- 1二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:14:32
- 2二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:32:24
白草四音 第一話
歌唱力 A?
ダンス力 A?
ビジュアル B?
? なし
? なし
トップアイドル、白草月花を姉に持つ天才。
一年生ながら高い実力を誇っている。
事前情報はこんなところか、よし、スカウトに行こう。
「あなたをプロデュースさせてください。」
「お断りします。」 - 3二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:34:10
このレスは削除されています
- 4二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:34:30
他所スレの布教とかでもいい?
- 5二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:42:20
「いや、あなたは俺と組むべきだ。」
「説得しようとしているのですか?食い下がっても無駄ですよ。プロデューサーはつけないと決めているので。」
「俺なら......」
>白草月花にあなたを勝たせることができます。」
「!」
「馬鹿な人ですね、あなた。ええ、わかりました。できるものならやってみてください。私をあそこまで......連れていけるものなら。」
親愛度0→1
- 6二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:43:38
- 7二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 00:55:01
「まず、あなたの実力を見せてください。」
「はあ、まあ、いいでしょう。」
音程、ダンスからウインクといった細かい所作もできている、が......
「どうでしたか?私のパフォーマンスは。」
「素晴らしかったです。が、」
「あなたは一人でステージに立っている。」
「ウインクも、歌声も、”俺”という観客に届けようという意思が感じられなかった。」
「............」
「そして、あなたのパフォーマンスをしていない。」
「あなたのそれは」
>白草月花の真似事だ。
「お前......結局何が言いたいんだ?」
「あなたは姉を目指すのに向いていない。なので」
>究極の妹王子様系アイドル、しおんたそを目指しましょう。
「はっ?」
「白草さんはは猫を被っているほうが一般受けすると思ったのですが。」
「わ、わけがわからない......」
「まずは一人称をボクにしましょう。」
「何を言っているんだ......?」
親愛度1→2
- 8二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:22:22
あそこで走っているのは白草さんか。
「はぁ、はぁ。げ......」
「おはようございます。気持ちの悪いプロデューサー。気色が悪いので並走しないでください。」
「おはようございます、白草さん。俺の送った資料は読んでくれましたか?」
「あのおぞましい名前のフォルダなら目は通しましたよ。」
「はい。白草さんには俺の考えた『俺の妹がこんなにカッコ可愛いわけがない』計画を実行してもらいたいのです、」
「と、いっても、いきなり変わることは難しいと思うので、まずは以前のように一人称を『ボク』にしてもらうところからですね。」
「以前?(たしか、有村あきらに影響されて......)いつのものですか?」
「姉妹アイドルとして特集されていた雑誌の記事ではそうだったので、あくまで俺の感想ですが、白草さんはボクのほうが似合うので。」
「6年前のあの大して売れなかったマイナー雑誌の......よく見つけてきましたね。」
「担当アイドルに惚れ込むことはいいプロデューサーの前提条件ですよ。」
「あと、大して売れなかったのか、自分は知りませんが......」
「あの記事には、写真には、作り手の愛がありましたよ。」
「............あなたって本当に物好きな変態さんなんですね。」
「まあ、ボクもあの写真たち、好きですよ。」
歌唱力 A?
ダンス力 A?
ビジュアル B?
信頼 G
? G
親愛度2→3
- 9二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:25:27
昔は髪もショートで騎士とかカッコいい役に憧れてたけど月花にやりたい役奪われまくって心が折れて髪伸ばして一人称もボクから私に変えたんだよね……
- 10二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:31:33
その概念想像しやすくてたすかる
- 11二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:32:22
(朝起きたら見れるようにお気に入り登録しとこ……)
- 12二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:41:10
ではこちらを
タイトルと冒頭からは信じられないほどの浄化Pしおが摂取できますぞ
【閲覧注意】「足りない……Pニウムが足りない」🎲|あにまん掲示板dice1d14=@10 (10)@ 「Pニウムを摂取しないと……」bbs.animanch.com - 13二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 01:50:01
花海姉妹にぶつけて頭抱えるの見たい
こんな姉妹に負けない!って思ったのに普通に負けてまた頭抱えてそう - 14二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 02:05:21
1じゃないけどありがとう……
- 15二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 02:08:36
- 16二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 02:43:36
- 17二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 06:09:57
- 18二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 06:59:16
学Pプロデュースではないけどこれも中々
🎲四音「お呼びですか黒井理事長」|あにまん掲示板bbs.animanch.com - 19二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 09:29:13
体感四音はあにまんに来ないといい二次創作がないような印象を受ける
- 20二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 10:55:57
妹路線四音は今までありそうでなかったからガチで続きを見たい
- 21二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 14:01:06
「白草さん、N.I.Aに出ましょう。」
「言われなくともそうするつもりでしたが、何か理由でも?」
「はい、開催を一週間後に控えたN.I.Aには―」
「初星学園の一番星、十王星南が出場します。」
「なんだって?どういうことですか。」
「もちろん、レギュレーションには反しているので特別ルールが設けられます。」
「ボクにはわざわざ彼女一人のためにそこまでする理由が分かりませんが......」
「大事なのはここからですよ、十王星南が出ることになったのは、白草月花が宣戦布告を行ったからです。」
「姉様が......?」
「ああ、プロデューサーはボクに、”アレ”に勝てと言うんですか?」
諦めたような表情で、白草さんが嘲笑する。
俺ではなく、自分自身を嘲笑する。
「そんなことは言いませんよ、白草さん。”あなた”が現時点であの白草月花に実力で勝つことは無理です。諦めてください。」
「ですが、白草月花と戦うのは”あなた”じゃない。一人じゃない。」
>俺と、二人でで勝つんです。
「白草さん、いえ、四音さん。俺を......信じてください。」
「ああっ、クソっ、お前のことが......本当に嫌いだ!!!!!!」
「わかりました、あなたを信じましょう。」
「その代わり、絶対にボクを勝たせろ。もちろん姉様を倒すための策は考えてあるんだな?」
「もちろん。昨日、黒井理事長からこの話を聞いたときから、42個の策を考えてきました。」
「リアルな数字......」
「では、1つ目の策とやらを教えて下さい。」
「はい、四音さん、あなたのことを愛しています。」
「はぁ!?」
親愛度3→4
信頼→D
愛情→D
- 22二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 14:45:54
待ってた
- 23二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 14:47:09
気になる様子
四音さんの様子はどうだろうか......
[観客からの愛情に応えるためにこれから毎日あなたに愛を伝えます]
あの男、本当に気に入らない......私の開設したSNS、特にしおんたそチャンネルの登録者数が著しく増えているせいで、姉さまに勝ちたいと、本気で思い始めたボクにとってはクビを切ることも悪手だ。
「クソッ......」
悔しいが優秀だ。
「しししし四音お姉さまぁ〜!?何なんですのあのチャンネルは!!!」
「変態プロデューサーの悪趣味な方針です。」
「そんなやつのどこがいいんですの。」
「全くそのとおりです、が......」
「撫子、あなたはボクのことを愛していますか?」
「ウゥェッ!?いや、まあ、親愛という意味ならば、あ、愛していますわ!」
「あの気持ち悪いプロデューサーは、きっと世界で一番ボクのことを愛しています。」
「えええええええ!?恋愛的にも!?」
「は、はぁ!?そんなわけが!」
いや、アイツのことだ......ありえなくない。
「とにかく、ボクのことを嫌いなやつより、ボクのことを好きな人に自分の身を任せたいのは当たり前ですよ。撫子。」
「ま、まあそうですわね!」
なんだか、嬉しいけど、今は話しかけに行きづらいな......。
策その7については後で話そう。 - 24二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 15:23:26
「初星学園とのコラボ?」
「ええ、黒井理事長に許可は取ってきました。」
「そもそも、N.I.Aの大会では実力よりもファンを増やすことが大事です。そして、極月のアイドルのファンならば、四音さんの名前は皆知っています。よって、初星学園のアイドルを推している人を取り込むことができれば、十王星南の戦力を削ぎつつ、」
「姉様と被らないファンを手に入れることができる、というわけですね。」
「はい。初星に営業しに行きましょう。」
今回行ける営業はこのくらいか......
dice1d10=9 (9)
1 りなみんのシスターチャンネル
2 Katsuragi games
3 花海姉妹のつよつよ最強エクササイズチャンネル
4 月村孤独のグルメ
5 紫雲清夏のKira Kiraチャンネル★
6 有村麻央のcoolにcuteに!
7 くらもとちなの日々発見!
8 篠澤広
9 せなちゃんねる(毎回ゲストという名の藤田ことねがいる。)
10 十王邦夫の帝王学じゃ!
