(SS注意)スズカさんに耳掃除をしてもらう話

  • 1二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:14:18

    「こんにちは、トレーナーさん」
    「あっ、ああ、こんにちは」

     窓から心地良い風が吹き抜ける、晴れた昼下がりのトレーナー室。
     過ごしやすい気温で部屋が満ちている中、彼女はやってきた。
     さらりとした栗毛の長い髪、穏やかで涼し気な瞳、白いヘアバンドに緑色の耳カバー。
     担当ウマ娘のサイレンススズカは、どこかワクワクとした様子で柔らかな微笑みを浮かべている。
     まさか、と思いながら作業の手を一旦止めて、彼女へと問いかけた。

    「やっぱり、走りたい、とか?」

     今日は、事前にスズカと取り決めていた“走らない日”である。
     彼女は走ることが好きなウマ娘の中でも、とりわけ走るのを好んでいるウマ娘。
     故に、普段から何かと時間があるとトレーニング外の時間でも走ってしまうことがあった。
     それ自体は悪いことではないのだが、トレーナーとしてはレース直後などは足を休めて欲しい。
     とはいえ長期で抑えるのは彼女のメンタルにも関わるので、一日だけ、完全な休養日を決めたのである。
     ……まあ、それを決めるまではかなりの紆余曲折があったのだが、それはともかく。
     やっぱり我慢できなかったかな、そう思いながら反応を待つ。
     スズカは、少しだけ不満そうに唇を尖らせながら、ぷいっと顔を逸らした。

  • 2二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:14:30

    「……私、トレーナーさんとの約束を簡単に破ったりなんかしません」

     ────これは、失言だった。
     担当ウマ娘を信頼しないなんて、トレーナーとしてあってはならないことだ。
     己の不明を心から恥じるとともに、俺は深く頭を下げて、スズカへと謝罪を告げる。

    「……ごめん、あまりにも失礼な発言だった」
    「あっ、いえ、そんなつもりじゃ、トレーナーさん、かっ、顔を上げてください……っ!」

     慌てた様子で駆け寄って来るスズカ。
     正直合わせる顔がないのだけれど、言われた通りにゆっくりと視線を上げる。
     すると彼女は、少し困ったような表情で、恥ずかしそうに指を揉んでいた。

    「…………その、走りたいなって思っていたのは、本当なので」

     そしてスズカは、ふにゃりと恥ずかしげな笑顔を浮かべるのであった。

  • 3二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:14:42

     改めてスズカに謝罪をして、少し落ち着いたところで話を続ける。

    「それで何か用事でもあるのかな? 今日はミーティングの予定もないけど」
    「はい、走らない代わりに、また『あれ』をお願いしようかなって思って」

     “あれ”。
     一瞬何のことだろうと思ったが、すぐに思い至った。
     以前に、“あれ”をした時も“走らない日”だったから。
     耳の奥がそわりと疼く。
     俺は別件である可能性に一縷の望みをかけながら、スズカへと聞き返した。

    「えっと、『あれ』って何かな?」

     スズカはにっこりと微笑みながら、鞄から細長い小さなケースを取り出す。
     そしてその中からは、煤竹で出来た棒が一本出て来た。
     先端は小さな匙、末端には白い綿のようなもの、いわゆる耳かき棒
     それを視界に入れただけで────あの時のことを思い出して、思わず息が詰まってしまう。

    「また、トレーナーさんの耳掃除をさせてもらおうかと思って」

  • 4二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:14:55

     それは、前回の“走らない日”のこと。
     スズカはトレーナー室にこもって、もどかしそうな様子でじっと待機していた。
     休養なんだし、気晴らしにどこかへ出かけて来れば、と提案をしたのだけれど。

    『その、誰かに見ていてもらわないと、走りに行ってしまいそうなんです』

     とのこと。
     正直、見ているだけでも心苦しく、撤回しようかなとも考えた。
     けれど気ままに走らせればオーバーワークになってしまうのは確実。
     どうしたものかと思考を巡らせた時、スズカはきょとんとした表情で問いかけて来た。

