も見えない、変わらず昏い森の中だ
    だけど今まで以上におぞましい『ナニカ』が迫って来ていると身体が警告を鳴らしている

    不味い………なにかは分からない
    だけど、これは不味い!!!

    ”私が合図したら……走って、セノが運転してるカナの車に乗って”

    冷汗が止まらない、緊張で目がカラカラと乾いていく
    いあや錯覚だ、そうだろう錯覚であってるはずだ

    ゴクリと唾をのむ
    心臓が弾けそうなほどに高鳴る
    逃げろと生存本能が叫んだ


    相手の目を―――視た
    助けを求めてそうな『生徒』の目だった



    ”―――――!!!!!!”

  • 94二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:05:27

    このレスは削除されています

  • 95残留死別25/06/04(水) 20:05:49

    相手に何があるか何を背負ってたなんかわからない
    ―――でも

    ”誰かの助けを求める目をしてる生徒を救わないなんて選択肢は私にはない!!!!!!”

    脳が逃げろと叫んでいる、身体が炎に包まれたように熱い、足は既に棒のようで痛みがなく感覚すらない
    関係ない、今はただあの生徒を救いたい
    全員が一歩引いてる中、ただ一人彼女を救うために走る

    「先生!?」

    数泊遅れてセイアが驚いたような声を出すが構わない、ただ進む
    セイアの声が響いたのか全員が私の方を向くがもう既に足は最高速度へといっている
    誰かが私を止めようとする声が聞こえたけど、多分気のせいだ!

    ”はぁ―――”

    息を吐き、最後の詰めの場所まで足を跳ばしあと少し、数歩のところまで到達する

    ”手を―――!!!!!!”
    「!?」

    彼女が驚いたような顔をして私を視る
    そして
    ―――彼女が笑っているようにみえた

    「ごめんね、先生」
    ”ま―――”

    手は届かず次の瞬間、彼女は『根』に飲み込まれた

  • 96残留死別25/06/04(水) 20:54:05

    大蛇のような『根』に飲み込まれた彼女をみて


    ”―――う”


    思わず、口を塞ぐ

    なにが、何が起こった?

    本当に何が―――!?


    「先生!!」


    セイアの声が響く


    私は―――


    >>97

    >>98

    >>99

  • 97二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 21:29:25

    とりあえず逃げる

  • 98二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:59:14

    飲み込まれる寸前の彼女の顔を思い出して気を失う(なおセイアに救助されて事なきを得る)

  • 99二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 02:28:12

    呆然とその場に立ち尽くし、セイアに声をかけられるまで無言のまま(『根』は忽然と姿を消す)

  • 100二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 10:12:46

    どうなるんだ

  • 101残留死別25/06/05(木) 16:01:34

    dice1d3=1 (1)


    1.とりあえず逃げる

    2.飲み込まれる寸前の彼女の顔を思い出して気を失う

    3.呆然とその場に立ち尽くす



    【スレ主からの安価での行動に関しての追記】

    安価ではその視点のキャラの行動しかできないということを伝え忘れてました

    例としてAの視点で物語が進んでる時はAは安価で行動できますがAの物語で登場するBは安価で動かせないといった感じです

    今回は『先生』の視点なので『先生』を安価で動かすことができるけど『セイア』などの他のキャラは動かない…というわけです

    最初にこれを明記してなくてすいません!

    他に追加する安価のルールは一回BADENDをしたら二回目の安価は三つではなく二つ投げるというルールです

    あと安価を投げるときは夜の21時ぐらいに投げます

    色々説明不足ですいません

  • 102残留死別25/06/05(木) 16:19:46

    不味い
    あの『根』は…不味い!!

    ”セイア!!”

    後方に下がりながら後ろにいるセイアに声をかける
    ―――少しずつだが確実に『根』が肥大していってる

    「来ました!?」

    後ろからしたカノの声に振り向く……既にみんなは車に乗っているようだ
    体力は既に枯渇してるが死の恐怖が無理矢理、足を動かす

    「先生!早く!」

    セイアの必死の表情で後ろで起きている『根』の異常事態が加速していると感じる
    背後は見えない…が

    ”もの凄いプレッシャーを感じる!!”

    なによりメキメキと肥大していっている植物とは思えない『根』の音が背中からしている
    その異変が、遂に足場までに及ぶ

    ”うわ!?”

    あと数歩手前で後ろから手のように這う『根』に思わず転びそうになったが

    「手を!!」”―――!!”

