【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界part25【のんびり進行】

  • 1グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:10:14

    襲来した異星人!

    侵略されるエネルギー資源!

    存亡の危機に晒されてなお人類は……

    未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!


    【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(各種ページへのリンクあり)】

    x.gd

    次スレは>>190を踏んだ方が

  • 2グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:14:46

    前スレ

    【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界part24【のんびり進行】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com

    【禁止事項】

    ・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)

    ・必要性の認められない確定ロール

    ・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)


    【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】

    ・版権設定の利用

    ・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること

    ・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること

    ・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)

    ・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)

  • 3グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:15:17

    Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
    A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
    テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
    ↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!

    Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
    A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!

    Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
    A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!

    Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
    A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
    エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
    「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!

    Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
    A5:へへっ

  • 4グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:15:41

    【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)(※URLのhとttpsの間のスペースを消して検索してください)】

    h ttps://x.gd/Z5SAZ


    【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】

    https://00m.in/

  • 5グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:21:07

    【信徒の最期の望み】
    よく礼拝に来る90歳のおじいさんがいた。
    先月癌で入院し、闘病中だったが
    自宅療養になりまた礼拝に来るようになった
    そして、先日あることを言われた。
    「死ぬ前に、クリームパンが食べたい…」
    私はすぐにコンビニへ走り、
    クリームパンを買って戻ってきた。
    それをおじいさんに食べさせると、
    一口食べたとたんに死んでしまった。
    何よりも安らかな顔だった。
    「死ぬ前に食べられて幸せだろう…」 と思い
    かじりかけのクリームパンを見てみると、
    クリームに届いていなかった。

  • 6光太乃夫◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:28:11

    ソラウ殿に、"これは列島国家出身がとても
    好む食べ物だが、そこで一番危険な食べ物で
    これを食べて毎年何人かが死んでいる"...と、
    お餅を勧めたらビビっておりました

  • 7ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:32:50

    子供の扱いがあまり上手くない私と
    台さんだけで外出してた時、
    買い物を手助けしてあげた夫婦が
    子供連れてお礼を言いにやって来た。
    「はしもとななこ、さんさいです!」
    と元気よく挨拶する三歳児に戸惑い、
    「な、ななこちゃん、かわいいね・・・」
    と笑顔を引きつらせる私に対し、台さんは
    「しののめうてな、さんじゅうななさいです!」
    と返していた。負けた。

  • 8アントニオ◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:33:40

    もういっその事、
    農家やろうと思ってる奴いない?
    YESか農家で答えて

  • 9東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:41:25

    そういえば前にソラウが、

    「ヘイ彼女! 俺で妥協しない!?」

    という新手のナンパに
    遭遇したとぼやいとったな

  • 10東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 10:43:48

    「オデンデンデデン♪
    オデンデンデデン♪」
    と某有名映画の曲を歌いながら、
    ソラウがおでんの鍋持ってキッチンから現れた。

  • 11ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/30(金) 14:09:43

    建て乙ゥ……

  • 12ラルト◆C01O2YJoxg25/05/30(金) 15:00:50

    ミハエルが部屋を出たのを見てから立ち上がりマルガリータへ向き直り
    「今日はありがとうございました」
    会釈してから部屋のドアへ手をかけ、外へ出る


    口の中のミントキャンディーを転がしながら廊下を歩く
    掃除屋としても個人としても最高な1日だ、こんな平和な日々がずっと続けばいいと願わずにはいいられない
    「(俺は平和でも別の人はどこかで今も…か)」
    勝手に考えて勝手に悲しくなっている、出来る事なら別の人も平和になって欲しいものだ

  • 13デュラハン◆xZJxX8ZGsA25/05/30(金) 18:38:03

    前200
    【優雅に微笑む彼女を見て、いいだろうとでも言いたげにデュラハンは腕を組み、スピーカーから発声する】

    《まず一つ目。どこで僕を知ったのかな?…あんまり目立ったことはしてないつもりなんだけどねぇ》
    【より適した兵器を。より適した技術を。商品というよりも作品というのに近いデュラハンの製品だが、一見しただけで彼に繋がる兵器はそこまで多くない】
    【それこそ完全にコーディネイトした専用のBF一式でもない限りは、顧客のための“妥協”によって性能は抑えられ、よくある変態的なスパイス程度にしか見えないはずだ】
    【しかし肩を竦める姿と、気怠げで軽薄な声からして、こたえなくても不都合は無いようだ】

    《次に二つ目。紅陽、ミュール、アポロ以外に使える企業は?…こっちは仕事に必要な情報だ。まぁ、言えないなら隠してもいいけど》
    【値踏みするような嫌味たらしい声は、相手を試すものだろうか。無論、デュラハンにクライアントを裏切るという選択肢は存在しない。ただ技術者として、ストラクチャーを作るつもりなら『使えるものを把握したい』『隠すならそれでいいが、求める水準に達しなくても文句を言うな』という、ある種の警告だ。この副音声に気がつけるかは、彼女次第だが】

    《三つ目、あくまで確認だけど、僕に不利益はかけないだろうね?》
    【グランセン解放戦線への関与、ストラクチャーの建造補助。これが公になるデメリットは計り知れない。特にクロノスに目をつけられるのは、デュラハンにとって色々な意味で面倒臭い】
    【だからこそ確認しておく。口約束に過ぎずとも、信用に足るかを問わせてもらう】

  • 14旧愛卿◆OXAm1h6odk25/05/30(金) 19:40:25

    >>13

    (1/2)

          ・

    「陸上戦艦で獣を見ましたので」


    嫋やかに微笑みながら、旧愛卿は陸上戦艦事変への関与を明らかにした。

    つまりはストラクチャー級の巨大兵器を建造可能な賢工グループの遺産分配に噛んだのだと自白して、その過程であの『元第三特務部隊』の機体に興味が湧いたのだと説明する。


    ──────────────────僥倖。そう他にないだろう。無名でありながらも優れた技術力を有する企業の情報は、彼女にとっても思わぬ収穫であった。



    「我々の協力企業は紅陽、アポロ、ミュール、ローガン、“バーテックス”、テスタメントの六つとなりますわ。規模としては先の三つが頭抜けておりますわね」


    その副音声に気付いているのか気付いていないのか不明だが、顔色一つ崩さずに旧愛卿は手持ちの札を公開した。

    先述した通り、人類自由連盟に加盟している企業でもクロノスの傘下企業でもない企業なのだ。手の内を明かす事を躊躇う訳もなく、そもそも隠すつもりならばミュールとの繋がりを明らかにもしない。


    そして、最後の問いに旧愛卿は微笑みを返した。



    「当然、そのような事態に陥る可能性は防止しますわ─────────────能力面と、それから行動論理について説明しましょう」


    クライアントによって不利益が齎される場合、主に二種類の原因が考えられる。


    一つ目はクライアントの能力不足。敵対勢力からの諜報員や産業スパイを排除できなかった場合に発生するアクシデント。

    二つ目はクライアントによる陰謀。そもそも不利益を齎すような行為を目的として動いていた場合の、必然の結果。



    「能力面については、総帥である私自身がクロノスに暗殺されていない事実を以って保証しましょう。少なくともコロニーの外では情報封鎖を行えるだけの防諜能力を保有しておりますので」


    そして、と旧愛卿は続けた。彼らが裏切らない論理が何であるかを説明する為に口を開く。

  • 15旧愛卿◆OXAm1h6odk25/05/30(金) 19:41:03

    >>13

    (2/2)


    「────────────────ぶっちゃけ、仮に貴方の関与を公開したとしても我々は何の利益も得られないからです」


        ・・・・・・・・・・・

    純粋に、そんな事をしても無意味なのだ。


    だからこそ、“デュラハン”本人が公にしない限りは彼の関与は一切表に出ないと約束して。旧愛卿は微笑んだ。

  • 16デュラハン◆xZJxX8ZGsA25/05/30(金) 20:58:16

    >>14 >>15

    (1/2)

    (“また”彼女か)

    【陸上戦艦事変への関与程度で驚く事はない。そもそも衛星ストラクチャーという単語を聞いている以上、そんなことは今更だからだ】

    【しかし懸念は薄まる。あの遺産分配に噛んだのであれば、見積もりに来れる程度の予算は十分にあるのだろう】

    【それと同時に、『またか』と溜息をつきたくなる。看板娘など雇ったつもりは無いのだが、エイダン・リーに続いて解放戦線を引き寄せるとは】


    (テスタメントはアテにならないが…アトリエは使えるか。いっそ僕たちは図面と素材だけを考えた方が効率的か?…まぁ、その辺はクライアントの構想を見せてもらってからにしようか)

    【予想よりも多くの企業の名前が出てきたが、ただ冷静に何が使えるかのみを思考する。彼のオリジナルは、元はといえばクロノス・インダストリーだ。気質は合わなかったとは言え、数多のストラクチャー開発に携わっており、それを運用するコロニーの関連技術にも精通している】

    【工廠の指揮も、一部は彼の仕事だったのだ】


    《なるほど。無粋な事を聞いたね》

    【彼女たちにそのメリットが無いのは、解放戦線という時点で明らかなこと。しかしその総帥が今ここに姿を現せるほどというのは、衛星型ストラクチャーの次に驚異的だったが】

    【自らここに足を運べること。運んだこと。それは疑いようもなく、信用に値するだろう】


    《その依頼、承らせて貰うよ。そして数々の非礼についねは、この通り詫びようじゃないか》

    【デュラハンは自らの頭頂に右手を乗せ──】

    【帽子でも取るかのように自然と、頭を取って一礼する】

    【軽薄な喋り方のままだが、彼なりに『クライアントが通した分の義は通す』という在り方の証明だ】


    《ついては、君たちには僕を一人あげよう》

    【そしてその『頭部』を差し出した】

  • 17デュラハン◆xZJxX8ZGsA25/05/30(金) 20:58:27

    (2/2)
    《その僕は現段階からオフラインだ。まぁ、そもそもローカルだし、離れたら繋がらないけど》
    【彼女に能力不足が無いとしても、それはリスク管理の巧みさも含まれるだろう。少なくとも『無制限に綿密な連絡が取れる』わけはない。しかしストラクチャー建造とは、綿密な擦り合わせを要求し、それは長時間の討論に及ばなければならない場面もある】
    【それは複数の企業を取りまとめるなら尚更であり、時には『経験者』のアドバイスが必要になる可能性も高い】

    【安全性に問題がないのであれば、一番効率的なのは“そこにデュラハンが居る”ことだ】
           ・・   ・・
    【デュラハンは個人にして群体。各々の意識を持ちながらも、それは総意となる。故に旧愛卿に『デュラハン』を渡せば、連絡時は『決定したことを伝えるのみ』で終われる】

    《ああ、充電については好きな端子で構わない。100%からなら一週間は持つし、この急速充電器なら0%から30分で完全復活だよ》
    【倉庫の奥から、頭部の付いたデュラハンが現れて充電コードのようなものを彼女に差し出した】

  • 18モカ◆KPwoT407kA25/05/30(金) 21:26:35

    【あれから数日後。熟睡して英気を養ったモカ​───────というより、“プレアデス征団”宛てに、緊急の司令が下りた】
    「インベイドに囲まれて孤立無援状態になった基地に退路を作れてさ。…動かせるBF殆どないウチらを動員する?頼みの綱は何とか融通聞かせて貰ったスカッドと…」
    …あのメカニックが持ってきた新型試作機だね
    【戦ってコア粒子の輝きを堪能する事だけが生きがいだったモカからすれば、かの女史が言っている事の半分以上が理解出来なかったが​───────とにかくスレイガンでも追従できないプレアデスの操縦能力に適応できる、らしい】
    「武装だけはローンのライフル貸してもらえたし、ウチはスカッドに乗るわ。新型は…」
    当然ボクが乗って前線に立つ。アオヤマは後方支援…結局、いつも通りだね
    「アオヤマゆーなし」
    【“アオヤマ”と呼ばれた軽薄な強化人間が顔を顰める】
    先に機体の方に乗って慣らしとくよ。ぶっつけ本番なのには変わらないけど気休めにはなるし……………あ、そうだ
    【モカがアオヤマに“モコモコしたもの”を手渡す…本当ならコックピットに持っていこうと思っていたものだ。けど…急にそれが惜しくなった】
    「…モカちーてブランケットとかキョーミあるタチだったっけ?」
    無かったに決まってるだろ?それ、お留守番の子に預けといてくれない?
    「や別にいいけどさ…なして?」
    【不思議そうな目で見つめられてもモカ自信にさえ理解が及ばない行動だった。こんなものがコックピットにあると気が散るからだとも考えたが…振り返ってみて、コア粒子に狂わされている時の自分が“コックピットの内装”を一々気にかけるような人間かと言われると否定できないので、合理的な判断から来るものではないだろう】

    …願掛け、かな?
    【困ったような表情で、少女は疑問形の言葉を口にした】

  • 19二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 21:35:37

    >>16

    >>17


    「あらあら────────────────文字通りの頭脳をお貸し頂けるとは、光栄の極みですわね。ありがとうございますわ」



    微笑みながら充電コードを受け取り、旧愛卿は予想を大幅に上回る成果を前に胸を弾ませた。

    ──────────────────彼女の専門分野は、“既存な技術と理論の改良と複合”である。技術の開発を行える協力者の存在は、旧愛卿が単独で携わった場合と比較して何倍もの能率を実現するだろう。


    設計図に記されている十枚にも及ぶ数km単位の超巨大恒星光発電鏡を広げながら、旧愛卿は謳う。



    「─────────────────攻撃手段は単一ではない方が良いでしょう。クロノスのビーム技術に対してフリクタル装甲や粒子ビーム拡散装甲が現れたように、単一の攻撃ではインベイドの進化によって克服される恐れがありますから」


    電磁加速砲による運動質量弾と、恒星光エネルギーをそのまま転換したレーザー砲撃。或いはその両方を組み合わせたプラズマ砲。


    速射に適した砲身と一撃の威力を高める砲身では何もかもが異なる。単一の砲身で必ずしも使い分けを実現する必要はないだろう。

    リボルバーのように砲身を切り替え可能である方が敵に攻撃を掴ませ難い。


    それから、最後に“一つ”だけ付け加えて七種。



    七つの砲と十の鏡───────────────其れは、七つの頭と十の角のようで。




    「衛星砲〈クラウディウス〉は、正に人類にとっての福音となるでしょう」


    空前絶後。前人未到のストラクチャーを建造しようとするアリシア・グランセンは、技術者としての心を抑え切れずに満面の笑みを浮かべた。

  • 20アリソン◆PPyRfvMZl625/05/30(金) 22:12:59

    (※ノーディスさん待ち)

    【青い空、白雲の下、赤い光が一筋ちりちりと輝く粒子を散らしながら飛んでいる】

    「────────────チッ」

    【惑星を模したキャンディーを噛み砕くネコ科猛獣の牙、そのエンブレムパターンは、人類自由連盟に籍を置く一人の女傭兵の姿を浮き彫りにした】
    【アリソン・キャラドール────────────インベイドの返り血が沁み出たオイルの様にこびり付いた機体を駆る彼女は、今、モニターに映し出される機体コンディションを見て如何にも不機嫌そうに表情を歪めた】

    (粒子の減りが早い……あのクソインベイド、タンクに穴ァ開けて逝きやがったな……?)

    【何ということは無い、人自連の領内に出没したインベイドの一群を掃滅する、それだけの仕事である】
    【3体の重装兵級を中心とした数十体のインベイドは、場に居合わせたデスペラードの手を含めて借りて都市に被害の及ぶ前に早々に片付けることは出来たが】
    【その帰還途中、機体の動力源であるコア粒子の減少幅が異常値を叩き出していることに気付き、急遽の省エネ運航に移行したところであった】

    「近くに人自連の拠点は……」

    【本来の拠点となる青天市街まで飛ぶには全く足りない、それに、タンクの損傷をそのままにしておく訳にも行かず、修繕の手が必要であった】
    【眼下に広がる荒野を睨み付けながら、仕方がない、最寄りの都市へ一時的にでも降りて補給を済ませるか、と】

    「ん?」

    【ふと、岩場に隠れ潜む様な小さな建造物が視界に映った、まるでトカゲが風景にでも溶け込もうとしているかのような擬態と違和感、放棄されたのか、未だ活きている拠点なのか】

    「……何だ?デスペラードか、ドーザーの工場か何かか?……まぁ、何だって良い、粒子の補充が出来さえすりゃあ良いんだ」

        ・・・・・・・
    【最悪、脅しをかける手だってある、あくまで奥の手ではあるが】
    【一瞬の逡巡の後、キャンディボールは旋回軌道を取り件の建造物へと舵を切った】

  • 21ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/30(金) 22:16:13

    >>12

    「ん、んんんっっ……はぁ」

     個室のドアを開けて、ケイは大きく伸びをしている。

     一時間程度のまどろみは、しかし精神を含めたものを大きく回復させた。美味な食事の匂いとは偉大なり。


    「どうしようかなこれから……あ」

     旅館で過ごす、ということをあまりしないがゆえに廊下をぶらつき……ふと奥から歩いてくる誰かを認める。

     男性、自分と同じくらいの年だろうか?


    「こんにちは?」

     少しばかり日が落ち始めた時期に、ケイは名も知らぬ少年へ会釈を含めて挨拶をした。

  • 22ラルト◆C01O2YJoxg25/05/30(金) 22:28:34

    >>21

    「(今回は温泉旅館にいるのだから悲しい考えはやめよう)」

    はぁ〜と長い息をついて気分を変えようと前を向くと前から少年が歩いている

    少年の顔を見て前回色々な意味で大変そうだった人だと記憶にある

    こちらが挨拶する前に少年に挨拶された為、こっちも裾を正して

    「こんにちは、どうかなされましたか?」

    笑顔で会釈しながら挨拶する

  • 23ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/30(金) 22:34:07

    >>22

    「ああ、いえ。旅行も初めてで、旅館の過ごし方ってものが何も分からなくって……はは」

     困ったように笑いながら、近くにあった木製のベンチに座る。人2人分は空けているので、パーソナルスペースを保持したまま座れるだろう。

     正面に窓もあるためか、外では名前も知らない木についている木の葉が綺麗に揺れているのが見える。


    「俺はケイ・サヤギリ。暇を持て余してる18歳だ」

     君は?と問いかけるケイの瞳……墨と青色が奇妙に混ざり合う不思議な色合いの両目……が、少年を興味深く観察していた。

  • 24龍影◆9BZ6kXGcio25/05/30(金) 22:52:47

    前スレ171
    「イヤー誘うのは無理っしょ。」
    ニコニコしながら愛蜜にあえて触れずに、うてなの泡を流す。
    「細いな…やっぱり...」
    変わらない...あの頃と。
    泡をきっちり洗い流したのを確認して湯船に入る。
    「(思ったよりも酸性だな...長くつかるのはよしとこう)」
    疲れが形状をもって溶け出るような感覚になる。
    「極楽...なるほどね。」
    例の形容詞がなぜ生まれたのかわかった気がした。

  • 25ラルト◆C01O2YJoxg25/05/30(金) 22:56:40

    >>23

    木製のベンチに座った少年を見て1拍置いてからパーソナルスペースを空けながら隣に座る

    少年曰く旅行も初めてで、旅館での過ごし方などが分からないらしい

    「そうなんですか、実を言うと私も初めてなんです」

    答えつつ窓の外の揺れている木の葉を見る、綺麗だなと思ったが目を閉じて少年の方を向く

    「同い年ですね、私はラルト。掃除屋をしています」

    相手の目をきちんと見て会話する事が日常的に染み付いているからだろうか、自己紹介して少年の両目を赤色の両目でしっかり見ている。

  • 26東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/05/30(金) 23:02:54

    >>24

    『......見た目だけや、変わっとらんのは』


    空いた左手はまた臍下辺りに戻り

    そこには、さっきまでは分からなかった

    傷跡のようなものがチラリと見えている


    『ふぃーーー...天然温泉、恐るべし...』


    お湯に浮かびながら、台も息を吐いた

    ぽーっと顔が熱くなるのが心地よい。

  • 27ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/30(金) 23:08:21

    >>25

    「掃除屋か……こういう場所の掃除に雇われてるってことは、相当上手ってことだね」

     ケイの言葉はどこまでも事実だった。旅館の掃除など、尋常ではない手間と時間がかかるものだ。

     日々のメンテナンスを含め外部から協力者を募るにしても、技術と……そして何より、来訪者のプライベートをみだりに話さないという信頼が必須である。


    「同い年でそこまでできるのは凄いよ……本当に!」

     掃除など、地下暮らしだったケイからすれば身の回りの最低限程度でしかないものだ。何より器具もない。どこかで妥協が必要になり、そして訓練もあって少しずつ……という負の循環にハマるのを避ける結果でもある。

  • 28ラルト◆C01O2YJoxg25/05/30(金) 23:17:55

    >>27

    褒められるのは心に良い、そう結論付けざるを得ない。

    少年から褒められて照れくさくなり頭を軽くかき始める。

    「褒めても掃除しか出来ないですよ、あはは」

    金集めの為に始めた掃除屋。

    それが今となっては掃除が出来ない人にも届き依頼が途絶えない為良い事づくめだと自分でも思う。


    「あ、掃除などが必要でしたらご連絡ください。戦場にも行けますから」

    乗っているBF、名前、連絡先などが書かれた名刺を手渡す。

  • 29ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/30(金) 23:39:56

    >>28

    「ありがと。受け取るよ」

     名刺を受け取り、ケイは年相応にそれを自分の持つ名刺入れに入れて。ケイも名刺を差し出す。


    【High Mercenary pilot Licence 『ケイ・サヤギリ(KEI SAYAGIRI)』 age18 male.