    『……トレーナーさん、お耳、どうかしたんですか?』

     言われてから、左手で自らの耳に触れていたことに気づく。
     ここ最近、耳に微かな違和感を覚えていたのは事実だった。
     少しごろごろとした感覚があったり、むず痒さを感じたり、その他諸々。
     生活にそれほど支障を来していないからと放置していたが、外から見るとそうでもなかった模様。
     俺は苦笑いを浮かべながら、スズカに言葉を返す。

    『心配することじゃないよ、ちょっと耳の手入れが疎かになっていたというか』
    『あの、でしたら……!』

     スズカは、突然立ち上がり、勢い良く近づいて来る。
     鬼気迫るような表情というか、藁をも掴むような表情というか。
     そんな様子で俺の前に立って、珍しく大きな声で、言い放った。

  • 5二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:15:08

    『私に、トレーナーさんの耳掃除をさせてもらえませんか!?』
    『……はい?』
    『別のことをしていれば、少しは気が紛れるかも……お願いしますっ!』
    『ちょっ、そんな、頭を下げなくていいから!』

     深々と頭を下げながら、懇願をするスズカ。
     それを慌てて止めながらも、トレーナーとしての思考は回り続けていた。
     我慢をさせるため、別の作業に集中させるという案自体は悪くないものだと思う。
     相手になるのは俺の耳、準備の必要はないし、仮に何かがあったとしても被害は俺一人で済む。
     けれど────そもそも担当の子に耳掃除をさせるのはどうなんだ、という問題が付きまとう。
     何か別のタスクを、と考えながら彼女の様子を窺うと。

    『あの……ダメ、ですか?』

     縋るような潤んだ瞳の上目遣いで、じっと見つめてくるスズカ。
     ……情けの無いことに、そんな彼女を拒む術を、俺は持ち合わせていなかった。

  • 6二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:15:23

     ────そういえば、あの時と反対のやり取りをしていたんだな。
     俺は遠い目をしながらも、いそいそと準備を進めるスズカに声をかける。

    「……ところで、何でジャージなんだ?」

     スズカは何故か、制服姿でもはなくジャージ姿でトレーナー室に来ていた。
     ……言い訳にするつもりはないが、走りたいのかと聞いてしまった一因はここにもある。
     俺の問いかけに対して、彼女はこてんと不思議そうな表情で首を傾げた。

    「トレーナーさん、スカートに皺が出来ないか気にしていたので、この方がいいかなって」
    「ああ、なるほど」
    「それにもう一つ理由があって……あっ、ちょっと失礼しますね、んしょと」

     そう言いながらスズカは────おもむろにジャージの下を脱ぎ始めた。

    「……えっ?」

     突然の行動に、俺は止めることも出来ず、ただぽかんと見ているだけだった。
     静かな衣擦れの音とともに晒される、すらりと伸びたスズカの脚線美。
     健康的な白い肌、きゅっと引き締まった脹脛、理想的ともいえる形の太腿。
     そしてその付け根は、見慣れているが見慣れない、切れ込みの深い布地が纏われていた。
     いわゆる、ブルマである。

  • 7二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:15:35

    「なっ、あっ、なっ……!?」

     言葉にならない、とはまさしくこのことだろう。
     予想外の状況に思考は一切纏まらず、ただスズカを指差し、口をパクパクさせるだけ。
     やがて俺に視線に気づいたのか、彼女はもじもじとした様子で、照れたように言葉を紡いだ。

    「ドーベルに未使用のものを借りたんです、体験談を教える代わりにって……でも、ちょっと恥ずかしいですね」
    「い、いや、そうじゃなくて、何でいきなり」
    「その、私も色々と調べたんです、そしたら男の人は、素肌でしてもらった方が嬉しいって」
    「……っ!」

     息が、詰まる。
     あまりに突飛な行動で頭が回っていなかったが、その後どうなってしまうかに、気づいてしまったのだ。
     固まっている俺を尻目に、スズカは楽しげな様子で尻尾を揺らしながらソファーの端へ腰を落とす。
     そして、微かに頬を染めつつ軽く太腿を撫でながら、こちらへと呼びかけた。