「どんな場所であろうと、頑張りますよ。」
- 25二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 15:27:58
広が本名そのままのチャンネル名で活動してるの何となく分かる
- 26二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 19:42:48
俺はいつでも口を開けて待っているぞ!
- 27二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 19:51:13
「あなたが四音さんね、はじめまして。初星学園生徒会長の十王星南です。」
(高い素質を持っている......この私すら脅かすほどの才能ね。)
「はい、よろしくお願いしますね!十王会長!」
「星南でいいわよ。」
「じゃあ......星南お姉ちゃんですねっ!ボクのことも四音って呼んでください!」
「っ!」
(な、なんなの......この胸の高鳴りは!これは初めてことねのバイト先を見つけたとき以来の......!)
「え、ええ、それでいいわ、四音。」
(白草四音、肩書に負けない魅力を持っているわね。)
「今日のせなちゃんねるにはなんと二人ゲストが来てくれたわ!しかもライブ配信よ!」
{wktk}
「おなじみ藤田ことねで〜す。」
{ゲストとは定期}
「皆様はじめまして!極月学園の白草四音ですっ!★」
「って、えええええええ!?星南先輩!極月の子だったんですかぁ?この子!あたしなんも聞かされてなかったんですケド!」
「しかもあの白草月花の妹の妹が直々に殴り込みに来たのだから、歓迎しないとね!」
「はい!お姉様の威を借りて一番星のチャンネルに殴り込みに来ました!」
{情報量が多すぎるw}
「それって、双方のおえらいさん的にはどーなんです?」
「どちらもアイドル業界の発展を第一に考えているので大丈夫だと思います!」
「そういうことね!」
「ちょ、それ決め台詞にすんのやめてくださいって!」
「あはははは!仲がいいんですね!」 - 28二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 19:51:56
良かった、つつがなく進行しているようだ。
その後も楽しいトークライブとして進行していった、が、
「四音さんはなぜ、今回のコラボを持ちかけて来たのかしら?」
「あ、それあたしも気になります!」
(プロデューサー?)
(ええ、構いません。)
「N.I.Aで、優勝するためです!」
「ふふ、ならことねもライバルになるわね。」
「まじか〜......絶対あたしより全部うまいじゃんかぁ。」
「もし私が負けたら、姉妹揃っての優勝もありえるのね。」
「いいえ。」
「ボクは”お姉様も、星南お姉ちゃんも倒して優勝する”と言ったんです。」
{盛り上がってきた}
「まじか。」
「へえ......宣戦布告ととっていいのよね。」
「でも、勘違いしないでください!ボクはライバルになりたいので!喧嘩とかはNGです!」
「ええ、分かったわ。正々堂々、全力でかかってきなさい!」
「はい!頑張ろうね、ことねちゃん!」
「エッ、あたしもですかァ!?」
{四音さんやばいwwwwwwww}
{強心臓すぎる}
{ハァーーーーハッハッハ!!!!!よくぞ言ったぞ四音!!!!!!}
{しおんたそのファンになりますた}
コメントも盛り上がっているな!今回の営業は大成功だ!
ファン投票数もとてつもなく増えた......恐ろしいな、一番星の影響力。 - 29二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 19:52:31
あにまんの行数制限見ずに書き溜めてしまった...
- 30二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 20:19:41
その時、四音さんのスマホが震えた。
白草月花からの着信だった。
四音さんは配信中中だったが電話に応答し、月花さんとの会話を始めた。
「四音か、私だ。ああ、スピーカーにして配信に音声を入れてもいいぞ。......単刀直入に聞く。今の発言は本気か?」
「ええ、もちろんです。」
「この前のライブも最悪だった。そんな貴様がすぐに成長できるとでも?」
音量を増した声が生徒会室に響いた。
{厳しいな}
「そうですね......無理でしょう。私にはお姉さまほどの実力はありませんから。」
「ですが、それは前提であって、諦める理由にはなりません。」
「歌、ダンス、ビジュアル。それらすべて負けていても勝てます。」
「ファンがいるから。」
「ボクは、アイドルだから。」
「......少しは成長したようだな。」
「Finaleを楽しみにしているぞ。」
「あら......最初にあなたが喧嘩を売った相手を忘れているのかしら?」
「私は強いやつならば誰でもいい、そう......そこの雛鳥であったとて構わん。」
「こ、光栄ですケド......、”まだ”やめときます!」
{まだ!?将来的には!?}
{盛り上がってきた!}
「邪魔したな、十王。また会おう。」
流れも流れだったので、配信はその後すぐ終わった。 - 31二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 20:20:40
「ふう、随分と荒らされてしまったけれど、一つ確かなことがあるわ。」
「今回の配信は大盛り上がりだった。」
「四音、またコラボしてくれる?」
「はい、もちろんです!」
嬉々とした表情で答えた彼女は、
きっと初めて、姉との勝負にワクワクしていた。
親愛度4→5
信頼 C
愛情 C - 32二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 20:53:47
おしとやかムーヴを常にしている四音なら妹キャラもこなせるという信頼がある
- 33二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 22:30:00
「もう何回か営業をしましょう。」
「どこがいいですか?」
「ボクはdice1d10=1 (1) とコラボしたいです。」
1 りなみんのシスターチャンネル
2 Katsuragi games
3 花海姉妹のつよつよ最強エクササイズチャンネル
4 月村孤独のグルメ
5 紫雲清夏のKira Kiraチャンネル★
6 有村麻央のcoolにcuteに!
7 くらもとちなの日々発見!
8 篠澤広
9 せなちゃんねる(毎回ゲストという名の藤田ことねがいる。)
10 十王邦夫の帝王学じゃ!
- 34二次元好きの匿名さん25/05/24(土) 23:16:31
でたな特にそういう事実はないのにりなぽよに囚われているという情報がお馴染みになっているコンビ
- 35二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 01:04:09
今日は動画の収録だ。
「今日の妹(ゲスト)はこの方で〜す。」
「はじめましての方ははじめまして!いつも応援してくれるお兄ちゃんお姉ちゃんはこんにちは!白草四音です!」
「は〜い、よろしくね、四音ちゃん。」
「よろしくお願いします!莉波おねえちゃん!」
(クソッ、妹キャラに慣れてきた自分が嫌で仕方ない。)
「か、かわいい!」
「し、四音ちゃんは真の妹アイドルにして、最強のお姉さんがいるんだよね?」
「まあ、そうですねー、お姉様はすごい人です!」
「じゃあ、いつも通り膝枕しながらお話を聞かせてほしいな。」
(な......?
企画内容を何も伝えられなかったが、膝枕だと?しかもこの女、いつもと言っていた......。
あ、あり得ない、LOVEしすたぁずのリナぽよがお姉さん系に転向したことすら度し難いというのに、膝枕だと......?
そんなの、ボクの姉データには無いッッ!!!!!!!)
「さあ、四音ちゃん、どうぞ。」
リナぽよの太ももに頭を乗せる。
「やわらかっ。」
「そ、そうかな?ちょっと恥ずかしいな......?」
「いえいえ、莉波お姉ちゃんの膝枕、すごく気持ちいいです......。」
「ふふっ、リラックスしてね。」
リナぽよがボクの頭を撫でる。
(ば、ばかな、こんなの......姉じゃない!姉とはこんなに優しく、包容感のあるものでは!
こんな脂肪の塊!脚の上に頭を乗せただけで癒やされていく!)
「ええっ!?四音ちゃん、どうしたの?」
「いえ、お姉様はしてくれなかったので......。」
「してほしかったんだ......。」
「すぅ.................................。」
「あっ、寝ちゃった。」
「えっと、どうしよっか?私はしばらくこのままでもいいけど......。」 - 36二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 10:29:51
NICE
- 37二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 14:45:07
三十分が経っても、四音さんは目覚めなかった。りなみんさんは誰かを膝枕していると落ち着くと言っていたので、お言葉に甘えて起こしていないが......そろそろ......。
「お疲れなのかなぁ、ふふ、可愛い寝顔。」
「最近。少し無理をさせすぎたかもしれません。」
「もともと妹キャラじゃなかったんですよね。私ももともと妹キャラだったので、キャラづくりを模索する大変さは分かります。あっ、プロデューサーさんを批判してるとかじゃなくて!」
「はい、自分でも難しい注文をしているという自覚はあります。お気になさらず。」
妹系キャラしおんたそとして活動をしつつ、ステージではカッコいい歌声、カワイイファンサ。
四音さんは俺の難しい注文を全て叶えてくれているのに、俺は彼女の注文を叶えられているのか?