     ――――BF Pilot BF Name『AOKAZE・KAI』『You have License cord Caption~2nd Lt.』 ――――】


     人自連でもクロノスでも通用する、上位の共通パイロットライセンスを示す名刺だ。

     簡単に言えばそれだけであり、しかし同時に彼をどの位置のパイロットとして扱えばよいかを雇い主に適切に示すものである。

     この場合は、大尉から少尉までが適切であるということを示している。


     ――――嘘ではない。

     逆巻重工などはケイを班長と呼ばれる、四機一組の戦闘班の長機として戦場に投入する場合もあると認めている。


    「君もパイロットならこれが適切かなって思ったんだ……何かあったら、こちらにぜひ連絡して」

     ケイ自身は自分の技量をひけらかそうなどとは思っていない。だが、先にパイロットであることをラルトが明かしたからこその礼儀として、ケイは自分もパイロットであることを明かした。


    「俺は掃除苦手だけど、ね」

     苦笑いしながら、ケイは唐突にお腹の虫を怒らせた音が出る。飯を寄越せと胃が唸っていた。

  • 30ラルト◆C01O2YJoxg25/05/30(金) 23:50:52

    >>29

    名刺を受け取り拝見する、そこに書いてある名前を見て一瞬目を大きく開くが元に戻る。

    「(ケイ・サヤギリ…やはりあの少年か!)」

    名刺と目の前の少年を交互に見ていたが感謝を伝えながら名刺を名刺入れにしまう。

    同い年でパイロットという所も同じ、仲良く出来そうだと微笑む。

    ふと、お腹の虫が怒っている音が聞こえる。

    私は先程ペペロンチーノを食べたばかりだから間違いない、少年だ。

    「おや、お腹が空いてるようですね?お邪魔しちゃいましたかね。」

  • 31ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/30(金) 23:59:44

    >>30

    「あはは……大丈夫です。たぶんそろそろ夕餉時ですし、それまでは」

     喋って、気を紛らわせたいという気分であるのだろう。ラルトからくる好意的な雰囲気を感じ取りつつ、ケイはもう少しゆっくりしたいな……と思っていた。


    「養殖らしいですけど、魚のお刺身が食べられるみたいで。それがちょっと楽しみで!」

     わざとお腹を空かせているようだ。


    「……あ、そうだ。色々聞きたいことがあったら聞いていいよ?」

     同い年だからこそできる話というのもあるだろう。ケイはラルトという少年を素直に好ましく感じていた。

  • 32ラルト◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 00:10:57

    >>31

    夕餉前だから腹を空かせているらしい。

    だが言動を見るに料理を美味しく頂くため、わざと腹を空かせているのだろう。

    お刺身を楽しみにもしていると、美味しいと評判のお刺身なのだがネタバレは厳禁だなと笑っている。


    その時、色々聞きたい事があったら聞いても良いという許可が少年本人から出された。

    「聞きたい事ですか?そうですね…」

    いきなり言われて迷うが出会ったら聞いてみたい事がひとつあったのを思い出し、それを聞いてみる事にした。

    ここまででケイという少年を好ましく思っているからこそでもある。

    「これは噂で聞いたのですが、お付き合いをなさっているというのは本当なのですか?」

    この噂が本当だった場合、心の底からこれからのの幸運を願わずにはいられない。

    ただの噂だったとしても、それはそれで幸せを願うのだが。

  • 33ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/31(土) 00:21:07

    >>32

    「え?! どこで?!! あ、その……はは……」

     噂になっていることなどまるで知らなかった少年はあちこちに視線を彷徨わせ、しかし誰もいない。

     問題はないだろうと……こくりと頷いた。羞恥で少し顔は赤くなっている。


    「うん。俺なんかには勿体ない、凄い良い人だよ」

     誇らしげで、しかし同時にどこか寂しげで。

    「ホント、俺にはもったいない……知らなきゃ夢に出てくることもありえないくらい、良い人です」

     自分の手を見て微笑みながら締めくくる。


    「絶対……幸せにしてあげたい人なんです」

     自分の全てを捧げたって良いとは、言葉にしない。生きる理由。誰かを斬り捨てる理由。

     ケイにとって龍影は、祖父との思い出に並ぶ存在証明に近かった。

  • 34シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 00:21:25

    (※待ち人アリ)

    (1/2)

    【────────────クロノス・インダストリー、人類自由連盟、生き残った人類を二分する巨大勢力の庇護を様々な事情によって受けることが出来なかった、哀れな難民たち】
    【決して珍しいものではない、誰もが戦場で命を落とす可能性を孕み、悲劇の当事者となり得るこの世界に於いて、彼らは“難民都市”と呼ばれる急場凌ぎの拠点を各地に創り出すことによって居住域を得ている】
    【それを守る者は、彼らと同じ様に二大勢力には属さず、都市からの依頼と報酬を糧にする独立傭兵だ】
    【“デスペラード”と、言われる】

    【……黒煙が噴き出す、拉げた廃屋と、穴の開いたアスファルト、嘗ての都市区画に掘っ立て小屋(バラック)を建てることで成立した難民都市の一つ】
    【無数のインベイドの屍が転がる様は真新しく、つい数分前までそこが激戦の舞台であったことを誰の目にも明らかにした】
    【されど、静寂だ、異星体の牙が死肉や鉛を食い荒らす不愉快な物音は止み、インベイドの脅威はどうやらこの都市から去ったらしい】

    【だが】

    『────────────よし、よし、もう邪魔してくる奴らはいねぇなぁ』

    【ズン、と、機兵が路面を踏み均す、二つ、三つ……八つ、それはSHINONOMEを駆るデスペラードの一団だった、しかし、それは都市の守護者たる者の様子ではない】
    【火事場泥棒というのはいつの世にもいるものだ、彼らはあくまでもインベイドに荒らされ、守備が手薄になった都市を襲う野盗に過ぎない】
    【都市の防衛に当たっていた、疲弊し、貯蓄粒子の切れた傭兵を飽和射撃で崩し、力尽きたところでこうして都市へと乗り込む】
    【それが彼らの常套手段、瓦礫に埋もれる様にして、毒牙にかけられ落下したバディフレームを囲いながら、首魁らしきしゃがれた男の声は悪辣を吐き出し続けていた】

  • 35シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 00:21:44

    (2/2)

    『青いバディフレームからパイロットを引き摺り出せよ、そうしたら電話線を繋いで連絡をする、アブソーバーの旦那方にな』
    『────────────隊長ォ!こりゃ大収穫だ!コイツ女だよ、女!』

    【……金になるからだ、この時代、人の命にも値段が付く、それを高値で買い取ってくれる組織がデスペラードには存在する、青い機体に這い上り、インベイドの牙と砲撃に焼き削られたコックピット部からパイロットの様子を覗き見て、部下である小男は色めき立った声を上げた】
    【そこに居たのが、額から血を流して両腕を脱力させる、蒼緑色の髪をした、容姿の整った女だったからだ】
    【彼らが都市を襲うよりも遥かに前、都市の難民から貰い受けたなけなしの報酬金を手にインベイドの群れとの数時間に及ぶ戦闘を続け、疲弊と、流血による貧血状態、操縦桿を握る力はとうに無く、懐の護身用拳銃にすら手もかけられず、死んだ様な瞳で覗き込む男を見つめていた】

           ・・・
    「……なぁに、お客様?」
    『ハハ、こりゃ上等だぁ、最近の獲物の中でも一、二を争うぜ!』

    【それが自らの命すら奪いかねない悪意と知って、されど女は疲れ切った笑みを浮かべた】
    【彼らが自分に幾らの値段を付けるのか、なるたけ高く売ってくれれば良いが、なんて、末路を察した彼女の思考はそうした非現実的な現実に逃避する】
    【どうせ傭兵だ、他者の命を奪い金を稼ぐ稼業だ、時には奪われることだってあると彼女は理解している、死なないだけ易い】

    「やさしくしてよ……あばれないから、さ……」

    【ずる、ずるり、乗機のコックピットから引き摺り出され、手枷で以て両腕を縛られる】
    【渇いた喉に掠れて消え入る様な虜囚の言葉は、きっと耳に届いていない、岩壁や固い機体装甲に身体を幾度も叩き付けられながら、野盗たちにとって今宵の仮拠点となる廃墟へと引き摺られて行った】

  • 36ラルト◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 00:39:31

    >>33

    少年の語っている様子を見る、噂は本当はたっていない。

    これまでの偵察任務などでの情報を元に、頭の中で勝手に作ったのだ。

    嘘をついてしまって申し訳ない気持ちはあるが顔には出さず話を聞いている。


    話している少年の様子から察するに俺には分からない大変な事を経験してきたのだろう。

    だから安易な同情はしないし出来ない。

    「それはまた微笑ましいですね。あなた達のこれからに幸運があるよう祈ってますよ。」

    ニコッと笑い頷く、これから彼らの行く末が楽しみである。

  • 37グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 00:53:29

    >>34>>35

    【クロノス基地、あるコロニーにて】


    『成程、新機体の実戦経験のデータを

    取る事も兼ね...難民都市を助けに行けと。』


    〈人聞きの悪いように言わないでくれ、大尉

    人助けは君の得意分野だろう?〉


    『.........医療キットは多めに積んで下さい

    後は、私が殲滅し終わった後必ず救護班を』 


    急な出撃なのでカソックにコートという

    急拵えの姿になりつつも、文句は言わずに

    後々の助けを上層部へとキッチリ約束させる


    [幾ら大尉といえ、一人で行かれるのは...

    やはり数機ほどソルジャーを着けては?]


    〈......彼を知らないようだな、新入り。

    あの男は、"北方戦線"を無傷の五体満足かつ

    まともな精神状態で十年生き残った人間だぞ?

    徒党を組んだ程度のデスペラードには負けん〉


    溜め息を吐きながら文官はそう断言する

    それは、憧れでも理想でもない経験則だった。

  • 38グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 00:55:31

    >>37

    機体内部に乗り込み、神父は祈る

    そして、鉛玉のような鈍く鋭い眼となった。


    『"アンデルセン"、機体の名付けは任せる

    2分32秒フラットで考えておいてくれ』


    【フン、良いだろう......よし決めたぞ、

    ...『ソロヴェイ』(соловей)だ!】


    『早いな。同じ名の作家の作品からか?』


    小夜啼鳥(ソロヴェイ)と名付けられた、

    純白と差し色の銀が眩しい新機体は

    空に軌跡を描いて難民都市へと飛び立つ

    ────約二分半、それまでに描いた軌跡に

    様々な人々が驚いては空を見上げていた



    『────あれか。』


    狼の眼に、黒い煙が映り込む

  • 39シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 10:34:08

    >>37 >>38


    (1/2)


    【惨状だった、地表にはインベイドが埋没したコア鉱石の破片を求めて食い荒らした幾つもの陥没痕がある、点在した異星体の金属外皮は、焼けて溶け落ちた残滓と共に元の都市の光景など跡形も無く貪り尽くしている】

     ・・・・・・・・・・

    【間に合わなかったのか、そう結論付けても仕方がない程に、都市を包むのは静寂だ、少なくとも上空からでは戦闘音らしきものの欠片も届いては来ない】

    【だが、都市の中心部には、周囲の様子からすればあまりにも傷の無さすぎる数機のバディフレームが鎮座しているのが見えた】

    【事実それこそが、今この場を制する悪辣の正体だった】


    『……クソッ!他には人っ子一人いねぇじゃねぇか、どこに隠しやがったッ!』


    【ゴヅッ────────────廃墟の一角にて、鈍い殴打音が響き渡った】

    【デスペラードの男達は、つい数時間前までの勝利の余韻から一転、思いもよらぬ収穫量の少なさに抱いた苛立ちを眼前の唯一の女傭兵へとぶつけていた】

    【そう、収穫が無かったのだ、残されていたのは食糧庫にあった僅かばかりの食物と、住民達が運び出し切れず置き晒しにされた煤けた家財等がいくつかのみ、彼らが求めていた女や子供や、ましてや金品、弾薬類などはまったくもって得られなかった】

  • 40シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 10:34:19

    >>37 >>38


    (2/2)


                               ・・

    『あり得ねぇ、こんだけの規模の都市で居たのが傭兵のお前だけだとォ!?インベイドが来る前に、勝手に何処かに逃がしやがったな!?余計な真似しやがって、この、クソアマがァッッッ!!』

    『おい、あまりやり過ぎるんじゃねぇぞ、他に獲物がいない以上、ソイツだけが今日の収穫だ……値が落ちたらそれこそ大損だ、今回ソイツに使わされた弾薬費諸々な』


    【衣服を剥ぎ取られ、雨後の寒々しい空気が包む冷ややかな床に全裸で転がされた女傭兵は、既に幾度も暴行を加えられたことで肌に痛々しい青痣を幾つも残していた、当然、碌に休息も水分も与えられてはおらず、呼吸すらも苦痛を孕んだ】

    【ボウ、と、底無しに昏い光も湛えぬ瞳で無感情に虚空を見つめている】

    【抵抗も何も無駄だと分かっている、それに、事実として都市の難民達をインベイドとの戦いに巻き込まれぬ様にと事前に隣の都市まで逃がしてやったのは自分で間違いも無い】

    【この身に降り注ぐ怒りが止むまでは、ただ何も言わず、サンドバッグに徹しているのが彼女の思う最も賢い手段だった】

    【それでも】


    (……痛い、痛いのは、ヤだなぁ……)


    【それだけは、どうしても】

  • 41グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 10:54:37

    >>39

    『(インベイドは殲滅されているが、

    あまりにも人の気配が無いのが気になる

    それにあの数機のBFも......明らかに不自然だ)』


    となると、と大尉は考えを巡らせる


    『(......"火事場泥棒"というやつだな

    となると元の戦闘を請け負ったのは、

    まさかほんの少数だったという事か?)』


    それなら合点が行く、インベイドとの戦闘で

    疲弊した都市を狙うのは、デスペラードには

    半ば常識のような略奪の心得だろう。

    そしてそこを狙うに値すると判断したのなら、

    ここを守っていた"誰か"はきっと限界だったのだ。


    【────中心部に駐在するBF乗りに通達

    速やかに略奪品を置いて退去する事を勧める

    さもなければここで全員、私が殲滅する。】

  • 42グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 10:55:16

    >>40

    雨後の曇天を仰ぎ見れば、そこには

    白く輝く見た事のないBFが一機、

    天使のように鉛色の空へ浮かんでおり

    そこから声が降り注いでくる


    【"クロノス・インダストリー"より通達する】


    ダガーナイフを片手に構え、あくまで

    相手に選択肢を与えながらも大尉は待つ

    自分から人を殺すのは教義に反するが、


    ・・・・・・・・・・・・・

    相手が襲い掛かってくるなら仕方がない。

  • 43シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 11:53:57

    >>41 >>42


    『……ッ、何だ!?』


    【それは恰も天からの通告じみていた、廃墟の割れた天井より垣間見える曇天には、翼を広げて空に立つ白磁の機影が見て取れた】

           ・・・・

    【あり得ない、早過ぎる、彼らとて幾度もの略奪行為を積み重ねて来た歴戦の無法者(デスペラード)だ、クロノス・インダストリーという存在がどれだけ脅威であるかは重々理解している、だからこそ狙いはクロノスからも人自連からもあぶれた難民の都市だったのだ】

    【元はと言えば彼ら自身が見捨てた都市、だから救援など、あったとしてもスカッド・ソルジャーの一個小隊が関の山で……】


     ・・・・         ・・・・・

    『ワンオフのカスタム機か!?士官クラスの、エースじゃねぇか、なんだってこんな時に!』

    『裏手から逃げる!ジェイソン!ロット!ウェルガー!時間を稼げ!』


    【降伏など以ての外だ、そうしたところで一介のデスペラードにクロノスが運んで来る結末など、決まりきっている】

    【三機のSHINONOMEが動いた、トライアングル状に陣形を組んで地表を走り、上空の機影に対して鹵獲品であるアサルトライフルを斉射する】

    【廃墟からは逆の方向へ、視線を逸らしてその隙に裏から他の隊員と貴重な収穫である虜囚の女傭兵を人質を兼ねて逃げ出す算段】


    『立て、オラッ!』

    「ッ……、はッ……」


    【腹を蹴り上げられて、苦痛に背を折り曲げる、彼女に立ち上がる気力など無いと分かってそれは腹いせの暴力だった】

    【一際大柄な隊員がその前髪を毟り千切りそうな程の力で引き掴み、無理矢理に躯体を持ち上げれば、俵担ぎにして走り出す】

  • 44グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 13:54:57

    >>43

    【...残念だ。】


    冷たい声はまさに無慈悲な天啓だった

    クロノスは、慌てふためく彼らを

    あくまで実験動物としか見ていない

    "新機体の体の良いサンドバッグ"

    彼らが傭兵に行った憂さ晴らしは、

    立場を逆転させて返ってきたのだ。


    『"銀の油"(スィリブロ・マースラ)』


    迫る銃弾の雨を、溢れ落ちる銀の雫が

    一対の大きな翼の形となって弾き返す。

    そして、急加速により三機へと近づくと

    無数の薄く鋭い刃へ変化した液体金属は、

    瞬く間に三機の両腕と武装を切断した


    【悪く思うな、葬式の祈り手はしてやる



        ・・・・・・

    ....さて、視えているぞ?デスペラード。】



    電子音声が、冷ややかにそう告げる。

  • 45グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 13:55:22

    >>44

    ダガーナイフに液体金属を纏わせると、

    急降下した地面へと刀身を突き刺し

    そこを伝って地面へと伝播した金属の、

    銀色の津波が瞬く間に面々へと迫り来る

    液体ではあるが高温ではない。だがしかし、

    瞬時に固まる事が出来るのが大きな特徴...


