- 1二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:10:13
(雲行き怪しい部分もありますが、♂トレマクのイチャイチャものです)
むむ……最近トレーナーさんの様子がおかしいですわ……
少し前までは朝のミーティングから寮の門限の時間を迎えるまで、学校の授業時間等を除いて一日中ずっと私と居ましたのに……
最近は私と居る時間が減っているどころか、なんだかトレーナーさんに隠し事をされているような気がしますわ……
一体どうしてしまったのでしょうか……寂しいですわトレーナーさん……私はただ貴方のお傍に居たいだけなのに……
……?あら……もしかしてあれはトレーナーさんでしょうか…?なんだか周りを少し警戒しながら歩いているようですが……
怪しいですわね……
………はしたないですが、こっそり後をつけてみましょうか……
ーーーーー
……あっ…トレーナーさんが足を止めて誰かと話し始めましたわ……一体誰と……
……あれは、エイシンフラッシュさん…?……ど、どうして私のトレーナーさんと彼女が親しげに話していらっしゃるのでしょう…?
トレーナーさんも何故そんなに嬉しそうな顔をなさるのです…?どうして……
まさか私に秘密にしていたのはこの密会のこと……?どうして私に黙って……も、もしやトレーナーさんが彼女を好きになってしまった
のでは……?
そ、そんな……わ…私という担当ウマ娘がありながら……やめて……やめてください……
ああ……私は飽きられてしまったのでしょうか……今までトレーナーさんに甘え過ぎていたのが悪かったんでしょうか……それともつまらない女だと呆れられてしまったのでしょうか…?
『うふふーートレーナーさんーーー素晴らしいですねーーー是非ーーー彼女ーーー喜ぶと思いますーーー』
『本当にありがとうーーー今度ーーーお礼をーーー』 - 2二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:10:47
二人ともとても楽しそうにお話ししていますわ……まるで私など入る余地がないほど……
っ……トレーナーさんの嘘つき……私と一心同体になって私のことを支えてくださると仰っていたのに…メジロになってくれるのではなかったのですか……
貴方といつも一緒に居る事が出来て楽しかったのは私だけだったのでしょうか……?
あ……気がつけばどうやら会話が終わっていたようですわね……
!!え、エイシンフラッシュさんがこっちに……ど、何処かに隠れないと……だ、ダメですわ…!こ、こっちに来てしまいます…!!
「あら……マックイーンさん。おはようございます。
一体どうしてこんな所に…?
……もしかしてマックイーンさんのトレーナーさんにこっそりついて来た……とかでしょうか?うふふ……お熱いですね。羨ましいです」
「………」
彼女が何か言っているようですが、今の私は返答するどころか話をまともに聞く気力すらありませんでした。
今までトレーナーさんと彼女には関わりなど殆どなかったというのに……トレーナーさんは何年も付き添ってきた私よりも、最近仲良くなった彼女を選んだのかと思うとショックで何も感じられません……
「ふふふ…マックイーンさんは幸せ者ですね。あんなに一途で真っ直ぐな方から愛されているのですから。
マックイーンさん。どうか彼との繋がりを大切になさってくださいね…」
「え……?」
そう言うと彼女は穏やかな笑顔のまま去っていきました。
愛されている…?私が……?彼にですか…?