    「……ではトレーナーさん、頭を、こちらへどうぞ」

     潤んだ上目遣いで、膝枕へと誘うスズカ。
     そんな彼女の誘いを断る術も、俺は未だに持ち合わせていなかった。

  • 8二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:15:50

    「もう、そんな緊張しないでください…………私まで、ドキドキしちゃいますから」

     ソファーの反対側に座る俺を、困ったように見やるスズカ。
     ここまで来たら、俺も覚悟を決める他ない。
     大きく深呼吸を一つ。
     意を決して、俺は彼女へと向けて、ゆっくりと慎重に身体を傾けさせた。
     時計の針よりも早鐘を鳴らしながら、徐々に大きくなる心臓の音。
     無限にも感じられる時間の果て、俺はついに、ようやく、辿り着いてしまった。
     ふに、と顔に触れる柔らかくてスベスベとした感触。
     頬に吸い付くような肌触り、伝わってくる優しい温もり、ふわりと漂う甘い匂い。
     包み込んでくるような暖かな感覚に、思わず、息をほっとついてしまう。

    「ふふっ、本当にこの方が嬉しいんですね、前よりも穏やかな顔をしてます」

     さらりと、と髪の毛に触れる小さな手。
     スズカは慈しむように目を細めながら、俺の頭を撫でていた。
     恥ずかしく思いながらも、彼女の優しい手つきは俺の気持ちを落ち着かせていく。
     気が付けば心臓の音はゆっくりとしたものに戻っていて、身体には微かな気だるさ。
     ……少し疲れがたまっていたのかな、そう考えた矢先、彼女の言葉が鼓膜を揺らした。

    「他にも、調べて来たことがあって……色々と、試してみても良いですか?」

     俺はこくりと小さく頷く。
     もうスズカにここまでさせてしまったのだ、今更、彼女の頼みを断る理由もなかった。

    「ありがとうございます、それじゃあ、お耳触りますね?」

     その言葉とともに、スズカの指先がちょんと遠慮がちに耳へと触れる。
     そして指で挟み込むようにしながら、くにくにと、耳全体を揉み込んでいった。

  • 9二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:16:06

    「これ、ですか……耳のマッサージです……こうすると、取れやすくなるって」

     耳の溝や耳たぶ、色んなところをゆっくりと解していく。
     スズカの長くて細い指先が織りなしていく、ほど良い痛みと心地良さ。
     耳がぽかぽかと温まっていくのを感じて、小さく深く息を吐いてしまった。

    「なんだか、とても気持ち良さそうですね、覚えてきて良かったです」

     やがて手が離れて、代わりにさらりとした何かが肌を掠めた。
     視界に揺らめく亜麻色の毛先、頭の後ろには細くも柔らかな感触、清潔感のある爽やかな香り。
     覗き込むように顔を近づけていたスズカは、耳元で静かに囁く。

    「……それじゃあ、耳掃除をしていきますね?」

     ぞくりと、背筋が走る。
     それは悪寒などではなく、快感にも近い奇妙な感覚。
     スズカの儚さを感じさせる繊細な声色による囁きは、とてつもない破壊力となっていた。
     そんなこと、とてもではないが言えないけれども。
     やがてぴとりと、固い感触が耳の中へと触れて、丁寧な動きとともに耳壁を掻いていった。

    「かりかり……かりかり……」

     耳かきの匙が擦れる音と共に聞こえる、スズカのオノマトペ。
     これも前回はなかったはずなのだけれど、妙にこなれていている。
     そしてそれ以上に、彼女の声とも相性が抜群過ぎた。
     優しく響き渡るウィスパーボイスと、心地良く耳垢を削る耳かきの感覚。
     それらが絶妙に混ざり合って、異次元の心地良さを生み出していた。

  • 10二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:16:20

    「んんっ……トレーナーさん……お顔が、とろーんってしていますよ?」

     笑いを堪えるようなスズカの声。
     そこでようやく口が開いてしまっていることに気づき、慌てて引き締める。
     
    「もう、さっきの顔も可愛くて、私は好きだったのに」

     スズカはとても残念そうに言った。
     多分、相当にだらしない顔を晒していたのだろう。
     彼女の前で醜態は見せられない、そんな今更過ぎることを考えながら、背筋を正した。
     やがて聞こえてくる、彼女の問いかけ。