    【最後の警告だデスペラード、

    持ちうる略奪品を置いて撤退しろ】


    無数の針状に固まった金属が周りを囲み

    これ以上進めば串刺しという状況で

    最後の警句をデスペラードたちに問う。


    【命が惜しいなら、手を離せ】

  • 46シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 14:58:44

    >>44 >>45


    『な、なんッ……!』


    【まるで悪夢の様だった、三機のバディフレームに乗っていたのはこの一団でも特に対人の直接戦闘に長けた腕利きだ、この女傭兵が乗っていた青い機体を落としたのだって、確かにインベイドとの戦闘で手負い、損耗していたとはいえあの三機だ】

    【それが、一瞬、片手間程度の労力で墜とされた、廃墟を飛び出した男達の眼の前に突き立てられた銀の刃は、さながら罪を裁かんとするギロチンの輝きに似ている】


    『……クソッ!』


    【半ば自棄になりながらも、悪辣の足掻きはこれが最後の抵抗と言わんばかりに、担いでいた女傭兵の痣だらけの裸体を寒空の下、白いバディフレームのモニターによく見える様にと突き出した】

    【それが人質だ、自分達を殺そうとするならば、この女も道連れだという意図】

    【最も、それだって同じデスペラードの、ただの傭兵だ、クロノス・インダストリーの正規軍相手にどれだけの効果を発揮するか、打算的で絶望的な手段だったが】


    「────────────、」


    【不意に】


    【盾として掲げられた女傭兵の口元が、微かに蠢いた、死人じみて冷えた瞳で、疲労と諦めの滲んだ表情で、呆然と白磁の機体を見つめながら、確かに】


    「────────────ぃ、ょ」


          ・・・・・・

    【確かに、「撃って良いよ」、と】

  • 47グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 15:28:15

    >>46

    白磁の機体は一刹那沈黙し、そして


    ────瞬間、煌めく刃が動く。



    【無益な殺生をする訳があるまい、

    勿論"拘束"はするが......異論は無いな?】


    針状の金属は盾にされた女性以外に絡み付き

    全身を銅像のような金属像に固めてしまった

    自分を殺すつもりならこの女を...と言うなら、

    生かしたまま拘束すれば女性は死なずに済む

    たった、それだけの事である。


    『さて。先の戦いの功労者を返して貰うぞ

    お前たちは......どうせ賞金の一つや二つ、

    その首に掛かっているだろう?それならば

    ここに居ない民たちに引き渡すとしよう』


    身動きの取れない男から女性を抱き上げ、

    自分のコートを脱いで急ぎ着させる。

    生きた大金は難民都市へと引き渡し、

    少しでも彼らの暮らしの足しに仕向ける

    あと一、二分もすれば読んでいた救護班が

    来るだろうが、その前に応急処置が必要だ。

  • 48グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 15:28:53

    >>47

    『済まないがコックピットに入って貰う、

    医療キットがそこにしか無いのでな...』


    自らの操縦席へ女性を運び入れ、

    冷え切った身体の傷を手当てする


    『安心しろ、私が来た。

    ゆっくり息を吐いて、これを飲みなさい』


    体液の温度に調節されていた経口補水液の

    チアパックを開け、飲み口を口に咥えさせる

  • 49シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 16:24:10

    >>47 >>48


    【────────────こんな筈じゃなかった、いつも通り、楽な略奪を働いて大金を得る、それだけの筈だったのに】

    【肉の盾をまるで意思でも持っているかのように通り過ぎた液体金属が、訳も分からぬうちに野党達の肉体を圧し固めて往く、破れかぶれの最後の手段すら無意味に帰した彼らに、最早抵抗の手段は無く】

    【力の抜けた男の腕から擦り抜けて、どさりと、地面へと頽れる女の姿だけを残して】


    「……ぁれ……」


    【冷たいアスファルトの上から、駆け寄って来た男の暖かな腕の中へ】

    【見上げるそれは問いを湛えた瞳だ、確かに死ぬつもりがあったのだが、どうして、自分はまだ生きているのか】

    【外に比べれば幾らも過ごしやすい温度のあるコックピットへと連れ込まれたなら、差し出されるのがまた、程好い温みの籠った水分補給用の携行パックであったから、殊更不思議そうに】


    「おやぁ……しりあ、い、だっけ……?」


    【記憶には無いが、知人だというのならばその行動にも理解は及ぶ、ただの娼婦に過ぎなくとも時折やけに入れ込んだ感情を抱く客はいるものだ、ケデシャーにも、そうした客は少なくない】

    【ならばその一人であったか、飲み口を前歯の先で力無く噛む様にして咥えながら、問いかける】

    【見る者によっては眼も覆いたくなる悲壮な様でも、女傭兵は、いやに理性的な様子で救いの手を受け入れていた】

  • 50二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 16:48:54

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  • 51グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 16:51:09

    >>49

    『....?いや、初対面だが。』


    事実である。酷い状態の女性なら

    北方戦線で散々見てきたとはいえ、

    少なくとも目の前の彼女とは初対面であり

    そりゃあ問いたくもなるだろう...と

    手当てをしながら神父はそう思った。


    『ゆっくり注ぐから、少しずつ飲みなさい』


    経口補水液を注意を払いながら飲ませ、

    湿布を何枚かに切り、痣に貼り付け

    その上からガーゼを被せてテープで固定し

    着々と身体の怪我の手当てを進めていく


    『助けた理由は......この街を守った貴女に

    敬意を払っての事が一つ。もう一つの理由は

    俗に言う"隣人愛"、というやつでしょう


    とにかく、良く頑張ってくれた。

    この街を守ってくれたのは貴女だな?

    私が来たのも、その善行故にだろう。

    そも、貴女を死なせるつもりは無かった

    何かを為すための犠牲なぞ無い方が良い』


    手を取り、冷え切った両手を温めながら

    心からの感謝を伝えつつ笑みを浮かべる


    『もう大丈夫だ、お嬢さん』

  • 52アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 17:01:52

    「やったー!昇進だー!」
    【そう言ってたのも少し前、昇進してからは忙しさが倍増して、まともに昇進祝いすらしていない。】
    【そんな事もあり、今日はあまり忙しくない日だったので今は昇進祝いの為の飯屋に向かっている所なのだ。】
    【ちなみに仕事はちゃんと終わらせている。】

    【数分歩き目標の飯屋に着き、店内に入る。店員のいらっしゃいませーという声が聞こえる。】
    【椅子に座りメニュー表を見始める。中々良い物が揃っている。】
    「じゃあそうだな、ミートソースパスタをひとつ」
    【注文し終わったので料理が来るまで待っている間、周りを見ている】

  • 53ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 17:26:51

    ……

    【金龍とメビは、マッシュドポテトが添えられた分厚いステーキを食べていた。1本の開けられていないワインボトルを挟んで】
    【ここはとある洋食屋、インベイドが襲来する前まで主流だったインテリア、サービス、そして料理を提供する珍しい洋食屋】
    【客の大半は普通、昇進祝い、結婚祝い、引越し祝い、何かしらを祝おうとするために来ていた】

    「それで……貴方様なら他にも良いワインを嗜めるのですが、本当にこちらの物で宜しいのですか?」

    【明細書をテーブルに持って来たウェイターが、かなりの高給取りである金龍に問い掛ける】

    あぁ、この酒で良い
    恩人への礼を返すには、この酒じゃねぇと駄目だからな……

    「そういう事でしたか……では無礼を働いてしまった事、どうかお許し下さい」

    前もって言っていなかった俺が悪いんだ
    そう気に病まないでくれ

    「ご厚意痛み入ります……ではお詫びにもならないのでしょうけども、どうかごゆっくりおくつろぎ下さい」

    ありがとう

  • 54アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 17:36:54

    >>53

    「ん!?」

    【目を大きく開き、驚きのあまり声が出ない。アダムスの目線は金龍に釘づけになっている。】

    【自分の昇進祝いの為にと入った店に上官がいるのである、しかも相手は大佐。】


    【目を擦ったり何度もパチパチさせるが、目の前にいる大佐は消えない。】

    「(ほ、本物じゃねえか…!!)」

    【兵士達の間で話題になっている人本人が目の前にいるのである。声をかけたりはしないが視線をずっと送り続けている】

  • 55ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 17:45:30

    >>54

    ……メビ


    【視線に気付くが振り向かず、ナイフとフォークを動かしながら彼女にその正体を聞く】


    『彼はアダムス・メイスン准尉、最近昇進した若手のホープという者です』


    ……誘ってみても良いか?


    『金龍様のご意思のままに』


    それじゃ


    【アダムスの方を見て、金龍はテーブルを指差して同席を提案する】

  • 56アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 17:53:51

    >>55

    【視線を送り続けてしまった結果だろうか、金龍に同席を提案された。】

    「(え、これ同席していいのか?)」

    【同席をどうするか迷っていたらミートソースパスタが届いてしまった。】


    【店員にお礼を告げ、ミートソースパスタを持ち大佐に同席させてもらう。】

    「し、失礼します」

    【会釈して座る。】

  • 57ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 18:00:37

    >>56

    別にそんなかしこまらずとも良いさ

    お互い1歳しか違わないし、今の俺は軍人じゃないしね


    【金龍の座る席に、コートが架られている。アダムスの位置からであれば、更には勲章が見えるだろう】


    だから、ちょっと何気ない他愛ない話をしよう

  • 58アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 18:08:07

    >>57

    【年齢はアダムスの方が1歳上で軍人としては金龍の部下に値する、そして気になる言葉が聞こえたが】

    【何気ない他愛ない話をしようと言われたので気になった事は聞かない事にする。】

    「そうですね…食事の時まで軍人の礼儀を則ってたらしんどいですからね」

  • 59シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 18:12:07

    >>51


    「……?」


            ・・・・

    【愛、善行、……お嬢さん?およそ己の日々に於いては縁遠い単語が立て板に水の如く流れ出す】

    【虚ろに光の失せていた瞳は、ケミカルで甘塩っぱい液体が喉を通ってからっぽの胃に流し込まれるたびに、かえってパチパチと瞬きをしながら困惑の情感を繰り返し、「なんだ、この男はこの状況で娼婦を口説き始めているのか?」と】

    【けれど、その言葉に誤魔化しや嘘の様な薄っぺらさは無く、そのどれもが真に迫っていたものだから】

    【成程、つまり】


       ・・・・・

    「……へんなひと、だなぁ」


    【人助けが趣味の奇特な人種、と、己なりに結論付けて、面白い、と目元を細めてけらけら笑った】

    【未だ渇きが喉の奥に引っ付いた、本調子には程遠い掠れた声で】


    「ボクなんか助けたって、何にもならないよ?ただの傭兵、クロノスの役に立たないことだって沢山してる」


    【包まれた掌の内で、そっと確かめる様に指を曲げようとする────────────鈍痛、軋むみたいな違和感、どうやら骨に罅でも入っているのか】

    【「この男が自分を殺そうとすれば、今度こそ抵抗は出来ないな」と、頭の片隅で】

  • 60ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 18:13:11

    >>58

    だろう?


    【同調してくれた事に対し、金龍は指を差しながらニヤリと笑う】


    ただ、ああも言った矢先にこんな話題を出すのもどうだろうが、あんなに見られてたら気になる物だ

    アダムスは、俺について今までどんな話を聞いた事があるんだ?

  • 61アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 18:19:44

    >>60

    【金龍について今までどんな話を聞いたか、それを聞いてどうするのだろうか?】

    【流石に隠し事などをして後からバレたら怖い、それなら最初から話してしまおう。】

    「あはは…、コネ入社したドラ息子、あの年齢で大佐になれるなんてコネってスゲーって話が兵士の間で話されてましたね」

    【少し心配になったが苦笑しつつ答える。】

  • 62グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 18:30:13

    >>59

    『あまり手を動かさないで頂きたい

    外傷こそある程度手当てしましたが、

    流石に身体の内部は診られなかった』


    真っ先に無理をしないように嗜める

    確かに今の自分は変な人だろうが、

    割とよく周りに言われるので問題はない。


    『私は神父でもありますので。

    人を目の前で死なせるのは忍びないのです』


    そう言われれば、よく見ると彼の服は

    礼拝堂にいる聖職者の着るカソックだった

    ご丁寧にロザリオまで首から下げている。


    『人は役に立つ立たないではありません

    誰もが生きているだけで尊いものですよ

    だから助ける。時に折檻する事は有れども...

    勿論貴女もその1人です、元気は出ましたか?』


    軽口を叩けるようになった事を喜びつつ

    規定分量の経口補水液をしっかり飲ませる

    その身体を今覆っているコート然り、

    最大限の配慮をされている事からも

    この男のお人好し具合が分かるだろう

  • 63ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 18:34:25

    >>61

    半分は当たっている

    だけど、もう半分は違うな


    【ステーキを食べ終わり、追加でもう1皿注文する】

    【上官が気さくな姿を見せたら、下に付く者の緊張が解れるだろう。そんな考えもあっての行動であった】


    確かに俺は親のコネで軍部に入った。正確には"大尉"でね

    そして、そこから先は正真正銘俺とメビの力で掴み取った物だ


    【空いたグラスに自分で水を注ぎ、一息に飲み干す】


    そこまで聞いていたのであれば、戦果も当然含まれているはずだと思うけど、そっちもどうなんだ?

    雷の如き爆音を鳴らしてやって来ては、雷の如き速度で敵対する者全てを殲滅するデストロイヤーの話は?

  • 64アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 18:44:05

    >>63

    【半分も当たっていた事に驚いてる自分がいた、だが大佐まで登り詰めたのは金龍本人とメビという人の力らしい。】

    【ミートソースパスタを食べて終わり、ハンカチで口を拭いて一息つく】


    「戦果の話の方が多いですよ、大佐の力を見れて感動している人もいるくらいです。」

    【勿論これは本当だ、敵対する者全てを殲滅する様を見て仲間にいて欲しいという感想が大いに混じっているのだろうが。】

    【アダムスもその話を聞いて仲間にいてくれてありがたいと思った程だ。】

  • 65ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 18:56:01

    >>64

    だったら、さっきの『スゲー』ってのは妬みじゃなくて感嘆から来た物だと思っておくよ

    正直言って、俺の評判は二極化が激しいからな……


    【頼もしく感じられているのを実感できた共に、それに付随してここまで起きた大事を思い出し、彼の笑顔は若干歪んだ】


    ……さて、これ以上話すと良からぬ事になりそうだ

    今度は君について色々聞かせてくれないか?

    例えば、家族の事とか、趣味とか、軍部に入った理由だとかな

  • 66アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 19:07:55

    >>65

    【家族の事、趣味、軍部に入った理由。それは確かに知らないと不公平になるだろう。】

    【水を飲みながら一つ一つ話していく。】


    「まず家族の事について軽く言うと少し貧乏めの生活してたんですよ、それでも俺をここまで育ててくれたんです。」

    【家族の事が好きなんだとわかりやすいくらいに微笑んでいる。】


    【そしてハッとして真顔に戻り軍部に入った理由に続く。】

    「その家族に楽をさせてやりたいと思って軍部に入ったんです。軍部に入れたと伝えた時は心配されましたが…」

    【頭を軽くかきながら苦笑している。】

    「ちなみに趣味は寝る事ですね。だら〜んと寝ると気持ちいいです。」

  • 67シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 19:09:22

    >>62


                                ・・・・・・・・

    「うん、大丈夫、自分の身体のことはボクが一番分かるよ……身体が資本の仕事、だからね」


    【……今ここで、己が性を売る仕事であることを明かしてみたらどうなるだろう、それは彼の信仰に反するものでは無いのだろうか】

    【穢れきった肢体を抱く彼の佇まいは、あまりに清廉で、あまりに泰然としていて、それは茫洋と正体定かではない己の有り様とまるで違う世界に居る様に思えた】


    「ふふ……あはは、はっ……!こほっ、けほっ……!はーぁ……!」


    【コートの胸元を引き寄せる様にして、煤汚れて見苦しい肌を覆い隠しながら、ゆっくりと身を起こして】

    【“生きているだけで尊い”なんて、生きる為に他人の命も、己の身体すらも売り物にする自分が、そんなこと考えたことも無い】

    【笑い声は咳に止められる、吐いた唾には、赤色が混じっている】


    「変な人、面白い人、だねぇ、神父様。

     うん、お陰様……帰り道くらいは、多分平気だけど」


    【薄ら笑いを浮かべながら、頬杖を突いて男の顔を覗き込む】


    「ボクの機体(バディフレーム)、粒子がもう尽きちゃってるんだ……補給してほしいんだけど、良い?」

  • 68ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 19:23:27

    >>66

    素晴らしい家族愛だな……


    【アダムスの屈託のない笑顔により、金龍の顔は陰りが濃くなるも、すぐに体裁を直す】


    准尉って言ったら、アダムスの望みを充分過ぎるほど叶えられるはずだろう?

    そのお祝いも兼ねて、この場は俺が奢るとしよう!

    俺の純粋な本心から来ているんだから、心配とか遠慮とかしなくたって良いからな!


    【背中を軽く叩き、メニュー表を促す】

    【そして、黙って会話を聞いていたメビもステーキを食べ終えると、ちょうど2皿分のお代わりがやって来て、それまでテーブルにある空き皿が下げられた】


    にしても、寝る事が趣味なら、それについても何かしら贈っておこう!

    望みの寝具は有るか?

  • 69アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 19:28:45

    >>68

    「えぇ!?良いんですか!!じゃあ…ステーキひとつで!」

    【メニュー表に書いてあるステーキを指差しお願いする。】


    「寝具ですか?柔らかい枕カバーとかですかね?」

    【色々してもらってばかりでは恐れ多い為、本当に必要な物だけを頼む事にする。】

    【枕カバーがついてない為、欲しいが買いに行く時間がないのもあるのだ。】

  • 70グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 19:48:19

    >>67

    『それはそれは。大切な身体を守れて

    こちらとしても願ったり叶ったりだ』


    神父は言葉の含みに勘付いていた。

    彼女が人の飽くなき欲望を受けているとしたら

    彼は人の生への執着と苦悩を見続けている故に

    方向性は違えど同じく人の業というものに

    浸り続けて慣れてしまった人間同士では、

    どこか琴線に触れるものがあるのだろうか。

    そもそも相手が同じ教義を得ていない限り、

    自らの信仰の禁止事項を押し付ける事は無い

    神父とは言えど、代行者ではないのだから。


    『補給ですか?構いませんよ。

    ああそれと、きちんと治療は受けて貰います

    わざわざ救護班を呼んでしまったので...

    助けられた見返りに、請求させて頂きます

    "傷がある程度治るまで治療を受ける"を』


    キランッ、と効果音が鳴りそうな眼光で、

    恩を利用して治療に専念させようとする


    『どうしても無理なら......諦めますが』


    とはいえ強引過ぎると反省したのか、

    妥協してはくれるらしい。

  • 71ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/05/31(土) 19:50:39

    >>69

    その意気だ! じゃんじゃん食ってじゃんじゃん頼みな!


    (一緒に会話してくれた事への感謝もあるからな……)


    【テーブルの上に置かれたワイン、なんて事はない安物の酒を見る】

    【その目は、まるで生徒が先生に報告するような──】


    (まだまだでしょうけど、少しは貴方に報えている事を願わせてください……)


    ……まぁそういう訳だ! メビ!


    『電話番号については、今は食事の最中なので後で渡すべきかと』


    だったらそうしよう

    とにかくアダムス! 後でメモ用紙を受け取ってくれ!

    折角会えたんだし、馬が合いそうだし、何かあれば力になれるかもしれないからな!