四音さんは絶対に一番になる。しかし、その手助けを、俺はどれだけできているのだろうか。
「私は空回りしちゃって......みんなに迷惑かけちゃったんです、うまくできなかったから。」
「でも、四音ちゃんはすごいなあ。」
「私もこんな妹がほしい!ってなるアイドルだと思います。白草月花さんが羨ましくなっちゃう。」
そうか、そうだったのか。自分ですら気付かなかったことを、今教えてもらった。 - 38二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 15:30:29
実はもう目覚めているとは言い出しづらかった。
寝たふりを続けていると、「こんな妹がいる白草月花が羨ましい。」と聞こえてきた。
そうか、そうだったのか。自分ですら気づかなかったことを、今教えてもらった。
ボクのプロデューサーは、ボクを”共感できるアイドル”にしてくれたんだ。
ボクのパフォーマンスは......今だから言える。独りよがりだった。
確かに、レベルは高かったと思う。でも、それでは”あの子はすごい”と線を引いてしまう。
ボクがかつて月花姉様にしていたこと、自己投影ができないアイドルだったんだ。
でも、プロデューサーは、ボクのファンを、ボクと同じように月花姉様を羨む存在にしてくれた。
理由は違えど、その感情は同じだ。
コメントでも「お姉ちゃん大好きなしおんたそかわいい〜、かっこいいから憧れちゃうよね!」だの言われていた。
しおんたそチャンネルで、ボクはいつも「お姉様目指して頑張るぞ!」という気色悪い言葉を言わされていたのも、
姉を羨む気持ちを透けさせるためなのか?
だとしたら......この男はどこまでボクのことを考えているんだ?
どこまで本気でボクを勝たせようとしているんだ?
仏頂面で、ズレたメガネを直しながら平然と気持ちの悪いことを言うアイツは、
ど、どれだけボクのことが好きなんだぁ〜!?!?!?
まずい、顔が熱くなってきた、ええい、もう起きてしまえ!
「う、うーん.....。」
「あ、目が覚めたみたい。おはよう!」
「え、ええ、おはようございます。」
「顔が赤いけど、大丈夫?」
「気持ちよくて、こうなっちゃいましたぁ......えへ。」
「ん〜!ほんっとにかわいい!」
その後は楽しい姉妹?トークが繰り広げられた。
この営業を組んで良かったな! - 39二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 15:33:57
ちゃんと妹なんだけど四音のビジュアルで妹キャラやるのインモラル感強くて良いね……
- 40二次元好きの匿名さん25/05/25(日) 22:00:26
でも極月制服ってなんか厚くて妹キャラにあってる感ある
- 41二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 01:51:04
やっぱり四音プロデュースしてえよなあ
- 42二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 03:41:27
ほ
- 43二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:06:25
「プロデューサー、その……ありがとう。」
「?」
極月学園に帰る道中、四音さんが初めて自分から会話を始めた。
「きっと、ボクが私のままだったら……N.I.Aで勝ち上がるには、他の人を蹴落とすしか無かった。」
「自分一人ではファンを増やせなかった。」
「あなたは、ボクを共感できるアイドルにしてくれた……。」
四音さんが儚げな表情を見せる。
「でも、思ったんです。他にも才能に溢れたアイドルは沢山いるのに、なんでプロデューサーが選んだのはボクなんですか?」
「言っても怒りませんか?」
「もちろんです。ボクはあなたに感謝している。ちょっとやそっと……いや、かなり気持ち悪い事も言われてきましたが、今だけはなんでも言っていいです。」 - 44二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:11:41
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:16:57
このレスは削除されています
- 46二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 08:18:13
誤字りまくりました、すいません……
「俺が見つけたアイドルの中で、一番あなたが好みだった。」
「へ、へえ。」
「俺が見つけていないアイドルがどれだけいるか分かりません。でも、あなたを超える人はいない。」
「それほどですか?」
「ええ、絶対に、白草月花ですらあなたに勝てない要素がある。」
「……カッコつけすぎましたかね、単刀直入に言うと、あなたはすごくかわいいんです。」
「なっ、」
「かわいいポイントを列挙していきましょう、顔がかわいい、熱いお茶を飲む時よくふーふーしてから飲むのがかわいい、まばたきもかわいい、存在がかわいい、」
「わ、分かった!お前がボクのことを好きで好きでしょうがないことは分かったから!」
「むぅ……あとdice5d999=543 757 272 325 536 (2433) 個は言えたんですが。では、最後にあなたをプロデュースしたいと思ったきっかけのかわいいポイントを伝えましょう、あたりつき自動販売機で当たるとは思わず立ち去ったら当たりの音がして、ドタバタ焦りながらとりあえず適当に押したらブラックコーヒーが出てきて、その自販機の前のベンチにいた俺に『これ、私には不要なものなので。』と渡す時の表情が……もう、たまらなかった。」
「お、お前!あの時の生暖かい目でボクを見ていた男か!?」
「ええ、あの時はまだプロデューサーではなかったので、眼鏡はかけていませんでした。しかし、あなたという運命に出会ってしまったので……。」
- 47二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 16:20:40
自販機の流れ想像しやすすぎるしバカかわいい
こういうのだけ啜って生きていきたい - 48二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 23:33:06
「っはあ。もういい。分かった。分かりましたよ。ボクもあなたの思いを聞いてより勝ちたくなりました。」
(どうにかしてあの鉄仮面を剥がしてやりたい......!)
「それは何よりです。」
「勝ちたいのはあなたのために、です。」
「!」
四音さんが極月学園の門の前で足を止め、後ろを歩く俺に体を向けた。
「では、ボクは寮に帰るので......。」
一歩一歩歩み寄ってくる。
「また明日ね、おにいちゃん♡」
「なっ.......!?」
「ふふっ。」
顔が熱い。きっと茹でダコのように真っ赤になっているだろう。はたまたタコも茹でられるほどの熱さかもしれない。
もう、まったく、俺の担当アイドルはどうしてこんなにかわいいんだ。
その夜、俺は耳元で囁かれたその言葉を反芻しながら眠った。
「四音さんは俺の妹だったんだ......。」
野山を駆け回り、一つのかき氷を分け合った夏の存在しない記憶を彼女のおかげで思い出すことができた。
ビジュアル→A
信頼→S
愛情→S
親愛度5→6
次からN.I.Aオーディションに入ります。 - 49二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 00:42:21
今まで姉と比べられ否定され続けてきたからこそ真っ直ぐな愛情を浴びせ続けるのが四音には1番良いんだよな……
- 50二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 08:08:47
四音さんはオーディションで無類の強さをみせた。
俺がプロデュースを始める前の状態でも、負けることはなかっただろう……。
十王星南や白草月花はもちろん、藤田ことねさんも順当にオーディションを勝ち進んでいた。
しかし、オーディションの後のファン投票数の伸び方がもっと大きいのは四音さんだ。
白草月花が伸びれば、巨大なライバルに立ち向かう四音さんを応援する人が増える。
四音さんを応援している人は、四音さんを応援し続ける。
白草月花は有名なぶん、ライトなファンが多い。
そのライトなファンを根こそぎ四音さんが持っていけば十二分に勝機はある。
「ボクのファン投票数がとんでもなく伸びています。」
「そうですね、なぜでしょう。」
「初星学園のファンは自分の推しが敗退したら、ボクに投票してくれるからでは?」
「いえ、それなら十王さんに投票するはず……と言いたいのですが、その推測はあながち間違ってもいませんね。」
「次はいよいよ藤田ことねさんとの勝負です。実力は上回っていますが、気を引き締めていきましょう。」
「プロデューサーが教えてくれたのでしょう?実力など、まやかしですよ。」
「ボクが……世界一かわいいのはどちらか決めてあげます!」 - 51二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 10:33:37
- 52二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 19:35:40
四音さんは俺の妹だったんだ...