    セイアの出した手に掴まり―――

  • 103二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:04:17

    逃げるでこの描写ならあと二つはもうgame over一択じゃない…。

  • 104二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 01:46:48

    >>103

    いやそうとも限らんでしょ。

  • 105二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 09:29:28

    待機フォックスですまない

  • 106二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 13:38:00

    >>103

    それは実際に書かれるまでお待ちなさいとしか……展開変わる可能性あるんだし。

  • 107二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 17:39:12

    >>103

    いいから黙って待ってろ。

  • 108残留死別25/06/06(金) 22:12:19

    バタンと強く、扉が閉まる音が聞こえる
    ―――それは自らの生存を意味するものだった

    「”疲れた”」

    ため息に声を交わらせたような声が車内に響く

    「全く…先生は自分のことをもう少し考えたらどうだい?」
    ”いや……………その………それはセイ”
    「返事は?」
    ”はぃ…”

    隣にいるセイアの力強い声に気圧されてしまう
    セイアはやれやれと首を横に振り

    「私も大概だが君はもっと危ない…一応の念として持たせた護身用の道具だけで相手を揺さぶって逃げ回るなんて正気の沙汰じゃない」
    ”あはは…戦闘経験はなかったけどみんなのことは良く見てたし道具の扱いも一応心得ているから大丈夫かなって…”
    「先生!君は…」

    セイアが耐え切れないといった様子で声を出そうとした時

    「はぁ…夫婦喧嘩の醜い争いは辞めてくださらない?既にここは死が潜む戦地です」

    透き通るような声がする
    いや透き通るではない、心に響き浸透するような静かな水の声だ

    ”―――ごめんカナ、セイア”
    「私に関する謝罪は結構、それよりも時間がないわ、そろそろ森を出るけど……」

    その言葉の直後、車は森林を抜けた

  • 109二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 01:05:39

    ルートその1、無事生還ってところか……

  • 110二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 02:19:30

    >>109

    チェイスあるやもしれんぞ。

  • 111二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 10:28:44

    待機フォックスですまない。

  • 112残留死別25/06/07(土) 12:03:53

    「「「「”は?”」」」」

    その場にいた全員の声が感情が驚きによって凝固する、それほどまでに緑ベールを剥がした世界は『異常』だった
    いや………そもそもこれを『異常』の一言で片付けていいものではない

    車の窓ガラスが軋む程の熱気
    紫と赤の混ざりあう地獄の宙
    ただ呼吸するという生命としてのごく自然な事すら困難なほどの世界の熱狂
    大地は腫れ上がり人の文明は今や存在を表すこともままならない
    例えるならばそれは『ヒトのいなかったセカイ』
    何もかもが世界という自然の暴力によって殺されたようなもの

    それは大地が熱狂し、根が倒壊したビルのように乱雑に張り巡らされ草木が辺りを締め付け殺す…原初の世界だった

    ―――その世界の中心にただ一つの例外として塔がある
    それは、ヒトがカミになるための装置(システム)
    世界は祖の目覚めを待ちわびるように拡大し続けていた

    「ははは…ここ本当に現実かよ……」

    誰の声でもないカラカラとの諦めきった声が車内に蔓延する、言葉にせずとも全員の気持ちが統一されていた

    人間には抗える限度がある、その限度を人間は科学を知恵を使い上昇していった
    ならばこれは?
    人の世など微塵も気にせず蹂躙する世界そのものに人間は抗えるか?
    その答えが既に脳よりも先に生命の本能として理解できる…できてしまう

    ―――これは無理だ

  • 113残留死別25/06/07(土) 12:04:09

    車はいつの間にか止まっていた
    全員が言葉を発そうともしなかった
    重い…重い…空気が車内へと沈む
    世界は知らず知らずのうちに姿を変え文明は崩壊していた
    そんな中取り残された哀れな人間を嘲笑うかのように世界は拡大していっている

    ”どう…するんだ?”

    絶望的な状況の中それでもと叫ぶ精神が私にはあった

    「ひぃぃ…先生…これはもう『終わり』ですよぉ!?どっかどうみても私たちはゲームオーバーですぅ!」
    「―――セノの言う通りかもね」
    「僕も…これは流石に…」
    「ヒトミに同意するわけじゃないけど………」

    全員が文明の死を目に諦めかけけていた

    「そうかも…しれない」
    ”セイア……”
    「でも」

    セイアの朝焼けの瞳が私を捉える

    「それが最善を尽くさない理由にはならない」

    そう彼女は、セイアは言い切った

    ”そうだね、セイア”