  • 72アダムス◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 19:56:57

    >>71

    「なんか本当に色々とありがとうございます金龍さん。」

    【軍人としてじゃなくアダムス個人として感謝する。】


    【ステーキを食べ始め、先程のパスタより早く食べ終わり目の前で手を合わせ】

    「ごちそうさまでした。分かりました!今でも十分力になってくれてますがお願いする時はしますからね!」

    【満腹感、馬が合いそう、奢り、全てが組み合わさって物凄い笑顔で話している。】

  • 73シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 21:41:23

    >>70


    「えー、それは泊まりかい?」


    【例えばころころと気紛れな猫の様な、小首を傾げて思案する様は、狭いコックピット内で神父の身体に体重を預け】

    【きちんと治療を受けた方が良い、それは確かに正論だ、傭兵稼業で数日無断でいなくなるくらいはケデシャーだって理解してくれているだろう】

    【冷えきった両足は、彼との接触によってようやく元の体温と感覚を取り戻しつつあった】


    「……分かった、恩人の言うコトだからね」


    【それに、クロノスの治療設備なら中途半端に自分で治療するよりもずっと早く済むだろう】


                ・・・

    「でも、治療の代金は……後払いってコトになっちゃうけど、良い?」


    【遥かな上空にバラバラと響く輸送ヘリの羽音を聞いて、モニター越し、都市の中心で疲れ切った様に倒れた乗機のシルエットを見据えた、“アレ”も、修繕が必要だろう】

  • 74グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 21:52:31

    >>73

    『ええ。その方が良いでしょう

    ......おっと、到着しましたか』


    何やら手元の機械を操作し、

    救護班に事の顛末を話している

    そして少し経ち、それは終わった。


    『機体の事なら心配は御無用、

    燃料とある程度の補修分の代金は

    私が財布から出しておきますので』


    基本最低限の食事と消耗品、あとは

    炊き出しに給料を突っ込んでいるため

    BF一機くらいなら何とか出来るらしい

    滅私奉公も、ここまで来ると末恐ろしい。


    『...?構いませんよ、後払いでも

    ではこちらに。そのまま歩かせれば

    怪我を増やしてしまいそうですので』


    自身の背中を指し、軽く屈む

    どうやら背負っていくつもりらしい

  • 75ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/31(土) 22:14:49

    >>36

    「……ありがとうございます。本当に」

     自分たちにはまだこれからがある。そう祝われると心の何処かが傷つくような、癒やされるような。

     相反した気持ちの波が、ケイの中で作られていく。


    「祝われるのは……良いものですね」

     微笑みは、年相応。だがどこか痛々しさも混ざっていて。

     ゆったりと揺れる外の木の葉がサラサラと音を鳴らす光景を見て、ケイは目を瞑る。


    「俺のせいで沢山の人が死んでしまったのに。嬉しい気持ちがでてくるんです」

     幸福を祈られるとそれだけで嬉しくなる気持ちが出てくるのは、人間だからこそだろうか。

     ……ケイは、それすらも経験がない。


     まっさらな和紙を墨色の桜が色づけていく中でも……まだ空白はたくさんあるのだ。

  • 76ノーディス◆XGxCas/OAU25/05/31(土) 22:16:30

    >>20

    「…ふぅ。」

    【先程起きたばかりで寝ぼけた脳を覚ます為にコーヒーを飲み、一息つく。後味はやや悪い。】

    【全ての派閥に無所属というのを主張する工房『グールインジャンクボックス』。今この場に技師は、『ノーディス・カリヤ』ただ1人しかいない。】

    「…また一段とひどくなってる…まあ安いから元は取れてるんだろうけどね。」

    【若干顔を顰めながらカップを机に置く。ものぐさによるものかやたら飲み終えた後のカップが多い。】

    【今頃、自分の後輩は未だ『アカデメイア』への道を通過中だろう。今も元気だろうか。そんな事を考えていた。】

    「さて、今日は特に何もな…は?」

    【ふと見た窓から、降りてくるBFを見た。見た限り、そして知っている限りの予定より、どうも元々来る予定のものではなさそうだ。】

    「…だから『この工房は予約制です』って書けと言ったのよ。もう。」

    【そう、ぼそりと言って、その紅い機体が降り立つであろう場所へいく為に部屋から出て行った。】

    (…一瞬見えたけど燃料切れみたい。あんな目立つ機体で生き残る…多分傭兵が気付かないはずがないから多分タンクが破損している。そこの修理も同時に…)

    【彼女は腐っても技師だった。】

  • 77ラルト◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 22:28:10

    >>75

    【表情や言動を見て、優しいような嘲笑ってるような目でその様子を見ている。】

    【同情しないように注意しているのだが心の底から同情が湧いてしまう。】

    「嬉しいのなら素直に喜んでいいと思いますよ。」


    【出来る出来ない関係なく本心を喋る。】

    【これから仲良くする為にもここらで話を断ち切ろうとベンチから立ち上がる。】

    「知りたかった事を教えてくれてありがとうございます。私はそろそろ行きますね。」

    【微笑んで会釈をする。】

  • 78ケイ◆ECPjTIh3Iw25/05/31(土) 22:34:21

    >>77

    「ありがとうございます。こちらこそわざわざ付き合ってくれて」

     ケイも立ち上がって、会釈をした。


    「その……次会うときまでには、しっかり気持ちに区切りをつけておきますから!」

     戦いでつけられた傷は身体にしろ心にしろ、未だケイを蝕み……だからこそ、決意を語った。

     同情されても良い。嘲られても良い。

     その後にどう自分が選択するかが、己を決めるとケイは思っているから。


    「君が良ければ、ラルト……って呼んでいいかな」

     呼び捨てにするのは、ケイなりの親しみもあった。あるいはそれが、1日目の出会いの終わり。

  • 79二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 22:39:54

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  • 80シェディ◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 22:40:34

    >>74


    【通信の途上、身体を丸めて興味津々と端末を覗き込もうとする身動きはやはり好奇心旺盛なネコ科に似る、最も、それは大の人間としての一端の体重を兼ね備えているが】

    【清廉潔白な神父が、彼の身に着けていたはずのコートを纏っただけの半裸で体重を預けているその光景は、始めこそ、通信手の度肝を抜くことだろう】


    「本当に“イイヒト”だねぇ神父様……いつか損するよ?」


    【人の良い彼の紡ぐ無償奉仕の約束を、女傭兵は膝を抱えて揶揄った】

    【やつれていても、その調子こそが彼女の性であると、きっと察することは出来る】

    【背中を指差し、文字通りの“おんぶにだっこ”の提案をさも当然の様にされては、くす、くす、くす、と怪我に響かぬ程度に大人しく嗤って】


          ・・・・・・・ 

    「ふぅン……潰れちゃうなぁ、えっち」


     ・・・・・

    【そういう気の提案では無いと分かっていながら、自らの女らしい胸元をわざとらしく撫で下ろし】

    【それからようやく、心の底から安堵して、彼の背に身を委ねた】

  • 81アリソン◆PPyRfvMZl625/05/31(土) 22:40:51

    >>76


    【飴玉じみたわざとらしい赤色は、言う通り、確かに目立ち過ぎる】

    【そんな派手な着色が、幼少期、根源の記憶に根付いたものでさえ無ければ、彼女とてこんな塗装は施さなかっただろう】


    「おい、誰か居るか!」


    【回線を開き、機外に高らかと響く声音】

    【威圧的で、ほんの少し焦りと苛立ちを湛えたそれがパイロットのもの、コックピットハッチから外へと一歩踏み出せば、荒野の渇いた風に汗ばんだ前髪が揺れた】


    「ゲホッ、ペッ、ペッ……!クソ、砂埃が口に……なんだってンなところで工房なんざ開いてんだか」


    【到底客が入りやすい立地では無いだろう、余程の変わり者か、物好きか、或いはその両方か】

    【まずは確かめなければならない】

    【ここの主が、敵か、味方か】

  • 82ラルト◆C01O2YJoxg25/05/31(土) 22:47:01

    >>78

    「こちらもケイと呼ばせてもらってもいいなら構わないです」

    【この旅館で初めて出来た友達、その証として呼び捨てにしようとする。】

    【呼び捨てに出来なくても構わないとは思っているのだが。】

    【そして答えを聞かずにその場を去る。初日はこのくらいで良いだろうと内心思いながら移動する。】

  • 83ノーディス◆XGxCas/OAU25/05/31(土) 23:04:00

    >>81

    「ここの設立者曰く『本当にここのサービスを求めている顧客のみが来て、それ以外の野次馬を避ける為』とのことなので。まあ確かにここ、すなまみrゲホゲホッ!…失礼…ゲホッ!」

    【咳き込みながら、白衣と作業着を合体させたような服を着た、髪がかなりボサボサな女性が歩いてくる。】

    「…だから外には出たくなかったのに…何故こちらへ?」

    【そう言い、じっとアリソンを見る。】

    「ただ、大まかな見当はついております…ただこればかりは無料と言うわけには。現金等はお持ちで?」

  • 84グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 23:08:40

    >>80

    『得などしたいと思った事はありません、

    やれる事をやっているだけですので...』


    振り向きながらそう返す言葉は

    これまた本心からの言葉である、と

    ?マークを浮かべたような顔が語っていた。


    『......怪我に響いてはいませんか?』


    身長180㎝以上ある背中はやはり大きく

    力の抜かれた弾力のある筋肉に覆われて、

    そこにどこか父性を感じるような気がする

    揶揄いの呟きは聞こえなかったのか、

    それとも敢えて聞き流したのか...それは

    本人に聞いてもはぐらかしてしまうだろう


    「大尉、その方が件の治療者の女性ですね?」

    『ああ。この街を守った功労者だ、丁重に』


    ナースらしき女性軍人がグリゴリーの

    背中からシェディを下ろし、担架に載せ

    そのままヘリ内へと運んでいく


    『では、また。貴女の機体は

    こちらで補修しておきますので』


    群れを率いる狼のような気風の男は、

    銀髪をぶわりと風で逆立てながら

    最後に一礼して再会を願ったのだった

  • 85龍影◆9BZ6kXGcio25/05/31(土) 23:32:17

    >>26

    「うてなちゃん…私、宇宙に上がった時、望月でどうにかなると思ってたんだ。でも、望月じゃ足りなかった。あの子は桜空のデバイスに耐えれなかったんだ。神経接続に頼りすぎたのよ。もう望月はガタガタ…どうすればよかったのかな...私。」

    静かに、そして確かに台へその漠然とした恐怖を話した。

  • 86東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/05/31(土) 23:44:44

    >>85

    『望月か。確かに、あれはええ機体やった

    けどやれる事をやったんやから後悔せんでええ

    ケイを助けられたんは間違いなく、望月での

    お前の奮戦があっての事やったんやから』


    技術者目線で言うなら自分の言葉通り、

    望月がかなり良い機体なのはよく分かった

    が、機械は成長出来ない。パイロットが

    もっと成長した場合、機体に対応は出来ない


    『桜空のデバイスはそら、ちと重いわ

    けど怖がらんでもええんよ?リン...


    ここに、桜空出身の技術者がおるやろ?』


    桜空の技術と龍影にBFが耐えられないなら、

    そこに適応したワンオフ機を作れば良い、

    それが可能な人材は、他ならぬ彼女が

    手を引っ張り上げて逆巻へ連れて来たのだと

    そう諭しながら台は龍影をそっと抱き締める。


    『お前の為のとっておきの専用機、

    ウチが命削ってでも作り上げたるから』


    体格差はあっても、その抱き締める身体は

    何故かとても大きく感じられた

  • 87龍影◆9BZ6kXGcio25/06/01(日) 00:43:44

    >>86

    「そうだったね。...もう少しこのままで。」

    台の優しい心音は龍影を赤子のように安心させた。

    「弟みたいに可愛がってたのも殺したし殺された。あんなのは起きないと思ってた。...マモルって戦艦の艦載パイロットになれる腕があった子がいたの。でも殺した。敵だったから。最後まで私を姐さんって...」

    台のお世辞にもあるとはいえないつつましやかな胸に顔をうずめて話す。

    「どうすればよかったのか今もわからないの。ダルマにするだけでよかったのじゃないかって。でも望月じゃそれができなかった。だからもっと動いてくれる子が欲しい。」

    台の両肩に腕を置く。向かい合う形で龍影の顔がぐんと近くなった。

    「シグドニット合金を外装じゃなくて内部フレームの剛性確保に使いたいけど、カンナちゃんは許してくれるかな?

    うてなちゃん的にはどうよ?」

  • 88アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 00:44:17

    >>83


    【一つ目の幸運が、この荒野でコア粒子の補給を済ませられそうな拠点を見つけられたことで】

    【二つ目の幸運は、どうやらそこが無人の駅などでは無かったことだ】


    「……ここのエンジニアか?」


    【どうにも胡散臭い出で立ちだが、確かに機械油の香りを僅かに身に纏っている、技師か開発者、そうでなくとも機械弄りが趣味の人種か】

    【話が早いのは三つ目の幸運だった】


    「生憎と現金は持ってねぇな、人自連の傭兵なンだ、傭兵登録証(カード)で済ませられねぇか?」


    【ひとまずの安堵と共にコックピットから淡々と飛び降りる、ニコチン切れの苛立ちを、真新しい紙巻を咥えて抑制し】

    【胸ポケットから取り出した傭兵登録証を見せつけながら交渉を持ちかける】


    「仕事からの帰りなんだが、粒子の減りが嫌に早い、多分タンクに穴か何かが空いてるんだろう。

     修繕と、粒子の補給、あとついでに関節の油差しも……いくらになる?」


    【多少阿漕な値段を吹っ掛けられても、まぁ払えないような懐事情では無い、煙草の先に火を灯しながら】

  • 89シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 00:44:55

    >>84


    (おやぁ、ちょっとくらい動揺してくれたって良いのになぁ)


    【わざとらしい誘惑のマニュアルはどうやら通用せず、最も、傷病者への心配の方が勝るのが真っ当なのだ】

    【だが幾つもの真っ当の積み重ねが、返って神父を変わり者にしていた】

    【くす、くす、と、また繰り返す擦り上げる様な笑い声が、彼の首元に微かな吐息となって吹きかかった】


    【清潔な身なりの救護部隊に手慣れた様子で運ばれて、輸送用の機体の窓から、発進して往く神父の機体をひらりと片手を振って見送る】


       ・・

    「……大尉、大尉、かぁ、お偉いさんだなぁ」


    【そういえば、名前の方は聞いていなかったし、こちらも名乗ってすらいなかった】

    【女性軍人の呼んだ階級のみが、彼を示す唯一の称号】

    【次は名前も聞かなければ、と、どっと溢れ出た疲労感は束の間の休息を願う様に、ゆっくりと瞼を閉じた】

  • 90二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 01:03:02

    このレスは削除されています

  • 91東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 01:05:43

    >>87

    『使用感としちゃあ上出来な素材やな

    費用は......うちの頭から幾つか、装備の

    設計やら理論とか引っ張り出して交換やろか』


    コンコン、と自分の頭を軽く小突き

    曇らせた瞳をした旧友の背中に手を添える


    『安心せぇ。お前が何不自由ないような、

    完璧な機体を作ったるから...ふふ、リンも

    データ取るんにしっかり協力して貰うで?』


    ふんす、と慎ましやかに胸を張り、

    そっと自然に龍影へ顔を近づけ────


    ──急ハンドルを切るように角度を変え、

    ぎゅっと顔を寄せてハグするのに留める


    『...い、いまのはナシや...///ごめん...』


    顔を赤らめる様子は、まるで乙女か

    恋する少女のようであった

  • 92ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 01:15:59

    >>88

    【胡散臭い出たちだが、普段は碌に身近な人以外とは関わらない為、見た目に割く時間はほとんど取らない事が主な要因だ。逆にメイクがゴテゴテな技術者というのはあまり見ない。】

    「…」

    【傭兵登録証をまじまじと見たあと、ポケットから無線機を取り出して何か指示をする。】

    「…なるほど、いいでしょう。でもここで修理等はできないのでひとまず『飴玉』をあそこまで移動させてください。」

    【そう言って指を指す先にはこの工房の『倉庫』があり、そこのシャッターがゆっくりと持ち上がり始めた。中には魑魅魍魎の4時の似合うパーツが一応整理された状態で並んでおり、入口付近にはBFのドックらしきものが5つほど見えた。ただ、内一つ以外は空いている。】

  • 93グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 10:42:45

    >>89

    【一週間程経って】


    『失礼する』


    シェディのいる病室に、三回のノック音と

    簡潔かつくぐもった声が響く

    がちゃり、と扉を開け入って来たのは

    あの時名を聞きそびれた神父だった。


    『見たところかなり回復しましたかな?

    それは結構。では、要件をお伝え致します

    貴女の機体の補修と点検が済みましたので

    傷が癒え次第、いつでも退院が可能です』


    病室に神父というのは組み合わせとして

    何だか気分の良いものではないだろうが、

    それはそれとして諸々の書類を文机に置く

    後々何かしらの面倒事にならないよう、

    将校としての地位を使い根回ししたらしい


    『兎に角、お元気そうで何よりだ。』

  • 94アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 11:54:55

    >>92


    「……あいよ、まぁ表でやったんじゃ砂だらけになっちまうだろうしな」


    【操縦は兎も角、機械弄りについてはプロに任せて来たこれまでだ、イマイチ胡散臭いがエンジニアの言うことには従おう】

    【今一度コックピットに戻り、なけなしの粒子を移動に用いる、まるでそこは住み慣れぬ小屋だが】

    【経営状況は芳しくないのだろうか、ガランとした印象のBFドックの一つに深紅の塗装はピタリと収まり】


    「大丈夫なのかねぇ、ココ……まぁ、客入りも一応ゼロじゃないみたいだし、無いよりはマシか」


    【エンジニアに聞こえぬ様、ボソボソと溢す呟き】

    【まぁ、最悪変な改修など施されたら、文句の一つも言ってやろう】


    「おい、移動させたぞー、ったく、やっていけてんのかよこの様子で」


    【ハッチを開き、再び外気に身を晒しながら】

  • 95シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 11:55:16

    >>93


    【栄養補給のみに特化された病人食の味は、ケデシャーの食堂で食べるものよりもずっと味気なく】

    【そろそろウンザリし始める頃、それでも十全な医療設備に支えられて、体調は幾らも回復へと向かっていた】

    【折り曲げる指先に走る痛みも和らいで、これなら、BFの操縦桿も問題無く操作出来るだろう】


    「おやぁ大尉殿、これはこれは、ご健勝の様子でございますなぁ、いやはや」


    【……どうかした口調と悪戯な子供の様な妖しい笑みで神父を迎える】

    【この数日で、この女のどうにも他人を煙に撒こうという性はどんどんと医療スタッフに知れ渡ることになった、自分の素性などは全く語らず、男女に係わらず蠱惑的な仕草とそうした胡乱な態度で以て如何なる問答も適当にやり過ごす】

    【事実それは如何にもデスペラードらしくはあるが】


    「……んふ、お陰様で、随分と元気になったよ。

     ボクとしては、もう今日にでも帰って良いくらいだけど……そっちはまだ何か、書類仕事が必要なの?」

  • 96グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 12:14:08

    >>95

    『いや。補修をした時の保証書辺りをな

    どんなものでも形には残さなければ...』


    万が一に備え、何をどうしたのかなど

    それらを纏めたものをファイリングし渡す

    ここへ連れて来た責任がある以上、必要な事だ


    『これを渡しておく。確認はせずとも、

    何処かに保管しておけばそれで構わない

    ...それと、名前を言っていなかったかな

    私の名はグリゴリー・カラシニコフ。

    君の言うようにクロノスの大尉をしている』


    ファイルを差し出し、彼女の手首に

    巻かれた病人用のブレスレットを外す


    『君の服は現場には確認出来なかった故、

    入院着と同じサイズの服を用意して貰った

    少し出る。着替えが終わったら知らせてくれ』


    服の入っているらしき紙袋をベッドに置き、

    踵を返して大尉はドアへ歩いていった。

    修繕された機体まで案内してくれるらしい

  • 97ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 13:07:06

    >>94

    「案外やっていけるんですよ、コレで。特に特注品なんかは…かなり利益が出るの、で…っ!」

    【そう言いながら旧式の作業道具をのっけた手押し台車を押している。どうも重そうだ。】

    「…乗機が心配なら、修理の様子を見ていきますか?信頼されるに越したことはないので。でもあまり快適な空間ではないですよ?」

    【運んでいる最中に立ち止まり、そう問いかける。】

  • 98シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 13:16:58

    >>96

                        ・・・・・・

    【……保証書。デスペラードのジャンク屋でマスターキーの素体を買い付ける時でさえそんなものは無かったというのに】

    【手渡された書類の文面に並ぶ小難しい文字列を読み流しながら】


    「アフターケアもバッチリってコト?

     それも“隣人愛”ってヤツですかねぇ……ふふ、じゃあ不具合があったら、クロノスさんを訴えるってことで」


    【学校になんて通ったことは無い、それを読み解ける様な教養も無い、バディフレームはただ戦う為に必要な機能さえあれば良くて、個人的な仕事による損傷の修繕費はいつだって傭兵として稼いだ自分持ち、自己責任が世の常だ】

    【ただとりあえず、この場にあっては何かがあれば神父は全力で責任を持ってくれるのだろう、と、そうした信頼だけは不思議とあった】

    【グリゴリー・カラシニコフ、生真面目な彼に似合う物々しい名前が確かに書面にも記されているのを見つけて、くすりと小さく笑った】


    「ん……着替えの手伝いはしてくれないのかぁい?おーい、ちょっとー」


    【病床の管理を兼ねているのであろうブレスレットを取り外され、幾らか軽やかになった手首を返しながら、衣服の紙袋を抱えて】

    【そそくさと先に病室の外へと出る大尉の背中に悪い声をかけながら、それも涼やかにいなされて】


    「……服の趣味は、無難、と」


    【────────────次に、コンとノックの音と共に病室の外へと踏み出す女傭兵の姿は、彼の持ってきてくれた衣服に無事にくるまれている】

  • 99アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 13:17:20

    >>97

            ・・・・・

    「特注?あぁ……オリジナルの工房もやってンのか、ここ」


    【変わり者の工場には、物好きだって集まるらしい、ガラガラと台車を押す姿が確かに一端のエンジニアじみているのは一つの安心材料だった】

    【ゆらゆらと昇る紫煙が糸を引いて、入口の付近に備え付けられたパイプ椅子に丁度良いとどっかり腰を落ち着ける】

    【足を組む仕草は男らしいというか、女らしさの欠片も無いというか】


    「仕事の内容によっちゃ、狭いコックピット内で数日過ごすことだってあるんだ。

     それを考えりゃ足を延ばせるだけよっぽど良い」


    【それよりも目を離すデメリットの方が看過できない、携帯用の灰皿にぽつぽつと煤を落としながら】

    【物言わず鎮座する愛機を見上げていた】


    「この仕事は長いのか?」

  • 100グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 13:35:15

    >>98

    『うむ、サイズが合っていて何より

    なかなか似合っているんじゃないか』


    この男は初対面の時もそうだったが、

    褒め言葉を言うのに慣れていないのか

    微妙に少しズレた褒め言葉をよく言う。

    間違いなくそれは本心ではあるのだろうが...