- 53二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 21:10:02
- 54二次元好きの匿名さん25/05/27(火) 23:59:00
焦ってバタバタしてる四音からしか得られない栄養がある…
- 55二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 00:33:40
「藤田さんのパフォーマンスが始まりますよ。」
「ええ、よく見て吸収しますよ。」
藤田さんは決して技能が高くない、しかし、ルックスと自分の魅せ方に自信を持っている。
きっと、優秀なプロデューサーがついているのだろう。
観客も盛り上がっている。会場は、少し揺れているような気がする。
「あの子、歌うまくねえけどさ......。」
「わかる、かわいく歌うよな。」
「ダンスうめー!」
「私のことねえええええええ!頑張ってえええええええええ!」
「ことねのファンサは参考になるわね!」
パフォーマンスが終わり、熱気がどんどん高まっていく。
「こんなにあったまった舞台でやれるなんて、ボクはラッキーです。」
「おにいちゃん、ボクの頭を撫でてほしいな......?」
「!!!」
なんて悪魔的な上目遣いだろう。
そっと手を触れて、サラサラの髪の毛をわさわさと揺さぶる。
「撫でるの、うまいですね。」
「お兄ちゃんですから。」
「何ですか、それ。」
毎日素敵になっていく笑顔を、今日も俺に見せてくれた。
「四音さん、勝ったら食べたいものはありますか?」
「そうですね......とりあえず、出前寿司でお願いします。」
「もっと豪華でもいいんですよ?」
「いえ、それは最後のお楽しみにしておきます。」
流れるような勝利宣言を口にして、彼女はステージに向かっていく。
「よろしくお願いします!」
その30秒後、俺は出前を取る準備を済ませて、四音さんを目に焼き付け、大きく揺れるこの会場の一部となった。
白草四音 暫定N.I.Aランキング3位 - 56二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 00:40:42
愛情→SS
親愛度6→7
ランキング
順位 名前 ボーカル ダンス ビジュアル
一位 白草月花 SSS SSS SSS
二位 十王星奈 SS+ SS SSS
三位 白草四音 A? A? A? - 57二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 01:37:29
ほ
- 58二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 03:23:11
し
- 59二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 05:28:33
つまり月花は学Pの嫁?
- 60二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 07:49:29
最終オーディションまでにできることをやろう。
まずはお出かけだ。
「ボクとしてはレッスンをしたいのですが……まあ、休憩ということなら。」
「dice1d3=3 (3) に行きたいです。」
1 プロデューサーの好きなところ
2 プロデューサーの家
3 プロデューサーの実家
- 61二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 07:52:14
「ダメです。」
「何故ですか?」
「dice1d3=1 (1) です。」
1 遠いから
2 シンプルに急に行ったらあっちも困るから
3 “その時”が来たら紹介しようと思っているから
- 62二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 08:02:01
「じゃあ優勝旅行の行き先はそこ、ということでいいですね?プロデューサー?」
「……まあ、それなら。」
「今日はプロデューサーの好きなところに行きましょう。」
「海に行きましょう、釣りをします。」
「へぇ、ボク、釣りは初めてなので色々教えてくださいね?」
「ええ、今夜も寿司にできるくらい釣れるようにしてあげますよ。2夜連続の寿司なんて豪勢で最高ですね。」
「それはいいです。」
「そ、そうですか……。」
「プロデューサー、また出かけましょうね?」 - 63二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 15:07:36
おでかけ(デート)で相手の実家選ぶとかもうそういうことじゃん!
- 64二次元好きの匿名さん25/05/28(水) 23:41:41
保守
- 65二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 00:43:12
今日は四音さんの完全休養日なので、俺一人で海釣りに来た。
いつも通りの顔なじみの人もいれば、そうでない人もいる。
ここは穴場的スポットなので、芸能人がいることも珍しくない。
今日は十王星奈と白草月花がいた。
「まあ座るといい。四音のプロデューサー。」
「あら、奇遇ね。四音のプロデューサーさん。」
「帰っていいですか?」
「駄目だ。」
「ダメよ。ダメダメ。」
「「あははははは。」」
帰りたい。
「こうして話をするのは初めてだったな、四音のプロデューサー。」
「ええ、そうですね。」
「ちょっと、オモリが絡まってしまったのだけれど。」
「四音のユウチューブというやつはなかなかに面白かったぞ。」
月花さんは十王さんの竿を直しながら話を続ける。
「特にツイスターゲームをしながら私のライブを解説する回が最高だった。」
「ああ、それ私も見たわ。神回と呼ばれているやつよね。」
「プロデューサー、あなたの作った偶像は四音によく合っているらしいな。」
「四音さんがすごいだけです。」
「そうだな、四音には才能がある。それを活かせない愚かさが昔から気に食わなかったが......。」
「いまの四音は輝いていて、かつ私達を凌ぐほどの急成長も見せている。」
「なにこれ!昆布が釣れたわ!」
きれいな瞳がこちらを見つめ、彼女は長く頭を下げる。
「プロデューサー、あなたに感謝を。」 - 66二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 08:02:05
「四音が観客の目をみてパフォーマンスを出来るようになったこと。そして、四音を私のライバルとしてくれた事も。」
「では、お礼と言ってはなんですが、お願いがあります。これは、十王さんにもです。」
「finaleは、1ミリたりとも手を抜かないでください。あなたの全てを出し切って、会場全てをお二人のものにしてください。」
「少しも手加減してやるつもりはない。」
「相手に失礼だものね。」
「ならば、良かった。」
「「「………」」」
緊張感に満ちた沈黙が続く。
二人にわざわざ発破をかけた以上、これで万に一つも勝てなくなっただろうな。
でも、アイドルは奇跡を起こすものだ。
俺は奇跡を起こせるアイドルをずっと見てきた。
「真面目な話はもう終わり!さあ、釣りを楽しみましょう?」 - 67二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 08:22:49
その後は、なぜか楽しい釣りの時間となった。
別れの時になって、俺たちはまたの再会を約束して、それぞれの帰路についた。
「そういえば、白草さんも今は極月の寮にいるんでしたね。」
「月花でいい、紛らわしいだろう。」
「では月花さん、聞きたいことがあるのですが……。なぜ俺の釣り場が分かったんですか?」
「四音が、おでかけであろうと、営業であろうと、あなたと共に出かけるとメールでいつもあなたの話をしてくる。」
「えっ。」
もっと仲悪いんじゃなかったのか。
「仲は良くない、が、あちらも改善しようとしているみたいでな。姉として、歩み寄るのも礼儀だろう。」
「どうやら、プロデューサーが実質いない私にプロデューサー自慢をしたいようだが……あれではただの惚気だな。」
「それで……。」
「あなたがどれほど魅力的な男なのか、会ってみたくなった、という訳だ。」
「俺は普通ですよ。人より四音さんに詳しく、重い感情を抱いているだけです。」
「わざわざ四音のプロデューサーになるような男が普通であるはずがない。いったいどんな誘い方をしたらスカウトできるのか、とても気になる。」
「白草月花に勝てるアイドルにすると言いました。」
「……やはりあなたは面白い男だ。」
「光栄です。」
「プロデューサー。私のプロデュースをしてくれないだろうか。」
彼女のプロデューサーに?プロデューサーにとって、トップアイドルをプロデュースできるなんて、とてもいい話だ。しかし……。
「黒井はあなたのように自由に動けないからな。出来ることの幅を増やすためにプロデューサーが欲しいと思っていたんだ。」
「ごめんなさい。海外だと四音さんに会えなくなるのでお断りします。」
「そうか……。やはり、あなたが四音のプロデューサーで良かった。」
「きっと、finaleが最高の戦いになる。」 - 68二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 11:34:52
月花姉様、四音を愚妹呼びはするけど悪いことした時だけだし、基本四音の才能は買ってるのよね…そりゃ頭角現し始めたら嬉しくなる
- 69二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 11:56:23
悲しいけどもしかしてそんなに急がなくてもいいのではないか
- 70二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 17:09:55
「我々は、ファン投票数をとにかく増やしたい状況です。なので、N.I.Aに興味がないアイドルファンを取り込みたいので、今回のN.I.Aに出場していない人とコラボしようと思います。」
N.I.Aに出場している人のチャンネルは?
dice5d10=7 3 9 5 1 (25) (重複は+1)
1 りなみんのシスターチャンネル
2 Katsuragi games
3 花海姉妹のつよつよ最強エクササイズチャンネル
4 月村孤独のグルメ
5 紫雲清夏のKira Kiraチャンネル★
6 有村麻央のcoolにcuteに!
7 くらもとちなの日々発見!
8 篠澤広
9 せなちゃんねる(毎回ゲストという名の藤田ことねがいる。)
10 十王邦夫の帝王学じゃ!
- 71二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 17:14:45
「ボクのファンを増やすためにはdice1d5=4 (4) とコラボするのが一番でしょうね。」
1 Katsuragi games
2 月村孤独のグルメ
3 有村麻央のcoolにcuteに!
4 篠澤広
5 十王邦夫の帝王学じゃ!