    「…………もっと気持ち良くなってもらえれば、また見せてくれますか?」

     答えは、返せない。
     ただその沈黙は、何よりも雄弁に事実を語ってしまっていた。
     
    「ふふっ」

     小さく響く、どこか艶やかなスズカの微笑み。
     直後、耳かきの先端が再び耳の中へと入り込んできて、動き始めていく。
     先ほどよりも細かく、激しく、深く、それでいて探るようにじっくりと。
     それと共に────彼女の声もまた、耳の中を撫でていった。

    「かりかり……すりすり……がりがり……こりこり……♪」

     好奇心と悪戯心を含んだような楽しげな響き。
     軽快に動く耳かきの感覚も相まって、それらは俺の神経と理性をたちまち翻弄していくのだった。

  • 11二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:16:34

    「ふわふわ……しゅるしゅる……♪」

     耳の中を、梵天の細かな毛先が撫で回していく。
     以前よりも数段上達していたスズカの耳掃除によって、俺はすっかり骨抜きにされてしまっていた。
     身体が動かないように堪えるのが精いっぱいで、緩んだ顔を戻す余裕もない。
     そして、しゅるんと梵天が引き抜かれて、俺は安堵のため息をついた。
     ようやく終わった────それは、ただの愚かな油断でしかなかったのだけれど。

    「…………ふぅーっ」

     刹那、耳元に流し込まれる優しくて暖かい吐息。
     しかしその刺激は耳掃除によって敏感となっていた耳にはあまりにも鋭利だった。
     全身に甘い痺れが駆け巡って、その快感を受け止めきれない身体がびくりと震える。

    「これも、効果抜群、なんですね♪」

     鼓膜を揺らす、スズカの大人びた妖艶な声。
     いつもの彼女からは想像も出来ない雰囲気に、背筋が妙な感覚が走った。
     しかし、その正体を掴む間もなく、彼女の言葉が堕ちて来る。

    「では反対側もやりますので、ごろーんって、してください」

     もはや、抵抗する気概も残されていなかった。
     言われるがままに身体をその場で転がして、反対側を向いてしまう。
     視界に入るのは、熱がこもっていたせいか、いつの間にか開けていたジャージ。
     そして、その奥の体操服に包まれた、スズカのほっそりとしたお腹。

  • 12二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:16:51

    「……っ」

     スズカの手が、そっと俺の頭の後ろを押した。
     ぽふっと顔がお腹に押し付けられて、鼻先が柔らかな感触に包まれる。
     鼻腔から入り込んでくる、微かな汗の匂いの混じった甘ったるい香り。
     気づかぬうちに熱くなっていた太腿、しっとりと汗ばんでいる肌。
     そして。

    「────トレーナーさんって、私の声や吐息が、好きなんですよね?」

     耳元から頭へすり抜けていくような、消え入るような淡い声。
     それは脳へとずしんと響き渡り、理性と思考を粉々にしていく。
     
    「ふふ、安心してください」

     救いの手を差し伸べるが如くの、スズカの優しい言葉。
     しかしそこには、小悪魔が人を陥れる時のような、蠱惑的な響きが混ざっていた。

    「時間いっぱい、たっぷり、じっくり…………堪能させてあげますから♪」

     ふっ、と小さく息を吹きかけながら、スズカは続けた。

    「だから私にも────トレーナーさんの可愛い顔を堪能させてくださいね?」

  • 13二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:17:20

    お わ り
    スズカさんでこういうASMRが欲しいです

  • 14二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 04:25:51

    乙です
    サイレンススズカに耳かきしてもらう理由付けに彼女の走りたい欲求を充てた事で自然に耳かき体験に導かれる
    ソフトマゾ一押しのSSですね

  • 15二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 10:20:24

    生ささやきには勝てませんわ…

  • 16二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 10:50:16

    スズカさんの生脚膝枕ささやき耳かき(からかいオプションつき)は条約違反では…!?


    >体験談を教える代わりに

    ドーベルさん???

  • 17二次元好きの匿名さん25/05/26(月) 20:12:38

    割ともう色々漏れてそうだな

  • 18125/05/26(月) 21:21:28

    >>14

    スズカさんに苛められたいのは人類共通の夢

    >>15

    ただでさえ普通の喋りが儚げなのに

    >>16

    少女漫画資料だから・・・

    >>17

    そりゃあ漏れるさ スズカさんだもの

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