で、でも貴女は彼ととても親しげに話していたではありませんか…… - 3二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:11:44
その後も悲しい気持ちでいっぱいのまま、何も手につかない状態は一向に治りませんでしたが、いきなりトレーニングを休む訳にもいかず、仕方なく私はトレーナー室に向かっていました。
すると。
「あれ?マックイーン?」
「……!トレーナーさん……」
体調が優れない今、1番聞きたかった人の声。でも今は1番会いたくなかった人に会ってしまいました。
「ど……どうしたんだ?そんな悲しそうな顔をして……それに具合もなんだか良くなさそうだが……」
「……いえ……なんでもありません……放っておいて下さいませ……」
ああ……どうしてこんな時に私は更に自分から突き放してしまうような言い方を……
「そうか………分かった。とりあえず中に入ってくれ……君に見せたいものがあるんだ」
(何があったかは分からないが……相当だな……今は彼女が考えている事を別の事に向ける意味でも気分転換として喜んでくれると良いんだが……)
「はい………」
私は言われるがままトレーナー室へ入りました。そうしたらそこには……
「え……?」
「じゃ〜ん!!マックイーンお嬢様の大好物、『イチゴのケーキ』を作ってみました!!」
そこには。イチゴで飾りつけた綺麗な形のホールケーキがありました。中心の部分には『マックイーン!お誕生日おめでとう!』と書いてありました……
「と……トレーナーさん……こ、これは……」 - 4二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:12:25
「ふふっ……今日は君の誕生日だろ?だから誕生日祝いとしてマックイーンに内緒でこれを用意しておいたんだ。
いやー、大変だったよ。サプライズで驚かせようと思ってコソコソしながらこれ作るのは……
俺って今までお菓子なんて作った事なかったからさ。お菓子作りが得意なエイシンフラッシュさんに教えて貰ってたんだ。ケーキ作りは大分苦労したけどなんとか綺麗な形に出来たよ」
そ……そうだったのですか……つ、つまり…今までエイシンフラッシュさんに会っていたのは私の為……?では……最近トレーナーさんと一緒に居る時間が減っていたのも……
トレーナーさんは私にこのケーキを作ってくださったというのに…わ、私はとんでもない勘違いを………
「……ありがとうございます。トレーナーさん……
そしてごめんなさい……私は貴方を疑ってしまいました……貴方がエイシンフラッシュさんと楽しそうに話しているのを見て…
貴方の心が私から彼女に移ってしまったのではないかって……貴方が私から離れてしまうのではないかと……ううっ……不安になってしまったんですっ……」
「あ……そっか……最近サプライズをする為にマックイーンを少し避けていた時もあったからな……ごめんな、心配かけちゃったなぁ……
不安にさせちゃったよな……何か償いをしないとな……」
「いえ……そんなこと……とんでもありません……!貴方が傍に居て下されば私はそれだけで良いんです…他になにもいりませんわ……」 - 5二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:12:58
「マックイーン……」
「私なんかの為に…とても豪華なケーキを作ってくださり……ありがとうございます、トレーナーさん……!わたしっ…感動で胸がいっぱいで……言葉が出てきませんっ……」
ああ、どうしましょう……嬉しくて涙が止まりませんわ……
「ふふっ、喜んでくれてるようで嬉しいよ。
でも、どうせならマックイーンの誕生日だし、奮発して『5段ケーキ作ってやろう!』と思っていたんだけど……思ったよりも上手くいかなかったよ。それで結局普通のサイズのケーキに落ち着いてしまった」
「良いんですのよ、大きさなんて……トレーナーさんがこれを私の為に作ってくだった……それだけで充分私は満たされます……
……でも一つだけ残念な所があるとすれば……食べるのが勿体なさすぎて、出来ればこのケーキをずっと大切に保管しておきたいのですが、そうもいかず食べるしかない…ということでしょうか……?うふふっ……」
「っ……(すごく……綺麗な笑顔だなぁ……)
おいおい、せっかく作ったんだから食べてもらわなきゃ困るぞ…?『マックイーンが食べるの勿体ない』って言うなら俺が全部食べてしまおうかなっ!」
「あっ、ダメです!食べたい!食べたいです!!ちゃんと頂きますから!私にも下さい!パクパクさせてくださいませ!!!」
今はただーー貴方と、この幸せな時間を共にーーー - 6二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:15:46
ケーキより甘ーーーい!!!
- 7二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:18:13
色んな意味でごちそうさまでした!!!!!
ありがとうね、マックイーンだいすきだからすごくうれしい - 8二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:19:43
暖かい話をありがとう
- 9二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:22:59
てぇてぇ…ありがてぇ…
そして、今後もアナタのSSが読みたい、そのために老婆心ながら…「けいせん」で変換すると細い線が出て続けて打つと隙間がなくて綺麗だぞ
けいせんけいせんけいせん → ───
こんな具合さ - 10スレ主22/04/03(日) 23:28:40
- 11二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:38:02
──は使うだけでそれっぽくなるから
オススメだぞ── - 12二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 23:58:54
- 13二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 00:02:41
ありがとう
- 14二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 07:50:00
ファブルかな?