- 72二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 17:47:11
邦夫くんやんちゃすぎる
- 73二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 18:02:01
5 分 の 1 邦 夫
- 74二次元好きの匿名さん25/05/29(木) 18:55:44
「今日はよろしく、ね。」
「はい!よろしくお願いしますね、広さん!」
「うん。今日の動画は、わたしが四音と一緒にマッシュポテトを作りながらお話をする動画。」
「えっ?広さんが?」
「うん。......マッシュポテト、好きじゃない?」
「いや、ボクも好きは好きなんですけど......。」
(こんな細い腕に潰されるほどじゃがいもは柔らかくないだろう......!)
「じゃあ、やっていこう。」
「まずは皮を剥くところからですね!」
「うん。そしたら電子レンジで温める。」
(しかし、本当に細いな。これじゃダンスも、芯のある歌声を出すことも難しいだろうに。)
(けれど長い睫毛と雪のような肌、羨ましいな。)
「広さんはどうしてマッシュポテトを作ろうとしたんですか?」
「それがわたしにとって、難しいことだから、かな。」
「わたしはままならない状況が好き。自分にとって難しいことに立ち向かうとわくわくする。」
「広さんは随分変わってますね......。」
「?四音もそうじゃないの?」
「あんなに強そうな人達と戦おうとしてるのは、苦しいのが好きだからだと思ってた。」 - 75二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 00:10:39
「辛く苦しいことのためにやっているんじゃなくて、好きなことの延長線上にそれがあるだけですよ。広さん。」
「自分からうちの生徒会長に宣戦布告したのに?」
「......」
本人もやはり否定しつつも結局は自ら茨の道に進んでいると気付いたようだ。
正直、このN.I.Aで白草月花に勝とうと思えるのは一番星と四音さんの二人だけだろう。
俺ですら一番星への宣戦布告は想定していなかった。
四音さんの魅力は時折見せる豪快さだ。
まあ、兄や姉とは往々にして妹に振り回されたいものなので、俺は彼女の発言をファンを一喜一憂させるくらいでちょうどいいと思っている」。
「やっぱり、四音はわたしと似てる、ね。」
「早くわたしも四音のように力をつけたい。」
憧れに満ちた眼差しを篠澤さんは四音さんに向ける。」
「ふっ。ボクと勝負したいということですね?」
「いいでしょう!いつでも――広さんの挑戦をを受けてあげますよ!」
「いや、芋を潰すのがうまいから、四音みたいな力がほしいってことだよ。」
四音さんが呆気にとられたような表情になる。彼女はぷるぷると震えて叫んだ。
「なんでやねーーーーん!!!!!!!!!!!!」
「ふふっ、ナイスツッコミ。」
「わたしたち、相性ばつぐん。」
「はあ、はあ、マッシュポテトってどれくらい潰すんですか?」
「あ、話題を変えてきた。」
「こんなことこれ以上話したらボクの頭がヘンになっちゃうと思ったんです!」
「恥ずかしい?」
「思いっきり勘違いさせに来ても悔しくないですよ!」
「むぅ......四音に悔しい思いをさせたい。」
「だったら、ボクのライバルになれるように頑張ってください。」
「ライバル............。」
篠澤さんは赤くなった頬を両手で包むようにうっとりとした表情を見せた。
「四音のあたふたしちゃうところ、好き。」
......それ、俺もです、篠澤さん。 - 76二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 02:06:01
四音ってやっぱかわいいよな
- 77二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 09:16:40
四音×広だと……!?
こんなのボクのデータに……! - 78二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 13:05:37
麻央さん……あにまんやってたんだ
- 79二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 16:13:44
N.I.Aまであと2日。
「ワン、ツー、さん、し……。」
「四音さん。」
「プロデューサー、レッスンに来るなんて珍しいですね。」
「ええ、見惚れてしまって、レッスンの後も四音さんのことしか考えられなくなってしまうので。」
「そ、それは嬉しいことですね、ボクも魅力的になりましたか?」
「最初から魅力的なので俺にはそうなったか分かりませんが、最近の四音さんにはカッコいいとかわいいのメリハリを感じます。」
「広さんから、必要なのはコントラストと教わったので。というか、いちいち余計なんですよ!あなたは!最初からとか……。」
照れる四音さんはかわいいなぁ。
「最近はお前と呼んでくれなくて寂しいです。」
「きもっ。」
「そう、これですよ!これ!」
「もーっ!あれは黒歴史です!」
ぷりぷりと怒る四音さんもかわいいなぁ。
「今までレッスンは仕事が手につかないので、あまり見ないようにしていたのですが……。」
「前より楽しそうにレッスンをしていますね。」
「白草月花の物真似をやめたからですよ、あれはボクにはまったく合っていなかった。」
「ボクはありのままでいいと、あなたが教えてくれたから、本気で歌えるようになったんです。」
「精神的にも四音さんは成長しましたね。これなら明後日のfinaleも大丈夫でしょう。」
「では、俺は戻ります。明日は休養日なので、怪我をしないよう今日のレッスンを頑張ってくださいね。」
「はい。プロデューサーこそ、頑張ってください。」
「あ、あと、プロデューサーにお願いがあるんです。」
「なんなりと。」
四音さんが深く息を吸って、俺を見つめる。
「明日、ボクと出かけてくれませんか?その、2人きりで。」 - 80二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 00:47:48
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- 81二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 01:54:42
四音さんが俺を2人きりのお出かけに誘うなんて、考えられなかった。
だって、俺のことはただのビジネスパートナーだと思っていたんじゃ......?
撫子さんに相談してみよう。
「ごきげんよう!四音お姉さまのプロデューサーさん!」
「撫子さん......悩みを聞いてくれませんか?」
「もちろん!四音お姉様のお力になれるなら何でもいたしますわ!」
「実は、俺のことをただのビジネスパートナーだと思っているはずなのに、四音が俺をお出かけに誘ってくれたんです。」
「これ、どう思いますか?彼女は俺のことをどう思っているのでしょうか?」
「クソボケですの?あなた。」
(こいつ!!!!四音お姉様があれだけすきすきアピールをしても気付かないなんて、なんてにぶちんなんですの!?)
「なっ!?」
「あなた、まず自分でお姉様をどれだけ活躍させているか思い出して考えてから発言するべきですわ、」
「多少なりとも特別な感情がわかないほうがおかしいですわ。」
「そう......ですか。」
「ええ。あなたはがんばりやさんだと何度も聞いておりますわ。」
「明日はあなたによく休んでほしいのでしょうね。」
「な、なんと!四音さんはなんて優しいんだ!」 - 82二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 09:33:35
このレスは削除されています
- 83二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:09:33
{明日は決戦なので、疲れが残らないところに行きますよ}
昨日の夜のメッセージには集合場所とその文言だけが書かれていた。
一体どこに行くんだろうと考えていると、集合場所で俺を見つけた四音さんが駆け寄ってくる。
「プロデューサー、お待たせいたしました。」
「おはようございます、四音さん......。」
四音さんは不思議そうな表情を見せた。
「いつもの愛していますっていうのはやらないんですか?」
いつもはおはようございますの後に言っていた。
「もうあなたは愛情を持ってファンに接することができていますから。」
「なんだ、そういうことですか。」
「それと......自分にとって特別な女性に軽々しく言う言葉ではないと思ったので。」
「なっ!なにをいって......!!!??」
「あなたは俺にとって、特別なんです。」
「その言葉が、今の俺の気持ちです。今はこれが、限界です。」
「俺も、恥ずかしいので。」
「わ、わかりました!いきましょう、今日の目的地に!」
「は、はい。」
その後は、どこかよそよそしい雰囲気が二人の間にできていた。
二人の距離は縮まらないまま、広がって歩くわけでも、くっついて歩くわけでもない、微妙な距離感で歩き続けた。
時折お互いを見つめては、気まずくなってそれをやめる。
俺は話題を振ろうとしても思いつかない。さっきので全部ぱあになってしまった。
きっとすぐに元通りにできるのに、どちらもそれをしない。
この感情はきっと今だけのものだ。
今日を四音さんと楽しくできるといいな。 - 84二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 12:41:42
良いですなぁ。捕手。
- 85二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:49:09
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 00:06:16
わしも保守
- 87二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 01:08:30
しばらく歩いた後、俺達は電車に乗り、
バスに乗り換えて目的地を目指した。
隣を歩く四音さんが手に持っているものの正体は、そこについた時に初めてわかった。
そこは、海の見える公園だった。大きな木が防風林としてそこかしこに植えられていて、木陰では座り込んでお弁当を食べている人もいた。
「今日はピクニックですね?」
「はい。お弁当を作ってきました。」
「すごく嬉しいです......お母さん以外にお弁当を作ってもらったことは初めてなので。」
「彼女とか、いなかったんですか?」
「いませんよ、今までずっと......生まれてからずっと。」
「そうなんですね、」