    ならば先生として、応えるしか私には道がない

  • 114残留死別25/06/07(土) 16:39:17

    だがそんな決意を意に介さないほど、世界は残酷だった


    「”来る!!!!!!”」

    知らないうちにセイアと同じタイミングで声が出た
    まるでここから起こる『現象』を最初から知っていたかのように
    次の瞬間



    「■■■■■■■■■ーーーーーーー!!!!!!」



    世界が『絶叫』した

  • 115残留死別25/06/07(土) 16:40:01

    『絶叫』を起こし時空が歪むかの地を観て男は呟く

    「なるほど…神の座の出現とはな。」
    「芸術を介する者として彼女は私の何かを刺激しうる者があると感じ助言をしたが。」
    「なるほど…願いか。」
    「確かに神の根源は人の願いではある。」
    「それを抽出し、受け皿として同じ原始の大地を使い己の糧とし『カミ』に至る。」

    ふむ、と男は不調和を奏でながら頷きかの地の中心……塔を観る

    「蒔かれた『種』は二つだと思っていたが、この調子ではもう一つの種は枯れるな。」
    「まぁそれは確実ではないが、開花する可能性は低いだろう。」
    「それよりも。」

    言葉を区切りあるモノを連想する

    「あの塔…なるほどな。」
    「鳥羽辺イノル、あの名を現した時点で既に開花されようとしていたか。」
    「意識的か無意識的か、それは私には判断がつかない。」
    「だが。」
    「彼女が成ろうとしてる存在は正に『カミ』だ」

    男は少し考え、推測を呟く

    「しかし『カミ』、その存在は我々の知ってるような固定的なものではなく概念的なものなのだろうな。」
    「ありとあらゆる者の願いを叶える、名のなき概念世界の存在。」
    「人の欲望を受け止めるシステムとしての『カミ』。」
    「それが彼女が望んだ、いや世界が望んだ『カミ』か。」
    「さて、かの塔は神の雷により堕とされたものだが。」
    「先生……君はあの『バベルの塔』の雷となりうるのかな?」

  • 116二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 17:24:31

    おお、なんかいい感じのキャラが出てきた。

  • 117二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:14:04

    楽しみにしていて待機フォックスですまない。

  • 118二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:16:19

    バベル…

  • 119二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 02:52:10

    バベル、神に近づいた不敬の塔、つまり今回の敵は意図しているか知らずか、神に近い存在に近づきつつある?

  • 120二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 11:00:22

    待機フォックスですまない。

  • 121残留死別25/06/08(日) 17:12:38

    「な…何を教えるんすか」

    心殺す毒に必死になって抵抗する

    「さぁな」
    「―――は?」

    なんてこともないような返答
    そんな声が心を逆撫でする

    「なに」「まぁ待て」

    静止する声に苛立ちを隠し切れない
    頭が痛くなる
    風鈴のように
    一定に靡くように
    頭が……痛い……

    「『わたし』は何も知らないよ、知っているのは君だ」
    「―――」

    今度はついに声も出ない
    何を言っているのか、何の為に居るのか、なぜ今なのか
    なにも……なにもわからない

    ―――人は理解できないモノ…未知に恐怖するものだ
    だから今、私の心に巣食うものは

    やはり、恐怖なのだろう

  • 122残留死別25/06/08(日) 17:14:40

    理解できないモノを人は恐怖し遠ざけ、また理解しようとしてきた……ではこれは?

    「言っただろう?」

    理解できない私の声が響く

    「『わたし』を一番知っているのは君だと」
    「そんなわけ……!」
    「本当か?」
    「―――っ」

    本当なのか、私はこれを知っているのか
    理解できない…いや私は

    「したくない…そうだよな」
    「なにが……」
    「誰だってそうだ、自分の嫌なところなんて普通は知りたくない」
    「知ろうとするなら……それは自身の中にあるそれを認める時か、克服する時だけだ」

    ペラペラと流暢に喋るのが気に食わない
    なんだ
    なんなんだ?
    自分のことなんて自分がよく知っている
    なのにこの
    この異様な

    「違和感はなんなんすっかぁ……」

    余りにも異常な事態に頭が困惑して視界が脳が体の感覚がぐるぐると回る
    自分が『自分』だという確証が持てない

  • 123残留死別25/06/08(日) 17:15:42

    気持ち悪い
    嫌悪感すら出てくる
    私は何か
    そんなの決まっているはずのに確証を持ちきれない異常性が今、私を苦しめている

    「何を苦しむ必要がある?」
    「その苦しみは自分に固執しているからだろう?」
    「―――自分に?」

    ニタリと顔の見えない背中合わせの『わたし』が笑ったように感じる

    「そう、自分に……だ」
    「なんのことを」
    「わからないのか?」
    「わ、わからないっすよ…そんなこと」

    『わたし』はやれやれとため息ついいたあと

    「そこまでして『自分』を認めたくないのか?黄エミコ」
    「な……なにを」
    「いやそこまでしないと崩れるのか」
    「―――理解できない…理解できないっす!!」

    もういい加減にしてほしいこんな問答何回するんだ!?
    あぁ苛立ちが収まらない
    理解できないからもういい!!
    もういいんだ
    だから………………もう