    『格納庫に着くまで少し歩く。その間に、

    何か必要なものがあれば言ってくれ』


    病み上がりでも着いて行けるペースで、

    神父はゆっくりと廊下を歩き始めた

  • 101ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 13:52:15

    >>99

        ・・・

    「まあ…あの時からもう10年は経ちましたか。」

    【なんてことは無いように話すが、声に若干陰鬱な感情が篭る。】

    「…私も元々、人自連の企業で働いて様々な新機体案を世に送り出しました。特に軽量機、つまりコレみたいに軽くて高出力なやつをね。記憶に残っている限り、あの頃は楽しかったですよ。」

    【床に転がる脚立を立て、軽快に登って『飴玉』の様子を確認する。その間も話しているが動きに淀みは無い。】

    「…インベイドと交戦しました?」

  • 102シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 14:11:23

    >>100


    【飾り気も、わざとらしさも無い誉め言葉、似合っているよりも先にサイズに言及するのはデリカシーがあるんだか無いんだか、それがどうにも可笑しくて】

    【よく言って平均的な女のプロポーションは、無事、彼の購入した衣服にぴたりと合った、彼女自身の趣味とは少しズレても居たが】


    (必要なもの、かぁ)


    【……強いて言えば、護身用に拳銃の一丁くらいはあっても良い、だが一応ここは敵地とも言えるクロノスの領域だ】

    【銃火器の申請など通りはしないだろう、だから】

    【暫し、静寂、二つ分の足音だけがその場には残される】

  • 103アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 14:11:48

    >>101

                                ・・・・・

    「なんだよ、今はこんな辺鄙なところでやってるってこたァ、追い出されでもしたか?」


    【ズケズケと相手の事情に入り込む、それは、敢えての無遠慮だった】

    【高機動とそれに伴うピーキーな操作性を好む、ある意味で、同類への感傷と言えるか】


           ・・・・・

    「あぁ、やっぱ噛まれてるか?」


    【インベイドはコア鉱石を求む、よりそれに近い、粒子タンクを狙うのは一つの習性だ、牙や刃の跡でもつけられていたか】

  • 104ミハエル◆j28rRKKOSY25/06/01(日) 14:29:12

    【ペペロンチーノをご馳走してもらい業務に戻ってしばらくした後、人目を避けて旅館裏手に回り携帯端末を立ち上げる、簡素なログイン画面に自身の名前とパスワードを打ち込み先に進む】

    【無機質なログイン画面から一転、青い星のエンブレムを背景にいくつものメニューバーが表示されその内の一つ、新着依頼の一覧を開く】

    「まだ近場の依頼は無い……、まあもう少しのんびりと行くか」

    【軽く息を吐いてログアウトする、見慣れたエンブレムと"ポーターズ・ネット"という名前が少しの間表示され、再び画面は黒く染まった】

  • 105グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 14:34:38

    >>102

    『......私だ。扉を開けて欲しい』


    【虹彩認証..........クリア。】

    【お連れの方と共に、

    内部でのX線検査機を通って下さい】


    インターホンのような機械に大尉が

    片眼をスキャンされ、電子音声と共に

    空港の保安検査場のような場所に通される


    『ああそうだ、名前を聞いていなかった...

    貴女の名前を聞かせてくれると嬉しい』


    とはいえ、自分の情報をはぐらかしていたのは

    大尉の耳にも入っていた。なのでこの質問も、

    言ってしまえばダメ元というやつである

  • 106グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 14:37:15

    >>105

    『ここが第二十八整備場だ。

    さて、整備士にお伺いを立ててこよう』


    その場所は、まさに兵器の巣窟だった。

    ずらりと量産型のBFが直線上に格納され、

    中央は絵に描いたような遠近法の構図となり

    遠くの扉が小さく中心に鎮座している

    また、何百という数のビーム兵器もあり

    拳銃を売る武器屋のように保管してある

    シェディが身体一つで保護されていなければ

    恐らくここに来る事など出来なかった筈だ

    更に言えば、ここが本拠地ではない事も

    クロノスの持つ絶大な権力を物語っていた。


    『───分かった、準備は終わったか。

    こちらから彼女を連れて行くから待て』


    何やら話していた神父は通信を切り、

    シェディへとおもむろに手招きをする

    こっちへ来なさい、という意味だろう

  • 107ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 15:03:03

    >>103

    「いえ、一応の確認です。確かに多少損傷こそしていますが…見た限りかかった負荷でやられている可能性もあります。こういったのは旧世代のタンクほど単純でも無いから最悪全交換ですね…。そうならない様に最善は尽くしますが。」

    【黒いフレームの露出した部分から覗き込み、大まかな憶測を言う。】

    【慣れた手つきで工具を取り、真っ赤な装甲を手際よく無駄な動作なしに外していく。そんな中でも会話は続いた。】

    「…確かに『追い出された』の方がしっくり来ますね。まあ私みたいな狂人は必要なかったんでしょう。」

    【自傷気味にハハッと軽く笑う。】

    「…軽量・高機動機は美しい。そう思いませんか?」

  • 108シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 15:41:32

    >>105 >>106


    【クロノス・インダストリーのBF工廠とは、即ちこの世界に於ける新鋭技術の粋である】

    【虹彩認証による個人の特定、スキャン検査による不審物の排除、紛れも無いクロノスの軍人の先導を受けて、そうして初めて部外者は踏み入ることが許される】

    【その名を問うた神父の声には、一滴の静寂を垂らして】


    「シェディ……シェディ・キッス」


    【偽名と分かる言葉の響きは、けれど今の彼女にとっては、紛れも無いたった一つの本当の名前】

    【眼前に広がる圧倒される様な機影の数にも、圧されるよりは、興味深そうに】


       ・・・・・・

    「……マスターキーはちゃんと直ったみたい?この間は、乱暴にしてしまったから」


    【万能の鍵と名付けられた機体、それが彼女より預けられた青いバディフレーム、無数の通信装置に包まれた強襲機】

    【コツコツと軽やかに足音を響かせて、神父の元へ】

  • 109アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 15:41:49

    >>107


    「あァ!?全交換!?」


    【眉を顰めて顧客は参ったと両手を挙げた、もしもそうなればとんだ出費だ、仕方がないこととは言えど、アリソンにとっては悩ましい話だった】

    【とはいえプロの見立てに文句が言える程じゃない、ガラにもなく祈る様に天を仰ぎながら、そうならない様にと願った】


    「……美しいかどうかは知らねぇが」


    【そもそもBFに美醜という概念を用いたことは無い、このカラーリングには幾許かの好ましさを積めたが、高機動機が“美しい”と言われれば、それはそのエンジニア特有の感情だろう】

    【咥え煙草は一言毎に上下に揺れる】


     ・・・・・・・・・・

    「ポリシーには合ってる、結局、どんな重装甲だって大砲を何発もブチ込まれればそれで終いなんだ。

     攻撃になんざ当たらねぇのが一番、ソイツは、アタシの操縦に応えてくれる」

  • 110グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 16:06:12

    >>108

    『よろしく、シェディ・キッス。

    勿論修繕されてはいるが...どうやら、

    整備士には半泣きの難易度だったようだ』


    偽名かどうかは気にする事ではなく

    自分の名を教えてくれたというだけで、

    神父としては満足の行く結果だった。

    また、手元にある機材の明細を見れば

    整備士たちが無数の通信機器の故障を

    どうにか直す為に四苦八苦したのが

    使用された無数のコンデンサーの類や

    その他諸々の装置の数々の費用から、

    滲み出る怨嗟の声が聞こえてくる


    『......彼らにも礼金は出してやらねば

    ああ最後に、必要になるかは分からないが

    万が一の事があれば力になれるだろう』


    差し出されたのは、一枚のメモ用紙。

    そこには保証書にあった神父の筆跡と、

    通信に使う番号らしきものが書いてあった

  • 111アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 16:49:57

    >>110


    「おやぁ、それでも仕上げてくれた辺りは、流石に世界一の大企業サマって感じ?」


                                ・・・・

    【マスターキーがこれほどの損傷を受けたのは初めてだった、お得意様であるデスペラードの工房で、普段は安く修繕を済ませている、通信阻害を受けても尚それを無効化する無数の無線式通信子機が、恐らくはその難易度を上げている最たるものだろう】


       ・・・・・・・・・・・・・・・

    「……ついでにデータも取られたのかな?」


    【小さな声、それはグリゴリーにさえ聞こえるか分からない、無論、対価として仕方がないものだと理解はしているが】

    【ほんの一瞬、シェディの瞳は確かに、独立傭兵らしい鋭利を湛えた】

    【眼前に聳える乗機は、主の帰還を待ちわびた様にその腕を伸ばし、コックピットまでの進路を示す】


    「ありがとう、神父様、……このお礼はいつか、必ずするよ」


    【パンッ────────────渇いた音、グリゴリーの掌から、メモ用紙を確かに掬い取り】

    【すっかり身軽になった女傭兵は、軽妙に駆け上って行った】


    「ボクは、これでも義理堅い方だから、ね!」

  • 112ラルト◆C01O2YJoxg25/06/01(日) 17:01:54

    【少年と話し終わり旅館の外に出て深呼吸している。】
    【外の空気を吸って気分転換し終わり、木の下で座り携帯端末を立ち上げる。】
    「(今日あった事を忘れないようにしとかなくちゃな)」
    【携帯端末のメモに出来事や感想などを書いていく。】

  • 113グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 17:05:13

    >>111

    『............さてな。』


    幾ら上官からの頼みとはいえ、整備士達が

    修繕する機体のデータを取らない筈がない。

    こればかりはこちらも仕方ない事ではある

    だが、わざわざ言うのも色々と悪いので

    沈黙によって肯定を示すことにした。


    『では、またいつか会おう。

    君に主の祝福の有らん事を』


    彼は神父らしく十字を切って祈りを捧げ、

    進んで行く機体をその場に立って見送った

  • 114シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 17:27:39

    >>113


    【流線形は暗色の倉庫から、青空には厚い雲の残る陽光の下へ、神父の乗る白磁の様に翼を広げるでもなく、ふわりとホバリングをして飛び立って往く】

    【操縦系を確かめる様に、途中、幾度かの旋回軌道を試しながら、やがてはコロニーの対インベイド防壁をも超えて彼方へと】

    【別れに一抹の寂しさすらも残すことは無く、溶けて】


    ────────────────────

    ────────────


    【────────────そして、再会の時は思いの外早く訪れる】


    『大尉、何やら手紙が届いていますが……今時珍しいですな、こうもアナログな手法は』


    【執務に励むグリゴリーの元に、クロノス・インダストリーの兵士が不思議そうな面持ちで茶封筒を携えてやって来たのは、あれから僅かに数日ばかりが経ったあくる日のこと】

  • 115グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 17:48:48

    >>114

    『手紙...?すまない、受け取ろう』


    何か実家からサプライズでもあるのか?と

    他コロニーにいる家族の顔を思い浮かべながら

    グリゴリーは手紙を受け取り、それを開く


    『(さて、一体全体誰からだ...?)』

  • 116ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 18:02:07

    >>109

    「…そうですか。」

    【少しだけ肩をすくめ、暫く無言になる。】

    【途中で粉塵用のマスクを装着し、主に顔に強風を吹き付けるイメージの大きい例の機械で砂を粗方吹き飛ばして本格的な作業に入った。

    表面の装甲を留める金具一つ一つが、工具の洗練された動きで確実に外れていく。BFの構造が頭の中に鮮明に浮かんでいるらしく、燃料タンクのある部分を的確に、かつ最低限外していった。

    外した隙間から見えてくるものによって大まかな見当はつく。

    (…タンク自体に破損はある…位置も低いしここが原因みたい。中身を抜いて溶接を…でも負荷がだいぶかかってる…

    …『あなたの『飴玉』の燃料タンクは大きく壊れてこそいませんが、おそらく酷使されたのが裏目に出ていつガラクタと化してもおかしくなくなっています。いっそ丸ごと変えればどうですか?新しいものを積めば効率も良くなるでしょうし、こちらとしてもその方が楽で』…言える訳ない。)

    【また静かに笑う。不思議と腕の動きが軽く、スピードも上がる。技術者として自分のの好きな事をしている為だ。】

    (まずはコア鉱石を…)

    【刹那、ある物を見て工具を持ったままピタリと止まった。目線の先には真っ黒な、手付かずのフレームがある。】

  • 117シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 18:09:24

    >>115


    【飾り気も無く、紙切れが一枚、それもコピー用の量産品で、手紙を書くためのそれでは到底無い】

    【グリゴリーの家族がそんな気遣いの欠片も無いものを贈って来る筈は無く】

    【はて、と、内包されたそれをひっくり返せば、文面は簡素】


    [いつかのお礼を届けにいきます




                       今夜

                             シェディ]


    『……大尉、何か問題でも……?』


    【クロノスの兵士は教本通りの義務的な警戒心で、手紙を見つめるグリゴリーの様子を伺う、何か手紙に不都合があるのなら、身辺の警戒をより一層強めるという手もあったからだ】

  • 118アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 18:09:42

    >>116


    【機体のメンテナンスを進める間、アリソンが新しく口を挟むことは無い、煙草は一本か、二本か、時間が嵩む程に携帯灰皿に積もる灰はこんもりと標高を重ねて往く】

    【エンジニアが何も言葉を発さないのならば、彼女自身の意思を察することも出来ず、それは当然、魔法使いでも読唇術の使い手でも無いのだから】

    【けれど、剥き出しになった素体のフレームを前に動きを止めた彼女の様子だけは、確かに伺うことが出来た】


    「……どうした、なんかあったのか?」


    【ふわ、と香り立つ紫煙の向こうで、雌獅子の様な女は小首を傾げた】

  • 119ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 18:42:17

    >>118

    「…」

    【一言も言葉を発しない。ただ、じっとフレームを見ている。】

         ・・・

    (ここだけ不完全だ…)

    【彼女にとって、目の前のフレームは『加工前』のもの。彼女には既に完成後の姿の殆ど見えていた。

    ついさっきまでの彼女であれば、何事もなく見過ごしただろうが…現に触れ、興奮さえ感じる中でかつての感覚を取り戻してしまった。】

    「…アリソンさん、私にこのフレームを『完成』させてください。」

    【フレームを瞬きさえせず直視したまま、振り返らず問う。】

  • 120グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 18:51:46

    >>117

    『(......意外にも早く会う事になったな)』


    『いや、構わん。どうやら私の友人が

    今夜私を訪ねてくるようだ...警備の者に、

    その事を伝えておいてくれないか?』


    万が一の時は私が責任を取る、と

    兵士に伝え、グリゴリーは手紙を仕舞った


    『(夜に会うとなると、これは解決の

    難しい任務を請け負ったが故に、私を

    頼ったに違いない...準備しておかねば)』


    兵士が去った後、グリゴリーはそう考え

    会話する情報が漏れてしまわないよう

    部屋の音が外に聞こえないようにしたり、

    覗いたり出来ないように対策をしたのだった

  • 121二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:52:21

    このレスは削除されています

  • 122アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 20:53:21

    >>119


    (なァんか嫌な予感がするなァ……)


    【つぅ、と、耳元を冷や汗が伝う様なそわついた感覚がした、それは傭兵として、様々な性を持つ人間と関わって来た故から来る勘の様なもの】

                ・・・・・・・・・・・・

    【眼の前のエンジニアが、拘りが強いエンジニア特有の、誰の声も耳に入らないという気配を放ち始めたからだ】

    【成程、凡そ企業を追い出されたというのも、その性が────────────】


    「……っ、おいおい、バラすつもりじゃねぇだろうな!?」


    【分かりきったことだが、機体のフレームとは、文字通りその機体を形作る根幹とも言えるパーツだ、そこに手を加えるというのは無論大規模な改修が必要となるだろう】


    「アタシが雑に扱ってるみたいに見えるのかもしれないがな、これでもソイツのことは気に入ってンだ、操縦系も手に馴染んでる、使用感が変わる程弄って欲しくはねェ、命に係わる!良いか、メインは今壊れてる部分の修繕依頼でな……!」

  • 123シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 20:53:40

    >>120


    『……はぁ、ご友人ですか、それはその、如何なるご友人で……』


    【本来ならどんな関係性であろうと、警備を緩める、などということはあり得ない話だ】

    【困惑と共に問おうとして……けれど、グリゴリーの清廉さにはその僅かな例外すらも通す説得力があった】

    【多少、納得出来ていない様子を残しながらも、兵士は彼に言われた通りに執務室を後にし、警備隊への連絡も済ませてしまうだろう】

    【そうして、所以も分からぬデスペラードが再びクロノスの士官の元を訪れても、素通りの叶う状況は着々と完成し】


    ────────────────────

    ────────────


    【そして、今】


    「……おやぁ、敵意は無いよ、って、一応白旗も持って来たんだけど」


    【あの青い機体に乗ってすらいない、再びクロノスの拠点を訪れた女傭兵の足は大型の二輪を転がし、ドウドウというエンジンの駆動音が暗いドック内に響いている】


    「必要無いくらいだ……信頼されてるんだね、大尉殿」

  • 124グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 21:18:32

    >>123

    『数日振りです、キッス殿』


    夜闇と夜風から滲み出すように、

    黒いカソックの裾を吹く風に翻して

    ゆらりと神父はその姿を表す


    『警備に無理を言ってしまいましたが、

    最低限の防衛ラインからも貴女の事は

    無害であると判断されましたので...では、

    ここで立ち話というのもアレでしょうから

    私の教会の一室で話を聞かせて頂きます』


    少し距離を詰めてある程度の会話を交わし、

    そのままゆっくりと神父は歩き始める

    気を抜いてはいるが、油断はしておらず

    万が一背後から奇襲を掛けられたとしても

    瞬時に対応して来るだろう凄みがあった。

  • 125ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/01(日) 21:45:40

    『今回の形式は2人とも本気で5分1本、それで宜しいでしょうか?』

    あぁ、問題ねぇ

    【17:32 第5別荘地下】
    【模擬戦仕様の装備に身を包んだ金龍とメビは、フィールドの中心を回りながら互いに睨み合う】
    【ただ装備とは言っても、プロテクター等の大層な物ではなく、各々の動きやすい服装にセラミック製ガントレットを加えただけの物である】
    【鍛えて練る事で頑丈な肉体を得た2人であれば、完全な軍用義体に相当する攻撃を受けても問題無いという話だ】

    『それでは、アナウンス起動します』

    【メビの声に合わせ、室内の機械音声がカウントダウンを始める】

    〈3,2,1……〉

    スゥーッ……

    〈GO!〉

    フゥッ!

    【初手は腹の探り合いがセオリー……しかし、金龍は最大推力の1歩で間合いを詰める!】
    【その距離、刹那で10mから2m!】

    破ァッ!『流石です』

    【ッパァァァァン!!!】
    【走る勢いも乗せた全力の右ストレートを撃ち込まれ、メビはすぐさま両手で受け止める!】
    【すると、ガントレットと拳に巻いたバンテージが衝突し、室内を震わす特大の音が爆ぜる!】

  • 126ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/01(日) 21:47:57

    『では……こちらからも!』

    【前屈みで居る金龍の顔面へ、素早く右膝蹴り!】

    させねぇよッ!

    【喰らえば必死の威力を、金龍は左手のみで押さえ込む! 】
    【そうしてメビが踏ん張り辛い体勢になる事で、彼女に掴まれた右拳を引かせる!】

    勢ッ!

    【そのまま流れるように両手で彼女の右脚を引き寄せ、身体を宙へと浮かせる!】

    (顎がガラ空き!)

    【真正面から捉え、左腕でパンソーク(肘打ち)!】

  • 127ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/01(日) 21:51:10

    >>122

    「いいえ!!」

    【勢いよく振り返り、目を合わせた。】

    「見た限りこの機体のフレームは重いんです。私なら行動に支障の出ない前提で、使用感…具体的に言えば重量のバランスを変えずに、現状の15%の重量を減らせます!腐っても技師、決して『棺桶』には…」

    【そこまで言ったかと思えば、急に発言が止まった。我に帰ったのだろう。自分自身に対する嫌悪感によって顔が引き攣っている。】

    「…すみません。」

    【後ろへ振り返って、BFを目の前にする。】

    「…もう分かったでしょう。私は夢ばかり追って、他人など気にも留めず…自分の理想を押し付ける狂人なんです。安心してください。本題はこなしますから…」

    【そう言って作業を再開する。精度は相変わらずだが速度は少し落ちていた。】

  • 128シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 22:05:06

    >>124

                 ・・・

    「うん、助けてくれたお礼、後払いって言ったでしょう?」


    【青緑色の髪は月夜を背にしてよく艶めいた、チリ、と微かに揺れた金属音は、耳元に吊り下げた飾りから響く】

    【動き易いスリットが入り一体になったパンツスカートルック、活動的な傭兵の印象は、今宵は幾許かの女らしさも連れて】

    【フ、と、シトラスの香りがした、香水だ】


    「それに、名前だってシェディって……ん、教会で?」


    【案内する、と、先立って歩き出す背中に首を傾げた、それも僅かな間】

    【勝手に納得したように頷くと、女は大人しくその背に付いて】


    「そうかぁ、神父様だものね、……告解なんかも聞いているのかい?デスペラードなら、罪なんて贖いきれないくらい積み重ねているけれど」


    【静けさが身に染みる、道中】

  • 129アリソン◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 22:05:27

    >>127


    (コイツ、暴走するタイプだな……!?)