四音さんが楽しそうな顔をしてレジャーシートを敷いてくれたので、重石として俺の上着を置いた。
「あなたのスーツ以外の姿、初めて見ました。」
「そうですね、今日は暑いので。少しボタンを開けてもいいでしょうか?」
「も、もちろんです。」
潮風が気持ちいいな......。いつもの釣り場は風をあまり感じないのもあって、すごくさわやかな気分になった。
「ここは数少ない、ボクと姉様が一緒に来たことがある、特別な場所なんです。」 - 88二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 08:39:31
このスレは落とす訳には行かない
四音のデート服が気になる…… - 89二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 11:30:33
「この海で姉様と遊んだのが、最後だったんです。その後すぐ、姉様はアイドルの道を進み始めてしまったから。」
砂浜を見つめて、彼女の美しい髪の毛が揺れる。その瞳は、昔を懐かしんでいた。
四音さんは、白い砂浜と、青い海を混ぜたような美しい空色のワンピースを着ていた。それにシワがつかないようにレジャーシートに座りこみ、お弁当を渡してくれた。
強い風の中でも食べやすい、サンドイッチだった。
木の下は安全ですけど、一応トンビに取られないようにしてくださいと忠告を受けて、俺はサンドイッチを口に運んだ。
「美味しいです。マスタードの量が丁度よくて、満足感がすごくあります。」
「本当ですか?」
「男の人はどんな味付けが好きか分からなかったので、喜んでもらえて嬉しいです。」
四音さんのものはマスタードが入っていないようだ。苦手なのかもしれない。
「ボクはマスタードは苦手なので。」
「あなたのために用意しました。」
俺はあなたのため、とか、魅力的な言葉を四音さんが選べるようになっていることが嬉しかった。
「ありがとうございます。」
ベージュのサンダルをぴょこぴょことゆっくり前後に動かして、四音さんは嬉しそうに微笑んだ。
「俺、なんだか涙が出そうです。」 - 90二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 16:01:58
「四音さんの成長を今まで間近で見てきて、これからもしばらくは見れるんだろうな、と思うんです。」
「でも......いつかアイドルを引退してしまったら、あなたとも疎遠になって、ここに来ることもなくなってしまうんだって.......考えるだけで......。」
目頭が熱くなる。
「何を言っているんですか?」
「ボクがあなたから離れるわけがないでしょう。だって、」
彼女の目がアイドルの目になる。
「白草月花を倒したプロデューサーになるんですから。」
「そう、か。そうですね。」
彼女を初めて知った日のことを思い出した。
彼女が諦めた目で雲の上の存在を語るあの目は、アイドルの目ではなかった。
しかし、黒井理事長に案内されて、彼女のレッスンを初めて見たとき、彼女の語る雲の上はそう高くないと思わせてくれた。
俺が一番にしたいと思った四音さんではもうない。
俺と一番になる四音さんだ!
「四音さん、俺に一生夢を見させてくれますか?」
「ええ、何度でも!明日のことなんて忘れるくらいに!」
しばらくの間、お互いに大きな目標を語り合った。ドームを目指そうとか、ツアーをやろうとか、とにかく、いろいろ......。
楽しい時間だった。
「ふう、演出といえばざっとこんなものでしょうね。」
「そうですね......。」
「プロデューサー、お弁当も食べ終わったことですし、海で遊びませんか?」
「中に......その、着てきたんです。水着......。」
なんだって!? - 91二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:32:04
四音の水着っっ!想像するだけで何故か鼻血がでr
- 92二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:34:58
このレスは削除されています
- 93二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:36:16
このレスは削除されています
- 94二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 07:24:14
水着四音ちゃん……!?
そんなの私のデータにないよ……!? - 95二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 12:53:21
ビキニ四音は俺に効く
- 96二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 15:50:14
誰もビキニなんて言ってないんだよなあ
極月学園の校則により学外でもスク水を着ることになっている - 97二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:46:54
待て待て、水着と言ってもきっとカーディガンに違いない。
いや、何を昂っている?そもそも明日はFinaleだ。日焼けなんてしたらまずい。
いや、日焼け止めは塗っているはず、塗っていないのならば塗ればいい。
「カーディガンも着てきたんですけど、脱いだほうがいいですか......?」
待て待て、俺はプロデューサーだ。冷徹で、理論的で、機械的かつ合理的で最適な決断を下さなくてはいけない。
「dice1d1=1 (1) 」
1 お願いします。
- 98二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:34:54
非常に合理的な判断を下したプロデューサーくんに拍手
- 99二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:49:57
「ど、どうですか......?」
「最高です、やはり四音さんはどの色も似合いますがその中でも赤色が一番だと改めて再認識できました。」
この主張しすぎない彩度の赤色こそが四音さんだ。
内に秘めた情熱を表すような赤色のビキニを纏った四音さんが、日焼け止めを塗ってくださいとお願いしてきたので、背中にしっかりと塗り込んだ。
自分で塗れるところはもう塗っておいたと言うので、俺も靴を脱いで砂浜に向かった。
「クラゲがいるので、中までは入れないと思いますよ。」
「そうですね、また夏に来ましょう!」
「えい!」
四音さんが思い切り足を振り上げて、俺に水をかける。
「こちらも!」
手で作った水鉄砲を噴射する。
「あっ!冷たいですよ!」
お互いに様々な方法で水をかけあった。
「プロデューサー、もうずぶ濡れですよ!」
「四音さんこそ前髪がすごいことになってます。」
「それはお互い様ですよ?」
「ええっ。」
しばらく笑いあった後、これ以上やると疲れてしまうので、海から上がることにした。
「あ、タオル忘れちゃいました......。」
「カーディガンでは薄いでしょう。俺の上着でよければ貸しますよ。」
「それだとプロデューサーが風邪を引いてしまうでしょう?......だから、こうします。」
上着を俺の左肩と四音さんの右肩で分け合い、レジャーシートの上に体育座りで並んだ。
「プロデューサー、あったかいですね。」
「四音さんも、温かいです。」
四音さんが頭を俺に預ける。
海鳥が鳴き、木漏れ日が体を温めてくれる。
隣には四音さんがいる。
「ボク、こんな時間が、引退してからもずっと続いたらなって思います。」
「そうですね。続けましょう。ずっと......。」 - 100二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:09:21
気づいたら、俺は四音さんの隣で眠ってしまったようだ。
目覚めたとき、俺は四音さんの膝の上に頭を乗せていた。
空が半分しか見えない......。
「起きましたか?」
「すみません、ちょっと疲れていたかもしれません。」
「ええ、ボクは全く疲れていないんです。それはプロデューサーが本来ボクの疲れとなるものまで背負っていたから。」
「だから、プロデューサーの好きな膝枕をしてあげているんです。」
「あれ、好きって言ったことありましたっけ。」
「あなたみたいな変態は好きに決まっています。」
「!!!!!」
四音さんは探偵の素質もあるかもしれないな。 dice1d100=59 (59) (ダイスの結果が100ちょうどなら引退後探偵になる。)
「さあ、帰りましょうか。」
帰りのガラガラの電車の中では二人がけ席に座り、四音さんとトランプをした。
四音さんはかなりのポーカーフェイスだったが、残り一枚になると途端に表情がわかりやすくなり、弱くなったので毎回俺が勝った。
「詰めの甘さは課題ですね。」
「何度もババ抜きをして問題点を見つけ出す......これもプロデュースの一環だったと?」
「いえ、焦る四音さんがかわいいので何度もやっていただけですよ?」
「もう!!!!」
- 101二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:15:04
うおおおおおお!!!!!!!
うおおおおおおお!!!!!!! - 102二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 00:59:51
駅からはそのまま極月学園の前まで四音さんを送って、家に帰った。
今日は明日に備えて早めに寝ることにしよう。
......ダメだ、寝付けない。
8時に寝るのは無理があったか?
四音さんはまだ起きているだろうか。
なんとなく羊を数えていると、スマホが震えた。
「もしもし。俺です。」
「プロデューサー、しばらく電話しませんか?」
「いいですよ、俺も寝付けそうになかったんです。」
「もう寝ようとしてたんですか、まあ、ボクもなんですけど。」
「じゃあ.....プロデューサー、もし明日ボクが負けたら、胸を貸してくれますか?」
「もちろんです。」
「もし負けたら、その夜はずっといてくれますか?」
「......ええ、いいですよ。」
四音さんは大きな不安を抱えている。
自分より遥かに高い実力を持つ二人と戦って勝つと、あれだけ宣言したのだから、失敗したら......と考えるのは当然だ。
「では、俺からも。」
「もし明日四音さんが負けなかったら、盛大にお祝いして、最高に楽しい夜にしましょう。」
「とびきりのサプライズを用意しますよ。」
「四音さんが世界一かわいい。」
「明日はそれだけ覚えておいてください。俺は眠くなってきました。」
「ありがとうございます。プロデューサー。ボクもです。おやすみなさい。」
「はい。おやすみなさい。」
絶対に勝つぞ!