    「こんな場所から出して!!!」

  • 124残留死別25/06/08(日) 17:16:55

    いつの間にか私は椅子の上でうずくまっていた

    なにも聞きたくない
    何も知りたくない

    なのに

    自分の中にある■■が手招きしている
    己の中にある何かが段々と剝がれ落ちていく
    ごぶっと■■の蓋が溢れ上下して歪む
    自己の中にあった■が消えゆく
    ■■が喘ぎ苦しむように『私』を求めている
    自己の確証/証明
    形相の乖離/背離

    『私』の輪郭がぼやける

    ―――あぁ、あの夏(セミ)の声が聞こえる



    私は、もう………………

    「そうだ、思い出した」


    『殻』を被る意味がわからない


    「『私』は…………私じゃない」

  • 125残留死別25/06/08(日) 17:21:43

    「!?」

    背中合わせのわたしの顔が歪む
    何故だかわからない……………いや既に知ってたんだ

    「昔話を……しようか」
    「―――」

    わたしは答えない
    いや答える余裕がない

    「なんだ…………なんなんだ?」

    動揺する声……わたしにその要素はない、何もわたしにはマイナスはない
    今の今までわたしは私に勝ってきていたのだ、だからこそ今の状況を理解できる程の脳がない

    「さぁね……知っているじゃないのか?君が」
    「―――」

    息を呑み込む様子が分かる、わたしの身体が震えるのも

    「ある夏の昔話でもしようじゃないか」

    理解できないだろう……そもそもわたしは私ではない

    「なんの……ことを言っているんだ……!?」

    わたしの声の動揺が激しい……つまりそれは『私』を知っているだけで私を知っているわけではないという事だ、だからわたしにはこの独白が一ミリも理解できない

    「そう、あの『神様』に会った昔話でもね」

  • 126残留死別25/06/08(日) 21:24:24

    むかし、むかし、あるびょういんにひとりのおんなのこがいました
    そのおんなのこはからだがよわく、うまれてからずっとびょういんでくらしてました
    そんなおんなのこはいつもまどをながめてました
    そんなひをすごすあるとき
    おんなのこはねがいました

    「わたしにもともだちがほしい」



    そしてそのねがいはかない
    あるともだちにであいました



    「あん……?え……ガキ!?」
    「おねいさんだれ……………?」



    そのともだちのなまえは―――

  • 127残留死別25/06/08(日) 21:42:50

    「あーなるほどね……そうかそうか…友達かぁ……」
    「?」

    おねいさんはこまったようにかんがえこんでいるようすで
    わたしはつい

    「わたし……いらないこ?」
    「―――」

    そのことばをいうとなんだかなきそうなかおになって

    「いらない子なんていないよ」

    といって、わたしをやさしくだきしめてくれました
    そのときのともだちのからだはとってもつめたくて
    わたしはびっくりしちゃいました

    「あぁ…こんな私だけど友達になってあげるよ」

    だきしめながらすごいことをいってくれてわたしはびっくりどころじゃなくなって

    「ともだち……?」
    「そう、友達」

    いっぱい、いっぱいなみだがでちゃいました
    そんなわたしをずっとおねいさんはだきしめてくれて
    つめたいからだなのに
    とってもあったかかったのをわたしはおぼえています

    ほんとうにとってもあったかかったです

  • 128二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 01:00:57

    なんか重要そうな回想始まったぞ……

  • 129二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 10:09:26

    やさしみ

  • 130二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 18:48:53

    暖かい…
    のはいいんだけど反動が怖い

  • 131二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 00:00:42

    待機フォックスですまない

  • 132二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 08:11:33

    保守

  • 133二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 11:26:03

    何が起こるんだ……

  • 134二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 17:55:23

    待機フォックスですまない

  • 135二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 00:42:13

    冷たい身体って……死人ってこと?

  • 136二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:59:33

    >>135

    つまり、引き摺り込まれる……?

  • 137二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 09:03:38

    待機フォックスですまない

  • 138二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 15:44:03

    待機フォックスですまない

  • 139二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 21:08:40

    待機フォックスですまない

  • 140二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 02:30:19

    ひらがななのが不安感を煽るな……。

  • 141二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 10:30:01

    待機フォックスですまない

  • 142二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 17:37:12

    待機フォックスですまない

  • 143二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 01:09:16

    保守

  • 144二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 01:30:41

    どーなるんでしょ?

  • 145二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:08:33

    保守

  • 146二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 13:10:02

    うーむ、どうなるか気になる。

  • 147二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 18:00:14

    待機フォックスですまない。

  • 148二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 02:02:17

    待機フォックスですまない。

  • 149二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 11:06:33

    待機フォックスですまない。

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