    【軽量機が好きだと言っていた、確かにキャンディボールは彼女の好みのど真ん中だろう、なまじ琴線に触れてしまったか、エンジニアの気勢は一気に吹き上がる】

    【けれども、それは突然に……満ちた潮が引く様に、尻すぼみで萎んでいった、嬉々として話している最中はあれだけ伸びていた背筋も、なんだか小さな子供の様だ】


    「……クソ、悲壮感出しやがって……」


    【アリソンはいよいよ以て頭を抱えた、精神面が仕事に影響を及ぼしているのが、遠目にも目に見えたからだ】


    「チッ……わぁったよ、やりたい様に弄れ、ただし使用感は絶対に変えるんじゃねェぞ。

            ・・・・・

     てめェが実際、そう出来るって言ったんだからな、エンジニアのプライドとかいうヤツだろ、約束は守れよ」

  • 130グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 22:18:48

    >>128

    『(...シトラスか、久しぶりに嗅いだ匂いだ)』


    生まれ故郷で柑橘系の匂いというものは、

    気候条件が災いして嗅ぐ事が殆ど無かった。

    その為、香りの中でもシトラスの香りは

    新鮮味を感じるので好きな匂いである


    『何か懺悔や告解をしたいのであれば

    此方も勿論お聞きしますが...』


    お礼をしに来た、という事なので

    相談という訳では無かったらしい

    となると彼女...シェディ・キッスは

    一体何をするつもりなのだろうか?

    神父は、全く予想が付かず困っていた。

  • 131ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/01(日) 22:28:32

    >>126

    『素晴らしい……です!』


    【人間では真似出来ない空中制御を以て、歯片だけでなく脳髄も飛ばす一撃を、メビはスリッピングアウェイで最大限いなす!】


    『では……失礼!』


    【後ろ回りで低姿勢着地、のち、金龍の背中へ回転を繰り出して跳ぶ!】

    【タッチアップリバーサオの要領で、回転速度と体重を1点に集中させた蹴りを、彼の頭上へ右斜めから振り下ろす!】


    シィッ!


    【ケイシャーダで培った操体法を用い、紙一重で頭を逸らす事で蹴りを目前で通り過ぎるのを見れば、右手を着いてからメビと似た形で、彼女の頭上へ右斜めから蹴り返す!】

  • 132シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 22:44:53

    >>130

                                ・・

    「それも良いかもしれないけど……、いやぁ、止しておくよ、一晩じゃ語り明かせ無さそうだし」


    【懺悔も、告解も、生きる為に積み重ねた罪は到底尽き果てぬ】

    【そういうものだと、グリゴリーとて悟っているだろう、両手に落ちる白んだ光は、不思議と赤く染まってすら見えた】

    【香水で誤魔化してもこびり付いて離れない、鉄の匂い】

    【ベルトに固定された拳銃用のホルスターは重く】


    「……ふふ、お部屋に案内してくれるんでしょう?」


    【なおも真意を語らぬままで、指先をそっと、己の口元に突き立てた】

    【「ここではまだ」「ヒ、ミ、ツ」と二度、口の形は変わる】

  • 133グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 22:57:55

    >>132

    『そうですか。...確かに、一理ある』


    一度習った信仰を思い出し、神父を志す前

    彼もまた血で血を洗う戦禍の渦中にいた。

    血税をもって人民に報いるというのは、

    所詮は人を多く殺せるかどうかでしかない

    故に彼は、他人の罪を聞き届ける事を

    使命だと志したのだが...それは別の話。


    ───────────

    ────────

    ─────


    『自室ですので、少し狭いですが

    大した部屋ではなく申し訳ない』


    シンと静まり返った礼拝堂を通り、

    小脇にある扉の先へとシェディを招き入れ

    いつも飲んでいる紅茶の香りが染み付いた、

    最低限の家具と家電しか無い部屋に入れる

  • 134シェディ◆PPyRfvMZl625/06/01(日) 23:26:50

    >>133


    「へぇ、神父様の居室って言うものだから、てっきりもっと……聖書とか、そういうのがズラーッと並んでいるのかな、なんて思っていたんだけど」


    【存外に殺風景なものだ、とは、羽織っていたコートをゆったりと椅子に投げかけながら】

    【質素倹約、それも確かにグリゴリーの印象に似合う言葉だ、仄かに薫る紅茶の香りにスンと吐息を溢せば、埃も積もっていないきちんと清潔に整えられた家財の縁に指を滑らせた】


                                     ・・・・

    「あの日からさ、何をどうすればお礼になるかなぁ、って、考えたんだ、命のお礼。

     お金とか、物を贈るっていうのも……でも、やっぱりやめといて良かった」


    【今、確信を得たことだった、この部屋の様子では、金も、物も、彼はきっと必要としない】

    【それ以前にただの独立傭兵の身の上で手に入るものなど、実際、クロノス・インダストリーという世界を二分する大企業の高官ともなれば、簡単に手に入るものでしかないのだろうし】

    【ならば、自分は何を支払えるのか】


    「……ねぇ、この部屋に、ちゃんとシャワールームはある?」


    【まるで運動の前の準備の様に、腕を高々と延ばしながら、女の表情は、一層、────────────妖しく、嗤った】

  • 135龍影◆9BZ6kXGcio25/06/01(日) 23:39:32

    >>91

    「...キスは勢いでするときと素面でする二種類があるんだよ、うてなちゃん。」

    龍影は台の唇に軽くキスをする。

    「高級なセクサロイドモデルの唇は若干甘いでしょ?」

    何をしているのだろうか自分でもよく分からなかった。だが確かに台の唇は龍影と触れ合った。

    「できそうな空気でまんざらでもないなら当たってけ。トオルが言ってたバカみたいなナンパ術だよ。」

    ケラケラと笑いながら龍影は脱衣所に向かった。

  • 136ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/01(日) 23:52:13

    >>131

    【ブォン!!!!!!】


    (これは……)


    【蹴り終えた直後、メビは再度着地した所で顔を上げる】

    【それで最初に見た物は、部屋の染み1つ無いほど白い壁ではなく、1振りの死線】

    【だが、彼女の綺麗な睫毛に触れるか触れないかの距離で、金龍が自らの意志でピタリと止めた事で、切られた風が当たるのみとなった】


    ……プフゥーッ……ってな訳で1本、俺の勝ちで良いかな……?


    【大きく息を吐き出し、力を抜いて横に倒れる。とても勝利を求める者の姿には見えないだろう】


    『……今回の模擬戦の結果については異論は有りません。しかし、本気でやると言った割に手を抜きましたね? 』


    【召し使いは主人と反し、這いつくばっていた状態から正座へと姿勢を正し、彼を見下ろす】


    いいや、全力で蹴りを止めたから手は抜いてねぇ

    それに、メビなら避けられたしまだまだ続けられるはず

    なのにサッパリと負けを認めているから、本当はそっちの方が甘いんじゃないの?


    【金龍は「ヘッヘッヘ」と笑いながら、頬を若干膨らませているメビに確認する】


    『人間らしさを追求されて産まれたのが私であるなら、きっと人間らしい誰かさんの影響を受けたのでしょう』


    【普通のAIでは出せない冗談も言い、彼女は少し心が晴れる(CPU内の情報処理量が減る)と立ち上がった】


    『とにかくです。予定よりも幾分早く終わったので、有意義に使いましょう。つまり、サッサと風呂に入って汗を流して下さい』


    りょ〜かいっと……

  • 137グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/01(日) 23:56:08

    >>134

    『聖書は有っても二冊、それに

    基本は礼拝堂に置いてありますので』


    神父は、物欲というものに縁がなかった

    また、金銭欲というものにも同じだった

    どちらも死ぬと何も持って行けないからだ。


    『............ありますよ。ただ、一つ忠告です

    ここのシャワー、少々温度が熱くてですね...

    貴女がゆっくり出来ないかもしれないのです』


    ここまでされれば、鈍感と言えど気が付く。

    ただそれでも配慮を欠かせられない男は、

    言葉通りに受け止めるのなら、ゆっくりと

    シャワーを浴びたい筈であろう客人に向かって

    "何故か"早く上がってきそうだな、と思い


    ・・・・・・・・・・・・・・

    風呂場から早く上がってきた事の言い訳が

    可能なように、わざとそう言ったのだ。


    『それでも良いなら、私は構いません』

  • 138東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 00:10:49

    >>135

    『...そんならウチは後者や』


    微かに甘い唇を軽く舌で舐めると、

    離れる龍影を左腕を使って振り向かせ

    出来なかった数センチを自ら、再び埋める

    分かっている。彼女には愛する男がいて、

    自分はあくまで古い友人に過ぎない事も

    彼女はもう、振り向く事はないという事も。

    ただそれでも....後悔だけはしたくなかった


    『─────ぷぁっ......、はぁっ、ふぅ......


    バカの言う事......少し聞いてくれるか、リン




    ......お前の事、ウチ......好きやってん。


    どっちか、なんて.........ウチに言わせんでな』


    実らない告白というのはやはり辛い。

    言葉の節々に涙と嗚咽が滲み出す。

    ただそれでも、後悔したくなかった。

    彼との旅路を応援したいと心から思うから

    自分では切れない未練の糸を、好きな人に

    せめてその手で切って捨てて欲しかった。

  • 139ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/02(月) 00:15:35

    >>129

    【また止まる。】

    「…確かに、聞きましたよ?」

    【現時点で外していた装甲を完全に外し、工具を持ったまま脚立を降りてアリソンの目の前に駆け寄る。】

    「ひとまず説明を…」

    【そう言って折りたたみ式の机を片手に掴み、もう片方に工具ごと何も書かれていない大きな方眼紙をつかむ。】

    「…つまりこれらの部分はあくまでゆとりの為にあるのでオミットしても問題はありません!」

    【できる限り分かり易く説明する。机上の方眼紙にはアリソンの乗機のチラ見しただけのフレームが精巧に書かれていた(本業:フレーム設計者故の変態技術。)】

    「まず装甲を全て外した後、余分と判断した部分を切り落とす方法を取ります。それなら時間もかかりませんし、欠点は『高い技術と精密さが求められる』事以外ありません。」

    【明らかに声がハキハキしている。】

    「フレームの加工はタンクの修理と関節の油差しの後に行う事になりますが…一晩で終わります。」

    【提示されたのは、明らかに短い時間。】

  • 140シェディ◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 00:50:58

    >>137


    【────────────なんて優しいヒトだろう、自分が何をしようとしているのか、分かっていて】

     ・・・・・・

    【事故の言い訳だって用意してくれる、気高く潔いヒト】


                     ・・・・・・・・・  ・・・・

    「ふふ、ふ────────────移動娼館ケデシャーの、戦闘娼婦サービスのご利用、ありがとうございます?」


    【……それはようやく、彼女の口から、直接神父に告げられた素性であった】

    【生きる糧に自らを売る、それはクロノスの用いる慰安制度とはまた事情が違う、彼女自身がそうすると決めた生き方】

    【命も、身体も、それだけが彼女に出来る対価の支払い方】

    【シャワールームに向かう道すがら、死臭を隠すシトラスの薫香を残して、娼婦は纏った衣服を一つ、また一つとわざとらしく脱ぎ落した】


    【無防備に、傷の残った背中を男の瞳に晒しながら】

  • 141アリソン◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 00:51:28

    >>139


    【煙草の靄越しに、エンジニアの説明を聞き解く、話し出したら止まらない機械ヲタクの気質、成程、これは変わり者揃いの機械屋の中でも突出した変人だ】

    【濁流が如く溢れ出す説明の一つ一つは、専門性に疎いアリソンの右耳から左耳へと流れ去り】

    【それだけ要点だけはどうにか噛み砕いて理解する】


    「あー、ぁー……まぁつまり一晩で済ませられるンだな?」


    【泊まり込みになるとは想定外だ、何処でも寝られる訓練はしているが】

    【幸いなのは、今のところ急ぎの用は無いこと、だろうか】


    「……ンじゃあ好きにしろ、だが良いか、少しでもおかしなチューニングをしやがったら今度はアタシの拳がてめェの頭をチューニングするからな」


    【ほんの少しだけ、苛烈な性格を露わにしながら】

    【ひとまず女傭兵は、この煤けた工房で一晩を明かす決意を新たにしたのだった】

  • 142グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 01:13:22

    >>140

    "移動娼艦ケデシャー"、その名前は

    グリゴリーもある程度は聞いた事がある

    情報、傭兵、女の色香...その三拍子が揃った

    艶っぽい一隻は、表も裏も関わりが深い

    欲望渦巻く常夜の艦で生き抜くというのは

    並大抵の決意ではないだろう。それ故に、

    グリゴリーは彼女を軽蔑する事は無い。

    その生き方に敬意を払い、予期せぬとはいえ

    相手も満足出来る顧客であろうとするのが

    今、彼の実行する最大限の礼儀であった。


    『神よ、少しだけ眼をお瞑り下さいませ』


    ロザリオを首から外して引き出しに仕舞い、

    代わりに忘れかけていた欲望を持ち出す。

    今日は安息日、任に少し暇を貰っても

    まだ言い訳程度は立つだろう、と

    背中の傷を敢えて晒してくれる娼婦を、

    眼に映った姿ごと脳裏に焼き付け始めた

  • 143ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 01:38:25

    >>138

    「――――あ、大浴場はここで……こっちが女湯か」

     赤い布があるので、そうなんだろうなぁと。ふらりと更衣室の前を通りすがる。

     アイスを食べる女性がいて、こちらに礼をしてくるので、礼を返して。


    『あ、あの……』

    「ん?」

     なぜか恥ずかしそうに、その女性が己に声をかけてくるから。気になって。


    『その、列車で貴方のことを見てました。その……えっと……貴方の仲の良い人が、もう一人の人と、仲良くしてましたよ』

    「そっか……良かった」

     え?という声が、アイスを手に持つ女性から聞こえた。おかしなことを言ってしまったかもしれないと思うが、気持ちは変わらない。


    「龍影と台さんは親友だろ? 仲良くしてるなら、それで良いんだ」

    『え、えっ?? その……とってとっても、ですよ?』

    「いやぁ……俺も人のこと言えないから、さ」

     下世話な話を避けるべく、頬をかくが。


    「台さんなら、全然良いって思ってる。それだけ」

     列車の、たまたま同じ車両にいた人に言うべきことではなかったかもしれない。

  • 144ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/02(月) 02:40:25

    >>141

    「ご安心を。小突く気さえ出ないものにしてみせますから。」

    【そう言って、ポケットから鍵を出す。】

    「本館の鍵と、私の自室の鍵です。私室の方は中にある物は全て使っていただいて構いません。」

    【それらを机に置くと、時間が惜しいかのように振り返って袖をたくし上げた。】

  • 145アダムス◆C01O2YJoxg25/06/02(月) 07:01:43

    【飯屋にて金龍大佐と会話した後。】
    【昇進祝いとしてお願いした枕カバーを送ってくれるらしい。それを喜びながら基地に向かう道を歩いていると】
    〔大佐と飯を食ったなんていいなー、私も大佐と食いてー〕
    「なんでそんな事知ってるんだ?」
    【いきなり同じ部隊仲間に肩を組まれてジト目で返してしまう。】

    【飯屋の事なんて喋っていないから情報は出回る事なんてないはずなのだがそれを知っている仲間に驚いている。】
    〔その場で見てたんだよ、私も大佐がいて驚いたよ〕
    「あの場にいたのか!?というか実際に会話した俺は驚くなんてものじゃなかったぞ?でもまぁ、あの人は良い人だな。」
    【軍人としてはまだ関わった事ないが個人としては良い人だと思う、これは本心だ。】

    〔へー…そこまで言うなら私も同席させてもらえば良かったかな〕
    「大佐にお願いして許可取れればいけるんじゃないか?俺じゃないと無理だと思うけどな!」
    〔おまえは大佐のなんなんだよ〕
    【笑っているアダムスの姿を苦笑しながら見ている仲間。】

    「じゃあ大佐じゃないけど今度一緒にやるか?」
    〔念の為に聞くけど何を?〕
    「遊びに決まってるだろ。他に何があると思ったんだ。」
    〔は?事務は?おまえの事だから事務関係かと思ったんだが。〕
    【分かってないと言わんばかりに首を横に振る。そしてドヤ顔をしながら】

    「俺は事務処理嫌いなんだよ、好んで事務処理なんてやりたくねぇの!」
    〔えぇ……〕
    【自分に向かって親指を立てている、それを見て〔私も早く昇進してやる…〕と燃えている仲間。】
    【そういう他愛ない雑談をしながら一緒に基地に向かっていく。】

  • 146シェディ◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 08:40:17

    >>142

    神の暇に、色を抱いてR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。


    ーーー

    【ざぁ、ざ、ざぁ────────────────曇りがかった水音は、擦りガラスの向こうから、爪先が流れ去る波を蹴る軽やかな反響】

    【娼婦の身支度はすぐに整えられて、ノズルの締まる擦れた様な金属音の後】

    【シャワーの熱を帯びて仄かに赤く熟れた肌を、敬虔な信仰者の視界へ再び晒し出した】


    「……ふふ、確かに、少し熱かったなぁ、ボクはもう少し、ぬるいのが好みだ」


    【纏った水気が艶々とフロアランプの光を跳ねる、濡れて纏まった青緑色の髪を手櫛で梳き纏め、首の後ろにかけて流す】

    【首元から視線を落とせば、過分に主張はしないがふっくらと形の良い乳房の頂点に咲く突起の様が、そこからさらに下を見遣れば、見苦しくないよう、縮れた毛の一本も残さぬ様に剃り落とされた股の間から、歩くごとに誘惑するみたいに香り立つ女性器のなだらかな膨らみが垣間見えた】


     ・・・

    「この間の傷」…
    00m.in
  • 147アリソン◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 08:40:34

    >>144

    【結論を言えば、アリソンに口出しが出来るのはそこまでだ、暫くは愛機の傷を確かめる様に、その場のパイプ椅子に留まってぷかぷかと煙草を吹かしながら】

    【高いところにあった日が傾いて来る頃に、未だ嬉々として機械弄りを続けるエンジニアの気質に少しばかり辟易しながら、彼女に教えられた通り、とても宿泊設備がしっかり整っているとは思えない“本館”の方へと姿を消した】

    【携帯灰皿をそのまま持ち込んで部屋の香りを煙草の煙たさに染め変えてしまったのは、後々になって考えれば、配慮が足りなかったかもしれない】


    ────────────────────

    ────────────


    【そして、翌朝】

  • 148ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/02(月) 09:06:17

    >>147

    「…zzZ…」

    【片手に工具を持ったまま、脚立に背を預けて寝ている。その後アリソンの気配を感じ取ったのか目を覚ました。】

    「はっ!…ああ…できましたよ。それも今までにないくらい。意識のあるうちに装甲を取り付けるまではできませんでしたが…」

    【そう言って向く先には、装甲が幾つか外れたままのキャンディボールがあった。】

    「少なくとも、何かしらの問題点の出ないギリギリの減量です。…あと当たり前ですが関節の状態とタンクの状態も万全。…まあタンクに関してはいっそ新しいのにすればいいとも思いましたが。」

    【寝起き故か、言わないと決めた言葉をポロリと言いながら残りの装甲の取り付けにかかる。まあ危なそうではなかった。】

  • 149アリソン◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 10:31:16

    >>148


    「おいおい、そのままで寝たのかよ、せめて横になれよな。

     寝不足でトチられでもしたら笑い話にもなりゃしねェ」


                ・・・

    【機械弄りに夢中になったギークはどうやら夜通しで作業をしていたらしい、自身の凝り固まった肩を解き解しながら、呆れた様にあくび混じり】

    【見上げればキャンディボールのあられもない姿、装甲のいくつかが未だ取り外されてはいるものの、それ以外、肉眼で確認出来るほどの代わり映えは無かった】

    【ホッと小さく息を吐く、どうやら約束は果たされたらしい】


    「まぁ、こまけぇトコロは乗ってからだな……」

  • 150ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 11:26:02

    「……どっちに入ろう」
     ケイは二つの布を見ながらうーんうーんと唸っていた。
     一つは男湯。そしてもう一つは混浴の方。
     ……ただし龍影は女湯にいるため、混浴の方には自分の好きな人はいないだろうことは確定だ。

     ――――とはいえ、なぜ悩んでいるかと言えば。

    「楽しみにしてる、って言われてるしな……」
     大事な人と、大事な人の大事な人から、楽しみと言われたからなのだ。
     男湯に女性が入るなどまず事故。だが混浴は混浴で…………。

    「うーーーーーんんんんん……」
     龍影の身体を、他の男に見られる可能性があるのは……まぁ、少しばかりモヤモヤするものがあるのだ。
     そう思いながら、ケイは頭を捻って考え続けていた。

  • 151龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 12:07:01

    >>138

    「ありがとう、伝えてくれて。」

    だがそれ以上は何を言ってもおそらく台を傷つけてしまうだろう。

    「でも…ごめん…」

    湯口から聞こえる流音で消えてしまう程、小さな声で答えた。

    拒絶や敵意、忌避などは一切ない。ただ安堵と懐かしさが込められていた

  • 152龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 12:15:39

    >>150

    〈お?あれはケイじゃねぇか?〉

    既に宿服に着替えた若い6人の男がゾロゾロと来た。

    〈姐さんの覗きっすか?〉

    〈今のところ台さんと姐さんの2人、あと逆巻の子が数名居るはずっすよ。〉

    〈カクレミノ(外套型光学迷彩)は湯気如きで露呈しないぜ?〉

    〈馬鹿よせって!姐さん相手にはバレるぞ!〉

    わちゃわちゃして学生のような事をしているが、ここに居る全員がヤマト整備士から技術を余すことなく叩き込まれたBF整備士の上澄みにいるのである。

    〈…って浮かない顔だな?むさ苦しい馬鹿しか居ねぇけど風呂、一緒にどうだ?〉

    〈姐さんと入るなら部屋備え付けのでイチャつきゃ良いんだよ。〉

    悩みは風呂で汗と一緒に流す。そんな考えの元、彼ら龍影付きの整備士達はケイを誘うのであった。

  • 153ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 12:34:58

    >>152

    「の、のぞ……!?!違うって!!」

     整備士たちの声に反応したケイは大袈裟に手を振って、否を示す。

    「そもそもそういうの良くないし……やって嫌われるとわかってることはしたくないし……」

     だんだん尻すぼみになっていく声と共に、ケイは整備士たちの言葉に少しずつ小さくなっているような、いないような。


    「悩みっていうか、何というか……」

     深刻な方は問題がなくなった……先送りにしたともいう……が、もう一つの方はまだ答えが出ていない。

     聞いてもらうべきか悩むところではあるのだ。


    (どうしよう?)