親愛度7→8
(ボクは覚悟が決まった。) - 103二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 08:59:06
このレスは削除されています
- 104二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 12:11:56
これもう結婚だろ……
- 105二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 16:10:57
このレスは削除されています
- 106二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 22:54:00
保守ですわ〜
- 107二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 00:58:06
氷のように鋭い眼差しの白草月花。
月をも撃ち落とすほどのオーラを放つ十王星南。
ただ先だけを見つめて、希望を目指す白草四音。
三人のアイドルたちの出場順がこのように決まり、ステージ裏にて皆それぞれの方法で集中力を高めている。
月花さんは腕を組み、目を瞑っている。
十王さんは胸に手を当てて、深呼吸を行っている。
四音さんは入念なストレッチを行いながら、俺と話をしている。
「それで、賀陽燐羽さんという方が初星からやってきて......。」
「彼女もいいアイドルですからね、どんどん参考にしてください。」
「あんな横柄な態度を取る彼女のどこがいいのですか?」
純粋な疑問の目からは、彼女と賀陽さんの相性の悪さが出ているように思えた。
「彼女はファンをよく愛している。俺が初めて握手会に行ったときに、彼女だけが俺のことを覚えていてくれたので......。」
「ふうん、優しいんですね。」
「彼女は本当にかわいそうだ。」
しかし、そんなところに魅力も感じる。
可哀想は可愛いので!!!!!!! - 108二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 07:59:14
【白草月花さん、30秒後開始になります】
アナウンスを受けて、月花さんが目を覚ます。
「四音、見ていろ。」
月花さんのパフォーマンスは圧倒的だった……。
全ての人の視線が月花さんに吸い寄せられる。なんなら、パフォーマンスが始まる前から会場が沸き上がっていた。
真のスター、真のアイドル、最強とはこうだ。
超えてみろ。
そう2人に語りかけているような、情熱的な歌声が、刀のように鋭いキレのあるダンスと、美しい外見とともに俺にも伝わってきた。
なんとカッコいいアイドルだろうか。
俺は呆然としていたが、十王さんと四音さんはしっかりと月花さんを見据えていた。
彼女の技法を吸収し、成長するために。2人の目には火がついている。
最後の最後までミスなく、完璧なパフォーマンスを彼女は演じきり、誰もが認める完璧という偶像を遂行し、彼女はステージを降りた。
「これが私の全てだ。」
「残念なことに、まだ今の私ではここまでしかできなかった。」
「楽しませてくれるな?十王、四音。」
そうだ、ボクたちはどうすればいいか教えてもらえたのだから、とても有利だ。
と言っても、丁度いいハンデだけど。
「「もちろん。」」 - 109二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 14:40:14
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- 110二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:40:32
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- 111二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 01:06:37
十王星南は、私は恵まれていた。
アイドルになるための設備、レッスン、食事、トレーナー、すべてを持った状態で、私のアイドル人生はスタートした。
正直言って、辛いことや苦しいことも多かったけれど......。
楽しいことのほうが多かった。ファンのみんなと会う時、ファンレターを読むとき、新しいことに挑戦するとき。
でも、私の成長には限界が来てしまった。
もう歌もダンスもヴィジュアルもうまくならない。でも、この学園にいる才能に溢れた原石たちをプロデュースしてみたいという新しい夢ができた。
程なくして、私がプロデューサーとして生きていこうと決めた矢先、白草月花からの挑戦状が届いた。
本当なら、辞退しようと思っていた。しかし、もし白草月花に勝つことができたら?
私は新たな成長を遂げることができるかもしれない、だから挑戦しようと決めた。
これは私の、小さな野望だ。
「四音、私の気持ちを感じてみなさい。と星南先輩は言っていました。」
「プロデューサー、ボク......わかった気がするんです。」
「二人がどんな思いを、ボクに”託そうとしている”のかが。」
「きっと、星南先輩は今日でアイドルを引退するでしょうね。勝ったら満足して、負けたらこれで最後だと割り切って。」
「四音さん、彼女のそれは最後の最後に大きく輝くロウソクのようなパフォーマンスです。が。」
「「もし消えたのなら、新しい火種を作ればいい。」」
四音さんは俺の考えをよくわかっているようだ。
「......驚いた、分かっているのなら大丈夫です。」
「ええ。」
「白草四音さん、30秒後出番です。」
了解しました、とだけ言う四音さん。その背中は頼もしかった。
「プロデューサー。」
「ボクが一番になったら......伝えたいことがあります。」
「俺も。あります。」
今までにないほどの集中力を切らさず、四音さんはステージに立った。
「よろしくお願いします!」
親愛度8→9 - 112二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 07:58:39
前の二人は絶対にカッコいい系で来ると分かっていた。だからボクは、
見に来てくれたファンも、ファンじゃない人も、まだ見ぬ誰かも、みんな虜にする。
「みんな!ボクのかわいいところ、ちゃんと見ててね!!!」
会場がどっと盛り上がる。
観客を煽るのはルールで禁止されてないんだ。ボクはなんだってやってやる、勝つために!
ボクが歌いはじめると、自然に手拍子が生まれた。
今まで星南先輩や姉様にはしていなかったじゃないか?そんなにボクが魅力的だったのかな?
会場が一つになっている。みんなとステージを作れている。
最前列の人とハイタッチとかもしちゃおうかな。
そんなこと、前の私ならできなかった。白草月花の真似をするだけの私には。
でも、ボクはプロデューサーに色んなことを教えてもらった。ファンサのやり方、ダンスとの組み合わせ方、歌が途切れないようにどうすればいいか。
もう、負ける気はしない。
「みんな、ボク、今、すごく楽しいよーー!!!!」
アイドルをやってきて良かった。 - 113二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 13:33:35
四音とハイタッチしてぇ……
ステージ衣装が見えてくるようだ(幻覚) - 114二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 21:05:58
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- 115二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:43:50
パフォーマンスを終えた二人とともに、俺は四音さんのステージを見ていた。
「プロデューサー、あなたのそのTシャツは?」
「白草四音フルグラTシャツサンプルです。1週間後に発売されますよ。用意しておきましょうか?」
「是非お願いしたい。」
やっぱりノリいいなこの人。
「プロデューサーさん、どのようにして四音のレベルをあそこまで引き上げたのか教えていただきたいのだけれど。」
「簡単ですよ、アイドルには愛が必要です。それを彼女に与え、彼女が渡せるようにした。それだけですよ。」
「もともと何でもうまくできたんだ、ちゃんと相手を見ればすぐにレベルも上がるだろう。」
「そういうことね......。」
「四音はすごく可愛いのね。」
「お気づきになられましたか、そうなんですよ。”俺の”四音さんはすごくかわいいんです。」
「”私の”妹だ。」
「私にはことねがいるからいいわ。」
「では、今度の釣りで勝敗を決めましょうか。」
「分かった。」
四音さんのステージが終わった。次はいよいよ結果発表だ。 - 116二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 06:40:33
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- 117二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 07:56:26
審査員だけでなく、ファンの投票数も含まれるこのN.I.Aを逃したら、四音さんはしばらく月花さんに勝つことはできないだろう。
だから、もう祈ることしかできない。
全てを出し切って「アイドル」になった四音さんの姿は、俺の思い描いていた夢そのものだった。
過去最高のパフォーマンスに、最後は三人で見入ってしまった。
レベルの差を埋めるだけのものはあった。
「出演者の方も投票できるそうですよ。」
「そうなのか?まあ、私はいい。」
「私は出しておくわ。挑戦者だもの、卑怯だなんて言わないでね?」
「ボクも出します。」
「俺は出しました。」
「まあ、当然ですよね、プロデューサーはボクの事が大好きなんですから。」
「ええ、最高でしたよ。」
「最前列で見たかったです。ハイタッチいいなぁ……!!!!」
「そんなにしたいならしますけど。」
「違います、あの時、四音さんがハイタッチなんて……できるようになった感動が忘れられません。」
「なら、今度は観客があなただけのライブをしてあげますよ。」
「違います、数あるファンの中から自分を選んでくれたというのが大事なんです。」
「……!!!めんどくさいなぁ、本当に!」
むすっとした四音さんもかわいいなぁ。
【ただいまより、結果発表を行います。】 - 118二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 14:56:51
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- 119二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 16:18:24
【審査員のご紹介をさせていただきます。初星学園の……ーーーーーそして、961プロ社長、極月学園理事長の黒井崇男様。】
あの人、来てたのか……。
俺に四音さんをプロデュースするよう仕向けたのは黒井さんだ。
俺と四音さんを出会わせてくれた、ともいう。
【N.I.A表オーディション優勝の白草四音さん、おめでとうございます。】
場内から割れんばかりの拍手が起きる。
「……。」
ステージの上の四音さんは、月花さんと十王さんとは違い、かなり緊張しているようだ。
もし負けたって十分すぎる実績を残しています。だから、そんな顔をしないでください。とは言っておいたが、やっぱり彼女の中では勝ちたいという気持ちが一番大きいのだろう。
『極月の実力主義にもっとも適応したのが四音だ。ライバルは蹴落として高みへ上がってきたアイドル……。そして、姉への大きなコンプレックスを抱いている。そんな四音を、甘いお前がプロデュースできると思っているのか?』
『俺が一番にします。』
『暴れ馬は乗りこなしてこそですよ。』
【まず、審査員の投票です。】
審査員が各々の一番に投票していく。
一人につき10000人分の票数が加算される仕組みだ。
黒井社長は白草四音に投票していた。
「よしっ!!!!!」
俺はじゃじゃ馬を乗りこなすことができたようだ。 - 120二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 00:13:45
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- 121二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 00:17:22
【審査員投票の結果と、Finale後の”ファンによる投票数”の合計を発表いたします。 】
一位 白草月花 173000
二位 十王星南 172900
二位 白草四音 172900
彼女へは、あと少し、届かなかった。
全てを出し切って、俺と四音さんは敗れた。
はずだった。
【そして、出場アイドルによる自己投票を含めた結果を発表いたします。】 - 122二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 00:30:06
......そうか。
まだ自己投票が残っていた!!!!!!!