- 15二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 08:48:36
やるやん
- 16二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 11:49:06
ネタ募集スレの3だぜ!!
最高だった!! ありがとう!!
おしとやかマックイーンは絶対に流行らせろ - 17二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 15:48:16
お前がこのスレの元を作ったんだ、誇れ
- 18二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 21:23:40
最近メジロ芸人化してる部分もあるけど、やっぱりメインヒロイン系マックちゃんが最高やなって
- 19おまけ22/04/05(火) 00:56:59
──その後──
改めてマックイーンの為に誕生日パーティーが開かれた。メジロ家の者のパーティーということもあり、マックイーンの知り合いだけでなく、彼女と直接関係はないがメジロ家の方に繋がりのある人々等、数多くの人が集まる豪華なものだった。
俺もマックイーンのトレーナーという立場の為、見るからに裕福な人達に話しかけられたりして、『礼儀作法を間違っていないだろうか?』等の不安に悩まされながらもなんとか失礼のないように対応して切り抜けていったが、そのお陰でどっと疲れた気分だった……
俺に話しかけに来てくれた人々から解放され、しばらく会場内を一人で歩いていると。
『え、ええ…そうですわね……はい……』
俺と同じく、大勢の見ず知らずの人々から話しかけられて少し疲れたような感じのマックイーンを見つけた。
…俺はトレセン学園以外での彼女の様子をあまり知らないが、こういう事はメジロ家では珍しくは無いのかもしれない。
彼女は生真面目で律儀な子だ。きっとこういった事を心の底から嫌だとは感じず、ある程度はメジロ家の者の責務として立派に務めを果たそうと向き合っているのだろう。
でもあの子は文句も弱音も言わない子だ。あの子が気付かない内に、無意識に疲れや不満を溜めてしまっているのかもしれない。なら、彼女のトレーナーである俺がその負担を和らげる事は出来ないだろうか…?
……一つ考えが浮かんだ。大胆ではあるかも知れないが、やってみよう。
俺はマックイーンの周りの人達の合間をするりと抜けるように彼女に近づき、周りの人達に向けて言った。
「あー、すみません。マックイーンとはこの後俺とダンスを踊る予定があるんです。そろそろ時間なので行かせてもらってもいいですか?」
「え…?トレーナーさん…?あっ……(と、トレーナーさんの手が…わ、私の手に…!?)」
俺が唐突にさりげなく嘘をつくと周りがざわつき始めた。その隙に俺はマックイーンの手を引いて人が多く集まっている所からだんだん遠ざかっていき、やがては会場の外に出た。
外を見ると辺りはもう既に夜の闇に覆われており、心地よい静寂が訪れていた。
───その中で眩しく輝く月が隣に居る彼女のようにとても綺麗に思えた───
しばらく夜の静けさを彼女と共に楽しんでいると、彼女の方から話しかけてきた。 - 20二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 00:59:07
「トレーナーさん……ありがとうございます。先程は私を解放する為に、あのような事をしてくださったのでしょう……?」
「さぁ……どうかな……?」
「ふふっ……言わなくても分かっていますよ…貴方の事ですもの……
……ねぇ、トレーナーさん……月が……綺麗ですね……」
「ああ……ほんとうに……」
「…………」
(一瞬……美しい月が、貴方のようだと……そう思ってしまったのは……流石に貴方に夢中になり過ぎ、なのでしょうか……?うふふ……)
「………」
(死んでも良い……なんて恥ずかしくて流石に言えないな……)
「……トレーナーさん。流石に嘘をついたまま、というのも良くありませんし……いっその事、本当に私と踊ってみるというのはどうでしょうか……?」
「……君が良いなら……喜んで」
「ありがとうございます……では……」
──この世で一番愛する人と共に華麗に舞うマックイーン。その後ろで月が二人を優しく見守っていた── - 21二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 01:27:28
明日も明後日も祝うか…誕生日…
- 22二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 12:28:41
保守
- 23二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 23:59:24
良いスレだったよ...