     悩みは渦のように思考を占有している。自然と肩が重くなる。


    「……台さんと龍影さんのことで、ちょっと」

     深刻な方ではない。だが、ケイにとっては同じくらい大事な悩みで。

     聞いてくれるというなら、風呂場でなくとも問題はないだろうと彼は思っていた。

     ……連れて行かれる可能性はあった。

  • 154東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 12:38:56

    >>151

    『..................そう、やろなぁ



    けど......けど、   


    やっぱ、辛いなぁ............』


    分かり切っていた事だったけれど、

    それでもやはり、失恋とは辛いもので

    止めどなく流れ落ちる涙には、

    淡い想い出の色彩が反射している


    "御免な"、そう消え入りそうな声で

    台は親友へとお礼を言った。


    それはきっとようやく自覚出来た、

    再開したが故に再燃してしまった、

    儚い、溺れるような初恋だったのだ。


    『......幸せにな、リン』


    痛々しい笑顔でも、涙を流していても

    きっと、その言葉は本心なのだろう。

  • 155ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/02(月) 12:43:39

    >>149

    「…終わりました。」

    【目の前の機体に装甲を付け終わり、降りてきた。】

    「試してみますか?重心は変えていないので操作性は変わってない筈です。それと軽くなった事で、理屈上はより速度と機動力が上がっていますよ。」

  • 156整備士◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 12:47:55

    >>153

    〈おっおう……よーしわかった。その話、聞いてやるよ。〉

    少々面を食らったが、ニッと男は笑う

    〈カメラ3台と警備2人、あっちには逆巻の子が居ます。内容によっては…〉

    ヒソヒソと声を潜めて話した為、皆円陣を組むように近づき、どうするか話し始めた。

    〈男湯の方はヤマトのおやっさんが確か入ってたよな?〉

    〈さっき出てきてたから多分中は誰も居ないはずだぞ?〉

    〈あれ?逆巻のパイロット連中はどうだっけ?〉

    〈まぁ居ても相談に付き合ってくれそうだけどな。〉

    〈それもそっか。〉

    話がまとまったのか、整備士達は顔をケイの方へ向けた。

    〈担ぎ込め!〉

    〈おっす!〉

    号令がかかり、ひとりがケイを抱え上げ、それを先頭に整備士達は男湯の脱衣場へと向かった。

    『…何やってんだアイツら…』

    マッサージチェアでくつろいでいたヤマトはその光景を呆れてみていた。

  • 157ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 13:06:23

    >>156

    「え、え!?!?うわぁぁぁ!?!?」

     そのまま担ぎ込まれ、あれよあれよという間に物事は進んで。


    「……はぁ……」

     身体を丁寧に洗ったあと、大浴場のお湯に浸かりながらケイはため息しか出なかった。

     覗きを算段するのは良いが、巻き込まれそうになったら上がって逃げようとか色々考えてはいる。いるが……。


    (台さん……)

     考えるのは、龍影にとっての親友のことで。

     どうしよう、とケイは大浴場の天井を眺めていた。

  • 158龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 13:09:38

    >>154

    「ありがと…うてなちゃん……湯あたりする前に部屋戻っちゃおっか…」

    ポロポロと涙を流し、遠くに忘れてきた片想いにどこか哀しい結末を迎えた台の手を優しく引き、脱衣場へ向かった。

    その間、ほんの20秒にも満たない時間ではあったが、台の前を歩く龍影は後ろを向かない。友人の心に一切の悪意無く、ナイフを突き立てたと云う罪悪感で、今、台の顔を見てしまうとおそらく涙と謝罪しか出てこなくなる。そんな事をしてしまえばますます台を傷つけてしまう。

    そう考えていると、脱衣場に到着した。

    体の水滴を丁寧に拭う。

    「宿服の柄、可愛かったよね。」

    寂しい空気に耐えかね、話題を振る。台からの反応は無かったが、続けた。

    「部屋に戻ったら着替える?旅行してるって雰囲気を強くしたいし。」

    笑顔になれとは言える立場では無い。なら1回くらいは。そんな安直な考えが瞬いた。

    だがそんなことをしてしまえば傷口が広がってしまう。

  • 159アリソン◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 13:10:21

    >>155


    【裸の身体(フレーム)に服を着せて、キャンディボールはようやく艶やかな元の姿を取り戻した】

    【たん、と、足元からコックピットへと駆け上り、慣れ親しんだコックピットへ身体を鎮めると】

    【バイザータイプの金色のカメラアイは、ブゥンと目覚めの電子音を轟かせた】


    「……機動は問題無し、後は飛んだ時の感触だな」


    【BFドックから一歩、外へと踏み出し荒野の渇いた風の中フワリと空中に浮きあがる】

    【加速、停止、旋回軌道、宙返り、────────────一通りのアクロバットを繰り返した後、納得行ったように機体は再び工房前へと着地して】


    「良い腕してるじゃねェかエンジニア、十分な調整だ、代金は言った通り登録証(カード)で支払っておく、足りなかったらまた請求しろ」


    【響き渡るオープン回線、愛機の無事を確認して、女傭兵はひとまず機嫌良く声を張り上げた】

  • 160ラルト◆C01O2YJoxg25/06/02(月) 13:20:08

    携帯端末のメモ帳に出来事と感想を書き込み初めてから時間が経ってようやく一段落。
    外の風に当たりながらメモ帳に書いていたために、少し身体を震わせて旅館の中に戻る。

    「外の風は気持ちいいけど長時間当たってたら風邪引いちゃうからな〜」

    飲み物を一つ買い、それを飲み喉を潤しながらロビーの椅子に座る。
    掃除屋としての仕事も食事も終わらせて、する事がないからか天井を見ながら足をぶらぶらさせている。

  • 161東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 13:55:54

    >>158

    『................御免な、リン


    しばらく...ひとりにしてくれ』


    服を素早く着て、荷物を全て手に持ち

    涙の筋が光る眼を無理矢理細めながら

    そっと親友の方を振り向いて...

    台は龍影の隣から身を引いていく。


    『ケイの部屋、行っといてな!』


    空元気で満ちた声だとすぐに分かる、

    気張った声で台は顔を振り戻した

  • 162整備士◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 14:04:39

    >>157

    〈ケイ…お前は姐さんのどこに惚れたんだ?〉

    湯船に浸かっているケイの隣に移動してきた男は話す。

    〈あ、俺の名前はウズミ。一応ヤマトのおやっさんくらいに整備の腕はあるつもりだ。名乗りが遅くてすまねぇ。〉

    ペコりと頭を下げる。

    〈姐さんを落としたってのは納得だな。〉

    下げた時に確認でもしたのか、そんな事を言う。

    一方、

    〈共に壁越えと…〉

    〈無理すんな!たかが8cmごときの隙間から見える幸せ空間なんてせいぜい体洗ってる後ろ姿だ!男湯とレイアウトが同じだとしたらそもそも湯船は死角にあるんだぞ!〉

    〈だから言ったじゃないか!初めっからカクレミノ被って女湯入った方が良いって!〉

    頑張って覗こうと試している声を聞いて、ウズミは頭を抱えた。

    〈普段は…いや、普段からあんなのだが、腕はいい連中なんだ。信じてくれ。〉

    困っているが、楽しそうな目をしている。

    〈…俺を含めてアイツら、姐さんに拾ってもらったアウトサイドでも底辺にいる戦災孤児とかなんすよ。〉

    ウズミが話し始めた。

    〈マーケットの食い物盗んだり、干してある服を盗って金に変えたり…まぁ、そこそこの悪ガキばっかでしたよ。でもそんな悪ガキをとっ捕まえてちゃんと叱ってくれて、デスペラードとかインベイドとかから護ってくれたのはいつも姐さんのチャオレンだった。多分他の奴らも姐さんに憧れたし、姐さんが初恋なんだと思いますよ。〉

    思い出しながら続けた。

    〈だからヤマトのおやっさんに頭下げて弟子入りして、チャオレンを完璧にする為にずっと技術を学んだ。でもアーヴィングに乗れない俺たちは姐さんの見てる世界を後ろから見上げるだけだったんだ。〉

    ケイの方を向く。その瞳は羨むものだった。

    〈だから腹が立ったんだ。アンタみたいにBF乗れるだけでオレらと変わらないやつが姐さんのお気に入りになるなんてって。〉

    すぐに友人を見る楽しそうなものへ変わる。

    〈だけどG-3、デスペラード、V-7、軌道降下。全部アンタは命を張って姐さんの横に立ってた。俺たちよりもずっと…だからよ、姐さんを護ってやってくれ。…ってつい話し込んじまったな。お前の話したい悩み事ってなんだった?〉

  • 163龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 14:17:29

    >>161

    離れようとするのをしっかりとその腕を掴み、歩みを止めさせた。

    「待って。」

    台の赤く泣き腫らした顔をしっかりと見る。

    「もっと言いたいこと、あるんじゃないの?」

    龍影は強く握ってしまったため、掴んだ腕をすぐに離した。痕は無い。

    「人の秘密とか心の内だけさらけ出させておいて自分は昔話で終わり?その好きは泣いて無くなるものなの?」

    そんなわけはない。自分がそれをよく知っているから。

    「あぁ!もう焦れったいな!」

    答えずに俯いてしまった台へ痺れを切らした龍影は台を抱き上げた。(毎度恒例のお姫様抱っこ)

    「部屋行くよ!」

    そのままやや小走り程の速度で部屋へ向かった。

  • 164ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 14:28:23

    >>162

    「はは……いや、気持ちは何となくわかりますので、おかまいなく」

     覗きに命をかけようとする数名に共感はするが、しないと決めたのはケイ自身だ。

     だからこそゆっくり彼……ウズミの話を聞く。


     彼らを拾い上げた龍影に対する恩義、無力を埋めようと技術を学んだことも。

     自分を腹立たしく思っていたことも、自分が龍影の隣にいたからということも。そして自分を認めてくれていることも。

     時折相槌を返しながら、ケイは言葉を咀嚼して。


    「えっと、その、な……俺は俺で、今すごい色々悩んでることが二つあって……どうやっても時間と俺の成長じゃなきゃ解決できないのが一つ。もうひとつは、その……台さんっていう、龍影の親友のことで」

     ひとつは、自分の選択したことに対する責任。後悔ではなく、どう受け入れるべきかの話で。だからこそあえて置くことにした。


     もう一つが元桜空の技術者にして、気さくで明るいBF乗り。ケイが持たない、幸せな龍影の青春時代そのものの彼女を話題にしたもので。


    「台さんが、いやお互いがとてもとてもお互いを大事にしてるのが分かるから」

     ゆっくり、言葉を紡いでいく。


    「……俺が、台さんから奪っちゃったのかなって。そう思うと……二人を傷つけないような……何かができないかなって」

     都合が良すぎる上に、女々しいですよね。なんて言って、何とか口の端を笑みの形に変える。


    「こういう時勢で、そういうものって分かってても……俺は俺で身体をその……慰安されたりとかはされたりしてるわけで」


    「……そんな俺を、好きだから、愛してくれるからって許してくれる龍影に。俺の方も何か返してやりたいんです」

     だから、と息を吐く。


    「台さんなら、良いかなって……思って……ぁぁくそ、ごめんなさいウズミさん。忘れてください」

     何言ってるんだろ俺、とケイはひとりごちた。

  • 165東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 14:33:07

    >>163

    『ゃめろっ......やめろっ!リンっ!!!

    やめて......やめてくれ......辞めてくれ!


        ・・

    ウチに、期待なんかさせんといて...!』


    何とか堰き止めかけた涙はまた決壊し、

    力なくぽんぽんと台の拳がぶつけられる

    ただそれでも、本気で抵抗する事はしない


    否、出来ないという方が正しいだろう。

    消そうとして躍起になった火種へと

    油を注がれては、心がまるで耐えられない

    脳味噌が四方八方から強く締め付けられて、

    見えない何かに握り潰されているようだ。


    『お前にはケイと幸せになって欲しいんや...

    ウチの気持ちなんてお前には背負わせられん!

    だから、半端に手なんか差し出さんでくれ...!』


    善意と真実で滅多刺しにされた台の心は、

    ミシミシと音を立ててヒビ割れている

    しかし、そのまま心を粉々に砕く事こそ

    新たな道へ続く経路......なのかもしれない。

  • 166ノーディス◆XGxCas/OAU25/06/02(月) 14:50:08

    >>159

    「…それは…」

    【何か言いかけるが、それを飲み込んで別の言葉を言う。】

    「…当然です。この私が加工したんですよ?不調など天と地が逆になっても起きません。」

    【…間を置いて話す】

    「…渡したいものがあります。おそらく貴方なら使いこなせるでしょう。」

  • 167グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 15:07:44
  • 168整備士◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 15:16:57

    >>164

    〈お前はそれでいいのか?〉

    ウズミは一呼吸置いて続ける。

    〈確か書類とか諸々の確認作業が終わればお前と姐さんは晴れて夫婦…だったよな?〉

    〈それならなんで、その足を後ろに下げちまう?〉

    心底不思議そうだった。

    〈隣に立てるお前が、燻った好意程度に負けるのか?そりゃ姐さんが抱きたいって言って聞かないなら止めない方がいいこともある。でもよぉ…〈どわぁ!〈ニシが落ちたぞ!〈壁越えなんて無茶をするから…〉

    話の腰を覗き未遂の馬鹿がへし折った。

    〈じゃかしい!…悪ぃ…あー…なんだ、もし自分が姐さん相手に不相応だって思うなら蒼風から降りろ。安心しろ、お前が降りた後はちゃんとドーザーに売ってやるからよ。それで俺たち整備班のひとりとして、姐さんの見る世界を見上げようじゃねぇか。そんな馬鹿言うやつに姐さんの隣を飛んで欲しくない。整備員としてもそんなやつの背中を見送りたくなんかない。〉

    ウズミの目は冷やかなもになっていた。

    〈配慮とお節介は違ぇんだよ。ケイ、お前からしたら配慮のつもりかもしれねぇがそれが姐さんにとっては要らぬお節介…なんてこともある。そういうもんこそ、当事者の1人であるお前が1人で抱えずに姐さんにぶちまけちまえよ。お前はどうも1人で抱え込みすぎちまう癖があるって姐さんが言ってるしよ。〉

    あくまで友としての助言だった。まぁ間違ってたとしてもテキトーコクよりかはまじであろう。

  • 169龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 15:33:44

    >>165

    「その言い方!望み薄な期待はしてたって事でしょ?!ならあの時に、伝える前になんで押さない!」

    部屋に着いた龍影は並べられた座布団へ台を押し倒す。

    同じ石鹸の香りなのだが、龍影からはそこに不快にならない程度の甘い花の香りが足されていた。

    せめて…艶くらいR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。

    ーー

    龍影は押し倒した台に半ば強引に唇を重ね、舌を絡ませる。お互いの唾液は絡み、混ざり合い、トロトロと形が変わり、撓んだ愛へ姿を変えた。

    唇を離すと、舌からは名残惜しそうに半透明な糸が伸びる。

    「顔を逸らしたあの時、ホントはこうしたかったんでしょ?」

    龍影は恍惚な表情で笑う。

    「私の全部を知りたかった。なんなら貪りたかった。違う?」

    龍影は台に馬乗りしながら、服を脱ぐ。そこで露わになったのは、落ち着いた紺色ではあるが、性的好奇心を掻き立てるようにデザインされているセクサロイド用の下着である。

    「これのホックは自分で外したい?東雲さん。」

    龍影は煽った。舌を絡ませた時、既に龍影の秘部は熱を帯び、粘液を零していた。当然、その粘液は押し倒され、龍影に跨がれている台の服にシミをつくる。

    少し酸味を感じる甘い匂いが鼻をくすぐった。
    00m.in
  • 170ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 15:54:37

    >>168

    「わかんないから聞いてるんだけど、な」

     覗きだ何だと騒ぐ外野をよそに、ウズミの言葉は思った以上にパンチが効いていたのかケイは苦笑いしかできなくなっていた。


    「足を下げるっていうか……なんだろな……自分でも本当にわからなくて」

     自分にとっての唯一が龍影なのはその通りで。けど、龍影にとってみれば台もその枠だろうことは何となく分かっていて。

     いや、唯一なんて沢山あるという論があるからこその迷いでもあった。


    「関係性って、沢山あるじゃないですか……一番の親友、大好きな家族、他にもまぁ色々……で、どうにか全員悔いがないようにって考え込んでる感じで」


    「台さんに負ける、とか。そういうことを言ってるつもりじゃあなくて……ぅぅん……!!降りろまで言うならこっちもこっちなんだが……!!」


    「配慮とお節介の境界線って難しいよな……」

     腹の底から出るような声を出しながら、首まで湯に沈む。


    「……仲良くしてる龍影と台さんを、さ。見たいんだよ」

     ぼろっと溢した言葉を聞かれたな?とケイは思った。


    「……ああもう良いや正直に言うよ!!俺は!!龍影と台さんが仲睦まじくねんごろしてるところが見たい!!見れなくても良いけどあの二人がそういう関係になってるところは見たいんだよ!!」

     酒なんて飲んでないはずなのに酔っぱらいみたいなことをケイは言い出した。


    「俺と!!台さんは!!!別腹くらいに思ってくれて良いというか!龍影の一番大好きな女として台さんはいて欲しいというか!?まぁ龍影が一番大好きな 男 の座は俺譲らないけどね!?!」

     もうどうなってもいいか、という思いでぶちまけていく。

    「俺は!!!少しわがままだったりしおらしかったり獰猛だったり!!綺麗で優しくてちょっとえっちな龍影が好きだから!!」


    「そんな龍影のことが俺と同じくらい、いや俺は負けるなんて思ってないけど!?でも大好きな台さんも幸せにしてやりたい!!なんな一生龍影の取り合いだってして良いくらい台さんのことだって好きなんだ!!」

     だめだこいつ。完全にのぼせ上がっている。


    「台さんを失恋させて、痛々しく身を引かせて!?その横で結婚!?それって負けじゃねぇかな俺の!?って思ったりするわけなんですよ俺は!!」

     酒を飲んでいないのが不思議なことを、のぼせるだけで言えてしまうあたり相当煮詰まっていたようだ。

  • 171東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 16:05:38
  • 172整備士◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 16:26:15