もう含められているものだと思っていたが、そんなはずはなかった。
自己投票は一票100点、特別な一票だ。
白草月花との差は埋めることができる。
彼女が投票をしていなければ、
「三人同時優勝になるのか!」
それで四音さんを勝たせたと言っていいかは疑問だが。
それでも、価値のある結果だ。
ついに並んだんだ、あの白草月花に......!!!!
場内アナウンスが結果を発表する。
【各アイドルの投票先を発表いたします。】
白草四音→白草四音
十王星南→十王星南
白草月花→白草四音 - 123二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 01:11:02
一位 白草四音 173100
二位 白草月花 173000
二位 十王星南 173000
【優勝者は、白草四音です!】
とてつもないほどの拍手が場内に響く。野外ステージであるにも関わらず、音がわんわんと反響して、祝福の言葉が贈られる。
「姉様......なぜ?」
「私が手を抜き、自分に嘘をつくような人間に見えるか?」
「今日最も良いパフォーマンスをしたのは四音だ。」
「私は信念の通りに行動した。」
「.......その、なんだ、よく頑張ったな、四音。」
「うっ......うぅ。」
四音さんの目に涙が溜まっていく。
「お姉ちゃん、胸を貸してあげたらどう?」
「十王.......随分とごきげんだな。」
「一応、あなたと並んだのだから当然よ。」
「......ああ。そうだな。」
四音さんが月花さんに抱きつく。それを見て会場からは大きな歓声があがった。
「すごい、涙が止まらないのに、今すごく嬉しい!」
「ああ。」
「次は!絶対!実力で勝つから!」
「まったく......お前はまだ愚かだな。ファンも実力のうちだ。」
「そうだね、そう思う!」
「ふふ.......水をさすようで悪いけれど、まずはファンの皆さんに挨拶をしたほうがいいわ、四音。」
「はい、分かりました!」
四音さんは俺に小さなVサインを送って、深呼吸をしたあと、これまでで一番大きな声でファンに宣言した。
「ボクが世界一のアイドルになるところ、見ててください!!!!!!!」 - 124二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 01:36:39
True end
「プロデューサー!」
四音さんが駆け寄ってくる。
「四音さん、」
「ボク、勝ちましたよ。」
「ええ、見ていましたよ。」
「だから、聞かせてください、始まる前に言っていた、プロデューサーの伝えたいこと。」
「今じゃないとダメですよね。はい、分かりました......。」
「四音さん、今から少しだけわがままを言いますね。」
「俺とずっと一緒にいてくれませんか。」
「プロデューサーとしてではなく、一人の人間として。」
「〜〜っ!そ、それって、もう......。」
「どうするかは引退してからで決めてください。もうしばらくはアイドルとプロデューサーとしてよろしくお願いします。」
「え、ええ。わかりました。」
「では、ボクの伝えたいことですが......。」
「ボクのこと、その、名前で読んでほしいです、呼び捨てで!」
「......業務中以外なら。」
「そうですか、じゃあ明日もう一度出かけましょう。明日の夕方、極月学園まで来てください。お願いします。」
「わかりまし.......た。とりあえす、まずは祝勝会ですね。」
「二人でどこか食べに行きましょう。」
「もう予約してありますよ。一度家に帰って、準備ができたら迎えに行きます。」
用意周到ですね、と言われた。それはそうと、もし負けたらどうするつもりだったんだろう、俺。
「じゃあ、また後でね、プロデューサー。」
「また後で、......四音。」 - 125二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 09:40:21
幸せになるんだ……四音……(後方ファン面)
- 126二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 18:13:33
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- 127二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 01:40:33
至高の四音SSに感謝
- 128二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 02:11:23
こんな深夜に思わず泣かされちまったよ…
ありがとう… - 129二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 02:14:06
素敵なステーキを頂いた翌日。
俺は極月学園の駐車場に来ていた。
高級そうな黒い車の前に四音がいたので少し小走りで向かう。
「プロデューサー!言った通り、ラフな格好で来てくれたんですね。」
「ええ、ドレスコードは守るべきですから。」
「そういうキッチリしたところは好きですよ。」
四音は楽しそうに微笑んだ。
「では、車に乗ってください。」
「分かりました。運転はお任せを。」
「いえ、ボクたちが座るのは後部座席ですよ。」
「えっ、じゃあ誰が運転するんですか?」
少しの間を開けて、窓ガラスが大きく開いた。
「もちろん私だ。」
でたわね、月花サン.....。
「......あなた、ヒマなんですか?」
「まあ、そんなところだ。」
「そんなことはなんだっていい。」
「俺にとってはどうでしょうか。」
「大事かもしれないな。」
「ともかく、準備ができたら乗ってほしい。少し長くなるからな。」
「わ、わかりました。」
こうして三人の楽しいドライブが始まった。 - 130二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 11:40:56
月花姉様いつのまに免許取ったんだ
- 131二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:00:43
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- 132二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 21:29:34
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- 133二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 01:02:01
「あーのひーとのママに会うために〜」
歌いながら運転するタイプか......。
「忙しいだろうに、免許なんていつ取ったんですか?」
「向こうでは簡単に取れるからな。まあ、休養日も使いながら取った。」
だからといって月花さんが運転してどこかへ連れて行ってくれる理由にはならないと思うのだが......。
「いーまーひーとりー」
「四音さん、今日はどこに行くんですか?」
「......。」
「四音さん?」
「昨日言ったこと忘れたんですか?」
「えっ。」
「業務中以外は呼んでくれるんでしょう?」
「いや、月花さんもいますし......。」
「ルージュのでんごんー」
「気にしませんよ、ボクたちの会話なんて聞いてないですし。」
呑気そうだしな......まあいいか。
「四音、今日はどこに行くんですか?」
「えっ。四音、そういう仲だったのか?」
「ほら、こうなるから嫌なんですよ。」
「ふふふ、まあ、そういう仲とも言えなくないですよ。」
いや、それはそうなんだけどそれは今言うとめんどくさいんだよ......。
「じゃあお姉ちゃんって呼んでもいいぞ、プロデューサー。」
「うわっ、それだけは絶対に嫌だ!」
「おいおい、そんなこと言われる私の気持ちも考えてくれ、プロデューサー。」
「はぁ......そもそも、年下のお姉さんなんて、存在そのものが矛盾しているんですよ!!!!!!!」
「ボクだっていつか誰かにとって年上の妹になるのに......。」
「?」
何を言っているんだろう。
「四音、そっちは別にいいでしょう。」
「もうわけわかんないです。」