    >>170

    〈黙って聞いてりゃズケズケとぉ!〉

    〈ニシ、やめとけって!〉

    〈そんだけ好きってのが言葉にできるならそれを面と向かって姐さんに言ってみろってんだ!あ、?〉

    ケイを殴ろうとしたニシは湯船をバシャバシャと移動していたら突然すっ転んだ。おそらく足元のタイルをいい感じに踏み損ねたのだろう。

    〈だーっ!言わんこっちゃ無い!〉

    完全に伸びてしまったニシを湯船の外へ引っ張り、水を思い切りぶち当てたところにかけ、介抱している。

    〈恋愛ってのはそんなもんだ。誰かの片想いをぶんどる。それに心を痛めるならお前も俺らと一緒だ…って…台の姉さんと姐さんがネコタチしてても大丈夫な口のか?〉

    ウズミはケイが何を言っているのか理解に戸惑った。だがこの色ボケ、目はマジなのである。

    〈…ってのぼせてるじゃねぇか!水風呂に入れるぞ!〉

    〈ニシはどうする?〉

    〈テキトーに水かけとけ、まずはケイを優先するぞ。イグサ、脇から手を通して持ち上げろ。俺は足を持つ。そんでそのまま水風呂に移すぞ。〉

    〈あれ?のぼせてるのに水風呂って危ないんじゃ…〉

    〈それで死ぬのは体をいたわってない40超えたジジィ共だけだ!18でパイロットやれる頑丈なのがヒートショックで死ぬほど血管細いか?〉

    〈わかったよ。〉

    〈うっあぁ…肘が…〉

    〈お前ははしゃぎすぎだ。ニシはそこで頭冷やしとけ。〉

    〈殺生なー〉

    ウズミはイグサと2人でケイを水風呂へと移す。

    〈2頭追うなら投網しろ。姐さんが教えてくれた諺だ。どどっちか選べないならもうどっちも捕まえようと回り込むより最初っから捕まえに行けって意味らしい。流石に2人とも部屋に戻ってるだろ。水風呂で頭冷やしてから会いに行ってこい。どうなるかは知らんが。〉

    この色ボケはハピエンな頭こそしているがガメつい。それもかなり。まぁ…それくらい出なきゃ姐さんを落とせないってことでもあるのか…

  • 173龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 16:47:59
  • 174シェディ◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 16:57:55

    >>167

    神の暇に、色を抱いてR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。


    ーーー

    【抱き合うお互いの首筋が、噛み合った様に交差する、女の香りに思考を浸す神父の背は着古したカソックの布地がざらついて、少し、硬い感触だった】

    【すぅ、と、彼と同じ様に息をする、あの日と比べると汗の匂いが薄いから、多分、今日はデスクワークばかりをしていたのかな、────────────────なんて】


    「ッ、……ぁ、んっ……ふふ……えっちな触り方だなぁ……。

     クロノスって、慰安制度とか、……ん……ッ、あるんじゃ、なかったっけ……神父様、は、……普段、どうしているの?」


    【グリゴリーが傷跡沿いに背を辿れば、そわり、産毛が逆立つ様な気がした】

    【女としては結構な上背がある筈の彼女でも、彼はそれより更に高い、……追い付こう、として踵が浮いた】

    【性行為の起こり、とすら言えない様な皮膚の更に上からの触れあい、けれども押し潰された乳房の狭間からは、と…
    00m.in
  • 175ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 17:15:13

    >>172

    「ぅー……」

     言いたいことを言い切った影響なのか、ケイはウズミとイグサの手で風呂場からふらふらと引き上げられ、千鳥足で水風呂に入っていく。

     全身の血管がバクバクと音を鳴らして、体全体が心臓になっているが如き状態だった……そのまま水風呂に浸けられる。


    「つ、め、たぁぁっっっっ!?!?」

     奇妙な叫びとともに上がろうとするが、抑え込まれているので逃げることはできない。


    〈2頭追うなら投網しろ。姐さんが教えてくれた諺だ。どっちか選べないならもうどっちも捕まえようと回り込むより最初っから捕まえに行けって意味らしい〉

    「ひ、ぃぁ。ぅぁ……ふ、ぅぃ。そう、なんですね」

     のぼせをゆっくりと戻されていく状態で、なんとかケイは口を開いた。


    「でもその、ネコタチに対して……男が挟まっていいのは、二人組にサンドイッチされたときだけで、でで、で?」

     それがのぼせて、眠気がある間の最後の発言で。


    「はぁ……男であるウズミさんに正直に言うと。龍影と会う前にその……別の街でそういう関係だった女性傭兵二人組が仕事仲間にいまして。まぁ連絡先交換とかはしてないんですが……」

     水風呂で、震えながらである。


    「ピンナップ?とかもペアでそういう絡みがガッツリだったんですよ……すっげぇ綺麗で。混ざりたいなとかそういう気持ちもなくなっちゃうくらいで……まぁ、どうこうする拘りは持ち込めないですよね」

     性癖の一つや二つは青少年ならば歪むもの。だがどうやら龍影と出会う前、そこだけは既に歪んでいたらしい。

     とはいえスッパリと割り切る。ケイと龍影、台の問題になっているからだ。拘りでおかしなことになったら目も当てられない。


    「ちょっとのぼせない程度に入り直したら、お風呂上がって会いにいきます。夕飯の時間だと思いますし」

     吐き出せたからか、楽しめる余裕を取り戻し始めたようだ。

  • 176東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 17:20:17
  • 177グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 17:35:48
  • 178整備士◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 18:27:54

    >>175

    〈…まぁ…なんだ…頑張れよ…〉

    なんてこいつは性癖について語ってるんだ?

    しかしなるほど、ロッテで女同士が組むのも珍しいな。そんな事を考えていると、ケイは頭が冷えたのか、また熱い湯船へ浸かりに行った。

  • 179右回りの変態◆xZJxX8ZGsA25/06/02(月) 19:55:22

    【それから食事を終え、途中で落としそうになりながらも食器を片付け、ウルヴィは身体を引き摺るように寝室を目指す】

    【重い。鈍い痺れが手足を覆って、力が入らない】
    【寒い。霜が降ったようで、身体を動かせば割れるような感覚がする】
    【熱い。熱病かのように、頭がのぼせて、思考が宙ぶらりんに浮いてしまう。何も考えられない】
    【重くて寒くて熱くて痛くて、呼吸も鼓動も苦しい】

    【ぼふん。ベッドに倒れ込めば、シーツに頭が埋もれる。ランセルの匂い、ウルヴィの匂い。使っている洗剤も同じであれば、共にした時間の分だけそれは溶け込み、混ざり合っている】

    【陽溜まりに似た安らぎを感じながら、意識を手放そうとしたその時】

     ・・・
    【割れた。─────頭が割れた。心臓が割れた。肺が、腹が、脳が、瞳が、骨が、『ウルヴィ』が、割れて割けて裂けて割裂て割裂て割裂て割裂て割裂て割裂て割裂て】

    「……っ、うッ……く…っ…………」
    【砕けて掻き混ぜられて綯い交ぜになって変わって、否、変えられていく】
    【縁を求めるようにその手は、無意識の内にベッドシーツを握り締める。そんな抵抗も虚しく、彼女は“変質”していく】
     
    【『血』が駆け巡る。喰い潰すように、肢体を苦痛が蹂躙する】

    「…………ぁ」
    【頭で何かが弾ける音がして、意識が灼ける】
             ・・
    【その身に起こった変化を、彼女はまだ知らない】
    【その血こそが、彼女を“生かして”いたものだということも】

  • 180龍影◆9BZ6kXGcio25/06/02(月) 20:32:22
  • 181シェディ◆PPyRfvMZl625/06/02(月) 20:37:28
  • 182東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 21:15:30
  • 183グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/02(月) 21:47:32
  • 184ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/02(月) 22:47:26

    >>178

    「はぁ……次のぼせたら上がろう……」

     ちゃぷん、と湯船に浸かり。ゆったりと息を吐く。 

     純粋に気持ちいい、と思えるお風呂がいつぶりなのか分からないが……ケイにとっては至福であった。


    「ロッテで女性同士ってのはまぁありふれてたんですけど、そういう関係だったってのが珍しかったんです」

     湯に入りながらの補足である。こいつ吐き出すもん吐き出したら自由になったな。


    「で、偶然裏路地で隠れるようにその……キスしてるのを見ちゃって。良いなって」

     性癖の歪みの1つ目が、自分を対象としない恋愛ってどうなんだとケイ自身思うが……もはや歪んだものは仕方ないと割り切っている顔だった。


    「台さんみたいな可愛くて背が小さい人と、龍影みたいな長身の人が絡み合うのは……良いと思うんですよ」

     想像してみましょうよ?とかウズミに言い出すケイは、覗きをしない代わりに想像力という方で年相応さが出ているのかもしれない。

  • 185ノイン◆fDey8JUvvk25/06/02(月) 22:54:30

    「(和装はパイロットスーツより脱ぎ着に時間がかかるのが欠点だな……)」
    【そんなことを考えながら服を脱ぎ、畳んで脱衣所のロッカーに入れておく】
    【ペペロンチーノの件を従業員から厳重注意された後、いくらかの巡回を終え】
    【警備の方もお風呂をどうぞ、と利用を勧められたのだ】

    「(それにしても、お風呂か。)」
    【シャワー派であり、あまり馴染みはなかったが百聞は一見に如かず。何も持たずに戸を開け、浴場へ足を踏み入れる】
    【あるいは、建物の外へと踏み出す】

    「……。」
    【先ずは塀の高さと射線も通っていないことを確認した】
    「(身を隠す場所は多そうだが……ここまで入られれば終わりと割り切っているのかな)」
    【露店風呂。石造りの湯船にはにごり湯が張られ、岩の間から滾々とかけ流されながら湯気をたてていた】
    【木で組まれた屋根が檜にも似た香りを漂わせ、日本庭園のような自然が湯船を囲む】

    「よくできているな……。」
    【一人呟く。ノインにも分かる程度にはそれらしく上等であった】
    「……ふむ、まずはかけ湯か」
    【案内表示を熟読し、桶を手に取った。説明通りに足先から始め、少しずつ何度かにわけてお湯をかけていく】
    「よし。」

    【そしてゆっくりと温泉に浸かった】
    「(メンテナンスの感覚に似ているが、あれほど人工的ではない……)」
    「(……何だろうな、この感覚は………)」
    【実のところ、初めての体験であった。静かに、静かに。温泉を堪能している】

  • 186ノイン◆fDey8JUvvk25/06/02(月) 22:55:54

    【実のところ浮かれていたのだろう】
    【ノインの入っているのは混浴の露天風呂だが。混浴という言葉の意味は、すっかり頭から抜け落ちていた】

  • 187ラルト◆C01O2YJoxg25/06/03(火) 00:23:58

    「……仕事終わらせるとこんなにも暇なのかー」
    ロビーの椅子に座りながら足をぶらぶらさせるのも飽きて溜息をつき普通に座っている。
    唸ってどうしようか考えていると従業員に温泉をお勧めされた。

    確かに掃除終わらせてペペロンチーノ食べて、外に出て身体冷やした。
    この状態で温泉に入れば気持ちいいだろう。そう判断し温泉の場所に向かう。
    「温泉温泉〜♪」
    着替えを持ち機嫌良さそうに。

    そして温泉の暖簾の前まで来て足が止まる。
    「(混浴…?)」
    少しその場で思考し始めるが、まぁいいかと混浴の方の暖簾をくぐり中にに入っていく。

    鼻歌を歌いながら着替えを棚に入れ、タオルを腰に巻く。タオルを身体に巻くのが温泉に入る時の姿らしい。
    「(なんで身体に巻くんだろうなぁ…)」
    掃除屋としての仕事で見た本に書いてあっただけでよく知らない為、不思議に思っているが温泉が目の前にあるという高揚感によってその疑問も吹き飛ばされる。

    姿鏡の前で傷ひとつない色白な自分な身体を見て
    「(こんな状態でいれられたのは奇跡かも?)」
    不思議な表情をして頷き、浴場へ足を向け浴場の扉へ手をかける

  • 188シェディ◆PPyRfvMZl625/06/03(火) 00:32:04

    >>183

    神の暇に、色を抱いてR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。


    ーーー

    【口付けが呼吸を妨げる、重ねた肌に真新しい赤い傷が見えて、それが得も言われぬ歓びを掻き立てた】

    【クロノスの高官と、たかがデスペラードの娼婦、二人の立場の違いを思えばこれがたった一夜の交わりに終わると心の奥底では知っていて、きっとそれ故に、この高潔な人が自分という存在に現を抜かし過ちを犯したのだという現実を、刻みこみたくなったのか】

    【────────────────嗚呼、綺麗な赤だ、どれだけ人間離れした清廉さを誇っていても、血が通っている】


    「は、ぁ……ッ、ふ、ぅんッ……!」


    【男の熱ばんだ指先が膨らみを弄ぶ、ふるりと、肌の感触は吸い付き纏わりつく】

    【普段は独り舞台の寝台にその色の薄い肢体を押しやって、妨げるものを脱ぎ捨てた潔白の躯体は、女のそれと比べて明らかに一回り頑丈で、堂々としていて、精悍で】

    【股座から反り立つ雄の象徴は、彼女…
    00m.in
  • 189ミハエル◆j28rRKKOSY25/06/03(火) 00:45:55

    >>185

    >>186

    【館内の巡回を一時中断し大浴場への廊下を進む、夕食前だからだろうか、宿泊客の多くは部屋に戻ったようで廊下は閑散としていた】


    【警備の人間も、と入浴を勧められてここまで来たが、ミハエルの頭にはかつて浴びせられた言葉が再生されていた】


    『…あんま言いたくないんだけどさ…次回からは制汗剤と消臭剤も持ちなさい。だいぶ匂うわ』


    「まだ匂うのか……?」


    【あれ以来気を使ってはいるつもりだがまだ匂うのだろうか?入浴を勧められたのが善意からなのかを考えこみながら女湯を通り過ぎた先の布を潜る、横に書かれた混浴の文字は目に入らなかった】


    >>187

    「お、ラルト君も風呂か?」


    【脱衣所に先に着いていた掃除屋の少年に気づき声を掛ける、手早く服を脱いで同じようなタオル姿だけになり横に並ぶ、傷の無い彼の身体と反比例するように幾つかの傷跡を残した身体が鏡に映った】


    「また会うとは偶然だな、退屈しないで済みそうだ」


    【風呂場への扉に手を掛けると彼の代わりに開ける、ガラガラと扉が横に滑る音は、中に先客がいればこちらの存在を知らせる呼び鈴となるだろう

  • 190グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/03(火) 01:29:23
  • 191グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/03(火) 01:36:41
  • 192ラルト◆C01O2YJoxg25/06/03(火) 07:38:53

    >>189

    浴場への扉に手をかけたら声をかけられ、後ろを見るとミハエルがいた。

    知ってる人だった為、安堵したがミハエルの身体を見て別の驚きが襲う。

    「そうですね?退屈はしなさそうです」

  • 193シェディ◆PPyRfvMZl625/06/03(火) 11:00:49

    >>190

    神の暇に、色を抱いてR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。


    ーーー

    【禁断であればこそ、それは甘く香り立つ、遠い神話の時代から神ですらも逃れ得ぬ摂理がそこにある、慾望とは、一度溢れ出せば決して留まることを知らぬ濁流だ】

    【神父が徐に腰を揺り動かすのが、人間であるという何よりの証明で、それが嬉しくてたまらなく、娼婦は眼下で妖艶に表情を綻ばせた、もしもこれを恋慕や愛だと言うのなら、なんと邪で醜い感情だろうか】

    【────────────────良い、邪であれ、醜くあれ、それがファム・ファタルの在り方と知れ、端からこちらは無法者(デスペラード)だ】


    「あ、ぁ、ッ、あぁあッ……!」


    【衝いて穿つたまらぬ熱情の塊に、吊り上げられたみたいに女の背が撓む、弓形に反って、抑えられぬ呻きが口を突いて零れた】

    【焦がされる様な素肌の感触、ぎゅぅ、とたまらなく絡みつく膣襞の一列一列が、避妊具すら忘れて貪る男の暴を潤んで包み込んだ】…
    00m.in
  • 194グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/03(火) 12:01:41
  • 195ノイン◆fDey8JUvvk25/06/03(火) 12:39:42

    >>187

    >>189

    「ああ、お疲れ様です。先に失礼しています。」

    【扉の先。音に振り向いてそちらを向くその女は平静であった】

    【髪は頭の上に纏めて湯船につからぬように。体は胸のあたりまで浸かっており、貴方たちを見ると小さく色白の手を振る】


    「これはいい湯です。ああ、お節介ですがかけ湯はお忘れなく。マナー及び心臓発作の防止とのことだそうですよ。」

    【落ち着いた調子で、しかしどこか嬉しそうにかけ湯の方を手で示す】

    「それにしても、奇縁もあるものです。いや、纏めて案内されたのなら必然やもしれませんが。」

    【ペペロンチーノ名乗りの方がはずかしかったのだろうか。あまりにも堂々とし過ぎて違和感を感じないかもしれない】


    【この自称マルガリータ・ペペロンチーノは強化人間であり、こまめなメンテナンスを強いられていた】

            ・・・・・・・・

    【一糸纏わぬ姿も見られ慣れている】

    【その感覚が他者とズレていることには珍しく気付いていないのだ】

  • 196二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 13:17:24

    このレスは削除されています

  • 197ミハエル◆j28rRKKOSY25/06/03(火) 13:17:53

    >>192

    「人と入るのは随分久しぶりだからな、昔を思い出すよ」


    【露天風呂へと足を踏み入れながらラルトの横に並ぶ、見事に整えられた温泉に感心していると湯気の向こうから声が掛かる】



    >>195


    「ああ、ご親切にどうも……って」


    (女性の声?)


    【声の主に目を向ける、胸元まで湯に浸かっているが、その白い肌を見せてこちらに手を振るマルガリータ・ペペロンチーノがそこにいた】


    「え?ここ男湯じゃ……?」


    【恥ずかしがる素ぶりも無い彼女の姿を視界から外そうと首を曲げつつ、湯の中の彼女に疑問をぶつける】

  • 198ラルト◆C01O2YJoxg25/06/03(火) 13:24:07

    >>195

    先客がいた事に驚き、その先客がマルガリータだというのにも驚きを隠せない。

    確かに混浴を選んだのはラルトだ、先客がいる可能性、それもちゃんと考慮しており、ちゃんと先客はいた。

    だが驚きが隠せないのはあまりに堂々としているマルガリータに対してだった。


    「す、少しは驚くとかなさらないんですか?」

    混浴と書かれていても一人で入っていた所に他人が入ってきたのだ、普通であれば驚く人が大半だろう。


    >>197

    そういう事を喋りながら横にいるミハエルを見ると首を曲げている。

    その反応を見て、こっちの仲間だと再認識する。

  • 199シェディ◆PPyRfvMZl625/06/03(火) 13:29:33

    >>194

    神の暇に、色を抱いてR-18(G)パート

    ⚠️注意事項⚠️


    ・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!

    ・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。

    ・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。


    ーーー

    【わざとらしく艶やかな様相に隠し立てた打算と戯れ、それが政治と死の渦巻く戦闘娼婦であり万屋の振舞いであるならば、今、打算も何も持ち合わせずただ焦がれる様な快楽に身を悶えさせるのは、一人の女としての本能に外ならず】

    【身を守る術も剥がされて雄の腰使いに委ねる雌の身には、弾ける蜜の飛沫と共に、脳幹までも浸す背徳の悦が迸る】


     ────────────────ぷ、ちゅっ、ごりゅんっ……!


    「んあ゛ぅッ……!あ、ぁ゛ッ……!」


    【両の腕で抱え上げた骨盤ごと、形を変えて馴染ませてくる様な、容赦の無い刺突が最奥へと叩き付けられる、そのただの一突きで、幾人もの男を迎えて来た筈の売女は初めての破瓜の痛みに耐えんとする乙女の様にしなやかな肢体を跳ね上げた】

    【敬虔にして凄絶な禁欲の果てを解き放った神父の躯体が、全霊を以て一人の女を抱くのだ、敢えて言うなら…
    00m.in
  • 200ミハエル◆j28rRKKOSY25/06/03(火) 14:36:21

    >>198

    「彼女は気にしなさそうだがあまり見ない方が良いと思うぞ、多分」


    【首を曲げながら横、というよりは頭の後ろに立つラルトに声を掛ける、彼の視点ではこちらの後頭部しか見えないだろう】

オススメ

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